JP2001109124A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2001109124A
JP2001109124A JP29024599A JP29024599A JP2001109124A JP 2001109124 A JP2001109124 A JP 2001109124A JP 29024599 A JP29024599 A JP 29024599A JP 29024599 A JP29024599 A JP 29024599A JP 2001109124 A JP2001109124 A JP 2001109124A
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JP
Japan
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image
photosensitive member
processing
unit
film
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JP29024599A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sanada
和男 眞田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 独自の簡便な停電時の対策を施した画像形
成装置を提供する。 【解決手段】 露光により潜像を記録可能な感光部材
516と処理部材532、534とを重ね合わせた状態
で加熱手段530によって加熱処理して感光部材516
上に画像を形成する処理の最中に停電となったときに、
処理中の感光部材516上に画像を形成する処理を続行
可能に構成する。これにより画像が失われることを防止
し、所要の画像データの保管又は出力を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、潜像が形成され
た感光部材に対し乾式の熱現像処理をし、現像によって
感光部材上に形成された画像を読み取ってデジタル信号
に変換して利用可能とする手段を有する画像形成装置に
おける停電時の処理手段に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の写真技術では、感光部材(いわゆ
るカラーネガフィルム、白黒ネガフィルム等)をカメラ
に装填して撮影し、ネガフィルムに露光して潜像を形成
する。
【0003】この潜像が形成されたネガフィルムを現像
所においてフィルムの湿式の現像機にかけ、現像液に浸
漬して現像処理し、続いて漂白定着液に浸漬して漂白定
着処理し、最後に水洗処理して色素画像が形成されたネ
ガフィルムを得る。
【0004】そして、現像されたネガフィルムを現像所
においてプリントの焼付現像機にかけ、ネガフィルムの
色素画像を透過した光をペーパに照射することによっ
て、この色素画像をペーパに焼付露光し、前述と同様の
湿式の現像、漂白、定着、水洗工程を経てプリントを得
るのが普通である。
【0005】また、写真撮影により潜像が形成された写
真用の感光部材を乾式の熱現像処理をし、現像によって
感光部材上に形成された写真画像を読み取ってデジタル
信号に変換し、そのデジタル信号に基づいてデジタルプ
リンタでプリントを出力し、又は画像データのデジタル
信号を記録媒体に記録して保存し活用を図るための、簡
便かつ処理時間の短い画像形成装置が特開平10−26
0518号公報に提案されている。
【0006】従来のフィルムの湿式現像機には、潜像が
形成されたネガフィルムを現像液に浸漬して現像処理を
している最中に停電になり湿式現像機の電動機構に係わ
る動作が停止したような場合に備えて、ネガフィルムの
手動搬送機構を備えたものがある。
【0007】このネガフィルムの手動搬送機構は、湿式
現像機内部における所定の搬送路の途上にあるネガフィ
ルムを使用者が手動搬送機構を手動操作することにより
搬送させて、このネガフィルムを現像液に浸漬し続いて
漂白定着液に浸漬し次に水洗水中に浸漬する処理を完了
させてから排出させるよう構成されている。
【0008】このように湿式現像機がネガフィルムの手
動搬送機構を備えている場合には、現像処理の最中に停
電になったとき使用者が手動搬送機構を手動操作するこ
とによりネガフィルムを所定の搬送路の終点まで搬送さ
せて現像処理を完了させることができる。よって、この
際にネガフィルムに形成される画像が多少劣化すること
はあっても、ネガフィルムが現像液に浸漬したままとな
って現像中の画像がネガフィルム上から喪失するような
不具合を防止できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、湿式現
像機の場合には、ネガフィルムを現像液に浸漬し続いて
漂白定着液に浸漬し次に水洗水中に浸漬することにより
ネガフィルムに対する化学的処理を実行できる。よって
停電時の対策としては、使用者が手動搬送機構を手動操
作することによりネガフィルムを機械的に所定の搬送路
上で搬送できるようにするだけで良い。
【0010】しかし、乾式の熱現像処理をし、現像によ
って感光部材上に形成された写真画像をデジタル信号と
して読み取る方式の画像形成装置では、電気エネルギを
用いて加熱して現像処理をし、さらに電気エネルギで動
作する光学系と電気機器によって画像データを光電的に
読み取りデジタル信号に変換し、更に読み取った画像デ
ータのデジタル信号を記録媒体に記録して保存する動作
をする。
【0011】このため、必ず多量の電気エネルギを必要
とするから停電時用の大型電源を別途用意しておくこと
が停電対策となるので、画像形成装置を設置する設備や
店舗等の電源回路に停電時用の大型電源を組み込んでお
かねばならず、設備費が嵩むという問題があった。
【0012】本発明は上記事実に鑑み、画像形成装置自
体に独自の簡便な停電時の対策を施した、乾式の熱現像
処理を行ってから画像データを読み取る方式の画像形成
装置を新たに提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の画像形成装置は、露光により潜像を記録可能な感光部
材と処理部材とを重ね合わせた状態で加熱することによ
り感光部材上に画像を形成する手段を有する画像形成装
置において、加熱手段で感光部材上に画像を形成する処
理中に停電となった際に、加熱手段に対し電力を供給し
て加熱処理を続行し、処理中の感光部材に対する画像を
形成する処理を完了させるだけのキャパシティを持つ専
用の無停電電源を設けたことを特徴とする。
【0014】上述のように構成することにより、専用の
無停電電源の電力を利用して、加熱手段で画像を形成す
る処理中の感光部材上に画像を形成する処理を続行さ
せ、この処理を完了させられるので、画像を形成する処
理中の感光部材上から画像が失われることを防止でき
る。
【0015】本発明の請求項2に記載の画像形成装置
は、露光により潜像を記録可能な感光部材と処理部材と
を重ね合わせた状態で加熱することにより感光部材上に
画像を形成する手段を有する画像形成装置において、加
熱手段で感光部材上に画像を形成する処理中に停電とな
った際に、処理中の感光部材に対する画像を形成する処
理を完了させるために加熱手段に対し電力を供給する手
動発電機を設けたことを特徴とする。
【0016】上述のように構成することにより、手動発
電機の電力を利用して、加熱手段で画像を形成する処理
中の感光部材上に画像を形成する処理を続行させ、この
処理を完了させられるので、画像を形成する処理中の感
光部材上から画像が失われることを防止できる。
【0017】本発明の請求項3に記載の画像形成装置
は、露光により潜像を記録可能な感光部材と処理部材と
を重ね合わせた状態で加熱することにより感光部材上に
画像を形成する手段を有する画像形成装置において、加
熱手段で感光部材上に画像を形成する処理中に停電とな
った際に、加熱手段の加熱用の部材が、停電時に処理中
の感光部材に対する画像を形成する処理を完了させるま
での時間以上に渡って加熱を継続可能な熱容量を持つよ
うに構成されたことを特徴とする。
【0018】上述のように構成することにより、所要の
熱容量を持つ加熱手段の加熱用の部材に蓄えられている
予熱で、停電時に処理中の感光部材に対する画像を形成
する処理を完了させるまでの時間以上に渡って加熱を継
続し、処理中の感光部材上に画像を形成する処理を続行
させて処理を完了させられるので、画像を形成する処理
中の感光部材上から画像が失われることを防止できる。
【0019】本発明の請求項4に記載の画像形成装置
は、露光により潜像を記録可能な感光部材と処理部材と
を重ね合わせた状態で加熱手段によって加熱処理して感
光部材上に画像を形成し、感光部材上に形成された画像
を読取部で読み取って画像データを入力する手段及びそ
の他の画像データを入力する手段を有する複数の画像デ
ータの入力手段と、出力用の画像データに基づいて出力
をする複数の出力手段と、複数の入力手段の内から入力
処理を実行させる一つを選択すると共に、複数の出力手
段の内から出力処理を実行させる一つを選択する操作を
行う機能を有する入力操作部と、感光部材の処理の最中
に停電となったときに、処理中の感光部材上に画像を形
成する処理を続行してこれを完了させるよう加熱手段に
電力を供給すると共に、感光部材上に形成された画像を
読取部で読み取って画像データを保管し、又は読み取っ
た画像データに基づく出力処理を実行可能とするための
電力を供給する専用の無停電電源を設けたことを特徴と
する。
【0020】上述のように構成することにより、画像形
成装置における種々の入力手段の内から所要の入力手段
を選んで入力し、さらに、この入力手段で入力された画
像データを種々の出力手段の内から所要の出力手段を選
んで出力する処理の最中に停電となった際に、専用の無
停電電源の電力を利用して入力手段で処理中の感光部材
上に画像を形成する処理を続行してこれを完了させると
共に、感光部材上に形成された画像を読取部で読み取っ
て画像データを保管し、又は読み取った画像データに基
づく出力処理を実行可能として、画像を形成する処理中
の感光部材上から画像が失われることを防止でき、所要
の画像データの出力をできるようにする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像形成装置の実
施の形態に係る画像形成システムについて、図面を参照
して詳細に説明する。
【0022】図2は、装置本体に簡便な停電時の対策を
施した、乾式の熱現像処理を行ってから画像データを読
み取る方式の画像形成装置を具備する画像形成システム
の全体概略構成を示すブロック図である。
【0023】このブロック図に示されるように、画像形
成システムは、現像部1、読取部2、画像処理部3、出
力部4に加え、収納体などに収納されている感光部材で
ある写真フィルムを引き出すなどして現像可能な状態に
するセット部5、ユーザに各種情報を伝えたり、ユーザ
からの注文情報入力を受付るためのユーザインタフェー
ス部(入力操作部)6、処理過程において排出された処
理済部材の集積などを行う廃材処理部7、湿式現像用の
感光部材を処理し若しくは画像データのデジタル信号を
記録した記録媒体から読み出し又は通信や伝送手段から
受信して画像データを生成するオプション入力部8、及
び停電処理部9などを備えたシステム装置として構成さ
れている。
【0024】なお、本実施の形態では、乾式現像用の感
光部材の熱現像処理をし、現像によって感光部材上に形
成された写真画像を読み取ってデジタル信号に変換し、
そのデジタル信号に基づいてデジタルプリンタでプリン
トを出力し、又はその画像データを記録媒体に記録して
出力するための、簡便かつ処理時間の短い画像形成装置
を母体にして各種機器を付加することにより画像形成シ
ステムを構築している。
【0025】このため本画像形成システムにおいては、
セット部5、現像部1及び読取部2が、乾式現像用の感
光部材を処理可能に構成されている。
【0026】このセット部5は、乾式現像用の感光部材
である写真フィルムをパトローネ等のケースから引き出
して現像部1に送るよう構成されている。
【0027】現像部1は、乾式現像用の感光部材である
写真フィルムを熱現像処理するよう構成されている。
【0028】さらに読取部2は、現像によって乾式現像
用の感光部材である写真フィルム上に形成された写真画
像を光電変換して読み取りデジタル信号に変換し、その
デジタル信号を画像処理部3へ送信するよう構成されて
いる。
【0029】オプション入力部8は、湿式の感光部材で
あるフィルムを湿式の現像機にかけ現像して色素画像が
形成されたネガフィルム又はスライドフィルム等を得た
後にフィルム上に形成された写真画像を光電変換して読
み取りデジタル信号に変換してからデジタル信号を画像
処理部3へ送信する手段、入力原稿をスキャナで読み取
りデジタル信号に変換してからデジタル信号を画像処理
部3へ送信する手段、他のパーソナルコンピュータ等か
ら通信又は伝送手段により送信された画像データのデジ
タル信号を受信してフォーマットを適合させたデジタル
信号を画像処理部3へ送信する手段、デジタルカメラの
PCカードドライブ、MOディスクドライブ、zip
(登録商標)ディスクドライブ、FDドライブ、CDR
OM、CD−Rドライブ等で読み取られたデジタル信号
を画像処理部3へ送信する手段等を必要に応じて設け
る。
【0030】画像処理部3は入力された画像データをも
とに多彩なデジタル画像処理を実行可能に構成されてい
る。
【0031】出力部4は、PCカード、MOディスク、
zip(登録商標)ディスク、FD、CDROM、CD
−R等のリムーバブルメディアにファイル出力して顧客
に提供したり、写真店のサーバコンピュータのハードデ
ィスクに蓄積保管して焼き増し注文に利用するなど、デ
ジタル画像データとして活用可能に構成されている。
【0032】さらに、出力部4は、プリントの焼付現像
機でネガフィルムの色素画像を透過した光をペーパに照
射することによって、この色素画像をペーパに焼付露光
し、湿式の現像、漂白、定着、水洗工程を経てプリント
を得る手段、画像データのデジタル信号に基づいて変調
したレーザ光によってカラーペーパなどの感光部材を走
査露光し、熱現像転写処理等によりプリントを得るデジ
タルプリンタ、及び画像データのデジタル信号を他のパ
ーソナルコンピュータ等へ送信する手段等を必要に応じ
て設ける。
【0033】ユーザインタフェース部6は、画像データ
や操作上の表示をするモニタなどの表示手段と、中央制
御部に指令するためのマウス、キーボードなどの選択入
力手段、およびそれらを制御するソフトウェアを適宜備
える。また注文情報により注文された出力処理の代金決
済を行えるように、コイン入力手段、精算手段なども備
える。
【0034】さらにユーザインタフェース部6は、セッ
ト部5、現像部1及び読取部2での処理、若しくはオプ
ション入力部8での各種入力の処理の内からユーザの指
令に基づいて選択された入力機能を設定する。
【0035】また、ユーザインタフェース部6は、ユー
ザの指令に基づいて画像処理部3でのデジタル画像処理
を実行させる。
【0036】このユーザインタフェース部6では、出力
部4での各種出力の処理の内からユーザの指令に基づい
て選択された出力機能を設定する。
【0037】なお、廃材処理部7は、入力手段や出力手
段で利用された処理材料を破棄する処理を行う所であ
る。
【0038】画像形成システムの停電処理部9は、停電
時に作動し感光部材を熱現像して画像を残し、又は感光
部材に形成された画像を読み取って画像データを残す為
の処理を実行する。
【0039】この画像形成システムでは、停電時の特別
の処理を行うために、専用の無停電電源や手動発電機等
を適宜設ける構成を採ったり、現像部1の加熱手段を停
電時に所定時間加熱作用を継続できるように構成する。
【0040】この停電処理部9は、画像形成システムの
停電時用に設けられた各種の構成を適宜利用しながら画
像形成システムを動作制御して画像又は画像データを残
す為の処理を実行可能に構成されている。
【0041】また停電処理部9は、停電発生時に画像形
成システムにおける現像部1、読取部2又はオプション
入力部8等で処理中の感光部材に記録されている画像が
画像形成のための処理中に失われないように処理を続行
させるためのものである。
【0042】よって、セット部5にセットされているが
未だに現像部1等の処理が開始されていない感光部材
は、そのまま停電が回復するまで放置しておいても画像
が失われないので、現像部1側へ移行するのを阻止しセ
ット部5に留め置くよう動作処理する。
【0043】また、現像部1等で処理中の感光部材は、
各処理工程での所要の処理を続行させ画像が画像形成の
ための処理中に失われないように動作処理する。
【0044】次に、この画像形成システムによる処理の
流れの概略を図1に示すフローチャートによって説明す
る。
【0045】本画像形成システムでは、処理のスタート
に当たり、ステップ500でユーザがユーザインタフェ
ース部6を操作してセット部5、現像部1及び読取部2
による簡易画像形成処理、又はオプション入力部8にお
ける入力処理の何れかを選択する。また、出力部4にお
ける出力処理の何れかを選択する。
【0046】次に、ステップ501で簡易画像形成処理
か否かを判断し、簡易画像形成処理の場合には、ステッ
プ502、503、504、505、506に順次進ん
で、撮影手段などにより露光されて潜像が記録された感
光性ハロゲン化銀粒子を含有する感光部材をセット部5
に装填する。次に現像部1で感光部材を処理部材と重ね
合わせて加熱した後に処理部材から剥離し、この重ね合
わせ、加熱、剥離のステップによりこの感光部材を現像
する。次に現像により感光部材上に形成された画像をス
キャナにより読み取ってデジタル信号化し画像処理部3
へ送信してステップ507へ進む。
【0047】また、ステップ501で簡易画像形成処理
でないと判断された場合には、ステップ508へ進みユ
ーザが指定した入力手段によって画像データのデジタル
信号を生成し、画像処理部3へ送信してステップ507
へ進む。
【0048】次にステップ507では、ユーザの指令に
基づき画像処理部3で画像データを画像処理して得られ
た画像データのデジタル信号を出力部4へ送信し、ステ
ップ509へ進む。
【0049】ステップ509では、ユーザが予め指定し
た出力手段によって、ファイル出力やプリント出力、又
は画像データのデジタル信号を転送する等の処理を実行
する。
【0050】また、本画像形成システムでは、上述のフ
ローチャートに示す処理の最中に停電した場合に、割り
込み処理として停電処理部9による処理動作が実行され
る。
【0051】以下、本実施の形態の画像形成システムに
ついて、感光部材、露光方法、現像処理、オプション入
力、デジタル画像データの作成、出力処理の各項目毎に
順次説明する。
【0052】(1)感光部材 はじめに、本発明の画像形成システムにおける乾式現像
用の感光部材である写真フィルムを熱現像処理する簡易
画像形成処理に使用する感光部材として好ましい例の概
略を示す。但し、以下に示す部材は単なる例に過ぎず、
本発明はこれに制限されるものではない。なお、これら
の感光部材は漂白、定着処理を行わずに現像できること
を特徴とするものであるため、説明にあたっては感光部
材自体の説明に加え、その現像処理および現像処理に使
用する処理部材についても説明する。
【0053】(1−1)感光部材 以下に説明する熱現像感光部材は、支持体上に、少なく
とも感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、および銀現
像に対応または逆対応して拡散性色素を放出する非拡散
性色材を含み、その感光波長領域が互いに異なり、色材
の現像処理後における色相も互いに異なる少なくとも3
種の感光層を有する感光部材である。
【0054】上記3種の感光層は好ましくは青色光、緑
色光、および赤色光のいずれかに感光する層である。こ
の配列順は、一般的には支持体側から順に赤色感光性
層、緑色感光性層、青色感光性層の順である。ただし、
目的に応じ、これとは別の配列をとってもよい。例えば
特開平7−152129号公報の162欄に記載されて
いるような配列でもよい。それぞれの感光層は、実質的
に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン
化銀乳剤層に分けられていてもよい。
【0055】各層の分光感度および色材から形成ないし
放出される拡散性色素の色相の関係は任意であるが、赤
色感光性層にシアン色材、緑色感光性層にマゼンタ色
材、青色感光性層にイエロー色材を用いると、従来のカ
ラーペーパーなどへの画像書き込みが容易である。
【0056】上記のハロゲン化銀乳剤層に加えて保護
層、下塗り層、中間層、黄色フィルター層、アンチハレ
ーション層などの各種の非感光性層を設けても良く、支
持体の反対側にはバック層などの種々の補助層を設ける
ことができる。また、磁気記録層を付与してもよい。
【0057】熱現像感光部材に使用できるハロゲン化銀
乳剤には特別な制限はなく、塩化銀、沃塩化銀、塩臭化
銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀、臭化銀の何れでもよい。
【0058】次に上記熱現像感光部材の現像処理に使用
する処理部材について説明する。
【0059】処理部材は、熱現像時に熱現像感光部材か
ら拡散してくる色素を捕捉するための媒染剤を含む層
(処理層)を有するものである。処理層は、感光部材と
は別々の支持体上に別個に塗設される形態であっても、
感光部材と同一の支持体上に塗設される形態であっても
よいが、好ましくは別の支持体上に設けられる。媒染剤
は写真分野で公知のものを用いることができ、その具体
例としては米国特許第4500626号第58〜59欄
や特開昭61−88256号公報32〜41頁に記載の
媒染剤、特開昭62−244043号公報、同62−2
44036号公報などに記載のものを挙げることができ
る。また、米国特許第4463079号に記載されてい
るような色素受容性の高分子化合物を用いてもよい。処
理層のバインダーとしては、感光部材に用いられるもの
と同じものを用いることができる。また、処理層の上に
は保護層を設けるのが有用である。
【0060】処理部材の処理層には、現像に必要な塩基
又は塩基プレカーサーを含有させることができる。例え
ば、水に難溶な塩基性金属化合物およびこの塩基性金属
化合物を構成する金属イオンと錯形成化合物の組合せで
塩基を発生させる方法を採用する場合には、水に難溶な
塩基性金属化合物を熱現像感光部材の構成層に添加して
おき、錯形成化合物を処理部材の処理層に添加してお
き、熱現像時に感光部材もしくは処理部材に少量の水を
供給して両者を重ね合わせることによって塩基を発生さ
せることができる。また、処理部材の処理層には現像促
進や不要物質の除去促進の目的で熱溶剤を含有させるこ
とができる。
【0061】次に熱現像工程について説明する。この熱
現像感光部材では、露光された熱現像感光部材の感光層
面と処理部材を重ね合わせ加熱することによって露光さ
れたハロゲン化銀が現像され、この現像に対応又は逆対
応して拡散性の色素が放出され、この拡散性色素が処理
部材に移動し固定されることによって、熱現像感光部材
上に残存色材によるカラー画像が形成される。熱現像工
程の加熱温度は、約50℃から250℃であるが、特に
60℃から150℃が有用である。
【0062】熱現像工程においては、現像促進あるい
は、処理用素材の転写促進、不要物の拡散促進の目的
で、少量の溶媒を用いてもよい。具体的には、米国特許
第4704245号、同4470445号、特開昭61
−238056号公報などに記載されている。溶媒の例
としは、水、無機のアルカリ金属塩や有機の塩基を含む
塩基性の水溶液、低沸点溶媒または低沸点溶媒と水もし
くは塩基性水溶液との混合溶液が挙げられる。また界面
活性剤、かぶり防止剤、難溶性金属塩との錯形成化合
物、防黴剤、防菌剤を溶媒中に含ませてもよい。溶媒の
使用量は全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒の重量
以下でよい。この方式においては、加熱温度は、用いる
溶媒の沸点以下が好ましい。例えば溶媒が水の場合は、
50℃〜100℃が好ましい。
【0063】熱現像工程で用いられる溶媒としては、水
が好ましく用いられるが、水としては一般に用いられる
水であれば何を用いてもよい。具体的には蒸留水、水道
水、井戸水、ミネラルウォーターなどを用いることがで
きる。水は使い切りで使用してもよいし、循環し繰り返
し使用してもよい。水は熱現像感光部材、処理部材また
はその両者に付与する。水を付与する方法としては、例
えば特開昭62−253159号公報(5) 頁、特開昭6
3−85544号公報などに記載の方法が好ましく用い
られる。また、溶媒をマイクロカプセルに閉じ込めた
り、水和物の形で予め感光部材もしくは処理部材または
その両者に内蔵させて用いることもできる。付与する水
の温度は特開昭63−85544号公報などに記載のよ
うに30℃〜60℃であればよい。
【0064】溶媒として水を使い熱現像を行う場合、欧
州特許公開第210660号、米国特許第474044
5号に記載されているように、水に難溶な塩基性金属化
合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イオン
と水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成化合
物という)の組合せで塩基を発生させる方法を採用する
のが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性金属化
合物は感光部材に、錯形成化合物は処理部材に添加する
のが、生保存性の点で望ましい。
【0065】(2)露光 次に上記感光部材を露光するための手段について説明す
る。
【0066】上記感光部材は従来の写真フィルムの場合
と同様、裁断、穿孔することにより写真フィルムの形態
に加工することができる。したがって、135フィルム
などと同様に、例えばニコンF4(商品名)などの一眼
レフカメラ、あるいは特公平2−32615号公報、実
公平3−39784号公報に記載されているレンズ付き
フィルムユニットを使用して撮影露光することができ
る。
【0067】この際、写真フィルムはフィルムパトロー
ネ(あるいはカートリッジ)に収納されてカメラやレン
ズ付きフィルムユニットに装填されてもよいし、レンズ
付きフィルムユニットの場合には、オランダ特許第67
08489号に記載のように直接収納されるようにして
もよい。
【0068】なお、感光部材を露光する方法としては撮
影による方法の他、例えばレーザビームにより走査露光
する方法などが知られている。本発明は、現像方法を簡
単にすることによりコンビニエンスストアなどにも設置
できる現像システムを提供することを目的としているた
め、本明細書における説明はカメラなどにより露光され
た写真フィルムを対象として行うが、本発明の技術的思
想はこれに限定されるものではなく、したがって撮影以
外による露光も本発明に含まれるものとする。
【0069】また本実施の形態では、湿式の感光部材に
対しても露光をするが、上述した感光部材を露光する方
法をそのまま適用できる。
【0070】(3)現像 次に上記感光部材の現像方法およびシステムについて説
明する。
【0071】(3−1)収納体からの写真フィルムの取
出し 上述のように、この写真フィルムは所定の処理部材と重
ね合わせられて加熱されることにより現像されるもので
あるが、上記各種撮影手段により撮影を行って露光され
た写真フィルムを現像する場合には、まず写真フィルム
の収納体から写真フィルムを取り出す作業が必要とな
る。
【0072】このためには、システムに使用済み(撮影
済み)のフィルムカートリッジやレンズ付きフィルムユ
ニットをセットするためのセット部を設けておくことが
望ましい。この際、上述のようにユーザが誤って他の種
類のフィルム収納体をセットしないよう、現像可能なフ
ィルムが収納されている収納体のみをセットできるよう
にしておくことが望ましい。
【0073】なお、本明細書においては「フィルムカー
トリッジ」という言葉を、パトローネ、APSのカート
リッジなど、ロール状に巻いたフィルムを収納するあら
ゆる収納体の総称として用いるものとする。
【0074】具体的には、上記感光部材からなる写真フ
ィルムを、専用の特殊形状のレンズ付きフィルムユニッ
トやカートリッジに収納して提供する。そして上記セッ
ト部の形状を、例えばそのレンズ付きフィルムユニット
のみを保持することができる凹型形状とする。
【0075】あるいはレンズ付きフィルムユニットやカ
ートリッジにフィルム種別を示す識別子を付与して提供
する。識別子としては文字、記号あるいはバーコードな
どを記しておく。これによりセット部にフィルム収納体
がセットされた時点で、この識別子を光学的に読みと
り、識別子が付与されていなかったり、異なる種類のフ
ィルムだった場合には、警告音を発したり、システムの
モニタ画面などにエラーメッセージを出力したりするよ
うにしておくのがよい。なお、識別子の読取方法として
は、POSシステムのバーコードリーダやOCRなど、
広く知られている方法を適用することができる。
【0076】また、セット部へのフィルム収納体のセッ
トが正しく完了した場合には、自動的にシステムの内部
にその収納体が取り込まれるようにする。ここで取り込
まれるようにするとは、収納体からフィルムを引き出す
ためには、その収納体に光が当たらない状態にしなけれ
ばならないため、システム外部からの光がその収納体に
当たらないように、例えばセットが完了すると閉じる遮
光シャッターのようなものを設ける。
【0077】システム内部に取り込まれた収納体から撮
影済み写真フィルムを取り出す方法としては、例えば、
特公平6−16158号公報、実公平7−15545号
公報に記載の、レンズ付きフィルムユニットからフィル
ムを取り出す方法として、レンズ付きフイルムユニット
筺体の底に写真フイルム取り出し用の蓋を設けて、この
蓋を開放することによって写真フイルムを取り出す方法
が開示されている。あるいは、オランダ特許第6708
489号に記載のように、裏蓋を開放もしくは破壊して
写真フイルムを取り出してもよい。また、米国特許52
02713号に記載のように、レンズ付きフイルムユニ
ット筺体の一部に通常は遮光状態にある開口を形成して
おき、そこからフイルムの一端を掴んで引き出すように
してもよい。この他、従来の135フィルムやAPSの
システムで採用されているあらゆる方法を適用すること
ができる。
【0078】なお、上述のように収納体セット部の形状
を特殊なものとしたり、収納体に付与される識別子を読
みとることにより他種類のフィルムを排除してもよい
が、フィルムを引き出した後にフィルム種別の判定を行
ってもよい。
【0079】例えば写真フィルムの光透過率は使用する
感光部材によって異なるため、フィルムを引き出してそ
の光透過率を測定すれば、そのフィルムの種別を判定す
ることができる。同様に他のフィルム物性、例えば光反
射率、分光特性、表面の粗さなどに基づいて判定しても
よい。
【0080】あるいは、例えばAPSの写真フィルムの
ように、写真フィルムの一部に各種情報を磁気記録する
ことができる場合には、その情報を読み取ることにより
判定を行ってもよい。この場合も、上記収納体の識別情
報により判定する場合と同様、セットが完了した場合、
あるいは現像できない種類のフィルムがセットされた場
合に所定のユーザインタフェースを介してそのことをユ
ーザに通知するようにすることが望ましい。
【0081】(3−2)現像処理 上記いずれかの方法により収納体から引き出された写真
フィルムは、次に現像処理される。これは、例えば所定
の搬送経路に沿って搬送ローラや搬送ドラムを設置し
て、上記収納体から引き出された写真フィルムをその経
路に沿って搬送し、その過程において写真フィルムに溶
媒を付与したり、処理部材と重ね合わせたりする。
【0082】より具体的には、例えば、処理部材がロー
ル状に巻かれた供給リールを設置し、処理部材がその供
給リールから上記写真フィルムの搬送経路に設置されて
いる搬送ローラに向けて搬送されるようにし、フィルム
搬送経路の所定の部分においてそのフィルムが処理部材
と重ね合わせられて搬送されるようにしてその状態で加
熱を行い、その後別のリールに処理部材を巻き取るなど
して、処理部材と写真フィルムが剥離されるようにして
現像を行う方法がある。
【0083】感光部材と処理部材を重ね合わせる方法の
例としては特開昭62−253159号公報、特開昭6
1−147244号公報記載の方法がある。
【0084】なお、感光部材と処理部材を重ね合わせる
前に、感光部材に付着した塵埃を除去することが望まし
い。これは、この感光部材を処理液に浸すことがないた
め、従来の方法のように付着した塵埃が処理液中で除去
されることがないからである。
【0085】ここで、現像において水などの溶媒を付与
する方が望ましい場合、水の付与方法としては感光部材
(写真フィルム)または処理部材を水に浸積し、スクウ
ィーズローラーで余分な水を除去する方法がある。ただ
し、一定量の水を塗りきりで感光部材または処理部材に
付与する方が好ましい。また、特願平8−196945
号に記載されているような、「水を噴射する複数のノズ
ル孔が一定の間隔で感光部材または処理部材の搬送方向
と交差する方向に沿って直線状に並べられたノズル群」
と「ノズル群を搬送経路上の感光部材または処理部材に
向かって変位させるアクチュエータ」とを有する水付与
装置により水を噴射する方法も好ましい。また、スポン
ジなどで水を付与する方法も好ましい。
【0086】ここで、感光部材と処理部材との重ね合わ
せの前には、感光部材および処理部材の少なくとも一方
に、例えば水などの画像形成用溶媒を付与することが望
ましい。また、感光性ハロゲン化銀粒子は平板状の感光
性ハロゲン化銀粒子であることが望ましい。さらに、加
熱はセ氏60度から100度の温度で5秒から60秒間
行うことが望ましい。
【0087】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触
させたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。
【0088】あるいは感光部材や処理部材を作製する際
に、加熱現像のための加熱手段として導電性の発熱体層
を積層しておいてもよい。この場合の発熱要素には、特
開昭61−145544号公報などに記載のものを適用
することができる。
【0089】なお、本画像形成システムにおいて、感光
部材と処理部材の重ね合わせや加熱の処理には、従来か
らある種々の熱現像装置を流用あるいは改良して用いる
ことができる。例えば、特開昭59−75247号公
報、同59−177547号公報、同59−18135
3号公報、同60−18951号公報、実開昭62−2
5944号公報、特開平6−130509号公報、同6
−95338号公報、同6−95267号公報、同8−
29955号公報、同8−29954号公報などに記載
されている装置などが好ましく用いられる。
【0090】また市販の装置としては富士写真フイルム
(株)製ピクトロスタット100、同ピクトロスタット
200、同ピクトロスタット300、同ピクトロスタッ
ト330、同ピクトロスタット50、同ピクトログラフ
ィー3000、同ピクトログラフィー2000(何れも
商品名)などが使用できる。
【0091】本発明においては、現像後に感光部材中に
残存するハロゲン化銀を更に除去するための別の漂白定
着工程は必須ではない。しかし、画像情報を読みとる負
荷を軽減すること、および画像保存性を高めるため、定
着工程および/または漂白工程を設けてもよい。その場
合、通常の液体処理によってもよいが、特願平8−89
977号に記載されているような処理剤を塗布した別シ
ートと共に加熱処理する工程によることが好ましい。
【0092】なお、従来の液体処理機では、写真フィル
ムに付着した塵埃は処理液中で除去されたため、現像む
らが発生したり、1つの写真フィルムに付着した塵埃が
続いて処理される他の写真フィルムにまで影響を及ぼす
ことはあり得なかった。しかしながら、本画像形成シス
テムは、従来の方法およびシステムと異なり、現像の過
程において写真フィルムが処理液に浸されることがない
ため、写真フィルムに付着した塵埃はそのまま現像むら
の原因になり、また写真フィルムに限らず収納体など他
の部材に付着した塵埃が写真フィルムの処理に影響する
可能性がある。また従来の感材と同様、フィルム引出部
などに付着した塵埃により写真フィルムが傷つけられる
ことも考えられる。
【0093】したがって、セット部、フィルム引出部、
写真フィルムの収納体などに付着した塵埃を除去する除
塵手段を設けたり、搬送経路を防塵構造とするなどし
て、写真フィルムに塵埃が付着しないようにすることが
望ましい。
【0094】除塵手段としてはエア吹き付け、吸引、粘
着ローラー、ブラシ、ワイパー、超音波などによる振動
印加などの機械的除去など公知の各種手段を適用するこ
とができる。
【0095】(3−3)現像後の廃材処理 また、上記現像過程において写真フイルムが取り除かれ
たカートリッジあるいはレンズ付きフィルムユニット本
体は回収し、検査を行った上で、リユース可能な部品は
リユースすることが望ましい。そのためにシステムとし
ては、フィルム引出部において写真フィルムが引き出さ
れた後、カートリッジあるいはレンズ付きフィルムユニ
ット本体などをそれぞれ集積したり、レンズ付きフィル
ムユニットの場合には、所定の手順にしたがってユニッ
トを分解して例えばレンズ部、本体部など部分に応じて
分類して集積する手段を設けることが望ましい。これに
より、集積されたプラスチック部品などを定期的に回収
し、リユース可能なものについてはリユースし、一部の
リユース不能なプラスチック部品は溶解して、再ペレッ
ト化してリサイクルすることができる。
【0096】あるいは、リユース可能な収納体について
はシステム内部において、写真フィルムを取り除いた後
に未使用の写真フィルムを詰め替えてもよい。
【0097】(4)デジタル画像データの作成、写真フ
ィルムの読取り 次に上記現像後の写真フィルムを透過型読取装置(いわ
ゆるフィルムスキャナ)により読み取ってデジタル画像
データを作成する処理について説明する。
【0098】上記現像の過程において処理部材と剥離さ
れた写真フィルム上には、ハロゲン化銀が残存してい
る。従来の画像形成方法では、このような写真フィルム
上のハロゲン化銀は、脱銀処理により除去されていた。
本画像形成システムでは、この脱銀処理は行っても行わ
なくてもよい。すなわち、例えば現像済みの写真フィル
ムを使用して投影露光によるプリント材料への焼き付け
を行うような場合には、脱銀処理を行う必要があるが、
特に顧客からの要望がない場合には原則として脱銀処理
は行わない。これは現像処理の簡素化のためである。本
発明の画像形成システムをコンビニエンスストアなどに
設置する場合で、脱銀処理の要望があった場合には、別
途写真フィルムを回収してサービス提供者が行うことに
なる。
【0099】写真フィルムの読取りは、従来のフィルム
読取りと同様フィルムスキャナを使用して行う。但し、
現像後の写真フィルムに対し、脱銀処理を行わずに読取
りを行う場合には、未露光ハロゲン化銀の黒化により読
み取られた画像データは脱銀処理を行う場合に比べて劣
化する。これについては、例えば読取時の光源の強さを
調整してもよいが、望ましくは第2の処理部材を用い
て、未露光ハロゲン化銀を錯体化して透明に定着するの
がよい。
【0100】なお、現像後の写真フィルムについては、
脱銀処理を行わないまま写真フィルムを顧客に返却する
ことは、銀の回収が不可能になるという点で好ましくな
い。したがって、原則的には上記読取処理後の写真フィ
ルムはシステム内部において集積するものとし、システ
ムはそのための搬送経路および集積手段などを備えてい
ることが望ましい。
【0101】(5)オプション入力 オプション入力は、上述した乾式の熱現像用の感光部材
を利用してデジタル画像データを作成する入力手段とは
別に、他の入力手段を選択して本画像形成システムを利
用可能とする。
【0102】オプション入力手段は、例えば以下のよう
な種々の手段を設けて構成できる。
【0103】一般に用いられている湿式現像用の感光部
材カラーネガフィルム等を利用可能とするため、露光済
みのカラーネガフィルム(スライドフィルムでも良い)
を現像液に浸漬して現像処理し、続いて漂白定着液に浸
漬して漂白定着処理し、最後に水洗処理して色素画像が
形成されたカラーネガフィルムを得る湿式の現像機と、
色素画像が形成されたカラーネガフィルムから光電変換
して画像データをデジタル信号として読み取るスキャナ
と、読み取ったデジタル信号を画像処理部3へ送信する
装置とを有する手段を設ける。
【0104】また、印刷物、立体物等の入力原稿をスキ
ャナで読み取りデジタル信号に変換してからデジタル信
号を画像処理部3へ送信する手段を設ける。
【0105】他のパーソナルコンピュータ等に接続する
通信又は伝送手段を通じて送信された画像データのデジ
タル信号を受信し、フォーマットを適合させる処理を行
った後、そのデジタル信号を画像処理部3へ送信する手
段を設ける。
【0106】デジタルカメラのPCカードドライブ、M
Oディスクドライブ、zip(登録商標)ディスクドラ
イブ、FDドライブ、CDROMドライブ、CD−Rド
ライブ等を備え、これらのドライブで読み取られたデジ
タル信号を画像処理部3へ送信する手段を設ける。
【0107】なお、オプション入力手段は、上述の各手
段に限定されるものではなく、その他種々の手段を利用
できる。また、上述の手段における所要のものだけを設
置して利用するよう構成しても良いことは勿論である。
【0108】(6)画像データの画像処理 一般にデジタル画像データを作成して表示、プリントな
どに利用する場合には、画質を向上するために種々の処
理を行うことが普通であるが、本画像形成システムでも
例外ではない。本画像形成システムにおいて行われる画
質向上のための処理には、大きく分けて2つのものがあ
る。1つは、本画像形成システムに使用される乾式熱現
像用の感光部材の特性に起因する画質劣化を防止あるい
は補正するための処理である。もう1つはノイズ低減処
理などあらゆる分野において行われている画像処理と同
じ汎用的な画像処理である。この汎用的な画像処理は、
乾式熱現像用の感光部材に対する処理として行うのと共
に、オプション入力手段で入力された画像データに対す
る処理として行うことができる。
【0109】第1に乾式熱現像用の感光部材の特性に起
因する画質劣化を防止あるいは補正するための処理につ
いて説明する。
【0110】本画像形成システムにおいて写真フィルム
の部材として使用する感光部材は、上記のように加熱に
よって画像を形成するものであるが、この際、形成され
た画像は温度変化による影響を受けるため、熱現像を行
った後しばらくは不安定な状態にある。
【0111】つまり、熱現像終了後の写真フィルムに対
し、直ちに読取処理を施した場合に得られる画像データ
の画質は必ずしもよいとはいえず、したがって、読取誤
差の少ない高画質な画像データを得るためには、温度条
件を考慮する必要がある。具体的には、例えば加熱、現
像後の写真フィルムを一定の温度に保つための保温手段
を設け保温状態において読取りを行う方法がある。ある
いは、現像後の写真フィルムが室温になるまで(温度が
一定になるまで)搬送を停止してしばらく放置し、その
後に読取りを行ってもよい。あるいは読取直前に写真フ
ィルムの温度を測定し、その温度に適した読取条件で読
取りを行う方法もある。さらには、読取時の写真フィル
ムの温度を測定しておき、取得した画像データに対して
画像処理を行う段階で、予め求められた感光部材の色濃
度対温度の対応関係に基づいて変換処理を行ってもよ
い。なお、フィルムの温度は直接測定しなくても、その
フィルムがおかれる環境の温度から推定して求めてもよ
い。
【0112】第2に、一般的に画像データに対して施す
ことが望ましく、オプション入力手段で入力された画像
データに対しても利用可能な汎用的な画像処理について
説明する。
【0113】この画像処理の内容は必ずしも全ての写真
フィルムに対して、あるいは全ての画像データに対して
同じである必要はなく、望ましくは画像データに応じて
異なるものとするのがよい。例えば、広く知られている
例としては、スナップ写真などにおいて画像認識処理を
行って人間の顔の部分を特に抽出し、その部分の画質が
特に高画質となるように画像処理を行う方法がある。
【0114】あるいはフィルムの磁気情報記録部に種々
の撮影条件を記録しておき、その撮影条件を読み取って
撮影条件に応じた画像処理を行う方法も知られている。
この画像処理の際に考慮すべき撮影条件としては、例え
ば撮影光源の種類があり、特に蛍光灯下で撮影された写
真はそのままでは高画質な画像が得られないことが多い
ため補正が必要となる。この他、撮影時の背景の色がほ
ぼ一色である場合(例えば金屏風、青空、草むらが背景
の場合)、通常の画像処理を行うと人物の色調補正に誤
差が生じることがあるため、いわゆるカラーフェリア補
正を行う必要がある。なお、撮影条件はフィルムに記録
されていてもよいし、ユーザにより別途入力されてもよ
い。
【0115】さらには、上記のように本画像形成システ
ムに使用することができる感光部材にもいくつかの種類
があるため、写真フィルムごとに異なる画像処理を行っ
てもよい。
【0116】汎用的な画像処理としては、まず色・階調
・濃度の補正がある。色補正は、原則としては、被写体
の色をできる限り忠実に再現するように行うことが望ま
しい。しかし、忠実な色表現とユーザにとって好ましい
色表現は必ずしも同じであるとは限らず、例えば青白い
調子を避けたい、肌の色を明るめにしたいといったユー
ザからの要望があることもある。このため、本発明のシ
ステムは、画像処理を行った処理済画像データをモニタ
画面に表示し、ユーザが表示された画像を確認しなが
ら、色の設定を行えるようにし、その設定に基づいて再
度画像処理を行うようにするのがよい。
【0117】さらに画質を向上するためにシャープネス
強調処理やダイナミックレンジ圧縮あるいは伸長を行っ
てもよい。シャープネス強調処理は、原則としてスキャ
ナ走査時のシャープネス劣化を回復するように行うが、
上記色補正の場合と同様、ユーザからの要望がある場合
に備え、ユーザの要望を反映するためのシャープネス設
定用ユーザインタフェースを備えておくのがよい。
【0118】また、ノイズ低減処理も行う必要がある。
低減すべきノイズとしては、信号処理の過程において発
生する電気的ノイズはいうまでもないが、感光部材の粒
状ノイズも低減することが望ましい。粒状ノイズを除去
あるいは抑制する方法としては、例えば特願平7−33
7510号に、画像信号を低、中、高周波成分に分解
し、高周波成分を強調し、中間周波数成分を抑制した
後、各周波数成分を合成することにより粒状性を抑制し
てシャープネス強調を行う方法が記載されている。
【0119】また、作成したデジタル画像データをプリ
ント作成に使用する場合には、プリント材料に合わせて
拡大処理あるいは縮小処理を行う場合もある。さらにデ
ジタル画像データをファイル出力したり、ネットワーク
を介して転送したりする場合には、例えばJPEG形式
で圧縮するといった処理も行うことが望ましい。すなわ
ちデジタル画像データ作成の目的に応じて適意各画像デ
ータに対して必要な画像処理を行うことが望ましい。な
お、これらの汎用的な画像処理の方法については、各種
分野において用いられいるあらゆる方法を適用すること
ができる。
【0120】(7)デジタル画像データの出力 上記のように画像処理されたデジタル画像データの利用
形態としては2つの形態がある。1つはデジタル画像デ
ータをそのままデータとして利用する形態であり、もう
1つは所定の記録材料にプリントとして出力して利用す
る形態である。
【0121】(7−1)デジタル画像データのファイル
出力 近年パソコンなどの普及により撮影した写真を写真プリ
ントとしてではなくデジタル画像データの形式で保管
し、モニタに表示したり加工したりして利用する場合が
増えている。また写真サービスの形態として、現像およ
び読取処理により得られたデジタル画像データを蓄積保
管しておき、例えば焼き増しプリントを依頼された際に
フィルムの読取りを行わずにデジタル画像データから直
ちにプリントを作成するサービスが提案されている。
【0122】そこで、本画像形成システムにおいても、
上記感光部材からなる写真フィルムを読み取って画像処
理して得られたデジタル画像データは、例えばMOなど
のリムーバブルメディアにファイル出力して顧客に提供
したり、写真店のサーバコンピュータのハードディスク
に蓄積保管して焼き増し注文に利用するなど、デジタル
画像データとして活用できることが望ましい。
【0123】すなわち、システムとしては各種リムーバ
ブルメディアのメディアドライブを備え、上記画像処理
手段により処理されたデジタル画像データを顧客からの
注文に応じてファイル出力できるようにすることが望ま
しい。さらに、通信手段を設け、外部のコンピュータに
対してデジタル画像データを転送できるようにしてもよ
い。なお、メディアドライブは顧客からの多様なニーズ
に応えられるよう、多種多様なものを備えておくことが
望ましい。 (7−2)デジタル画像データのプリント出力 デジタル画像データのプリント出力には、種々のデジタ
ルプリンタを用いることができるが、このデジタルプリ
ンタは上記現像、画像処理などを行うシステムの筐体内
に備えられていてもよいし、別の筐体として存在し、所
定の転送手段により接続されていてもよい。また1台の
現像機に対して複数種類のデジタルプリンタを接続し、
あるいは1つの筐体内に複数種類のデジタルプリンタを
内蔵し、必要に応じて切り替えられるようにしてもよ
い。特に、顧客から入力された注文情報によりプリント
手段が指定されている場合には、その情報に応じてプリ
ンタを選択的に切り替えることが望ましい。
【0124】本画像形成システムに使用できるデジタル
プリンタの1つとしては、デジタル画像データに応じて
変調されたレーザ光をカラーペーパーなどの感光部材上
に走査することによって画像を記録し、その感光部材に
現像・定着などの湿式処理を施すことにより写真プリン
トを得る方式のプリンタがある。
【0125】また、上記プリンタは画像が形成される媒
体を処理液中を通過させて化学反応を起こさせることに
より画像をプリントするものであるが、コンビニエンス
ストアなどに設置するシステムの場合には、化学反応の
ための処理液を扱わなければならない形態はあまり好ま
しくなく、受像体を処理液に浸す必要がない方式のプリ
ンタが望まれる。そのような形態のプリンタとしては、
電子写真方式、インクジェット方式、昇華型熱転写方式
などが知られている。また、熱現像感光部材にデジタル
画像データをレーザ露光し、その熱現像感光部材を受像
体と重ねてレーザ露光により記録された画像を熱現像転
写し、受像材上に画像を形成する方式のデジタルプリン
タも好ましい。
【0126】(8)プリント出力 本画像形成システムでは、オプション入力手段におい
て、一般に用いられている湿式現像用の感光部材カラー
ネガフィルム等を湿式の現像機で現像処理して色素画像
が形成されたカラーネガフィルムを得た場合に対応し
て、現像されたネガフィルムの色素画像を透過した光を
ペーパに照射することによって、この色素画像をペーパ
に焼付露光し、湿式の現像、漂白、定着、水洗工程を経
てプリントを出力する焼付現像機を設けて構成してもよ
い。なお、この焼付現像機は、本画像形成システムの装
置本体と一体に構成しても、又は現像所で用いられてい
る別体の焼付現像機を利用し本画像形成システムの装置
本体に外付けして構成しても良い。
【0127】(9)注文処理 本画像形成システムでは、画像データを多様な入力手段
(セット部5、現像部1及び読取部2からの入力、又は
オプション入力部8に設定されている各入力手段)の内
から所望の入力手段を選択して入力可能とすると共に、
この入力された画像データに基づく画像を、多様な出力
手段の内から所望の出力手段を選択して出力可能とする
ために、顧客から入力手段と出力手段とを選択する注文
情報を受け付けるための注文受付用ユーザインタフェー
ス部が必要となる。
【0128】具体的には、操作情報の表示や注文したい
写真のコマを確認するためのモニタなどの表示手段と、
注文情報を入力したり確認応答を行うためのキーボード
などの入力手段を備えることが好ましい。あるいは銀行
のATMのようにタッチパネルを採用してもよい。この
他、スピーカやマイクなどを設置して音声により注文情
報の入力を促したり、音声入力を受け付けるようにして
もよく、写真サービスに限らずあらゆる分野において使
用されているユーザインタフェースを適用することがで
きる。
【0129】実際の注文処理では、例えば、現像処理さ
れたフィルムから読取られたデジタル画像データがモニ
タなどの画面上に並べて表示し、顧客が表示されたデジ
タル画像データの中から所望のデジタル画像データを例
えばマウスでクリックするなどして、選択できるように
するのがよい。
【0130】すなわち、従来の写真サービスでは、現像
時に同時プリントあるいはインデックスプリントを作成
して全ての写真を一旦プリントし、そのプリントを参照
しながら所望のコマの焼き増しプリントを行ったり、ト
リミング処理を依頼したりすることが普通であったが、
本画像形成システムでは、上記のように現像、読取、画
像処理等が完了した時点で、ユーザはモニタ上で写真画
像を確認しながら、注文を行うことができる。
【0131】つまり、同時プリントやインデックスプリ
ントを作成することなく、所望のコマを所望の枚数だけ
注文することができるということであり、これにより、
無駄なプリントを作成しなくてよいこと、複数枚のプリ
ントが必要な場合に従来のように何度も写真店に行かな
くてもよいこと、さらには注文処理の際にプリントの裏
に印字された番号などを注文用紙に記入する際などに発
生する注文誤りを減少することなど、ユーザにとって
も、サービス提供者にとっても使い勝手の良いシステム
を実現することができる。
【0132】また、このシステムは、注文情報により注
文された入力処理又は出力処理の代金決済も行えるよう
にすることが望ましい。例えば写真フィルムをセット
し、現像し、上記画面上で必要なコマのみのプリントを
指示すると、モニタ画面上に現像代およびプリント代の
合計金額が表示されるようにする。入金と決済は、自動
販売機と同様の構造により実現することができる。
【0133】なお、この画像形成システムでは、感光部
材の現像から画像データの読取りまでの全ての処理手段
を備えた1つの装置として実現してもよいし、現像処理
だけを行う現像装置と、画像データ読取りおよび画像処
理を行う処理装置という形態で実現してもよい。また画
像形成システムは、1つの装置の筐体内に全ての手段を
内蔵する形で実施してもよいし、別々の装置として実施
し、互いに接続することによりシステムを構成してもよ
い。
【0134】次に、画像形成システムにおける停電時に
実行する処理について場合を分けて説明する。
【0135】本実施の形態では、停電時に実行する処理
として以下に例示する4つの処理を行う。
【0136】(1)処理中の感光部材に対し現像工程ま
でを完了させる処理。
【0137】(2)感光部材の現像工程を終え、感光部
材に形成された画像をデジタル画像データとして読み取
り、このデジタル画像データをメモリに記憶させ保管す
ることを完了させる処理。
【0138】(3)感光部材の現像工程を終え、感光部
材に形成された画像をデジタル画像データとして読み取
る工程を終え、読み取った画像データを記録媒体(フロ
ッピディスク等の可搬記録媒体)に記録することを完了
させる処理。
【0139】(4)感光部材の現像工程を終え、感光部
材に形成された画像をデジタル画像データとして読み取
る工程を終え、読み取った画像データに基づいてプリン
ト出力をすることを完了させる処理。
【0140】次に、上述の4つの処理を、順を追って説
明する。
【0141】(1)感光部材の現像工程までを完了させ
る処理。
【0142】この画像形成システムでは、停電処理部9
により、停電発生時に現像部1、読取部2又はオプショ
ン入力部8等で処理中の感光部材に記録されている画像
が画像形成のための処理中に失われないように処理を続
行させる。
【0143】このため、セット部5にセットされている
が未だに現像部1等の処理が開始されていない感光部材
は、そのまま停電が回復するまで放置しておいても画像
が失われないので、現像部1側へ移行するのを阻止しセ
ット部5に留め置くよう制御する。
【0144】また、現像部1等で処理中の感光部材が在
る場合は、この処理中の感光部材を各処理工程において
所要の処理を続行させ画像を形成させる動作処理する。
【0145】そこで、処理中の感光部材に対し所要の処
理工程を完了させるために、第1の処理手段として、現
像部1のヒータに加熱現像のための電力を供給し、感光
部材の搬送装置に感光部材を現像終了位置まで搬送する
ための電力を供給可能な無停電電源を装備する。
【0146】そして、停電時には、停電処理部9が、画
像形成システムに設置した無停電電源から現像部1のヒ
ータに電力を供給して感光部材の熱現像を行い、感光部
材の搬送装置に電力を供給して感光部材を現像終了位置
まで搬送する制御動作を実行させる。
【0147】なお、熱現像されて感光部材に形成された
画像は、時間の経過と共に劣化し易いので、この熱現像
された感光部材を画像形成システムから取り出して定着
処理、安定化処理等を施して感光部材の画像が劣化する
のを防止したり、若しくは感光部材に形成された画像の
コピーを取り、又は感光部材に形成された画像データを
別途読み取って保存しておくことが望ましい。
【0148】また、第2の処理手段として、現像部1の
加熱手段を停電時に所定時間加熱作用を継続できるよう
に構成し、感光部材の搬送装置に感光部材を現像終了位
置まで搬送するための電力を供給可能な無停電電源を装
備する。この現像部1の加熱手段を停電時に所定時間加
熱作用を継続できるようにするには、例えば感光部材に
接触して加熱する部材の熱容量を大きくして、停電時に
感光部材を加熱して熱現像する作用を所定時間継続でき
るように構成すれば良い。
【0149】そして停電時には、停電処理部9が、画像
形成システムに設置した無停電電源から感光部材の搬送
装置に電力を供給して感光部材を現像終了位置まで搬送
させる制御動作を実行させる。これにより、感光部材
は、現像部1の加熱手段の感光部材に接触して加熱する
大きな熱容量を持つ加熱部材の余熱で熱現像されてから
現像終了位置まで搬送される。
【0150】なお、熱現像された感光部材に画像が劣化
するのを防止する処理をしたり、又は感光部材に形成さ
れた画像データを保存する処理をすることが望ましいこ
とは、前述の通りである。
【0151】第3の処理手段として、現像部1の加熱手
段を停電時に所定時間加熱作用を継続できるように構成
し、感光部材の搬送装置に感光部材を現像終了位置まで
搬送するための電力を供給可能な手動発電機を装備す
る。
【0152】この現像部1の加熱手段を停電時に所定時
間加熱作用を継続できるようにする構成は、第2の構成
と同様である。
【0153】そして停電時には、使用者が手動発電機を
操作して発電した電力を利用して、停電処理部9が、画
像形成システムに設置した感光部材の搬送装置を駆動制
御して感光部材を現像終了位置まで搬送させる。これに
より、感光部材は、現像部1の加熱手段の感光部材に接
触して加熱する大きな熱容量を持つ加熱部材の余熱で熱
現像されてから現像終了位置まで搬送される。
【0154】なお、熱現像された感光部材に画像が劣化
するのを防止する処理をしたり、又は感光部材に形成さ
れた画像データを保存する処理をすることが望ましいこ
とは、前述の通りである。
【0155】第4の処理手段として、現像部1の加熱手
段を停電時に所定時間加熱作用を継続できるように構成
し、感光部材の搬送装置に感光部材を現像終了位置まで
搬送するための手動搬送機構を装備する。
【0156】この現像部1の加熱手段を停電時に所定時
間加熱作用を継続できるようにする構成は、第2の構成
と同様である。
【0157】そして停電時には、使用者が手動搬送機構
を操作して感光部材を現像終了位置まで搬送させる。こ
れにより、感光部材は、現像部1の加熱手段の感光部材
に接触して加熱する大きな熱容量を持つ加熱部材の余熱
で熱現像されてから現像終了位置まで搬送される。
【0158】このように構成した場合には、全て手動操
作するだけで感光部材の現像工程を完了させる処理を実
行することができる。
【0159】なお、熱現像された感光部材に画像が劣化
するのを防止する処理をしたり、又は感光部材に形成さ
れた画像データを保存する処理をすることが望ましいこ
とは、前述の通りである。
【0160】第5の処理手段として、現像部1のヒータ
に加熱現像のための電力を供給し、感光部材の搬送装置
に感光部材を現像終了位置まで搬送するための電力を供
給可能な手動発電機を装備する。
【0161】そして停電時には、停電処理部9が、画像
形成システムに設置した無停電電源から現像部1のヒー
タに電力を供給して感光部材の熱現像を行うと共に、使
用者が手動発電機を操作して発電した電力を利用して、
停電処理部9が、画像形成システムに設置した感光部材
の搬送装置を駆動制御して感光部材を現像終了位置まで
搬送させる制御動作を実行する。
【0162】なお、熱現像された感光部材に画像が劣化
するのを防止する処理をしたり、又は感光部材に形成さ
れた画像データを保存する処理をすることが望ましいこ
とは、前述の通りである。
【0163】第6の処理手段として、現像部1のヒータ
に加熱現像のための電力を供給し、感光部材の搬送装置
に感光部材を現像終了位置まで搬送するための手動搬送
機構を装備する。
【0164】そして停電時には、停電処理部9が、画像
形成システムに設置した無停電電源から現像部1のヒー
タに電力を供給して感光部材の熱現像を行う制御動作を
実行すると共に、使用者が手動搬送機構を操作して感光
部材を現像終了位置まで搬送させる。
【0165】なお、熱現像された感光部材に画像が劣化
するのを防止する処理をしたり、又は感光部材に形成さ
れた画像データを保存する処理をすることが望ましいこ
とは、前述の通りである。
【0166】また、上述の無停電電源は、各場合におい
て供給すべき電力量に応じた必要最小限の容量のものを
使用すれば良いので、画像形成システムに設置すべき無
停電電源の小型化を図ることができる。
【0167】次に、(2)感光部材の現像工程を終え、
感光部材に形成された画像をデジタル画像データとして
読み取り、このデジタル画像データをメモリに記憶させ
保管するまでの処理をする場合について説明する。
【0168】この場合には画像形成システムに、前述し
た(1)感光部材の現像工程までを完了させる処理を終
え、感光部材に形成された画像をデジタル画像データと
して読み取ってメモリに記憶させ保管するまでの処理を
行うために、必要な電力を供給可能な無停電電源を装備
する。
【0169】本処理では、感光部材の現像工程を前述し
た第1から第6の処理手段の何れかを利用して構成する
ことができる。このとき、無停電電源を、前述した第1
から第6の処理の内の一つを利用して感光部材の現像処
理をしたときに必要な電力と、感光部材の画像を画像デ
ータとして読み取ってメモリに記憶させ保管する処理に
必要な電力を供給可能なキャパシティに設定する。
【0170】また、感光部材に形成された画像をデジタ
ル画像データとして読み取るために、第7の処理手段と
して、感光部材を透過させるよう光線を照射する光学系
の光源を通常の光量とするため光源に通常の電力(中電
力)を供電し、CCD等の光電変換素子を利用して正規
に読み取る(通常行う高い解像度でスキャンして読み取
る)為の読取機の電力を供電すると共に、読み取った画
像データをメモリに記憶させ保管する処理に必要な電力
を供給可能な無停電電源を装備する。
【0171】そして、停電時には、感光部材の現像処理
を完了したのち、停電処理部9が、画像形成システムに
設置した無停電電源から読取部2の光学系の光源と読取
機とに電力を供給して感光部材の画像データを読み取
る。さらに、この読み取った画像データをメモリに記憶
させる動作を実行させる。
【0172】また、感光部材に形成された画像をデジタ
ル画像データとして読み取るための第8の処理手段とし
て、感光部材を透過させるよう光線を照射する光学系の
光源を通常の光量より小さく設定することにより光源の
消費電力を削減し、CCD等の光電変換素子で通常行う
高い解像度でスキャンして読み取る場合よりいわゆる間
引きして読み取ることにより読取機の消費電力を削減し
て少なくした電力を供電すると共に、読み取った画像デ
ータをメモリに記憶させ保管する処理に必要な電力を供
給可能な比較的小容量の無停電電源を装備する。
【0173】そして、停電時には、感光部材の現像処理
を完了したのち、停電処理部9が、画像形成システムに
設置した無停電電源から読取部2の光学系の光源と読取
機とに通常より少ない電力を供給して感光部材の画像デ
ータを読み取る。さらに、この読み取った画像データを
メモリに記憶させる動作を実行させる。
【0174】次に、感光部材に形成された画像をデジタ
ル画像データとして読み取るための第9の処理手段とし
て、感光部材の現像を終えた後に、画像が形成された感
光部材を消費電力の少ない別途用意されたスキャナに送
って感光部材の画像データを読み取るように構成する。
さらに、消費電力の少ないスキャナに少ない電力を供電
すると共に、読み取った画像データをメモリに記憶させ
保管する処理に必要な電力を供給可能な比較的小容量の
無停電電源を装備する。
【0175】そして、停電時には、感光部材の現像処理
を完了したのち、停電処理部9が、画像形成システムに
設置した無停電電源から消費電力の少ない別途用意され
たスキャナに通常より少ない電力を供給して感光部材の
画像データを読み取る。さらに、この読み取った画像デ
ータをメモリに記憶させる動作を実行させる。
【0176】次に、(3)感光部材の現像工程を終え、
感光部材に形成された画像をデジタル画像データとして
読み取る工程を終え、読み取った画像データを記録媒体
(フロッピディスク等の可搬記録媒体)に記録すること
を完了させる処理をする場合について説明する。
【0177】この場合には画像形成システムに、前述し
た(1)感光部材の現像工程までを完了させる処理を終
え、(2)の工程の感光部材に形成された画像をデジタ
ル画像データとして読み取る処理を終え、この読み取っ
たデジタル画像データを記録媒体(フロッピディスク等
の可搬記録媒体)に記録することを完了させるまでの処
理を行うために、必要な電力を供給可能な無停電電源を
装備する。
【0178】本処理では、前述した第1から第9の処理
手段を適宜利用して構成することができる。このとき、
無停電電源を、前述した第1から第9の処理を適宜利用
して処理をしたときに必要な電力と、読み取ったデジタ
ル画像データを記録媒体(フロッピディスク等の可搬記
録媒体)に記録する処理に必要な電力を供給可能なキャ
パシティに設定する。
【0179】このデジタル画像データを記録媒体に記録
する処理は、出力部4として設けられているデジタルカ
メラのPCカードドライブ、MOディスクドライブ、z
ip(登録商標)ディスクドライブ、FDドライブ、C
DROM、CD−Rドライブ等に無停電電源から給電し
動作制御することにより実行する。
【0180】すなわち出力部4の各種ドライブで、画像
データをPCカード、MOディスク、zip(登録商
標)ディスク、FD、CDROM、CD−R等のリムー
バブルメディアにファイル出力する。
【0181】なお、このように出力されるデジタル画像
データを画像処理部3で前もって画像処理できるように
するため、無停電電源から画像処理部3に必要な電力を
供給可能に構成しても良い。
【0182】次に、(4)感光部材の現像工程を終え、
感光部材に形成された画像をデジタル画像データとして
読み取る工程を終え、読み取った画像データに基づいて
プリント出力をすることを完了させる処理をする場合に
ついて説明する。
【0183】この場合には画像形成システムに、前述し
た(1)感光部材の現像工程までを完了させる処理を終
え、(2)の工程の感光部材に形成された画像をデジタ
ル画像データとして読み取る処理を終え、この読み取っ
たデジタル画像データをプリント出力させるまでの処理
を行うために、必要な電力を供給可能な無停電電源を装
備する。
【0184】本処理では、前述した第1から第9の処理
手段を適宜利用して構成することができる。このとき、
無停電電源を、前述した第1から第9の処理を適宜利用
して処理をしたときに必要な電力と、読み取ったデジタ
ル画像データを記録媒体(フロッピディスク等の可搬記
録媒体)に記録する処理に必要な電力を供給可能なキャ
パシティに設定する。
【0185】このデジタル画像データをプリント出力さ
せる処理は、出力部4として設けられている各種のデジ
タルプリンタ等を用いて実行するもので、例えばデジタ
ル画像データに応じて変調されたレーザ光をカラーペー
パーなどの感光部材上に走査することによって画像を記
録し、その感光部材に現像・定着などの湿式処理を施す
ことにより写真プリントを得る方式のプリンタを用いる
ことができる。
【0186】また、化学反応のための処理液を扱わなけ
ればならない形態があまり好ましくないコンビニエンス
ストアなどに設置するシステムの場合には、受像体を処
理液に浸す必要がない方式のプリンタとして、電子写真
方式、インクジェット方式、昇華型熱転写方式などのプ
リンタを用いてプリント出力をするよう構成しても良
い。
【0187】なお、このように出力されるデジタル画像
データを画像処理部3で前もって画像処理できるように
するため、無停電電源から画像処理部3に必要な電力を
供給可能に構成しても良い。
【0188】
【実施例】次に、本発明の画像形成システムのより具体
的な装置に係わる実施例を図3の概略分解斜視図により
説明する。
【0189】この図3で、510は入力機部、512は
出力機部、514はオプション入力部8及び停電処理部
9を兼ねた入力操作部である。
【0190】この画像形成システム装置は、入力機部5
10、出力機部512及び入力操作部514が一体に組
み合わされて装置本体を構成する。この入力機部510
は、主に図1に示すセット部5、画像データの入力手段
としての現像部1及び読取部2により構成されている。
【0191】入力機部510本体内部の下部には、レン
ズ付フィルム526の感光部材であるフィルム516を
抜き取ったものを回収する廃材処理部7としての回収箱
518、所定のキャパシティを持つ無停電電源520及
び水ボトル522が配置されている。
【0192】また、入力機部510のハウジングにおけ
る側面の所定部位には、撮影を終えたレンズ付フィルム
526を装置内部のセット部に装填するための投入口5
24が設けられている。なお、セット部5には遮光シャ
ッターを装着する。この遮光シャッターは、ユーザがカ
ートリッジなどをセットし、セットが完了したことをシ
ステムに伝えるセット完了ボタン(図示せず)を押す
と、自動的に閉まるようになっている。
【0193】ここで、例えばカートリッジあるいはレン
ズ付きフィルムユニットの本体にフィルム種別を識別す
るためのバーコードが付与されている場合には、上記セ
ット完了ボタンが押された時点で、システムに内蔵され
るバーコードリーダによりこのバーコードを読み取る。
これにより、セットされたフィルムがシステムで処理で
きない種類であることがわかると、スピーカーから警告
音が発せられ、モニタ上に、処理ができないことを知ら
せるエラーメッセージが表示されるようにする。この場
合、遮光シャッターは閉まらず、フィルム収納体はユー
ザに返却される。
【0194】この投入口524に続くセット部は、撮影
の際に写真フィルムが収納されていた収納体の形状に適
合した構造を有する少なくとも1つのセット部を備える
ことが望ましい。セット部の形状としては、フィルムカ
ートリッジの形状に適合したもの、あるいはレンズ付き
フィルムユニットの形状に適合したものが考えられる。
【0195】また、セット部は収納体を保持する収納体
保持手段と、該収納体保持部により保持された収納体に
当たる光を遮る遮光手段とからなることが望ましい。こ
れにより、ユーザは撮影済みのフィルムをカートリッジ
ごと、あるいはレンズ付きフィルムユニットごとセット
部にセットするだけで、現像サービスを享受することが
できる。
【0196】なお、上述のように、本画像形成システム
では、現像する感光部材に塵埃が付着しないようにしな
ければならないため、上記収納体あるいはセット部に付
着した塵埃を除去する除塵手段を備えることが望まし
い。
【0197】また、上記収納体の各種類に応じて、収納
体から写真フィルムを引き出すフィルム引出部を備え
る。すなわち、フィルムカートリッジから写真フィルム
を取り出すフィルム分離手段、あるいはレンズ付きフィ
ルムユニットのケースを開放する開放手段と、開放され
たレンズ付きフィルムユニットからフィルムカートリッ
ジを分離するユニット/カートリッジ分離手段と分離さ
れたフィルムカートリッジから写真フィルムを引き出す
カートリッジ/フィルム分離手段、また、レンズ付きフ
ィルムユニットのケースを開放する開放手段と、開放さ
れたレンズ付きフィルムユニットから写真フィルムを分
離するユニット/フィルム分離手段などを適宜備える。
【0198】また、セット部5にセットされた収納体に
収納された写真フィルムが画像形成システムにより現像
可能なフィルムか否かを判定するフィルム種別判定手段
を備えることにより、異種の写真フィルムをセットされ
た場合に、それを排除できるようにするための判定方法
としては、収納体に付与された該収納体の識別情報を認
識し、該識別情報に基づいて判定を行う方法、セット部
にセットされた収納体から写真フィルムを引き出し、該
引き出された写真フィルムの光透過率を測定し、該測定
された光透過率に基づいて判定を行う方法、あるいは、
セット部にセットされた収納体から写真フィルムを引き
出し、該引き出された写真フィルムの情報記録部に記録
されたフィルム種別を表すデータに基づいて判定を行う
方法などがある。このセット部に装填されたレンズ付フ
ィルム526の内部から引き出された露光済のフィルム
516は、図示しない搬送手段によって所定の搬送ルー
ト上を水塗布ユニット528へ送られる。
【0199】水塗布ユニット528は、フィルム516
に処理液としての水をいわゆるドブ付けの方法で所定少
量塗布可能に構成されている。水塗布ユニット528の
フィルム搬送方向下流側には、現像部1における加熱手
段としての加熱ドラム530が装着されている。
【0200】加熱ドラム530は、円筒状のドラムの外
周面を所要の温度に加熱可能に構成されると共に、回転
駆動されるよう構成されている。さらに、現像部1の加
熱手段としての加熱ドラム530は、必要に応じて停電
時に所定時間加熱作用を継続できる程度に熱容量を大き
く構成されている。なお、加熱ドラム530の熱容量を
停電時に所定時間加熱する作用を継続できる程度以下に
構成し、停電時に無停電電源520から加熱ドラム53
0に供給する電力を削減するように構成しても良い。
【0201】この加熱ドラム530における外周面上の
二つの所定範囲には、それぞれ処理部材である第1処理
シート532と、同じく処理部材である第2処理シート
534が巻き付けられる。これら第1処理シート532
と、第2処理シート534とは、それぞれ各自の引き出
しローラ536から引き出され、加熱ドラム530に巻
き付けられ、各自の巻き取りローラ538に巻き取られ
るよう配置されている。
【0202】また、これら第1処理シート532と、第
2処理シート534とは、それぞれ加熱ドラム530の
回動に従って各自の引き出しローラ536から各自の巻
き取りローラ538に巻き取られるよう搬送される。
【0203】このように構成された現像部1としての加
熱現像手段では、水が塗布されたフィルム516が加熱
ドラム530の外周面上へ送られてくると、フィルム5
16の上に第1処理シート532が重ね合わされて、加
熱ドラム530の回動に伴って搬送されながら加熱され
る。そして、加熱ドラム530上のフィルム516から
第1処理シート532が剥がされる位置まで移動する間
に現像処理を実行する。
【0204】次に加熱ドラム530の外周面上にあるフ
ィルム516の上に第2処理シート534が重ね合わさ
れて、加熱ドラム530の回動に伴って搬送されながら
加熱される。そして、加熱ドラム530上のフィルム5
16から第2処理シート534が剥がされる位置まで移
動する間に定着処理を完了するように構成されている。
【0205】定着処理を完了したフィルム516は、加
熱ドラム530から引き剥がされて搬送方向下流側に配
置された乾燥ユニット540へ搬送される。乾燥ユニッ
ト540は、中空箱状で内部空間に温風を送るよう構成
されている。乾燥ユニット540には、その中空内部を
通過するようにフィルム516の搬送路が設定されてい
る。
【0206】フィルム516は、搬送路上の乾燥ユニッ
ト540を通過する間に乾燥されて、読取部2としての
CCDセンサ542を配置した部所へ送られる。この読
取部2は、フィルム516面の一方の側に読み取り用光
源544を配置し、フィルム516面の他方の側にCC
Dセンサ542を配置し、読み取り用光源544から発
射された光束がフィルム516を透過し、CCDセンサ
542に受光されるよう構成されている。なお、必要に
応じて読み取り用光源544は、光源の消費電力を削減
するため、通常の光量より小さく設定可能に構成する。
【0207】このCCDセンサ542は、フィルム51
6を透過した光による透過画像を読み取るためのCCD
センサである。CCDセンサ542は、例えば、画像の
B色成分を読み取るラインセンサで構成されたB色成分
読取部と、G色成分を読み取るラインセンサで構成され
たG色成分読取部と、R色成分を読み取るラインセンサ
で構成されたR色成分読取部とによって構成し、所定の
読取位置を通過するフィルム516を透過した光による
画像を各色成分ごとにライン単位でデジタル的に読み取
る。なお、 必要に応じて消費電力を削減するためCC
Dセンサ542は、通常行う高い解像度で読み取る場合
よりいわゆる間引きして読み取ることが可能なように構
成する。
【0208】そして、CCDセンサ542で読み取られ
た各色成分ごとの画像データは、入力操作部514に配
置された画像処理部3へ送信される。
【0209】また、読取部2で画像データが読み取られ
たフィルム516は、搬送路上をフィルム回収箱546
へ送られて回収され、銀も回収されるよう構成されてい
る。
【0210】なお、本実施例のシステムでは、写真フィ
ルムを原則としてユーザに返却することは行わない。し
かしながら、ユーザからの返却の要望があった場合に
は、感光部材に対して感光部材上からハロゲン化銀を除
去して返却する。この際の脱銀手段は、システムに内蔵
してもよいが、脱銀手段を内蔵することにより処理液の
管理が必要となるため、望ましくは別途専用装置により
脱銀を行うことが望ましい。
【0211】また、本画像形成システム装置では、読取
部2を一般のネガフィルムやスライド等の読み取り部と
して利用可能に構成して部品機器の共用を図れば、装置
本体の構成を簡素化できる。
【0212】次に、上述のように構成された入力機部5
10の作用及び動作について説明する。
【0213】入力機部510でレンズ付フィルム526
を処理する場合には、まずレンズ付フィルム526を投
入口524から装置本体内のセット部に装填する。する
と自動的に搬送手段により、レンズ付フィルム526か
らフィルム516が引き出されて水塗布ユニット528
へ搬送される。
【0214】フィルム516は、水塗布ユニット528
で処理液が塗布され加熱ドラム530に送られる。フィ
ルム516は、加熱ドラム530上を第1処理シート5
32と貼り合わされて加熱されながら搬送されることに
より現像処理され、続けてフィルム516は加熱ドラム
530上を第2処理シート534と貼り合わされて加熱
されながら搬送されることにより定着処理されて、加熱
ドラム530から搬出される。
【0215】次にフィルム516は、乾燥ユニット54
0に搬入されて乾燥され読取部2の位置へ搬送される。
読取部2の位置では、読み取り用光源544の光線をフ
ィルム516に透過させたときの透過画像をCCDセン
サ542で読み取り、デジタル画像データを生成する。
そしてこのデジタル画像データを画像処理部3に伝送す
る。
【0216】画像データが読み取られて不要となったフ
ィルム516は、フィルム回収箱546に送られ回収さ
れる。なお、フィルム516が抜き取られた空のレンズ
付フィルム526は、回収箱518に送られ回収され
る。
【0217】入力操作部514は、装置全体の制御及び
画像処理等を行う中央制御装置と、モニタ548と、画
像形成システムに対する注文等の操作を行う操作ボード
550と、オプション入力部としてのCD−R装置55
2と、紙幣あるいはコインの料金徴収部554とを有す
る。
【0218】本画像形成システム装置のユーザは、入力
操作部514の操作ボード550を操作して、予め用意
されている入力機部510、オプション入力部としての
CD−R装置552又はオプション入力部としての図示
しない画像データ入力装置や通信回線を通じて送信され
て来る画像データ信号を受信して入力する手段等におけ
る所望の入力手段を選択する。
【0219】このように選択された入力手段からの画像
データ信号は、中央制御装置の画像処理部に取り込まれ
モニタ548に表示される。そしてユーザは、操作ボー
ド550を操作して、本画像形成システムに使用される
乾式熱現像用の感光部材の特性に起因する画質劣化を防
止あるいは補正するための処理、又はノイズ低減処理な
どあらゆる分野において行われている汎用的な画像処理
の内で所要の処理を行い、出力用の画像データ信号を生
成する。
【0220】次に、ユーザは、操作ボード550を操作
して、本画像形成システムに予め用意されている出力手
段としての出力機部512で出力する、CD−R装置5
52で出力する、又は通信回線を通じて画像データ信号
を他の画像形成装置等へ送信する等の出力手段における
所望の出力手段を選択する。
【0221】このようにユーザにより選択された出力手
段に対して出力用の画像データ信号が伝達され、その出
力処理が実行される。
【0222】また、入力操作部514の中央制御装置で
は、ユーザに選択された入力手段及び出力手段で処理す
る料金、画像処理にかかる料金を計算してモニタ548
に表示する。ユーザは、モニタ548に表示された金額
の料金を料金徴収部554に入金し清算することにな
る。
【0223】入力操作部514の画像処理部で生成され
た出力用の画像データ信号を受信して出力処理を行う出
力機部512は、熱現像感光部材にデジタル画像データ
をレーザ露光し、その熱現像感光部材を受像体と重ねて
レーザ露光により記録された画像を熱現像転写し、受像
材上に画像を形成する方式のデジタルプリンタとして構
成されている。
【0224】この出力機部512では、装置本体の下部
にロール状に巻装された受像紙556が装填されてい
る。この受像紙556は、受像紙ロールから引き出され
カッタ558で所定の大きさに切断されてから搬送路5
60上を処理液塗布ユニット562へ搬送される。
【0225】この処理液塗布ユニット562は、容器に
処理液(本実施の形態では、水を用いる)を貯めてお
き、送られてくる受像紙556を処理液中に浸漬するい
わゆるドブ漬け方式で、受像紙556に処理液を塗布す
るよう構成されている。この処理液塗布ユニット562
で処理液が塗布された受像紙556は、平板現像ユニッ
ト564へ送られる。
【0226】また、出力機部512では、装置本体内部
の中間部にロール状に巻装された感光部材566が装填
されている。この感光部材566は、感光部材ロールか
ら引き出されカッタ568で対応する受像紙556と同
じ大きさに切断されてから搬送路570上を露光部57
2へ搬送される。
【0227】露光部(記録光学系)572は、半導体レ
ーザユニットのレーザ光源で構成されており、出力画像
データ信号に基づいて半導体レーザユニットのレーザ光
源を駆動し、搬送路570上の所定位置にある感光部材
566へ露光し潜像を形成するよう構成されている。こ
の露光部572で露光された感光部材566は、平板現
像ユニット564へ送られる。
【0228】平板現像ユニット564では、その入り口
にある貼り合わせローラ574まで送られて来た略同形
の受像紙556と、感光部材566とを重ね合わせて圧
接してから平板現像ユニット564の本体内部へ送る。
【0229】この平板現像ユニット564では、受像紙
556と感光部材566とを一体に重ね合わされた状態
で図示しない一対の対抗する無端搬送ベルトの間に挟み
込んで搬送しながら加熱して感光部材566に形成され
た画像を受像紙556に熱現像転写する。
【0230】平板現像ユニット564で熱現像転写され
画像が形成された受像紙556は、平板現像ユニット5
64の出口にある剥離ローラ576で一体に重ね合わさ
れた感光部材566から引き剥がされて、完成プリント
の集積部578へ順次搬出され、集積される。
【0231】また、使用済の感光部材566は、剥離ロ
ーラ576で引き剥がされてから回収部580に搬送さ
れて回収されるよう構成されている。
【0232】次に、上述のように構成された出力機部5
12の作用及び動作について説明する。
【0233】出力機部512でプリント出力をする場合
には、ユーザが出力機部512の操作ボード550を操
作して入力した処理指令に基づき、受像紙556をカッ
タ558でユーザに指定された大きさに切断して搬送路
560を処理液塗布ユニット562へ送り水を塗布して
貼り合わせローラ574まで送る。これと共に、感光部
材566もユーザに指定された大きさに切断して搬送路
570上を露光部572の位置へ送る。
【0234】露光部572では、搬送路570上を搬送
されている感光部材566に対し、画像処理部3で画像
処理された出力画像データ信号に基づいて半導体レーザ
ユニットのレーザ光源を駆動して露光し潜像を形成す
る。この露光部572で露光された感光部材566は、
貼り合わせローラ574へ送られる。
【0235】貼り合わせローラ574まで送られた受像
紙556と感光部材566とは、貼り合わせローラ57
4で貼り合わされて平板現像ユニット564内に搬送さ
れ、熱現像転写処理され、感光部材566に露光して形
成された画像が受像紙556に転写される。これによ
り、受像紙556は画像が形成されたプリントとなり、
集積部578に搬出され、各プリント毎の処理動作を終
える。
【0236】本実施例の画像形成システム装置では、入
力操作部514の画像処理部で生成された出力用の画像
データ信号に基づき、出力機部512で受像紙556上
に画像を形成するという選択の他に、CD−R装置55
2のリムーバブルメディアにファイル出力してユーザに
提供し、又は他の画像形成装置にデジタル画像データを
送信する、さらにはインデックスプリントを出力する機
能等を具備することにより、広く活用可能に構成されて
いる。
【0237】次に、上述のように構成された画像形成シ
ステム装置の使用方法及び動作について説明する。
【0238】この画像形成システム装置を使用するとき
には、初めにユーザは、モニタ548の表示を見なが
ら、入力操作部514の操作ボード550を操作するこ
とによって数ある入力手段の内の一つと、数ある出力手
段の内の一つとを選択する。
【0239】このとき、画像形成システム装置の入力手
段は、入力機部510の利用、CD−R装置552の利
用又は図示しない通信回線を利用して伝送されて来た画
像データを利用できる。よって、これら複数の入力手段
を一箇所で利用して入力できる。
【0240】また、本画像形成システム装置では、入力
機部510から入力した画像データを出力機部512に
出力してプリントを得、入力機部510から入力した画
像データをCD−R装置552に出力してデータを記録
したCDを得、又は入力機部510から入力した画像デ
ータを通信回線を利用して他の画像形成装置やパーソナ
ルコンピュータに伝送する。
【0241】さらに、CD−R装置552から入力した
画像データを出力機部512に出力し、又は通信回線を
利用して他の画像形成装置やパーソナルコンピュータに
伝送することができる。
【0242】これと共に、通信回線を利用して伝送され
て来た画像データを、出力機部512に出力してプリン
トを得、CD−R装置552に出力してデータを記録し
たCDを得、又は通信回線を利用して他の画像形成装置
やパーソナルコンピュータに再伝送することができる。
【0243】このように、本画像形成システム装置は、
万能方式なので、種々の入力手段の内の一つと、種々の
出力手段の内の一つとを選択して組み合わせることによ
って種々の機能を実現でき、合わせて画像処理部3によ
り画像処理も行える。よって、一箇所に置かれた画像形
成システム装置によって、ユーザの多様なニーズに答え
られる。
【0244】また、本画像形成システム装置は、料金徴
収部554を備えており、モニタ548で使用料金を表
示し、ユーザが料金徴収部554に金銭を投入して精算
できるのでユーザのセルフサービスで利用可能であるか
ら、コンビニエンスストアなどに設置するのに適してい
る。
【0245】なお、料金徴収部554では、ユーザが全
ての注文処理の完了を示すOKボタンなどを押した時点
で、モニタ画面上にサービス料金が表示され、表示され
た金額を所定の紙幣あるいはコイン投入部から投入しな
い限り、出力処理は行われないように構成する。あるい
は、最初に現像料金に相当する額のみを投入してからカ
ートリッジなどをセットし、プリント料金などを後から
追加投入するように構成してもよい。
【0246】次に、上述のように構成された画像形成シ
ステム装置が通常の動作を実行している最中に停電にな
った場合の動作について説明する。
【0247】この場合には、以下に例示する4つの停電
時用の処理を行う。
【0248】(1)処理中のフィルム516の現像まで
を完了させる処理。
【0249】(2)フィルム516の現像工程を終え、
フィルム516に形成された画像を読取部2で読み取
り、このデジタル画像データを入力操作部514のメモ
リに記憶させ保管することを完了させる処理。
【0250】(3)フィルム516の現像工程を終え、
フィルム516に形成された画像をデジタル画像データ
として読取部2で読み取る工程を終え、読み取った画像
データをCD−R装置552に記録することを完了させ
る処理。
【0251】(4)フィルム516の現像工程を終え、
フィルム516に形成された画像をデジタル画像データ
として読取部2で読み取る工程を終え、読み取った画像
データに基づいてプリント出力をすることを完了させる
処理。
【0252】次に、上述の4つの処理を、順を追って説
明する。
【0253】(1)フィルム516の現像までを完了さ
せる処理。
【0254】この画像形成システムでは、停電処理部9
により、停電発生時に入力機部510における現像部1
の加熱ドラム530、読取部2のCCDセンサ542や
読み取り用光源544等で処理中のフィルム516に記
録されている画像が画像形成のための処理中に失われな
いように処理を続行させる。
【0255】このため、セット部5にセットされている
が未だに現像部1の加熱ドラム530での加熱処理が開
始されていないフィルム516は、そのまま停電が回復
するまで放置しておいても画像が失われないので、現像
部1側へ移行するのを阻止しセット部5のレンズ付フィ
ルム526の筐体内に留め置くよう、停電処理部9でセ
ット部5の動作を制御する。
【0256】また、現像部1の加熱ドラム530で加熱
処理中のフィルム516が在る場合は、この処理中のフ
ィルム516を各処理工程において所要の処理を続行さ
せ画像を形成させる動作処理する。
【0257】そこで、処理中のフィルム516に対し所
要の処理工程を完了させるために、停電処理部9が処理
中のフィルム516の現像までを完了させる処理を行う
前述した第1の処理手段に対応する手段として、無停電
電源520から加熱ドラム530に加熱現像のための電
力を供給し、フィルム516の搬送装置にフィルム51
6を現像終了位置まで搬送するための電力を供給する。
【0258】そして、フィルム516の熱現像を行い、
搬送装置でフィルム516を現像終了位置まで搬送する
制御動作を実行する。
【0259】また、前述した第2の処理手段に対応する
手段として、加熱ドラム530が停電時に所定時間加熱
作用を継続できる程熱容量を大きく構成されている場合
には、停電処理部9が、無停電電源520からフィルム
516の搬送装置に電力を供給して感光部材を現像終了
位置まで搬送させる制御動作を実行させる。これによ
り、フィルム516は、大きな熱容量を持つ加熱ドラム
530の余熱で熱現像されてから現像終了位置まで搬送
される。
【0260】次に、(2)フィルム516の現像工程を
終え、フィルム516に形成された画像を読取部2で読
み取り、このデジタル画像データを入力操作部514の
メモリに記憶させ保管することを完了させる処理をする
場合について説明する。
【0261】この場合には画像形成システムに、前述し
た(1)フィルム516の現像までを完了させる処理を
終え、フィルム516に形成された画像をデジタル画像
データとして読み取ってメモリに記憶させ保管するまで
の処理を行うために、必要な電力を供給可能なキャパシ
ティを無停電電源520に設定する。
【0262】本処理では、フィルム516の現像工程を
前述した第1及び第2の処理手段の何れかを利用して構
成することができる。このとき、無停電電源520を、
前述した第1及び第2の何れかを利用してフィルム51
6の現像処理をしたときに必要な電力と、フィルム51
6の画像を画像データとして読み取ってメモリに記憶さ
せ保管する処理に必要な電力を供給可能なキャパシティ
に設定する。
【0263】また、フィルム516に形成された画像を
デジタル画像データとして読み取るために、前述した第
7の処理手段に対応する手段を実行する場合には、無停
電電源520から読み取り用光源544に対し、読み取
り用光源544の光量を通常の光量とするための電力
(中電力)を供電し、CCDセンサ542を利用して正
規に読み取る(通常行う高い解像度でスキャンして読み
取る)のに必要な電力を供電すると共に、読み取った画
像データをメモリに記憶させ保管する処理に必要な電力
を給電して処理する。
【0264】そして、この画像形成システムでは、停電
時に停電処理部9の制御動作により前述の如くしてフィ
ルム516の現像処理を完了したのち、フィルム516
の画像データをCCDセンサ542で読み取る。さら
に、この読み取った画像データを入力操作部514のメ
モリに記憶させる動作を実行する。
【0265】また、フィルム516に形成された画像を
デジタル画像データとして読み取るために、前述した第
8の処理手段に対応する手段を実行する場合には、無停
電電源520からフィルム516を透過させる読み取り
用光源544に対し、読み取り用光源544の光量を通
常の光量より所定量小さくする電力(小電力)を供電
し、CCDセンサ542を利用していわゆる間引きして
読み取る小電力を供電すると共に、読み取った画像デー
タをメモリに記憶させ保管する処理に必要な電力を給電
して処理する。
【0266】そして、この画像形成システムでは、停電
時に停電処理部9の制御動作により前述の如くしてフィ
ルム516の現像処理を完了したのち、フィルム516
の画像データを読み取り用光源544の少ない光量を用
いCCDセンサ542で間引きして読み取る。さらに、
この読み取った画像データを入力操作部514のメモリ
に記憶させる動作を実行する。
【0267】次に、(3)フィルム516の現像工程を
終え、フィルム516に形成された画像をデジタル画像
データとして読取部2で読み取る工程を終え、読み取っ
た画像データをCD−R装置552に記録することを完
了させる処理をする場合について説明する。
【0268】この場合には画像形成システムに、前述し
た(1)フィルム516の現像までを完了させる処理を
終え、(2)フィルム516の現像工程を終え、フィル
ム516に形成された画像を読取部2で読み取り、この
デジタル画像データを入力操作部514のメモリに記憶
させ保管することを完了させる処理を終え、この読み取
ったデジタル画像データをCD−R装置552に記録す
ることを完了させる処理を行うために、必要な電力を供
給可能な無停電電源を装備する。
【0269】すなわち本処理では、前述した第1、第
2、第7、第8の処理手段を適宜利用して構成すること
ができる。このとき、無停電電源を、前述した第1、第
2、第7、第8の処理を適宜利用して処理をしたときに
必要な電力と、読み取ったデジタル画像データをCD−
R装置552に記録することを完了させる処理に必要な
電力を供給可能なキャパシティに設定する。
【0270】このデジタル画像データをCD−Rに記録
してファイル出力する処理は、出力部4として設けられ
ているCD−R装置552に無停電電源520から給電
し停電処理部9で動作制御することにより実行する。
【0271】なお、このようにCD−R装置552で出
力されるデジタル画像データを画像処理部3で前もって
画像処理できるようにするため、無停電電源520から
画像処理部3に必要な電力を供給可能に構成しても良
い。
【0272】次に、(4)フィルム516の現像工程を
終え、フィルム516に形成された画像をデジタル画像
データとして読取部2で読み取る工程を終え、読み取っ
た画像データに基づいて出力機部512でプリント出力
をすることを完了させる処理をする場合について説明す
る。
【0273】この場合には画像形成システムに、前述し
た(1)フィルム516の現像までを完了させる処理を
終え、(2)フィルム516の現像工程を終え、フィル
ム516に形成された画像を読取部2で読み取り、この
読み取ったデジタル画像データを出力機部512でプリ
ント出力させるまでの処理を行うために、必要な電力を
供給可能な無停電電源520を装備する。
【0274】すなわち本処理では、前述した第1、第
2、第7、第8の処理手段を適宜利用して構成すること
ができる。このとき、無停電電源520を、前述した第
1、第2、第7、第8の処理を適宜利用して処理をした
ときに必要な電力と、読み取ったデジタル画像データを
出力機部512でプリント出力させる処理に必要な電力
を供給可能なキャパシティに設定する。
【0275】このデジタル画像データを出力機部512
でプリント出力させる処理は、出力機部512に無停電
電源520から給電し、停電処理部9で出力機部512
を動作制御することにより実行する。
【0276】なお、このように出力機部512で出力さ
れるデジタル画像データを画像処理部3で前もって画像
処理できるようにするため、無停電電源520から画像
処理部3に必要な電力を供給可能に構成しても良い。
【0277】なお、本画像形成システム装置では、種々
の機能を実現するための構成の内、重複し共用できるも
のを共通の部材、機構又は装置として構成することによ
り、部品点数を減じ装置全体の構成を簡素化し、廉価な
製品を提供可能とする。
【0278】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の画像形成
システムによれば、停電時に処理中の感光部材上に画像
を形成する処理を続行させて所要の処理を実行させ、画
像を形成する処理中の感光部材上から画像が失われるこ
とを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法の処理の流れを示すフ
ローチャート
【図2】 本発明の画像形成システムの構成を示すブロ
ック図
【図3】 本発明の実施例に係わる画像形成システム装
置の一例を示す概略分解斜視図
【符号の説明】
1 現像部(入力手段) 2 読取部(入力手段) 3 画像処理部 4 出力部(出力手段) 5 セット部 6 ユーザインタフェース部(入力操作部) 7 廃材処理部 8 オプション入力部(入力手段) 9 停電処理部 510 入力機部(入力手段) 512 出力機部(出力手段) 514 入力操作部 516 フィルム(感光部材) 530 加熱ドラム(加熱手段)(加熱用の部材) 532 処理シート(処理部材) 534 処理シート(処理部材) 548 モニタ 542 CCDセンサ 550 操作ボード 552 CD−R装置 554 料金徴収部 556 受像紙 564 平板現像ユニット 566 感光部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】露光により潜像を記録可能な感光部材と処
    理部材とを重ね合わせた状態で加熱することにより前記
    感光部材上に画像を形成する手段を有する画像形成装置
    において、 前記加熱手段で前記感光部材上に画像を形成する処理中
    に停電となった際に、前記加熱手段に対し電力を供給し
    て加熱処理を続行し、前記処理中の感光部材に対する画
    像を形成する処理を完了させるだけのキャパシティを持
    つ専用の無停電電源を設けたことを特徴とする画像形成
    装置。
  2. 【請求項2】露光により潜像を記録可能な感光部材と処
    理部材とを重ね合わせた状態で加熱することにより前記
    感光部材上に画像を形成する手段を有する画像形成装置
    において、 前記加熱手段で前記感光部材上に画像を形成する処理中
    に停電となった際に、前記処理中の感光部材に対する画
    像を形成する処理を完了させるために前記加熱手段に対
    し電力を供給する手動発電機を設けたことを特徴とする
    画像形成装置。
  3. 【請求項3】露光により潜像を記録可能な感光部材と処
    理部材とを重ね合わせた状態で加熱することにより前記
    感光部材上に画像を形成する手段を有する画像形成装置
    において、 前記加熱手段で前記感光部材上に画像を形成する処理中
    に停電となった際に、前記加熱手段の加熱用の部材が、
    停電時に前記処理中の感光部材に対する画像を形成する
    処理を完了させるまでの時間以上に渡って加熱を継続可
    能な熱容量を持つように構成されたことを特徴とする画
    像形成装置。
  4. 【請求項4】露光により潜像を記録可能な感光部材と処
    理部材とを重ね合わせた状態で加熱手段によって加熱処
    理して前記感光部材上に画像を形成し、前記感光部材上
    に形成された画像を読取部で読み取って画像データを入
    力する手段及びその他の画像データを入力する手段を有
    する複数の画像データの入力手段と、 出力用の画像データに基づいて出力をする複数の出力手
    段と、 前記複数の入力手段の内から入力処理を実行させる一つ
    を選択すると共に、前記複数の出力手段の内から出力処
    理を実行させる一つを選択する操作を行う機能を有する
    入力操作部と、 前記感光部材の処理の最中に停電となったときに、前記
    処理中の感光部材上に画像を形成する処理を続行してこ
    れを完了させるよう前記加熱手段に電力を供給すると共
    に、前記感光部材上に形成された画像を読取部で読み取
    って画像データを保管し、又は読み取った画像データに
    基づく出力処理を実行可能とするための電力を供給する
    専用の無停電電源を設けたことを特徴とする画像形成装
    置。
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