JP2001064700A - Al基金属材用洗浄剤および洗浄方法 - Google Patents

Al基金属材用洗浄剤および洗浄方法

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JP2001064700A
JP2001064700A JP24186699A JP24186699A JP2001064700A JP 2001064700 A JP2001064700 A JP 2001064700A JP 24186699 A JP24186699 A JP 24186699A JP 24186699 A JP24186699 A JP 24186699A JP 2001064700 A JP2001064700 A JP 2001064700A
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cleaning
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JP24186699A
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Nobuyoshi Nanbu
信義 南部
Toshio Fujita
敏雄 藤田
Kazuhiko Arimatsu
一比古 有松
Kyoko Hashimoto
恭子 橋本
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Chelest Corp
Chubu Chelest Co Ltd
Original Assignee
Chelest Corp
Chubu Chelest Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被洗浄対象であるAl基金属材を腐食させる
ことなく、その表面に付着した油脂分や摩耗紛などを効
率よく除去することのできる洗浄剤を提供すること。 【解決手段】 Al基金属材を洗浄するための洗浄剤で
あって、(a)アルカリビルダー、(b)有機ホスホン酸化合
物、(c)界面活性剤、および(d)Ca化合物及び/又はB
a化合物を含むアルカリ性水溶液からなり、Al基金属
材を腐食させることなく高い洗浄作用を発揮する洗浄剤
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はAl基金属材用の洗
浄剤および洗浄方法に関し、特に被洗浄対象となるAl
基金属材自体を腐食させることなく、その表面に付着し
た油脂分や摩耗紛などの汚染物質や異物を効率よく洗浄
除去することのできる洗浄剤と洗浄法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】AlおよびAlを含む各種Al合金の如
きAl基金属材の表面を清浄化するための洗浄には、か
つてハロゲン化炭化水素系洗浄剤が使用されてきたが、
最近では、経済性、環境安全性、作業性、洗浄効果など
の観点からアルカリ水溶液を用いた洗浄が普及してきて
いる。
【0003】即ちAl基金属材の表面には、アルカリに
溶け易い酸化皮膜が形成されている他、加工工程で付着
した油分や金属粉などが付着しているが、これらはアル
カリ性洗浄剤によって比較的簡単に除去することができ
るからである。
【0004】アルカリ性洗浄剤としては様々のものが知
られており、代表的なのはメタ珪酸ナトリウム、オルト
リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などである。これらアルカリ性洗浄剤のうち、メタ珪酸
ナトリウムは、pH11程度以下であればAl基金属材
の表面を腐食させることなく表面をある程度効率よく清
浄化することができるが、pH12を超える高アルカリ
性になると基材表面を著しく腐食させるという問題があ
り、またオルトリン酸ナトリウムは、洗浄工程でAl基
金属材表面にスマットと呼ばれる黒色異物が生じて外観
を著しく劣化させるという問題がある。また水酸化ナト
リウムや水酸化カリウムは高い脱脂洗浄力を有している
が、Al基金属材表面で水酸化物皮膜の成長が起こった
り、あるいは表面にアルカリ不溶性の不純物や合金成分
がスマットとして残留するといった問題が指摘される。
【0005】一般にアルカリ洗浄剤は、高pH域ほど高
い洗浄力を示すことが確認されているが、被洗浄対象と
なる金属にはアルカリに対する侵食限界があり、Alは
約pH10が侵食限界とされている。こうしたことも考
慮して、Al基金属材については基材表面をできるだけ
侵食させることなく、高い洗浄力を示すアルカリ性洗浄
剤の開発が進められており、その一つとして特開平9−
111465号公報に記載されている様な洗浄剤が開示
されている。しかしこのアルカリ洗浄剤も、pH12以
上の高アルカリ性域で洗浄を行なうとAl基金属材表面
の腐食が起こり、スマットなどの外観劣化を生じること
が避けられない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、Al
基金属材を洗浄対象として、その表面腐食を抑えてスマ
ット等の問題を生じることなく、表面に付着している油
分等の不純物や異物を効率よく洗浄して清浄化すること
のできる洗浄剤を提供し、更にはAl基金属材を効率よ
く清浄化することのできる洗浄方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
ができた本発明にかかるAl基金属材用の洗浄剤とは、
(a)アルカリビルダー、(b)有機ホスホン酸化合物、(c)
界面活性剤、および(d)Ca化合物及び/又はBa化合
物を、好ましくは (a)アルカリビルダー:1〜100g/リットル、 (b)有機ホスホン酸化合物:0.05〜1g/リットル、 (c)界面活性剤:0.1〜3g/リットル、および (d)Ca化合物及び/又はBa化合物:上記有機ホスホ
ン酸化合物に対して0.1〜2モル の範囲で含有するアルカリ性水溶液からなるところに要
旨を有している。
【0008】本発明において、上記成分(b)、即ち有機
ホスホン酸化合物として特に好ましいのは、1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメ
チレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−
トリカルボン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホス
ホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホ
ン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン
酸、およびそれらの塩から選択される少なくとも1種で
ある。
【0009】また前記成分(c)、即ち界面活性剤として
好ましいのは、非イオン性界面活性剤およびアニオン性
界面活性剤の少なくとも1種、上記成分(d)として特に
好ましいのは、CaまたはBaの水酸化物、炭酸塩、塩
酸塩、硝酸塩よりなる群から選択された少なくとも1種
であり、上記アルカリ性水溶液pHを12以上に調整し
たものは、Al基金属材の腐食を生じることなく高レベ
ルの洗浄力を発揮する。
【0010】そして該洗浄剤を使用すれば、表面にスマ
ットなどの汚染性腐食生成物を生じることなく、Al基
金属材表面の油分や金属粉などの不純物や異物を効率よ
く洗浄除去して清浄化することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明の洗浄剤は、必
須成分として(a)アルカリビルダー、(b)有機ホスホン酸
化合物、(c)界面活性剤および(d)Ca化合物及び/又は
Ba化合物を含むAl基金属材洗浄用のアルカリ性洗浄
剤で、これら4成分を必須成分として含有させることに
よって、pH12以上の高アルカリ性域で洗浄を行なっ
た場合でも、Al基金属材表面での水酸化物皮膜の成長
やスマット等の生成といった表面性状劣化現象を起こす
ことなく、表面に付着した油脂分や金属粉の如き異物や
不純物を効率よく洗浄除去して清浄化する機能を発揮す
る。以下、それら各成分の作用や好適含有率、好適成分
例などについて詳細に説明していく。
【0012】上記成分(a)として定めるアルカリビルダ
ーは、アルカリ洗浄の主成分となるもので、具体的な化
合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウムの如きアルカリ金属の水酸化物;オルト珪
酸ナトリウム、オルト珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウ
ム、メタ珪酸カリウムの如き珪酸アルカリ金属塩;第3
リン酸ナトリウム、第3リン酸カリウムの如きリン酸ア
ルカリ金属塩などが例示され、これらは単独で使用し得
る他、必要により2種以上を併用することができる。
【0013】これらアルカリビルダーの洗浄剤中におけ
る好ましい濃度は1g/リットル以上、100g/リッ
トル以下であり、1g/リットル未満では洗浄剤として
のpHが12以上に上がらず、満足のいく脱脂洗浄効果
が得られ難くなる。アルカリビルダー濃度が高まるにつ
れて脱脂洗浄力は向上してくるが、その作用は約100
g/リットルで飽和し、それ以上に濃度を高めてもそれ
以上の洗浄力向上効果は得られないので、経済性を考え
ると100g/リットル程度以下に抑えることが望まし
い。洗浄力と経済性の双方を考慮してより好ましいアル
カリビルダー濃度の下限は5g/リットル、より好まし
い上限は50g/リットルである。
【0014】次に(b)成分として規定する有機ホスホン
酸化合物は、Al基金属材表面に生じる黒色スマットの
生成抑制、洗浄の表面の水酸化物層生成の抑制、金属材
表面に偏析する金属の除去などの作用を発揮する成分で
あり、その具体例としては、下記式(1)〜(4)で示
される1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸(HEDP)、アミノトリメチレンホスホン酸(NT
P)、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン
酸(PBTC)、エチレンジアミンテトラメチレンホス
ホン酸、あるいはヘキサメチレンジアミンテトラメチレ
ンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホ
スホン酸などの酸またはそれらのアルカリ金属塩等が例
示され、これらも単独で使用し得る他、必要により2種
以上を併用することができる。
【0015】
【化1】
【0016】これら有機ホスホン酸化合物の上記作用を
有効に発揮させるには、洗浄剤中の該有機ホスホン酸化
合物の濃度を0.05g/リットル以上、1.5g/リ
ットル以下の範囲にすることが望ましく、これ未満の濃
度ではAl基金属材に対する表面腐食抑制作用が不足気
味となり、また1.5g/リットルを超えて高濃度に含
有させても、腐食抑制作用は却って低下傾向を示す様に
なる。腐食抑制作用を有効に発揮させる上でより好まし
い有機ホスホン酸化合物の濃度は、0.05g/リット
ル以上、1.0g/リットル以下である。
【0017】次に(c)成分として使用される界面活性剤
は、洗浄力を高めて特に脱脂洗浄作用を高める上で重要
な成分であり、その作用は、界面活性剤の中でも特に非
イオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤によっ
てより効果的に発揮される。
【0018】非イオン性界面活性剤の具体例としては、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチ
レンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチル
エーテルの如きポリオキシエチレンアルキルエーテル;
ソルビタンラウレートの如きソルビタンアルキレートな
どが挙げられ、陰イオン性界面活性剤の具体例として
は、アルキルベンゼンスルホネート、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルサルフェートまたはそれらの
塩(アルカリ金属塩;アンモニウム塩;トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ジイソプロピルアミンの如
きアミン塩など)が例示され、これらも必要により2種
以上を併用できる。
【0019】これら界面活性剤の作用を有効に発揮させ
るための好ましい濃度は、洗浄剤中の濃度で0.1g/
リットル以上、3g/リットル以下であり、0.1g/
リットル未満では満足のいく洗浄効果が得られ難く、ま
た3g/リットルを超えて過度に濃度を高めてもそれ以
上の洗浄力向上効果は発揮されないので経済的に無駄で
ある。洗浄力と経済性を考慮してより好ましい界面活性
剤の濃度は0.5g/リットル以上、2.5g/リット
ル以下である。
【0020】更に(d)成分として用いられるCa化合物
及び/又はBa化合物は、前記有機ホスホン酸化合物と
の複合作用によってAl基金属材の表面腐食を抑える作
用を発揮する成分であり、その具体例としては、炭酸カ
ルシウム、水酸化カルシウム、炭酸バリウムなどが挙げ
られる。これらの中でも上記腐食抑制作用をより効果的
に発揮するのはCa化合物、とりわけ水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウムであり、これらを単独で、あるいは
必要により2種以上を含有させることによって、pH1
2以上の高アルカリ性域においてもAl基金属材の腐食
を抑えることができ、その結果として高アルカリ性条件
下での優れた洗浄効果を有効に発揮させることが可能と
なる。
【0021】こうしたCa化合物及び/又はBa化合物
の作用を有効に発揮させる上で好ましい含有量は、前記
有機ホスホン酸化合物に対して0.1〜2モルの範囲で
あり、0.1モル未満では洗浄時におけるアルミニウム
イオンの溶出抑制作用が不十分となって本発明で意図す
る腐食抑制効果が有効に発揮されず、逆に2モルを超え
て過度に含有させると、洗浄剤中で過飽和状態となって
白色のスマットを生じる原因になる。白色スマットなど
を生じることなくAl基金属材表面の腐食を効率よく抑
える上でより好ましいこれら化合物の含有量は、有機ホ
スホン酸化合物に対して0.5モル以上、1.5モル以
下である。
【0022】なお本発明の洗浄剤を調製する際に、水と
して工業用水、井戸水、河川水あるいは水道水等を使用
する場合、これらの中に含まれるCa成分はそのまま
(d)成分として有効に利用できる。そして、有機ホスホ
ン酸化合物として例えば前記HEDPを使用し、これを
0.06g/リットルの濃度で含む洗浄液を調製する場
合、上記水中のCa量が10ppm程度であれば、それ
によってCa化合物としての上記作用は有効に発揮さ
れ、50ppm以上のCaを含むものであればそれ以上
にCa化合物を追加せずとも、水中に含まれるCa化合
物のみで上記作用効果を十分に発揮させることができ
る。
【0023】本発明の洗浄剤は、上記(a)〜(d)の4成分
を必須成分として含有するアルカリ性の水溶液であり、
そのpHは12以上とすることが望ましい。該pHは、
特にアルカリビルダーの濃度によって調整されるが、必
要によっては適量の酸やアルカリを用いてpH調整を行
なうことも可能である。
【0024】先に説明した様にAl基金属材を対象とす
る従来のアルカリ洗浄剤では、洗浄剤のpHを10以上
に高めるとAl基金属材表面の腐食が起こるため、それ
以上にpHを高めることができず、その結果として脱脂
洗浄効果も不十分となって満足のいく清浄化効果を得る
ことができなかったが、本発明の洗浄剤では、上記の様
にアルカリビルダーと共に適量の有機ホスホン酸化合物
とCa化合物及び/又はBa化合物を共存させることに
よって、洗浄液pHを12以上に高めた場合でもAl基
金属材表面の腐食やそれに伴うスマットの発生を防止す
ることができ、更には界面活性剤の併用とも相俟って、
卓越した脱脂洗浄効果を得ることができるのである。
【0025】また本発明の洗浄剤には、上記4成分に加
えて、必要により消泡剤、カルビトール類などの洗浄助
剤、アルコール、エチレングリコール、グリコールエー
テルなどの溶解助剤、安息香酸ナトリウム、セバシン酸
ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ベンゾトリアゾー
ルなどの腐食防止剤などを含有させて夫々の作用を有効
に発揮させることも有効である。
【0026】本発明に係る洗浄剤の調製法は特に制限さ
れず、前記各成分を水に同時に添加し、もしくは任意の
順序で逐次添加して均一に混合する方法、あるいは適当
な濃度に調整したアルカリビルダー水溶液に前記成分
(b),(c),(d)を固形成分として、あるいは任意の溶液と
して同時もしくは任意の順序で添加し、必要によりpH
調整する方法など、どの様な方法を採用しても構わな
い。
【0027】また該洗浄剤を用いてAl基金属材の表面
を洗浄する方法にも格別の制限はなく、Al基金属材を
該洗浄剤中に浸漬する方法、散水法やスプレー法など任
意の方法で被処理金属材表面に接触させる方法などを採
用することができ、この際、洗浄工程ではこと更に加温
する必要はなく常温で洗浄すればよいが、雰囲気温度が
あまりに低い場合は、適度に加温して洗浄効果を高める
ことも可能である。洗浄時間も得に制限されないが、該
洗浄液との接触時間が5秒未満では脱脂不足や表面酸化
物やスマットの除去不足になる傾向があるので、連続洗
浄を行なう場合でも好ましくは5秒以上、より好ましく
は20秒程度以上の接触時間を確保することが望まし
い。また、該洗浄剤をバフ研磨の如き機械研磨と併用
し、機械的な表面研磨と表面清浄化を並行して行なうこ
とも有効であり、特に本発明の研磨剤はAl基金属材に
対する腐食作用が極めて低いので、この様な機械研磨と
の併用により鏡面加工処理する様な場合にも有効に活用
できる。
【0028】かくして該洗浄剤で表面を清浄化した後
は、水洗して該洗浄剤成分を除去し、必要によりアルコ
ールやケトン、エーテルなどで洗浄してから乾燥する
と、表面清浄度の極めて高いAl基金属材を得ることが
できる。
【0029】本発明が適用されるAl基金属材の種類に
も格別の制限はなく、要は金属成分としてAlが含まれ
ているものであれば、純Alはもとより、Alと他の金
属、例えばMg,Mn,Fe,Si,Zn,Cu,Cr
等との合金材に全て適用することができ、その形状も板
材、棒材、管材、線材、型材など全ての形状のものに、
形状、寸法の如何を問わず普く活用できる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0031】実施例および比較例 表1〜4に示す組成の洗浄剤(残部は実質的に水)を調
製し、夫々について洗浄剤としての性能を下記の方法に
よって調べ、表5,6に示す結果を得た。
【0032】[供試Al基金属材]Al合金(A105
0P)板(40mmW×60mmL×1.5mmt)を使
用し、該Al合金板の表面を320番の耐水研磨紙で湿
式研磨した後、蒸留水、冷メタノール、アセトンの順で
洗浄して腐食洗浄試験に供した。
【0033】[腐食洗浄試験]秤量した上記Al合金板
を各洗浄液に25℃で1時間浸漬して取出し、水洗後メ
タノール及びアセトンで洗浄し乾燥してから秤量するこ
とにより、腐食量(mg)を測定し、下記式によって腐
食抑制率を求めると共に、表面の変色の程度を下記の基
準で目視評価した。 腐食抑制率(%)=[(空試験時の腐食量−洗浄剤使用
時の腐食量)/空試験時の腐食量]×100 外観評価: ◎:全く変色が認められない、 ○:白色のスマットが少量観察される、 △:表面の一部に黒変が認められる、 ×:全面に黒変が認められる。
【0034】尚表1〜4において、有機ホスホン酸とし
て用いた化合物の略号は下記の通りであり、 HEDP:1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸 NTP:アミノトリメチレンホスホン酸 PBTC:2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカル
ボン酸 実施例4,9,10および比較例4,9,10は、酢酸に
より最終pHを調製した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】表1,2,5からも明らかな様に、本発明
の規定要件を満たす洗浄液はいずれも洗浄時の腐食減量
が少なく腐食抑制性に優れたものであり、洗浄後の表面
は美麗でスマットなどの付着は全く認められない。これ
らに対し表3,4,6は本発明で定める規定要件のいず
れかを欠く比較例であり、比較例1,2,3,8,12
〜18はいずれも腐食抑制率が劣悪で表面外観の劣化が
顕著である。比較例4,9,10は、腐食減量が通常の
アルカリビルダーを適量の界面活性剤と併用したもので
あり、有機ホスホン酸やCaまたはBa塩を添加してい
なくてもpHが12以下であるため腐食減量は少ない
が、油脂分等に対する脱脂洗浄作用が乏しく、本来の洗
浄力を発揮させることができない。またこれらの系でp
Hを13以上に高めて洗浄力を高めると(比較例5〜
8)、表面腐食が著しくなって表面外観も劣悪になる。
【0042】比較例11は有機ホスホン酸を併用しなか
った例であり、腐食抑制率がやや不足気味で外観劣化を
生じている。比較例12は、Ca化合物およびBa化合
物を添加しなかった例であり、やはり外観劣化が著し
い。比較例13〜18は、CaまたはBa化合物に代え
て水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを用い
た例であるが、いずれも表面外観の劣化が著しい。なお
参考例1,2は、Ca(OH)2量が好適範囲を外れる
例であり、腐食抑制率が若干不足気味で外観もやや悪
い。また参考例3〜6は、有機ホスホン酸化合物の添加
量が過剰気味あるいは不足気味であるため、腐食抑制効
果が不十分で表面外観も良くない。
【0043】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、洗
浄剤成分としてアルカリビルダー、有機ホスホン酸、界
面活性剤、並びにCa化合物及び/又はBa化合物の4
成分を必須成分として含有させることにより、pH12
以上の高アルカリ性領域でもAl基金属材の腐食劣化を
生じることなく高い洗浄力を発揮する洗浄剤を提供し得
ることになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 3/04 C11D 3/04 3/10 3/10 3/36 3/36 C23G 1/22 C23G 1/22 5/00 5/00 (72)発明者 藤田 敏雄 三重県四日市市日永東3丁目3−3 中部 キレスト株式会社四日市工場内 (72)発明者 有松 一比古 三重県四日市市日永東3丁目3−3 中部 キレスト株式会社四日市工場内 (72)発明者 橋本 恭子 三重県四日市市日永東3丁目3−3 中部 キレスト株式会社四日市工場内 Fターム(参考) 4H003 AC09 BA12 DA09 DB02 EA14 EA15 EA16 EA19 EA21 EB24 FA04 FA15 FA28 4K053 PA10 QA04 QA07 RA21 RA22 RA23 RA25 RA26 RA27 RA28 RA31 RA63 RA64

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al基金属材を洗浄するための洗浄剤で
    あって、 (a)アルカリビルダー、 (b)有機ホスホン酸化合物、 (c)界面活性剤、および (d)Ca化合物及び/又はBa化合物 を含むアルカリ性水溶液からなることを特徴とするAl
    基金属材用洗浄剤。
  2. 【請求項2】(a)アルカリビルダー:1〜100g/リッ
    トル、 (b)有機ホスホン酸化合物:0.05〜1.5g/リット
    ル、 (c)界面活性剤:0.1〜3g/リットル、および (d)Ca化合物及び/又はBa化合物:上記有機ホスホ
    ン酸化合物に対して0.1〜2モル を含むアルカリ性水溶液からなる請求項1に記載のAl
    基金属材用洗浄剤。
  3. 【請求項3】 成分(d)が、CaまたはBaの水酸化
    物、炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩よりなる群から選択される
    少なくとも1種である請求項1または2に記載のAl基
    金属材用洗浄剤。
  4. 【請求項4】 有機ホスホン酸化合物が、1−ヒドロキ
    シエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチ
    レンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−ト
    リカルボン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホ
    ン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン
    酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、
    およびそれらの塩から選択される少なくとも1種である
    請求項1〜3のいずれかに記載のAl基金属材用洗浄
    剤。
  5. 【請求項5】 界面活性剤が、非イオン性界面活性剤お
    よびアニオン性界面活性剤の少なくとも1種である請求
    項1〜4のいずれかに記載のAl基金属材用洗浄剤。
  6. 【請求項6】 pHが12以上である請求項1〜5のい
    ずれかに記載のAl基金属材用洗浄剤。
  7. 【請求項7】 上記請求項1〜6のいずれかに記載の洗
    浄剤をAl基金属材に接触させ、該Al基金属材を腐食
    させることなくその表面を清浄化することを特徴とする
    Al基金属材の洗浄方法。
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