JP2001104237A - 蛍光判定方法および装置 - Google Patents

蛍光判定方法および装置

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JP2001104237A
JP2001104237A JP28468199A JP28468199A JP2001104237A JP 2001104237 A JP2001104237 A JP 2001104237A JP 28468199 A JP28468199 A JP 28468199A JP 28468199 A JP28468199 A JP 28468199A JP 2001104237 A JP2001104237 A JP 2001104237A
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spectrum
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JP28468199A
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Tomonari Sendai
知成 千代
Kazuhiro Tsujita
和宏 辻田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既知性状組織の蛍光特性との比較により測定
部の蛍光特性を判定する蛍光判定装置において、広い波
長域に亘る蛍光情報を利用した演算エラーを起こしにく
い安定した演算処理により蛍光特性を判定し、判定精度
を向上させる。 【解決手段】 励起光照射手段1から励起光L1を生体測
定部20に照射する。仮主成分情報算出手段3は、測定部
20から発せられる蛍光L2を蛍光導光手段2を介して受光
し、演算エラーが発生しにくい主成分分析法に基づい
て、仮主成分得点を算出する。判定手段5では、仮主成
分得点と、予め記憶手段4に記憶されている既知正常組
織から発せられた蛍光から算出された主成分得点の代表
値と、既知病変組織から発せられた蛍光から算出された
主成分得点の代表値を比較し、測定部20から発せられた
蛍光の特性が、正常組織から発せられた蛍光の特性と、
病変組織から発せられた蛍光の特性の何れに近いかを判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体の観察部に励
起光を照射し、生体内在色素から発せられる自家蛍光の
特性により観察部における病変状態を判定したり、病変
組織に対して親和性の強い蛍光を発する光感受性物質が
予め注入された生体の観察部に励起光を照射し、光感受
性物質から発せられる蛍光の特性により病変状態を判定
する蛍光判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、生体内在色素の励起波長領域
にある励起光を生体に照射した場合に、正常組織と病変
組織では、発する蛍光強度が異なることを利用して、生
体観察部に所定波長の励起光を照射し、生体内在色素が
発する蛍光を受光することにより病変組織の局在・浸潤
範囲を画像として表示して病変範囲を判定する技術が提
案されている。
【0003】通常、励起光を照射すると、正常組織から
は強い自家蛍光が発せられ、病変組織からは微弱な自家
蛍光が発せられるため、蛍光強度を測定することによ
り、病変状態を判定できる。
【0004】この種の蛍光判定装置は基本的に、生体内
在色素の励起波長領域にある励起光を生体に対して照射
する励起光照射手段と、生体内在色素が発する蛍光を検
出して生体の蛍光像を撮像する撮像手段と、この撮像手
段の出力を受けて上記蛍光像を表示する画像表示手段と
からなるものであり、多くの場合、体腔内部に挿入され
る内視鏡や、手術用顕微鏡等に組み込まれた形に構成さ
れる。
【0005】ところで、上述のような蛍光判定装置にお
いては、生体の部位に凹凸があるため励起光照射系から
生体観察部までの距離が均一ではなく、生体の励起光照
射部分における励起光照度は一般に不均一である。蛍光
強度は励起光照度にほぼ比例し、励起光照度は距離の2
乗に反比例して低下する。そのため、光源から遠くにあ
る正常組織よりも近くにある病変組織の方が強い蛍光を
発したり、励起光に対して傾斜した位置にある正常組織
からの蛍光が極端に低下したりする。このように励起光
照度が不均一であると、励起光照度の高低に応じて蛍光
強度が変化するので、それによって病変状態の判定を誤
ることもあり得る。
【0006】一方、「FLUORESCENCE IMAGING OF EARLY
LUNG CANCER」(Annual International Conference of
the IEEE Engineering and Biology Society, Vol.12,
No.3,1990) に示される装置においては、励起光が照射
されることにより生体観察部の生体内在色素から生じる
自家蛍光を緑色の波長領域の成分(以下、「緑色領域成
分G」という。)と赤色の波長領域の成分(以下、「赤
色領域成分R」という。)とに分離して、この赤色領域
成分Rと緑色領域成分Gとの除算に基づく画像演算を行
って、除算結果を表示する。これは、正常組織と病変組
織とで自家蛍光のスペクトルが異なること、すなわち正
常組織部における生体内在色素の発する自家蛍光スペク
トルが、病変組織では正常組織と比較して特に緑色領域
の強度が極端に低下するため、病変組織では自家蛍光の
緑色領域成分Gの減少率が赤色領域成分Rの減少率に比
較して非常に大きいことを利用するもので、R/Gなる
除算により病変組織からの蛍光を特異的に抽出して画像
表示することができる。
【0007】すなわち、この装置においては、R/Gな
る除算により励起光光源および蛍光受光部と生体観察部
との距離に依存する蛍光強度の項はキャンセルされるの
で、励起光光源および蛍光受光部と生体観察部との距離
に依存する蛍光強度の項は無視できる。
【0008】また、一般にPDD(Photodynamic Diagn
osis) と称される光力学診断についての研究が種々な
されている。このPDDとは、腫瘍親和性を有し、光に
より励起されたとき蛍光を発する光感受性物質(ATX-S1
0、5-ALA、NPe6、HAT-D01、Photofrin-2、等)を蛍光診
断薬として予め生体の癌等の腫瘍部分に吸収させてお
き、その部分に光感受性物質の励起波長領域にある励起
光を照射して腫瘍部分に集積した蛍光診断薬から蛍光を
生じさせ、この蛍光を受光することにより病変組織の局
在・浸潤範囲を画像として表示して腫瘍部分を診断する
技術である。
【0009】平成7年第16回日本レーザ医学会大会にお
いて発表された「Red/Green Ratioを用いた癌の蛍光画
像診断」(東京医科大学、浜松フォトニクス)において
は、病変組織に集積して赤い蛍光を発する蛍光診断薬を
用いて、病変組織における赤色蛍光強度を増幅させ、R
/Gなる演算を行うことが提案されている。この結果、
前述の「FLUORESCENCE IMAGING OF EARLY LUNG CANCE
R」 において示される装置に比して病変組織からの蛍光
強度が増幅された蛍光画像が得られる。この両者のよう
にR/Gなる演算を用いると、励起光光源および蛍光受
光部と生体観察部との距離に依存する蛍光強度の項は無
視できることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、病変組
織における緑色の自家蛍光成分は極端に弱いため、両者
ともゼロ割り算を行う場合が生じ、演算エラーを起こし
やすいという問題点がある。
【0011】本発明は上記問題に鑑み、広い波長域に亘
る蛍光の情報を利用すると共に、演算エラーを起こしに
くい安定した演算処理により、測定部から発せられた蛍
光の特性を判定し、測定部の蛍光特性の判定の信頼度を
向上させた蛍光判定方法および装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の蛍光
判定方法は、励起光を照射された生体の既知正常組織お
よび少なくも1種類の既知病変組織を含む複数の既知性
状組織のそれぞれから検出した蛍光スペクトルを、各既
知性状組織毎に主成分分析することにより算出された少
なくも第1主成分情報を含む前記各既知性状組織毎の主
成分情報を記憶し、励起光を照射された生体の測定部か
ら発せられた蛍光から、前記各既知性状組織毎の蛍光ス
ペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記各既知性状
組織に対応する仮主成分情報を算出し、記憶された前記
各既知性状組織毎の主成分情報と算出された前記各既知
性状組織に対応した仮主成分情報とを比較して、前記測
定部から発せられた蛍光の特性が、前記各既知性状組織
から検出された蛍光の中の何れの蛍光の特性に最も近い
ものであるかを判定することを特徴とするものである。
【0013】本発明による第2の蛍光判定方法は、励起
光を照射された生体の既知正常組織および少なくも1種
類の既知病変組織を含む複数の既知性状組織のそれぞれ
から検出した各蛍光スペクトルの全蛍光強度に対する波
長毎の蛍光強度比からなる蛍光強度比スペクトルを、各
既知性状組織毎に主成分分析することにより算出された
少なくも第1主成分情報を含む前記各既知性状組織毎の
主成分情報を記憶し、励起光を照射された生体の測定部
から発せられた蛍光から、前記各既知性状組織毎の蛍光
強度比スペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記各
既知性状組織に対応する仮主成分情報を算出し、記憶さ
れた前記各既知性状組織毎の主成分情報と算出された前
記各既知性状組織に対応した仮主成分情報とを比較し
て、前記測定部から発せられた蛍光の特性が、前記各既
知性状組織から検出された蛍光の中の何れの蛍光の特性
に最も近いものであるかを判定することを特徴とするも
のである。
【0014】本発明による第3の蛍光判定方法は、励起
光を照射された生体の既知正常組織および少なくも1種
類の既知病変組織を含む複数の既知性状組織のそれぞれ
から検出した蛍光スペクトルおよび各蛍光スペクトルに
おける全蛍光強度に対する波長毎の蛍光強度比からなる
蛍光強度比スペクトルを、各既知性状組織毎に主成分分
析することにより算出された少なくも第1主成分情報を
含む前記各既知性状組織毎の蛍光スペクトルおよび蛍光
強度比スペクトルそれぞれの主成分情報を記憶し、励起
光を照射された生体の測定部から発せられた蛍光から、
前記各既知性状組織毎の蛍光スペクトルおよび蛍光強度
比スペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記各既知
性状組織に対応する蛍光スペクトルおよび蛍光強度比ス
ペクトルそれぞれの仮主成分情報を算出し、記憶された
前記各既知性状組織毎の蛍光スペクトルおよび蛍光強度
比スペクトルそれぞれの主成分情報と、算出された前記
各既知性状組織に対応した蛍光スペクトルおよび蛍光強
度比スペクトルそれぞれの仮主成分情報とを比較して、
前記測定部から発せられた蛍光の特性が、前記各既知性
状組織から検出された蛍光の中の何れの蛍光の特性に最
も近いものであるかを判定することを特徴とするもので
ある。
【0015】本発明による第4の蛍光判定方法は、励起
光を照射された生体の同一性状である複数の既知性状組
織から検出された蛍光スペクトルを主成分分析すること
により算出された少なくも第1主成分情報を含む主成分
情報を記憶し、励起光を照射された生体の測定部から発
せられた蛍光から、前記既知性状組織の蛍光スペクトル
の主成分分析結果に基づいて、前記既知性状組織に対応
する仮主成分情報を算出し、記憶された前記既知性状組
織の主成分情報と算出された仮主成分情報とを比較し
て、前記測定部から発せられた蛍光の特性が、前記既知
性状組織から検出された蛍光の特性に近いものであるか
否かを判定することを特徴とするものである。
【0016】本発明による第5の蛍判定方法は、励起光
を照射された生体の同一性状である既知性状組織から検
出された蛍光スペクトルの全蛍光強度に対する波長毎の
蛍光強度比からなる蛍光強度比スペクトルを主成分分析
することにより算出された少なくも第1主成分情報を含
む主成分情報を記憶し、励起光を照射された生体の測定
部から発せられた蛍光から、前記既知性状組織の蛍光強
度比スペクトルの主成分分析結果に基づいて、仮主成分
情報を算出し、記憶された前記既知性状組織の主成分情
報と算出された仮主成分情報とを比較して、前記測定部
から発せられた蛍光の特性が、前記既知性状組織から検
出された蛍光の特性に近いものであるか否かを判定する
ことを特徴とするものである。
【0017】本発明による第6の蛍光判定方法は、励起
光を照射された生体の同一性状である複数の既知性状組
織から検出された蛍光スペクトルおよび該蛍光スペクト
ルの全蛍光強度に対する波長毎の蛍光強度比からなる蛍
光強度比スペクトルを主成分分析することにより算出さ
れた少なくも第1主成分情報を含む蛍光スペクトルおよ
び蛍光強度比スペクトルの主成分情報を記憶し、励起光
を照射された生体の測定部から発せられた蛍光から、前
記既知性状組織の蛍光スペクトルおよび蛍光強度比スペ
クトルの主成分分析結果に基づいて、前記既知性状組織
に対応する仮主成分情報を算出し、記憶された前記既知
性状組織の主成分情報と算出された仮主成分情報とを比
較して、前記測定部から発せられた蛍光の特性が、前記
既知性状組織から検出された蛍光の特性に近いものであ
るか否かを判定することを特徴とするものである。上記
励起光の光源としては、GaN系の半導体レーザが好適
である。
【0018】また、本発明による第1の蛍光判定装置
は、励起光を照射された生体の既知正常組織および少な
くも1種類の既知病変組織を含む複数の既知性状組織の
それぞれから検出した蛍光スペクトルを、各既知性状組
織毎に主成分分析することにより算出された少なくも第
1主成分情報を含む前記各既知性状組織毎の主成分情報
を記憶する記憶手段と、励起光を生体の測定部に照射す
る励起光照射手段と、前記励起光の照射により前記測定
部から発せられた蛍光から、前記各既知性状組織毎の蛍
光スペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記各既知
性状組織に対応する仮主成分情報を算出する仮主成分情
報算出手段と、前記記憶手段に記憶された前記各既知性
状組織毎の主成分情報と前記仮主成分情報算出手段で算
出された前記各既知性状組織に対応した仮主成分情報と
を比較し、前記測定部から発せられた蛍光の特性が、前
記各既知性状組織から検出された蛍光の中の何れの蛍光
の特性に最も近いものであるかを判定する判定手段とを
有することを特徴とするものである。
【0019】本発明による第2の蛍光判定装置は、励起
光を照射された生体の既知正常組織および少なくも1種
類の既知病変組織を含む複数の既知性状組織のそれぞれ
から検出した各蛍光スペクトルの全蛍光強度に対する波
長毎の蛍光強度比からなる蛍光強度比スペクトルを、各
既知性状組織毎に主成分分析することにより算出された
少なくも第1主成分情報を含む前記各既知性状組織毎の
主成分情報を記憶する記憶手段と、励起光を生体の測定
部に照射する励起光照射手段と、前記励起光の照射によ
り前記測定部から発せられた蛍光から、前記各既知性状
組織毎の蛍光強度比スペクトルの主成分分析結果に基づ
いて、前記各既知性状組織に対応する仮主成分情報を算
出する仮主成分情報算出手段と、前記記憶手段に記憶さ
れた前記各既知性状組織毎の主成分情報と前記仮主成分
情報算出手段で算出された前記各既知性状組織に対応し
た仮主成分情報とを比較し、前記測定部から発せられた
蛍光の特性が、前記各既知性状組織から検出された蛍光
の中の何れの蛍光の特性に最も近いものであるかを判定
する判定手段とを有することを特徴とするものである。
【0020】本発明の第3の蛍光判定装置は、励起光を
照射された生体の既知正常組織および少なくも1種類の
既知病変組織を含む複数の既知性状組織のそれぞれから
検出した蛍光スペクトルおよび各蛍光スペクトルの全蛍
光強度に対する波長毎の蛍光強度比からなる蛍光強度比
スペクトルを、各既知性状組織毎に主成分分析すること
により算出された少なくも第1主成分情報を含む前記各
既知性状組織毎の蛍光スペクトルおよび蛍光強度比スペ
クトルそれぞれの主成分情報を記憶する記憶手段と、励
起光を生体の測定部に照射する励起光照射手段と、前記
励起光の照射により前記測定部から発せられた蛍光か
ら、前記各既知性状組織毎の蛍光スペクトルおよび蛍光
強度比スペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記各
既知性状組織に対応する蛍光スペクトルおよび蛍光強度
比スペクトルそれぞれの仮主成分情報を算出する仮主成
分情報算出手段と、前記記憶手段に記憶された前記各既
知性状組織毎の蛍光スペクトルおよび蛍光強度比スペク
トルそれぞれの主成分情報と、前記仮主成分情報算出手
段で算出された前記各既知性状組織に対応した蛍光スペ
クトルおよび蛍光強度比スペクトルそれぞれの仮主成分
情報とを比較し、前記測定部から発せられた蛍光の特性
が、前記各既知性状組織から検出された蛍光の中の何れ
の蛍光の特性に最も近いものであるかを判定する判定手
段とを有することを特徴とするものである。
【0021】本発明の第4の蛍光判定装置は、励起光を
照射された生体の同一性状である複数の既知性状組織か
ら検出された蛍光スペクトルを主成分分析することによ
り算出された少なくも第1主成分情報を含む主成分情報
を記憶する記憶手段と、励起光を生体の測定部に照射す
る励起光照射手段と、前記励起光の照射により前記測定
部から発せられた蛍光から、前記既知性状組織の蛍光ス
ペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記既知性状組
織に対応する仮主成分情報を算出する仮主成分情報算出
手段と、前記記憶手段に記憶された前記既知性状組織の
主成分情報と算出された仮主成分情報とを比較し、前記
測定部から発せられた蛍光の特性が、前記既知性状組織
から検出された蛍光の特性に近いものであるか否かを判
定する判定手段とを有することを特徴とするものであ
る。
【0022】本発明による第5の蛍光判定装置は、励起
光を照射された生体の同一性状である複数の既知性状組
織から検出された蛍光スペクトルの全蛍光強度に対する
波長毎の蛍光強度比からなる蛍光強度比スペクトルを主
成分分析することにより算出された少なくも第1主成分
情報を含む主成分情報を記憶する記憶手段と、励起光を
生体の測定部に照射する励起光照射手段と、前記励起光
の照射により前記測定部から発せられた蛍光から、前記
既知性状組織の蛍光強度比スペクトルの主成分分析結果
に基づいて、前記既知性状組織に対応する仮主成分情報
を算出する仮主成分情報算出手段と、前記記憶手段に記
憶された前記既知性状組織の主成分情報と算出された仮
主成分情報とを比較し、前記測定部から発せられた蛍光
の特性が、前記既知性状組織から検出された蛍光の特性
に近いものであるか否かを判定する判定手段とを有する
ことを特徴とするものである。
【0023】本発明による第6の蛍光判定装置は、励起
光を照射された生体の同一性状である複数の既知性状組
織から検出された蛍光スペクトルおよび該蛍光スペクト
ルの全蛍光強度に対する波長毎の蛍光強度比からなる蛍
光強度比スペクトルを主成分分析することにより算出さ
れた少なくも第1主成分情報を含む主成分情報を記憶す
る記憶手段と、励起光を生体の測定部に照射する励起光
照射手段と、前記励起光の照射により前記測定部から発
せられた蛍光から、前記既知性状組織の蛍光スペクトル
および蛍光強度比スペクトルの主成分分析結果に基づい
て、前記既知性状組織に対応する仮主成分情報を算出す
る仮主成分情報算出手段と、前記記憶手段に記憶された
前記既知性状組織の主成分情報と算出された仮主成分情
報とを比較し、前記測定部から発せられた蛍光の特性
が、前記既知性状組織から検出された蛍光の特性に近い
ものであるか否かを判定する判定手段とを有することを
特徴とするものである。
【0024】上記第1から第6の蛍光判定装置は、上記
蛍光が蛍光を発する蛍光診断薬が注入された生体から発
せられた薬剤蛍光であるものに好適である。
【0025】また、上記第1から第6の蛍光判定装置
は、上記蛍光が蛍光を発する蛍光診断薬が注入されてい
ない生体から発せられた自家蛍光であるものにも好適で
ある。上記第1から第6の蛍光判定装置において、上記
主成分情報は少なくも主成分得点を含み、前記判定手段
が、各既知性状組織の主成分得点の代表値と、測定部の
各既知性状組織に対応した仮主成分得点とを比較し、前
記測定部から発せられた蛍光の特性を判定するものであ
ることを特徴とするものである。
【0026】上記仮主成分情報算出手段が、低損失単一
ファイバを備え、該低損失単一ファイバにより導光され
た蛍光のスペクトル強度とあらかじめ記憶されている前
記各既知性状組織毎の主成分ベクトルとに基づいて各既
知性状組織に対応した仮主成分情報を算出するものであ
ることを特徴とするものである。
【0027】または、上記仮主成分情報算出手段が、イ
メージファイバと、該イメージファイバの後ろに設けら
れ、各既知性状組織毎の主成分ベクトルの値を反映した
波長透過率を備える前記各既知性状組織に対応したフィ
ルタからなる切換フィルタと、該切換フィルタの後ろに
設けられた高感度撮像素子とを備え、前記各既知性状組
織に対応したフィルタを透過した蛍光から、前記高感度
撮像素子の各画素毎に前記各既知性状組織に対応した仮
主成分情報を算出するものであることを特徴とするもの
である。
【0028】あるいは、上記仮主成分情報算出手段が、
高感度撮像素子と、該高感度素子の前面に設けられ、各
既知性状組織毎の主成分ベクトルの値を反映した波長透
過率を備える部分フィルタからなるモザイクフィルタを
備え、前記モザイクフィルタを透過した蛍光から、前記
各部分フィルタに対応した前記高感度撮像素子の各画素
毎に前記各既知性状組織に対応した仮主成分情報を算出
するものであることを特徴とするものである。
【0029】上記励起光照射手段としては、GaN系の
半導体レーザが好適である。
【0030】尚、上記判定手段における、蛍光特性の判
定方法は、如何なる方法であっても良く、例えば、各組
織性状毎に主成分情報と仮主成分情報とのユークリッド
距離等を算出し、該ユークリッド距離に基づいて最も蛍
光特性の近い組織性状を判定する方法でもよく、また、
各組織性状毎に複数個の主成分情報が算出されている場
合には、各複数個の主成分情報間の比率と、各仮主成分
情報間の比率とからユークリッド距離等を算出し、該ユ
ークリッド距離に基づいて最も蛍光特性の近い組織性状
を判定する方法でもよく、その種別は問わない。以下、
同様である。
【0031】
【発明の効果】上述した本発明による第1の蛍光判定装
置においては、既知性状組織および測定部から発せられ
た蛍光を主成分分析することにより得られた主成分得点
等の主成分情報に基づいて、全測定帯域幅で測定部から
発せられた蛍光の特性を判定するため、主成分分析を行
う演算途中でゼロ割り算をするという演算エラーが発生
することがない。従って、安定した演算処理により、蛍
光特性の判定を実行でき、判定の信頼度を向上させるこ
とができる。
【0032】本発明による第2の蛍光判定装置では、蛍
光強度比スペクトルを主成分分析することにより得られ
た主成分情報に基づいて、全測定帯域幅で測定部から発
せられた蛍光の特性を判定するため、ゼロ割り算をする
という演算エラーが発生することがない安定した演算処
理により、蛍光特性の判定を実行できるとともに、測定
距離あるいは測定角度等の測定条件の変動に起因するス
ペクトル強度変動の影響を低減することができ、蛍光特
性の判定の信頼度を一層向上させることができる。
【0033】本発明による第3の蛍光判定装置では、通
常の蛍光スペクトルおよび蛍光強度比スペクトルを主成
分分析することにより得られた主成分情報に基づいて、
測定部から発せられた蛍光の特性を判定するため、ゼロ
割り算をするという演算エラーが発生することがなく、
安定した演算処理により、蛍光特性の判定を実行できる
とともに、蛍光スペクトルのスペクトル強度およびスペ
クトル波形の両者の特性を加味して、蛍光特性を判定す
ることができ、蛍光特性の判定の信頼度をさらに向上さ
せることができる。
【0034】本発明による第4、第5および第6の蛍光
判定装置では、第1、第2および第3の蛍光判定装置に
おける効果に加え、装置構成および判定処理が簡略化で
きるため、低価格化が可能となる。
【0035】上記いずれの蛍光判定装置においても、蛍
光を発する蛍光診断薬が注入された生体から発せられた
薬剤蛍光の判定に用いれば、蛍光診断薬に親和性を有す
る腫瘍等の組織の判定に用いることができる。
【0036】また、蛍光を発する蛍光診断薬が注入され
ていない生体から発せられた自家蛍光の判定に用いる際
には、腫瘍のみならず、腺腫や過形成ポリープ、炎症等
の種々の既知病変組織から発せられる蛍光スペクトルの
主成分分析を行い、各性状組織毎の主成分情報を記憶手
段に予め記憶させておくことにより、測定部から発せら
れた蛍光の特性を判定する際に、より詳細な判定を行う
ことが可能となる。
【0037】上記、仮主成分情報算出手段として、低損
失単一ファイバにより導光された蛍光のスペクトル強度
とあらかじめ記憶されている前記各既知性状組織毎の主
成分ベクトルとに基づいて各既知性状組織に対応した仮
主成分情報を算出するものを用いることにより、測定部
から発せられ蛍光を1点毎に検出し、特性を判定できる
ので、所望の部位から発せられる蛍光の特性を精度良く
判定可能となる。
【0038】また、仮主成分情報算出手段において、導
光用のイメージファイバと、各既知性状組織毎の主成分
ベクトルの値を反映した波長透過率を備える前記各既知
性状組織に対応したフィルタからなる切換フィルタと、
該切換フィルタの後ろに設けられた高感度撮像素子とを
備え、前記各既知性状組織に対応したフィルタを透過し
た蛍光から、前記高感度撮像素子の各画素毎に前記各既
知性状組織に対応した仮主成分情報を算出するものを用
いれば、測定部から発せられる蛍光を2次元的に検出す
ることができ、短時間で広範囲に及ぶ蛍光の特性の判定
ができる。
【0039】さらに、仮主成分情報算出手段として、高
感度素子と該高感度素子の前面に設けられ、各既知性状
組織毎の主成分ベクトルの値を反映した波長透過率を備
える部分フィルタからなるモザイクフィルタを備え、前
記モザイクフィルタを透過した蛍光から、前記各部分フ
ィルタに対応した前記高感度撮像素子の各画素毎に前記
各既知性状組織に対応した仮主成分情報を算出するもの
を用いれば、通常観察用の高感度素子を蛍光判定用に兼
用することができ、蛍光判定装置の低価格化が可能とな
る。
【0040】上記励起光照射手段としてGaN系半導体
レーザを用いることにより、装置の小型化および一層の
低価格化が可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による蛍光
判定装置の第1の基本的な構成を示すものである。説明
を簡単にするために、測定部20から発せられる蛍光の判
定基準となる組織群としては、正常組織群と病変組織群
の2つの既知性状組織群を用いた。
【0042】この基本的な構成による蛍光判定装置は、
生体の測定部20に励起光L1を照射する励起光照射手段
1、生体の測定部20から生じる自家蛍光L2をファイバ等
からなる蛍光導光手段2を介して取得し、取得した自家
蛍光L2から、測定部20が正常組織群に属していると仮定
した場合に算出される仮主成分情報として仮正常主成分
得点と、測定部20が病変組織群に属していると仮定した
場合に算出される仮主成分情報として仮病変主成分得点
を算出する仮主成分情報算出手段3、予め正常組織群お
よび病変組織群の蛍光スペクトルデータの主成分分析に
より算出された正常組織の主成分得点の代表値と病変組
織の主成分得点の代表値を記憶している記憶手段4、仮
主成分情報算出手段3で算出された仮正常主成分得点お
よび仮病変主成分得点と、記憶手段4に記憶されている
正常組織群の主成分得点の代表値および病変組織群の主
成分得点の代表値を比較し、測定部20から発せられる蛍
光の特性が、正常組織群から発せられる蛍光の特性に近
いものか、病変組織群から発せられる蛍光の特性に近い
ものかを判定する判定手段5より構成されており、この
判定手段5の判定結果は、例えば画像情報として可視画
像を表示する表示手段6に入力される。なお、蛍光導光
手段2および仮主成分情報算出手段3は、請求項記載の
仮主成分情報算出手段であり、本構成例では説明の便宜
から分離して構成している。
【0043】まず最初に、本発明による蛍光判定装置に
おける基本原理である主成分析および判定基準となる主
成分得点の算出方法を簡単に説明する。主成分分析と
は、変数ごとに与えられたデータで、データ全体が持っ
ている特徴を数量的に分析する方法であり、多変量解析
を行う際に使用される手法のひとつである。
【0044】説明を簡単にするために、下記の表1に示
すように、3個の変数から構成されているk個のデータ
群の主成分分析を行い、第1主成分得点、第2主成分得
点および第3主成分得点を算出する方法を説明する。
【0045】
【表1】
【0046】主成分分析を行う際には、まずデータの備
える特徴としての情報量の損失が最小になるように、第
1主成分fを決定する。具体的には、表1に示すデータ
から、fの分散が最大となるように、第1主成分fの固
有ベクトルA=(a1,a2,a3)のa1、a2およびa3の値を
決定する。なお、a1、a2およびa3は、 a12+a22+a32=1 を満たす様に算出される。このとき、各データの備える
情報量である第1主成分得点f1〜fkは、次式で表すこと
ができる。
【0047】 f1=a1・x11+a2・x12+a3・x13 f2=a1・x21+a2・x22+a3・x23 ・ fi=a1・xi1+a2・xi2+a3・xi3 ・ ・ fk=a1・xk1+a2・xk2+a3・xk3 各fiの値が違っていたほうが、各データの特徴がはっき
りわかるので、fの分散が最大になれば、最も多くの情
報量を第1主成分fで吸収することができる。
【0048】第2主成分も、同様に第1主成分では吸収
できない情報量に関して、情報量の損失が最小になるよ
うに、第2主成分gの固有ベクトルB=(b1,b2,b3)
のb1、b2およびb3の値が算出される。i番目のデータの
第2主成分得点をgiとすると gi=b1・xi1+b2・xi2+b3・xi3 と表すことができる。
【0049】第3主成分も同様に、第3主成分hの固有
ベクトルC=(c1,c2,c3)のc1、c2およびc3が算出さ
れ、i番目のデータの第3主成分得点をhiとすると、 hi=c1・xi1+c2・xi2+c3・xi3 と表すことができる。
【0050】具体的には、表1に示すデータから、分散
・共分散行列を求め、分散が最大化する固有値、固有ベ
クトルから、各主成分が計算される。固有値および固有
ベクトルの算出方法および情報量の定義等の詳細は、
「ホントにわかる多変量解析(長谷川勝也著、共立出版
株式会社発行)」に記載されている。
【0051】次に、基本的な構成を有する蛍光判定装置
において、記憶手段4に記憶されている蛍光判定の判定
基準となる既知性状組織の主成分得点の代表値の算出方
法を説明する。
【0052】生体組織に励起光L1が照射されていると
き、生体組織からは、図2にスペクトルを示すような自
家蛍光L2が発せられる。この自家蛍光L2は、FAD、コ
ラーゲン、ファイブロネクチン、ポルフィリン、等の種
々の生体内在色素からの蛍光が重畳したものと推測され
ており、図2に示すように、正常組織部と病変組織とで
は、蛍光スペクトルの大きさが異なると共に形状も異な
り、正常組織は自家蛍光L2が全体的に大きいが病変部は
自家蛍光L2が全体的に減少し、正常組織では、480nm
近傍にスペクトル強度のピークを有し、病変組織では、
630nm近傍にスペクトル強度のピークを有している。
【0053】蛍光判定を行う基準となる主成分得点の代
表値を算出するための蛍光スペクトルを検出するため
に、正常組織であるか病変組織であるかが明らかである
既知性状組織を各々k個用意する。これらの組織に波長
410nm近傍の励起光を照射し、これらの組織が発する
蛍光を採取し、分光してスペクトル強度を検出する。励
起光の波長範囲としては、380nm〜440nmの範囲
で、任意の波長を使用できるが、実際に測定部20から蛍
光を検出する際に使用する励起光と同一の波長であるこ
とが望ましい。
【0054】正常組織および病変組織から採取した蛍光
スペクトルから、波長440nmから720nmの範囲に渡
って、1nm毎のスペクトル強度を検出し、蛍光スペクト
ルデータを作成する。すなわち、k個の正常組織のスペ
クトルデータ群(yi1,yi2・・・yi280:i=1〜k)お
よびk個の病変組織のスペクトルデータ群(zi1,zi2・・
・zi280:i=1〜k)を作成する。この蛍光スペクトル
データ群に対して、各々主成分分析を行い、正常組織か
ら発せられた蛍光の主成分ベクトルおよび病変組織から
発せられた蛍光の主成分ベクトルを算出する。
【0055】図3は、実際に発明者が正常組織群から検
出した蛍光スペクトルデータ群から算出した第1主成分
ベクトル、第2主成分ベクトルおよび第3主成分ベクト
ルの固有ベクトルを、変数である波長毎にプロットした
ものである。また、図4は、病変組織群から検出した蛍
光スペクトルデータ群から算出した第1主成分ベクト
ル、第2主成分ベクトルおよび第3主成分ベクトルの固
有ベクトルを波長毎にプロットしたものである。
【0056】蛍光スペクトルデータは、440nmから7
20nmまで、1nm毎の280個の変数から構成されてい
るため、理論的には第280主成分まで計算可能ではあ
るが、発明者らが行った主成分分析では、図5に示すよ
うに、正常組織群であれば、第1主成分で、92.7%
の情報量が吸収でき、第3主成分まで含めれば、99.
9%の情報量が吸収でき、病変組織群でも、第3主成分
までで、99.6%の情報量が吸収できている。このた
め、第4主成分以降の主成分は、ほとんど意味のないも
のであるので、蛍光判定には第3主成分までを算出すれ
ば、十分な判定信頼度が得られる。通常少なくも第3主
成分情報まで主成分情報を用いて蛍光特性の判定を行う
ことにより、十分な信頼度が得られる。
【0057】なお、主成分分析を行った際に、正常組織
および病変組織の両者において、第1主成分で、すでに
100%近い情報量が吸収できている場合には、第2お
よび第3主成分を判定に使用する必要はなく、第1主成
分のみを用いて、蛍光の特性を判定することが可能であ
ることは言うまでもない。
【0058】正常組織群から検出した蛍光スペクトルデ
ータ群の主成分分析結果から、 第1主成分の固有ベクトルAn=(an1,an2,・・・,
an280) 第2主成分の固有ベクトルBn=(bn1,bn2,・・・,
bn280) 第3主成分の固有ベクトルCn=(cn1,cn2,・・・,
cn280) とすると、第1主成分の主成分得点fni は fni=an1・yi1+an2・yi2+・・・+an280・yi280 となる。
【0059】第1主成分得点fn1 〜fnk を算出し、第1
主成分得点fn1 〜fnk の平均値Pn1算出する。同様に第
2主成分得点の平均値Pn2 および第3主成分得点の平均
値Pn3 を算出し、平均値Pn1 、平均値Pn2 および平均値
Pn3 を、第1主成分得点の代表値、第2主成分得点の代
表値および第3主成分得点の代表値として、記憶手段4
へ記憶する。
【0060】さらに、病変常組織群から検出した蛍光ス
ペクトルデータ群の主成分分析結果から、 第1主成分の固有ベクトルAc=(ac1,ac2,・・・,
ac280) 第2主成分の固有ベクトルBc=(bc1,bc2,・・・,
bc280) 第3主成分の固有ベクトルCc=(cc1,cc2,・・・,
cc280) とすると、第1主成分の主成分得点fci は fci=ac1・zi1+ac2・zi2+・・・+ac280・zi280 となる。
【0061】第1主成分得点fc1 〜fck の平均値Pc1 を
算出し、同様に第2主成分得点の平均値Pc2 および第3
主成分得点の平均値Pc3 を算出し、代表値として記憶手
段4へ記憶する。
【0062】上記のように、正常組織群から算出された
主成分の固有ベクトルと病変組織群から算出された主成
分の固有ベクトルには、明確な差異が存在し、また蛍光
スペクトル強度にも差異が存在するため、主成分得点の
代表値も各々異なる値となる。この差異を利用して、測
定部20から発せられた蛍光の特性が、正常組織から発せ
られた蛍光の特性に近いものであるか、病変組織から発
生された蛍光の特性に近いものであるかを判定可能とな
る。
【0063】実際に判定を行う際には、まず、励起光照
射手段1から波長410nmの励起光L1が発せられ、測定
部20に励起光L1が照射される。測定部20からは生体内在
色素による自家蛍光L2が生じ、蛍光導光手段2により導
光され、仮主成分情報算出手段3に入射される。仮主成
分情報算出手段3では、この自家蛍光L2が正常組織から
発せられた蛍光であると仮定して算出した主成分得点で
ある仮正常第1主成分得点Pm1 、仮正常第2主成分得点
Pm2 および仮正常第3主成分得点Pm3 と、自家蛍光L2が
病変組織発せられた蛍光であると仮定して算出した主成
分得点である仮病変第1主成分得点Pd1、仮病変第2主
成分得点Pd2および仮病変第3主成分得点Pd3 を計算す
る。仮主成分情報算出手段3における仮主成分得点の算
出方法に関しては、具体的な実施の形態において作用を
説明する際に、その詳細を説明する。
【0064】判定手段5では、記憶手段4に記憶されて
いる正常組織における第1主成分得点の平均値Pn1 、第
2主成分得点の平均値Pn2 および第3主成分得点の平均
値Pn3 からなる集合(Pn1,Pn2,Pn3) と、主成分情報
算出部5で算出した仮正常第1主成分得点Pm1 、仮正常
第2主成分得点Pm2 および仮正常第3主成分得点Pm3か
らなる集合(Pm1,Pm2,Pm3) を比較し、2つの集合間
の距離として、例えばユークリッド距離DPm を次式から
計算する。 DPm={(Pn1−Pm1)2+(Pn2−Pm2)2+(Pn3−Pm
3)21/2
【0065】同様に、記憶手段4に記憶されている病変
組織における第1主成分得点の平均値Pc1 、第2主成分
得点の平均値Pc2 および第3主成分得点の平均値Pc3 か
らなる集合(Pc1,Pc2,Pc3) と、主成分情報算出部5
で算出した仮病変第1主成分得点Pd1 、仮病変第2主成
分得点Pd2 および仮病変第3主成分得点Pd3 からなる集
合(Pd1,Pd2,Pd3)のユークリッド距離DPd を次式か
ら計算する。 DPd={(Pc1−Pd1)2+(Pc2−Pd2)2+(Pc3−Pd
3)21/2
【0066】判定手段5では、ユークリッド距離DPm と
ユークリッド距離DPd の値を比較し、ユークリッド距離
DPm の方が小さければ、測定部20から発せられた蛍光の
特性は、正常組織から発せられた蛍光の特性に近いと判
定し、ユークリッド距離DPdの方が小さければ、測定部2
0から発せられた蛍光は、病変組織から発せられた蛍光
の特性に近いと判定する。
【0067】従って、広い波長域に亘る蛍光の情報を利
用できると共に、主成分分析を行う演算途中では、ゼロ
割り算をするという演算エラーが発生することがないた
め、安定した演算処理により、蛍光特性の判定を実行で
き、判定の信頼度を向上させることができる。また、励
起光源としてGaN系半導体レーザを用いることによ
り、装置を小型化することができるとともに、低価格化
が可能である。
【0068】次に、蛍光強度比スペクトルを用いて蛍光
判定を行なう第2の基本的な構成を有する蛍光判定装置
について説明する。第2の基本的な構成を有する蛍光判
定装置の構成は、第1の基本的な構成を有する蛍光判定
装置の構成とほぼ同様であるため、作用のみを説明す
る。なお各手段は図1に併記されている。
【0069】図6は、正常組織および病変組織の蛍光強
度比スペクトルを示すものである。正常組織に励起光L1
を照射し、発せられた自家蛍光L2の蛍光スペクトルを検
出し、その蛍光スペクトルから、蛍光スペクトルの全蛍
光強度に対する波長毎の蛍光強度比から成る蛍光強度ス
ペクトルを算出する。すなわち蛍光強度スペクトルは、
蛍光の全波長領域に亘る蛍光強度の積分値と波長領域毎
の蛍光強度の積分値との相対強度を示すものである。正
常組織から検出した蛍光スペクトルからは正常組織の蛍
光強度比スペクトルが得られ、また同様に病変組織から
発せられた蛍光スペクトルから、病変組織の蛍光強度比
スペクトルが得られる。
【0070】まず蛍光判定を行う基準となる蛍光強度比
スペクトルから算出された主成分得点の代表値を作成す
るために、正常組織であるか病変組織であるかが明らか
である生体組織を各々k個用意し、これらの組織から採
取した蛍光を分光し、スペクトル強度を検出し蛍光スペ
クトルを作成する。この蛍光スペクトルの蛍光強度比ス
ペクトルを作成し、さらに、1nm毎のスペクトル強度か
ら成る蛍光強度比スペクトルデータを作成する。すなわ
ち、k個の正常組織の蛍光強度比スペクトルデータ群
と、k個の病変組織の蛍光強度比スペクトルデータ群が
作成される。この蛍光強度比スペクトルデータ群に対し
て、各々主成分分析を行い、正常組織から発せられた蛍
光の蛍光強度比スペクトルおよび病変組織から発せられ
た蛍光の蛍光強度比スペクトルから主成分ベクトルを算
出する。
【0071】図7は、実際に発明者が正常組織群の蛍光
強度比スペクトルデータ群から算出した第1主成分ベク
トル、第2主成分ベクトルおよび第3主成分ベクトルの
固有ベクトルを変数である波長毎にプロットしたもので
ある。また、図8は、病変組織から検出した蛍光強度比
スペクトルデータ群から算出した第1主成分ベクトル、
第2主成分ベクトルおよび第3主成分ベクトルの固有ベ
クトルを波長毎にプロットしたものである。
【0072】蛍光強度比スペクトルデータは、440nm
から720nmまで、280個の変数から構成されている
ため、理論的には第280主成分まで計算可能ではある
が、図9に示すように、正常組織群であれば、第1主成
分で、92.4%の情報量が吸収でき、第3主成分まで
含めれば、99.9%の情報量が吸収でき、病変組織で
も、第3主成分までで、97.6%の情報量が吸収でき
ている。このため、第4主成分以降の主成分は、ほとん
ど意味のないものであるので、蛍光判定には第3主成分
までを算出すれば、十分な判定信頼度が得られる。な
お、第1主成分までで、100%近い情報量が吸収でき
る場合には、第1主成分のみを用いて蛍光判定が可能で
あることは言うまでもない。
【0073】正常組織群から検出した蛍光強度比スペク
トルデータ群と、該蛍光強度比スペクトル群から算出さ
れた第1主成分の固有ベクトルから、第1主成分得点f'
ni(i=1〜k)が算出できる。これより、正常組織の
第1主成分得点f'n1〜f'nkの平均値P'n1を算出し、記憶
手段8へ記憶する。
【0074】同様に第2主成分得点の平均値P'n2および
第3主成分得点の平均値P'n3を算出し、記憶手段8へ記
憶する。
【0075】さらに、病変組織群から検出した蛍光から
蛍光強度比スペクトルを算出し、該蛍光強度比スペクト
ルの主成分分析を行い、病変組織の第1主成分得点の平
均値P'c1、第2主成分得点の平均値P'c2および第3主成
分得点の平均値P'c3を算出し、記憶手段8へ記憶する。
【0076】実際に判定を行う際には、仮主成分情報算
出手段7では、検出した自家蛍光から、その蛍光が正常
組織から発せられた蛍光である仮定して、その蛍光の蛍
光強度スペクトルから算出した主成分得点である仮正常
第1主成分得点P'm1、仮正常第2主成分得点P'm2および
仮正常第3主成分得点P'm3と、検出した自家蛍光から、
その蛍光が病変組織から検出した蛍光である仮定して、
その蛍光の蛍光強度比スペクトルから算出した主成分得
点である第1主成分得点P'd1、仮病変第2主成分得点P'
d2および仮病変第3主成分得点P'd3を計算する。
【0077】判定手段9では、記憶手段8に記憶されて
いる正常組織における第1主成分得点の平均値P'n1 、
第2主成分得点の平均値P'n2 および第3主成分得点の
平均値P'n3からなる集合(Pn'1,Pn'2,P'n3)と、仮主
成分情報算出部3で算出した仮正常第1主成分得点P'm
1、仮正常第2主成分得点P'm2および仮正常第3主成分
得点P'm3からなる集合(Pm'1,Pm'2,Pm'3) の距離と
して、例えばユークリッド距離DP'm を算出する。ま
た、記憶手段8に記憶されている病変組織における蛍光
強度比スペクトルから算出された主成分得点の平均値の
集合(Pc'1,P'c2,P'c3)と、仮主成分情報算出手段7
で算出した仮病変主成分得点の集合(P'd1,P'd2,P'd
3)のユークリッド距離DP'dを計算する。
【0078】さらに、判定手段9では、ユークリッド距
離D'Pmとユークリッド距離DP'dの値を比較し、ユークリ
ッド距離DP'mの方が小さければ、測定部20から発せられ
た蛍光の特性は、正常組織から発せられた蛍光の特性に
近いと判定し、ユークリッド距離DP'dの方が小さけれ
ば、測定部20から発せられた蛍光は、病変組織から発せ
られた蛍光の特性に近いと判定する。
【0079】従って、ゼロ割り算による演算エラーが発
生することのない、安定した演算処理により、蛍光特性
の判定を実行できるとともに、蛍光強度比スペクトルか
ら算出した主成分得点を判定基準として使用しているた
め、測定時の測定距離や測定角度等の諸条件の影響を受
けにくく、判定結果の信頼度が一層向上する。
【0080】次に、蛍光スペクトルおよび蛍光強度比ス
ペクトルから算出された主成分得点をを用いて蛍光判定
を行なう、第3の基本的な構成を有する蛍光判定装置に
ついて説明する。第3の基本的な構成を有する蛍光判定
装置の構成は、第1の基本的な構成を有する蛍光判定装
置の構成とほぼ同様であるため、作用のみを説明する。
なお各手段は図1に併記されている。
【0081】まず、第1の基本的な構成を有する蛍光判
定装置と同様の算出方法で、予め正常組織群の蛍光スペ
クトルから第1主成分得点の平均値Pn1 、第2主成分得
点の平均値Pn2 および第3主成分得点の平均値Pn3 を算
出し、記憶手段11へ記憶する。また、第2の基本的な構
成を有する蛍光判定装置と同様な算出方法で、正常組織
群の蛍光強度比スペクトルから第1主成分得点の平均値
P'n1、第2主成分得点の平均値P'n2および第3主成分得
点の平均値P'n3を算出し、記憶手段11へ記憶する。
【0082】同様に、病変常組織群の第1主成分得点の
平均値をPc1 、第2主成分得点の平均値Pc2 、第3主成
分得点の平均値Pc3 、第1主成分得点の平均値をP'c1、
第2主成分得点の平均値P'c2および第3主成分得点の平
均値P'c3を算出し、記憶手段11へ記憶する。
【0083】実際に判定を行う際には、仮主成分情報算
出手段10では、仮主成分情報算出手段3および仮主成分
情報算出手段7と同様の算出方法で、仮正常第1主成分
得点Pm1 、仮正常第2主成分得点Pm2 、仮正常第3主成
分得点Pm3 、仮病変第1主成分得点Pd1 、仮病変第2主
成分得点Pd2 、仮病変第3主成分得点Pd3 、仮正常第1
主成分得点P'm1、仮正常第2主成分得点P'm2、仮正常第
3主成分得点P'm3、仮病変第1主成分得点P'd1、仮病変
第2主成分得点P'd2および仮病変第3主成分得点P'd3を
計算する。
【0084】判定手段12では、記憶手段11に記憶されて
いる正常組織における主成分得点の集合(Pn1,Pn2,Pn
3,Pn'1,Pn'2,P'n3) と、仮主成分情報算出部3で算
出した測定部20が正常組織あると仮定した場合の主成分
得点の集合(Pm1,Pm2,Pm3,Pm'1,Pm'2,Pm'3) のユ
ークリッド距離DP"mと、記憶手段4に記憶されている病
変組織における主成分得点の平均値の集合(Pc1,Pc2,
Pc3,Pc'1,P'c2,P'c3)と、仮主成分情報算出部3で
算出した、測定部20が病変組織であると仮定した場合の
主成分得点の集合(Pd1,Pd2,Pd3,P'd1,P'd2,P'd
3) のユークリッド距離DP"dを計算する。
【0085】さらに、判定手段12では、ユークリッド距
離D"Pmとユークリッド距離DP"dの値を比較し、ユークリ
ッド距離DP"mの方が小さければ、測定部20から発せられ
た蛍光の特性は、正常組織から発せられた蛍光の特性に
近いと判定し、ユークリッド距離DP"dの方が小さけれ
ば、測定部20から発せられた蛍光は、病変組織から発せ
られた蛍光の特性に近いと判定する。
【0086】従って、通常の蛍光スペクトルおよび蛍光
強度比スペクトルを主成分分析することにより得られた
主成分情報に基づいて、測定部から発せられた蛍光の特
性を判定するため、ゼロ割り算をするという演算エラー
が発生することがなく、安定した演算処理により、蛍光
特性の判定を実行できるとともに、蛍光スペクトルのス
ペクトル強度およびスペクトル波形の両者の特性を加味
して、蛍光特性を判定することができ、蛍光特性の判定
の信頼度をさらに、向上させることができる。
【0087】また、蛍光スペクトルおよび蛍光強度比ス
ペクトルから算出された主成分得点を用いて蛍光判定を
行なう、第3の蛍光判定装置の変形例として、第1の基
本的な構成を有する蛍光判定装置における判定方法及び
第2の基本的な構成を有する蛍光判定装置における判定
方法を組み合わせ、第1の基本的な構成を有する蛍光判
定装置における判定方法および第2の基本的な構成を有
する蛍光判定装置における判定方法の両者で測定部20か
ら発せられた蛍光の特性が正常組織から発せられた蛍光
の特性に近いと判定された場合のみ、測定部20から発せ
られた蛍光の特性は、正常組織から発せられた蛍光に近
いと判定し、第1の基本的な構成を有する蛍光判定装置
における判定方法または第2の基本的な構成を有する蛍
光判定装置における判定方法の何れかにおいて、病変組
織から発せられた蛍光に近いと判定された場合には、20
から発せられた蛍光の特性は病変組織から発せられた蛍
光に近いと判定する蛍光判定装置が考えられる。
【0088】上記構成の蛍光判定装置では、病変組織か
ら発せられた蛍光を正常組織から発せられた蛍光に近い
と誤判定する可能性が低いため、例えば、既往症を有す
る生体において蛍光判定を行う場合など、測定部が病変
組織である可能性の高い場合に好適である。
【0089】また、他の変形例として、第1の基本的な
構成を有する蛍光判定装置における判定方法及び第2の
基本的な構成を有する蛍光判定装置における判定方法を
組み合わせ、第1の基本的な構成を有する蛍光判定装置
における判定方法および第2の基本的な構成を有する蛍
光判定装置における判定方法の両者で測定部20から発せ
られた蛍光の特性が病変組織から発せられた蛍光の特性
に近いと判定された場合のみ、測定部20から発せられた
蛍光の特性は、病変組織から発せられた蛍光に近いと判
定し、第1の基本的な構成を有する蛍光判定装置におけ
る判定方法または第2の基本的な構成を有する蛍光判定
装置における判定方法の何れかにおいて、正常組織から
発せられた蛍光に近いと判定された場合には、測定部20
から発せられた蛍光の特性は正常組織から発せられた蛍
光に近いと判定する蛍光判定装置が考えられる。
【0090】上記構成の蛍光判定装置では、正常組織か
ら発せられた蛍光を病変組織から発せられた蛍光に近い
と誤判定する可能性が低いため、例えば、測定部が病変
組織である可能性の低い場合に好適である。
【0091】次に、1種類の既知性状組織から主成分情
報として主成分得点の平均値および分散を算出し、該平
均値および分散に基づいて測定部から発せられた蛍光の
特性が既知性状組織から検出された蛍光の特性に近いも
のか否かを判定する第4の基本的な構成を有する蛍光判
定装置について説明する。第4の基本的な構成を有する
蛍光判定装置の構成は、第1の基本的な構成を有する蛍
光判定装置の構成とほぼ同様であるため、作用のみを説
明する。なお各手段は図1に併記されている。
【0092】まず蛍光判定を行う基準となる主成分得点
の平均値および分散を作成するために、組織性状が明ら
かである生体組織、例えば正常組織をk個用意する。こ
れらの組織から採取した蛍光から蛍光スペクトルデータ
を作成する。この蛍光スペクトルデータ群に対して、主
成分分析を行い、第1の基本的な構成を有する蛍光判定
装置と同様の算出手順で、第1主成分得点の平均値Pn1
と分散σn1 、第2主成分得点の平均値Pn2と分散σn2
および第3主成分得点の平均値Pn3と分散σn3を算出
し、記憶手段14へ記憶する。
【0093】実際に判定を行う際には、仮主成分情報算
出手段13では、検出した自家蛍光から、その蛍光が正常
組織から発せられた蛍光である仮定して算出した主成分
得点である仮正常第1主成分得点Pm1 、仮正常第2主成
分得点Pm2 および仮正常第3主成分得点Pm3 を計算す
る。
【0094】判定手段15では、記憶手段11に記憶されて
いる正常組織に第1主成分得点の平均値Pn1 と分散σn1
、第2主成分得点の平均値Pn2 と分散σn2 および第3
主成分得点の平均値Pn3 と分散σn3と、仮主成分情報算
出手段13で算出した仮正常第1主成分得点Pm1 、仮正常
第2主成分得点Pm2 および仮正常第3主成分得点Pm3か
ら、次式により判定基準値PNを計算する。
【0095】PN={(Pm1−Pn1)/α・σn1}2+{(P
m2−Pn2)/β・σn2}2+{(Pm3−Pn3)/γ・σn3}
2 但し、α、βおよびγは、測定者が適宜所望の値を設定
可能である。
【0096】判定手段15では、判定基準値PN≦1であれ
ば、測定部20から発せられ蛍光の特性は正常組織から検
出された蛍光の特性に近いと判定し、判定基準値PN>1
であれば、測定部20から発せられた蛍光の特性は正常組
織から検出された蛍光の特性と異なると判定する。
【0097】従って、ゼロ割り算による演算エラーが発
生することのない、安定した演算処理により、蛍光特性
の判定を実行できるとともに、装置構成および判定処理
が簡略化できるので、蛍光判定装置の低価格化が可能と
なる。
【0098】また、判定基準となる既知性状組織として
は、正常組織に限定されず、既知性状組織であれば、ど
のような性状組織であってもよい。例えば特定の病変組
織から検出した蛍光スペクトルから算出した主成分得点
および分散を判定基準として用いれば、測定部から発せ
られた蛍光の特性が、その病変組織から検出された蛍光
の特性にどの程度近い特性を備えているかを判定でき
る。
【0099】また第4の蛍光判定装置の変形例として、
蛍光スペクトルに代わり、蛍光スペクトルの全蛍光強度
に対する波長毎の蛍光強度比からなる蛍光強度比スペク
トルから算出した主成分得点および分散を判定基準とし
て用いて蛍光特性の判定を行う蛍光判定装置がある。こ
の場合には第4の蛍光判定装置の効果に加え、測定時の
測定距離や測定角度等の諸条件の影響を受けにくく、判
定結果の信頼度が一層向上するという効果が得られる。
【0100】さらに、他の変形例として、蛍光スペクト
ルおよび蛍光強度比スペクトルから算出した主成分得点
および分散を判定基準として用いる蛍光判定装置も考え
られ、蛍光スペクトルのスペクトル強度およびスペクト
ル波形の両者の特性を加味して、蛍光特性を判定するこ
とができ、蛍光特性の判定の信頼度をさらに、向上させ
ることができる。
【0101】なお、上記説明は、生体に蛍光診断薬を注
入することなく、生体の自家蛍光を用いて判定を行う場
合について説明したが、蛍光診断薬を注入した生体から
発せられる薬剤蛍光を用いて判定を行う蛍光判定装置に
も同様に適用が可能である。この場合には、予め蛍光診
断薬を注入された生体に、所定の励起波長を有する励起
光を照射し、生体から発せられる薬剤蛍光を検出して、
判定を行うことができる。
【0102】次に図10〜図12を参照して、本発明による
蛍光判定装置を適用した第1の具体的な実施の形態であ
る内視鏡装置について説明する。図10は本発明による蛍
光判定装置を適用した内視鏡装置の概略構成図であり、
蛍光診断薬が注入されていない生体測定部に励起光を照
射して、これにより生じた生体内在色素からの自家蛍光
を石英ファイバにより検出することにより、生体部位の
一点から発せられた蛍光の特性を判定するものである。
【0103】本発明の実施の形態にかかる内視鏡装置
は、患者の病巣と疑われる部位に挿入される内視鏡100
、通常像観察用白色光および蛍光測定用励起光を発す
る光源を備える照明ユニット110 、励起光と測定した蛍
光の光路を分ける光路分離部120、蛍光判定時に前記励
起光により生体測定部から生じた蛍光を受光し、仮主成
分得点を算出する仮主成分得点算出ユニット130 、予め
記憶されている主成分得点の代表値と算出した仮主成分
得点を比較して、蛍光特性の判定を行う判定ユニット14
0 、通常画像をおよび蛍光判定結果を可視画像として表
示するための画像処理を行う画像処理ユニット150 、
各ユニットに接続され、動作タイミングの制御を行うコ
ントローラ160 、画像処理ユニット150 で処理された通
常画像情報を可視画像として表示するモニタ170 、蛍光
特性の判定結果を表示するモニタ180、励起光および蛍
光を導光する石英ファイバ190 から構成されている。
【0104】内視鏡100 は、内部に先端まで延びるライ
トガイド101 、CCDケーブル102および石英ファイバ1
90 が貫通している鉗子口103 を備えている。ライトガ
イド101 およびCCDケーブル102 の先端部、即ち内視
鏡100 の先端部には、照明レンズ104 および対物レンズ
105 を備えている。CCDケーブル102 の先端部には、
CCD撮像素子106 が接続され、該CCD撮像素子106
には、ミラー107 が取り付けられている。ライトガイド
101 の一端は照明ユニット110 へ接続され、CCDケー
ブル102 の一端は、画像処理ユニット150 に接続されて
いる。
【0105】照明ユニット110 は、通常像観察用の白色
光L3を発する白色光源111 、該白色光源111 に電気的に
接続された白色光源用電源112 、蛍光観察用の励起光L1
を発する励起光源としてのGaN系半導体レーザ114 お
よび該GaN系半導体レーザ114 に電気的に接続されて
いる半導体レーザ用電源115 を備えている。
【0106】光路分離部120 はGaN系半導体レーザ11
4 から出力される励起光L1を石英ファイバ190 へ入射さ
せ、また逆に石英ファイバ190 を通ってくる蛍光を仮主
成分得点算出ユニット130 へ透過させるダイクロイック
ミラー121 を備える。
【0107】仮主成分得点算出ユニット130 は、石英フ
ァイバ190 を経た蛍光L2から励起光近傍の波長をカット
する励起光カットフィルタ131 、該励起光カットフィル
タ131 を透過した蛍光L2を分光する分光器133 、分光器
133 で分光された蛍光L2のスペクトル強度を測定する光
検出器134 、予め算出された正常組織の第1主成分の固
有ベクトルAn=(an1,an2,・・・,an280 )、第2
主成分の固有ベクトルBn=(bn1,bn2,・・・,bn28
0) および第3主成分の固有ベクトルCn=(cn1,cn
2,・・・,cn280) と、病変組織の第1主成分の固有
ベクトルAc=(ac1,ac2,・・・,ac280) 、第2主
成分の固有ベクトルBc=(bc1,bc2,・・・,bc28
0) および第3主成分の固有ベクトルCc=(cc1,cc
2,・・・,cc280) を記憶している記憶部135 、光検
出器134 で検出した蛍光L2のスペクトル強度と記憶部13
5 に記憶されている正常組織の主成分の固有ベクトルお
よび病変組織の主成分の固有ベクトルから仮正常主成分
得点および仮病変主成分得点を算出する仮主成分得点算
出部136 を備えている。
【0108】判定ユニット140 は、予め算出された正常
組織の主成分得点の代表値として第1主成分得点の平均
値Pn1 、第2主成分得点の平均値Pn2 および第3主成分
得点の平均値Pn3 と病変組織の主成分得点の代表値とし
て第1主成分得点の平均値Pc1 、第2主成分得点の平均
値Pc2 および第3主成分得点の平均値Pc3 を記憶してい
る記憶部141 と、仮主成分得点算出部136 で算出された
仮主成分得点と記憶部141 に記憶されている主成分得点
の代表値を比較し、測定部21から発せられた蛍光の特性
を判定する蛍光判定部142 を備えている。
【0109】上記記憶部141 に記憶されている主成分得
点の代表値は、図1に示した第1の基本的な構成を有す
る蛍光判定装置における記憶手段4に記憶されている主
成分得点の代表値と同一である。
【0110】また、上記記憶部135 に記憶されている主
成分ベクトルの固有ベクトルは、第1の基本的な構成を
有する蛍光判定装置において、主成分得点を算出するた
めに、蛍光スペクトルから算出した主成分の固有ベクト
ルと同一である。
【0111】画像処理ユニット150 は、CCD撮像素子
106 で得られた映像信号をデジタル化するA/D 変換回路
151 、デジタル化された通常画像信号を保存する通常画
像メモリ152 、該通常画像メモリ152 から出力された画
像信号および蛍光判定部142の判定結果をビデオ信号に
変換するビデオ信号処理回路153 を備えている。
【0112】以下、本発明による蛍光判定装置を適用し
た上記構成の内視鏡装置の作用について説明する。最初
に、本内視鏡装置の通常像観察時の作用を説明する。通
常観察時には、コントローラ160 からの信号に基づき白
色光源電源112 が駆動され、白色光源111 から白色光L3
が射出される。白色光L3は、レンズ113 を経てライトガ
イド101 に入射され、内視鏡先端部まで導光された後、
照明レンズ104 から測定部21を含む観察部10へ照射され
る。
【0113】白色光L3の反射光は対物レンズ105 によっ
て集光され、ミラー107 により、光路を直角に反射さ
れ、CCD撮像素子106 に結像される。CCD撮像素子
106 からの映像信号はA/D 変換回路151 へ入力され、デ
ジタル化された後、通常画像メモリ152 により保存され
る。該通常画像メモリ152 により保存された通常画像信
号は、ビデオ信号発生回路153 によってDA変換後にモニ
タ170 に入力され、該モニタ170 に可視画像として表示
される。上記一連の動作は、コントローラ160 によって
制御される。
【0114】次に、自家蛍光特性の判定時の作用につい
て説明する。コントローラ160 からの信号に基づき、励
起光源電源115 が駆動され、GaN系半導体レーザ114
から波長410nmの励起光L1が射出される。励起光L1
は、レンズ116 を透過し、ダイクロイックミラー121 に
向かう。ダイクロイックミラー121 で反射された励起光
L1は、レンズ122 によって石英ファイバ190 に入射さ
れ、内視鏡の鉗子口103 内を経て、測定部21近傍まで導
光され、石英ファイバ190 先端から測定部21へ照射され
る。
【0115】励起光L1を照射されることにより生じる測
定部21からの蛍光L2は、石英ファイバ190 の先端に入射
され、石英ファイバ190 およびレンズ122 を経て、ダイ
クロイックミラー121 へ向かう。このダイクロイックミ
ラー121 は、図中左側から入射した光線は、透過させる
構造を備えているものである。該ダイクロイックミラー
121 を通過した蛍光L2は、励起光カットフィルタ131 お
よびレンズ132 を通過し、分光器133 へ入射する。な
お、励起光カットフィルタ131 は、波長440nm以上の
全蛍光を透過するロングパスフィルタである。励起光L1
の波長は410nmであるため、測定部21で反射された励
起光L1は、この励起光カットフィルタ131でカットさ
れ、分光器133 入射することはない。
【0116】光検出器134 では、分光器133 で分光され
た蛍光スペクトルのスペクトル強度を1nm毎に計測し、
蛍光スペクトルデータ(xp1、xp2・・・xp280) を作成
し、仮主成分得点算出部136 へ出力する。
【0117】仮主成分得点算出部136 では、まず記憶部
135 に記憶された正常組織から算出された主成分の固有
ベクトルを用いて、測定部21から検出された蛍光スペク
トルデータ(xp1、xp2・・・xp280) が、正常組織から
検出した蛍光スペクトルデータに属していると仮定した
場合の主成分得点を計算する。具体的には、まず、正常
組織から算出した第1主成分の固有ベクトルAn=(an
1,an2,・・・,an280)を用いて、 仮正常第1主成分得点Pp1=an1・xp1+an2・xp2+・・
・+an280・xp280 を算出する。
【0118】また同様に、正常組織の第2主成分の固有
ベクトルBn=(bn1,bn2,・・・,bn280)を用い
て、 仮正常第2主成分得点Pp2=bn1・xp1+bn2・xp2+・・
・+bn280・xp280 を算出し、正常組織の第3主成分の固有ベクトルCn=
(cn1,cn2,・・・,cn280)を用いて、 仮正常第3主成分得点Pp3=cn1・xp1+cn2・xp2+・・
・+cn280・xp280 を算出する。
【0119】さらに、仮主成分得点算出部136 では、記
憶部135 に記憶された病変組織から算出された主成分の
固有ベクトルを用いて、測定部21から検出された蛍光ス
ペクトルデータが、病変組織から検出した蛍光スペクト
ルデータに属していると仮定した場合の主成分得点を計
算する。具体的には、記憶部135 に記憶された病変組織
の第1主成分の固有ベクトルAc=(ac1,ac2,・・・a
c280)を用いて、 仮病変第1主成分得点Pq1=ac1・xp1+ac2・xp2+・・
・+ac280・xp280 を算出する。
【0120】また同様に、病変組織の第2主成分の固有
ベクトルBc=(bc1,bc2,・・・,bc280)を用い
て、 仮病変第2主成分得点Pq2=bn1・xp1+bn2・xp2+・・
・+bn280・xp280 を算出し、正常組織の第3主成分の固有ベクトルCc=
(cc1,cc2,・・・,cc280)を用いて、 仮病変第3主成分得点Pq3=cn1・xp1+cn2・xp2+・・
・+cn280・xp280 を算出する。
【0121】蛍光判定部142 では、記憶部141 に記憶さ
れている正常組織における第1主成分得点の平均値Pn1
、第2主成分得点の平均値Pn2 および第3主成分得点
の平均値Pn3 からなる集合(Pn1,Pn2,Pn3)と、仮主
成分得点算出部136 で算出した仮正常第1主成分得点Pp
1、仮正常第2主成分得点Pp2および仮正常第3主成分得
点Pp3からなる集合(Pp1,Pp2,Pp3)のユークリッド距
離DPpを計算する。
【0122】同様に、記憶部141 に記憶されている病変
組織における第1主成分得点の平均値Pc1 、第2主成分
得点の平均値Pc2 および第3主成分得点の平均値Pc3 か
らなる集合(Pc1,Pc2,Pc3) と、仮主成分得点算出部
136 で算出した仮病変第1主成分得点Pd1 、仮病変第2
主成分得点Pd2 および仮病変第3主成分得点Pd3 からな
る集合(Pd1,Pd2,Pd3)のユークリッド距離DPd を次
式から計算する。
【0123】さらに蛍光判定部142 では、ユークリッド
距離DPp とユークリッド距離DPd の値を比較し、ユーク
リッド距離DPp の方が小さければ、測定部21から発せら
れた蛍光の特性は、正常組織から発せられた蛍光の特性
に近いと判定され、ユークリッド距離DPd の方が小さけ
れば、測定部21から発せられた蛍光の特性は、病変組織
から発せられた蛍光の特性に近いと判定される。
【0124】判定結果は、モニタ180 に表示される。ま
た、モニタ180 には、判定結果に加え、測定部21から発
せられた蛍光スペクトルの蛍光スペクトルデータや、記
憶部135 および記憶部141 の記憶内容、さらに仮主成分
得点算出における演算処理内容等を測定者の操作によ
り、適宜表示することができる。
【0125】従って、石英ファイバにより導光された蛍
光の蛍光スペクトルと、記憶部135に予め記憶されてい
る正常組織および病変組織から算出したの主成分ベクト
ルの固有ベクトルとに基づいて仮主成分得点を算出する
ことにより、測定部21から発せられ蛍光を1点毎に検出
し、特性を判定できるので、所望の部位から発せられる
蛍光の特性を精度良く判定可能となる。
【0126】なお、本構成においては、GaN系半導体
レーザ114 および白色光源112 を別個の構成としたが、
照明ユニット110 の代わりに、図11に示すような照明
ユニット200 を用いることにより、光源を兼用すること
ができる。照明ユニット200では、白色光源電源201 に
駆動された白色光源202 から射出された白色光は、図12
に示す切換フィルタ203 の白色光透過部203aまたは励起
光透過部203bを透過し、ダイクロイックミラー204 によ
り、レンズ205 またはレンズ206 方向の光路に分離さ
れ、ライトガイド101 および光路分離部120 のタ゛イクロイック
ミラー121 に入射する。白色光が必要な場合には、コント
ローラ160 により、フィルタ回転装置207の回転位置を
制御し、白色光透過部203aを光路上に配値する。一方励
起光が必要な場合には、410nm近傍の光のみを透過さ
せるバンドパスフィルタである励起光透過部203bを光路
上に配置する。
【0127】また、励起光導光用のファイバと蛍光導光
用のファイバを分離することや、通常像をイメージファ
イバにより取得する等の本発明の基本構成内での変更が
可能であることは言うまでもない。
【0128】次に、蛍光判定部142 の変形例について説
明する。上記蛍光判定部142 では、正常組織群から算出
された主成分得点の平均値からなる集合と、仮主成分得
点からなる集合間のユークリッド距離DPp と、病変組織
群から算出された主成分得点の平均値からなる集合と、
仮主成分得点からなる集合間のユークリッド距離DPqと
を算出し、ユークリッド距離DPp とユークリッド距離DP
q との大小関係から、測定部21から発せられる蛍光の特
性が、正常組織から発せられる蛍光の特性と病変組織か
ら発せられる蛍光の特性の何れに近いものであるかを判
定したが、例えば次式により、判定結果を連続値として
表すこともできる。
【0129】正常組織群に属する判定値={1−DPp/
(DPp+DPq)}・100 病変組織群に属する判定値={1−DPq/(DPp+DP
q)}・100 また、正常組織群から算出した主成分得点の平均値間の
比率からなる集合(Pn2/Pn1,Pn3/Pn1/Pn3,Pn3/Pn
2) と、仮主成分得点間の比率からなる集合(Pp2/Pp
1,Pp3/Pp1,Pp3/Pp2)間のユークリッド距離DPRp
と、病変組織群から算出した主成分得点の平均値間の比
率からなる集合(Pc2/Pc1,Pc3/Pc1/Pc3,Pc3/Pc
2)と、仮主成分得点間の比率からなる集合(Pq2/Pq
1,Pq3/Pq1,Pq3/Pq2) 間のユークリッド距離DPRqを
算出し、ユークリッド距離DPRpとユークリッド距離DPRq
との大小関係から蛍光の特性を判定したり、連続的な判
定値を算出することもできる。さらに、2つの集合間の
距離として、ユークリッド距離に代えて、例えば2つの
母集団の平均ベクトルおよび共分散行列から算出される
マハラノビス距離等を用いることもできる。
【0130】次に図13〜図16を参照して、本発明による
蛍光判定検出装置を適用した第2の具体的な実施の形態
である内視鏡装置について説明する。図13は本発明によ
る蛍光判定装置を適用した内視鏡装置の概略構成図であ
り、蛍光診断薬が注入されていない生体測定部に励起光
を照射して、これにより生じた生体内在色素からの自家
蛍光をイメージファイバにより2次元的に検出し、高感
度撮像素子で受光して、各画素毎に蛍光の特性を判定す
るものである。
【0131】本発明の第2の実施の形態にかかる内視鏡
装置は、患者の病巣と疑われる部位に挿入される内視鏡
300 、通常像観察用白色光および蛍光測定用励起光を発
する光源を備える照明ユニット310 、蛍光判定時に前記
励起光により生体測定部から生じた蛍光を受光し、仮主
成分得点を算出する仮主成分得点算出ユニット320 、予
め記憶されている主成分得点の代表値と算出した仮主成
分得点を比較して、蛍光特性の判定を行う判定ユニット
330 、通常画像をおよび蛍光判定結果を可視画像として
表示するための画像処理を行う画像処理ユニット340 、
各ユニットに接続され、動作タイミングの制御を行うコ
ントローラ350 、画像処理ユニット340で処理された通
常画像情報を可視画像として表示するモニタ170 、蛍光
特性の判定結果を表示するモニタ180 から構成されてい
る。
【0132】内視鏡300 は、内部に先端まで延びるライ
トガイド301 、CCDケーブル302およびイメージファ
イバ303 を備えている。ライトガイド301 およびCCD
ケーブル302 の先端部、即ち内視鏡300 の先端部には、
照明レンズ304 および対物レンズ305 を備えている。ま
た、イメージファイバ303 の先端部には集光レンズ306
を備えている。CCDケーブル302 の先端部には、CC
D撮像素子307 が接続され、該CCD撮像素子307 に
は、ミラー308 が取り付けられている。ライトガイド30
1 は、白色光ライトガイド301aおよび励起光ライトガイ
ド301bがバンドルされ、ケーブル状に一体化されてお
り、白色光ライトガイド301aおよび励起光ライトガイド
301bは照明ユニット310 へ接続されている。CCDケー
ブル302 の一端は、画像処理ユニット340 に接続され、
イメージファイバ303 の一端は、仮主成分算出ユニット
320 へ接続されている。
【0133】照明ユニット310 は、通常像観察用の白色
光L3を発する白色光源311 、該白色光源311 に電気的に
接続された白色光源用電源312 、蛍光観察用の励起光L4
を発するGaN系半導体レーザ314 および該GaN系半
導体レーザ314 に電気的に接続されている半導体レーザ
用電源315 を備えている。
【0134】仮主成分得点算出ユニット320 は、イメー
ジファイバ303 を経た蛍光L5から励起光近傍の波長をカ
ットする励起光カットフィルタ321 、12枚の透過率の
異なる光学フィルタから構成される切換フィルタ323 、
該切換フィルタ323 を回転させるフィルタ回転装置324
、切換フィルタ323 を透過した蛍光を受光するCCD
撮像素子325 、該CCD撮像素子325 で受光された蛍光
信号をデジタル化するA/D 変換回路326 、蛍光画像を記
憶する蛍光画像メモリ327 、蛍光画像メモリ327に記憶
された値から仮主成分得点を算出する仮主成分得点算出
部328 を備えている。
【0135】上記切換フィルタ323 は図14に示すよう
な、扇形の12枚の光学フィルタ323a〜323lから構成
され、各光学フィルタの透過特性は、既知正常組織群ま
たは既知病変組織群から発せられた蛍光から算出された
主成分ベクトルの固有ベクトルを反映させたものであ
る。図15に示すように、光学フィルタ323aの透過特性
は、正常組織群から発せられた蛍光の第1主成分の固有
ベクトルに対応し、光学フィルタ323bの透過特性は、正
常組織から発せられた蛍光の第2主成分のプラス領域
(第2主成分-1)の固有ベクトルに対応し、光学フィル
タ323cの透過特性は、正常組織から発せられた蛍光の第
2主成分のマイナス領域(第2主成分-2)の固有ベクト
ルに対応し、光学フィルタ323dの透過特性は、正常組織
から発せられた蛍光の第3主成分のプラス領域(第3主
成分-1)の固有ベクトルに対応し、光学フィルタ323eの
透過特性は、正常組織から発せられた蛍光の第3主成分
のマイナス領域(第3主成分-2)の固有ベクトルに対応
している。
【0136】また図16に示すように、光学フィルタ323g
の透過特性は、病変組織群から発せられた蛍光の第1主
成分の固有ベクトルに対応し、光学フィルタ323hの透過
特性は、病変組織から発せられた蛍光の第2主成分のプ
ラス領域(第2主成分-1)の固有ベクトルに対応し、光
学フィルタ323iの透過特性は、正常組織から発せられた
蛍光の第2主成分のマイナス領域(第2主成分-2)の固
有ベクトルに対応し、光学フィルタ323jの透過特性は、
病変組織から発せられた蛍光の第3主成分のプラス領域
(第3主成分-1)の固有ベクトルに対応し、光学フィル
タ323kの透過特性は、病変組織から発せられた蛍光の第
3主成分のマイナス領域(第3主成分-2)の固有ベクト
ルに対応している。光学フィルタ323fおよび光学フィル
タ323lは、広帯域透過フィルタである。
【0137】判定ユニット330 は、予め算出された正常
組織の主成分得点の代表値として第1主成分得点の平均
値Pn1 、第2主成分得点の平均値Pn2 および第3主成分
得点の平均値Pn3 と病変組織の主成分得点の代表値とし
て第1主成分得点の平均値Pc1 、第2主成分得点の平均
値Pc2 および第3主成分得点の平均値Pc3 を記憶してい
る記憶部331 と、仮主成分得点算出部327 で算出された
仮主成分得点と記憶部331 に記憶されている主成分得点
の代表値を比較し、測定部22から発せられた蛍光の組織
性状を判定する蛍光判定部332 を備えている。
【0138】上記記憶部331 に記憶されている主成分得
点の代表値は、図1に示した第1の基本的な構成を有す
る蛍光判定装置における記憶手段4に記憶されている主
成分得点の代表値と同一である。
【0139】画像処理ユニット340 は、CCD撮像素子
307 で得られた映像信号をデジタル化するA/D 変換回路
341 、デジタル化された通常画像信号を保存する通常画
像メモリ342 、該通常画像メモリ342 から出力された画
像信号および蛍光判定部332の判定結果をビデオ信号に
変換するビデオ信号処理回路343 を備えている。
【0140】以下、本発明による蛍光判定装置を適用し
た上記構成の内視鏡装置の作用について説明する。最初
に、本内視鏡装置の通常像観察時の作用を説明する。
【0141】通常観察時には、コントローラ350 からの
信号に基づき白色光源電源312 が駆動され、白色光源31
1 から白色光L3が射出される。白色光L3は、レンズ313
を経て白色光ライトガイド301aに入射され、内視鏡先端
部まで導光された後、照明レンズ304 から測定部22へ照
射される。
【0142】白色光L3の反射光は対物レンズ305 によっ
て集光され、ミラー308 に反射して、CCD撮像素子30
7 に結像される。CCD撮像素子307 からの映像信号は
A/D変換回路341 へ入力され、デジタル化された後、通
常画像メモリ342 により保存される。該通常画像メモリ
342 により保存された通常画像信号は、ビデオ信号発生
回路343 によってDA変換後にモニタ170 に入力され、該
モニタ170 に可視画像として表示される。上記一連の動
作は、コントローラ350 によって制御される。
【0143】次に、自家蛍光特性の判定時の作用につい
て説明する。コントローラ350 からの信号に基づき、励
起光源電源315 が駆動され、GaN系半導体レーザ314
から波長410nmの励起光L4が射出される。励起光L4
は、レンズ316 を透過し、励起光ライトガイド301bに入
射され、内視鏡先端部まで導光された後、照明レンズ30
4 から測定部22へ照射される。
【0144】励起光L4を照射されることにより生じる測
定部22からの蛍光L5は、集光レンズ306 により集光さ
れ、イメージファイバ303 の先端に入射され、イメージ
ファイバ303 を経て、励起光カットフィルタ321 に入射
する。
【0145】レンズ322 により集光された蛍光L5は、切
換フィルタ323 を透過後、CCD撮像素子325 で受光さ
れ、CCD撮像素子325 からの映像信号はA/D 変換回路
326へ入力され、デジタルデータに変換された後、蛍光
画像メモリ327 により保存される。
【0146】この際、コントローラ350 の制御により、
フィルタ回転装置324 が駆動され、蛍光L5は、順次光学
フィルタ323a〜323lを透過した後、CCD撮像素子325
に入射する。同時、蛍光画像メモリ327 では、コントロ
ーラ350 からの制御により、各画素毎に、光学フィルタ
323aを透過した蛍光のデータは、蛍光画像メモリ327内
の327a領域に保存し、光学フィルタ323b透過した蛍光の
データは、蛍光画像メモリ327 内の327b領域に保存す
る。以下、同様に各光学フィルタを透過した蛍光のデー
タを異なる領域に保存する。
【0147】仮主成分得点算出部328 では、各画素毎
に、蛍光画像メモリ327 内に保存された蛍光のデータか
ら仮主成分得点を算出する。この際には、まず各光学フ
ィルタ323a〜323lは、正常組織群または病変組織群から
発せられた蛍光から算出された主成分ベクトルの固有ベ
クトルの絶対値および正負を反映させていないため、蛍
光画像メモリ327 内の各領域の蛍光のデータを各主成分
の固有ベクトルの絶対値に対応させた係数を乗じ、適宜
プラス領域のデータとマイナス領域のデータを加算し
て、仮主成分得点を算出する。
【0148】すなわち、光学フィルタ323aを透過した蛍
光のデータに固有ベクトルの絶対値に応じた係数を乗じ
ることにより、測定部22から発せられた蛍光が正常組織
群に属すると仮定した場合の第1主成分得点である仮正
常第1主成分得点Pr1 を算出することができる。同様
に、光学フィルタ323bと光学フィルタ323cを透過した蛍
光のデータからは、適当な係数を乗じた後、光学フィル
タ323cを透過した蛍光のデータをマイナスにして加算す
ることにより、仮正常第2主成分得点Pr2 を算出でき
る。以下同様に、仮正常組織仮正常第3主成分得点Pr3
、仮病変第1主成分得点Ps1 、仮病変第2主成分得点P
s2 および仮病変第3主成分得点Ps3 を算出する。
【0149】蛍光判定部332 では、記憶部331 に記憶さ
れている正常組織における第1主成分得点の平均値Pn1
、第2主成分得点の平均値Pn2 および第3主成分得点
の平均値Pn3 からなる集合(Pn1,Pn2,Pn3) と、仮主
成分得点算出部328 で算出した仮正常第1主成分得点Pr
1 、仮正常第2主成分得点Pr2 および仮正常第3主成分
得点Pr3 からなる集合(Pr1,Pr2,Pr3) のユークリッ
ド距離DPr を計算する。
【0150】同様に、記憶部331 に記憶されている病変
組織における第1主成分得点の平均値Pc1 、第2主成分
得点の平均値Pc2 および第3主成分得点の平均値Pc3 か
らなる集合(Pc1,Pc2,Pc3)と、仮主成分得点算出部3
28 において算出した仮病変第1主成分得点Ps1 、仮病
変第2主成分得点Ps2 および仮病変第3主成分得点Ps3
からなる集合(Ps1,Ps2,Ps3) のユークリッド距離DP
s を計算する。ユークリッド距離DPr とユークリッド距
離DPs の値を比較し、ユークリッド距離DPr の方が小さ
ければ、測定部22から発せられた蛍光の特性は、正常組
織から発せられた蛍光の特性に近いと判定され、ユーク
リッド距離DPs の方が小さければ、測定部22から発せら
れた蛍光の特性は、病変組織から発せられた蛍光の特性
に近いと判定される。
【0151】また、上記判定は、各画素毎ではなく、C
CD撮像素子325 のビニング処理に対応する画素単位で
判定処理を行ったり、測定者の所望する任意の範囲の画
素領域単位で判定を行っても良い。あるいは、測定者の
指定した領域のみの判定を行ったり、適宜画素を間引い
て判定を行うこともできる。
【0152】判定結果は、モニタ180 に画像表示され
る。正常組織群に近いと判定された領域と病変組織に近
いと判定された領域の表示色を変えることにより、測定
者は、判定結果を瞬時に認識可能となる。また、判定処
理を行っていない領域がある場合には、その領域の表示
色を所定の色で表示することにより、判定領域を明確に
表示できる。判定画素を間引いた場合などには、近傍の
判定結果により補完表示を行う。
【0153】上記のように、正常組織群と病変組織群の
主成分ベクトルを反映した波長透過率を備える光学フィ
ルタ323a〜323lからなる切換フィルタ323 とCCD撮像
素子325 を用いることにより、測定部22から発せられる
蛍光を2次元的に検出することができ、短時間で広範囲
に及ぶ蛍光の特性の判定が可能となる。
【0154】また、図17に示すような正常組織群と病変
組織群の主成分ベクトルを反映した波長透過率を備える
部分フィルタとブランクからなるモザイクフィルタ360
をCCD撮像素子307 の前面に配設すれば、CCD撮像
素子307 を通常像検出と蛍光検出に兼用する事も可能と
なる。
【0155】なお、本構成においては、GaN系半導体
レーザ314 および白色光源311 を別個の構成としたが、
照明ユニット310 の代わりに、図11に示すような照明ユ
ニット200 を用いることにより、光源を兼用することが
できる。さらに、通常像をイメージファイバにより取得
する等の本発明の基本構成内での変更が可能であること
は言うまでもない。
【0156】また、蛍光判定部332 における、判定方法
としては、既知性状組織群から算出された主成分得点の
平均値からなる集合と、仮主成分得点からなる集合間の
ユークリッド距離に基づいて、測定部22から発せられる
蛍光の特性が、正常組織から発せられる蛍光の特性と病
変組織から発せられる蛍光の特性の何れに近いものか判
定したが、これに限定されず、判定結果を連続値として
表したり、既知性状組織群から算出した主成分得点の平
均値間の比率と、仮主成分得点間の比率とから、求めた
ユークリッド距離に基づいて、蛍光の特性を判定した
り、連続的な判定値を算出することもできる。さらに、
2つの集合間の距離として、ユークリッド距離に代え
て、例えば2つの母集団の平均ベクトルおよび共分散行
列から算出されるマハラノビス距離等を用いることもで
きる。
【0157】また、上記第1および第2の実施の形態に
かかる各装置に使用されるモニタは、通常画像情報を表
示するモニタ170 および蛍光判定結果を表示するモニタ
180を別個の構成としているが、一つのモニタで兼用す
ることもできる。
【0158】尚、上記実施の形態の説明は、何れも生体
に蛍光診断薬を注入することなく、生体の自家蛍光を用
いて判定を行う場合について説明したが、蛍光診断薬を
注入した生体から発せられる薬剤蛍光を用いて判定を行
う蛍光判定装置にも同様に適用が可能である。この場合
には、予め蛍光診断薬を注入された生体に、所定の励起
波長を有する励起光を照射し、生体から発せられる薬剤
蛍光を検出して、判定を行うことができる。
【0159】また、上記実施の形態の説明は、測定部か
ら検出した蛍光スペクトルを使用した蛍光判定を行なう
場合についてのものであるが、各蛍光スペクトルの全蛍
光強度に対する波長毎の蛍光強度比からなる蛍光強度比
スペクトルを使用した蛍光判定装置や蛍光スペクトルお
よび蛍光強度比スペクトルを組み合わせて使用した蛍光
判定装置に適用可能なことは言うまでもなく、上記の構
成にほぼそのまま適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蛍光判定装置の基本構成図
【図2】自家蛍光の蛍光スペクトルを示す説明図
【図3】既知正常組織から検出した蛍光スペクトルから
算出した主成分ベクトルの固有ベクトルの説明図
【図4】既知病変組織から検出した蛍光スペクトルから
算出した主成分ベクトルの固有ベクトルの説明図
【図5】主成分ベクトルの吸収する情報量を示す説明図
【図6】自家蛍光の蛍光強度比スペクトルを示す説明図
【図7】既知正常組織から検出した蛍光強度比スペクト
ルから算出した主成分ベクトルの固有ベクトルの説明図
【図8】既知病変組織から検出した蛍光強度比スペクト
ルから算出した主成分ベクトルの固有ベクトルの説明図
【図9】主成分ベクトルの吸収する情報量を示す説明図
【図10】本発明による蛍光判定装置を適用した第1の
具体的な実施の形態である内視鏡装置の概略構成図
【図11】上記第1の実施の形態の内視鏡装置に使用さ
れる照明ユニットの概略構成図
【図12】上記照明ユニットに使用される切換フィルタ
の概略構成図
【図13】本発明による蛍光判定装置を適用した第2の
具体的な実施の形態である内視鏡装置の概略構成図
【図14】上記第2の実施の形態の内視鏡装置に使用さ
れる切換フィルタの概略構成図
【図15】上記切換フィルタを構成する各光学フィルタ
の光透過特性図
【図16】上記切換フィルタを構成する各光学フィルタ
の光透過特性図
【図17】モザイクフィルタの概略構成図
【符号の説明】
1 励起光照射手段 2 蛍光導光手段 3,7,10,13 仮主成分情報算出手段 4,8,11,14 記憶手段 5,9,12,15 判定手段 6 表示部 10 観察部 20,21,22 測定部 L1,L4 励起光 L2,L5 蛍光 L3 白色光 100,300 内視鏡 101,301 ライトガイド 102,302 CCDケーブル 103 鉗子口 106,307,325 CCD撮像素子 110,200,310 照明ユニット 111,202,311 白色光源 112,201,312 白色光源用電源 114,314 GaN系半導体レーザ 115,315 半導体レーザ用電源 120 光路分離部 121,204 ダイクロイックミラー 130,320 仮主成分算出ユニット 131,321 励起光カットフィルタ 133 分光器 134 光検出器 135,141 ,331 記憶部 136,328 仮主成分得点算出部 140,330 判定ユニット 142,332 蛍光判定部 150,340 画像処理ユニット 151,341、326 A/D 変換回路 152,342 通常画像メモリ 153,343 ビデオ信号発生回路 160,350 タイミングコントローラ 170,180 モニタ 190 石英ファイバ 203,323 切換フィルタ 203a 白色光透過部 202b 励起光透過部 207,324 フィルタ回転装置 301a 白色光ライトガイド 301b 励起光ライトガイド 323a〜323l 光学フィルタ 327 蛍光画像メモリ 360 モザイクフィルタ
フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA03 BA16 CA03 EA01 FA05 GA04 GA08 GA25 GB21 GB28 JA03 KA09 LA01 NA01 NA06 NA16 2G059 AA05 BB04 BB12 EE07 GG01 JJ01 KK01 MM01 MM05 MM09 MM10 4C061 AA00 BB00 BB08 CC00 DD00 JJ11 LL03 NN01 NN05 QQ04 QQ10 RR04 RR14 RR18 SS21 WW17

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起光を照射された生体の既知正常組織
    および少なくも1種類の既知病変組織を含む複数の既知
    性状組織のそれぞれから検出した蛍光スペクトルを、各
    既知性状組織毎に主成分分析することにより算出された
    少なくも第1主成分情報を含む前記各既知性状組織毎の
    主成分情報を記憶し、 励起光を照射された生体の測定部から発せられた蛍光か
    ら、前記各既知性状組織毎の蛍光スペクトルの主成分分
    析結果に基づいて、前記各既知性状組織に対応する仮主
    成分情報を算出し、 記憶された前記各既知性状組織毎の主成分情報と算出さ
    れた前記各既知性状組織に対応した仮主成分情報とを比
    較して、前記測定部から発せられた蛍光の特性が、前記
    各既知性状組織から検出された蛍光の中の何れの蛍光の
    特性に最も近いものであるかを判定することを特徴とす
    る蛍光判定方法。
  2. 【請求項2】 励起光を照射された生体の既知正常組織
    および少なくも1種類の既知病変組織を含む複数の既知
    性状組織のそれぞれから検出した各蛍光スペクトルの全
    蛍光強度に対する波長毎の蛍光強度比からなる蛍光強度
    比スペクトルを、各既知性状組織毎に主成分分析するこ
    とにより算出された少なくも第1主成分情報を含む前記
    各既知性状組織毎の主成分情報を記憶し、 励起光を照射された生体の測定部から発せられた蛍光か
    ら、前記各既知性状組織毎の蛍光強度比スペクトルの主
    成分分析結果に基づいて、前記各既知性状組織に対応す
    る仮主成分情報を算出し、 記憶された前記各既知性状組織毎の主成分情報と算出さ
    れた前記各既知性状組織に対応した仮主成分情報とを比
    較して、前記測定部から発せられた蛍光の特性が、前記
    各既知性状組織から検出された蛍光の中の何れの蛍光の
    特性に最も近いものであるかを判定することを特徴とす
    る蛍光判定方法。
  3. 【請求項3】 励起光を照射された生体の既知正常組織
    および少なくも1種類の既知病変組織を含む複数の既知
    性状組織のそれぞれから検出した蛍光スペクトルおよび
    各蛍光スペクトルにおける全蛍光強度に対する波長毎の
    蛍光強度比からなる蛍光強度比スペクトルを、各既知性
    状組織毎に主成分分析することにより算出された少なく
    も第1主成分情報を含む前記各既知性状組織毎の蛍光ス
    ペクトルおよび蛍光強度比スペクトルそれぞれの主成分
    情報を記憶し、 励起光を照射された生体の測定部から発せられた蛍光か
    ら、前記各既知性状組織毎の蛍光スペクトルおよび蛍光
    強度比スペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記各
    既知性状組織に対応する蛍光スペクトルおよび蛍光強度
    比スペクトルそれぞれの仮主成分情報を算出し、 記憶された前記各既知性状組織毎の蛍光スペクトルおよ
    び蛍光強度比スペクトルそれぞれの主成分情報と、算出
    された前記各既知性状組織に対応した蛍光スペクトルお
    よび蛍光強度比スペクトルそれぞれの仮主成分情報とを
    比較して、前記測定部から発せられた蛍光の特性が、前
    記各既知性状組織から検出された蛍光の中の何れの蛍光
    の特性に最も近いものであるかを判定することを特徴と
    する蛍光判定方法。
  4. 【請求項4】 励起光を照射された生体の同一性状であ
    る複数の既知性状組織から検出された蛍光スペクトルを
    主成分分析することにより算出された少なくも第1主成
    分情報を含む主成分情報を記憶し、 励起光を照射された生体の測定部から発せられた蛍光か
    ら、前記既知性状組織の蛍光スペクトルの主成分分析結
    果に基づいて、前記既知性状組織に対応する仮主成分情
    報を算出し、 記憶された前記既知性状組織の主成分情報と算出された
    仮主成分情報とを比較して、前記測定部から発せられた
    蛍光の特性が、前記既知性状組織から検出された蛍光の
    特性に近いものであるか否かを判定することを特徴とす
    る蛍光判定方法。
  5. 【請求項5】 励起光を照射された生体の同一性状であ
    る既知性状組織から検出された蛍光スペクトルの全蛍光
    強度に対する波長毎の蛍光強度比からなる蛍光強度比ス
    ペクトルを主成分分析することにより算出された少なく
    も第1主成分情報を含む主成分情報を記憶し、 励起光を照射された生体の測定部から発せられた蛍光か
    ら、前記既知性状組織の蛍光強度比スペクトルの主成分
    分析結果に基づいて、仮主成分情報を算出し、 記憶された前記既知性状組織の主成分情報と算出された
    仮主成分情報とを比較して、前記測定部から発せられた
    蛍光の特性が、前記既知性状組織から検出された蛍光の
    特性に近いものであるか否かを判定することを特徴とす
    る蛍光判定方法。
  6. 【請求項6】 励起光を照射された生体の同一性状であ
    る複数の既知性状組織から検出された蛍光スペクトルお
    よび該蛍光スペクトルの全蛍光強度に対する波長毎の蛍
    光強度比からなる蛍光強度比スペクトルを主成分分析す
    ることにより算出された少なくも第1主成分情報を含む
    蛍光スペクトルおよび蛍光強度比スペクトルの主成分情
    報を記憶し、 励起光を照射された生体の測定部から発せられた蛍光か
    ら、前記既知性状組織の蛍光スペクトルおよび蛍光強度
    比スペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記既知性
    状組織に対応する仮主成分情報を算出し、 記憶された前記既知性状組織の主成分情報と算出された
    仮主成分情報とを比較して、前記測定部から発せられた
    蛍光の特性が、前記既知性状組織から検出された蛍光の
    特性に近いものであるか否かを判定することを特徴とす
    る蛍光判定方法。
  7. 【請求項7】 前記励起光の光源にGaN系の半導体レ
    ーザを用いることを特徴とする請求項1から6いずれか
    1項記載の蛍光判定方法。
  8. 【請求項8】 励起光を照射された生体の既知正常組織
    および少なくも1種類の既知病変組織を含む複数の既知
    性状組織のそれぞれから検出した蛍光スペクトルを、各
    既知性状組織毎に主成分分析することにより算出された
    少なくも第1主成分情報を含む前記各既知性状組織毎の
    主成分情報を記憶する記憶手段と、 励起光を生体の測定部に照射する励起光照射手段と、 前記励起光の照射により前記測定部から発せられた蛍光
    から、前記各既知性状組織毎の蛍光スペクトルの主成分
    分析結果に基づいて、前記各既知性状組織に対応する仮
    主成分情報を算出する仮主成分情報算出手段と、 前記記憶手段に記憶された前記各既知性状組織毎の主成
    分情報と前記仮主成分情報算出手段で算出された前記各
    既知性状組織に対応した仮主成分情報とを比較し、前記
    測定部から発せられた蛍光の特性が、前記各既知性状組
    織から検出された蛍光の中の何れの蛍光の特性に最も近
    いものであるかを判定する判定手段とを有することを特
    徴とする蛍光判定装置。
  9. 【請求項9】 励起光を照射された生体の既知正常組織
    および少なくも1種類の既知病変組織を含む複数の既知
    性状組織のそれぞれから検出した各蛍光スペクトルの全
    蛍光強度に対する波長毎の蛍光強度比からなる蛍光強度
    比スペクトルを、各既知性状組織毎に主成分分析するこ
    とにより算出された少なくも第1主成分情報を含む前記
    各既知性状組織毎の主成分情報を記憶する記憶手段と、 励起光を生体の測定部に照射する励起光照射手段と、 前記励起光の照射により前記測定部から発せられた蛍光
    から、前記各既知性状組織毎の蛍光強度比スペクトルの
    主成分分析結果に基づいて、前記各既知性状組織に対応
    する仮主成分情報を算出する仮主成分情報算出手段と、 前記記憶手段に記憶された前記各既知性状組織毎の主成
    分情報と前記仮主成分情報算出手段で算出された前記各
    既知性状組織に対応した仮主成分情報とを比較し、前記
    測定部から発せられた蛍光の特性が、前記各既知性状組
    織から検出された蛍光の中の何れの蛍光の特性に最も近
    いものであるかを判定する判定手段とを有することを特
    徴とする蛍光判定装置。
  10. 【請求項10】 励起光を照射された生体の既知正常組
    織および少なくも1種類の既知病変組織を含む複数の既
    知性状組織のそれぞれから検出した蛍光スペクトルおよ
    び各蛍光スペクトルの全蛍光強度に対する波長毎の蛍光
    強度比からなる蛍光強度比スペクトルを、各既知性状組
    織毎に主成分分析することにより算出された少なくも第
    1主成分情報を含む前記各既知性状組織毎の蛍光スペク
    トルおよび蛍光強度比スペクトルそれぞれの主成分情報
    を記憶する記憶手段と、 励起光を生体の測定部に照射する励起光照射手段と、 前記励起光の照射により前記測定部から発せられた蛍光
    から、前記各既知性状組織毎の蛍光スペクトルおよび蛍
    光強度比スペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記
    各既知性状組織に対応する蛍光スペクトルおよび蛍光強
    度比スペクトルそれぞれの仮主成分情報を算出する仮主
    成分情報算出手段と、 前記記憶手段に記憶された前記各既知性状組織毎の蛍光
    スペクトルおよび蛍光強度比スペクトルそれぞれの主成
    分情報と、前記仮主成分情報算出手段で算出された前記
    各既知性状組織に対応した蛍光スペクトルおよび蛍光強
    度比スペクトルそれぞれの仮主成分情報とを比較し、前
    記測定部から発せられた蛍光の特性が、前記各既知性状
    組織から検出された蛍光の中の何れの蛍光の特性に最も
    近いものであるかを判定する判定手段とを有することを
    特徴とする蛍光判定装置。
  11. 【請求項11】 励起光を照射された生体の同一性状で
    ある複数の既知性状組織から検出された蛍光スペクトル
    を主成分分析することにより算出された少なくも第1主
    成分情報を含む主成分情報を記憶する記憶手段と、 励起光を生体の測定部に照射する励起光照射手段と、 前記励起光の照射により前記測定部から発せられた蛍光
    から、前記既知性状組織の蛍光スペクトルの主成分分析
    結果に基づいて、前記既知性状組織に対応する仮主成分
    情報を算出する仮主成分情報算出手段と、 前記記憶手段に記憶された前記既知性状組織の主成分情
    報と算出された仮主成分情報とを比較し、前記測定部か
    ら発せられた蛍光の特性が、前記既知性状組織から検出
    された蛍光の特性に近いものであるか否かを判定する判
    定手段とを有することを特徴とする蛍光判定装置。
  12. 【請求項12】 励起光を照射された生体の同一性状で
    ある複数の既知性状組織から検出された蛍光スペクトル
    の全蛍光強度に対する波長毎の蛍光強度比からなる蛍光
    強度比スペクトルを主成分分析することにより算出され
    た少なくも第1主成分情報を含む主成分情報を記憶する
    記憶手段と、 励起光を生体の測定部に照射する励起光照射手段と、 前記励起光の照射により前記測定部から発せられた蛍光
    から、前記既知性状組織の蛍光強度比スペクトルの主成
    分分析結果に基づいて、前記既知性状組織に対応する仮
    主成分情報を算出する仮主成分情報算出手段と、 前記記憶手段に記憶された前記既知性状組織の主成分情
    報と算出された仮主成分情報とを比較し、前記測定部か
    ら発せられた蛍光の特性が、前記既知性状組織から検出
    された蛍光の特性に近いものであるか否かを判定する判
    定手段とを有することを特徴とする蛍光判定装置。
  13. 【請求項13】 励起光を照射された生体の同一性状で
    ある複数の既知性状組織から検出された蛍光スペクトル
    および該蛍光スペクトルの全蛍光強度に対する波長毎の
    蛍光強度比からなる蛍光強度比スペクトルを主成分分析
    することにより算出された少なくも第1主成分情報を含
    む主成分情報を記憶する記憶手段と、 励起光を生体の測定部に照射する励起光照射手段と、 前記励起光の照射により前記測定部から発せられた蛍光
    から、前記既知性状組織の蛍光スペクトルおよび蛍光強
    度比スペクトルの主成分分析結果に基づいて、前記既知
    性状組織に対応する仮主成分情報を算出する仮主成分情
    報算出手段と、 前記記憶手段に記憶された前記既知性状組織の主成分情
    報と算出された仮主成分情報とを比較し、前記測定部か
    ら発せられた蛍光の特性が、前記既知性状組織から検出
    された蛍光の特性に近いものであるか否かを判定する判
    定手段とを有することを特徴とする蛍光判定装置。
  14. 【請求項14】 前記蛍光が蛍光を発する蛍光診断薬が
    注入された生体から発せられた薬剤蛍光であることを特
    徴とする請求項8から13何れか1項に記載された蛍光
    判定装置。
  15. 【請求項15】 前記蛍光が蛍光を発する蛍光診断薬が
    注入されていない生体から発せられた自家蛍光であるこ
    とを特徴とする請求項8から13何れか1項に記載され
    た蛍光判定装置。
  16. 【請求項16】 前記主成分情報は少なくも主成分得点
    を含み、前記判定手段が、各既知性状組織の主成分得点
    の代表値と、測定部の各既知性状組織に対応した仮主成
    分得点とを比較し、前記測定部から発せられた蛍光が、
    前記各既知性状組織から検出された蛍光の中の何れの蛍
    光の特性に最も近いものであるかを判定するものである
    ことを特徴とする請求項8から13何れか1項記載の蛍
    光判定装置。
  17. 【請求項17】 前記仮主成分情報算出手段が、低損失
    単一ファイバを備え、該低損失単一ファイバにより導光
    された蛍光のスペクトル強度とあらかじめ記憶されてい
    る前記各既知性状組織毎の主成分ベクトルとに基づいて
    各既知性状組織に対応した仮主成分情報を算出するもの
    であることを特徴とする請求項8から16何れか1項記
    載の蛍光判定装置。
  18. 【請求項18】 前記仮主成分情報算出手段が、イメー
    ジファイバと、該イメージファイバの後ろに設けられ、
    各既知性状組織毎の主成分ベクトルの値を反映した波長
    透過率を備える前記各既知性状組織に対応したフィルタ
    からなる切換フィルタと、該切換フィルタの後ろに設け
    られた高感度撮像素子とを備え、前記各既知性状組織に
    対応したフィルタを透過した蛍光から、前記高感度撮像
    素子の各画素毎に前記各既知性状組織に対応した仮主成
    分情報を算出するものであることを特徴とする請求項8
    から16何れか1項記載の蛍光判定装置。
  19. 【請求項19】 前記仮主成分情報算出手段が、高感度
    撮像素子と、該高感度素子の前面に設けられ、各既知性
    状組織毎の主成分ベクトルの値を反映した波長透過率を
    備える部分フィルタからなるモザイクフィルタを備え、
    前記モザイクフィルタを透過した蛍光から、前記各部分
    フィルタに対応した前記高感度撮像素子の各画素毎に前
    記各既知性状組織に対応した仮主成分情報を算出するも
    のであることを特徴とする請求項8から16何れか1項
    記載の蛍光判定装置。
  20. 【請求項20】 前記励起光照射手段がGaN系の半導
    体レーザであることを特徴とする請求項8から19何れ
    か1項記載の蛍光判定装置。
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