JP2001130774A - 媒体搬送ベルト - Google Patents

媒体搬送ベルト

Info

Publication number
JP2001130774A
JP2001130774A JP31033399A JP31033399A JP2001130774A JP 2001130774 A JP2001130774 A JP 2001130774A JP 31033399 A JP31033399 A JP 31033399A JP 31033399 A JP31033399 A JP 31033399A JP 2001130774 A JP2001130774 A JP 2001130774A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
transport belt
medium transport
layer
outermost layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31033399A
Other languages
English (en)
Inventor
Taiji Nishikawa
泰司 西川
Hitoshi Nojiri
仁志 野尻
Koji Sezaki
好司 瀬崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP31033399A priority Critical patent/JP2001130774A/ja
Publication of JP2001130774A publication Critical patent/JP2001130774A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた静電吸着力に加え、トナーおよびイン
クかきとりが容易で表面に傷がつきにくい、媒体搬送ベ
ルトを提供する。 【解決手段】 高分子材料の管状物表面に、導電性を有
する電極パターンを形成し、その上に1層以上の電極保
護層を形成し、この電極保護層の最外周層を引張弾性率
300MPa以上の材料で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は媒体搬送ベルトに関
し、より詳しくは複写機やレーザービームプリンターあ
るいはファクシミリなどの電子写真装置に用いられる紙
やOHPフィルムなどの搬送に用いられるベルト、又は
インクジェットプリンター装置あるいはバブルジェット
プリンター装置の紙やOHPフィルムなどの搬送や乾燥
などに用いられるベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば複写機などの電子写真装
置において、紙の搬送はPC、フッ化ビニリデンなどの
樹脂ベルトに紙を載せて搬送するか、あるいは樹脂ベル
トを予め帯電させて表面に電荷を付与し、その電荷によ
って紙を吸着させて搬送する方法が知られていた。
【0003】一方、従来のこのような搬送方法による媒
体の搬送では安定性に問題があり、複写機の高速度化の
達成が困難である等の理由から、本発明者等は、印字用
などの媒体を強く吸着させることができ、さらに使用条
件などに対応させて、耐熱性、耐電性、耐インク性を備
えた媒体搬送ベルトを得た。すなわち、ベルトに電極パ
ターン、およびこのパターン上に電極保護層を形成し、
電圧を印加することによって紙を静電吸着させることと
し、そのベルトの構成および材料特性を特定することに
よって、紙の搬送性と耐熱性、耐電圧等に優れた媒体搬
送ベルトを提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような媒体搬送ベ
ルトが、複写機やレーザービームプリンターあるいはフ
ァクシミリなどの電子写真装置に用いられる紙やOHP
フィルムなどの搬送に用いられる場合、ベルト表面にト
ナーが付着し、ブレードやハケ等で取り除く必要があ
る。
【0005】媒体搬送ベルトが、インクジェットプリン
ター装置あるいはバブルジェットプリンター装置の紙や
OHPフィルムなどの搬送や乾燥などに用いられる場合
にも、ベルト表面にインクが付着し、ブレードやハケ等
で取り除く必要がある。
【0006】このようなブレードやハケ等でトナーやイ
ンクをかき取るという作業を行う場合、電極パターンを
含む部分の厚みと電極パターンを含まない部分の厚みの
差が大きいと、厚みが薄い部分にへこみが生じ、そのへ
こみに部分にトナーやインクがたまるという問題があっ
た。
【0007】このとき、へこみにたまったトナーやイン
クをかき取るために、ブレードやハケをベルト表面に強
く押し当てると、その時の摩擦により表面が傷つき、次
に使用する時にさらにその傷部分にトナーやインクがた
まるという問題があった。
【0008】また、ベルトの使用により装置内部の他の
部材とベルト表面との接触等により、ベルト表面が傷つ
き、傷部分にブレードやハケでかき取ってもトナーやイ
ンクがたまるという問題があった。
【0009】そこで、本発明者等は、従来の媒体搬送ベ
ルトの優れた特性を維持しつつ、表面を傷つきにくく、
さらにトナーやインクを除去しやすくするように鋭意検
討と研究を重ねた結果、媒体搬送ベルトの最外周層を引
張弾性率300MPa以上の材料で形成することによっ
て、トナーやインクのかき取りに対する長期耐久性に優
れ、かつ吸着搬送性を有する本発明に係る媒体搬送ベル
トを想到するに至ったのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の媒体搬送ベルト
は、高分子材料により成形された管状物の外周表面に、
導電性を有する電極パターンが形成されるとともに、該
電極パターン上に1層以上の電極保護層が形成されてい
る媒体搬送ベルトであって、電極保護層の最外周層の引
張弾性率が、300MPa以上である。最外周層の引張
弾性率は、好ましくは、1000MPa以上であり得
る。
【0011】上記最外周層は、樹脂単体もしくは樹脂に
添加剤を混合してなる複合樹脂、または無機材料で構成
され得る。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る媒体搬送ベル
トの実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0013】本発明の媒体搬送ベルトは、高分子材料に
より成形された管状物の外周表面に、導電性を有する電
極パターンが形成されるとともに、該電極パターン上に
1層以上の電極保護層が形成されて構成されており、最
外周層が引張弾性率300MPa以上、好ましくは10
00MPa以上の材料から構成されている。
【0014】本発明において、引張弾性率は、JIS
K 7127に準拠する方法で測定される。より詳しく
は、材料を100μmのフィルムとして、1号形試験片
を作製し、試験環境23℃±2℃、相対湿度50±5%
において、試験速度を450mm/minとし、3点平
均をとった値である。
【0015】媒体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率が
300MPa以下の場合では、トナーやインクをかき取
るために強くブレードを押し当て、回転させると、短期
間のうちに表面に傷が入り、トナーやインクが傷部分に
残る。
【0016】本発明の媒体搬送ベルトは、例えば、図1
及び図2に示すような媒体搬送ベルト10に構成するこ
とができる。すなわち、高分子材料により成形された管
状物12の外周表面に、導電性を有する電極パターン1
4が形成されるとともに、その電極パターン14上に樹
脂単体または樹脂に添加剤を混合してなる複合樹脂から
なる1層の電極保護層16が形成されている。このとき
の電極保護層16は、ベルトの最外周層を形成してお
り、引張弾性率300MPa以上、好ましくは1000
MPa以上の材料から構成されている。
【0017】あるいは、本発明の媒体搬送ベルトは、図
3に示すような構成とすることもできる。この場合、高
分子材料により成形された管状物12の外周表面に、導
電性を有する電極パターン14が形成されるとともに、
その電極パターン14上に電極保護層16が形成され、
さらに外周電極保護層(以下、外周層、最外周層ともい
う)20が形成されている。このときの電極保護層16
の引張弾性率は特に限定されないが、外周電極保護層2
0は、引張弾性率300MPa以上、好ましくは100
0MPa以上の材料から構成されている。
【0018】このように、本発明においては、電極パタ
ーン上に電極保護層を1層あるいは2層設けた媒体搬送
ベルトにおいて、最外周層を構成する材料が、引張弾性
率300MPa以上である。あるいは、電極パターン上
に電極保護層を3層以上設けた媒体搬送ベルトを構成
し、その最外周層を構成する材料を、引張弾性率300
MPa以上とすることもできる。
【0019】また、本発明の媒体搬送ベルトにおいて
は、適宜、図4に示すように、管状物12の外周面に電
極パターン14及び電極保護層16を積層した媒体搬送
ベルト10において、その管状物12の内周面側に電極
保護層16と同じ材質のほぼ同じ厚みからの樹脂層26
を形成するのも好ましい。得られた媒体搬送ベルト28
が反ってくるのを防止できる。
【0020】更に、図5に示すように、管状物12の外
周面に電極パターン14及び電極保護層16を積層する
とともに、その管状物12の内周面側に電極保護層16
と同一の材質から成る樹脂層26をほぼ同じ厚みで設け
た媒体搬送ベルト10において、さらに電極保護層16
の表面にその電極保護層16を保護する外周の電極保護
層20を形成して、媒体搬送ベルト30を構成してもよ
い。この場合、外周の電極保護層20の材質は、引張弾
性率が300MPa以上であれば、内周面側の樹脂層2
6と同一である必要はない。さらに、この媒体搬送ベル
ト30の内周面側の樹脂層26の内面に外周の電極保護
層20と同一の材質から成る樹脂層32をほぼ同じ厚み
で設けることも好ましい。
【0021】ここで、本発明の管状物を形成する高分子
材料は、例えば、エンジニアリングプラスチックであ
り、具体的には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリ
アミド46、ポリアミドMXD6、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、PET(ポ
リエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテ
レフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレー
ト)、ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフ
ォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、ポリアミドイミド、アラミド、非熱可塑性ポリイミ
ド、熱可塑性ポリイミド、フッ素樹脂、エチレンビニル
アルコール共重合体、ポリメチルペンテン、フェノール
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコ
ーン、およびジアリルフタレート樹脂からなる群より選
択される1種類または2種類以上の組み合わせが好まし
い。このうち、特に好ましくは、限定はされないが、例
えば、引張弾性率が2000MPa以上の材料および/
またはガラス転移温度150℃以上の材料であり得る。
弾性率およびガラス転移温度を高めるためには、高分子
材料は、フィラーや繊維等で強化してもよい。ここで、
ガラス転移温度は、JIS K 7121に準拠する方
法で測定される。あるいは、管状物を形成する高分子材
料は、非熱可塑性ポリイミド樹脂または熱可塑性ポリイ
ミド樹脂である。
【0022】このうち、熱可塑性ポリイミド樹脂として
は、ガラス転移温度Tgが150℃以上、より好ましく
は230℃以上のものが用いられ得る。本発明の媒体搬
送ベルトは、複写機やレーザービームプリンターあるい
はファクシミリなどの電子写真装置における紙やOHP
フィルムなどの搬送に用いられるベルト、又はインクジ
ェットプリンター装置あるいはバブルジェットプリンタ
ー装置の紙やOHPフィルムなどの搬送や乾燥などに用
いられるベルトである。したがって、ベルトの使用条件
において、媒体搬送ベルトを構成する熱可塑性ポリイミ
ド樹脂はガラス転移温度Tgが150℃以上、より好ま
しくは230℃以上を有することにより、ガラス転移温
度Tg以下で使用される熱可塑性ポリイミド樹脂は耐熱
性樹脂として機能する。
【0023】次に、本発明の媒体搬送ベルトに用いられ
る熱可塑性ポリイミド樹脂の一例を示す。熱可塑性ポリ
イミドフィルムは、従来の非熱可塑性(熱硬化性)ポリ
イミドフィルムとは異なり、耐熱性を有しつつ所定の高
温域で溶融流動性を有し、加工性に優れている。また、
本発明の耐熱性樹脂ベルトにおける継ぎ目部分の接着性
が、非熱可塑性ポリイミドフィルムと比較すると優れて
いる。本発明に係る熱可塑性ポリイミドは化学構造式が
一般式(1)
【0024】
【化1】
【0025】(式中、m,nは整数であり、m/nの比
は0.01〜100の範囲内であり、A,Bはいずれも
4価の有機基であり、X,Yは2価の有機基を示す。)
で表される構造が主成分であるものが好ましい。さら
に、酸二無水物のモノマーから誘導される一般式(1)
中のAが、熱可塑性を付与する、一般式(2)
【0026】
【化2】
【0027】(式中、R1 およびR2 は2価の有機基を
示す。)で表される4価の有機基の群から選択される少
なくとも1種であることが好ましい。さらに、前記一般
式(1)中のBが、
【0028】
【化3】
【0029】で表される4価の有機基の群から選択され
る少なくとも1種であることが好ましい。さらに、ジア
ミンとして、前記一般式(1)中のX,Yが熱可塑性を
付与するモノマーから誘導される、一般式(3)
【0030】
【化4】
【0031】(式中、R3 は2価の有機基を示す。)、
及び化5
【0032】
【化5】
【0033】で表される2価の有機基の群から選択され
る少なくとも1種であることが好ましい。
【0034】ここで、本発明の耐熱性樹脂ベルトに適用
し得る熱可塑性ポリイミドの製造方法の一例を示す。熱
可塑性ポリイミドは、まず、上記一般式(2)に示す分
子鎖中にエステル基を有する酸二無水物(好適には10
〜90モル%)及び上記化3に示す芳香族酸二無水物
(好適にはピロメリット酸二無水物)から成る酸二無水
物と、上記一般式(3)化4及び化5に示すジアミンと
を有機溶媒中にて反応させ、ポリイミドの前駆体溶液で
あるポリアミド酸溶液を得る。そして、さらに加熱乾燥
させてイミド化させることにより、ポリイミドが得られ
る。しかし、この実施形態は例示であって、これに限定
されない。
【0035】媒体搬送ベルトに用いられる高分子材料の
フィルムは、例えば、上述の熱可塑性ポリイミドのみか
らなるフィルムを用いてもよいが、熱可塑性ポリイミド
に他の樹脂を添加した混合物を混合したものから成るフ
ィルムを用いてもよい。
【0036】また、本発明の媒体搬送ベルトに用いられ
る非熱可塑性ポリイミドフィルムとしては、一般式
(4)
【0037】
【化6】
【0038】(但し、R4
【0039】
【化7】
【0040】で表される4価の有機基であり、R5 は水
素原子又は1価の置換基であり、m,nは整数であ
る。)で表される構造式の樹脂から成るフィルムを用い
ることができるが、これに限定されない。
【0041】非熱可塑性ポリイミドフィルムの中には、
熱硬化性ポリイミド樹脂あるいは反応硬化型ポリイミド
樹脂などとして表される樹脂を全て含む。非熱可塑性ポ
リイミドフィルムとして、たとえば非熱可塑性ポリイミ
ド樹脂のみから成るフィルムを用いてもよいが、非熱可
塑性ポリイミドフィルムに添加物を混合したものから成
るフィルムを用いてもよい。非熱可塑性ポリイミドフィ
ルムに添加物を混合するには、その前駆体に添加物が混
合される。
【0042】図1の管状物12に代表される管状物を形
成する方法をより具体的に説明すれば、非熱可塑性高分
子材料フィルムの両端部を熱可塑性材料で接合して管状
に形成する方法や、熱可塑性高分子材料フィルムの両端
部を加熱して接合することにより管状に形成する方法、
あるいは非熱可塑性高分子材料フィルムと熱可塑性高分
子材料フィルムとをそれぞれの突き合わせ端部の位置を
ずらせて積層し且つ管状にして、加熱接合することによ
り管状に形成する方法を用いることができる。さらに、
非熱可塑性高分子材料あるいは熱可塑性高分子材料を金
型などにより直接管状に成形する方法、ワニス状にして
型の上に均一に塗布する方法なども用いることができ、
いずれの方法で管状物を成形してもよく、特に限定され
ない。また、管状物は、所定の電極パターンおよび/あ
るいは電極保護層を高分子材料フィルム上に形成させた
後で管状にすることで得ても良い。
【0043】図1の管状物12の表面には所定のパター
ンの電極14が形成されていて、電極パターン14には
交互にその端部が延び出され、電圧を印加し得るように
構成されている。図1の電極パターン14に代表される
電極パターンは、銀,銅,アルミニウム,カーボンなど
から成る導電性ペーストを管状物の表面にスクリーン印
刷したり、アルミニウムや銅などの金属箔や金属薄膜を
管状物の表面に被着させた後、エッチングすることによ
り、所定のパターンに形成したり、あるいは所定のパタ
ーンが形成されたマスクを介してアルミニウムなどの金
属を蒸着させることにより、所定のパターンに形成した
りして構成される。電極パターンは、 図1に示す電極パ
ターン14の形状に限定されるものではなく、たとえば
櫛歯状に形成するとともに、その櫛歯と櫛歯が噛み合っ
たパターンとすることができる。電極パターンの厚みは
特に限定はされないが、電極パターンによる表面の凹凸
を考慮すると、10μmより薄く、好ましくは5μmよ
り薄くするのがよい。さらに、電極パターンの線幅やピ
ッチは任意であり、種々設定することが可能である。
【0044】さらに、図において、電極パターン14が
形成された管状物12の外周表面上には、電極保護層1
6が形成されて、電極パターン14が外力から保護され
ている。電極保護層は1層で形成されても良いし、2層
以上で形成されても構わない。電極保護層が1層からな
る場合は、その1層が最外周層になる。また、電極保護
層が2層以上からなる場合は、最外周層と内側の層から
なる。電極保護層のうち、最外周層以外の層を、本明細
書においては、電極保護内周層ともいう。
【0045】本発明の媒体搬送ベルトの最外周層の材料
または電極保護内周層の材料は、特に限定されないが、
樹脂単体、複合樹脂または無機材料等が挙げられる。こ
こで、最外周層の引張弾性率の調整は、引張弾性率の高
い樹脂を選択して材料とすること、複合樹脂に引張弾性
率を高める添加剤を加えること、または無機材料を選択
することによってなされる。複合樹脂とは、樹脂に弾性
率を高くする添加剤、体積抵抗率を調整する添加剤、お
よび/または誘電率を調整する添加剤を混合した樹脂を
いうが、特に外周層を形成する材料では、引張弾性率を
高くする添加剤を加えた樹脂を意味する場合が多い。一
方、電極保護内周層を形成する複合樹脂では、特に引張
弾性率を高くする添加剤を加えても加えなくてもよい。
【0046】本発明の媒体搬送ベルトの最外周層に樹脂
単体が使用される場合、樹脂単体としては、例えば、エ
ンジニアリングプラスチックが挙げられ、具体的には、
ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリ
アミドMXD6、ポリカーボネート、ポリアセタール、
ポリフェニレンエーテル、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、
PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリアリレー
ト、液晶ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテル
エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミ
ド、アラミド、非熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリイ
ミド、フッ素樹脂、エチレンビニルアルコール共重合
体、ポリメチルペンテン、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン、およびジア
リルフタレート樹脂からなる群より選択される1種類以
上含む樹脂が好ましい。
【0047】最外周層に複合樹脂が使用される場合、こ
の複合樹脂に用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂、
非熱可塑性樹脂、ゴム、および熱可塑性エラストマーが
挙げられる。この中には、熱硬化性樹脂、反応硬化性樹
脂、あるいはアイオノマーとして知られている樹脂も含
まれる。より具体的には、イソブチレン無水マレイン酸
コポリマー、AAS(アクリロニトリル−アクリル−ス
チレン共重合体)、AES(アクリロニトリル−エチレ
ン−スチレン共重合体)、AS(アクリロニトリル−ス
チレン共重合体)、ABS(アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体)、ACS(アクリロニトリル
−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体)、MBS
(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合
体)、エチレン−塩ビ共重合体、EVA(エチレン−酢
酸ビニル共重合体)、EVA系(エチレン−酢酸ビニル
共重合体系)、EVOH(エチレンビニルアルコール共
重合体)、ポリ酢酸ビニル、塩素化塩化ビニール、塩素
化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、カルボキシビ
ニルポリマー、ケトン樹脂、ノルボルネン樹脂、プロピ
オン酸ビニル、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロ
ピレン)、TPX、ポリブタジエン、PS(ポリスチレ
ン)、スチレン無水マレイン酸共重合体、メタクリル、
EMAA(エチレンメタクリル酸)、PMMA(ポリメ
チルメタクリレート)、PVC(ポリ塩化ビニール)、
ポリ塩化ビニリデン、PVA(ポリビニルアルコー
ル)、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルホルマール、セルロース系、ナイロン6、ナイ
ロン6共重合体、ナイロン66、ナイロン610、ナイ
ロン612、ナイロン11、ナイロン12、共重合ナイ
ロン、ナイロンMXD、ナイロン46、メトキシメチル
化ナイロン、アラミド、PET(ポリエチレンテレフタ
レート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、P
C(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、
ポリエチレンオキシド、PPE(ポリフェニレンエーテ
ル)、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)、PEE
K(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポリエー
テルサルフォン)、PSO(ポリサルフォン)、ポリア
ミンサルフォン、PPS(ポリフェニレンサルファイ
ド)、PAR(ポリアリレート)、ポリパラビニールフ
ェノール、ポリパラメチレンスチレン、ポリアリルアミ
ン、芳香族ポリエステル、液晶ポリマー、PTFE(ポ
リテトラフルオロエチレン)、ETFE(テトラフルオ
ロエチレン−エチレン)、FEP(テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン)、EPE(テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフル
オロアル、キルビニルエーテル)、PFA(テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレ
ン)、ECTFE(エチレン−クロロトリフルオロエチ
レン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド系)、
PVF(ポリビニルフルオライド)、PU(ポリウレタ
ン)、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン系樹脂、
グアナミン樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエス
テル、オリゴエステルアクリレート、ジアリルフタレー
ト、DKF樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、フラン
樹脂、PI(ポリイミド系)、PEI(ポリエーテルイ
ミド)、PAI(ポリアミドイミド)、アクリルシリコ
ーン、シリコーン、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、
マレイン酸樹脂、NR(天然ゴム)、IR(イソプレン
ゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブ
タジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IIR
(イソブチレン・イソプレンゴム)、NBR(ニトリル
ブタジエンゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴ
ム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、C
PE(塩素化ポリエチレンゴム)、CSM(クロロスル
フォン化ポリエチレンゴム)、ACM(アクリルゴ
ム)、エチレンアクリルゴム、U(ウレタンゴム)、シ
リコーンゴム、フッ素ゴム、四フッ化エチレンプロピレ
ンゴム、CHR(エピクロルヒドリンゴム)、多硫化ゴ
ム、水素化ニトリルゴム、ポリエーテル系特殊ゴム、液
状ゴム、ノルボルネンゴム、TPO(オレフィン系熱可
塑性エラストマ)、TPU(ウレタン系熱可塑性エラス
トマ)、PVC(塩ビ系熱可塑性エラストマ)、TPS
(スチレン系熱可塑性エラストマ)、TREE(ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマ)、PA系(ポリアミドエ
ラストマ)、PB系(ブタジエンエラストマ)、軟質フ
ッ素樹脂、フッ素系エラストマ、弾性エポキシ樹脂等ま
たはこれらの中から選択される2種類以上の樹脂の組み
合わせが挙げられる。
【0048】これらの樹脂はまた、本発明の媒体搬送ベ
ルトの電極保護内周層を形成する材料として、単独、2
種以上の樹脂の組み合わせまたは複合樹脂中の樹脂とし
て用いられる。
【0049】これらのうち、本発明の媒体搬送ベルトが
高温下にさらされる場合には、用いられる樹脂が、Tg
が150℃以上の樹脂であることが好ましい。さらに好
ましくは、ポリイミド樹脂もしくはTgが150℃以上
の熱可塑性ポリイミド樹脂である。
【0050】また、こららのうち、高温・高湿下でリー
ク電流を防ぎ、高温・高湿下で高い吸着力を維持し、か
つ、紙がインクを吸った場合、絶縁破壊しないために
は、樹脂の吸水率は低い方がよい。特に、使用環境30
℃,80%RHでの吸着力を必要とする場合は、吸水率
1%以下の樹脂を用いるのが好ましく、より好ましくは
吸水率0.5%以下の樹脂を用いるのがよい。
【0051】ここで、吸水率は、JISK7209に基
づいて測定される値である。より具体的には、試験片の
フィルムを50℃±2℃に保った恒温槽内で24±1時
間乾燥し、デシケーターで放冷したものの重量をW1と
し、24時間蒸留水に浸した後、表面の水滴を拭き取っ
たものの重量をW2とし、吸水率(%)=(W2−W
1)÷W1×100の式により算出する。以下、本明細
書で吸水率というときはこの測定および計算法を用い
る。
【0052】具体的には、吸水率が1%以下のクロロス
ルフォン化ポリエチレンゴム、オレフィン系樹脂、スチ
レン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、芳香
族系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、ニトリル系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、ビニルエステル樹
脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、およびフッ素系樹脂か
らなる群より選択される少なくとも1種類以上の樹脂も
しくは吸水率が1%以下のクロロスルフォン化ポリエチ
レンゴム、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、シリコーン系樹脂、芳香族系樹脂、ポリアセ
タール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ニトリル
系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、
グアナミン樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、
フラン樹脂、およびフッ素系樹脂からなる群より選択さ
れる少なくとも1種類以上の樹脂を30vol%以上含
む混合樹脂があげられる。
【0053】吸水率が1%以下の樹脂を使用した場合に
は、高温高湿下での吸着力および絶縁破壊耐性が媒体搬
送ベルトに付与され好ましい。
【0054】さらに、ベルト表面に耐インク性を付与し
たい場合には、これらの樹脂のうち、耐インク性樹脂で
あることが好ましい。
【0055】ここで、耐インク性樹脂としては、限定は
されないが、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂,シリコーン系樹脂、ポリア
セタール系樹脂、芳香族系樹脂の中から選択される少な
くとも1種類以上の樹脂もしくはこれらの樹脂を30v
ol%以上含有する混合樹脂があげられる。
【0056】このような耐インク性樹脂は、具体的に
は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETF
E(テトラフルオロエチレン−エチレン)、FEP(テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、
EPE(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン−パーフルオロアル、キルビニルエーテル)、P
FA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル)、PCTFE(ポリクロロトリフルオ
ロエチレン)、ECTFE(エチレン−クロロトリフル
オロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライ
ド系)、PVF(ポリビニルフルオライド)、ビニリデ
ンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデ
ンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフ
ルオロエチレン系ゴム、ビニリデンフルオライド−ペン
タフルオロプロピレン系ゴム、ビニリデンフルオライド
−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン
系ゴム、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチル
ビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系ゴム、ビニ
リデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系ゴ
ム、フッ素ゴム(代表的には、ダイエルT−530、ダ
イエルT−630(ダイキン化学工業(株)製)の熱可
塑性フッ素ゴム)、軟質フッ素樹脂(代表的には、セフ
ラルソフトG150F100N、セフラルソフトG15
0F200等)、フッ素エラストマ、イソブチレン無水
マレイン酸コポリマー、AAS(アクリロニトリル−ア
クリル−スチレン共重合体)、AES(アクリロニトリ
ル−エチレン−スチレン共重合体)、AS(アクリロニ
トリル−スチレン共重合体)、ABS(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合体)、ACS(アクリ
ロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合
体)、MBS(メチルメタクリレート−ブタジエン−ス
チレン共重合体)、エチレン−塩ビ共重合体、EVA
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、EVA系(エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系)、EVOH(エチレンビニ
ルアルコール共重合体)、塩素化塩化ビニール、塩素化
ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、カルボキシビニ
ルポリマー、ノルボルネン樹脂、PE(ポリエチレ
ン)、PP(ポリプロピレン)、TPX、ポリブタジエ
ン、PS(ポリスチレン)、スチレン無水マレイン酸共
重合体、メタクリル、EMAA(エチレンメタクリル
酸)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ポリビ
ニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホル
マール、NR(天然ゴム)、IR(イソプレンゴム)、
SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエン
ゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IIR(イソブチ
レン・イソプレンゴム)、NBR(ニトリルブタジエン
ゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴム)、EPDM
(エチレンプロピレンジエンゴム)、CPE(塩素化ポ
リエチレンゴム)、CSM(クロロスルフォン化ポリエ
チレンゴム)、ACM(アクリルゴム)、エチレンアク
リルゴム、ノルボルネンゴム、TPO(オレフィン系熱
可塑性エラストマ)、TPS(スチレン系熱可塑性エラ
ストマ)、PB系(ブタジエンエラストマ)、PVC
(ポリ塩化ビニール)、PVC(塩ビ系熱可塑性エラス
トマ)、シリコーンゴム、アクリルシリコーン、PO
M、PEEK、PEK、PPE、PPS、PSF、PE
S、PBT、PET、PEN、PC、PAR、および液
晶ポリエステルの中から選択される少なくとも1種また
は2種以上の組み合わせであり得る。
【0057】このような耐インク性樹脂のうち、特に特
定の構造を有する樹脂が好ましく用いられ得る。具体的
には、−CH2 −CF2 −または−CH2 −CHF−の
構造を有するフッ素系樹脂;−CH2 −CCl2 −の構
造を有するポリ塩化ビニリデン樹脂;−CH2 −CHC
l−の構造を有するポリ塩化ビニル樹脂;および−CH
2 −CR1 2 −(R1 はH、CH3 、Ph、COO
X、R2 はH、CH3 、Ph、COOX、Xは有機基で
ある。)の構造を有するオレフィン系樹脂、スチレン系
樹脂、またはアクリル系樹脂が挙げられるがこれに限定
されない。
【0058】これらの樹脂もまた、最外周層の複合樹脂
の材料の樹脂ともなり、また、電極保護内周層を形成す
る樹脂単体、混合樹脂または複合樹脂の材料の樹脂とも
なる。耐インク性は、最外周層に付与されることが好ま
しい。
【0059】最外周層の引張弾性率を高める為に樹脂に
加えられる添加剤としては、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、アルミナ、シリカ、チタン酸カリウム、窒化チタ
ン、窒化ホウ素等の無機セラミックスや雲母、粘土鉱
物、カーボンブラック等の層状化合物、炭素繊維、金属
等が挙げられる。これらの添加剤の形状は球状、針状、
板状のいずれであっても良いが、針状タイプが特に好ま
しい。針状タイプでは、添加割合が少ない場合でも、引
張弾性率の向上が可能になる為である。添加剤の含有割
合は、最外周層を形成する全材料の体積に対して、50
vol%以下、好ましくは30vol%以下、より好ま
しくは10vol%以下である。添加割合が多くなる
と、絶縁性に悪影響がある。固体状の添加剤を材料に混
練する場合は、熱ロールや1軸又は2軸混練機等を使用
して、均一に混合するようにする。
【0060】最外周層が無機材料で構成される場合、こ
の無機材料としてはゾル−ゲル反応や有機反応等の化学
反応を利用したハードコート材料が挙げられる。具体的
には、有機けい素系化合物、有機チタン系化合物、有機
アルミニウム系化合物、有機ジルコニウム系化合物、有
機ホウ素系化合物等が挙げられる。これらを2種以上含
む混合物を使用してもよい。
【0061】これらの無機材料に、さらに無機添加剤を
含めてもよい。無機材料に加えられる無機添加剤として
は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、炭化け
い素、窒化けい素、窒化ホウ素、ムライト、マグネシ
ア、ステアタイト、フォルステライト、ジルコン、コー
ジェライト、ガラス、マイカ等のセラミック材料や粘土
鉱物等が挙げられる。これらの2種類以上の混合物でも
よい。
【0062】本発明においては、電極保護層が1層構造
の場合でも、2層以上の構造の場合でも、最外周層の鉛
筆引っかき値がB以上、好ましくはH以上、より好まし
くは3H以上である。ここで、鉛筆引っかき値は、JI
S K 5400に規定する方法で測定した値である。
【0063】また、本発明において、最外周層の体積固
有抵抗値は特に限定されないが、電極保護内周層がある
場合には、電極保護内周層と等しいもしくは高いのが好
ましい。最外周層の体積固有抵抗値が電極保護内周層の
体積固有抵抗値を下回った場合は、紙に電流が流れず、
電極保護層表面に、電荷が誘起されにくくなり、吸着力
は低くなる。
【0064】電極保護層の厚みは特に限定されないが、
電極保護内周層および最外周層の2層構造あるいはそれ
以上からなる場合は、最外周層の厚みは、25μm以
下、好ましくは15μm以下、さらに好ましくは、10
μm以下である。厚みが25μm以上になると、走行性
の悪化を招き、特に外周層の体積固有抵抗値が内周層の
体積固有抵抗値よりも高い場合は、吸着力が極端に低下
し、紙搬送の安定性を損ねるからである。また、硬度が
【0065】最外周層の体積固有抵抗は、特に限定はさ
れないが、電極保護内周層がある場合には、電極保護内
周層よりも高い必要がある。
【0066】ここで、最外周層または電極保護内周層の
体積固有抵抗を調整するために、樹脂に導電性粉末を添
加することができる。用いられる導電性粉末としては、
カーボン粉末、グラファイト、金属粉末、金属酸化物粉
末、導電処理された金属酸化物、帯電防止剤などを挙げ
ることができ、目的に応じてこれらの中から選ばれる少
なくとも1種以上の導電性粉末が用いられる。導電性粉
末の添加量は、目的とする電極保護層の最外周層の体積
固有抵抗によって適宜設定されるが、通常電極保護層の
最外周層または電極保護内周層を形成する全体積に対し
て、2〜50vol%が好ましく、3〜30vol%が
より好ましい。導電性粉末の大きさは、目的に応じて適
宜選択されるが、平均粒子径が通常50μm以下のもの
が好ましく、平均粒子径が10μm以下のものがより好
ましく、平均粒子径が1μm以下のものがさらに好まし
い。
【0067】また、電極保護層の最外周層または電極保
護内周層の誘電率を調整するために、高誘電率粉末を用
いることもできる。用いられる高誘電率粉末としては、
誘電率が50以上の無機粉末が用いられ、たとえば酸化
チタン、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、チタン
酸鉛、ニオブ酸鉛、チタン酸ジルコン酸塩、磁性粉末な
どを挙げることができる。より好ましくは誘電率が10
0以上の無機粉体が用いられるのがよく、たとえばチタ
ン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化チタン、磁
性粉末を挙げることができる。高誘電率粉末の形状は特
に制限されないが、たとえば球形、フレーク状、ウイス
カー状などがあり、目的に応じてこれらの中から選ばれ
る少なくとも1種以上の高誘電率粉末が用いられる。ま
た、高誘電率粉末の大きさは特に制限はないが、たとえ
ば球形の場合は、その平均粒子径が通常50μm以下の
ものが好ましく、平均粒子径が10μm以下のものがよ
り好ましく、平均粒子径が1μm以下のものがさらに好
ましい。ウイスカー状の場合は、長さが50μm以下、
径が0.5〜20μmのものを用いることができる。さ
らに、高誘電率粉末の添加量は、目的とする電極保護層
の最外周層の誘電率によって適宜設定されるが、通常5
〜50vol%が好ましく、10〜30vol%がより
好ましい。
【0068】本発明の電極保護層内周層の体積固有抵抗
は、好ましくは109 〜1015Ω・cmであり、より好
ましくは1010〜1014Ω・cmがよく、且つ誘電率は
3.0以上であり、好ましくは5.0以上がよい。体積
固有抵抗が109 Ω・cmを下回った場合は、隣り合う
電極14間の絶縁性が不足し、リーク電流が流れてしま
う。また、体積固有抵抗が1015Ω・cmを上回った場
合は、電極保護層表面に、電荷が誘起されにくくなり、
吸着力は低くなる。また、電極に印加する電圧を取り去
った後でも、残留電荷が長く残り、紙を吸着したままと
なり好ましくない。一方、誘電率が3.0を下回ると、
電圧印加時にベルト表面の電荷が不足し、紙の吸着力が
不十分となるので好ましくない。
【0069】いずれの場合においても、本発明の媒体搬
送ベルトの最外周表面の表面粗さRaは0.5μm以下
であるのが良く、さらに好ましくは0.2μm以下であ
るのが良い。
【0070】以上、本発明に係る媒体搬送ベルトの構成
の例を説明したが、次にこの媒体搬送ベルトの製造方法
の例を、媒体搬送ベルト10を例にとって挙げる。ま
ず、ベースとなる高分子材料から成る管状物12をキャ
スティング法によりシームレスベルトとして成形した
後、その管状物12の外表面に電極パターン14を形成
する。さらに、その外周面に交互に延び出す電極パター
ン14の端部を除いて電極保護層16をたとえばコーテ
ィング法などにより形成して、媒体搬送ベルト10を製
造するのである。
【0071】また、ポリイミド樹脂により予めフィルム
を形成した後、そのフィルムの両端を接合してベルト状
にして管状物12を得た後、上述と同様に電極パターン
14と電極保護層16を形成して媒体搬送ベルト10を
製造してもよい。あるいは、図6に示すように、ポリイ
ミド樹脂により形成されたフィルム18の表面に電極パ
ターン14を形成した後、さらに二点鎖線で示すように
電極保護層16を形成し、その後、フィルム18の両端
を接合してベルト状にして媒体搬送ベルト10を製造し
てもよい。さらに、ポリイミド樹脂により形成されたフ
ィルム18の表面に電極パターン14を形成した後、フ
ィルム18の両端を接合してベルト状にし、その後、さ
らに二点鎖線で示すように電極保護層16を形成して媒
体搬送ベルト10を製造することもできる。
【0072】これらの製造方法において、電極保護層1
6の形成方法は、その樹脂をワニス状としておき、その
ワニスを電極パターン14の上に塗布したりするなどに
よって電極保護層16を形成したり、あるいは予め電極
保護層をフィルム状としておき、そのフィルムを一層ま
たは複数層、電極パターン14上にラミネートするか巻
き付けることによって電極保護層16を形成したりする
方法がある。また、このラミネート法または巻き付け法
としては、熱プレス法若しくは熱ロール法による熱圧着
法を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。この他にも、電極保護層を液体状に調製し、ス
プレー法で吹きつけたり、ロールまたはコンマコーター
を用いたり、ディッピングしたり、塗布したりした後、
乾燥または硬化させることで、本発明の電極保護層を形
成することができる。
【0073】本発明の媒体搬送ベルトの製造方法は、得
られる媒体搬送ベルトの目的に応じて適宜選択すること
ができ、また、管状物12の材質に応じて適宜選択され
る。また、他の媒体搬送ベルトの構造に対応させて、製
造方法は適宜設定され得る。
【0074】以上、本発明に係る媒体搬送ベルトを説明
したが、上述の実施形態は例示であり、これらに限定さ
れるものではないのは言うまでもない。その他、得られ
た媒体搬送ベルトの表面に種々の処理を施すことは任意
になし得ることであり、本発明はその趣旨を逸脱しない
範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、
変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0075】
【実施例】以下の実施例において、各電極保護内周層お
よび最外周層の体積固有抵抗値は、それぞれ以下の通り
である。軟質フッ素樹脂;5×1011Ω・cm、PVD
F−HFP;1.0×1013Ω・cm、PVDF;1.
0×1015Ω・cm、PVDF−HFP/TiO2
1.0×1013Ω・cm、ポリイミド;2.0×10 16
Ω・cm、有機けい素化合物;1.0×1014Ω・cm
以上、ウレタンアクリレート;1.0×1014Ω・cm
以上、ポリイミド/カーボン;1.0×1010Ω・cm
以下。
【0076】(実施例1)厚み50μmの非熱可塑性ポ
リイミドフィルム(アピカル50NPI(鐘淵化学工業
(株)製)にエポキシ系銀ペーストを用いて、電極幅6
mm、電極間距離3mm、厚み10μmの電極パターン
を形成した。この電極パターン上に、PVDF−HFP
(カイナー2801(呉羽化学(株)社製)25μm)
フィルムを熱プレスを用い、200℃にて50kg/c
2 の圧力で貼り合わせ、厚み25μmの電極保護層を
形成した。得られたフィルムを管状に形成して、本発明
の媒体搬送ベルトを作成した。
【0077】この媒体搬送ベルトの紙の吸着力を測定す
るために、電極パターンの電極間に3kVの直流電圧を
印加し、図7に示すように、常温常湿(20℃・60
%)下A5判サイズの紙40をベルト(10)に吸着さ
せた(NN吸着)。その後、図中の矢印方向に、ベルト
(10)の面と平行な方向に紙40を引っ張り、紙40
が動く時の最大の力を吸着力として測定した。表1に示
すように、本発明の媒体搬送ベルトは、紙のNN吸着力
に非常に優れたものであった。
【0078】この媒体搬送ベルトのインクかき取り性の
評価は次のように行った。ベルトを用いて24時間紙搬
送をおこなったのち、電極保護層にインクジェット用イ
ンク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)を垂ら
し、電極保護層をウレタンブレード(硬さ65〜75、
引張強さ200〜400kgf/cm2 、伸び300〜
400%、引張弾性率45〜80kgf/cm2 )で、
3kg程度の力でかき取り、外観を観察した。表1に、
得られた媒体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、イン
クのかき取り性、およびNN吸着力を示す。表1ではイ
ンクのかき取り性について、表面にキズが入り、十分に
インクをかき取れなかったものに「×」、表面にキズが
入らず、十分インクをかき取れたものに「○」と記すよ
うにしている。表1に示すように、実施例1で得られた
本発明の媒体搬送ベルトは、インクかき取り性に優れて
いた。
【0079】
【表1】
【0080】(実施例2)電極保護層をPVDF−HF
Pフィルムの代わりにPVDF(#1000(呉羽化学
(株)25μm)で形成した以外は、実施例1と同様に
して媒体搬送ベルトを得た。
【0081】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を測定した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。得られた媒体搬送ベル
トは、紙40のNN吸着力、インクかき取り性にも優れ
たものであった。
【0082】(実施例3)厚み50μmの非熱可塑性ポ
リイミドフィルム(アピカル50NPI(鐘淵化学工業
(株)製)にエポキシ系銀ペーストを用いて、電極幅6
mm、電極間距離3mm、厚み10μmの電極パターン
を形成した。この電極パターン上に、軟質フッ素樹脂
(セフラルソフトG150F200(セントラル硝子
(株)社製)25μm×3層)フィルム、PVDF−H
FP(カイナー2801(エルフアトケムジャパン
(株)社製))フィルムを熱プレスを用い、200℃に
て50kg/cm2 の圧力で貼り合わせ、電極保護層を
形成した。得られたフィルムを管状に形成して、本発明
の媒体搬送ベルトを作成した。
【0083】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を測定した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。得られた媒体搬送ベル
トは、紙40のNN吸着力、インクかき取り性にも優れ
たものであった。
【0084】(実施例4)電極保護層の最外周層をPV
DF−HFPフィルムの代わりにPVDF(#1000
(呉羽化学(株)25μm)で形成した以外は、実施例
3と同様にして媒体搬送ベルトを得た。
【0085】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を測定した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。得られた媒体搬送ベル
トは、紙40のNN吸着力、インクかき取り性にも優れ
たものであった。
【0086】(実施例5)電極保護層の最外周層をPV
DF−HFPフィルムの代わりにPVDF−HFPに酸
化チタンウィスカーを10vol%含んだ厚み25μm
のフィルムで形成した以外は、実施例3と同様にして媒
体搬送ベルトを得た。
【0087】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を測定した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。得られた媒体搬送ベル
トは、紙40のNN吸着力、インクかき取り性にも優れ
たものであった。
【0088】(実施例6)電極保護層の最外周層をPV
DF−HFPフィルムの代わりにポリイミドフィルム
(アピカルAH(鐘淵化学工業(株)12μm)で形成
した以外は、実施例3と同様にして媒体搬送ベルトを得
た。
【0089】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を測定した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。得られた媒体搬送ベル
トは、紙40のNN吸着力、インクかき取り性にも優れ
たものであった。
【0090】(実施例7)電極保護層の最外周層をPV
DF−HFPフィルムの代わりにハードコート材料(ト
スガード510(有機けい素系化合物、東芝シリコーン
(株)2μm、硬度6H以上)で形成した以外は、実施
例3と同様にして媒体搬送ベルト10を得た。より詳し
くは、トスガード510は、塗布後100℃、1時間乾
燥硬化して形成した。
【0091】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を測定した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。得られた媒体搬送ベル
トは、紙40のNN吸着力、インクかき取り性にも優れ
たものであった。
【0092】(実施例8)電極保護層の最外周層をPV
DF−HFPフィルムの代わりに、ハードコート材料
(ウレタンアクリレート(UV2700B、日本合成化
学(株)製、厚み2μm、硬度B))で形成した以外
は、実施例3と同様にして媒体搬送ベルトを得た。
【0093】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を測定した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。得られた媒体搬送ベル
トは、紙40のNN吸着力、インクかき取り性にも優れ
たものであった。
【0094】(比較例1)電極保護層をPVDF−HF
Pフィルムの代わりに軟質フッ素樹脂(G150F20
0(セントラル硝子(株))25μm×4層)で形成し
た以外は、実施例1と同様にして媒体搬送ベルト10を
得た。
【0095】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を評価した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。紙40NN吸着力には
優れているが、インクかき取り性は実施例1から7に対
して劣るものであった。
【0096】(実施例9)電極保護層の最外周層を12
μmではなく50μmのポリイミドフィルムで形成した
以外は、実施例6と同様にして媒体搬送ベルトを得た。
【0097】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を評価した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。インクかき取り性は優
れていたが、紙40NN吸着力は、実施例1から8に対
して劣るものであった。
【0098】(実施例10)電極保護層の最外周層を2
μmではなく30μmの厚みのハードコート材料(ウレ
タンアクリレート(UV2700B、日本合成化学
(株)製、硬度B))で形成した以外は、実施例7と同
様にして媒体搬送ベルトを得た。
【0099】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を評価した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。インクかきとり性には
優れていたが、紙40NN吸着力は、実施例1から8に
対して劣るものであった。
【0100】(実施例11)ポリイミドフィルムの代わ
りに、カーボンブラックを10vol%添加したポリイ
ミドフィルムで形成した以外は、実施例6と同様にして
媒体搬送ベルトを得た。
【0101】実施例1と同様にして、紙40のNN吸着
力、インクかき取り性を評価した。表1に、得られた媒
体搬送ベルトの最外周層の引張弾性率、インクのかき取
り性、およびNN吸着力を示す。インクかき取り性は良
いが、紙40NN吸着力は、実施例1から8に対して劣
るものであった。
【0102】
【発明の効果】本発明に係る媒体搬送ベルトは、高分子
材料により成形された管状物の外周表面に、導電性を有
する電極パターンが形成されるとともに、該電極パター
ン上に電極保護層が形成され、必要に応じてさらに外周
層が形成されている。本発明の媒体搬送ベルトの最外周
層の引張弾性率は、300MPaより大きい為、トナ
ー、インクの長期かき取り性に優れ、紙やOHPなどを
十分に吸着させて搬送し得る。
【0103】本発明においては、電極保護層が2層以上
である場合、内周層と外周層との体積固有抵抗値および
それらの厚みを調整することで、インクのかき取り性に
加え、吸着力に非常に優れる媒体搬送ベルトを提供する
ことが可能になる。
【0104】また、電極保護層を吸水率1%以下の樹脂
を使用することで、高温高湿下においても高い静電吸着
力が得られるようになり、吸水による絶縁破壊耐性に優
れたベルトを提供することが可能になる。
【0105】さらに、電極保護層の樹脂を耐インク性の
ある樹脂にしたり、電極保護層の外周に耐インク性を有
する外周層を設けることにより、インクジェット方式の
プリンター用印字媒体搬送/乾燥ベルトとして用いる場
合においても、印字媒体の充分な吸着力が得られるだけ
でなく、高温高湿下においても高い静電吸着力が得られ
るようになり、吸水による絶縁破壊耐性に優れ、耐イン
ク性を兼ね備えたベルトを提供することが可能となる。
【0106】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る媒体搬送ベルトの斜視説明図であ
る。
【図2】図1に示す媒体搬送ベルトの要部拡大断面説明
図である。
【図3】本発明に係る媒体搬送ベルトの他の実施形態を
示す要部拡大断面説明図である。
【図4】本発明に係る媒体搬送ベルトの更に他の実施形
態を示す要部拡大断面説明図である。
【図5】本発明に係る媒体搬送ベルトの更に他の実施形
態を示す要部拡大断面説明図である。
【図6】図1に示す媒体搬送ベルトの製造方法の実施形
態を示す要部平面説明図である。
【図7】本発明に係る媒体搬送ベルトの吸着力の実験方
法を示す要部平面説明図である。
【符号の説明】
10,24,28,30:媒体搬送ベルト 12:管状物 14:電極パターン 16:電極保護層 18:フィルム 20:外周層 22,26,32:樹脂層 40:紙

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料により成形された管状物の外
    周表面に、導電性を有する電極パターンが形成されると
    ともに、該電極パターン上に1層以上の電極保護層が形
    成されている媒体搬送ベルトであって、電極保護層の最
    外周層の引張弾性率が、300MPa以上であることを
    特徴とする媒体搬送ベルト。
  2. 【請求項2】 前記最外周層の引張弾性率が、1000
    MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の媒
    体搬送ベルト。
  3. 【請求項3】 前記高分子材料が、熱可塑性ポリイミド
    または非熱可塑性ポリイミドであることを特徴とする請
    求項1または2に記載の媒体搬送ベルト。
  4. 【請求項4】 前記最外周層が、樹脂単体もしくは樹脂
    に添加剤を混合してなる複合樹脂、または無機材料で構
    成されることを特徴とする請求項1から3までのいずれ
    かに記載の媒体搬送ベルト。
  5. 【請求項5】 前記添加剤が、引張弾性率調整剤である
    ことを特徴とする請求項4に記載の媒体搬送ベルト。
  6. 【請求項6】 前記引張弾性率調整剤が、酸化チタン、
    酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、チタン酸カリウ
    ム、窒化チタン、窒化ホウ素、雲母、粘土鉱物、カーボ
    ンブラック、炭素繊維および金属からなる群より選択さ
    れる1種または2種以上であることを特徴とする請求項
    5に記載の媒体搬送ベルト。
  7. 【請求項7】 前記無機材料が、有機けい素系化合物、
    有機チタン系化合物、有機アルミニウム系化合物、有機
    ジルコニウム系化合物、および有機ホウ素化合物からな
    る群より選択される1種以上であることを特徴とする請
    求項4に記載の媒体搬送ベルト。
  8. 【請求項8】 前記樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド
    66、ポリアミド46、ポリアミドMXD6、ポリカー
    ボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、
    PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリ
    ブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフ
    タレート)、ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリ
    フェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテル
    スルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
    ルイミド、ポリアミドイミド、アラミド、非熱可塑性ポ
    リイミド、熱可塑性ポリイミド、フッ素樹脂、エチレン
    ビニルアルコール共重合体、ポリメチルペンテン、フェ
    ノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
    シリコーン、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミ
    ン系コート材料およびジアリルフタレート樹脂からなる
    群より選択される1種類以上であることを特徴とする請
    求項4に記載の媒体搬送ベルト。
  9. 【請求項9】 前記最外周層の鉛筆引っかき値が、B以
    上であることを特徴とする請求項1から8までのいずれ
    かに記載の媒体搬送ベルト。
  10. 【請求項10】 前記電極保護層が電極保護内周層およ
    び最外周層の2層構造からなり、該最外周層の体積固有
    抵抗値が電極保護内周層の体積固有抵抗値と等しいもし
    くは高い値であることを特徴とする請求項1から9まで
    のいずれかに記載の媒体搬送ベルト。
  11. 【請求項11】 前記最外周層の厚みが25μm以下で
    あることを特徴とする請求項10に記載の媒体搬送ベル
    ト。 【0000】
JP31033399A 1999-10-29 1999-10-29 媒体搬送ベルト Pending JP2001130774A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31033399A JP2001130774A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 媒体搬送ベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31033399A JP2001130774A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 媒体搬送ベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001130774A true JP2001130774A (ja) 2001-05-15

Family

ID=18003982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31033399A Pending JP2001130774A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 媒体搬送ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001130774A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6545384B1 (en) * 1997-02-07 2003-04-08 Sri International Electroactive polymer devices
US9195058B2 (en) 2011-03-22 2015-11-24 Parker-Hannifin Corporation Electroactive polymer actuator lenticular system
US9231186B2 (en) 2009-04-11 2016-01-05 Parker-Hannifin Corporation Electro-switchable polymer film assembly and use thereof
US9425383B2 (en) 2007-06-29 2016-08-23 Parker-Hannifin Corporation Method of manufacturing electroactive polymer transducers for sensory feedback applications
US9553254B2 (en) 2011-03-01 2017-01-24 Parker-Hannifin Corporation Automated manufacturing processes for producing deformable polymer devices and films
US9590193B2 (en) 2012-10-24 2017-03-07 Parker-Hannifin Corporation Polymer diode
US9761790B2 (en) 2012-06-18 2017-09-12 Parker-Hannifin Corporation Stretch frame for stretching process
US9876160B2 (en) 2012-03-21 2018-01-23 Parker-Hannifin Corporation Roll-to-roll manufacturing processes for producing self-healing electroactive polymer devices

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6545384B1 (en) * 1997-02-07 2003-04-08 Sri International Electroactive polymer devices
US9425383B2 (en) 2007-06-29 2016-08-23 Parker-Hannifin Corporation Method of manufacturing electroactive polymer transducers for sensory feedback applications
US9231186B2 (en) 2009-04-11 2016-01-05 Parker-Hannifin Corporation Electro-switchable polymer film assembly and use thereof
US9553254B2 (en) 2011-03-01 2017-01-24 Parker-Hannifin Corporation Automated manufacturing processes for producing deformable polymer devices and films
US9195058B2 (en) 2011-03-22 2015-11-24 Parker-Hannifin Corporation Electroactive polymer actuator lenticular system
US9876160B2 (en) 2012-03-21 2018-01-23 Parker-Hannifin Corporation Roll-to-roll manufacturing processes for producing self-healing electroactive polymer devices
US9761790B2 (en) 2012-06-18 2017-09-12 Parker-Hannifin Corporation Stretch frame for stretching process
US9590193B2 (en) 2012-10-24 2017-03-07 Parker-Hannifin Corporation Polymer diode

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6652938B1 (en) Media transport belt
US6916393B2 (en) Multi-layered endless belt, medium conveying belt made of the same, production method thereof, and forming apparatus thereof
JP5361557B2 (ja) 樹脂組成物、及びそれを用いた定着用部材
US7776427B2 (en) Transfer belt for image forming apparatus
JP2001130774A (ja) 媒体搬送ベルト
JP2008055771A (ja) 積層体及びその製造方法、並びに定着ベルト、定着装置及び画像形成装置
JP5055833B2 (ja) インクジェット用記録媒体搬送ベルトおよびインクジェット記録装置
JP2001125396A (ja) 転写ベルトおよび転写装置
JP2012155204A (ja) 加圧ローラ及びこの加圧ローラを搭載する定着装置
JP2002293445A (ja) 媒体搬送ベルト
JP2001310836A (ja) 媒体搬送ベルト
JP2008094605A (ja) インクジェット用搬送ベルトおよびインクジェット記録装置
JP2000272771A (ja) 媒体搬送ベルト
JP2001130773A (ja) 媒体搬送ベルトとその製造方法
JP2003146470A (ja) 媒体搬送ベルト
JP2000318865A (ja) 媒体搬送ベルト
JP2000264472A (ja) 媒体搬送ベルトおよびその製造方法
JP4183211B2 (ja) 媒体搬送ベルト
JP2000060168A (ja) 媒体搬送基体
JP5431803B2 (ja) モールド用離型シームレスベルト
JP2002302287A (ja) 媒体搬送ベルト
JP2000302275A (ja) 媒体搬送ベルト
JP2003146469A (ja) 媒体搬送ベルト及びその製造方法
JP5765880B2 (ja) インクジェット用搬送ベルト
JP2003146468A (ja) 媒体搬送ベルト

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20051104

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080818

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081216