JP2001122136A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP2001122136A
JP2001122136A JP30465799A JP30465799A JP2001122136A JP 2001122136 A JP2001122136 A JP 2001122136A JP 30465799 A JP30465799 A JP 30465799A JP 30465799 A JP30465799 A JP 30465799A JP 2001122136 A JP2001122136 A JP 2001122136A
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Japan
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steering
rotor
shaft
housing
rack
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JP30465799A
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Masaki Arima
雅規 有馬
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 舵取り軸のハウジングの内部に構成された操
舵補助用のモータの筒形のロータが舵取り軸の撓みに応
じて変位することを許容し、前記ロータの一側に構成さ
れたボールナットと舵取り軸とにより構成されたボール
ねじ機構の運動変換動作が阻害されないようにする。 【解決手段】 操舵補助用のモータ5の筒形のロータ52
を、ラック軸1を支持するラックハウジングH1 及びモ
ータハウジングH3 の内部にラジアル支持するラジアル
軸受6の内側に、ロータ52の該当位置に設けた凹溝9aに
巻装した環状ばね9を弾接させ、ラジアル軸受6による
支持位置においてロータ52が、ラジアル軸受6との間の
嵌合隙間内にて変位し得るように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラックピニオン式
の舵取り装置におけるラック軸等の舵取り軸を支持する
ハウジングの内部に、前記舵取り軸と同軸上に操舵補助
用のモータと、該モータの回転を直線運動に変換して前
記舵取り軸に伝えるボールねじ機構とを備える電動パワ
ーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】舵取りのためにステアリングホイールに
加えられる操舵トルクの検出結果に基づいて操舵補助用
の電動モータ(以下モータという)を駆動し、該モータ
の回転力を舵取り装置に伝えて操舵を補助する構成とし
た電動パワーステアリング装置は、操舵補助力の発生源
として油圧アクチュエータを用いる油圧パワーステアリ
ング装置と比較して、車速の高低,操舵の頻度等、走行
状態に応じた補助力特性の制御が容易に行えるという利
点を有することから、近年、その適用範囲が拡大する傾
向にある。
【0003】自動車の舵取り装置としては種々の形式の
ものが実用化されており、その一つにラックピニオン式
の舵取り装置がある。これは、軸長方向に所定の長さに
亘ってラック歯を形成してなるラック軸(舵取り軸)を
車体の左右方向に延設し、このラック軸の両端部をタイ
ロッドを介して操向用の車輪に連結すると共に、前記ラ
ック歯に噛合するピニオン軸をコラム軸を介してステア
リングホイールに連結してなり、舵取りのためのステア
リングホイールの操作を、前記ピニオン軸を介してラッ
ク軸に伝え、該ラック軸を軸長方向に移動させて操舵を
行わせる構成としたものである。
【0004】このようなラックピニオン式の舵取装置を
電動パワーステアリング装置として構成する場合、操舵
補助用のモータの回転をラック軸に直接的に伝え、該ラ
ック軸を軸長方向に移動させる構成とするのが合理的で
ある。このためには、操舵補助用のモータをラック軸の
周辺に配設する必要があるが、ラック軸の配設位置の周
辺には、操舵補助のために十分な回転力を発生し得るモ
ータの占有スペースを確保し難いという問題がある。
【0005】この問題の解消のため本願出願人は、ラッ
ク軸を支持する筒形のハウジングの内部に操舵補助用の
モータを同軸的に構成し、該モータの発生力をラック軸
に伝えるようにした電動パワーステアリング装置を提案
している。図5は、この電動パワーステアリング装置の
要部の構成を示す一部破断正面図である。
【0006】図示の如く筒形のラックハウジングH1
内部に軸長方向への移動自在に支承されたラック軸1の
中途部には、所定長に亘ってラック歯11が形成され、ピ
ニオンハウジングH2 との交叉部においてピニオン軸4
の下端に一体形成されたピニオン40に噛合させてあり、
図示しないステアリングホイールの操作に応じたピニオ
ン軸4の回転を、ピニオン40とラック歯11との噛合部に
おいてラック軸1の軸長方向の移動に変換し、この移動
を左右の操向車輪に伝えて操舵を行わせるラックピニオ
ン式の舵取り装置を構成している。
【0007】このようにラック軸1の移動により行われ
る操舵を補助するモータ5は、ラックハウジングH1
中途部を適長に亘って拡径して一体に構成された円筒形
のモータハウジングH3 の内部に、該モータハウジング
3 の内周面に固設されたステータ51と、左右両側を一
対の軸受54,55により支持されて前記ステータ51の内側
にて回転する円筒形のロータ52とを備えて構成されてい
る。
【0008】ロータ52の一側には、該ロータ52の回転を
直線運動に変換して前記ラック軸1に伝えるボールねじ
機構2が構成されている。このボールねじ機構2は、前
記ロータ52の一側端部に同軸的に連結され、軸受56によ
りラックハウジングH1 に支持されたボールナット20
と、該ボールナット20の内側への挿通部を含めて前記ラ
ック軸1の外周に形成されたねじ軌条21とを、多数のボ
ール22,22…を介して螺合せしめて構成されている。
【0009】以上の構成によりボールナット20は、前記
モータ5の回転、即ち、ステータ51への通電に伴うロー
タ52の回転に伴って軸回りに一体回転し、この回転に応
じて前記ボール22,22…がラック軸1外周のねじ軌条21
に沿って転動し、前記ラック軸1は、各ボール22,22…
の転動によりねじ軌条21に加えられる作用力の軸方向分
力により押圧され、軸長方向に移動せしめられることと
なり、この移動によって前述の如く行われる操舵が補助
される。
【0010】以上の如く構成された電動パワーステアリ
ング装置においては、操舵補助用のモータ5が、舵取り
軸としてのラック軸1を支持するラックハウジングH1
の一部を拡径してなるモータハウジングH3 の内部に構
成されており、ラック軸1の周辺に大なる占有スペース
を必要とすることなく配設することができる。また前記
モータ5の回転をラック軸1の移動に変換する運動変換
機構として、ねじの螺進を利用するボールねじ機構2が
用いられており、前記運動変換の過程において減速(増
力)を伴うことから、前記モータ5を小型化することが
でき、占有スペースの一層の削減を図ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】さて以上の構成におい
て、操舵補助用のモータ5から前記ラック軸1への伝動
を確実に行わせるためには、運動変換機構として用いら
れているボールねじ機構2の各部に高い精度が要求さ
れ、特に、前記ボールナット20と前記ラック軸1との間
の同心性を高めることが必要である。そこで従来から、
前記ロータ52の一側へのボールナット20の嵌着を圧入に
よりリジッドに行い、両者の同心性を高めると共に、前
記軸受54,55,56によるこれらの支持部の加工を高精度
に実施し、ボールナット20とラック軸1との間に所望の
同心性を確保するようにしている。
【0012】これにより組み立て時におけるラック軸1
とボールナット20との間の同心性を確保することは可能
であるが、操舵中のラック軸1は、その両端に連結され
た操向車輪に加わる路面反力の作用により撓みが生じる
状態にあり、この撓みによって組み立て時に確保された
同心性に狂いが生じ、ラック軸1外周のねじ軌条21とボ
ールナット20とにより前述の如く構成された運動変換用
のボールねじ機構2の螺合不良を招来し、ねじ軌条21に
沿ったボール22,22…の滑らかな転動が阻害されるとい
う不具合があり、これに起因するトルクむらが運転者に
引っ掛かり感として体感されて操舵感覚の悪化を招来す
るという問題があった。
【0013】なお以上の構成は、前述したラックピニオ
ン式の舵取り装置におけるラック軸1と同様に、軸長方
向の移動に応じて舵取りがなされる舵取り軸を備える各
種形式の舵取り装置を電動パワーステアリング装置とし
て構成する場合に適用することができ、このような電動
パワーステアリング装置においても前述した問題は同様
に発生する。
【0014】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、舵取り軸のハウジングの内部に構成された操舵
補助用のモータの筒形のロータと、これの一側に連結さ
れたボールナットとをラジアル方向への変位可能に支持
することにより、前記舵取り軸の一部に形成されたねじ
軌条と前記ボールナットとの間に、舵取り軸の撓み等の
同心ずれに起因する螺合不良が生じないようにし、ボー
ルねじ機構の運動変換動作の阻害を緩和して、操舵感覚
の悪化を防止する電動パワーステアリング装置を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
電動パワーステアリング装置は、舵取り軸を支持する筒
形のハウジングの内部に、前記舵取り軸と同軸上にて回
転自在に支持された筒形のロータを有する操舵補助用の
モータと、前記ロータの一側に連結されたボールナット
を有するボールねじ機構とを備え、前記ロータの回転を
前記ボールねじ機構により直線運動に変換して前記舵取
り軸に伝え、該舵取り軸を軸長方向に移動させて舵取り
を補助する構成とした電動パワーステアリング装置にお
いて、前記ロータをラジアル支持する軸受と前記ロータ
又はハウジングとの間に介装してあり、ラジアル方向に
弾性を有する弾性体を具備することを特徴とする。
【0016】本発明においては、操舵中に舵取り軸に撓
みが生じたとき、操舵補助用のモータのロータをラジア
ル支持する軸受がロータ又はハウジングとの間に介装さ
れた弾性体の変形により前記撓みに追随してラジアル方
向に変位し、ロータの一側に連結されたボールナットと
舵取り軸との同心性を保ち、ボールナット機構の動作阻
害を防止する。
【0017】本発明の第2発明に係る電動パワーステア
リング装置は、前記弾性体が、前記ロータの外周に巻装
され、ラジアル方向外向きに張り出して前記軸受の内面
に弾接する環状ばねにより構成してあることを特徴と
し、また第3発明に係る電動パワーステアリング装置
は、前記弾性体が、前記ハウジングの内周に巻装され、
ラジアル方向内向きに張り出して前記軸受の外面に弾接
する環状ばねにより構成してあることを特徴とする。
【0018】これらの発明においては、ロータをラジア
ル支持する軸受の内面又は外面に、ロータ外周又はハウ
ジングの内周の該当位置に巻装した環状ばねを弾接させ
て、前記ロータのラジアル方向の変位を許容する構成
を、簡素にしかも確実に実現する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る電動
パワーステアリング装置(以下本発明装置という)の要
部の構成を示す一部破断正面図である。
【0020】図中1は、ラック軸であり、図示しない車
体の左右方向に延設された筒形をなすラックハウジング
1 の内部に、図示しない回転拘束手段により軸回りの
回転を拘束され、軸長方向への摺動自在に支承されてお
り、ラックハウジングH1 の両側に夫々突出するラック
軸1の両端は、各別のタイロッドを介して図示しない操
向車輪(一般的には左右の前輪)に連結されている。
【0021】ラックハウジングH1 の中途部には、これ
と軸心を交叉させてピニオンハウジングH2 が連設され
ており、該ピニオンハウジングH2 の内部には、その軸
心回りでの回転自在にピニオン軸4が支承されている。
ピニオン軸4は、ピニオンハウジングH2 の上部に適長
突出させてあり、この突出部は、図示しないコラム軸を
介してステアリングホイールに連結され、舵取りのため
のステアリングホイールの操作に応じて軸回りに回転す
るようになしてある。
【0022】ピニオンハウジングH2 の内部に延設され
たピニオン軸4の下部には、図中に破線により示す如
く、ピニオン40が一体的に形成してある。また、ラック
ハウジングH1 内に支承されたラック軸1には、軸長方
向に所定の長さ範囲に亘ってラック歯11が形成してあ
り、ピニオンハウジングH2 との交叉位置においてピニ
オン軸4の下部のピニオン40に噛合させてある。
【0023】而して、舵取りのために前記ステアリング
ホイールが操作されたとき、この操作に伴ってピニオン
軸4が回転し、この回転が、前記ピニオン40及びラック
歯11の噛合により変換されてラック軸1が軸長方向に移
動することとなり、この移動が両端のタイロッドを介し
て左右の操向車輪に伝達され、これらの操向車輪が前記
ステアリングホイールの操作に応じて操舵されるラック
ピニオン式の舵取り機構が構成されている。
【0024】本発明装置においては、以上の如く行われ
る操舵を補助するモータ5が、前記ラックハウジングH
1 の中途部を適長に亘って拡径して構成された円筒形の
モータハウジングH3 の内部に、ステータ51とロータ52
とを備える3相ブラシレスモータとして構成されてい
る。
【0025】前記ロータ52は、ラック軸1の外径よりも
大なる内径を有する円筒体であり、ラック軸1の中途部
に外側を囲繞するように挿通され、モータハウジングH
3 の軸心回りに回転自在に支承されている。また前記ス
テータ51は、モータハウジングH3 の内周面に固設さ
れ、前記ロータ52の外周に保持された磁極53とわずかな
隙間を介して対向させてあり、該ステータ51への通電に
応じて前記ロータ52が正逆両方向に回転する構成として
ある。
【0026】以上の如く構成された操舵補助用のモータ
5は、ピニオンハウジングH2 の内部に構成された図示
しないトルクセンサの検出結果に基づく前記ステータ51
の通電制御により、ステアリングホイールに加えられる
操舵トルクの方向に、この操舵トルクの大きさに対応す
る回転力を発すべく回転駆動されており、この回転は前
記ロータ52の一側に構成された運動変換用のボールねじ
機構2により直線運動に変換されてラック軸1に伝達さ
れる。
【0027】前記ボールねじ機構2は、前記ロータ52の
一側に延設された拡径部 52aに内嵌され、該拡径部 52a
の端面にフランジ止めされて、ラック軸1の中途部外側
にこれを囲繞するように挿通された円筒形のボールナッ
ト20と、該ボールナット20の内側への挿通部を含めて前
記ラック軸1の外周に所定長に亘って形成されたねじ軌
条21とを、両者間に介装された多数のボール22,22…を
介して螺合せしめて構成されている。
【0028】以上の構成により、前記ロータ52の一側に
連結されたボールナット20は、前記モータ5の回転、即
ち、ステータ51への通電に伴うロータ52の回転に伴って
軸回りに一体回転し、この回転に応じて前記ボール22,
22…がラック軸1外周のねじ軌条21に沿って転動するこ
ととなり、前述の如く軸回りの回転を拘束されたラック
軸1は、各ボール22,22…の転動により外周のねじ軌条
21に加えられる作用力の軸方向分力によって押圧され、
該ラック軸1の軸長方向の移動によって前述の如く行わ
れる操舵が補助される。
【0029】本発明装置において、操舵補助用のモータ
5のロータ52と、これの一側に一体に連結されたボール
ナット20とは、図1に示す如く、ロータ52の一側のラジ
アル軸受6と、ロータ52の他側のラジアルスラスト兼用
軸受7とにより、前記ラック軸1との同心性を保ってモ
ータハウジングH3 の内部に回転自在に支持されてい
る。本発明装置の特徴は、ボールナット20との連結側を
支持するラジアル軸受6による支持部の構成にある。
【0030】図2は、ラジアル軸受6によるロータ52の
一側の支持部近傍の拡大断面図である。図示の如くラジ
アル軸受6は、ロータ52に外嵌された内輪を、該ロータ
52の外面に螺合する止めナット60の締め付けにより前記
拡径部 52aの端面との間に挾持固定すると共に、モータ
ハウジングH3 に内嵌された外輪を、該モータハウジン
グH3 の内面に螺合する止めナット61に当接させ、前記
ロータ52に作用するラジアル方向の荷重を主として負担
する構成とした玉軸受である。
【0031】前記ロータ52の外周面には、以上の如きラ
ジアル軸受6の外嵌位置に全周に亘る凹溝9aが形成され
ており、該凹溝9aの内部には、板ばねを環状に成形して
構成された環状ばね9が巻装されてラジアル軸受6の内
面に弾接させてある。
【0032】図3は、環状ばね9の斜視図である。本図
に示す如く環状ばね9は、ばね鋼等の弾性に富む材料か
らなる薄肉の帯体を、周方向の一か所に適宜幅の欠落部
90を余して環状に成形し、該欠落部90の縮幅を伴って半
径方向内向きに作用する力に対し、また前記欠落部90の
拡幅を伴って半径方向外向きに作用する力に対し、夫々
に抗するばね力を発生すべく構成されている。
【0033】図2に示す如くロータ52の外周に形成され
た前記凹溝9aへの装着は、自然状態における内径d(図
3参照)が、前記凹溝9aの底部外径よりも大きい環状ば
ね9を選定し、この環状ばね9を、前記欠落部90の縮幅
を伴って縮径せしめて前記凹溝9a内に収め、ラジアル方
向外向きの張り出しを該当位置に外嵌される前記ラジア
ル軸受6の内面により拘束した状態でなされている。
【0034】以上の構成により前記ロータ52は、前記ラ
ジアル軸受6による支持位置において、両者の嵌合隙間
の範囲内にて前記環状ばね9のばね力に抗してラジアル
方向に変位することができ、これに応じて同側に一体に
連結されたボールナット20もまたラジアル方向に変位す
ることができる。ここで、前記ボールナット20と共にボ
ールねじ機構2を構成するラック軸1の中途部には、前
述した操舵に伴って両端に連結された操向車輪に加わる
路面反力の作用により撓みが生じることがあるが、この
とき本発明装置においては、ラック軸1の撓みに追随し
てボールナット20が前述した如く変位し、両者の同心性
が維持される。
【0035】従って、ボールナット20内周のねじ軌条と
ラック軸1外周のねじ軌条21との間でのボール22,22…
の転動が、前記ラック軸1の撓みに影響されることなく
良好になされ、前記撓みによってボールナット機構2の
動作が阻害されることがなくなり、モータ5の回転から
ラック軸1の移動への運動変換を良好に行わせることが
できる。
【0036】図4は、ラジアル軸受6によるロータ52の
一側の支持部近傍の他の実施の形態を示す拡大断面図で
ある。本図においては、モータハウジングH3 の内面の
該当位置に形成された凹溝9b内に環状ばね9を巻装し、
この環状ばね9の内向きに張り出す内面を前記ラジアル
軸受6に弾接させた構成となっている。他の部分の構成
は、前記図2に示す支持部の構成と同じであり、図2と
同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】モータハウジングH3 の内面に形成された
凹溝9b内への環状ばね9の装着は、自然状態における内
径D(図3参照)が、前記凹溝9bの底部内径よりも小さ
い環状ばね9を選定し、この環状ばね9を、前記欠落部
90の拡幅を伴って拡径せしめて前記凹溝9b内に収め、ラ
ジアル方向内向きの張り出しを該当位置に内嵌される前
記ラジアル軸受6の外面により拘束した状態でなされて
いる。
【0038】以上の構成により前記ロータ52及びボール
ナット20は、前記ラジアル軸受6による支持位置におい
て、両者の嵌合隙間の範囲内にて前記環状ばね9のばね
力に抗してラジアル方向に変位することができ、ボール
ナット20内周のねじ軌条とラック軸1外周のねじ軌条21
とをボール22,22…を介して螺合させて構成されたボー
ルナット機構2の動作を、ラック軸1の撓みにより阻害
されることなく生ぜしめ、モータ5の回転からラック軸
1の移動への運動変換を良好に行わせることができる。
【0039】なお以上の実施の形態においては、操舵補
助用のモータのロータをラジアル支持する軸受とロータ
又はハウジングとの間に介装する弾性体としての環状ば
ね9を用いてあるが、他のばね、硬質ゴム等の弾性体を
用いてもよい。
【0040】また以上の実施の形態においては、操舵補
助用のモータの回転をラックピニオン式の舵取り装置の
ラック軸に伝える構成について述べたが、本発明は、前
記ラック軸と同様に軸長方向への移動により舵取りを行
わせる舵取り軸を備える他の形式の舵取り装置におい
て、操舵補助用のモータの回転を直線運動に変換して前
記舵取り軸に伝えるべく適用することができ、これらに
おいても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明装置において
は、舵取り軸と同軸に構成された操舵補助用のモータの
ロータを舵取り軸のハウジングにラジアル支持する軸受
と、前記ロータ又はハウジングとの間に弾性体を介装し
たから、操舵中にラック軸に生じる撓みに追随して前記
ロータが、一側に連結されたボールナットと共に、前記
弾性体の変形を伴ってラジアル方向に変位することがで
き、前記ボールナットと舵取り軸との同心性が維持さ
れ、両者により構成された運動変換用のボールねじ機構
に常時適正な螺合状態が得られ、良好な運動変換動作を
実現して、操舵感覚の悪化を防止することができる。
【0042】また前記弾性体を、ロータの外周又はハウ
ジングの内周に巻装され、軸受の内周又は外周に弾接す
る環状ばねにより構成したから、舵取り軸の撓みに追随
したロータのラジアル方向の変位を簡素にしかも確実に
実現することができ、ボールナット機構による運動変換
動作を常時適正に行わせることができる等、本発明は優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の要部の構成を示す一部破断正面図
である。
【図2】ロータの一側の支持部近傍の拡大断面図であ
る。
【図3】本発明装置において弾性体として用いる環状ば
ねの斜視図である。
【図4】ロータの一側の支持部近傍の他の実施の形態を
示す拡大断面図である。
【図5】従来の電動パワーステアリング装置の要部の構
成を示す一部破断正面図である。
【符号の説明】
1 ラック軸 2 ボールねじ機構 4 ピニオン軸 5 モータ 6 ラジアル軸受 9 環状ばね 9a 凹溝 9b 凹溝 20 ボールナット 21 ねじ軌条 51 ステータ 52 ロータ H1 ラックハウジング H2 ピニオンハウジング H3 モータハウジング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵取り軸を支持する筒形のハウジングの
    内部に、前記舵取り軸と同軸上にて回転自在に支持され
    た筒形のロータを有する操舵補助用のモータと、前記ロ
    ータの一側に連結されたボールナットを有するボールね
    じ機構とを備え、前記ロータの回転を前記ボールねじ機
    構により直線運動に変換して前記舵取り軸に伝え、該舵
    取り軸を軸長方向に移動させて舵取りを補助する構成と
    した電動パワーステアリング装置において、前記ロータ
    をラジアル支持する軸受と前記ロータ又はハウジングと
    の間に介装してあり、ラジアル方向に弾性を有する弾性
    体を具備することを特徴とする電動パワーステアリング
    装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性体は、前記ロータの外周に巻装
    され、ラジアル方向外向きに張り出して前記軸受の内面
    に弾接する環状ばねにより構成してある請求項1記載の
    電動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性体は、前記ハウジングの内周に
    巻装され、ラジアル方向内向きに張り出して前記軸受の
    外面に弾接する環状ばねにより構成してある請求項1記
    載の電動パワーステアリング装置。
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