JP2001098027A - 変性ポリビニルアセタール系樹脂 - Google Patents
変性ポリビニルアセタール系樹脂Info
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Abstract
接着性に優れた変性ポリビニルアセタール系樹脂の提
供。 【解決手段】 下記一般式(I)で示される繰り返し単
位から主としてなる変性ポリビニルアセタール系樹脂。 【化1】 (式中、R1 は、それぞれ、置換基を有してもよいアリ
ール基、アラルキル基又はアリール基を有するアルケニ
ル基を表し、R2 は水素原子又は炭素数1〜10のアル
キル基を表し、R3 は置換基を有してもよい炭素数1〜
20の二価の炭化水素基を表す。また、a、b、c、d
及びeは式中の各構造単位の割合(モル%)を表し、0
<a≦85、0≦b≦80、0≦c≦50、0≦d≦3
0且つ0<e≦50である)
Description
セタール系樹脂、及びこれを添加してなる硬化性樹脂の
改質剤に関する。本発明の変性ポリビニルアセタール系
樹脂は誘電特性に優れ、また各種溶剤や熱硬化性樹脂と
の相溶性、接着性にも優れているので、電気絶縁材料と
して有用である。本発明の硬化性樹脂改質剤は、特定の
変性ポリビニルアセタール系樹脂からなり、これを硬化
性樹脂に添加することにより、接着性に優れ、電気絶縁
材料等の使用に好適な硬化性樹脂組成物を提供すること
ができる。
体、IC、ハイブリッドIC、配線回路基板、表示素
子、表示部品等に使用されるオーバーコート材料或いは
層間絶縁材料等の絶縁材料としては、パッシベーション
膜、ソルダーレジスト、メッキ用レジスト、層間絶縁材
料、防湿保護膜等種々のものが知られている。これらの
絶縁材料も、近年の電子部品の小型化、軽量化、高密度
化や高速化に伴い、より高性能化、高信頼性が望まれて
来ている。絶縁材料の誘電損失を少しでも小さくするた
めには、誘電率及び誘電正接の小さい材料が必要とな
る。このような材料としては、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂、或いはフッ
素樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂が用いら
れている。
硬化性樹脂については、通常、誘電率が4.0以上、誘
電正接が0.01以上と高いため、高速化や高信頼化が
困難であった。一方、前記熱可塑性樹脂については、作
業性、接着性が悪く、信頼性に欠ける等の問題があっ
た。本発明は、誘電特性に優れ、熱硬化性樹脂との相溶
性、接着性に優れた変性ポリビニルアセタール系樹脂を
提供すること、さらに硬化性樹脂との相溶性に優れ、か
つ硬化性樹脂に添加することにより、誘電特性、膜形成
性、及び屈曲性を向上させるような硬化性樹脂改質剤を
提供することを目的とする。
情に鑑み鋭意検討した結果、特定の構造を有する変性ポ
リビニルアセタール系樹脂が誘電特性に優れ、また各種
溶剤や熱硬化性樹脂との相溶性、接着性にも優れている
こと、さらにこのような変性ポリビニルアセタール系樹
脂を硬化性樹脂に添加すると、該硬化性樹脂の誘電特性
や膜形成性が向上することを見出し、本発明を完成する
に至った。
で示される繰り返し単位から主としてなる変性ポリビニ
ルアセタール系樹脂
てもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル
基又は置換基を有してもよいアリール基を有する置換基
を有していてもよいアルケニル基を表し、R2 は水素原
子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3 は置換
基を有してもよい炭素数1〜20の二価の炭化水素基を
表す。また、a、b、c、d及びeは式中の各構造単位
の割合(モル%)を表し、0<a≦85、0≦b≦8
0、0≦c≦50、0≦d≦30且つ0<e≦50であ
る)、にある。本発明の好ましい態様により、上記変性
ポリビニルアセタール系樹脂を含んでなる硬化性樹脂改
質剤が提供される。
式(I)で示される繰り返し単位から主としてなる変性
ポリビニルアセタール系樹脂にある。
てもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル
基又は置換基を有してもよいアリール基を有する置換基
を有してもよいアルケニル基を表し、R2 は水素原子又
は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3 は置換基を
有してもよい炭素数1〜20の二価の炭化水素基を表
す。また、a、b、c、d及びeは式中の各構造単位の
割合(モル%)を表し、0<a≦85、0≦b≦80、
0≦c≦50、0≦d≦30且つ0<e≦50である)
もよいアリール基である場合、その炭素数は6〜12が
好ましく、その具体例としては、例えばフェニル基、ト
リル基、キシリル基、エチルフェニル基、メトキシフェ
ニル基、アミノフェニル基、クロロフェニル基、ナフチ
ル基等が挙げられる。R1が置換基を有してもよいアリ
ール基である場合、特にTgの向上が見られ、耐熱性向
上に効果がある。
である場合、その炭素数は7〜12が好ましく、その具
体例としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、
フェニルプロピル基等が挙げられる。R1が置換基を有
してもよいアラルキル基である場合、特に誘電正接の低
減化に効果がある。そして、R1 が置換基を有してもよ
いアリール基を有する置換基を有してもよいアルケニル
基である場合、その炭素数は8〜12が好ましく、その
具体例としては、例えばフェニルビニル基、フェニルプ
ロペニル基等が挙げられる。R1としては、好ましく
は、置換基を有してもよいアリール基、及び置換基を有
してもよいアラルキル基が用いられる。
基、アルケニル基に置換し得る置換基の具体例として
は、上記例を含めて、例えばメチル基、エチル基のよう
なアルキル基、メトキシ基のようなアルコキシ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基、カルボキシ
ル基、カルボン酸エステル基、ヒドロキシ基、クロルの
ようなハロゲン原子等が挙げられる。R2 が炭素数1〜
10、好ましくは1〜8のアルキル基である場合、その
具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R2として
は、好ましくはメチル基、プロピル基が用いられる。
〜20、好ましくは1〜12の二価の炭化水素基であ
り、その具体例としては、例えばメチレン基、エチレン
基、トリメチレン基、ブチレン基、シクロヘキシレン
基、メチルシクロヘキシレン基、カルボキシシクロヘキ
シレン基、ノルボルニレン基、ビニレン基、シクロヘキ
セニレン基、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ
る。
ついては0<a≦85、好ましくは10≦a≦80、b
については0≦b≦80、好ましくは0≦b≦70、c
については0≦c≦50、好ましくは0≦c≦45、d
については0≦d≦30、好ましくは0≦d≦15、e
については0<e≦50、好ましくは1≦e≦50、で
ある。aが小さいと誘電率が増加し、またTgが低下
し、改良効果が得られにくい。cが大きいと親水性が増
加し、吸湿による性能低下が起こり、また誘電率が増加
するため、改良効果が得られにくい。dが大きいと、ア
セタール化反応の際にアセタールが入りにくくなり、十
分な性能が得られない。eが小さすぎると接着性が低下
し、改良効果が得られにくい。eが大きすぎると、親水
性が増加し、吸湿による性能低下が起こり、また誘電率
が増加するため、改良効果が得られにくい。
については、単に樹脂の各構造要素の量比を表すための
式であり、その並び方(例えばブロック構造等)を特定
するものではない。また式(I)で表される変性ポリビ
ニルアセタール系樹脂中に、本発明の目的を損なわない
範囲で、他の構成要素が含まれていてもよい。式(I)
で表される変性ポリビニルアセタール系樹脂は、1.0
gを200mlのDMFに溶解し、三菱化学自動滴定装
置GT−05型を用いて、0.5mol/l エタノー
ル性水酸化カリウム溶液で滴定して酸価を求めると、通
常0.5〜150mgKOH/gである。
は電気絶縁材料に適したものであり、異方性導電膜、層
間絶縁膜、或いは、ルーター等のように高速度通信用機
器の電子部材として有用である。一方、接着性と膜形成
性等の特性を生かした他の分野、接着剤、塗料、ライニ
ング、遷移強化複合材料、土木建築材料等への適用も可
能である。また、相溶性が高いのでエポキシ樹脂やアク
リル樹脂、ウレタン樹脂等の硬化性樹脂や可塑性樹脂と
併用して使うことも可能である。性能を低下させない範
囲でこれに無機、有機の繊維や有機、無機のフィラーを
加えても差し支えない。
方法)本発明の変性ポリビニルアセタール系樹脂の製造
方法については、特に限定はされないが、例えばポリビ
ニルアルコールをアセタール化し、次いで得られたアセ
タール化物を酸無水物と反応させて、アセタール化物中
に残存している水酸基の一部を酸無水物によりエステル
化して変性する方法が好ましい。
のは、これを原料として用いて酸無水物により変性する
ことができる。ポリビニルアルコールのアルデヒドによ
るアセタール化については、例えば特開平5−1402
17号公報に記載の方法に準拠して行うことができる
が、その概要は次の通りである。
は、ポリビニルアルコールと式(II)及び/又は式(II
I)のアルデヒドとを酸触媒を用いて、通常は溶媒中で反
応させることにより行われる。なお、この場合、反応に
より生成する水を溶媒と共沸させて系外に留去させるの
が好ましい。
特に限定はされないが、重合度30〜3000のものが
好ましく、市販品として、例えば日本合成化学社製ゴー
セノールNL05等を用いることができる。原料のアル
デヒドとしては、式(II)及び式(III)のもの
R2 は式(I)と同義である)
ては、ベンズアルデヒド類、ナフトアルデヒド類、ケイ
皮アルデヒド類、及びフェニル基又はナフチル基を有す
るアルキルアルデヒド類を挙げることができるが、これ
らのアルデヒド類において、ベンゼン環及びナフタレン
環は置換基としてアルキル基、アルコキシ基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基、カルボキシル
基、カルボン酸エステル基、ヒドロキシル基、ハロゲン
原子を持つものも使用できる。
ベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、フェニルア
セトアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、o−
トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、o−アニスアル
デヒド、m−アニスアルデヒド、p−アニスアルデヒ
ド、p−エチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズア
ルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、ケイ皮アルデ
ヒド等を挙げることができる。これらの中ベンズアルデ
ヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピオン
アルデヒド、o−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド
が好ましい。
し、この芳香族環の導入により変性ポリビニルアセター
ル樹脂の誘電率及び誘電正接の低減化及びTgの向上を
達成することが可能となる。また、この変性ポリビニル
アセタール樹脂を他の樹脂と混合した場合、他の樹脂と
の溶解性が向上し、樹脂組成物の粘度特性、硬化物の耐
衝撃性が向上するものと考えられる。
ては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、カプロンアル
デヒド、カプリルアルデヒド、カプリンアルデヒド等を
挙げることができる。これらの中、ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドが好ましい。
おいて、a+bは30〜80モル%の範囲が適当であ
る。また構造単位アセタールのうちR1 は10モル%以
上であるのが好ましい。これが小さくなると誘電率が増
加し、改良効果が得られにくい。
酸等の無機酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等が用い
られるが、これらの中、塩酸、硫酸、p−トルエンスル
ホン酸が好ましい。なお、触媒の使用量は、アルデヒド
1モルに対して、通常、0.005〜0.2モルであ
る。
離するものであれば特に限定はされないが、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が好ましく、特
にトルエンが好ましい。なお、溶媒の使用量は、原料の
ポリビニルアルコール100重量部に対して、通常、1
00〜2000重量部、好ましくは200〜1000重
量部である。
℃、好ましくは40〜80℃である。反応時間について
は、通常2〜10時間である。また反応は回分方式又は
連続方式のいずれでもよい。
ニルアセタール樹脂を回収するのは常法により行うこと
ができる。例えば、反応終了後の反応液を必要により、
中和・濾過した後、この反応液に目的のポリビニルアセ
タール樹脂に対するメタノールのような貧溶媒を加えて
析出させてポリビニルアセタール樹脂を回収する。そし
て、必要により、析出した該樹脂をトルエンのような良
溶媒に再溶解させた後、再び先の貧溶媒で析出させるこ
とを繰り返すことにより該樹脂を精製することができ
る。
物により変性する。この反応は、アルコールの酸無水物
によるエステル化方法に準拠して行うことができるが、
本発明の場合、得られたポリビニルアセタールと式(I
V)の酸無水物とを反応させることにより行われる。
は、上記工程により得られたものを使用するが、市販品
が入手できればそれを使用してもよい。また、もう一方
の原料である酸無水物については、式(IV)のものが用
いられる。
えば無水フタル酸、ナフタレン−1,2−ジカルボン酸
無水物、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル
酸、無水トリメリット酸、シクロヘキサン−1,2−ジ
カルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸無水物、4−メチル−シクロヘキサン−1,2
−ジカルボン酸無水物、ノルボルナン−2,3−ジカル
ボン酸無水物等を挙げることができる。これらの中、無
水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が好まし
い。この酸無水物の付加によって、他の樹脂への相溶
性、接着性が向上すると考えられるので、式(I)にお
いてeは1モル%以上がより好ましい。
ることにより、より穏和な条件で反応を行うことができ
る。かかる触媒としては、例えばピリジン、ルチジン、
4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミン、N−エチルピペリジンのよう
な第三アミン類、酢酸ナトリウムのような塩基、硫酸、
塩酸、ZnCl2 、HClO4 のような酸触媒が用いら
れる。これらの中、第三アミン類が好ましい。なお、触
媒の使用量は、酸無水物1モルに対して、通常、0.0
01〜1モルである。
うこともできる。溶媒を用いる場合、溶媒としては、炭
化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系、アミド
系等が用いられ、具体的には、N,N−ジメチルホルム
アミド、トルエン、MEK、MIBK、等が用いられ
る。なお、溶媒の使用量は、原料のポリビニルアセター
ル100重量部に対して、通常、100〜2000重量
部、好ましくは200〜1000重量部である。
しくは50〜180℃である。反応時間は、通常1〜1
5時間である。また、反応は回分方式又は連続方式のい
ずれでもよい。
リビニルアセタール樹脂を回収するのは常法により行う
ことができる。例えば、反応終了後の反応液を必要によ
り、中和・濾過した後、この反応液に目的の変性ポリビ
ニルアセタール樹脂に対するメタノールのような貧溶媒
を加えて析出させて変性ポリビニルアセタール樹脂を回
収する。そして、必要により、析出した該樹脂をアセト
ンのような良溶媒に再溶解させた後、再び先の貧溶媒で
析出させることを繰り返すことにより該樹脂を精製する
ことができる。
性樹脂改質剤は、上記式(I)で示される繰り返し単位
から主としてなる変性ポリビニルアセタール系樹脂が配
合されてなることを特徴とする。該改質剤には、その性
能を阻害しない限りにおいて、他成分を含んでもよい。
例えば、混合時間短縮を目的としてメチルエチルケトン
等の溶媒を添加すること等が例示される。該硬化性樹脂
改質剤の使用量はその目的によって異なるが、変性ポリ
ビニルアセタール系樹脂成分としての添加量が少ないと
基材への膜形成能が下がり、これが多くなると粘度の上
昇に伴い溶剤の揮散が十分でないため膜中に溶剤が残存
しその後の熱履歴によっては膜が膨れたり剥がれる原因
となる。よって、硬化性樹脂100重量部に対し、通
常、0.1〜200重量部、好ましくは0.5〜180
重量部の式(I)で表される変性ポリビニルアセタール
系樹脂成分が添加される。
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
りこれらの実施例に限定されるものではない。尚、得ら
れたポリビニルアセタール系樹脂の水酸基価については
JIS K6728に準拠して測定した。変性ポリビニ
ルアセタール系樹脂の酸価については、変性ポリビニル
アセタール系樹脂1.0gをDMF200mlに溶解
し、三菱化学自動滴定装置GT−05型を用いて、0.
5mol/l エタノール性水酸化カリウム溶液で滴定
を行った。
SAの製造 ポリビニルアセタール系樹脂SAの製造は以下の手順で
行った。3Lのガラスフラスコに、ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製商品名ゴーセノールNL05)を
100グラム、フェニルアセトアルデヒドの195グラ
ム、ブチルアルデヒドを33グラム、トルエンを584
グラム、更に35%塩酸を13.2グラム秤取り、内容
物をゆっくり攪拌した。フラスコを油浴に付けて58℃
まで1.5時間かけて昇温させて58℃で5時間保持し
た後、放冷し35℃になったところで18.26グラム
の酢酸ナトリウムを溶かした535.6グラムのメタノ
ール溶液をゆっくり加えて中和した。この時生成した白
色の沈殿物を5Cの濾紙で濾過して除去した。更に23
80グラムのメタノールが入ったフラスコに内容物全量
を加えて40℃、30分攪拌した。液を全て捨て沈殿に
トルエンを756グラム加え溶解させた後メタノールを
2380グラム加えて再度沈殿を精製する工程を二回行
った。液を全て捨て沈殿を風乾後アルミバットに移して
真空乾燥器に移して真空度5Torr、温度50℃で1
2時間乾燥してポリビニルアセタール系樹脂SAを16
5グラム得た。以下に、NMRのδ値を示す。
d6 ) δ7.1〜7.4:(s,芳香族H)、δ5.0〜4.
1:(m,水酸基H)、(下記式(1)で表される構造
中のメチンH)、及び(下記式(2)で表される構造中
のメチンH)、δ4.1〜3.6:(m,下記式(3)
で表される構造中のメチンH)、δ3.0〜2.6:
(s,下記式(4)で表される構造中のメチレンH)、
δ2.2〜1.1:(m,下記式(4)で表されるメチ
レン以外のメチレンH)、δ1.0〜0.9:(s,メ
チルH) 樹脂の水酸基価は99mgKOH/gであった。
樹脂PA1の製造 3000mlのガラスフラスコに、製造例1で得られた
ポリビニルアセタール系樹脂SAを100グラム、無水
フタル酸を70.5グラム、N,N−ジメチルホルムア
ミドを1000ミリリットル、4−ジメチルアミノピリ
ジンを5.8グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌し
た。フラスコを油浴に付けて100℃まで30分かけて
昇温させて100℃で4時間保持した後、これを放冷し
No.4の濾紙で濾過しメタノールが5500ミリリッ
トル入ったビーカーに内容物全量をゆっくり加えて30
分攪拌した。この時黄白色の沈殿物が生成した。液を全
て捨てアセトンを300ミリリットル加えて沈殿を溶か
した後、メタノールを2500ミリリットル加えて沈殿
を析出させ再度液を捨てた。残った沈殿を風乾後アルミ
バットに移して真空乾燥器に移して真空度5Torr、
温度80℃で12時間乾燥して変性ポリビニルアセター
ル系樹脂PA1を140グラム得た。この樹脂の酸価は
63mgKOH/gであった。これにより式(I)にお
いてR1=CH2C6H5、R2=C3H7、R3=−C6H
4−、a=46,b=28,c=6,d=1,e=19
のポリマーが得られた。
樹脂PA2の製造 3000mlのガラスフラスコに、製造例1で得られた
ポリビニルアセタール系樹脂SAを100グラム、無水
コハク酸を47.7グラム、N,N−ジメチルホルムア
ミドを1000ミリリットル、4−ジメチルアミノピリ
ジンを5.8グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌し
た。フラスコを油浴に付けて100℃まで30分かけて
昇温させて100℃で4時間保持した後、これを放冷し
メタノールを800グラム加え、水が15リットル入っ
た容器に内容物全量をゆっくり加えて30分攪拌した。
この時黄白色の沈殿物が生成した。液を全て捨てメタノ
ール800グラムと水15リットルの混合溶媒を加えて
沈殿を洗浄し再度液を捨てた。残った沈殿を風乾後アル
ミバットに移して真空乾燥器に移して真空度5Tor
r、温度80℃で12時間乾燥して変性ポリビニルアセ
タール系樹脂PA2を104グラム得た。この樹脂の酸
価は55mgKOH/gであった。これにより式(I)
において、R1=CH2C6H5、R2=C3H7、R3=−C
H2CH2−、a=46,b=28,c=10,d=1,
e=15のポリマーが得られた。
樹脂PB1の製造 3000mlのガラスフラスコに、ポリビニルブチラー
ル樹脂(積水化学社製商品名エスレックB BL−S、
以下、「ポリビニルアセタール系樹脂SB」と略称する
ことがある。)を20グラム、無水フタル酸を14.1
グラム、N,N−ジメチルホルムアミドを200ミリリ
ットル、4−ジメチルアミノピリジンを1.16グラム
秤取り、内容物をゆっくり攪拌した。フラスコを油浴に
付けて100℃まで30分かけて昇温させて100℃で
4時間保持した後、これを放冷しメタノールが200グ
ラム入ったビーカーに内容物全量をゆっくり加えて更に
水を3リットル加えて30分攪拌した。この時黄白色の
沈殿物が生成した。液を全て捨てメタノール200グラ
ムと水2リットルの混合溶媒に加えて沈殿を洗浄し再度
液を捨てた。残った沈殿を風乾後アルミバットに移して
真空乾燥器に移して真空度5Torr、温度80℃で1
2時間乾燥して変性ポリビニルアセタール系樹脂PB1
を24.1グラム得た。この樹脂の酸価は87mgKO
H/gであった。これにより式(I)において、R2=C
3H7、R3=−C6H4−、a=0,b=60,c=1
6,d=3,e=21のポリマーが得られた。
樹脂PB2の製造 1000mlのガラスフラスコに、ポリビニルブチラー
ル樹脂(積水化学社製商品名エスレックB BL−S)
を80グラム、無水コハク酸を7.1グラム、N,N−
ジメチルホルムアミドを200グラム秤取り、内容物を
ゆっくり攪拌した。フラスコを油浴に付けて60℃まで
30分かけて昇温させて内容物を完全に溶解させ、30
分かけて100℃まで昇温した。100℃で4時間保持
した後、これを放冷し、水が1600グラム入ったビー
カーに内容物全量をゆっくりと滴下した。生成した粒状
の沈殿物を濾別し、160グラムの水で洗浄した後、3
Lのフラスコに移し、水1600グラムとメタノール1
60グラムを入れ45℃で1時間攪拌した。沈殿物を濾
別し、160グラムの水で洗浄後、ステンレスバットに
移して熱風乾燥機で60℃42時間乾燥し、真空乾燥器
に移して真空度5Torr、温度70℃で119時間乾
燥して変性ポリビニルアセタール系樹脂PB2を83グ
ラム得た。この樹脂の酸価は40mgKOH/gであっ
た。これにより式(I)において、R2=C3H7、R3=
−CH2CH2−、a=0,b=60,c=29,d=
3,e=8のポリマーが得られた。
で得られた変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1、P
A2、PB1、PB2の組成を、製造例1で得られたポ
リビニルアセタール系樹脂SA、市販のポリビニルブチ
ラールSBの組成と共に示す。
構造単位のモルパーセント R1=CH2C6H5、R2=C3H7、R3=−C6H4−(実
施例1、比較例1)、−CH2CH2−(実施例2、比較
例2)
SCの製造 ポリビニルアセタール系樹脂SCの製造は以下の手順で
行った。3Lのガラスフラスコに、ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製商品名ゴーセノールNL05)を20
0グラム、ベンズアルデヒドを336グラム、ブチルア
ルデヒドを66グラム、トルエンを1163グラム、3
5%塩酸を10.56グラム秤取り、内容物をゆっくり
攪拌した。フラスコを油浴に付けて75℃まで0.75
時間かけて昇温させて75℃で2時間保持した後、35
%塩酸を31.68グラム加え、さらに5時間保持した
後、放冷し35℃になったところで酢酸ナトリウムを5
2.7グラム溶かした600グラムのメタノール溶液を
ゆっくり加えて中和した。この反応液を3500グラム
のメタノール中に攪拌しながら投入し、析出物を120
0グラムのトルエンに溶解した。この溶液の内、112
0グラムを5Cの濾紙で濾過した。濾過した溶液を21
00グラムのメタノール中に攪拌しながら投入し、得ら
れた析出物438.4グラムを3Lセパラブルフラスコ
に移し、350グラムのトルエンを加え、60℃加温溶
解し、1200グラムのメタノールを徐々に加えて析出
させる行程を2回行った。液を捨て、沈殿を風乾後、真
空乾燥器に移して真空度5Torr、温度80℃で36
時間乾燥してポリビニルアセタール樹脂SCを213.
2グラム得た。
4:(d,式(5)で表される構造中のメチンH)、δ
5.0〜3.6:(m,水酸基H)、(s,式(1)で
表される構造中のメチンH)、及び(d,式(3)で表
される構造中のメチンH)、δ2.2〜1.1:(m,
メチレンH)、δ1.0〜0.8:(s,メチルH) 尚、樹脂の水酸基価は96mgKOH/gであった。
樹脂PC1の製造 3000mlのガラスフラスコに、製造例4で得られた
ポリビニルアセタール系樹脂SCを200グラム、無水
コハク酸を85.2グラム、N,N−ジメチルホルムア
ミドを500グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌し
た。フラスコを油浴に付けて80℃で1.5時間かけて
内容物を完全に溶解した後、4−ジメチルアミノピリジ
ンを11.6グラム加え、100℃で4時間保持した
後、これを放冷し、N,N−ジメチルホルムアミドを2
00グラム加え、水が8000ミリリットル入ったビー
カーに内容物全量をゆっくりと滴下した。得られた固形
物を濾別し、2100グラムのメタノールの入ったビー
カーに入れ、10時間放置し、濾別する操作を2回行っ
た。得られた固形物を250グラムのアセトンに溶解
し、メタノールを1200グラム加えた。このとき褐色
の沈殿物が得られた。液を捨て、250グラムのアセト
ンを加え、沈殿を溶かした後、再び400グラムのメタ
ノールを加え沈殿物を得た。再び液を捨て、沈殿物を1
100グラムの水に投入し、ミキサーにて粉砕した。粉
砕した沈殿物を濾別し、真空乾燥器に移して真空度5T
orr、温度80℃で55時間乾燥して変性ポリビニル
アセタール系樹脂PC1を209グラム得た。この樹脂
の酸価は67.8mgKOH/gであった。これにより
式(I)においてR1=C6H5、R2=C3H7、R3=−
CH2CH2−、a=41,b=35,c=5,d=1,
e=18のポリマーが得られた。
SDの製造 ポリビニルアセタール系樹脂SDの製造は以下の手順で
行った。1Lのガラスフラスコに、ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製商品名ゴーセノールNL05)を40
グラム、1−ナフトアルデヒドを99グラム、ブチルア
ルデヒドを13グラム、トルエンを234グラム、35
%塩酸を8.5グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌し
た。フラスコを油浴に付けて75℃まで0.75時間か
けて昇温させて75℃で5時間保持した後、放冷し40
℃になったところでメタノールを250グラム加えた。
このとき褐色の沈殿物が生成した。液を捨て、100グ
ラムのトルエンを加え、攪拌しながら60℃に加温し
た。酢酸ナトリウムを10.5グラム溶かした50グラ
ムのメタノール溶液をゆっくり加えて中和した。この反
応液に200グラムのメタノールを攪拌しながら加え
た。得られた析出物を120グラムのトルエンに溶解
し、300グラムのメタノールを加えて再沈する作業を
3回行った。液を捨て、沈殿を風乾後、真空乾燥器に移
して真空度5Torr、温度80℃で72時間乾燥して
ポリビニルアセタール樹脂SDを35グラム得た。以下
に、NMRのδ値を示す。
5:(m,式(5)で表される構造中のメチンH)、δ
3.4〜5.3:(m,水酸基H)、(式(1)で表さ
れる構造中のメチンH)、及び(下記式(3)で表され
る構造中のメチンH)、δ1.0〜2.7:(m,メチ
レンH)、δ0.6〜1.0:(s,メチルH) 樹脂の水酸基価は155.6mgKOH/gであった。
樹脂PD1の製造 500mlのガラスフラスコに、製造例5で得られたポ
リビニルアセタール系樹脂SDを20グラム、無水コハ
ク酸を8.5グラム、N,N−ジメチルホルムアミドを
50グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌した。フラス
コを油浴に付けて80℃で1.5時間保持した後、10
0℃で4時間保持した後、これを放冷し、N,N−ジメ
チルホルムアミドを50グラム加え、水が1400ミリ
リットル入ったビーカーに内容物全量をゆっくりと滴下
した。得られた固形物を濾別し、100グラムのメチル
エチルケトンに溶解し、メタノールを200グラム加え
た。このとき褐色の沈殿物が得られた。液を捨て、15
0グラムのメチルエチルケトン及び100グラムのトル
エンを加え、沈殿を溶かした後、これを5Cの濾紙で濾
過した。再び200グラムのメタノールを加え沈殿物を
得た。沈殿物を真空乾燥器に移して真空度5Torr、
温度80℃で55時間乾燥して変性ポリビニルアセター
ル系樹脂PD1を14.5グラム得た。この樹脂の酸価
は70.1mgKOH/gであった。これにより式
(I)においてR1=C10H7、R2=C3H7、R3=−C
H2CH2−、a=35,b=27,c=18,d=1,
e=19のポリマーが得られた。
SEの製造 ポリビニルアセタール系樹脂SEの製造は以下の手順で
行った。1Lのガラスフラスコに、ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製商品名ゴーセノールNL05)を40
グラム、フェニルプロピオンアルデヒドを85グラム、
ブチルアルデヒドを13グラム、トルエンを234グラ
ム、35%塩酸を8.45グラム秤取り、内容物をゆっ
くり攪拌した。フラスコを油浴に付けて75℃まで0.
75時間かけて昇温させて75℃で5時間保持した後、
放冷し35℃になったところで酢酸ナトリウムを10.
6グラム溶かした150グラムのメタノール溶液をゆっ
くり加えて中和した。この反応液を5Cの濾紙で濾過し
た。濾過した溶液に800グラムのメタノールを攪拌し
ながら投入した。このとき淡黄色の沈殿が生成した。液
を捨て、析出物を300グラムのトルエンに溶解し、8
00グラムのメタノールを加えて再析出させる操作を3
回行った。液を捨て、沈殿を風乾後、真空乾燥器に移し
て真空度5Torr、温度80℃で72時間乾燥してポ
リビニルアセタール系樹脂SEを31.9グラム得た。
0:(m,水酸基H)、(式(1)で表される構造中の
メチンH)、(式(2)で表される構造中のメチンH)
及び、(式(3)で表される構造中のメチンH)、δ
1.2〜3.0:(m,式(4)で表される構造中のメ
チレンH)、(m,式(4)で表されるメチレン以外の
メチレンH)、δ0.8〜1.1:(s,メチルH) 樹脂の水酸基価は72.8mgKOH/gであった。
樹脂PE1の製造 500mlのガラスフラスコに、製造例4で得られたポ
リビニルアセタール系樹脂SEを20グラム、無水コハ
ク酸を8.5グラム、N,N−ジメチルホルムアミドを
50グラム秤取り、内容物をゆっくり攪拌した。フラス
コを油浴に付けて80℃で1.5時間かけて内容物を完
全に溶解した後、4−ジメチルアミノピリジンを1.2
グラム加え、100℃で4時間保持した後、これを放冷
し、N,N−ジメチルホルムアミドを50グラム加え、
200グラムのメタノールを加え沈殿物を得た。液を捨
て、沈殿物を50グラムのトルエンに溶解し、200グ
ラムのメタノールを加えて沈殿させる操作を3回行っ
た。沈殿物を真空乾燥器に移して真空度5Torr、温
度80℃で55時間乾燥して変性ポリビニルアセタール
系樹脂PE1を21.1グラム得た。この樹脂の酸価は
42.3mgKOH/gであった。これにより式(I)
においてR1=C2H4Ph、R2=C3H7、R3=−CH2
CH2−、a=59、b=19、c=8、d=1、e=
13のポリマーが得られた。
ビニルアセタール系樹脂PC1、PD1、PE1の組成
を、製造例2〜4で得られたポリビニルアセタール系樹
脂SC、SD、SEの組成と共に示す。
ルパーセント R1=C6H5(実施例3(PC1)、製造例2(S
C))、C10H7(実施例4(PD1)、製造例3(S
D))、C2H4Ph(実施例5(PE1)、製造例4
(SE))、R2=C3H7、R3=−CH2CH2−
ル系樹脂PA1を6.0gとり、メチルエチルケトン2
4.0gに溶解し、10MILアプリケーターを用いて
ポリエチレンシート上に塗布し、60℃1時間乾燥し、
次いで真空乾燥器に移して真空度5Torr、温度60
℃で12時間乾燥した。ポリエチレンシートを剥がし、
フィルム状の樹脂を得た。この樹脂の誘電率及び誘電正
接については、インピーダンスアナライザー(HEWL
ETT PACKARD社製 HP4291A)を用い
て、10MHzにおける値を測定した。
樹脂PA1の代わりにPA2を用いた他は実施例6と同
様に実験を行った。
樹脂PA1の代わりにPC1を用いた他は実施例6と同
様に実験を行った。
樹脂PA1の代わりにPD1を用いた他は実施例6と同
様に実験を行った。
系樹脂PA1の代わりにPE1を用いた他は実施例6と
同様に実験を行った。
樹脂PA1の代わりにPB1を用いた他は実施例6と同
様に実験を行った。
樹脂PA1の代わりにポリビニルブチラール樹脂SB
(積水化学社製商品名エスレックB BL−S)を用い
た他は実施例6と同様に実験を行った。
樹脂PA1の代わりにPB2を用いた他は実施例6と同
様に実験を行った。
果を示す。a=0に対応する樹脂PB1及びPB2、並
びに、ポリビニルブチラールSBは誘電正接が実施例6
〜10で用いたPA1,PA2,PC1,PD1,PE
1に比べて大きいことが分かる。
ラムに、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコ
ート828)を1.2グラム、1−(2−シアノエチ
ル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.03
6グラム、上記変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1
を1.8グラムを溶かし、樹脂組成物CA1を得た。こ
れを、ポリイミドフィルム(宇部興産社製ユーピレック
スR)にギャップ10MILのアプリケーターで製膜
し、風乾後熱風乾燥器内で180℃で2時間加熱して樹
脂を硬化させ、得られた被膜にJIS K 5400に
従い、幅1mmで10×10個の碁盤目カットを入れて
セロテープ(登録商標)剥離試験を行い、残存する升目
を数えることにより密着性の判定を行った。膜の外観は
良好で、セロテープ剥離試験の結果、剥離は一つもなか
った。
セタール系樹脂PA1の代わりにPA2を用いた他は応
用例1と同様に実験を行い、樹脂組成物CA2を得、密
着性の判定を行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥
離試験の結果、剥離は一つもなかった。
セタール系樹脂PA1の代わりにPC1を用いた他は応
用例1と同様に実験を行い、樹脂組成物CC1を得、密
着性の判定を行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥
離試験の結果、剥離は一つもなかった。
セタール系樹脂PA1の代わりにPD1を用いた他は応
用例1と同様に実験を行い、樹脂組成物CD1を得、密
着性の判定を行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥
離試験の結果、剥離は一つもなかった。
セタール系樹脂PA1の代わりにPE1を用いた他は応
用例1と同様に実験を行い、樹脂組成物CE1を得、密
着性の判定を行った。膜の外観は良好で、セロテープ剥
離試験の結果、剥離は一つもなかった。
セタール系樹脂PA1の代わりにSAを用いた他は実施
例11と同様に実験を行い、樹脂組成物CSAを得、密
着性の判定を行った。10×10の碁盤目セロテープ剥
離試験で全数剥離した。
セタール系樹脂PA1の代わりにSCを用いた他は応用
例1と同様に実験を行い、樹脂組成物CSCを得、密着
性の判定を行った。10×10の碁盤目セロテープ剥離
試験で全数剥離した。
を示す。カルボン酸官能基を有するCA1、CA2、C
C1、CD1、及びCE1、はそれのないCSA、及び
CSCと比べて接着性の良好な樹脂組成物を与えること
が分かった。
ムに、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコー
ト828)を16.0グラム、1−(2−シアノエチ
ル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.48
グラム、上記変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1を
4.0グラムを溶かし、樹脂組成物CA1’を得た。
樹脂にPA2を使った以外は応用例6と同様に行い、組
成物CA2’を得た。
グラムに、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピ
コート828)を19.0グラム、1−(2−シアノエ
チル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.5
7グラム、上記変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1
を1.0グラム溶かし、樹脂組成物CA1”を得た。
ムに、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコー
ト828)を12.0グラム、1−(2−シアノエチ
ル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.36
グラム、上記変性ポリビニルアセタール系樹脂PA1を
18.0グラム溶かし、樹脂組成物CA1”’を得た。
ムに、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコー
ト828)を16.0グラム、1−(2−シアノエチ
ル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.48
グラムを溶かし、樹脂組成物CXを得た。
ムに、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピコー
ト828)を16.0グラム、1−(2−シアノエチ
ル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.48
グラム、上記ポリビニルアセタール系樹脂SAを4.0
グラム溶かし、樹脂組成物CSA’を得た。組成物の組
成を表5に示す。
製エポキシ樹脂である。2E4MZCNは1−(2−シ
アノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールで
ある。括弧内は配合量(g)。
以上応用例6〜9と比較例8、9における各組成物(溶
液)をポリイミドフィルム(宇部興産社製ユーピレック
スR)にギャップ10MILのアプリケーターで製膜し
風乾後熱風乾燥器内で180℃で2時間加熱して樹脂を
硬化させ各積層体を得た。これらの外観観察と、屈曲性
試験を行った。屈曲性試験は上記の各積層体を3φのス
テンレス棒に裏側から押し当て硬化物の異常の有無を目
視で評価した。結果を表6に示す。表6より式(I)の
変性ポリビニルアセタール系樹脂を用いなかった場合、
及び式(I)の変性ポリビニルアセタール系樹脂の代わ
りにSAのポリビニルアセタール系樹脂を用いた場合に
は塗膜の外観が明らかに不良であることが分かった。
以上応用例6〜9と比較例8,9における各組成物(溶
液)をアルミフィルムにギャップ25MILのアプリケ
ーターで製膜し風乾後熱風乾燥器内で180℃で2時間
加熱して樹脂を硬化させ各積層体を得た。これらの外観
観察と、碁盤目セロテープ剥離試験を行った。碁盤目セ
ロテープ剥離試験は塗布面に幅1mmで縦10、横10
の碁盤目をカッターで作り、その表面にセロテープを良
く貼り付け一気に剥がし取って剥離の有無を目視で評価
した。結果を表7に示す。表7より、式(I)の変性ポ
リビニルアセタール系樹脂を用いなかった場合、及び式
(I)の変性ポリビニルアセタール系樹脂の代わりにS
Aのポリビニルアセタール系樹脂を用いた場合には接着
性が明らかに不良であることが分かった。
ール系樹脂PC1を6.0gとり、メチルエチルケトン
24.0gに溶解し、10MILアプリケーターを用い
てポリエチレンシート上に塗布し、60℃0.5時間乾
燥し、放冷した後、膜の上に再び10MILアプリケー
ターを用いて塗布し、60℃1時間乾燥し、次いで真空
乾燥器に移して真空度5Torr、温度60℃で12時
間乾燥した。ポリエチレンシートを剥がし、フィルム状
の樹脂を得た。この樹脂を4mm幅に切り、TMA12
0(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、
荷重5グラムで2℃/minで昇温することにより、ガ
ラス転移温度を測定した。
系樹脂PC1の代わりにPA2を用いた他は実施例11
と同様に実験を行った。
系樹脂PC1の代わりにPD1を用いた他は実施例11
と同様に実験を行った。
系樹脂PC1の代わりにPE1を用いた他は実施例11
と同様に実験を行った。
系樹脂PC1の代わりにPB2を用いた他は実施例33
と同様に実験を行った。
果を示す。a>0に対応する樹脂PA2、PC1、PD
1及びPE1は、a=0に対応する樹脂PB2に比し
て、ガラス転位温度が高いことが判る。
グラムに、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製エピ
コート828)を1.2グラム、1−(2−シアノエチ
ル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールを0.03
6グラム、上記変性ポリビニルアセタール系樹脂PA2
を1.8グラム溶かして樹脂組成物CA2””を得、こ
れを、テフロン(登録商標)シートにギャップ10MI
Lのアプリケーターで製膜し、60℃0.5時間乾燥
し、放冷した後、膜の上に再び10MILアプリケータ
ーを用いて塗布し、60℃0.5時間乾燥し、熱風乾燥
器内で180℃で2時間加熱して樹脂を硬化させた。テ
フロンシートを剥がし、インピーダンスアナライザー
(HEWLETT PACKARD社製 HP4291
A)を用いて、10MHzにおける誘電率と誘電正接を
測定した。
系樹脂PA2の代わりにPC1を用いた他は応用例18
と同様に樹脂組成物CC1””を得、実験を行い、10
MHzにおける誘電率と誘電正接を測定した。
系樹脂PA2の代わりにPD1を用いた他は応用例18
と同様に樹脂組成物CD1””を得、実験を行い、10
MHzにおける誘電率と誘電正接を測定した。
系樹脂PA2の代わりにPE1を用いた他は応用例18
と同様に樹脂組成物CE1””を得、実験を行い、10
MHzにおける誘電率と誘電正接を測定した。(比較例
15)変性ポリビニルアセタール系樹脂PA2の代わり
にPB2を用いた他は応用例18と同様に樹脂組成物C
B2””を得、実験を行い、10MHzにおける誘電率
と誘電正接を測定した。
エポキシ社製エピコート828)16.0グラム、1−
(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール0.48グラムをメチルエチルケトン24グラム
に溶かして樹脂組成物CX””を得、これを、テフロン
シートにギャップ10MILのアプリケーターで製膜
し、60℃0.5時間乾燥し、熱風乾燥器内で180℃
で2時間加熱して樹脂を硬化させた。テフロンシートを
剥がし、インピーダンスアナライザー(HEWLETT
PACKARD社製 HP4291A)を用いて、1
0MHzにおける誘電率と誘電正接を測定した。
6の結果を示す。a>0に対応する変性ポリビニルアセ
タール系樹脂PA2、PC1、PD1またはPE1を含
む樹脂組成物の硬化物は、これを含まない樹脂組成物の
硬化物及びa=0に対応する変性ポリビニルアセタール
系樹脂PB2を含む樹脂組成物の硬化物に比して、誘電
率、及び/または誘電正接が低いことが判る。
製エポキシ樹脂である。2E4MZCNは1−(2−シ
アノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾールで
ある。括弧内は配合量(g)。
Claims (8)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で示される繰り返し単
位から主としてなる変性ポリビニルアセタール系樹脂。 【化1】 (式中、R1 は、それぞれ、置換基を有してもよいアリ
ール基、アラルキル基又はアリール基を有するアルケニ
ル基を表し、R2 は水素原子又は炭素数1〜10のアル
キル基を表し、R3 は置換基を有してもよい炭素数1〜
20の二価の炭化水素基を表す。また、a、b、c、d
及びeは式中の各構造単位の割合(モル%)を表し、0
<a≦85、0≦b≦80、0≦c≦50、0≦d≦3
0且つ0<e≦50である) - 【請求項2】 a+bが30〜80モル%である請求項
1に記載の変性ポリビニルアセタール系樹脂。 - 【請求項3】 10≦a≦80である請求項1又は2に
記載の変性ポリビニルアセタール系樹脂。 - 【請求項4】 変性ポリビニルアセタール系樹脂が、ポ
リビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化
し、次いでこのアセタール化物を更に酸無水物により変
性して得られたものである請求項1ないし3のいずれか
に記載の変性ポリビニルアセタール系樹脂。 - 【請求項5】 原料のポリビニルアルコールの重合度が
30〜3000である請求項4に記載の変性ポリビニル
アセタール系樹脂。 - 【請求項6】 請求項1に記載の変性ポリビニルアセタ
ール系樹脂を添加してなることを特徴とする硬化性樹脂
の改質剤。 - 【請求項7】 硬化性樹脂が、異方性導電膜用硬化性樹
脂である請求項6に記載の改質剤。 - 【請求項8】 硬化性樹脂が、層間絶縁膜用硬化性樹脂
である請求項6に記載の改質剤。
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