JP2001131328A - 多孔質フィルムの製造方法 - Google Patents

多孔質フィルムの製造方法

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JP2001131328A
JP2001131328A JP31069099A JP31069099A JP2001131328A JP 2001131328 A JP2001131328 A JP 2001131328A JP 31069099 A JP31069099 A JP 31069099A JP 31069099 A JP31069099 A JP 31069099A JP 2001131328 A JP2001131328 A JP 2001131328A
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Toshisuke Nomi
俊祐 能見
Kazunari Yamamoto
一成 山本
Shigeru Fujita
茂 藤田
Yoshihiro Uetani
慶裕 植谷
Hideyuki Emori
秀之 江守
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低いSD温度と耐熱破断性に優れた多孔質フィ
ルムの製造方法を提供すること。 【解決手段】重量平均分子量50万以上の超高分子量ポ
リオレフィンと不飽和縮合脂環式化合物の開環重合体か
らなる多孔質フィルムを110℃以下の温度で熱処理す
ることを特徴とする多孔質フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質フィルムの
製造方法に関する。さらに詳しくは、電池の正極負極間
に配置されてこれらを隔離させる電池用セパレータなど
として好適に用いられる多孔質フィルムの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器のコードレス化などに対
応するため、電池として軽量で、高起電力、高エネルギ
ーが得られ、しかも自己放電が少ないリチウム電池が注
目を集めている。このリチウム電池の正極負極の間に
は、正極負極の短絡防止のためにセパレータが設けられ
ているが、このセパレータとしては正極負極間のイオン
の透過性を確保するために多数の微多孔が形成された多
孔質フィルムが使用されている。なかでも、電池外部で
の誤接続などにより異常電流が発生した場合に電池内部
温度の上昇に伴い樹脂が熱変形して微多孔を塞ぎ電池反
応を停止させる、いわゆるシャットダウン(SD)機能
を有するものが安全性向上の観点から採用されている。
このようなSD機能を有する多孔質フィルムとしては、
例えば、ポリエチレン製微多孔膜やポリエチレンとポリ
プロピレンとの多層構造の微多孔膜などが知られてい
る。
【0003】しかしながら、昨今のリチウムイオン二次
電池などの進歩により、上記SD機能のみならず、シャ
ットダウン後にさらに温度が上昇した時に、セパレータ
自身が溶融破膜(メルトダウン)したり、または可塑化
され破断する状態がおこると、電池の発火、爆発の危険
性があるため、より高温でも耐破断性(耐熱破断性)に
優れていることが望まれている。特に、高容量化された
電池や電池内部抵抗の低減がすすむと、発熱が大きくな
る要素が増すため、ますます重要である。
【0004】かかる耐熱性を多孔質フィルムに付与する
方法として、例えば、特開平10−7831号公報では
ポリエチレン微多孔膜に電子線を照射し、架橋点間分子
量が20万以下になるように架橋することにより、高い
耐熱性を付与する方法が開示されている。しかし、電子
線照射を行う際には酸素濃度を低くする必要があるが、
前記フィルムはその膜厚が薄くかつ多孔質であるため、
従来技術以上の低酸素濃度にすることが要求され、実質
的には室温での膜強度が低下し、生産性にも劣る。ま
た、例えば、特開昭63−308866号公報では、低
融点のポリエチレンと高融点のポリプロピレンとからな
る単膜を積層することにより、低いシャットダウン温度
(SD温度)と優れた高温特性を有する微多孔膜を得る
方法が開示されている。しかし、該微多孔膜は、積層状
であるため、膜内部の抵抗が高くなり、高出力用途など
の高性能電池に対するセパレータとしては不向きであ
る。
【0005】従って、単膜で、かつ低いSD温度と耐熱
破断性を有する多孔質フィルムが望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低い
SD温度と耐熱破断性に優れた多孔質フィルムの製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく、鋭意検討した結果、延伸操作を施した多
孔質フィルムの収縮応力の変化がSD温度、メルトダウ
ン温度、破膜温度に関与することから、低温での熱処理
により多孔質フィルムの収縮応力をコントロールして、
低SD温度と高破膜温度を有する多孔質フィルムが得ら
れることを見出し、本発明に至った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、重量平均分子量5
0万以上の超高分子量ポリオレフィンと不飽和縮合脂環
式化合物の開環重合体からなる多孔質フィルムを110
℃以下の温度で熱処理することを特徴とする多孔質フィ
ルムの製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる重量平均分子
量50万以上の超高分子量ポリオレフィン(以下、第1
樹脂成分ともいう)の重量平均分子量は、好ましくは5
0万〜600万、より好ましくは100万〜300万が
望ましい。第1樹脂成分の具体例としては、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘキセンなどを重合した単独重合体、共重合体およ
びこれらのブレンド物などが挙げられ、中でも機械的強
度に優れる超高分子量ポリエチレンが素材として望まし
い。また、これらの第1樹脂成分は、単独でまたは2種
以上を混合して使用してもよい。
【0010】本発明に用いられる不飽和縮合脂環式化合
物の開環重合体(以下、第2樹脂成分ともいう)は、主
鎖にそのモノマー単位に由来する脂肪族環と二重結合と
を有する。また、該開環重合体は、その二重結合の一部
を水素添加してもよい。
【0011】前記不飽和縮合脂環式化合物は、次の3つ
の系列に大別される。第一の系列としては、狭義の縮合
脂環式化合物として分類されるもののうちで、開環重合
後、主鎖に組み込まれる二重結合を環の1つに有する不
飽和化合物が挙げられる。また、それらの不飽和化合物
の水素原子の幾つかが他の置換基に置き換わった誘導体
も含めて、不飽和縮合脂環式化合物として使用できる。
この具体例として、ビシクロ〔3.2.0〕ヘプト−6
−エン、ビシクロ〔4.2.0〕オクト−7−エンおよ
びそれらの誘導体などが挙げられる。
【0012】第二の系列としては、有橋環化合物として
分類されるもののうちで、開環重合後、主鎖に組み込ま
れる二重結合を環の1つに有する不飽和化合物が挙げら
れる。また、それらの不飽和化合物の水素原子の幾つか
が他の置換基に置き換わった誘導体も含めて、不飽和縮
合脂環式化合物として使用できる。この具体例として、
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン(本明細書に
おいてはノルボルネンともいう)、ビシクロ〔2.2.
1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシメチルエ
ステルなどのノルボルネン誘導体、ビシクロ〔2.2.
2〕オクト−2−エンおよびその誘導体などが挙げられ
る。
【0013】第三の系列としては、有橋環でかつ縮合脂
環を有し、開環重合後、主鎖に脂肪族環および二重結合
とを有する化合物が挙げられる。この具体例としては、
トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカ−3,8−ジエ
ン(ジシクロペンタジエン)、テトラシクロドデセンお
よびその誘導体などが挙げられる。
【0014】これらの不飽和縮合脂環式化合物の中で
は、原料供給などの観点から、ノルボルネンおよびノル
ボルネン誘導体が好ましい。また、これらの不飽和縮合
脂環式化合物は、単独でまたは2種以上を混合してまた
は順次開環重合することができる。
【0015】従って、前記不飽和縮合脂環式化合物の開
環重合体として、好ましくはポリノルボルネンなどが用
いられ、中でも平均分子量の高いポリノルボルネンゴム
が、分散性の点から、より好ましく用いられる。
【0016】次に、本発明の多孔質フィルムの製造方法
について説明する。本発明の製造方法は、前記第1樹脂
成分と第2樹脂成分からなる多孔質フィルムを110℃
以下の温度で熱処理することを特徴とするものである。
【0017】前記熱処理の温度は、膜のSD温度をでき
る限り低くする観点から、110℃以下、好ましくは5
0〜105℃が好ましく、80〜100℃が特に好まし
い。また、熱処理する際の雰囲気は、酸素存在下が好ま
しく、経済性、安定性の観点から、空気が特に好まし
い。また、熱処理の時間は、温度により第2樹脂成分の
有する二重結合の消失速度が異なるため一概には決めら
れないが、例えば110℃であれば2時間以上であるこ
とが好ましい。
【0018】前記熱処理の方法としては、特に限定はな
く、例えば、一回で処理する一段式熱処理法でも、最初
に低温でまず熱処理し、その後さらに高温での熱処理を
行う多段式の熱処理法でもよく、あるいは昇温しながら
熱処理する昇温式熱処理法でもよいが、通気度などの多
孔質フィルムの元の諸特性を損なうことなく処理するこ
とが望ましい。
【0019】本発明においては、かかる熱処理により、
不飽和縮合脂環式化合物の開環重合体の二重結合を全
部、または一部を消失させ、これにより、上記多孔質フ
ィルムの耐熱破断性は大きく向上するという優れた効果
が発現される。なお、二重結合を消失させる割合は、所
望の耐熱破断性を考慮して適宜選択されるが、80〜1
00%(IRのピークの大きさに基づき算出)の消失率
が好ましい。
【0020】この耐熱破断性向上の理由は必ずしも明白
ではないが、熱処理で生じたポリマーラジカルが二重結
合に付加し、その際に第2樹脂成分同士、あるいは第2
樹脂成分と第1樹脂成分との間で架橋反応が起こるこ
と、また、不飽和縮合脂環式化合物における二重結合の
消失によってポリマー鎖自体のガラス転移温度が大きく
上昇することが要因と考えられる。
【0021】また、得られる多孔質フィルムの引張収縮
応力の最も低温側のピークの温度は、熱処理の温度が低
いほど、低温側にシフトするため、このようにピークの
温度が低下することにより、SD温度を低下させること
ができると考えられる。また、熱処理の温度を110℃
以下の温度に抑えることにより、SD特性も向上する。
【0022】また、前記熱処理は、多孔質フィルムの収
縮を抑制しながら行い、例えば、多孔質フィルムの四隅
を固定してオーブンに投入する、ロールに捲回してロー
ル毎オーブンに投入するなどの公知の方法が用いられ
る。
【0023】本発明に用いる多孔質フィルムは、第1樹
脂成分と第2樹脂成分からなるものであれば、そのサイ
ズ、特性などに特に限定はない。該多孔質フィルムの製
造には、公知の方法を利用することができる。例えば、
前記第1樹脂成分と第2樹脂成分とを含有した重合体組
成物を溶媒と混合し、混練、加熱溶融しながらシート状
に成形した後、圧延し、一軸方向以上に延伸し、溶媒を
抽出除去することにより多孔質フィルムを製造すること
ができる。
【0024】第1樹脂成分の配合量は、重合体組成物中
50〜99重量%、好ましくは60〜95重量%、より
好ましくは80〜95重量%である。該配合量の下限
は、空孔率を維持する観点から、50重量%以上であ
り、また、その上限は、電池用セパレータとしての多孔
質フィルムの耐熱破断性を維持する観点から、99重量
%以下である。
【0025】また、第2樹脂成分の配合量は、重合体組
成物中1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、よ
り好ましくは5〜20重量%である。該配合量の下限
は、十分な耐熱破断性を有する多孔質フィルムを得る観
点から、1重量%以上であり、また、その上限は、空孔
率を維持する観点から、50重量%以下である。
【0026】溶媒としては、重量平均分子量50万以上
の超高分子量ポリオレフィンと不飽和縮合脂環式化合物
の開環重合体の溶解性に優れた物であればよく、例えば
ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、デカリン、流
動パラフィンなどの脂肪族または環状の炭化水素、ある
いは沸点がこれらに対応する鉱油留分が挙げられるが、
パラフィン油などの不揮発性溶媒が好ましい。
【0027】溶媒の配合量としては、重合体組成物と溶
媒との混合物中75〜95重量%であることが好まし
く、75〜90重量%であることがより好ましい。該配
合量の下限は、混練りトルク、圧延、延伸応力などを適
度に保ち、生産性が良好である観点から、75重量%以
上が好ましく、またその上限は、シート化する際にダイ
ス出口でネックインが小さく、成形が良好に行える観点
から、95重量%以下が好ましい。
【0028】重合体組成物と溶媒との混合物を混練り
し、シート状に成形する工程は、公知の方法により行う
ことができ、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用い
てバッチ式で混練りし、次いで、冷却された金属版に挟
み込み急冷して急冷結晶化によりシート状成形物にして
もよく、Tダイなどを取り付けた押出機などを用いてシ
ート状成形物を得てもよい。なお、混練りは、第1樹脂
成分が前記溶媒に溶解し始める温度(溶解開始温度:T
m)〜Tm+60℃の範囲で行うことが好ましい。該混
練温度の下限は、第1樹脂成分が均一に分散する観点か
ら、Tm以上が好ましく、また、その上限は、第1樹脂
成分の分解が生じない観点から、Tm+60℃以下が好
ましい。
【0029】このようにして得られるシート状成形物の
厚みとしては、特に限定されないが、3〜20mmが好
ましく、ヒートプレスなどの圧延処理により0.5〜2
mmの厚みにしてもよい。圧延処理の温度は、100〜
140℃が好ましく、110〜130℃がより好まし
い。
【0030】前記シート状成形物の延伸処理の方式とし
ては、特に限定されるものではなく、通常のデンター
法、ロール法、インフレーション法またはこれらの方法
の組合せであってもよく、また、一軸延伸、二軸延伸な
どのいずれの方式をも適用することができる。また、二
軸延伸の場合は、縦横同時延伸または逐次延伸のいずれ
かでもよい。延伸処理の温度は、延伸の均一性が良好
で、充分な膜強度が得られる観点から、Tm+5℃以下
が好ましく、Tm℃以下がより好ましい。
【0031】脱溶媒処理は、シート状成形物から溶媒を
除去して微多孔質構造を形成させる工程であり、例え
ば、シート状成形物を溶剤で洗浄して残留する溶媒を除
去することにより行うことができる。溶剤としては、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカンなどの炭化水素、
塩化メチレン、四塩化炭素などの塩素炭化水素、三フッ
化エタンなどのフッ化炭化水素、ジエチルエーテル、ジ
オキサンなどのエーテル類などの易揮発性溶剤が挙げら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。かかる溶剤を用いた洗浄方法は、特に限定
されず、例えば、シート状成形物を溶剤中に浸漬して溶
媒を抽出する方法、溶剤をシート状成形物にシャワーす
る方法などが挙げられる。また、該脱溶媒処理の後に多
孔質フィルムを公知の方法で乾燥させることが好まし
い。
【0032】以上のようにして得られる多孔質フィルム
は、前記第1樹脂成分および第2樹脂成分からなり、収
縮応力のピークを少なくとも1つ有し、そのうち最も低
温側のピークの温度が135℃以下のものである。最も
低温側の収縮応力のピークの温度は、SD温度を低く抑
える観点から、133℃以下が好ましく、130℃以下
がより好ましい。なお、収縮応力の測定方法としては、
後述の実施例に記載の方法が挙げられる。
【0033】また、前記多孔質フィルムの厚さは、1〜
300μmが好ましく、10〜100μmがより好まし
い。その空孔率は、25〜80%が好ましく、30〜7
0%がより好ましい。その通気度は、1〜1500秒/
100ccが好ましく、100〜1000秒/100c
cがより好ましい。また、そのSD温度は、145℃以
下が好ましく、140℃以下がより好ましい。耐熱破断
性として、その熱破断温度は、200℃以上が好まし
く、220℃以上がより好ましい。
【0034】本発明により得られる多孔質フィルムは、
以上のように低温SD効果や高温での耐破膜性にも優れ
ているため、リチウムイオン二次電池などの非水電解系
電池のセパレータとして好適に使用することができ、そ
れにより電池の様々な大きさや用途に対してより安全性
を向上させることが期待できる。
【0035】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。なお、ここで実施した具体的な試験方
法は以下の通りである。
【0036】(1)フィルム厚 1/10000シックネスゲージおよび多孔質フィルム
の断面を走査型電子顕微鏡により測定した。
【0037】(2)空孔率 測定対象の多孔質フィルムを直径6cmの円状に切り抜
き、その体積と重量を求め、得られる結果から次式を用
いて計算した。
【0038】空孔率(%)=100×〔体積(cm3
−重量(g)/重量平均分子量50万以上の超高分子量
ポリオレフィンおよび不飽和縮合脂環式化合物の開環重
合体の平均密度(g/cm3 )〕/体積(cm3
【0039】(3)通気度(ガーレ値) JIS P8117に準拠して測定した。
【0040】(4)シャットダウン温度(SD温度) 25mmφの筒状の試験室を有し、試験室が密閉可能な
ステンレス鋼製のセルを用い、下部電極は20mmφ、
上部電極は10mmφの白金板(厚さ1.0mm)を使
用した。24mmφに打ち抜いた測定試料を電解液に浸
漬して電解液を含浸させ、電極間に挟み、セルにセット
した。電極は、セルに設けられたばねにて一定の面圧が
かかるようにした。電解液は、プロピレンカーボネート
とジメトキシエタンを容量比で1:1の割合で混合した
溶媒に、ホウフッ化リチウムを1.0mol/lの濃度
になるように溶解させたものを用いた。
【0041】このセルに熱電対温度計と抵抗計を接続し
て温度と抵抗を測定できるようにし、180℃恒温器中
へ投入し、温度と抵抗を測定した。100〜150℃の
平均昇温速度は10℃/分であった。この測定により、
抵抗が100Ω・cm2 に達した時の温度をSD温度と
した。
【0042】(5)収縮応力 幅3mmの短冊状サンプルをチャック間を10mmとし
て取り付け、セイコー電子製熱応力歪み分析装置「TM
A/SS100」にセットして、昇温速度2℃/min
で昇温した。この時の単位断面積あたりの応力を収縮応
力(kgf/cm2 )として記録した。なお、断面積は
室温での断面積を用いた。
【0043】(6)耐熱破断性(熱破断温度) 幅3mmの短冊状サンプルをチャック間を10mmとし
て取り付け、セイコー電子製熱応力歪み分析装置「TM
A/SS100」にセットして、昇温速度2℃/min
で昇温した。この昇温時の状態より評価し、短冊状サン
プルが破断した場合はこの時の温度を熱破断温度とし
た。
【0044】実施例1 ノルボルネンの開環重合体の粉末(日本ゼオン(株)
製、「ノーソレックスNB」、重量平均分子量200万
以上、以下同じ)15重量%、重量平均分子量200万
の超高分子量ポリエチレン(融点133℃)85重量%
からなる重合体組成物20重量部と流動パラフィン(凝
固点−15℃、40℃における動粘度59cst、以下
同じ)80重量部とをスラリー状に均一に混合し、16
0℃で小型ニーダーを用い、60分間溶解混練りした。
その後、この混練り物を0℃に冷却された金属板に挟み
込み5mmのシート状に急冷した。この急冷シートを1
15℃でシート厚が0.7mmになるまでヒートプレス
し、125℃で3.5×3.5倍に縦横同時二軸延伸
し、ヘプタンを使用して脱溶媒処理を行った。その後、
得られた多孔質フィルムを空気中で95℃、50時間熱
処理し、本発明の多孔質フィルムを得た。
【0045】比較例1 125℃で1時間熱処理を行った以外は、実施例1と同
様に作製し、多孔質フィルムを得た。
【0046】実施例2 重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレンのか
わりに、重量平均分子量50万の超高分子量ポリエチレ
ン(融点130℃)を用いた以外は実施例1と同様にし
て、本発明の多孔質フィルムを得た。
【0047】実施例3 重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレンのか
わりに、重量平均分子量100万の超高分子量ポリエチ
レン(融点132℃)を用いた以外は実施例1と同様に
して、本発明の多孔質フィルムを得た。
【0048】実施例4 ノルボルネンの開環重合体の粉末45重量%、重量平均
分子量200万の超高分子量ポリエチレン55重量%か
らなる重合体組成物20重量部と流動パラフィン80重
量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニ
ーダーを用い、60分間溶解混練りした。その後、この
混練り物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、5mm
のシート状に急冷した。この急冷シートを115℃でシ
ート厚が0.7mmになるまでヒートプレスし、125
℃で3.5×3.5倍に縦横同時二軸延伸し、ヘプタン
を使用して脱溶媒処理を行った。その後、得られた多孔
質フィルムを空気中で85℃で100時間熱処理し、本
発明の多孔質フィルムを得た。得られた多孔質フィルム
を熱破断測定すると、250℃付近で応力が一定とな
り、260℃まで昇温した後でも多孔質フィルムに破断
は生じていなかった。
【0049】実施例5 得られた多孔質フィルムを空気中で110℃で2時間熱
処理した以外は実施例2と同様にし、本発明の多孔質フ
ィルムを得た。
【0050】実施例1〜5および比較例1で得られた多
孔質フィルムの物性を表1に示す。なお、表中、「収縮
応力のピーク」とは、最も低温側の収縮応力のピークの
温度を示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果より、実施例1〜5で得られた
多孔質フィルムはいずれも、110℃以下の温度で熱処
理されたものであり、適度な空孔率、通気度および熱破
断温度を有し、比較例1で得られた多孔質フィルムに比
べ、SD温度や収縮応力のピークの温度が低いものであ
ることがわかる。
【0053】また、実施例1および比較例1の結果か
ら、熱処理の温度が低いと、収縮応力ピークを低温側に
シフトし、それに伴い、SD温度を低くすることが可能
であることがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明により、低温でのSD特性と高温
での耐破断性に優れた多孔質フィルムを得ることができ
る。該多孔質フィルムは、リチウムイオン二次電池など
の非水電解質系電池のセパレータに好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 茂 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内 (72)発明者 植谷 慶裕 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内 (72)発明者 江守 秀之 大阪府茨木市下穂積1−1−2 日東電工 株式会社内 Fターム(参考) 4F074 AA17 AA17A AA24 AA24A AA26 AA26A AA54 AA54A AB01 CA02 CA03 CB34 CB43 CC02Y CC03Y CC04Z CC22X CC27Z CC28Z CC29Y CC29Z CC32Z CC36Z DA08 DA10 DA23 DA49 4J002 BB03W BB05W BB12W BB14W BB15W BB17W CE00X GQ00 5H021 BB01 CC00 EE02 EE04 EE23 HH01 HH06 HH07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量50万以上の超高分子量
    ポリオレフィンと不飽和縮合脂環式化合物の開環重合体
    からなる多孔質フィルムを110℃以下の温度で熱処理
    することを特徴とする多孔質フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 多孔質フィルムが重量平均分子量50万
    以上の超高分子量ポリオレフィン50〜99重量%およ
    び不飽和縮合脂環式化合物の開環重合体1〜50重量%
    からなり、収縮応力のピークを少なくとも1つ有し、そ
    のうち最も低温側のピークの温度が135℃以下である
    請求項1記載の多孔質フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 不飽和縮合脂環式化合物の開環重合体が
    ポリノルボルネンである請求項1または2記載の多孔質
    フィルムの製造方法。
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