JP2001065581A - 軸受用シール - Google Patents

軸受用シール

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JP2001065581A
JP2001065581A JP24244599A JP24244599A JP2001065581A JP 2001065581 A JP2001065581 A JP 2001065581A JP 24244599 A JP24244599 A JP 24244599A JP 24244599 A JP24244599 A JP 24244599A JP 2001065581 A JP2001065581 A JP 2001065581A
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Japan
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bearing
outer peripheral
coating layer
seal
peripheral coating
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JP24244599A
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English (en)
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Michiyuki Uechi
通之 上地
Sadahiro Ito
禎啓 伊藤
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Nakanishi Metal Works Co Ltd
Original Assignee
Nakanishi Metal Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で、コストを削減できるととも
に、軸受に十分な取付強度で簡単に装着できて、良好な
密封性能を維持でき、更に軸受に適用した際に、ケミカ
ルコンタミネーションの発生を防止できる軸受用シール
を提供する。 【解決手段】 本発明は、軸受1の内輪2及び外輪3間
における環状開放部4に装着される軸受用シール10を
対象とし、外周縁部に縁曲げ部21が設けられた環状の
金属製芯金20を具備する。芯金縁曲げ部21に、周方
向に所定間隔おきに切欠部22が形成されるとともに、
芯金外周縁部に、縁曲げ部21を被覆するように、熱可
塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂からなる外周被覆層
30が設けられる。芯金20の縁曲げ部21を加締め
て、外輪3の内周に設けられたシール溝3aに嵌め込む
ことにより、外周被覆層30をシール溝3a内に密着状
態に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばハードデ
ィスクドライブ装置(HDD)等の精密機器における極
小径の転がり軸受に装着される軸受用シールに関する。
【0002】
【従来の技術】図10に示すように、HDD等の精密機
器に用いられる極小径のミニチュア軸受等の転がり軸受
(1)は、内輪(2)及び外輪(3)間における両側の
環状開放部(4)が、環状の軸受用シール(5)により
密封され、軸受内への異物の侵入や、潤滑剤の漏れを防
止するようにしている。
【0003】このような軸受用シール(5)としては、
環状の金属製芯金(5a)の外周縁部及び片面に、ニト
リルゴム(NBR)等の合成ゴムが加硫圧縮成形された
ゴム被覆層(5b)が設けられたゴム被覆タイプのもの
が一般に広く使用されており、ゴム被覆層(5b)の外
周縁部が、軸受外輪(3)の内周面に設けられたシール
溝(3a)に弾性圧縮変形されて嵌め込まれることによ
り、軸受(1)に固定されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の軸受用シール(5)は、ゴム被覆層(5b)を、加
硫圧縮成形等により形成された合成ゴムにより構成して
いるため、シール(5)を製造する際に、ゴム被覆層
(5b)としてのゴム材料に添加剤を添加する工程、ゴ
ム材料をシート状に成形する工程、芯金(5a)に接着
剤を塗布する工程に加えて更に、成形後に余剰弾性部
(バリ)を除去する工程等、多数の工程が必要であり、
製造が困難であるばかりか、コストの増大を来すという
問題が発生する。
【0005】更にこの軸受用シール(5)をHDD等に
適用した際に、ゴム被覆層(5b)に含まれる添加剤や
加硫剤が揮発性ガスとなって飛散し、微細な粒子となっ
て、清浄であるべき磁気ディスクの設置部に付着して誤
作動や損傷を引き起こすという化学汚染(ケミカルコン
タミネーション)が発生するという問題もあった。な
お、ゴム材料としてフッ素ゴムを利用したり、あるいは
二次加硫を行うことにより、上記した微細粒子の発生
を、ある程度抑制することは可能であるが、そうすると
工程数の増加により、一段と、製造の困難性及びコスト
の増大を来す恐れがある。
【0006】また軸受用シール(5)を軸受(1)に嵌
め込む際に、軸受用シール(5)のゴム被覆層(5b)
が外輪(3)の開口縁部(3b)に強く接触して、ゴム
被覆層(5b)が破損したり、剥離する等の不具合が発
生し、軸受(1)にスムーズに装着できない場合があっ
た。更にゴム被覆層(5b)を弾性圧縮変形させて軸受
(1)のシール溝(3a)に嵌め込むものであるため、
ゴム被覆層(5b)を弾性変形させるだけの外力が加わ
ると、簡単に外れてしまうこともあった。
【0007】一方、実開昭62−149622号公報に
は、熱可塑性樹脂のプラスチック成形品からなる軸受用
シールが開示され、上記と同様、この樹脂シールの外周
縁部を軸受外輪の内周シール溝に嵌め込んで、軸受に装
着するようにしている。
【0008】このような樹脂シールは、射出成形等によ
り量産が可能であり、製造が容易で、コストの削減を図
ることができる。更に樹脂シール中に、加硫剤等、HD
D等に対し有害な揮発成分が含まれないので、上記した
ケミカルコンタミネーションの問題も回避することがで
きる。
【0009】しかしながら、樹脂シールは、その樹脂材
料が、金属よりも線膨張係数が大きいため、金属により
構成される軸受本体(外輪)に比べて、温度変化による
寸法変化が大きくなり、樹脂シール外周端縁と軸受外輪
との隙間(締め代)の間隔が温度の影響により大きく変
化して、潤滑剤の漏れが生じることがあり、良好な密封
性能を維持することが困難であるという問題を抱えてい
る。
【0010】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、製造が容易で、コストの削減を図ることができると
ともに、軸受に十分な取付強度で簡単に装着できて、良
好な密封性能を維持できる上更に、軸受に適用した場合
に、ケミカルコンタミネーションの発生を防止すること
ができる軸受用シールを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、軸受の内輪及び外輪間における環状開放
部に装着される軸受用シールであって、外周縁部に縁曲
げ部が設けられた環状の金属製芯金を具備し、前記芯金
の縁曲げ部に、周方向に沿って所定の間隔おきに、切欠
部が形成されるとともに、前記縁曲げ部を被覆するよう
に、前記芯金の外周縁部に熱可塑性樹脂からなる外周被
覆層が設けられ、前記外輪の内周に設けられたシール溝
に、前記縁曲げ部が加締められて嵌め込まれることによ
り、前記外周被覆層が前記シール溝内に密着状態に固定
されるよう構成されてなるものを要旨としている。
【0012】この発明の軸受用シールは、芯金の外周縁
部に、熱可塑性樹脂からなる外周被覆層を形成してなる
ものであるため、外周被覆層を射出成形等の周知の熱成
形により、簡単に形成することができる。しかも熱可塑
性樹脂は、HDD等の精密機器に対し有害な揮発成分を
含まないので、その有害成分の飛散によるケミカルコン
タミネーションの発生を有効に防止することができる。
【0013】なお、本発明においては、芯金の縁曲げ部
に、周方向に沿って所定の間隔おきに、切欠部が形成さ
れるため、例えば射出成形等により、熱可塑性樹脂を外
周被覆層として成形した際に、外周被覆層用材料が切欠
部にも充填されることにより、その外周被覆層用材料が
縁曲げ部に強固に付着するので、より高い強度で、外周
被覆層を芯金に取り付けることができる。
【0014】またこの発明の軸受用シールにおいては、
縁曲げ部を加締めて軸受外輪の内周シール溝に嵌め込む
ものであるため、縁曲げ部が塑性変形された状態でシー
ル溝内に係合し、軸受に強固に固定することができると
ともに、外周被覆層は、縁曲げ部の加締め変形に追従し
て、シール溝内面に強く密着して、良好な密封性能を得
ることができる。
【0015】更に芯金は、軸受外輪と同様、金属により
構成されるため、軸受外輪に対し、温度変化による寸法
変化が小さく、芯金の外周被覆層と軸受外輪との間に、
温度変化による隙間が形成されることがなく、良好な密
封性能を維持することができる。
【0016】また芯金の外周縁部を加締めにより拡開し
て、外輪内に挿入するものであるため、軸受装着前の状
態において、芯金における外周被覆層の外径を、外輪の
開口縁部の内径よりも小さく設定することができる。こ
のため、軸受への装着時に、外周被覆層を軸受外輪の開
口縁部に強く接触させずに、スムーズに挿入することが
できる。
【0017】一方、本発明においては、前記熱可塑性樹
脂として、熱可塑性エラストマーが用いられてなる構成
を採用するのが好ましい。
【0018】すなわちこの構成を採用する場合には、外
周被覆層に、適度な弾力性を得ることができ、その外周
被覆層における軸受外輪のシール溝内周面に対する密着
性を、より一層向上させることができる。
【0019】また、本発明は、上記したように外周被覆
層を射出成形等により形成されるものであるが、この成
形時には、芯金をインサートとするのが良い。
【0020】
【発明の実施の形態】図1ないし図3はこの発明の実施
形態である軸受用シール(10)を示す図である。これ
らの図に示すように、この軸受用シール(10)は、転
がり軸受(1)の内輪(2)及び外輪(3)間における
環状開放部(4)を密封するためのものであって、環状
の芯金(20)と、芯金(20)の外周縁部に設けられ
た外周被覆層(30)とを備えている。
【0021】芯金(20)は、金属板のプレス成形品等
により構成されており、外周縁部が片面側に折り曲げら
れて、縁曲げ部(21)が形成されるとともに、縁曲げ
部(21)に周方向に沿って所定の間隔おきに、矩形状
の切欠部(22)が形成されている。
【0022】外周被覆層(30)は、芯金(20)にお
ける外周縁の全周にわたって連続状に形成されており、
切欠部(22)を充填しつつ、縁曲げ部(21)を被覆
するように形成されている。
【0023】本実施形態において、外周被覆層(30)
は、熱可塑性エラストマーにより構成されており、芯金
(20)をインサートとして、外周被覆層用の熱可塑性
エラストマーを射出成形することにより、芯金(20)
に一体化している。このインサート射出成形時には、芯
金(20)に接着剤を塗布しておいても良く、その場合
には、外周被覆層(30)の芯金(20)に対する取付
強度を、より一層高めることができる。
【0024】ここで、熱可塑性エラストマーとは、常温
では加硫ゴムの性質を示すが、高温では可塑化されて、
通常の熱可塑性樹脂用の射出成形機を用いて成形するこ
とができる高分子材料からなるものである。
【0025】本実施形態において、熱可塑性エラストマ
ーとしては、耐熱性、耐油性を考慮した場合、オレフィ
ン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系
のものを用いるのが好ましい。具体的に、オレフィン系
の熱可塑性エラストマーとしては、商品名「ミラスト
マ」(三井石油化学工業株式会社製)、「サントプレー
ン」(AESジャパン株式会社製)を例示でき、ポリエ
ステル系の熱可塑性エラストマーとしては、「ペルプレ
ン」(東洋紡株式会社製)、「ハイトレル」(東レ・デ
ュポン株式会社製)を例示でき、ポリアミド系の熱可塑
性エラストマーとしては、「ペバックス」(東レ株式会
社製)を例示でき、ポリウレタン系としては、「エラス
トラン」(武田バーディッシュウレタン株式会社製)を
例示することができる。
【0026】以上の構成の軸受用シール(10)は、図
2に示すように、芯金(20)の縁曲げ部(21)を内
側に折り畳むように加締めて、芯金(20)を拡開させ
るように塑性変形させて、軸受外輪(3)の内周面に設
けられたシール溝(3a)内に嵌め込み、外周被覆層
(30)をシール溝(3a)内に密着係合させることに
より、軸受(1)に装着される。
【0027】本実施形態の軸受用シール(10)によれ
ば、熱可塑性エラストマーによるインサート成形により
外周被覆層(30)を形成するものであるため、金型内
に芯金(20)をセットして、成形材料としてのを射出
するだけで簡単に製造することができるとともに、量産
が可能で、コストの削減を図ることができる。
【0028】また外周被覆層(30)の材料中に、上記
従来技術で述べたような有害な揮発成分が含まれること
もないので、ケミカルコンタミネーションの発生を防止
することができる。従って、本実施形態の軸受用シール
(10)は、コミカルコンタミネーションの問題が重要
視されるHDD等の精密機器における極小径軸受に好適
に採用することができる。
【0029】なお、インサート射出成形時に、芯金(2
0)に接着剤を塗布しておくと、接着剤の揮発成分によ
りケミカルコンタミネーションが発生する恐れがある
が、既述したように、本実施形態においては、芯金(2
0)の外周縁部に切欠部(22)を設けているため、接
着剤を塗布しなくとも、熱可塑性エラストマーが切欠部
(22)に充填されることにより、縁曲げ部(21)に
強固に付着するので、外周被覆層(30)を芯金(2
0)に対し十分高い接着強度で取り付けることができ
る。つまり、ケミカルコンタミネーションが問題とされ
る場面においては、接着剤の使用を制限することが可能
である。
【0030】また本実施形態の軸受用シール(10)に
おいては、芯金(20)の外周縁曲げ部(21)を加締
めて軸受外輪(3)のシール溝(3a)内に嵌め込むも
のであるため、シール溝(3a)内に強固に固定される
とともに、外周被覆層(30)が、縁曲げ部(21)の
加締め変形に追従して拡開し、シール溝(3a)の内面
に強く密着する。このため、外周被覆層(30)が軸受
外輪(3)にバランス良く十分に密着して、安定した良
好な密着性能を得ることができるとともに、軸受用シー
ル(10)が、軸受(1)から不本意に外れてしまうよ
うなこともない。
【0031】更に芯金(20)は、軸受外輪(3)と同
様、金属により構成されるものであるため、軸受外輪
(3)に対し、温度変化による寸法変化が小さく、芯金
外周の外周被覆層(30)と軸受外輪(3)との間に、
温度変化による隙間が形成されるようなことはなく、良
好な密封性能を維持することができる。
【0032】また本実施形態においては、芯金(20)
の外周縁曲げ部(21)を加締めることにより、外周被
覆層(30)を拡開させてシール溝(3a)内に嵌着す
るものであるため、軸受装着前の状態においては、軸受
用シール(10)の外径を、外輪(3)の開口縁部(3
b)の内径よりも小さく設定することができる。このた
め、軸受用シール(10)をシール溝(3a)に嵌め込
む際に、外周被覆層(30)が外輪(3)の開口縁部
(3b)に強く接触するようなことはなく、外周被覆層
(30)をシール溝(3a)内にスムーズに挿入するこ
とができる。更に上記したように、芯金(20)の切欠
部(22)に外周被覆層(30)が充填されて、外周被
覆層(30)が強固に取着されているため、外周被覆層
(30)が芯金(20)から剥離するような不具合を防
止しつつ、軸受(1)に簡単に装着することができる。
【0033】ここで、本実施形態において、外周被覆層
(30)を構成する熱可塑性エラストマーとしては、J
IS Dスケールにおいて、硬度が35〜85のものを
使用するのが良く、より好ましくは、硬度の下限値が4
0以上、上限値が65以下ものを使用するのが良い。す
なわち、硬度が低過ぎるものを用いると、外周被覆層
(30)が柔らかくなり過ぎて強度不足となり、軸受用
シール(10)を軸受外輪(3)に嵌め込む際に、外周
被覆層(30)が破れてしまって密封性が低下する恐れ
がある。逆に硬度が高過ぎるものを用いると、外周被覆
層(30)が過度に硬くなるので、芯金外周を加締めた
際に、その加締め変形に、外周被覆層(30)が追従せ
ず、割れてしまったり、更には外周被覆層(30)に十
分な弾力性を付与することができず、軸受外輪(3)に
対する密着性が低下し、密封性が低下する恐れがある。
【0034】なお、本発明において、外周被覆層(3
0)としては、熱可塑性エラストマーからなるものだけ
に限られず、熱可塑性樹脂からなるものであれば用いる
ことができ、特に上記特定範囲の硬度を有する軟質樹脂
からなるもの、例えば低密度ポリエチレン樹脂等からな
るものは、上記と同様に好適に用いることができる。た
だし、外周被覆層(30)には、硬度以外にも、シール
層として好適な物性、例えば伸びや圧縮歪み等を付与す
るのが好ましいので、これらの物性を付与するには、低
密度ポリエチレン等の軟質樹脂よりも、上記実施形態の
ような熱可塑性エラストマーからなるものを用いるのが
良い。
【0035】また本発明においては、軸受用シール(1
0)の芯金(20)に形成される切欠部(22)の周方
向の長さ(切欠幅)は、軸受用シール(10)が外径7
mm〜20mm程度の極小径のミニチュア軸受用の場合
には、0.2mm〜1.5mmに調整するのが好まし
く、換言すれば軸受用シール(10)の外径を「D」と
したとき、切欠部(22)の幅は、0.02D〜0.1
0Dに調整するのが好ましい。すなわち、この切欠幅が
広過ぎると、外周縁曲げ部(21)が加締められた際
に、切欠部(22)に位置する外周被覆層(30)が外
周縁曲げ部(21)に追従せず、その位置の外周被覆層
(30)が軸受外輪(3)に十分密着しなくなり、密封
性が低下する恐れがある。また切欠幅が狭過ぎると、イ
ンサート射出成形時において、切欠部(22)内に、外
周被覆層用の熱可塑性エラストマー等の樹脂材料が十分
に充填されず、外周被覆層(30)の芯金(20)に対
する取付強度が低下する恐れがある。
【0036】一方、本発明においては、図4に示すよう
に、芯金(20)における縁曲げ部(21)の端部(2
1a)を、外周被覆層(30)の一面(30a)と位置
的に一致させて、露出させるように構成するのが好まし
い。すなわちこの場合には、縁曲げ部(21)の端部
(21a)を、インサート射出成形時において、芯金
(20)の支持部として利用することができるので、芯
金(20)を安定した状態に支持でき、射出成形をスム
ーズに行うことができるとともに、芯金(20)を加締
めて軸受(1)に装着する際に、縁曲げ部(21)の端
部(21a)に、直接、加締め治具を当接させることが
できるので、加締め作業をスムーズに行うことができ
る。
【0037】もっとも、本発明においては、上記したよ
うに、端部(21a)の露出による効果を損なわない程
度に、端部(21a)を薄膜な外周被覆層により被覆し
ても良い。この場合には、上記の効果に加えて更に、こ
の薄膜状外周被覆層により、芯金縁曲げ部(21)の内
側及び外側の外周被覆層(30)が互いに連結されるの
で、外周被覆層(30)の芯金(20)への密着性を向
上でき、より一層、外周被覆層(30)の剥離を防止す
ることができる。
【0038】また、本発明においては、芯金(20)の
縁曲げ部(21)の形状は、特に限定されるものではな
く、縁曲げ部(21)は、加締めることにより、芯金外
周縁部及び外周被覆層(30)が拡開するような形状で
あれば、どのような形状に形成しても良い。
【0039】例えば図5及び図6に示すように、縁曲げ
部(20)を断面円弧状に形成して、軸受(1)に装着
する際には、縁曲げ部(20)を軸方向に押し潰すよう
に加締めて芯金(20)を拡開させることにより、外周
被覆層(30)をシール溝(3a)の内面に密着させる
ように構成しても良い。
【0040】更に図7及び図8に示すように、縁曲げ部
(21)を、その先端に外向きつば部(21b)を有す
る形状に形成して、軸受(1)に装着する際には、縁曲
げ部(21)を外側に倒伏させるように加締めることに
より、外向きつば部(21b)を外側に押し開いて、外
周被覆層(30)をシール溝(3a)の内面に密着させ
るように構成しても良い。この構成の軸受用シール(1
0)においては、外向きつば部(21b)をシール溝
(3a)に差し込むものであるため、シール溝(3a)
の幅が小さい軸受(1)にも確実に装着することができ
る。
【0041】また本発明においては、図9に示すよう
に、軸受用シール(10)における芯金(20)の外周
縁部底面(20b)に外周被覆層を形成せずに、その底
面(20b)を露出させるようにしても良い。この場
合、芯金(20)の外周縁部底面(20b)が、軸受外
輪(3)におけるシール溝(3a)の内周面に直接接触
するので、加締めにより、芯金(20)の外周縁部を確
実に拡開することができるとともに、底面(20b)に
外周被覆層(30)が形成されない分、軸受用シール
(10)の全高(軸方向寸法)を小さく設定することが
できる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の軸受用シールに
よれば、芯金の外周縁曲げ部に、熱可塑性樹脂からなる
外周被覆層を形成してなるものであるため、外周被覆層
を射出成形等の周知の熱成形により形成することができ
るので、製造を容易に行えるとともに、コストの削減を
図ることができる。しかも外周被覆層としての熱可塑性
樹脂は、HDD等の精密機器に対し有害な揮発成分を含
まないので、その有害成分の飛散によるケミカルコンタ
ミネーションの発生を有効に防止することができる。ま
た芯金の縁曲げ部を加締めて軸受外輪の内周シール溝に
嵌め込んで、外周被覆層をシール溝内に密着状態に固定
するものであるため、シール溝内に強固に固定されると
ともに、外周被覆層がシール溝内面に強く密着する。こ
のため、良好な密着性能を得ることができるとともに、
軸受から不本意に外れてしまうようなこともない。また
芯金は、軸受外輪と同様、金属により構成されるため、
軸受外輪に対し、温度変化による寸法変化が小さく、芯
金の外周被覆層と軸受外輪との間に、温度変化による隙
間が形成されないので、良好な密封性能を維持すること
ができる。また芯金を加締めにより拡開して外周被覆層
をシール溝内に嵌着するものであるため、軸受装着前の
状態においては、外周被覆層の外径を、外輪の開口縁部
の内径よりも小さく設定できるので、軸受への装着時
に、外周被覆層を軸受外輪の開口縁部に強く接触させず
に、シール溝内にスムーズに挿入することができる上更
に、芯金外周の切欠部に外周被覆層が充填されて、外周
被覆層が芯金に強固に取着されるので、外周被覆層が芯
金から剥離するような不具合を防止しつつ、簡単に軸受
に装着することができるという効果がある。
【0043】本発明において、外周被覆層用の熱可塑性
樹脂として、熱可塑性エラストマーを用いる場合には、
外周被覆層に適度な弾性力を付与することができるの
で、外周被覆層を軸受外輪のシール溝内周面に、より確
実に密着させることができ、一段と密封性を向上させる
ことができるという利点がある。
【0044】本発明において、外周被覆層を、芯金をイ
ンサートとする射出成形により形成する場合には、上記
の効果をより確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である軸受用シールの一側
部を示す断面図である。
【図2】実施形態の軸受用シールが装着された軸受のシ
ール部を示す断面図である。
【図3】実施形態の軸受用シールに適用された芯金を示
す斜視図である。
【図4】この発明の第1の変形例である軸受用シールの
一側部を示す断面図である。
【図5】この発明の第2の変形例である軸受用シールの
一側部を示す断面図である。
【図6】第2の変形例の軸受用シールが装着された軸受
のシール部を示す断面図である。
【図7】この発明の第3の変形例である軸受用シールの
一側部を示す断面図である。
【図8】第3の変形例である軸受用シールが装着された
軸受のシール部を示す断面図である。
【図9】この発明の第4の変形例である軸受用シールが
装着された軸受のシール部を示す断面図である。
【図10】従来の軸受用シールが装着された軸受を示す
断面図である。
【符号の説明】
1…軸受 2…内輪 3…外輪 4…環状開放部 5…シール溝 10…軸受用シール 20…芯金 21…縁曲げ部 22…切欠部 30…外周被覆層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受の内輪及び外輪間における環状開放
    部に装着される軸受用シールであって、 外周縁部に縁曲げ部が設けられた環状の金属製芯金を具
    備し、 前記芯金の縁曲げ部に、周方向に沿って所定の間隔おき
    に、切欠部が形成されるとともに、 前記縁曲げ部を被覆するように、前記芯金の外周縁部に
    熱可塑性樹脂からなる外周被覆層が設けられ、 前記外輪の内周に設けられたシール溝に、前記縁曲げ部
    が加締められて嵌め込まれることにより、前記外周被覆
    層が前記シール溝内に密着状態に固定されるよう構成さ
    れてなることを特徴とする軸受用シール。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂として、熱可塑性エラ
    ストマーが用いられてなる請求項1記載の軸受用シー
    ル。
  3. 【請求項3】 前記外周被覆層が、芯金をインサートと
    して射出成形により形成されてなる請求項1又は2記載
    の軸受用シール。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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