JP2001056596A - 導電性糸の抵抗値測定装置 - Google Patents

導電性糸の抵抗値測定装置

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JP2001056596A
JP2001056596A JP11231598A JP23159899A JP2001056596A JP 2001056596 A JP2001056596 A JP 2001056596A JP 11231598 A JP11231598 A JP 11231598A JP 23159899 A JP23159899 A JP 23159899A JP 2001056596 A JP2001056596 A JP 2001056596A
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conductive yarn
measuring
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electrodes
pair
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JP11231598A
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English (en)
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Kiichi Kawamura
僖壹 川村
Osamu Kano
修 鹿野
Hisahiro Nishisato
尚浩 西里
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Touei Sangyo KK
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Touei Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシ帯電器及びブラシ転写器回転型ブラシ
の導電性ブラシ毛に使用される導電性糸の抵抗値の測定
装置を提供するものである。 【解決手段】 走行する導電性糸18を一対の電極2
2,24に接触させ、この接触している導電性糸18に
一定の電流を流し、一対の電極間22,24の間の電圧
値を測定して、前記電流とこの測定した電圧値によっ
て、導電性糸18の抵抗を測定するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置のブ
ラシ帯電器及びブラシ転写器等に使用される導電性糸の
抵抗値測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタ、コピー機等の電子写真
装置のブラシ帯電器及びブラシ転写器に使用される回転
型ブラシロールは、下記のような方法で製造されてい
た。
【0003】図7に示すように、基布116にブラシ毛
を構成する導電性糸118を、図8における縦方向に沿
って広幅縦ダン織りでパイル織りを行っている。そし
て、このパイル織り方向に沿って、所定間隔毎に切断し
て(図7中の点線が切断線126を示す)、図8に示す
ようなリボン状のブラシ体114を形成している。
【0004】図9に示すようなリボン状のブラシ体11
4を形成した後、図10に示すように芯棒ローラ112
に螺旋状に巻回して回転型ブラシロール110を形成し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブラシ
ロール110に使用される導電性糸118には、一本一
本の抵抗値にバラツキがあるため、上記のようなブラシ
ロール110を使用して帯電を行った場合には、ブラシ
ロール110の回転方向に沿って帯電にバラツキが発生
し、この帯電によって形成された画像には、ブラシロー
ル110の回転方向の抵抗値のバラツキに沿って規則的
に縞模様が浮出るという問題があった。
【0006】一方、最近の画像形成装置において白黒で
は、より高画質が望まれ、一方カラー化も望まれている
ので、より均一な画像が必要となっている。
【0007】ところが、ブラシロール110の回転方向
の抵抗のバラツキが、縞模様が浮き出る原因であること
は明確であったが、このブラシロール110に使用され
る導電性糸118の抵抗値を測る装置が従来は提案され
ていなかった。
【0008】そのために、帯電,転写用ブラシは半導電
領域の抵抗値(10〜10Ω・cmレベル)の導電
糸が用いられるが従来は、次の問題点があった。
【0009】第1に導電糸の抵抗値が正確に把握できな
かった。
【0010】例えば、導電糸の抵抗値の測定方法が不適
切であると、ブラシに製造してブラシとしての抵抗値と
元の導電糸での抵抗値との相関が取れなくなって、期待
する抵抗値のブラシを作ることができなかった。
【0011】第2に、抵抗値が高いため絶縁抵抗計のよ
うなもので測定していたが、糸での抵抗値とブラシにし
て帯電等の機能上の抵抗値とを常に一致させることがで
きなかった。従って、ねらい通りのブラシ抵抗を得るの
が困難で歩留まりが向上しなかった。
【0012】第3に、半導電領域の抵抗値は、導電糸へ
添加するカーボン量の微量変動によって大きく変動す
る。従って、コーン毎の平均抵抗値として1〜2乗オー
ダーの大きなバラツキを許容しないと糸の製造ができな
かった。
【0013】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、ブラ
シ帯電器及びブラシ転写器回転型ブラシの導電性ブラシ
毛に使用される導電性糸の抵抗値の測定装置を提供する
ものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電子
写真装置のブラシ帯電器及びブラシ転写器等の導電性ブ
ラシ毛に使用される導電性糸の抵抗値の測定装置におい
て、前記導電性糸が接触する一対の電極と、前記導電性
糸を所定の速度で走行させる走行手段と、前記一対の電
極間に一定の電流を流す定電流付与手段と、前記一対の
電極間の電圧値を測定する電圧測定手段とよりなること
を特徴とする導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0015】請求項2の発明は、前記電圧測定手段によ
って測定した電圧値と、前記定電流付与手段によって流
される電流値に基づいて前記導電性糸の抵抗値を演算す
る演算手段とよりなることを特徴とする請求項1記載の
導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0016】請求項3の発明は、前記導電糸1フィラメ
ント、1cm当たりに流れる電流が8×10−3μA以下
の一定の電流で測定することを特徴とする請求項1記載
の導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0017】請求項4の発明は、電子写真装置のブラシ
帯電器及びブラシ転写器等の導電性ブラシ毛に使用され
る導電性糸の抵抗値の測定装置において、前記導電性糸
が接触する一対の電極と、前記導電性糸を所定の速度で
走行させる走行手段と、前記一対の電極間に一定の電力
を与える定電力付与手段と、前記一対の電極間の電圧値
または前記一対の電極に流れる電流値を測定する測定手
段とよりなることを特徴とする導電性糸の抵抗値測定装
置である。
【0018】請求項5の発明は、前記測定手段によって
測定した電圧値または電流値と、前記定電力付与手段に
よって与えている電力値に基づいて前記導電性糸の抵抗
値を演算する演算手段とよりなることを特徴とする請求
項4記載の導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0019】請求項6の発明は、前記導電糸1フィラメ
ント、1cm当たりに流れる電流が8×10−3μA以下
になる一定の電力で測定することを特徴とする請求項4
記載の導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0020】請求項7の発明は、電子写真装置のブラシ
帯電器及びブラシ転写器等の導電性ブラシ毛に使用され
る導電性糸の抵抗値の測定装置において、前記導電性糸
が接触する一対の棒状の電極と、前記導電性糸を所定の
速度で走行させる走行手段と、前記一対の電極間に一定
の電圧をかける電圧手段と、前記一対の電極間の電流値
を測定する電流測定手段とよりなり、前記導電糸1フィ
ラメント、1cm当たりに流れる電流が8×10−3μA
となる電圧以下の一定電圧で測定することを特徴とする
導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0021】請求項8の発明は、前記電流測定手段によ
って測定した電流値に基づいて前記導電性糸の抵抗値を
演算する演算手段とよりなることを特徴とする請求項7
記載の導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0022】請求項1、2、3の導電性糸の抵抗値測定
装置であると、導電性糸が一対の電極と接触しつつ走行
し、演算手段はその走行に合わせて、一対の電極間の電
圧値を測定する。従って、導電性糸の長さに応じて電圧
値を測定することができ、この電圧値と、定電流付与手
段に流している電流の値により、導電性糸の抵抗値を演
算することができる。
【0023】請求項4,5,6の導電性糸の抵抗値測定
装置であると、導電性糸が一対の電極と接触しつつ走行
し、演算手段はその走行に合わせて、一対の電極間の電
圧値またはその間を流れる電流値を測定する。したがっ
て、導電性糸の長さに応じて電圧値または電流値を測定
することができ、この電圧値または電流値と、定電力付
与手段によって与えられた電力値により、導電性糸の抵
抗値を演算することができる。
【0024】請求項7、8の導電性糸の抵抗値測定装置
であると、導電性糸が一対の電極と接触しつつ走行し、
演算手段はその走行に合わせて、一対の電極間の電流値
を測定する。従って、導電性糸の長さに応じて電流値を
測定することができ、この電流値と、定電圧付与手段で
印加している電圧値により、導電性糸の抵抗値を演算す
ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1の実施例)以下、本発明の
第1の実施例を図1〜図5に基づいて説明する。
【0026】まず、本実施例の回転型ブラシロール10
を使用する電子写真装置は、図1に示すプリンタであ
る。
【0027】このプリンタは、図1に示すように、その
中央部に感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1
は図示しない駆動装置によって反時計方向に回転駆動さ
せている。この感光体ドラム1の周囲にはブラシ帯電装
置2、露光装置3、現像装置4、転写チャージャ5及び
分離チャージャ6が順次配置されている。
【0028】ブラシ帯電装置2は、本実施例のブラシロ
ール10を用いた接触帯電装置であり、そのブラシロー
ル10が感光体ドラム1に接触して図中の時計方向、ま
たは、反時計方向に回転駆動され、電源8より直流電
圧、または、交流電圧が直流電圧に重畳した電圧が印加
されて、感光体ドラム1の表面をマイナス、または、プ
ラスに帯電させるものである。
【0029】以下、この回転型ブラシロール10に使用
されるリボン状のブラシ体12の構造について説明す
る。なお、このブラシ体12は、従来技術の図9で示す
ように、芯棒ローラ12に螺旋状に巻回して回転型ブラ
シロール10を形成するものである。
【0030】ブラシ体14は、図2に示すように、基布
16にブラシ毛を構成する導電性糸18を、縦方向に沿
って広幅縦ダン織りでパイル織りを行っている。そし
て、本実施例の特徴は、これに使用されるそれぞれの導
電性糸18の抵抗値の標準偏差sの範囲は0.4以下の
ものを使用している点にある。
【0031】具体的には、図2において、縦方向に導電
性糸18が5本使用されている(但し、この5本は、説
明を簡単にするためのものであり、実際の本数はもっと
多い)。これら5本の導電性糸18の1本ずつの単位長
さ毎の抵抗値R(i)を測定する。但し、iは1からn
までの自然数であり、i=1の位置が導電性糸18の始
端の位置を示し、i=nの位置が導電性糸18の終端の
位置(例えば、導電性糸18の長さが50mであれば5
0mの位置)を示す。
【0032】このようにして求めた抵抗値R(i)か
ら、まず、抵抗値R(i)の平均値をR0 求め、そし
て、次の(1)式より導電性糸18の1本毎の標準偏差
sを求める。
【0033】
【数1】 このようにして5本のそれぞれの標準偏差sを求め、こ
れら5本の標準偏差sをそれぞれs1,s2,s3,s
4,s5とすると、これらの標準偏差の範囲がそれぞれ
0.4以下になるものを使用している。
【0034】これを製造工程に沿って説明すれば、ま
ず、多数本の導電性糸18の1本毎の標準偏差sを求め
ておく。この中から誤差の範囲が0.4以下になる導電
性糸18を5本選択する。
【0035】このように、標準偏差sの範囲が0.4以
下の導電性糸18を使用すると、その抵抗にバラツキの
発生がなく、規則的に縞模様が浮き出ることがない。
【0036】なお、標準偏差sの範囲を0.4以下とし
たが、0.6以下でも規則的に縞模様が浮き出ることが
ない。
【0037】次に、導電性糸18の抵抗値を測定するた
めの測定装置について、図3〜図4に基づいて説明す
る。
【0038】図3は、測定装置20の概略図である。
【0039】図3に示すように、一対の棒状の電極2
2,24が設けられ、これには、定電流源によって一定
の電流Iが流れるようになっている。また、一対の棒状
の電極22,24の間には、電圧計26が設けられてい
る。この電圧計26の電圧値はA/Dコンバータ28を
介してパソコン30に入力される。
【0040】一方、一対の電極22,24の前方及び後
方には案内ローラ32,34が設けられている。そし
て、案内ローラ32の前方には、導電性糸18を巻回し
た巻回部材36が設けられ、案内ローラ34の後方には
導電性糸18を巻き取るための駆動ローラ38が設けら
れている。この駆動ローラ38は、モータ40によっ
て、一定速度Uで回転する。
【0041】この測定装置20は、導電性糸18の製造
工程上、例えばカセからコーンに巻く間に設置してこの
工程で抵抗値が測定できる。従って、コーン毎に抵抗値
データを添付しておくことにより管理できる。また、抵
抗値を測定するために特別の工程を要しない。
【0042】そして、ナイロンやポリエステルの糸の導
電糸は延伸度合いで抵抗値の微調整が行われるので、糸
の延伸時に図3の測定を行い、その測定値により延伸度
合いにフィードバックをかけることができる。
【0043】図4は、一対の電極22,24及び案内ロ
ーラ32,34を上方から見た斜視図となっている。
【0044】導電性糸18は、図4に示すように、一対
の電極22,24に接触しつつ走行する構造となってい
る。そのため、この一対の電極22,24の間の電流値
を測定することによって、導電性糸18の長さ方向の電
圧値V(t)を連続して測定することができる。なお、
一対の電極22,24の距離は1.5cmとする。
【0045】次に、測定装置20を用いて導電性糸18
の抵抗値を測定する方法について説明する。
【0046】駆動ローラ38をモータ40によって速度
Uで走行させる。すると、導電性糸18は、一対の電極
22,24に接触しつつ走行する。この場合に、一対の
電極22,24間の電圧値V(t)を連続して測定する
と、一定の電流値Iとから一本の導電性糸18の長さ方
向の抵抗値R(t)を(2)式に示すように連続して得
ることができる。
【0047】R(t)=V(t)/I………(2) なお、時間tは、速度Uから導電性糸18の長さに換算
できる。
【0048】この測定した結果が図5のグラフとなって
いる。縦軸が抵抗値Rであり、横軸が導電性糸18の始
端からの距離(導電性糸18の長さ)となっている。
【0049】パソコン30では、この入力した抵抗値R
から単位長さ毎の抵抗値R(i)を抽出して(1)式を
用いて、その導電性糸18の標準偏差sを求める。
【0050】これにより、導電性糸18が長い場合であ
っても正確に単位長さ毎の抵抗値と標準偏差sを求める
ことができる。
【0051】また、一対の電極22,24に接触しつつ
走行する導電性糸18に流れる電流の値を定電流源によ
って小さな値にすることにより、この電流によって発熱
する発熱量を抑えることができる。すなわち、導電性糸
18の場合には、大きな電流値を与えた場合には発熱し
て、この発熱により導電性糸18の単位長さ当たりの抵
抗値が変化することがある。そのため、この電流値を小
さな値にすることにより発熱を防止することができ、正
確な抵抗値を測定することができる。なお、この場合に
流す電流値は予め実験等によって発熱による抵抗の変化
を防止することができる程度の電流値を定めておくのが
よい。
【0052】(第2の実施例)次に第2の実施例のブラ
シ体14を説明する。
【0053】ブラシ体14は、第1の実施例の同様に図
2に示すように、基布16にブラシ毛を構成する導電性
糸18を、縦方向に沿って広幅縦ダン織りでパイル織り
を行っている。そして、本実施例の特徴は、次の通りで
ある。
【0054】まず、5本の導電性糸18の抵抗値の平均
値R0 をそれぞれ求め、これら平均値R0 の差が10
0.3Ωのものを使用している点にある。
【0055】なお、平均値R0 の差が100.3Ω以下
としたが100.5Ω以下でも効果がある。
【0056】また、この平均値R0 も上記した測定装置
20で測定すればよい。
【0057】(第3の実施例)第3の実施例のブラシ体
14は、第1の実施例の条件と第2の実施例の条件とを
組合わせたものであり、具体的には、1本ずつの導電性
糸18の標準偏差sの範囲が0.4以下であり、かつ、
これら導電性糸18の平均値R0 の差が10 .3Ωの
ものである。
【0058】このブラシ体14であると、さらに、高画
質の画像を得ることができる。
【0059】(第4の実施例)上記実施例では、回転型
ブラシロール10で説明したが、これ代えて、フラット
型のブラシにおける導電性糸でも第1の実施例から第3
の実施例までの上記同様の条件を与えれば、高画質の画
像を得ることができる。
【0060】(第5の実施例)第1の実施例では定電流
源によって一定の電流値Iを流したが、本実施例ではそ
れに代えて一定の電力値を与えるようにするものであ
る。
【0061】すなわち、図6に示すように、一対の電極
間の電圧値を測定する電圧計52と、一対の電極間2
2,24に流れる電流値を電流計54によって測定し、
これをA/Dコンバータによってデジタル値28によっ
て変換してパソコン30に入力する。パソコン30は、
入力した電流値と電圧値の積によって電力値を計算し、
この電力値が常に一定になるように定電力発生装置50
を調整する。
【0062】これによって、一対の電極22,24の間
には常に一定の電力が与えられることになる。このよう
にした状態で、第1の実施例と同様に22,24の間に
導電性糸18を走行させて、その時の電圧値を電圧計5
2によって測定する。この測定した電圧値と前記した電
力の値Wから抵抗値R(t)を計算する。具体的には、 R(t)=V(t)/W …… (3) となる。
【0063】なお、上記においては、電圧計52の電圧
値V(t)を使用したが、これに代えて電流計54の電
流値A(t)を使用しても良い。この場合には、抵抗値
R(t)は、 R(t)=W/A(t) …… (4) によって求めることができる。
【0064】この方法であっても、導電性糸18に流れ
る電力の量を調整することにより、その発熱を防止し
て、抵抗値が変化するのを防ぐことができる。
【0065】(第6の実施例)第1の実施例では定電流
源によって一定の電流値Iを流したが、本実施例ではそ
れに代えて一定の電圧値を与えるようにするものであ
る。
【0066】図7は、測定装置20の概略図である。
【0067】図7に示すように、一対の棒状の電極2
2,24が設けられ、これに電圧Eがかけられ、この回
路には電流計27が設けられている。この電流計27の
電流値はA/Dコンバータ28を介してパソコン30に
入力される。
【0068】一方、一対の電極22,24の前方及び後
方には案内ローラ32,34が設けられている。そし
て、案内ローラ32の前方には、導電性糸18を巻回し
た巻回部材36が設けられ、案内ローラ34の後方には
導電性糸18を巻き取るための駆動ローラ38が設けら
れている。この駆動ローラ38は、モータ40によっ
て、一定速度Uで回転する。
【0069】導電性糸18は、図7に示すように、一対
の電極22,24に接触しつつ走行する構造となってい
る。そのため、この一対の電極22,24の間の電流値
を測定することによって、導電性糸18の長さ方向の電
流値A(t)を連続して測定することができる。なお、
一対の電極22,24の距離は1.5cmとする。
【0070】次に、測定装置20を用いて導電性糸18
の抵抗値を測定する方法について説明する。
【0071】駆動ローラ38をモータ40によって速度
Uで走行させる。すると、導電性糸18は、一対の電極
22,24に接触しつつ走行する。この場合に、一対の
電極22,24の電流値A(t)を連続して測定する
と、電圧Eの値とから一本の導電性糸18の長さ方向の
抵抗値R(t)を(5)式に示すように連続して得るこ
とができる。
【0072】R(t)=E/A(t)………(5) なお、時間tは、走行速度Uから導電性糸18の長さに
換算できる。
【0073】パソコン30では、この入力した抵抗値R
(t)から単位長さ毎の抵抗値R(i)を抽出して
(1)式を用いて、その導電性糸18の標準偏差sを求
める。
【0074】これにより、導電性糸18が長い場合であ
っても正確に単位長さ毎の抵抗値と標準偏差sを求める
ことができる。
【0075】(第7の実施例)上記実施例においては、
一対の電極22,24は棒状の電極、具体的には図4に
示すような円柱形の電極を用いたが、これに代えて板状
の電極または、導電性糸18がスムーズに接触する形状
であれば、断面が円形に限らず楕円形、その他三角形の
形であっても良い。
【0076】(検 証)例として、導電糸を導電性レー
ヨン(比重1.5)を帯電ブラシとして使用する場合に
ついて検証する。
【0077】通常、帯電ブラシは糸の太さ6デニール、
糸の長さ5.0mm、植毛密度5万フィラメント/1イン
2のブラシで感光体へのニップ幅5mmで紙幅A4(約
200mm)を5〜100μAの直流電流を流して感光体
を帯電させている。
【0078】感光体に接触している導電糸の本数: 5×200/25.4×50,000=約8.0×10(フィラメン
ト) 帯電時1フィラメント当たり流れる電流: (5〜100μA)/8.0×10=約6×10−5〜1.2
×10−3(μA) 実験によると導電糸の抵抗値を測定するとき、上記の帯
電時に流れる電流値より測定電流を大きくすればするほ
どブラシにしたときの抵抗値との乖離が大きくなる。測
定電流は帯電時の電流値の5〜6倍以下の電流値とする
とブラシ抵抗値との相関が良くとれることが判明した。
【0079】導電糸の抵抗値としては比抵抗で103
107Ω・cmレベルのものが用いられるので上記を表に
まとめると
【表1】 したがって、第1の実施例における一定の電流を流す場
合には、前記したように帯電時の電流値の5〜6倍以下
の電流値が好適であるため、1.2×10−3(μA)の
約6倍が導電糸に流す電流の最大値となる。すなわち、
約8×10−3(μA)が最大値であるので、この値以下
の電流を流すのがよい。
【0080】また、第5の実施例の場合には、一定の電
力を付与するときに、約8×10−3(μA)以下の電流
が流れるように電力を付与するのが好適である。
【0081】さらに、第6の実施例の場合にも、約8×
10−3(μA)以下の電流が流れるように電力を付与す
るのが好適である。すなわち、103Ω・cmレベルの導
電糸の場合、導電糸1フィラメント、1cm当たり1.4
×10−1Vの5〜6倍(=約20V)以下の電圧で測
定すべきであり、107Ω・cmレベルの導電糸の場合は
2×10V以下で測定すべきである。
【0082】
【発明の効果】本発明の導電性糸の抵抗値測定装置であ
ると、正確に、かつ、連続して導電性糸の抵抗値を測定
することができる。そのために、原糸の段階で仕上がっ
たブラシ帯電器、ブラシ転写器の抵抗値を判断できるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタの概略図である。
【図2】本実施例のブラシ体の平面図である。
【図3】本実施例の測定装置の概略図である。
【図4】本実施例の測定装置の要部拡大斜視図である。
【図5】測定装置によって測定した測定結果を示すデー
タのグラフである。
【図6】第5の実施例の、一対の電極間の回路図であ
る。
【図7】第5の実施例の、一対の電極間の回路図であ
る。
【図8】ブラシ体における基布にパイル織りをした状態
の平面図である。
【図9】従来のブラシ体の平面図である。
【図10】芯棒ロールにブラシ体を螺旋状に巻回する説
明図である。
【符号の説明】 10 ブラシロール 14 ブラシ体 16 基布 18 導電性糸 20 測定装置 22 電極 24 電極 26 電圧計
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月13日(1999.10.
13)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 導電性糸の抵抗値測定装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置のブ
ラシ帯電器及びブラシ転写器等に使用される導電性糸の
抵抗値測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタ、コピー機等の電子写真
装置のブラシ帯電器及びブラシ転写器に使用される回転
型ブラシロールは、下記のような方法で製造されてい
た。
【0003】図7に示すように、基布116にブラシ毛
を構成する導電性糸118を、図8における縦方向に沿
って広幅縦ダン織りでパイル織りを行っている。そし
て、このパイル織り方向に沿って、所定間隔毎に切断し
て(図7中の点線が切断線126を示す)、図8に示す
ようなリボン状のブラシ体114を形成している。
【0004】図9に示すようなリボン状のブラシ体11
4を形成した後、図10に示すように芯棒ローラ112
に螺旋状に巻回して回転型ブラシロール110を形成し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブラシ
ロール110に使用される導電性糸118には、一本一
本の抵抗値にバラツキがあるため、上記のようなブラシ
ロール110を使用して帯電を行った場合には、ブラシ
ロール110の回転方向に沿って帯電にバラツキが発生
し、この帯電によって形成された画像には、ブラシロー
ル110の回転方向の抵抗値のバラツキに沿って規則的
に縞模様が浮出るという問題があった。
【0006】一方、最近の画像形成装置において白黒で
は、より高画質が望まれ、一方カラー化も望まれている
ので、より均一な画像が必要となっている。
【0007】ところが、ブラシロール110の回転方向
の抵抗のバラツキが、縞模様が浮き出る原因であること
は明確であったが、このブラシロール110に使用され
る導電性糸118の抵抗値を測る装置が従来は提案され
ていなかった。
【0008】そのために、帯電,転写用ブラシは半導電
領域の抵抗値(10〜10Ω・cmレベル)の導電
糸が用いられるが従来は、次の問題点があった。
【0009】第1に導電糸の抵抗値が正確に把握できな
かった。
【0010】例えば、導電糸の抵抗値の測定方法が不適
切であると、ブラシに製造してブラシとしての抵抗値と
元の導電糸での抵抗値との相関が取れなくなって、期待
する抵抗値のブラシを作ることができなかった。
【0011】第2に、抵抗値が高いため絶縁抵抗計のよ
うなもので測定していたが、糸での抵抗値とブラシにし
て帯電等の機能上の抵抗値とを常に一致させることがで
きなかった。従って、ねらい通りのブラシ抵抗を得るの
が困難で歩留まりが向上しなかった。
【0012】第3に、半導電領域の抵抗値は、導電糸へ
添加するカーボン量の微量変動によって大きく変動す
る。従って、コーン毎の平均抵抗値として1〜2乗オー
ダーの大きなバラツキを許容しないと糸の製造ができな
かった。
【0013】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、ブラ
シ帯電器及びブラシ転写器回転型ブラシの導電性ブラシ
毛に使用される導電性糸の抵抗値の測定装置を提供する
ものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電子
写真装置のブラシ帯電器及びブラシ転写器等の導電性ブ
ラシ毛に使用される導電性糸の抵抗値の測定装置におい
て、前記導電性糸が接触する一対の電極と、前記導電性
糸を所定の速度で走行させる走行手段と、前記一対の電
極間に一定の電流を流す定電流付与手段と、前記一対の
電極間の電圧値を測定する電圧測定手段とよりなること
を特徴とする導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0015】請求項2の発明は、前記電圧測定手段によ
って測定した電圧値と、前記定電流付与手段によって流
される電流値に基づいて前記導電性糸の抵抗値を演算す
る演算手段とよりなることを特徴とする請求項1記載の
導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0016】請求項3の発明は、前記導電糸1フィラメ
ント、1cm当たりに流れる電流が8×10−3μA以下
の一定の電流で測定することを特徴とする請求項1記載
の導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0017】請求項4の発明は、電子写真装置のブラシ
帯電器及びブラシ転写器等の導電性ブラシ毛に使用され
る導電性糸の抵抗値の測定装置において、前記導電性糸
が接触する一対の電極と、前記導電性糸を所定の速度で
走行させる走行手段と、前記一対の電極間に一定の電力
を与える定電力付与手段と、前記一対の電極間の電圧値
または前記一対の電極に流れる電流値を測定する測定手
段とよりなることを特徴とする導電性糸の抵抗値測定装
置である。
【0018】請求項5の発明は、前記測定手段によって
測定した電圧値または電流値と、前記定電力付与手段に
よって与えている電力値に基づいて前記導電性糸の抵抗
値を演算する演算手段とよりなることを特徴とする請求
項4記載の導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0019】請求項6の発明は、前記導電糸1フィラメ
ント、1cm当たりに流れる電流が8×10−3μA以下
になる一定の電力で測定することを特徴とする請求項4
記載の導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0020】請求項7の発明は、電子写真装置のブラシ
帯電器及びブラシ転写器等の導電性ブラシ毛に使用され
る導電性糸の抵抗値の測定装置において、前記導電性糸
が接触する一対の棒状の電極と、前記導電性糸を所定の
速度で走行させる走行手段と、前記一対の電極間に一定
の電圧をかける電圧手段と、前記一対の電極間の電流値
を測定する電流測定手段とよりなり、前記導電糸1フィ
ラメント、1cm当たりに流れる電流が8×10−3μA
となる電圧以下の一定電圧で測定することを特徴とする
導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0021】請求項8の発明は、前記電流測定手段によ
って測定した電流値に基づいて前記導電性糸の抵抗値を
演算する演算手段とよりなることを特徴とする請求項7
記載の導電性糸の抵抗値測定装置である。
【0022】請求項9の発明は、請求項1から請求湖8
記載のいづれかの抵抗値測定装置により複数本の導電性
糸の単位長さ毎の抵抗値を測定し、この測定した前記各
導電性糸の単位長さ毎の抵抗値の平均値R0をそれぞれ
求め、そして、これら平均値R0に基づいて選択された
導電性糸を、電子写真装置用導電性ブラシのブラシ毛と
することを特徴とする電子写真装置用導電性ブラシであ
る。請求項1、2、3の導電性糸の抵抗値測定装置であ
ると、導電性糸が一対の電極と接触しつつ走行し、演算
手段はその走行に合わせて、一対の電極間の電圧値を測
定する。従って、導電性糸の長さに応じて電圧値を測定
することができ、この電圧値と、定電流付与手段に流し
ている電流の値により、導電性糸の抵抗値を演算するこ
とができる。
【0023】請求項4,5,6の導電性糸の抵抗値測定
装置であると、導電性糸が一対の電極と接触しつつ走行
し、演算手段はその走行に合わせて、一対の電極間の電
圧値またはその間を流れる電流値を測定する。したがっ
て、導電性糸の長さに応じて電圧値または電流値を測定
することができ、この電圧値または電流値と、定電力付
与手段によって与えられた電力値により、導電性糸の抵
抗値を演算することができる。
【0024】請求項7、8の導電性糸の抵抗値測定装置
であると、導電性糸が一対の電極と接触しつつ走行し、
演算手段はその走行に合わせて、一対の電極間の電流値
を測定する。従って、導電性糸の長さに応じて電流値を
測定することができ、この電流値と、定電圧付与手段で
印加している電圧値により、導電性糸の抵抗値を演算す
ることができる。
【0025】請求項9の電子写真装置用導電性ブラシで
あると、その抵抗にバラツキの発生がなく、帯電によっ
て形成された画像に規則的に縞模様が浮き出ない。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1の実施例)以下、本発明の
第1の実施例を図1〜図5に基づいて説明する。
【0027】まず、本実施例の回転型ブラシロール10
を使用する電子写真装置は、図1に示すプリンタであ
る。
【0028】このプリンタは、図1に示すように、その
中央部に感光体ドラム1を備えている。感光体ドラム1
は図示しない駆動装置によって反時計方向に回転駆動さ
せている。この感光体ドラム1の周囲にはブラシ帯電装
置2、露光装置3、現像装置4、転写チャージャ5及び
分離チャージャ6が順次配置されている。
【0029】ブラシ帯電装置2は、本実施例のブラシロ
ール10を用いた接触帯電装置であり、そのブラシロー
ル10が感光体ドラム1に接触して図中の時計方向、ま
たは、反時計方向に回転駆動され、電源8より直流電
圧、または、交流電圧が直流電圧に重畳した電圧が印加
されて、感光体ドラム1の表面をマイナス、または、プ
ラスに帯電させるものである。
【0030】以下、この回転型ブラシロール10に使用
されるリボン状のブラシ体12の構造について説明す
る。なお、このブラシ体12は、従来技術の図9で示す
ように、芯棒ローラ12に螺旋状に巻回して回転型ブラ
シロール10を形成するものである。
【0031】ブラシ体14は、図2に示すように、基布
16にブラシ毛を構成する導電性糸18を、縦方向に沿
って広幅縦ダン織りでパイル織りを行っている。そし
て、本実施例の特徴は、これに使用されるそれぞれの導
電性糸18の抵抗値の標準偏差sの範囲は0.4以下の
ものを使用している点にある。
【0032】具体的には、図2において、縦方向に導電
性糸18が5本使用されている(但し、この5本は、説
明を簡単にするためのものであり、実際の本数はもっと
多い)。これら5本の導電性糸18の1本ずつの単位長
さ毎の抵抗値R(i)を測定する。但し、iは1からn
までの自然数であり、i=1の位置が導電性糸18の始
端の位置を示し、i=nの位置が導電性糸18の終端の
位置(例えば、導電性糸18の長さが50mであれば5
0mの位置)を示す。
【0033】このようにして求めた抵抗値R(i)か
ら、まず、抵抗値R(i)の平均値R0 求め、そし
て、次の(1)式より導電性糸18の1本毎の標準偏差
sを求める。
【0034】
【数1】 このようにして5本のそれぞれの標準偏差sを求め、こ
れら5本の標準偏差sをそれぞれs1,s2,s3,s
4,s5とすると、これらの標準偏差の範囲がそれぞれ
0.4以下になるものを使用している。
【0035】これを製造工程に沿って説明すれば、ま
ず、多数本の導電性糸18の1本毎の標準偏差sを求め
ておく。この中から誤差の範囲が0.4以下になる導電
性糸18を5本選択する。
【0036】このように、標準偏差sの範囲が0.4以
下の導電性糸18を使用すると、その抵抗にバラツキの
発生がなく、規則的に縞模様が浮き出ることがない。
【0037】なお、標準偏差sの範囲を0.4以下とし
たが、0.6以下でも規則的に縞模様が浮き出ることが
ない。
【0038】次に、導電性糸18の抵抗値を測定するた
めの測定装置について、図3〜図4に基づいて説明す
る。
【0039】図3は、測定装置20の概略図である。
【0040】図3に示すように、一対の棒状の電極2
2,24が設けられ、これには、定電流源によって一定
の電流Iが流れるようになっている。また、一対の棒状
の電極22,24の間には、電圧計26が設けられてい
る。この電圧計26の電圧値はA/Dコンバータ28を
介してパソコン30に入力される。
【0041】一方、一対の電極22,24の前方及び後
方には案内ローラ32,34が設けられている。そし
て、案内ローラ32の前方には、導電性糸18を巻回し
た巻回部材36が設けられ、案内ローラ34の後方には
導電性糸18を巻き取るための駆動ローラ38が設けら
れている。この駆動ローラ38は、モータ40によっ
て、一定速度Uで回転する。
【0042】この測定装置20は、導電性糸18の製造
工程上、例えばカセからコーンに巻く間に設置してこの
工程で抵抗値が測定できる。従って、コーン毎に抵抗値
データを添付しておくことにより管理できる。また、抵
抗値を測定するために特別の工程を要しない。
【0043】そして、ナイロンやポリエステルの糸の導
電糸は延伸度合いで抵抗値の微調整が行われるので、糸
の延伸時に図3の測定を行い、その測定値により延伸度
合いにフィードバックをかけることができる。
【0044】図4は、一対の電極22,24及び案内ロ
ーラ32,34を上方から見た斜視図となっている。
【0045】導電性糸18は、図4に示すように、一対
の電極22,24に接触しつつ走行する構造となってい
る。そのため、この一対の電極22,24の間の電流値
を測定することによって、導電性糸18の長さ方向の電
圧値V(t)を連続して測定することができる。なお、
一対の電極22,24の距離は1.5cmとする。
【0046】次に、測定装置20を用いて導電性糸18
の抵抗値を測定する方法について説明する。
【0047】駆動ローラ38をモータ40によって速度
Uで走行させる。すると、導電性糸18は、一対の電極
22,24に接触しつつ走行する。この場合に、一対の
電極22,24間の電圧値V(t)を連続して測定する
と、一定の電流値Iとから一本の導電性糸18の長さ方
向の抵抗値R(t)を(2)式に示すように連続して得
ることができる。
【0048】R(t)=V(t)/I………(2) なお、時間tは、速度Uから導電性糸18の長さに換算
できる。
【0049】この測定した結果が図5のグラフとなって
いる。縦軸が抵抗値Rであり、横軸が導電性糸18の始
端からの距離(導電性糸18の長さ)となっている。
【0050】パソコン30では、この入力した抵抗値R
から単位長さ毎の抵抗値R(i)を抽出して(1)式を
用いて、その導電性糸18の標準偏差sを求める。
【0051】これにより、導電性糸18が長い場合であ
っても正確に単位長さ毎の抵抗値と標準偏差sを求める
ことができる。
【0052】また、一対の電極22,24に接触しつつ
走行する導電性糸18に流れる電流の値を定電流源によ
って小さな値にすることにより、この電流によって発熱
する発熱量を抑えることができる。すなわち、導電性糸
18の場合には、大きな電流値を与えた場合には発熱し
て、この発熱により導電性糸18の単位長さ当たりの抵
抗値が変化することがある。そのため、この電流値を小
さな値にすることにより発熱を防止することができ、正
確な抵抗値を測定することができる。なお、この場合に
流す電流値は予め実験等によって発熱による抵抗の変化
を防止することができる程度の電流値を定めておくのが
よい。
【0053】(第2の実施例)次に第2の実施例のブラ
シ体14を説明する。
【0054】ブラシ体14は、第1の実施例の同様に図
2に示すように、基布16にブラシ毛を構成する導電性
糸18を、縦方向に沿って広幅縦ダン織りでパイル織り
を行っている。そして、本実施例の特徴は、次の通りで
ある。
【0055】まず、5本の導電性糸18の抵抗値の平均
値R0 をそれぞれ求め、これら平均値R0 の差が10
0.3Ωのものを使用している点にある。
【0056】なお、平均値R0 の差が100.3Ω以下
としたが100.5Ω以下でも効果がある。
【0057】また、この平均値R0 も上記した測定装置
20で測定すればよい。
【0058】(第3の実施例)第3の実施例のブラシ体
14は、第1の実施例の条件と第2の実施例の条件とを
組合わせたものであり、具体的には、1本ずつの導電性
糸18の標準偏差sの範囲が0.4以下であり、かつ、
これら導電性糸18の平均値R0 の差が10 .3Ωの
ものである。
【0059】このブラシ体14であると、さらに、高画
質の画像を得ることができる。
【0060】(第4の実施例)上記実施例では、回転型
ブラシロール10で説明したが、これ代えて、フラット
型のブラシにおける導電性糸でも第1の実施例から第3
の実施例までの上記同様の条件を与えれば、高画質の画
像を得ることができる。
【0061】(第5の実施例)第1の実施例では定電流
源によって一定の電流値Iを流したが、本実施例ではそ
れに代えて一定の電力値を与えるようにするものであ
る。
【0062】すなわち、図6に示すように、一対の電極
間の電圧値を測定する電圧計52と、一対の電極間2
2,24に流れる電流値を電流計54によって測定し、
これをA/Dコンバータによってデジタル値28によっ
て変換してパソコン30に入力する。パソコン30は、
入力した電流値と電圧値の積によって電力値を計算し、
この電力値が常に一定になるように定電力発生装置50
を調整する。
【0063】これによって、一対の電極22,24の間
には常に一定の電力が与えられることになる。このよう
にした状態で、第1の実施例と同様に22,24の間に
導電性糸18を走行させて、その時の電圧値を電圧計5
2によって測定する。この測定した電圧値と前記した電
力の値Wから抵抗値R(t)を計算する。具体的には、 R(t)=V(t)/W …… (3) となる。
【0064】なお、上記においては、電圧計52の電圧
値V(t)を使用したが、これに代えて電流計54の電
流値A(t)を使用しても良い。この場合には、抵抗値
R(t)は、 R(t)=W/A(t) …… (4) によって求めることができる。
【0065】この方法であっても、導電性糸18に流れ
る電力の量を調整することにより、その発熱を防止し
て、抵抗値が変化するのを防ぐことができる。
【0066】(第6の実施例)第1の実施例では定電流
源によって一定の電流値Iを流したが、本実施例ではそ
れに代えて一定の電圧値を与えるようにするものであ
る。
【0067】図7は、測定装置20の概略図である。
【0068】図7に示すように、一対の棒状の電極2
2,24が設けられ、これに電圧Eがかけられ、この回
路には電流計27が設けられている。この電流計27の
電流値はA/Dコンバータ28を介してパソコン30に
入力される。
【0069】一方、一対の電極22,24の前方及び後
方には案内ローラ32,34が設けられている。そし
て、案内ローラ32の前方には、導電性糸18を巻回し
た巻回部材36が設けられ、案内ローラ34の後方には
導電性糸18を巻き取るための駆動ローラ38が設けら
れている。この駆動ローラ38は、モータ40によっ
て、一定速度Uで回転する。
【0070】導電性糸18は、図7に示すように、一対
の電極22,24に接触しつつ走行する構造となってい
る。そのため、この一対の電極22,24の間の電流値
を測定することによって、導電性糸18の長さ方向の電
流値A(t)を連続して測定することができる。なお、
一対の電極22,24の距離は1.5cmとする。
【0071】次に、測定装置20を用いて導電性糸18
の抵抗値を測定する方法について説明する。
【0072】駆動ローラ38をモータ40によって速度
Uで走行させる。すると、導電性糸18は、一対の電極
22,24に接触しつつ走行する。この場合に、一対の
電極22,24の電流値A(t)を連続して測定する
と、電圧Eの値とから一本の導電性糸18の長さ方向の
抵抗値R(t)を(5)式に示すように連続して得るこ
とができる。
【0073】R(t)=E/A(t)………(5) なお、時間tは、走行速度Uから導電性糸18の長さに
換算できる。
【0074】パソコン30では、この入力した抵抗値R
(t)から単位長さ毎の抵抗値R(i)を抽出して
(1)式を用いて、その導電性糸18の標準偏差sを求
める。
【0075】これにより、導電性糸18が長い場合であ
っても正確に単位長さ毎の抵抗値と標準偏差sを求める
ことができる。
【0076】(第7の実施例)上記実施例においては、
一対の電極22,24は棒状の電極、具体的には図4に
示すような円柱形の電極を用いたが、これに代えて板状
の電極または、導電性糸18がスムーズに接触する形状
であれば、断面が円形に限らず楕円形、その他三角形の
形であっても良い。
【0077】(検 証)例として、導電糸を導電性レー
ヨン(比重1.5)を帯電ブラシとして使用する場合に
ついて検証する。
【0078】通常、帯電ブラシは糸の太さ6デニール、
糸の長さ5.0mm、植毛密度5万フィラメント/1イン
2のブラシで感光体へのニップ幅5mmで紙幅A4(約
200mm)を5〜100μAの直流電流を流して感光体
を帯電させている。
【0079】感光体に接触している導電糸の本数: 5×200/25.4×50,000=約8.0×10(フィラメン
ト) 帯電時1フィラメント当たり流れる電流: (5〜100μA)/8.0×10=約6×10−5〜1.2
×10−3(μA) 実験によると導電糸の抵抗値を測定するとき、上記の帯
電時に流れる電流値より測定電流を大きくすればするほ
どブラシにしたときの抵抗値との乖離が大きくなる。測
定電流は帯電時の電流値の5〜6倍以下の電流値とする
とブラシ抵抗値との相関が良くとれることが判明した。
【0080】導電糸の抵抗値としては比抵抗で103
107Ω・cmレベルのものが用いられるので上記を表に
まとめると
【表1】 したがって、第1の実施例における一定の電流を流す場
合には、前記したように帯電時の電流値の5〜6倍以下
の電流値が好適であるため、1.2×10−3(μA)の
約6倍が導電糸に流す電流の最大値となる。すなわち、
約8×10−3(μA)が最大値であるので、この値以下
の電流を流すのがよい。
【0081】また、第5の実施例の場合には、一定の電
力を付与するときに、約8×10−3(μA)以下の電流
が流れるように電力を付与するのが好適である。
【0082】さらに、第6の実施例の場合にも、約8×
10−3(μA)以下の電流が流れるように電力を付与す
るのが好適である。すなわち、103Ω・cmレベルの導
電糸の場合、導電糸1フィラメント、1cm当たり1.4
×10−1Vの5〜6倍(=約20V)以下の電圧で測
定すべきであり、107Ω・cmレベルの導電糸の場合は
2×10V以下で測定すべきである。
【0083】
【発明の効果】請求項1から8の導電性糸の抵抗値測定
装置であると、正確に、かつ、連続して導電性糸の抵抗
値を測定することができる。そのために、原糸の段階で
仕上がったブラシ帯電器、ブラシ転写器の抵抗値を判断
できるようになった。
【0084】請求項9の電子写真装置用導電性ブラシで
あると、その抵抗にバラツキの発生がなく、帯電によっ
て形成された画像に規則的に縞模様が浮き出ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタの概略図である。
【図2】本実施例のブラシ体の平面図である。
【図3】本実施例の測定装置の概略図である。
【図4】本実施例の測定装置の要部拡大斜視図である。
【図5】測定装置によって測定した測定結果を示すデー
タのグラフである。
【図6】第5の実施例の、一対の電極間の回路図であ
る。
【図7】第5の実施例の、一対の電極間の回路図であ
る。
【図8】ブラシ体における基布にパイル織りをした状態
の平面図である。
【図9】従来のブラシ体の平面図である。
【図10】芯棒ロールにブラシ体を螺旋状に巻回する説
明図である。
【符号の説明】 10 ブラシロール 14 ブラシ体 16 基布 18 導電性糸 20 測定装置 22 電極 24 電極 26 電圧計
フロントページの続き (72)発明者 西里 尚浩 奈良県生駒市北田原町1723番地 東英産業 株式会社内 Fターム(参考) 2G028 AA01 BC10 CG02 DH03 DH13 FK01 FK02 GL07 HN09 JP01 MS03 2G060 AA09 AA20 AE40 AF07 AG07 AG11 HC10 2H003 BB11 CC06 EE11 2H034 BD04 3F115 CA34 CC17 CC26 CC30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子写真装置のブラシ帯電器及びブラシ転
    写器等の導電性ブラシ毛に使用される導電性糸の抵抗値
    の測定装置において、 前記導電性糸が接触する一対の電極と、 前記導電性糸を所定の速度で走行させる走行手段と、 前記一対の電極間に一定の電流を流す定電流付与手段
    と、 前記一対の電極間の電圧値を測定する電圧測定手段とよ
    りなることを特徴とする導電性糸の抵抗値測定装置。
  2. 【請求項2】前記電圧測定手段によって測定した電圧値
    と、前記定電流付与手段によって流される電流値に基づ
    いて前記導電性糸の抵抗値を演算する演算手段とよりな
    ることを特徴とする請求項1記載の導電性糸の抵抗値測
    定装置。
  3. 【請求項3】前記導電糸1フィラメント、1cm当たりに
    流れる電流が8×10−3μA以下の一定の電流で測定
    することを特徴とする請求項1記載の導電性糸の抵抗値
    測定装置。
  4. 【請求項4】電子写真装置のブラシ帯電器及びブラシ転
    写器等の導電性ブラシ毛に使用される導電性糸の抵抗値
    の測定装置において、 前記導電性糸が接触する一対の電極と、 前記導電性糸を所定の速度で走行させる走行手段と、 前記一対の電極間に一定の電力を与える定電力付与手段
    と、 前記一対の電極間の電圧値または前記一対の電極に流れ
    る電流値を測定する測定手段とよりなることを特徴とす
    る導電性糸の抵抗値測定装置。
  5. 【請求項5】前記測定手段によって測定した電圧値また
    は電流値と、前記定電力付与手段によって与えている電
    力値に基づいて前記導電性糸の抵抗値を演算する演算手
    段とよりなることを特徴とする請求項4記載の導電性糸
    の抵抗値測定装置。
  6. 【請求項6】前記導電糸1フィラメント、1cm当たりに
    流れる電流が8×10−3μA以下になる一定の電力で
    測定することを特徴とする請求項4記載の導電性糸の抵
    抗値測定装置。
  7. 【請求項7】電子写真装置のブラシ帯電器及びブラシ転
    写器等の導電性ブラシ毛に使用される導電性糸の抵抗値
    の測定装置において、 前記導電性糸が接触する一対の棒状の電極と、 前記導電性糸を所定の速度で走行させる走行手段と、 前記一対の電極間に一定の電圧をかける電圧手段と、 前記一対の電極間の電流値を測定する電流測定手段とよ
    りなり、 前記導電糸1フィラメント、1cm当たりに流れる電流が
    8×10−3μAとなる電圧以下の一定電圧で測定する
    ことを特徴とする導電性糸の抵抗値測定装置。
  8. 【請求項8】前記電流測定手段によって測定した電流値
    に基づいて前記導電性糸の抵抗値を演算する演算手段と
    よりなることを特徴とする請求項7記載の導電性糸の抵
    抗値測定装置。
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