JP2001131061A - バンコマイシン耐性腸球菌用殺菌剤 - Google Patents

バンコマイシン耐性腸球菌用殺菌剤

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JP2001131061A
JP2001131061A JP2000251517A JP2000251517A JP2001131061A JP 2001131061 A JP2001131061 A JP 2001131061A JP 2000251517 A JP2000251517 A JP 2000251517A JP 2000251517 A JP2000251517 A JP 2000251517A JP 2001131061 A JP2001131061 A JP 2001131061A
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hinokitiol
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Kazuo Iwai
一夫 岩井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンコマイシン耐性腸球菌に対する殺菌剤を
提供する。 【解決手段】 ヒノキチオール若しくはその金属錯体、
又はこれらの塩を有効成分とする。さらに、アロエ、緑
茶、熊笹、及びドクダミからなる群より選ばれる少なく
とも1種の抽出物を含むことが好ましい。担体として水
を含んでいる水溶液タイプが好適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩酸バンコマイシ
ンに耐性を示すバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の
殺菌、バンコマイシン耐性腸球菌が付着している医療現
場の消毒、バンコマイシン耐性腸球菌が腸内に生息して
いると考えられる動物(ヒト、牛、ニワトリなど)の腸
内殺菌などに用いられるバンコマイシン耐性腸球菌用殺
菌剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塩酸バ
ンコマイシンは、大部分の細菌に殺菌的に、腸球菌には
静菌的に作用する。特に、近年院内感染菌として問題と
なっているメシチリン耐性ブドウ球菌(MRSA)に有
効であることから、日本でもMRSAに対する抗生物質
として承認された。
【0003】塩酸バンコマイシンがMRSAの治療薬と
して知られ、利用されるようになってから、塩酸バンコ
マイシンの耐性菌が現われるようになった。このため、
現在、バンコマイシン耐性腸球菌に対して殺菌力、抗菌
力のある物質が望まれるようになってきた。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、バンコマイシ
ン耐性腸球菌用殺菌剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、比較的広範な
抗菌スペクトルを有する殺菌成分として知られているヒ
ノキチオールが、バンコマイシン耐性菌にも有効である
ことを見い出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明のバンコマイシン耐性腸
球菌用殺菌剤は、ヒノキチオール若しくはその金属錯
体、又はこれらの塩を有効成分とする。
【0007】さらに、アロエ、緑茶、熊笹、及びドクダ
ミからなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を含
むことが好ましく、またさらに、柿の葉、松、杉、甘茶
づる、シソ、ワサビ、アカネ、ウメ、ニンニク、ペパー
ミント、ヨモギ、サンショウ、ダイオウ、アザミ、ハッ
カ、ビワ、ムラサキ、ラベンダー、レモングラス、及び
ハッカからなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物
を含んでもよい。
【0008】本発明のバンコマイシン耐性腸球菌用殺菌
剤は、担体として水を含んでいる水溶液タイプが好適に
用いられる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のバンコマイシン耐性腸球
菌用殺菌剤は、有効成分として、ヒノキチオール若しく
はその金属錯体、またはこれらの塩を含むものである。
【0010】ヒノキチオールは、β−ツヤプリシンとも
言い、タイワンヒノキや青森産ヒバ(アスナロ)やニオ
イヒバの1種などの精油中に含まれている。本発明に係
る組成物については、天然物由来のヒノキチオールを使
用してもよいし、化学合成品を使用してもよい。具体的
には、高砂香料(株)や大阪有機化学工業より販売され
ている市販品を使用することができる。
【0011】ヒノキチオールの金属錯体としては、ヒノ
キチオールと、亜鉛、銅、鉄、カルシウム、マグネシウ
ム、バリウム、スズ、コバルト、チタン、バナジウムな
どとの金属錯体が挙げられる。ヒノキチオールと金属と
の割合は、特に限定されるものではないが、通常、ヒノ
キチオール:金属のモル比が2:1のもの、あるいは
3:1のものが好ましく用いられる。
【0012】ヒノキチオール若しくはヒノキチオールの
金属錯体の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等の
アルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のア
ルカリ土類金属塩;銅塩、亜鉛塩等の遷移金属塩;ジエ
タノールアミン塩、2−アミノ−2−エチル−1,3−
プロパンジオール塩、トリエタノールアミン塩等のアル
カノールアミン塩;モルホリン塩、ピペラジン塩、ピペ
リジン塩等のヘテロ環アミン塩、アンモニウム塩、アル
ギニン塩、リジン塩、ヒスチジン塩等の塩基性アミン塩
等の有機塩類等を挙げることができる。
【0013】これらのヒノキチオール若しくはその金属
錯体、またはこれらの塩は、1種類だけ単独で含有され
ていてもよいし、2種類以上併用してもよい。これら
は、組成物の形態に応じて適宜選択して使用すればよい
が、人体に直接取り入れられる形態として用いる場合に
は、ヒノキチオールとして用いることが好ましい。一
方、ヒノキチオールの金属錯体又は金属錯体の塩は、耐
光性がヒノキチオールよりも優れているので、本発明の
組成物が耐候性を要する用途に使用される場合には、ヒ
ノキチオールの金属錯体又は金属錯体の塩を用いること
が好ましい。
【0014】これらのヒノキチオール若しくはその金属
錯体、またはこれらの塩(以下、これらを区別しないと
きは「ヒノキチオール等」という)は、バンコマイシン
耐性腸球菌に対して、優れた抗菌力を示す。ヒノキチオ
ールは、結核や腸チフス菌等の好気性菌、クロストリジ
ウム等の嫌気性菌をはじめ、食中毒の原因となるサルモ
ネラ菌、大腸菌など、幅広い抗菌作用を有していること
が知られているが、バンコマイシン耐性腸球菌に対して
殺菌性を示すことは、本発明者により見い出された。
【0015】本発明のバンコマイシン耐性腸球菌用殺菌
剤は、バンコマイシン耐性腸球菌に対して有効な殺菌性
を示すヒノキチオール等を本質的有効成分として含むも
のであり、ヒノキチオール単独では、50〜100μg
程度で有効な殺菌性を発揮することができる。
【0016】本発明のバンコマイシン耐性腸球菌用殺菌
剤は、さらにアロエ、緑茶、熊笹、及びドクダミからな
る群より選ばれる少なくとも1種の抽出物(以下、これ
らを特に区別しないときは、「アロエ等の抽出物」とい
う)を含むことが好ましい。これらの抽出成分は、ヒノ
キチオールのバンコマイシン耐性腸球菌に対する抗菌力
を高める働きがあり、バンコマイシン耐性の生育阻止に
必要なヒノキチオール量を低減できるからである。ま
た、ヒノキチオールは、一般に水に対する溶解度は、
0.2質量%が限界といわれているが、アロエ等の抽出
物との併用により、1質量%程度の水溶液を容易に得る
ことができる。従って、殺菌剤を水溶液として使用する
場合には、特にアロエ等の抽出物を共存させることが好
ましい。
【0017】アロエの抽出物とは、主にアロエが葉に持
つゼリー状の身(葉肉)を厚搾抽出法で抽出し、熱を加
えて濃縮安定化したエキスをいう。このようなアロエエ
キスに代えて、主成分であるアントラキノン誘導体のア
ロインやバーバーロインを用いてもよい。アロエ抽出物
には、アロインやバーバーロインの他、アロエ‐エモジ
ン、アロエシン、アロエニンなども含まれる。
【0018】緑茶の抽出物としては、粉砕した緑茶を熱
湯で抽出し、精製し濃縮した液を使用する。緑茶の抽出
物の主成分は茶ポリフェノールである。茶ポリフェノー
ルは、分子内にフェノール性水酸基を複数もつ化合物の
総称で、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピ
ガロカテキン、エピガテキンガレート、エピガロカテキ
ンガレートなどを主要成分とする。
【0019】熊笹の抽出物は、低温高圧圧搾抽出法で、
熊笹を抽出することにより得られる。低温高圧圧搾抽出
法は、熊笹を高圧に設定した機械装置によって温度を上
げずに抽出する方法で、その時にしぼり出された液を濃
縮した液が熊笹抽出物となる。熊笹は、日本や中国に広
く分布しているイネ科のササの1種である。熊笹の抽出
物には、主成分であるトリテルペノール(β−アミリン
・フリーデン)の他、リグニン残渣、還元糖、グルコー
スなどの糖類も含まれている。熊笹の抽出物に代えて、
これらの合成品の混合物を用いることもできる。
【0020】ドクダミは、日本、タイワン、中国、ヒマ
ラヤ、ジャワに分布し、山野や庭などに見られる多年草
である。ドクダミの抽出物は、熊笹と同様に、低温高圧
圧搾抽出法という方法で抽出する。ドクダミ抽出物に
は、クエルシトリン(quercitrin)、アフゼニン(afze
nin)、ハイぺリン(hyperin)、ルチン、クロロゲン
酸、β−シトステロール、cisおよびtrans-N-(4-ヒド
ロキシスチリル)が含まれている。熊笹の抽出物に代え
て、これらの合成品の混合物を用いることもできる。
【0021】アロエ、緑茶、熊笹、どくだみの抽出物
は、1種類だけ用いてもよいが、2種以上併用すること
が好ましく、より好ましくはれらの抽出物を全て含む。
【0022】ヒノキチオールとアロエ等の抽出物の含有
割合は、ヒノキチオールを100μgに対して、アロエ
は40μg〜300μg、緑茶は40μg〜300μ
g、熊笹は20μg〜50μg、どくだみは20μg〜
50μgの範囲が好ましい。より好ましくは、アロエ、
緑茶、熊笹、どくだみの抽出物を全て含む場合で、ヒノ
キチオール1に対して、アロエ、緑茶、熊笹、どくだみ
の抽出物の含有量合計が3〜3.5(質量比)となる場
合である。
【0023】本発明のバンコマイシン耐性腸球菌用殺菌
剤には、この他、柿の葉、松、杉、あま茶づる、シソ、
ワサビ、アカネ、ウメ、ニンニク、ペパーミント、ヨモ
ギ、サンショウ、ダイオウ、アザミ、ハッカ、ビワ、ム
ラサキ、ラベンダー、レモングラス、及びレンギョウの
抽出成分、ハチミツより抽出されるプロポリス等を含有
してもよい。これらは、ヒノキチオールのバンコマイシ
ン耐性腸球菌に対する抗菌力を損なうことなく、ヒノキ
チオールの独特の臭い、苦みを緩和することができ、ま
た、水に対するヒノキチオールの溶解度を高めることが
できるからである。
【0024】本発明の殺菌剤は、ヒノキチオール、好ま
しくはアロエ等抽出物を有効成分として含み、さらに必
要に応じて植物抽出成分を含み、殺菌剤の形態に適した
担体を含有する。
【0025】担体としては、有効成分の化学的変化をも
たらさないものであれば使用でき、液体であっても、固
体であってもよい。また、担体は、1種類に限定され
ず、必要に応じて、2種類以上混合して用いることがで
きる。
【0026】液体の担体としては、ヒノキチオールの溶
媒、分散媒となり得るものであればよく、水;メタノー
ル、エタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエ
チルケトン等のケトン類;脂肪酸エステル類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメ
チルホルムアミド等の酸アミド類;高級脂肪酸類などを
挙げることができる。
【0027】これらのうち、殺菌剤が散布や塗布等のよ
うに大量に使用される用途の場合、飲用の場合には、水
が好ましく用いられる。ヒノキチオールは一般に水に難
溶性として知られ、ヒノキチオール単独では0.2質量
%程度しか溶解させることができないが、アロエ等の抽
出物を併用することにより、1質量%程度の水性殺菌剤
を得ることができる。尚、担体として水を使用する場
合、必要に応じて、グリセリン脂肪酸エステル等の界面
活性剤、キラヤサポニン等の植物系乳化剤を併用しても
よい。これらを含有することにより、ヒノキチオール濃
度を10質量%にまで高めた殺菌剤の水溶液を得ること
ができる。
【0028】担体として水を用いた場合の好ましい水溶
液状殺菌剤の組成は、水1000gに対して、ヒノキチ
オール50μg〜100g、アロエ20μg〜100
g、緑茶20μg〜100g、熊笹10μg〜50gの
範囲で、水に対するヒノキチオールの含有率、界面活性
剤の有無等により適宜選択される。
【0029】消毒用では、液体担体としてアルコール類
を好ましく用いることができる。アルコールであれば、
ヒノキチオール単独でも、ヒノキチオール含有率が5質
量%程度までの殺菌剤を得ることできる。液体殺菌剤中
のヒノキチオール濃度を高めることは、必要とする服用
量、使用量を少なくできることを意味し、また散布用、
塗布用、消毒用等のように、殺菌剤を大量に使用する用
途についても、使用時に希釈するタイプとできるので好
ましい。
【0030】固体の担体としては、粉末担体、錠剤用担
体、軟膏基材として従来より公知の物質、例えば油脂
類、糖類、タンパク質、エステル類、無機塩、鉱物など
が挙げられる。
【0031】本発明の殺菌剤は、バンコマイシン耐性腸
球菌に感染した患者の医薬品として用いることもできる
し、医療現場や日用品食品製造現場などの殺菌、消毒に
用いることもできるし、さらには食品等に混合して、家
畜、ヒトの腸内殺菌剤として用いることもできる。
【0032】本発明の殺菌剤を医薬品(抗バンコマイシ
ン剤)として用いる場合、担体を適宜選択して、錠剤、
丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル
剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)点眼剤、軟膏剤等
の種々の形態を取ることができる。
【0033】例えば、錠剤の場合、乳糖、白糖、塩化ナ
トリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウ
ム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤;
水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖
液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセル
ロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウ
ム、ポリビニルビロリドン等の結合剤;乾燥デンプン、
アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭
酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレ
ンソルピタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の
崩壊剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油
等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫
酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、デンプン等
の保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、
コロイト状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン
酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等
を含有して錠剤とすることができる。錠剤は必要に応じ
通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包
錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠或いは二重錠、
多重錠とする事ができる。
【0034】丸錠の場合、ブドウ糖、乳糖、デンプン、
カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤;
アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール
等の結合剤;ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を含有
させることができる。
【0035】坐剤の場合、ポリエチレングリコール、カ
カオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル
類、ゼラチン、半合成グリセライド等を用いる。
【0036】カプセル剤の場合、常法に従い、有効成分
を上記で例示した各種の担体と混合した後、硬質ゼラチ
ンカプセル、軟質ゼラチンカプセルに充填すればよい。
【0037】注射液として使用される場合、担体は有効
成分の希釈剤として、この分野で使用されるものすべて
使用出来る。例えば水、エチルアルコール、マクロゴー
ル、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリル
アルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使
用出来る。さらに等張性の溶液を調製するに充分な量の
食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを含有させてもよ
く、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加
してもよい。
【0038】軟膏剤として使用される場合には、この分
野で公知の油性基剤を広く使用する事が出来る。具体的
にはラッカセイ油、ゴマ油、ダイズ油、サフラワー油、
アボカド油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ナタネ油、
メンジツ油、ヒマシ油、ツバキ油、ヤシ油、オリーブ
油、ケシ油、カカオ油、牛脂、豚脂、羊毛油等の油脂
類、ワセリン、パラフィン、シリコン油、スクワラン等
の鉱物油、イソプロピルミリステート、n−ブチルミリ
ステート、イソプロピルリノレート、アセチルリシノレ
ート、ステアリルリシノレート、ジエチルセバケート、
ジイソプロピルアジペート、セチルアルコール、ステア
リルアルコール、サラシミツロウ、鯨ロウ、木ロウ等の
高級脂肪酸エステル、高級脂肪族アルコール及びワック
ス類、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の高
級脂肪酸、炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸の
モノ、ジ、トリグリセライド混合物等を例示できる。
【0039】本発明の殺菌剤には、有効成分たるヒノキ
チオール、アロエ等抽出物、必要に応じて添加される柿
の葉等の抽出物、形態に応じて選択される担体のほか、
さらに必要に応じて、従来使用されている添加剤、例え
ば金属石鹸、動物抽出物、ビタミン剤、ホルモン剤、ア
ミノ酸等の薬効剤、色素、染料、顔料、香料、紫外線吸
収剤、保湿剤、増粘剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖
剤、pH調整剤等を適宜配合する事が出来る。
【0040】医療現場や食品製造現場等の殺菌、消毒に
用いる場合、医療器具、床、壁、天井などに、直接スプ
レーするスプレータイプ;塗布する塗布用タイプ;布雑
きん、ペーパータオル、ウェットティッシュ、おしぼり
等に拭き取り用布帛に含浸させる含浸タイプの殺菌剤と
することが好ましい。また、消毒、殺菌の対象が、衣
類、食品、食器、ガーゼ、シーツ、おむつ、カーテン等
の場合には、洗浄剤、仕上げ剤等に添加して用いること
が好ましい。
【0041】スプレータイプ、塗布用タイプ、含浸用タ
イプとして用いる場合、担体としては、上記有効成分の
溶媒または分散媒となる液体担体(水、アルコール類、
エステル類、高級脂肪酸類)が使用される。洗浄剤、仕
上げ剤等に添加して用いる場合には、洗浄液と相溶性の
ある液体担体を用いてもよいし、洗浄液に溶解し得る固
体担体を用いてもよい。
【0042】本発明の殺菌剤を、散布、塗布、含浸用な
どとして使用する場合には、殺菌剤をさらに、適宜溶剤
や水に希釈して用いてもよい。
【0043】また、本発明のバンコマイシン耐性腸球菌
用殺菌剤は、ヒトの腸内に存在するバンコマイシン耐性
腸球菌の殺菌用だけでなく、人以外の動物、例えば牛、
豚、鳥、ひつじ等の家畜、にわとり、七面鳥、うずら等
のとり類、犬、猫等のペットの腸内に存在するバンコマ
イシン耐性腸球菌の殺菌用としても有効である。この場
合、担体としては食しても害のないもの、具体的には医
薬品等で用いられるような担体が用いられ、好ましくは
水が用いられる。
【0044】動物の腸内の殺菌剤として使用する場合
は、動物の餌に添加して食させることが容易である。
【0045】
【実施例】〔抗バンコマイシン耐性球菌用組成物の調
製〕表1に示すような組成を有する2種類の組成物を調
製した。
【0046】
【表1】
【0047】〔使用した腸球菌〕下記に示す6種類の菌
を用いた。 Enterococcus Faecalis KI
H−C233(患者の膣粘膜由来) MIC(μg/ml):VCM2,ABPC1, PCG
4,CEZ>32,CMZ>32,EM>32,GM>
32,IPM1 Enterococcus faecium KIH
−234(患者の膣粘膜由来) MIC(μg/ml):VCM0.5,ABPC16,
PCG16,CEZ>32,CMZ>32,EM>3
2,GM>32,IPM1 Enterococcus faecium KIH
−237(輸入鶏由来) MIC(μg/ml):VCM500,ABPC4,P
CG16,CEZ>32,CMZ>32,EM>32,
GM>32,IPM8 Enterococcus gallinarum
KIH−241(国内産鶏由来) MIC(μg/ml):VCM8,ABPC4,PCG
1,CEZ>32,CMZ>32,EM>1,GM>3
2,IPM1 Enterococcus faecalis 標準
菌IFO−12965 Enterococcus faecium 標準
菌IFO−3535
【0048】VCMはバンコマイシン(vancomycin)、A
BPCはアミノベンジルペニシリン、PCGはベンジル
ペニシリン、CEZはセファゾリン(Cefazolin)、C
MZはセフメタゾール(Cefmetazole)、EMはエリス
ロマイシン(Erythromycin)、GMはゼンタマイシン(Gen
tamycin)、IPMはイミペネム(Imipenem)を示してい
る。バンコマイシンは、血中濃度が最高値として6μm
/mlしか期待できないので、最小発育阻止濃度が5μ
m/ml以上であればバンコマイシン耐性であると言え
る。よって、上記菌のうち、はバンコマイシン感受
性菌であり、〜がバンコマイシン耐性菌である。
【0049】〔バンコマイシン耐性腸球菌に対するヒノ
キチオールの最小発育阻止濃度〕寒天平板希釈法により
最小発育阻止濃度(MIC)を調べた。
【0050】ミューラー・ヒントン寒天培地用液体に、
上記で調製した組成物の希釈液を添加し、室温で固化さ
せて、寒天培地を作製した。寒天培地におけるヒノキチ
オール濃度が150ppm、100ppm、75pp
m、50ppm、25ppmとなるものを作製した。作
製した各寒天培地に、上記〜の菌を一白金耳接種
し、35℃で24時間培養した。その後、コロニーの発
生の有無を調べて、コロニーが1つも発生しない場合を
最小発育阻止濃度とした。結果を表2に示す。
【0051】尚、35℃で24時間の培養は、殺菌剤を
全く含まない培地の場合には、菌が充分に発育できる条
件である。
【0052】
【表2】
【0053】表2より、バンコマイシン耐性腸球菌及び
バンコマイシン感受性腸球菌のいずれに対しても、本発
明の組成物100μg/ml以下で殺菌効果を示すこと
がわかる。また、いずれについても、ヒノキチオール単
独よりも、アロエ、緑茶、熊笹、どくだみの混合物を含
有する組成物の方が、殺菌に要するヒノキチオール濃度
が小さくて済んだ。アロエ等の抽出物がヒノキチオール
の殺菌効果を高めたためと思われる。
【0054】
【発明の効果】本発明のバンコマイシン耐性腸球菌用殺
菌剤は、有効成分として毒性の少ないヒノキチオールを
用いているので、医薬品、日用品、食品製造現場などで
飲用、散布用、塗布用殺菌剤として幅広く、使用でき
る。
【0055】また、アロエ等の抽出物を含有することに
より、殺菌に必要なヒノキチオール量を少なくできる。
しかも、水性殺菌剤の場合には、ヒノキチオールの溶解
度を高めて水性殺菌剤の服用量、使用量を少なくでき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 35/78 A61K 35/78 B S Q H T K E 47/04 47/04 A61L 2/16 A61L 2/16 Z 2/18 2/18 A61P 31/04 A61P 31/04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒノキチオール若しくはその金属錯体、
    又はこれらの塩を有効成分とするバンコマイシン耐性腸
    球菌用殺菌剤。
  2. 【請求項2】 さらに、アロエ、緑茶、熊笹、及びドク
    ダミからなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を
    含む請求項1に記載のバンコマイシン耐性腸球菌用殺菌
    剤。
  3. 【請求項3】 さらに、柿の葉、松、杉、甘茶づる、シ
    ソ、ワサビ、アカネ、ウメ、ニンニク、ペパーミント、
    ヨモギ、サンショウ、ダイオウ、アザミ、ハッカ、ビ
    ワ、ムラサキ、ラベンダー、レモングラス、及びハッカ
    からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を含む
    請求項1または2に記載のバンコマイシン耐性腸球菌用
    殺菌剤。
  4. 【請求項4】 さらに、担体として水を含んでいる水溶
    液である請求項1〜3のいずれかに記載のバンコマイシ
    ン耐性腸球菌用殺菌剤。
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