JP2001129511A - 焼却灰の処理装置 - Google Patents

焼却灰の処理装置

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JP2001129511A
JP2001129511A JP31447299A JP31447299A JP2001129511A JP 2001129511 A JP2001129511 A JP 2001129511A JP 31447299 A JP31447299 A JP 31447299A JP 31447299 A JP31447299 A JP 31447299A JP 2001129511 A JP2001129511 A JP 2001129511A
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Japan
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ash
equipment
incineration ash
conveyor
incinerated ash
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Katsuyuki Ogawa
克幸 小川
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    • Y02W30/82Recycling of waste of electrical or electronic equipment [WEEE]

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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 焼却灰(「主灰」および「飛灰」を含む)中
に含まれているメタンの発生源となる未燃有機物を除去
し、ダイオキシン類の分解・安定化処理を行い、各種重
金属物質の溶解度を抑えるために効率よく焼却灰を処理
するとともに、その有効利用を図る。 【解決手段】 搬送されてきた焼却灰の受入供給設備、
乾燥設備、粉砕設備、微粉状の乾燥焼却灰のダイオキシ
ン類の加熱脱塩化及び熱分解処理の一次反応工程を行う
一次反応設備、一次反応設備から送られてきた焼却灰の
解砕、重金属類安定固化等の二次反応工程を行う二次反
応設備、二次反応設備から送れてきた焼却灰の計量袋詰
の工程を行う袋詰設備、排ガスの集塵、急冷、吸着、脱
硝、ダイオキシン類吸着などの排ガス処理工程を行う排
ガス処理設備、乾燥設備の水冷式搬送コンベア202及
び一次反応設備の水冷式搬送コンベア407に冷却水を
供給する冷却水設備からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば都市ゴ
ミ、下水汚泥、その他産業廃棄物の焼却時に発生する焼
却灰の処理方法の技術に係り、特に、 800℃〜 900℃の
温度で簡単にしかも効率よく焼却灰(「主灰」および
「飛灰」を含む)を処理するとともに、その有効利用を
図ることのできる焼却灰の処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば都市ゴミ、下水汚泥、その
他産業廃棄物の焼却時に発生する焼却灰は、その一部が
セメントの増量材あるいはブロック等の骨材の一部、更
には焼却灰を溶融した後に、路盤材等として利用されて
きているものの、その大部分が埋め立て処理されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
埋立地の確保が困難になってきており、又、焼却灰は、
通常、ダイオキシン、ジベンゾフランのダイオキシン類
およびクロム、水銀、鉛、カドミウム等の重金属類を含
有していることが多く、かかるダイオキシン類および重
金属類による水質汚染の見地から廃棄基準が厳しく、そ
の結果、高コストの管理型埋め立てが要求されていて、
利用が困難であるという問題が発生している。従って、
今日においては、上記焼却灰の安全化処理が非常に重要
な課題となっている。
【0004】焼却灰の安全化処理を行うことによって、
これをセメントの補助材料として利用することが考えら
れる。しかしながら、焼却灰には、CaO,SiO2,Al2O3,Fe2
O3等、セメント類の有効成分を多く含んでいるものの、
一方で、K2O,Na2O等のアルカリ成分や、Cl等の塩素成分
を多く含んでおり、これをセメント材としてそのまま利
用することは好ましくない。最新の焼成装置でそのまま
焼却灰を処理しようとしても、前記アルカリ成分や塩素
成分が、ヒータやセンサ等に付着し、これらを閉塞する
などして安定した操作が不可能となるばかりか、焼成し
た焼却灰はアルカリ骨材反応、塩素による鉄筋腐食等を
起こし、そのままセメント補助材として利用するには問
題がある。更に焼却灰は未燃有機物や重金属化合物を多
く含んでおり、適正処理方式とされているセメント固化
方式を採用しようとしても、短時間のうちに未燃有機物
からメタンガスが発生し、固化物が破壊されるばかり
か、有害重金属類は破損部分から溶出して、環境維持に
は問題がある。
【0005】一般に稼働している現状焼却炉は完全燃焼
させた焼却灰として排出されているものは少なく、未燃
有機物を多く含み、そのままセメント等に固化させて
も、メタンガス等の発生要因となり、環境汚染を著しく
加速させる。またダイオキシン類を始めとする塩素成分
やアルカリ成分は焼却灰に含有されているものを、その
ままセメントでの固化を行っても短時間でアルカリ骨材
反応等によって固化は破損に至り、機能損傷に結びつく
ことが考えられる。更に焼却灰中のカドミウム(Cd)
や、鉛(Pd)等の重金属類はセメント固化させても雨水
中に活性化された状態で溶解し、これをそのまま利用あ
るいは廃棄することはできない。
【0006】ダイオキシン類は 600℃程度以上の雰囲気
に放置すると、その成分元素の炭素、酸素、塩素等にイ
オン化された状態で浮遊することが知られている。この
状態での成分元素は危険物質とは評価されていない。し
かしながら、徐々に冷却すると再生成し、猛毒化するこ
とが知られている。
【0007】更に重金属類のうち地球上で主として硫化
物相に集まる元素、銅、銀、亜鉛、カドミウム、水銀、
鉛、砒素等は重金属類の中で有害物質とされているが、
自然界においては硫化物として安定して存在しているの
が原則である。例えば、亜鉛は化合物 ZnSを天然鉱石と
しては閃亜鉛鉱、水銀は化合物 HgSを天然鉱石として辰
砂、銅は化合物Cu2Sを輝銅鉱、鉛は化合物 PbSを方鉛鉱
として存在している。しかしながら、焼却灰中の硫化物
相に集まる元素は焼却等により人工的に加工されている
ため、他の元素の化合物となっている。
【0008】この発明は、上記のような課題に鑑み、そ
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、焼却灰(「主灰」および「飛灰」を含
む)中に含まれているメタンの発生源となる未燃有機物
を除去し、ダイオキシン類の分解・安定化処理を行い、
各種重金属物質の溶解度を抑えるために自然界に存在す
る硫化物に転換させて安定焼却灰とすることにより、焼
却灰をセメント等の補助材として有効活用して、 800℃
〜 900℃の温度で簡単にしかも効率よく焼却灰を処理す
るとともに、その有効利用を図ることのできる焼却灰の
処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】以上の目的を達成するために、請求項1の
発明の焼却灰の処理装置は、搬送されてきた焼却灰の貯
留、定量供給、粒度選別、磁力選別等の前処理工程を行
う受入供給設備と、受入供給設備から送られてきた焼却
灰の水分除去、未燃分焼却等を800℃〜900℃の高
温処理で乾燥工程を行い且つ水冷式搬送コンベアで搬送
中に出口温度200℃以下に急冷する乾燥工程を行う乾
燥設備と、乾燥設備から送られてきた乾燥焼却灰の粗粉
砕、鉄分選別、非鉄金属選別、粒度100〜150ミク
ロン以下に微粉砕等の粉砕工程を行う粉砕設備と、粉砕
設備から送られてきた微粉状の乾燥焼却灰にカルシウム
を主成分とする添加剤を添加して低酸素雰囲気かつ80
0〜900℃の高温処理によりダイオキシン類の加熱脱
塩化及び熱分解処理の一次反応工程を行い且つ水冷式搬
送コンベアで搬送中に出口温度200℃以下に急冷する
一次反応設備と、一次反応設備から送られてきた焼却灰
の粒度100〜150ミクロン以下への解砕、粒度10
0〜150ミクロン以下の焼却灰に硫化物を主成分とす
る重金属安定固化剤である添加剤を添加して処理温度1
80〜200℃、炉内酸素濃度6%程度の条件下で攪拌
混合して重金属類安定固化等の二次反応工程を行う二次
反応設備と、二次反応設備から送れてきた焼却灰の計量
袋詰の工程を行う袋詰設備と、排ガスの集塵、急冷、吸
着、脱硝、ダイオキシン類吸着などの排ガス処理工程を
行う排ガス処理設備と、乾燥設備の水冷式搬送コンベア
及び一次反応設備の水冷式搬送コンベアに冷却水を供給
してこれらの冷却を行う冷却水設備とから構成した手段
よりなる。ここで、焼却灰には「主灰」および「飛灰」
を含む。
【0010】また、一次反応工程で添加される添加剤
は、酸化カルシウム80%、水酸化アルミニウム5〜10
%、粘度10%からなり、灰重量比の3%の量が添加され
る。二次反応工程で添加される添加剤は、硫化ナトリウ
ム40%、二酸化珪素10%、炭酸ナトリウム10%、炭酸カ
ルシウム10%、無水ホウサン10%、珪酸カルシウム10
%、活性化酸化鉄 5〜10%、硫酸カルシウム10%からな
り、灰重量比の1%の量が添加される。
【0011】
【作用】焼却灰を加熱することにより、メタン発生源と
なる有機物およびダイオキシン類は炭素、酸素、炭酸ガ
ス、塩素等に分解され活性化される。そのうちの塩素成
分はナトリウム(例えばNa, Ca, Kl等) と結合させ、安
定化物質(例えばCaCl等として固定させ、ついで急冷さ
せてダイオキシン類の再生成を防止する。更に加熱され
た焼却灰に含有されている酸化重金属類に硫化物を反応
させ、自然界に存在する天然鉱石(例えば水銀は辰砂、
カドミウムは硫化カドミウム鉱等)に転換させ、重金属
類の溶出を防止し、焼却灰をセメント補助材等に利用す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に記載の発明の実施の
形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。こ
こで、図1は装置全体の構成図である。
【0013】図において、焼却灰の処理装置は、運搬車
で搬送されてきた焼却灰の貯留、定量供給、粒度選別、
磁力選別等の前処理工程を行う受入供給設備10、受入
供給設備10から送られてきた焼却灰の水分除去、未燃
分焼却等の乾燥工程を行う乾燥設備20、乾燥設備20
から送られてきた乾燥焼却灰の粗粉砕、鉄分選別、非鉄
金属選別、微粉砕等の粉砕工程を行う粉砕設備30、粉
砕設備30から送られてきた微粉状の乾燥焼却灰のダイ
オキシン類の加熱脱塩化及び熱分解処理の一次反応工程
を行う一次反応設備40、一次反応設備40から送られ
てきた焼却灰の解砕、重金属類安定固化等の二次反応工
程を行う二次反応設備50、二次反応設備50から送れ
てきた焼却灰の計量袋詰の工程を行う袋詰設備60、排
ガスの集塵、急冷、HCl 吸着、脱硝、ダイオキシン類吸
着などの排ガス処理工程を行う排ガス処理設備70、乾
燥設備20の水冷式搬送コンベア202、一次反応設備
40の水冷式搬送コンベア407及び排ガス処理設備7
0の熱交換器702に冷却水を供給して、これらの冷却
を行う冷却水設備80から構成されている。
【0014】受入供給設備10は、運搬車で搬送されて
きた焼却灰の貯留、定量供給、粒度選別、磁力選別等の
前処理工程を行う設備で、貯留装置101、定量供給装
置102、搬送コンベア103、供給分散機104、振
動篩機105、搬送コンベア106、磁選機107、搬
送コンベア108、搬送コンベア109などから構成さ
れている。
【0015】貯留装置101は運搬車で搬送されてきた
焼却灰を貯留する装置で、1日の標準処理量の例えば3
0m3 を貯留可能になっている。貯留装置101で貯留
された焼却灰は定量供給装置102に排出される。
【0016】定量供給装置102は焼却灰の供給量を例
えば1t/h〜 2.5t/hに任意変更可能であり、設備
の処理能力を確定する。搬送コンベア103は定量供給
装置102内の焼却灰を供給分散機104に搬送するコ
ンベアで、例えば 2.5t/h以上の搬送能力を有してい
る。
【0017】供給分散機104は搬送コンベア103に
よって振動篩機105に供給される焼却灰が塊にならな
いように分散させる装置で、焼却灰が塊にならないよう
に分散させることにより、振動篩機105の効率を向上
させる機能を果たす。
【0018】振動篩機105には、例えば網目50mmの
スクリーンが装着されていて、焼却灰中に含まれる50
mm以上のものを除外する機能を果たす。振動篩機105
の下側には篩を通過した焼却灰を搬送する搬送コンベア
106が設置されている。
【0019】磁選機107は、振動篩機105の篩を通
過して搬送コンベア106で搬送されている焼却灰中か
ら空缶、ボルト等の大きめの鉄分を選別除去して、後工
程の障害となるものを除去する機能を果たすが、焼却灰
に埋もれている小片は除去不可であり、これらは後工程
で処理される。磁選機107には例えば吊下式磁選機が
使用され、又例えば電磁石1kWのものが使用される。
【0020】搬送コンベア108は、磁選機107で大
きめの鉄分を除去された焼却灰を搬送コンベア109に
搬送するコンベアである。搬送コンベア109は搬送さ
れてきた焼却灰を2基の乾燥設備20に振り分けて搬送
するコンベアである。
【0021】乾燥設備20は、受入供給設備10から送
られてきた焼却灰の水分除去、未燃分焼却等の乾燥工程
を行う設備で、ロータリーキルン201、水冷式搬送コ
ンベア202、搬送コンベア203、燃料タンク20
4、サービスタンク205などから構成されている。乾
燥設備20は同一の設備が2基設置されている。
【0022】ロータリーキルン201は一端から入れた
焼却灰を転動することによって軸方向に移動させ、ガス
との熱交換によって焼却灰を処理温度800〜900℃
で加熱して乾燥させる。これにより、焼却灰中の水分を
完全蒸発させ、未燃カーボンを完全燃焼させリサイクル
資材としての品質を向上させることができる。
【0023】このとき、処理温度800〜900℃で加
熱することにより、排ガス中のダイオキシン類の対策が
図れる。また、このとき発生する廃熱は一次反応設備4
0の一次反応用ロータリキルン406に送られて一次反
応処理の熱源として再利用される。1基のロータリーキ
ルン201の処理量は例えば 0.5〜 1.3t/hであり、
これが2基使用される。
【0024】水冷式搬送コンベア202は、ロータリー
キルン201の他端側から排出された高温の乾燥焼却灰
を搬送中に急冷して、出口温度200℃以下に冷却して
搬出するコンベアである。搬送コンベア203は、水冷
式搬送コンベア202で200℃以下に冷却された乾燥
焼却灰を次工程の粉砕設備30に搬送するコンベアであ
る。
【0025】燃料タンク204はロータリーキルン20
1に供給する燃料を貯留するタンクであり、サービスタ
ンク205は燃料タンク204からロータリーキルン2
01に供給される燃料の変動を調節するために付置され
たタンクである。
【0026】粉砕設備30は、乾燥設備20から送られ
てきた乾燥焼却灰の粗粉砕、鉄分選別、非鉄金属選別、
微粉砕等の粉砕工程を行う設備で、破砕機301、磁選
機302、非鉄金属選別機303、搬送コンベア30
4、乾燥焼却灰タンク305、粉砕機供給機306、粉
砕機307、粉砕機用メインファン308、粉砕機用サ
イクロン309、粉砕機用集塵機310、粉砕機用ベン
トファン311、搬送コンベア312、搬送コンベア3
13などから構成されている。粉砕設備30は同一の設
備が2基設置されている。
【0027】破砕機301は、前工程の乾燥設備20か
ら送られてきた乾燥焼却灰を例えば粒度10〜20mm以
下に粗破砕すると共に、金属と乾燥焼却灰を分離させ
る。破砕機301には例えばインパクト式が使用され
る。破砕機301で粗破砕された金属と乾燥焼却灰は磁
選機302に送られる。
【0028】磁選機302は、破砕機301から送られ
てきた金属と乾燥焼却灰の中から、受入供給設備10で
選別除去できなかった小片の鉄分を選別除去するもの
で、例えば5000ガウスの磁力のドラム式磁選機が使用さ
れる。磁選機302で鉄分が除去された非鉄金属と乾燥
焼却灰は非鉄金属選別機303に送られる。
【0029】非鉄金属選別機303は、磁選機302か
ら送られてきた非鉄金属と乾燥焼却灰の中から、非鉄金
属を選別除去するもので、例えば渦電流式のものが使用
される。非鉄金属選別機303で非鉄金属が除去された
乾燥焼却灰は搬送コンベア304によって、乾燥焼却灰
タンク305に送られて貯留される。
【0030】粉砕機供給機306は乾燥焼却灰タンク3
05で貯留された乾燥焼却灰を粉砕機307に一定量供
給する機器である。
【0031】粉砕機307は、粉砕機供給機306を経
て供給される乾燥焼却灰を例えば粒度100〜150ミ
クロン以下に微粉砕する機器で、例えばローラーミルが
使用される。ローラーミルからなる粉砕機307の1台
当たりの処理能力は、例えば800kg/hであり、これが
2台設置されている。
【0032】粉砕機307は乾燥焼却灰を例えば粒度1
00〜150ミクロン以下に微粉砕することによって、
灰の表面積を増大させ、後工程の一次反応処理の反応速
度を向上させる機能を果たす。
【0033】粉砕機用メインファン308は粉砕機30
7内にエアーを送り込んで、粉砕機307内で微粉状に
粉砕された乾燥焼却灰をエアーと共に粉砕機用サイクロ
ン309に送り出す機能を果たす。
【0034】粉砕機用サイクロン309は、エアーと共
に流入した微粉状の乾燥焼却灰を気流の旋回による遠心
力を利用して微粉状の乾燥焼却灰を分離して下方側に落
下させて下端から排出する。
【0035】粉砕機用集塵機310は、粉砕機用サイク
ロン309内の浮遊する粉塵を捕集する機器で、粉塵に
含まれる微粉状の乾燥焼却灰を下方側に落下させて下端
側から排出する。
【0036】粉砕機用ベントファン311は粉砕機用サ
イクロン309及び粉砕機用集塵機310の内部の粉塵
などを含む排ガスを吸引して排気する機器である。粉砕
機用ベントファン311から排気された排ガスは排ガス
処理設備70の活性炭吸着塔705に送られ、無害化処
理されて煙突707から大気中に放出される。
【0037】搬送コンベア312は、粉砕機用サイクロ
ン309及び粉砕機用集塵機310の下端の排出口の下
方に配置されていて、これらから排出された微粉状の乾
燥焼却灰を搬送コンベア313に搬送するコンベアであ
る。搬送コンベア313は微粉状の乾燥焼却灰を次工程
の一次反応設備40に搬送するコンベアである。
【0038】一次反応設備40は、粉砕設備30から送
られてきた微粉状の乾燥焼却灰のダイオキシン類の加熱
脱塩化及び熱分解処理の一次反応工程を行う設備で、粉
砕原料タンク401、添加剤A供給装置402、搬送コ
ンベア403、搬送コンベア404、搬送コンベア40
5、一次反応用ロータリキルン406、水冷式搬送コン
ベア407、搬送コンベア408などから構成されてい
る。一次反応設備40は同一の設備が2基設置されてい
る。
【0039】粉砕原料タンク401は前工程で微粉砕さ
れた微粉状の乾燥焼却灰を貯留するタンクで、粉砕原料
タンク401で貯留された微粉状の乾燥焼却灰は下端側
から排出されて搬送コンベア403によって一次反応用
ロータリキルン406に搬送される。
【0040】添加剤A供給装置402はカルシウムを主
成分とする添加剤Aを一次反応用ロータリキルン406
に供給するための装置で、添加剤A供給装置402の添
加剤Aは微粉状の乾燥焼却灰を搬送する搬送コンベア4
03によって一次反応用ロータリキルン406に搬送さ
れる。
【0041】添加剤Aはカルシウム化合物を主成分とし
機能向上用触媒を添加したもので、一次反応用ロータリ
キルン406内での反応速度を加速するために使用され
る。添加剤Aは、例えば酸化カルシウムCaO 80%、水酸
化アルミニウムAl(OH)3 5〜10%、粘度10%からなり、
灰重量比の3%の量が添加される。
【0042】一次反応用ロータリキルン406は一端か
ら入れた焼却灰及び添加剤Aを転動することによって軸
方向に移動させながら反応させて、低酸素雰囲気かつ8
00〜900℃の高温処理により、排ガス中のダイオキ
シン類の脱塩素化と熱分解反応を進行させる。1基の一
次反応用ロータリキルン406の処理量は例えば 0.5〜
1t/hであり、これが2基使用される。
【0043】水冷式搬送コンベア407は、一次反応用
ロータリキルン406の他端側から排出された高温の焼
却灰を搬送中に急冷して、出口温度200℃以下に冷却
して搬出するコンベアである。搬送コンベア408は、
水冷式搬送コンベア407で200℃以下に冷却された
焼却灰を次工程の二次反応設備50に搬送するコンベア
である。
【0044】二次反応設備50は、2基の一次反応設備
40から送られてきた焼却灰の解砕、重金属類安定固化
等の二次反応工程を行う設備で、振動篩機501、解砕
機502、一次焼却灰タンク503、添加剤B供給装置
504、計量ホッパー505、二次反応装置506、空
気輸送機507などから構成されている。
【0045】振動篩機501は、スクリーンが装着され
ていて一次反応設備40から送られてきた焼却灰をスク
リーンの篩によって、例えば粒度100〜150ミクロ
ン以上のものを解砕機502に振り分ける機能を果た
す。振動篩機501の下側には篩を通過した焼却灰を収
容する一次焼却灰タンク503が設置されている。
【0046】解砕機502は、一次反応設備40の一次
反応処理で凝集した焼却灰を例えば粒度100〜150
ミクロン以下に解砕して焼却灰の表面積を増大させる機
能を果たす。解砕機502の1台当たりの処理能力は2
t/hであり、これが1基設置されている。解砕機50
2で解砕された焼却灰は解砕機502の下側に設置され
た一次焼却灰タンク503に収容される。
【0047】計量ホッパー505は、一次焼却灰タンク
503から供給される焼却灰と添加剤B供給装置504
から供給される添加剤Bを計量する機器で、計量された
焼却灰及び添加剤Bは二次反応装置506に送られる。
【0048】添加剤B供給装置504は硫化物を主成分
とする重金属安定固化剤である添加剤Bを二次反応装置
506に供給するための装置で、添加剤B供給装置50
4の添加剤Bは計量ホッパー505で計量されて二次反
応装置506に送られる。
【0049】添加剤Bは硫化物を主成分とし二次反応装
置506内での重金属の安定固化反応を促進するために
使用される。添加剤Bは、例えば硫化ナトリウムNa2S
(40%) 、二酸化珪素SiO2 (10%) 、炭酸ナトリウムNa2
CO3 (10%) 、炭酸カルシウムCaCO3(10%) 、無水ホウ
サンB2O3 (10%) 、珪酸カルシウムCaSiO3 (10%) 、活
性化酸化鉄Fe2O3 (5〜10%) 、硫酸カルシウムCaSO4(10
%) などからなり、灰重量比の1%の量が添加される。
【0050】二次反応装置506は、計量ホッパー50
5で計量された焼却灰と添加剤Bとを、処理温度180
〜200℃、炉内酸素濃度6%程度の条件下で攪拌混合
することにより、重金属の安定固化反応を進行させる。
二次反応装置506の処理量は例えば2t/hである。
【0051】空気輸送機507は二次反応装置506で
処理された焼却灰を次工程の袋詰設備60に送る機器
で、二次反応装置506の下端側から排出された焼却灰
はこの空気輸送機507内を吸引されて次工程の袋詰設
備60の製品タンク601に送られる。
【0052】袋詰設備60は、二次反応設備50から送
れてきた焼却灰の計量袋詰の工程を行う設備で、製品タ
ンク601、袋詰機602、製品搬出コンベア603な
どから構成されている。
【0053】製品タンク601は二次反応設備50から
送れてきた焼却灰を収容するタンクで、製品タンク60
1にはタンク内の粉塵を集塵排出するファンが設けられ
ている。製品タンク601の下部には製品タンク601
から供給される焼却灰を袋詰めして製品化するための袋
詰機602が設置されている。
【0054】袋詰機602は製品タンク601内の焼却
灰を計量して袋に充填する機器で、例えば1tの焼却灰
を袋に充填する。この袋詰機602の処理能力は、5t
〜10t 袋/hである。
【0055】製品搬出コンベア603は袋詰機602で
袋詰めされて製品化された焼却灰を搬出するコンベア
で、搬出後、袋詰めされて製品化された焼却灰はクレー
ン等によって運搬車に積載されて輸送される。
【0056】排ガス処理設備70は、一次反応設備40
の一次反応用ロータリキルン406で発生する排ガスの
集塵、急冷、HCl 吸着、脱硝、ダイオキシン類吸着など
の排ガス処理工程を行う設備で、サイクロン701、熱
交換器702、消石灰吹込装置703、集塵機704、
活性炭吸着塔705、排気誘引ファン706、煙突70
7、コンプレッサ708などから構成されている。
【0057】このうち、サイクロン701、熱交換器7
02、消石灰吹込装置703、集塵機704は2基設置
されている。これに対して、活性炭吸着塔705、排気
誘引ファン706、煙突707、コンプレッサ708は
1基設置されている。
【0058】サイクロン701は一次反応用ロータリキ
ルン406の発生する排ガスを集塵し、エアーと共に流
入した微粉状の焼却灰を気流の旋回による遠心力を利用
して微粉状の焼却灰を分離して下方側に落下させて下端
側から排出する。排出された焼却灰は搬送コンベア40
4及び搬送コンベア403によって一次反応用ロータリ
キルン406に戻されて再処理される。
【0059】熱交換器702はサイクロン701から排
出される排ガスを200℃以下に急冷する機器で、ダイ
オキシン類の再生成を防止する機能を果たす。熱交換器
702は冷却水設備80から供給される冷却水で排ガス
を急冷する。この熱交換器702には例えば煙管式が使
用される。
【0060】消石灰吹込装置703は、熱交換器702
で急冷されて排出された排ガスに消石灰を噴霧する装置
で、排ガスに消石灰を噴霧することによってHCl 、NOX
が吸着除去される。消石灰吹込装置703には例えば空
圧圧送式が使用される。
【0061】集塵機704はサイクロン701内の浮遊
する排ガス中の粉塵を捕集する機器で、粉塵に含まれる
微粉状の焼却灰を下方側に落下させて下端側から排出す
る。排出された焼却灰は搬送コンベア405及び搬送コ
ンベア403によって一次反応用ロータリキルン406
に戻されて再処理される。集塵機704には例えばパル
スエアー式バグフィルターが使用される。
【0062】活性炭吸着塔705は、集塵機704から
排出された排ガス、及び前記の粉砕機用ベントファン3
11から排気された排ガスからダイオキシン類及びNOX
の吸着除去を行って無害化する機器である。活性炭吸着
塔705には例えば円筒型の形状をしていて、例えば20
3 の活性炭が充填されており、 500〜1500h-1の排ガ
スが処理される。
【0063】排気誘引ファン706は活性炭吸着塔70
5でダイオキシン類及びNOX が吸着除去されて無害化さ
れた排ガスを吸引して排気する機器である。排気誘引フ
ァン706に例えばターボ型が使用され、その処理能力
は例えば20000Nm3/h× 600mmAqである。
【0064】煙突707は排気誘引ファン706から排
気された排ガスを大気中に放出する。コンプレッサ70
8は排ガス処理設備70の集塵機704及び前記の粉砕
設備30の粉砕機用集塵機310に圧縮空気を圧送する
機器である。
【0065】冷却水設備80は、乾燥設備20の水冷式
搬送コンベア202、一次反応設備40の水冷式搬送コ
ンベア407及び排ガス処理設備70の熱交換器702
に冷却水を供給して、これらの冷却を行う設備で、冷却
塔801、水槽802、循環ポンプ803などから構成
されている。
【0066】冷却塔801は、水冷式搬送コンベア20
2、水冷式搬送コンベア407及び熱交換器702を冷
却して温められた循環水を空冷して冷やす。水槽802
は冷却塔801で空冷された冷却水を収容する。循環ポ
ンプ803は冷却水を水冷式搬送コンベア202、水冷
式搬送コンベア407及び熱交換器702に供給循環さ
せる。
【0067】次に、上記発明の実施の形態の構成に基づ
く作用について以下説明する。運搬者で搬送されてきた
焼却灰は受入供給設備10の貯留装置101に一時的に
貯留される。受入供給設備10は、運搬車で搬送されて
きた焼却灰の貯留、定量供給、粒度選別、磁力選別等の
前処理工程を行う設備で、貯留装置101に貯留された
焼却灰は定量供給装置102に排出される。
【0068】定量供給装置102に排出された焼却灰
は、搬送コンベア103によって供給分散機104に搬
送される。供給分散機104では搬送コンベア103に
よって振動篩機105に供給される焼却灰が塊にならな
いように分散させてから、焼却灰を振動篩機105に送
る。
【0069】振動篩機105に送られた焼却灰は、例え
ば網目50mmのスクリーンによって、焼却灰中に含まれ
る50mm以上のものが除外され、振動篩機105の網目
を通過して焼却灰はその下方側に設置された搬送コンベ
ア106によって、磁選機107の下方側に送られる。
【0070】焼却灰が磁選機107の下方側を搬送コン
ベア106によって搬送されて通過している間に、焼却
灰中から空缶、ボルト等の大きめの鉄分が磁選機107
によって吸引されて選別除去され、後工程の障害となる
大きめの鉄分が除去される。この場合、焼却灰に埋もれ
ている小片は除去不可であり、これらは後工程で処理さ
れる。
【0071】このように、受入供給設備10で前処理が
なされた焼却灰は、搬送コンベア109によって2基の
乾燥設備20のいずれかに振り分けられて、次工程の乾
燥工程に送られる。
【0072】乾燥設備20は、受入供給設備10から送
られてきた焼却灰の水分除去、未燃分焼却等の乾燥工程
を行う設備で、前工程から送られてきた焼却灰は、一端
からロータリーキルン201内に挿入される。ロータリ
ーキルン201には燃料タンク204、サービスタンク
205から燃料が供給される。
【0073】ロータリーキルン201内に挿入された焼
却灰は、内部を転動しながら他端側に移動する間にガス
との熱交換によって処理温度800〜900℃で加熱さ
れて乾燥する。これにより、焼却灰中の水分は完全に蒸
発し、また未燃カーボンは完全燃焼して、リサイクル資
材としての品質を向上させることができる。
【0074】このとき、処理温度800〜900℃で加
熱することにより、排ガス中のダイオキシン類の対策が
図れる。また、このとき発生する廃熱は一次反応設備4
0の一次反応用ロータリキルン406に送られて一次反
応処理の熱源として再利用される。
【0075】ロータリーキルン201内で乾燥された焼
却灰は、その他端から水冷式搬送コンベア202内に排
出される。水冷式搬送コンベア202内に排出された高
温の焼却灰は、当該コンベア202内を搬送されている
間に急冷されて、出口温度200℃以下に冷却されて排
出される。
【0076】高温の焼却灰を出口温度200℃以下に急
冷する水冷式搬送コンベア202には、冷却水設備80
の循環ポンプ803によって冷却水が供給されている。
この供給される冷却水によって高温の焼却灰を急冷させ
ることができる。
【0077】水冷式搬送コンベア202によって出口温
度200℃以下に急冷されてから排出された焼却灰は、
搬送コンベア203によって次工程の粉砕設備30に搬
送される。
【0078】粉砕設備30は、乾燥設備20から送られ
てきた乾燥焼却灰の粗粉砕、鉄分選別、非鉄金属選別、
微粉砕等の粉砕工程を行う設備で、搬送コンベア203
によって搬送されてきた焼却灰は破砕機301によって
例えば粒度10〜20mm以下に粗破砕されると共に、金
属と乾燥焼却灰が分離される。破砕機301で粗破砕さ
れた金属と乾燥焼却灰は磁選機302に送られる。
【0079】破砕機301から送られてきた金属と乾燥
焼却灰の中から、受入供給設備10で選別除去できなか
った小片の鉄分は、磁選機302によって選別除去され
る。そして、磁選機302で鉄分が除去された非鉄金属
と乾燥焼却灰は非鉄金属選別機303に送られる。
【0080】磁選機302から送られてきた非鉄金属と
乾燥焼却灰の中から、非鉄金属は非鉄金属選別機303
によって選別除去される。非鉄金属選別機303で非鉄
金属が除去された乾燥焼却灰は搬送コンベア304によ
って、乾燥焼却灰タンク305に送られて貯留される。
乾燥焼却灰タンク305で貯留された乾燥焼却灰は、粉
砕機供給機306によって粉砕機307に一定量供給さ
れる。
【0081】粉砕機307に供給された乾燥焼却灰は、
当該粉砕機307によって例えば粒度100〜150ミ
クロン以下に微粉砕される。乾燥焼却灰を例えば粒度1
00〜150ミクロン以下に微粉砕することによって、
灰の表面積を増大させ、後工程の一次反応処理の反応速
度を向上させることができる。
【0082】粉砕機307内で微粉砕された乾燥焼却灰
は、粉砕機用メインファン308からのエアーによって
粉砕機用サイクロン309に排出される。粉砕機用サイ
クロン309ではエアーと共に流入した微粉状の乾燥焼
却灰を気流の旋回による遠心力を利用して微粉状の乾燥
焼却灰を分離して下方側に落下させて下端から排出す
る。
【0083】また、粉砕機用サイクロン309内の浮遊
する粉塵は粉砕機用集塵機310によって捕集され、粉
塵に含まれる微粉状の乾燥焼却灰を下方側に落下させて
下端側から排出する。
【0084】このようにして、粉塵に含まれる微粉状の
乾燥焼却灰が除去された排ガスは、排ガス処理設備70
の活性炭吸着塔705に送られ、無害化処理されて煙突
707から大気中に放出される。
【0085】粉砕機用サイクロン309及び粉砕機用集
塵機310の下端の排出口から排出された微粉状の乾燥
焼却灰は、搬送コンベア312によって搬送コンベア3
13に搬出される。そして、微粉状の乾燥焼却灰は搬送
コンベア313によって次工程の一次反応設備40に搬
送される。
【0086】一次反応設備40は、粉砕設備30から送
られてきた微粉状の乾燥焼却灰のダイオキシン類の加熱
脱塩化及び熱分解処理の一次反応工程を行う設備で、搬
送コンベア313によって搬送されたきた微粉状の乾燥
焼却灰は、粉砕原料タンク401に貯留される。この粉
砕原料タンク401で貯留された微粉状の乾燥焼却灰は
下端側から排出されて搬送コンベア403によって一次
反応用ロータリキルン406に搬送される。
【0087】一次反応用ロータリキルン406には、粉
砕原料タンク401から搬送コンベア403によって微
粉状の乾燥焼却灰が送り込まれ、また、添加剤A供給装
置402から搬送コンベア403によってカルシウムを
主成分とする添加剤Aが送り込まれてくる。
【0088】一次反応用ロータリキルン406に供給さ
れる添加剤Aの量は、微粉状の乾燥焼却灰の重量比で3
%である。添加剤Aはカルシウム化合物を主成分とし機
能向上用触媒を添加したもので、一次反応用ロータリキ
ルン406内での反応速度を加速するために使用され
る。添加剤Aは、例えば酸化カルシウムCaO 80%、水酸
化アルミニウムAl(OH)3 5〜10%、粘度10%からなる。
【0089】一次反応用ロータリキルン406内では、
微粉状の乾燥焼却灰及び添加剤Aを転動することによっ
て軸方向に移動させながら反応させて、キルン炉内酸素
濃度6%程度の低酸素雰囲気、且つキルン炉内温度80
0〜900℃の高温処理により、排ガス中のダイオキシ
ン類の脱塩素化と熱分解反応を進行させる。このときの
反応式は次のようになる。
【0090】
【化1】
【0091】一次反応用ロータリキルン406内で一次
反応処理が行われた焼却灰は、その他端から水冷式搬送
コンベア407内に排出される。水冷式搬送コンベア4
07内に排出された高温の焼却灰は、当該コンベア40
7内を搬送されている間に急冷されて、出口温度200
℃以下に冷却されて排出される。
【0092】高温の焼却灰を出口温度200℃以下に急
冷する水冷式搬送コンベア407には、冷却水設備80
の循環ポンプ803によって冷却水が供給されている。
この供給される冷却水によって高温の焼却灰を急冷させ
ることができる。
【0093】この一次反応処理において、一次反応用ロ
ータリキルン406内で発生する排ガスは、サイクロン
701によって集塵し、エアーと共に流入した微粉状の
焼却灰を気流の旋回による遠心力を利用して微粉状の焼
却灰を分離して下方側に落下させて下端側から排出す
る。排出された焼却灰は搬送コンベア404及び搬送コ
ンベア403によって一次反応用ロータリキルン406
に戻されて再処理される。
【0094】サイクロン701から排出される排ガスは
熱交換器702によって200℃以下に急冷されて、ダ
イオキシン類の再生成が防止される。そして、熱交換器
702で急冷されて排出された排ガスは、消石灰吹込装
置703から噴霧される消石灰によってHCl 、NOX が吸
着除去されて、集塵機704に送り込まれる。
【0095】集塵機704では送り込まれた排ガス中の
粉塵を捕集して粉塵に含まれる微粉状の焼却灰を下方側
に落下させて下端側から排出する。排出された焼却灰は
搬送コンベア405及び搬送コンベア403によって一
次反応用ロータリキルン406に戻されて再処理され
る。
【0096】集塵機704から排出された排ガスは活性
炭吸着塔705に送り込まれ、活性炭吸着塔705内に
充填されている活性炭によって排ガス中からダイオキシ
ン類及びNOX が吸着除去されて無害化される。無害化さ
れた排ガスは排気誘引ファン706によって煙突707
から大気中に放出される。
【0097】水冷式搬送コンベア407によって出口温
度200℃以下に急冷されてから排出された焼却灰は、
搬送コンベア408によって次工程の二次反応設備50
に搬送される。
【0098】二次反応設備50は、2基の一次反応設備
40から送られてきた焼却灰の解砕、重金属類安定固化
等の二次反応工程を行う設備で、搬送コンベア408に
よって搬送されてきた焼却灰は、スクリーンが装着され
ている振動篩機501によって、例えば粒度100〜1
50ミクロン以上のものが解砕機502に振り分けられ
る。粒度100〜150ミクロン以下の焼却灰は振動篩
機501のスクリーンの目を通過して一次焼却灰タンク
503に収容される。
【0099】一次反応設備40の一次反応処理で凝集し
て粒度100〜150ミクロン以上となった焼却灰は、
解砕機502によって例えば粒度100〜150ミクロ
ン以下に解砕されてその表面積が増大して、解砕機50
2の下側に設置された一次焼却灰タンク503に収容さ
れる。
【0100】二次反応装置506には、一次焼却灰タン
ク503から焼却灰が計量ホッパー505で計量されて
送り込まれ、添加剤B供給装置504から硫化物を主成
分とする重金属安定固化剤である添加剤Bが計量ホッパ
ー505で計量されて送り込まれてくる。
【0101】二次反応装置506に供給される添加剤B
の量は、微粉状の乾燥焼却灰の重量比で1%で、添加剤
Bは硫化物を主成分とし二次反応装置506内での重金
属の安定固化反応を促進するために使用される。添加剤
Bは、例えば硫化ナトリウムNa2S (40%) 、二酸化珪素
SiO2 (10%) 、炭酸ナトリウムNa2CO3 (10%) 、炭酸カ
ルシウムCaCO3(10%) 、無水ホウサンB2O3 (10%) 、珪
酸カルシウムCaSiO3 (10%) 、活性化酸化鉄Fe2O3 (5〜
10%) 、硫酸カルシウムCaSO4(10%) などからなる。
【0102】このうち、添加剤Bの主成分となる硫化ナ
トリウムは重金属類の硫化化合物を生成する役目を果た
す。二酸化珪素、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、無
水ホウサン及び珪酸カルシウムは経年的に結晶鉱物化す
る。また、活性化酸化鉄は触媒として機能し、硫酸カル
シウムは膨張抑止剤として機能する。
【0103】上記の基本的な反応を示すと次のようにな
る。 CdY(カドミウム)+〔S2-〕→ CdS (硫化カドミウム) PbY(鉛) +〔S2-〕→ PbS (硫化鉛) AsY(砒素) +〔S2-〕→ As2S3(三硫化二砒素) HgY(水銀) +〔S2-〕→ Hg2S (硫化第二水銀) CrY(クロム) +〔S2-〕→ CrS3 (三硫化クロム) Se(セレン) +〔S2-〕→ SeS (硫化セレン)
【0104】二次反応装置506内では、焼却灰と添加
剤Bとを、処理温度180〜200℃、炉内酸素濃度6
%程度の条件下で攪拌混合することにより、重金属の安
定固化反応を進行させる。
【0105】即ち、所定の成分にて処理すると、エーラ
イト相(3CaO・SiO2系固溶体)、ビーライト相(2CaO・
SiO2系固溶体)、アルミネート相(3CaO・Al2O3 系固溶
体)等のガラス質混合相において水を加えると水和熱を
発して、先ず凝固が起こって流動性が失われ、その後珪
酸カルシウム水和物ゲルを生じて硬化する。
【0106】二次反応装置506で処理された焼却灰は
セメント補助材として排出される。この処理された焼却
灰はこれらの工程を経ることにより、焼成されているこ
とから、適度の水と混合攪拌させると、水和反応を起こ
し、固化させることができる。二次反応焼却灰を水和反
応させることにより安定固化し、重金属類の溶出防止効
果が生ずる。
【0107】二次反応装置506内で処理された焼却灰
は、空気輸送機507によって次工程の袋詰設備60に
送られる。
【0108】次工程の袋詰設備60に送られた焼却灰は
製品タンク601内に収容され、その下方に設置された
袋詰機602によって袋詰めされる。袋詰機602で袋
詰めされてセメント補助材として製品化された焼却灰
は、製品搬出コンベア603で搬出され、クレーン等に
よって運搬車に積載されて輸送される。
【0109】
【発明の効果】以上の記載より明らかなように、この発
明に係る焼却灰の処理装置によれば、焼却灰(「主灰」
および「飛灰」を含む)を 800℃〜 900℃の温度で処理
でき、1000℃以上の高温で処理する必要がなく、極めて
効果的に焼却灰(「主灰」および「飛灰」を含む)を処
理することができ、これをセメント補助材、原料等とし
て有効に活用することができる。これは一般焼却灰を中
心に処理説明を行ってきたが、特別管理廃棄物に指定さ
れている焼却灰中の「飛灰」についても同様に処理可能
であり、公害問題を発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す装置全体の構成図
である。
【符号の説明】
10 受入供給設備 101 貯留装置 102 定量供給装置 103 搬送コンベア 104 供給分散機 105 振動篩機 106 搬送コンベア 107 磁選機 108 搬送コンベア 109 搬送コンベア 20 乾燥設備 201 ロータリーキルン 202 水冷式搬送コンベア 203 搬送コンベア 204 燃料タンク 205 サービスタンク 30 粉砕設備 301 破砕機 302 磁選機 303 非鉄金属選別機 304 搬送コンベア 305 乾燥焼却灰タンク 306 粉砕機供給機 307 粉砕機 308 粉砕機用メインファン 309 粉砕機用サイクロン 310 粉砕機用集塵機 311 粉砕機用ベントファン 312 搬送コンベア 313 搬送コンベア 40 一次反応設備 401 粉砕原料タンク 402 添加剤A供給装置 403 搬送コンベア 404 搬送コンベア 405 搬送コンベア 406 一次反応用ロータリキルン 407 水冷式搬送コンベア 408 搬送コンベア 50 二次反応設備 501 振動篩機 502 解砕機 503 一次焼却灰タンク 504 添加剤B供給装置 505 計量ホッパー 506 二次反応装置 507 空気輸送機 60 袋詰設備 601 製品タンク 602 袋詰機 603 製品搬出コンベア 70 排ガス処理設備 701 サイクロン 702 熱交換器 703 消石灰吹込装置 704 集塵機 705 活性炭吸着塔 706 排気誘引ファン 707 煙突 708 コンプレッサ 80 冷却水設備 801 冷却塔 802 水槽 803 循環ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/68 B01D 53/34 134E 53/64 134A B09B 5/00 136Z F23G 7/00 ZAB B09B 3/00 304G 103 5/00 N Fターム(参考) 3K061 AA07 AB01 AC01 AC02 BA05 BA08 BA09 BA10 DA02 DA03 DA05 DA18 DA19 DB01 DB03 EB01 EB06 EB18 4D002 AA12 AA21 AA28 AC04 BA03 BA04 BA12 BA13 CA05 CA13 CA20 DA02 DA05 DA08 DA11 DA12 DA14 DA15 DA16 DA22 DA46 DA47 EA02 GA01 GA02 GA03 GB02 GB03 GB06 GB08 4D004 AA36 AA37 AB03 AB07 AC05 BA02 CA04 CA08 CA09 CA15 CA22 CA32 CA42 CB09 CB42 CC11 DA03 DA06 DA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送されてきた焼却灰の貯留、定量供
    給、粒度選別、磁力選別等の前処理工程を行う受入供給
    設備と、受入供給設備から送られてきた焼却灰の水分除
    去、未燃分焼却等を800〜900℃の高温処理で乾燥
    工程を行い且つ水冷式搬送コンベアで搬送中に出口温度
    200℃以下に急冷する乾燥工程を行う乾燥設備と、乾
    燥設備から送られてきた乾燥焼却灰の粗粉砕、鉄分選
    別、非鉄金属選別、粒度100〜150ミクロン以下に
    微粉砕等の粉砕工程を行う粉砕設備と、粉砕設備から送
    られてきた微粉状の乾燥焼却灰にカルシウムを主成分と
    する添加剤を添加して低酸素雰囲気かつ800〜900
    ℃の高温処理によりダイオキシン類の加熱脱塩化及び熱
    分解処理の一次反応工程を行い且つ水冷式搬送コンベア
    で搬送中に出口温度200℃以下に急冷する一次反応設
    備と、一次反応設備から送られてきた焼却灰の粒度10
    0〜150ミクロン以下への解砕、粒度100〜150
    ミクロン以下の焼却灰に硫化物を主成分とする重金属安
    定固化剤である添加剤を添加して処理温度180〜20
    0℃、炉内酸素濃度6%程度の条件下で攪拌混合して重
    金属類安定固化等の二次反応工程を行う二次反応設備
    と、二次反応設備から送れてきた焼却灰の計量袋詰の工
    程を行う袋詰設備と、排ガスの集塵、急冷、吸着、脱
    硝、ダイオキシン類吸着などの排ガス処理工程を行う排
    ガス処理設備と、乾燥設備の水冷式搬送コンベア及び一
    次反応設備の水冷式搬送コンベアに冷却水を供給してこ
    れらの冷却を行う冷却水設備とから構成したことを特徴
    とする焼却灰の処理装置。
  2. 【請求項2】 一次反応工程で添加される添加剤は、酸
    化カルシウム80%、水酸化アルミニウム5〜10%、粘度
    10%からなり、灰重量比の3%の量が添加される請求項
    1記載の焼却灰の処理装置。
  3. 【請求項3】 二次反応工程で添加される添加剤は、硫
    化ナトリウム40%、二酸化珪素10%、炭酸ナトリウム10
    %、炭酸カルシウム10%、無水ホウサン10%、珪酸カル
    シウム10%、活性化酸化鉄 5〜10%、硫酸カルシウム10
    %からなり、灰重量比の1%の量が添加される請求項1
    記載の焼却灰の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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