JP2001116631A - 翼面上の流れ計測方法 - Google Patents

翼面上の流れ計測方法

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JP2001116631A JP29975799A JP29975799A JP2001116631A JP 2001116631 A JP2001116631 A JP 2001116631A JP 29975799 A JP29975799 A JP 29975799A JP 29975799 A JP29975799 A JP 29975799A JP 2001116631 A JP2001116631 A JP 2001116631A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転翼の表面に塗布した油膜の可視化から、
回転翼の壁面剪断応力を求める。 【解決手段】 回転円板6表面の油膜の可視化により得
られた複数の任意箇所の油膜移動速度周方向成分Vcを
計測する一方、回転円板6の前記任意箇所における壁面
剪断応力の周方向成分τcを算出し、前記各得られた油
膜移動速度周方向成分Vcと対応する壁面剪断応力周方
向成分τcとを座標上にプロットして関係式τc=f
(Vc/t)(tは油膜の厚さ)を求め、回転翼7表面
に塗布した油膜の可視化で得られる油膜移動速度周方向
成分Vbcを前記関係式に当てはめることで、回転翼7
の壁面剪断応力τbの大きさと向きとを計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジエータファ
ン、扇風機用ファン、換気扇、船舶用プロペラ、航空機
用プロペラ等の各種回転翼の翼面上の流れ計測方法の技
術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種回転翼においては、回転
翼表面の流れを可視化し、該可視化されたものを解析す
ることによって、回転翼の回転効率の向上や騒音の低減
を計るようにしている。そして、従来の回転翼表面の流
れの可視化では、表面に油膜を塗布した回転翼を回流水
槽中に没入させて回転させ、油膜法と画像解析法(時間
差のある二画像に相互相関の計算アルゴリズムにより計
算する方法であって、所謂PIV法等)とを組み合せた
計測方法を実施することによって、回転翼表面を移動す
る油膜移動速度を計測するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記従来の
計測方法では、回転翼表面の油膜移動速度を計測するも
のであり、該油膜移動速度からは、回転翼表面の剥離位
置、再付着位置、そして流れ方向と大きさ等に基づく流
れの様子の知見(速度ベクトル)を得ることはできる
が、流体力学で用いる物理量として扱うことができず、
このため油膜の条件が変化したような場合では、これら
の値を互いに比較することはできないという問題があ
り、ここに本発明が解決しようとする課題があった。さ
らには、回転翼表面に塗布される油膜の密度と回転翼を
没入させる流体の密度とに差がある場合、油膜自体に発
生する遠心力の影響を受けるため、回転翼表面における
流れの可視化により得られる油膜移動速度には遠心力の
影響が付加されてしまい、流体に基づく回転翼表面の正
確な油膜移動速度を求めることができないという問題が
あり、ここにも本発明が解決すべき課題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創
作されたものであって、回転翼の翼面上の流れを計測す
る方法であって、油膜を塗布した平板状の回転円板を流
体中で回転させて該回転円板の任意の複数箇所における
油膜移動速度Vの測定により得られた周方向速度成分V
cと、該回転円板の前記任意の複数箇所において算出さ
れる壁面剪断応力の周方向成分τcとを対応させて関係
式τc=f(Vc)を得、該関係式τc=f(Vc)
に、実測される回転翼の油膜移動速度を当てはめること
に基づいて翼面上の壁面剪断応力の大きさと向きを求め
るように構成したものである。そして、このようにする
ことにより、回転翼表面の油膜移動速度に基づいて壁面
剪断応力を計測することができる。このものにおいて、
本発明の回転翼に塗布される油膜の密度が流体の密度と
異なる場合に、前記関係式で計測される任意箇所の壁面
剪断応力の径方向成分に含まれる油膜の遠心力による付
加分を、予め回転円板を用いて算出された補正値Mτr
として差し引くことで、遠心力による影響が排除された
回転翼の壁面剪断応力の径方向成分を求め、該補正され
た径方向成分から回転翼の翼面上の遠心力による影響が
排除された壁面剪断応力の向きと大きさを計測できるよ
うにしたものとすることができる。さらにこのものにお
いて、本発明の補正値Mτrは、回転円板の任意の複数
箇所において流体と密度差のある油膜の実測油膜移動速
度Voを計測し、該各実測油膜移動速度Voから実測周
方向速度成分Vocをそれぞれ求めて前記関係式τc=
f(Vc)にそれぞれ当てはめて、回転円板上の遠心力
の影響を受けた実測壁面剪断応力径方向成分τorを算
出する一方、回転円板の前記任意の箇所において算出さ
れる壁面剪断応力の周方向成分τcから径方向成分τr
を算出して、前記各実測壁面剪断応力径方向成分τor
から対応する壁面剪断応力径方向成分τrを差し引くこ
とで求められる構成としたものとすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図1〜図7に示す図面に基づいて説明する。1は可視
化装置を構成する回流水槽であって、該回流水槽1の前
面部、後面部には流体(水)の入口部1a、出口部1b
がそれぞれ形成され、さらにこれら入口部1aと出口部
1bとは、回流水槽1の外部に形成された外部流路2に
より接続されている。そして、外部流路2に配されたポ
ンプ3の駆動に基づいて入口部1aから回流水槽1に流
入した流体は、回流水槽1内に設けられた整流装置4に
より流れを整えられてから後方に流れて出口部1bから
流出し、外部流路2を経由して再び入口部1aから流入
するようになっており、回流水槽1内の流体が回流する
構成となっている。
【0006】5は回流水槽1を前後に仕切る仕切板であ
って、該仕切板5に開設された開口部5aに、表面に油
膜が塗布された回転円板6または回転翼7が回転自在に
配されるように設定されている。尚、8は回転円板6ま
たは回転翼7に連動連結されてこれらを回転させるため
のモータである。また、仕切板5の前方にはCCDカメ
ラ9が配設され、該CCDカメラ9と仕切板開口部5a
とのあいだにはミラー10が配されている。そして、タ
イミング制御部11により制御される状態でストロボ発
光部12からの発光がミラー10を介して回転円板6ま
たは回転翼7の表面の所定部位を時間差を存して照射
し、該照射部位がCCDカメラ9により少なくとも二回
撮像されるように設定されている。さらに、このように
して得られる少なくとも二つの画像データを、画像取込
み装置13を介してパーソナルコンピュータ14に取り
込み、画像解析法に基づいて解析することによって、回
転円板6または回転翼7の表面に塗布された油膜の移動
状態を示す速度ベクトルが得られるように設定されてい
る。
【0007】そして、回転翼7の翼面上に生じる壁面剪
断応力を、回転円板6を乱流場において回転させること
で回転円板上6に生じる壁面剪断応力として計測する方
法を以下に説明する。つまり、回転円板6にトリッピン
グワイヤ15を取付け、回流水槽1に充填される流体の
密度と略同様の密度を有した油膜を塗布して回流水槽1
に没入させ、モータ8を駆動して回転円板6を回転させ
る。そして、回転円板6が予め設定される回転状態とな
ったところで、タイミング制御部11を介してストロボ
発光部12を発光させ、回転円板6の表面の所定部位
S、即ち本実施の形態では、図2における仮想線で囲ま
れた部位をCCDカメラ9により時間差を存して少なく
とも二回撮像する。そして、これら少なくとも二つの撮
像画像を解析することで、回転円板6の所定部位Sにお
ける複数の測定位置(複数箇所)での油膜の移動状態
が、図3に示すように速度ベクトルとして実測され(可
視化され)、該速度ベクトルに基づいてこれら各箇所に
おける油膜移動速度V、そして該実測される速度ベクト
ルの向き(偏角θ)を用いて油膜移動速度Vの周方向速
度成分Vcが算出される。
【0008】一方、前記回転円板6の油膜移動速度Vを
計測した各箇所における壁面剪断応力を計算して求め
る。この場合に、回転円板6にはトリッピングワイヤ1
5が設けられている結果乱流場となっていることから1
/7乗則を採用すると、回転円板6における壁面剪断応
力τの周方向成分τcは、式、 τc(N/m)=1/(1+α)×0.027×ρ×r1.6× ω1.8×ν0.2 (1) で与えられる。ここで、αは限界流線の傾き角(本実施
の形態では9.2°)から設定される一定値であってα
=tan9.2=0.162であり、ρは回流水槽1内
の流体密度(kg/m)、rは回転円板6の中心から
測定位置までの距離(m)、ωは回転円板6の測定位置
における回転角速度(rad/s)、νは流体の動粘度
(m/s)であり、これらの数値(実測値)をそれぞ
れ代入することで各箇所における壁面剪断応力周方向成
分τcが求められる。
【0009】そして、回転円板6の前記複数位置におけ
る油膜移動速度Vの周方向速度成分と、これに対応して
式(1)で得られる壁面剪断応力周方向成分τcとをX
−Y座標上にプロットし、これらのあいだの関係式を求
めるが、本実施の形態では周方向速度成分として、該周
方向速度成分Vcを各測定位置での油膜の厚さtで除し
た数値Vc/tを用いており、これによって回転円板6
の表面に塗布される油膜厚さのばらつきを相殺するよう
にしている。そして、座標の横軸方向(X方向)を油膜
の周方向速度成分Vcに基づく数値(Vc/t)とし、
縦軸方向(Y軸方向)を壁面剪断応力周方向成分τcと
してプロットすることにより図4に示すような曲線が得
られ、該曲線から関係式、 τc=f(Vc/t) (2) を求めることができ、これによって、油膜移動速度Vと
壁面剪断応力τとの各周方向成分Vc、τcを対応させ
ることができるようになっている。この関係式(2)τ
c=f(Vc/t)は図4に示されるような曲線を示し
ており、油膜移動の小さい範囲ではかなり大きな傾きを
示すが、油膜移動速度の増加と共に勾配が小さくなり、
やがて略一定の勾配を示すようになっている。
【0010】ところで、前記関係式(2)τc=f(V
c/t)は、前述したように回転円板6の流体から受け
る壁面剪断応力τと、油膜移動速度Vとのそれぞれ周方
向成分τcとVcとの関係を示している。これは、壁面
剪断応力を計測するにあたり、油膜の密度が流体の密度
よりも大きい場合、油膜自体に遠心力が作用して油膜移
動速度Vの径方向成分が大きくなるような影響を与える
ことがあり、このため、実測される偏角θと周方向の成
分とを用いて壁面剪断応力τを決定することで、より正
確な壁面剪断応力τを計測できるようにしている。
【0011】次に、前記関係式(2)τc=f(Vc/
t)を用いて回転翼7の壁面剪断応力を計測する方法に
ついて説明する。まず、回転翼7に塗布する油膜を、流
体の密度と略同じものを用いた場合について説明する。
この場合、回転翼7の表面に、回流水槽1内の流体と略
同密度の油膜を塗布し、該回転翼7を、回転円板6と同
様の条件下の可視化装置の回流水槽1に没入させて回転
せしめ、回転円板6のときと同様にしてCCDカメラ9
により回転翼7表面の所定部位の撮像を行い、複数の測
定位置(測定箇所)における油膜の速度ベクトルを実測
する。さらに、これら各速度ベクトルから油膜移動速度
Vbを求め、該油膜移動速度Vbと、実測された速度ベ
クトルの向きから周方向速度成分Vbcを算出し、該周
方向速度成分Vbcを油膜の厚さtbで除して数値(V
bc/tb)を算出する。そして、前記数値(Vbc/
tb)を、前記回転円板6を用いて得られた油膜の移動
速度周方向速度成分Vcと壁面剪断応力周方向成分τc
との関係式(2)τc=f(Vc/t)のVc/tに代
る数値として当てはめることで、回転翼7の翼面上の複
数箇所においての物理量である壁面剪断応力周方向成分
τbcが算出できる。そして、該壁面剪断応力周方向成
分τbcと、前記実測される速度ベクトルの向きとを用
いて翼面上の壁面剪断応力τbの大きさと向きが算出さ
れ、而して翼面上の流れを示す物理量を計測できるよう
に設定されている。因みに、図7(A)に回転翼7の表
面における油膜の移動状態を示す油膜移動分布図を示す
が、該油膜の移動分布図に基づいて前記関係式(2)τ
c=f(Vc/t)を用いて壁面剪断応力周方向成分τ
bcを計測することにより、図7(B)に示す壁面剪断
応力分布、ならびに限界流線図を得ることができ、これ
らに基づいて翼面上の流れを考察することができる。
【0012】これに対し、流体と油膜とに密度差がある
ような条件下で回転翼7を回転させた場合では、塗布さ
れた油膜自体に遠心力が作用している。このため、実測
される速度ベクトルは、油膜移動速度の径方向速度成分
に遠心力の影響が付加されたものになっており、このよ
うに遠心力が作用した速度ベクトルからは作用する壁面
剪断応力の正確な大きさや向きを得ることはできず、こ
のような場合には壁面剪断応力の補正をして、遠心力に
よる影響を排除することが必要となる。そして、遠心力
により壁面剪断応力に作用する分、つまり壁面剪断応力
の径方向成分に付加される成分(付加分)を、前述した
トリッピングワイヤ15が取付けられた回転円板6を用
いて予め補正値として算出しておき、この補正値を、回
転翼7において計測される壁面剪断応力の径方向成分か
ら差し引くようにすることで補正することができる。こ
のとき補正値を求めるには、回転円板6に対する流体の
流れの向き(限界流線の傾き角)を一定とし、該一定値
を用いて補正値を求める場合と、レイノルズ数(Re=
×ω/ν:rは回転円板6の中心から測定位置との
あいだの距離、ωは回転円板6の回転角速度、νは流体
の動粘度)等の関係式から得られる値を用いて補正値を
求める場合とがあるが、本実施の形態では流体の流れの
向き(限界流線の傾き角)を、径方向外側に約9.2度
の一定なものとして補正値を求める。因みに、補正は、
壁面剪断応力として算出したものを補正値とするばかり
でなく、油膜移動速度の径方向速度成分を用いて補正す
ることもできる。
【0013】そして、本実施の形態の補正値は次のよう
にして算出される。つまり、回流水槽1に充填される流
体の密度とは密度差のある油膜を回転円板6に塗布し、
該回転円板6を可視化装置の回流水槽1に没入させ、前
述したような手順で回転円板6上における油膜の可視化
を行い、回転円板6の複数箇所における油膜の移動状態
を示す速度ベクトルを求める。そして、これら遠心力の
影響を受けた速度ベクトルから、各箇所における実測油
膜移動速度Vo、そして該実測される速度ベクトルの向
き(角γ)を用いて実測油膜移動速度Voの実測周方向
速度成分Vocを算出する。そして、各実測周方向速度
成分Vocを油膜の厚さtで除した数値(Voc/t)
を求め、これら数値(Voc/t)を、前記関係式
(2)τc=f(Vc/t)の(Vc/t)に代る数値
として当てはめて、各箇所における実測壁面剪断応力周
方向成分τocを算出する。さらに、該実測壁面剪断応
力周方向成分τocと、前記油膜の速度ベクトルの向き
(角γ)とから実測壁面剪断応力径方向成分τorを算
出する。
【0014】一方、回転円板6の前記任意の複数箇所に
対応する壁面剪断応力τの周方向成分cは、前述したよ
うに式(1)τc=1/(1+α)×0.027×ρ
×r 1.6×ω1.8×ν0.2(N/m)に基づい
て算出される。そして、ここで求められる壁面剪断応力
τは限界流線の傾き角に基づく向きであることから、前
記算出された壁面剪断応力τにtan9.2、つまり
0.162を乗ずることによって、壁面剪断応力τの径
方向成分τrをそれぞれ算出(τr=0.162×τ
c)する。そして、前記算出される各壁面剪断応力径方
向成分τrとこれと対応する各実測壁面剪断応力τor
とは、図5に示すような関係となっており、各実測壁面
剪断応力径方向成分τorから各対応する箇所の算出さ
れた壁面剪断応力径方向成分τrを減じた数値が、これ
ら各任意の箇所において遠心力により増加した壁面剪断
応力の径方向成分(補正値)Mτrとなり、式、 Mτr=τor−τr (3) として表すことができる。そして、前記求められる各補
正値Mτrと、該箇所における遠心力Fを式、F=rω
(rは回転円板6の中心から測定位置までの距離
(m)、ωは回転円板6の測定位置における回転角速度
(rad)、この場合、遠心力の関数である質量mは塗
布される油膜厚さが略一定と見なし、m=1として遠心
力Fを求めている。)に基づいてそれぞれ算出し、該算
出した各任意の箇所における遠心力Fと、これらに対応
する補正値MτrとをX−Y座標上にそれぞれプロット
する。この場合に、座標の横軸方向(X方向)を遠心力
Fとし、縦軸方向(Y軸方向)を補正値Mτrとしてプ
ロットすることで、図6に示すような曲線が得られ、該
曲線から補正値Mτrと遠心力Fとの関係式、 Mτr=f(F) (4) を求めることができる。これによって、遠心力Fの大き
さから、該遠心力Fの算出箇所における壁面剪断応力の
径方向成分における補正値Mτrを求めることができ
る。
【0015】そして、回流水槽1の流体とは異なる密度
であって、前記回転円板6に塗布したものと同密度の油
膜が塗布された回転翼7の壁面剪断応力は次のようにし
て計測される。回転翼7表面の任意の箇所において得ら
れた速度ベクトルを解析して実測油膜移動速度Vobを
求め、この油膜移動速度Vbの周方向速度成分Vobc
を算出する。該周方向速度成分Vobcを、前記関係式
(2)τc=f(Vc/t)の(Vc/t)に代わる数
値として当てはめることで、回転翼7の各任意箇所にお
ける実測壁面剪断応力τoの周方向成分τobcが算出
される。さらにこの実測壁面剪断応力周方向成分τob
cと、速度ベクトルの向きとから、実測壁面剪断応力径
方向成分τobrを求める。さらに、回転翼7の実測箇
所である前記任意箇所における遠心力Fを算出し、該遠
心力Fを、前記関係式(4)Mτr=f(F)に代入し
て補正値Mτrを求め、該補正値Mτrを、前記実測壁
面剪断応力径方向成分τobrから差し引くことで遠心
力の影響が排除された回転翼7における真の壁面剪断応
力径方向成分(τobr−Mτr)が計測され、該数値
と、前記算出された実測壁面剪断応力周方向成分τob
cとから、遠心力の影響が排除された真の壁面剪断応力
の向きと大きさが求められ、このようにして、回転翼7
の翼面上の真の壁面剪断応力の向きと大きさが計測され
るようになっている。因みに、補正値Mτrは、前記実
施の形態のように回転円板6の任意箇所における遠心力
に対応させた関係式に限定されず、遠心力に基づく数値
と対応させた関係式とすることもでき、このようにして
も所望の箇所における補正値を容易に算出できる。そし
て、遠心力に基づく数値としては例えば周速度X(X=
rω:rは回転円板6の中心から測定位置までの距離、
ωは回転円板6の測定位置における回転角速度)を用い
ることができ、該周速度Xと補正値Mτrとの関係式と
しても、任意箇所における補正値Mτrを算出すること
ができる。
【0016】叙述の如く構成された本発明の実施の形態
において、回転翼7を可視化装置により可視化すること
で、回転翼7の表面に塗布された油膜の速度ベクトルを
求めることができる。そしてこの場合に、前記速度ベク
トルから油膜の移動速度の周方向速度成分Vbcを求
め、該周方向速度成分Vbcを、前述したように、回転
円板6を用いて求めた壁面剪断応力τcと、油膜の周方
向速度成分Vcを油膜厚さtで除した数値との関係式
(2)τc=f(Vc/t)に当てはめることで、回転
翼7の壁面剪断応力の周方向成分τcを求めることがで
き、該数値から回転翼7における壁面剪断応力の向きと
大きさが計測できる。この結果、油膜移動速度からの知
見では、油膜の種類、混合比、温度等の条件が異なる油
膜を用いたもの同志を比較することはできないが、該油
膜移動速度を用いて壁面剪断応力に変換することによっ
て、条件の異なる油膜を用いたもの同志からの数値を比
較検討することができる。しかも、壁面剪断応力の数値
は、流体力学上で物理量として扱うことができ、このた
め、例えば図7に示すような壁面剪断応力分布、ならび
に限界流線図を求めることにより、騒音、効率等の性能
特性を改善する上での指標として検討することができ
る。
【0017】さらにこの場合に、油膜の密度が回流水槽
1に充填させる流体の密度と異なって、油膜の移動速度
に遠心力が作用しているような場合であっても、回転円
板6を用いて算出した補正値Mτrを、回転翼7におい
て実測値から関係式(2)τc=f(Vc/t)を用い
て算出される実測剪断応力径方向成分τobrから差し
引くことで、遠心力を排除した壁面剪断力の径方向成分
を求めることができ、これによって、翼面上の遠心力の
影響が排除された真の壁面剪断応力の向きと大きさを計
測できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可視化装置の概略説明図である。
【図2】回転円板の斜視図である。
【図3】回転円板における油膜移動速度の説明図であ
る。
【図4】壁面剪断応力と油膜移動速度の関係を示す表図
である。
【図5】壁面剪断応力における補正値算出の説明図であ
る。
【図6】補正値と遠心力の関係を示す表図である。
【図7】図7(A)、(B)はそれぞれ回転翼表面の油
膜の移動状態を一部引き出して拡大表示した油膜移動分
布図、該移動分布図に基づいて計測された壁面剪断応力
分布、ならびに限界流線図である。
【符号の説明】
1 回流水槽 6 回転円板 7 回転翼 9 CCDカメラ 15 トリッピングワイヤ V 回転円板における油膜移動速度 Vc 回転円板における油膜移動速度周方向速度成分 τ 回転円板における壁面剪断応力 τc 回転円板における壁面剪断応力周方向成分 Mτr 補正値

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転翼の翼面上の流れを計測する方法で
    あって、油膜を塗布した平板状の回転円板を流体中で回
    転させて該回転円板の任意の複数箇所における油膜移動
    速度Vの測定により得られた周方向速度成分Vcと、該
    回転円板の前記任意の複数箇所において算出される壁面
    剪断応力の周方向成分τcとを対応させて関係式τc=
    f(Vc)を得、該関係式τc=f(Vc)に、実測さ
    れる回転翼の油膜移動速度を当てはめることに基づいて
    翼面上の壁面剪断応力の大きさと向きを求めるように構
    成した翼面上の流れ計測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、回転翼に塗布される
    油膜の密度が流体の密度と異なる場合に、前記関係式で
    計測される任意箇所の壁面剪断応力の径方向成分に含ま
    れる油膜の遠心力による付加分を、予め回転円板を用い
    て算出された補正値Mτrとして差し引くことで、遠心
    力による影響が排除された回転翼の壁面剪断応力の径方
    向成分を求め、該補正された径方向成分から回転翼の翼
    面上の遠心力による影響が排除された壁面剪断応力の向
    きと大きさを計測できるようにした翼面上の流れ計測方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、補正値Mτrは、回
    転円板の任意の複数箇所において流体と密度差のある油
    膜の実測油膜移動速度Voを計測し、該各実測油膜移動
    速度Voから実測周方向速度成分Vocをそれぞれ求め
    て前記関係式τc=f(Vc)にそれぞれ当てはめて、
    回転円板上の遠心力の影響を受けた実測壁面剪断応力径
    方向成分τorを算出する一方、回転円板の前記任意の
    箇所において算出される壁面剪断応力の周方向成分τc
    から径方向成分τrを算出して、前記各実測壁面剪断応
    力径方向成分τorから対応する壁面剪断応力径方向成
    分τrを差し引くことで求められる構成とした翼面上の
    流れ計測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008064692A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Mitsuba Corp 音源探査方法および装置
WO2011065175A1 (ja) * 2009-11-27 2011-06-03 国立大学法人京都工芸繊維大学 応力計測装置及び応力計測方法

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