JP2001137735A - 廃プラスチック粉砕装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異物が混入している廃プラスチックの粉砕処
理可能な廃プラスチック粉砕装置を提供する。 【解決手段】 上部に投入部、下部に粉砕部、その間に
導入部を有している。粉砕部には、駆動モータ５によっ
て回転される水平に配置された粉砕ディスク６がある。
粉砕ディスク６の上の外周には、ディスク６上のカッタ
７の先端との間の隙間を変化させた押さえつけリング８
が配置されている。投入部と導入部の間には、面を水平
位置から鉛直位置に回動可能に支持された投入ガイド１
２が設けられ、また、導入部の胴３の内面には３個のバ
ッフル９が設けられている。粉砕部の外周には、集塵口
１５をもつ集塵ジャケット１３が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチック、
特に建設現場等の事業場において排出される廃プラスチ
ックを粉砕して回収する廃プラスチック粉砕装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】発泡ウレタン等の廃プラスチックを粉砕
して回収する装置のニーズは高い。その一例をあげる
と、建設現場にて壁面等の断熱のために行なう発泡ウレ
タン施工工事では、Ｒ液とＰ液の２種類のウレタン原液
をミキシングガンで混合して壁面の下地に直接スプレー
する断熱工法が行われている。

【０００３】この断熱工法を採用する場合は、発泡ウレ
タン施工境界部において養生シートで非施工部をマスキ
ングする必要があり、発泡ウレタン施工後に養生シート
を除去することにより余剰のウレタンが除去可能とな
る。この養生シートには余剰の発泡ウレタンが付着し、
養生シート接着用のテープが混在している。建設現場に
は、このような廃プラスチック（硬質ウレタン）が発生
し、これを回収してリサイクルするという要求と共にそ
の処理対策が求められるようになっている。

【０００４】従来、廃プラスチックを含む産業廃棄物の
処理機としては種々の形式のものが使用されており、そ
の例を図４と図５に示してある。図４に示すものは、処
理容器内に回転刃３１を水平軸によって支持するととも
に、固定刃３２及び他の複数個の固定刃３３を設けた構
造であり、回転刃３１と固定刃３２，３３の間に廃プラ
スチックを含む産業廃棄物を通過させることによって粉
砕する装置である。

【０００５】また、図５に示すものは、水平軸によって
支持された回転ディスク３５に多数のカッタ３６を取り
付けてあり、容器に固定した固定刃３７との間で廃プラ
スチックを含む産業廃棄物を粉砕するものである。３８
は多孔板で所定の細かさに粉砕されたもののみを通過さ
せるためのものである。

【０００６】図４，図５に示した装置のように、従来の
粉砕装置は、水平軸に取り付けられた回転刃によって廃
プラスチックを含む産業廃棄物を粉砕する型式のものが
多い。しかしながら、建設現場で生じる廃プラスチック
は上記のように廃プラスチックと共にシート状のものを
含んでいるため、このような廃プラスチックを回転刃を
もつ粉砕装置で粉砕しようとすると、それらのシート状
のものが絡み合って回転刃に巻きつき、詰まってしまう
ことが多い。

【０００７】また、建設現場で発生する廃プラスチック
を含む廃棄処理を処理業者に委託する場合、すべての事
業者はマニフェストの交付が必要となる。これらの通常
廃棄処理を行う場合は費用も嵩み、廃棄物の有効活用が
出来ない。従って、各事業場より排出される廃プラスチ
ックを含む産業廃棄物を、その事業場内で再生、再利用
することが、廃棄費用の削減と共に環境マネジメントの
要求に貢献することになる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、養生シート
等の異物が混入している状態の廃プラスチックを処理し
ても、その養生シート等がカッタに巻きついたりするこ
となく粉砕処理可能にした廃プラスチック粉砕装置を提
供することを課題としている。また、本発明は、発泡ウ
レタン施工工事場所等の作業場所で廃プラスチックの粉
砕処理ができ、更に、所要の大きさに粉砕した廃プラス
チックを回収することができる廃プラスチック粉砕装置
を提供することを課題としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は上部に投入部、中間に導入部、下部に粉砕
部を有し、前記投入部と導入部との間には、面を水平位
置から鉛直位置に回動可能に支持された投入ガイドを備
え、前記粉砕部には水平面内で回転し、上面に多数のカ
ッタが設けられた粉砕ディスクと、同粉砕ディスクの上
の外周に配置されていて、前記カッタの先端との間の隙
間を変化させた押さえつけリングと、前記粉砕ディスク
によって粉砕された廃プラスチックを外部に排出する集
塵口とを有する廃プラスチック粉砕装置を提供する。

【００１０】前記導入部の内周面上に、被粉砕用の廃プ
ラスチックが前記粉砕ディスクの回転による連れ回りを
制限するバッフルを設けた構造とするのが好ましい。

【００１１】前記した構成をもつ本発明の廃プラスチッ
ク粉砕装置によれば、投入された廃プラスチックを投入
ガイドを水平位置にして受け入れたのち、投入ガイドを
鉛直位置へ回動する過程で廃プラスチックを下部の粉砕
部における粉砕ディスク上へ導入するとともに大きな廃
プラスチックを粉砕ディスクへ押しつける。粉砕ディス
ク上の廃プラスチックは、粉砕ディスクの回転により粉
砕ディスク上のカッタで粉砕される。

【００１２】粉砕ディスクの上の外周には、カッタの先
端との間の隙間を変化させた押さえつけリングが配設さ
れているので粉砕が進まないものもその押さえつけリン
グで粉砕ディスクへ押し付けられて粉砕されていく。こ
うして粉砕された廃プラスチックは、粉砕ディスクと粉
砕部胴の間を通って粉砕ディスクの下に集まって集塵口
から外部に取り出すことができる。

【００１３】なお、集塵口に集塵機、粉砕プラスチック
以外の粉砕物を除去するフィルタ、及び粉砕プラスチッ
クを補集する集塵袋を、この順に配設すると、異物を排
除して所要の大きさに粉砕された廃プラスチックを安定
して回収することができる。

【００１４】本発明の廃プラスチック粉砕装置におい
て、投入部、及び導入部の少なくともいづれか一方に難
粉砕物を取り除くための覗き窓を設けると、廃プラスチ
ックに混入していたシートや大きな異物が粉砕部に入り
込んで来たとき、その覗き窓から除去することができて
望ましい。

【００１５】また、本発明による廃プラスチック粉砕装
置にキャスタを取り付け、移動可能に構成されると、必
要な作業場所に容易に移動して廃プラスチックの回収作
業を行うことができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明による廃プラスチッ
ク粉砕装置を図１〜図３に示した実施の一形態に基づい
て具体的に説明する。図１〜図３において、１は架台を
示し、この架台１上に粉砕部の胴２および導入部の胴
３、投入部の胴４が組重ねられている。架台１には移動
可能とするためキャスタ１０が取り付けてある。また導
入部および投入部の胴３，４には、中を覗ける窓１６が
設けられている。５は粉砕用駆動モータで、架台１の上
部板に取り付けられている。

【００１７】駆動モータ５の軸には粉砕ディスク６が水
平面内で回転可能に取り付けられており、粉砕ディスク
６には多数のカッタ７が組み立てられている。この粉砕
ディスク６を囲む粉砕部の胴２の周上には排出口が設け
られている。さらに胴２の外周部には集塵ジャケット１
３が設けられていて、その集塵ジャケット１３には、機
外の集塵機へ接続される集塵口１５を設けている。

【００１８】投入部の胴４には投入蓋１４が頭部にあ
り、投入部と導入部の間には投入ガイド１２が設けられ
ている。この投入ガイド１２はハンドル１１で水平軸の
まわりに回転されるように構成されている。また導入部
の胴３には内壁に沿って鉛直に伸びて横断面が三角形の
バッフル９が３本取り付けられており、前記した投入ガ
イド１２には、これらのバッフル９から干渉を受けずに
回動できるように三角形の切り欠きが３個所に設けられ
ている。

【００１９】バッフル９の下部には、詳細を拡大して図
２に示してあるように、押さえつけリング８が設けられ
ている。押さえつけリング８は、粉砕ディスク６のカッ
タ７先端との間の隙間が４分の１周期毎に、図の如くＳ
１，Ｓ２と変化するように構成されている。

【００２０】図３に示すように、集塵機２１が別置きの
形で設けられており、粉砕部の胴２の外周にある集塵ジ
ャケット１３に設けられた集塵口１５と連絡されてい
る。集塵機２１には、粉砕された廃プラスチックに混ざ
って送られて来るシート類が集められるフィルタ２２を
経て、粉砕された廃プラスチックが集められる集塵袋２
３が備えられている。

【００２１】本実施形態による廃プラスチック粉砕装置
は以上の構造を有しており、次のように使用される。ま
ず、図１に示す投入部の胴４の頭部にある投入蓋１４を
開けて粉砕すべき廃プラスチックを投入する。投入ガイ
ド１２はハンドル１１を回して水平にしておく。投入さ
れた廃プラスチックは水平位置にされた投入ガイド１２
により保持され、投入ガイド１２を水平位置から鉛直位
置に回動することによりその廃プラスチックを導入部か
ら粉砕部へと導くことができる。

【００２２】ハンドル１１を回して投入ガイド１２を鉛
直位置に回し、投入ガイド１２上の廃プラスチックを下
方の粉砕部に導入後、投入ガイド１２を垂直に保つこと
で廃プラスチックの大型品を粉砕ディスク６へ押さえつ
け、また、鉛直位置にされた投入ガイド１２は、粉砕時
の攪拌抵抗になり粉砕能力を向上させる。

【００２３】粉砕部に投入された廃プラスチックが、粉
砕ディスク６を回転したときに粉砕ディスク６上で連れ
回りするのを制限するように、投入ガイド１２とバッフ
ル９で攪拌抵抗を与える。粉砕部の胴２内で粉砕ディス
ク６に取り付けられたカッタ７により粉砕できるものは
段々細かくされ、粉砕ディスク６と粉砕部の胴２との隙
間から下に吸引される。廃プラスチックに混入している
シートやその他大きなものは、覗き窓１６から見て必要
に応じて機械を停止し、覗き窓１６から取り除く。こう
して粉砕ディスク６上で廃プラスチックは粉砕され、廃
プラスチック以外の大きな異物が分離されていく。

【００２４】更に、粉砕ディスク６のカッタ７の先端と
押さえつけリング８との隙間が、４分の１回転周毎に図
２の如くＳ１，Ｓ２と変化しているので、粉砕の進まな
いものは粉砕ディスク６上で押さえ込まれ粉砕されてい
く。こうして粉砕された製品は粉砕ディスク６と粉砕部
の胴２の隙間を通り、粉砕ディスク６の下に集まって胴
２の周上にある排出口から出て粉砕部の胴２の外周にあ
る集塵ジャケット１３に入り、集塵ジャケット１３にあ
る集塵口１５から出て、集塵機２１へ吸い込まれてい
く。

【００２５】集塵機２１では、図３に示すように排出側
にフィルタ２２により養生シート類の異物を取り除く。
その他の廃プラスチックが粉砕された製品は集塵袋２３
で自動的に捕捉される。なお、粉砕が進み、投入ガイド
１２を水平に戻せば、次の投入が可能となるので連続し
て運転が出来る。

【００２６】このように、本実施形態の廃プラスチック
粉砕装置によれば、粉砕すべき廃プラスチック中に養生
シートなどの異物が混入していても、従来の装置のよう
にそれらがカッタに巻きつくこともなく、粉砕時の分離
機能により廃プラスチックと分離されるし、更に、集塵
機２１の後の異物除去用のフィルタ２２で高度な選別が
可能となり安定した粉砕品を製造できる。また、架台１
にはキャスタ１０を設けて移動し易くしてあるので、必
要な作業場所に移動して廃プラスチックの回収再利用が
可能となる。回収された粉砕品は、その場でセメントの
フィラとしても使用できるので、廃プラスチックの再使
用、再利用が一貫して行うことが可能となる。

【００２７】以上、本発明を図示した実施形態に基づい
て具体的に説明したが、本発明がこれらの実施形態に限
定されず特許請求の範囲に示す本発明の範囲内で、その
具体的構造、構成に種々の変更を加えてよいことはいう
までもない。

【００２８】例えば、上記実施形態では導入部の胴３の
内面にバッフル９を取り付けているが、これは不可欠の
ものではない。また、固定した一定場所で使用されるも
のであればキャスタ１０を設けることも不可欠ではな
い。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は上部に投
入部、中間に導入部、下部に粉砕部を有し、前記投入部
と導入部との間には、面を水平位置から鉛直位置に回動
可能に支持された投入ガイドを備え、前記粉砕部には水
平面内で回転し、上面に多数のカッタが設けられた粉砕
ディスクと、同粉砕ディスクの上の外周に配置されてい
て、前記カッタの先端との間の隙間を変化させた押さえ
つけリングと、前記粉砕ディスクによって粉砕された廃
プラスチックを外部に排出する集塵口とを有する廃プラ
スチック粉砕装置を提供する。

【００３０】本発明の廃プラスチック粉砕装置によれ
ば、投入された廃プラスチックを投入ガイドを水平位置
にして受け入れたのち、投入ガイドを鉛直位置へ回動す
る過程で廃プラスチックを下部の粉砕部における粉砕デ
ィスク上へ導入するとともに大きな廃プラスチックを粉
砕ディスクへ押しつける。粉砕ディスク上の廃プラスチ
ックは、粉砕ディスクの回転により粉砕ディスク上のカ
ッタで粉砕される。また、粉砕ディスクの上の外周に
は、カッタの先端との間の隙間を変化させた押さえつけ
リングが配設されているので粉砕が進まないものもその
押さえつけリングで粉砕ディスクへ押し付けられて粉砕
され、粉砕された廃プラスチックは、粉砕ディスクと粉
砕部胴の間を通って粉砕ディスクの下の集塵口から外部
に取り出される。

【００３１】本発明の廃プラスチック粉砕装置におい
て、前記導入部の内周面上に、被粉砕用の廃プラスチッ
クが前記粉砕ディスクの回転による連れ回りを制限する
バッフルを設けた構造としたものでは、廃プラスチック
は前記粉砕ディスクの回転による連れ回りを阻止されつ
つ効果的に粉砕される。

【００３２】また、本発明の廃プラスチック粉砕装置に
おいて、集塵口に集塵機、粉砕プラスチック以外の粉砕
物を除去するフィルタ、及び粉砕プラスチックを補集す
る集塵袋を、この順に配設したものでは、異物を排除し
て所要の大きさに粉砕された廃プラスチックを安定して
回収することができる。

【００３３】更にまた、本発明の廃プラスチック粉砕装
置において、投入部、及び導入部の少なくともいづれか
一方に難粉砕物を取り除くための覗き窓を設けたもので
は、廃プラスチックに混入していたシートや大きな異物
が粉砕部に入り込んで来たとき、その覗き窓から除去す
ることができ、廃プラスチックの粉砕に支障を来すのを
防ぐことができる。

【００３４】また、本発明による廃プラスチック粉砕装
置にキャスタを取り付け、移動可能に構成したもので
は、必要な作業場所に容易に移動して効率良く廃プラス
チックの回収作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態による廃プラスチック粉
砕装置の構造を示す断面図で、（ａ）は縦断面図、
（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ線に沿う横断面図。

【図２】図１に示した装置における粉砕部を拡大して示
す断面図。

【図３】粉砕された廃プラスチックを回収する収集装置
まで含めた本発明の実施の一形態による廃プラスチック
粉砕装置の構成を示す概要図。

【図４】従来の廃プラスチック粉砕装置の例を示す縦断
面図。

【図５】従来の廃プラスチック粉砕装置の他の例を示す
縦断面図。

【符号の説明】

１ 架台 ２ 粉砕部の胴 ３ 導入部の胴 ４ 投入部の胴 ５ 駆動モータ ６ 粉砕ディスク ７ カッタ ８ 押さえつけリング ９ バッフル １０ キャスタ １１ ハンドル １２ 投入ガイド １３ 集塵ジャケット １４ 投入蓋 １５ 集塵口 １６ 覗き窓 ２１ 集塵機 ２２ フィルタ ２３ 集塵袋

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部に投入部、中間に導入部、下部に粉
   砕部を有し、前記投入部と導入部の間には面を水平位置
   から鉛直位置に回動可能に支持された投入ガイドを備
   え、前記粉砕部には水平面内で回転し上面に多数のカッ
   タが設けられた粉砕ディスクと、同粉砕ディスクの上の
   外周に配置されていて前記カッタの先端との間の隙間を
   変化させた押さえつけリングと、前記粉砕ディスクによ
   って粉砕された廃プラスチックを外部に排出する集塵口
   とを有することを特徴とする廃プラスチック粉砕装置。
2. 【請求項２】 前記導入部の内周面上に、被粉砕用の廃
   プラスチックが前記粉砕ディスクの回転による連れ回り
   を制限するバッフルを設けたことを特徴とする請求項１
   記載の廃プラスチック粉砕装置。
3. 【請求項３】 前記集塵口に集塵機、粉砕プラスチック
   以外の粉砕物を除去するフィルタ、及び粉砕プラスチッ
   クを補集する集塵袋を、この順に配設したことを特徴と
   する請求項１又は２記載の廃プラスチック粉砕装置。
4. 【請求項４】 前記投入部、及び導入部の少なくともい
   づれか一方に難粉砕物を取り除くための覗き窓を設けた
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の廃プラスチック
   粉砕装置。
5. 【請求項５】 前記廃プラスチック粉砕装置がキャスタ
   を取り付けられて移動可能に構成されていることを特徴
   とする請求項１又は２記載の廃プラスチック粉砕装置。