JP2001131337A - アンチブロッキング剤 - Google Patents

アンチブロッキング剤

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JP2001131337A
JP2001131337A JP31439899A JP31439899A JP2001131337A JP 2001131337 A JP2001131337 A JP 2001131337A JP 31439899 A JP31439899 A JP 31439899A JP 31439899 A JP31439899 A JP 31439899A JP 2001131337 A JP2001131337 A JP 2001131337A
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Japan
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amorphous silica
acid
resin
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wet
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JP31439899A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Nakagawa
英之 中川
Kinichi Ono
金一 小野
Yoshinobu Komatsu
善伸 小松
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂への分散性、配合樹脂の透明性、湿度不
感受性及びアンチブロッキング性能の組合せに優れた樹
脂フィルム用アンチブロッキング剤を提供する。 【解決手段】 (1)レーザ回折法で測定した体積基準
の中位径(D50)が0.2乃至1.0μmの範囲にあ
り、(2)水性分散液で測定したゼータ(ξ)電位が−
40乃至−60ミリボルトの範囲にあり、(3)BET
法で測定した比表面積が80m/g以下であり、且つ
(4)25℃、75%RH及び24時間における平衡水
分率が10%以下である湿式法非晶質シリカから成るア
ンチブロッキング剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿式法非晶質シリ
カから成るアンチブロッキング剤に関するものであり、
より詳細には、樹脂への分散性、配合樹脂の透明性、湿
度不感受性及びアンチブロッキング性能の組合せに優れ
た樹脂フィルム用アンチブロッキング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】延伸樹脂フィルムは、透明性、耐熱性、
耐衝撃性等の各種特性に優れており、包装材料、農業用
などの各種用途に広く使用されているが、フィルム相互
が付着(ブロッキング)する傾向が大であり、フィルム
相互に滑り性を付与するために、フィルム中にアンチブ
ロッキング剤を配合することが広く行われている。この
アンチブロッキング剤としては、無機の微粒子、特に湿
式法或いは乾式法の非晶質シリカが広く使用されてい
る。
【0003】例えば、特開昭52−3645号公報に
は、主としてブチレンテレフタレートを単位としたポリ
エステル中に、分子量500ないし10000のポリエ
チレンワックスで被覆処理した粒径0.01ないし10
μmの微粉末シリカを配合して成り、該ポリエチレンワ
ックスと微粉末シリカの重量比が10対90ないし95
対5、ポリエステルに対するポリエチレンワックス及び
微粉末シリカの配合量がそれぞれ0.01ないし5重量
%および0.01ないし1重量%の範囲にあることを特
徴とするポリエステル組成物が記載されている。
【0004】特開昭58−42434号公報には、ポリ
プロピレン100重量部に対して、見掛け比重0.1〜
0.2で且つ比表面積150m/g以下の微粉シリカ
を0.01〜1重量部配合して成る透明性が良好で且つ
滑り性、耐ブロッキング性の優れたポリプロピレン延伸
フィルムが記載されている。
【0005】特開平4−220443号公報には、ポリ
オレフィン系樹脂100重量部に対して、(a) 表面のO
H基量が200μmol/g以下であるアンチブロッキ
ング剤を0.1〜3.0重量部、および(b) 有機脂肪酸
アミド0.01〜0.3重量部を配合して成ることを特
徴とするフィルム用ポリオレフィン系樹脂組成物が記載
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】非晶質シリカの内で
も、湿式法非晶質シリカは、乾式法非晶質シリカに比し
てアンチブロッキング性に優れていると共に、コストも
低く、各種フィルムに配合して広く使用されているが、
アンチブロッキング剤としての非晶質シリカには未だ改
善すべき点が多く残されている。
【0007】先ず、湿式法非晶質シリカは、ケイ酸ナト
リウム水溶液を原料として鉱酸類の中和で製造されるた
め、程度の差はあれ、湿度に敏感であるという欠点を有
している。このため、樹脂に配合して加工する際、含有
水分による発泡の問題があり、これを防止するために
は、アンチブロッキング剤を樹脂に配合するまで乾燥雰
囲気中に保存したり、或いは樹脂との混練をベント付の
押出機中で行わなければならないなどの制約がある。ま
た、上記湿式法非晶質シリカアンチブロッキング剤を含
有するフィルムも、本質的に湿度感受性があり、例えば
このような延伸フィルムを用いた包装材では、経時によ
り、シール部が発泡するなどの不都合を生じる場合があ
る。
【0008】更に、湿式法非晶質シリカでは、樹脂中に
対する分散性に関しても未だ改善すべき点がある。即
ち、湿式法非晶質シリカの殆どのものは、樹脂中への分
散性が未だ不十分であると共に、樹脂中に分散させたと
き凝集する傾向があり、延伸フィルム中に白斑などのフ
ィルム欠陥を生じるという問題がある。特に、近年、材
料コストの節減、フィルム目付の低減、及びフィルム厚
みの低減に伴う機能性の向上などの見地から、薄肉化延
伸フィルムの製造が重要な課題となりつつあるが、この
ような薄肉フィルムでは、アンチブロッキング剤として
微細粒子の使用が必要となると共に、その分散性の向上
及び凝集粒子の生成防止が特に重要な課題となってく
る。
【0009】したがって、本発明の目的は、湿式法非晶
質シリカから形成されていながら、樹脂への分散性、配
合樹脂の透明性、湿度不感受性及びアンチブロッキング
性能の組合せに優れた樹脂フィルム用アンチブロッキン
グ剤を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、湿式法
非晶質シリカから成るアンチブロッキング剤であって、
(1)レーザ回折法で測定した体積基準の中位径(D
50)が0.2乃至1.0μmの範囲にあり、(2)水
性分散液で測定したゼータ(ξ)電位が−40乃至−6
0ミリボルトの範囲にあり、(3)BET法で測定した
比表面積が80m /g以下であり、且つ(4)25
℃、75%RH及び24時間における平衡水分率が10
%以下である非晶質シリカから成ることを特徴とするア
ンチブロッキング剤が提供される。本発明に用いる湿式
法非晶質シリカは、下記式(1) R=I/I≦0.010 …(1) 式中、Iは、赤外線吸収スペクトルの波数870cm
−1〜990cm−1のピークのピーク面積であり、I
は赤外線吸収スペクトルの波数990〜1400cm
−1ピークのピーク面積である、で定義される面積比
(R)を有することが好ましい。更に、この非晶質シ
リカは比抵抗が5kΩ・cm以上であるものであること
が好ましい。更にまた、本発明に用いる湿式法非晶質シ
リカは、粒子がベンゼンに対する濡れ性を有するという
特異な表面的特性を有している。
【0011】
【発明の実施形態】[湿式法非晶質シリカ]本発明の樹
脂フィルム用アンチブロッキング剤は、湿式法非晶質シ
リカから成っていながら、下記の組合せ特性、即ち、
(1)レーザ回折法で測定した体積基準の中位径(D
50)が0.2乃至1.0μmの範囲にあること、
(2)水性分散液で測定したゼータ(ξ)電位が−40
乃至−60ミリボルトの範囲にあること、(3)BET
法で測定した比表面積が80m/g以下であること、
及び(4)25℃、75%RH及び24時間における平
衡水分率が10%以下であること、の特性を有してい
る。
【0012】添付図面の図1は、本発明に用いる非晶質
シリカについて、レーザ回折法で求めた粒度分布を示し
ている。この図からも明らかなとおり、この非晶質シリ
カは体積基準の中位径(D50)が0.2乃至1.0μ
mと微細であり、このような微細粒子径でありながら、
樹脂中に配合し製膜した場合、優れたアンチブロッキン
グ性を示すものである。一般に、レーザ回折法で測定さ
れる体積基準の中位径(D50)は、分散粒子径(電子
顕微鏡などで観察される粒子径がほぼこれに相当する)
よりも微細であるが、湿式法非晶質シリカでは、この中
位径(D50)が分散粒子径に大きな影響を与える。即
ち、この中位径(D50)が微細になればなるほど凝集
の程度が強くなり、分散粒子径も粗大になる傾向が大き
いが、本発明で規定した範囲内の中位径であれば、粒子
間の凝集の程度も適切であり、樹脂中への分散の程度も
良好に保持されながら、しかも優れたアンチブロッキン
グ性能も発現されるのであって、この事実は後述する実
施例のデータから容易に了解されるところである。
【0013】本発明に用いる湿式法非晶質シリカは、後
述する実施例の方法で、水性分散液について測定したゼ
ータ(ξ)電位が−40乃至−60ミリボルトの範囲に
あるという新規な特徴を有している。即ち、非晶質シリ
カは水中で負に帯電する傾向があることが知られている
が、従来アンチブロッキング剤として使用されていた湿
式法非晶質シリカは、この方法で求めたゼータ(ξ)電
位が絶対値で40ミリボルト未満であるのに対して、本
発明で用いる非晶質シリカはこのゼータ(ξ)電位の絶
対値が大きくなっている。一般に、分散粒子の帯電電位
が同極性であり、しかもその絶対値が大きいほど、同極
反発作用により、粒子の分散安定性が向上するが、本発
明に用いる湿式法非晶質シリカでは、ゼータ(ξ)電位
の絶対値が上記の通り大きくなっているため、分散安定
性が向上しているものと認められる。
【0014】本発明に用いる湿式法非晶質シリカでは、
BET法で測定した比表面積が80m/g以下と著し
く小さい値に抑制されており、しかも25℃、75%R
H及び24時間における平衡水分率が10%以下となっ
ているという特徴を有しており、この非晶質シリカで
は、復水の問題が少なく、樹脂に練り込んだときや、フ
ィルムをヒートシールする際に、水分の離脱に伴う発泡
の問題も解消されている。
【0015】既に指摘したとおり、湿式法非晶質シリカ
は、程度の差はあれ、乾燥剤として使用される非晶質シ
リカと同様に表面活性が大きく、一旦乾燥により脱水し
ても、これが大気中に放置されると、空気中の水分を再
度吸着して、復水するという問題がある。本発明では、
BET法比表面積を湿式法シリカとしては例外的に小さ
な80m /g以下に抑制すると共に、上記特定条件下
での平衡水分率も10%以下に抑制することにより、復
水の問題を解消したものであり、この事実は後述する実
施例を参照することにより明白となろう。
【0016】本発明のアンチブロッキング剤は、更に下
記式(1) R=I/I≦0.010 …(1) 式中、Iは、赤外線吸収スペクトルの波数870cm
−1〜990cm−1のピークのピーク面積であり、I
は赤外線吸収スペクトルの波数990〜1400cm
−1ピークのピーク面積である、で定義される面積比
(R)を有することを特徴を有している。添付図面の
図2は本発明に用いる湿式法非晶質シリカの赤外線吸収
スペクトルである。
【0017】上記面積比(R)において、分子はシラ
ノール水酸基の変角振動による最大吸収を持つピークの
ピーク面積であり、一方分母はSi−Oの伸縮振動によ
る最大吸収を持つピークのピーク面積を示しており、し
たがって、この面積比は、シラノール水酸基の濃度を標
準化された形で表したものである。本発明のアンチブロ
ッキング剤では、湿式法非晶質シリカにおけるシラノー
ル基を前記式(1)を満足する範囲に減少させたことに
より、前述した改質が可能となったものである。即ち、
非晶質シリカ中のシラノール基を減少させることによ
り、ゼータ電位の絶対値を高くし、復水性の防止に役立
っている。尚、水酸基の同定には、赤外線吸収スペクト
ルにおける波数3750乃至3300cm−1の伸縮振
動に基づく吸収が一般的に用いられているが、この吸収
は遊離水分による影響も受けるので、前記式(1)にお
けるIの吸収を用いた方がより精度が高いと思われ
る。
【0018】アンチブロッキング剤に用いる非晶質シリ
カは、後述する実施例に記載の方法で求めた比抵抗が5
kΩ・cm以上であることが、粒子間の非凝集性の点で
好ましい。
【0019】本発明に用いる湿式法非晶質シリカは、通
常の湿式法非晶質シリカがベンゼンに対して殆ど濡れ性
を示さないのに対して、ベンゼンに対して濡れ性を示す
という特異な表面特性を有している。この表面特性は、
本発明の非晶質シリカでは、シラノール基が減殺されて
いることと関係があると思われる。
【0020】[製造法]本発明に用いる湿式法非晶質シ
リカは、濃厚なアルカリ金属塩溶液中でケイ酸ナトリウ
ムと塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸とを、後述する例に示す
とおりの特定の条件下で反応させ、得られる非晶質シリ
カを十分に洗浄し、乾燥し、必要により粒度調整し、こ
のものを400乃至900℃の温度で焼成することによ
り製造できる。
【0021】アルカリ金属塩溶液としては無機酸又は有
機酸のアルカリ金属塩が単独又は2種以上の組合せで使
用することができる。アルカリ金属塩溶液は、飽和溶液
であることが好ましい。好適にはアルカリ金属塩溶液と
して食塩、ケイ酸分原料及び酸成分として食塩を生成す
る組合せを選ぶのは、コスト的に低廉で且つ金属塩溶液
としてリサイクル使用が容易である。
【0022】濃厚な食塩水溶液中にケイ酸ナトリウムと
塩酸とを同時注加することにより複分解反応によりシリ
カが生成するが、この反応段階でのpHの制御が重要で
あり、同時注加の間中pHを2乃至7、特に好ましくは
3.5乃至6の範囲に維持すると共に、同時注加終了後
pHを2乃至5の範囲としながら熟成を行う。食塩水溶
液の同時注加開始時の濃度は一般に5乃至30重量%、
特に好ましくは13乃至18重量%の範囲にあるのがよ
く、一方同時注加終了時に於るシリカ濃度は1乃至20
重量%の範囲にあるのがよい。同時注加反応時の温度は
0乃至100℃の範囲にあるのがよく、同時注加終了後
の熟成は0乃至100℃の温度で30分乃至25時間程
度行うのがよい。生成するシリカを母液から分離し、つ
いで水洗し、乾燥する。
【0023】上記の複分解反応について説明すると、濃
厚なアルカリ金属塩溶液中にケイ酸ナトリウムと鉱酸と
を同時注加する系では、生成する低分子量のケイ酸イオ
ン種が存在する鉱酸イオンとアルカリ金属塩による強力
な塩析作用によって、急激な脱水縮合を起こして重合
し、シリカのゾル粒子を経由することなく、シリカの微
粒子ゲルである高分子ケイ酸へと生長し、これが粒子径
が微細でありながら、しかも凝集性が少なく、分散性に
優れた非晶質シリカが得られる第一の原因である。
【0024】非晶質シリカの比抵抗を向上させるには、
生成する非晶質シリカ粒子を十分に洗浄することが重要
である。上記方法による非晶質シリカは、濃厚なアルカ
リ金属塩溶液中でシリカの析出を行っているにもかかわ
らず、アルカリ金属塩が非晶質シリカ中に包蔵されるこ
とがなく、洗浄によってアルカリ金属分の除去が容易に
行えるのは意外のことである。
【0025】洗浄乾燥後の非晶質シリカは、本発明の条
件を満足するように粒度調整を行う。この粒度調整は、
それ自体公知の微粉砕操作と分級操作とにより行える。
微粉砕には、ジェット粉砕機、衝撃式粉砕機、振動式粉
砕機、コロイドミルなどが使用され、重力式風力分級
機、慣性式風力分級機、遠心式風力分級機、機械式風力
分級機などが使用される。
【0026】本発明の前記特性を有する非晶質シリカを
製造するには、得られた非晶質シリカを400乃至90
0℃の温度、特に好ましくは650乃至900℃の温度
で焼成することが重要である。即ち、上記方法で得られ
る未焼成の非晶質シリカは、前述した(1)乃至(4)
の特性の内、粒度特性以外の特性(2)乃至(4)を満
足していないが、この非晶質シリカを上記温度で焼成す
ることにより、前述した(1)乃至(4)の特性を全て
満足する非晶質シリカとなる。勿論、非晶質シリカ中の
シラノール基も減殺され、面積比(R)も本発明の条
件を満足するようになる。非晶質シリカの焼成は、例え
ばロータリキルンのような移動床式焼成炉、或いは流動
床式焼成炉を用いて行うことができる。
【0027】本発明では、焼成処理に先立って、非晶質
シリカにアルカリを添着することもできる。このアルカ
リ添着処理は、非晶質シリカの比表面積を低減させるの
に有効であり、また焼成処理に際して必要な焼成温度を
下げ、また焼成時間を短縮させる作用がある。アルカリ
金属分の添着は、例えば水酸化ナトリウムの添加により
容易に行うことができる。
【0028】[用途]本発明では、上記非晶質シリカを
各種樹脂に対するアンチブロッキング剤として使用す
る。本発明に用いる非晶質シリカは表面が未処理の状態
において、前述した特性を示すことが了解されるべきで
ある。
【0029】即ち、本発明の非晶質シリカは、そのまま
の状態でアンチブロッキング剤として使用し得るが、必
要に応じ有機及び無機の助剤により被覆などの後処理を
行って各種用途に供することができる。このような有機
の助剤としては、例えば次のものが挙げられる。
【0030】ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸
等のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、バリウム
塩等の金属石鹸、シラン系カップリング剤、アルミニウ
ム系カップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコ
ニウム系カップリング剤、各種ワックス類、未変性乃至
変性の各種樹脂(例えばロジン、石油樹脂等)等のコー
ティング剤で表面処理して、各種用途に使用することが
できる。これらのコーテイング剤は、非晶質シリカ当た
り0.5乃至10重量%、特に1乃至5重量%の量で用
いるのがよい。
【0031】また、無機系助剤としては、エアロジル、
疎水処理エアロジル等の微粒子シリカ、ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸マグネシウム等のケイ酸塩、カルシア、マグ
ネシア、チタニア等の金属酸化物、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸カルシ
ウム等の金属炭酸塩、A型、P型等の合成ゼオライト及
びその酸処理物又はその金属イオン交換物から成る定形
粒子を、非晶質シリカにブレンド乃至マブシして使用す
ることもできる。また、シラン系、チタニウム系或いは
ジルコニウム系のカップリング剤で被覆し或いは表面処
理しておくこともできる。これらの無機系助剤は、非晶
質シリカ当たり0.5乃至10重量%、特に1乃至5重
量%の量で用いるのがよい。
【0032】本発明の非晶質シリカは、アンチブロッキ
ング剤として使用し得るが、必要に応じ下記の各無機及
び有機成分を組み合わせて用いることができる。組合せ
で使用する無機成分としては、アルミナ、アタパルガイ
ド、カオリン、カーボンブラック、グラファイト、微粉
ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイソウ土、酸化マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、スレ
ート粉、セリサイト、フリント、炭酸カルシウム、タル
ク、長石粉、二硫化モリブデン、バライト、ひる石、ホ
ワイティング、マイカ、ろう石クレイ、石こう、炭化ケ
イ素、ジルコン、ガラスビーズ、シラスバルーン、アス
ベスト、ガラス繊維、カーボン繊維、ロックウール、ス
ラグウール、ボロンウスイカ、ステンレススチール繊
維、チタン白、亜鉛華、ベンガラ、鉄黒、黄色酸化鉄、
ゼオライト、ハイドロタルサイト、リチウム、アルミニ
ウム、カーボネート、チタンエロー、酸化クロムグリー
ン、群青、紺青等が挙げられる。
【0033】有機成分としては、可塑剤、滑剤、帯電防
止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、低融点樹脂
等があり、それぞれ必要に応じて用いることができる。
それぞれについて以下に例示する。
【0034】[可塑剤]可塑剤としては、ブチルステア
レート、P−トルエンサルフォアマイド、D−ニトロビ
フェニール、ジシクロヘキシル・フタレート、ジエチレ
ン・グリコール・ジベンゾエート、トリフェニルフォス
フェート等が挙げられる。
【0035】[滑剤]滑剤は、一般にポリオレフィンフ
ィルムに使用されるもの全てが適用可能である。滑剤は
(イ)流動、天然または合成パラフィン、マイクロワッ
クス、ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワッ
クス等の炭化水素系のもの、(ロ)ステアリン酸、ラウ
リン酸等の脂肪酸系のもの、(ハ)ステアリン酸アミ
ド、バルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸
アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスス
テアロアミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド
系のもの、(ニ)ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、
エチレングリコールモノステアレート等のエステル系の
もの、(ホ)セチルアルコール、ステアリルアルコール
等のアルコール系のもの、(ヘ)ステアリン酸鉛、ステ
アリン酸カルシウム等の金属石ケンおよび(ト)それら
の混合系が一般に用いられるが、特に脂肪酸モノアミド
系またはビスアミド系が好ましい。
【0036】[帯電防止剤]帯電防止剤は、一般にポリ
オレフィンフィルムに使用されるもの全てが適用可能で
ある。帯電防止剤としては、(イ)第一級アミン塩、第
三級アミン、第四級アンモニウム化合物、ピリジン誘導
体等のカチオン系のもの、(ロ)硫酸化油、石ケン、硫
酸化エステル油、硫酸化アミド油、オレフィンの硫酸エ
ステル塩類、脂肪アルコール硫酸エステル塩、アルキル
硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルホン酸塩、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、コハク酸エステルスルホン酸塩、リン酸エステル塩
等のアニオン系のもの、(ハ)多価アルコールの部分的
脂肪酸エステル、脂肪アルコールのエチレンオキサイド
付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、脂肪アミ
ノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、ア
ルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、アルキ
ルナフトールのエチレンオキサイド付加物、多価アルコ
ールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加
物、ポリエチレングリコール等の非イオン系のもの、
(ニ)カルボン酸誘導体、イミダゾリン誘導体等の両性
系のものが一般に使用可能であるが、特に非イオン系、
中でもポリオキシエチレンアルキルアミンやポリオキシ
エチレンアルキルアミドないしそれらの脂肪酸エステ
ル、グリセリンの脂肪酸エステル等が好ましい。
【0037】[防曇剤]防曇剤としては、ステアリン
酸、モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、
ポリグリセリンオレイン酸エステル、ソルビタンモノラ
ウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモ
ノステアレート及びソルビタンモノオレートなどが挙げ
られる。
【0038】[紫外線吸収剤]紫外線吸収剤としては例
えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、5,5’−メチ
レンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−
5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベン
ゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール類があげられる。
【0039】[フェノール系酸化防止剤]フェノール系
酸化防止剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビス
フェノールB、ビスフェノールF、2,6−ジフェニル
−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,
5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピ
オネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメ
チレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレン
ビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオン酸アミド〕、ビス〔3,3−ビス(4−
ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシ
ッド〕グリコールエステル、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブ
タン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒ
ドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレー
ト、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリエチレン
グリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)プロピオネート〕などがあげられ
る。
【0040】[硫黄系酸化防止剤]硫黄系酸化防止剤と
しては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミ
リスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオ
ンネート類及びペンタエリスリト−ルテトラ(β−ドデ
シルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−
アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類があげられ
る。
【0041】[ホスファイト系酸化防止剤]ホスファイ
ト系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ
第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三
ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファ
イト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホ
スファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、
ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイトなどがあげられる。
【0042】[脂肪酸及びその金属塩]高級脂肪酸とし
ては、炭素数10乃至22、特に14乃至18の飽和乃
至不飽和脂肪酸、例えばカプリン酸、ウンデカン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン
酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデ
ル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が使
用される。中でもステアリン酸が好適なものである。脂
肪酸は勿論牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸
等の混合脂肪酸であってもよい。アルカリ金属石鹸とは
脂肪酸アルカリ金属塩または脂肪酸アンモニウム塩であ
り、具体的には炭素数6〜22の脂肪酸、たとえばカプ
ロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ある
いはこれらの混合物などのアルカリ金属塩またはアンモ
ニウム塩が用いられる。
【0043】[アマイド、アミン]高級脂肪酸アマイ
ド、エルカ酸アミド、オレイルパルミトアマイド、ステ
アリルエルカミド、2−ステアロミドエチルステアレー
ト、エチレンビス脂肪酸アマイド、N,N’−オレオイ
ルステアリルエチレンジアミン、ジエチルトルアミド、
N,N’−ビス(2ヒドロキシエチル)アルキル(C12
〜C18)アマイド、N,N’−ビス(ヒドロキシエチ
ル)ラウロアマイド、N−アルキル(C10〜C18)トリ
メチレンジアミンと反応したオレイン酸、脂肪酸ジエタ
ノールアミン、ジ−(ヒドロキシエチル)ジエチレント
リアミンモノアセテートのジステアリン酸エステル
【0044】[一価、多価アルコールの脂肪酸エステ
ル]ステアリン酸n−ブチル、水添ロジンメチルエステ
ル、セバチン酸ジブチル〈n−ブチル〉、セバチン酸ジ
オクチル〈2−エチルヘキシル、n−オクチル共〉グリ
セリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリト−ルテトラス
テアレート、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレン
グリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジオ
レエート、ポリエチレングリコールヤシ脂肪酸ジエステ
ル、ポリエチレングリコールトール油脂肪酸ジエステ
ル、エタンジオールモンタン酸ジエステル、1,3ブタ
ンジオールモンタン酸ジエステル、ジエチレングリコー
ルステアリン酸ジエステル、プロピレングリコール脂肪
酸ジエステル、トリグリセライドワックス、水添食用油
脂、12−ヒドロオキシステアリン酸のグリセリンエス
テル、スパームアセチワックス、モンタンワックス、カ
ルナバワックス、蜜蝋、木蝋、一価脂肪酸アルコールと
脂肪酸飽和酸エステル、〈例:硬化鯨油ラウリルステア
レート、ステアリルステアレート〉、ラノリン、ポリエ
チレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエ
チレンワックス、酸変性ポリオレフィンワックス、エポ
キシ変性ポリエチレンワックス、石油系ワックスこれら
のワックス類のうちでも、ワックス類1グラム当り、カ
ルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン
酸エステル、カルボン酸アミド、ケトン、エーテル、水
酸基等の極性基を0.1乃至20ミリモル、特に0.5
乃至10ミリモルの濃度で含有し且つ炭素数10以上、
特に炭素数12以上の少なくとも1個の長鎖アルキレン
鎖を分子内に含むワックス類が好ましい。
【0045】[低融点樹脂]低融点樹脂としては、融点
或いは軟化点が40乃至200℃、特に70乃至160
℃である各種樹脂、例えば、エポキシ樹脂、キシレン−
ホルムアルデヒド樹脂、スチレン系樹脂、クロマン−イ
ンデン樹脂、その他の石油樹脂、アルキッド樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、低融点アクリル樹脂、ポリビニルプチラ
ール、低融点コポリアミド、低融点コポリエステル等を
挙げることができる。
【0046】また本発明において、前記の有機成分の他
に、防虫剤、防虫忌避剤、賦臭剤、防菌剤、香料、薬効
成分等も使用することができる。
【0047】[摩砕混合]本発明の非晶質シリカは、上
述した充填剤粉末と有機成分とを組み合わせて、摩砕条
件下で混合することができる。例えば、湿式摩砕混合で
は、充填剤粉末と有機成分とを溶剤の存在下に摩砕下に
混合し、また乾式摩砕混合では、充填剤粉末と有機成分
の粉末とを、溶媒等の不存在下に乾式で摩砕下に混合す
る。これら何れの場合にも、充填剤粉末が一次粒子に解
されるように摩砕することが重要であり、この目的に
は、擂漬機、サンドグラインダ−ミル、アトライター、
高速剪断撹拌機、アトマイザー、奈良式粉砕機、円板振
動ミル、振動ボールミル、回転ボールミル、スーパーミ
キサー等或いはこれらの組合せが使用される。これらの
摩砕混合機においては、充填剤粉末が一次粒子に解され
ると同時に、有機成分による表面処理が行われるように
なる。また、粉砕混合物を、ニーダー等の溶融混練機内
で溶融混練し、ノズルより押出して噴霧造粒するか、或
いは回転円盤状に滴下して造粒するディスク造粒法によ
り球状粒子に造粒しても良い。
【0048】本発明による非晶質シリカは、予めマスタ
ーバッチを作成して、樹脂に配合しても良い。マスター
バッチの形状は、分散性が悪くならなければどの様な形
状でも良く、例えば、円筒状、円柱状、立方体状、直方
体状、球状等の形状が挙げられる。
【0049】本発明による非晶質シリカは、フィルム形
成用熱可塑性樹脂に対するアンチブロッキング剤として
有用である。即ち、本発明のアンチブロッキング剤は、
樹脂の加工温度で水分の離脱に伴う発泡を生じることが
なく、樹脂への配合及び分散が容易であり、フィルムの
延伸に際して優れたアンチブロッキング性を示すと共
に、フィルムに白斑等の欠点を生じることがなく、ま
た、耐擦傷性にも優れているという利点を与える。
【0050】本発明のアンチブロッキング剤を配合する
熱可塑性樹脂としてはメタロセン触媒を使用して合成さ
れた樹脂はもちろん、オレフィン系樹脂が好適なもので
あり、特に低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、
アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティ
ックポリプロピレン、あるいはこれらのエチレン乃至α
−オレフィンとの共重合体であるポリプロピレン系重合
体、線状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共
重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合
体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマ
ー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げ
られ、これらは単独でも或いは2種以上のブレンド物の
形でも使用できる。勿論、本発明のアンチブロッキング
剤は、それ自体公知の他の樹脂フィルムにも配合するこ
とができ、例えばナイロン6、ナイロン6−6、ナイロ
ン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリスルフォン、塩化ビニール樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、フッ化ビニル樹脂等に配合することもできる。
【0051】アンチブロッキング剤としての用途の場
合、上記非晶質シリカを、熱可塑性樹脂100重量部当
たり、0.05乃至0.5重量部、特に0.1乃至0.
4重量部の量で用いるのがよい。
【0052】
【実施例】以下の実施例により本発明を説明する。実施
例の測定は以下の方法で行った。
【0053】1.メジアン径 イオン交換水100mlに試料0.5g懸濁させ、1分
間超音波処理した後、100μmアパーチャチューブを
装着しコールター法にて測定した。個数%は上記測定結
果より2.6μm以下のものについて算出した。
【0054】2.ゼータ(ζ)電位 試料0.2gを200mlのイオン交換水中に懸濁させ
た時の値を原点値とし、次いで、0.5N−HCl溶液
を用いてpH調製する。その懸濁液を30秒間超音波分
散し、ベンケム社製LAZER ZEE METER MODEL 501でそれ
ぞれのゼータ電位を測定した。
【0055】3.比表面積、細孔容積 カルロエルバ社製 Sorptomatic Series 1900を使用
し、BET法により測定した。
【0056】4.平衡水分率 試料約1gを予め重量を測定した40×40mmの秤量
ビンに入れ150℃の電気恒温乾燥器で3時間乾燥後、
デシケーター中で放冷する。次いで試料の重さを精秤
し、予め硫酸水溶液で関係湿度75%(25℃)に調節
したデシケーター中に入れ24時間後の重量増を測定し
平衡水分率とした。
【0057】5.赤外線吸収スペクトル分析(IR測
定) 日本分光株式会社製フーリエ変換赤外分光光度計FT/IR-
610を用いて測定した。測定試料はKBr 200mgに対して,
1mgの粉末を加え,打錠成型機にて作成した。得られた
結果より、下記式(1)から面積比(R)を求めた。 R=I/I …(1) 式中、Iは、赤外線吸収スペクトルの波数870cm
−1〜990cm−1のピークのピーク面積であり、I
は赤外線吸収スペクトルの波数990〜1400cm
−1ピークのピーク面積である。
【0058】6.比抵抗 (株)堀場製作所製電気伝導度計(DS-8F)で測定し
た。
【0059】7.ベンゼンに対する濡れ性 ベンゼン液に対して,150℃にて3時間乾燥させた粉末の
濡れ性を以下の様に評価した。 ◎:瞬時にベンゼン中に分散する ○:比較的早くベンゼン中に分散する △:一定時間経過した後,徐々にベンゼン中に分散する ×:ベンゼン液に対し,分散しにくい
【0060】8.吸油量 JIS K 5101.19に準拠して測定した。
【0061】9.屈折率 予めアッベ屈折計を用いて屈折率既知の溶媒(α−ブロ
ムナフタレン、ケロシン)を調製する。次いでLars
enの油浸法に従って、試料粉末数mgをスライドガラ
スの上に取り、屈折率既知の溶媒を1滴加えて、カバー
ガラスをかけ、溶媒を充分浸漬した後、光学顕微鏡でベ
ッケ線の移動を観察し求めた。
【0062】10.ブロッキング性 [フィルムの作製]MI1.3/10分、密度が0.9
2の直鎖状低密度ポリエチレン及びMI1.1/10
分、密度が0.93の低密度ポリエチレンの混合物に実
施例1〜3の各試料をそれぞれ0.40%添加し、押出
機で180℃の温度で溶融混合後ペレタイズした。次に
このペレットを押出機に供給し、Tダイ法で厚さ30μ
mのフィルムに製膜した。 [ブロッキング性]ブロッキング性は、2枚のフィルム
を重ね、200g/cmの荷重をかけ40℃で24時
間放置後、フィルムのはがれ易さにより以下のように評
価した。 ◎:抵抗なくはがれるもの ○:ややはがれにくいもの △:はがれにくいもの ×:極めてはがれにくいもの
【0063】11.スクラッチ性 スクラッチ性については、製膜5時間後フィルム2枚を
重ね指で擦ったときの傷付きの程度により以下のように
評価した。 ◎:ほとんど傷がつかない ○:わずかに傷がつく △:少し傷がつく ×:傷がつく
【0064】本発明によるアンチブロッキング剤を以下
のように調製した。 (非晶質シリカの調製)以下の方法により、3種の非晶
質シリカ(それぞれ、S−1、H−1、H−2とする)
を調製した。
【0065】(1)原料にケイ酸ソーダ溶液(SiO
18.5%、NaO 5.8%、SG=1.226)及び10%塩酸
溶液を、その容積比で5:4となるような量で飽和食塩水
中に同時注加し、これらを中和させることにより析出し
た生成沈殿物を濾過により分離し、この生成沈殿物を温
水で洗浄し、得られたケーキを130℃の乾燥器にて乾
燥した後、粉砕、分級することにより、シリカゲル微粉
末(これをS−1とする)を得た。
【0066】(2)原料にケイ酸ソーダ溶液(SiO
18.5%、NaO 5.8%、SG=1.226)及び45%濃度
の硫酸溶液を、その容積比で5:1になるような量で同
時に供給し、30〜35℃で反応させ、反応系のpHが
2.0〜2.2になるように調製してシリカを生成さ
せ、次いで同じ条件下で2時間熟成を行い、シリカヒド
ロゲルを回収した。この熟成させたシリカヒドロゲルを
2〜5mmの大きさに解砕後、水洗し水分が68.5%
のヒドロゲルを得た。次いでこのヒドロゲルを水に再分
散させ、120℃で4時間水熱処理した後、110℃で
乾燥、粉砕、分級してシリカゲル微粉末(これをH−1
とする)を得た。
【0067】(3)原料にケイ酸ソーダ溶液(SiO
18.5%、NaO 5.8%、SG=1.226)及び30%硫酸溶
液を、その容積比で10:3.1となるような量で水中に同
時注加し、これらを中和させることにより析出した生成
沈殿物を濾過により分離し、この生成沈殿物を温水で洗
浄し、得られたケーキを130℃の乾燥器で乾燥した
後、粉砕、分級することにより、シリカゲル微粉末(こ
れをH−2とする)を得た。
【0068】(実施例1〜3)上記方法で調製した試料
S−1を900℃、650℃、400℃の各温度で2時
間電気炉中で焼成したものをそれぞれ試料No.1、N
o.2、No.3とし、物性及びアンチブロッキング剤
としての評価を行った。その結果を表1に示す。
【0069】(比較例1)上記方法で調製した試料H−
1を900℃で2時間電気炉中で焼成したものを、試料
No.4として、物性及びアンチブロッキング剤として
の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0070】(比較例2)上記方法で調製した試料H−
1を900℃で2時間電気炉中で焼成したものを、試料
No.5として、物性及びアンチブロッキング剤として
の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0071】(比較例3)上記方法で調製した試料S−
1について、何ら処理を施さず、そのままの状態を試料
No.6として、物性及びアンチブロッキング剤として
の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0072】上記方法で調製した試料S−1を300℃
で2時間電気炉中で焼成したものを、試料No.7とし
て、物性及びアンチブロッキング剤としての評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0073】(比較例4)上記方法で調製した試料S−
1を1000℃で2時間電気炉で焼成したが(試料N
o.8)、完全に焼結してしまい,塊状となってしまっ
た。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、(1)レーザ回折法で
測定した体積基準の中位径(D50)が0.2乃至1.
0μmの範囲にあり、(2)水性分散液で測定したゼー
タ(ξ)電位が−40乃至−60ミリボルトの範囲にあ
り、(3)BET法で測定した比表面積が80m/g
以下であり、且つ(4)25℃、75%RH及び24時
間における平衡水分率が10%以下である湿式法非晶質
シリカからアンチブロッキング剤を調製することによ
り、樹脂への分散性、配合樹脂の透明性、湿度不感受性
及びアンチブロッキング性能の組合せに優れた樹脂フィ
ルム用アンチブロッキング剤を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる非晶質シリカの粒度分布を示す
図である。
【図2】本発明に用いる湿式法非晶質シリカの赤外線吸
収スペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松 善伸 東京都中央区日本橋室町4丁目1番21号 水澤化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA15 AA15X AA20 AA20X AA21 AA21X AA24 AA25 AA26 AA28 AA28X AA33 AA33X AA45 AA46 AA50 AA54 AA55 AA64 AA78 AB26 AD02 AD06 AE11 AF10Y AF27 AF36 AH01 AH04 BC01 4J002 AA011 BB031 BB051 BB061 BB071 BB121 BB141 BB151 BB171 BB231 BD031 BD101 BD131 CF061 CF071 CG001 CL011 CL031 CN031 DJ016 FA086 FB076 FB086 FB096 FB166 FB236 FB266 FD010 FD020 FD050 FD070 FD100 FD170 FD206

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式法非晶質シリカから成るアンチブロ
    ッキング剤であって、(1)レーザ回折法で測定した体
    積基準の中位径(D50)が0.2乃至1.0μmの範
    囲にあり、(2)水性分散液で測定したゼータ(ξ)電
    位が−40乃至−60ミリボルトの範囲にあり、(3)
    BET法で測定した比表面積が80m /g以下であ
    り、且つ(4)25℃、75%RH及び24時間におけ
    る平衡水分率が10%以下である非晶質シリカから成る
    ことを特徴とするアンチブロッキング剤。
  2. 【請求項2】 下記式 R=I/I≦0.010 …(1) 式中、Iは、赤外線吸収スペクトルの波数870cm
    −1〜990cm−1のピークのピーク面積であり、I
    は赤外線吸収スペクトルの波数990〜1400cm
    −1ピークのピーク面積である、で定義される面積比
    (R)を有することを特徴とする請求項1に記載のア
    ンチブロッキング剤。
  3. 【請求項3】 比抵抗が5kΩ・cm以上であることを
    特徴とする請求項1または2に記載のアンチブロッキン
    グ剤。
  4. 【請求項4】 非晶質シリカ粒子がベンゼンに対する濡
    れ性を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか
    に記載のアンチブロッキング剤。
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