JP2001062979A - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents

化粧シート及びその製造方法

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JP2001062979A
JP2001062979A JP23912299A JP23912299A JP2001062979A JP 2001062979 A JP2001062979 A JP 2001062979A JP 23912299 A JP23912299 A JP 23912299A JP 23912299 A JP23912299 A JP 23912299A JP 2001062979 A JP2001062979 A JP 2001062979A
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curable resin
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Yoshiaki Nezu
義昭 根津
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面に凹凸模様をもつ化粧シートにおいて、上
記の化粧シートがVカット加工時に耐える可撓性をもつ
ともに、凹凸模様の均一な賦型加工性や、耐スクラッチ
性、エンボス堅牢度とともに外観に優れた化粧シートと
製造方法の提供を課題とする。 【課題手段】半球面形状の凸部の集合体からなる粗面3
3をもつ保護層1、特に電離放射線硬化型樹脂からなる
保護層1と、熱可塑性樹脂からなる基材シート5に絵柄
2を設けた装飾シート25との積層体とからなる化粧シ
ート10である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具や家電製品な
どの木質基材の表面化粧材料として利用される化粧シー
トに係わり、Vカット加工、ラッピング加工などの折曲
げなどに使用される可撓性に富み、且つ耐スクラッチ性
に優れた化粧シートに属する。
【0002】
【従来の技術】従来の凹凸模様をもつ化粧シートは、熱
可塑性樹脂からなる基材シートに絵柄を設け、マット剤
などの充填剤を含む透明樹脂層を絵柄を設けた装飾シー
トに施して形成されていた。そして、透明樹脂層は塗工
又はパターン状の印刷で施し、乾燥・硬化後に必要に応
じて賦型版を用いて凹凸模様を形成していた。更に化粧
シートと、例えば木質の基板とを接着剤を介して積層・
形成した化粧板が広く使用されていた。
【0003】上記の化粧シートを積層した化粧板は、家
具などを作成するために、V字溝を設けるVカット加工
を行うとき充填剤が多いと、可撓性に劣り表面にクラッ
クを発生したり、耐スクラッチ性に劣るという問題があ
った。逆に充填剤を少なくするとクラックの防止や、耐
スクラッチ性の向上には効果がある。しかしながら、光
沢の変動が大きく均一性、緻密性に欠けるという問題が
ある。また、折曲げ加工などの程度や条件によって光沢
が異なるという問題もある。一方、乾燥して・硬化後に
凹凸模様を加熱・賦型する加工方法をもつために加熱に
よる凹凸模様の堅牢性・耐久性などの耐熱性が劣るとい
う問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面に凹凸
模様をもつ化粧シートにおいて、上記の化粧シートがV
カット加工時に耐える可撓性をもつともに、凹凸模様の
均一な賦型性や、耐スクラッチ性に優れた化粧シートと
製造方法の提供を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、半球面状の凸部の集合体からなる粗面を
もつ硬化型樹脂からなる保護層、熱可塑性樹脂からなる
基材シートに絵柄を設けた装飾シートとの積層体からな
る化粧シートである。また、上記の硬化型樹脂がウレタ
ンアクリレートオリゴマー、又はウレタンアクリレート
オリゴマーとポリウレタンとの混合物からなる電離放射
線硬化型樹脂などの化粧シートである。また、半球面状
の凸部の集合体からなる粗面をもつ硬化型樹脂からなる
保護層と、絵柄を設けた熱可塑性樹脂からなる基材シー
トに絵柄を設けた装飾シートとの積層体からなる化粧シ
ートにおいて、該粗面が、半球面形状の凹部の集合体か
らなる粗面をもつ賦型シート上に透明な未硬化の硬化型
樹脂層と、絵柄を設けた装飾シートとを積層した後、積
層状態で電離放射線を照射して硬化型樹脂層を硬化して
保護層を形成し、更に賦型シートを剥離する化粧シート
の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、図1に示すように、半
球面形状の凸部の集合体からなる粗面33をもつ硬化型
樹脂からなる保護層1と、熱可塑性樹脂からなる基材シ
ート5に絵柄2を設けた装飾シート25との積層体から
なる化粧シート10である。また、上記の硬化型樹脂か
らなる保護層がウレタンアクリレートオリゴマー、又は
ウレタンアクリレートオリゴマーとポリウレタンとの混
合物からなる電離放射線硬化型樹脂などの化粧シートで
ある。そして、半球面形状の凸部の集合体からなる粗面
33をもつ硬化型樹脂からなる保護層1、熱可塑性樹脂
からなる基材シート5に絵柄2を設けた装飾シート25
との積層体からなる化粧シート10において、該粗面
が、半球面形状の凹部(図2(B)、(C)に示す断面
31及び平面32)の集合体からなる粗面30をもつ賦
型シート3上において透明な未硬化の硬化型樹脂層と、
熱可塑性樹脂からなる基材シート5に絵柄2を設けた装
飾シート25とを積層した後、積層状態で電離放射線を
照射して硬化型樹脂層を硬化して保護層を形成し、次い
で賦型シートを剥離する化粧シート10の製造方法であ
る。
【0007】本発明の絵柄を設けるためのシートを構成
する熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレート、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・ア
クリル酸エステル共重合体、アイオノマー、エチレン・
酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリビニルブチラール、
ポリ塩化ビニルなどを主とするものである。また、電離
放射線に劣化することがなくシートとして木材単板、木
材合板、パーチクルボード、中密度繊維板(MDF)な
どの平板に積層し,任意の形状に折曲げ加工できるもの
である。そして、所望に応じて耐久性に優れた色料など
で着色料し、更に、必要に応じてエラストマーを含む延
伸又は未延伸のシートである。
【0008】熱可塑性樹脂のシートは、絵柄を設ける印
刷インキとの接着を、強固に且つ安定するために、シー
ト(特にポリオレフィン系樹脂)の被印刷面にコロナ放
電処理や、プライマーの処理を施すことが好ましい。プ
ライマーは、ポリエステル・イソシアネート、ウレタン
・イソシアネート、ポリイソシアネートなどのイソシア
ネートを含む組成物や、アルキルチタネートの他に、印
刷インキのバインダーを溶解したワニスを微量塗工する
ことによって達成できる。要は、インキとシートとの接
着の媒体となるものが好ましい。
【0009】絵柄は、凹版印刷、凸版印刷や孔版印刷の
いずれの方法でもよく、また輪転印刷でも、枚葉印刷の
いずれでも構わない。要は、印刷インキ(バインダーと
溶剤)の選定と、絵柄の濃度、被印刷面の平滑性などの
他に後加工適性を考慮して選択する。好ましくは、イン
キバインダーの種類が多く、印刷インキを作成する溶剤
などの選択巾が広い後加工適性に応じた巻取りでの加工
できるグラビア印刷が好ましい方法である。バインダー
に使用する樹脂と溶剤との多様性からみて、グラビア版
による巻取の材料を処理できる輪転印刷が好ましい方法
である。
【0010】本発明の凹凸模様をもつ賦型シートは、ア
ルミニウムやステンレスなどの金属板、ポリエチレンテ
レフタレートやポリアミド、硬質塩化ビニル、ポリイミ
ド、ポリスルホン、ポリカーボネートなどの硬質樹脂板
や、延伸又は無延伸のフィルムを使用することができ
る。そして、これらのシートにガラスビーズなどの球状
体をサンドブラスト法で衝突させて、図1に示すように
凹状の半球状模様の粗面30をもつ賦型シート3を形成
することができる。球状体の径は、5〜20μm、化粧
シート10が所望する光沢によって大きさや分布密度を
変化させることができる。また、部分的に木目の導管状
凸部、ヘアライン状の凸部や抽象的パターンを設けるこ
ともできる。
【0011】表面の保護層は、形成した絵柄が磨耗など
により損傷しないように設けるものであり、前記の反応
硬化型樹脂や電離放射線硬化型樹脂からなる組成物を使
用できる。硬化型樹脂には、アミノアルキッド樹脂、ア
ルキッド樹脂、ビニル化アルキッド樹脂、アクリル系樹
脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体などの熱、
酸やポリイソシアネートによる硬化型樹脂がある。
【0012】保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂
は、可撓性を考慮して平均分子量1000〜4000の
ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく使用するこ
とができる。そして、これらに必要に応じて、耐磨耗性
を向上するための添加剤、架橋剤、滑剤の他に重合開始
剤などの硬化剤、重合促進剤を加え、施工工程に応じた
粘度に適応するように溶剤や粘度調節剤を加える。
【0013】上記保護層の耐スクラッチ性を向上するた
めの添加剤として、滑剤の他に球状粒子を使用してもよ
い、球状粒子には球状あるいは扁平にした楕円形球状な
どの球状に近い形状などのように表面が滑らかな曲面で
囲まれていればよい。球状粒子は、特に粒子表面に突起
や角のない、いわゆるカッティングエッジのない球状に
近いものが好ましい。球状粒子は同一材質の不定形の粒
子と比較して、表面の保護層の耐スクラッチ性を向上さ
せる。また、塗工装置を摩耗させず、塗膜が硬化した後
もこれと接する他の物を摩耗させず、更には透明度がよ
くなるという特徴があり、カッティングエッジがない場
合特にその効果が大きい。そして、本発明による凸部に
賦型された半球形状の表面と相まって優れた耐スクラッ
チ性を奏するものである。表面の保護層に含まれる球状
粒子は、通常5〜30重量%、好ましくは、5〜25重
量%、特に好ましくは5〜15重量%である。
【0014】本発明の表面の保護層を塗工・形成する方
法は、グラビアコート又はロールコートのリバースある
いはダイレクトコートやフローコート、バーコート、コ
ンマーコートなどが挙げられる。保護層は、半球面形状
の凸部を形成するものであり、その方法は半球面形状の
凹状面での加熱・加圧によるエンボス法がある。すなわ
ち、溶剤に溶解した表面の保護層を塗工・乾燥して非粘
着として、未硬化の状態で80〜180℃に加熱し、冷
却した凹状模様をもつエンボスロールで賦型・冷却した
のち、加熱又は電離放射線で硬化して凸形状をもつ表面
の保護層を形成するものである。
【0015】塗工を行うときの電離放射線硬化型組成物
の粘度は、塗工方法、塗工量によって決められるが10
〜3000センチポイズのものが好ましい。上記組成物
は、揮発性溶剤を含まない無溶剤型のものと、揮発性溶
剤を含むもののいずれでもその組成、塗工方法や工程に
よって選ぶことができる。無溶剤型で常温では粘度が高
いために塗工が困難なときは、電離放射線硬化型組成物
を40°〜80℃に加熱して適度な粘度、例えば100
0センチポイズ以下として塗工することもできる。そし
て、その塗膜の厚さは、3〜100μm、好ましくは5
〜30μmである。
【0016】本発明の保護層は、賦型シートに設けて装
飾シートと積層するものではあるが、図2に示すように
装飾シート25の絵柄2に硬化型樹脂層16を設けると
ともに、賦型シート3にも硬化型樹脂層15を設けて、
双方の硬化型樹脂層を積層して、硬化した保護層1を形
成することもできる。この方法によって、耐スクラッチ
性を向上できるばかりでなく、硬化型樹脂層15と16
とを品質の異なるものを組合せて、コスト面や、より高
品位の保護層を形成することができる。
【0017】本発明の硬化型樹脂層に使用する電離放射
線硬化型樹脂には、分子中に重合性の不飽和結合又はエ
ポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー及び/又は単
量体を適宜に調整した組成物を用いる。これらのプレポ
リマーや、オリゴマーには、ウレタンアクリレート、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、不飽
和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物である不飽
和ポリエステルや、エポキシアクリレート、シロキサン
などがある。例えば、アルキルアクリレートやアルキル
メタアクリレートがある。(以下本明細書においては、
アクリレート及び/又はメタアクリレートは(メタ)ア
クリレートと記載する。)。ポリエステル(メタ)アク
リレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオ
ール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレ
ートがある。
【0018】単量体は、スチレン、αーメチルスチレン
などのビニルベンゼンモノマーや、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレ
ート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシ
エチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ
レートなどがある。
【0019】N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート
などの不飽和カルボン酸とアミノアルコールとのエステ
ルがある。
【0020】(メタ)アクリルアミドの不飽和カルボン
酸アミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6
ーヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレートなどの不飽和カ
ルボン酸とグリコールとのエステルがある。
【0021】ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの多
官能性化合物がある。
【0022】単量体は、硬化生成物の可撓性が要求され
るときは、加工適性に支障がない限り少なくして、1官
能又は2官能アクリレート単量体を用い、比較的低い架
橋密度の構造とする。また、硬化生成物の耐熱性、硬
度、耐溶剤性が要求されるときは、加工適性に支障がな
い範囲で単量体の量を多くしたり、3官能以上の(メ
タ)アクリレート系単量体を一部用いて高い架橋密度の
構造とすることもできる。
【0023】ポリエステルジオールと脂肪族ジイソシア
ネートとの逐次反応を繰り返し形成した平均分子量が3
0000〜60000のものが、電離放射線硬化型樹脂
と相溶性に富み、可撓性を与える材料として好ましいも
のである。
【0024】硬化生成物に可撓性や、表面硬度などの物
性を調整するために前記プレポリマ、又はオリゴマー単
量体のなかから少なくとも1種は電離放射線では硬化し
ない樹脂及び/又は熱可塑性樹脂を5〜30重量%、好
ましくは5〜15重量%配合することができる。電離放
射線で硬化しない樹脂には、ウレタン系樹脂、繊維素誘
導体、ポリエステル、アクリル系樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアミ
ドなどがあり、特に可撓性を与えたいときは、ウレタン
系樹脂、繊維素誘導体、ポリエステル、ポリビニルブチ
ラールなどが好ましい。
【0025】可撓性を考慮した樹脂組成物には、重量平
均分子量が1000〜4000のウレタンアクリレート
オリゴマーが好ましい。また、電離放射線では硬化しな
い樹脂及び/又は熱可塑性樹脂として好ましいものは重
量平均分子量が30000〜60000のウレタン系樹
脂である。これらの熱可塑性樹脂は保護層の組成物に混
合するのみで可撓性が安定する。但し、30重量%以上
では、未硬化塗工面の粘着性が強くなり、シートを巻取
りとしたときブロッキングを起こし易く、また硬化した
保護層としても耐スクラッチ性が劣るものとなる。そし
て、電離放射線を直接表面に照射できないため、紫外線
硬化型よりも電子線硬化型の組成物が好ましい。
【0026】電離放射線硬化型樹脂の硬化に適用する電
離放射線は、コックロフトワルトン型、バンデグラフ
型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線
型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速
器を用いる。そして、100〜1000keVのエネル
ギーをもつ電子線を0.5〜3000Mradの照射線
量で硬化させるものである。
【0027】電離放射線硬化型樹脂の組成物は、光重合
開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、
ミヒラーベンゾイルベンゾエート、αーアミロキシムエ
ステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオ
キサントン類、及び/又は光増感剤であるn−ブチルア
ミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンな
どの混合物を添加することによって紫外線で硬化するこ
とができる。波長180nm以上の紫外線又は可視光線
を利用しフリーラジカルを発生する光開始剤、光重合性
モノマーあるいは光重合性オリゴマー、あるいは100
KeVから106 KeVエネルギーの電子線によりフリ
ーラジカルを発生する光重合性モノマーあるいは光重合
性オリゴマーとよりなるものである。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて更に具体的に
説明する。 (実施例1)図1に示す構成のとおり、ポリプロピレン
を主体とした厚み80μmの着色エラストマーシート
(基材シート5 三菱化学MKV(株)製SB010)
の一方の面に、表面張力を40dyne/cm以上にな
るように4KWの出力でコロナ放電処理を施した。次い
で、コロナ放電処理面にウレタン樹脂系プライマー
((株)昭和インク工業所製 W2000)及び、ウレ
タン系樹脂をバインダーとするインキ((株)昭和イン
ク工業所製 S2000)を用いて同一工程で用いて木
目柄2を設けた装飾シート25を作成した。一方、下記
組成の電離放射線硬化型樹脂からなる(保護層用塗料
A)を用いて、厚み25μmの二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルムにガラスビーズによるサンドブラ
スト処理により形成したマット面30をもつ(賦型シー
ト3)に、図3に示すように塗工部51でリバースコー
トによる塗工、乾燥部52で乾燥して厚み15μmの非
粘着で未硬化の電離放射線硬化型樹脂からなる保護層1
を設けた。そして、上記の装飾シート25の絵柄2と、
賦型シート3に設けた未硬化の電離放射線硬化型樹脂層
とを積層部53で相接して積層し、電子線照射部54で
250KeV、7Mrad、酸素濃度200ppm以下
の条件で賦型シート3の側から電子線を照射し上記の樹
脂層を完全に硬化した。このように形成した電離放射線
硬化型樹脂からなる保護層1から、賦型シート3を剥離
・除去して粗面33を設けた本発明の実施例1の化粧シ
ート10を作成した。 (保護層用塗料Aの組成) ・ウレタンアクリレートオリゴマー 90重量部 ・ウレタン系樹脂(平均分子量40000) 10重量部 ・酢酸エチル(溶剤) 100重量部
【0029】(実施例2)実施例1におけるサンドブラ
スト処理を施した二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムに代えて、図4に示すサンドブラスト処理を施
した金属板35(賦型シート3に相当する。)に、図4
(A)に示す塗工部51で保護層用塗料Aを用いて硬化
型樹脂層15を設けた。そして、図4(B)に示すよう
に装飾シート25と積層部53で積層し、電子線の加電
圧を300KeVとした以外は、実施例1と同様にして
粗面33を設けた本発明の実施例2の化粧シート10を
作成した。
【0030】(実施例3)実施例1と同様に木目柄の絵
柄2を設けたプラスチックフィルム5(三菱化学MKV
(株)製SB010)の絵柄2に、下記組成の電離放射
線硬化型樹脂からなる(保護層用塗料B)を厚みが15
μmになるようにグラビアリバースコートで施して、電
子線照射部で175KeV、5Mrad、酸素濃度20
0ppm以下の条件で硬化し図2に示す(硬化型樹脂層
16)を形成した。 (保護層用塗料Bの組成) ・ウレタンアクリレート 20重量部 ・トリメチロールプロパントリアクリレート 20重量部 ・ビスフェノールA(EO)4 ジアクリレート 10重量部 ・ビスフェノールA(EO)2 アクリレート 30重量部 ・酢酸エチル(溶剤) 100重量部 但し、EOはエチレンオキサイドを示す。 そして、図2に示すように実施例1と同様の賦型シート
3に、同様の未硬化の硬化型樹脂層15を設け、前記の
絵柄に施した硬化型樹脂層16とを積層し、電子線照射
部で、250KeV、7Mrad、酸素濃度200pp
m以下の条件で賦型シート3の側から電子線を照射し電
離放射線硬化型樹脂を完全に硬化した保護層1を形成
し、賦型シート3を剥離・除去して粗面33を設けた本
発明の実施例3の化粧シート10を作成した。
【0031】(比較例1)図1に示すとおりの実施例1
で作成した装飾シートの絵柄に、実施例1で使用した電
離放射線硬化型樹脂からなる保護層用塗料Aを厚み15
μmで塗工・乾燥した。次いで、電子線照射部で、17
5KV、5Mrad、酸素濃度200ppm以下の条件
で塗膜の側から電子線を照射し硬化型樹脂層を硬化し
た。そして、硬化した樹脂層の面にエンボス加工を施し
て梨地の凹凸模様を賦型した比較例1の化粧シートを作
成した。
【0032】(比較例2)図1に示すとおりの実施例1
で作成した絵柄に、下記組成の電離放射線硬化型樹脂か
らなる保護層用塗料Cをグラビアリバースコートで厚み
15μmに塗工・乾燥した。次いで、電子線照射部で、
175KeV、5Mrad、酸素濃度200ppm以下
の条件で塗膜の側から電子線を照射し電離放射線硬化型
樹脂層を硬化した。そして、硬化した樹脂層の面にエン
ボス加工を施して梨地の凹凸模様を賦型した比較例2の
化粧シートを作成した。 (保護層用塗料Cの組成) ・ウレタンアクリレート 100重量部 ・シリカ(平均粒径10μm) 15重量部 ・酢酸エチル(溶剤) 100重量部
【0033】(比較例3)比較例2において使用した電
離放射線硬化型樹脂を、実施例3のものに代えた以外
は、電子線の照射条件、硬化した樹脂層の面に梨地の凹
凸模様を比較例2と同様にして賦型した比較例3の化粧
シートを作成した。
【0034】実施例及び比較例で作成した化粧シートに
ついて、次の評価を行った結果を表1に示す。 〔可撓性〕試料を25℃の恒温槽に30分間放置後、R
=0で基材シート側に180°の角度で急激に折曲げ、
絵柄上の折曲げ部に於ける保護層の外観の変化を目視で
評価した。 (評価基準) ○:変化がない場合 ×:明白に割れを生じた場合 〔耐スクラッチ性〕試料の保護層側を、#0000のス
チールウールを用い100g/cm2 の荷重で10回の
摩擦によるスクラッチを施し、艶変化の有無を目視で評
価した。 (評価基準) ○:艶変化が認められない場合 △:若干の艶変化が認められる場合 ×:明白に艶変化をする場合 〔エンボス堅牢度試験〕試料を120℃のグリセリン浴
中に30秒浸漬し、表面の状態を目視で評価した。 (評価基準) ○:光沢に変化が認められない場合 ×:明白に光沢の変化が残る場合 〔外観〕試料の表面を20倍のルーペで観察して製品の
外観を評価した。 (評価基準) ○:クラックが認められない場合 ×:クラックが認められる場合
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、硬化型樹脂から
なる表面保護層の表面が半球面状の凸部の集合体から形
成されている。したがって、表面の耐スクラッチ性が優
れるとともに、硬化型樹脂、特に電離放射線硬化型樹脂
がもつ可撓性、表面硬度を維持した化粧シートを形成す
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)本発明の化粧シートの構成を示す断面概
略図である。 (B)本発明の保護層を拡大した断面概略図である。 (C)本発明の保護層を拡大した平面の概略図である。
【図2】本発明の別仕様の化粧シートの構成を示す断面
概略図である。
【図3】本発明の化粧シートの製造方法を説明するため
の側面図である。
【図4】本発明の化粧シートの他の製造方法を説明する
ための側面図である。
【符号の説明】
1 保護層 2 絵柄 3 賦型シート 5 基材シート 10 化粧シート 15、16 硬化型樹脂層 25 装飾シート 30 賦型シートの粗面 31 賦型シートの凹部(断面) 32 賦型シートの凹部(平面) 33 化粧シートの粗面 35 粗面をもつ金属板 51 塗工部 52 乾燥部 53 積層部 54 電子線照射部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/40 B32B 27/40 C08J 7/18 CFF C08J 7/18 CFF // C08L 75:04 Fターム(参考) 4D075 AC26 BB04X BB47Z BB49X CA02 DA04 DA23 DB36 DB43 DB48 EA07 EA41 EB38 EC37 4F073 AA07 AA28 BA28 BB01 CA42 4F100 AK01A AK01B AK07B AK25A AK51A AL05A BA02 BA10A BA10B BA15 DD07A EC052 EG001 EH461 EJ082 EJ532 EJ551 EJ861 EJ911 EJ912 GB48 GB81 HB00 JB12A JB14A JB16B JK14 JK17 JL01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半球面形状の凸部の集合体からなる粗面
    をもつ硬化型樹脂からなる保護層と、熱可塑性樹脂から
    なる基材シートに絵柄を設けた装飾シートとの積層体か
    らなる化粧シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の硬化型樹脂がウレタン
    アクリレートオリゴマー、又はウレタンアクリレートオ
    リゴマーとポリウレタンとの混合物からなる電離放射線
    硬化型樹脂であることを特徴とする化粧シート。
  3. 【請求項3】 半球面形状の凸部の集合体からなる粗面
    をもつ硬化型樹脂からなる保護層と、熱可塑性樹脂から
    なる基材シートに絵柄を設けた装飾シートとの積層体か
    らなる化粧シートにおいて、該粗面が、半球面状の凹部
    の集合体からなる粗面をもつ賦型シート上に透明な未硬
    化の電離放射線硬化型樹脂層と、熱可塑性樹脂からなる
    基材シートに絵柄を設けた装飾シートとを積層した後、
    積層状態で電離放射線を照射して該硬化型樹脂層を硬化
    し、更に賦型シートを剥離することを特徴とする請求項
    1及び2に記載の化粧シートの製造方法。
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