JP2001112526A - 貯金箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装飾置物としても有用な興趣に富んだ貯金箱
を提供する。 【解決手段】 本発明は郵便ポストなどのモチーフを貯
金箱に採用し、収納容器内に溜められた硬貨量に応じて
胴体Ｂの周囲が膨らむようにしたものである。この胴体
Ｂはベース１上に複数の板ばね部２ｃを備えた篭状部材
２を設け、これに筒状部材３を介して硬貨Ｇの収納容器
４を支持させたものからなる。胴体の周囲は弾性布など
の伸縮部材５で覆われており、収納容器内に硬貨が溜ま
るとその重みにより板ばね部２ｃが外方へ歪んで胴体の
周囲が膨らむとこの伸縮部材もともに変形して、胴体が
満腹になったように見せることができる。他の手段では
頭部６を支柱によって支持し、収納容器だけを昇降可能
として高さを不変とすることも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば人形や動物
のキャラクターを模した形状の貯金箱に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来からいわゆる貯金箱として各種のも
のが用いられている。これらの貯金箱には、小銭を貯め
てまとまった金額になったら有効にこの金員を使用する
ことを目的とするものと、室内又は机上等の装飾品とし
ての役割を果たすもの及び上記両者の双方を兼ねるもの
がある。

【０００３】これらの貯金箱の材質は多種多様である
が、一般的には硬貨等を貯える部分となる胴体は硬質材
で構成されており、硬貨の貯蔵量が変化しても同一の形
状を保持している。

【０００４】これに対して最近肥満体型の立姿人形やが
まがえるの形状の貯金箱について口から入れられた硬貨
の量に応じて腹部が膨らんでくるようにしたものが提案
されている（実開平５−２１７１７号公報）。これは人
形やがまがえるの口から硬貨を入れることと、貯金量が
多くなるのに従って腹部が膨らんでくるようにしたもの
で、貯蓄高を腹部の出具合で表示したユーモラス性を狙
ったものと考えられる。腹部の膨らみは、胴体内の空胴
体の前面側を弾性材で構成し、底面の後半部を前面が低
くなる傾斜面とすることにより、硬貨の量が増加するの
に従ってこれらの硬貨が前方になだれ込んで膨らみを生
じるようにしてある。なお、貯められた硬貨の量に対応
して胴体の全周が膨らむように変形する貯金箱は見当た
らない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、貯金した硬貨の量の増加に応じて腹部に膨らみを生
じる点において、ユーモラス性に富んでおり、机上等へ
の置物としても存在価値を有するものであるといえる。
しかしながら、上記従来例は、腹部の膨らみが硬貨の重
量によって直接的に生じるものであるため、下腹部が膨
らむと同時に下腹部が垂れ下がっているように見える。
したがって、変形後の形がたるんでいるように見えて見
栄えのしないもとなっているために興趣不足となってい
るといえる。

【０００６】そこで本発明の目的は、興趣に富むととも
に品位の高い貯金箱を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の貯金箱は、胴体
と頭部とを備えた郵便ポスト等の物品又は人形や動物の
模型の形をしており、頭部又は胴体に硬貨の投入口を有
し、胴体に設けられた収納容器に貯められた硬貨の取出
し口を有する貯金箱であって、貯められた硬貨の量が多
くなると胴体の周囲の一部が膨らんだ状態となるように
したものである。

【０００８】上記した胴体は、ベース上に複数の板ばね
が篭状に立設してなる篭状部材と、この篭状部材の上端
部に支持され、かつ当該篭状部材内に設けられている上
記の収納容器と、胴体の周囲を覆う伸縮部材とにより構
成してある。

【０００９】上記した篭状部材は、平行四辺形の弾性薄
板材の上下両端を所定幅ずつ一方の側に折り曲げてバン
ド部となし、上下の上記バンド部間に所定間隔に切り込
みを入れて複数の板ばね部を設け、各バンド部の両側を
接合することにより篭状に形成したものである。

【００１０】この篭状部材は、収納容器に硬貨が溜まる
と重力によって各板ばねが外方へ変形することにより胴
体の周囲の一部が膨らむように構成してある。胴体のふ
くらみに応じて上記伸縮部材も膨らむように変形するた
め、郵便ポストや人形などの胴体が膨らんで見えるため
興趣に優れた貯金箱となる。また、上記の収納容器は上
部を、篭状部材の上端部に係合する筒状部材の内周面に
固着することにより組み立ての容易化を図ってある。

【００１１】さらにまた、本発明の他の手段では、胴体
の周囲が膨らむように変形しても頭部の位置が下がるこ
となく常に一定の高さに維持可能としてある。これは、
頭部を取り付ける筒状部材をベース上に収納容器を取り
囲むように立設してある複数の支柱の上端部に支持して
ある。

【００１２】篭状部材は、上下のバンド部の内周面が各
支柱の外側に位置し、篭状部材と収納容器とはこれらの
両者を各支柱間に介在させてある結合片を介して結合す
ることにより筒状部材とは無関係に昇降運動し、篭状部
材を変形させ、同時に伸縮部材を変形させて胴体が膨ら
んで見えるようにしてある。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。図１は第１例として、本発明
を郵便ポストの形状を模した貯金箱としたものを示して
いる。

【００１４】この貯金箱の基本的構成は、図１（ａ）に
示すように、胴体Ｂはベース１上に太鼓形の篭状部材２
を固定し、この篭状部材の上端部に係止された筒状部材
３を介して硬貨の収納容器４を取り付けたものによって
構成してある。篭状部材２及び筒状部材３の周囲は、弾
性布などからなる伸縮部材５で覆われている。伸縮部材
５は郵便ポストの色彩と同系統の色彩（赤）のものを採
用してある。

【００１５】筒状部材３及び収納容器４の上端には頭部
である屋根６が載置してある。

【００１６】ベース１は、中空円板状に形成されたプラ
スチック成形品からなり、上面に篭状部材２を収納する
溝部が形成してある。胴体Ｂはこのベース１が設置台７
上に安定的に載置されることにより立設され、室内装飾
用品としての機能を備えたものとしてある。

【００１７】図２に示すように、篭状部材２は弾性薄板
であるプラスチックシートの上下両端を内側に折り曲げ
てバンド部２ａ，２ｂとし、その内側に切れ目を入れて
板ばね部２ｃ，…としたものによって構成されている。
篭状部材は、このように加工されたシートの両側を接合
することにより太鼓形に形成してある。各板ばね部２ｃ
は、上記の折り曲げ加工の際に僅かに外方へ変形される
ため、篭状部材の上下両端から力を加わえると、この力
に応じて膨らむように変形可能となっている。なお、篭
状部材２は金属その他の弾性材で作られたものであって
もよい。

【００１８】図１に示すように、筒状部材３はプラスチ
ックを円筒状に成形したものからなり、その内周面には
収納容器４の上部が嵌合し、かつ接合されることにより
両者一体となっている。なお、筒状部材３は紙、ファイ
バー、金属などで作ってもよい。

【００１９】筒状部材３及び収納容器４の所定位置に
は、硬貨の投入口８が設けてある。この投入口の位置は
貯金箱の正面となる（図３参照）。

【００２０】収納容器４は、プラスチック成形品を円形
の深底容器状に形成したものからなり、その底部には硬
貨の取出し用底蓋９が設けてある。収納容器４の素材は
その他紙、ファイバー、アルミニウム等の金属等であっ
てもよい。

【００２１】伸縮部材５は弾性布からなり、筒状部材３
の上端からベース１の下端までこれを巻き付け、上下両
端及び要所をそれぞれ糊付けしてある。伸縮部材５とし
てはこの他、ごむ入り繊維や合成ごむなどの弾性シート
材を用いてもよい。

【００２２】頭部６はプラスチック成形品からなり、下
端に形成された突起部６ａが収納容器４の上端部に嵌合
することにより蓋をした状態となる。頭部６の外表面に
は、郵便ポストの色彩と同系統の色彩が施してある。頭
部の形状は、上記の突起部に代えて、下端部から所定深
さの凹部を設けて、筒状部材３の上端を嵌め込むように
してもよい。この場合、頭部の高さを図示の割合よりも
高くして、これに投入口を設けるようにしてもよい。

【００２３】設置台７は、ドーナツ状に成形したプラス
チック成形品からなり、外表面には赤色系又は任意の色
彩を施してある。

【００２４】図１（ｂ）は、上記の貯金箱に多量の硬貨
Ｇが溜まった時の状態を示している。収納容器４内に硬
貨Ｇが溜まると、これらの溜まった硬貨の量に対応して
ばね部２ａが外方へ向かって変形し、篭状部材２の中央
部が膨らんだ状態となっている。これにともない、伸縮
部材５も篭状部材２によって膨らみ、いかにも郵便ポス
トが多量の郵便物を飲み込んで満腹になったような状態
を呈している。

【００２５】図３は、郵便ポストの形をした貯金箱の外
観を示している。同図(a)は初期状態を示すものである
が、この例では投入口８は頭部６に設けてある。同図
（ｂ）は、多量の硬貨が入っているために篭状部２が膨
らんだ状態、すなわち郵便ポストが多量の郵便物を飲み
込んで、いかにも満腹状態となっている状態を示してい
る。

【００２６】これまでの説明では、郵便ポストをモチー
フに選んで具体化してあるが、この他、肥満型の人形の
キャラクター、河馬、ゴリラなどの動物のキャラクター
をモチーフにしたものとすることも可能である。

【００２７】次に実施の形態の第２例について説明す
る。上記した第１例は、郵便ポストの胴体Ｂが膨らむ
と、その分だけ高さが低くなるものとなっている。これ
に対し、第２例は硬貨の収納量の有無による胴体Ｂの変
化（周囲の膨らみ）に左右されることなく、図４に示す
ように常に一定の高さを保持するようにしたところに特
徴がある。なお、第２例の基本的構成は、第１例のそれ
と共通性を有するものがあるので、それらの構成要素の
符号については、第１例の符号の数値に４０を加えた数
値を用いてある。また、これらの共通性を有するものに
ついての説明は最小限に抑え、第２例に特有な構成につ
いてのみ詳しく説明することとする。

【００２８】図４に示すように、頭部４６を載置する筒
状部材４３は、篭状部材４２の上端ではなく、篭状部材
の内周面に沿って立設されている４本の支柱５０…の上
端部に支持されている。

【００２９】図５に示すように、収納容器４４の外周は
篭状部材４２のバンド部４２ａの内周よりも径が小さい
ために、両者間に支柱５０を設置可能とするためにの隙
間が生じている。このため、篭状部材４２はこの隙間の
存在によりそのままでは収納容器４４を支持することが
できないので、この隙間に篭状部材のバンド部４２ａと
収納容器４４とを結合させるための複数（４個）の結合
片５１を配設してある。したがって収納容器４４内に硬
貨が溜まると、その重さに応じて篭状部材４２を変形さ
せ、胴体Ｂの周囲を膨らませることが可能となる。

【００３０】これに対し、筒状部材４３は篭状部材４２
に支持される関係になっていないので不動状態を維持す
る。このように胴体Ｂが膨らんでも高さが不変である場
合には、伸縮部材４５の横方向への伸び量が制約される
ので、十分な伸縮量を確保するように配慮するとよい。
なお、第２例では硬貨の投入口４８を筒状部材４３に設
けてある。

【００３１】上記の支柱５０は、断面を篭状部材４２と
収納容器４４との間に生じる隙間に沿って設けやすくす
るために円弧状としてあり、下端部をベース４１の凹部
４１ａに固着してある。支柱５０の上端部は筒状部材４
３の下端部に設けられた切欠凹部が各支柱の外周を取り
囲んだ状態に固着してある。

【００３２】胴体Ｂの組立ての際には、篭状部材４２と
収納容器４４との両者を予め結合片５１を介して一体に
結合しておき、篭状部材と収納容器との間に生じた隙間
に支柱５０を挿通するとよい。

【００３３】伸縮部材４５、頭部４６及び設置台４７の
構成は第１例と同様である。

【００３４】なお、第２例では胴体の下部が膨らむよう
にしてあるが、支柱の下部に下部用筒状部材を設け、上
部用の筒状部材を短くすることにより、膨らむ部分を図
４の状態よりも上に位置させるようにすることが可能で
ある。なお、第２例のモチーフについても第１例と同様
に各種のものを任意に選択して採用するとよい。

【００３５】

【発明の効果】本発明は、収納容器に溜まった硬貨の量
に応じて多数の板ばね部を備えた篭状部材が膨らむよう
に変形するもので、興趣に富んだ貯金箱となる。したが
ってこのような貯金箱は小銭を節約して貯えるという１
つの目的の他、装飾品としての別の価値を有するものと
なる。

【００３６】また、筒状部材や頭部を支柱で支え、篭状
部材を独自に変形可能とすれば、胴体が膨らんだ状態と
なっても、頭部の高さが変わらないものとすることがで
きるので、モチーフの自然の状態に近い状態を作り出す
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１例の構成を示す断面図であり、（ａ）は初
期状態、（ｂ）は硬貨の重さで胴体の周囲が膨らんでい
る状態を示している。

【図２】篭状部材の構成例を示す斜視図である。

【図３】第１例の外観を示す正面図であり、（ａ）は初
期状態、（ｂ）は硬貨の重さで胴体の周囲が膨らんでい
る状態を示している。

【図４】第２例の構成を示す断面図であり、（ａ）は初
期状態、（ｂ）は硬貨の重さで胴体の周囲が膨らんでい
る状態を示している。

【図５】図４（ａ）のＤ―Ｄ線拡大断面図である。

【符号の説明】

１，４１ ベース ２，４２ 篭状部材 ２ａ，４２ａ バンド部 ２ｃ，４２ｃ 板ばね部 ３，４３ 筒状部材 ４，４４ 収納容器 ５，４５ 伸縮部材 ６，４６ 頭部 ８，４８ 投入口 ９，４９ 取出し口 ５０ 支柱 ５１ 結合片 Ｂ 胴体

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴体と頭部とを備えた郵便ポスト等の物
   品又は人形や動物の模型の形をしており、上記頭部又は
   上記胴体のいずれかに硬貨の投入口を有し、上記胴体に
   上記硬貨の取出し口を有する貯金箱であり、 上記胴体は、ベース上に設けてある篭状部材と、上記篭
   状部材の上端部に支持され、かつ当該篭状部材内に設け
   られている収納容器と、上記胴体の周囲を覆う伸縮部材
   とからなり、 上記収納容器に上記硬貨が溜まると上記篭状部材の周囲
   が膨らむように変形し、これにより上記伸縮部材も周囲
   が膨らむように変形することを特徴とする貯金箱。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記篭状部材は平行
   四辺形の弾性薄板材の上下両端を所定幅ずつ一方の側に
   折り曲げてバンド部となし、上下の上記バンド部間に所
   定間隔に切り込みを入れて複数の板ばね部を設け、上記
   各バンド部の両側を接合することにより篭状に形成した
   ものであることを特徴とする貯金箱。
3. 【請求項３】 請求項１又は２において、上記収納容器
   の上部は上記篭状部材の上端に支持可能な筒状部材の内
   周面に固着されていることを特徴とする貯金箱。
4. 【請求項４】 請求項１又は２において、上記頭部を取
   り付ける筒状部材は上記ベース上に上記収納容器を取り
   囲むように立設してある複数の支柱の上端部に支持され
   ており、上記篭状部材は上下の上記バンド部の内周面が
   上記各支柱の外側に摺動自在に当接しており、上記篭状
   部材と上記収納容器とはこれらの両者および上記各支柱
   間に介在させてある結合片を介して結合してあることを
   特徴とする貯金箱。