JP2001080936A - リン酸カルシウム系ガラス被覆体及びその製造方法 - Google Patents

リン酸カルシウム系ガラス被覆体及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】生体との結合性と生体適合性とが確保された、
リン酸カルシウム系ガラスの被覆体及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】チタンを含有する金属基材上に、チタン酸
化物を含有する中間層を介してリン酸カルシウム系ガラ
ス層を備える、ガラス被覆体とする。中間層により、生
体適合性のあるチタン含有金属基材の表面に生体結合性
に優れたリン酸カルシウム系ガラス層が強固に接合され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チタン含有金属
基材の表面をリン酸カルシウム系ガラス層で被覆したガ
ラス被覆体に関し、特に、生体材料として有用なリン酸
カルシウム系ガラスで被覆されたチタン含有金属基材の
被覆体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属チタンやチタン合金は、生体に対す
る安全性が高く、生体親和性の良い金属として知られて
おり、人工骨や人工歯根の材料として用いられている。
かかる人工骨等は、生体骨中に埋入されると、生体によ
る異物としての認識の程度の応じて現れる線維性組織の
厚さは極めて薄いことが知られている。しかし、かかる
金属チタンやチタン合金は、生体と化学的に結合するこ
とは全くない。したがって、生体骨との間で特に強固な
結合が不可欠とされる人工歯根や人工骨のステム部など
に、チタン系金属基材を用いる場合には、何らかの方法
で生体との結合力を付与する必要がある。
【0003】一方、生体の骨や歯は、リン酸カルシウム
を主体としており、そのためにリン酸カルシウム系のセ
ラミックスの中には、生体骨内に埋入させると自然に骨
と化学的に結合する、いわゆる生体活性機能を有するも
のがあることが知られている。例えば、水酸アパタイト
(Ca5(PO43OH)、β型リン酸三カルシウム
(β−Ca3(PO42)、ピロリン酸カルシウム(β
−Ca227)などがある。一方、ガラス関連材料に
も生体結合性を示すものがある。これらのガラス系材料
は、その組成を比較的自由に変化させることができるた
め、骨との接合の速さや生体での耐久性などを制御しや
すいという利点がある。
【0004】そこで、チタン系金属基材の表面に水酸ア
パタイトやβ型リン酸三カルシウム等のリン酸カルシウ
ム系セラミックス材料を被覆した材料が提案されてい
る。この場合、リン酸カルシウム系材料は、プラズマス
プレー法で被覆されており、基材側との化学的結合がほ
とんどなされていない。このため、かかる複合体を生体
内に埋入すると、早期に被覆層が剥離してしまい、結果
として、強固な生体との結合状態が得られない。また、
ガラス関連材料においては、その主成分であるSiO2
の生体における安全性が確立されていないという問題点
がある。そこで、本発明では、生体との結合性と生体適
合性とが確保された、リン酸カルシウム系ガラスの被覆
体及びその製造方法を提供することを、その目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明者らは、生体適合性のあるチタン含有金
属基材の表面に生体結合性に優れたリン酸カルシウム系
ガラス層を強固に接合できる手段を見い出し、本発明を
完成した。すなわち、本発明は、チタンを含有する金属
基材上に、チタン酸化物を含有する中間層を介してリン
酸カルシウム系ガラス層を備える、ガラス被覆体を提供
する。このガラス被覆体によれば、リン酸カルシウム系
ガラス層がチタン含有金属基材上に良好に一体化され
る。
【0006】また、このガラス被覆体において、前記中
間層のチタン酸化物の濃度は、基材側からガラス層側へ
減少している、ガラス被覆体も提供する。中間層におい
てチタン酸化物の濃度が基材側からガラス層側へと傾斜
されていると、中間層がガラス層とチタン含有金属基材
との熱膨張率の緩衝層となる。
【0007】さらに、前記中間層には、前記ガラス層の
構成成分を含有している、ガラス被覆体も提供する。こ
の場合において、前記ガラス層の構成成分は、ガラス側
から基材側へ減少していることが好ましい。これらの場
合において、前記ガラス層の構成成分は、リン酸化物で
あることが好ましい態様である。
【0008】さらに、前記ガラス層には、TiO2を含
有していることが好ましい。ガラス層に、チタン(チタ
ン酸化物)を含有していることにより、より一層チタン
含有金属基材とガラス層が良好に結合される。特に、前
記ガラス層は、CaO、P25、TiO2、およびNa2
Oを含有しているガラス材料を熱処理して得られるガラ
ス層であることが好ましい。かかる4成分を含有してい
ることにより、ガラス化が容易となり、Caを高いモル
%で含有したガラス層となっている。これら4成分の合
計がガラス層の全成分の90モル%以上であることが好
ましい。さらに、前記ガラス層の組成が、CaO/P2
5のモル比が1.25以上であり、P25、TiO2
びNa2Oの合計モル数が、CaO、P25、TiO2
びNa2Oの合計モル数に対して50%以上であること
が好ましい。また、上記したいずれかのガラス被覆体
は、人工歯根用材料又は人工骨用材料であることが好ま
しい形態である。
【0009】また、本発明は、チタン含有金属基材表面
にリン酸カルシウム系ガラス材料を付与し、この基材を
酸素を含有する雰囲気中で500〜1000℃に加熱す
る、リン酸カルシウム系ガラス被覆体の製造方法を提供
する。この製造方法によると、チタン含有金属基材表面
に、リン酸カルシウム系ガラス層が一体性良く結合され
たガラス被覆体が得られる。さらに、前記ガラス材料
は、CaO、P25、TiO2、およびNa2Oを含有す
ることが好ましく、さらに好ましい態様は、前記ガラス
材料におけるCaO/P25のモル比が1.25以上で
あり、P25、TiO2及びNa2Oの合計モル数が、C
aO、P25、TiO2及びNa2Oの合計モル数に対し
て50%以上である組成を有する態様である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明のリン酸ガラス系被覆体は、チタン
含有金属基材表面に、チタン酸化物を含有する中間層を
介してリン酸カルシウム系ガラス層を備えている。本発
明は、チタン含有金属基材と、本ガラス層との界面に、
チタン酸化物に富む反応層である中間層を形成させるこ
とにより、本ガラス層をチタン含有金属基材表面に強固
に接合させたものである。本発明におけるガラス層は、
酸化カルシウムとリン酸とを主成分とし、さらに酸化チ
タンや酸化ナトリウムを副成分としたガラス組成物を高
温で溶融後、急冷して得られるガラス材料から得られ
る。このガラス材料を、基材表面に付与し、酸素を含む
雰囲気中で熱処理(焼成)することにより、金属基材表
面にガラス層が形成されるとともに、金属基材とガラス
層との反応により中間層が形成される。
【0011】本発明におけるチタン含有金属基材は、純
チタンあるいは各種チタン合金を使用できる。チタン合
金としては、Ti−6Al−4V、Ti−29Nb−1
3Ta−4.6Zr等を用いることが好ましい。特に、
弾性率が90GPa以下であり、強度が800MPa以
上であることが好ましい。また、β型チタンを含有する
合金が好ましい。なお、チタン含有金属基材の他、チタ
ンとともに、あるいはチタンを含まずにチタン以外の酸
化され易い金属を含有する金属基材とすることもでき
る。このような金属としては、ジルコニウム、ニオブ、
タンタル、モリブデン、スズ等を用いることが好まし
い。したがって、チタン含有金属基材に替えて、ジルコ
ニウム含有金属基材、ニオブ含有金属基材、タンタル含
有金属基材、モリブデン含有金属基材及びスズ含有金属
基材も用いることができる。
【0012】リン酸カルシウム系ガラス層は、カルシウ
ムを含有するリン酸塩ガラスからなる。かかるガラス層
は、リン酸成分がP27 2-及び/又はPO4 3-の形で含
まれていることが好ましい。通常、リン酸塩ガラスは、
PO3グループが連結した長い鎖状構造をとるが、P2
7 2-および/またはPO4 3-を含み、PO3 -を実質的に含
まないガラスでは、本来ガラスの修飾成分であったカチ
オンにより連結されて、むしろ、ガラス形成成分として
の役割をはたしている。このようなガラスをインバート
ガラスという。リン酸カルシウム系インバートガラスで
は、リン酸成分がかなり少なくなっているので、生体内
のような弱アルカリ溶液に対する耐久性に優れている。
また、β型リン酸三カルシウム(β−Ca3(P
42)、ピロリン酸カルシウム(β−Ca2
27)、水酸アパタイト(Ca5(PO43OH)のい
ずれか1種類あるいは2種類以上を含有していることが
好ましい。さらに、これらのリン酸カルシウム系化合物
は、結晶として析出する場合が多い。特に、β−Ca3
(PO42やβ−Ca227等のリン酸カルシウム系
セラミックスは、ガラス材料がインバートガラスである
場合に多く析出する。
【0013】本ガラス層には、また、TiO2を含有し
ていることが好ましい。TiO2を含有していると、生
体結合性が向上する傾向があるからである。また、チタ
ン含有金属基材を利用する場合、基材との良好な接合性
が得られる傾向にある。さらに、本ガラス層において
は、二酸化ケイ素(SiO2)が5モル%以下であるこ
とが好ましい。二酸化ケイ素含有量が5モル%以下であ
ると、生体において安全性の高い材料となる。より好ま
しくは、1モル%以下であり、さらに好ましくは、0.
1モル%以下である。
【0014】本発明において好ましいガラス層は、Ca
O(換算値)/P25(換算値)のモル比率(以下、当
該モル比率を第1のモル比率ともいう。)を1.25以
上の組成を有するガラス組成物をガラス化したガラス材
料から得られる。なお、当該モル比率は、当該組成物中
のCaOとP25のモル数から求めることができる他、
CaOに相当する成分、P25に相当する成分を、それ
ぞれ、CaO及びP25としての量に換算した換算値か
らも求めたモル比率であってもよい。なお、ガラス材料
及びガラス層におけるかかるモル比率は、電子プローブ
微小部分析(EPMA)あるいはエネルギー分散型X線
分光法(EDX)を用いて得ることができる。このモル
比率を有するリン酸カルシウム系ガラス組成物をガラス
化して得られるガラス材料及びガラス層においては、当
該モル比率が維持されており、当該モル比率を有してい
ることが好ましい。また、このようなガラス組成物から
得られるガラス材料及びガラス層には、リン酸成分がP
27 2-るいはPO4 3-の形で存在する。好ましくは、当
該比率を1.5以上とし、さらに好ましくは、2.0以
上とする。なお、特に限定しないが、ガラス組成物中、
CaOとしては、炭酸カルシウム(CaCO3)等を用
いることが好ましく、P25としては、正リン酸(85
wt%溶液)を用いることが好ましい。
【0015】また、CaO成分の含有量の高いガラス組
成物のガラス化を容易にするには、TiO2とNa2Oと
をガラス材料に添加することが好ましい。すなわち、ガ
ラス組成物には、CaOと、P25と、TiO2とNa2
Oとの4成分を含有することが好ましい。そしてこれら
の合計モル%がガラス組成物全体の90モル%以上であ
ることが好ましい。より好ましくは95モル%以上であ
る。さらに、好ましくは、この4成分のみでガラス組成
物を構成する。なお、これらの場合において、TiO2
に代えて、K2OやMgOを用いてもよい。
【0016】さらに、ガラス組成物においては、これら
4成分の合計量(モル)に対する、P25+TiO2
Na2Oの合計量(モル)のモル比率(当該モル比率を
第2のモル比率ともいう。)が、50モル%以下である
ことが好ましい。50モル%を超えると、カルシウム量
の低下により、生体結合性が低下するからである。より
好ましくは、46モル%以下であり、さらに好ましく
は、40モル%以下である。特に、40モル%以下であ
ると、インバートガラス材料を得られやすい。インバー
トガラス材料は、その後、750℃以上で再加熱するこ
とにより、多くのβ−Ca3(PO42および/または
β−Ca227の相を容易にガラス相中に得ることが
できる。なお、当該モル比率は、当該材料組成中のCa
O、P25、TiO2、Na2Oのモル数から求めたモル
比率であるが、ガラス組成物中のこれら各成分に相当す
る成分を、これらの4成分にそれぞれ換算して得た換算
値から求めたモル比率であってもよい。なお、特に限定
しないが、ガラス組成物中、Na2Oとしては、炭酸ナ
トリウム(Na2CO3)等を用いることが好ましい。
【0017】特に、(1)第1のモル比率が1.25以
上、第2のモル比率が50モル%以下であることが好ま
しく、(2)第1のモル比率が1.5以上、第2のモル
比率が46モル%以下であることがさらに好ましく、
(3)第1のモル比率が2.0以上、第2のモル比率が
40モル%以下であることが最も好ましい。
【0018】なお、前述のように、ガラス組成物中にお
いても、二酸化ケイ素(SiO2)が5モル%以下であ
ることが好ましい。二酸化ケイ素含有量が5モル%以下
であると、生体において安全性の高い材料となる。より
好ましくは、1モル%以下であり、さらに好ましくは、
0.1モル%以下である。ガラス組成物中には、必要に
応じてMgO、K2O、Ta25、Nb25、ZrO2
ZnO、Al23、B23等の生体に対して安全性の高
い成分あるいはこれらの成分をガラス中に生成する成分
を、単独あるいは2種以上を組み合わせて含有していて
もよい。ただし、これらの成分の総量はガラス組成物に
おいて10モル%以下の範囲内であることが好ましい。
【0019】次に、チタン含有金属基材表面に、ガラス
層を形成する工程について説明する。ガラス層を形成す
るためのガラス材料は、上記したようなガラス組成物
を、例えば、均質なスラリーとし、高温で溶融する。溶
融温度は、特に限定しないが、1300℃〜1400℃
が好ましい。時間も特に限定しないが、10分以上とす
ることが好ましい。溶融により得られた融液を急冷する
ことにより、ガラス材料を得ることができる。また、こ
の急冷物を、さらに適当な温度で熱処理すれば、結晶化
ガラスとすることができる。特に、急冷物をさらに、7
50℃以上で再加熱することにより、β型リン酸三カル
シウム(β−Ca3(PO42)および/またはピロリ
ン酸カルシウム(β−Ca227)の相を多く有する
ガラス材料を得ることができる。再加熱時間は、好まし
くは15分以上である。
【0020】このようなガラス材料により、金属基材の
表面にガラス層が形成される。金属基材のガラス層を形
成する表面は、予め、ブラスト処理等により粗面化して
おくことが好ましい。また、脱脂やアセトン洗浄等を施
しておくことが好ましい。なお、金属基材表面は、予
め、酸化層を形成しておいてもよい。かかる酸化層は、
中間層の一部あるいは全体を形成する。一方、ガラス材
料を、粉砕して、水、アルコール、ヘキサン、アセトン
等の低粘性の液状物と混合してスラリー状とし、これを
金属基材表面に付与する。付与方法は、ディップ法、ス
ピン法、塗布法、スプレーコート法等の各種公知の方法
を用いる。スラリーの粘度によって被覆するガラス層の
厚みを適宜変化させることができる。1回の付与によ
り、おおよそ1μm〜100μmの厚さのガラス材料層
を得ることができる。また、付与を繰り返し行えば、1
00μm以上の厚さの材料層を得ることができる。
【0021】次いで、この基材を、酸素を含むガス中で
熱処理する。チタン等の酸化しやすい金属を含有する金
属基材は酸化しやすく、雰囲気内に酸素が存在すれば、
熱処理により表面から容易に酸化されていていく。この
酸化層が、ガラス材料と反応して、反応性の中間層が形
成される。雰囲気内の酸素が0.01%以上であること
が好ましい。0.01%よりも少ないと、生成する酸化
層が少ないために、ガラス層との間で中間層が形成され
にくく、強固な接合が得られにくいからである。好まし
い雰囲気としては、空気である。ただし、予め、基材表
面に酸化層を形成させておけば、雰囲気内の酸素が0.
01%以下であっても、良好な接合を得ることができ
る。
【0022】また、中間層の生成は、ガラス材料のガラ
ス転移温度(Tg)以上で生成が開始される。したがっ
て、好ましくは、ガラス材料のガラス転移温度以上の温
度で熱処理することが好ましい。具体的には500℃以
上とすることが好ましい。また、上限は、1000℃以
下であることが好ましい。1000℃を超えて加熱する
と、チタン含有金属基材の酸化が著しく、酸化層が厚く
なりすぎる傾向があり、酸化層と基材との熱膨張率の差
で剥離しやすくなる。より好ましくは、金属基材に含ま
れる金属の変態温度を超えない温度で熱処理することが
好ましい。金属の相転移を抑制できるからである。例え
ば、チタン含有金属基材を用いる場合には、チタンの変
態温度を超えないで熱処理することが好ましく、870
℃以下とすることが好ましい。なお、結晶相を含まない
かあるいは少ないガラス材料であっても、かかる熱処理
中に、ガラス相を結晶化させることができる。この場
合、ガラス材料の結晶化温度以上することが好ましい。
典型的には、600℃以上に加熱することが好ましい。
また、この熱処理工程において、750℃以上で加熱す
れば、ガラス材料中にβ−Ca3(PO42やβ−Ca2
27相を多く析出させることもできる。
【0023】このような熱処理の結果、基材表面がガラ
ス層で被覆される。得られたガラス層は、用いたガラス
材料の組成に応じた特性が付与される。特に、上述の好
ましい組成を用いることにより、生体結合性および/ま
たは生体適合性の優れたガラス層が得られる。また、基
材とガラス層との間には、区別可能な中間層が形成され
ている。中間層には、金属基材中の金属の酸化物が含ま
れている。基材が、チタン含有金属基材の場合、チタン
の酸化物、典型的には酸化チタン(TiO2)が含まれ
ている。さらにリン酸成分として、リンの酸化物、典型
的にはP25も含まれている。さらに、ガラス材料中の
CaOやNa2Oが含まれている。中間層には、金属基
材中の金属の酸化物(例えば、チタン酸化物(Ti
2))とリンの酸化物(P25等)は相対的に多く含
まれている。中間層の組成は、電子線プローブ微小部分
析により得ることができる。
【0024】この中間層においては、基材金属の酸化物
をはじめとする基材側の成分は、基材側からガラス層側
へと濃度が減少した傾斜組成となっていることが好まし
い。また、リンの酸化物やカルシウムの酸化物をはじめ
とするガラス層成分は、逆にガラス層から基材側への濃
度が減少する傾斜組成となっていることが好ましい。こ
のような傾斜組成により、中間層においては、基材の膨
張率(9〜12×10 -6/deg)とガラス層の膨張率
(12〜20×10-6/deg)との差が緩衝されてお
り、この結果、強固な接合状態が得られている。
【0025】例えば、金属基材に、チタン含有金属基材
を用い、ガラス組成物(材料あるいは層でもよい。)の
組成が、CaO、P25、Na2O、TiO2を含有する
場合において、中間層の組成は、カチオンとしてのモル
比率(最大値)で、Ca50%以下、P50%以下、N
a15%以下、Ti70%以下となることが好ましい。
また、特に好ましくは、以下のカチオンのモル比率
(%)の範囲および/または濃度傾斜を有していること
が好ましい。すなわち、それぞれのカチオンは、それぞ
れ以下に示す濃度範囲で含有されているとともに、かつ
濃度傾斜を有していることが好ましい。かかる濃度範囲
および/または濃度傾斜は、典型的には、60CaO−
30P25−7Na2O−3TiO2の組成を有するガラ
ス組成物、材料あるいはガラス層の場合に得られる。 Ti:0%超えて(ガラス層側)〜70%以下(金属基
材側) P :20%以上(金属基材側)〜45%以下(ガラス
層側) Na:0%以上(金属基材側)〜10%以下(ガラス層
側) Ca:0%以上(金属基材側)〜45%以下(ガラス層
側)
【0026】中間層の厚さは、0.5μm以上あること
が好ましい。また、上限は、10μm以下であることが
好ましい。10μmを超えると、ガラス層の厚みが相対
的に薄くなってしまい、十分な厚みのガラス層が得られ
にくい。中間層の厚みは、熱処理温度と時間とを選択す
ることで調整することができる。高温及び/又は長時間
の熱処理により、中間層の層厚を厚くすることができ
る。
【0027】かかる中間層を介して金属基材表面を被覆
するガラス層は、テープテスト、スクラッチテスト等の
一般的な剥離試験の条件下においては、剥離することが
ない程度に強固に接合されている。引張試験(JISH
8666)によっては、20MPa以上の接合強度が確
認されている。なお、このガラス層は、結晶相を含有す
る結晶化ガラスであってもよい。結晶化ガラスである
と、生体親和性結晶が含まれる点、あるいは被覆層の強
度が向上することが見込まれる点で好ましい。また、得
られたガラス層の厚さは特に限定しないが、数nm以上
であることが好ましい。より好ましくは、5μm以上で
ある。
【0028】以上説明したように、中間層を介して金属
基材表面にガラス層が被覆される結果、ガラス層は、強
固に基材側に接合され、金属基材表面に生体適合性及び
生体結合性に優れたガラス層が付与される。
【0029】本発明のガラス被覆体は、生体適合性のあ
る基材に生体適合性及び生体結合性に優れる被覆層を備
えているために、生体と接触する部位に使用する部材の
材料として用いるのが好ましい。特に、人工歯根や人工
骨のステム部の材料とすることが好ましい。人工歯根や
人工骨のステム部は、生体においても特に大きな荷重が
頻繁に負荷される部位であり、かかる部位において本発
明のガラス被覆体を用いることにより、長期間安定した
生体との結合状態が確保されるとともに、安全性も確保
される。
【0030】また、上記のようなガラス被覆体の製造方
法によれば、基材に対してガラス層を強固に接合できる
他、基材の形態に関わらず、ガラス層を付与することが
できる。また、組成の他、層厚の調整が容易である。さ
らに、大量生産にも容易に対応できるとともに、従来の
プラズマスプレー法のような特別な装置も不要であり、
経済的に優れている。このような利点を有する結果、本
製造方法は、特に、複雑形状を有する人工歯根や人工骨
等においてガラス被覆体材料を製造するのに有用であ
る。
【0031】なお、以上した説明に基づいて、以下の態
様の発明も含まれている。 (1)チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリ
ブデンおよびスズの中から選択される1種以上の金属を
含有する金属基材上に、当該金属の酸化物を含有する中
間層を介してリン酸カルシウム系ガラス層を備える、ガ
ラス被覆体。 (2)前記ガラス層には、P27 2-および/またはPO
4 3-を含有する、前記(1)に記載のガラス被覆体。 (3)前記ガラス層には、β型リン酸三カルシウム(β
−Ca3(PO42)、ピロリン酸カルシウム(β−C
227)を含有する前記(1)記載のガラス被覆
体。 (4)前記ガラス層は、インバートガラスである、前記
(1)〜(3)のいずれかに記載のガラス被覆体。 (5)前記ガラス層には、TiO2を含有する、前記
(1)〜(4)のいずれかに記載のガラス被覆体。 (6)前記ガラス層において、SiO2が5モル%以下
である、前記(1)〜(5)記載のガラス被覆体。 (7)前記ガラス層は、CaO、P25、TiO2及び
Na2Oを含有し、CaO/P25のモル比が1.25
以上であり、P25、TiO2及びNa2Oの合計モル数
が、CaO、P25、TiO2及びNa2Oの合計モル数
に対して50%以上の組成を有する、前記(1)〜
(6)記載のガラス被覆体。 (8)前記ガラス被覆体は、人工歯根用材料又は人工骨
材料である、前記(1)〜(7)記載のガラス被覆体。
【0032】
【発明の効果】本発明のガラス被覆体及びその製造方法
によれば、生体適合性の優れた基材に生体適合性及び結
合性に優れた被覆層が強固に接合された材料が提供され
る。
【0033】
【実施例】以下、本発明の一具体例について説明する。
なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものでな
く、本発明の要旨の範囲内で適宜変形実施が可能であ
る。本実施例では、以下の原料からガラス材料を調製し
た。カルシウム成分として炭酸カルシウム(CaC
3、キシダ化学株式会社製、純度99.5%)、リン
酸成分として正リン酸(H3PO4、キシダ化学株式会社
製、純度85%)、酸化チタンとして酸化チタン(Ti
2、キシダ化学株式会社製、純度99.5%)、Na2
O成分として、炭酸ナトリウム(Na2CO3、キシダ化
学株式会社製、純度99.5%)とを用い、CaO:P
2O5:TiO2:Na2O=60:30:3:7(モル
比)となるように所定量秤量し、適量の蒸留水を添加し
て、十分に攪拌、混合して均質なスラリーを得た。この
スラリーを赤外線ランプ下で乾燥させ固化させた。この
スラリー固化物を、白金るつぼに入れ、1300℃の電
気炉内に配置して、30分間溶融した。この融液をステ
ンレス板上に流し出し、直ちにアイロンでプレスして、
急冷し、ガラス化させた。このガラス材料を、粒径10
μm以下、平均粒径1〜2μmにまでボールミルで粉砕
して、蒸留水と混合してスラリーを得た。
【0034】一方、チタン含有金属基材として、Ti−
29Nb−Ta−4.6Zr合金を用い、この基材を板
状に加工して、サンドブラスターを用いて表面を粗面化
し、その後、アセトンで洗浄し、十分に乾燥した。かか
るチタン含有金属基材を、上記ガラス材料のスラリーに
浸漬し、毎秒1mmの速さで引き上げた。引き上げた基
材を、乾燥して水分を除去した後、マッフル電気炉内に
設置して、空気中で、昇温速度5℃/minで800℃
まで昇温し、その後、800℃で30分保持した後、電
源を切り、そのまま炉内で自然放冷した。
【0035】得られたガラス層は、燒結により収縮して
おり、その線収縮率は約15%であった。また、ガラス
層は10〜20μmの厚みを有していた。X線回折の結
果から、このガラス層には、β−Ca3(PO42の結
晶とβ−Ca227の結晶とが析出していた。また、
金属基材とガラス層との界面付近には、3〜5μmの厚
さの中間層が観察された。かかる中間層には、リンとチ
タンに富む酸化物層を存在することが電子線プローブ微
小部分析により確認できた。
【0036】得られたガラス層に対し、簡易的にテープ
による引き剥がしテストを行っても剥離することはな
く、また、鋭利なピンセットを用いてスクラッチテスト
を行っても剥離はなかった。さらに、JISH8666
に準じて、ガラス層と基材との両面に接着剤を介してス
テンレス棒と一体化させ、これを治具として万能引張試
験機を用いて、引張強度を求めたところ、剥離部位は、
接着剤の部位であり、基材とガラス層との界面で剥離す
ることはなかった。このときの剥離時の応力は20MP
aであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春日 敏宏 愛知県名古屋市昭和区御器所町 名古屋工 業大学内 (72)発明者 新家 光雄 愛知県豊橋市天伯町字雲雀ケ丘1−1 豊 橋技術科学大学内 (72)発明者 遠山 公男 愛知県蒲郡市西浦町大知柄54−1 Fターム(参考) 4C059 AA02 4C081 AB03 BA13 CF012 CF141 CF23 DC03 EA06 4G059 AA20 AB09 AC16 AC30 CA00 GA00 4G062 AA08 AA09 BB09 CC10 DA01 DA02 DA03 DB01 DC01 DD01 DD02 DD03 DD04 DD05 DE01 DF01 EA01 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EC01 ED01 EE01 EE02 EE03 EE04 EE05 EF01 EG01 FA01 FB04 FB05 FB06 FB07 FB08 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM19 MM20 NN34

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンを含有する金属基材上に、チタン酸
    化物を含有する中間層を介してリン酸カルシウム系ガラ
    ス層を備える、ガラス被覆体。
  2. 【請求項2】前記中間層のチタン酸化物濃度は、基材側
    からガラス層側へ減少している、請求項1に記載のガラ
    ス被覆体。
  3. 【請求項3】前記中間層には、前記ガラス層の構成成分
    を含有している、請求項1または2記載のガラス被覆
    体。
  4. 【請求項4】前記中間層中の前記ガラス層の構成成分は
    リン酸化物である、請求項3記載のガラス被覆体。
  5. 【請求項5】前記リン酸化物濃度は、ガラス層側から基
    材側へ減少している、請求項4記載のガラス被覆体。
  6. 【請求項6】前記ガラス層にはTiO2を含有する、請
    求項1〜5のいずれかに記載のガラス被覆体。
  7. 【請求項7】前記ガラス層は、CaO、P25、TiO
    2及びNa2Oを含有し、CaO/P25のモル比が1.
    25以上であり、P25、TiO2及びNa2Oの合計モ
    ル数が、CaO、P25、TiO2及びNa2Oの合計モ
    ル数に対して50%以上の組成を有する、請求項6記載
    のガラス被覆体。
  8. 【請求項8】前記ガラス被覆体は、人工歯根用材料又は
    人工骨材料である、請求項1〜7のいずれかに記載のガ
    ラス被覆体。
  9. 【請求項9】チタン含有金属基材表面にリン酸カルシウ
    ム系ガラス材料を付与し、この基材を、酸素を含有する
    雰囲気中で500〜1000℃に加熱する、リン酸カル
    シウム系ガラス被覆体の製造方法。
  10. 【請求項10】前記ガラス材料は、CaO、P25、T
    iO2、およびNa2Oを含有する、請求項9記載のガラ
    ス被覆体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記ガラス材料におけるCaO/P25
    のモル比が1.25以上であり、P25、TiO2及び
    Na2Oの合計モル数が、CaO、P25、TiO2及び
    Na2Oの合計モル数に対して50%以上である、請求
    項10記載のガラス被覆体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010508942A (ja) * 2006-11-10 2010-03-25 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ 外科インプラント複合材料およびキットおよび製造方法
KR20190024301A (ko) * 2017-08-31 2019-03-08 목포대학교산학협력단 달걀껍질을 이용하여 제조한 생체적합성 인산칼슘계 유리 및 이의 제조방법

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