JP2001087900A - プレス用調整板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 個々の段の個別的な調整を可能にする。 【解決手段】 トランスファプレス１用調整板２０は、
個別的に調節可能な複数の工具取付け場所（支持装置）
を備えている。各々の取付け場所１５ａ，１６ａには、
個別的に作動可能な調整装置２５が付設されている。セ
ンサ装置は調整された調整位置を検出し報告する。同様
に、調整装置２５は個別的なロック装置に連結されてい
る。調整とロックは液圧駆動装置によってあるいは手動
で行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特に塊成形のため
のトランスファプレス用調整板に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば鍛造プレスによって塊成形する場
合、工作物は工具（金型）によって成形される。この工
具は上側工具部分と下側工具部分に分割されている。一
般的に一方の工具部分が停止し、そのためにプレスのプ
レステーブル上に配置されている。これに対して、他方
の工具部分はプレステーブルと相対的に動かされ、その
ためにプレスのラムに連結されている。このラムはその
運動によって、工具部分の間の相対運動を決定する。そ
の際、所望な加工結果を得るために、一般的に、プレス
の運転時に、可動の工具部分の所望な下死点、すなわち
両工具部分の最高近接点を正確に保つ必要がある。

【０００３】そのために、少なくとも一方の工具部分の
位置を調整することができる調整装置が開発された。例
えばドイツ連邦共和国特許出願公開第２５３０４００号
公報により、くさび装置と呼ばれる、鍛造プレスのため
の調整装置が知られている。このくさび装置は定置され
たくさびを備え、このくさびの斜面に、反対向きの第２
のくさびが載っている。このくさびはスピンドル装置を
介して電動機によってスピンドル装置に沿って摺動可能
である。液圧装置はくさび装置の調整時にロックおよび
ロック解除のために役立つ。

【０００４】このくさび装置は固定された型または鍛造
型をプレス内で調節可能に位置決めすることができる。
くさび装置は固定された型を昇降するために調節可能で
あるので、ラムによって支持された可動の工具部分また
は工具に対して調和するように配置されている。

【０００５】これに対して、米国特許第２，９７９，９
７５号明細書により、プレスラムに一体化された調整装
置が知られている。この調整装置は、ラムに設けられた
トグルレバー駆動装置の枢着点をラム本体に対して調整
するために役立つ。そのために、枢着点にくさび装置が
付設されている。このくさび装置はラムの作動方向に対
して横方向に調節可能なくさびを備えている。くさびは
ラムに所属する押圧面と枢着点に所属する押圧面に支持
され、ねじ付きスピンドルを介して調節可能である。こ
のねじ付きスピンドルは伝動装置を介してモータによっ
て駆動される。調節を示すためにナットが設けられてい
る。このナットはラムに設けられたねじ付きスピンドル
によって調節される。ねじ付きスピンドルはくさび調整
装置のスピンドル駆動装置に連結されている。更に、調
整範囲の端部に達したときに調整装置のモータを停止す
るために、リミットスイッチが設けられている。

【０００６】複数の工具段を備えたプレスの場合、ラム
またはテーブルの調節はすべての工具段で等しく行うべ
きである。従って、段相互の最適な調和は実現が困難で
ある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】これから出発して、本
発明の課題は、対策を講じ、個々の段の個別的な調整を
可能にすることである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この課題は、請求項１記
載の特徴を有する調整板によって解決される。

【０００９】本発明によるモジュール板は、複数の支持
装置を備えた本体を備えている。この支持装置は、それ
に間接的にまたは直接的に支持された工具部分を調節す
る働きをする。支持装置は好ましくは一列に並べて配置
され、接続された各々の工具部分を個別的に調節するこ
とを可能にする。このモジュール板によって例えば、複
数の下側工具または複数の工作物位置を有する１個の下
側工具に所属するダイス（ポンチ）が個別的に調節可能
である。従って、調整板は特に、トランスファプレスの
工具調節のために役立つ。上側工具がそれぞれ１つの工
具段である単一工具に分割されているかあるいは下側工
具が分割されているかに応じて、調整板はラムまたはプ
レステーブルで使用することができる。調整板によっ
て、工具部分は個別的に調整可能であるだけでなく、調
和するように同じ寸法だけ調整することができる。例え
ばラム調整またはテーブル調整のための他の調整装置は
不要であり、省略可能である。各々の工具におけるラム
調整およびくさび調整の多重調整は不要である。

【００１０】調整板はラムにボルト止め可能であり、工
具交換時にプレス内にとどまる。調整板は工具交換時に
交換する必要がない。しかし、必要時に、例えば１段の
工具のための組み込み空間を高くするために、調整板を
取り外すことができる。

【００１１】各々の調整装置には１個の駆動装置が付設
されている。この駆動装置によって、調整装置を個別的
に操作可能である。駆動装置は、調整装置とプレスの作
業室に手動アクセスせずに、調整装置の操作を可能にす
る。

【００１２】モジュール板はラムと工具まの間またはテ
ーブルと工具の間でプレスの作業室に収納される。その
際、プレスの作業室をできるだけ狭めないように収納さ
れる。

【００１３】モジュール板はプレスラムまたはプレステ
ーブルに取外し可能に固定するための連結手段を備えて
いる。従って、このモジュール板はプレスに後で装備す
るために役立つ。

【００１４】調整装置として特にくさび装置が適してい
る。このくさび装置の場合には、くさびがプレスの作動
方向に対して横方向に移動可能である。作動方向に対し
て横方向に向いたくさびの面は、モジュール板の押圧面
に接触する。この押圧面に対して鋭角をなして、従って
ラムの作動方向に対して斜めに延びるくさびの押圧面
は、調節可能な工具部分または中間部材のための支持面
としての働きをする。

【００１５】モジュール板は調整不能な工具部分を固定
支持および保持するための保持装置または固定装置を備
えている。この工具部分は調整可能な工具部分のガイド
としての働きをする。その際好ましくは、すべての支持
装置が調整不能なこのような固定装置を備えている。そ
れによって、調整不能なガイド部分を備えた工具を、モ
ジュール板に固定することができる。この場合、ガイド
部分は調整可能な工具部分を案内する。このように案内
と調整を分けることによって（モジュール板が調整を行
い、工具が案内を行う）、いろいろな工具に適した、多
方面で使用可能なモジュール板が形成されるという利点
がある。

【００１６】モジュール板の調整駆動装置は好ましくは
液圧駆動装置または代替的な電気駆動装置である。好ま
しくは、センサ装置が付加的に設けられている。このセ
ンサ装置は調整範囲の端位置だけなく、中間位置を検出
し、信号化する。それによって、例えば中央制御装置ま
たはプレス制御装置を介して、工具調整を遠隔制御する
ことができる。

【００１７】調整装置は好ましくは、プレスの運転時に
調節された位置を保持するために、固定保持装置（ロッ
ク装置）に連結されている。この固定保持装置は好まし
くは、調整駆動装置と調整装置の間の連結伝動装置の１
か所で、締付け装置として伝動要素に作用する。

【００１８】本発明の有利な実施形の他の詳細は、図
面、以下の記載および従属請求項から明らかである。

【００１９】

【発明の実施の形態】図には本発明の実施の形態が示し
てある。

【００２０】図１には、トランスファプレス（多段プレ
ス）１が示してある。このトランスファプレスは、プレ
スフレーム２内で図示していない駆動装置によって矢印
３方向に昇降可能なラム４を備えている。ラム４の下方
において、プレステーブル５がプレスフレーム２上に形
成されている。このプレステーブルの取付け面はラム４
の取付け面７に対してほぼ平行である。

【００２１】プレステーブル６上には、下型９が配置さ
れている。この下型は一列に配置された複数の鍛造型ま
たは工作物収容位置１１，１２，１３，１４を備えてい
る。工作物はこの工作物収容位置１１〜１４を順々に通
過する。工作物を搬送するために、図示していないトラ
ンスファ装置が設けられている。このトランスファ装置
は工具段（金型段）から工具段へ工作物を規則的な時間
間隔をおいて（タクト的に）前進させる。

【００２２】工作物収容位置１１〜１４にはそれぞれ、
上型としての働きをするポンチ１５，１６，１７，１８
が付設されている。このポンチは一点鎖線で示すよう
に、工作物収容位置１１〜１４と一直線上に並んでい
る。ポンチ１５〜１８は工具収容位置１５ａ，１６ａ，
１７ａ，１８ａで調整板２０によって支持されている。
この調整板はラム４の工具取付け面７に取外し可能に連
結されている。調整板はポンチを個別的に調節する働き
をする。

【００２３】調整板２０は図２，３に幾分詳細に示して
ある。調整板は複数の部分からなる本体２１を備えてい
る。この本体は嵌め合いピン２２を介してラム４または
工具取付け面７に対して位置決めされている。固定ボル
ト２４が調整板２０をラム４に固定する働きをする。

【００２４】調整板２０は各々のポンチ１５，１６，１
７，１８のためにそれぞれ１個のくさび２５を備えてい
る。このくさびは調整装置としての働きをし、傾斜面２
６を有する。この傾斜面２６は調整面またはくさび面と
しての働きをする。各々のくさび２５には図３に一点鎖
線で概略的に示した固定装置２７が付設されている。こ
の固定装置は工具収容位置１５ａ〜１８ａにおいて工具
を調整板２０に固定する働きをする。固定装置２７は例
えばねじ付きピンである。

【００２５】くさび２５はラム４の作業方向３に対して
横方向に向いた接触面３１を備えている。この接触面は
本体２１内に配置された押圧板３２に接触する。押圧板
は他の側でラム４に支持され、更に本体２１にボルト止
めされている。

【００２６】くさび２５を調節するために、ねじ付きス
ピンドル３３が設けられている。このねじ付きスピンド
ルは押圧板３２に対して平行に延び、端側がスラスト軸
受に嵌め込まれ、回転可能に軸承されている。特に図４
から明らかである押圧板３４は本体２１内に配置され、
ねじ付きスピンドル３３の軸方向の摺動を防止する。こ
のねじ付きスピンドルはそのねじを有する端部がくさび
２５の対応する横穴に係合している。ねじ付きスピンド
ル３３の他端は外側に向けて案内され、液圧モータ３５
の被駆動部に連結されている。この液圧モータは図示し
ていない導線を介して制御装置に接続されている。液圧
モータ３５はその被駆動部を介して角度センサ３６に接
続されている。この角度センサにより、ねじ付きスピン
ドル３３の回転位置を検出することができる。位置セン
サ３６は同様に制御装置に接続されている。上記の代わ
りに、くさび２５を手動操作装置として形成可能であ
る。そんために、くさびは手動で直接的に摺動させるこ
とができる。しかし、くさびを調整するために、手動操
作のねじ付きスピンドルを設けることができる。

【００２７】くさび２５の調節は特別なロック装置（固
定保持装置）５１によって阻止される。このロック装置
には環状ピストン５２が属する。この環状ピストンはね
じ付きスピンドル３３に設けられた環状フランジ５３と
協働する。環状フランジ５３は本体２１内の貫通穴の内
側肩部５４に支持されている。ねじ付きスピンドル３３
がこの貫通穴を通過している。フランジ５３の反対側
で、ねじ付きスピンドル３３（ねじなし）が延びてい
る。この範囲は環状ピストン５２によって取り囲まれて
いる。この環状ピストンはフランジ５３の隣に、半径方
向外側に延びる区間５５を備えている。この区間はその
外周面にシール５２ａを備えている。この区間は環状ピ
ストン５２が装着された段付きブッシュ５６と共に、圧
液で付勢される作動室Ａを画成している。ブッシュ状の
環状ピストン５２は軸方向において区間５５と反対側
に、他のシール５７を備えている。従って、このように
して形成された環状の作動室Ａは軸方向両側でシールさ
れている。この作動室を圧液で付勢すると、環状ピスト
ン５２の環状端面はフランジ５３に押し付けられ、この
フランジを環状肩部５４に押圧する。それによって、ね
じ付きスピンドル３３は適切にロック可能である。スラ
スト軸受３１は環状フランジ５３と関連して、軸方向に
おいて固定されたブッシュ５６と環状肩部５４とによっ
て形成されている。環状フランジは環状肩部５４とブッ
シュ５６の間に装着されている。作動室Ａの圧力を低下
させると、ねじ付きスピンドル３３は自由に回転可能で
あり、かつ軸方向に摺動不能である。

【００２８】くさび２５はねじ付きスピンドル３３およ
び液圧モータと共に、固有の駆動装置を備えた各々１個
の調整装置を形成する。この駆動装置は液圧モータ３５
によって形成されている。それによって、すべての支持
装置または調整装置と固定保持装置を個別的に制御可能
である。

【００２９】調整板２０に固定された工具１５は図２に
示してある。外側の工具部分４１は調整板２０に固定保
持されている。外側の工具部分４１はブッシュ状に形成
され、くさび２５によって調節可能な内側の工具部分４
２のためのガイドとしての働きをする。これは好ましく
は、調整板２０の支持板または被覆板４５によって案内
された中間部材４３を介して行われる。被覆板４５は複
数の部分から構成された本体２１の一部である。

【００３０】このように構成された調整板２０の作用は
次の通りである。

【００３１】プレス板１は、各々の工具段について工具
を個別的に調節できるようにするために、先ず最初はそ
のラム４に調整板２０を備えている。ポンチ１５〜１８
が個々の支持個所２７に固定されると、液圧駆動装置３
５を適切に操作することによって、各々のポンチ１５〜
１８をその所望な調節位置に移動させることができる。
プレスがセットされると、調節位置が維持され、変更さ
れないようにするために、液圧モータ３５が（例えば液
圧制御装置によって）作動を停止させられる。これは位
置センサ３６を介して制御可能である。しかし、くさび
２５の調整、ひいては当該のポンチ１５〜１８の調整は
いつでも可能である。

【００３２】工具交換はピン２７を取り外すことによっ
て行われる。調整板２０はプレス１内にとどまる。しか
し、必要に応じて、調整板を交換または取り外すことが
できる。

【００３３】トランスファプレス１のための調整板２０
は個別的に調節可能な複数の工具取付け場所（支持装
置）を備えている。各々の取付け場所１５ａ，１６ａ，
１７ａ，１８ａには、個別的に使用可能な調整装置２５
が付設されている。センサ装置３６は調節された調整位
置を検出し、報告する。同様に、調整装置２５は個別的
なロック装置５１に連結されている。調整とロックは適
当な液圧駆動装置３５，５２を介してまたは手動で行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】トランスファプレスの概略的な全体図である。

【図２】図１のトランスファプレスのラムに固定された
調整板の概略的な縦断面図である。

【図３】図２の調整板の横断面図である。

【図４】図３の調整板の異なる縮尺の部分横断面図であ
る。

【符号の説明】

１ トランスファプレス ３ ラムの作動方向 ４ プレスラム ５ プレステーブル １５ 工具部分 ２０ 調整板 ２１ 本体 ２５ 調整装置（くさび） ２７，４５ 保持装置 ３３ スピンドル装置 ３５ 駆動装置 ３６ センサ装置 ４３ 力伝達要素 ５１ ロック装置

フロントページの続き (72)発明者 リッヒアルト・クネートラー ドイツ連邦共和国、73529シュヴェビッシ ユ・グミユント、シユタイグストラーセ、 34

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 特に塊成形のためのトランスファプレス
   （１）用調整板（２０）において、 プレスラム（４）またはプレステーブル（５）に取外し
   可能に固定された本体（２１）と、 本体（２１）内または本体上に配置された、工具部分
   （１５）を支持するための保持装置（４５，２７）と、 保持装置（２７）に付設された複数の調整装置（２５）
   とを備え、 各々の調整装置（２５）に駆動装置（３５）が付設され
   ていることを特徴とする調整板。
2. 【請求項２】 保持装置（４５，２７）に力伝達要素
   （４３）が付設され、この力伝達要素がガイド（４５）
   内で、ラム（４）の作動方向（３）に一致する作動方向
   に調整可能に支承されていることを特徴とする請求項１
   記載の調整板。
3. 【請求項３】 調整装置（２５）がラム（４）の作動方
   向（３）に対して横方向に移動可能なくさびを備えたく
   さび装置であることを特徴とする請求項１記載の調整
   板。
4. 【請求項４】 くさび（２５）を調整するための駆動装
   置（３５）がスピンドル装置（３３）を備え、このスピ
   ンドル装置が調整駆動装置（３５）に連結されているこ
   とを特徴とする請求項３記載の調整板。
5. 【請求項５】 調整駆動装置（３５）が液圧駆動装置で
   あることを特徴とする請求項４記載の調整板。
6. 【請求項６】 調整位置を検出するためのセンサ装置
   （３６）が調整装置（２５）に付設されていることを特
   徴とする請求項１記載の調整板。
7. 【請求項７】 センサ装置（３６）が、調整駆動装置
   （３５）に接続され調整駆動装置の位置を検出する位置
   センサであることを特徴とする請求項４または６記載の
   調整板。
8. 【請求項８】 駆動装置（３５）が制御装置に接続さ
   れ、駆動装置（３５）が互いに独立して操作可能である
   ように、制御装置が構成されていることを特徴とする請
   求項１記載の調整板。
9. 【請求項９】 調整装置（３５）が液圧式ロック装置
   （５１）に連結されていることを特徴とする請求項１記
   載の調整板。
10. 【請求項１０】 ロック装置（５１）がスピンドル装置
    に直接作用していることを特徴とする請求項４または９
    記載の調整板。
11. 【請求項１１】 ロック装置（５１）が制御装置に接続
    されていることを特徴とする請求項９記載の調整板。
12. 【請求項１２】 調整装置（２５）が手動操作装置であ
    ることを特徴とする請求項１記載の調整板。