JP2001083926A - 動画偽輪郭補償方法およびその方法を用いた画像表示装置 - Google Patents
動画偽輪郭補償方法およびその方法を用いた画像表示装置Info
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Abstract
化を図りながら、動画偽輪郭を高精度に補償できる動画
偽輪郭補償方法と画像表示装置とを提供する。 【解決手段】 S1の処理で入力した原信号と同一フィ
ールド内の隣接し合う画素について、階調遷移を検索
し、階調情報を取得する(S2)。S2の処理と並行し
て、上記原信号における各画素について、画像の移動速
度を検出することにより、動き情報を取得する(S
3)。上記階調情報と動き情報とに応じた補償階調信号
を求め(S4)、原信号に補償階調信号を出力する(S
5)。したがって、空間および時間の2つのファクタに
ついて動画偽輪郭を検知することになるので、階調変動
の大きさのみならず、階調変動が及ぶ画素の範囲をも正
確に検知することができ、動画偽輪郭を高精度に補償す
ることができる。
Description
レイパネルや強誘電性液晶ディスプレイのように、画像
表示における1フィールド期間または1フレーム期間を
複数のサブフィールドに分割する時間分割方式による中
間調表示が可能な画像表示装置に関するものであり、特
に、この種の画像表示装置に固有の問題である動画偽輪
郭の補償に関するものである。
が実現できるディスプレイとしてプラズマディスプレイ
パネル(以下、「PDP」と略称する)や強誘電性液晶
ディスプレイが注目されている。
ド(または1フレームと呼ぶ場合もあるが、いずれも6
0Hz周期を規定する)期間を、予め発光時間の異なる
8〜12程度の複数のサブフィールド(またはサブフレ
ーム)期間に分け、各サブフィールド期間の独立したO
N/OFF状態を選択的に組み合わせることにより、人
の目に感じる累積効果(残像効果)にて階調表示を行う
という時間分割階調表示方式を取っている。
6階調を実現する具体例を図61に示す。この例では、
1フィールド期間を8つのサブフィールド期間SF1〜
SF8に分割し、さらに各サブフィールド期間SF1〜
SF8のそれぞれをアドレス期間と表示期間とに分割
し、各表示期間の時間幅の相対比を1:2:4:8:1
6:32:64:128(2n ;n=0〜7)としてい
る。このように設定した各サブフィールド期間の独立し
たON/OFFを選択的に組み合わせれば、256階調
を実現することができる。
では、図62に示すように、例えば階調レベル“12
7”を表示する場合、サブフィールド期間SF1〜SF
7をONさせることになるので、1フィールド期間の前
半にPDPの発光期間(図中、斜線部分が発光する期間
を表す)が集中してしまう。また、階調レベル“12
8”を表示する場合は、サブフィールド期間SF8のみ
をONさせるだけでよいので、逆に後半にPDPの発光
期間が集中してしまう。
うに、階調レベル“127”の明るさの背景111の中
を階調レベル“128”の明るさの物体112が上方へ
移動する場合、観察者は、この物体112を目で追うの
で、像112aから像112bへの移動を物体112と
してとらえる。
していた画素は、サブフィールド期間SF8のONによ
って階調レベル“128”を表示した後、続けてサブフ
ィールド期間SF1〜SF7のONによって、像112
aが上方へ移動した後の背景111の階調レベル“12
7”を表示することになる。したがって、像112aの
下側輪郭部に位置していた画素は、サブフィールド期間
SF8、SF1〜SF7が連続してONになる結果、あ
たかも階調レベル“255”を表示しているかのように
観察者には見えてしまう。
部に位置する画素は、像112bの移動前においては、
背景111の階調レベル“127”を表示しているの
で、サブフィールド期間SF1〜SF7がONになった
後、サブフィールド期間SF8がOFFになる。ここへ
像112bが移動してくると、階調レベル“128”を
表示するためにサブフィールド期間SF8がONになる
まで、サブフィールド期間SF1〜SF7がOFFにな
らざるを得ない。したがって、移動してきた像112b
の上側輪郭部に位置する画素は、サブフィールド期間S
F8、SF1〜SF7が連続してOFFになる結果、あ
たかも階調レベル“0”を表示しているかのように観察
者には見えてしまう。
に、本来の階調レベル(128)ではない階調レベル
(0、255)が現れるように見える現象(以下、これ
を「動画偽輪郭」と称する)が発生する。
を伴った画像が移動する際に、画像に本来存在しない輝
度または色度を持った帯状の虚像が知覚され、画像品質
の損なった印象を強く受ける現象として現れる、あるい
は、滑らかな階調変化の素材に対して強いピークを持っ
た階調妨害が、特定の階調変化に対して連続した空間で
発生する現象として現れる。そして、妨害が空間的に連
続しているので、本来あるべきではない輪郭として人の
目に見えることになる。
では存在しなかった、時間分割階調表示方式を採用する
PDP等に発生する新しい画質の問題であり、その定義
は、「表示装置画面上を視点が移動する際に観測される
画像の乱れ。階調を有する動画像の輪郭部に表れること
が多い。その発生は、画素発光期間長と視点移動速度と
の積、及び発光の時間的非一様性に依存し、階調や色の
乱れを伴う。」と表される。
ついては、IDW '96 (神戸国際会議1996,11,27-29) の
“Dynamic False Contours on PDPs-Fatal or Curable
?”において御子柴等により説明されている。また、
「サブフィールド表示法におけるPDPの動画質改善に
関する検討」(石井啓二他、電子情報通信学会技術研究
報告、信学技報、vol.97, No.336, 1997年10月23日発
行)においても、説明されている。
ば、上記「サブフィールド表示法におけるPDPの動画
質改善に関する検討」では、動画偽輪郭の階調レベルと
本来の階調レベルとの差である動画偽輪郭の振幅が、サ
ブフィールド期間における表示期間の長さに比例して増
加することに着目し、表示期間の時間幅が長いサブフィ
ールド期間を分割して、表示期間の時間幅が短いサブフ
ィールド期間の数を増やすことにより、動画偽輪郭の振
幅を低減させる手法が提案されている。
示す。この例では、 128+64=64+64+32+32 128+64=48+48+48+48 という2種類の分割式に基づいて、サブフィールド数を
前述の8から10に増加させている。
については、各サブフィールド期間の表示期間を時間圧
縮する手法、サブフィールド期間の時間配置を最適化す
る手法、および各サブフィールド期間の最適な発光パタ
ーンを選択するための信号処理による適応制御の手法に
よって、画質の改善を図れるということが上記技報には
述べられている。
公報には、補償階調値または補償パルスを動画偽輪郭の
生じる階調遷移間に挿入する方法が開示されている。
にて中間調表示を行う中間調表示方法及び表示装置にお
いて、映像の動画偽輪郭を改善することを目的としたも
のであり、図61を参照して説明したように、画像を表
示するために各々のフレーム内に予め定められた複数の
発光ブロックを有し、該発光ブロックの組み合わせによ
って中間調を表示する中間調表示方法に関するものであ
る。
画素の発光ブロックの点灯パターンが連続するフレーム
間において変化する場合、2フレーム間の画像情報を比
較し、発光状態が変化する画素の発光ブロックに、該変
化の状態に伴って各画素に予め定められた輝度調整のた
めの発光ブロックを加え、または減ずるように構成され
ている。
(c)に示すように、中間階調の輝度K(x) が128と
127とを隣り合わせて表示した状態で、網膜上の座標
xに沿って左側から右側へ表示画像を1座標/F(フレ
ーム)の割合でスクロールしたとき、中間階調レベル1
28と127との境界部、すなわち表示画像の移動に追
従する網膜上の座標x=4に暗線(DL)が発生する。
この暗線(DL)は、網膜上の刺激値L(x)を用い
て、L(1)≒L(3)>>L(2)と表される。
(c)に示すように、 L(1)≧L(2)+ΔL(4)≧L(3) となるように求めた等価パルスEPA(発光ブロック:
サブフレーム)による刺激値ΔL(4)を、暗線(D
L)が発生する画素に加えると、図65(c)に示すよ
うに、網膜上の刺激値L(x)は、中間階調レベル12
8と127との境界部のL(2)において、刺激値ΔL
(4)だけ加算されることになる。これにより、映像の
動画偽輪郭(色偽輪郭)を改善することができる。
は、印加電界の閾値を境にして分子の配向方向が2状態
間を急峻にスイッチングする強誘電性液晶の特性を活か
して、上記と同様の時間分割階調表示方式を採用するこ
とが可能である。
は、強誘電性液晶の層内に超微粒子を分散させ、印加電
圧の変化に応じて光透過率が変化するマイクロドメイン
を超微粒子の周りに発生させた上で、パルス電圧/幅変
調方式、画素電極分割方式、時間分割方式または各方式
の組み合わせによって、階調制御を行う手法が開示され
ている。
偽輪郭における輝度の変動の大きさは、本発明の実施の
形態の項で詳述するように、画像の移動速度に相関して
大きくなるにもかかわらず、上記従来の動画偽輪郭の低
減方法もしくは補償方法では、画像の移動速度が全く考
慮されていない。
示法におけるPDPの動画質改善に関する検討」では、
時間分割数を増加させる手法、サブフィールド期間の表
示期間を時間圧縮する手法、サブフィールド期間の時間
配置を最適化する手法、および各サブフィールド期間の
最適な発光パターンを選択するための信号処理による適
応制御の手法が述べられているものの、これらの手法
は、画像の移動速度や個々の階調変動の大きさに依らな
い、一律的な動画偽輪郭の改善策でしかない。
示された動画偽輪郭の補償方法においても、動画偽輪郭
が発生する画素に対して、移動速度が変化しても常に同
じ補償用の発光ブロックを加減することが示されている
に過ぎず、画像の移動速度に応じた補償方法を提案する
ものではない。
は、動画偽輪郭の問題について、全く触れられてもいな
い。
は、特開平10−39828号公報においても補償の結
果がグラフで説明されているとおり、動画偽輪郭を低減
させることができたというレベルにとどまっており、補
償の精度の点で大きな課題が残されている。
DPの動画質改善に関する検討」で提案されたように、
1フィールドをサブフィールドに分割する時分割数を増
やす手法では、動画偽輪郭を低減し高品位表示を実現す
る上で効果を奏するものの、1走査に要する時間が短く
ならざるを得ないので、以下のような副次的な問題が派
生する。
子に設けられているゲートのオンオフ時間、表示上のブ
ランク期間等を考慮すると、走査する時間以外にある程
度の待ち時間が必要となる。全面フラッシュ型のPDP
では、暗状態のときにゲートを走査し、全走査が終わっ
て必要な時間を経過した後に全面発光が行われている。
このため、時分割数が多くなれば、この発光プロセスに
要する時間の制限も走査線数が多くなるにしたがって許
容できなくなるおそれが生ずる。すなわち、デバイスの
動作タイミングの制御が困難になる。
信号が高周波化されるので、デバイスの消費電力増大を
招来しやすい。これは、消費電力が一般的には使用周波
数に比例するからである。具体的には、例えば回路内の
充放電回数が周波数に比例するからであり、それに伴っ
て平均電流が大きくなるからである。したがって、も
し、回路の抵抗成分を十分に下げることができないとす
ると、電流が増えた分、消費電力も増大してしまう。
のであり、その目的は、時分割数を低減し、動画偽輪郭
を補償するための回路構成の簡素化を図りながら、動画
偽輪郭を高精度に補償することができる動画偽輪郭補償
方法およびその方法を用いた画像表示装置を提供するこ
とにある。
郭補償方法」は、上記の課題を解決するために、画像表
示における1フィールド期間または1フレーム期間を複
数のサブフィールドに分割する時間分割方式を少なくと
も利用する階調表示方式における動画偽輪郭補償方法で
あって、あるフィールドまたはフレームの画像における
着目画素の階調情報と、同一フィールド内または同一フ
レーム内で上記着目画素に隣接している隣接画素の階調
情報と、当該フィールドまたはフレームの画像について
検出した画像の動き情報とに応じて動画偽輪郭補償用信
号を生成し、当該フィールドまたはフレームの画像の原
信号に上記動画偽輪郭補償用信号を出力することを特徴
としている。
分割階調表示方式を少なくとも利用して階調表示を行う
画像表示装置に動画を表示する際、観察者の視点移動に
伴って発生する特有の現象である。この動画偽輪郭の発
生の仕方を、本願発明者らが詳細に調べたところ、発生
する動画偽輪郭における階調変動の大きさおよび階調変
動が及ぶ画素の範囲が、画像の動きと、着目画素および
画像の動く方向に隣接する画素それぞれの階調値とに依
存して変化するという新たな事実を発見した。
間における着目画素の階調変動を検出し、その階調変動
を補償するように、階調変動の大きさに応じた動画偽輪
郭補償用信号を生成していたのに対し、本発明では、同
一フィールド内または同一フレーム内に含まれる着目画
素および隣接画素の階調情報と、当該フィールドまたは
フレームの画像について検出した画像の動き情報とに応
じて動画偽輪郭補償用信号を生成することにより、従来
より高精度の動画偽輪郭補償を行うようにしたものであ
る。
の生成にあたって、着目画素に関する時間的な階調変動
のみを検出していたのに対し、本発明では、着目画素お
よび隣接画素の階調情報から、同一フィールド内または
同一フレーム内における空間的な階調変動を検出すると
共に、その空間的な階調変動に画像の動き情報を組み合
わせることによって、画像の移動方向の時間経過に伴う
階調変動をも検出する、言い換えれば、時間的な階調変
動をも検出するものである。
によれば、発生する動画偽輪郭を検知するのに、空間的
な階調変動および時間的な階調変動の2つのファクタを
用いるため、発生する動画偽輪郭における階調変動の大
きさのみならず、階調変動が及ぶ画素の範囲をも正確に
検知することができる。
フレーム内に含まれる着目画素および隣接画素の階調情
報と画像の動き情報とに応じて生成した動画偽輪郭補償
用信号を原信号に出力すれば、当該フィールドまたはフ
レームで発生する階調エラーを時間方向と空間方向との
2種類で補償することになり、従来より高精度の動画偽
輪郭補償を達成することができる。
長いサブフィールド期間を分割して、発光期間の時間幅
が短いサブフィールド期間の数を増やすことにより、動
画偽輪郭の振幅を低減させる手法を採用しなくても、従
来より高精度の動画偽輪郭補償を達成することができ、
さらに上記のサブフィールド期間の分割を行えば、一層
高精度の動画偽輪郭補償を達成することができる。
sion)で用いられる動画像に対してばかりではなく、特
にコンピュータ等による演算で求められた画像に対して
も有効である。なぜなら、コンピュータは信号の内部デ
ータを自分自身で作成するため、入力された情報に応じ
た動画偽輪郭補償を定式的に行うことが可能だからであ
る。
法」は、上記の課題を解決するために、画素にある階調
値を表示させるのに、上記サブフィールドの発光を選択
する信号パターンを複数パターン用意し、上記動画偽輪
郭補償用信号を複数パターンの中から選択してもよい。
情報とが同じであっても、サブフィールドの発光を選択
する信号パターンが異なると、少なくとも動画偽輪郭の
形状が変わるという新たに判明した事実に基づいて、あ
る形状の動画偽輪郭に対して、その形状の動画偽輪郭を
打ち消すような形状の動画偽輪郭を発生させる信号パタ
ーンを選択する。これにより、動画偽輪郭を補償するこ
とができるので、予め用意した複数パターンの中から動
画偽輪郭補償用信号を選択するという簡単な方法によ
り、動画偽輪郭補償用信号を生成することができる。こ
のことは、動画偽輪郭補償用信号を生成するための回路
構成の簡素化に役立つ。
法」は、上記の課題を解決するために、上記着目画素か
ら画像の移動方向に並ぶ複数の画素の中から、発生する
動画偽輪郭の程度に応じて選択した1つ以上の画素に対
して、上記動画偽輪郭補償用信号を生成してもよい。
フィールド内または同一フレーム内で、最大8個の画素
が隣接しているが、これら8個の隣接画素の内、動画偽
輪郭の発生に影響する画素は、少なくとも、上記着目画
素に対し画像の移動方向に隣接する画素である。また、
階調変動の影響は、画像の移動の速さが大きくなると、
画像の移動方向に隣接する画素にとどまらず、画像の移
動方向に連続する複数の画素へ広がっていくことも判明
した。
方向に並ぶ複数の画素の中から、発生する動画偽輪郭の
程度に応じて選択した1つ以上の画素に対して、上記動
画偽輪郭補償用信号を生成することによって、階調変動
の影響を的確、かつ最小限に抑制することが可能とな
る。
法」は、上記の課題を解決するために、上記時間分割方
式と、1画素を複数個の副画素で構成する画素分割方式
とを併用してもよい。
輪郭補償方法では、時間分割方式と画素分割方式とを併
用するので、時間分割方式のみによる階調表示方式と比
較して、同じ階調数を得るための時間分割数を減らすこ
とができる。これにより、画像表示における各画素の動
作タイミングの制御を容易にすると共に、低消費電力の
表示装置を提供することができる。
割併用型の階調表示方式において、従来は提案されてい
なかった動画偽輪郭補償方法を、本発明は提案するもの
である。従来は、発光期間の長いサブフィールドを分割
し、時間分割数をむしろ増やすことによって、動画偽輪
郭の低減を図ろうとしていたため、動作タイミングの制
御の困難さや高消費電力を招来するという副次的な問題
点が派生していた。これに対し、本発明では、時間分割
数を減らし、上記の問題点の派生を回避しながら、空間
的な階調変動および時間的な階調変動の2つのファクタ
を用いて動画偽輪郭補償用信号を生成するため、従来よ
り高精度の動画偽輪郭補償を実現することができる。
法」は、上記の課題を解決するために、上記隣接画素か
ら画像の移動方向に並ぶ画素の中から、動画偽輪郭の程
度に応じて、最大4個までの画素を選択してもよい。
大4個までと定めた理由は以下のとおりである。すなわ
ち、原信号に動画偽輪郭補償用信号を出力する画素の個
数が多くなると、階調変動による妨害を小さくできる反
面、原画の質感を大きく損なうおそれが出てくる。逆
に、動画偽輪郭補償用信号を出力する必要がある画素の
個数に対して、極端に少ない個数に制限すると、妨害を
許容範囲内に収まる程度に除去することができなくな
る。
い程、画像の細部は認識し難くなるため、移動の速さが
ある程度以上大きくなった場合には動画偽輪郭を完全に
は除去する必要がないという考えに立つと、原信号に動
画偽輪郭補償用信号を出力する画素の個数は、およそ4
個程度が妥当であるということが、本願発明者らの検討
を重ねた結果として判明した。
うな両極性の階調変動は、最も補償しづらいものである
が、その動画偽輪郭を目立たない程度に補償するために
は、画像の移動の速さに関わらず、少なくとも3個の画
素に対して補償することが必要ということも判明した。
このため、動画偽輪郭を目立たなくできる最低限の必要
個数、すなわち3個に1個の余裕を持たせて最大4個と
定めれば、動画偽輪郭を目立たなくし、かつ原画像の質
感を損なわない補償を行うことができる。
画素の個数が最大4個までであれば、動画偽輪郭補償用
信号を生成する回路構成に関し、複雑化を回避できると
いうメリットも生む。
法」は、上記の課題を解決するために、上記動画偽輪郭
補償用信号を生成するために基づかれる演算式を、上記
着目画素および隣接画素の各階調情報と上記動き情報と
に応じた動画偽輪郭の発生パターンに基づいて定式化し
てもよい。
階調変動の大きさおよび階調変動が及ぶ画素の範囲は、
前述したとおり、画像の動きと、画像の動く方向に隣接
する画素それぞれの階調値とに依存して変化するので、
各画素毎に動画偽輪郭補償用信号を逐一生成しようとす
ると、着目画素の階調数に隣接画素の階調数を掛け合わ
せた数と、画像の動きとに対応して動画偽輪郭補償用信
号を求めることのできる構成が必要となり、回路構成の
膨大化を招く。
変動が及ぶ画素の範囲等の動画偽輪郭の発生パターンに
着目すると、そのパターン数は、着目画素の階調数に隣
接画素の階調数を掛け合わせた数と、画像の動きとに対
応した数よりはるかに少ない数となることが判明した。
素および隣接画素の各階調情報と動き情報とに応じて分
類できるので、動画偽輪郭の発生パターンに基づいて定
式化した演算式を用意することによって、動画偽輪郭補
償用信号を着目画素および隣接画素の各階調情報と動き
情報とに応じて生成することのできる回路構成をパター
ン化し、回路構成の簡素化を図ることができる。
法」は、上記の課題を解決するために、上記動画偽輪郭
補償用信号を生成するために基づかれる演算式を、上記
着目画素の取り得る階調値が順次連続する所定幅の階調
範囲と、上記隣接画素の取り得る階調値が順次連続する
所定幅の階調範囲とに応じて、ブロック状にグループ化
してもよい。
合と同様の理由によって、動画偽輪郭補償用信号を生成
するための回路構成をパターン化し、回路構成の簡素化
を図ることができる。
囲によって、演算式をブロック状にグループ化すること
により、演算式を単に定式化する場合に比べて、定式化
した演算式を階調範囲に基づいてさらに少数のパターン
にまとめる、言い換えれば、より簡便なパターンに近似
することが可能になる。これにより、回路構成の一層の
簡素化を図ることができる。
法」は、上記の課題を解決するために、検出した画像の
動き情報を、画面上で交叉する2方向への成分に分け、
これら2成分の内の少なくとも1成分について、上記動
画偽輪郭補償用信号を生成してもよい。
面の水平/垂直両方向に対して斜めを向いている場合、
画像の動き情報を、画面上で交叉する2方向への成分に
分けることにより、画像の動きに対する寄与の大きい画
素を、各成分について特定することができる。したがっ
て、2つの成分について特定したそれぞれの画素につい
て動画偽輪郭補償用信号を生成すれば、両成分について
補償することができるので、最も高い精度の動画偽輪郭
補償が可能になる。また、どちらか1成分について特定
した画素について動画偽輪郭補償用信号を生成すれば、
要求される補償の精度を満たす範囲内で、動画偽輪郭補
償用信号の生成処理を簡略化ないし動画偽輪郭補償用信
号を生成するための回路構成を簡略化することができ
る。
上記の課題を解決するために、画像表示における1フィ
ールド期間または1フレーム期間を複数のサブフィール
ドに分割する時間分割方式を少なくとも利用して階調表
示を行う画像表示装置であって、あるフィールドまたは
フレームの画像における着目画素の階調情報と、同一フ
ィールド内または同一フレーム内で上記着目画素に隣接
している隣接画素の階調情報とを検出する階調情報検出
部と、当該フィールドまたはフレームの画像について動
き情報を検出する動き情報検出部と、検出された着目画
素および隣接画素の各階調情報、並びに動き情報に応じ
て動画偽輪郭補償用信号を生成する補償用信号生成部
と、当該フィールドまたはフレームの画像の原信号に上
記動画偽輪郭補償用信号を出力する信号挿入部とを備え
ていることを特徴としている。
における階調変動の大きさおよび階調変動が及ぶ画素の
範囲は、画像の動きと、着目画素および画像の動く方向
に隣接する画素それぞれの階調値とに依存して変化する
という新たに判明した事実に基づいて、補償用信号生成
部は、階調情報検出部が検出する階調情報と、動き情報
検出部が検出する動き情報とに応じた動画偽輪郭補償用
信号を生成する。
ールド内または同一フレーム内の画素に関する空間的な
階調変動と、その空間的な階調変動に画像の動き情報を
組み合わせることによって検出できる時間的な階調変動
との2つのファクタに基づいて、動画偽輪郭補償用信号
を生成することになるので、そのような動画偽輪郭補償
用信号を信号挿入部において原信号に出力することで、
時間的な階調変動のみに基づいて動画偽輪郭の低減を図
っていた従来の装置に比べて、高精度の動画偽輪郭補償
を達成することができる。
は、上記の課題を解決するために、画像表示における1
フィールド期間または1フレーム期間を複数のサブフィ
ールドに分割する時間分割方式を少なくとも利用して階
調表示を行う画像表示装置であって、あるフィールドま
たはフレームの画像における着目画素の階調情報と、同
一フィールド内または同一フレーム内で上記着目画素に
隣接している隣接画素の階調情報とを検出する階調情報
検出部と、当該フィールドまたはフレームの画像につい
て動き情報を検出する動き情報検出部と、着目画素およ
び隣接画素の各階調情報、並びに動き情報に対応付けて
予め求められた動画偽輪郭補償用階調値が記憶された記
憶媒体と、検出された着目画素および隣接画素の各階調
情報、並びに動き情報に基づいて上記記憶媒体から動画
偽輪郭補償用階調値を呼び出し、動画偽輪郭補償用信号
として、当該フィールドまたはフレームの画像の原信号
に出力する信号挿入部とを備えていることを特徴として
いる。
調値を予め求めておいて記憶媒体に記憶しておくので、
動画偽輪郭補償用信号を必要に応じてその都度生成する
ための回路構成を不要とすることができる。また、動画
偽輪郭補償用信号の生成に要する演算時間を、記憶媒体
のアドレスを指定するだけの簡単な演算時間に短縮する
こともできる。
同一フィールド内または同一フレーム内の画素に関する
空間的な階調変動と、その空間的な階調変動に画像の動
き情報を組み合わせることによって検出できる時間的な
階調変動との2つのファクタに基づいて求められるの
で、高精度の動画偽輪郭補償を可能とするものである。
かつ短時間で、高精度の動画偽輪郭補償を可能とする画
像表示装置を提供することができる。
装置」は、上記の課題を解決するために、画像表示にお
ける1フィールド期間または1フレーム期間を複数のサ
ブフィールドに分割する時間分割方式を少なくとも利用
して階調表示を行う画像表示装置であって、あるフィー
ルドまたはフレームの画像における着目画素に発生する
動画偽輪郭の強度および/または形状を検知し、該強度
および/または形状の識別情報を出力する動画偽輪郭分
類手段と、動画偽輪郭を補償するための動画偽輪郭補償
階調値が、動画偽輪郭の強度別および/または形状別に
予め算出されて記憶された記憶媒体と、動画偽輪郭分類
手段が出力する識別情報に基づいて、上記記憶媒体から
動画偽輪郭補償用階調値を呼び出し、動画偽輪郭補償用
信号として、当該フィールドまたはフレームの画像の原
信号に出力する信号挿入手段とを備えていることを特徴
としている。
は、画像の動きに伴って着目画素に発生する階調変動の
大きさであり、動画偽輪郭の形状とは、上記階調変動が
及ぶ画素の空間的広がりを考慮した階調変動の大きさで
ある。このような動画偽輪郭の強度および/または形状
は、画像の動きと、着目画素および画像の動く方向に隣
接する画素それぞれの階調値とに依存して変化すること
が判明した。したがって、着目画素に発生する動画偽輪
郭の強度および/または形状を検知して、その強度およ
び/または形状に応じた動画偽輪郭の補償を行うこと
は、動画偽輪郭を高精度に補償することとなる。
とする動画偽輪郭補償階調値が、予め求められて記憶媒
体に記憶されているので、動画偽輪郭補償用信号を必要
に応じてその都度生成するための回路構成が不要とな
り、かつ動画偽輪郭補償用信号の生成に要する演算時間
が、記憶媒体のアドレスを指定するだけの簡単な演算時
間に短縮される。
かつ短時間で、高精度の動画偽輪郭補償を可能とする画
像表示装置を提供することができる。
の補償方法の流れについて、図1のフローチャートに基
づいて説明すれば、以下のとおりである。
成される画像を、所定の階調数で表示画面上に階調表示
するための信号形式で、動画像の1フィールド分または
1フレーム分の原信号を入力したとき(ステップ1、以
下、S1と略記する)、同一フィールドまたは同一フレ
ーム内の隣接し合う画素について、画素同士の階調の組
み合わせ(階調遷移)を検索し、階調情報を取得する
(S2)。
目画素に隣接する最大8個の隣接画素の階調値Bとを検
索し、階調値の組み合わせA−Bを階調情報として各画
素について最大8個まで取得してもよいし、あるいは階
調値Aに対する階調値Bの偏差を階調情報として最大8
個まで取得してもよい。
取得する1フィールド分または1フレーム分の原信号に
おける各画素について、画像の移動速度(速さおよび向
き)に関する情報としての動きベクトルを検出すること
によって、動き情報を取得する(S3)。
とに応じて、階調変動の大きさや、階調変動が及ぶ画素
の範囲が変化するということが判明したので、動画偽輪
郭を補償するために、上記階調情報と動きベクトルとに
応じた補償階調信号(動画偽輪郭補償用信号)を求め
(S4)、原信号に補償階調信号を出力して、原信号と
補償階調信号とを合成する(S5)。
調情報から、同一フィールド内または同一フレーム内に
おける空間的な階調変動を検出することができ、その空
間的な階調変動に画像の動き情報を組み合わせることに
よって、画像の移動方向の時間経過に伴う時間的な階調
変動をも検出することができる。
によれば、発生する動画偽輪郭を検知するのに、空間的
な階調変動および時間的な階調変動の2つのファクタを
用いるため、発生する動画偽輪郭における階調変動の大
きさのみならず、階調変動が及ぶ画素の範囲をも正確に
検知することができる。
または1フレーム分の原信号における動画偽輪郭の補償
処理(S1〜S5)を繰り返すことによって、動画偽輪
郭が出現する画素の階調値が補正され、動画偽輪郭を高
精度に補償することができる。
まり補償すべき画素は、上記S4において、上記階調情
報と動きベクトルとに応じて決定される。
法を用いた画像表示装置について、詳細に説明する。
方法に関する実施の一形態について図2ないし図24に
基づいて説明すれば、以下のとおりである。
よび多階調が実現できるディスプレイとしての強誘電性
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイパネル(以
下、「PDP」と略称する)等に時間分割階調表示方式
と画素分割方式とを組み合わせた駆動シーケンスを適用
した場合に、動画偽輪郭を補償する手法を説明する。
なくとも時間分割階調表示方式を採用して中間調表示を
行う方法および装置に適用した場合に、従来より高精度
の動画偽輪郭補償を可能とするものであるが、画素分割
方式を併用すれば、時分割数を減らすことができるの
で、デバイスの動作タイミングが制御しやすくなると共
に、消費電力を低減させることもできるメリットを生
む。
2(a)は、カラー表示に対応する画素非分割型のスト
ライプ状画素配置を模式的に示している。この場合、赤
色、緑色および青色の各表示を行うR画素、G画素およ
びB画素の面積比率は等しく、1:1:1である。
向に隣接するR画素、G画素およびB画素の3つ1組
が、カラー表示を行う1つの画素(絵素ともいう)を構
成する。
実施の形態における画素分割型のストライプ状画素配置
を図3(a)に示す。図2(a)と図3(a)とを比較
すると、図2(a)のR画素を図3(a)のR′副画素
とr副画素に、面積比率2:1で分割したことが判る。
G画素およびB画素にそれぞれ対応するG′副画素とg
副画素、およびB′副画素とb副画素についても同様で
ある。
3(b)に示すように、画面横方向に隣接するR′副画
素、r副画素、G′副画素、g副画素、B′副画素およ
びb副画素によって構成される。
ルドの表示期間を1:8:4:8の時間比率で4つのサ
ブフィールドに分割する時間分割階調表示方式に、図3
(a)(b)に示すように1画素を2:1の面積比率で
2つの副画素に分割する画素分割表示方式を組み合わせ
る場合についてさらに説明する。但し、説明の便宜上、
図4に示すR′副画素およびr副画素を取り上げる。
の位置を示す空間軸を表し、縦軸は時間軸を表してい
る。この時間軸には、「リセット」と表記されたアドレ
ス期間と各発光比を表記した表示期間とが交互に繰り返
された1フィールド(=1/60秒)が示されている。
サブフィールドについて全て発光させたとすると、その
ときの階調値Kは最大値を示し、 K=1・R+1・r+8・R+8・r+4・R+4・r+8・R+8・r =21・R+21r となる。そして、R′副画素およびr副画素の面積比率
に応じて、R=2、r=1を上式に代入すると、K=6
3となる。一方、階調値Kの最小値は0であるから、結
局、図4に示す駆動シーケンスでは、表示可能な階調数
は、0〜63階調の64となる。
ついて、その階調値Kを求めてみると、 K=1・R+1・r+0・R+8・r+4・R+0・r+0・R+8・r =5R+17r となり、R=2、r=1を上式に代入して整理すると、
K=27となる。したがって、同発光パターンによって
階調値27を表示できることが判る。
って、階調数64を実現しようとすると、図61から判
るように、6つのサブフィールド期間SF1〜SF6を
必要とする。このように、時間分割階調表示方式に画素
分割表示方式を組み合わせると、比較的少ないサブフィ
ールド数で多階調を実現することができる。
4番目とに2つ設けた理由は、従来の技術として説明し
たように、最大重みの期間が相対的に大きくなる比率を
分割することによって動画偽輪郭の妨害量を低減でき、
また、最大重みの期間を分割することによって同一階調
値を出力できる複数の信号パターン(ON/OFFパタ
ーン)が生じるため、偽輪郭妨害が小さくなるような信
号パターンを適宜選択することができるためである。
図7に示す。これら3つの信号パターンは、いずれも、
1フィールドの表示期間を1:8:4:8の時間比率で
4つのサブフィールドに分割する時間分割階調表示方式
と、1画素を2:1の面積比率で2つの副画素に分割す
る画素分割表示方式とを組み合わせた表示方式におい
て、64階調表示を可能とするものである。
同一階調値でありながら図5〜図7の信号パターンは、
互いに相違している。したがって、この例の駆動シーケ
ンスは、64階調表示の信号パターンとして適宜選択し
得る3つの冗長性を有していることになるので、図5〜
図7に示す各信号パターンのことを、それぞれ「第1冗
長信号パターン1」「第1冗長信号パターン2」「第1
冗長信号パターン3」と呼ぶことにする。
動シーケンスを用いて、階調値A=31から階調値B=
32へと変化するステップ状の画像を隣接して表示する
場合の表示タイミングを図8に示す。図8の横軸には空
間軸を取り、視点中心における画素の位置を0として、
その左右に隣接する画素の位置を−4〜8の数値で表し
ている。また、縦軸には時間軸を取り、1フィールド=
1/60秒の時間の中に、1:8:4:8の比率から成
る表示期間を設定したことを示している。なお、図示の
便宜上、各サブフィールドに付随するアドレス期間は省
略している。
果 図8において、例えば階調値A=31の画像が、ディス
プレイの左から右に向かう水平方向(すなわち、空間軸
の正方向)に2画素(Pixel)/フィールド(Field)の速
度で移動した場合を考える。但し、図8は、RGBカラ
ー表示ではなく、モノカラー表示の場合に簡略化した表
示タイミングを表している。
階調表示方式では、移動する画像に視点を追従させる時
に動画偽輪郭が発生する。その視覚情報は、図9に示す
ように、表示素子の時間軸方向(時間方向)の表示状態
の輝度と空間軸方向(画素方向)の表示状態の輝度との
積算結果として近似的に表現することができる。
すステップ画像の階調が変化する境界線での視覚的な階
調情報は、図10に太線で示すように、平行四辺形で表
された視点の移動面積分に相当する。図10に示す例で
は、平行四辺形内に含まれる発光領域の面積和が、画素
の位置0および−1において、他の画素の位置における
発光領域の面積和と異なっているので、画素の位置0お
よび−1において視覚的な発光誤りが知覚されることが
判る。
場合の表示タイミングを図50に示すと共に、図10に
対応する視覚的な階調情報を図51に示す。図50およ
び図51は、図8に示す1画素分を隣り合うRGB3つ
の画素に展開して表している。
RGB独立に発生するものであり、空間的にはRGB3
つの画素を1単位とするものの、その単位を区別する境
界が特に存在するわけではない。このため、実際のアイ
トラッキングによる動画偽輪郭の算出にあたっては、図
51に示す平行四辺形の内、B(青)画素の面積かぶり
を代表値に取る。こうすると、RGB各色に着目して
も、平均的には同じアイトラック重みが得られる。
速度との関連性を調べた結果について説明する。一例と
して、階調値がA=31、B=32の画像を隣接して表
示した場合において、第1冗長信号パターン1を用い、
水平移動速度を−10〜+10画素/フィールドの範囲
で段階的に変化させたときに生じる動画偽輪郭をシミュ
レートした。なお、水平移動速度が負のときは、階調値
B=32の画像を階調値A=31の画像の方へ、すなわ
ちディスプレイの右から左に向かって移動させることに
なる。
(a)〜(c)、図12(a)〜(d)、図13(a)
〜(d)に示す。
が大きくなるに伴って大きな輝度の変動が発生すること
が判った。その変動の幅、すなわち動画偽輪郭の発生に
よる階調変動が及ぶ画素の範囲は、移動速度(画素数/
フィールド)を表す画素数に対応しており、その画素数
分の幅で動画偽輪郭が発生していることも判った。
画素の階調値Bとの組み合わせ(階調遷移)が他の階調
値の組み合わせ(階調遷移)の場合にも、同様に大きな
輝度変動として見られる場合があることが判った。
は、画素に印加する信号パターンによっても異なる。例
えば、第1冗長信号パターン1に従って、階調値A=3
2、階調値B=40を隣接させて表示した場合、発光期
間比率が「4」のサブフィールド期間SF3のON/O
FF状態のみが変化し、その他のサブフィールド期間S
F1、2、4のON/OFF状態は変化しない。この場
合に、水平移動速度+5画素/フィールドで階調値A=
32から階調値B=40の方へ画像を移動させると、図
14(a)に示すように、ステップ状の動画偽輪郭が生
じるが、比較的目立たないものである。
って、例えば、階調値A=28、階調値B=36を隣接
させて表示した場合、発光期間比率が「8」の2つのサ
ブフィールド期間SF2およびSF4のON/OFF状
態が変化する。この場合に、上記と同じ水平移動速度で
画像を移動させると、図14(b)に示すように、正負
のスパイク状の大きな動画偽輪郭が発生することにな
り、非常に目立つものとなる。
図14(a)(b)と同様の条件でシミュレートする
と、それぞれ図15(a)(b)に示すような動画偽輪
郭が発生する。図14(b)および図15(b)の結果
から判るように、階調値A=28、階調値B=36を隣
接させて表示し、水平移動速度が+5画素/フィールド
となる場合は、第1冗長信号パターン1を用いるより
も、第1冗長信号パターン2を用いる方が、動画偽輪郭
が目立たなくなることが判る。
2において、階調値A=28、階調値B=36を隣接さ
せて表示した場合、発光期間比率が「4」のサブフィー
ルド期間SF3のON/OFF状態のみが変化し、その
他のサブフィールド期間SF1、2、4のON/OFF
状態は変化しないことによる。
て、図14(a)(b)と同様の条件でシミュレートす
ると、それぞれ図16(a)(b)に示すような動画偽
輪郭が発生する。この場合についても、図14(b)お
よび図16(b)の結果から判るように、階調値A=2
8、階調値B=36を隣接させて表示し、水平移動速度
が+5画素/フィールドとなる場合は、第1冗長信号パ
ターン1を用いるよりも、第1冗長信号パターン3を用
いる方が、動画偽輪郭が目立たなくなることが判る。
3において、階調値A=28、階調値B=36を隣接さ
せて表示した場合、発光期間比率が「4」のサブフィー
ルド期間SF3のON/OFF状態のみが変化し、その
他のサブフィールド期間SF1、2、4のON/OFF
状態は変化しないことによる。
と、画像の移動による階調遷移の大きさと移動速度とに
応じて、動画偽輪郭の大きさ(強度)や形状が変わるの
で、発生する動画偽輪郭を最も目立たないものとする冗
長信号パターンを、画像の移動による階調遷移の大きさ
と移動速度とに応じて適宜選択することが好ましいこと
も判った。この点は、後述する補償階調信号を求める演
算式の導出時に応用される。
に説明する。
を補償するためには、図17において△印にて示すよう
に、動画偽輪郭を目立たなくするような補償階調信号を
第1冗長信号パターン1〜3の中から適宜呼び出して、
移動速度に応じて特定可能な画素の原信号に対して予め
出力すればよい。
うに、第1冗長信号パターン1に従って、階調値A=2
8、階調値B=36を隣接させて表示し、水平移動速度
+5画素/フィールドで階調値A=28から階調値B=
36の方へ画像を移動させた場合、座標0の画素、すな
わち階調値B=36を持つ最初の画素の原信号に第1冗
長信号パターン2の階調値B=36を補償階調信号とし
て出力し、かつその隣の座標1の画素の原信号に第1冗
長信号パターン2の階調値B=32を補償階調信号とし
て出力し、さらに隣の座標2の画素の原信号に第1冗長
信号パターン2の階調値B=28を補償階調信号として
出力する。これらの補償階調信号の階調値および出力す
る座標位置を、上記の△印にて表している。
値Bの画素の初めから、画像の移動方向に配列している
階調値Bの画素の原信号に補償階調信号を出力すること
により、図14(b)と図17との比較から明らかなよ
うに、図14(b)に示すよく目立つ動画偽輪郭の階調
変動が、図17では原画像の階調値に非常に近づく結
果、ほとんど目立たなくなることが判る。
言及しておく。上記の具体例では、信号パターンに3つ
の冗長性があるとして説明を行ったが、冗長性が3つに
限られているわけではない。すなわち、4通り以上の冗
長信号パターンの中から、ある基準に基づいて第1冗長
信号パターン1〜3を選定した。その選定にあたって
は、動画偽輪郭が発生する階調遷移と、動画偽輪郭の形
状とが問題となる。
偽輪郭の強い妨害が発生するような階調遷移(ある画素
と隣接画素間の階調値の組み合わせ)が変わると共に、
同じ階調遷移でも、異なる強度および/または形状の動
画偽輪郭が発生する。したがって、冗長信号パターンの
選定にあたっては、動画偽輪郭が発生する階調遷移、す
なわち移動前後の階調値の組み合わせが同じで、かつ動
画偽輪郭の形状が異なるという条件を満たすようにすれ
ばよい。
らに詳述する。
て、階調値A=35、階調値B=40を隣接させて表示
し、水平移動速度を+1〜+15画素/フィールドの範
囲で変化させて、階調値A=35から階調値B=40の
方へ画像を移動させる場合には、図18に示すように、
第1冗長信号パターン1における階調値32に相当する
信号を補償階調信号として、移動速度に応じて特定可能
な画素(この場合は、階調変動のオフセットが発生する
画素)の原信号に出力すればよい。これによって、動画
偽輪郭による階調変動の形状を原画像の階調遷移の形状
に近づけることができ、動画偽輪郭を目立たなくするこ
とができる。
位置を原点として、移動方向に対してこの画素に隣接す
る階調値B=40の画素から順に、移動方向と同じ方向
に連続して並ぶ画素の数個分に対して、補償階調信号を
出力すればよいことが判る。さらに、移動速度が大きく
なるのに伴って補償階調信号を出力する画素の個数を増
やせばよいことも判る。
画素/フィールドの時には、階調値A=35の画素の信
号パターンを第1冗長信号パターン1に従って定めると
共に、階調値B=40の画素と、移動方向に沿ってその
右隣に位置する画素との2画素に対して、第1冗長信号
パターン1における階調値32の信号パターンを補償階
調信号として出力すれば動画偽輪郭が無くなる。移動速
度が0の時は静止画であるから、動画偽輪郭は発生しな
いので、補償階調信号を出力する必要はない。また、出
力する補償階調値が補償前の階調値と同じである場合に
も補償階調信号を出力する必要はない。
力する画素の個数が多くなると、階調変動による妨害は
小さくなる反面、原画の質感を大きく損なうおそれが出
てくる。また、多数の画素に対して補償階調信号を出力
する必要があるのに、極端に少ない個数にすると、妨害
を許容範囲内に収まる程度に除去することができなくな
る。
像の細部は認識し難くなるため、移動速度がある程度以
上大きくなった場合には動画偽輪郭を完全には除去する
必要がないという考えに立つと、原信号に補償階調信号
を出力する画素の個数は、およそ1〜4個程度が妥当で
あるということが判明した。補償階調信号を出力する画
素の個数が少なければ、それに伴う回路構成を簡素化で
きるというメリットも生む。
画素の階調値Aおよびび階調値Bと画像の移動速度(動
きベクトル)との情報が判れば、全ての階調遷移につい
て、画像の動画偽輪郭を高精度に補償することができ
る。
階調遷移の組み合わせとして、64×64=4096通
りあるが、一つ一つの階調遷移について補償階調信号の
出力回路を割り当てると膨大な個数になる。このため、
似通った補償階調信号については定式化ないしパターン
化した方が、効率良く補償階調信号を生成でき、また回
路構成を簡素化できる。
35から階調値B=40へのステップ状の階調遷移のよ
うな場合は、図19に示すように、補償階調信号の出力
を開始する画素、すなわち原点に据える画素に隣接する
画素の階調値(B=40)と補償階調信号の階調値との
偏差を求め、その偏差を変数として表現した方が簡素な
式として記述できる。
階調値A(図19ではA=35)の画素(以下、着目画
素と呼ぶ)を原点とする画素距離nと出力補償階調偏差
Δg(図19では−8(1) と示されている)とを引数と
する出力変数G(Δg,n)を定義すると、n番目の位
置の出力変数は下記のように表現できる。
画素と隣接する画素の階調値Bと、着目画素の移動速度
VA とを引数とする論理的に記述された関数である。
する画素の最大個数Nmax を記述すると、 Nmax =h(A,B,VA ) …………式(2) のように表現することができる。
略同じであるため、VA =VB という関係を利用するこ
ともできる。
信号パターン系列に従って変換されるが、原点位置から
見た補償階調信号の階調値Gnは、上記出力変数G(Δ
g,n)を用いて、 Gn=B+G(Δg,n) …………式(3) として与えることができる。相対的には、着目画素の階
調値を参照する下記のような記述であっても構わない。
96通りの階調遷移を、補償の必要のない階調遷移と、
補償階調信号を簡単な論理式で表現できる階調遷移との
大きく2つに分類することができる。
階調信号の論理式、言い換えれば補償式に基づいてさら
に分類すると、階調遷移の大きさに応じて補償式を共通
化できるので、実際の補償パターンの数は非常に少なく
なり、回路化をより簡単にすることができる。
て、簡単な回路で動画偽輪郭の補償を高精度に行うこと
ができる。
装置で使用する記憶媒体の記憶容量が十分であれば、補
償階調信号を求める演算回路を用いずに、所定の補償式
に基づいた演算結果を予め記憶媒体に書込んでおき、入
力に応じて演算結果を出力する様な形態を用いることも
できる。このようにしておけば、駆動シーケンスを変更
しても所定のフォーマットに従った記憶データの変更処
理を行うだけで回路の変更を伴わずに、異なる駆動シー
ケンスの補償パターン処理を行うことが可能になる。
を説明したが、階調数の異なる他の駆動シーケンスを基
本設定にする場合でも上記と同様なことを行えば、補償
回路の簡略化を行うことができ、動画偽輪郭の妨害を低
減することができる。
を1:8:4:8の時間比率で4つのサブフィールドに
分割する時間分割階調表示方式と、1画素を2:1の面
積比率で2つの副画素に分割する画素分割表示方式とを
組み合わせた駆動シーケンスにおいて、図5に示す第1
冗長信号パターン1を用いた場合、同一フィールド内ま
たは同一フレーム内で互いに隣接する画素の階調の組み
合わせから得られる補償パターンは、図20〜図23の
ようなテーブル形式で表現することができる。
画像移動における階調遷移前の着目画素の階調値Aを表
し、横軸の数値は、画像移動における階調遷移後の隣接
画素の階調値Bを表しており、階調値A、Bの組み合わ
せは、図20〜図23の全体で4096通りある。
=0〜31および階調値B=0〜31と補償パターンと
の対応関係を示し、図21は、階調値A=0〜31およ
び階調値B=32〜63と補償パターンとの対応関係を
示し、図22は、階調値A=32〜63および階調値B
=0〜31と補償パターンとの対応関係を示し、図23
は、階調値A=32〜63および階調値B=32〜63
と補償パターンとの対応関係を示している。
接画素の階調値Bへの階調遷移に対する動画偽輪郭の補
償パターンは、N、E(1)、C(Jh)、D(J
h)、F(Jh)、F(Jh)*、F(Jh)**、f
(Jh)、f(Jh)*、f(Jh)**(但し、Jh
は冗長信号パターンの番号を参照するための引数であ
り、ここでは2または3を取る)の18通りに分類さ
れ、図20〜図23に示すように、これらの補償パター
ンの中から、階調遷移の大きさに応じて動画偽輪郭を最
も目立たなくすると共に、回路を簡素化するために階調
遷移の大きさに対して共通化できる補償パターンが、第
1冗長信号パターン1ないし3の中から選択され、適宜
割り当てられている。
参照して詳述するように、冗長信号パターンから補償階
調信号を選択するための各種論理式が対応している。
ており、補償パターンNを割り当てられた階調遷移は、
動画偽輪郭が発生しないか、ほとんど目立たない程度に
しか発生しないことを意味している。実際に、図20〜
図23では、階調値Aと階調値Bとの組み合わせにおい
て、それらの間の階調遷移が無いか、または小さい組み
合わせに対して、すなわち、図20および図23の対角
線周りに、補償パターンNが割り当てられていることが
判る。
が小さい動画偽輪郭、言い換えれば、視覚的な発光誤り
の強度が小さい動画偽輪郭を補償するものであり、主と
して図20および図23において補償パターンNを割り
当てられた階調遷移の周辺に偏在していることが判る。
但し、視覚的な発光誤りの強度が小さい動画偽輪郭を補
償する補償パターンの場合、移動速度が小さいとみなせ
るときには、Nに置き換えても差し支えない。
の補償パターン、すなわち引数Jhを含む補償パターン
は、階調変動が大きい動画偽輪郭、言い換えれば、視覚
的な発光誤りの強度が大きい動画偽輪郭を発生する階調
遷移に対して割り当てられている。
の組み合わせに対して、補償パターンNを除くたった1
7通りの論理演算を実行する回路を組めば済む点が、本
発明の優れた特徴点の一つである。
求め方について、図17の例に戻って具体的に説明す
る。
に従って、階調値A=28、階調値B=36を隣接させ
て表示し、水平移動速度+5画素/フィールドで階調値
A=28から階調値B=36の方へ画像を移動させてい
る。
遷移は28−36階調遷移であるから、図21を参照す
ると、28−36階調遷移に割り当てられた補償パター
ンはf(2)**となっている。したがって、図24に
示すf(Jh)**に対応する論理式に基づく演算が実
行される。
を出力する画素の個数を、移動速度に応じて求めること
である。この論理演算を図24に示す論理式Nmax(V)に
従って実行する。
/4−28/4|=2 K=|4(B/16)−(A/4)|=|4(36/1
6)−(28/4)|=1 J=M−K=1 なお、分数計算については端数を切り捨てた整数値を求
めるものとする。
{ }内の条件を満たすか否かによって True =1また
は False=0を求める論理演算を表している。今の場
合、J=1かつ移動速度の大きさはV=5であるから、 Nmax(6)=1+True+ False+True+ False=3 となる。したがって、原信号に補償階調信号を出力する
画素の位置はn=1、2、3となり、補償される画素の
個数は3個と決まる。
補償階調信号を、論理式TおよびGnに従って求める。
8)/|36−28|=1 G1 =B−4T〔J−1−{V=1 }〕=36−4・1・
〔1−1− False〕=36 G2 =G1 −4T=36−4=32 G3 =G2 −4T=32−4=28 となる。
数Jhを求める。上記のとおり、T=1であるから、 Jh=1+True+2・ False=2 となる。結局、隣接画素(n=1)の階調値B=36の
原信号に、第1冗長信号パターン2の階調値36に与え
られた信号パターンを補償階調信号として出力し、隣接
画素に対して移動方向にさらに隣接する画素(n=2)
の階調値B=36の原信号に、第1冗長信号パターン2
の階調値32に与えられた信号パターンを補償階調信号
として出力し、移動方向にさらに隣接する画素(n=
3)の階調値B=36の原信号に、第1冗長信号パター
ン2の階調値28に与えられた信号パターンを補償階調
信号として出力することになる。
従って、階調値A=15、階調値B=16を隣接させて
表示し、水平移動速度+6画素/フィールドで階調値A
=15から階調値B=16の方へ画像を移動させる場合
の補償階調信号の求め方を説明する。
遷移は15−16階調遷移であるから、図20を参照す
ると、15−16階調遷移に割り当てられた補償パター
ンはC(2)である。したがって、図24に示すC(J
h)に対応する論理式に基づく演算が実行される。
を出力する画素の個数を、移動速度に応じて求めること
である。この論理演算を図24に示す論理式Nmax(V)に
従って実行する。
/4−15/4|=1 K=|4(B/16)−(A/4)|=|4(16/1
6)−(15/4)|=1 J=M−K=0 したがって、J=0かつ移動速度の大きさはV=6であ
るから、 Nmax(6)=1+True+ False+True+ False=3 となる。したがって、原信号に補償階調信号を出力する
画素の位置はn=1、2、3となり、補償される画素の
個数は3個と決まる。
補償階調信号を、論理式TおよびGnに従って求める。
5)/|16−15|=1 G1 =16−4・1・〔1−2+0+2・ False+0〕
=20 G2 =G1 −4・1・〔2−0+ False− False− Fal
se〕=12 G3 =G2 −4・1=8 となる。
から、結局、隣接画素の階調値B=16の原信号には、
第1冗長信号パターン2の階調値20に与えられた信号
パターンを、上記隣接画素に対して移動方向に隣接する
画素、すなわち着目画素から移動方向に2番目に位置す
る画素の原信号には、第1冗長信号パターン2の階調値
12に与えられた信号パターンを、着目画素から移動方
向に3番目に位置する画素の原信号には、第1冗長信号
パターン2の階調値8に与えられた信号パターンを、そ
れぞれ補償階調信号として出力することになる。
る画素の個数を求めるための論理式Nmax(V)は、最大値
が4以内となるように、すなわち補償する画素の個数と
しては1〜4個の範囲となるように定められている。こ
れは、既に説明したように、補償する画素の個数があま
り多くなると、自然画では画像そのものが変化し過ぎて
しまうためである。要するに、補償する画素の個数は、
画像の移動速度が大きくなる程増えるが、移動速度があ
る程度以上になると、完全に補償する方が画像はかえっ
て不自然になる場合があるということである。
は、図13に示したような最も補償しづらい両極性の階
調変動をもたらす階調遷移の場合、その動画偽輪郭を目
立たない程度に補償するためには、移動速度に関わら
ず、少なくとも3個の画素に対して補償することが必要
ということが判ったからである。このため、最低限の補
償を可能とする個数、すなわち3個に1個の余裕を持た
せて最大4個と定めれば、動画偽輪郭を目立たなくし、
かつ原画像の質感を損なわない補償を行うことができ
る。
大値を4と定めることに限定されるものではなく、ディ
スプレイの解像度が上がるのに伴って、Nmax(V)の最大
値を5以上に定めてもよい。
階調遷移とは、例えば、A−B階調遷移の内、15−1
6階調遷移、31−32階調遷移、47−48階調遷移
等のことである。
(a)に示すように、正か負のどちらか一方の極性にオ
フセットした階調変動をもたらす階調遷移もある。この
場合には、図18に基づいて説明したように、移動速度
の大きさに応じてオフセットした画素の内、最大4個ま
での画素について補償すればよい。
方法に関する他の実施の形態を図25ないし図34に基
づいて説明すれば、以下のとおりである。
比率を8:4:1:8に変更し、1画素の面積比率は
2:1のまま変えない場合の駆動シーケンスについて説
明する。
信号パターンとして、図25〜図27に示すように、3
つの冗長性を持たせた第2冗長信号パターン1〜3を作
成することができる。
合と本例の8:4:1:8の場合とを比較すると、発光
重心の差異による階調変動の発生程度において、両者は
異なっている。
下位ビット(期間比1)と次の上位ビット(期間比4)
とが時間的に離れていることによって、最下位ビットと
次の上位ビットとの間における信号パターンの変化が階
調遷移に関わる場合、動画偽輪郭が発生する。これに対
し、8:4:1:8の場合には、最下位ビット(期間比
1)と次の上位ビット(期間比4)とが時間的に隣接し
ているために、最下位ビットと次の上位ビットとの間に
おける信号パターンの変化が階調遷移に関わる場合、動
画偽輪郭の発生は、1:8:4:8の場合に比べて小さ
くなる。
〜3と、図25〜図27に示す第2冗長信号パターン1
〜3とは、いずれも、最下位ビット(期間比1)および
次の上位ビット(期間比4)における信号パターンが、
4階調毎に周期的に変化していることがわかる。したが
って、上述の対比結果から、この4階調毎の周期的な変
化に伴って発生する動画偽輪郭の程度については、時間
分割比率1:8:4:8の場合の方が8:4:1:8の
場合より大きくなる。言い換えれば、1:8:4:8の
場合は、8:4:1:8の場合に比べて、4階調おきの
動画偽輪郭が目立ちやすい。この点については、後でま
た具体的に触れることにする。
ットとの間における信号パターンの変化が階調遷移に関
わる場合では、両者の駆動シーケンス間に大差が無い。
示す駆動シーケンスを用いて、階調値A=31から階調
値B=32へと変化するステップ状の画像を隣接して表
示する場合の表示タイミングを図28に示す。図28の
横軸には空間軸を取り、視点中心における画素の位置を
0として、その左右に隣接する画素の位置を−4〜8の
数値で表している。また、縦軸には時間軸を取り、1フ
ィールド=1/60秒の時間の中に、8:4:1:8の
比率から成る表示期間を設定したことを示している。
付随するアドレス期間は省略している。また、図28
は、RGBカラー表示ではなく、モノカラー表示の場合
に簡略化した表示タイミングを表している。
画像が、ディスプレイの左から右に向かう水平方向(す
なわち、空間軸の正方向)に2画素/フィールドの速度
で移動した場合の視点中心付近の視覚情報を図29に示
す。この場合、各画素における視覚情報の認識範囲を示
す平行四辺形内に含まれる発光領域の面積和は、画素の
位置−1において、他の画素の位置における発光領域の
面積和と特に異なっているので、画素の位置−1におい
て視覚的な発光誤りが知覚されることが判る。
おける発光領域の面積和は、画素の位置1以降の各発光
領域の面積和と大差が無いので、図10に示す例と比較
してみると、画素の位置0における視覚的な発光誤りの
発生は小さくなることも判る。
の場合の表示タイミングを図52に示すと共に、図29
に対応する視覚的な階調情報を図53に示す。図52お
よび図53は、図28に示す1画素分を隣り合うRGB
3つの画素に展開して表している。この場合も、図10
について説明したのと同様に、実際のアイトラッキング
による動画偽輪郭の算出にあたっては、図53に示す平
行四辺形の内、B(青)画素の面積かぶりを代表値に取
る。
いて説明を行う。
の時間比率で4つのサブフィールドに分割する時間分割
階調表示方式と、1画素を2:1の面積比率で2つの副
画素に分割する画素分割表示方式とを組み合わせた駆動
シーケンスにおいて、図25に示す第2冗長信号パター
ン1を用いた場合、同一フィールド内または同一フレー
ム内で互いに隣接する画素の階調の組み合わせから得ら
れる補償パターンは、図30〜図33のようなテーブル
形式で表現することができる。
画像移動における階調遷移前の着目画素の階調値Aを表
し、横軸の数値は、画像移動における階調遷移後の隣接
画素の階調値Bを表しており、階調値A、Bの組み合わ
せは、図30〜図33の全体で4096通りある。
=0〜31および階調値B=0〜31と補償パターンと
の対応関係を示し、図31は、階調値A=0〜31およ
び階調値B=32〜63と補償パターンとの対応関係を
示し、図32は、階調値A=32〜63および階調値B
=0〜31と補償パターンとの対応関係を示し、図33
は、階調値A=32〜63および階調値B=32〜63
と補償パターンとの対応関係を示している。
接画素の階調値Bへの階調遷移に対する動画偽輪郭の補
償パターンは、N、C1、D1、EJh、FJh(但し、J
hは冗長信号パターンの番号を参照するための引数であ
り、ここでは2または3を取る)の5通りに分類され、
図30〜図33に示すように、これらの補償パターンの
中から、階調遷移の大きさに応じて動画偽輪郭を最も目
立たなくすると共に、回路を簡素化するために階調遷移
の大きさに対して共通化できる補償パターンが第2冗長
信号パターン1ないし3の中から選択され、適宜割り当
てられている。
参照して詳述するように、動画偽輪郭を補償するための
各種論理式が対応している。
ている点は、実施の形態1と同様であるが、本実施の形
態の補償パターンは、分類数が実施の形態1に比べては
るかに少なく、また補償パターンNが割り当てられた階
調遷移の組み合わせもはるかに増えている。これは、先
に説明したように、時間分割比率が8:4:1:8の方
式は、1:8:4:8の方式に比べて、64階調中の4
階調おきに発生する階調変動が元々少ないことから、階
調変動の許容度を比較的緩くすることができたためであ
る。
調変動が小さい動画偽輪郭、言い換えれば、視覚的な発
光誤りの強度が小さい動画偽輪郭を補償するものであ
る。但し、このような視覚的な発光誤りの強度が小さい
動画偽輪郭を補償する補償パターンの場合、移動速度が
小さいとみなせるときには、Nに置き換えても差し支え
ない。
補償パターン、すなわち引数Jhを含む補償パターン
(D1以外)は、階調変動が大きい動画偽輪郭、言い換
えれば、視覚的な発光誤りの強度が大きい動画偽輪郭を
発生する階調遷移に対して割り当てられている。
の組み合わせに対して、補償パターンNを除くたった6
通りの論理演算を実行する回路を組めば済むので、本実
施の形態は、回路構成の簡素化の点、および回路構成の
簡素化に伴う計算速度向上の点で、実施の形態1の場合
より優れている。
求め方について、具体的に説明する。
って、階調値A=15、階調値B=16を隣接させて表
示し、水平移動速度+6画素/フィールドで階調値A=
15から階調値B=16の方へ画像を移動させる場合の
補償階調信号の求め方を説明する。
遷移は15−16階調遷移であるから、図30を参照す
ると、15−16階調遷移に割り当てられた補償パター
ンはF2である。したがって、図34に示すFJhに対応
する論理式に基づく演算が実行される。
を出力する画素の個数を、移動速度に応じて求めること
である。この論理演算を図34に示す論理式Nmax(V)に
従って実行すると、移動速度の大きさはV=6であるか
ら、 Nmax(6)=1+True+True+ False=3 となる。したがって、原信号に補償階調信号を出力する
画素の位置はn=1、2、3となり、補償される画素の
個数は3個と決まる。
補償階調信号を、論理式TおよびGnに従って求める。
5)/|16−15|=1 G1 =15+12・1・ False+4・1・ False+8・
1・True=23 G2 =15−4・1・ False=15 G3 =G2 =15 となる。
隣接画素の階調値B=16の原信号には、第2冗長信号
パターン2の階調値23に与えられた信号パターンを、
上記隣接画素に対して移動方向に隣接する画素、すなわ
ち着目画素から移動方向に2番目に位置する画素の原信
号には、第2冗長信号パターン2の階調値15に与えら
れた信号パターンを、着目画素から移動方向に3番目に
位置する画素の原信号には、第2冗長信号パターン2の
階調値15に与えられた信号パターンを、それぞれ補償
階調信号として出力することになる。
方法を用いた画像表示装置に関する実施の形態を図35
ないし図37に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
5に示すように、動画偽輪郭の補償に関与する主要な構
成として、偽輪郭補償式分類器10と動き検出部20と
補償階調挿入器30とを備えている。
として、各部の構成と役割の概略をまず説明しておく。
23または図30〜33に示すような階調遷移と補償パ
ターンとを対応付けたテーブルデータを保有している。
但し、そのテーブルデータにおいては、図36または図
37に示すように、各種補償パターンは補償式グループ
として分類されている。例えば、図20〜23に示され
たF(2)およびF(3)は、F(Jh)という記号で
統一され、図30〜33に示されたE2およびE3は、
EJhという記号で統一されている。したがって、偽輪郭
補償式分類器10は、画像の原信号Poの同一フレーム
または同一フィールド内における着目画素と隣接画素間
の階調遷移を画素毎に調べ、階調情報としての階調遷移
を画素毎に検出する。すなわち、偽輪郭補償式分類器1
0は、階調情報検出部としての役割を担っている。さら
に、偽輪郭補償式分類器10は、検出した階調遷移に必
要となる補償式グループを選定する働きもする。
直接またはローパスフィルタ(LPF)11を介して画
像の原信号Poが入力される。そして、偽輪郭補償式分
類器10は、選定した補償式グループを、図36または
図37に示すように対応付けられた数値0〜9のどれか
に変換し、補償式分類値Peとして補償階調挿入器30
に出力すると共に、検出した階調情報としての階調遷移
も補償階調挿入器30に併せて出力する。
ム間の画像データを比較し、画像の移動速度(方向およ
び速さ)を示す動きベクトル、すなわち動き情報を、画
素毎に検出する働きをする。したがって、動き検出部2
0は、動き情報検出部としての役割を担っている。
たはローパスフィルタ21を介して画像の原信号Poが
入力されると共に、フレームメモリ22に一時的に保持
された1フレーム前の画像信号Ppも入力されるように
なっている。そして、動き検出部20は、画素毎に検出
した動きベクトルVを補償階調挿入器30に対して出力
する。
移、補償式分類値Pe、動きベクトルVおよび原信号P
oを入力として、図24または図34に示す補償パター
ンに対応する論理式に従った演算を行うことにより補償
階調信号Pcを出力する補償値演算回路31(補償用信
号生成部)と、原信号Poと補償階調信号Pcとを合成
する挿入回路32(信号挿入部、信号挿入手段)とを備
えている。
して、補償階調挿入器30は、入力された階調遷移と動
きベクトルVとに基づいて、動きベクトルV上に隣接す
る画素のみに関する演算を補償値演算回路31に行わせ
るようになっている。
10は、入力された原信号Poの同一フレームまたは同
一フィールドについて、ある着目画素の階調値Aと、着
目画素に隣接する最大8個の隣接画素の階調値Bとを取
得し、上述したテーブルデータを検索して、階調遷移A
−Bに割り当てられた補償式グループを着目画素につい
て最大8個選び出す。続いて、偽輪郭補償式分類器10
は、図36または図37に示すような対応関係となるよ
うに、選び出した補償式グループを数値0〜9のいずれ
かに変換し、補償式分類値Peとして画素毎に補償階調
挿入器30に出力する。
Poの同一フレームまたは同一フィールドにおける全画
素について、偽輪郭補償式分類器10から階調遷移A−
Bと補償式分類値Peとを取得する。
償式分類器10が補償式グループを選定する際の精度を
高めるために設けられているものであり、精度的に問題
が無ければ、省略することも可能である。
22によって遅延された1フレーム前の画像信号Ppと
原信号Poとを比較し、各画素がどの向きにどのくらい
の速さ(画素/フィールド)で移動したかを検出し、画
素毎の動きベクトルVを求めて補償階調挿入器30に出
力する。動きベクトルVの検出は、例えば、ブロックマ
ッチング方式にて、複数画素をひとまとまりとしたブロ
ック領域毎に、水平画素移動量及び垂直画素移動量の各
画素移動量分ずつ画像を可変させることによって行われ
る。
は、上記の形態に限定されるものではない。また、動き
ベクトルVの検出方式として、勾配法、位相相関法等の
周知の方法を適宜用いることができる。また、動き検出
部20は、記憶媒体中に特徴化もしくは符号化されて記
憶された画像、またはデータを利用した動画に対して、
画像の動きベクトルを決定する機構を備えている。
部20が動きベクトルVを検出する際の精度を高めるた
めに設けられているものであり、精度的に問題が無けれ
ば、省略することも可能である。
調遷移A−Bと動きベクトルVとに基づいて、着目画素
について動きベクトルVの方向に隣接する隣接画素を特
定し、特定した隣接画素に対応する補償式分類値Peを
選別し、選別した補償式分類値Peについて、図24ま
たは図34に示すように定式化された補償式グループの
論理式に従った演算を補償値演算回路31に実行させ
る。
ベクトルVの方向に隣接する隣接画素との間での階調遷
移と、移動速度の大きさとに応じて、上記隣接画素から
連続する最大4個までの画素に補償を行い得る補償階調
信号Pcを生成し、挿入回路32に出力する。
調信号Pcを上書きして補償済み階調信号Pfを得、次
の表示フィールド信号または表示フレーム信号として出
力する。このようなシステム構成とすることで、動画偽
輪郭の補償を高精度に行うことができる。
としては、補償階調信号Pcを生成する論理回路群を、
補償式分類値Pe別に、言い換えれば、動画偽輪郭の強
度および/または形状に対応して設けることができる。
各画素について、隣接する最大8個の隣接画素に関する
補償式分類値Peを求めるようにしたが、偽輪郭補償式
分類器10に動き検出部20から動きベクトルVを予め
入力し、着目画素について動きベクトルVの方向に隣接
する隣接画素の階調遷移A−Bを検出した後、その階調
遷移A−Bに該当する補償式分類値Peのみを求めるよ
うにしてもよい。この場合、偽輪郭補償式分類器10
は、着目画素に発生する動画偽輪郭の強度および/また
は形状を検知し、該強度および/または形状の識別情報
として補償式分類値Peを出力する動画偽輪郭分類手段
として機能する。
さくすることができる。その上、動きベクトルVが0の
画素については、補償式分類値Peを0として出力すれ
ばよいので、偽輪郭補償式分類器10での演算を不要と
することができる。
償式グループの選定自体に、動きベクトルVを必要とす
るわけではないので、偽輪郭補償式分類器10に動きベ
クトルVを入力しない図38の構成の方が、補償式グル
ープの選定と動きベクトルVの算出との役割分担を明確
にでき、回路構成上、それぞれのモジュール化が容易に
なる。
類器10および動き検出部20が、各フレームまたは各
フィールド毎の各画素について、補償式分類値Peおよ
び動きベクトルVを求めるようにしたが、これに限ら
ず、フレーム間またはフィールド間で変化が無いとき
に、演算を省いて同じ結果を出力させることもできる。
方法を用いた画像表示装置に関する他の実施の形態を図
38に基づいて説明すれば、以下のとおりである。な
お、説明の便宜上、実施の形態3で説明した構成と同一
の機能を有する構成については、同じ符号を付しその重
複する説明を省略する。
35と図38とを対比すれば明らかなように、補償階調
挿入器40の構成において前記実施の形態と異なってい
る。
補償値演算回路31で実行される演算の結果が予め書き
込まれた記憶回路42と、記憶回路42から所望の演算
結果を呼び出す際のアドレスを計算すると共に、前記の
挿入回路32と同等の機能も有している記憶アドレス演
算回路および挿入回路41とを備えている。
たは図34に示すように動画偽輪郭の強度別および/ま
たは形状別に定式化された補償式グループの論理式に従
った演算を、階調遷移と移動速度の大きさとに応じて行
った結果、すなわち補償階調値が予め書き込まれてい
る。
構造としては、 階調遷移および移動速度の大きさから定まる動画偽輪
郭の強度および/または形状によってグループ化された
ブロック構成のデータ構造であって、各ブロック内に階
調遷移および移動速度の大きさ別に求めた補償階調値が
配されているデータ構造、 階調遷移から定まる動画偽輪郭の強度および/または
形状によってグループ化されたブロック構成のデータ構
造であって、各ブロック内に移動速度の大きさ別に求め
た補償階調値が配されているデータ構造、等、各種の形
態を選択することができる。
は、偽輪郭補償式分類器10から取得した階調遷移、補
償式分類値Peおよび動きベクトルVに基づいて、着目
画素について動きベクトルVの方向に隣接する隣接画素
を特定し、特定した隣接画素に対応する補償式分類値P
eを選別する。続いて、補償階調挿入器40は、選別し
た補償式分類値Peについて、さらに階調遷移と移動速
度の大きさとを指定するアドレスPaの計算を記憶アド
レス演算回路および挿入回路41に実行させる。
は、求めたアドレスPaを記憶回路42に出力し、記憶
回路42から、着目画素に対する隣接画素から連続する
最大4個までの画素に補償を行い得る補償階調信号Pc
を取得する。さらに、記憶アドレス演算回路および挿入
回路41は、入力された原信号Poに上記補償階調信号
Pcを上書きして補償済み階調信号Pfを得、次の表示
フィールド信号または表示フレーム信号として出力す
る。
算処理は記憶回路上のアドレスを計算するだけなので、
実施の形態3に比べて、補償済み階調信号Pfを得るた
めの複雑な演算回路を必要とせず、補償階調挿入器40
から高速に補償済み階調信号Pfを出力することができ
る。また、駆動シーケンスを変更しても、所定のフォー
マットに従った記憶データの変更処理を行うだけで、回
路を変更することなく異なる駆動シーケンスの動画偽輪
郭補償処理を行うことができる。
き検出部20の前段に設けられたローパスフィルタ11
・21は、補償式グループを選別する際の精度と動き検
出の精度とをそれぞれ高めるために設けられており、精
度的に問題がなければ特に設けなくてもよい。
器40に内蔵された構成であってもよいし、画像表示装
置に対して外部から装着するタイプの可搬型記憶媒体で
あってもよい。また、記憶回路42は読み出し専用であ
っても、随時内容を書き換えることのできるものであっ
てもよい。
立していることに意味が有るのではなく、実施内容に応
じて適切な方法ないし構成を組み合わせ、本発明の目的
を最大限に達成できるものとする自由度を持ち合わせて
いることはいうまでもない。
実施の形態4で述べた構成に加えて、各画素を2:1の
面積比率に分割した画像表示パネルを備えた画像表示装
置を用い、画素分割方式と、1フィールドを1:8:
4:8の時間比率のサブフィールドに分割する時間分割
方式とを併用して中間調を表示する際に発生する動画偽
輪郭の補償を行った実施例について説明する。
第1冗長信号パターン1〜3を使用したので、補償階調
信号Pcを、図20〜図24に示す補償パターンおよび
それに対応する論理式に基づいて求めた。
の画像を、水平速度−11画素/フィールドで、表示画
面の右から左方向へ移動させた。この場合における画像
1ラインの補償結果を図39に示す。同図において、破
線は、画素位置(0〜512ピクセル)に対する原画
(原信号Po)の階調値を示し、実線は、補償を行った
動画像の階調値、すなわち補償済み階調信号Pfの階調
値を示す。
表示用のデータ(赤256階調×緑256階調×青25
6階調)を用い、原画像のデータを64階調の表現に直
してから動画偽輪郭の計算処理を行った。原画像のデー
タを64階調の表現に直すには、RGB各8ビットデー
タの下位2ビットを0にマスクすればよい。こうする
と、例えば、256階調における階調値128を、64
階調における階調値32に対応付け、64階調における
階調幅1を256階調における階調幅4に対応付けるこ
とになる。
偽輪郭に対する補償済み階調信号Pfと256階調表示
の原信号とを対比しやすくするため、図39のように表
記した。
に、第1冗長信号パターン1のみを用い、上記と同じ画
像を同一移動速度で移動させ、動画偽輪郭の補償は行わ
なかった場合の画像1ラインの階調値を図40に、原画
(破線)および偽輪郭画像(実線)について示す。但
し、上記偽輪郭画像は、「アイトラッキング画像」と表
現する方が正確であり、偽輪郭とは、「原画像には見ら
れない、本来有るべきではないピークを持ったエラーの
箇所」それ自体を指す。しかし、ここでは、図39と図
40とを比較することによって、動画偽輪郭が減ったか
どうかを議論するので、便宜上、図40を偽輪郭画像と
呼ぶことにする。
では、0から255階調値中の192階調値付近をまた
ぐ階調変化について、破線で示す原画像の階調値を大き
く逸脱した階調値を持った動画偽輪郭の発生しているこ
とが判る。
2階調値付近をまたぐ階調値変化に起因した動画偽輪郭
を消失ないし大幅に低減できたことが判る。なお、水平
座標値24付近および水平座標値464〜498付近で
は、原画像がスパイク状に分布した画像であり、動画偽
輪郭の画像についても同様な形状になっているので、こ
の場合の動画偽輪郭は、原画像とほとんど違わない(階
調エラーはあるが、知覚できない程度である)ことが判
る。
その移動速度のみを変えたときの補償の効果について調
べた。すなわち、人物の顔の画像を水平方向に階調変化
するランプ(ramp)波形の画像に変え、該画像を水平速
度+5画素/フィールドで表示画面の左から右方向へ移
動させた場合に、動画偽輪郭の補償を行った。その結果
を図41に示す。また、動画偽輪郭の補償を行わなかっ
た場合の結果を図42に示す。
階調変化に2種類のエラー形状を認めることができる。
すなわち、画像上0から63階調値の変化に対して4階
調毎に5画素程度の比較的広い幅のステップ状の階調エ
ラーが発生すると共に、図42中に矢印で示すように、
16階調おきに正負の強い階調エラーが発生している。
この強い階調エラーが発生している箇所では、明るくな
って暗くなるような変化(またはその逆)の部分が2重
線となって見えている。このように補償を行わなかった
場合には、非常に目立つ動画偽輪郭の発生していること
が判る。
エラーを示す線状部PErr が均等に分散してはいるが、
動画偽輪郭を目立たないように抑制できたことが判る。
ドを8:4:1:8の時間比率のサブフィールドに分割
する方式に変更し、冗長信号パターンとして図25〜図
27に示す第2冗長信号パターン1〜3を用いたこと以
外は、同一条件にして補償の効果を調べた。
を、水平速度−11画素/フィールドで、表示画面の右
から左方向へ移動させた場合における画像1ラインの補
償結果を図43に示す。
に、第2冗長信号パターン1のみを用い、上記と同じ画
像を同一移動速度で移動させ、動画偽輪郭の補償は行わ
なかった場合の画像1ラインの階調値を図44に示す。
では、0から255階調値中の192階調値付近をまた
ぐ階調変化について、破線で示す原画像の階調値を大き
く逸脱した階調値を持った偽輪郭の発生していることが
判る。
同様に、上記の192階調値付近をまたぐ階調値変化に
起因した偽輪郭を大幅に低減できたことが判る。
その移動速度のみを変えて補償の効果を調べた。すなわ
ち、人物の顔の画像を、実施例2で用いた水平方向に階
調変化するランプ波形の画像に変え、該画像を水平速度
+5画素/フィールドで表示画面の左から右方向へ移動
させた場合に、動画偽輪郭の補償を行った。その結果を
図45に示す。また、動画偽輪郭の補償を行わなかった
場合の結果を図46に示す。
化に対して4階調毎に2画素程度の比較的狭い幅のステ
ップ状の階調エラーが発生すると共に、16階調おきに
正負の強い階調エラーが発生している。このように補償
を行わなかった場合には、非常に目立つ動画偽輪郭の発
生していることが判る。
付近の遷移に目立つ階調エラーが残ってはいるものの、
図46で目立つ動画偽輪郭を目立たないように抑制でき
たことが判る。
図45に示す8:4:1:8の時間分割方式の方が、図
41に示す1:8:4:8の時間分割方式より、どちら
かといえば補償効果が高いように見える。
8:4:1:8の時間分割方式の場合、32階調値付近
の遷移に依然として強い階調エラーが残っているので、
中間調の多い素材が大部分を占める一般画像では、この
階調エラーは目立つものとなる。特に、人物の顔のよう
な部分は、この問題の階調遷移に該当するため、人物の
顔に目立つ動画偽輪郭の発生するおそれがある。
の時間分割方式の場合、僅かな階調エラーがあっても、
それが均等に分散する形となっているため、自然画では
ほとんど分からなくなる。
路がより簡単な8:4:1:8方式か、画質がより自然
に近い1:8:4:8方式かを目的に合わせて選択する
とよい。
おいて、原信号Poに補償階調信号Pcを挿入する画素
の個数を変えたときの補償効果の違いについて調べた。
46の画像とを隣接させて表示し、+10画素/フィー
ルドの移動速度で階調値Aから階調値Bの方へ移動させ
た場合に、補償階調信号Pcを挿入する画素の個数を最
大4個までとしたときの補償結果を図47に示す。
階調信号Pcを挿入する画素の個数を最大2個までとし
たときの補償結果を図48に、また、補償階調信号Pc
を全く挿入しなかったときの動画偽輪郭の発生の様子を
図49に示す。
よび図49に比べて原信号にかなり近づき大幅に抑制さ
れていることが判る。実際の視覚テストでは、階調が変
化する部分の輪郭のぼやけが少ないという効果が得られ
た。
る部分の輪郭のぼやけは図49の場合に比べて改善され
るが、図47の場合程の改善効果は得られなかった。す
なわち、補償階調信号Pcを挿入する画素の個数が最大
2個では、この速度に対して十分に補償することができ
ず、輪郭のぼやけが残るということが判った。
から画面の水平方向に沿って移動する場合について、補
償階調信号の求め方を説明してきた。これに対し、本実
施例では、画像が着目画素から画面の斜め方向に沿って
移動する場合について、補償階調信号の求め方を説明す
る。
しており、横軸上の数値1〜23はx方向の座標、縦軸
上の数値1〜15はy方向の座標を表している。そし
て、x座標とy座標の交点に、1つの画素が位置してい
る。
(x,y)=(5,12)に位置する画素を着目画素
(番号0)とし、着目画素の動きベクトルが座標(1
6,5)に向かっているものとする。すなわち、着目画
素から座標(16,5)に位置する終端画素(番号9
5)に向かって描かれた矢印は、着目画素の動きベクト
ルを示している。また、着目画素と終端画素とを対角線
とする矩形の太枠内に記された数値0〜95は、各画素
の番号を表している。
+11ピクセル/フィールドであり、垂直成分vは−7
ピクセル/フィールドである。
る画素は、動きベクトルのベクトルライン(座標(5,
12)から座標(16,5)に引かれた細線)に接触し
ている画素である。その動きベクトルの影響を強く受け
る画素(以下、候補画素と呼ぶ)を抽出して図54
(b)に示す。
号を出力する画素の選択方法について説明する。まず、
x方向に候補画素を調べていくと、同じx座標に対して
2つの候補画素が抽出されている箇所がいくつかある。
例えば、x座標6における画素番号1・2、x座標7に
おける画素番号6・7、x座標9における画素番号21
・22等である。
画素に絞るために、画素にかかるベクトルラインのx方
向(水平方向)成分の割合が大きい方の候補画素を選択
するものとする。言い換えれば、動きベクトルのx方向
(水平方向)への寄与が大きい方の候補画素を選択する
ものとする。例えば、x座標15における画素番号86
・87の場合では、画素にかかるベクトルラインのx方
向成分は、画素番号86の方が長いので、x座標15に
対し画素番号86を選択する。こうして、水平寄与成分
(x方向)に関して選択した候補画素11個を図55
(a)に示す。
下に説明する幾通りかの選択方法から、補償精度とコス
ト、あるいは補償階調信号を生成するための回路構成の
設計のしやすさとの兼ね合いで適宜選べばよい。
直方向の補償が水平方向の補償ほど厳密である必要が無
いという事実に基づくものである。すなわち、x方向の
ように、同じy座標に対して2つの候補画素が抽出され
ている場合、着目画素に最も近いx座標を持つ候補画素
を選択する。
7の場合では、画素番号2の方のx座標が着目画素に近
いので、y座標11に対し画素番号2を選択する。ま
た、y座標7における画素番号54・69・77の場合
では、画素番号54のx座標が着目画素に最も近いの
で、y座標7に対し画素番号54を選択する。こうし
て、垂直寄与成分(y方向)に関して選択した候補画素
7個を図55(b)に示す。
方をさらに押し進めて、動きベクトルのx方向成分とy
方向成分とが同じか、x方向成分の方がy方向成分より
大きい場合に、y方向の候補画素の選択を止めるもので
ある。この場合は、x方向についてのみ、上記のように
候補画素を選択することになる。
償の精度を重視するもので、最も高い補償精度を満足す
ることができる。すなわち、x方向と同様に、画素にか
かるベクトルラインのy方向(垂直方向)成分の割合が
大きい方の候補画素を選択する、言い換えれば、動きベ
クトルのy方向(垂直方向)への寄与が大きい方の候補
画素を選択するものである。この方法によれば、選択し
たy方向の候補画素7個の画素番号は、着目画素から順
に(0,2,11,28,44,69,78,95)と
なる。
との差が非常に大きい場合に、成分の小さい方の補償を
せず、成分の大きい方の補償を優先的に行うという方法
を、上記の各種選択方法に組み合わせることもできる。
た候補画素の中から、補償階調信号を出力する画素を決
定する。この決定方法は、既に説明したとおりであり、
着目画素と隣接画素との階調遷移と移動の速さの水平成
分または垂直成分とに応じた補償式の演算によって、補
償階調信号を出力する画素と、出力する補償階調値とを
求めるものである。
を、水平寄与成分および垂直寄与成分のそれぞれについ
て決定した状態を図56(a)(b)に示す。図56
(a)は、図55(a)に示す水平寄与成分に関する候
補画素11個の中から、画素番号2,7,11に補償階
調信号を出力することを2’,7’,11’によって示
している。すなわち、画素番号0を着目画素、画素番号
2をx方向の隣接画素と定め、これらの階調遷移と移動
の速さの水平成分とに応じた補償式の演算によって、最
大4個までの画素、すなわち画素番号2,7,11の補
償が決定される。
す垂直寄与成分に関する候補画素7個の中から、画素番
号2,6,21に補償階調信号を出力することを2”,
6”,21”によって示している。すなわち、画素番号
0を着目画素、画素番号2をy方向の隣接画素と定め、
これらの階調遷移と移動の速さの垂直成分とに応じた補
償式の演算によって、最大4個までの画素、すなわち画
素番号2,6,21の補償が決定される。
分とが互いに異なる大きさになると、同じ画素に出力す
る補償階調信号が、x方向とy方向とで異なるという矛
盾が起きることもある。例えば、上記の例では、画素番
号2に出力する補償階調信号が、x方向とy方向とで異
なる可能性がある。このような場合には、視覚特性にと
ってより重要なx方向について求めた補償階調信号を出
力するというように、どちらかを優先させるルールを定
めておくとよい。
図54(b)にあてはめて図示すると、図57のように
なる。この例では、画素番号2に、x方向に関して求め
た補償階調信号を出力している。図57から、動きベク
トルの方向に配列された合計5個の画素に補償階調信号
を出力することがわかる。これは、動きベクトルをx方
向およびy方向成分に分け、各成分について最大4個ま
での画素に補償階調信号を出力するようにしたからであ
り、動きベクトルの方向について補償階調信号を出力す
る画素が4個を超える結果、補償精度を向上させること
ができた。
の効果を調べた。具体的には、画素分割比率2:1、時
間分割比率1:8:4:8を併用し、図5に示す第1冗
長信号パターン1を用いた階調表示方式において、図5
8に示す同心円状のグラデーションを持つテスト用画像
(静止画)を用いた。このテスト用画像の階調値は、0
〜63の内、中心から外側に向かって順に、12、1
6、32、36、40、44、48となっている。
の方向に動くように、水平方向に+5ピクセル/フィー
ルド、垂直方向に−5ピクセル/フィールドの速度成分
を与えた。
った場合のテスト用画像を示す。図59によれば、階調
値12と16との境界付近、16と32との境界付近、
および44と48との境界付近に強い動画偽輪郭の発生
が認められた。
処理を行った場合のテスト用画像を示す。図60では、
図59のような動画偽輪郭の発生が認められず、動画偽
輪郭が高精度で補償されていることが判る。
端に現れている暗線は、計算上のデータ不足部分であ
り、本実施例の効果とは関係が無い。
を実現する動画偽輪郭補償用信号発生回路を作製するこ
ともできる。この動画偽輪郭補償用信号発生回路は、画
像表示用に個々のフレームあるいはフィールド内がN
(≧2)個のサブフィールドに分割され、かつ1画素が
M(≧2)個の副画素で構成され、画像の動き情報を検
知する装置を含む表示装置に適用でき、同一フィールド
内あるいはフレーム内の注目画素の階調情報と、注目画
素に隣接する画素との階調情報および画像の動き情報に
応じた動画偽輪郭補償用階調信号を原信号に出力するこ
とを特徴とするものである。
ては、同一フィールド内あるいはフレーム内の注目画素
の階調情報と、注目画素に隣接する画素との階調情報お
よび画像の動き情報に応じて、動き方向の画素に出力す
べき階調信号に対する信号情報を論理回路化することが
好ましい。
は、補償すべき階調値毎に設けるよりも、階調範囲に対
応するようにグループ化することが好ましく、階調範囲
に対応してグループ化した動画偽輪郭補償用信号発生回
路のグループを識別するための参照用回路を設けること
がより好ましい。
は、以上のように、画像表示における1フィールド期間
または1フレーム期間を複数のサブフィールドに分割す
る時間分割方式を少なくとも利用する階調表示方式にお
ける動画偽輪郭補償方法であって、あるフィールドまた
はフレームの画像における着目画素の階調情報と、同一
フィールド内または同一フレーム内で上記着目画素に隣
接している隣接画素の階調情報と、当該フィールドまた
はフレームの画像について検出した画像の動き情報とに
応じて動画偽輪郭補償用信号を生成し、当該フィールド
またはフレームの画像の原信号に上記動画偽輪郭補償用
信号を出力するものである。
のに、空間的な階調変動および時間的な階調変動の2つ
のファクタを用いるため、発生する動画偽輪郭における
階調変動の大きさのみならず、階調変動が及ぶ画素の範
囲をも正確に検知することができる。これにより、同一
フィールド内または同一フレーム内に含まれる着目画素
および隣接画素の階調情報と画像の動き情報とに応じて
生成した動画偽輪郭補償用信号を原信号に出力すれば、
当該フィールドまたはフレームで発生する階調エラーを
時間方向と空間方向との2種類で補償することになり、
従来より高精度の動画偽輪郭補償を達成することができ
るという効果を奏する。
法」は、以上のように、画素にある階調値を表示させる
のに、上記サブフィールドの発光を選択する信号パター
ンを複数パターン用意し、上記動画偽輪郭補償用信号を
複数パターンの中から選択してもよい。
から動画偽輪郭補償用信号を選択するという簡単な方法
により、動画偽輪郭補償用信号を生成することができ
る。このことは、動画偽輪郭補償用信号を生成するため
の回路構成の簡素化に役立つという効果を奏する。
法」は、以上のように、上記着目画素から画像の移動方
向に並ぶ複数の画素の中から、発生する動画偽輪郭の程
度に応じて選択した1つ以上の画素に対して、上記動画
偽輪郭補償用信号を生成してもよい。
の速さが大きくなると、画像の移動方向に隣接する画素
にとどまらず、画像の移動方向に連続する複数の画素へ
広がっていくことが判ったので、上記のように選択した
1つ以上の画素に対して動画偽輪郭補償用信号を生成す
ることによって、階調変動の影響を的確、かつ最小限に
抑制することができるという効果を奏する。
法」は、以上のように、上記時間分割方式と、1画素を
複数個の副画素で構成する画素分割方式とを併用しても
よい。
法では、時間分割方式と画素分割方式とを併用するの
で、時間分割方式のみによる階調表示方式と比較して、
同じ階調数を得るための時間分割数を減らすことができ
る。これにより、画像表示における各画素の動作タイミ
ングの制御を容易にすると共に、低消費電力の表示装置
を提供することができるという効果を奏する。
法」は、以上のように、上記隣接画素から画像の移動方
向に並ぶ画素の中から、動画偽輪郭の程度に応じて、最
大4個までの画素を選択してもよい。
を出力する画素の個数が多くなると、階調変動による妨
害を小さくできる反面、原画の質感を大きく損なうおそ
れが出てくるため、補償しづらい動画偽輪郭を目立たな
くできる最低限の必要個数、すなわち3個に1個の余裕
を持たせて最大4個と定めれば、あらゆる動画偽輪郭を
目立たなくし、かつ原画像の質感を損なわない補償を行
うことができる。
画素の個数が最大4個までであれば、動画偽輪郭補償用
信号を生成する回路構成に関し、複雑化を回避できると
いう効果も併せて奏する。
法」は、以上のように、上記動画偽輪郭補償用信号を生
成するために基づかれる演算式を、上記着目画素および
隣接画素の各階調情報と上記動き情報とに応じた動画偽
輪郭の発生パターンに基づいて定式化してもよい。
動が及ぶ画素の範囲等の動画偽輪郭の発生パターンに着
目すると、そのパターン数は、着目画素の階調数に隣接
画素の階調数を掛け合わせた数と、画像の動きとに対応
した数よりはるかに少ない数となるので、上記のような
演算式を用意することによって、動画偽輪郭補償用信号
を着目画素および隣接画素の各階調情報と動き情報とに
応じて生成することのできる回路構成をパターン化し、
回路構成の簡素化を図ることができるという効果を奏す
る。
法」は、以上のように、上記動画偽輪郭補償用信号を生
成するために基づかれる演算式を、上記着目画素の取り
得る階調値が順次連続する所定幅の階調範囲と、上記隣
接画素の取り得る階調値が順次連続する所定幅の階調範
囲とに応じて、ブロック状にグループ化してもよい。
理由によって、動画偽輪郭補償用信号を生成するための
回路構成をパターン化し、回路構成の簡素化を図ること
ができる。しかも、着目画素および隣接画素の階調範囲
によって、演算式をブロック状にグループ化することに
より、演算式を単に定式化する場合に比べて、定式化し
た演算式を階調範囲に基づいてさらに少数のパターンに
まとめる、言い換えれば、より簡便なパターンに近似す
ることが可能になるので、回路構成の一層の簡素化を図
ることができるという効果を奏する。
法」は、以上のように、検出した画像の動き情報を、画
面上で交叉する2方向への成分に分け、これら2成分の
内の少なくとも1成分について、上記動画偽輪郭補償用
信号を生成してもよい。
れぞれの画素について動画偽輪郭補償用信号を生成すれ
ば、両成分について補償することができるので、最も高
い精度の動画偽輪郭補償が可能になる。また、どちらか
1成分について特定した画素について動画偽輪郭補償用
信号を生成すれば、要求される補償の精度を満たす範囲
内で、動画偽輪郭補償用信号の生成処理を簡略化ないし
動画偽輪郭補償用信号を生成するための回路構成を簡略
化することができるという効果を奏する。
以上のように、画像表示における1フィールド期間また
は1フレーム期間を複数のサブフィールドに分割する時
間分割方式を少なくとも利用して階調表示を行う画像表
示装置であって、あるフィールドまたはフレームの画像
における着目画素の階調情報と、同一フィールド内また
は同一フレーム内で上記着目画素に隣接している隣接画
素の階調情報とを検出する階調情報検出部と、当該フィ
ールドまたはフレームの画像について動き情報を検出す
る動き情報検出部と、検出された着目画素および隣接画
素の各階調情報、並びに動き情報に応じて動画偽輪郭補
償用信号を生成する補償用信号生成部と、当該フィール
ドまたはフレームの画像の原信号に上記動画偽輪郭補償
用信号を出力する信号挿入部とを備えている構成であ
る。
ールド内または同一フレーム内の画素に関する空間的な
階調変動と、その空間的な階調変動に画像の動き情報を
組み合わせることによって検出できる時間的な階調変動
との2つのファクタに基づいて、動画偽輪郭補償用信号
を生成することになるので、そのような動画偽輪郭補償
用信号を信号挿入部において原信号に出力することで、
時間的な階調変動のみに基づいて動画偽輪郭の低減を図
っていた従来の装置に比べて、高精度の動画偽輪郭補償
を達成することができるという効果を奏する。
は、以上のように、画像表示における1フィールド期間
または1フレーム期間を複数のサブフィールドに分割す
る時間分割方式を少なくとも利用して階調表示を行う画
像表示装置であって、あるフィールドまたはフレームの
画像における着目画素の階調情報と、同一フィールド内
または同一フレーム内で上記着目画素に隣接している隣
接画素の階調情報とを検出する階調情報検出部と、当該
フィールドまたはフレームの画像について動き情報を検
出する動き情報検出部と、着目画素および隣接画素の各
階調情報、並びに動き情報に対応付けて予め求められた
動画偽輪郭補償用階調値が記憶された記憶媒体と、検出
された着目画素および隣接画素の各階調情報、並びに動
き情報に基づいて上記記憶媒体から動画偽輪郭補償用階
調値を呼び出し、動画偽輪郭補償用信号として、当該フ
ィールドまたはフレームの画像の原信号に出力する信号
挿入部とを備えている構成である。
求めておいて記憶媒体に記憶しておくので、動画偽輪郭
補償用信号を必要に応じてその都度生成するための回路
構成を不要とすることができる。また、動画偽輪郭補償
用信号の生成に要する演算時間を、記憶媒体のアドレス
を指定するだけの簡単な演算時間に短縮することもでき
る。しかも、上記動画偽輪郭補償用階調値は、同一フィ
ールド内または同一フレーム内の画素に関する空間的な
階調変動と、その空間的な階調変動に画像の動き情報を
組み合わせることによって検出できる時間的な階調変動
との2つのファクタに基づいて求められるので、高精度
の動画偽輪郭補償を可能とする。
かつ短時間で、高精度の動画偽輪郭補償を可能とする画
像表示装置を提供することができるという効果を奏す
る。
装置」は、以上のように、画像表示における1フィール
ド期間または1フレーム期間を複数のサブフィールドに
分割する時間分割方式を少なくとも利用して階調表示を
行う画像表示装置であって、あるフィールドまたはフレ
ームの画像における着目画素に発生する動画偽輪郭の強
度および/または形状を検知し、該強度および/または
形状の識別情報を出力する動画偽輪郭分類手段と、動画
偽輪郭を補償するための動画偽輪郭補償階調値が、動画
偽輪郭の強度別および/または形状別に予め算出されて
記憶された記憶媒体と、動画偽輪郭分類手段が出力する
識別情報に基づいて、上記記憶媒体から動画偽輪郭補償
用階調値を呼び出し、動画偽輪郭補償用信号として、当
該フィールドまたはフレームの画像の原信号に出力する
信号挿入手段とを備えている構成である。
の強度および/または形状を検知して、その強度および
/または形状に応じた動画偽輪郭の高精度の補償を可能
とする動画偽輪郭補償階調値が、予め求められて記憶媒
体に記憶されているので、動画偽輪郭補償用信号を必要
に応じてその都度生成するための回路構成が不要とな
り、かつ動画偽輪郭補償用信号の生成に要する演算時間
が、記憶媒体のアドレスを指定するだけの簡単な演算時
間に短縮される。
かつ短時間で、高精度の動画偽輪郭補償を可能とする画
像表示装置を提供することができるという効果を奏す
る。
の流れを示すフローチャートである。
分割型のストライプ状画素配置の一例を模式的に示す説
明図である。
割型のストライプ状画素配置の一例を模式的に示す説明
図である。
合わせて中間調を表示する際の駆動シーケンスの一例を
示す説明図である。
合わせて中間調を表示する際の駆動シーケンスに用いる
階調信号パターンの一例を示す図表である。
ンスに用いる他の階調信号パターンを示す図表である。
ンスに用いるさらに他の階調信号パターンを示す図表で
ある。
示タイミングの一例を模式的に示す説明図である。
視覚的変化を説明するための説明図である。
視点中心付近の視覚情報を説明するための説明図であ
る。
動する場合に発生する動画偽輪郭の強度および形状を移
動の速度別に示すグラフである。
動する場合に発生する動画偽輪郭の強度および形状を、
図11とは異なる移動の速度別に示すグラフである。
動する場合に発生する動画偽輪郭の強度および形状を、
図11および図12とは異なる移動の速度別に示すグラ
フである。
調信号パターンと、発生する動画偽輪郭の強度および形
状の違いを説明するためのグラフである。
調信号パターンと、発生する動画偽輪郭の強度および形
状の違いを説明するための他のグラフである。
調信号パターンと、発生する動画偽輪郭の強度および形
状の違いを説明するためのさらに他のグラフである。
た補償階調信号の階調値と、その補償結果とを示すグラ
フである。
ついて、補償階調信号が出力される画素を、移動の速さ
との関係で示す図表である。
画素の階調値との偏差で置き換えて示す図表である。
いた場合における階調遷移前後の階調値と、その階調遷
移に対応する補償パターンとの関係を、階調値のある範
囲について示す部分的図表である。
て示す部分的図表である。
について示す部分的図表である。
らに他の範囲について示す部分的図表である。
引数として補償階調値を演算するための論理式を、図2
0ないし図23に示す各種補償パターン毎に示す図表で
ある。
とは異なる時間分割方式を組み合わせて中間調を表示す
る際の駆動シーケンスに用いる階調信号パターンの例を
示す図表である。
ーケンスに用いる他の階調信号パターンを示す図表であ
る。
ーケンスに用いるさらに他の階調信号パターンを示す図
表である。
ついて、表示タイミングの他の例を模式的に示す説明図
である。
る視点中心付近の視覚情報を説明するための説明図であ
る。
ーケンスに、ある階調信号パターンを用いた場合におけ
る階調遷移前後の階調値と、その階調遷移に対応する補
償パターンとの関係を、階調値のある範囲について示す
部分的図表である。
て示す部分的図表である。
について示す部分的図表である。
らに他の範囲について示す部分的図表である。
引数として補償階調値を演算するための論理式を、図3
0ないし図33に示す各種補償パターン毎に示す図表で
ある。
画像表示装置の構成を示すブロック図である。
に示す各種補償パターンに対応する補償式グループを数
値として出力するための、補償式グループと数値との対
応関係を示す図表である。
に示す各種補償パターンに対応する補償式グループを数
値として出力するための、補償式グループと数値との対
応関係を示す図表である。
他の画像表示装置の構成を示すブロック図である。
ら左方向へ移動させた場合における画像1ラインの補償
結果を、原画と動画偽輪郭と併記して示すグラフであ
る。
輪郭の補償を行わずに、上記と同じ画像を同様に移動さ
せた場合における画像1ラインの階調値を、原画と動画
偽輪郭と併記して示すグラフである。
表示画面の左から右方向へ移動させた場合における、動
画偽輪郭の補償結果を示す図である。
輪郭の補償を行わずに、上記と同じ画像を同様に移動さ
せた場合における表示結果を示す図である。
シーケンスにおいて、図39と同じ画像を、表示画面の
右から左方向へ移動させた場合における画像1ラインの
補償結果を、原画と動画偽輪郭と併記して示すグラフで
ある。
輪郭の補償を行わずに、上記と同じ画像を同様に移動さ
せた場合における画像1ラインの階調値を、原画と動画
偽輪郭と併記して示すグラフである。
シーケンスにおいて、水平方向に階調変化するランプ波
形の画像を表示画面の左から右方向へ移動させた場合に
おける、動画偽輪郭の補償結果を示す図である。
輪郭の補償を行わずに、上記と同じ画像を同様に移動さ
せた場合における表示結果を示す図である。
し、画面の右から左方向へ移動させた場合に、補償階調
信号を挿入する画素の個数を最大4個までとしたときの
補償結果を示すグラフである。。
調信号を挿入する画素の個数を2個までとしたときの補
償結果を示すグラフである。。
調信号を全く挿入しなかったときの動画偽輪郭の発生の
様子を示すグラフである。
示タイミングを模式的に示す説明図である。
0の場合について説明するための説明図である。
シーケンスにおいて、図8に対応するRGBカラー表示
の場合の表示タイミングを模式的に示す説明図である。
3の場合について説明するための説明図である。
目画素の動きベクトルを示す模式的な説明図であり、
(b)は、上記動きベクトルに関与する画素を抽出して
示す模式的な説明図である。
与成分および垂直寄与成分に関与する画素をそれぞれ抽
出して示す説明図である。
分および垂直寄与成分のそれぞれについて決定した状態
を示す説明図である。
(b)にあてはめて示す説明図である。
式の効果を調べるためのテスト用画像を示す図である。
向に移動させたときに発生する動画偽輪郭を示す図であ
る。
いる動画偽輪郭を図54ないし図57に示す動画偽輪郭
補償方式に従って補償した結果を示す図である。
階調を実現するための、1フィールドの分割例を示す説
明図である。
127および階調値128を表示する際に発光させるサ
ブフィールドを示す説明図である。
図である。
127の画像を隣り合わせて表示し、画像に動きを与え
た場合に、各階調レベルの境界部に暗線が発生する様子
を示す説明図である。
補償した場合の効果を示す説明図である。
の長いサブフィールドをさらに分割する例を示す図表で
ある。
郭分類手段) 20 動き検出部(動き情報検出部) 30 補償階調挿入器(補償用信号生成部) 40 補償階調挿入器(補償用信号生成部) 41 記憶アドレス演算回路および挿入回路(信号挿入
部、信号挿入手段) 42 記憶回路(記憶媒体)
Claims (11)
- 【請求項1】画像表示における1フィールド期間または
1フレーム期間を複数のサブフィールドに分割する時間
分割方式を少なくとも利用する階調表示方式における動
画偽輪郭補償方法であって、 あるフィールドまたはフレームの画像における着目画素
の階調情報と、同一フィールド内または同一フレーム内
で上記着目画素に隣接している隣接画素の階調情報と、
当該フィールドまたはフレームの画像について検出した
画像の動き情報とに応じて動画偽輪郭補償用信号を生成
し、 当該フィールドまたはフレームの画像の原信号に上記動
画偽輪郭補償用信号を出力することを特徴とする動画偽
輪郭補償方法。 - 【請求項2】画素にある階調値を表示させるのに、上記
サブフィールドの発光を選択する信号パターンを複数パ
ターン用意し、上記動画偽輪郭補償用信号を複数パター
ンの中から選択することを特徴とする請求項1に記載の
動画偽輪郭補償方法。 - 【請求項3】上記着目画素から画像の移動方向に並ぶ複
数の画素の中から、発生する動画偽輪郭の程度に応じて
選択した1つ以上の画素に対して、上記動画偽輪郭補償
用信号を生成することを特徴とする請求項1または2に
記載の動画偽輪郭補償方法。 - 【請求項4】上記時間分割方式と、1画素を複数個の副
画素で構成する画素分割方式とを併用したことを特徴と
する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の動画偽輪
郭補償方法。 - 【請求項5】上記着目画素から画像の移動方向に並ぶ画
素の中から、動画偽輪郭の程度に応じて、最大4個まで
の画素を選択することを特徴とする請求項1ないし4の
いずれか1項に記載の動画偽輪郭補償方法。 - 【請求項6】上記動画偽輪郭補償用信号を生成するため
に基づかれる演算式を、上記着目画素および隣接画素の
各階調情報と上記動き情報とに応じた動画偽輪郭の発生
パターンに基づいて定式化したことを特徴とする請求項
1ないし5のいずれか1項に記載の動画偽輪郭補償方
法。 - 【請求項7】上記動画偽輪郭補償用信号を生成するため
に基づかれる演算式を、上記着目画素の取り得る階調値
が順次連続する所定幅の階調範囲と、上記隣接画素の取
り得る階調値が順次連続する所定幅の階調範囲とに応じ
て、ブロック状にグループ化したことを特徴とする請求
項1ないし6のいずれか1項に記載の動画偽輪郭補償方
法。 - 【請求項8】検出した画像の動き情報を、画面上で交叉
する2方向への成分に分け、これら2成分の内の少なく
とも1成分について、上記動画偽輪郭補償用信号を生成
することを特徴とする請求項1に記載の動画偽輪郭補償
方法。 - 【請求項9】画像表示における1フィールド期間または
1フレーム期間を複数のサブフィールドに分割する時間
分割方式を少なくとも利用して階調表示を行う画像表示
装置であって、 あるフィールドまたはフレームの画像における着目画素
の階調情報と、同一フィールド内または同一フレーム内
で上記着目画素に隣接している隣接画素の階調情報とを
検出する階調情報検出部と、 当該フィールドまたはフレームの画像について動き情報
を検出する動き情報検出部と、 検出された着目画素および隣接画素の各階調情報、並び
に動き情報に応じて動画偽輪郭補償用信号を生成する補
償用信号生成部と、 当該フィールドまたはフレームの画像の原信号に上記動
画偽輪郭補償用信号を出力する信号挿入部とを備えてい
ることを特徴とする画像表示装置。 - 【請求項10】画像表示における1フィールド期間また
は1フレーム期間を複数のサブフィールドに分割する時
間分割方式を少なくとも利用して階調表示を行う画像表
示装置であって、 あるフィールドまたはフレームの画像における着目画素
の階調情報と、同一フィールド内または同一フレーム内
で上記着目画素に隣接している隣接画素の階調情報とを
検出する階調情報検出部と、 当該フィールドまたはフレームの画像について動き情報
を検出する動き情報検出部と、 着目画素および隣接画素の各階調情報、並びに動き情報
に対応付けて予め求められた動画偽輪郭補償用階調値が
記憶された記憶媒体と、 検出された着目画素および隣接画素の各階調情報、並び
に動き情報に基づいて上記記憶媒体から動画偽輪郭補償
用階調値を呼び出し、動画偽輪郭補償用信号として、当
該フィールドまたはフレームの画像の原信号に出力する
信号挿入部とを備えていることを特徴とする画像表示装
置。 - 【請求項11】画像表示における1フィールド期間また
は1フレーム期間を複数のサブフィールドに分割する時
間分割方式を少なくとも利用して階調表示を行う画像表
示装置であって、 あるフィールドまたはフレームの画像における着目画素
に発生する動画偽輪郭の強度および/または形状を検知
し、該強度および/または形状の識別情報を出力する動
画偽輪郭分類手段と、 動画偽輪郭を補償するための動画偽輪郭補償階調値が、
動画偽輪郭の強度別および/または形状別に予め算出さ
れて記憶された記憶媒体と、 動画偽輪郭分類手段が出力する識別情報に基づいて、上
記記憶媒体から動画偽輪郭補償用階調値を呼び出し、動
画偽輪郭補償用信号として、当該フィールドまたはフレ
ームの画像の原信号に出力する信号挿入手段とを備えて
いることを特徴とする画像表示装置。
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