JP2001089555A - ポリエステル製造用触媒およびポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステル製造用触媒およびポリエステルの製造方法

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JP2001089555A
JP2001089555A JP26971299A JP26971299A JP2001089555A JP 2001089555 A JP2001089555 A JP 2001089555A JP 26971299 A JP26971299 A JP 26971299A JP 26971299 A JP26971299 A JP 26971299A JP 2001089555 A JP2001089555 A JP 2001089555A
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JP26971299A
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Takayuki Onoki
隆 行 小野木
Seiji Noda
田 誠 司 野
Hideshi Hori
秀 史 堀
Katsuyuki Sakai
井 勝 幸 酒
Shoji Hiraoka
岡 章 二 平
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】重合活性に優れたポリエステル製造用触媒およ
びこの触媒を用いたポリエステルの製造方法を提供す
る。 【解決手段】ポリエステル製造用触媒は、(A)(A-
1)チタン化合物を加水分解してなる加水分解物または
(A-2)チタンハロゲン化物とチタン以外の他の元素か
ら選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化
合物の前駆体との混合物を加水分解してなる加水分解物
と、(B)塩基性化合物と、(C)脂肪族ジオールとの
混合物を加熱して得られるスラリーからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルの製
造方法に関し、さらに詳しくは、重合活性に優れたポリ
エステル製造用触媒およびこの触媒を用いたポリエステ
ルの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエステル、例えばポリエチレ
ンテレフタレートは、機械的強度、耐熱性、透明性およ
びガスバリア性に優れており、ジュース、清涼飲料、炭
酸飲料等の飲料充填容器の素材をはじめとして種々の用
途に好適に使用されている。
【0003】このようなポリエステルは、通常、芳香族
ジカルボン酸などのジカルボン酸類と脂肪族ジオールな
どのジヒドロキシ化合物類とを原料として製造される。
具体的には、まず、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジオー
ルとのエステル化反応により低次縮合物(エステル低重
合体)を形成し、次いで重縮合触媒の存在下にこの低次
縮合物を脱グリコール反応(液相重縮合)させて高分子
量化した後、通常さらに固相重縮合を行って製造され
る。
【0004】ところで上記のようなポリエステルの製造
方法では、重縮合触媒として、従来、アンチモン化合
物、ゲルマニウム化合物などが使用されている。しかし
ながら、アンチモン化合物を使用した場合には、ゲルマ
ニウム化合物を使用する場合に比べ、得られるポリエス
テルが耐熱性、透明性の点で、若干問題があった。
【0005】また、ゲルマニウム化合物はかなり高価で
あるため、ポリエステルの製造コストが高くなるという
問題があり、製造コストを下げるために、例えば重合時
に飛散するゲルマニウム化合物を回収して再利用するな
どのプロセス上の改良が検討されている。
【0006】このような状況のもと本発明者は、チタン
ハロゲン化物を加水分解してなる加水分解物またはチタ
ンハロゲン化物とチタン以外の他の元素から選ばれる少
なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体
との混合物を加水分解してなる加水分解物からなる重縮
合触媒は、高い触媒活性でポリエステルを製造できるこ
とを見い出した。
【0007】本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、
上記加水分解物と、塩基性化合物と、脂肪族ジオールと
の混合物を加熱して得られたスラリーは、さらに触媒活
性に優れることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような状況のもとにな
されたものであって、重合活性に優れたポリエステル重
合用触媒およびこの触媒を用いたポリエステルの製造方
法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るポリエステル製造用触媒
は、(A)(A-1)チタン化合物を加水分解してなる加
水分解物または(A-2)チタンハロゲン化物とチタン以
外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合
物またはこの化合物の前駆体との混合物を加水分解して
なる加水分解物と、(B)塩基性化合物と、(C)脂肪
族ジオールとの混合物を加熱して得られるスラリーから
なることを特徴としている。
【0010】上記塩基性化合物としては、例えばテトラ
エチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、アンモニア水、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、N-エチルモルホリン、N-メチルモ
ルホリンなどが挙げられ、上記脂肪族ジオールとしては
例えばエチレングリコールが挙げられる。
【0011】本発明に係るポリエステルの製造方法は、
上記ポリエステル製造用触媒の存在下に芳香族ジカルボ
ン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオー
ルまたはそのエステル形成性誘導体とを重縮合させてポ
リエステルを製造することを特徴としている。
【0012】
【発明の具体的説明】以下本発明に係るポリエステル製
造用触媒およびポリエステルの製造方法について具体的
に説明する。
【0013】本発明に係るポリエステル製造用触媒は、
(A)(A-1)チタン化合物を加水分解してなる加水分
解物または(A-2)チタンハロゲン化物とチタン以外の
他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物ま
たはこの化合物の前駆体との混合物を加水分解してなる
加水分解物(以下これらの加水分解物を「含チタン加水
分解物」ということがある。)と、(B)塩基性化合物
と、(C)脂肪族ジオールとの混合物を加熱して得られ
るスラリーからなる。
【0014】加水分解に用いられるチタン化合物として
は、チタンアルコキシド、チタンハロゲン化物などが用
いられる。チタン化合物としてチタンハロゲン化物を用
いることは、本発明の好ましい態様の一つである。以
下、チタン化合物としてチタンハロゲン化物を用いた含
チタン加水分解物の調製方法について具体的に説明する
が、チタンアルコキシドの加水分解物の調製も同様に行
うことができる。
【0015】含チタン加水分解物の調製に用いられるチ
タンハロゲン化物は、チタン原子とハロゲン原子との結
合が少なくとも1つ以上分子内に存在する化合物であ
り、具体的には四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化
チタンなどの四ハロゲン化チタン;三塩化チタンなどの
三ハロゲン化チタン;二塩化チタンなどの二ハロゲン化
物および一ハロゲン化チタンが挙げられる。
【0016】チタンハロゲン化物を加水分解する方法と
しては、特に限定されず、例えば水中にチタンハロゲ
ン化物を添加する方法、チタンハロゲン化物中に水を
添加する方法、水中にチタンハロゲン化物の蒸気を含
んだガスを通じる方法、チタンハロゲン化物中に水蒸
気を含んだガスを通じる方法、チタンハロゲン化物を
含んだガスと水蒸気を含んだガスとを接触させる方法な
どが挙げられる。
【0017】上記のように加水分解方法は特に限定され
ないが、いずれの場合でもチタンハロゲン化物に大過剰
の水を作用させて加水分解を完全に進行させることが必
要である。加水分解を完全に進行させず、得られた加水
分解物が特公昭51-19477項公報に記載されてい
るような部分加水分解物となる場合には、重縮合速度が
充分でないことがある。
【0018】加水分解を行う温度は、通常100℃以
下、特に0〜70℃の範囲であることが好ましい。本発
明で用いられる含チタン加水分解物は、チタンハロゲン
化物と、チタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも
1種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体(以下
「他の元素の化合物」ということがある。)との混合物
を加水分解してなる加水分解物であってもよい。すなわ
ちこの加水分解物は、他の元素の化合物を共存させてチ
タンハロゲン化物の加水分解を行うことにより得られ
る。
【0019】チタンハロゲン化物の加水分解時に共存さ
せてもよい他の元素の化合物としては、ベリリウム、マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
スカンジウム、イットリウム、ランタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロ
ム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニ
ウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、
銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、
ゲルマニウム、スズ、アンチモンおよびリン(以下これ
らの元素を「他の元素」という。)からなる群より選ば
れる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の
前駆体が挙げられる。上記他の元素の化合物としては、
例えば、水酸化物などが挙げられる。
【0020】これらの他の元素の化合物は、1種単独で
または2種以上組み合わせて用いることができる。チタ
ンハロゲン化物と、他の元素の化合物との混合物を加水
分解する方法としては特に限定されず、例えば他の元
素の化合物が溶解または懸濁した水中にチタンハロゲン
化物を添加する方法、水中にチタンハロゲン化物と他
の元素の化合物との混合物を添加する方法、チタンハ
ロゲン化物と他の元素の化合物との混合物中に水を添加
する方法、チタンハロゲン化物中に他の元素の化合物
が溶解または懸濁した水を添加する方法、他の元素の
化合物が溶解または懸濁した水中にチタンハロゲン化物
の蒸気を含んだガスを通じる方法、水中にチタンハロ
ゲン化物の蒸気および他の元素の化合物の蒸気を含んだ
ガスを通じる方法、チタンハロゲン化物と他の元素の
化合物との混合物中に水蒸気を含んだガスを通じる方
法、チタンハロゲン化物中に水蒸気と他の元素の化合
物の蒸気を含んだガスを通じる方法、チタンハロゲン
化物を含んだガスと他の元素の化合物の蒸気を含んだガ
スと水蒸気を含んだガスを接触させる方法などが挙げら
れる。
【0021】加水分解の際には、チタンハロゲン化物中
のチタン(Ti)と、他の元素の化合物中の他の元素
(E)とのモル比(E/Ti)は、1/50〜50/1
の範囲であることが望ましい。また加水分解を行う温度
は、通常100℃以下、好ましくは0〜70℃の範囲で
あることが好ましい。
【0022】チタンハロゲン化物または、チタンハロゲ
ン化物と他の元素の化合物との混合物を加水分解する際
には、チタンハロゲン化物の加水分解により発生するハ
ロゲン化水素によって液性が酸性を呈する。この酸性に
よって加水分解が完結しないことがあるので塩基を添加
して中和してもよい。ここで用いられる塩基としては、
アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化マグネシウムなどの元素の周期表第1、2族元素の
水酸化物、あるいは炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどの元素の周期
表第1、2族元素の炭酸(水素)化合物、尿素、塩基性
有機化合物が挙げられる。中和の終点はpHが4以上が
好ましく、また中和は、70℃以下で行うことが好まし
い。
【0023】上記加水分解により得られる加水分解物
は、この段階ではオルソチタン酸とも呼ばれる含水水酸
化物のゲルまたは他の元素を含む含水複合水酸化物ゲル
である。この含水水酸化物ゲルまたは含水複合水酸化物
ゲルは、このまま重縮合触媒として用いることができる
が、脱水乾燥して固体状の加水分解物(固体状含チタン
化合物)とすることが好ましい。
【0024】加水分解物の乾燥は常圧または減圧下、固
相状態または水よりも高沸点の液相に懸濁した状態で行
うことができ、乾燥温度は特に限定されないが、30℃
以上350℃未満であることが好ましい。なお乾燥の前
に含水水酸化物ゲルまたは含水複合水酸化物ゲルを水洗
したり、乾燥後に固体状含チタン化合物を水洗すること
によって水溶性の成分を除去してもよい。また乾燥は速
やかに行うことが好ましい。
【0025】このようにして得られた固体状含チタン化
合物は、その組成は共存させる他の元素の有無や量、水
洗の有無、乾燥方法、乾燥の程度によって異なるが、水
酸基(OH)とチタン(Ti)とのモル比(OH/T
i)が通常0.09を超えて4未満、好ましくは0.1
〜3、より好ましくは0.1〜2の範囲にあることが重
縮合活性の点で望ましい。水酸基とチタンとのモル比
は、付着水分および加熱脱離水分の測定により求めるこ
とができる。
【0026】水酸基とチタンとのモル比は、具体的には
以下のようにして求める。固体状含チタン化合物中の水
酸基含量を求めるには、まずカールフィッシャー水分計
により付着水分量を測定する。次に、熱重量分析により
600℃まで加熱することによる加熱減量を測定する。
600℃まで加熱することにより付着水分が脱離し、水
酸基は水として脱離するものと考えられるため、加熱減
量から付着水分量を差し引いた値より水酸基含有量を求
める。固体状含チタン化合物中のチタン含有量は、高周
波プラズマ発光分析装置により求める。上記チタン含有
量と水酸基含有量とからOH/Ti比を求める。
【0027】より具体的には、例えば調製時に中和剤と
してアンモニアを使用した固体状含チタン化合物であっ
て、固体状含チタン化合物中のチタン含有量が46重量
%であり、付着水分量が6.73重量%であり、600
℃までの加熱減量が9.67重量%であり、窒素含量が
1.3重量%であり、塩素含量が14ppmである場合
OH/Ti比は以下のように計算する。なお、窒素含量
は微量全窒素分析装置(化学発光法)で、塩素含量はク
ロマトグラフィーで分析する。固体状含チタン化合物1
00g中のチタンのモル量は以下のように計算される。
【0028】
【数1】
【0029】また固体状含チタン化合物中の窒素および
塩素はそれぞれアンモニア、塩化水素として脱離するた
め、加熱脱離水分量(重量%)は以下のように求められ
る。
【0030】
【数2】
【0031】上記計算結果と付着水分量の測定値から水
酸基由来の加熱脱離水分量(重量%)は以下のように求
められる。 8.090−6.73=1.360 これより固体状含チタン化合物100g中に含まれる水
酸基のモル量は以下のように求められる。
【0032】(1.360/18)×2=0.1511 以上より、固体状含チタン化合物中のチタン含有量と水
酸基含有量とのモル比(OH/Ti比)が求められる。 0.1511÷0.9607=0.157
【0033】この固体状含チタン化合物は、重縮合反応
が行われる温度、例えば約280℃においても水酸基が
残留する。また固体状含チタン化合物が他の元素を含む
場合は、該化合物中のチタン(Ti)と、他の元素
(E)とのモル比(E/Ti)が、1/50〜50/
1、好ましくは1/40〜40/1、さらに好ましくは
1/30〜30/1であることが好ましい。
【0034】上記含水水酸化物ゲル、含水複合水酸化物
ゲル、固体状含チタン化合物などの含チタン加水分解物
は、塩素含量が通常0〜10000ppm、好ましくは
0〜100ppmである。
【0035】本発明で用いられる塩基性化合物は、水溶
液中で塩基性を示す化合物であり、具体的には例えば、
テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド、アンモニア水、水酸化ナト
リウム、水酸化カルシウム、N-エチルモルホリン、N-メ
チルモルホリンなどが挙げられ、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシドが好ましい。
【0036】本発明で用いられる脂肪族ジオールとして
具体的には、エチレングリコール、トリメチレングリコ
ール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ドデカメチレングリコールなどが挙げられ、エチレ
ングリコールを用いることが好ましい。
【0037】本発明に係るポリエステル製造用触媒は、
上記含チタン加水分解物と、塩基性化合物と、脂肪族ジ
オールとの混合物を加熱することによりスラリーとして
得られる。
【0038】上記混合液中には、含チタン加水分解物が
0.05〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量
%、より好ましくは0.5〜15重量%の割合で含ま
れ、塩基性化合物が0.5〜50重量%、好ましくは1
〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%の割合で
含まれる。なお、残りは脂肪族ジオールである。
【0039】含チタン加水分解物の含有割合が0.05
重量%以上であると、脂肪族ジオールの添加量を減少さ
せることができ、重合速度が速くなる。また、含チタン
加水分解物の含有割合が50重量%以下であると、加熱
時の着色が少なく、これを用いて重合したポリエステル
の色相が良好になる。
【0040】また、塩基性化合物の含有割合が0.5重
量%以上であると触媒活性が向上し、塩基性化合物の含
有割合が30重量%以下であると、加熱時の着色が少な
い。上記混合物の加熱温度は、通常100〜300℃、
好ましくは120〜250℃、より好ましくは140〜
200℃、加熱時間は5分〜10時間、好ましくは30
分〜8時間であることが望ましい。
【0041】このポリエステル製造用触媒の使用割合
は、テレフタル酸とエチレングリコールとの混合物の重
量に対して、該触媒中の金属の重量として、通常、0.
0005〜0.2重量%、好ましくは0.001〜0.
05重量%の範囲である。
【0042】ポリエステル製造用触媒は、エステル化反
応工程において重合反応器に添加することもできるし、
重縮合反応工程の第1段目の反応器に添加することもで
きる。
【0043】本発明では、上記ポリエステル製造用触媒
に加えて下記のような助触媒成分を使用することができ
る。この助触媒成分としては、ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、
アルミニウム、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、
ゲルマニウム、アンチモンおよびリンからなる群より選
ばれる少なくとも1種の元素の化合物が挙げられ、具体
的には、これらの元素の酢酸塩などの脂肪酸塩、これら
の元素の炭酸塩、これらの元素の硫酸塩、これらの元素
の硝酸塩、塩化物などのハロゲン化物、これらの元素の
アセチルアセトナート塩、これらの元素の酸化物などが
挙げられる。これらの中では、酢酸塩または炭酸塩が好
ましい。
【0044】また、リン化合物としては、元素の周期表
第1族、第2族、周期表上第4周期の遷移金属、ジルコ
ニウム、ハフニウムおよびアルミニウムから選ばれる少
なくとも1種の金属のリン酸塩、亜リン酸塩が挙げられ
る。
【0045】助触媒成分としてより具体的には、アルミ
ニウム化合物としては、酢酸アルミニウムなどの脂肪酸
アルミニウム塩、炭酸アルミニウム、塩化アルミニウ
ム、アルミニウムのアセチルアセトナート塩などが挙げ
られ、特に酢酸アルミニウムまたは炭酸アルミニウムが
好ましい。
【0046】バリウム化合物としては、酢酸バリウムな
どの脂肪酸バリウム塩、炭酸バリウム、塩化バリウム、
バリウムのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸バリウムまたは炭酸バリウムが好ましい。
【0047】コバルト化合物としては、酢酸コバルトな
どの脂肪酸コバルト塩、炭酸コバルト、塩化コバルト、
コバルトのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸コバルトまたは炭酸コバルトが好ましい。
【0048】マグネシウム化合物としては、酢酸マグネ
シウムなどの脂肪酸マグネシウム塩、炭酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、マグネシウムのアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸マグネシウムまたは
炭酸マグネシウムが好ましい。
【0049】マンガン化合物としては、酢酸マンガンな
どの脂肪酸マンガン塩、炭酸マンガン、塩化マンガン、
マンガンのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸マンガンまたは炭酸マンガンが好ましい。
【0050】ストロンチウム化合物としては、酢酸スト
ロンチウムなどの脂肪酸ストロンチウム塩、炭酸ストロ
ンチウム、塩化ストロンチウム、ストロンチウムのアセ
チルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸ストロン
チウムまたは炭酸ストロンチウムが好ましい。
【0051】亜鉛化合物としては、酢酸亜鉛などの脂肪
酸亜鉛塩、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛のアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸亜鉛または炭酸亜鉛
が好ましい。
【0052】ゲルマニウム化合物としては、二酸化ゲル
マニウム、酢酸ゲルマニウムなどが挙げられる。アンチ
モン化合物としては、二酸化アンチモン、酢酸アンチモ
ンなどが挙げられる。
【0053】リン化合物のうちリン酸塩としては、リン
酸リチウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチ
ウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リ
ン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素
カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ストロンチウ
ム、リン酸二水素ストロンチウム、リン酸水素二ストロ
ンチウム、リン酸ジルコニウム、リン酸バリウム、リン
酸アルミニウム、リン酸亜鉛などが挙げられる。このう
ち、特にリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水
素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましく使用され
る。
【0054】また、リン化合物のうち亜リン酸塩として
は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4周期
の遷移金属、ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミ
ニウムから選ばれる少なくとも1種の金属の亜リン酸塩
が使用され、具体的には、亜リン酸リチウム、亜リン酸
ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸ストロンチウ
ム、亜リン酸ジルコニウム、亜リン酸バリウム、亜リン
酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛などが挙げられる。この
うち、特に亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウムが、
好ましく使用される。
【0055】助触媒成分としては、これらのなかでも炭
酸マグネシウム、酢酸マグネシウムなどのマグネシウム
化合物;炭酸カルシウム、酢酸カルシウムなどのカルシ
ウム化合物;塩化亜鉛、酢酸亜鉛などの亜鉛化合物が好
ましい。
【0056】これらの助触媒成分は、1種単独でまたは
2種以上組み合わせて用いることができる。このような
助触媒成分は、上記ポリエステル製造用触媒中のチタン
(他の元素を含む場合はチタンおよび他の元素)(T
i)と、助触媒成分中の金属原子(M)とのモル比
〔(M)/(Ti)〕で、1/50〜50/1、好まし
くは1/40〜40/1、より好ましくは1/30〜3
0/1の範囲の量で用いられることが望ましい。なお、
リン酸塩や亜リン酸塩などのリン化合物を使用する場合
は、リン化合物に含まれる金属原子換算である。
【0057】助触媒成分は、エステル化反応工程におい
て重合反応器に添加することもできるし、液相重縮合反
応工程の第1段目の反応器に添加することもできる。ま
た助触媒成分をエステル化反応工程で添加する場合は、
上記ポリエステル製造用触媒と同時に添加してもよく、
別個に添加してもよい。
【0058】本発明に係るポリエステルの製造方法で
は、上記のようなポリエステル製造用触媒を用いてポリ
エステルを製造する。本発明ではポリエステルは、芳香
族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、脂
肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体とを原料
として製造する。
【0059】芳香族ジカルボン酸として具体的には、フ
タル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリンジカ
ルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸などが挙げられる。
【0060】脂肪族ジオールとして具体的には、エチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、プロピレング
リコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレン
グリコールなどが挙げられる。
【0061】本発明では、芳香族ジカルボン酸ととも
に、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジ
カルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを原料とし
て使用することができ、脂肪族ジオールとともに、シク
ロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビス
フェノール、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒドロキ
シエトキシフェニル)プロパン類、1,3-ビス(2-ヒドロ
キシエトキシ)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエト
キシ)ベンゼンなどの芳香族ジオールなどを原料として
使用することができる。
【0062】また本発明では、トリメシン酸、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロー
ルメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合物
を原料として使用することができる。
【0063】上記したような芳香族ジカルボン酸または
そのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそ
のエステル形成性誘導体とを含む原料は、エステル化さ
れる。具体的にはまず、芳香族ジカルボン酸またはその
エステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエ
ステル形成性誘導体とを含むスラリーを調製する。
【0064】このスラリーには、芳香族ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体1モルに対して1.02
〜1.4モル、好ましくは1.03〜1.3モルの脂肪
族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体が含まれ
る。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供
給される。
【0065】エステル化反応は、好ましくは2個以上の
エステル化反応器を直列に連結した装置を用いて脂肪族
ジオールが還流する条件下で、反応によって生成した水
を精留塔で系外に除去しながら実施される。エステル化
反応を行う際の反応条件は、第1段目のエステル化反応
の温度が、通常240〜270℃、好ましくは245〜
265℃であり、圧力が、通常0.2〜3kg/cm2
G、好ましくは0.5〜2kg/cm2Gであり、また
最終段目のエステル化反応の温度が通常250〜280
℃、好ましくは255〜275℃であり、圧力が通常0
〜1.5kg/cm2G、好ましくは0〜1.3kg/
cm2Gである。
【0066】エステル化反応を2段階で実施する場合に
は、第1段目および第2段目のエステル化反応条件がそ
れぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合に
は、第2段目から最終段の1段前までエステル化反応の
反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応
条件の間の条件である。
【0067】例えば、エステル化反応が3段階で実施さ
れる場合には、第2段目のエステル化反応の反応温度
は、通常245〜275℃、好ましくは250〜270
℃であり、圧力は、通常0〜2kg/cm2G、好まし
くは0.2〜1.5kg/cm2Gである。これらのエ
ステル化反応の反応率は、それぞれの段階においては、
とくに制限はないが、各段階におけるエステル化反応率
の上昇の度合が滑らかに分配されることが好ましく、さ
らに最終段目のエステル化反応生成物においては通常9
0%以上、好ましくは93%以上に達することが望まし
い。
【0068】これらのエステル化工程によりエステル化
物(低次縮合物)が得られ、このエステル化物の数平均
分子量は、通常、500〜5000である。このような
エステル化反応は、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジ
オール以外の添加物を添加せずに実施することも可能で
あり、また上記ポリエステル製造用触媒の共存下に実施
することも可能である。またトリエチルアミン、トリn-
ブチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級ア
ミン;水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラ
n-ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアン
モニウムなどの水酸化第4級アンモニウム;炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウムな
どの塩基性化合物を少量添加して実施すると、ポリエチ
レンテレフタレートの主鎖中のジオキシエチレンテレフ
タレート成分単位の割合を比較的低水準に保持できるの
で好ましい。
【0069】次いで得られたエステル化物は、液相重縮
合工程に供給される。この液相重縮合工程では、上記ポ
リエステル製造用触媒の存在下に減圧下で、得られるポ
リエステルの融点以上の温度に加熱し、この際生成する
グリコールを系外に留去させてエステル化物を重縮合す
る。
【0070】このような液相での重縮合反応は、1段階
で行っても、複数段階に分けて行ってもよい。複数段階
で行う場合、重縮合反応条件は、第1段階目の重縮合の
反応温度が、通常、250〜290℃、好ましくは26
0〜280℃であり、圧力が、通常、500〜20Tor
r、好ましくは200〜30Torrであり、また最終段階
の重縮合反応の温度が通常265〜300℃、好ましく
は270〜295℃であり、圧力が通常10〜0.1To
rr、好ましくは5〜0.5Torrである。
【0071】重縮合反応を2段階で実施する場合には、
第1段目および第2段目の重縮合反応条件はそれぞれ上
記の範囲であり、3段階以上で実施する場合には、第2
段目から最終段目の1段前までの重縮合反応の反応条件
は上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間の
条件である。
【0072】例えば、重縮合反応が3段階で実施される
場合には、第2段目の重縮合反応の反応温度は通常26
0〜295℃、好ましくは270〜285℃であり、圧
力は通常、50〜2Torr、好ましくは40〜5Torrの範
囲である。これらの重縮合反応工程の各々において到達
される固有粘度(IV)は特に制限はないが、各段階に
おける固有粘度の上昇の度合が滑らかに分配されること
が好ましい。また、最終段目の重縮合反応器から得られ
るポリエステルの固有粘度(IV)は、通常0.35〜
0.80dl/g、好ましくは0.45〜0.75dl
/g、さらに好ましくは0.55〜0.75dl/gの
範囲であることが望ましい。
【0073】本明細書において、固有粘度は、ポリエス
テル1.2gをo-クロロフェノール15cc中に加熱溶
解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から算
出される。
【0074】またこのポリエステルの密度は、通常1.
33〜1.35g/cm3であることが望ましい。本明
細書において、ポリエステルの密度は、四塩化炭素およ
びヘプタンの混合溶媒を用いた密度勾配管により、23
℃の温度で測定される。
【0075】上記のような重縮合反応は、安定剤の存在
下に実施されることが好ましい。重縮合反応に必要に応
じて用いられる安定剤としては、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリn-ブチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル
類;トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスフ
ァイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リ
ン酸エステル類;メチルアッシドホスフェート、イソプ
ロピルアッシドホスフェート、ブチルアッシドホスフェ
ート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェー
ト、ジオクチルホスフェートなどの酸性リン酸エステル
およびリン酸、ポリリン酸などのリン化合物が用いられ
る。
【0076】安定剤の使用割合は、テレフタル酸とエチ
レングリコールとの混合物の重量に対して、安定剤中の
リン原子の重量として通常、0.001〜0.1重量
%、好ましくは0.002〜0.02重量%の範囲であ
る。安定剤は、エステル化反応工程の段階において供給
することもできるし、重縮合反応工程の第1段目の反応
器に供給することもできる。
【0077】このようにして、最終重縮合反応器から得
られたポリエステルは、通常、溶融押出成形法によって
粒状(チップ状)に成形される。このような粒状ポリエ
ステルは、通常2.0〜5.0mm、好ましくは2.2
〜4.0mmの平均粒径を有することが望ましい。この
ようにして液相重縮合工程を経た粒状ポリエステルは、
通常固相重縮合工程に供給される。
【0078】粒状ポリエステルは、固相重縮合を行う場
合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った
後、固相重縮合工程に供給してもよい。このような予備
結晶化工程は、粒状ポリエステルを乾燥状態で、例えば
120〜200℃、好ましくは130〜180℃の温度
に、1分〜4時間加熱することによって行ってもよく、
あるいは粒状ポリエステルを水蒸気雰囲気下、水蒸気含
有不活性ガス雰囲気下または水蒸気含有空気雰囲気下
で、例えば120〜200℃の温度に1分間以上加熱す
ることによって行ってもよい。
【0079】このような粒状ポリエステルが供給される
固相重縮合工程は、少なくとも1段からなり、重縮合温
度が通常190〜230℃、好ましくは195〜225
℃であり、圧力が通常、1kg/cm2 G〜10Torr、
好ましくは常圧ないし100Torrの条件下で、窒素ガ
ス、アルゴンガス、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気下
で固相重縮合反応が実施される。これらの不活性ガスの
中では窒素ガスが好ましい。
【0080】このようして得られたポリエステルの固有
粘度は、通常0.50dl/g以上、好ましくは0.7
2dl/g以上であることが望ましい。このポリエステ
ルの密度は、通常1.37g/cm3 以上、好ましくは
1.38g/cm3以上、さらに好ましくは1.39g
/cm3 以上であることが望ましい。
【0081】
【発明の効果】本発明によると、短時間で所望の固有粘
度を有するポリエステルが得られる。
【0082】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0083】
【実施例1】含チタン加水分解物の調製 1000mlのガラス製ビーカーに脱イオン水500m
lを秤取し、氷浴にて冷却した後、撹拌しながら四塩化
チタン5gを滴下した。塩化水素の発生が止まったら氷
浴より取り出し、撹拌しながら25%アンモニア水を滴
下し、液のpHを8にした。生成したチタン水酸化物の
沈殿を3kg/cm2の圧力で加圧濾過器により濾過、
分別した。その後、得られたチタン水酸化物の沈殿を脱
イオン水で5回洗浄した。洗浄後の固液分離は、上記と
同様に3kg/cm2の圧力で加圧濾過により行った。
洗浄後のチタン水酸化物を70℃、10Torrで、18時
間減圧乾燥して水分を除去し、固体状含チタン化合物を
得た。
【0084】得られた固体状含チタン化合物は、重縮合
触媒として使用する前に10μm程度の粒子に粉砕し
た。ポリエステル製造用触媒の調製 上記含チタン加水分解物10gと、エチレングリコール
65gと、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド25
gとの混合物を、190℃で3時間加熱してポリエステ
ル製造用触媒を得た。
【0085】ポリエステルの製造 定常運転時に33500重量部の反応液が滞留する反応
器に、高純度テレフタル酸とエチレングリコールとを混
合して調製されたスラリーを連続的に供給し、撹拌下、
窒素雰囲気で、260℃、0.9kg/cm2-Gの条件
下でエステル化反応を行った。高純度テレフタル酸とエ
チレングリコールとのスラリーは、高純度テレフタル酸
とエチレングリコールとをそれぞれ6458重量部/
時、2615重量部/時の割合で混合することにより調
製した。
【0086】エステル化反応では、水とエチレングリコ
ールとの混合液が留去された。エステル化反応物(低次
縮合物)は、平均滞留時間が3.5時間となるように制
御して連続的に系外に抜き出した。
【0087】上記で得られたエチレングリコールとテレ
フタル酸との低次重縮合物の数平均分子量は600〜1
300(3〜5量体)であった。こうして得られた低次
縮合物に、ポリエステル製造用触媒を低次縮合物中のテ
レフタル酸単位1モルに対してチタン原子換算で0.0
21モル%となる量で添加し285℃、1Torrの条件で
液相重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレート
の固有粘度が0.65dl/gに達するまでに要した時
間は57分であった。
【0088】
【比較例1】ポリエステル製造用触媒に代えて、含チタ
ン加水分解物を低次縮合物中のテレフタル酸単位1モル
に対してチタン原子換算で0.021モル%となる量で
用たこと以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行っ
た。ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.65
dl/gに達するまでに要した時間は3時間55分であ
った。また該ポリエチレンテレフタレート中のアセトア
ルデヒド含有量は52ppmであった。
【0089】
【比較例2】重縮合触媒(1)の調製 上記含チタン加水分解物10gと、エチレングリコール
65gと、酢酸25gとの混合物を、190℃で3時間
加熱して重縮合触媒(1)を得た。
【0090】ポリエステルの製造 ポリエステル製造用触媒に代えて、上記重縮合触媒
(1)を低次縮合物中のテレフタル酸単位1モルに対し
てチタン原子換算で0.021モル%となる量で用たこ
と以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行った。ポ
リエチレンテレフタレートの固有粘度が0.65dl/
gに達するまでに要した時間は46分であった。また該
ポリエチレンテレフタレート中のアセトアルデヒド含有
量は58ppmであった。
【0091】
【比較例3】重縮合触媒(2)の調製 上記含チタン加水分解物10gと、エチレングリコール
90gとの混合物を、190℃で3時間加熱して重縮合
触媒(2)を得た。
【0092】ポリエステルの製造 ポリエステル製造用触媒に代えて、上記重縮合触媒
(2)を低次縮合物中のテレフタル酸単位1モルに対し
てチタン原子換算で0.021モル%となる量で用いた
こと以外は実施例1と同様にして重縮合反応を行った。
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度が0.65dl
/gに達するまでに要した時間は1時間50分であっ
た。
フロントページの続き (72)発明者 堀 秀 史 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 酒 井 勝 幸 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 平 岡 章 二 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 BA03 JA091 JA171 JC091 JC291 JF031 JF041 JF321

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(A-1)チタン化合物を加水分解し
    てなる加水分解物または(A-2)チタンハロゲン化物と
    チタン以外の他の元素から選ばれる少なくとも1種の元
    素の化合物またはこの化合物の前駆体との混合物を加水
    分解してなる加水分解物と、(B)塩基性化合物と、
    (C)脂肪族ジオールとの混合物を加熱して得られるス
    ラリーからなることを特徴とするポリエステル製造用触
    媒。
  2. 【請求項2】 前記塩基化合物が、テトラエチルアンモ
    ニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロ
    キシド、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
    ウム、N-エチルモルホリン、N-メチルモルホリンから選
    ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の
    ポリエステル製造用触媒。
  3. 【請求項3】 前記脂肪族ジオールが、エチレングリコ
    ールである請求項1または2に記載のポリエステル製造
    用触媒。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のポ
    リエステル製造用触媒の存在下に、芳香族ジカルボン酸
    またはそのエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールま
    たはそのエステル形成性誘導体とを重縮合させてポリエ
    ステルを製造することを特徴とするポリエステルの製造
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003072633A1 (fr) * 2002-02-14 2003-09-04 Mitsui Chemicals, Inc. Resine polyester et catalyseur destine a la production de polyester, procede de production de cette resine polyester au moyen de ce catalyseur, resine polyester obtenue au moyen de ce catalyseur et recipient moule creux comprenant cette resine polyester
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