JP2001054710A - フィルターカートリッジ - Google Patents

フィルターカートリッジ

Info

Publication number
JP2001054710A
JP2001054710A JP23161699A JP23161699A JP2001054710A JP 2001054710 A JP2001054710 A JP 2001054710A JP 23161699 A JP23161699 A JP 23161699A JP 23161699 A JP23161699 A JP 23161699A JP 2001054710 A JP2001054710 A JP 2001054710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
filter cartridge
band
fiber
shaped
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23161699A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Nobuhara
秀雄 信原
Osamu Yamaguchi
修 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP23161699A priority Critical patent/JP2001054710A/ja
Priority to PCT/JP2000/001998 priority patent/WO2000057988A1/ja
Priority to KR1020017012318A priority patent/KR100875842B1/ko
Priority to US09/937,129 priority patent/US7033497B1/en
Priority to DE10084425T priority patent/DE10084425T1/de
Publication of JP2001054710A publication Critical patent/JP2001054710A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】通水性や濾過ライフに優れたフィルターカート
リッジを提供する。 【解決手段】熱可塑性繊維を含有する帯状不織布を少な
くとも2本同時に、有孔筒状体に綾状に巻き付けてなる
フィルターカートリッジで、従来の糸巻き型フィルター
カートリッジに比べて細かい粒子まで捕捉でき、濾過ラ
イフが長く、初期捕集粒径の変化がほとんど見られず、
圧力損失が低いフィルターカートリッジ等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルターカート
リッジに関する。詳しくは熱可塑性繊維を含有する帯状
不織布を、少なくとも2本以上同時に筒状に巻き付け
た、通液性、濾過ライフ、濾過精度の安定性に優れた液
体濾過用フィルターカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、流体を浄化するため、さまざまな
フィルターが開発、生産されている。中でも、濾材の交
換が容易であるカートリッジ型のフィルター(以下フィ
ルターカートリッジと略す)は、工業用液体原料中の懸
濁粒子の除去、ケーク濾過装置から流出したケークの除
去、工業用水の浄化など産業上の幅広い分野で使用され
ている。
【0003】フィルターカートリッジの構造は従来から
いくつかの種類が提案されている。中でも最も典型的な
のは糸巻き型フィルターカートリッジである。これは濾
材となる紡績糸を有孔円筒状のコアに綾状に巻き付けた
後、紡績糸を毛羽立たせて作られる円筒形状のフィルタ
ーカートリッジであり、製造が容易で安価なことから古
くから利用されている。別の構造として不織布積層型フ
ィルターカートリッジがある。これは有孔円筒状のコア
にカーディング不織布などの不織布を数種類、段階的に
同心円状に巻回して作られる円筒形状のフィルターカー
トリッジであり、最近の不織布製造技術の発達により数
種が実用化されている。
【0004】しかしながら、これらのフィルターカート
リッジにもいくつかの欠点がある。例えば、糸巻き型フ
ィルターカートリッジの異物捕集方法は、紡績糸から発
生する毛羽で異物を捕集し、また、紡績糸同士の間隙に
異物をからめ取るというものであるが、毛羽および間隙
の大きさや形の調整が難しいため、捕集できる異物の大
きさや量に限界があるという欠点がある。また、紡績糸
は短繊維から作られるため、フィルターカートリッジに
流体が流れると紡績糸の構成繊維が脱落するという欠点
がある。さらには、紡績糸を製造する際には、原料とな
る短繊維が紡績機に静電気等の原因で付着することを防
ぐため、表面に微量の界面活性剤を塗布することが多
い。このような界面活性剤を塗布した紡績糸から作られ
たフィルターカートリッジで液体を濾過した場合、液の
泡立ち、TOC(全有機炭素量)、COD(化学的酸素
要求量)、電気伝導度の増加など液の清浄度に悪影響を
与えることがある。また、紡績糸は先述したように短繊
維を紡績して作るため、短繊維の紡糸、紡績という少な
くとも2段階の工程を要するため、結果として価格が高
くなることがある。
【0005】また、不織布積層型フィルターカートリッ
ジは、その性能が不織布によって決まる。不織布の製造
は、短繊維をカード機やエアレイド機で交絡させた後、
必要に応じて熱風加熱機や加熱ロールなどで熱処理をし
て作る方法、あるいはメルトブロー法、スパンボンド法
などの直接不織布する方法で行われることが多い。しか
し、カード機、エアレイド機、熱風加熱機、加熱ロー
ル、メルトブロー機、スパンボンド機など不織布製造に
使われるいずれの機械も機械幅方向で目付などの不織布
物性のむらが生じることが多い。そのためにフィルター
カートリッジが品質不良となったり、あるいはむらをな
くすための高度な製造技術を使用して製造コストが高く
なることがある。また、不織布積層型フィルターカート
リッジには1品種につき2〜6種類程度の不織布を使用
する必要があり、さらにはフィルターカートリッジの品
種に応じて異なる不織布を使用する必要があるため、そ
れによっても製造コストが高くなることがある。
【0006】そのような従来のフィルターカートリッジ
の問題点を解決するため、いくつかの方法が提案されて
いる。例えば実公平6−7767号公報には、多孔性を
有するテープ状の紙に撚りを加えながら押し潰して絞り
込みその直径を3mm程度に規制した濾過素材を、多孔
性内筒に密接綾で巻回した形のフィルターカートリッジ
が提案されている。この方法には巻回の巻きピッチを多
孔性内筒より外に向かうに従って大きくすることができ
るという特徴がある。しかし、濾過素材を押し潰して絞
り込む必要があり、そのため異物の捕集は主として濾過
素材の巻きピッチ間で行われるので、従来の紡績糸を使
用した糸巻き型フィルターがその毛羽で異物を捕集して
いたような、濾過素材そのものによる異物捕集が期待し
にくい。それにより、フィルターが表面閉塞して濾過ラ
イフが短くなったり、あるいは通液性におとることがあ
る。
【0007】別の方法として、特開平1−115423
号公報には、細孔が多細穿設されたボビンに、セルロー
ス・スパンボンド不織布を帯状体に裁断して狭孔を通し
撚りを加えたひも状体を巻回した形のフィルターが提案
されている。この方法を使えば従来の針葉樹パルプを精
製したα−セルロースを薄葉紙にしてそれをロール状に
巻き付けたロールティッシュフィルターに比べて機械強
度が高く、水による溶解やバインダの溶出がないフィル
ターを作ることが出来ると考えられる。しかしながら、
このフィルターに利用されるセルロース・スパンボンド
不織布は、紙状の形態をしているため剛性がありすぎ、
従来の糸巻き型フィルターがその毛羽で異物を捕集して
いたような、濾過素材そのものによる異物捕集が期待し
にくい。また、セルロース・スパンボンド不織布は紙状
の形態をしているため液中で膨潤し易く、膨潤によりフ
ィルター強度の減少、濾過精度の変化、通液性の悪化、
濾過ライフの減少などさまざまな問題が生じる可能性が
ある。また、セルロース・スパンボンド不織布の繊維交
点の接着は化学的な処理などで行われることが多いが、
その接着は不十分になることが多く、濾過精度の変化の
原因となったり、あるいは繊維屑の脱落の原因となるこ
とが多いため、安定した濾過性能を得ることが難しい。
【0008】別の方法として、特開平4−45810号
公報には、構成繊維の10重量%以上が0.5デニール
以下に分割されている複合繊維からなるスリット不織布
を、多孔性芯筒上に繊維密度が0.18〜0.30とな
るように巻き付けたフィルターが提案されている。この
方法を利用すると、繊度の小さい繊維によって液体中の
細かな粒子を捕捉できるという特徴がある。しかしなが
ら、複合繊維を分割させるために高圧水などの物理的応
力を使用する必要があり、高圧水加工では不織布全体に
わたって均一に分割させることが難しい。均一に分割さ
れない場合、不織布中のよく分割された箇所と分割が不
十分な箇所とで捕集粒子径に差が生じるため、濾過精度
が粗くなる可能性がある。また、分割する際に用いる物
理的応力により不織布強度が低下することがあるため、
作られたフィルターの強度が低下して使用中に変形しや
すくなったり、あるいはフィルターの空隙率が変化して
通液性が低下する可能性がある。更には不織布強度が低
いと、多孔性芯筒上に巻き付ける際の張力の調整が難し
くなるため、空隙率の微妙な調整が難しくなることがあ
る。さらには、易分割繊維を作るために要求される紡糸
技術や製造時の運転コストの増加によりフィルターの製
造コストが高くなるため、先述したような濾過性能上の
課題を解決すれば製薬工業や電子工業のような高度の濾
過性能が要求される分野の一部には使用できると考えら
れるが、プール水の濾過やメッキ工業用のメッキ液の濾
過のようにフィルターが安価であることが求められる用
途には使用が難しいと思われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
課題を解決し、通液性、濾過ライフ、濾過精度の安定性
に優れた筒状フィルターカートリッジを安価で提供する
ことにある。
【0010】
【解決するための手段】本発明は下記の構成を有する。 (1)熱可塑性繊維を含有する帯状不織布を少なくとも
2本同時に、有孔筒状体に綾状に巻き付けてなるフィル
ターカートリッジ。 (2)帯状不織布が熱可塑性繊維を少なくとも30重量
%含有する不織布である前記(1)項記載のフィルター
カートリッジ。 (3)帯状不織布が幅3〜50mmの熱可塑性長繊維不
織布である前記(1)項若しくは(2)項記載のフィル
ターカートリッジ。 (4)帯状不織布の繊維の交点の少なくとも一部が熱接
着されている前記(1)〜(3)項の何れかに記載のフ
ィルターカートリッジ。 (5)帯状不織布が熱エンボスロールで熱圧着された前
記(1)〜(4)項の何れかに記載のフィルターカート
リッジ。 (6)熱可塑性繊維が、低融点樹脂と高融点樹脂からな
り、それら両樹脂の融点差が10℃以上の複合繊維であ
る前記(1)〜(5)項の何れかに記載のフィルターカ
ートリッジ。 (7)帯状不織布の幅をL1、L2、L3、…、Ln(m
m)とし、各々の幅の帯状不織布の巻き付ける本数をN
1、N2、N3、…、Nnとしたときに、次式(A)の関係
にある前記(1)〜(6)項の何れかに記載のフィルタ
ーカートリッジ。 7≦(L1×N1)+(L2×N2)+…+(Ln×Nn)≦150 (A) (ただし、N1+N2+…+Nnの合計は2以上の整数で
ある。)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルターカートリッジは、熱可塑性繊維を含
有する帯状不織布を少なくとも2本同時に有孔筒状体に
綾状に巻き付けたものである。本発明において、帯状不
織布とは、幅の狭い不織布をいう。
【0012】本発明において、熱可塑性繊維とは熱可塑
性樹脂から作られた繊維をいう。本発明に用いられる熱
可塑性繊維には、溶融紡糸が可能なあらゆる熱可塑性樹
脂を使用することができる。その例として、ポリプロピ
レン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン、共重合ポリプロピレン(例えば、
プロピレンを主体として、エチレン、ブテン−1,4−
メチルペンテン−1等との二元または多元共重合体)等
をはじめとするポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、酸成分と
してテレフタル酸以外にイソフタル酸を加えて共重合し
た低融点ポリエステルをはじめとするポリエステル系樹
脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹
脂、ポリスチレン、ポリウレタンエラストマー、ポリエ
ステルエラストマー、ポリテトラフルオロエチレン等の
熱可塑性樹脂が提示できる。また、乳酸系ポリエステル
などの生分解性樹脂を使用してフィルターカートリッジ
に生分解性を持たせるなど、機能性の樹脂を使用するこ
ともできる。また、ポリオレフィン系樹脂やポリスチレ
ンなどメタロセン触媒で重合できる樹脂を使用すること
は、不織布強力の向上、耐薬品性の向上、生産エネルギ
ーの減少などメタロセン樹脂の特性がフィルターカート
リッジに活かされるために好ましい。また、不織布の熱
接着性や剛性を調整するためにこれらの樹脂をブレンド
して使用しても良い。これらの中でも、フィルターカー
トリッジを常温の水系の液の濾過に使用する場合には耐
薬品性と価格の点からポリプロピレンをはじめとするポ
リオレフィン系樹脂が好ましく、比較的高温の液の濾過
に使用する場合にはポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂が好ましい。
【0013】本発明に用いられる帯状不織布には、熱可
塑性繊維が少なくとも30重量%含まれていることが好
ましい。勿論この熱可塑性繊維が100重量%であって
もよい。帯状不織布に含まれている熱可塑性繊維が30
重量%未満であると熱圧着処理やスル−エア熱処理等で
熱接着した際の不織布強力が低下するため、濾過時に繊
維が脱落し易くなり濾液に混入する恐れが出てくる。帯
状不織布には本発明の目的を損なわない範囲で熱可塑性
繊維以外の繊維を用いることができ、熱可塑性繊維以外
の例としては、レ−ヨン、キュプラ、綿、麻、パルプ、
炭素繊維等が例示できる。
【0014】前記の帯状不織布は、得られる不織布の強
力向上やフィルターからの繊維脱落防止のため、熱可塑
性繊維として熱可塑性長繊維を用いた長繊維不織布であ
ることが好ましい。なお、本発明で使用する長繊維不織
布を構成する繊維は、融点差が10℃以上好ましくは1
5℃以上ある低融点樹脂と高融点樹脂からなる複合繊維
であると不織布の繊維交点の熱接着性が向上する。な
お、融点が存在しない樹脂の場合には流動開始温度を融
点と見なす。複合繊維の形態としては、並列型や鞘芯型
等、低融点樹脂が繊維表面の少なくとも一部に存在する
形態であればよい。繊維交点の熱接着性が向上すると、
フィルターカートリッジとして使用する場合、濾過圧力
や通水量が上がった際に繊維交点付近で捉えられた粒子
が流出する可能性が小さくなり、またフィルターカート
リッジの変形が小さくなり、さらには濾液中に含まれた
物質によって仮に繊維が劣化した場合にも繊維が脱落す
る確率が小さくなるために好ましい。
【0015】前記複合繊維の低融点樹脂と高融点樹脂の
組み合わせは、融点差10℃以上好ましくは15℃以上
あれば特に限定されるものではなく、線状低密度ポリエ
チレン/ポリプロピレン、高密度ポリエチレン/ポリプ
ロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロ
ピレンと他のα−オレフィンとの共重合体/ポリプロピ
レン、線状低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、各種のポリ
エチレン/熱可塑性ポリエステル、ポリプロピレン/熱
可塑性ポリエステル、共重合ポリエステル/熱可塑性ポ
リエステル、各種のポリエチレン/ナイロン6、ポリプ
ロピレン/ナイロン6、ナイロン6/ナイロン66、ナ
イロン6/熱可塑性ポリエステルなどをあげることがで
きる。中でも線状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン
の組み合わせを用いると、長繊維不織布の剛性や空隙率
の調整を前記長繊維不織布製造時の繊維交点の接着の工
程で容易に調節ができるために好ましい。また、比較的
高温の液の濾過に使用する場合にはイソフタル酸を共重
合した低融点ポリエステル/ポリエチレンテレフタレー
トの組合せも好適に用いることができる。
【0016】本発明に好適に使用される長繊維不織布
は、スパンボンド法などにより得られた長繊維不織布で
ある。本発明に使用される長繊維不織布の平均の単糸繊
度は、フィルターカートリッジの用途や樹脂の種類によ
って異なるので一概には規定しがたいが、0.6〜30
00dtexの範囲が望ましい。繊度を3000dte
x以上にすると、単に連続糸を束ねたものを用いる場合
との差がなくなり、長繊維不織布を用いる意味がなくな
る。また0.6dtex以上とすることにより十分な不
織布強力を得ることができ、さらには作られたフィルタ
ーカートリッジの強度も大きくなり好ましい。また、現
行のスパンボンド法で0.6dtexより小さい繊度の
繊維を紡糸しようとする場合、使用されるノズルの加工
性や可紡性が悪くなり、結果として製造されたスパンボ
ンド不織布の価格が高くなることがある。
【0017】本発明において、帯状不織布の構成繊維は
かならずしも円形断面である必要はなく、異型断面糸を
使用することもできる。その場合、微小粒子の捕集はフ
ィルターの表面積が大きいほど多くなるため、円形断面
の繊維を使う場合よりも同一の通液性で高精度のフィル
ターカートリッジを作ることができる。
【0018】また、帯状不織布の原料樹脂にポリビニル
アルコールなどの親水性樹脂を混ぜたり、あるいは帯状
不織布表面にプラズマ加工するなどして、帯状不織布を
親水化すると、水系の液に使用する場合には通液性が向
上するので好ましい。
【0019】本発明で使用する帯状不織布の繊維交点の
熱接着方法は、熱エンボスロール、熱フラットカレンダ
ーロールのような装置を使って熱圧着する方法や熱風循
環型、熱スルーエアー型、赤外線ヒーター型、上下方向
熱風噴出型などの熱処理機を使う方法等を挙げることが
できる。中でも熱エンボスロールを使う方法は、不織布
の製造速度の向上ができ、生産性が良く、コストを安価
にでき好ましい。
【0020】本発明のフィルターカートリッジに使用さ
れる帯状不織布を得るには、紡糸幅を調節して直接帯状
の不織布を作る方法が使用できるが、より好ましくは広
い幅の不織布を帯状にスリットする方法が用いられる。
この時のスリット幅は、3〜50mmである。この幅が
3mmよりも小さくなると、スリット時に不織布が切断
する恐れがある。また50mmよりも大きくなると、帯
状不織布を少なくとも2本同時に有孔筒状体に綾状に巻
き付けた際に、帯状不織布の剛性が強くなりすぎるため
に、後に有孔筒状体に綾状に巻き付けにくくなり、さら
には繊維量が多くなりすぎるために密に巻き付けること
が難しくなる。
【0021】本発明のフィルターカートリッジは、帯状
不織布を少なくとも2本同時に有孔筒状体に巻き付ける
ことによって、帯状不織布を1本単独で巻き付ける場合
よりも、通水性、ライフに優れたフィルターカートリッ
ジとなる。また、巻き付ける帯状不織布の幅と本数を調
整することで巻き取り条件を変更するよりも簡単にフィ
ルターカートリッジの濾過精度を調整できるのである。
【0022】この場合、同時に巻き付ける帯状不織布の
幅×目付の合計値は、200cm・g/m2以下である
ことが好ましい。この値が200cm・g/m2よりも
大きくなると、帯状不織布の剛性が強くなりすぎるため
に、有孔筒状体に綾状に巻き付けにくくなり、さらには
繊維量が多くなりすぎるために密に巻き付けることが難
しくなる。なお、紡糸幅を調節して直接帯状の不織布を
作る場合にも、好ましい目付および不織布幅の範囲はス
リットして帯状にする場合と同じである。
【0023】また、帯状不織布の幅をL1、L2、L3
…、Ln(mm)とし、各々の幅の帯状不織布の巻き付
ける本数をN1、N2、N3、…、Nnとしたときに、次式
(A)の関係に示されるように幅×巻き付ける本数の値
の合計値は7〜150であることが好ましい。ただし、
1+N2+…+Nnの合計は2以上の整数である。 7≦(L1×N1)+(L2×N2)+…+(Ln×Nn)≦150 (A) この値が7よりも小さくなると繊維量が少なくなりすぎ
るために濾過精度の調整が難しくなり、150よりも大
きくなると繊維量が多くなりすぎるために密に巻き付け
ることが難しくなる。なお、紡糸幅を調節して直接帯状
の不織布を作る場合も、上記式(A)の範囲はスリット
して帯状にする場合と同じである。
【0024】前記帯状不織布は、後述するような方法で
加工してから有孔筒状体に綾状に巻き付けても良いが、
加工せずにそのまま巻き付けてもよい。この場合の製造
法の一例を図2に示す。巻き取り機には通常の糸巻き型
フィルターカートリッジに使われるワインダーを使用で
きる。供給された帯状不織布1は、綾振りをしながら動
く細幅孔のトラバースガイド2を通った後、ボビン3に
取り付けられた有孔筒状体4に巻き取られてフィルター
カートリッジ5となる。このトラバ−スガイド2は、細
幅孔を有する各種のものが利用できる。例えば細幅孔が
略円形のもの、略楕円形のもの、略扁平形等の形状を有
するものが使用できる。また細幅孔の一端に開口部を有
するもの等も使用できる。
【0025】一方、前記帯状不織布は、捻りを加えた
り、集束させてひだ状物など(以下、帯状不織布集束
物)にしてから有孔筒状体に綾状に巻き取ることもでき
る。捻りを加える場合の製造法の一例を図3に示す。こ
の場合にも巻き取り機には通常の糸巻き型フィルターカ
ートリッジに使われるワインダーを使用できる。帯状不
織布は捻りによって見かけ上太くなるため、このトラバ
ースガイド2は図2の場合よりも孔径の大きなものが好
ましい。帯状不織布に捻りを加えると、単位長さ当たり
の捻りの数、あるいは捻る強さによって帯状不織布の見
かけの空隙率を変化させることができるので、濾過精度
を調整することができる。この時の捻りの数は、帯状不
織布1mあたり50〜1000回の範囲が好ましい。こ
の値が50回よりも小さくなると、捻りを加える効果が
ほとんど得られない。また、この値が1000回よりも
多くなると、作られたフィルターカートリッジが通液性
に劣るものとなるため好ましくない。
【0026】また帯状不織布集束物を作るときに、本発
明の効果を妨げない範囲で粒状活性炭やイオン交換樹脂
などを混在させて加工しても良い。その場合に粒状活性
炭やイオン交換樹脂などを固定するには、帯状不織布に
適当なバインダーなどで接着しても良いし、粒状活性炭
やイオン交換樹脂などを混在させた後に加熱して帯状不
織布の構成繊維と熱接着しても良い。
【0027】次に、帯状不織布の巻き取り方法について
説明する。このワインダーのボビンに、直径約10〜4
0mm、長さ100〜1000mm程度の有孔筒状体を
装着し、有孔筒状体の端部にワインダーの糸道を通した
帯状不織布(あるいは帯状不織布集束物)を固定する。
有孔筒状体はフィルターカートリッジの芯材の役目をす
るものであり、その材質や形状は、濾過時の外圧に耐え
られる強度を持ち、圧力損失が著しく高くなければ特に
限定されるものではなく、例えば、通常のフィルターカ
ートリッジに使用されている芯材のようにポリエチレ
ン、ポリプロピレンを網型の筒状に加工した射出成形品
でもよく、また、セラミックやステンレス等を同様に加
工したものでも差し支えない。あるいは、有孔筒状体と
してひだ折り加工したフィルターカートリッジや不織布
巻回型のフィルターカートリッジなど他のフィルターカ
ートリッジを使用してもよい。ワインダーの糸道はボビ
ンに平行に設置されたトラバースカムによって綾状に振
られるため、有孔筒状体には帯状不織布が綾状に振られ
て巻き付けられる。その時の巻き付け条件も通常の糸巻
き型フィルターカートリッジ製造時に準じて設定すれば
良く、例えばボビン初速1000〜2000rpmに
し、繰り出し速度を調節して適当な張力をかけながら巻
き付ければよい。なお、この時の張力によってもフィル
ターカートリッジの空隙率を変えることができる。さら
に巻き付け時の張力を調整して内層の空隙率を密にし、
中層、外層と巻き付けるにつれて空隙率を粗くすること
ができる。また、濾過精度は、トラバースカムの綾振り
速度とボビンの回転速度の比率を調整して巻き付けパタ
ーンを変えることによっても変更することができる。そ
のパターンの付け方はすでに公知である通常の糸巻き型
フィルターカートリッジの方法を使用でき、フィルター
の長さが一定の場合にはそのパターンをワインド数で表
すことができる。これらの方法により帯状不織布を有孔
筒状体4の外径の1.5倍〜3倍程度の外径まで巻き付
けてフィルターカートリッジ形状にする。これをそのま
まフィルターカートリッジ5として使用しても良いし、
端面に厚さ3mm程度の発泡ポリエチレンのガスケット
を貼り付けるなどしてフィルターカートリッジ端面のハ
ウジングとの密着性を上げても良い。
【0028】なお、帯状不織布に切れ目を入れたり穴を
開けたりすることによって、通液性を改善することがで
きる。この場合、切れ目の数は帯状不織布10cm当た
りで5〜100個程度が適当であり、穴を開ける場合に
は開孔部面積の割合を10〜80%程度にするのが適当
である。また、同時に複数の帯状不織布を有孔筒状体に
巻き付ける際に、紡績糸など他の糸を併せて巻き付かせ
ることでも、濾過性能を調整することができる。また、
同時に複数の帯状不織布を綾振りで巻き付ける際に広幅
の不織布を巻き込んで、粗い精度のフィルターカートリ
ッジを作ったときの粒子最大流出径を調整することもで
きる。
【0029】
【実施例】以下実施例、比較例により、本発明を更に詳
細に説明するが本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、各例において濾過材の物性や濾過性
能等の評価は以下に記載する方法で行った。
【0030】(帯状不織布の目付及び厚さ)面積が62
5cm2となるように帯状不織布を切り取り、その重量
を測定して帯状不織布1m2当たりの重量に換算して目
付とした。また、切り取った帯状不織布の厚さを任意に
10点測定し、その最大値と最小値を除いた8点の平均
を帯状不織布の厚さとした。
【0031】(帯状不織布の繊度)帯状不織布から無作
為に5カ所サンプリングしてそれらを走査型電子顕微鏡
で撮影し、1カ所につき20本の繊維を無作為に選んで
それらの繊維径を測定し、その平均値をその帯状不織布
の繊維径(μm)とした。また、繊度(dtex)は得
られた繊維径と帯状不織布の原料樹脂の密度(g/cm
3)を使って次式から求めた。 (繊度)=(繊維径)2×(密度)×π/400
【0032】(糸間隔)フィルターカートリッジの表層
にある帯状不織布あるいは紡績糸などと、その1つ下の
層に巻かれた帯状不織布あるいは紡績糸などとの間隔6
(図1)を1つのフィルターカートリッジにつき10箇
所測定し、その平均を糸間隔とした。
【0033】(初期捕集粒径、初期圧力損失、濾過ライ
フ)循環式濾過性能試験機のハウジングにフィルターカ
ートリッジ1つを取り付け、ポンプで流量を毎分30リ
ットルに調節して通水循環する。このときのフィルター
カートリッジ前後の圧力損失を初期圧力損失とした。次
に循環している水にJIS Z 8901に定められた
試験用粉体Iの8種(JIS8種と略す。中位径:6.
6〜8.6μm)と同7種(JIS7種と略す。中位
径:27〜31μm)を重量比1:1で混合したケーキ
を毎分0.4g/分で連続添加し、添加開始から5分後
に原液と濾液を採取し、適当な倍率で希釈した後にそれ
ぞれの液に含まれる粒子の数を光遮断式粒子検出器を用
いて計測して初期捕集効率を算出した。さらにその値を
内挿して、捕集効率80%を示す粒径を求めた。また、
さらに続けてケーキを添加し、フィルターカートリッジ
の圧力損失が0.2MPaに達したときにも同様に原液
と濾液を採取して、0.2MPa時捕集粒径を求めた。
また、ケーキ添加開始から0.2MPaに達するまでの
時間を濾過ライフとした。なお、濾過ライフが1000
分に達しても差圧が0.2MPaに達しない場合にはそ
の時点で測定を中断した。
【0034】(初期濾液の泡立ちおよび繊維脱落)循環
式濾過性能試験機のハウジングにフィルターカートリッ
ジ1つを取り付け、ポンプで流量を毎分10リットルに
調節してイオン交換水を通水する。初期濾液を1リット
ル採取し、そのうち25cm3を比色びんに採取して激
しく攪拌し、攪拌停止10秒後に泡立ちを見た。そし
て、泡の体積(液面から泡の頂点までの体積)が10c
3以上ある場合を×、10cm3未満でかつ直径1mm
以上の泡が5個以上見られる場合を△、直径1mm以上
の泡が5個未満の場合を○として泡立ちを判定した。ま
た、初期濾液500cm3を孔径0.8μmのニトロセ
ルロース濾紙に通し、濾紙1m2あたりに長さ1mm以
上の繊維が4個以上ある場合を×、1〜3個の場合を
△、0個の場合を○として繊維脱落を判定した。
【0035】(実施例1)長繊維不織布として、目付2
2g/m2、厚さ200μm、繊度2dtexであり、
繊維交点が熱エンボスロールで熱圧着されたポリプロピ
レン製スパンボンド不織布を使用した。また、有孔筒状
体として、内径30mm、外径34mm、長さ250m
mであり、6mm角の穴が180個開けられているポリ
プロピレン製の射出成型品を使用した。前記長繊維不織
布を幅30mmと20mmにスリットして帯状長繊維不
織布とした。そして、ワインダーを使用して帯状長繊維
不織布を各1本同時にそのまま有孔筒状体に巻き付け
て、スピンドル初速1500rpmで、帯状長繊維不織
布の間隔が0mmとなるようにワインド数を3.273
に調整して有孔筒状体に外径62mmになるまで巻き取
り、図3に示すような円筒状フィルターカートリッジ5
を得た。フィルターカートリッジの構成と濾過性能の測
定結果を表1に示す。このフィルターカートリッジは捕
捉粒子径が約8μmであり、通水性、その他の濾過性能
が良好であった。特に圧力上昇時の濾過精度の低下が少
なく、濾過ライフに優れたフィルターカートリッジであ
った。
【0036】(実施例2)幅30mmと20mmの帯状
長繊維不織布をワインド数が3.714になるように調
整して各々2本計4本同時にそのまま有孔筒状体に巻き
付けた他はすべて実施例1と同じ方法でフィルターカー
トリッジを得た。フィルターカートリッジの構成と濾過
性能の測定結果を表1に示す。このフィルターカートリ
ッジの濾過性能は、帯状長繊維不織布の数を増やすこと
で実施例1より精度の粗いものとなった。
【0037】(実施例3)ワインド数を4.429に調
整した他は実施例1と同じ方法でフィルターカートリッ
ジを得た。フィルターカートリッジの構成と濾過性能の
測定結果を表1に示す。このフィルターカートリッジの
濾過性能は、ワインド条件を変えることで実施例1より
精度の粗いものとなった。
【0038】(実施例4)ワインド数を4.273に調
整して、幅40mmの帯状長繊維不織布を4本同時にそ
のまま有孔筒状体に巻き付けた他は実施例1と同じ方法
でフィルターカートリッジを得た。フィルターカートリ
ッジの構成と濾過性能の測定結果を表1に示す。このフ
ィルターカートリッジの濾過性能は、帯状長繊維不織布
の幅を広げて数を増やすことで実施例1より精度の粗い
ものとなった。
【0039】(実施例5)ワインド数を3.476に調
整して、幅3mmの帯状長繊維不織布を2本同時にその
まま有孔筒状体に巻き付けた他は実施例1と同じ方法で
フィルターカートリッジを得た。フィルターカートリッ
ジの構成と濾過性能の測定結果を表1に示す。このフィ
ルターカートリッジの濾過性能は実施例1に比べて大差
はなかったが、巻き取りに要した時間は実施例1の時よ
りも長くなった。
【0040】(実施例6)長繊維不織布の原料樹脂をナ
イロン66にした他はすべて実施例3と同じ方法で、円
筒状フィルターカートリッジを得た。フィルターカート
リッジの構成と濾過性能の測定結果を表1に示す。この
フィルターカートリッジは実施例3の場合とほぼ同程度
の濾過性能を示した。
【0041】(実施例7)長繊維不織布の原料樹脂をポ
リエチレンテレフタレートにした他はすべて実施例3と
同じ方法で、円筒状フィルターカートリッジを得た。フ
ィルターカートリッジの構成と濾過性能の測定結果を表
1に示す。このフィルターカートリッジは実施例3の場
合とほぼ同程度の濾過性能を示した。
【0042】(実施例8)長繊維不織布の構成繊維とし
て、低融点成分が高密度ポリエチレン(融点:133
℃)、高融点成分がポリプロピレン(融点:165℃)
で重量比5:5である鞘芯型複合繊維を用いた他はすべ
て実施例3と同じ方法で、円筒状フィルターカートリッ
ジを得た。フィルターカートリッジの構成と濾過性能の
測定結果を表1に示す。このフィルターカートリッジは
実施例3の場合よりも精度の細かいものとなり、さらに
は0.2MPa時捕集粒径が初期捕集粒径からほとんど
変化しない濾過精度の安定性に優れたフィルターカート
リッジとなった。
【0043】(実施例9)低融点成分として線状低密度
ポリエチレン(融点:122℃)を用いた他はすべて実
施例8と同じ方法で、円筒状フィルターカートリッジを
得た。フィルターカートリッジの構成と濾過性能の測定
結果を表1に示す。このフィルターカートリッジは実施
例8の場合と同程度の濾過精度を有し、さらには実施例
8よりも通水性に優れたものとなった。
【0044】(実施例10)繊維交点の熱圧着方法を熱
エンボスロールを用いる方法からスルーエアー加熱機を
用いる方法に変更した他はすべて実施例9と同じ方法
で、円筒状フィルターカートリッジを得た。フィルター
カートリッジの構成と濾過性能の測定結果を表1に示
す。このフィルターカートリッジは実施例9の場合より
もやや精度の粗いものとなった。
【0045】(実施例11)長繊維不織布の繊度を10
dtexに変更した他はすべて実施例3と同じ方法で、
円筒状フィルターカートリッジを得た。フィルターカー
トリッジの構成と濾過性能の測定結果を表1に示す。こ
のフィルターカートリッジは実施例3の場合よりも精度
の粗いものとなった。
【0046】(実施例12)長繊維不織布の目付を44
g/m2に変更した他はすべて実施例3と同じ方法で、
円筒状フィルターカートリッジを得た。フィルターカー
トリッジの構成と濾過性能の測定結果を表1に示す。こ
のフィルターカートリッジの精度は実施例3の場合より
も粗く、実施例2の場合と同程度であった。
【0047】(比較例1)幅50mmの帯状長繊維不織
布を1本そのまま有孔筒状体に巻き付けた他はすべて実
施例1と同じ方法でフィルターカートリッジを得た。フ
ィルターカートリッジの構成と濾過性能の測定結果を表
1に示す。そのフィルターカートリッジの濾過精度は実
施例1と同等であったが、通水性に劣り、濾過ライフも
劣るものとなった。
【0048】(比較例2)ワインド数を4.429に調
整した他はすべて比較例1と同じ方法で、円筒状フィル
ターカートリッジを得た。フィルターカートリッジの構
成と濾過性能の測定結果を表1に示す。このフィルター
カートリッジは比較例1の場合とほぼ同程度の濾過性能
を示した。
【0049】(比較例3)帯状長繊維不織布の代わりに
繊度3dtexの繊維を紡績した直径2mmのポリプロ
ピレン製紡績糸を使用し、実施例3と同様の方法で円筒
状フィルターカートリッジを得た。フィルターカートリ
ッジの構成と濾過性能の測定結果を表1に示す。このフ
ィルターカートリッジは初期捕集粒径が実施例3よりも
かなり粗くなり、実施例2の場合と同程度になった。し
かしながら、実施例2の場合よりも通水性に劣り、濾過
ライフも劣るものとなった。また、初期濾液には泡立ち
があり、濾材の脱落も見られた。
【0050】(比較例4)帯状長繊維不織布の代わりに
幅30mmと20mmに切断したJIS P 3801
に定められた濾紙1種を使用した他はすべて実施例3と
同様の方法で円筒状フィルターカートリッジを得た。フ
ィルターカートリッジの構成と濾過性能の測定結果を表
1に示す。このフィルターカートリッジは初期捕集粒径
が実施例3の場合よりも細かく、実施例1の場合よりも
粗くなったが、初期圧力損失が大きく、また、圧力上昇
時の捕集粒径も初期と大きく変わっていた。さらには濾
過ライフが極端に短かった。また、初期濾液には濾材の
脱落が見られた。
【0051】(比較例5)ポリプロピレン(融点:16
5℃)と高密度ポリエチレン(融点:133℃)とから
なる繊度4dtex、8分割タイプの分割短繊維をカー
ド機でウェブ化し、高圧水加工で繊維分割および繊維交
絡をさせて目付22g/m2の分割短繊維不織布を得
た。この不織布を電子顕微鏡で観察し、画像解析した結
果、全繊維のうち50重量%が繊度0.5dtexに分
割されていた。この不織布を幅30mmと20mmに切
断して帯状長繊維不織布の代わりに用いた他は、すべて
実施例3と同様の方法で円筒状フィルターカートリッジ
を得た。フィルターカートリッジの構成と濾過性能の測
定結果を表1に示す。このフィルターカートリッジは実
施例3の場合よりも初期捕集粒径の小さいものとなった
が、0.2MPa時捕集粒径は同程度であった。また、
初期濾液には若干の泡立ちが見られ、繊維の脱落も見ら
れた。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明のフィルターカートリッジは、従
来の糸巻き型フィルターカートリッジと比べて、細かい
粒子まで捕捉でき、濾過ライフが長く、初期捕集粒径の
変化がほとんど見られず、圧力損失が低いものが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるフィルタ−カ−トリッジの図。
【図2】帯状不織布を加工せずにそのまま巻き付ける様
子を示す説明図。
【図3】帯状不織布に捻りを加えながら巻き付ける様子
を示す説明図。
【符号の説明】 1:帯状不織布もしくはその集束物 2:トラバースガイド 3:ボビン 4:有孔筒状体 5:フィルターカートリッジ 6:ある帯状不織布あるいは紡績糸などと、その1つ下
の層に巻かれた帯状不織布あるいは紡績糸などとの間隔

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性繊維を含有する帯状不織布を少な
    くとも2本同時に、有孔筒状体に綾状に巻き付けてなる
    フィルターカートリッジ。
  2. 【請求項2】帯状不織布が熱可塑性繊維を少なくとも3
    0重量%含有する不織布である請求項1に記載のフィル
    ターカートリッジ。
  3. 【請求項3】帯状不織布が幅3〜50mmの熱可塑性長
    繊維不織布である請求項1若しくは2に記載のフィルタ
    ーカートリッジ。
  4. 【請求項4】帯状不織布の繊維の交点の少なくとも一部
    が熱接着されている請求項1〜3の何れかに記載のフィ
    ルターカートリッジ。
  5. 【請求項5】帯状不織布が熱エンボスロールで熱圧着さ
    れた請求項1〜4の何れかに記載のフィルターカートリ
    ッジ。
  6. 【請求項6】熱可塑性繊維が、低融点樹脂と高融点樹脂
    からなり、それら両樹脂の融点差が10℃以上の複合繊
    維である請求項1〜5の何れかに記載のフィルターカー
    トリッジ。
  7. 【請求項7】帯状不織布の幅をL1、L2、L3、…、Ln
    (mm)とし、各々の幅の帯状不織布の巻き付ける本数
    をN1、N2、N3、…、Nnとしたときに、次式(A)の
    関係にある請求項1〜6の何れかに記載のフィルターカ
    ートリッジ。 7≦(L1×N1)+(L2×N2)+…+(Ln×Nn)≦150 (A) (ただし、N1+N2+…+Nnの合計は2以上の整数で
    ある。)
JP23161699A 1999-03-30 1999-08-18 フィルターカートリッジ Pending JP2001054710A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23161699A JP2001054710A (ja) 1999-08-18 1999-08-18 フィルターカートリッジ
PCT/JP2000/001998 WO2000057988A1 (fr) 1999-03-30 2000-03-30 Cartouche filtrante
KR1020017012318A KR100875842B1 (ko) 1999-03-30 2000-03-30 필터 카트리지
US09/937,129 US7033497B1 (en) 1999-03-30 2000-03-30 Filter cartridge
DE10084425T DE10084425T1 (de) 1999-03-30 2000-03-30 Filterpatrone

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23161699A JP2001054710A (ja) 1999-08-18 1999-08-18 フィルターカートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001054710A true JP2001054710A (ja) 2001-02-27

Family

ID=16926310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23161699A Pending JP2001054710A (ja) 1999-03-30 1999-08-18 フィルターカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001054710A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018037436A1 (ja) * 2016-08-26 2019-06-20 株式会社ロキテクノ 筒状フィルタ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018037436A1 (ja) * 2016-08-26 2019-06-20 株式会社ロキテクノ 筒状フィルタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7033497B1 (en) Filter cartridge
JP4236284B2 (ja) 筒状フィルター
CA3103960C (en) Method for producing nonwoven fabric with improved filtration performance
WO2018021426A1 (ja) 逆洗可能なデプスフィルター
JP2013034919A (ja) カートリッジフィルター
JP2007152216A (ja) フィルター用不織布
JP3580252B2 (ja) フィルターカートリッジ
JP4164989B2 (ja) フィルターカートリッジ
JP4737039B2 (ja) 吸気用フィルター不織布
US20020042236A1 (en) Filter cartridge and process for producing the same
JP4604351B2 (ja) フィルターカートリッジ
JP4839709B2 (ja) フィルターおよびその製造方法
KR20140035395A (ko) 액체 여과 매체
JP3436178B2 (ja) フィルターカートリッジ
JP3861520B2 (ja) 筒状フィルター
JP2001054710A (ja) フィルターカートリッジ
JP2001300224A (ja) フィルターカートリッジ
JP2001321622A (ja) フィルターカートリッジ
JP2001321620A (ja) 筒状フィルタ
JP2001327817A (ja) フィルターカートリッジ
JP4464433B2 (ja) 筒状フィルタ
JP3861511B2 (ja) 筒状フィルター
JP2000279725A (ja) フィルターカートリッジ
JP3373877B2 (ja) 孔径勾配を有する不織布及びその製法
JP2001000812A (ja) フィルターカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060315

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060829

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20061027

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061220