JP2001107336A - 自然石固着シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然石を合成樹脂製ネットの表面に強固に
固定した自然石固着シートの提供。 【解決手段】合成樹脂製ネット１の表面に複数の自然石
２が配置され、合成樹脂製ネット１の裏面に接してクッ
ション材３が配置され、さらにクッション材３に接して
石固定用プレート４が配置され、自然石２に穿設された
アンカー挿入孔７に石固定用プレート４からアンカー５
が挿入され、自然石２が合成樹脂製ネット１に固着され
ている自然石固着シート。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の自然石を合
成樹脂製ネットの表面に固定された建築土木の施工に使
用する自然石固着シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】河川の護岸工事では、河川の自然環境を
良好に形成するため、コンクリートを使用しない多自然
型護岸工法が積極的に推進されている。その工法とし
て、法面に人力により自然石を所定の箇所に置いていく
方法が採用されていた。この工法は、施工に時間が掛か
り、作業効率が悪く、作業者の疲労あるいは人手不足が
問題となっていた。

【０００３】そこで、自然石を合成樹脂製ネットの表面
に接着剤で固着した自然石固着シートを所定の箇所に敷
設する方法が採用されるようになってきた。

【０００４】図６は従来の自然石固着シートを用いた工
法の説明図である。

【０００５】土手の法面を整地し、法面に吸出防止材１
０を敷設した後、吸出防止材１０の上に自然石固着シー
トを敷き詰め、自然石２の間に土砂１１を充填する。施
工後、自然石２の隙間から草が生育し、自然環境が良好
となる。

【０００６】この方法は、従来の人力により自然石を並
べていく工法に比べて、効率よく敷設することができる
という利点がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
自然石固着シートは、自然石を合成樹脂製ネットの表面
に接着剤で固着したものであるため、接着強度が弱く、
特に時間経過とともに環境の影響を受けて接着強度が劣
化し、自然石がネットから外れたり、あるいは外れやす
くなって、危険になってくるという問題がある。

【０００８】そこで、本発明は、自然石を合成樹脂製ネ
ットの表面に強固に固定した自然石固着シートを提供す
るものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の自然石固着シー
トは、合成樹脂製ネットの表面に複数の自然石が配置さ
れ、前記合成樹脂製ネットの裏面に接してクッション材
が配置され、さらに前記クッション材に接して石固定用
プレートが配置され、前記自然石に穿設されたアンカー
挿入孔に石固定用プレートからアンカーが挿入され、自
然石が合成樹脂製ネットに固着されていることを特徴と
する。

【００１０】前記石固定用プレートの周縁には複数の爪
を立設してもよい。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は本発明の自然石固着シート
の全体図、図２は同側面図、図３は自然石と合成樹脂製
ネットの固着構造を示す断面図、図４は固着に使用する
アンカーの一例を示す図である。

【００１２】本発明の自然石固着シートは、合成樹脂製
ネット１に自然石２をクッション材３及び石固定用プレ
ート４を介してアンカー５で固着したものである。

【００１３】合成樹脂製ネット１には、例えば、ポリエ
ステル繊維を使用し、ＪＩＳ１０９６の試験方法で、引
っ張り強度１００ｋＮ／ｍ以上（５ｃｍでの測定値を１
ｍ幅に換算した値）、破断伸度１８％以上のものを使用
する。

【００１４】合成樹脂製ネット１の目合いは７ｍｍ×７
ｍｍが適しており、合成樹脂製ネットの大きさは、特に
限定されるものではないが、積み降ろし、現場への搬送
を考慮して、２ｍ×２ｍ程度の広さが適している。合成
樹脂製ネット１の外周には、自然石固着シートの積み降
ろしの際にフックに掛けて積み卸しを容易にするため、
合成樹脂製布の枠６を設ける。

【００１５】自然石２には、例えば、宝満石、花崗岩、
切り石等を使用し、石材重量は３５０ｋｇ／ｍ²以上と
することにより、掃流力に対して安定が図れる。

【００１６】合成樹脂製ネット１への自然石２の固着
は、アンカー挿入孔７を開けた複数の自然石２を並べて
アンカー挿入孔７の上に合成樹脂製ネット１を載せ、さ
らに、合成樹脂製ネット１の上にクッション材３、石固
定用プレート４を順に重ねる。その後、芯棒打ち込み式
のアンカー５を石固定用プレート４の孔、クッション材
３、合成樹脂製ネット１を通して自然石２に穿ったアン
カー挿入孔７に挿入した後、芯棒８をアンカー５内に打
ち込み、アンカー５を拡げて固定する。必要に応じて、
自然石２のアンカー挿入孔７に接着剤を入れてアンカー
５を固定してもよい。

【００１７】石固定用プレート４の周縁、例えば、四隅
に、合成樹脂製ネット１側に爪９を立設してクッション
材３にくい込ませるようにしてもよい。また、石固定用
プレート４には、耐食性を持たせるため、鉄板の表面に
亜鉛メッキを施した石固定用プレートを用いることが好
ましい。

【００１８】合成樹脂製ネット１と石固定用プレート４
との間に挟むクッション材３には、ポリエステル製不織
布を使用し、厚みは３ｍｍ程度とする。クッション材３
を介在させることにより、その弾性力を利用して自然石
２と石固定用プレート４をアンカー５で強固に固定する
ことが可能となる。なお、自然石固着シートの表面に植
物の種子を散布して付着させてもよい。

【００１９】図５は本発明の自然石固着シートによる工
法の説明図である。

【００２０】本発明の自然石固着シートは、工場で製作
した後、現場に搬送する。施工現場では、クレーンで整
地された法面に不織布からなる吸出防止材１０を敷き、
その上に本発明の自然石固着シートをクレーンで降ろし
て敷いていく。自然石固着シートを敷いた後、自然石２
の間に土砂１１を詰めて行く。

【００２１】その後、自然石固着シート上に植物の種子
を撒いてもよく、あるいは前述のとおり、自然石固着シ
ート表面に植物の種子を予め散布して付着させておいて
もよい。

【００２２】本発明の自然石固着シートは、自然石が合
成樹脂製ネットに強固に固着されているので、自然石が
ネットから外れることがなく、河川、湖、池、貯水池等
の護岸、道路・鉄道の法面保護に利用することができ
る。また、植生繁茂により、周囲の自然環境との調和が
期待とともに、根が合成樹脂製ネットに絡み、自然石固
着シートを強固に土地に固定することが可能となる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の自然石固着シートによれば、自
然石を合成樹脂製ネットにクッション材、石固定用プレ
ートを利用することにより自然石を合成樹脂製ネットに
強固に固定することが可能となる。

【００２４】また、自然石を合成樹脂製ネットに固着し
ているので、従来の人手により自然石を並べる施工法に
比べ、シートを敷いていくので、施工時間と労力を大幅
に低減させることが可能となる。

【００２５】合成樹脂製ネットを使用し、自然石の間に
土砂を充填しているので、植物が植生し、周囲の自然環
境との調和が期待される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自然石固着シートの全体図である。

【図２】本発明の自然石固着シートの側面図である。

【図３】本発明の自然石と合成樹脂製ネットの固着構造
を示す断面図である。

【図４】本発明の自然石と合成樹脂製ネットの固着に使
用するアンカーの一例を示す図である。

【図５】本発明の自然石固着シートによる工法の説明図
である。

【図６】従来の自然石固着シートを用いた工法の説明図
である。

【符号の説明】

１：合成樹脂製ネット ２：自然石 ３：クッショ
ン材 ４：石固定用プレート ５：アンカー ６：枠
７：アンカー挿入孔 ８：芯棒 ９：爪 １０：吸出防止材 １１：土砂

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 合成樹脂製ネットの表面に複数の自然石
   が配置され、前記合成樹脂製ネットの裏面に接してクッ
   ション材が配置され、さらに前記クッション材に接して
   石固定用プレートが配置され、前記自然石に穿設された
   アンカー挿入孔に石固定用プレートからアンカーが挿入
   されて自然石が合成樹脂製ネットに固着されていること
   を特徴とする自然石固着シート。
2. 【請求項２】 石固定用プレートの周縁に複数の爪を立
   設したことを特徴とする請求項１記載の自然石固着シー
   ト。