JP2001125299A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2001125299A
JP2001125299A JP30857699A JP30857699A JP2001125299A JP 2001125299 A JP2001125299 A JP 2001125299A JP 30857699 A JP30857699 A JP 30857699A JP 30857699 A JP30857699 A JP 30857699A JP 2001125299 A JP2001125299 A JP 2001125299A
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JP30857699A
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Yoshiyuki Yoshihara
淑之 吉原
Yosuke Morikawa
陽介 森川
Shunkai Sako
春海 酒匂
Haruyuki Tsuji
晴之 辻
Shinji Takagi
進司 高木
Hiroshi Saito
宏 齊藤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面層を有する電子写真感光体において、電
子写真プロセスに適用する際に要求される抵抗、強度、
離型性等を十分満足することの出来る表面層の構成を提
供する。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層及び表面層を有
する電子写真感光体において、下記構造式(1)で表わ
されるアクリルモノマーと、下記構造式(2)で表わさ
れるアクリルモノマーとを10/0〜3/7(質量比)
の割合で重合して得られる光硬化重合物、導電性粒子、
及びフッ素原子含有樹脂微粒子から該表面層を作製す
る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体並び
に該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び
電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、帯電、露光、現像、
転写、クリーニング及び除電等の手段を繰り返し適用さ
れる。帯電及び露光により形成された静電潜像はトナー
といわれる微粒子状の現像剤によりトナー画像となる。
更にこのトナー画像は転写手段により紙等の転写材に転
写されるが、全てのトナーが転写されるわけではなく、
一部が感光体表面上に残留する。
【0003】この残留トナーの量が多いと、転写材上の
画像はまだらに転写不良が生じる所謂ボソ抜け状とな
り、画像均一性に欠けるだけでなく、感光体へのトナー
及びその構成成分による融着やフィルミングの発生とい
う問題が生じる。これらの問題に対して感光体の表面層
の離型性を向上することが求められている。
【0004】また、電子写真感光体は上述のような電気
的及び機械的外力が直接加えられるために、それらに対
する耐久性が求められている。具体的には、摺擦による
表面の摩耗やキズの発生、また、帯電時に感光体に流れ
る電流による表面層の劣化や、帯電時に発生するオゾ
ン、NOx等の活性物質の付着による抵抗低下等に対す
る耐久性が要求される。
【0005】電子写真感光体に要求される上記のような
特性を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなさ
れており、中でも樹脂を主成分とする保護層は数多く提
案されている。例えば特許第2801427号には、3
つ以上のアクリル基を有する硬化型アクリルモノマーを
用いる保護層が提案されている。また、樹脂中に金属や
金属酸化物粒子を添加することにより保護層の抵抗を制
御する方法も数多く提案されている。例えば、特開昭5
7−30846号公報には樹脂に導電性粉末として金属
酸化物を添加することにより抵抗を制御することのでき
る保護層が提案されている。
【0006】電子写真感光体の保護層に金属酸化物など
の導電性粒子を添加するのは、保護層自体の電気抵抗を
制御し、電子写真プロセスの繰り返しに伴う感光体内で
の残留電位の増加を防止するのがその主な目的であり、
他方、電子写真感光体用の保護層の適切な抵抗値は1×
1010〜1×1015Ω・cmであることが知られてい
る。
【0007】しかしながら、前記の範囲の抵抗値におい
ては、保護層の電気抵抗はイオン伝導によって影響を受
けやすく、そのために環境の変化によって電気抵抗が大
きく変化する傾向にある。特に、高温高湿側で低抵抗化
することにより、潜像を保持できなくなる所謂画像流れ
が生じ易い。したがって、全環境において、しかも、電
子写真プロセスの繰り返しを行う際に保護層の抵抗を前
記範囲内に保つことはこれまで非常に困難であった。
【0008】また、上記の抵抗値を保ちつつ、耐久性や
表面性が十分に満足できる保護層は未だ得られていな
い。
【0009】一方、電子写真装置は、電子写真感光体に
帯電、露光、現像、転写、定着及びクリーニング等の基
本的プロセスを行うことで構成されている。ここで帯電
プロセスは、従来より金属ワイヤーに高電圧(DC5〜
8KV)を印加し発生するコロナ帯電が用いられてきた
が、近年特開昭57−178267号公報、特開昭56
−104351号公報、特開昭58−40566号公
報、特開昭58−139156号公報及び特開昭58−
150975号公報等に提案されているように、感光体
表面に接触配置された感光体表面に電圧を印加すること
により感光体表面を帯電させる方法が研究され、多く実
用化されるようになってきた。
【0010】具体的には、感光体表面に1〜2KV程度
の直流電圧を外部より印加した導電性弾性ローラー等の
帯電部材を接触せることにより感光体表面を所定の電位
に帯電させるものである。さらに、帯電の均一性を向上
させるために直流電圧に交流電圧を重畳させる方法も提
案されている。
【0011】これらの帯電方法は、帯電装置の簡略化、
高圧電源の小型化、といったメリットを持つ反面、感光
体表面の劣化や、それに伴う削れ、傷、トナー及びその
構成成分による融着やフィルミング等が、より発生しや
すいという問題もある。
【0012】一方、特開昭61−57958号公報に
は、感光体として樹脂中に導電性粒子を分散し抵抗値を
コントロールした表面層を有する感光体を用い、この感
光体に導電性微粒子を接触させ、この導電性微粒子に直
接電圧を印加して表面層中に直接に電荷の注入を行い、
均一な帯電を行う方法が提案されている。
【0013】この方法が上述の直接帯電と異なる点は、
以下の式(1)で示すように、交流のピーク間電圧(V
pp)が放電開始電圧(Vth)の2倍より小さいにも
関わらず、以下の式(2)で示すように、感光体の暗電
位(Vd)と印加DC電圧(Vdc)との差が200V
以内となることであり、かつ、式(3)が成り立つこと
である。
【0014】 Vpp<2Vth (1) |Vdc−Vd|≦200(V) (2) |Vd|>|Vpp/2|+|Vdc|−|Vth| (3) このような電荷注入による帯電手段を用いた場合、感光
体表面層に直接電荷を注入するため、表面層の抵抗値は
より精度よくコントロールする必要がある。
【0015】また、帯電に用いる導電性微粒子が感光体
に接触するとともに、帯電部材の拘束から外れて遊離し
た導電性微粒子と他の感光体当接部材との押圧により、
感光体に傷が生じ易い。
【0016】さらに、電子写真装置として積極的なクリ
ーニングプロセスを行わない所謂クリーナレスプロセス
を用いる場合がある。
【0017】この場合、帯電工程で転写後の残余トナー
の取り込み、吐き出しを行うことにより、現像同時クリ
ーニングを達成する。
【0018】このようなプロセスにおいては、トナー及
びその構成成分による融着やフィルミング等が特に発生
しやすく、感光体表面の離型性、強度がより一層求めら
れる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した様
な表面層を有する感光体において、電子写真プロセスに
適用する際に要求される抵抗、強度、離型性等を十分満
足することの出来る表面層の構成を提供することを目的
としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に感光層及び表面層を有する電子写真感光体におい
て、該表面層は、構造式(1)[化13]
【0021】
【化13】 で表わされるアクリルモノマーと、構造式(2)[化1
4]
【0022】
【化14】 で表わされるアクリルモノマーとを10/0〜3/7
(質量比)の割合で重合させて得られる光硬化重合物、
導電性粒子、及びフッ素原子含有樹脂微粒子からなるこ
とを特徴とする電子写真感光体である。
【0023】また、本発明は、前記本発明の電子写真感
光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニング手段か
らなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支
持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴と
するプロセスカートリッジである。
【0024】また、本発明は、前記本発明の電子写真感
光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を
有することを特徴とする電子写真装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0026】本発明に用いられる導電性粒子としては、
金属、金属酸化物、導電性ポリマー及びカーボンブラッ
ク等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、亜
鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレス及び銀等、また
はこれらの金属をプラスチックの粒子の表面に蒸着した
もの等が挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、
酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウ
ム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、
アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム
等が挙げられる。
【0027】導電性ポリマーとしては、ポリアセチレ
ン、ポリチオフェン及びポリピロール等が挙げられる。
これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて
用いることもできる。2種類以上を組み合わせて用いる
場合には、単に混合しても、固溶体や融着の形にしても
よい。
【0028】また、本発明に用いられるこの導電性粒子
の平均粒径は、光散乱を防止するという点から、0.3
μm以下であることが好ましく、特に0.1μm以下で
あることが好ましい。また、透明度の点から金属酸化物
がより好ましい。
【0029】本発明において用いられるフッ素原子含有
樹脂微粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化
エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ
化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化
エチレン樹脂及びこれらの共重合体の中から1種あるい
は2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ
化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。樹
脂粒子の分子量や粒子の粒径は適宜選択することがで
き、特に制限されるものではない。
【0030】本発明においては、導電性粒子及びフッ素
原子含有樹脂微粒子を共に樹脂溶液中に分散させて用い
る。このため、相互の粒子を凝集させないように、導電
性粒子の表面をフッ素原子含有化合物で表面処理するこ
とが好ましい。
【0031】表面処理を行うことより、表面処理を行わ
ない場合に比べて、樹脂溶液中での導電性粒子とフッ素
原子含有樹脂微粒子の分散性及び分散安定性が向上す
る。
【0032】本発明において導電性粒子を表面処理する
際に用いることのできる表面処理剤としてはシランカッ
プリング剤、シリコーンオイル、シロキサン化合物及び
界面活性剤等が挙げられるが、導電性粒子の分散性及び
分散安定性の点から、特にフッ素原子含有化合物を用い
ることが有効である。以下にそれぞれの好ましい化合物
を例示するが、本発明はこれらの化合物に限定されるも
のではない。
【0033】含フッ素シランカップリング剤の好ましい
ものとしては、CF3 CH2 CH2 Si(OC
3 3 ,C4 9 CH2 CH2 Si(OCH33
6 13CH2 CH2 Si(OCH3 3 ,C8 17
2 CH2 Si(OCH 3 3 ,C8 17CH2 CH2
Si(OCH2 CH2 OCH3 3 ,C1021(OCH
33 ,C6 13CONHSi(OCH3 3 ,C8
17CONHSi(OCH3 3 ,C7 15CONHCH
2 CH2 CH2 Si(OCH3 3 ,C7 15CONH
CH2 CH2 CH2 Si(OC2 5 3 ,C7 15
OOCH2 CH2 CH2 Si(OCH3 3 ,C7 15
COSCH2 CH2 CH2 Si(OCH3 3 ,C8
17SO2 NHCH2 CH2 CH2 Si(OC
2 5 3
【0034】
【化15】 8 17CH2 SCH2 CH2 Si(OCH3 3 ,C
1021CH2 CH2 SCH2 CH2 Si(OC
3 3
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】 等が挙げられる。
【0037】フッ素変性シリコーンオイルの好ましいも
のとしては
【0038】
【化18】 が挙げられる。但し、式中のRは−CH2 CH2 CF3
を示し、m及びnは正の整数を示す。
【0039】フッ素系界面活性剤の好ましいものとして
は、X−SO2 NRCH2 COOH,X−SO2 NRC
2 CH2 O(CH2 CH2 O)n H(n=5,10,
15),X−SO2 N(CH2 CH2 CH2 OH)2
X−RO(CH2 CH2 O)n (n=5,10,1
5),X−(RO)n (n=5〜20),X−(RO)
n R(n=5〜20),
【0040】
【化19】 X−COOH,X−CH2 CH2 COOH,X−ORC
OOH,X−ORCH2 COOH,X−SO3 H,X−
ORSO3 H,X−CH2 CH2 OH,
【0041】
【化20】
【0042】
【化21】
【0043】
【化22】 等が挙げられる。但し、式中のRはアルキル基、アリル
基またはアラルキル基を、Xは−CH3 ,−C4 9
−C8 17等のフッ化カーボン基を示す。
【0044】以上示した化合物例の中でも、一般式
(3)[化23]で示される化合物は特に効果が大き
い。
【0045】
【化23】 (式中、nは0以上の整数を示し、R1 ,R2 及びR3
は塩素原子、メチル基、メトキシ基またはエトキシ基を
示す。) また本発明においては、保護層の抵抗特性をより向上さ
せるために、上記のフッ素原子含有化合物で表面処理し
た導電性粒子と共に、一般式(4)[化24]で示され
るシロキサン化合物により表面処理された導電性粒子を
同時に用いることが好ましい。
【0046】
【化24】 (式中、Aは水素原子またはメチル基を示し、全てのA
に対する水素原子の割合は0.1〜50%の範囲であ
り、nは0以上の整数を示す。) この表面処理を行うことにより、表面処理を行わない場
合に比較して導電性粒子を分散した表面層の抵抗特性が
向上し、特には高温高湿環境での抵抗低下がより小さく
なる。
【0047】導電性粒子の表面処理方法としては、導電
性粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、
表面処理剤を導電性粒子表面に付着させる。分散の手段
としてはボールミル、サンドミルなどの通常の分散手段
を用いることができる。次にこの分散溶液から溶剤を除
去し、導電性粒子表面に表面処理剤を固着させればよ
い。また、必要に応じてこの後さらに熱処理を行っても
よい。
【0048】これらの表面処理剤の付着量については、
導電性粒子や処理剤の種類によっても異なるが、導電性
粒子の質量に対して3〜20質量%が好ましい。
【0049】本発明では、表面層の結着樹脂成分として
各請求項に示すような特定の光硬化アクリルモノマーを
用いる。
【0050】即ち、これらのモノマーを含有する溶液に
前述の導電性粒子及びフッ素原子含有樹脂微粒子を分散
させ、重合開始剤、重合開始助剤等を適宜加えて表面層
用の塗工液とし、この溶液を感光層上に塗工、硬化させ
て表面層を形成する。
【0051】これにより表面層膜の十分な強度が得ら
れ、且つ抵抗を全環境の範囲で適切な値にコントロール
することが可能となった。
【0052】アクリルモノマー(1)と(2)の混合比
率(質量比)は10/0から3/7が好ましく、さらに
は10/0から6/4が好ましい。モノマー(1)の比
率が3/7より低くなると、膜の強度が十分でなく、ト
ナー及びその構成成分による融着やフィルミングが発生
しやすい傾向になると同時に、摩耗量が増えて感光体の
寿命が短くなる。
【0053】アクリルモノマーと導電性粒子との混合割
合は、直接的に表面層の抵抗を決定する値であり、表面
層の抵抗が1×1010〜1×1015Ω・cmの範囲にな
るように設定する。
【0054】フッ素原子含有樹脂微粒子の添加量は表面
層全体の質量に対して2〜50質量%が好ましく、さら
には5〜30質量%が好ましい。
【0055】次に、感光層について説明する。
【0056】本発明の電子写真用感光体の感光層の構成
は、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含
有する単層型と電荷発生層と電荷輸送層を有する積層型
に大別される。本発明においては、感光層が積層型であ
ることが好ましく、特には電荷発生層上に電荷輸送層を
有するものが好ましい。
【0057】感光層が積層型の場合、電荷発生層は、セ
レン、セレン−テルル及びアモルファスシリコン等の無
機系電荷発生物質、ピリリウム系染料、チアピリリウム
系染料、アズレニウム系染料、チアシアニン系染料及び
キノシアニン系染料等のカチオン染料;スクエアリウム
塩系顔料;フタロシアニン系顔料;アントアントロン系
顔料、ジベンズピレンキノン系顔料及びピラントロン系
顔料等の多環キノン顔料、インジゴ系顔料、キナクリド
ン系顔料及びアゾ系顔料等の有機系電荷発生物質から選
ばれた材料を単独ないしは組み合わせて用いることがで
き、真空蒸着装置によって蒸着層として形成したり、あ
るいは結着樹脂に分散塗工液を塗布、乾燥することによ
って塗布層として形成することができる。
【0058】結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から
選択でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポ
リビニルピレン等の有機光導電性ポリマーから選択でき
る。好ましくは、ポリビニルブチラール、ポリアレー
ト、(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体等)、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アク
リル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、セルロー
ス系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリビニル
アルコール等の樹脂を挙げることができる。電荷発生層
中に含有される樹脂は、80質量%以下であることが好
ましく、特には40質量%以下であることが好ましい。
【0059】電荷発生層の膜厚は5μm以下が好まし
く、特には、0.01〜1μmが好ましい。
【0060】電荷輸送層は、主鎖または側鎖にビフェニ
レン、アントラセン、ピレン及びフェナトレン等の構造
を有する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾー
ル、オキサジアゾール及びピラゾリン等の含窒素環化合
物、ヒドラゾン化合物及びスチリル化合物等の電荷輸送
物質を結着樹脂に溶解した塗工液を塗布、乾燥すること
により形成される。
【0061】用いることのできる結着樹脂としては、例
えばポリアリレート、ポリスルホン、ポリアミド、アク
リル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩
化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカー
ボネート、ポリウレタンあるいは共重合体、例えば、ス
チレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニ
トリルコポリマーまたはスチレン−マレイン酸コポリマ
ー等を挙げることができる。また、このような絶縁性樹
脂の他にポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラ
センやポリビニルピレン等の有機光導電性樹脂も使用す
ることができる。結着樹脂と電荷輸送物質との配合割合
は、結着樹脂100質量部当たり電荷輸送物質を10〜
500質量部とすることが好ましい。
【0062】電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmである
ことが好ましく、特には10〜30μmであることが好
ましい。
【0063】感光層が単層型の場合、前記の電荷発生物
質及び電荷輸送物質を前記の結着樹脂に分散及び溶解し
た塗工液を塗布、乾燥することにより形成される。
【0064】その膜厚は5〜40μmであることが好ま
しく、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0065】本発明においては、感光層と導電性支持体
との間に中間層を設けることもできる。このような中間
層は感光層と導電性支持体との接着性を高め、あるいは
電荷のバリアー層として機能させることを目的とする。
中間層としては例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂
及びシリコーン樹脂等の樹脂材料が使用可能である。
【0066】また、本発明においては、さらに導電性支
持体と中間層の間に支持体のムラや欠陥の被覆、及び画
像入力がレーザー光の場合には散乱による干渉縞防止を
目的とした被覆層を設けることができる。被覆層として
は、隠蔽性を付与するため、或いは膜表面に適度な粗さ
を付与するため、さらには抵抗を調節する等の目的のた
め、金属酸化物、金属粒子、カーボンブラック等を結着
樹脂中に分散して形成する。
【0067】この膜厚は5〜40μm、特には10〜3
0μmが好ましい。
【0068】上述した各種層の塗布方法としては、浸漬
コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコー
ティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコー
ティング法、マイヤーバーコーティング法及びブレード
コーティング法等が挙げられる。
【0069】導電性支持体としては、例えば、アルミニ
ウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレススチー
ル、バナジウム、モリブデン、クロム、チタン、ニッケ
ル、インジウム、金及び白金等が用いられる。またこう
した金属あるいは合金を真空蒸着法によって被膜形成し
たプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート及び
アクリル樹脂等)や導電性粒子(例えばカーボンブラッ
ク及び銀粒子等)を適当な結着樹脂と共に上記のような
プラスチック、金属または合金の支持体上に被覆した支
持体あるいは導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した
支持体等を用いることができる。
【0070】支持体の形状としてはドラム状、シート状
及びベルト状等が挙げられるが、適用される電子写真装
置に最も適した形状にすることが好ましい。
【0071】一方、本発明の感光体が適用される電子写
真装置であって、かつ、帯電部材を有する電子写真装置
の帯電手段は、電子写真感光体の表面層に接触し、該帯
電部材に印加された電圧により感光体表面を帯電するも
のである。
【0072】構成としては、帯電ローラー、帯電ブレー
ド、帯電磁気ブラシ、及び帯電繊維ブラシ等が挙げられ
る。
【0073】帯電ローラー及び帯電ブレードとしては、
導電性を有するローラー状あるいはブレード状の弾性層
上に導電性微粒子を分散したコーティング層を抵抗層と
して配置した構成をとってもよい。これらの帯電部材の
抵抗値としては1×104 Ω〜1×107 Ωの範囲であ
ることが好ましい。抵抗値が1×104 Ωより低い場合
にはピンホールリークを防止できないことがあり、1×
107 Ωより高い場合には帯電に必要な電流を流すこと
ができないことがある。
【0074】弾性層に用いられる樹脂材料としては、例
えばEPDM,EPT,EPM,NBR,BR及びCR
等の合成ゴム、天然ゴム等の熱硬化性エラストマー、ま
た塩化ビニル、酢酸ビニルポリエステル、PVA等の熱
可塑性エラストマー等が用いられる。
【0075】また弾性層に導電性を付与するために添加
される導電性粒子としては、カーボンブラック、酸化亜
鉛、酸化チタン及び金属粉等の導電性粒子が用いられ
る。
【0076】弾性層としては、JIS K 6301の
A型硬度計により規定される硬度において20〜80°
の硬度であることが好ましい。
【0077】また、帯電部材表面に配置される抵抗層に
用いられる樹脂材料としては、ポリアミド、ポリイミ
ド、フッ素樹脂、シリコン樹脂、PVA及びポリエステ
ル等の常温において柔軟性を有する材料が用いられる。
【0078】さらに本発明の感光体は、接触された帯電
部材から直接電荷の注入を行う帯電方式に好適である。
このような帯電方式に用いる帯電部材としては、帯電ロ
ーラー、帯電ブレード、帯電磁気ブラシ、及び帯電繊維
ブラシ等が挙げられる。これらの中では耐久性の点で帯
電磁気ブラシ及び帯電ローラーが好ましく、さらには均
一帯電性の点で帯電磁気ブラシが好ましい。
【0079】帯電磁気ブラシ方式は、磁気力によりフェ
ライト等の磁性粉体の穂を形成し、この穂立ちした磁性
粉体を高密度に集めたブラシ状にし、電圧を印加するこ
とで帯電部材の役割を担わせたものである。この穂は、
かなり高密度化させることができ、より微細化された均
一帯電を達成することができる。
【0080】構成としては非磁性の導電スリーブ、これ
に内包されるマグネットロール、スリーブ上の磁性導電
性粒子からなり、マグネットロールは固定、スリーブ表
面が感光体と周速差を持って移動するように回転され
る。
【0081】磁性導電性粒子は ・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成
型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のための導電カ
ーボン等を混ぜたもの ・焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれら
を還元処理して抵抗値を調節したもの ・またはこれらの磁性粒子をメッキ処理して抵抗値を適
当な値にしたものなどが使用可能である。
【0082】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るだけでは
なく、電子写真技術を応用した記録、軽印刷、製版及び
ファクシミリ等の装置にも幅広く適用し得るものであ
る。
【0083】図1に本発明の電子写真感光体を用いたプ
ロセスカートリッジ並びに電子写真装置の概略構成を示
した。
【0084】図において、1は本発明のドラム型感光体
であり、軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転
駆動される。該感光体1は、その回転過程で帯電手段2
によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受
け、次いで露光部3にて不図示の像露光手段により光像
露光L(スリット露光・レーザービーム走査露光など)
を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応した静
電潜像が順次形成されていく。
【0085】その静電潜像は次いで現像手段4でトナー
現像され、このトナー現像像は、不図示の給紙部から感
光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取り
されて給送された転写材Pに転写手段5により順次転写
されていく。
【0086】像転写を受けた転写材Pは感光体面から分
離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写
物(コピー)として機外へプリントアウトされる。
【0087】像転写後の感光体1の表面はクリーニング
手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され
て、更に、前露光手段7により除電処理されて繰り返し
て像形成に使用される。
【0088】なお、一次帯電が接触帯電の場合は前露光
は必ずしも必要ではない。
【0089】また、クリーニング手段は、例えば転写残
トナーの帯電器による一時回収及び吐き出し、さらに現
像器への回収というような所謂クリーナレスシステムを
採用する場合は、省くことができる。
【0090】本発明においては、上述の感光体、帯電手
段及び現像手段などの構成要素のうち、複数のものをプ
ロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、この
プロセスカートリッジを装置本体に対して着脱自在に構
成しても良い。
【0091】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光を感光体に照射すること、あるいは、センサーで
原稿を読取り、信号化し、この信号に従ってレーザービ
ームの走査、LEDアレイの駆動、または液晶シャッタ
ーアレイの駆動などを行い感光体に光を照射することな
どにより行われる。
【0092】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0093】(実施例1)アルミニウムシリンダー(φ
30mm×358mm)上に、以下の材料より構成され
る塗料を浸漬法で塗布し、140℃で30分熱硬化する
ことによって、膜厚が15μの導電性被覆層を形成し
た。
【0094】導電性顔料:酸化スズ・酸化アンチモンコ
ート処理酸化チタン…10部(質量部、以下同じ) 抵抗調節用顔料:酸化チタン…10部 結着樹脂:フェノール樹脂(大日本インキ化学工業
(株)製、プライオーフェンJ325)…10部 レベリング剤:シリコーンオイル(信越化学(株)製、
SH28PA)…0.001部 溶剤:メタノール/メトキシプロパノール=1/1…2
0部 次に、この上に共重合ポリアミド樹脂(アミランCM−
8000、東レ(株)社製)10部、メトキシメチル化
6ナイロン樹脂(トレジンEF−30T、帝国化学
(株)社製)30部を、メタノール400部、n−ブタ
ノール200部の混合溶媒中に溶解した塗料を浸漬塗布
し、90℃で10分間熱風乾燥させ、膜厚0.7μmの
中間層を形成した。
【0095】次に、CuKαのX線回折における回折角
2θ±0.2°の9.0°,14.2°,23.9°,
27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタ
ロシアニン顔料3部、ブチラール樹脂(エスレックBX
−1、積水化学(株)社製)2部及びシクロヘキサノン
100部をサンドミル装置にて4時間分散した後、酢酸
エチル90部を加えて電荷発生層用の分散液を調合し
た。この塗料を前記中間層上に浸漬塗布し、80℃で1
5分間熱風乾燥させて、膜厚0.15μmの電荷発生層
を形成した。
【0096】次に、構造式(5)[化25]の化合物7
部、
【0097】
【化25】 及びビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロン
Z−400、三菱ガス化学(株)社製)10部をジクロ
ルメタン30部、モノクロルベンゼン40部の混合溶媒
中に溶解し、この塗料を前記の電荷発生層上に浸漬塗布
し、110℃で60分間乾燥させ、膜厚17μmの電荷
輸送層を形成した。
【0098】次に、表面層用の調合液を下記の手順によ
り作成した。
【0099】メチルハイドロジェンシリコンオイル(商
品名KF99、信越シリコーン(株)製)で表面処理し
た、平均粒径0.02μmのアンチモンドープ酸化スズ
微粒子(商品名T−1、三菱マテリアル(株)製)30
部と、フッ素変性シランカップリング剤(商品名LS1
090、信越シリコーン(株)製)で表面処理した、平
均粒径0.02μmのアンチモンドープ酸化スズ微粒子
(同上)20部を、構造式(1)[化26]のアクリル
モノマー(商品名TMP3A−3、大阪有機化学(株)
製)18部と
【0100】
【化26】 エタノール80部と共にサンドミルで72時間分散を行
った。
【0101】なお、表面処理量を、熱重量測定装置TG
/DTA2208(セイコー電子工業(株)製)で窒素
雰囲気下、室温から505℃まで昇温した時の重量減少
を測定することにより求めた。その結果、メチルハイド
ロジェンシリコンオイルは11.2%、フッ素変性シラ
ンカップリング剤は7.1%であった。
【0102】この液に四フッ化エチレン樹脂粒子(商品
名ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)17部を混
合してサンドミル装置で更に2時間分散し、さらに光重
合開始剤として2,4−ジエチルチオキサントン2.7
部、開始助剤として4,4′−ビス(ジエチルアミノ)
ベンゾフェノン0.9部を加えて溶解し、表面層用の調
合液を作製した。
【0103】この塗料を前記電荷輸送層上に浸漬塗布
し、メタルハライドランプにて240W/cm2 の光強
度で30秒間紫外線照射して光硬化を行い、その後12
0℃、2時間熱風乾燥して、膜厚5μmの表面層を作製
した。
【0104】電子写真装置としてレーザーを光源とする
デジタル複写機(GP−215;キヤノン製)を用意
し、これに以下のような改造を行った。
【0105】まず帯電器部分を前述のような磁気ブラシ
注入帯電器に換えた。帯電部材の磁性粒子としては、ポ
リスチレン樹脂にマグネタイトを100部入れて混練、
粉砕したもので、粒子径30μm、抵抗値は1×106
Ωであった。磁気ブラシの抵抗値は、上記の構成の磁気
ブラシに対してアルミニウムドラムを当接させ、100
VのDC電圧を印加したときの抵抗値で定義してある。
【0106】このような磁性粒子をマグネットを内包し
たスリーブ上に厚さ1mmでコートして、感光体との間
に幅約2mmの帯電ニップを形成する。スリーブは感光
体表面の周速に対して1倍の早さで逆方向に摺接するよ
うに回転されており、感光体と磁気ブラシが均一に接触
するようになっている。
【0107】この磁気ブラシにDCバイアス−700V
を印加し、さらにVpp600V、1000HzのAC
バイアスを重畳することにより感光体に電荷注入され、
−680Vの表面電位を得る。
【0108】また、現像部分は非磁性トナーとフェライ
トキャリアによる2成分現像を行う構成とした。
【0109】さらに、クリーナレスプロセスとするため
にクリーナユニットを取り外し、この位置に転写残トナ
ーの回収を容易にするために導電ブラシを設置した。こ
のブラシは、長さ5mmのカーボン分散ナイロンの繊維
を芯金にロール状に植毛したものを用い、芯金には電圧
が印加できるようにした。
【0110】このような電子写真装置に上記感光体を装
着し、常温、常湿環境(23℃、50%RH)で通紙、
印字を繰り返す耐久テスト評価を行った。その結果、5
万枚まで画像上の不具合がなく、安定して良好な画像が
得られていた。
【0111】この評価の後、高温、高湿環境(30℃、
80%RH)、及び常温、低湿環境(23℃、5%R
H)に移して画像をとったところ、両環境とも常温、常
湿環境と同等の高品位な画像が得られた。
【0112】別途、保護層の体積抵抗を横川ヒューレッ
トパッカード(株)製pAメーター4140Bを用いて
測定した。結果を表1に示す。
【0113】(比較例1)実施例1の表面層において、
アクリルモノマーとして上記構造式(1)を1.8部
と、構造式(2)[化27](商品名カヤラッドR−6
04、日本火薬(株)製)16.2部を
【0114】
【化27】 混合して用いた他は同様にして感光体を作製した。
【0115】(比較例2)実施例1の表面層において、
アクリルモノマーとして構造式(1)[化28]
【0116】
【化28】 を5.4部と、構造式(6)[化29]
【0117】
【化29】 (商品名カヤラッドDPHA、日本火薬(株)製)1
2.6部を混合して用いた他は同様にして感光体を作製
した。
【0118】(実施例2)電荷発生層までを実施例1の
感光体と同様に作製した。
【0119】次に、構造式(5)[化30]
【0120】
【化30】 の化合物8部、及びビスフェノールZ型ポリカーボネー
ト(ユーピロンZ−800、三菱ガス化学(株)社製)
10部をジクロルメタン40部、モノクロルベンゼン5
0部の混合溶媒中に溶解し、この塗料を前記の電荷発生
層上に浸漬塗布し、110℃で60分間乾燥させ、膜厚
20μmの電荷輸送層を形成した。
【0121】表面層は、アクリルモノマーとして上記構
造式(1)と(2)をそれぞれ12.6部と5.4部と
したことを除いては、実施例1と同一条件で調合液を作
製し、上記電荷輸送層上に浸漬塗布して膜厚4μmの表
面層を設け、感光体を得た。
【0122】(実施例3)電荷発生層までは実施例1と
同様に作製した。
【0123】次に構造式(7)[化31]
【0124】
【化31】 の化合物を4.9部、構造式(5)[化32]
【0125】
【化32】 の化合物を2.1部、及びビスフェノールZ型ポリカー
ボネート(ユーピロンZ−200、三菱ガス化学(株)
社製)10部をジクロルメタン20部、モノクロルベン
ゼン40部の混合溶媒中に溶解し、この塗料を前記の電
荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で60分間乾燥さ
せ、膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
【0126】表面層は、アクリルモノマーとして上記
(1)と(2)をそれぞれ5.4部と12.6部とした
ことを除いては、実施例1と同一条件で調合液を作製
し、上記電荷輸送層上に浸漬塗布して膜厚6μmの表面
層を設け、感光体を得た。
【0127】これらの感光体を実施例1と同様に電子写
真装置にて耐久評価を行ったところ、実施例2及び3の
感光体については5万枚までの耐久並びに、その後の高
温、高湿環境(30℃、80%RH)、及び常温、低湿
環境(23℃、5%RH)においても画像上の不具合が
なく、安定して良好な画像が得られていた。
【0128】一方、比較例1の感光体は約2万枚プリン
トした時点から画像上に微少な黒ポチが発生し、耐久と
共に増加していった。また、細い黒スジも発生するよう
になった。3万枚を終了した段階で装置より感光体を取
り出し、黒ポチ部分を解析したところ、表面にシリカ微
粒子が埋め込まれている所謂フィルミング状態となって
いることが分った。また、黒スジについては、傷により
その部分の表面層がほとんど消失して帯電不良となって
いることが分った。
【0129】比較例2の感光体は、耐久画像については
5万枚まで良好であったが、その後高温、高湿環境(3
0℃、80%RH)、及び常温、低湿環境(23℃、5
%RH)に移して画像をとったところ、前者の環境では
表面層の抵抗低下に伴う画像流れが発生し、後者の環境
では表面層の抵抗上昇に伴う帯電不良により、白地にカ
ブリが発生した。
【0130】(実施例4)電荷輸送層までは実施例1と
同様に作製した。
【0131】次に、表面層用の調合液を下記の手順によ
り作製した。
【0132】メチルハイドロジェンシリコンオイル(商
品名KF99、信越シリコーン(株)製)で表面処理し
た、平均粒径0.02μmのアンチモンドープ酸化スズ
微粒子(商品名T−1、三菱マテリアル(株)製)20
部と、処理しない酸化スズ微粒子30部と、前記構造式
(1)のアクリルモノマー25部、をトルエン80部と
共にサンドミルで72時間分散を行った。
【0133】この液に四フッ化エチレン樹脂粒子(商品
名ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)12部を混
合してサンドミル装置で更に2時間分散し、さらに光重
合開始剤として2,4−ジエチルチオキサントン7.5
部、開始助剤として4,4′−ビス(ジエチルアミノ)
ベンゾフェノン2.5部を加えて溶解し、表面層用の調
合液を作製した。
【0134】この塗料を電荷輸送層上にスプレー塗布
し、メタルハライドランプにて240W/cm2 の光強
度で30秒間紫外線照射して光硬化を行い、その後12
0℃、2時間熱風乾燥して、膜厚3μmの表面層を形成
した。
【0135】電子写真装置としてレーザーを光源とする
デジタル複写機(GP−215;キヤノン製)を用意
し、感光体に接触する導電性ゴムローラ帯電器に対して
DCバイアスのみを−1400V印加するように改造し
た。この条件にて、感光体とローラ間の微少ギャップ放
電により、−680Vの表面電位を得た。
【0136】実施例4の感光体をこの電子写真装置に装
着し、常温、常湿環境(23℃、50%RH)で通紙、
印字を繰り返す耐久テスト評価を行った。その結果、3
万枚まで画像上の不具合がなく、安定して良好な画像が
得られていた。
【0137】この評価の後、高温、高湿環境(30℃、
80%RH)、及び常温、低湿環境(23℃、5%R
H)に移して画像をとったところ、両環境とも常温、常
湿環境と同等の高品位な画像が得られた。
【0138】次に、各実施例における表面層の抵抗値
(Ω・cm)を環境を変えて測定を行った結果を表1に
示す。
【0139】
【表1】
【0140】
【発明の効果】本発明は、電子写真プロセスに適用する
際に要求される抵抗、強度、離型性等を十分満足するこ
との出来る表面層を有する感光体を提供できるという効
果を奏する。また、該電子写真感光体を有し、特に接触
帯電部材を含むプロセスカートリッジ並びに電子写真装
置において同様に顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体 1a 軸 2 帯電手段 3 画像露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリーニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒匂 春海 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 辻 晴之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高木 進司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 齊藤 宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 CC04 DD03 2H068 AA03 AA04 BB07 BB31 CA29 CA37

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層及び表面層を有
    する電子写真感光体において、該表面層は、構造式
    (1)[化1] 【化1】 で表わされるアクリルモノマーと、構造式(2)[化
    2] 【化2】 で表わされるアクリルモノマーとを10/0〜3/7
    (質量比)の割合で重合させて得られる光硬化重合物、
    導電性粒子、及びフッ素原子含有樹脂微粒子からなるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体に接触配置された帯電手
    段を有し且つ帯電部材を含む電子写真装置に用いる該感
    光体が、導電性支持体上に感光層及び表面層を有してお
    り、該表面層は、構造式(1)[化3] 【化3】 で表わされるアクリルモノマーと、構造式(2)[化
    4] 【化4】 で表わされるアクリルモノマーとを10/0〜3/7
    (質量比)の割合で重合させて得られる光硬化重合物、
    導電性粒子、及びフッ素原子含有樹脂微粒子からなるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 電子写真感光体に接触配置された帯電手
    段により注入帯電を行い且つ帯電部材を含む電子写真装
    置に用いる該感光体が、導電性支持体上に感光層及び表
    面層を有しており、該表面層は、構造式(1)[化5] 【化5】 で表わされるアクリルモノマーと、構造式(2)[化
    6] 【化6】 で表わされるアクリルモノマーとを10/0〜3/7
    (質量比)の割合で重合させて得られる光硬化重合物、
    導電性粒子、及びフッ素原子含有樹脂微粒子からなるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に感光層及び表面層を有
    する電子写真感光体において、該表面層は、構造式
    (1)[化7] 【化7】 で表わされるアクリルモノマーと、構造式(2)[化
    8] 【化8】 で表わされるアクリルモノマーとを10/0〜3/7
    (質量比)の割合で重合させて得られる光硬化重合物、
    フッ素原子含有化合物で表面処理された導電性粒子、シ
    ロキサン化合物で表面処理された導電性粒子、及びフッ
    素原子含有樹脂微粒子からなることを特徴とする電子写
    真感光体。
  5. 【請求項5】 電子写真感光体に接触配置された帯電手
    段を有し且つ帯電部材を含む電子写真装置に用いる該感
    光体が、導電性支持体上に感光層及び表面層を有してお
    り、該表面層は、構造式(1)[化9] 【化9】 で表わされるアクリルモノマーと、構造式(2)[化1
    0] 【化10】 で表わされるアクリルモノマーとを10/0〜3/7
    (質量比)の割合で重合させて得られる光硬化重合物、
    フッ素原子含有化合物で表面処理された導電性粒子、シ
    ロキサン化合物で表面処理された導電性粒子、及びフッ
    素原子含有樹脂微粒子からなることを特徴とする電子写
    真感光体。
  6. 【請求項6】 電子写真感光体に接触配置された帯電手
    段により注入帯電を行い且つ帯電部材を含む電子写真装
    置に用いる該感光体が、導電性支持体上に感光層及び表
    面層を有しており、該表面層は、構造式(1)[化1
    1] 【化11】 で表わされるアクリルモノマーと、構造式(2)[化1
    2] 【化12】 で表わされるアクリルモノマーとを10/0〜3/7
    (質量比)の割合で重合させて得られる光硬化重合物、
    フッ素原子含有化合物で表面処理された導電性粒子、シ
    ロキサン化合物で表面処理された導電性粒子、及びフッ
    素原子含有樹脂微粒子からなることを特徴とする電子写
    真感光体。
  7. 【請求項7】 電子写真感光体、及び帯電手段、現像手
    段及びクリーニング手段からなる群より選ばれる少なく
    とも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着
    脱自在であるプロセスカートリッジであって、前記電子
    写真感光体が請求項1または4に記載されたものである
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 【請求項8】 電子写真感光体、帯電手段、像露光手
    段、現像手段及び転写手段を有する電子写真装置であっ
    て、前記電子写真感光体が請求項1または4に記載され
    たものであることを特徴とする電子写真装置。
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