JP2001057289A - 有機el表示装置の製造装置および製造方法 - Google Patents

有機el表示装置の製造装置および製造方法

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JP2001057289A
JP2001057289A JP11233654A JP23365499A JP2001057289A JP 2001057289 A JP2001057289 A JP 2001057289A JP 11233654 A JP11233654 A JP 11233654A JP 23365499 A JP23365499 A JP 23365499A JP 2001057289 A JP2001057289 A JP 2001057289A
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organic
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Hiroshi Tanabe
宏 田辺
Tomoji Tokura
智司 戸倉
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高品質な有機EL表示装置を、効率よく、か
つ低価格で量産することのできる有機EL表示装置の製
造装置及び製造方法を実現する。 【解決手段】 各蒸発源の開口部上の中心で開口部より
の距離における蒸気密度mに対する開口部の中心
線からの放射角θで開口部より距離L離れた任意の位置
での蒸気密度mの比をm/m=(L/L)・co
θとして近似したn値が、ホスト材料の蒸発源:n
=3〜10、ゲスト材料の蒸発源:n=8〜18であっ
て、基板2に対するホスト材料の蒸発源の位置を、基板
の中央から基板の端部までの距離の1.0〜2.0倍の
位置に配置し、ゲスト材料の蒸発源の位置を、基板の中
央からその端部までの距離の0.5〜1.0倍の位置に
配置し、ホスト材料の蒸発源及びゲスト材料の蒸発源を
同時に用い、少なくとも2種以上の材料を同時に蒸着す
る製造方法及びこれを用いた製造方法とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機EL表示装置の
製造装置に関し、詳しくは、加熱により有機EL表示装
置用の有機原料物質を蒸発させ、これを基板上の成膜領
域に堆積させることで薄膜を形成する蒸着法を用いた有
機EL表示装置の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜形成を行う基本技術の1つとして、
真空蒸着法が知られている。この真空蒸着法は、真空槽
内で蒸発源と成膜用基板を適当に組み合わせて、薄膜を
形成するものである。蒸発源を作る手段も様々考えられ
ており、例えば、Appled.Physics.Letter. Vol.68, No.
16, 15 April 1996 P2276〜2278に記載されているよう
な、比較的電気抵抗の高い金属容器(金属ボード)に電
流を流し、その発熱により原料を蒸発させるいわゆる抵
抗加熱蒸着法が知られている。また、原料に直接電子ビ
ームやレーザービームを照射し、そのエネルギーで原料
を蒸発させるいわゆる電子ビーム・レーザービーム蒸着
法等も知られている。中でも抵抗加熱を用いた成膜方法
(抵抗加熱蒸着法)は、成膜装置の構成が簡便であり、
低価格で良質の薄膜形成を実現できることから広く普及
している。
【0003】抵抗加熱蒸着法は、融点の高いタングステ
ン、タンタル、モリブデン等の金属材料を薄板状に加工
して、電気抵抗を高くした金属板から原料容器(金属ボ
ード)を作製し、その両端から直流電流を流し、その発
熱を用いて原料を蒸発させ、蒸発ガスを供給している。
発散したガスの一部が基板上に堆積し、薄膜が形成され
る。蒸発原料として使用できるものは、蒸気圧の比較的
高いものであれば何でも良いが、原料容器と容易に化学
反応するものは避ける必要がある。
【0004】このような抵抗加熱装置の場合、有機層へ
のダメージも少なく、有機層、陰電極等の有機EL素子
の構成薄膜を蒸着する装置として優れた面を有してい
る。しかし、このような真空蒸着装置で成膜できる基板
の大きさは、均一な膜厚を得ようとすると、100×1
00mmと比較的小型のものに限られていた。このため、
有機EL素子をマトリクス状に配置して、発光させる素
子を適宜選択して文字、キャラクター、イメージ像等を
構成し、これにより情報等を表示させる有機EL表示装
置等を量産しようとした場合、一度に製造できる表示装
置の数が少なく、生産効率が低い。また、製造可能な画
面の大きさも限られてしまい、有機EL表示装置の大画
面化への対応が困難であった。
【0005】一方、膜厚の変動を無視して成膜した場
合、ある程度の大きさの基板でも成膜可能であるが、特
性が安定せず、不良品率が多くなったり、一つの表示装
置内で輝度のバラツキや表示ムラが多くなったりして、
実用に耐えうる品質のものを得ることが困難であった。
【0006】また、金属ボートを用いた抵抗加熱装置の
場合、材料投入量が少なく、工業レベルでの実用性の点
で問題を有していた。
【0007】これらの問題を解決するための手段とし
て、材料投入量を多くすることのできるセル型蒸発源を
使用し、蒸発源の指向性を制御した上で、基板との位置
関係を適切に制御し、基板を回転させる方法が検討され
ている(特開平10−335062号公報)
【0008】一方、有機EL素子の発光層は、1種類ま
たは2種類以上のホスト物質に、1種類または2種類以
上の蛍光物質を極微量ドーピングして所望の発光特性に
調整する場合が多い。このため、ドーピング量がごく僅
かずれただけでも、発光特性に致命的な影響を与えてし
まう場合がある。
【0009】セル型蒸発源を用いてドーピング層を成膜
した場合、ホスト材料蒸着時に相当する高レート使用時
と、ゲスト材料蒸着時に相当する低レート使用時で、蒸
着の指向性が変わってしまうため、ドーピング濃度に面
内分布が出て、基板内に配置された各有機EL表示装置
間で特性が変わってしまったり、各有機EL表示装置内
に特性分布が生じてしまうという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、比
較的大きな面積の基板に対応し、膜厚分布が小さく、材
料の使用効率が高く、成膜時の実用レートが大きく、ド
ーピング濃度が一定であり、高品質な有機EL表示装置
を、効率よく、かつ低価格で量産することのできる有機
EL表示装置の製造装置および製造方法を実現すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の
(1)〜(10)の構成により実現される。 (1) 有機EL表示装置が形成される基板と、この基
板を回転させる回転手段と、ホスト材料の蒸発源と、ゲ
スト材料の蒸発源とを有し、前記各蒸発源の開口部上の
中心で開口部よりL0 の距離における蒸気密度m0に対
する開口部の中心線からの放射角θで開口部より距離L
離れた任意の位置での蒸気密度mの比をm/m0 =(L
0 /L)2 ・cosnθとして近似したときの値である
n値が、 ホスト材料の蒸発源:n=3〜10 ゲスト材料の蒸発源:n=8〜18 であって、前記基板に対するホスト材料の蒸発源の位置
を、基板の中央に対して、基板の中央から基板の端部ま
での距離の1.0〜2.0倍の位置に配置し、前記基板
に対するゲスト材料の蒸発源の位置を、基板の中央に対
して、基板の中央から基板の端部までの距離の0.5〜
1.0倍の位置に配置し、前記各蒸発源の開口部から基
板面が含まれる平面までの垂直距離が、基板の中央から
端部までの距離の1.0〜3.5倍であり、前記ホスト
材料の蒸発源、およびゲスト材料の蒸発源を同時に用
い、少なくとも2種以上の材料を同時に蒸着する有機E
L表示装置の製造装置。 (2) 前記基板基板面が含まれる平面から蒸発源に下
ろした垂線に対し、蒸発源の中心線が1〜45度の角度
を有する上記(1)の有機EL表示装置の製造装置。 (3) 前記基板は最大長が200〜1000mmである
上記(1)または(2)の有機EL表示装置の製造装
置。 (4) 形成される有機層の膜厚の膜厚分布が±10%
以内である上記(1)〜(3)のいずれかの有機EL表
示装置の製造装置。 (5) 前記ゲスト材料の蒸着速度がホスト材料の蒸着
速度の0.1〜10%以内である上記(1)〜(4)の
いずれかの有機EL表示装置の製造装置。 (6) 同時に蒸着する蒸発源の中心位置が、基板の中
央から見て90°の角度内に配置されている上記(1)
〜(5)の有機EL表示装置の製造装置。 (7) 前記回転手段は、蒸着時に1分間に10回転以
上の速度で基板を回転させる上記(1)〜(6)のいず
れかの有機EL表示装置の製造装置。 (8) 上記(1)〜(7)のいずれかの装置により成
膜を行う有機EL表示装置の製造方法。 (9) 基板が1回転する間に成膜される膜厚が10Å
以下となるように蒸着を行う上記(8)の有機EL表示
装置の製造方法。 (10) 成膜されるドーピング層が膜厚方向に濃度分
布を有し、その濃度の最大値が膜内の濃度の平均値の3
倍以下である上記(8)または(9)の有機EL表示装
置の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL表示装置の製造
装置は、有機EL表示装置が形成される基板と、この基
板を回転させる回転手段と、ホスト材料の蒸発源と、ゲ
スト材料の蒸発源とを有し、前記各蒸発源の開口部上の
中心で開口部よりL0 の距離における蒸気密度m0 に対
する開口部の中心線からの放射角θで開口部より距離L
離れた任意の位置での蒸気密度mの比をm/m0 =(L
0 /L)2 ・cosnθとして近似したときの値である
n値が、 ホスト材料の蒸発源:n=3〜10 ゲスト材料の蒸発源:n=8〜18 であって、前記基板に対するホスト材料の蒸発源の位置
を、基板の中央に対して、基板の中央から基板の端部ま
での距離の1.0〜2.0倍の位置に配置し、前記基板
に対するゲスト材料の蒸発源の位置を、基板の中央に対
して、基板の中央から基板の端部までの距離の0.5〜
1.0倍の位置に配置し、前記各蒸発源の開口部から基
板面が含まれる平面までの垂直距離が、基板の中央から
端部までの距離の1.0〜3.5倍であり、前記ホスト
材料の蒸発源、およびゲスト材料の蒸発源を同時に用
い、少なくとも2種以上の材料を同時に蒸着するもので
ある。
【0013】このように、蒸発源を高レート蒸着用のホ
スト材料用のものと、低レート蒸着用のゲスト材料用の
ものと2つ以上用意し、これらの蒸発源のn値を最適な
ものに調整するとともに、基板の中央からこれらの蒸発
源までの垂直位置と水平位置を調整して蒸着することに
より、膜厚分布の変動幅が小さく、材料の使用効率が高
く、成膜時の実用レートが大きく、ドーピング濃度が一
定した有機層を得ることができる。
【0014】ホスト材料の蒸着源と、ゲスト材料の蒸着
源とは同一仕様のものを用いて、これを別々に配置して
もよいし、別設計の蒸着源を用いてもよい。ドーピング
が必要でない、キャリヤ注入層やキャリヤ輸送層などを
成膜する際には、ホスト材料用の蒸着源を用いればよ
い。
【0015】蒸発源としては、温度管理を正確に安定
して行うことができること。成膜レートを制御可能な
こと、有機EL表示装置の各材料と容易に化学反応し
ないこと。原料を所定の蒸気状態に安定して拡散しう
ること等の条件が要求される。これらに加えて、特にホ
スト材料用の蒸発源には、成膜レートが比較的早く、
量産化に対応できること。大板の基板に対応できるだ
けの原料を収納できること等の条件も合わせて要求され
る。
【0016】従ってこれらの条件を満足しうるものであ
れば、特に限定されるものではなく、種々の蒸発源を使
用することが可能である。このような蒸発源として、ク
ヌーセンセル(Knudsen Cell:以下Kセルと呼ぶ場合が
ある)を好ましく挙げることができる。クヌーセンセル
は、蒸気噴出口に所定の開口部を有するセルである。開
口部の開口径dと厚さtをパラメータとして、噴出口の
上に立つ蒸気密度の分布は、ローソクの炎状をなしてお
り、cosnθの形で近似される。ここで、n値とは中
心の蒸気密度m0 に対する任意の位置での蒸気密度mの
比m/m0 をcosnθで近似したときの値である。d
/tが小さくなるにつれてnの値は大きくなり、炎の形
は鋭くなる。最極端のt=0の場合、n=1になり、開
口部の上に立つ球状の分布になる。これは開放された液
面からの蒸発に相当し、ラングミュア(Langmuir)蒸発
と呼ばれる。
【0017】前記n値は、材料により異なり、蒸発速度
によっても変化するが、d/t等を制御してある程度規
制することも可能である。但し、蒸着速度が10倍から
100倍程度異なるホスト材料とゲスト材料とで同じn
値を実現することは極めて困難である。このため、それ
ぞれのn値として、ホスト材料用の蒸発源が3〜10、
好ましくは4〜8であり、ゲスト材料用の蒸発源のn値
は8〜18、好ましくは9〜16である。n値に一定の
範囲を与えたのは、蒸発源の開口部、つまりオリフィス
から蒸発する蒸気は一定ではなく、n値も変動するため
で、この範囲のn値であれば問題なく動作する。n値が
上記値より小さいと拡散方向が広がりすぎて成膜効率が
低下する。n値が上記値より大きいと指向性が強くな
り、大型の基板への対応が困難になる。
【0018】ホスト用材料の蒸発源の位置は、基板の中
央に対して、基板の中央から基板の端部までの距離の
1.0〜2.0倍、好ましくは1.0〜1.8倍、特に
1.1〜1.6倍の位置である。この範囲を外れると均
一な膜厚分布が得られなくなる。ゲスト用の蒸発源の位
置は、基板の中央に対して、基板の中央から基板の端部
までの距離の0.5〜1.0倍、好ましくは0.6〜
0.9倍、特に0.6〜0.8倍の位置に配置する。こ
の範囲を外れると均一なドーピング濃度分布得られなく
なる。
【0019】また、蒸発源開口部から基板面を含む平面
までの垂直距離が、基板の中央から端部までの距離の
1.0〜3.5倍、好ましくは1.2〜3.0、特に
1.4〜2.5倍の位置に配置する。このように、一定
範囲のn値に対して、蒸発源の位置を基板の中央から所
定のオフセット離れた位置に傾けて配置させることによ
り、均一な膜厚分布と、高い材料使用効率および実用レ
ートを得ることができ、特性の安定した有機EL表示装
置を得ることができる。
【0020】また、基板面が含まれる平面から蒸発源に
対して下ろした垂線に対して、蒸発源の開口面を垂直に
貫く中心線が1〜45度、好ましくは3〜30度、特に
5〜20度となるように基板側に傾けて配置してもよ
い。このように、蒸発源を傾けて配置することにより、
膜厚分布を良好に保ったまま、蒸発源−基板間の垂直距
離を小さくすることができ、材料の使用効率を向上させ
ることができる。
【0021】基板は、蒸着の際、回転手段により回転さ
れ蒸着される。このとき蒸発源を回転中心に向けて傾け
ることが好ましい。この場合、基板面に垂直に交差し、
基板の中央から端部までの距離の0〜0.5倍、好まし
くは0〜0.2倍の半径を有する円柱を想定した場合、
蒸発源の中心線がこの円柱と交差していることが好まし
い。さらには、蒸発源の中心線は、基板の回転中心と交
差していることが好ましい。
【0022】基板を回転させる回転手段としては、モー
タ、油圧回転機構等の動力源と、ギア、ベルト、プーリ
ー等を組み合わせた動力伝達機構・減速機構等を用いた
公知の回転機構により構成することができる。基板の回
転数としては、好ましくは10回/min 以上、より好ま
しくは10〜50回/min 、特に10〜30回/min程
度である。基板の回転数が速すぎると、真空チャンバー
への導入時にシール性などの問題が発生しやすくなる。
また、遅すぎると槽内の膜厚方向に組成ムラが生じ、作
製した有機EL素子の特性が低下する。
【0023】このように、基板を回転させながら蒸着す
ることにより、さらに大面積でも均一な膜厚分布と、高
い材料使用効率および実用レートを得ることができる。
【0024】また、基板が1回転する間に成膜される蒸
着膜の膜厚、つまり1回転毎の蒸着速度は、好ましくは
10Å以下、より好ましくは1〜5Åである。これより
大きくなると、層内の膜厚方向に組成ムラを生じる。一
方、小さくしようとしすぎると、真空槽の回転導入部で
問題が生じやすくなる。
【0025】蒸発源を傾けることにより、より小さい垂
直距離でも良好な膜厚分布を得ることが可能になる。上
述のように、蒸発源の開口部上の中心で開口部よりL0
の距離における蒸気密度m0 に対する開口部の中心線か
らの放射角θで開口部より距離L離れた任意の位置での
蒸気密度mの比は、 m/m0 =(L0 /L)2 ・(cosθ)n として近似することができる。垂直距離が小さくなるこ
とは距離Lを小さくすることにつながり、蒸発源からの
蒸発速度を一定に保ったままで、基板への堆積速度を大
きくすることができる。蒸発源からの蒸発速度を一定に
保ったままで、基板への堆積速度が大きくなるというこ
とは、蒸発源から蒸発した材料に対する基板に堆積する
材料の比である材料使用効率が高くなるということでも
ある。
【0026】より小さい垂直距離でも良好な膜厚分布を
得ることが可能になるということは、また、大きな面積
の基板に対応した装置を構築する際にも、装置サイズを
小さくできるメリットとなる。
【0027】また、基板の中央に対して、基板の中央か
ら基板の端部までの距離の1.0〜2.0倍の位置に配
置した蒸発源を、基板の中央側に傾けることにより、上
記の広がりを有効に活用することが可能となり、蒸発源
からの蒸発速度を一定に保ったままで、基板への堆積速
度を大きくし、材料使用効率を高くすることができる。
【0028】蒸発源は、その配置される位置関係が上記
範囲内であれば、ホスト用材料の蒸着源、ゲスト用材料
の蒸着源についてそれぞれ複数個を、基板中心に対して
同心円上に配置してもよい。好ましくはホスト用材料の
蒸着源と、ゲスト用材料の蒸着源とは基板の中心軸から
見た場合に、好ましくは90度、より好ましくは60度
の角度の範囲内に配置されている。このような角度内に
配置することにより、ドーピング濃度の膜厚方向のムラ
を抑制できる。
【0029】成膜された薄膜の膜厚分布は、好ましくは
±10%以内、特に9%以内、さらには8%以内が好ま
しい。膜厚分布が±10%を超えると有機EL表示装置
の特性が不安定となる。
【0030】成膜された膜が混合層である場合、このド
ーピング層は膜厚方向にゲスト材料の濃度分布を有して
いてもよい。この場合、ゲスト材料の濃度は、その最大
値が膜内のゲスト材料の濃度の平均値の3倍以内、特に
1〜2倍程度であることが好ましい。
【0031】本発明の装置により成膜される有機EL表
示装置を構成する素子の薄膜としては、ホール注入・輸
送層、発光および電子注入輸送層、電子注入電極、保護
層等が挙げられ、これらと同一組成、あるいは蒸着によ
り同一組成となる金属材料、合金、有機材料等が挙げら
れる。
【0032】電子注入電極材料は、低仕事関数の物質が
好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、C
e、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Z
n、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させる
ためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用いるこ
とが好ましい。合金系としては、例えばAg・Mg(A
g:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:0.01
〜14at%、特に0.01〜12at%)、In・Mg
(Mg:50〜80at%)、Al・Ca(Ca:0.0
1〜20at%)等が挙げられる。電子注入電極層にはこ
れらの材料からなる薄膜、それらの2種類以上の多層薄
膜が用いられる。
【0033】保護層としては、金属材料、SiOX 等の
無機材料、テフロン等の有機材料等が挙げられる。
【0034】発光層には発光機能を有する化合物である
蛍光性物質が用いられる。このような蛍光性物質として
は、例えば、特開昭63−264692号公報に開示さ
れているような化合物、例えばキナクリドン、ルブレ
ン、スチリル系色素等の化合物から選択される少なくと
も1種が挙げられる。また、トリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム等の8−キノリノールまたはその誘導
体を配位子とする金属錯体色素などのキノリン誘導体、
テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、
コロネン、12−フタロペリノン誘導体等が挙げられ
る。さらには、特開平8−12600号公報(特願平6
−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導
体、特開平8−12969号公報(特願平6−1144
56号)に記載のテトラアリールエテン誘導体等を用い
ることができる。
【0035】また、それ自体で発光が可能なホスト物質
と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントと
しての使用も好ましい。このような場合の発光層におけ
るドーパントの含有量は0.01〜10 vol% 、さらに
は0.1〜5 vol% であることが好ましい。また、ルブ
レン系にあっては0.01〜20 vol%が好ましい。ホ
スト物質と組み合わせて使用することによって、ホスト
物質の発光波長特性を変化させることができ、長波長に
移行した発光が可能になるとともに、素子の発光効率や
安定性が向上する。
【0036】ホスト物質としては、キノリノラト錯体が
好ましく、さらには8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このよう
なアルミニウム錯体としては、特開昭63−26469
2号、特開平3−255190号、特開平5−7073
3号、特開平5−258859号、特開平6−2158
74号等に開示されているものを挙げることができる。
【0037】具体的には、まず、トリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネ
シウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、
トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−
8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−
キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キ
ノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−
8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜
鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メ
タン]、等がある。
【0038】また、8−キノリノールないしその誘導体
のほかに他の配位子を有するアルミニウム錯体であって
もよく、このようなものとしては、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(III)
、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(オルト−
クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(メタークレゾラト)アルミニウム
(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ
−クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル
−8−キノリノラト)(オルト−フェニルフェノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノ
ラト)(メタ−フェニルフェノラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)(2,3−ジメチルフェノ
ラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キ
ノリノラト)(2,6−ジメチルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(3,4−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,5−ジメ
チルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2,6−ジフェニルフェノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラ
ト)(2,4,6−トリフェニルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(2,3,6−トリメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,
3,5,6−テトラメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(1−ナ
フトラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)
(オルト−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,
4−ジメチル−8−キノリノラト)(メタ−フェニルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジメチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4−エチ
ル−8−キノリノラト)(パラ−クレゾラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キ
ノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウ
ム(III) 、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリ
ノラト)(オルト−クレゾラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−キノ
リノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(III) 等が
ある。
【0039】このほか、ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス
(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)アルミニウム
(III) −μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キ
ノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(4−エチル−
2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −
μ−オキソ−ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノ
リノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4
−メトキシキノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オ
キソ−ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(5−シアノ−2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−
ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−5−トリフルオ
ロメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ
−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル
−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 等であっても
よい。
【0040】このほかのホスト物質としては、特開平8
−12600号公報(特願平6−110569号)に記
載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−1296
9号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラ
アリールエテン誘導体なども好ましい。
【0041】発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであ
ってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これら
の蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0042】電子注入輸送性の化合物としては、キノリ
ン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好まし
い。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラ
アリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0043】ホール注入輸送層用の化合物としては、強
い蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送
材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチ
リルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を
用いるのが好ましい。
【0044】蒸着時の圧力は好ましくは1×10-8〜1
×10-5Torrで、蒸発源の加熱温度は、金属材料であれ
ば100〜1400℃、有機材料であれば100〜50
0℃程度が好ましい。
【0045】基板としては特に限定されるものではな
く、有機EL表示装置を構成する素子薄膜が積層可能な
ものであればよいが、発光した光を取り出す側の場合、
ガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明材料を用い
る。また、基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色
変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコント
ロールしてもよい。また、発光した光を取り出す側では
ない場合には、基板は透明でも不透明であってもよく、
不透明である場合にはセラミックス等を使用してもよ
い。
【0046】基板の大きさも特に限定されるものではな
いが、好ましくは最大長、特に対角長が200〜100
0mm、特に400〜700mmの範囲が好ましい。最大長
は200mm以下であっても問題ないが、特に200mm以
上の基板で均一な膜厚分布を得ることができ好ましい。
また、基板の大きさが1000mmを超えると成膜装置が
大型化し、成膜効率が低下し、膜厚制御が困難になって
くる。
【0047】次に、本発明の製造装置のより具体的な構
成について、図を参照しつつ説明する。図1は本発明装
置の基本構成を示す半裁断面図である。図において、本
発明の有機EL表示装置の製造装置は、基板2と、蒸発
源載置台3と、複数の蒸発源4とを有する。図は基板2
の中央C/Lから右半分を示している。従って、ホスト
材料の蒸発源4aは、基板中央から端部までの距離aと
その2.0倍の距離bとの間、ゲスト材料の蒸発源4b
は、基板中央から端部までの距離の0.5倍の距離c
と、基板中央から端部までの距離aとの間間であって、
蒸発源4の開口部24から基板2までの垂直距離cが、
基板2の中央C/Lから端部までの距離の1.0〜3.
5倍である位置に配置されることになる。なお、蒸発源
4(4a,4b)の位置は、蒸発源4の開口部の中心の
位置とする。
【0048】また、基板面が含まれる平面から蒸発源4
(4a、4b)に対して下ろした垂線l1に対して、蒸
発源の開口面を垂直に貫く中心線l2がθ2=1〜45
度、好ましくは3〜30度、特に5〜20度となるよう
に基板2側に傾けて配置している。
【0049】図2は、図1の装置を上方(基板側)より
見た平面図である。この例では、蒸発源4a、4bは、
基板中心から見てそれぞれ30°の角度θをおいて配置
されている。また、好ましくは蒸発源の開口部を基板中
心側に傾斜させたとき、基板面に垂直に交差し、基板の
中央から端部までの距離の0〜0.5倍、より好ましく
は0〜0.2倍の半径Rを有する円柱を想定したとき、
蒸発源4の中心線がこの円柱と交差し、特に好ましくは
基板の回転中心と交差するように配置する。
【0050】図3は、本発明に好ましく使用される蒸発
源4のより具体的な構成を示した要部断面図である。図
において、蒸発源4は、外部ケース21と、断熱材22
と、るつぼ23と、開口部24と、材料25と、加熱手
段26と、温度検出手段27とを有する。
【0051】るつぼ23は蒸着される材料25と容易に
化学反応せず、所定の温度に耐えうるものが好ましく、
例えばパイロライティックボロンナイトライド(PB
N)、アルミナ等のセラミックス、石英等が挙げられ、
特にPBN等が好ましい。外部ケース21は、所定の強
度と耐腐食性等を備えたものであれば特に限定されるも
のではなく、下記断熱材22と同様のものの中から選択
すればよく、あるいはこれと兼用してもよく、例えばモ
リブデン等を好ましく用いることができる。断熱材22
は、熱反射性、耐熱性、耐腐食性等を有するものであれ
ばよく、モリブデン、タンタル、ステンレス(SUS3
16)、インコネル、カウウール(cow-wool)、アスベス
ト等が挙げられる。
【0052】加熱手段26は所定の熱容量、反応性等を
備えたものであればよく、例えばタンタル線ヒータ、シ
ースヒータ等が挙げられる。加熱手段に26による加熱
温度は、好ましくは100〜1400℃程度、温度制御
の精度は、蒸発させる材料により異なるが、例えば10
00℃で±1℃、好ましくは±0.5℃程度である。温
度検出手段27は、るつぼ23中の材料25の温度を適
正に検出しうるものであればよく、例えば、白金−白金
ロジウム、タングステン−タングステンレニウム等の熱
電対等が挙げられる。
【0053】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明をより具体的に説
明する。 <実施例1>図2に示すように、真空槽内に大きさ30
0mm×400mmの基板を用意し、この基板の中央からの
距離が300mmの位置にホスト材料用の蒸発源を3個配
置し、240mmの位置にゲスト材料用の蒸発源を1個配
置した。このとき、基板面を含有する平面から蒸発源開
口部までのまでの垂直距離は、500mmとし、隣り合う
蒸発源は、それぞれの中心位置が基板の中央からみて、
それぞれ30度の角度θををなすように配置した。
【0054】その配置順は、ホスト−1、ホスト−2、
ゲスト、ホスト−3の順にした。
【0055】次に、各蒸発源を用いて単層の蒸着を行
い、膜厚分布を測定した。
【0056】基板を回転させながらホスト用材料の蒸発
源−1を用いてm−MTDATA(N,N−ジフェニル
−N,N’−m−トリル4,4’4,4’,4”−トリ
ス(−N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミ
ノ)トリフェニルアミン)を蒸着した。このときの、基
板上での成膜速度は1.0Åとし、蒸着源のn値はn=
6であった。1000Åの厚さに成膜して、基板面内の
膜厚分布の変動幅を測定したところ、±3%以内であっ
た。
【0057】基板を回転させながらホスト用材料の蒸発
源−2を用いてTPD(N,N’−ジフェニル−N,
N’−m−トリル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビ
フェニル)トリフェニルアミン)を蒸着した。このとき
の、基板上での成膜速度は1.0Åとし、蒸着源のn値
はn=6であった。1000Åの厚さに成膜して、基板
面内の膜厚分布の変動幅を測定したところ、±3%以内
であった。
【0058】基板を回転させながらホスト用材料の蒸発
源−3を用いてAlq3 (トリス(8−キノリノラト)
アルミニウム)を蒸着した。このときの、基板上での成
膜速度は1.0Åとし、蒸着源のn値はn=6であっ
た。1000Åの厚さに成膜して、基板面内の膜厚分布
の変動幅を測定したところ、±3%以内であった。
【0059】基板を回転させながらゲスト用材料の蒸発
源を用いてルブレンを蒸着した。このときの、基板上で
の成膜速度は0.01Åとし、蒸着源のn値はn=12
であった。500Åの厚さに成膜して、基板面内の膜厚
分布の変動幅を測定したところ、±7%以内であった。
【0060】さらに、この成膜装置を用いて有機EL素
子を作製した。
【0061】大きさ300mm×400mm、厚さ0.7mm
のガラス基板上にITO膜を1000Å成膜し、有機E
L素子の各画素に相当するパターニングを施し、層間絶
縁膜、陰極分離構造を更に形成して基板とした。
【0062】この基板を真空層内に配置し、層内を1×
10-4 Pa以下にまで減圧した。基板を10rpm で回転
させながら、基板上に、ホスト材料用の蒸発源−1によ
りm−MTDATAを10Å/sec の成膜速度で400
Å成膜した後、ホスト材料用の蒸発源−2によりTPD
を1.0Å/sec の成膜速度で350Åの膜厚に成膜し
た。さらに、ホスト材料用の蒸発源−3によりAlq3
を1.0Å/sec の成膜速度で500Åの膜厚に成膜し
ながら、これに隣接するゲスト材料用の蒸着源からルブ
レンを0.01Å/sec の成膜速度で蒸着を行い、発光
層のドーピングを行った。
【0063】次いで、減圧状態を保ったまま、MgAg
を共蒸着(2元蒸着)で蒸着速度比Mg:Ag=10:
1にて200nmの厚さに成膜し、電子注入電極とした。
【0064】得られた有機EL素子に乾燥空気雰囲気中
で、電流密度10mA/cm2 の定電流駆動で得られる輝度
の基板面内分布を測定した。輝度は、面内の平均で10
00cd/m2 であり、その面内分布は±5%以内であっ
た。
【0065】<比較例1>実施例1において、ゲスト用
材料の蒸着源を、基板の中央からの距離が300mmの位
置となるように配置した他は、実施例1と同様にして有
機EL素子を作製し、膜厚分布と輝度の面内分布を測定
した。
【0066】その結果、ゲスト用蒸発源によるルブレン
の膜厚分布は、±27%であった。また、得られた有機
EL素子の輝度は、面内の平均で900cd/m2 であ
り、その面内分布は±20%以上であった。
【0067】<実施例2>実施例1において、TPDを
350Å成膜した後に、ホスト材料用の蒸発源−2によ
り、TPDを1.0Å/sec の成膜速度で成膜しなが
ら、ホスト用の蒸発源−3によりAlq3 を1.0Å/
sec の成膜速度で成膜し、さらに同時にゲスト用蒸発源
によりルブレンを0.01Å/sec の速度で成膜し、こ
の3元蒸着層が500Åとなるようにした。さらに、ホ
スト用蒸着源−3によりAlq3 を1.0Å/sec の成
膜速度で100Å成膜した後に、実施例1と同様に電子
注入電極を成膜し、有機EL素子を得た。
【0068】得られた有機EL素子の輝度は、面内で1
000cd/m2 以上であり、その面内分布は、±5%以
内であった。また、乾燥空気雰囲気中で、電流密度10
mA/cm2 の定電流駆動を行ったところ、その輝度半減寿
命時間は約10000時間以上であった。
【0069】<比較例2>実施例2において、図4に示
すようにホスト用蒸発源−2と、ホスト用蒸発源−3
を、基板中心からみて180度の角度をなすようにそれ
ぞれ配置し、基板回転数を3rpm としたほかは、実施例
2と同様にして有機EL素子を作製し、評価した。
【0070】得られた有機EL素子の輝度は、面内の平
均で900cd/m2 以下であり、その面内分布は、±2
0%以上であった。また、乾燥空気雰囲気中で、電流密
度10mA/cm2 の定電流駆動を行ったところ、その輝度
半減寿命時間は約6000時間以下であった。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、比較的大
きな面積の基板に対応し、膜厚分布が小さく、材料の使
用効率が高く、成膜時の実用レートが大きく、ドーピン
グ濃度が一定であり、高品質な有機EL表示装置を、効
率よく、かつ低価格で量産することのできる有機EL表
示装置の製造装置および製造方法を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の概略構成を示す半裁断面図であ
る。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の装置に好ましく使用されるクヌードセ
ンセルの要部断面図である。
【図4】蒸着速度とn値との関係を示したグラフである
(Alq3 使用)。
【符号の説明】
2 基板 3 蒸発源載置台 4 蒸発源 21 外部ケース 22 断熱材 23 るつぼ 24 開口部 25 材料 26 加熱手段 27 温度測定手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機EL表示装置が形成される基板と、
    この基板を回転させる回転手段と、ホスト材料の蒸発源
    と、ゲスト材料の蒸発源とを有し、 前記各蒸発源の開口部上の中心で開口部よりL0 の距離
    における蒸気密度m0に対する開口部の中心線からの放
    射角θで開口部より距離L離れた任意の位置での蒸気密
    度mの比をm/m0 =(L0 /L)2 ・cosnθとし
    て近似したときの値であるn値が、 ホスト材料の蒸発源:n=3〜10 ゲスト材料の蒸発源:n=8〜18 であって、 前記基板に対するホスト材料の蒸発源の位置を、基板の
    中央に対して、基板の中央から基板の端部までの距離の
    1.0〜2.0倍の位置に配置し、 前記基板に対するゲスト材料の蒸発源の位置を、基板の
    中央に対して、基板の中央から基板の端部までの距離の
    0.5〜1.0倍の位置に配置し、 前記各蒸発源の開口部から基板面が含まれる平面までの
    垂直距離が、基板の中央から端部までの距離の1.0〜
    3.5倍であり、 前記ホスト材料の蒸発源、およびゲスト材料の蒸発源を
    同時に用い、少なくとも2種以上の材料を同時に蒸着す
    る有機EL表示装置の製造装置。
  2. 【請求項2】 前記基板基板面が含まれる平面から蒸発
    源に下ろした垂線に対し、蒸発源の中心線が1〜45度
    の角度を有する請求項1の有機EL表示装置の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 前記基板は最大長が200〜1000mm
    である請求項1または2の有機EL表示装置の製造装
    置。
  4. 【請求項4】 形成される有機層の膜厚の膜厚分布が±
    10%以内である請求項1〜3のいずれかの有機EL表
    示装置の製造装置。
  5. 【請求項5】 前記ゲスト材料の蒸着速度がホスト材料
    の蒸着速度の0.1〜10%以内である請求項1〜4の
    いずれかの有機EL表示装置の製造装置。
  6. 【請求項6】 同時に蒸着する蒸発源の中心位置が、基
    板の中央から見て90°の角度内に配置されている請求
    項1〜5の有機EL表示装置の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記回転手段は、蒸着時に1分間に10
    回転以上の速度で基板を回転させる請求項1〜6のいず
    れかの有機EL表示装置の製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかの装置により成
    膜を行う有機EL表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板が1回転する間に成膜される膜厚が
    10Å以下となるように蒸着を行う請求項8の有機EL
    表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 成膜されるドーピング層が膜厚方向に
    濃度分布を有し、その濃度の最大値が膜内の濃度の平均
    値の3倍以下である請求項8または9の有機EL表示装
    置の製造方法。
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