JP2001095599A - プロテアーゼの測定方法 - Google Patents

プロテアーゼの測定方法

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JP2001095599A
JP2001095599A JP2000247217A JP2000247217A JP2001095599A JP 2001095599 A JP2001095599 A JP 2001095599A JP 2000247217 A JP2000247217 A JP 2000247217A JP 2000247217 A JP2000247217 A JP 2000247217A JP 2001095599 A JP2001095599 A JP 2001095599A
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JP2000247217A
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English (en)
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Riyouichi Nemori
良一 根守
Masayoshi Yamamoto
正義 山本
Junji Nishigaki
純爾 西垣
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体試料中のプロテアーゼ活性を正確に測定
できるとともに、組織や細胞の形態観察を容易に行うこ
とができる方法を提供する。 【解決手段】 プロテアーゼの測定方法であって、(1)
プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体表面に形成さ
れた薄膜に対して、プロテアーゼを含む生体試料を接触
させる工程; (2)上記工程で得られた薄膜を赤色、橙
色、及び黄色からなる群から選ばれる染料(例えばポン
ソー3R)で染色し、プロテアーゼの作用により該薄膜
に形成された消化痕を検出する工程;及び必要により
(3)薄膜上の生体試料を工程(2)で用いた染料とは異なる
色の染料(例えばヘマトキシリン)で例えば試料中の細
胞核を染色する工程、を含む方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロテアーゼの測
定方法に関するものである。より具体的には、癌細胞の
浸潤活性や転移活性などの癌の悪性度、歯周炎などの歯
周病の進行度、リウマチ性関節炎などにおける破壊性病
変などの正確な診断を可能にするプロテアーゼ測定方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌細胞の浸潤や転移、歯周炎などの歯周
病の進行、リウマチ性関節炎などにおける組織破壊の進
行、創傷治癒過程、個体発生過程などにおいて、マトリ
ックスメタロプロテアーゼ、プラスミノーゲンアクティ
ベーターなど種々のプロテアーゼが関与することが知ら
れており、それらのプロテアーゼの検出及び定量方法と
して、抗体を用いたイミュノアッセイ法、イミュノブロ
ッティング法、電気泳動ザイモグラフィー法などが知ら
れている。また、組織中におけるプロテアーゼの活性を
測定する方法として、The FASEB Journal, Vol.9, Jul
y, pp.974-980, 1995又はWO97/32035に開示されたいわ
ゆるin situ zymography法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記WO
97/32035に開示されたin situ zymography法とその応用
について鋭意研究していたが、その研究過程で、プロテ
アーゼ活性の測定のためにゼラチン等の薄膜をアミドブ
ラックやクマジーブルーなどの染料で染色すると、染色
濃度が極めて高くなり、また薄膜が濃い青色に染色され
るために、薄膜上にある組織や細胞の観察が困難になる
場合があるという問題を認識した。また、アミドブラッ
クなどによる染色を行った場合には、薄膜上でさらに細
胞核染色を行っても核の形態観察が困難になるという問
題にも遭遇した。
【0004】従って、本発明の課題はこれらの問題を解
決する手段を提供することにある。より具体的には、プ
ロテアーゼ活性を正確に測定できるとともに、薄膜上の
組織や細胞の形態観察を容易に行うことができる方法を
提供することが本発明の課題である、また、本発明の別
の課題は、組織染色法や細胞核染色法などと組み合わせ
て用いることができ、特定の組織部分や特定の細胞に局
在するプロテアーゼ活性を詳細に解析できるプロテアー
ゼの測定方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意努力した結果、ゼラチン等の薄膜の染
色を赤色、橙色、及び黄色からなる群から選ばれる1種
又は2種以上の染料で染色することにより、消化痕の観
察と同時に薄膜上の組織や細胞の観察が極めて容易にな
り、プロテアーゼ活性を発現する細胞の特定が可能にな
ることを見いだした。さらに、上記のように染色された
薄膜上の組織や細胞を他の色調の染料で染色することに
より、例えば細胞核の形態観察を同一の標本で消化痕の
観察と同時に行うことができるようになり、プロテアー
ゼ活性を発現する組織部分や細胞の特定が格段に容易に
なることを見いだした。本発明はこれらの知見を基にし
て完成されたものである。
【0006】すなわち本発明は、プロテアーゼの測定方
法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支
持体表面に形成された薄膜に対して、プロテアーゼを含
む生体試料を接触させる工程;及び(2)上記工程(1)で得
られた薄膜を赤色、橙色、及び黄色からなる群から選ば
れる1種又は2種以上の染料で染色し、プロテアーゼの
作用により該薄膜に形成された消化痕を検出する工程を
含む方法を提供するものである。
【0007】別の観点からは、本発明により、プロテア
ーゼの測定方法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜
剤とを含み支持体表面に形成された薄膜に対して、プロ
テアーゼを含む生体試料を接触させる工程;(2)上記工
程(1)で得られた薄膜を赤色、橙色、及び黄色からなる
群から選ばれる1種又は2種以上の染料で染色し、プロ
テアーゼの作用により該薄膜に形成された消化痕を検出
する工程;(3)薄膜上の生体試料を上記工程(2)で用いた
染料とは異なる色の染料で染色する工程;及び(4)上記
工程(1)で得られた薄膜の消化痕と上記工程(3)で得られ
た染色試料とを対比する工程を含む方法が提供される。
【0008】さらに別の観点からは、本発明により、プ
ロテアーゼの測定方法であって、(1)プロテアーゼ基質
と硬膜剤とを含み支持体表面に形成された薄膜に対して
生体試料の実質的に連続した2以上の切片のうちの一つ
を接触させる工程;(2)プロテアーゼ基質、硬膜剤、及
びプロテアーゼ・インヒビターを含み支持体表面に形成
された薄膜に対して上記切片のうちの他の切片を接触さ
せる工程;(3)上記工程(1)及び工程(2)で得られた薄膜
を赤色、橙色、及び黄色からなる群から選ばれる1種又
は2種以上の染料で染色し、プロテアーゼの作用により
該薄膜に形成された消化痕を検出する工程;及び(4)上
記工程(1)で得られた薄膜の消化痕と上記工程(2)で得ら
れた薄膜の消化痕とを対比する工程を含む方法が提供さ
れる。
【0009】また、本発明により、プロテアーゼの測定
方法であって、(1)プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み
支持体表面に形成された薄膜に対して生体試料の実質的
に連続した2以上の切片のうちの一つを接触させる工
程;(2)プロテアーゼ基質、硬膜剤、及びプロテアーゼ
・インヒビターを含み支持体表面に形成された薄膜に対
して上記切片のうちの他の切片を接触させる工程;(3)
上記工程(1)及び工程(2)で得られた薄膜を赤色、橙色、
及び黄色からなる群から選ばれる1種又は2種以上の染
料で染色し、プロテアーゼの作用により該薄膜に形成さ
れた消化痕を検出する工程;(4)該薄膜上の切片を工程
(3)で用いた染料とは異なる色の染料で染色する工程;
及び(5) 上記工程(1)で得られた薄膜の消化痕、工程(2)
で得られた薄膜の消化痕、及び工程(4)で得られた染色
とを対比する工程を含む方法も提供される。
【0010】上記の発明の好ましい態様によれば、生体
試料が、ヒトを含む哺乳類動物、好ましくは患者、疾患
が疑われる哺乳動物、実験動物などから分離・採取した
生体試料である上記方法が提供される。生体試料とし
て、組織片などの固形試料のほか、組織から吸引により
採取した細胞又は組織片を含む試料、血液、リンパ液、
唾液などの非固形試料などを用いることができる。連続
した切片を用いる方法では生体試料として組織切片を用
いることができる。プロテアーゼがマトリックスメタロ
プロテアーゼ又はセリンプロテアーゼである上記方法は
好ましい態様である。
【0011】また、さらに好ましい態様によれば、薄膜
が支持体平面上に形成されたゼラチン薄膜又はカゼイン
薄膜である上記方法;薄膜の消化痕を最大吸収波長が40
0 nm〜580 nmの染料で染色する上記方法;薄膜の染色に
ポンソー3R又はBiebrich Scarletを用いる上記方法;
生体試料の染色として細胞核染色を行う上記方法;細胞
核染色にヘマトキシリン又はメチルグリーンを用いる上
記方法;消化痕の検出を顕微鏡を用いた目視により判定
する上記方法;画像処理装置を用いて消化痕の定量又は
数値化を行う上記方法が提供される。プロテアーゼ・イ
ンヒビターを用いる方法においては、プロテアーゼ・イ
ンヒビターがキレート剤、マトリックスメタロプロテア
ーゼ阻害剤、又はセリンプロテアーゼ阻害剤であること
が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本明細書において用いられる測定
方法という用語は、定性及び定量を含めて最も広義に解
釈されるべきである。本発明のプロテアーゼの測定方法
は、試料中に含まれるプロテアーゼによってプロテアー
ゼ基質が消化され、薄膜中に消化痕が形成されることに
よりプロテアーゼを測定する方法(いわゆるin situ zy
mography法:例えばWO97/32035号明細書に開示されてい
る)において、消化痕が形成された薄膜を赤色、橙色、
及び黄色からなる群から選ばれる1種又は2種以上の染
料で染色することを特徴としている。本発明の方法によ
れば、薄膜上の消化痕を顕微鏡下で色素濃度の低い部分
として検出することができ、試料中のプロテアーゼ活性
の存在を確実に証明することができるとともに、薄膜上
の生体試料の形態観察を容易に行えるという特徴があ
る。本発明の方法に用いる薄膜としては、WO97/32035に
記載されたものを用いることができる。硬膜剤又はプロ
テアーゼインヒビターなども上記文献に記載のものを用
いることができる。上記WO97/32035の開示を参考として
本明細書の開示に含める。
【0013】本発明の対象となるプロテアーゼとして
は、例えば、マトリックス・メタロプロテアーゼ及びセ
リンプロテアーゼを挙げることができ、これらの酵素に
ついては、鶴尾隆編「癌転移の分子機構」、pp.92-10
7、メジカルビュー社、1993年発行に詳細に説明されて
いる。本発明の方法に特に好適なプロテアーゼとして、
例えば、間質型コラーゲナーゼ(MMP-1)、ゼラチナーゼ
A (MMP-2)、及びゼラチナーゼB (MMP-9)などのマトリ
ックス・メタロプロテアーゼ;及びプラスミノーゲン・
アクティベーター(PA)などのセリンプロテアーゼを挙げ
ることができるが、本発明の方法の対象は上記の特定の
プロテアーゼに限定されることはない。
【0014】プロテアーゼ基質は、プロテアーゼの基質
として分解される高分子化合物であれば特に限定されな
い。例えばコラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、
フィブロネクチン、ラミニン、エラスチン、又はカゼイ
ンなどを用いることができる。好ましくは、コラーゲ
ン、ゼラチン、フィブロネクチン、又はカゼインを用い
ることができ、より好ましくはゼラチン又はカゼインを
用いることができる。ゼラチンを用いる場合には、ゼラ
チンの種類は特に限定されず、例えば、牛骨アルカリ処
理ゼラチン、豚皮膚アルカリ処理ゼラチン、牛骨酸処理
ゼラチン、牛骨フタル化処理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼ
ラチンなどを用いることができる。プロテアーゼ基質は
上記の1種を用いても良いが、2種以上を組み合わせて
用いても良い。
【0015】2種以上の異なるプロテアーゼ基質を組み
合わせて用いることにより、生体試料中に含まれるプロ
テアーゼの種類を正確に特定できる場合がある。例え
ば、生体試料中の実質的に連続した切片のうちの一つを
ある種のプロテアーゼ基質を含む薄膜に接触させて消化
痕を検出し、他の切片を異なるプロテアーゼ基質を含む
薄膜に接触させて薄膜上の消化痕を検出し、それぞれの
結果を対比することができる。比較のためにそれぞれ異
なるプロテアーゼ基質を含む薄膜を2種以上用いてもよ
い。プロテアーゼ基質を含む薄膜としては、乾燥後の膜
厚が1〜10 μm、好ましくは4〜7 μmのものを用いるこ
とが好適である。
【0016】本発明の方法に用いる生体試料としては、
ヒトを含む哺乳類動物から分離・採取された生体試料を
用いることができる。例えば、罹患した哺乳類動物、疾
患の存在が疑われる哺乳動物、又は実験動物などから分
離・採取した生体試料を用いることができる。生体試料
の形態は特に限定されないが、組織切片などの固形試料
や体液などの非固形試料を用いることができる。非固形
試料としては、例えば、組織から吸引により採取した細
胞又は組織片を含む試料、血液、リンパ液、唾液などの
体液を用いることができる。例えば、肺癌、胃癌、食道
癌、大腸癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌、甲状腺癌、肝臓
癌、口腔癌、前立腺癌、腎臓癌、膀胱癌などの癌組織か
ら手術や組織検査などにより分離・採取した癌組織、リ
ンパ節、歯周病組織、リウマチ性関節炎の滑膜や骨組
織、動脈粥状硬化組織などの組織から手術や組織検査な
どにより分離・採取した組織、歯肉溝滲出液、破壊性病
変組織に含まれる液(例えばリウマチ性病変の関節液又
は歯槽膿漏組織抽出液)、胸水、腹水、脳脊髄液、乳腺
異常分泌液、卵巣内貯留液、喀痰などを用いることがで
きる。
【0017】試料が組織の場合には、例えば、液体窒素
で急速凍結した試料から凍結切片作成装置を用いて厚さ
1〜10 μm、好ましくは4〜6 μmの切片を調製し、この
切片を薄膜に貼付することによって試料と薄膜とを接触
させることができる。穿刺吸引により採取した細胞又は
組織片を含む非固形試料についても、コンパウンドなど
の成形材料と混合して液体窒素で急速凍結し、同様に切
片を作製して用いることができる。また、組織から穿刺
吸引により採取した細胞又は組織片を含む非固形試料を
そのまま用いる場合には、吸引した試料を薄膜上に吐出
させ、細胞を分散状態で薄膜に接着させればよい。さら
に、生体試料が組織片の場合は、採取した組織の水分を
軽く拭った後、プロテアーゼ基質を含む薄膜の上に1分
間から30分間程度静置することで試料と薄膜とを接触さ
せることができる。
【0018】また、リウマチ性関節炎の患者から採取し
た滑膜液の様な非固形試料を用いる場合には、試料を適
当な濃度に希釈し、及び/又は必要な前処理を行った後
に、約1〜50 μL、好ましくは1〜20 μL程度を薄膜上に
滴下すればよい。歯周病の歯肉溝滲出液を試料として用
いる場合には、歯肉溝内に濾紙を挿入して約5〜10μL程
度の歯肉溝滲出液を採取し、該濾紙を薄膜に貼付する方
法を採用することができる。歯肉溝滲出液の採取後、必
要に応じて蒸留水や適宜の緩衝液(例えば、50 mM Tris
-HCl, pH 7.5, 10 mM CaCl2, 0.2 M NaClなど)を用い
て濾紙から歯肉溝滲出液を抽出し、抽出液を薄膜上に滴
下してもよい。
【0019】プロテアーゼ基質を含む組織切片を薄膜に
貼付するか、あるいは液体試料を滴下するなどの手段に
よって薄膜とプロテアーゼを含む試料を接触させた後、
プロテアーゼ活性の発現に適した温度、例えば37℃の飽
和湿度条件下で基質の消化に必要な時間薄膜をインキュ
ベートする。必要な時間は試料や薄膜の種類によって異
なるが、好ましくは、組織切片又は吸引により得た細胞
若しくは組織片を含む非固形試料については37℃で1〜4
8時間、さらに好ましくは6〜30時間、滲出液などの液状
の試料については0.5〜24時間、好ましくは1〜6時間イ
ンキュベートし、試料中のプロテアーゼによって薄膜中
に消化痕を形成させる。その後、薄膜を赤色、橙色、及
び黄色からなる群から選ばれる染料で染色し光学顕微鏡
で消化痕を観察することができる。
【0020】生体試料中の実質的に連続した2以上の切
片のうちの一つをプロテアーゼ・インヒビターを含まな
い薄膜に貼付し、他の切片の1つをプロテアーゼ・イン
ヒビターを含む薄膜に貼付して、両者の薄膜の消化痕を
比較することにより、プロテアーゼの種類を特定するこ
とが可能になる。プロテアーゼ・インヒビターの種類は
特に限定されないが、例えば、キレート剤、マトリック
スメタロプロテアーゼ阻害剤、又はセリンプロテアーゼ
阻害剤などを好適に用いることができる。
【0021】プロテアーゼ基質を含む薄膜の染色は、赤
色、橙色、及び黄色染料からなる群から選ばれる染料を
用いて行うことができる。本明細書において用いられる
赤色、橙色、又は黄色という用語はもっとも広義に解釈
すべきであり、いかなる意味においても限定的に解釈し
てはならない。このような染料は、一般的には、吸収極
大が400 nm〜580 nmの範囲である。
【0022】好ましい赤色染料としては、例えば、Acid
Red 1 (C.I.18050)、Acid Red 4(C.I.14710)、Acid Re
d 8 (C.I.14900)、Acid Red 37 (C.I.17045)、Acid Red
40(C.I.18070)、Acid Red 44、Acid Red 106 (C.I.181
10)、Acid Red 183 (C.I.18800)、Xylidin Ponceau 2R
(C.I.16150)、Mordant Red 19、Nitro Red、Biebrich S
carlet及びポンソー3Rを挙げることができ、特にBieb
rich Scarlet又はポンソー3Rが好ましい。橙色の染料
としては、例えば、Methyl Orange、Ethyl Orange、Cro
cein Orange G、Orange II、Orange G、Acid Orange 8
(C.I.15575)、Acid Orange 74 (C.I.18745)が挙げら
れ、黄色の染料としては、例えば、Mordant Yellow 1
0、Mordant Yellow 7、Acid Yellow 99(C.I.13900)、Ac
id Yellow 65(C.I.14170)、Acid Yellow 17(C.I.1896
5)、Nitrazine Yellow(C.I.14890)が好ましく使用でき
る。
【0023】例えばアミドブラックを用いてゼラチンを
染色するWO97/32035に開示された方法ではゼラチンは黒
紺色に染色され、プロテアーゼによりゼラチンが消化さ
れた部分だけが染色濃度が下がり、白抜き部分が現れ
る。例えば試料が組織切片の場合、消化痕のある部分は
染色濃度が低いために組織もかすかに観察できるが、消
化痕以外の部分の組織を観察するのが困難になる場合が
ある。また、組織の観察を可能にするために核染色を行
っても、ヘマトキシリンやメチルグリーンなどの代表的
な核染色用染料は、色相がアミドブラックに近いために
通常は観察が困難である。
【0024】本発明に従って、例えば薄膜をポンソー3
Rで赤色に染色した場合には、通常は膜の最大吸光度が
2以上になるが、薄膜の全体にわたって組織の観察が可
能になり、顕微鏡によって組織のどの部分に消化痕があ
るかを特定することが容易になる。さらに、薄膜上の生
体試料を別の色調の色素で組織染色し、消化痕と染色組
織とを対比してもよい。例えば、生体試料に含まれる細
胞の細胞核をヘマトキシリン又はメチルグリーンで染色
すると、核の形態変化と消化痕とを光学顕微鏡下で別の
色調の信号として同時に観察することができる。さら
に、この組織染色法とプロテアーゼ・インヒビターを用
いる方法とを組み合わせることにより、個々の細胞中に
局在するプロテアーゼの存在とその種類の同定とを同時
に行うこともできる。
【0025】本発明の方法で試料に含まれるプロテアー
ゼ活性を測定することによって、試料を分離した生体の
状況、例えば癌の転移やリウマチの進行度などを調べる
ことができるので、本発明の方法は、疾病の診断、臨床
検査、動物実験など、種々の目的に利用することができ
る。消化痕における消化の強さの判定には、光学顕微鏡
下で目視で判定する方法、分光器により消化痕の光学濃
度を測定する方法、光学顕微鏡で得られる画像をコンピ
ューターに取り込み、画像解析の方法により消化痕にお
ける各種の数値化を行う方法などを利用することができ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定され
ることはない。 例1: 乳癌組織のプロテアーゼ活性の測定 外科手術により摘出して凍結した乳癌試料を、凍結切片
作製装置を用いて-25℃で厚さ4 μmに薄切し、WO97/320
35に開示されたゼラチン薄膜に接着させた。ゼラチンの
膜厚は6 μmのものを用いた。このゼラチン薄膜を37
℃、相対湿度100%で16時間から30時間インキュベート
し、自然乾燥させた。染色液として6%のトリクロロ酢酸
水溶液に濃度0.8%になるようにポンソー3Rを溶解させ
た液を用い、室温で60秒間浸漬して染色した。5分間水
洗した後、マイヤーのヘマトキシリン液に2分間浸漬し
て核染色を行い、10分間水洗後、20秒間エタノールに浸
漬して自然乾燥させた。乾燥後、組織切片を覆うように
カバーエイドフィルム(サクラ精機製)をキシレンを用
いて貼り付け、乳癌切片を封入した。このフィルムを図
1に示すプラスチック製のマウントに保持させた。
【0027】このマウントは基板4と押え板5とからな
り、押え板5は、押え板5の2つの腕部分にそれぞれ3
箇所ずつ設けられた接着部1で接着剤により基板4に固
定されている。フィルムの外縁部は基板4と押え板5と
の間に形成されるわずかな隙間に保持されるようになっ
ており、フィルムをガイド3に沿ってストッパーに接す
るまで挿入することにより、フィルムは着脱可能な状態
でマウントに固定される。マウントに固定したフィルム
を光学顕微鏡を用いて観察したところ、乳癌組織切片中
には、核の形態より癌細胞が存在すると考えられる部位
にゼラチン消化が認められ、プロテアーゼ活性があるこ
とが明らかとなった。
【0028】例2: 甲状腺癌、子宮癌、卵巣癌組織の
プロテアーゼ活性の測定 外科手術により摘出して凍結した表記癌試料を、凍結切
片作製装置を用いて-20℃で厚さ4 μmに薄切し、WO97/3
2035に開示されたゼラチン薄膜に接着させた。ゼラチン
の膜厚は7 μmのものを用いた。このゼラチン膜を37
℃、相対湿度100%で6時間から16時間インキュベート
し、さらにメタノール:酢酸:水=7:1:2の混合液
に15分間浸漬して固定した。染色液としては6%のトリク
ロロ酢酸水溶液に濃度0.4%になるようにポンソー3Rを
溶解させた液を用い、室温で60秒間浸漬して染色した。
1分間水洗した後、マイヤーのヘマトキシリン液に1分間
浸漬して核染色を行い、5分間水洗後、20秒間エタノー
ルに浸漬して自然乾燥させた。乾燥後、組織切片を覆う
ようにカバーエイドフィルム(サクラ精機製)をキシレ
ンを用いて貼り付け、切片を封入した。このフィルムを
図1に示すプラスチック製のマウントに保持し、光学顕
微鏡を用いて観察した。癌組織切片の癌細胞の存在部位
にはゼラチン消化が認められ、プロテアーゼ活性がある
ことが明らかとなった。
【0029】例3: 食道癌、胃癌、大腸癌組織のプロ
テアーゼ活性の測定 外科手術により摘出し凍結した表記癌試料を、凍結切片
作製装置を用いて-20℃で厚さ4 μmに薄切して連続切片
を作製し、一枚をWO97/32035に開示されたゼラチン薄膜
に接着させた。ゼラチンの膜厚は4 μmのものを用い
た。このゼラチン膜を37℃、相対湿度100%で16時間から
30時間インキュベートし、自然乾燥させた。染色液とし
ては6%のトリクロロ酢酸水溶液に濃度0.8%になるように
ポンソー3Rを溶解させた液をエタノールと等量混合し
た液を用い、室温で60秒間浸漬して染色した。20秒間水
洗後、20秒間エタノールに浸漬して自然乾燥させた。乾
燥後、組織切片を覆うようにカバーエイドフィルム(サ
クラ精機製)をキシレンを用いて貼り付け、切片を封入
した。このフィルムを図1に示すプラスチック製のマウ
ントに保持し、光学顕微鏡を用いて観察した。癌組織切
片の癌細胞の存在部位にはゼラチン消化が認められ、プ
ロテアーゼ活性があることが明らかとなった。光学顕微
鏡に取りつけたデジタルカメラにより画像をコンピュー
ターに取り込み、画像処理ソフトにより消化部位の面積
・面積率・光学濃度等の数値化を行った。
【0030】同様に、連続切片の別の一枚を WO97/3203
5に開示されたマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤
(1,10-phenanthroline)を含有するゼラチン薄膜に接
着させた。ゼラチンの膜厚は4 μmのものを用いた。こ
のゼラチン膜を37℃、相対湿度100%で16時間から30時間
インキュベートし、自然乾燥させた。染色液としては6%
のトリクロロ酢酸水溶液に濃度0.8%になるようにポンソ
ー3Rを溶解させた液をエタノールと等量混合した液を
用い、室温で60秒間浸漬して染色した。20秒間水洗後、
20秒間エタノールに浸漬して自然乾燥させた。乾燥後、
組織切片を覆うようにカバーエイドフィルム(サクラ精
機製)をキシレンを用いて貼り付け、切片を封入した。
このフィルムを図1に示すプラスチック製のマウントに
保持し、光学顕微鏡を用いて観察した。癌組織切片の癌
細胞の存在部位にゼラチン消化が認められない試料が多
く認められたが、胃癌の一部の試料ではプロテアーゼ活
性が残存していた。マトリックスメタロプロテアーゼ阻
害剤を含まないゼラチン膜でプロテアーゼ活性が認めら
れ、阻害剤を含むゼラチン膜ではプロテアーゼ活性が認
められなかった試料に関しては、この活性がマトリック
スメタロプロテアーゼに由来するものである可能性が考
えられた。
【0031】例4: 前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌組織の
プロテアーゼ活性の測定 外科手術により摘出して凍結した表記癌試料を、凍結切
片作製装置を用いて-25℃で厚さ6 μmに薄切し、WO97/3
2035に開示されたゼラチン薄膜に接着させた。ゼラチン
の膜厚は6.9 μmのものを用いた。このゼラチン膜を37
℃、相対湿度100%で24時間から40時間インキュベート
し、自然乾燥させた。染色液としては50%エタノール水
溶液に濃度1%になるようにAcid Yellow 17を溶解させた
液を用い、室温で5分間浸漬して染色した。2分間水洗し
た後、1%メチルグリーン液で15分間核染色を行い、軽く
水洗後エタノールに20秒間浸漬し自然乾燥させた。乾燥
後、組織切片を覆うようにカバーエイドフィルム(サク
ラ精機製)をキシレンを用いて貼り付け癌切片を封入し
た。このフィルムを図1に示すプラスチック製のマウン
トに保持し、光学顕微鏡を用いて観察した。癌組織切片
の癌細胞の存在部位にはゼラチン消化が認められ、プロ
テアーゼ活性があることが明らかとなった。
【0032】例5: 前立腺癌穿刺吸引試料のプロテア
ーゼ活性の測定 前立腺癌の穿刺吸引により採取してコンパウンドと混合
して凍結した試料を、凍結切片作製装置を用いて-25℃
で厚さ4 μmに薄切し、WO97/32035に開示されたゼラチ
ン薄膜に接着させた。ゼラチンの膜厚は6.9 μmのもの
を用いた。このゼラチン膜を37℃、相対湿度100%で24時
間から40時間インキュベートし、自然乾燥させた。染色
液としては6%のトリクロロ酢酸水溶液に濃度0.8%になる
ようにポンソー3Rを溶解させた液をエタノールと等量
混合した液を用い、室温で30秒間浸漬して染色した。1
分間水洗した後、マイヤーのヘマトキシリン液に2分間
浸漬して核染色を行い、5分間水洗して自然乾燥させ
た。乾燥後、組織切片を覆うようにカバーエイドフィル
ム(サクラ精機製)をキシレンを用いて貼り付け前立腺
癌切片を封入した。このフィルムを図1に示すプラスチ
ック製のマウントに保持し、光学顕微鏡を用いて観察し
た。穿刺吸引試料の癌細胞の存在部位にゼラチン消化が
認められ、プロテアーゼ活性があることが明らかとなっ
た。
【0033】例6: 乳癌穿刺吸引試料のプロテアーゼ
活性の測定(その1) 乳癌の穿刺吸引により採取した試料を、WO97/32035に開
示されたゼラチン薄膜上に注射針より勢い良く飛ばし、
細胞を分散状態で接着させた。ゼラチンの膜厚は5 μm
のものを用いた。このゼラチン膜を37℃、相対湿度100%
で8時間から20時間インキュベートし、自然乾燥させ
た。染色液としては6%のトリクロロ酢酸水溶液に濃度0.
8%になるようにポンソー3Rを溶解させた液をエタノー
ルと等量混合して用い、室温で60秒間浸漬して染色し
た。1分間水洗した後、マイヤーのヘマトキシリン液に2
分間浸漬して核染色を行い、10分間水洗して自然乾燥さ
せた。乾燥後、フィルム上に分散した細胞試料を覆うよ
うにカバーエイドフィルム(サクラ精機製)をキシレン
を用いて貼り付け乳癌細胞を封入した。このフィルムを
図1に示すプラスチック製のマウントに保持し、光学顕
微鏡を用いて観察した。穿刺吸引試料の癌細胞の存在部
位にはゼラチン消化が認められ、プロテアーゼ活性があ
ることが明らかとなった。
【0034】例7: 乳癌穿刺吸引試料のプロテアーゼ
活性の測定(その2) 乳癌の穿刺吸引により採取した試料をPBS中に分散さ
せ、遠心と分散を2〜3回繰り返して洗浄した。その後WO
97/32035に開示されたゼラチン薄膜上に、サイトスピン
を用いて細胞を分散状態で接着させた。ゼラチンの膜厚
は6.9 μmのものを用いた。このゼラチン膜を37℃、相
対湿度100%で8時間から20時間インキュベートし、自然
乾燥させた。染色液としては6%のトリクロロ酢酸水溶液
に濃度0.8%になるようにポンソー3Rを溶解させた液を
エタノールと等量混合して用い、室温で60秒間浸漬して
染色した。1分間水洗した後、マイヤーのヘマトキシリ
ン液に2分間浸漬して核染色を行い、10分間水洗して自
然乾燥させた。乾燥後、フィルム上に分散した細胞試料
を覆うようにカバーエイドフィルム(サクラ精機製)を
キシレンを用いて貼り付け乳癌細胞を封入した。このフ
ィルムを図1に示すプラスチック製のマウントに保持
し、光学顕微鏡を用いて観察した。穿刺吸引試料の癌細
胞の存在部位にはゼラチン消化が認められ、プロテアー
ゼ活性があることが明らかとなった。
【0035】例8: リウマチ患者の滑膜液のプロテア
ーゼ活性測定 リウマチ患者の滑膜液約20 μLをWO97/32035に開示され
たゼラチン薄膜上に滴下した。ゼラチンの膜厚は6 μm
のものを用いた。このゼラチン膜を37℃、相対湿度100%
で1時間から3時間インキュベートし、自然乾燥させた。
染色液としては6%のトリクロロ酢酸水溶液に濃度0.8%に
なるようにポンソー3Rを溶解させた液を用い、室温で
30秒間浸漬して染色した。20秒間水洗した後、20秒間エ
タノールに浸漬して自然乾燥させ、試料滴下部分を覆う
ようにカバーエイドフィルム(サクラ精機製)をキシレ
ンを用いて貼り付けゼラチン膜を保護した。このフィル
ムを肉眼で観察すると、試料を滴下した部分にゼラチン
消化が認められ、プロテアーゼ活性の存在が明らかとな
った。
【0036】例9:乳癌組織のプロテアーゼ活性の測定 外科手術により摘出して凍結した乳癌試料を、凍結切片
作製装置を用いて-25℃で厚さ4 μmに薄切し、国際公開
WO97/32035に開示されたゼラチン薄膜に接着させた。ゼ
ラチンの膜厚は5 μmのものを用いた。このゼラチン薄
膜を37℃、相対湿度100%で14時間インキュベートし、自
然乾燥させた。染色液として6%のトリクロロ酢酸水溶液
に濃度0.8%になるようにBiebrich Scarletを溶解させた
液とエタノールとの等量混合液を用い、室温で3分間浸
漬して染色した。10分間水洗した後、マイヤーのヘマト
キシリン液に2分間浸漬して核染色を行い、10分間水洗
後自然乾燥させた。乾燥後、組織切片を覆うようにカバ
ーエイドフィルム(サクラ精機製)をキシレンを用いて
貼り付け、乳癌切片を封入した。このフィルムを図1に
示すプラスチック製のマウントに保持して光学顕微鏡を
用いて観察した。乳癌組織切片中には、核の形態より癌
細胞が存在すると考えられる部位にゼラチン消化が認め
られ、プロテアーゼ活性があることが明らかとなった。
【0037】比較例:乳癌組織のプロテアーゼ活性の測
定(アミドブラック染色) 例1と同様にして乳癌試料をゼラチン膜に接着させ、37
℃、相対湿度100%で16時間から30時間インキュベート
し、自然乾燥させた。アミドブラックの溶液は、70%メ
タノール、10%酢酸、20%水の混合液にアミドブラック10
Bを濃度1%になるよう加え、一晩撹拌して溶解後、濾紙
で濾過してから使用した。このアミドブラック染色液
に、上記のように処理したフィルムを室温で15分間浸漬
して染色した。70%メタノール、10%酢酸、20%水の混合
液に10分間浸漬して脱色した後、エタノールに20秒間浸
漬し、自然乾燥させた。乾燥後、乳癌切片を覆うように
カバーエイドフィルム(サクラ精機製)をキシレンを用
いて貼り付け切片を封入した。このフィルムを図1に示
すプラスチック製のマウントに保持し、光学顕微鏡を用
いて観察した。薄膜の一部にゼラチン消化が認められ、
プロテアーゼ活性があることが明らかとなったが、乳癌
切片のどの細胞に活性があるかは不明であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、消化痕の観察と
同時に薄膜上の組織又は細胞の観察が可能になり、プロ
テアーゼ活性を発現する組織部分や細胞の特定が容易に
なる。例えば、薄膜の染色と共に細胞核染色を行うこと
により、核の形態情報と消化痕とを同一の標本で観察す
ることができるので、形態変化を起こした異常細胞がプ
ロテアーゼ活性を発現するか否かを簡便に判定すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例中の例1から例7、及び例9において
用いたプラスチック製のマウントを示した図である。
(a)は押え板の平面図、(b)は押え板の側面図、(c)は基
板の平面図、(d)は基板の側面図を示し、(e)はマウント
の斜視図を示す。
【符号の説明】
1 ガイド 2 接着部 3 ストッパー 4 基板 5 押え板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロテアーゼの測定方法であって、(1)
    プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体表面に形成さ
    れた薄膜に対して、プロテアーゼを含む生体試料を接触
    させる工程;及び(2)上記工程(1)で得られた薄膜を赤
    色、橙色、及び黄色からなる群から選ばれる1種又は2
    種以上の染料で染色し、プロテアーゼの作用により該薄
    膜に形成された消化痕を検出する工程を含む方法。
  2. 【請求項2】 プロテアーゼの測定方法であって、(1)
    プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体表面に形成さ
    れた薄膜に対して、プロテアーゼを含む生体試料を接触
    させる工程;(2)上記工程(1)で得られた薄膜を赤色、橙
    色、及び黄色からなる群から選ばれる1種又は2種以上
    の染料で染色し、プロテアーゼの作用により該薄膜に形
    成された消化痕を検出する工程;(3)薄膜上の生体試料
    を工程(2)で用いた染料とは異なる色の染料で染色する
    工程;及び(4)上記工程(1)で得られた薄膜の消化痕と上
    記工程(3)で得られた染色とを対比する工程を含む方
    法。
  3. 【請求項3】 工程(3)において細胞核の染色を行う請
    求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 プロテアーゼの測定方法であって、(1)
    プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体表面に形成さ
    れた薄膜に対して生体試料の実質的に連続した2以上の
    切片のうちの一つを接触させる工程;(2)プロテアーゼ
    基質、硬膜剤、及びプロテアーゼ・インヒビターを含み
    支持体表面に形成された薄膜に対して上記切片のうちの
    他の切片を接触させる工程;(3)上記工程(1)及び工程
    (2)で得られた薄膜を赤色、橙色、及び黄色からなる群
    から選ばれる1種又は2種以上の染料で染色し、プロテ
    アーゼの作用により該薄膜に形成された消化痕を検出す
    る工程;及び(4)上記工程(1)で得られた薄膜の消化痕と
    上記工程(2)で得られた薄膜の消化痕とを対比する工程
    を含む方法。
  5. 【請求項5】 プロテアーゼの測定方法であって、(1)
    プロテアーゼ基質と硬膜剤とを含み支持体表面に形成さ
    れた薄膜に対して生体試料の実質的に連続した2以上の
    切片のうちの一つを接触させる工程;(2)プロテアーゼ
    基質、硬膜剤、及びプロテアーゼ・インヒビターを含み
    支持体表面に形成された薄膜に対して上記切片のうちの
    他の切片を接触させる工程;(3)上記工程(1)及び工程
    (2)で得られた薄膜を赤色、橙色、及び黄色からなる群
    から選ばれる1種又は2種以上の染料で染色し、プロテ
    アーゼの作用により該薄膜に形成された消化痕を検出す
    る工程;(4)該薄膜上の切片を工程(3)で用いた染料とは
    異なる色の染料で染色する工程;及び(5) 上記工程(1)
    で得られた薄膜の消化痕、工程(2)で得られた薄膜の消
    化痕、及び工程(4)で得られた染色とを対比する工程を
    含む方法。
  6. 【請求項6】 工程(4)において細胞核の染色を行う請
    求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 生体試料の染色にヘマトキシリン又はメ
    チルグリーンを用いる請求項3又は6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 薄膜の染色にポンソー3Rを用いる請求
    項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
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WO2019208703A1 (ja) * 2018-04-26 2019-10-31 日本電気株式会社 情報処理装置、制御方法、及びプログラム

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