JP2001054507A - 筋電位情報を利用したモーションキャプチャー装置とその制御方法、並びにこれを用いた電気刺激装置、力触覚呈示装置とこれらの制御方法 - Google Patents

筋電位情報を利用したモーションキャプチャー装置とその制御方法、並びにこれを用いた電気刺激装置、力触覚呈示装置とこれらの制御方法

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JP2001054507A JP23077599A JP23077599A JP2001054507A JP 2001054507 A JP2001054507 A JP 2001054507A JP 23077599 A JP23077599 A JP 23077599A JP 23077599 A JP23077599 A JP 23077599A JP 2001054507 A JP2001054507 A JP 2001054507A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筋電位情報の周波数解析データに基づいて筋
トーヌスの予測用データを算出することによって筋の動
作予測を行う。 【解決手段】 対象者の筋電位情報を検出して筋肉の動
作変化を示すデータを取得するためのモーションキャプ
チャー装置1において、皮膚表面に接触して使用される
複数の電極に対して電気信号を供給するための電気刺激
発生部1bを設ける。そして、陽極側電極への電気刺激
信号に係る周波数成分と、陰極側電極からの検出信号に
係る周波数成分との間の差分データを算出することによ
り、電気刺激により筋から発生した信号の周波数成分を
解析する周波数解析部1fを付設する。周波数解析部1
fで得た差分データ(ATPによる多筋線維の動作集合
状態信号に係る周波数成分を示す。)を保存しておき、
その後に検出した筋電位情報に係る周波数成分から当該
データを差し引いた結果から制御手段1dが筋トーヌス
の予測を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筋電位情報を検出
することで筋の動作予測を行うモーションキャプチャー
装置(コンピュータによって創出される仮想空間等にお
いて、操作者を模擬した人物像、あるいは架空の人物像
を動画処理で現出させるにあたって当該人物のモデルと
なる現実の人体や体の一部の形状あるいはその動きをコ
ンピュータ処理に適したデータとして取得するための入
力装置)に関するものであり、筋肉への電気刺激を利用
した医療用治療装置及び力覚や触覚を呈示する力触覚呈
示装置に適用できる。
【0002】
【従来の技術】医療分野では、電気刺激やEMG(El
ectro MyoGram:筋電図=筋線維の興奮時
に筋細胞膜電位が一過性に変化する際の当該膜電位を記
録したもの)フィードバックによる電気刺激を対象者に
与えることで、筋萎縮を緩和する療法が知られており、
例えば、干渉波治療器では筋肉における所望の位置を特
定して、その一ヵ所にのみ付設される効果器を通して干
渉波による電気刺激を与える方法が用いられている。
【0003】また、仮想現実(バーチャルリアリティ)
や遠隔現実(テレリアリティ)等の分野では、コンピュ
ータによって創出される仮想空間(あるいは仮想世界)
や操作者からは隔絶した遠隔世界(あるいは遠隔環境、
微小世界等)における力触覚(力覚と触覚)や温度感覚
を、該使用者に体感させることができるようにするため
のマン・マシンインターフェイスとして、力触覚グロー
ブ等を使った力触覚呈示装置が知られている。この装置
は、主に視覚や聴覚によって認知される仮想現実感を、
さらに力学的な感覚(力触覚)にまで拡張したり、ある
いは、遠隔世界における操作感覚に臨場感を与えるため
に導入されるもので、例えば、筋肉への電気刺激を利用
して人間の手や腕等に作用を及ぼすものである。
【0004】尚、皮膚表面や筋肉への電気刺激について
は「機能的電気刺激」の利用が提案されている。尚、
「機能的電気刺激」(Functional Elec
tric Stimulation、略してFES」と
は、明確な目的意識と作用機序の理解の上に立って生体
機能の補助又は制御を行おうとする電気刺激法を意味
し、主として運動麻痺患者に対して電極を介して目的の
末梢神経や筋に電気的刺激を与えることにより麻痺肢を
動かすといったことに用いられている。
【0005】FESの原理について簡単に説明すると、
筋肉が脳からの運動命令を電気信号として運動神経で受
けることで収縮することに着目して、脳からの電気信号
に代わって電気刺激により運動神経に電位を与えること
で筋肉を収縮させようとするものである。
【0006】FESでは、筋の収縮を制御する際に、筋
に対して直接的に電気刺激を与える場合と、筋を支配す
る神経束に電気刺激を与える場合があり、筋の収縮につ
いては2種類の形態がある。その一つは「遠心性FE
S」と称し、神経束内の運動神経線維を刺激することに
よってその支配下の筋を直接的に収縮させて目的とする
機能を再建するものであり、もう一つは「求心性FE
S」と称し、同一神経束内の求心性神経線維を刺激する
ことによって当該筋の共同筋が同時に収縮し、それ自身
で有用な制御ができるというものである。
【0007】例えば、総腓骨神経を強く刺激した場合
に、遠心性FESで足関節の背屈が起ると同時に、股関
節、膝関節の屈曲反応が生じるが、これは総腓骨神経の
求心性線維を刺激することによって屈曲反射が生じたこ
とによるものである。
【0008】尚、筋に対する電気刺激の与え方について
は、生体への電極の取り付け方の違いから、「表面電極
法」、「経皮電極法」、「埋め込み電極法」が知られて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、EMGを使
った従来の装置では、生体に刺激を与えることなく電極
から筋電図波形を取得して筋の活動を知ることができる
が、当該波形を単純に周波数解析にかけた場合には、筋
トーヌスに起因する周波数成分と筋細胞の収縮に伴う周
波数成分とが混在したデータとしての筋電位情報しか得
られないため(つまり、この場合には筋トーヌスがでて
筋細胞の収縮時に生じる筋電位波形が実際に得られるデ
ータである。)、実際に筋が動作する前に筋の動作を推
測するのが難しいという問題がある。
【0010】そこで、本発明は、筋電位情報の周波数解
析データに基づいて筋トーヌスの予測用データを算出す
ることによって筋の動作予測を行うことを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るモーション
キャプチャー装置やこれを用いた電気刺激装置、力触覚
呈示装置は上記した課題を解決するために、下記に示す
基本的構成要素を具備したものである。
【0012】・皮膚表面に接触して使用される複数の電
極に対して電気信号を供給するための電気刺激発生部。
【0013】・陽極側電極への電気刺激信号に係る周波
数成分と、陰極側電極からの検出信号に係る周波数成分
との間の差分データを算出することによって、電気刺激
により筋から発生した信号の周波数成分を解析する周波
数解析部。
【0014】・周波数解析部によって得られた周波数成
分に係る差分データを、ATPによる多筋線維の動作集
合状態信号に係る周波数成分のデータとして保存してお
き、その後に当該データを、上記電極から検出した筋電
位情報に係る周波数成分から差し引いた結果を算出して
筋の動作予測を行う制御手段。
【0015】従って、本発明によれば、対象者の筋肉に
一定の電気刺激を与えながら、当該筋肉の筋電位情報を
取得して周波数解析を行うことで筋細胞の収縮のみに起
因する基礎データを予め求めておき、その後に筋電位情
報の周波数解析により得られるデータから当該基礎デー
タを除去したデータ(筋トーヌスの予測用データ)を算
出することによって、実際に筋が動作する前に筋の動作
を予測することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係るモーションキャプチ
ャー装置は、対象者の体表面に付設した電極を通して取
得される筋電位情報の周波数解析結果に基づいて筋細胞
の収縮に伴う周波数成分だけを予め抽出しておき、その
後に対象者の意志で筋肉を動作させたときに取得される
筋電位情報から筋トーヌスに係る周波数成分を識別し
て、筋の動作をその直前に予測することができるように
したものであり、本装置は、筋肉に対して電気刺激を与
えるための効果器を備えた電気刺激装置、例えば、医療
用干渉波治療器や筋麻痺疾患者の簡易的パワーアシス
ト、あるいはバーチャルリアリティやテレリアリティに
おける力触覚呈示装置等への適用が可能である。
【0017】図1は装置の基本構成を示したものであ
り、モーションキャプチャー装置1は、効果器1a、電
気刺激発生部1b、形状認識部1c、制御手段1d、周
波数解析部1fを備えている。
【0018】効果器1aは、皮膚表面に接触して使用さ
れる電極群からなる電極部1adを備えており、例え
ば、電極部1adについては、後述するように、可撓性
に富んだ電気絶縁材料で形成されたシート状基材に多数
の電極を配置した構成を用いることができる。
【0019】また、形状情報取得部1asは皮膚表面の
形状及び形状変化を示す情報を取得するものであり、そ
の情報取得の方法については、光学的な方法や圧力検出
による方法が挙げられる。
【0020】前者の方法には、ステレオ(式)カメラや
レンジファインダーを使った方法や、CCDカメラ等の
撮像手段を用いた流し撮りによる方法等が挙げられる。
例えば、2台のステレオカメラを使用した形状認識方法
においては、撮影対象を、異なる視線方向をもって配置
した基準カメラ及び検出カメラによって撮影(動画又は
静止画撮影)し、両カメラ間の視差に応じた撮影画像か
ら対象の形状を算出することができ、エピポラーライン
(Epipolar Line)を用いたエリアベース
マッチング法等が知られている。また、レンジファイン
ダーでは、例えば、レーザー照射によって得られるスリ
ット光をガルバノミラーで反射させるとともに、その反
射方向を徐々に変化させて対象者への光走査を行い、そ
のときの反射光を受光手段(例えば、シリコンレンジフ
ァインダ用検出チップ等)で読み取ることで形状情報を
取得している。
【0021】いずれにしても対象からの反射光や画像情
報を形状の1次情報として取得してその後の画像処理等
によって形状認識を行う必要があり、また、電極部とは
別個の装置として設置する必要があるため、皮膚表面お
ける圧力の検出を利用した方法が好ましい。
【0022】即ち、人体の皮膚表面のように滑らかな曲
面を有する形状、例えば、人体表面における筋肉の***
に伴う形状や形状変化等についてのデータを取得したい
場合には、下記の(1)乃至(3)に示す手順で形状認
識を行えば良い。
【0023】(1)対象者の体に巻き付け又は装着して
その皮膚表面における圧力を検出する圧力検出手段を用
意する (2)圧力検出手段によって得られる検出情報と表面形
状との関係を予め取得しておいて、これらをデータテー
ブル又は関数式として記憶手段に格納する (3)対象者に巻き付け又は装着した圧力検出手段から
の検出情報を受けて、当該情報に対応する表面形状デー
タを記憶手段からの情報に基づいて形状データを算出す
る。
【0024】このように対象物の表面における圧力を検
出するとともに、圧力検出情報と表面形状との関係を予
め取得してこれらをデータテーブル又は関数式として記
憶・学習させておき、実際の形状認識を行う際には、記
憶・学習済の情報を参照することで形状データを求める
ことができる。尚、後述するように、圧力検出手段を、
上記した電極部と同様にシート状基材の上に形成する方
法を用いると、電極部に対して容易に圧力検出部(その
構成例については後述する。)を付設することができる
という利点がある。また、圧力検出に加えて皮膚表面の
温度検出部を付設すると、例えば、筋肉の発熱状態から
その運動状態に関する手掛りがさらに得られるので有用
である。
【0025】電気刺激発生部1bは、電極部を構成する
電極群に対して低周波電気刺激や干渉波電気刺激のため
の電気信号を供給するものである。尚、「低周波電気刺
激」については、主に表面の筋肉に対して使用される。
例えば、生体に電流を流すことで治療効果を得る際に用
いられており、骨折治癒や創傷治癒の促進、排尿等の自
律神経系機能や、横隔神経刺激による呼吸ペーシング等
の呼吸機能、心臓ペーシング等の循環器系機能への応用
が行われている。
【0026】また、「干渉波電気刺激」については、主
に内部の筋肉への刺激や、ファントム・センセーション
(Phantom Sensation)を利用した皮
膚表面への擬似的な刺激の付与に使用される。尚、「P
hantom Sensation」とは、複数(例え
ば、2つ)の振動子を皮膚の異なる場所に設置して、各
振動子に同一周波数帯の刺激を同時に与えた場合に、振
動子間における皮膚表面の中央が振動刺激されるような
錯覚を感じたり、ある振動子に関して対をなす他の振動
子の周波数を時間的に変化させると、その振動刺激の位
置が2つの振動子間を移動しているかの如き感覚が得ら
れる現象をいう。後述する力触覚呈示装置では、これを
電極群を通した生体への電気刺激によって実現すること
で、対象者に力覚を呈示するのに用いている。
【0027】電気刺激発生部1bによって電極部1ad
に供給される電気信号については、刺激付与の対象とな
る筋肉毎に分けて制御するのが好ましく、また、各筋肉
について複数チャンネルの刺激パターンの設定が可能で
あって、かつ、各チャンネルに対する同期制御を行える
ようにすることが好ましい。
【0028】形状認識部1cは、形状情報取得部1as
によって得られた情報から皮膚表面の形状を認識するた
めに設けられており、その認識結果は制御手段1dに送
出される。例えば、形状認識部1cは、対象者に巻き付
けられ又は装着された圧力検出手段からの検出情報を受
けて、当該情報に対応する表面形状データを算出する。
つまり、表面圧Pと形状S(面の法線方向における位置
変化)との間の数値的関係(これを関数式「S=F
(P)」で表す。)が、ある自由曲線(スプライン曲線
やベヂエ曲線等)を用いて近似できる場合に、当該自由
曲線を特定するために必要な情報を予め記憶手段に格納
しておけば、ある特定位置での表面圧がP=Paであっ
たときに、「S=Sa=F(Pa)」として形状データ
を算出することができる。尚、関数式の代わりに関数関
係をデータテーブルとしてデータベース化しておいて圧
力検出後にデータ参照を行う方法等、既知の参照方法や
補間方法を用いることができることは勿論である。
【0029】周波数解析部1fは上記の電極部1adを
構成する電極のうち、陽極側電極への電気刺激の出力信
号に係る周波数成分と、陰極側電極から検出される信号
の周波数成分との間の差分データ(レベル差)を算出す
る役割を有しており、電気刺激により筋から発生した信
号の周波数成分を解析(フーリエ解析)する。つまり、
電気刺激によって惹き起こされる筋の細胞収縮による筋
電位の周波数情報を抽出する役割をもっており、解析結
果は制御手段1dに送出される。
【0030】コンピュータ等の計算機により実現される
制御手段1dは、対象者に係る人体の骨や筋肉、脂肪の
配置、皮膚の状態を示すデータベース(後述する。)を
構築するとともに、筋肉配置の情報と、形状認識部1c
からの筋肉の形状や形状変化の認識結果に基づいて電極
群のうち電気刺激信号を供給すべき電極を選択した後、
当該電極に対して電気刺激信号を供給するように電気刺
激発生部1bに制御信号を送出する。また、制御手段1
dは、周波数解析部1fによって取得した周波数成分に
係る差分データを、ATP(アデノシン三リン酸)によ
る多筋線維の動作集合状態信号に係る周波数成分のデー
タとして保存しておき、その後に当該データを、上記電
極部1adの電極によって検出した筋電位情報に係る周
波数成分(周波数解析部1fによる解析結果)から差し
引いた結果を算出して筋の動作予測を行う。
【0031】尚、図1では、制御手段1dが、制御部1
dsと入出力(I/O)制御部1dtとを備えており、
入出力制御部1dtから入出力(I/O)選択処理部1
eに送出される信号によって下記の切換を行う。
【0032】・電極部1adを構成する各電極の選択及
び電極部1aとd形状情報取得部1asとの択一的選択 ・形状認識部1c又は周波数解析部1fの選択。
【0033】これらの選択制御を時分割処理で行う場合
には、例えば、電気刺激の付与時に、電気刺激発生部1
bの出力端子と、電極部1ad内の電極のうち陽極とし
て設定される電極とを接続し(実際には多数の電極から
選択した電極が陽極電極として設定されるが、図には単
一のスイッチの記号によって電極切換が行われることを
暗示的に示す。)、電極部1ad内の電極のうち陰極と
して設定される電極が切換部sw1(図にスイッチの記
号で示す。)において選択され、この電極と、切換部s
w2(図にスイッチの記号で示す。)により選択された
周波数解析部1fの入力端子とが接続される。これによ
って、制御部1dsからの制御指令を電気刺激発生部1
bが受けて電気刺激信号が発生され、該信号が入出力選
択処理部1eを介して電極部1adにおける陽極電極に
供給される(図には電極群への信号ラインを一本の線で
代表的に示している。)。そして、そのときの筋電位情
報が入出力選択処理部1eを通して陰極電極から周波数
解析部1fに送出されて解析結果が制御部1dsに送ら
れる。
【0034】また、切換部sw1、sw2において形状
情報取得部1asと形状認識部1cとがそれぞれ選択さ
れた場合には、形状情報取得部1asによって得られた
情報が入出力選択処理部1eを介して形状認識部1cに
送出され(図にはそれらの信号ラインを一本の線で代表
的に示している。)、形状認識結果は制御部1dsに送
られる。
【0035】尚、筋電位情報の取得と形状情報の取得と
を、入出力選択処理部1eを通すことなく行いたい場合
には周波数解析部1fと電極部1adとの間及び形状情
報取得部1asと形状認識部1cとの間を直接に接続す
れば良い(これにより2種類の情報を同時に取得でき
る。) しかして、モーションキャプチャー装置1は、その構成
において電気刺激発生部1bを具備していることから分
かるように電気刺激装置への適用がそのままの形で実現
できる(図1において電気刺激発生部1bの機能を主と
みれば良い。)ので、電気刺激を対象者の筋肉に対して
実際に付与する前に筋肉の動作予測を行うことで、電気
刺激が常に適切に行われるように筋の状態を監視するこ
とができる。例えば、対象者の意にそぐわない筋肉動作
が電気刺激によって惹き起こされた場合における筋の痛
みや損傷等を未然に防止することができるので、安全管
理の面で有効である。
【0036】図1の構成は、筋の動作予測を行うための
基本構成を示したものであるが、これを用いて他の被制
御物、例えば、マニピュレータや義手、あるいは動力補
助装置(パワーアシストデバイス)の動作や状態を制御
するには、図1に二点鎖線の四角形で囲んで示すよう
に、制御部1dsから駆動制御機構1gに対して制御信
号(例えば、モーションキャプチャー処理によって取得
した対象者の動作と同じ動きを被制御物に行わせるため
の指令信号)を送出して、被制御物1h(図には、人間
の手部及び腕部の自由度に関する構造を模倣して作成し
たマニピュレータを示す。)を実際に駆動することがで
きる。つまり、筋電位情報を取得して対象者の動作認識
を行うとともに、筋トーヌスに関する予測によって、著
しい遅延時間を伴うことなく被制御物1hの駆動を実現
することが可能になり、人間の意志や感覚に対して忠実
に適合し、かつ、きめ細かな制御が可能なマン−マシン
・インターフェイスを提供することができる。
【0037】図2は力触覚呈示装置への適用例を示した
ものであり、力触覚呈示装置1Aは、入力部1Aa、制
御部1Ab(上記した電気刺激発生部1bを含む。)、
入出力バッファ群1Ac(入力バッファ群1Aci及び
出力バッファ群1Aco)、効果器1Ad、モデル構築
/計算処理部1Ae、画像処理部1Af、表示部1A
g、圧力・温度認識部1Ah、圧力・温度検出部1Ai
を備えている。
【0038】入力部1Aaは、キーボードやポインティ
ングデバイス等の一切の入力手段を含んでおり、データ
の手動入力又は自動入力のために必要とされ、これによ
って取得した情報は制御部1Ab及びモデル構築/計算
処理部1Aeに送出される。
【0039】制御部1Abは、その後段に位置する出力
バッファ群1Acoを介して効果器1Adに電気信号を
送出したり、あるいは、効果器1Adから入力バッファ
群1Aciを介して筋電位情報(あるいは筋電図情報)
を得るものである。尚、出力バッファ群1Acoを構成
する各バッファの出力端子や、入力バッファ群1Aci
を構成する各バッファの入力端子は、効果器1Adに設
けられた電極アレイの各電極(後述する)にそれぞれ各
別に接続されている。また、効果器1Adに付設された
圧力・温度検出部1Aiによって検出される皮膚表面の
圧力情報及び温度情報が圧力・温度認識部1Ahを介し
て制御部1Abに送出されるように構成されている。
【0040】効果器1Adは、人体の皮膚に接触して使
用するために、人体の手足、体の一部等の形状に適合す
る形状をもって作成される。例えば、その形態には、グ
ローブ、ボディスーツ(あるいはウエットスーツ)、ア
ームバンド、指サック、ソックス等が挙げられる。尚、
図2では人体に腕に取り付けて使用する効果器が示され
ている。また、力触覚の他、温度感覚を併せて呈示する
ために、効果器1Adに多数の熱制御用素子(ペルチェ
素子等)を組み込んで、該素子の熱制御により、人体に
とって危険のない温度範囲で熱や温度を感じることがで
きるように構成するとさらに効果的である。
【0041】生体への電気刺激法については、電極の取
り付け方に関して本発明では表面電極法を採用してい
る。その理由は、当該方法が人体を傷付けることなく使
用できること及び経皮電極法や埋め込み電極法では電極
や配線の破損や感染等の問題ああることに依る。
【0042】この表面電極法に適した効果器の構成例を
図示したものが図3乃至図14であり、多数の電極2、
2、・・・(電極アレイ)を有する電極シート3の一例
を示している。
【0043】電極シート3は人体の皮膚表面に付設して
使用され、例えば、図3に簡略化して示すように、前腕
Aに巻き付けて使用される。尚、本例では、電極シート
3が矩形状に形成されており、一方の辺の長さが前腕A
の長さとほぼ同じで、他方の辺の長さが前腕Aの周方向
の長さとほぼ同じになっている。これにより、電極シー
ト3を前腕Aに巻き付けると、前腕Aはそのほぼ周面を
電極シート3で覆われることになる。
【0044】図4は電極シート3の積層構造について概
略的に示すものであり、4層構成の電極層3Aの上に、
4層構成の感圧・感温層3Bを形成し、さらにその上に
絶縁層3Cを積層形成した例を有している。
【0045】電極層3Aは、同図の左側に示すように、
シート4、導通シート5、配線シート6、表面シート7
を積層した構成を有している。
【0046】シート4は最も皮膚側に位置するシートで
あり、これには多角形状(例えば、正方形や正六角形
等)をした小さな電極孔4a、4a、・・・(図5参
照。)がマトリックス状に多数形成され、該電極孔4
a、4a、・・・に導電ポリマーが充填されることで、
電極2、2、・・・がシート上に規則的に形成されてい
る。各電極孔4aには、その周囲を取り囲む突条部4b
がそれぞれ形成されており、該突条部4bはその厚み方
向における断面形状がほぼ台形状をしており、台形の短
辺に相当する端部が皮膚との接触部とされ、斜辺に相当
する部分が電極孔4aの周囲に亘ってテーパー面を形成
している。尚、この突条部4bは電極2と皮膚との密着
性を良好にするために設けられる(図5、図13参
照)。
【0047】導通シート5は、シート4の表面側に積層
され、該導通シート5のうち、上記各電極2、2、・・
・に対応する位置には、該電極よりも充分に小さい相似
形の通電孔5a、5a、・・・(図6参照。)が形成さ
れ、これらの通電孔5aに導電ポリマーを充填して、こ
れを通電部5b、5b、・・・としている。尚、導通シ
ート5は、配線シート6に形成された後述の各配線パタ
ーンと、シート4上の電極2、2、・・・とが短絡しな
いようにするために設けられるものである。
【0048】配線シート6は導通シート5の表面側に積
層されるものであり(図7参照。)、端子部6a、6
a、・・・や配線パターン6b、6b、・・・が形成さ
れている。つまり、配線シート6には、上記通電部5
b、5b、・・・に対向してこれらと同じ大きさの端子
孔が形成され、該孔に導電ポリマーを充填することでこ
れらを端子部6a、6a、・・・としており、更に各端
子部6a、6a、・・・に対しては配線シート6の長手
方向に延びる配線パターン6b、6b、・・・が形成さ
れている。尚、これらの配線パターン6b、6b、・・
・は導電ポリマーにより形成されていて、各配線パター
ンは互いに接触しない配置となっている(配線の形成面
積をシート上に十分に確保するのが難しい場合には多層
構造の採用が望ましい。)。そして、各配線パターン6
b、6b、・・・のうち端子部6a、6a、・・・とは
反対側の端部は配線シート6の端縁近傍まで延び、これ
らが電気刺激発生部の端子部(入出力バッファ群1Ac
の入出力端子)に接続されるようになっている。
【0049】表面シート7(図8参照。)には、他のシ
ート4乃至6と同じ大きさの(電気)絶縁シート、例え
ば、絶縁性のポリマー、ナイロン、ポリプロピレン(P
P)、シリコーン等の合成樹脂材料等が用いられ、上記
配線シート6に貼着される。
【0050】尚、このような構造を有する電極層3Aに
おいては、例えば、シルク印刷により、各電極2、通電
部5b、端子部6a及び配線パターン6b等を形成する
ことができる。
【0051】次に、感圧・感温層3Bの形成について説
明する(図9乃至図12参照。)。
【0052】図4に示すように、感圧・感温層3Bは、
皮膚に近い方から行電極シート8、感圧・感温シート
9、列電極シート10、絶縁膜11を積層した構成とな
っている。
【0053】行電極シート8(図9参照。)は、ポリエ
ステル等のフィルム上に形成される電気絶縁膜の上に導
電性ポリマー製の平行電極8a、8a、・・・を所定の
方向、例えば、シートの長手方向に沿って形成されてお
り、これらの電極の間には電気絶縁膜が介在されること
によって各電極が絶縁分離されている。
【0054】感圧・感温シート9(図10参照。)は、
多角形状(図では正方形)をした感圧・感温部9a、9
a、・・・が一定の間隔をおいて配置された構成を有し
ており、これらと上記電極2、2、・・・とは互いの位
置関係において1対1に対応している。尚、感圧・感温
部9aに使用する材料については、感圧性材料の場合に
は、例えば、伸縮性を有する感圧性の導電性ゴムや圧電
材料が挙げられる。導電性ゴムとしては、ゴム中に金属
粉や炭素繊維等の導電性物質を分散させた感圧導電ゴム
が挙げられ、また、圧電材料としては、圧電性の高分子
材料(フッ化ビニリデン等)、比誘電率ポリマー等が挙
げられる。また、感熱(温)性材料の場合に、例えば、
マンガン(Mn)やニッケル(Ni)等を混合して作ら
れる熱反応性の材料(サーミスタの構成材料)が用いら
れる。尚、各感圧・感温部9a同士は絶縁材料によって
隔絶されていることは勿論である。
【0055】列電極シート10(図11参照。)につい
ては、平行電極10a、10a、・・・の形成方向が異
なるだけで行電極シート8と同様の構造を有している。
つまり、導電性ポリマー製とされたこれらの電極10a
は、上記行電極シート8の平行電極8aの形成方向に対
して感圧・感温シート9を挟んで互いに直交するように
形成方向が規定されており、両電極群の交点位置に上記
感圧・感温部9a、9a、・・・が各別に配置される。
これによって、互いの電極群同士が直交した関係を有す
るマトリックス配置(あるいは格子状配置)とされ、
「i」、「j」の整数変数を指標として導入したとき第
i行第j列の指定によって該当する交点位置付近での圧
力検出を行うことができるようになっている。
【0056】絶縁膜11(図12参照。)は電気絶縁材
料、例えば、絶縁性のシリコーン、高分子ゲル等を用い
て形成されるもので、感圧・感温層3Bの最も表層に形
成されて列電極シート10の絶縁を図っている。
【0057】絶縁層3C(図4参照。)は、前腕Aに貼
着されたときに最も表面に位置しており、これにはゴム
材料等が使用される。
【0058】しかして、このような電極シート3を、前
腕Aに巻き付けてこれに干渉波による刺激を与えるとき
は、シート4の各電極2、2、・・・を前腕Aの皮膚に
当ててから(皮膚との接触状態を図13、図14に示
す。)、一組の電極2、2、・・・に制御部1Abから
当該電極に対応する出力バッファを介して所定の周波数
電流を供給すると、前腕Aの内部において干渉波が生
じ、干渉により波が強め合うところの筋肉Mの部位を刺
激することができる。例えば、4000Hz(ヘルツ)
の周波数電流と4010Hzの周波数電流を、各電極
2、2にそれぞれ供給すると、両電極間を結んだ線上の
中心近傍で干渉が生じ、干渉の部位に位置する筋肉Mが
10Hz程度の周波数で刺激されて収縮する。また、皮
膚表面の表層筋に対する低周波の刺激を行う場合には、
使用電極を2極として、この一対の電極の各位置を特定
した後、100Hz以下、例えば、10〜60Hz程度
のパルス波形(負性矩形波等)を用いて刺激を与えれば
良い。
【0059】皮膚表面の圧力分布に関する検出にあたっ
ては、上記行電極シート8及び列電極シート10のうち
の所望の電極、つまり、整数変数i、jについて第i行
第j列に相当する電極(行電極シート8のi番目の電極
及び列電極シート10のj番目の電極)を選択した場合
に、該電極の交点付近における圧力に応じて感圧材料が
圧迫されると、その静電容量の変化を検出することがで
きる。即ち、行電極シート8におけるi番目の電極と列
電極シート10におけるj番目の電極との間には感圧・
感温部9aを含むコンデンサが形成され、その等価静電
容量値Cがその場所での圧力Pの関数となるので、等価
静電容量値Cから逆算して圧力Pに係る情報を得ること
ができる(つまり、第i行第j列の検出データについて
のマトリックス処理によって所望の位置での局部的な圧
力や対象範囲を特定した圧力分布データを取得すること
ができる。)。上記制御部1Abは、このような圧力情
報を上記圧力認識部1hから得ている。
【0060】また、皮膚表面の温度分布に関する検出に
あたっては、行電極シート及び列電極シートのうちの所
望の電極、つまり、整数変数i、jを指標として導入し
た場合に、第i行第j列に相当する電極(行電極シート
のi番目の電極及び列電極シートのj番目の電極)を選
択することによって、電極の交点付近における温度に応
じた感熱性材料の電気抵抗値の変化を検出することがで
きる。即ち、行電極シートにおけるi番目の電極と列電
極シートにおけるj番目の電極との間の抵抗値Rがその
場所での温度Tの関数となるので、抵抗値Rの検出から
逆に温度Tに係る情報を得ることができる。このように
して第i行第j列の検出データについてのマトリックス
処理によって所望の位置での局部的な温度や対象範囲を
特定した温度分布データを取得することができる(例え
ば、1≦i≦N、1≦j≦M(N、Mは自然数)とする
と、温度データとしてN行M列の行列が得られるが、そ
のうちの特定の範囲を選択して平均温度や分散、偏差等
を算出することができる。)。
【0061】尚、上記感圧・感温シート9を多層構造に
する、つまり、行電極シートと列電極シートとの間に感
圧シート(上記感圧・感温部9aを感圧性材料だけで形
成したもの)を挟んだ構造と、行電極シートと列電極シ
ートとの間に感温シートを挟んだ構造(上記感圧・感温
部9aを感熱性材料だけで形成したもの)とを重ね合せ
ることで多層化した構成を採用しても良い。
【0062】上記したように、電極部及び形状情報取得
部をシート状基材の上に多層構造をもって形成した場合
(例えば、圧力や温度の検出層を、電極層の上に積層形
成した構成。)には、効果器を人体に着用して使用でき
る形状に作成したときに(例えば、ウェットスーツ形状
の採用等)、装着や着脱が容易になるので、衣服を着替
えるのに要する程度の準備時間で済むという利点があ
る。
【0063】人体の手に装着して手部や指部の形状又は
動作のデータを取得するためには、所謂データグローブ
を使用する。
【0064】図15乃至図17は、データグローブにお
ける検出原理の説明図であり、検出方法は下記の通りで
ある。
【0065】(I)手部や指部の屈曲状態についての検
出法=抵抗パターン(あるいは抵抗体パターン)の長さ
変化に伴う抵抗値変化によって把握する方法 (II)手部や指部の温度や圧力の検出法=温度検出には
感熱(温)性材料の抵抗値変化を利用し、圧力検出には
感圧性材料の静電容量の変化を利用した方法。
【0066】図15は指部の屈曲状態を検出するために
グローブの基材G(絶縁材料で形成されている。)に抵
抗パターンRPを形成した構成例を示している。尚、抵
抗パターンRPはその伸び量に応じて抵抗値の変化する
材料(カーボン等)を用いて形成されている。
【0067】コ字状をした抵抗パターンRPは指の背面
における長手方向に沿って延びており、「L」が自然長
を示し、「R」はそのときの抵抗値を示している。
【0068】図16に示すように、手にグローブをはめ
て指を曲げた場合には、上記抵抗パターンRPが指の屈
曲によって伸び(伸び量を「ΔL」(>0)とす
る。)、これによって抵抗値Rが「R+ΔR」(ΔR≠
0)に変化する。つまり、この例では、DIP関節(D
istal Phalangeal joint:遠位
指節間関節、つまり第2乃至第5指において最も先端に
位置した関節)や、PIP関節(Proximal P
halangeal joint:近位指節間関節、つ
まり第2乃至第5指において先端から2番目に位置した
関節)の屈曲に対応した抵抗パターンRPの長さの変化
(図の小円参照。)に伴って抵抗値変化ΔRが生じるこ
とになる。
【0069】このように、上記(I)では、手部や指部
の屈曲状態を抵抗値の変化として検出するための抵抗パ
ターンが、電気絶縁材料で形成されるデータグローブの
基材に形成されており、手部や指部の関節が屈曲された
ときに上記抵抗パターンの長さが変化し、かつこのとき
に当該抵抗パターンの抵抗値が変化することを利用して
関節の屈曲状態を検出することができる。尚、抵抗パタ
ーンの長さ「L」が屈曲状態の如何に応じては変化せず
に(ΔL≒0)、このときの抵抗値だけが変化する材料
を使用した場合には、屈曲・伸展の繰り返しに伴うスト
レスの影響が経時変化として問題となるので、上記のよ
うに抵抗パターンの長さ変化に伴って抵抗値が変化する
材料を用いることが望ましい。
【0070】また、上記(II)については、前記の効果
器について説明したのと同様の方法を採用すれば良く、
これにより温度検出と圧力検出とを同じ構造(但し、検
出のための使用材料は異なる。)で実現することで薄形
化や低コスト化等を図ることができる。
【0071】図17は抵抗パターン、圧力や温度の検出
部を兼ね備えたデータグローブの要部構成を概略的に示
したものであり、絶縁材料で形成された図示しない基材
(図の紙面を基材と考えても良い。)には、コ字状をし
た抵抗パターンRP(図に斜線を付して示す。)と、圧
力や温度の検出素子部DP、DP、・・・(図に丸印で
示す。)とが厚み方向に亘って積層された構造を有して
いる。尚、検出素子部DPは上記したように行電極と列
電極(これらの電極は抵抗パターンRPに対しても、ま
た電極相互についても接触していない。)との間に介在
される感熱性材料又は感圧性材料によって構成されてお
り、感熱層及び感圧層を積層した構成を用いても良い
し、また、各検出素子部DPを圧力検出用素子とするか
又は温度検出用素子とするかを平面的なパターン配置と
して規定する(例えば、圧力検出用素子と温度検出用素
子とを交互に配置する等)こともできる。
【0072】図17では圧力又は温度検出用の電極パタ
ーンの一部と、抵抗パターンRPの一部RP1とを共用
した構成(つまり、電極パターンを抵抗パターンとして
兼用した構成)を採用しているが、これによって配線数
を削減することができる。
【0073】次に、図2に示すモデル構築/計算処理部
1Aeについて説明する。これは、コンピュータや、メ
モリあるいは所定の記録媒体によって構成される計算
(処理)装置によって実現され、人体構造に関する数値
モデル構築のためのデータベース(以下、「データベー
ス」を「DB」と略記する。)の作成及びその維持・管
理を行うものである。尚、人体の数値モデル構築に必要
な基本データの取得に用いる周辺装置は全て入力部1A
aに含まれる。
【0074】画像処理部1Afは、制御部1Ab及びモ
デル構築/計算処理部1Aeとの間で情報のやりとりを
行い、映像信号を表示部1Agに送出してその画像表示
を行う。例えば、CG(コンピュータ・グラフィック
ス)表示として現出される仮想空間内のオブジェクト
(仮想物)を視覚情報として装置の使用者に伝達するた
めに画像情報を表示したり、あるいは人体の数値モデル
構築作業に必要な画面表示等を行う。尚、視覚情報に加
えて聴覚情報を取り扱う場合には、音声信号処理部を画
像処理部1Afに含ませ、スピーカ等の音声出力手段を
通して音声情報を装置使用者に伝達すれば良い。また、
情報の印字を要する場合には、画像処理部1Afに対し
てプリンタ等の印刷手段が付設される。
【0075】人体に関する力学的構造の数値モデルの構
築方法については、本願出願人が、既に特願平10−2
66号にて提案した方法を踏襲することができる。
【0076】その要点を簡単に説明すると、数値モデル
には、例えば、下記のモデルが含まれる。
【0077】(i)骨格モデル (ii)筋肉モデル (iii)神経(運動神経や感覚神経等。)モデル (iv)皮膚モデル (v)脂肪や内臓のモデル 尚、(iii)の神経モデルには高度な情報処理を行う
脳神経は含まれず、対象の力学的構造や運動に直接的な
関係を有する神経が含まれ、また、(iv)皮膚モデル
には、皮膚表面の状態や動き、皺の他、絶縁抵抗等の電
気的性質が含まれるが、関節の動き等に起因する皺の量
については、これを皮膚の老化に置き換えて処理する方
法(関節の角度や関節からの距離、筋肉の緊張の度合に
基づいて関節の周囲を覆っている表皮の領域毎に年齢や
年代の異なる表皮(皮膚や体毛等)を付与する方法等)
が、計算量の低減の観点から好ましい(∵皺の寄り方を
関節や筋肉の状態に基づくシミュレーション計算によっ
て割り出す方法では計算が複雑化したり計算量が多すぎ
るといった不都合を伴うから。)。(v)の脂肪や内臓
のモデルについては、機能に係る具体的な構造ではなく
その重量及び位置が身体のバランスや重心運動に与える
影響や電気抵抗等に関心が置かれる。
【0078】以下では、本願発明において特に関係のあ
る(i)及び(ii)を主に説明する。
【0079】人体構造の数値モデルのうち最も簡単なも
のは、上記(i)の骨格モデルだけを含むものであり、
これは下記の手順によって作成することができる。
【0080】(1)体型の分類を行うとともに、分類さ
れた各基準体型について全ての骨の形状、長さや重量を
含む骨格データを用意する (2)対象者に関する身長、体重、外形形状のデータを
入力する (3)(2)の入力データから対象者の体型を特定し、
各基準体型の骨格データに基づいて補間計算を行い、対
象者に係る骨格データの換算比率を算出する (4)(3)の換算比率及び対象者の身長や重量に基づ
いて対象者の各骨の長さや重量を決定して骨格の数値モ
デルを作成する。
【0081】先ず、工程(1)では人体の基準体型を、
例えば、図18に示すように、痩せ型、闘士型、肥満型
に分類する。即ち、痩せ型(asthenicus。以
下、「as」と略記する。)は肉細の体型、闘士型(a
theticus。以下、「at」と略記する。)は胸
胴部が逆3角形をした体型、肥満型(piknicu
s。以下、「pi」と略記する。)は腹部等の肥大した
体型である。
【0082】そして、各体型を代表する人体をそれぞれ
一人ずつ選び出して、各々の対象者について、骨格デー
タ(骨の形状、長さ、重量を含む。)を取得するか、あ
るいは人体教本等による既存のデータを利用する。即
ち、痩せ型、闘士型、肥満型をそれぞれ代表する各人体
について骨格に関する全ての情報を調べてこれらをデー
タベース化することにより数値モデル(以下、「基準体
型モデル」という。)を作成する。尚、その際、性別の
違いによって基準体型への影響が認められる場合には、
これを考慮してモデル作成を行うことが好ましい。その
ためには、性別毎に異なる基準体型モデルを用意する方
法や、両性のうちの一方の性について各体型の基準体型
モデルを用意しておき、他方の性については当該基準体
型モデルに対する換算比率を示すデータから各体型の基
準体型モデルを導出する方法が挙げられる。また、各骨
の形状については3次元モデルのデータ(例えば、ポリ
ゴンデータ等)としてコンピュータ上の画像表示(立体
的表示等)に適した形式を用いることが好ましい。
【0083】取得した骨格データについては、各骨の長
さや重量の値自体の他、身長や体重に占める割合(比
率)のデータを求めておき、後述するようにこれらの比
率データに基づいて対象者に係る比率データを算出する
際に使用する。
【0084】また、各体型を代表する人体の身長が異な
るのではデータの比較作業が面倒であるので、基準身長
を設定して各データを当該身長に換算したときのデータ
を用意しておくことが好ましい。
【0085】図19に示すモデルMにおいて、「HEI
GHT_ref」は基準体型モデルの身長(基準身長)
を示しており、変数「HEIGHT_xx_XX」は立
位姿勢における人体各部の鉛直方向の長さを示している
(「xx」が人体の部位を示し、「XX」が基準体型形
を示す。)。例えば、「HEIGHT_arm_u_a
s」は、痩せ型の基準体型モデルにおける上腕の長さを
示し、「HEIGHT_chest_at」は、闘士型
の基準体型モデルにおける胸部の長さを示している。
【0086】この場合の「HEIGHT」は骨格及び筋
肉を含む人体各部の長さを示しているが、「HEIGH
T」を鉛直方向若しくは長手方向における骨の長さとす
れば、「HEIGHT_xx_XX」を基準身長「HE
IGHT_ref」で割った比率(以下、「_hr_x
x_XX」と記す。)から骨の長さ比率を計算すること
ができる。
【0087】また、上記「HEIGHT」を、人体の部
位や各骨の重量を示す「WEIGHT」に置き換えた変
数「WEIGHT_xx_XX」を、体重「WEIGH
T_ref_XX」で割ることによって同様に重量の比
率(以下、「_mr_xx_XX」と記す。)を求める
ことができる。
【0088】図20は上記した体型形の概念を2次元座
標平面(X−Y平面)上にグラフ化して示すものであ
り、原点Oを起点とする3軸「Ax_XX」(XX=a
s、at、pi)が互いに120°の角度間隔をもつよ
うに設定されている。
【0089】そして、原点Oを中心とする円cirと各
軸Ax_XXとの交点P_XXが各基準体型モデルの占
める位置を示している。つまり、点「P_as」が痩せ
型のモデルについてのX−Y平面上の位置を示し、点
「P_at」が闘士型のモデルについてのX−Y平面上
の位置を示し、点「P_pi」が肥満型のモデルについ
てのX−Y平面上の位置を示している。
【0090】例えば、対象者が痩せ型と闘士型の丁度中
間に位置する体型を有している場合には、原点Oを通り
2軸Ax_as(図ではYの正軸に一致する軸)及びA
x_atに対してそれぞれ60°の角度をなして延びる
軸Bx上の点(例えば、軸Bxと円cirの交点Q等)
が対象者の体型を示している。
【0091】尚、X−Y平面に対してr軸及びθ軸から
なる極座標系を設定したときの各軸の意味については後
で詳述する。
【0092】図21は図20のX−Y平面に対して直交
軸(Z軸)を付与した空間(以下、「体型形座標空間」
という。)を示している。
【0093】例えば、Z軸として上記した長さの比率
「_hr_xx_XX」をとった場合には、上記した各
点P_XXに対して「_hr_xx_XX」の値を示す
点「H_xx_XX」がそれぞれ対応する。
【0094】今、xxの示す部位を上腕骨(humer
us)とし、XXの示す体型を痩せ型(as)とする
と、点「H_humerus_as」の示す値(つま
り、当該点からX−Y平面に垂ろした垂線の足の高さ
(Z値))は、痩せ型の基準体型モデルにおいて上腕骨
の長さの基準長(身長)に対する比率を示す。
【0095】X−Y平面上における点Pt(xt、y
t)から、これに対応するZ値を算出するには次のよう
な手順を採る。
【0096】先ず、3点P_XX(XX=as、at、
pi)のそれぞれに対する点「H_xx_XX」が決ま
ると、これらの点を通る一つの平面(πh_xx)を決
めることができる。即ち、3点「H_xx_XX」のう
ちの任意の2点を選び出すことによって両点を結ぶベク
トルを2つ作ることができる(例えば、点「H_xx_
pi」から点「H_xx_as」へ向かうベクトルと、
点「H_xx_pi」から点「H_xx_at」へ向か
うベクトル等。)ので、両ベクトルに直交する方向の法
線ベクトルをベクトルn(a,b,c)(但し、a、
b、cはそれぞれX、Y、Z軸方向の成分を示す。)と
するとき、上記平面πh_xxは数式「a・X+b・Y
+c・Z=d」(但し、dは定数。)で表すことができ
る。従って、例えば、X−Y平面上における点Pt(x
t、yt)が決まれば、X=xt、Y=ytを上式に代
入することによってZ値を求めることができる。
【0097】尚、平面πh_xxは、xxに示す部位毎
に多数存在し、その意味でZ軸は多変数をまとめて1軸
として示す変数軸であるとみなすことができる。
【0098】図22は、重量の比率「_mr_xx_X
X」をさらに体型形座標空間のZ軸に追加したときの状
況を示しており、各点P_XXに対して「_mr_xx
_XX」の値を示す点「M_xx_XX」がそれぞれ対
応する。
【0099】例えば、xxの示す部位を上腕骨(hum
erus)とし、XXの示す体型を痩せ型(as)とす
ると、点「M_humerus_as」の示す値(つま
り、当該点からX−Y平面に垂ろした垂線の足の高さ
(Z値))は、痩せ型の基準体型モデルにおいて上腕骨
が重量の体重に占める比率を示している。
【0100】X−Y平面上における点Pt(xt、y
t)からその点に対応するZ値を求めるには前記と同様
の方法を採る。
【0101】即ち、3点P_XXのそれぞれに対する各
点「M_xx_XX」が決まると、これらの点を通る一
つの平面(πm_xx)を決めることができる(当該面
の法線ベクトルをベクトルnn(aa,bb,cc)と
するとき、数式「aa・X+bb・Y+cc・Z=d
d」(但し、ddは定数)で表される。)ので、X−Y
平面上における点Pt(xt、yt)が決まれば、X=
xt、Y=ytを上式に代入することで、これに対応す
るZ値を求めることができる。
【0102】尚、図21や図22においては基準体型モ
デルが3つしかないため、一般には体型形座標空間内で
関数式「Z=Fn(X,Y)」(但し、nは、上記_h
r_xxや、_mr_xx等を示す。)で表される曲面
が平面(つまり、X、Y、Zの1次式で表現される。)
とされたが、基準体型モデルの数を増やしたり、あるい
は、多数の対象者に係るデータ(体型形や比率等)の蓄
積結果を利用して補間処理(例えば、ベヂエ(Bezi
er)、スプライン補間等。)を行うことで関数式(曲
面表現式)について精度の向上を図ることができること
は勿論である。
【0103】また、上記した基準体型モデルの決定にあ
たっては、各体型に属する複数の人体を選出したり、あ
るいはデータの平均化処理等を行う方法もあるが、以下
では説明の簡単化及び理解度を優先させるために、各基
準体型を代表する人体がそれぞれ1体であるとし、ま
た、性別については両性のうちの一方に固定し、かつ年
齢の影響を無視した上で説明を行うことにする。
【0104】次工程(2)では、対象者に関する基本デ
ータとして、身長、体重、外形形状のデータを入力す
る。
【0105】入力方法としては、手動で入力する方法
や、対象者の画像データ等から入力値を取得する方法が
ある。
【0106】例えば、身長、体重については、対象者の
知識により値が既知である場合にキーボード等の入力手
段を用いて数値を直接入力する方法や、身長、体重計に
よって計測した値を自動入力する方法がある。
【0107】また、形状については、対象者の画像デー
タや3次元データを取得して(例えば、ステレオ撮影用
カメラやホログラムカメラ、レンジファインダー等を用
いる)、人体の各部位の形状を認識することで、形状デ
ータの自動入力を行う方法が挙げられる。例えば、光の
干渉縞を用いる方法(被写体に対して単色光や3原色光
による干渉縞を発生させて被写体を撮影するとともに、
被写体に生じた干渉縞の形成間隔から撮影方向における
被写体の奥行き(凹凸)についてのデータを得て、これ
に干渉縞のない被写体画像を貼り付けることによって3
次元データを得る方法)を採用する場合についてその手
順を簡単に示すと下記のようになる。
【0108】(1)被写体(対象者)への重心位置検出
用マーカー(画像処理上の目印又は電波発生源や通信装
置等)の装着及び通信状態のチェック (2)干渉縞発生及び形状読取装置(複数台)の初期位
置設定 (3)使用する干渉縞のタイプ、色彩、形成間隔等の決
定 (4)重心位置検出用マーカーの移動に合せて被写体を
自動追尾で撮影する (5)干渉縞画像に基づき、立体画像処理により3次元
形状データ(ポリゴンデータ)を生成し、対象者の(外
形)形状モデルを作成する (6)形状モデルについての等精度化及び色彩補正 (7)形状モデルに対する2次元画像(表面画像)の貼
付処理。
【0109】図23は立位姿勢の対象者について取得し
た画像データGを概略的に示すものであり、左側に示す
図において「HEIGHT_tgt」が対象者の身長を
示している。また、その右側の図は、対象者の画像デー
タを上記基準身長に縮小(あるいは伸張)したもの、つ
まり、画像データGについて全ての構成部分の長さに
「HEIGHT_ref/HEIGHT_tgt」の比
率を掛けることによって得られる画像G′を示してい
る。尚、この比率「HEIGHT_ref/HEIGH
T_tgt」については後の工程で必要となるのでメモ
リ等に記憶しておく必要がある。
【0110】図24及び図25は、立位姿勢の対象者に
ついて取得した3次元データ(外形形状データ及び表面
状態のデータ)に基づいて高さ方向に沿って所定の間隔
「ds」でスライス処理を行った断層面のサンプリング
例を示している。
【0111】図24は対象者の正面図を概略的に示すも
のであり、スライス処理の起点は頭頂とされている。
【0112】図25に示すように、頭頂に近い方から足
先にかけて付与された識別番号i(i=1、2、・・
・)を有する各断層面での面積素片ΔS_i(i=1、
2、・・・)については、その形状と断面積だけが意味
をもっており、面積素片ΔS_iに関する内部構造を示
すデータは存在しない。何故なら、対象者の3次元デー
タは、対象者の外形に係る形状データと外表面の状態に
係るデータ(画像データ等)によって構成されることが
必要十分条件とされ、体の内部構造は不要とされるから
である。
【0113】従って、対象者の3次元データから抽出さ
れる情報は各面積素片ΔS_iがどのような形状をして
いるか及び断面積の大小である(図22参照。)。尚、
本例ではスライス処理から面積素片を得たが、その代わ
りに面積素片にスライス方向の間隔dsを掛けることで
得られる体積素片を用いても良い(この場合には断面積
の代わりに断面での体積を使用する。)。
【0114】また、スライスの間隔dsについてはこれ
を均等に設定しても良いが、体の形状を特徴的に示す特
定の部分(腹部や胸部等)についてスライスの間隔を小
さくして当該部分に関してより詳細なサンプリングを行
うようにしても良い。
【0115】以上の方法により、対象者の3次元データ
を取得し、当該データから対象の断層面における形状及
び断面積若しくは断層面間の体積についてのデータを取
得することで対象者の体の形状に係るデータを効率良く
取得することができ、データの入力作業を容易に行うこ
とができる。
【0116】次工程(3)では、先ず、対象者の体型を
特定する処理を行う。
【0117】例えば、上記工程(2)で得た各面積素片
ΔS_iの形状を示すデータ(例えば、断面形状を楕円
で近似したときの離心率等、形状の変形率を示すデー
タ)を「t_i」(i=1、2、・・・)とし、面積素
片ΔS_iの面積を「s_i」(i=1、2、・・・)
としたとき、図26に示すように、X−Y平面に設定し
た極座標(r,θ)において点PT_i(s_i,t_
i)をプロットする。つまり、X−Y平面において原点
Oを中心とする円の半径が断面積を示し、θ方向が面積
素片の形状を表すことになる。
【0118】図27は図26をZ軸方向から見たときの
X−Y平面図を示しており、各面積素片ΔS_iについ
て点PT_i(s_i,t_i)(i=1、2、・・
・)が対応している。
【0119】点PT_iの位置を全てX−Y平面上にプ
ロットした後は、各点PT_iを頂点とする多角形(凸
角形や凹角形を含む。)の重心(これを点Gと記す。)
を求める。例えば、図示するように、点PT_i、点P
T_(i+1)、点PT_(i+2)(但し、i=1、
2、・・・、n−2であり、nは自然数である。)を頂
点とする3角形の重心をそれぞれ「Gi」としたとき、
点Giの合成重心が上記重心Gである。つまり、原点O
を基準とする点Giの位置ベクトルをベクトル「V_G
i」とし、点Gの位置ベクトルをベクトル「V_G」と
するとき、ベクトル式「Σ(V_Gi−V_G)=0」
(但し、「Σ」はiについての総和を示す。)を満たす
点Gの座標を計算することによって重心位置が決定され
る。
【0120】尚、図27では各点PT_iがX−Y平面
上の同一象限に位置しているとしたが、場合によって
は、同図に点PT′や点PT′′で示すように点PT_
iとは別の象限に位置していたり、あるいは多数の点が
まとまって位置している領域から離れたところに孤立し
て存在する場合(例えば、大半の点がas軸とat軸と
で囲まれた扇形領域に属しているのに、一部の点がas
軸とpi軸とで囲まれた扇形領域に属している場合
等。)があるが、これらの点については無視するか、あ
るいは、例外として取り扱うことが好ましい。
【0121】また、上記したサンプリングの結果得られ
る面積素片(若しくは体積素片)については、必ずしも
これらを全て利用する必要はなく、体型を特徴的に示す
特定の部分(腹部や胸部等)に係るサンプリング結果だ
けを選出することで処理の高速化を図るようにしても良
いことは勿論である。
【0122】以上のように、体型形についてのデータを
示す座標平面(X−Y平面)上に極座標(r,θ)を設
定した後、対象者の断層面における形状データ(t_
i)から極角θが規定され、かつ、当該断層面における
断面積のデータ(s_i)若しくは断層面間の体積デー
タ(体積素片の体積データ)から極半径(r)が規定さ
れる点(PT_i)を座標平面(X−Y平面)上に配置
して、各点の間を線分で結んでできる多角形の重心Gの
位置から対象者の体型形を特定することができ、しか
も、その算出に要する計算には四則演算程度の計算量で
済むため、面積素片若しくは体積素片の数が増えたとし
ても計算上の負担が著しく増加することがない。
【0123】重心Gの座標(これを極座標表示で「(r
g,θg)」と記す。)が決まると、上記した体型形座
標空間内における関数式Z=Fn(X,Y)から対象者
に係る骨格データの換算比率(対象者に係るモデル作成
に使用する比率)を算出することができる。即ち、上記
したように関数式Z=Fn(X,Y)は各基準体型の骨
格データに基づく補間計算から求められるので、極座標
系から2次元直交座標系への変換式を用いて「Xg=r
g・cos(θg)」、「Yg=rg・sin(θ
g)」を計算してこれらを関数式に代入することで、F
n(Xg,Yg)の値を求めることができる。
【0124】図28は重心G(Xg,Yg)から関数値
を求める様子を概念的に示したものであり、Fn(X,
Y)については、nを「_hr_xx」に選んだ場合
と、nを「_mr_xx」に選んだ場合とを併せて示し
ている。つまり、点Q_hrの高さ(Z_hr)が長さ
比率に係るFn(Xg,Yg)の値(_hr_xx)を
示しており、点Q_mrの高さ(Z_mr)が重量比率
に係るFn(Xg,Yg)の値(_mr_xx)を示し
ている。
【0125】このように骨の長さや重量について対象者
の換算率が求められると、対象者の身長や重量に基づい
て実際の長さや重量を計算することができ、この処理は
次工程(4)において行われる。
【0126】例えば、長さの比率に係る関数式Fn
(X,Y)については、上記した各基準体型モデルの身
長を基準身長に揃えるとともに、対象者の身長を基準身
長に変換した場合に得られる値であるので、対象者の身
長について骨の長さを計算するには、上記した比率「H
EIGHT_ref/HEIGHT_tgt」が必要と
なる。つまり、「_hr_xx」にHEIGHT_tg
tをかけることによってxxで示す部位の長さが決定さ
れる。尚、骨の太さ等、長さの次元を有する他の諸量に
ついても_hr_xxの導出過程と全く同様に求めるこ
とができる。
【0127】また、重量の比率については対象者の重量
(体重等)を「_mr_xx」に掛けることによりxx
で示す部位の重量が決定され、断面積や体積等、長さの
n乗(nは2以上の自然数。)の次元を有する量につい
て重量の導出過程と全く同様に求めることができる。
【0128】こうして、対象者に関する全ての骨の長さ
や重量を求めることによって対象者の骨格(構造)に関
する数値モデルを作成することができ、例えば、数値モ
デルの表現形態としてポリゴンデータによるモデルを採
用した場合には全骨のポリゴンデータを予め用意してお
き、モーフィング等の変形処理を駆使することによって
骨格構造の3次元モデルを得ることができる。
【0129】尚、上記の説明では、対象者の3次元デー
タ(外形形状データ)を取得して対象者の体型形に係る
データを求めたが、3次元データを利用することなく対
象者の2次元画像データだけを用いることによって簡易
なモデルを作成する場合には、画像データから体型を特
徴的に示す人体部分の長さ比率(縦横比率等)を上記し
た面積素片の断面積に代用しても良いことは勿論であ
る。例えば、胸部の形状について典型的には闘士型で逆
3角形(逆台形)状となり、肥満型ではほぼ台形状、痩
せ型ではほぼ長方形となるといった具合に、立位姿勢の
対象者の画像データから体型形に係る情報を得ることが
できる。
【0130】これとは逆にモデルの精度を上げるために
は、対象者の3次元データから得られる人体の各部位の
長さに基づいてデータの補正を行ったり、あるいは全骨
の重量和が体重を越えてしまうといった矛盾が生じない
ように構造モデルと実際の対象人体との間の誤差を極力
低減して整合化を図る必要がある。
【0131】次に、骨格モデルに対して上記(ii)筋
肉モデルを付加した数値モデルの作成について説明す
る。
【0132】この場合には、筋肉の形状、長さ、重量の
他、筋肉の運動性能に関する諸量(例えば、筋肉の収縮
率や、仕事率、筋収縮の反応速度等)を数値モデルの対
象に含めることによって筋肉の性能を数値化することが
好ましい。
【0133】つまり、筋肉の長さや重量については、上
記した「_hr_xx」や「_mr_xx」と同様の手
順を踏襲することによってこれらを求めることができ
る。即ち、「_hr_xx」がxxに示す各筋肉の長さ
の比率を示し、「_mr_xx」がxxに示す各筋肉の
重量の比率を示すものと考えれば良い。
【0134】これに対して筋収縮率や仕事率等について
はこれらの値が何によって影響されるかに依存して決定
される。
【0135】例えば、筋収縮率は、筋肉の自然長に対し
て筋肉がどれだけ収縮するかを示す比率であり、筋肉の
基準長(自然長)を変数「L」で表し、筋収縮時におけ
る筋肉長を変数「LL」で表した場合に、関数式f
(L,LL)で表すことができ(単純なモデルでは「f
(L,LL)=LL/L」である。)、該関数式につい
ては上記した関数Fn(X,Y)と同様に各基準体型モ
デルのデータから算出することができる。よって、「L
g=Fn(Xg、Yg)、LLg=Fm(Xg、Y
g)」(但し、Fnは上記Z軸を変数Lにとった場合の
関数を示し、Fmは上記Z軸を変数LLにとった場合の
関数を示す。)から算出した値を上記関数式に代入した
f(Lg、LLg)から対象者の筋収縮率を計算するこ
とができる。
【0136】同様にして仕事率(単位時間当たりの仕事
量)は作用点の重量及び作用時間の関数として求めるこ
とができ、また、筋収縮の反応速度は、末端神経から筋
肉までの距離及び筋収縮の開始時間の関数として求めら
れる。
【0137】尚、骨格及び筋肉を含むモデルの作成過程
については、上記した(1)の工程で骨の形状や長さ、
重量の他、筋肉の形状や長さ、重量、筋収縮率を含む骨
格及び筋肉のデータを用意するとともに、上記(3)の
工程で各基準体型に係る骨格及び筋肉データに基づいて
補間計算を行い、対象に係る骨格及び筋肉のデータの換
算比率を算出する。そして、上記(4)の工程では
(3)の工程で得た換算比率及び(2)の工程で入力し
た対象の体長や重量に基づいて対象の各骨や筋肉の長
さ、重量、筋収縮率を決定すれば良い。
【0138】こうして作成されるモデルによれば、例え
ば、骨や関節等を動かしたときの筋肉の模擬的運動を現
出させることが可能となる。
【0139】以上で骨格及び筋肉の数値モデルについて
説明を終えるが、上記した方法は、数値データの如何に
は無関係に採用することができる普遍性を有しているの
で、この方法を上記した(iii)乃至(v)のモデル
に適用することは容易である。
【0140】次に、人体構造モデルを構成するデータベ
ースについて説明する。尚、ここで「人体構造モデル」
とは、人体に関する体格や体重等の基礎データからその
身体的特徴を、骨格、筋肉、神経、皮膚、脂肪等を含む
構造的モデルとしてコンピュータ上に構築した数値モデ
ルを意味する。
【0141】この人体構造モデルは多数のDBから構築
され、当該DBを大別すると、概念的には下記に示すD
Bが挙げられる。
【0142】(A)骨に関するDB (B)関節や靭帯に関するDB (C)筋肉に関するDB (D)神経(運動神経や反射神経等)に関するDB (E)内臓や脂肪に関するDB (F)皮膚に関するDB (G)身体運動に関するDB 先ず、(A)は骨の重量や重量分布、形状、破断係数等
の項目を含んでおり、骨格の基本情報に関するDBであ
る。
【0143】また、(B)には関節の自由度や破断係
数、対偶と対偶との接続関係、対偶と筋肉との接続関
係、筋肉の収縮率と関節の角度との関係等についての情
報が含まれる。
【0144】(C)には、筋肉の自由長や収縮(若しく
は膨張)時の長さや収縮率、破断係数、重量、反応速
度、仕事率等についての情報が含まれる。
【0145】(D)には、例えば、運動神経に関して脳
幹、中枢神経、末端神経、筋収縮神経における運動神経
信号と筋収縮との関係についての情報、あるいは、反射
神経に関して、触覚神経、末端神経、中枢神経、脳幹に
おける圧力、熱、痛覚の神経信号と筋収縮との関係につ
いての情報等が含まれる。
【0146】(E)には、内臓や脂肪の重量や重量分布
についての情報が含まれ、(F)には皮膚の老化や皺の
寄り方についての情報が含まれる。
【0147】(G)は人体の力学的運動状態だけを表象
するためのDBであり、これには、人体の全身運動や部
分運動に係る情報をワイヤーフレームモデルとして抽出
したデータと、運動に伴う重心位置の変化についての情
報が含まれる。
【0148】尚、上記のDBはそれぞれ1個のDBとし
て生成されるとは限らない(例えば、あるDBは複数の
DBの集合として構成される。)。
【0149】人体構造モデルの作成に関する処理の大要
を箇条書きにして簡単にまとめると、以下のようにな
る。
【0150】 ステップSS1:身体に関する基本データの入力 ステップSS2:DBに基づくデータ加工 ステップSS3:人体についての3次元データの取得及
び運動に関するワイヤーフレームモデルの生成 ステップSS4:人体についての3次元データの取得及
び運動に伴う重心位置データの取得 ステップSS5:人体についての3次元データの取得及
び三半規管神経によるバランス神経信号と身体バランス
の取得 ステップSS6:人体についての3次元データの取得及
び筋電図等による運動神経信号と筋収縮との関係の取得 ステップSS7:人体についての3次元データの取得及
び反射神経テストによる筋収縮と圧力、熱、痛覚の神経
信号との関係の取得 ステップSS8:伸張反射神経に関する筋電図情報の取
得。
【0151】以上のステップのうち、本願発明に関係の
あるステップSS1乃至SS4について、以下に説明す
る。
【0152】上記SS1は、人体構造モデルの対象とな
る個人の体格や性別、年齢等のデータを入力するステッ
プであり、その後のステップSS2では各種のDBに基
づいてデータを加工して対象者の身体構造に関するDB
を生成する。
【0153】尚、ここで各種のDBとは、例えば、下記
(a)乃至(f)に示す通りである。
【0154】(a)重量DB 骨、筋肉、脂肪、頭部、臓器等の重量比率(体重に占め
る割合)に関するDBである。
【0155】(b)重量分布DB 骨、筋肉、脂肪、頭部、臓器等の重量分布(人体におけ
る位置や重心等)に関するDBである。
【0156】(c)破壊係数DB 骨や靭帯、筋肉等の破壊係数(破断係数等)に関するD
Bである。
【0157】(d)関節自由度DB 各関節の自由度に関するDBであり、関節の可動範囲の
設定に用いられる。
【0158】(e)接続関係DB 対偶と対偶との間、対偶と筋肉との間、対偶と靭帯との
間等についての接続関係を規定するDBである。
【0159】(f)筋運動DB 関節の駆動角度と各作用筋の駆動比率や、筋肉の自由長
や収縮率、仕事率、筋収縮の反応速度等に関するDBで
ある。
【0160】(g)神経配置DB 人体における神経配置や長さ等に関するDBである。
【0161】また、身体構造に関するDB(以下、「身
体構造DB」という。)とは、上記(a)乃至(f)の
DBのリンク(データ結合あるいは関連付け)により生
成されるDBとして定義される。
【0162】そして、上記(a)乃至(f)のDBと、
上記した(A)、(B)、(C)、(E)に示すDBと
の間の関係の一例を示すと、下表1の通りである。
【0163】
【表1】
【0164】尚、表1において「○」は横欄に示す各D
Bが縦欄に示すDBを包含することを意味し、「−」は
そのような包含関係がないことを意味している。例え
ば、(A)の骨に関するDBには、骨の重量や重量分
布、骨の破断係数に関するDBが含まれる。また、
(B)のDBについては関節の重量が主として骨部の重
量から構成されるために靭帯についての重量や重量分布
を無視しているが、これらについてもモデルに組み込む
ことでより詳細なモデル化を図ることができることは勿
論である。
【0165】そして、形状に関するDBについては、基
準人体(上記基準体型モデル等。)の骨格や脂肪等の形
状モデルに基づき前記した方法を用いて体型形や性別デ
ータ等から生成される。
【0166】図29及び図30は、上記ステップSS1
及びSS2について、具体例の要部を示すフローチャー
ト図である。
【0167】先ず、図29のステップS1において予め
規定されている下記のデータ項目について、対象者の数
値を入力(手動又は自動入力)したり、選択値の場合に
はそれらのいずれかを指定する。
【0168】・身長(単位:mm) ・体重(単位:Kg) ・体型形(痩せ型、闘士型、肥満型等のタイプとその度
合。) ・性別(男・女) ・年齢(単位:才)。
【0169】例えば、入力値のデータ構造について下表
2に示す例が挙げられる。
【0170】
【表2】
【0171】つまり、この場合には、身長や体重等のよ
うに連続的な数値を格納する領域を要するものや、体型
形等のように、タイプを示す値(上記体型形座標空間の
座標軸θの値に対応する)とその度合示す数値(上記体
型形座標空間の座標軸rの値に対応する)とを組み合わ
せた構造、あるいは、性別のように「0」又は「1」の
1ビットデータで簡単に表現できるもの等が挙げられ
る。
【0172】尚、身体構造モデルの生成にあたっては、
上記のような比較的少数の入力パラメーターに基づいて
モデルを生成するモード(以下、「ノーマルモード」と
いう。)と、ノーマルモードで生成したモデルに変更を
加えるためのモード(以下、「特殊モード」という。)
とが存在するので、ステップS2でのモード判断処理に
おいて、先ずは、ノーマルモードを選択したものとし
て、ステップS3乃至S8での処理について説明する。
【0173】ステップS3では、上記(a)の重量DB
を参照して重量設定処理を行う。即ち、対象者の体型形
データに基づいて骨、筋肉、脂肪、頭部、臓器等につい
ての重量比率を設定するとともに、筋肉や脂肪の重量に
ついてはさらに胸部、腹部、上肢、下肢に区分して設定
する。また、性別の如何によって筋肉脂肪のつき方が異
なるので、その相違を考慮して重量比率の設定を行う。
尚、設定後における総重量と上記した体重の入力値との
差がほぼゼロとなるように重量の割り当てを行う必要が
あることは勿論である。
【0174】次ステップS4では、上記(b)の重量分
布DBを参照して、対象者の身長や体型形のデータに基
づいて骨格や脂肪の形状について設定を行う。そして、
骨の重量分布(重心や比重等)により骨と頭部の重量配
分を設定するとともに、肉質の重量分布により筋肉や脂
肪の重量配分を設定する。尚、ここで、「肉質の重量分
布」について、上肢、下肢の場合と胸部の場合とに分け
て説明すると、前者の場合には、骨の重量分布について
の重量点を中心とした仮想の円軌道(これは立位姿勢の
人体を正面から見た場合の形状であり、正確には球形状
をしている。)を複数設定して、各軌道に対して重量を
等間隔でもって均等に配分する。また、後者の場合には
骨の重量分布における胸郭の重量点から外方へ一定の間
隔をおいた距離に仮想の軌道を複数設定して、各軌道に
対して重量を等間隔でもって均等に配分する。そして、
性別の入力データが女性である場合には、胸部脂肪の重
量分布について追加の設定を行う。
【0175】内臓の重量分布については、頭内臓部、第
1頸骨間関節と恥骨間を結ぶ内臓重量線上において等間
隔で設定し、該重量分布は椎骨の運動によって変化す
る。また、腹部脂肪の重量分布については、内臓重量線
上に沿って等間隔に設定される重量点を中心とする仮想
の楕円形軌道(これは立位姿勢の人体を正面から見た場
合の形状であり、正確には楕円体形状をしている。)を
複数設定し、各軌道に対して重量を等間隔でもって均等
に配分する。尚、この他、仮想の楕円形軌道内に、骨、
筋肉、内蔵、脂肪の領域を設けて領域毎のDBを作って
おき、各領域に等分布の重量をそれぞれ設定する方法が
ある。
【0176】上記によって内臓や脂肪の分布が明らかと
なるので、対偶の進入禁止範囲(対偶が内臓等を突き抜
けて体内に進入するのを禁ずるための範囲)を設定する
ことができる。
【0177】ステップS5では、上記(c)の破壊係数
DBから骨や靭帯、筋肉等についての破壊係数データを
読み込む。これは骨や靭帯等の破損を招くような無理な
力が加わる姿勢、つまり、健康体においてあり得ない人
体の状態を人体構造モデルにおいて回避するために必要
とされる。
【0178】ステップS6では、上記(d)の関節自由
度DBや(c)の破壊係数DBを参照して、体型形や性
別のデータから関節の駆動範囲や自由度(破壊時の自由
度を含む。)を設定する。尚、これは関節の構造からは
健康体として許されない動きやありえない動きを排除す
るためである。
【0179】ステップS7では、上記(e)接続関係D
Bを参照して各種の接続関係についてのデータを読み込
んだ後、次ステップS8では筋運動についての設定を行
う。
【0180】筋運動については上記(f)の筋運動DB
を参照して、入力データ(身長、体重、体型形、性別、
年齢等)に基づいて駆動される対偶の重量を考慮して関
節の駆動角度と作用筋の収縮率について設定する。
【0181】以上のステップS3乃至S8によってノー
マルモードでの身体構造モデル及びこれをデータベース
化した身体構造DBが作成される。尚、上記(g)の神
経配置DBについては、身体構造DBに合わせて基準人
体(基準体型モデル等)の神経配置から単独の加工処理
によって作成される。
【0182】図30のステップS9では特殊モードに進
むか否かを判断し、特殊モードを選択した場合にはステ
ップS10に進み、選択しなければステップS17に進
む。
【0183】上記ステップS2又はステップS9におい
て特殊モードを選択した場合にはステップS10に進
み、比率変換モードを選択するか否かを判断する。尚、
「比率変換モード」とは上記したノーマルモードにおい
て生成したデータに対して腕、胴、脚部等の大きさを入
力してデータ比較を行い、長さや重量の再設定を行うモ
ードである。同ステップで比率変換モードを選択した場
合にはステップS11に進み、選択しない場合にはステ
ップS17に進む。
【0184】ステップS11では比率変換モードを更に
2つにモード、つまり、「長さ設定モード」と「比率設
定モード」とに分け、両者のうちのいずれかを選択す
る。そして、「長さ設定モード」を選択した場合にはス
テップS12に進んで、腕、胴、脚部等の長さ(単位:
mm)をそれぞれ入力する。また、「比率設定モード」
を選択した場合にはステップS13に進んで腕、胴、脚
部等の基準長(例えば、身長等)に対する比率をそれぞ
れ入力する。尚、これらステップS12、S13での入
力データは、例えば、上記(e)の接続関係DBにおけ
る筋肉の自由長についての補正に用いられる。
【0185】続くステップS14では、重量モードにつ
いて2つのモード、つまり、「合わせ込みモード」と
「加減調整モード」とに分け、両者のうちのいずれかを
選択する。そして、「合わせ込みモード」を選択した場
合にはステップS15に進み、生成データから得られる
重量を体重の入力データに合わせる処理を行ってから図
29のステップS2に戻る。また、「加減調整モード」
を設定した場合にはステップS16に進んで生成データ
から得られる重量について増減量を付与する処理を行っ
た後ステップS2に戻る。これらのステップS15、S
16により、上記ステップS3やS4での重量設定や重
量分布の補正をさらに行うことができるようになる。
【0186】ステップS17では、「関節重量モード」
を選択するか否かを判断し、選択する場合にはステップ
S18に進み、選択しなければステップS19に進む。
尚、「関節重量モード」とは、例えば、対象が人体では
なく人体を模倣した2足歩行型ロボットにおいて、関節
駆動用のモータ等の重量を登録する場合等に用いられ、
関節毎に1点の加重値を加減算して、全体のバランスが
保たれるように対偶の重量分布を設定するためのモード
である。尚、ステップS18での処理後はステップS1
9に進む。
【0187】ステップS19では、「筋肉重量モード」
を選択するか否かを判断し、選択する場合にはステップ
S20に進み、ここで各対偶に付随する筋や脂肪の重量
毎に所望の加重値を加減算することで筋肉等の重量バラ
ンスを保つように設定を行う。
【0188】尚、「筋肉重量モード」を選択しなければ
身体構造モデルの生成を終了するが、これまでの工程に
おいて必要なデータは体格や性別等に関する比較的少数
のデータだけである。
【0189】次に上記したステップSS3、SS4につ
いて、図31に示す要部のフローチャート図に従って説
明する。尚、本工程では、上記(G)身体運動に関する
DBについて下記に示すDBが作成されるが、その内容
は後述する処理の説明から明らかとなる。
【0190】(G1)運動ワイヤーフレームDB (G2)運動重心位置DB。
【0191】先ず、図31のステップS1において重心
位置検出用マーカーを付設した対象者に対して立位姿勢
を維持してもらった後、次ステップS2では3次元デー
タの取得法を用いて対象者の3次元データを得る。尚、
ここで、「3次元データ」とは、平面上に貼り付けられ
た2次元画像と区別されるデータであり、3次元形状を
構成する曲面及びこれに貼り付けられた画像データを意
味する。
【0192】3次元データの取得法としては、被写体の
形状や画像を含むデータを得ることのできる方法であれ
ば如何なる方法を用いても構わないが、例えば、前記し
た光の干渉縞を用いた方法を挙げることができる。
【0193】次ステップS3では、前ステップによって
得られたモデルに対してその頭部から足先に向かって鉛
直方向に沿ってスライス処理(つまり、断層断面を形成
する。)を行うことで身体の各構成部分や対偶を認識す
る。例えば、図32に概略的に示すモデルmdlに関し
て矢印Rで示す方向がスライス方向であり、点Psが頭
頂部を示し、領域「A1」が頭部の認識に関する領域、
領域「A2」が頸椎の認識に関する領域、領域「A3」
が肩部の認識に関する領域、領域「A4」が胸部及び腹
部の認識に関する領域、領域「A5」が脚部の認識に関
する領域を代表的に示している。尚、図32において右
側に概略的に示した断層図は領域A1の下側境界面でス
ライスした領域の数が1個、領域A3の下側境界面でス
ライスした領域の数が3個、脚部を途中でスライスした
領域の数が2個であることをそれぞれ示している。
【0194】また、対偶等の認識については、対象者の
身体構造モデルと3次元データから得られるモデルとを
比較・対照することで行う。例えば、被写体(対象者)
に取り付けた重心位置検出用マーカーに対応する重心と
頭部の中心点とを結ぶ軸を身体構造モデルの背骨軸であ
ると認識したり、上肢の両肩関節の位置については背骨
軸に関して左右対称であって最も突起した箇所として認
識する等、人体の身体的特徴に基づいて求めることがで
きる。
【0195】図31のステップS4では対象者に対して
膝の屈伸運動を行ってもらい、上記ステップS2及びS
3で説明したのと同様の方法によって3次元データの取
得及び膝関節の認識に関する処理を行う。つまり、立位
姿勢での3次元データだけでは膝関節の特定を正確に行
うことができないためである。
【0196】そして、ステップS5では対象者に対して
その前腕が地面に平行になるように腕を動かしてもらっ
て上記ステップS2、S3で説明したのと同様の方法に
よって3次元データの取得及び肘関節の認識に関する処
理を行う。
【0197】次ステップS6では上記ステップS2乃至
S5において得られた基礎データについての補正(誤差
の補正等)を行った後、次ステップS7に進み、データ
の確定、つまり、対象者に係る人体形状データを決定す
る。
【0198】そして、ステップS8に進み、対象者の形
状と上記ステップで得た人体形状データとの間に顕著な
相違が生じないように形状について両者間の合わせ込み
処理を行い、当該人体形状と上記身体構造モデルとの間
に生じる差異を極力低減する。
【0199】ステップS9では、対象者に所定の運動を
してもらい、上記ステップS2で説明したのと同様の方
法を用いて運動状態についての3次元データを取得す
る。
【0200】そして、ステップS10では3次元データ
における頭部と重心位置検出用マーカーの位置に基づい
て胴体を認識するとともに、対象者の身体運動に関する
情報(対偶の状態等)を表象する枠体モデルとしてワイ
ヤーフレームモデルを生成する。そして、該ワイヤーフ
レームモデルをデータベース化することにより上記の運
動ワイヤーフレームDBを作成する。
【0201】ステップS11では、ワイヤーフレームモ
デル及び前記ステップで得られた人体形状に基づいて運
動中心である重心位置及びその変化に関するデータだけ
を抽出して上記運動重心位置DBを作成する。
【0202】しかして、これまでに経た処理によって身
体の構造や運動に関する数値モデルを得ることができ、
これら対して筋肉や脂肪の形状についてのポリゴンデー
タ(多角形近似あるいは多面体近似によるデータ)を付
加することによって人体に関するポリゴンモデルやこれ
をデータベース化したもの(以下、「人体ポリゴンD
B」という。)を得ることができる。
【0203】図33は人体ポリゴンDBについて、上記
した身体構造DBや運動ワイヤーフレームDB、運動重
心位置DBの他、下記に示すDBとの依存関係の一例を
示すものであり、図中の矢印「→」は、「X→Y」と記
した場合にデータベース「Y」がデータベース「X」に
基づいて生成されることを意味し、また、両矢印はリン
クを意味している。
【0204】(h)筋肉ポリゴンDB (i)脂肪ポリゴンDB (j)特殊脂肪ポリゴンDB (k)皮膚老化ポリゴンDB。
【0205】上記(h)乃至(j)のDBについて簡単
に説明すると、先ず、(h)筋肉ポリゴンDBは筋肉の
収縮に対応した筋肉形状のポリゴンデータ集であり、
(i)脂肪ポリゴンDBは、筋肉の収縮と重心の運動に
対応した脂肪形状のポリゴンデータ集である。また、
(j)特殊脂肪ポリゴンDBとは、筋肉の収縮には直接
関係しないが重心の運動に主として関与する脂肪(内臓
脂肪や胸部脂肪等。)の形状についてのポリゴンデータ
集である。
【0206】(k)皮膚老化ポリゴンDBは、皮膚に対
して人為的に老化させる処理を施す際に必要な皺の量や
寄り方についてのポリゴンデータ集(あるいは2次元画
像データ)であり、上記した(F)皮膚に関するDBを
構成するものである。
【0207】尚、図33に示す「筋収縮ポリゴンDB」
は、筋肉ポリゴンDB、身体構造DB、運動ワイヤーフ
レームDB、運動重心位置DBから生成されるデータベ
ースであり、人体の運動に伴う筋肉の収縮状態を表現す
るために必要とされ、概ね下記の手順に沿って生成され
る。
【0208】(1)身体構造DBの生成 (2)運動ワイヤーフレームDB及び運動重心位置DB
の生成 (3)筋肉ポリゴンDBと(1)や(2)のDBとのリ
ンク。
【0209】また、「脂肪収縮ポリゴンDB」は、筋肉
ポリゴンDB、身体構造DB、運動ワイヤーフレームD
B、運動重心位置DBを参照しながら脂肪ポリゴンDB
及び特殊脂肪ポリゴンDBから生成されるデータベース
であり、筋肉の収縮や重心運動に伴う脂肪の位置や厚さ
等の変化を表現するために必要とされる。
【0210】図34は、人体ポリゴンDBの生成につい
て処理例の要部を示すフローチャート図であり、筋収縮
ポリゴンDBの生成に関する処理と、脂肪収縮ポリゴン
DBに関する処理とを並列的に示している。
【0211】先ず、筋収縮ポリゴンDBの生成に関する
処理については、ステップS1において、筋肉ポリゴン
DB、身体構造DB、運動ワイヤーフレームDB、運動
重心位置DBを用意した後、ステップS2では、人体の
運動と各筋肉の収縮率の変化についての関係を得る。
【0212】そして、ステップS3では全ての筋肉に関
してその収縮に対応した筋肉形状を示すポリゴンデータ
集、つまり、筋収縮ポリゴンDBを作成する。その際に
は、身体構造DBのうち特に人体形状に関するデータ及
び筋肉ポリゴンDBのデータを参照する。
【0213】次ステップS4では、運動ワイヤーフレー
ムDBに対して筋肉部のポリゴンデータを付加した後、
ステップS5に進む。
【0214】他方、脂肪、特殊脂肪のポリゴンDBに関
する処理については、ステップST1において両DBを
用意した後、次ステップST2で人体の運動と各脂肪の
収縮率の変化についての関係を得る。
【0215】それからステップST3において全ての脂
肪に関して筋肉の収縮や重心運動に対応した脂肪形状を
示すポリゴンデータ集、つまり、脂肪収縮ポリゴンDB
を作成する。その際に身体構造DBのうち特に人体形状
に関するデータ及び筋肉ポリゴンDBのデータを参照す
る必要がある。
【0216】次ステップST4では、運動ワイヤーフレ
ームDBに対して脂肪部のポリゴンデータを付加した
後、ステップS5に進む。
【0217】ステップS5では、筋肉や脂肪を加味した
運動ワイヤーフレームモデルについて、画像データの1
フレーム毎に筋肉や脂肪のポリゴンデータを加工するこ
とにより筋肉の躍動や脂肪の揺れ等を表現する。尚、こ
の加工にはポリゴンの表面におけるドットやパッチに対
するデータ処理として行われ、例えば、ドットに関する
結線処理やベヂエ化処理、あるいはこれらの処理を、一
定表面の圧縮後に行う等の処理が含まれる。
【0218】次ステップS6では上記皮膚老化ポリゴン
DBと運動ワイヤーフレームDBとのリンクを行う(図
33では両方向の矢印で示している。)。これによっ
て、例えば、ある関節の周囲における皮膚の皺を関節角
度や関節からの距離に応じて変化させることができる。
【0219】こうして人体ポリゴンDBが作成される
が、筋肉への電気刺激にあたっては、例えば、下記の
(イ)乃至(ハ)に示す手順を踏む。
【0220】(イ)駆動の対象となる関節を特定する (ロ)(イ)の関節を動作させるのに必要な筋肉(例え
ば、対をなす筋肉として伸筋及び屈筋等)又は刺激付与
の対象となる筋肉を選定する (ハ)(ロ)で選定した筋肉において、皮膚表面に近い
表層の筋に対しては効果器を通して低周波による刺激
(あるいは後述するファントムセンセーションによる刺
激)を与え、内層の筋に対しては効果器を通して干渉波
による刺激を与える。
【0221】つまり、刺激を与える筋の位置に応じて電
気刺激の態様(干渉波電気刺激又は低周波電気刺激)を
使い分けることで、それぞれの筋に対して効率良く刺激
を与え、違和感のない運動感覚を装置使用者に呈示する
ことができる。
【0222】尚、上記手順(イ)では駆動の対象となる
関節を特定したが、効果器によっては当該効果器に係る
対象関節が既に特定されている場合があるので、そのと
きには、直ちに筋肉を選定することができる。
【0223】また、(ロ)において、関節の動作に必要
な筋として伸筋及び屈筋を選定した場合には伸筋と屈筋
とを同じ程度に収縮させるのではなく、関節の屈曲時に
は屈筋をより多く収縮させ(例えば、屈筋対伸筋の収縮
比率を20:1程度の比とする。)、また、これとは逆
に関節の伸展時には伸筋の方をより多く収縮させる。そ
して、筋肉の選定においては、関節とこれを駆動する筋
肉の伸縮とを関係付けるデータベースを予め構築してお
き、その後、上記(イ)の過程で、対象となる関節を特
定したときに、当該関節を駆動するのに必要な筋肉を上
記データベースに基づいて選定することが好ましい。
尚、「関節とこれを駆動する筋肉の伸縮とを関係付ける
データベース」とは、例えば、前記した(B)関節や靭
帯に関するDBと(C)筋肉に関するDBとを関連付け
ることによって生成することができ、(a)乃至(f)
に示すDBのうち、関節や対偶と、これを補助する筋肉
についてのデータ項目(例えば、関節の名称や位置、関
節の駆動に要する筋肉の名称や形状データ、対偶を支え
ている始点の関節名称等)を含んでいる。このデータベ
ースを用いると、例えば、肘関節を対象としたときに、
その動作に応じて関与する筋肉の情報を得ることができ
る。
【0224】例えば、肘関節の駆動をとりあげて説明す
ると、以下のようになる。
【0225】人体における肘関節及び前腕の運動に関与
する筋のうち、上腕の筋肉には、上腕二頭筋、上腕筋、
上腕三頭筋、肘筋が挙げられ、また、前腕筋には、腕橈
骨筋、回外筋、円回内筋、方形回内筋等が挙げられる。
【0226】このうち上腕の筋肉についてみると、2関
節筋である上腕二頭筋は、肘関節に関する屈曲作用及び
前腕に関する回外作用を有しており、特に屈曲について
は屈筋群の中でも強力な働きをもっていることが知られ
ている。また、上腕三頭筋は長頭が肩甲骨に起始部をも
つ2関節筋であり、肘関節における前腕の伸展作用は主
に内側頭に属する筋が行い、強力な伸展力を有すること
が知られている。
【0227】前記した多層構造の効果器を筋肉に対して
装着するにあたっては、電極群をシート面の全面に亘っ
て一様に配置するよりは、特定の領域にのみ配置するこ
とで効率化を図ることが好ましい。これは、筋肉の場所
に応じて電気刺激の影響が異なるからである。尚、「特
定の領域」とは、筋肉の筋始点や筋腹、あるいはこれら
の近傍領域又は筋始点と終点とに亘る範囲に対応するシ
ート状基材上の領域をいう。例えば、上腕二頭筋を例に
すると、この場合には、筋腹に対して配置される電極を
陰電極とし、筋始点に対して配置される電極を陽電極と
し、対をなす電極を介して低周波電気刺激を与えること
によって、皮膚表面から筋肉の伸縮が目視で解るような
表層筋に対して刺激を与えることができる。
【0228】また、関節の動作によって巻き込まれてし
まう皮膚表面の領域には、電極部を構成する電極群を配
置しないことが好ましい。その理由はシート状基材の変
形に伴う電極位置の移動が大きいこと、また、上記抵抗
パターンの数、圧力や温度の検出素子の数が多い場合に
は、取得したデータの処理に負担がかかるためである。
よって、このような不都合を避けるためには、下記
(i)乃至(iv)に示すように、関節の動作時(屈曲
や伸展時等)において圧力が大幅に変化する領域を予め
調べておくことが好ましい。
【0229】(i)効果器を対象者に装着する (ii)対象者に関節の屈曲や伸展の一定動作を実行し
てもらう (iii)(ii)の動作中における抵抗パターンの抵
抗値変化あるいは表面の圧力の情報を取得するととも
に、抵抗値や圧力値に関して所定の閾値を設定してこれ
を越えた位置や範囲を示す場所情報をデータ化してRO
M(リード・オンリー・メモリ)や補助記憶装置(ある
いは外部記憶装置)等の記憶手段に格納しておく (iv)(iii)で記憶しておいた場所情報を参照し
て使用電極の配置や、圧力検出を行わない(あるいは検
出値を無視すべき)領域を決定する。
【0230】尚、(ii)においては、対象者にヘッド
マウントディスプレイ(HMD)等の視覚表示装置を装
着して、当該装置上に模倣すべき動作を映し出す方法を
用いることが好ましい。つまり、カメラ撮影によって得
られる画像情報を動画像として映し出した映像と、これ
から模倣すべき動作を示す仮想映像を視覚表示装置に表
示させ、対象者には、実際の自分の動作を示す映像が仮
想映像に重なり合うように動きを追従させることで一定
動作を倣ってもらうと、口頭での説明や指示者の動作を
まねるよりも能率的である。
【0231】また、効果器を人体に着用して使用できる
形状にした場合には、シート状基材のうち電極部を構成
する電極群が配置されていない場所に、通気性及び伸縮
性を有する材料が用いることが好ましい。つまり、対象
者の動作に伴う発熱や発汗に対処する(つまり、蒸れな
いようにする)とともに動き易さを保証するためには、
通気性に富み、伸縮性に優れた材料の使用が望ましい。
例えば、ダーリントン伸縮性織地と、水蒸気を通しかつ
熱可塑性のフィルムを積層した布地として、リーバンド
社の「ダーレックス」(DARLEXX:商標)や、吸
湿性・給水性に優れた綿素材にクーリング性の高いエバ
ール繊維(芯部分にポリエステル、鞘部分にエチエン・
ビニルアルコールを用いた複合繊維:株式会社クラレの
商標)を交編した機能素材として、ミズノ社の「アイス
タッチ」(商標)等が挙げられるが、これらに限らず、
スポーツ衣類等の分野で開発されている素材を使用する
ことができる。
【0232】そして、関節及びこれによって駆動される
部位の全体に亘って効果器で覆うのではなく、当該関節
についての対偶に対応した部分にだけ電極部を有する効
果器を部分的に装着して(つまり、対偶毎に電極部を作
成するとともに、各対偶の形状的特徴にあった形状の効
果器を着用する。)、電気刺激を付与することにより、
軽くて着用し易くなる。例えば、前腕の肘関節や手首の
関節を例にすると、これらの関節の近傍領域にそれぞれ
の効果器を装着すれば済むことになる。尚、対偶の形状
認識については後述する。
【0233】しかして、本発明に係る制御方法の基本手
順を箇条書きにしてまとめると下記のようになる。
【0234】(1)対象者に係る人体の筋肉の配置を示
すデータベースを予め構築する (2)効果器を対象者に装着して、電極群が皮膚表面に
接触されるようにセットする (3)(2)の電極群を構成する電極のうち、陽極側電
極として設定された電極への電気刺激信号に係る周波数
成分と、陰極側電極として設定された電極から検出され
る信号の周波数成分との間の差分データを算出すること
により、電気刺激により筋から発生した信号の周波数成
分を解析し、当該差分データを、ATPによる多筋線維
の動作集合状態信号に係る周波数成分のデータとして保
存しておく (4)皮膚表面の形状及び形状変化を示す情報を取得し
て形状認識を行う (5)(1)のデータベースから得られる対象者の筋肉
配置の情報と、(4)で得た形状認識結果に基づいて効
果器の電極群のうち電気刺激信号を供給すべき電極を選
択する (6)(5)で選択した電極から検出される筋電位情報
と、(3)で保存しておいたデータとを比較することに
より、筋の動作前にその動作を予測した上で当該電極に
対して低周波電気刺激又は干渉波電気刺激のための電気
信号を供給する。
【0235】以上で概要説明を終え、下記に示す基本的
事項について詳説する。
【0236】(I)圧力検出を利用した形状認識法 (II)骨断面や筋及び脂肪断面の情報を利用したデー
タベースの構築 (III)低周波電気刺激法と干渉波電気刺激法 (IV)ファントムセンセーション (V)筋電図を利用した動作予測法 (VI)低温火傷の防止と刺激出力の調整 先ず、前述したように、図1の形状認識部1cに関して
は圧力検出を利用した認識方法について説明したが、本
法では表面圧Pと形状Sとの間の数値的関係を予め取得
しておく必要があり、そのための初期学習の過程を図3
5乃至図44に従って説明する。
【0237】図35はシート状基材に行及び列電極シー
トと感圧層を積層形成して作成した圧力検出用シート1
2を円筒状(あるいは円錐台状)に丸めて端部同士をシ
リコーンやゴム材料、布等を用いて接着した状態を示し
ている(図の斜線部が接着部分13を示す。)。また、
これに限らず図36に示すように、円筒(圧力検出用シ
ート12)の側面全体を覆うように接着領域14を形成
しても良い(図に斜線を付して示す部分を参照。)。
尚、円筒側面の母線に沿うように縦糸(例えば、麻等の
丈夫な工業糸)を接着部あるいはシート基材の内部又は
外表面に設けることが好ましい(円筒軸に平行な方向に
おけるシート基材の形状変化を良好なものにするた
め。)が、圧力検出用シートの伸張時において電極シー
トや感圧シートが変形したときに抵抗値や誘電率等が変
化する場合があるので、変形に伴う物理量の変化率を予
め測定しておき、当該変化率を考慮してデータ補正を行
うことが好ましい。
【0238】図37は圧力検出用シート上における各圧
力検出素子を選択するための構成を概略的に示したもの
であり、マトリックス選択回路15は、上記した行電極
群8a、8a、・・・に接続される接続線群「X」と、
列電極群10a、10a、・・・に接続される接続線群
「Y」を有しており、また、CPU16やメモリ17
(RAM又はROM)に関するアドレスバス18及びデ
ータバス19に接続されている。即ち、CPU16から
マトリックス選択回路15に対するアドレス指定によ
り、圧力検出素子群についての番地指定が為されると、
当該番地に対応する行電極群、列電極群のうちの対応す
る電極がそれぞれ選択され、圧力検出素子の位置が特定
される。そして、選ばれた圧力検出素子の検出情報が返
されて、データバス19を介してCPU16やメモリ1
7において利用されることになる。
【0239】図38は初期学習時に使用する基準円柱
(円筒でも良いが、これを圧力検出用シートに挿入した
ときに当該シートから受ける力によって形状が容易に変
化しないことが必要である。)を示しており、この例で
は、半径を異にする3つの円柱α、β、γが用意されて
おり、円柱αの半径「r_α」が三者中で最も小径とさ
れ、その次の円柱βの半径「r_β」が円柱αの半径よ
りも大きく、円柱γの半径「r_γ」が最も大径とされ
ている。
【0240】これらの基準円柱をそれぞれ圧力検出用シ
ート12(図では円錐台形状をしている。)に挿入した
上で圧力分布と形状(基準円柱の半径)との間の数値的
関係をキャリブレーションにより取得する。つまり、基
準円柱の径が大きいもの程これを筒状の圧力検出用シー
トに挿入したときの圧迫が大きくなる(表面圧が大きく
なる)ことが明らかであり、そのときの圧力検出情報
(正確には各圧力検出素子により得られるデータ群)と
形状との対応関係を数値情報として得ることができる。
【0241】尚、この例では説明を簡単にするために基
準円柱を3個としたので、上記自由曲線を決める上での
点の数が少ないが、半径の異なる数多くの基準円柱を用
意するか又は1個の基準円柱においてその半径を連続的
に可変するための機構を設ける(例えば、空圧や電磁機
構等を使った人工筋肉を基準円柱に付設する。)ことに
よって、補間に必要なデータ数を確保できることは勿論
である。また、基準円柱の形状については、円柱の他に
4角柱あるいは多角柱等を用いても良い。
【0242】図39は初期学習の手順例を示すフローチ
ャート図であり、先ず、ステップS1で基準円柱(ある
いは基準円筒、角柱等)のうちの1つを選択してこれを
筒状の圧力検出用シート12に挿入する。
【0243】次ステップS2では、圧力検出用シートに
おける各圧力検出素子を上記マトリックス選択回路15
により走査してこれらによる圧力検出情報を取得してメ
モリ(RAM)に格納する。
【0244】尚、この場合、圧力検出素子の数が膨大な
数に亘ることに起因してデータ量が増えてしまうという
不都合に対処するためには、上記した「人体に関する力
学的構造の数値モデル」を活用して必要最小限の数の圧
力検出点を選定すると、データ量を大幅に低減すること
ができる。つまり、データ量を削減するために圧力検出
素子の数を予め必要最小限にまで少なくしておくことが
考えられるが、これでは対象者の個体差(体格差や四肢
の長さの違い等)によって圧力検出点を適正な位置に選
択できないことになってしまうからである。
【0245】次ステップS3では、用意した基準円柱等
について、これらを筒状の圧力検出用シートに挿入して
圧力分布データを取得する作業が終了したか否かを判断
し、終了時には次ステップS4に進むが、そうでなけれ
ばステップS1に戻る。
【0246】ステップS4では圧力検出ポイント毎に形
状Sと圧力Pとの間の関数関係を得るために、自由曲線
や2次曲線等を用いて近似処理を行う。例えば、自由曲
線には、ラグランジェの補間曲線、ファーグソン曲線、
スプライン補間曲線、べヂエ多項式曲線、B(ベヂエ)
−スプライン曲線等が挙げられ、補間のポイント数に応
じて使い分けることが好ましい。尚、補間処理について
は既知の方法を踏襲すれば良いのでその説明を省略す
る。
【0247】次ステップS5では、前ステップで得られ
た関数関係を1タイムでROMにデータとして登録する
ことで初期学習が完了するが、EPROM(消去可能プ
ログラム可能なROM)やEEPROM(電気的消去書
き込み可能なROM)等を使用することによってその後
のデータ補正に容易に対処することができるし、また、
前記したようにデータをファイル化して補助記憶(ある
いは外部記憶)装置に保存しても良いことは勿論であ
る。
【0248】図40は圧力検出用シートを対象物に巻き
付けた状態で得られる圧力分布情報から形状を認識する
手順を示すフローチャート図であり、先ず、ステップS
1では対象物を筒状の圧力検出用シートに挿入する。例
えば、対象者の腕に圧力検出用シートを巻き付ける。
【0249】次ステップS2では、圧力検出ポイントを
選定後に各ポイントに対応する圧力検出素子によって圧
力検出情報を取得した後、次ステップS3では、得られ
た情報をROMデータと比較する。
【0250】そして、次ステップS4では、取得した圧
力検出情報に対応する形状データをROMデータから求
めるが、正確に符合するデータがROM内にあるとは限
らないので、圧力検出情報に近いROMデータを検索し
てこれに基づいて予想形状データを算出する。尚、圧力
情報から形状を特定するためには多種多様な形状に係る
データを数多く所有してこれをデータベース化しておく
ことが認識の可否や精度を決定する上で重要である。
【0251】圧力検出用シート(圧力検出手段)を用い
て人体の表面形状を認識するにあたっては、関節を如何
にして判別するかが問題となるが、圧力検出用シートに
よって検出される表面圧の変化が大きい範囲を形状認識
手段により関節部として認識し、形状モデルとしてのワ
イヤーフレームモデルの構成データを出力する構成を採
用することが好ましい。
【0252】図41乃至図44は、上肢を例にしてその
形状認識について説明するためのものである。
【0253】図41は形状認識の手順例を示したフロー
チャート図であり、スタート時点において前記した初期
学習が終了していることが前提となる。
【0254】先ず、ステップS1では圧力検出用シート
を上肢表面の全体に亘って巻き付けた状態で各検出ポイ
ントにおける圧力情報を取得する。
【0255】次ステップS2では、対象者に一定の動作
を実行してもらい、その動作が安定して行われるように
する。このためには図42に示すように、対象者にヘッ
ドマウントディスプレイ(HMD)等の視覚表示装置を
装着して、当該装置上に模倣すべき上肢の動きを映し出
す。つまり、図の画面W内に示すように、対象者は実際
の手を示す映像RHが、模倣すべき動作の仮想映像VH
に重なり合うように自分の手を仮想の手に追従させるこ
とで動作を模倣する。
【0256】ステップS3では、各圧力検出ポイントの
うち、予め規定した基準値以上の圧力が検出される領域
を選択した後、次ステップS4で関節部の判別処理を行
う。つまり、図43に示すように、上肢では手首、肘、
肩の部分で対偶動作に伴う圧力の変化が大きいため、こ
の部分に対応する検出ポイントでの圧力情報から関節部
を認識することができる。尚、図中に「+」の丸印で示
す位置が関節部を概念的に示しており、また、矢印「R
a」で示す範囲が手首部で圧力変化の顕著な範囲、矢印
「Rb」で示す範囲が肘部で圧力変化の顕著な範囲、矢
印「Rc」で示す範囲が肩部で圧力変化の顕著な範囲を
それぞれ示している。
【0257】次ステップS5では、各関節部の認識結果
から関節間の長さを求めることでボーンワイヤーモデル
(骨格構造をワイヤーフレームモデルとして表現したも
の)を作成して形状データを取得する。尚、上肢形状に
ついての認識結果については、例えば、ポリゴンデータ
として出力することができる。また、説明は省略する
が、脚等の他の部位についても同様の方法を踏襲できる
ことは勿論である。
【0258】関節角度の認識にあたっては、上記のよう
に関節部を認識する際に、対偶の動作に対して圧力変化
が新たに加わるポイント又は範囲を探して、当該ポイン
ト又は範囲における圧力検出情報から関節角度を求める
ことが好ましい。つまり、上記したように関節部周囲の
表面は対偶の動作に伴う圧力変化が顕著な場所であり、
関節の屈曲角度が大きくなるにつれて次第に圧力が他の
場所に比べて大きくなるからである。
【0259】尚、対偶位置の認識にあたっては、図44
に示すいくつかの圧力変化のパターンを満たす検出ポイ
ントを探し出して、その圧力変化から位置を求めること
が好ましい。図44(a)乃至(c)に示すグラフ図は
横軸に時間t(図41のステップS2で説明した一定動
作の開始時点を時間軸の起点とする。)をとり、縦軸に
検出された圧力Pをとってその時間的変化を概略的に示
したものである。
【0260】図44(a)は、グラフ線gで示すように
動作開始からほぼ一定の傾斜をもって圧力Pが上昇して
いく様子を示しており、また、図44(b)では、グラ
フ線g1に示すように、ある検出ポイントでの圧力が最
初の立ち上がって飽和した後、別の検出ポイントでの圧
力がグラフ線g2に示すように立ち上がって飽和する様
子を示している。
【0261】図44(c)では、複数の検出ポイントで
の各圧力を示すグラフ線gi(i=1、2、・・・)に
示されるように、ある遅延時間をもって次々に圧力が立
ち上がった後飽和していく様子が分かる。
【0262】このような圧力の時間的変化に特徴的なパ
ターンが認められる場所を捉えることによって対偶の位
置を認識することができ、例えば、手や指、肘、肩等の
認識にとって有用である。
【0263】また、捻り動作によって形状が変化する関
節部を形状認識手段によって認識する際には、圧力検出
手段を構成するシート状基材において捻れに伴って生じ
る圧力変化から関節角度を求めることが好ましい。例え
ば、首や腰の回転や前腕の回内・回外動作等において筋
肉の捻れを捉えることで形状変化の認識が可能になる。
【0264】尚、皮膚表面の捻れ等に伴って圧力検出シ
ートが体表面から離れることに起因して形成される皺の
認識については、急激な圧力変化が2点以上の検出ポイ
ントに亘って連続的に生じた場所を皺とみなすことで処
理することができる。但し、形状データを、例えばポリ
ゴンデータとして作成する場合には、多数の皺データを
含むことに起因して形状が複雑化し、データ量の増加を
余儀なくされることになるので、皺データを除去した表
面形状データだけを得たい場合には、ポリゴンデータに
関する結合処理を用いる。これはポリゴンメッシュを簡
単化して点やラインを間引くことでデータ圧縮を行う時
に使用される定番処理であり、エッジのもつ重要度や形
状的特徴にどれだけの寄与を持つ要素であるかを考慮し
た方法や、エッジ除去後の体積変化あるいはエッジ除去
後に設定した新頂点ともとの三角パッチの頂点との距離
和等を評価量として用いる方法等、各種の方法が知られ
ている。
【0265】以上の形状認識法は、人体の皮膚表面の形
状データを取得するのに有効であり、その際、画像認識
のための撮像手段が不要であるので、例えば、図23乃
至図25で説明した対象者の外形形状データを取得する
際にも有用である。即ち、上記電極部や圧力検出部をシ
ート状基材の上に多層構造をもって形成した効果器を対
象者に着用してもらい、その際に圧力検出部によって得
られる皮膚表面の形状データを取得して対象者の外形形
状を認識すれば、前記したように対象者の体型形を特定
してその筋肉配置を示すデータベースを作成することが
できる。
【0266】次に、上記事項(II)骨断面や筋及び脂
肪断面の情報を利用したデータベースの構築について説
明する。
【0267】これまでは対象の外形形状や表面状態に関
するデータの取得方法に関心をおいて説明してきたが、
ヘリカルCT(Computer Tomograph
y)や、ヘリカルMRI(Magnetic Reso
nance Imaging)、光CT(Optica
l Computed Tomography:光断層
画像計測=レーザーを用いた不可視情報の可視化技術の
一つであり、例えば、光ヘテロダイン検出法で検出した
前方多重散乱直進成分を線形吸収則(Lambert−
Beer則)に従うものとして投影定理に基づくCTア
ルゴリズムにより画像再構成を行う方法が知られてい
る。)等の断層面撮像(あるいは画像化)手段による画
像情報を利用できる場合には、これらを積極的に活用す
ることが好ましい。
【0268】即ち、対象者に基準姿勢(例えば、基本的
立位姿勢等)をとってもらうか又は対象部位を撮像台上
にギブスで固定してから、ヘリカルCTにより得た骨断
面と、ヘリカルMRI等で得た筋や脂肪断面の画像情報
を取得するとともに、断面位置の異なる多数の画像デー
タを積層してデータベース化することで対象者に係る静
的な人体構造のデータベースを構築する。そして、関節
を動作させながら時間軸に沿って対偶を撮影した画像デ
ータを取得するとともに、当該関節の角度毎に対偶の形
状に係る静的なデータベースを作成することで時間経過
を含む動的な人体構造のデータベースを構築する。この
データベースを利用して対象者の筋肉配置を示すデータ
ベースを作成すると、対象者(あるいは対象部位)の外
形形状に加えて骨や筋肉、腱等の内部構造や密度分布、
電気抵抗値分布を含む、より精密なモデルを得ることが
できる。
【0269】図45乃至図47はそのような手順例を示
すフローチャート図である。
【0270】先ず、図45のステップS1で撮影対象と
なる対偶を選択した後、次ステップS2では対偶の状態
を考慮して対象部位を撮像台上にギブスで固定する。
尚、ここにいう「状態」とは、対偶の動作に影響する筋
について関節角度の変化を考慮した状態を意味する。例
えば、前腕についていうと、手指計測に関する動作や、
尺屈、橈屈、掌屈等の動作を加味して回内・回外運動に
おける断層撮影を行えるように対象部位についての状態
設定を行う。その際、筋を緊張させた状態と緊張させな
い状態とを区別して撮影できるように配慮する。
【0271】次ステップS3では、対象部位の長手方向
における撮影回数を設定した後、ステップS4に進んで
ヘリカルCTによる骨の撮影及びヘリカルMRIや光C
Tによる骨及び筋の撮影を行う。即ち、骨の輪郭につい
てはヘリカルCTを使って識別し、また、筋肉の輪郭に
ついてはヘリカルMRIや光CTで得た撮像データか
ら、筋と筋との間にある潤滑膜によって識別することが
できる。尚、後者の場合(断層断面での筋の識別)にあ
たっては、潤滑膜と筋との色差を利用して画像処理で自
動的に識別する方法と、画像処理用ソフトウェアを使っ
て手動又は半手動(例えば、輪郭抽出に係る部分的なオ
ートトレース機能等)で識別する方法があるが、いずれ
にしても各筋肉の区別が可能である。尚、脂肪の識別に
ついては、水プロトン(陽子)と脂肪プロトンでは共鳴
周波数にずれがあることを利用して、周波数の違いや位
相ずれ等を検出する既知の方法が確立されている。
【0272】次ステップS5では、ヘリカルCTで得た
画像情報において明度差(白い部分と黒い部分との明る
さの違い)が顕著な領域を検出する。つまり、骨の輪郭
部分が白く、その周囲は黒いので白黒のコントラストが
大きいところを輪郭抽出することによって骨の領域を識
別することができる。
【0273】ステップS6では、ヘリカルMRI等で得
た画像情報において白色領域を抽出した後、次ステップ
S7ではステップS5、S6で得たデータの差分演算に
よって骨領域を消去したデータを得る。
【0274】そして、図46のステップS8ではヘリカ
ルMRI等で得た画像情報における白色領域(前ステッ
プで骨領域は除去済みである。)から筋のデータ(輪郭
形状の情報を含む。)を抽出して、これに筋の名称を割
り振る。その際には、抽出した領域毎に手動で名称を付
す方法と、前記人体構造のモデルを利用して自動又は半
自動(候補名称の表示支援や、選択肢の呈示等)で筋の
名称付けをする方法とがある。
【0275】次ステップS9では、各骨や筋の輪郭デー
タから得られる輪郭線の長さをそれぞれ計測して取得し
た後、ステップS10に進み、ここで対象部位の長手方
向における全ての撮影作業が終了したか否かを判断す
る。そして、終了時にはステップS11に進むが、未終
了時には残り撮影回数を1回減らした後で図45のステ
ップS4に戻る。
【0276】ステップS11では、前ステップまでの過
程で得られている骨や筋のうちから対象を選択した後、
次ステップS12では各断層断面での画像情報について
ステップS9で得ている各輪郭線の比率を算出する。つ
まり、ある断層面における骨の輪郭線長を基準して、別
の断層面における当該骨の輪郭線長の長さについて比率
を割り出す。
【0277】例えば、図48に示すように、各断層面
「Sn」(n=0、1、・・・)における輪郭線の形状
が三日月形状をしており、それらの輪郭線の長さを「l
gn」(n=0、1、・・・)とするとき、図ではlg
0=30、lg1=40、lg2=50、lg3=4
0、lg4=30(長さの単位は省略する。)である。
よって、lg0=30を基準にすると、これを「10
0」とした各長さの比率を得ることができる。
【0278】次ステップS12では、前ステップで得た
比率データ(正確にはデータ群)に応じて各断面での輪
郭線に対してポリゴンポイント(この時点では輪郭線デ
ータは平面的なデータであるが、後述するようにこれを
3次元化してポリゴンデータを生成する際にはこのポイ
ントがポリゴンの主要な頂点として利用される。その意
味でこれを「メインポリゴンポイント」と呼ぶことにす
る。)の数(これを「X0」本と記す。)を指定する。
例えば、輪郭線長が長いほどポイント数が多くなるよう
にする。
【0279】図48に示す例では、各輪郭線長さ「lg
n」(n=0、1、・・・)に対するポイント数を「X
0_n」(n=0、1、・・・)とするとき、X0_0
=30、X0_1=40、X0_2=50、X0_3=
40、X0_4=30に規定される(説明の便宜上、l
gnに対するX0_nの比率を「1:1」とした。)。
【0280】ステップS13では各断面において尖った
部位(角張った部分)を識別し、そのポイント(その数
を「X1」個とする。)を抽出してメインポリゴンポイ
ントとして登録する。
【0281】例えば、図49に示すような三日月形状で
は、両端部に鋭角的な部分があり、それらの頂点「MM
P0」、「MMP1」が上記メインポリゴンポイントとし
て登録されるとともに、この場合のX1は2個である。
【0282】そして、図46のステップS14では輪郭
線で囲まれた部分(面)の重心を算出する。例えば、図
50に示すようにスプライン曲線Spで囲まれた図形に
対して、基準点「O」を設定したときに、当該点と点P
0乃至Pn-1上によって構成される多数の三角形群(Tr
0乃至Trn-1を参照。)によっ対象図形を近似した場合
には、各三角形の重心(G0乃至Gn-1)の位置ベクトル
を合成することによって面重心(点G)を求めることが
できる。
【0283】図47のステップS15では、前ステップ
で求めた重心Gを中心にして輪郭線を等角で分割する。
つまり、分割数を「N」とすると、「N=X0−X1」
として、重心Gから「360°/N」本の直線(放射状
の半直線)を引いて、これらと輪郭線(あるいはそのス
プライン曲線)との交点を求めて当該交点をメインポリ
ゴンポイントとして追加登録する。
【0284】図51には点Gを中心としてスプライン曲
線Sp(輪郭線)をN等分(等角分割)したときの分割
線Ln_0乃至Ln_n-1及びこれらと輪郭線との交点Q0乃
至Qn-1を示している。
【0285】尚、図49の場合には、三日月形状(例え
ば、断層面S0での形状)について算出される面重心G
と、当該重心Gを通る「N=X0_0−X1=30−2
=28」本の分割線(中心線)Li(i=2、3、・・
・、29)によって図形分割が行われ(同図(B)参
照。)、各分割線Liと図形の輪郭線(Sp)との交点
「MMPi」(i=2、3、・・・)が算出されこれら
がメインポリゴンポイントとして登録される。
【0286】このように分割数NにおいてX0からX1
を差し引く理由は、X1個の尖った部位に設定されるポ
イントは予めメインポリゴンポイントとして登録される
ので、その数をX0(割り当て数)から削減することに
よって、分割線数を一定化するためである(こうするこ
とによって、各断層面についての割り当て数の比率「X
0_n/X0_0」(n=1、2、・・・)がくずれな
いように設定することができる。)。
【0287】上記したとおり、各断層断面での骨又は筋
の輪郭線から3次元形状データを作成するにあたって
は、当該輪郭線の内部領域の面重心を算出した後、当該
面重心から等しい角度間隔をもって放射状に延びる直線
群と輪郭線との交点を求め、これらの交点を3次元形状
データの基準点として用いると、図46のステップS1
3で仮設定されたポイントに対して、さらに詳細な情報
内容をもったポイントを付加することができるので輪郭
線に対する近似の程度を高めることができる。つまり、
ただ闇雲にポイント数を増やすことで高次の近似を行う
よりは、ポイントの位置を的確に選定することでデータ
処理の負担を軽減することが好ましい(∵面重心Gを中
心といして当該重心と各ポリゴンポイントとを結ぶ線分
の角度間隔が不均等であるよりは、上記点Q1乃至Qnに
示すように均等な角度間隔をもつようにポリゴンポイン
トを設定した方がデータ処理が容易であるから。)。
【0288】尚、分割線の数「N」は面積の大きさに比
例して多くすることが高精度化の観点からは好ましい
が、上記した説明では、Nの決定において面積の代わり
にポリゴン頂点数(X0−X1)で代用することで処理
時間の短縮化を図っている。
【0289】図47のステップS18ではメインポリゴ
ンポイント間の距離に大きな格差が生じているか否かを
判断し(ポイント間の距離の比率あるいはその平均値や
分散が、基準値以上であるか否かの比較判断によって行
う。)、格差が大きい場合にはステップS19に進み、
格差が許容範囲内であればステップS20に進む。
【0290】ステップS19では、メインポリゴンポイ
ント間の距離格差を補正するために、当該格差が問題と
なるメインポリゴンポイントとこれに隣接するメインポ
リゴンポイントとの間に補助的なポリゴンポイント(以
下、「サブポリゴンポイント」という。)を追加設定す
る。尚、あるメインポリゴンポイントと他のメインポリ
ゴンポイントとが重なった場合あるいは両ポイント間の
距離が隣り合うサブポリゴンポイントの間隔より小さい
場合には、先登録のメインポリゴンポイントを優先させ
る(N=X0−X1ではなくN=X0として、重なり合
うポイント又は間隔の狭いポイントをスキップして分割
線を配置する。)。
【0291】そして、次ステップS20では、ステップ
S2乃至S19に至る一連の処理が全て終了したか否か
を判断し、そうであれば次ステップS21に進み、未終
了時には図45のステップS2に戻る。
【0292】ステップS21では、上記メインポリゴン
ポイント及びサブポリゴンポイントに基づいて3次元形
状データ(ポリゴンデータ)を生成するとともに、これ
らによって表現される骨や筋等の名称で当該形状データ
を特定することでデータベースを生成する。
【0293】尚、筋肉の動作をポリゴンデータで表現す
る際には(形状の動的な表現)、各断層面での面重心
(重心群)を通るスプライン曲線を中心線として規定
し、当該中心線の形状に合せて筋のポリゴンデータを時
間的に変化させる(上記ポリゴンポイントの位置的変化
による)と、筋の形状予測が可能になる。
【0294】また、皮膚の変化については対偶の面中心
を通るスプライン曲線を規定することで表現することが
できる。但し、皮膚についてはヘリカルCTやMRI等
の撮影時に対象が無負荷状態である場合も想定されるの
で、このためには圧力検出時の表面形状を考慮して補完
処理を行うことが好ましい。そのためには、例えば、下
記に示す手順を踏む。
【0295】(1)対象者の骨格及び筋肉のモデルに対
して皮膚モデルを付加したモデルを作成する (2)表面圧力の検出によって皮膚表面の形状データを
取得し、これと(1)の皮膚モデルから得られる表面形
状とを比較する (3)皮膚モデルに基づくポリゴンデータと、圧力検出
に基づく表面形状のポリゴンデータとが許容誤差の範囲
で一致しない場合には、ポリゴンの中心からみてどちら
のデータが当該中心から遠いかを判断する(例えば、対
偶の中心を基準点「O」とし、当該基準点を通る半直線
が、皮膚モデルに基づくポリゴン図形と交わるポイント
(ポリゴンポイント)を「PP1」、また当該半直線
が、圧力検出に基づく表面形状のポリゴン図形と交わる
ポイントを「PP2」とするとき、線分「OPP1」の
長さと、線分「OPP2」の長さを比較する等。) (4)皮膚モデルに基づくポリゴンデータと、圧力検出
に基づく表面形状のポリゴンデータとが許容誤差の範囲
で一致しない場合には、両者の面的な広がりに関して相
対的にどれだけ圧縮又は伸張されているかを比率計算す
る(つまり、線分「OPP1」の長さと、線分「OPP
2」の長さとの比率を、任意のポイントについて計算す
ることで圧縮率(又は伸張率)を求める。) (5)(4)で求めた比率に基づいて、両モデルのデー
タについての大きさがほぼ同じになるように伸縮処理を
行うとともに、ヘリカルCTやMRI等から作成した画
像についてその基準中心(対偶中心等)に関して圧縮又
は伸張処理を行う(画像サイズの変更であり、データ圧
縮や伸長ではない)。
【0296】骨や筋、皮膚の名称付けにあたっては、前
記した人体構造のモデルから得られる骨や筋等の配置に
関するデータからその中心線を求めて、これが図47の
ステップS21で得たポリゴンデータにより特定される
領域(つまり、骨や筋の推定領域)に含まれるか否かの
包含関係をチェックすることで当該ポリゴンデータに係
る名称を特定することが好ましく、これによって自動又
は半自動での識別処理が可能になる。
【0297】尚、図45のステップS4での撮影におい
て対偶内を部分的に撮影することによって撮影回数及び
処理すべきデータ量の削減を図ることができる。
【0298】また、図46のステップS8で画像情報に
おける筋分布の色情報から赤筋と白筋の量的な比率を求
めると(断層面では各筋の面積比に相当し、赤色と白色
の区別については画像処理(色フィルタをかける)によ
って色の違いから容易に識別できる。)、赤筋と白筋の
比から対象者の反応速度や持久力を推測することができ
る(赤筋の割合が多い場合には持久力に優れ、白筋の割
合が多い場合には瞬発力に優れている。)。
【0299】次に(III)の低周波電気刺激法、干渉
波電気刺激法についての説明に移る。
【0300】先ず、低周波電気刺激法について説明す
る。
【0301】低周波電気刺激法における基本的要素(刺
激条件)は下記に示す通りである(諸量については図5
2を参照)。
【0302】i)電流の強さ(強度I) ii)刺激パルスの持続時間(パルス幅Tw) iii)刺激パルスの極性と波形 iv)刺激周波数 v)刺激時間と休止時間(Ts) vi)電極配置 vii)電気刺激による運動単位(motor uni
t)の発射・動員。
【0303】上記i)に関しては、神経や筋を興奮させ
るにあたってその細胞膜に電位変化を惹き起こすために
一定以上の電流強度、電気的エネルギーが必要となる。
尚、強度が強い方が刺激効果は高いが、不快感や痛みも
強くなってしまうので、刺激強度の設定にあたっては効
果に対するデメリットにも配慮する必要があり、50m
A(ミリアンペア)以下、例えば、20mA〜30mA
程度が目安となる(医療用具では出力電流20mAが上
限とされている。)。また、上記ii)の持続時間やi
v)の周波数によっても刺激強度(あるいは筋収縮力)
が変化することにも注意を要する。
【0304】尚、刺激電流の(時間)平均値がゼロでな
いと電極と生体との間に分極現象が生じてしまい電気化
学的組成の変化をもたらすので好ましくない。そのため
には、容量(コンデンサ)や絶縁トランス等を用いて直
流成分をカットする。
【0305】ii)の持続時間に関しては、ある一定の
電気的エネルギー量の供給により神経や筋を興奮させる
ための刺激パルスの持続時間をどのように規定するかが
問題となる。つまり、刺激波形のエネルギー量は刺激強
度Iとパルス幅Twとの積に基づいて決定されることに
なるが、一般にはパルス幅が長くなると筋収縮の度合が
強くなるが、逆に痛みが誘発されることにもなるので、
約0.2〜0.3ミリ秒程度のパルス幅が用いられる。
【0306】尚、刺激強度とパルス幅との間には一定の
関係があることが知られており(所謂、強さ・時間曲
線)、刺激強度が弱い場合には長いパルス幅を必要と
し、逆に刺激強度が強く場合には短いパルス幅で筋収縮
が行われる。そして、パルス幅をどんなに長くしても一
定の電流値以下では収縮が起らなくなったときの電流の
強さを「基電流」といい、基電流の2倍の電流値でのパ
ルス幅を時値(クロナキシー)と呼んでいる。
【0307】また、神経や筋に加える電気刺激について
は持続時間の短いパルス電圧(あるいは電流)が用いら
れ、例えば、筋の収縮量を制御するための刺激パルス列
についての変調法には、振幅変調(AM)、パルス幅変
調(PWM)、周波数変調(FM)が用いられる。
【0308】上記iii)の極性については、刺激電極
を陰極にし、不関電極(電気刺激を加えた際に刺激を感
じない電極)を陽極に設定する。これは、一般に筋収縮
を誘発させる刺激電流が陰極下の場合に筋肉の興奮性が
高いためであり、負性パルスが使用されることが多い
(例えば、負性矩形波では、刺激による痛みや不快感を
極力低減するとともに、筋の疲労が少なく滑らかで力強
い筋収縮力が得られる。)。
【0309】また、神経、筋を興奮させるには電気的エ
ネルギー量とともに、一定以上の急峻な電流変化が必要
であり、波形の立ち上り時の傾き(あるいは傾き角)が
ある程度大きいことが必要となる。即ち、大きな電流量
であっても非常にゆっくりと電流強度を上げていった場
合には順応によって刺激とはならないためである。尚、
この「傾き」(刺激パルスの立ち上がりの角度であり、
図52の「θ」を参照。)は刺激波形に関係しており
(理想矩形波では90°である。)、波形には負性矩形
波、補正単相・指数関数的増減波等が挙げられる。
【0310】上記iv)の周波数に関して、「低周波」
をどの範囲の周波数とするかについての考え方がさまざ
まであるため明確な定義はないが、200Hz以下ある
いは100Hz以下の範囲が目安となる。尚、単発の電
気刺激では筋が単収縮を起こすだけで強縮は起さない。
つまり、強縮を惹き起こすには一定以上の刺激周波数が
必要であり、正常では15Hz程度以上である(15H
z以下の低周波で刺激すると筋の震えが出現する。)。
また、刺激周波数が筋の反応帯周波数に近づく程収縮力
も強くなる。
【0311】上記v)の刺激時間と休止時間については
両者の比が問題となり、デューティーサイクル(あるい
はデューティー比)の決定にあたっては筋の疲労を考慮
する必要がある。つまり、刺激時間が長すぎると容易に
筋肉疲労を来してしまうので、刺激強度や周波数の如何
にもよるが、一般的には刺激時間に対して1:1以上の
休止時間が必要である。尚、筋の持久力を増加させたい
場合には休止時間を基準値よりも短くし、最大筋力を増
加させたい場合には十分な休止時間を確保しながら強い
筋収縮を引き出す刺激条件を設定する等の配慮が必要に
なる。
【0312】上記vi)の電極配置については、筋収縮
を誘発するために電気刺激を与える場合、最も反応性の
良い部位(所謂、運動点=motor point)を
考慮して決定することが好ましい。つまり、上記した形
状認識部1cによって対象部位の形状や動きを認識した
後、筋配置を特定して筋への刺激領域が運動点を含むよ
うに決定する。尚、運動点は神経が筋に入り込んでいく
部分であり、その場所は神経筋接合部付近と考えられて
いる。
【0313】また、神経本幹が皮下に浅在している場合
にはその部位も良好に反応するので、この運動点への刺
激に付与するための電極配置や形状については通電方法
を単極法、双極法、グループ刺激法に分けて規定するこ
とが好ましい。
【0314】つまり、単極法では、大きな不関電極を、
目的筋から離れた、筋の少ない部位に置き、小さな刺激
電極(関電極)を運動点上に置いて刺激を行う。例え
ば、上記した効果器では、多数の電極によって占有面積
の大きい不関電極を構成し、少数の電極によって占有面
積の小さな不関電極を構成すれば良い。
【0315】双極法では、大きさが同じで比較的大きな
電極によって運動点を挟むようにして配置するか、ある
いは陰極を運動点に置いて刺激が行われる。上記した効
果器では、使用電極の数及び位置の選択によって刺激面
積の設定を容易に行うことができる。
【0316】グループ刺激法では、ある筋群全体を収縮
させるような電極配置が使用される。
【0317】低周波電気刺激の場合に2極1組の電極対
を対象部位に複数設置する際には、各組の電極間の導通
予想ライン(刺激電流路の予想ライン)が互いに交わら
ないように電極配置を設定することが望ましい。これ
は、導通予想ラインが交わる場所の筋には強力な干渉波
刺激が加わってしまう虞があり、このような事態の回避
が必要となる。尚、電極間の導通予想ラインの算出や判
定にあたっては、電極群のうち隣り合う電極の抵抗成分
を検出するとともに、前述した断層面情報から得られる
対象部位の内部構造のデータについて骨、筋肉、脂肪の
材質に応じた抵抗率(あるいは比抵抗)を設定して計算
することができる。例えば、上記したように電極2、
2、・・・が格子配置となっている場合には、ある電極
を中心として選んだときにその周囲に8つの隣り合う電
極が存在するが、これらの電極の1つと中心の電極とを
選択して一定の微弱電圧をかけることで両者間の抵抗値
を知ることができ、このような検出を別の電極について
も同様に行うことによって表面の抵抗値分布を知ること
ができる。また、内部構造に係る抵抗分布については、
各構成部位(骨、筋、腱、脂肪等)に係る既知の抵抗率
を前記した断層面解析の結果に基づいて各部に設定した
上で、有限要素法等、既知の方法を用いて求めることが
できる(導通予想ラインは、対をなす電極を特定したと
きに、両電極の間で最も抵抗の小さい場所を通る経路と
して算出される。)。
【0318】上記vii)について、通常の随意筋収縮
では負荷の増加に伴って発射する運動単位が、より細い
神経線維に支配されている遅筋(typeI)筋線維か
ら、より太い神経線維とその支配している速筋(typ
eII)筋線維の発射として参加してくる(これを「S
ize principle」と呼んでいる。)。
【0319】しかし、電気刺激ではこれとは逆に刺激強
度を上げていくと、より太い神経線維から刺激されるた
め、筋疲労が早期に出現してしまうことになるので、こ
れに対する配慮(つまり、適切な刺激条件の設定)が必
要となる。
【0320】また、電気刺激の場合、太い神経線維(つ
まり、運動神経線維)から刺激され、より細い感覚神経
線維がその後から刺激されることになるため、運動神経
に係る刺激の閾値が通常の範囲であれば、表在感覚神経
刺激による痛みを与えることなく、運動神経を刺激して
筋収縮を得ることが可能である。
【0321】次に、干渉波電気刺激法について説明す
る。
【0322】この方法は、皮膚抵抗を無視できる程度の
中周波電流(例えば、4000Hzと3900Hz)を
使用して周波数差に相当する低周波数電流(ビート電
流)を発生させるものであり、皮膚抵抗による電力損失
が少なく、しかも人体内部組織の部分で低周波を発生さ
せる方法であるため対象部位について十分な電気刺激の
エネルギーを供給であるという利点がある(低周波電流
を皮膚に対して直接的に流す場合には電気的エネルギー
の大部分が皮膚の電気抵抗によって消費されてしまうた
め、内部組織に十分なエネルギーを供給するのが困難で
ある。)。また、皮膚表面から筋肉の収縮が目視で認識
できないような内層筋(例えば、指伸筋等)に対しては
干渉波電気刺激が望ましい。
【0323】干渉波電気刺激の基本的要素(刺激条件)
は、下記の通りである。
【0324】i)刺激周波数差(干渉周波数) ii)ビート電流のエネルギー量。
【0325】筋刺激に適した刺激条件としては、例え
ば、パルス波形として立体導体波(三極干渉波)を用い
た場合に、出力電流100ミリアンペア以下、搬送周波
数5000Hz、干渉周波数0.5〜200Hz程度で
ある。また、皮膚刺激に適した刺激条件としては、例え
ば、パルス波形を負性矩形波とした場合に、出力電流5
0ミリアンペア以下、搬送周波数4000〜4150H
z、干渉周波数150Hz以下である。
【0326】効果器における使用電極の設定にあたって
は、干渉波刺激の様子を実験的に調べる方法もあるが、
干渉波シミュレーター(携帯電話のアンテナ設計等にお
いて使用する電磁界シミュレーターを用いて、人体の骨
や筋等に対して異なる伝搬係数を決定して複数の運動点
に関する干渉波のシミュレーションを行うための装置)
を利用することが好ましい。
【0327】その際、骨や筋、脂肪、腱に対してそれら
の材質毎に減衰率(σ)を設定して、皮膚表面のうち各
部までのエネルギー損失が少ない場所に電極を設定する
と、エネルギー消費に関して効率的である。つまり、前
述した方法により対象部位の断層面情報から内部組織の
情報(つまり骨や筋等)が得られている場合には、それ
らの3次元形状データ(ポリゴンデータ)に対して材質
毎の減衰率を設定を設定して干渉波シミュレーションを
行うことができる。
【0328】図53は皮膚表面S上の任意の点Sa(S
ax、Say)と、骨や筋等の部位XPの内点Pとが距
離「r」だけ離れており、部位XPに対して波の減衰率
「σ」を与えたときのエネルギー損失「L」が、点Sa
の位置座標の関数L(Sax、Say)として表される
ことを示している(図では単に「L(Sa)」と記
す。)。つまり、内点Pについて関数値の小さい場所を
シミュレーションで探知することで当該場所に位置する
電極あるいは当該場所に最も近い場所の電極を使用電極
として設定することができる。尚、使用電極が決まる
と、そのときの対象部位の内点Pが干渉ポイントとなる
が、このポイントついては関節の駆動角度毎に設定する
ことが望ましく、また、指筋群のように密集した筋配置
については対偶の長手方向においてそれぞれ異なる位置
に干渉ポイントを設定することが望ましい(干渉ポイン
トが狭い領域に集中しないようにするため。)。
【0329】さらに、各部位XPに対してそれらの材質
毎に物質密度あるいは質量密度(ρ)を設定して、皮膚
表面のうち各部までの波の位相ずれが小さい場所に電極
を設定すると、干渉波刺激にとって効果的な場所を選定
することができる。尚、物質密度(ρ)は材質に応じた
質量密度(単位体積当たりの質量)から決定できる。
【0330】そして、部位XPの内点Pでの理想的な干
渉波を取得するためには、電極位置の設定についてさら
に下記の手順(1)乃至(4)を採ることが好ましい。
【0331】(1)骨や筋、脂肪、腱に対してそれらの
材質毎に波の反射率(α)及び屈折率(β)をそれぞれ
設定する (2)骨や筋、脂肪、腱に対してそれぞれ設定された減
衰率(σ)や物質密度(ρ)に基づいて上記したように
最小エネルギー損失の場所、最小の位相ずれの場所での
電極候補から複数の電極を選び出す(図54には表面S
上に電極候補位置を3点「Sa1」、「Sa2」、「S
a3」で示す。) (3)(2)で選んだ電極位置から対象部位XPの内点
Pに向かう搬送波の時間的推移について当該部位XPに
よって反射あるいは屈折される波形を平面的にシミュレ
ートすることで、当該平面上における干渉波の周波数分
布を求める (4)内点Pでの理想的な干渉波が得られるまで、
(2)及び(3)の手順を繰り返した後、最終的に使用
電極位置を決定する。
【0332】尚、上記(2)の手順において、始めから
減衰率(σ)や物質密度(ρ)を考慮した電極候補の選
出を行うよりも、初期の試行では減衰率(σ)や物質密
度(ρ)を考慮せずに電極候補を選出した後、電極場所
についての見通しがある程度ついてから減衰率(σ)や
物質密度(ρ)の設定及びこれに基づく電極候補の選定
を行う方がシミュレーションの効率アップにとって好ま
しい。
【0333】また、こうして設定された電極については
その出力電流値を変更して対象部位XPの内点Pへの電
気刺激の出力設定を行うことができるように装置を構成
することが好ましい(干渉波における電極配置について
適切な出力設定を行うためである。)。また、筋の配置
領域は時として関節の動作(例えば、前腕の回内・回外
動作等)によって著しく変化することがあるので、各関
節の動作毎にシミュレーションを行う(つまり、上記動
的な人体構造のデータベースに基づいて時間経過を考慮
した干渉波シミュレーション)を行って使用電極位置を
決定することが好ましい(∵対象部位の時間経過を含ま
ない静的な干渉波シミュレーションだけでは、関節動作
に対応した筋への干渉波のための電極を適切に設定する
ことが難しいから。)。尚、その際、対偶の運動状態を
示す情報(ポリゴンデータ等を含む。)と、これに対す
る理想的な刺激領域及び使用電極位置の情報とを関連付
けたデータベースを構築しておいて、データの再利用に
供する(例えば、各使用電極に優先度を付けたり、使用
電極に不具合が生じた場合に別の候補電極で代用するた
めの属性データをデータベースに含める等。)ことが望
ましい。そのために、複数の電極候補を取得した後、こ
れらの位置情報をメモリや補助記憶装置等の記憶手段に
保存しておき、実際に電極として使用する際に電極候補
の位置情報を読み出してこれらの中から電気刺激の対象
領域に適した電極を選択する。
【0334】上記の説明ではシミュレーションの対象を
内点Pとしたが、内層筋群への電気刺激にあたっては、
点ではなく一定(幅)の周波数帯域をもつ領域内の面を
対象としてシミュレーションを行う方法と、さらには面
を拡張して立体(例えば、球や円柱、多面体、角柱等)
を対象にシミュレーションを行う方法とが挙げられ、次
元数が大きくなる程に処理が複雑となる。
【0335】前者の方法では、図53や図54において
点Pの代わりに対象部位XPの内部や境界に面を設定す
ると、複数の筋肉を同時に刺激したり、電気刺激に反応
する領域の面積を大きくした干渉波シミュレーションを
実現することができる。
【0336】面設定にあっては、下記の場合分けが挙げ
られる。
【0337】a)隣り合う筋への同時刺激 b)動作させたくない筋と動作させたい筋とが入り交じ
っている場合。
【0338】先ず、a)では、複数の筋のうち隣り合う
筋が同時に刺激されるように対象面を設定すると、ある
特定の筋とその付近の筋への干渉波シミュレーション結
果を同時に得ることができる。例えば、隣接する複数の
筋肉の同時動作については、隣接する筋の各中心に対し
て理想的的な周波数帯域の領域が複数の筋の範囲に含ま
れるように広範囲な干渉領域に対して電気刺激を行うこ
とが好ましい。そして、実際の電気刺激を付与する際に
は、干渉波シミュレーション時に設定した面を刺激領域
とし、当該刺激領域に適した電極候補の中から使用電極
を選定して電気刺激を付与する。
【0339】また、b)では対象部位XPについて内点
Pを設定するか又は面を設定するかを領域毎に使い分け
ることで動作させたくない筋を刺激対象から除外でき
る。つまり、動作の対象となる筋と不動作の対象となる
筋とが入り交じっている場合には、これらの筋に対して
点状又は面状の刺激領域を複数設定して干渉波シミュレ
ーションを行うことが好ましい。
【0340】内層筋群への電気刺激にあたっての電極選
定時に、一定(幅)の周波数帯域を有する刺激領域を立
体領域として干渉波シミュレーションを行う場合、つま
り、シミュレーションを対象部位XP内の立体領域につ
いて行う場合には、例えば、複数の面を「SPi」(i
=1、2、・・・)とするとき、「ΣSPi」(Σはi
についての和を表す。)として決まる境界面とその内部
領域における任意の点によって立体領域が決定されて干
渉波シミュレーション結果が得られるので、電気刺激に
反応する領域(の体積)を面の場合よりもさらに大きく
とることが可能になる。
【0341】尚、低周波電気刺激と干渉波電気刺激につ
いて同時にシミュレーションを行う場合には、低周波刺
激の予想領域を想定した上で干渉領域についてのシミュ
レーションの演算処理を行うことで、対象部位について
同時に低周波及び干渉波による刺激を与える場合の刺激
領域について適切な電極位置の選定が可能になる(つま
り、低周波電気刺激については前記したように導通予想
ラインの交錯を避けることが必要である。)。
【0342】以上のような干渉波シミュレーションに必
要な計算量は、候補電極の数が多くなるほど顕著になっ
てくるのでシミュレーターの負担を軽減して処理速度を
向上させるためには、下記の手順を踏む。
【0343】(1)駆動対象となる関節の角度及び当該
関節角度毎の3次元形状データ(骨、筋、脂肪、腱等の
ポリゴンデータ)と、当該データに基づく各部位の位置
関係に基づいて得られる使用電極位置の候補を関連付け
てこれを予めデータベースとして構築しておく (2)ある関節角度について(1)で候補とした使用電
極位置で実際に電気刺激を行う (3)(2)の電気刺激によって得られた対偶の駆動量
と、(1)の関節角度に対応する対偶の駆動量とを比較
して両者の一致、不一致を判別する (4)関節角度を変えて(2)及び(3)の手順を繰り
返す。
【0344】尚、手順(3)において駆動量の一致が認
められない場合には、その相違を補正するために必要な
情報(例えば、関節角度の差)をデータ登録したり、あ
るいは使用電極位置や刺激強度を変更する等して誤差補
償を行う必要がある。つまり、対偶の駆動が期待した通
りにいかない場合には、該電極への刺激出力の設定値を
変更する方法又は別の電極を選定する方法、両者を併用
する方法が挙げられる。
【0345】また、シミュレーションに際してポリゴン
データの簡略化も有効であり、例えば、筋についてはポ
リゴンの断層断面での重心を結合したワイヤーフレーム
モデルを採用したり(例えば、筋形状を示す3次元ポリ
ゴンデータをワイヤーフレームデータとして簡略化した
上でデータベースを作成する。)、各種パラメータを各
筋について一律に規定する等の方法が挙げられる。
【0346】複数の筋を同時に動作させるにあたって
は、これらの筋に対して電気刺激を同時に与える方法の
他、収縮させたい筋に対して、筋が収縮して再度伸張し
ない時間内で時分割で電気刺激を付与する方法(干渉波
の刺激領域として点状又は面状又は立体状の領域を設定
して、これらの領域に対して時分割処理で電気刺激を付
与する方法)がある。後者の方法では、皮膚の同じ場所
について継続的に電気刺激を与えない点で低温火傷の防
止にも有利である。
【0347】尚、筋への電気刺激を実際に与えるとき
に、干渉波領域を点状、面状又は立体状として干渉波が
発生されることになるが、筋が密集した部位において各
筋を独立に動作させる場合には、お互いの干渉波領域が
重複により干渉し合わないように設定する(∵領域が重
複した場合には筋の独立動作が保証されない虞があるか
ら。)。また、重力による対偶や関節への影響を無視す
ることはできないので、関節や対偶の位置と、これらに
かかる重力との関係を考慮した上で筋肉への刺激を行う
ことが好ましい(例えば、関節や対偶がある位置や姿勢
をとった場合に、これらにどの位の重量がどのような角
度をもって加わっているかに応じて、伸筋と屈筋との間
の収縮比率を変化させることで、重力の影響によって対
偶の動作が不安定になる等の不都合を防止することがで
きる。)。
【0348】次に(IV)ファントムセンセーションの
説明に移る。
【0349】この場合には、表層の皮膚に対して複数の
電極から周波数の異なる電気刺激が与えられ、これによ
って触覚を付与することができる。つまり、上記した干
渉波電気刺激を皮膚表面について応用することで対象者
への触覚刺激の呈示が可能となる。
【0350】その際、下記の呈示が挙げられる。
【0351】i)点触覚 ii)線触覚 iii)面触覚 iv)点触覚から面触覚への変化あるいはその逆 v)点触覚や線触覚の移動による刺激領域の変化。
【0352】先ず、i)点触覚の呈示については、上記
した干渉波領域を点(干渉ポイント)として表現するこ
とで実現することができる。つまり、対象部位の内点P
を指定して干渉波電気刺激を付与することで皮膚表面を
尖ったもので押されたかのような感触が得られる。
【0353】また、ii)線触覚については、干渉波領
域を線(つまり、複数の干渉ポイントを繋いだ線)とし
て表現することで実現することができる。この場合には
皮膚表面を板の側面で押されたかのような感触が得られ
ることになる。
【0354】iii)面触覚については、干渉波領域を
面として表現することで実現できるので、この場合には
皮膚表面を平面板や曲面板で押されたかのような圧力の
感触が得られることになる。
【0355】尚、ii)やiii)については、線が点
の集合であり、面が線の集合であることに着目すると、
点状(あるいは線状)の干渉波領域を高速に移動させる
(対象者の点や線の移動を意識させない程短い時間内で
の領域移動が必要である。)ことで線触覚(あるいは面
触覚)を擬似的に実現する方法が挙げられる。
【0356】iv)については、干渉波領域を点から
面、あるいは逆に面から点へと時間的に変化させること
で電気刺激を付与する。例えば、仮想現実を利用したゲ
ーム機等への適用において仮想空間上に視覚的に現出さ
れる敵からの攻撃を受けたときに着弾の感触を実現する
ためには、刺激領域を点から円に拡げた後、円から点へ
と刺激領域を収束させるという様に電極位置及び範囲を
選定して電気刺激を対象者に与えれば良い。
【0357】v)については、点触覚や線触覚をゆっく
りと移動させたときの刺激領域の変化に伴う感触であ
る。例えば、仮想現実を利用したゲーム機等への適用に
おいて仮想空間上に視覚的に現出される敵からの攻撃を
受けて刀傷を負ったときの感触を実現するために、点状
あるいは線状の刺激領域を、刀傷に沿う線(刀先の軌跡
を示す。)に沿って移動させることで電極位置又は範囲
を時間的に変更しながら電気刺激を対象者に与えれば良
い。
【0358】尚、干渉波とファントムセンセーションに
ついて同時にシミュレーションを行う場合には、ファン
トムセンセーションにより刺激を付与する部位に係る干
渉波の刺激領域と、干渉波による内層筋への刺激領域を
想定した上で干渉領域についてのシミュレーションの演
算処理を行うことで、対象部位への同時刺激を付与する
場合の刺激領域について適切な電極位置の選定が可能に
なる。
【0359】次に(V)筋電図を利用した動作予測法に
ついて説明する。
【0360】従来よりEMGフィードバックを用いた電
気治療器が知られているが、筋トーヌス(muscle
tonus:筋緊張=力を加えていない筋を被動的に
伸展した際に被験者が感じるかすかな抵抗であり、その
本質は筋伸展反射であるが、中枢神経、末梢神経(α、
γ−系)、筋自身によって複雑な制御を受けている。
尚、筋伸展反射とは筋が受け身で引き伸ばされると、そ
の筋が脊髄からの運動指令によって収縮する結果、力を
出す反射のことをいう。)についてはATP(アデノシ
ン三リン酸)による多筋線維の動作集合信号とともにE
MGに現れるため、筋の動作前に動作予測を行うことが
できなかった。尚、この「多筋線維の動作集合信号」に
ついては、中枢神経から末端神経に指令が伝達される際
の神経興奮により筋トーヌスによる筋細胞の収縮に伴っ
て発生されるものであり、体調や体格、血糖値、筋疲労
の度合によって変動する。
【0361】そこで、以下のようにして筋トーヌスを予
測するとともに、この予測筋トーヌスと表面筋電図との
間の相対関係を習得することで、動作予測を行う。
【0362】図55はATPによる多筋線維の動作集合
信号を取得するための装置例を示しており、この場合の
対象部位は上腕二頭筋(2関節筋であり、肘関節に関す
る屈曲作用及び前腕に関する回外作用を有する。)であ
る。
【0363】上腕二頭筋の筋腹には陰(極)電極20N
と検出用電極20Dが配置され、筋始点には陽(極)電
極20Pが配置され、これらの電極には電気刺激発生装
置(例えば、医療用低周波治療器等)21からの電気刺
激信号が供給される。
【0364】筋電波形の周波数解析のために用意された
2チャンネルFFT(高速フーリエ変換)アラナイザー
22には、陽電極20Pへの供給信号が点Aで分岐した
後でアンプ23を介して第1ch(チャンネル)のFF
T部22aに送出される。また、検出電極20Dからア
ンプ24を経て取り出された信号が第2chのFFT部
22bに送出されるようになっており、各FFT部の出
力は後段の差分演算処理部22cに送出され、その出力
はディジタル化の後、コンピュータ25に取り込まれ
る。尚、コンピュータ25からFFTアラナイザー22
にはタイミング制御等に必要な制御信号が送出されるよ
うになっている。
【0365】電気刺激発生装置21から陽電極20Pに
送られる信号の周波数成分がFFT部22aで解析され
るが、これは電気刺激の原信号となるものであって筋の
応答を含んではいない。
【0366】筋への電気刺激によって発生した周波数成
分は、検出用電極20Dからアンプ24を介してFFT
部22bで解析される。つまり、電気刺激に対する筋の
追従により生じた応答についての周波数解析が行われ
る。尚、FFT処理にかかる時間(ΔtF)については
対象者の筋トーヌス発生からその後の動作変化に要する
時間(ΔtM)よりも充分に短い(ΔtF<ΔtM)こと
が必要である(∵「ΔtF>ΔtM」では、周波数解析処
理が筋の動作に追い付かないので、動作前の予測が不可
能となってしまう)。
【0367】差分演算処理部22cにおいて周波数成分
を帯域毎に比較して差分演算の結果得られる差分データ
は、電気刺激発生装置21による電気刺激によって筋か
ら発生した周波数成分(原信号の周波数成分を除いたも
の)である。つまり、電気刺激の付与だけによって筋が
収縮すると、筋トーヌスは出ずに筋細胞の収縮に伴う電
位情報を取得することができるので、筋トーヌス及び筋
細胞の収縮を含むEMGのデータから上記差分データ
(ATPによる多筋線維の動作集合信号)を差し引くこ
とで筋トーヌスの予測が可能となり、また、対象者個人
の筋特性を取得することができる。
【0368】図56はFFT後の周波数特性を概略的に
示したグラフ図であり、横軸に周波数(f)、縦軸にパ
ワースペクトルをとって筋電図周波数特性図を示したも
のである。
【0369】図中のグラフ曲線gaは、対象者の意志で
筋を動かしたときの筋トーヌスと筋細胞収縮を含む信号
のFFT解析結果を示しており、グラフ曲線gbは、筋
に電気刺激を付与したときの上記差分データから得られ
る筋細胞収縮の周波数成分を示している。つまり、グラ
フ曲線gaに示す周波数成分からグラフ曲線gbの成分
を差し引いた部分(図の斜線参照。)が筋トーヌスに係
る成分を表している。
【0370】よって、筋に付与する電気刺激の波形を各
種変更した場合の上記差分データに基づいて予測される
筋トーヌスと、そのときの表面筋電図の電位情報とを関
連付けて記憶・学習を行うことで、動作予測が可能とな
る。
【0371】以上に説明した、予測に必要な筋電位情報
と、これを用いた予測手順とを箇条書きにしてまとめる
と次のようになる。 ・必要な情報 A)対象者がその意志により筋肉を動作させるときに得
られる筋電位情報(これを「第1の筋電位情報」と呼ぶ
ことにする。) B)電気刺激だけによって筋肉を動作させたときに得ら
れる筋電位情報(これを「第2の筋電位情報」と呼ぶこ
とにする。)。 ・予測手順 (1)筋への電気刺激信号についての周波数成分の解析
結果と、電気刺激によって筋から発生した周波数成分を
含む信号の周波数成分の解析結果とを取得して両者を比
較することで、電気刺激により筋から発生した周波数成
分(つまり、筋トーヌスによらない筋細胞の収縮に伴う
波形成分)だけを差分データとして抽出する。つまり、
第2の筋電位情報に係る周波数成分には、電気刺激信号
の周波数成分が含まれているので、これを除去した成分
を求めることで、ATPによる多筋線維の動作集合信号
の成分を抽出できる。これが筋収縮時における運動単位
の特性を反映した成分に相当する。
【0372】(2)(1)で得た差分データと、対象者
がその意志で筋肉を動かそうとしたときに得られるの筋
電波形(筋トーヌスを含む。)のデータから筋トーヌス
に係る成分を取得する。つまり、第1の筋電位情報に係
る周波数成分には、筋トーヌスに係る成分と、ATPに
よる多筋線維の動作集合信号の成分とが含まれているの
で、後者の成分である差分データを第1の筋電位情報か
ら差し引くことで、筋トーヌスに係る周波数成分のデー
タだけを取得し、これを筋トーヌスの予測用データとす
る。尚、この事は、FFT解析による周波数特性におい
て、「第1の筋電位情報であるEMGデータ(の周波数
成分)−ATPによる多筋線維の動作集合信号(の周波
数成分)=筋トーヌス(の周波数成分)」という概念的
図式に対応する。
【0373】(3)電気刺激信号波形を各種変更して
(1)及び(2)の手順を繰り返すことで、その時々の
予測筋トーヌスと表面筋電波形データとの関係を記憶・
学習する(例えば、ニューラル・ネットワークの利用
等。)。つまり、上記第1の筋電位情報と第2の筋電位
情報に基づいて算出される筋トーヌスの予測用データ
を、対象者の動作パターン(対象筋の収縮に伴う対偶動
作の経時的変化を示す一連のデータ群であり、形状を示
すポリゴンデータや、関節角度等のように形状変化を示
すパラメータの他、手の内転、外転や腕の回内・回外等
の、形状や動作を特定するためのデータ等が含まれ
る。)と関連付けて記憶・学習する。
【0374】(4)対象者が自分の意志で筋肉を動かそ
うとしたときの筋電波形データを得た場合に、(3)で
習得した情報に基づいて予測される筋トーヌスから筋の
動作を予測する。つまり、対象者がこれから筋肉を動作
させようとする時の筋電位情報について周波数解析を行
い、その結果から算定される筋トーヌスの成分データを
取得する。そして、当該データと、既に記憶・学習済み
の予測用データとを比較・照合して、両データの一致が
認められたときに、該データに対応した筋肉の動作パタ
ーンを予測する。こうして、実際に筋が動作する前に筋
トーヌスを知ることで筋の動作予測が可能となる(筋ト
ーヌスのデータは動作毎に異なった特徴をもつ周波数成
分を含んでいるため、例えば、対象者がこれから重量物
を握ろうとしているといった動作をその直前に知ること
ができる。)。
【0375】上記のように、電極から検出した第1の筋
電位情報に係る周波数成分から、ATPによる多筋線維
の動作集合状態信号の周波数成分を取り除いた情報に基
づいて筋トーヌスの予測を行うことができる(これは上
記制御手段1dが担当する。)。
【0376】尚、上記周波数解析部1fに相当するFF
T部22a、22bによって得られた差分データを取得
できると、電気刺激を受けたときの筋細胞の収縮の様子
が分かるようになるので、対象者個人の筋特性に係るデ
ータを取得することができる。例えば、筋特性には、赤
筋と白筋の比率に起因する筋の反応速度や持久力の相違
等が挙げられるが、筋細胞の収縮に伴う筋電位情報は、
体調や血糖値、筋疲労の度合によって変動することに注
意を要する(つまり、この成分が筋肉の状態によって一
定でないことが筋の動作予測を難しくしている原因であ
り、本発明は、上記第1の筋電位情報から当該成分を除
去するための処理を行うことで、運動単位の特性につい
て考慮することなく筋の動作予測を行うことに着眼点を
おいたものである。)。
【0377】また、図55では電気刺激発生装置21の
電極を例に挙げて説明したが、前記した効果器において
は電気刺激に適した電極位置(つまり、上記干渉波シミ
ュレーターによって選定した位置)と同じ位置の電極か
ら筋電波形データを取得して、陽極側電極及び陰極側電
極からのそれぞれ信号について周波数解析を行うことで
筋トーヌスについて予測することができる。つまり、効
果器の電極2、2、・・・を通して筋に電気刺激を付与
するだけでなく、これらの電極を、筋電図情報の取得に
も活用することができる(つまり、筋電計として利用で
きる。)。
【0378】図57は入出力インターフェイス部(入出
力選択処理部1e)における切換制御によって電極を通
した電気刺激と、電極からの筋電位情報の取得を時分割
処理で行う場合の構成例を概念的に示したものである
(図では1個の電極についての等価回路を示す。)。
【0379】電気刺激発生部1bから供給される信号は
出力バッファ26を経た後、切換部27(図にはスイッ
チの記号で示す。)から電極部1adに送出される。ま
た、電極部1adから切換部27を経た信号は、入力バ
ッファ28を介して筋電位情報取得部29(上記FFT
部22a、22bや差分演算処理部22cを含む。)に
送られる。切換部27の状態は図示しない制御部から送
られてくる制御信号によって規定され、切換部27にお
いて出力バッファ26側が選択された場合に電極を通し
て電気刺激が筋に付与され、また、入力バッファ28側
が選択された場合に電極を通して筋電波形の情報が取得
される。
【0380】このように時分割処理によって入出力(I
/O)を切り替えることで同一の電極を通した電気刺激
の付与と筋電位情報の取得を行うことができるように構
成するか、あるいは、両者について同じ使用電極がかち
合わないようする(選択した電極を通した電気刺激の付
与と、当該電極を検出電極とした筋電位情報の取得とが
同時刻に同じ電極で行われないように別々の電極を選択
する)必要がある。
【0381】尚、前記した方法で選択した使用電極を通
して電気刺激を筋に与えたときに得られる実際の動作
が、干渉波シミュレーションの結果と食い違う場合には
使用電極の位置を別の候補電極(候補登録済の電極)の
位置に変更することで実際の動作に最も合う電極位置を
選択することが好ましい。
【0382】しかして、周波数解析から予想される筋ト
ーヌスから筋の動きを事前に把握して、動的な人体構造
のデータベースを用いることにより、対象者の関節につ
いて次の動作を予測できるようになる。つまり、上記し
た手順(4)における予測筋トーヌスと表面筋電波形デ
ータとを関連付けるデータベースと、前記した動的な人
体構造のデータベースとを用いることで対象部位につい
て次に予測される動き(モーション)に関する情報を、
表面筋電波形データに基づいて習得することが可能にな
る。
【0383】尚、壁を手で押すときのように、対偶が動
作することなく筋収縮が起る場合(静止性収縮)の筋の
仕事量や、対偶の動作速度の取得に際しても筋電図の利
用が好ましく、例えば、対象者にヘッドマウントディス
プレイ等の視覚表示装置を装着してもらった上で当該装
置上に映し出される動作を模倣したり、あるいは関節を
装具で一時的に固定しあるいは一定の負荷をかけながら
筋電パターンについてのデータを取得する。
【0384】次に、(VI)低温火傷の防止と刺激出力
の調整について説明する。
【0385】絶縁接触抵抗による低温火傷を防止するに
は、下記の方法が挙げられる。
【0386】a)ある一定の時間以上に亘って同一の電
極を使用して電気刺激の付与が行われないように使用時
間を制限して、使用電極を変更する方法 b)皮膚表面の絶縁抵抗が予め決められた閾値以上であ
る場合には、その電極からの刺激強度を低下させるか又
は当該電極の使用を禁ずる方法。
【0387】先ず、a)における使用電極を変更につい
ては、使用する電極間の抵抗値が閾値以上になった場合
に、当該電極とは別位置の電極を代替電極として用いる
方法が挙げられる。例えば、電極の配置パターンの変更
による方法、時分割処理によって各電極への通電時間の
持続を制限する方法(例えば、隣接する電極群同士が同
時に使用されることがないように、各グループに属する
電極群を時分割処理に従って使用すると、皮膚表面の同
じ領域に対する長時間の刺激付与を避けることができ
る。)、両者を併用する方法等がある。
【0388】また、b)は、使用する電極群の間の抵抗
値を測定して、抵抗値が閾値以上になったことが判別さ
れた場合には、当該電極を通して付与される電気刺激の
強度を低下させるか又は当該電極の使用を強制的に停止
させる方法である。尚、強度低下については対象者の体
脂肪率や痛覚に対する個性を把握した上で刺激に対する
許容範囲を考慮する。また、電極の使用禁止について
は、一時的な禁止(解除条件つきの禁止。例えば、電源
の再投入時に絶縁抵抗値を測定してこれが閾値以下であ
れば使用禁止を解く等。)と、永続的な禁止(解除条件
をつけることのない禁止)とが含まれる。そして、使用
禁止を宣告された電極については、これを除外して再度
干渉波シミュレーションを行って候補電極を選定して禁
止電極の代替電極を見つけるか、あるいは既に登録済の
候補電極のうちから優先度等を考慮して禁止電極の代替
電極を選定する必要があり、これらによって安全な使用
電極を保証することができる。また、低温火傷は、あか
や汚れ等の付着によって皮膚抵抗が大きくなったときに
も起こり易いので、皮膚の絶縁抵抗が許容範囲を越えた
ことを検出したときに、電気刺激を禁止することが必要
である。
【0389】人体の脂肪はそのまま電気刺激における絶
縁抵抗となるため、刺激による不快感に深く関わってい
る(つまり、低温火傷は抵抗値に比例したジュール熱に
起因するため。)。
【0390】そこで、対象者をその体脂肪率によってク
ラス分けを行い、各クラスごとに刺激強度と不快感につ
いての有限段階(例えば、快、不快を含む5段階)での
主観評価を行うことが好ましい(∵体脂肪率だけでは脂
肪の付き方に関する情報が不足するため。)。この結果
を利用することで低温火傷に関する個体差を識別して対
象者に許容される最大刺激値を越えないように電気刺激
の出力調整を行うことができる。
【0391】図58及び図59は人体の脂肪と刺激によ
る主観評価法の一例を示すフローチャート図であり、本
例では評価対象部位を屈曲筋である上腕二頭筋とし、刺
激強度に対する評価を被験者の両腕の間隔で表現する
(例えば、両腕をまっすぐ前にのばした状態において、
不快感が大きい程、両腕で手先間隔を大きくしてもら
う。)ことにより、刺激がどの程度の不快感として被験
者に認識されているかを個々の被験者について相対的に
認識する方法を用いている(∵不快感についての絶対的
指標による評価は困難であるため。)。
【0392】先ず、図58のステップS1では、被験者
に前記した効果器を上腕に装着してもらった上で、当該
効果器を通して複数の電気刺激(例えば、3段階の刺激
A、B、C)を個々に与えた後、次ステップでS2で
は、被験者に、刺激Aを最小、刺激Bを中間、刺激Cを
最大の刺激としてそれぞれ認識してもらうように口頭で
説明を行う。
【0393】次ステップS3では被験者に刺激Cがどの
程度の不快感を与えるかを両腕の間隔によって表現して
もらった後、ステップS4に進んで刺激A、B、Cをラ
ンダム(無作為)に選択して被験者に対して付与する。
尚、その回数は所定回数(例えば、15回程度)とす
る。
【0394】次ステップS5では、各刺激(A、B、
C)がどの程度の不快感を与えるかを被験者に両腕の間
隔で表現してもらう。これによって、刺激Cの場合にお
ける両腕の間隔を基準とした相対値により評価する(例
えば、刺激Cの場合の間隔を100とし、刺激Bが50
%、刺激Aが25%等というように百分率で評価する
等)。
【0395】次ステップS6において所定回数に亘るラ
ンダムの刺激付与が終了したか否かを問い、終了時には
図59のステップS7に進むが、未終了時にはステップ
S4に戻る。
【0396】ステップS7では刺激Cの強度をこれまで
より1段階増加して被験者に付与し、次ステップS8で
当該刺激がどの程度の不快感を与えるかを被験者に両腕
の間隔で表現してもらう。
【0397】そして、ステップS9では被験者の両腕が
所定の間隔以上に大きく開いたか否かを判断し、そうで
あれば次ステップS10に進み、そうでなければステッ
プS7に戻る。
【0398】ステップS10では、効果器の電極群から
得られる筋電位情報に基づいて変化の顕著な場所を特定
してその上位から所定数の電極位置及び筋電パターンの
データを取得する。
【0399】こうして被験者について刺激強度と不快感
との関係を個人的特性として相対的に評価することがで
きる。
【0400】尚、被験者の筋肉に対する最大印加電流
(最大強度)の決定にあたっては、被験者に筋肉を緊張
させてもらって刺激電流を徐々に増加していき、下記の
状態が認められた時の電流値に安全率を乗じた値又はこ
れが刺激電流の上限値(最大電流値あるいは許容上限
値)を越える場合には当該上限値とする。
【0401】i)関節が電気刺激によって降服したとき ii)痛いと感じたとき。
【0402】尚、関節角度と電気刺激との関係について
は、一定の刺激出力を対象筋に与えてそのときの関節角
度に応じて出力設定や調整を行えば良い。
【0403】また、人体構造モデルのデータベースに基
づいて算定される対象者の人体内部の抵抗分布と対象者
の体脂肪率から予測される抵抗値とが整合しない場合に
絶縁抵抗値の修正を行うことがモデル誤差の低減にとっ
て望ましい。例えば、対象者の体脂肪率に比べて算定し
た抵抗値が小さい場合には、各抵抗値データに乗ずる比
例係数を変更する(無修正時の比例係数の値は1であ
る。)。
【0404】本発明に係る電気刺激装置を医療分野にお
いて使用する場合には、上記とは異なる側面についての
配慮が必要である。例えば、筋電パルスの強度が弱かっ
たり、健常者とは違った波形を示す疾患者に関して、健
常時に作成した対象者の人体構造のモデルをそのまま用
いて電気刺激を付与する訳にはいかない。
【0405】そこで、以下に示す手順を踏む。
【0406】(1)関節動作毎に電極部から表面筋電位
情報を取得する (2)対象者の人体構造のモデルを用いた場合に対偶の
動作についての各筋肉の動作を示す情報と、その動作時
に推測される(正常な)筋電位情報を(1)で得た筋電
位情報とを関連付けたデータベースを作成する (3)皮膚の各所における表面筋電位情報を取得すると
ともに、対偶の動作に伴う表面筋電パターンの変化を示
すデータを取得してデータベース化する (4)(2)と(3)で作成したデータベースをリンク
し、対象部位における皮膚の表面筋電位情報から実際の
筋電位情報を推測し、正常な筋電波形が得られるように
電気刺激を調整して筋肉に出力する。つまり、このとき
の正常な筋電パルスは、当該パルスと実際の筋電パルス
との差分を取り出してこれを補正用パルスとして筋に刺
激を付与することによって得られ、これによって実際の
筋電パルスによる異常運動(例えば、筋ジストロフィー
による筋動作不良や筋トーヌス異常による異常動作等)
を抑制することができる。
【0407】尚、刺激位置の設定(あるいは使用電極の
選定)にあたっては、対象者について筋配置を示す3次
元データ(ポリゴンデータ等)を作成した上で手動で行
う(これは、例えば、リハビリテーションの対象となる
筋及び刺激位置の選択を明確化するためである。)。例
えば、以下の手順を踏む。
【0408】(1)対象部位のポリゴンデータの生成及
びポリゴンの画像表示 (2)(1)の画像表示を参照しながら1箇所又は複数
箇所の刺激位置を手動入力により設定する (3)刺激場所に電気刺激を付与する。つまり、点刺激
の場合には当該刺激ポイントに対して電気刺激を与え
(その際、同じ場所が長時間に亘って刺激されないよう
に刺激ポイントを時間的に変更する。)、また刺激領域
を線や面、立体として指定した場合には、点状、線状又
は面状の刺激領域を時間的に移動させることによって次
元拡張(次元数を1増やす)を図る(例えば、点の移動
により線を、線の移動により面を、面の移動により立体
を表現する。)。
【0409】
【実施例】図60乃至図65は本発明に係る装置につい
て実施の一例を示すものであり、本装置は、I/O処理
部(機構部)100、電気刺激発生部300、統括制御
部500を備えている。
【0410】各構成要素は以下の通りである(括弧内は
符号を示す)。 ※I/O処理部(100) ・電極部(101) シート状基材に配置・形成された多数の電極群から構成
され(図4乃至図8参照。)、後述の電気刺激発生部3
00から電極選択部104を通して送られてくる電気信
号が各電極に供給される。 ・圧力及び温度検出部(102)及び素子選択処理部
(103) シート状基材において上記電極部101の上層に配置・
形成された多数の検出素子部(図9乃至図12参照。)
から構成され、圧力や温度の検出素子の選択については
素子選択処理部103におけるマトリックス処理により
行われる。 ・電極選択部(104) 出力系統については、電気刺激発生部300からの信号
群(例えば、「チャンネル数」×2個の信号)が出力用
セレクタ104oに送出され、ここで制御信号「Sel
_o」を受けて選択される電極に対してバッファアンプ
104bを通して出力信号が供給される。尚、バッファ
アンプ104bについては、制御信号「Sc」によって
出力電流の設定が行われるように構成されている。ま
た、入力系統については各電極からの信号が入力用セレ
クタ104iに送出され、ここで制御信号「Sel_
i」を受けて選択される情報が後述する筋電検出部20
1に送出される。 ・3軸位置検出部(105) 対象者についての基準原点位置を検出するための検出部
であり、対象者に関する座標系(3次元直交座標系、あ
るいは円筒座標系や関節構造に応じた軸座標系等)の設
定に必要とされる。尚、検出方法には光学式、磁気式、
ジャイロセンサー方式等が知られている。 ※筋電検出部(201) 電極選択部104において指定された電極で取得した筋
電位情報をアナログ信号からディジタル信号にA/D変
換して認識する部分であり、前記した周波数解析部1f
やFFT部22a、22bの機能を有している。尚、こ
の筋電検出については常時行っても良いし、タイマー割
り込み等によって規定のタイミングで行ったり、あるい
は検出命令を受けたときに行うようにしても良い。ま
た、A/D変換後のデータ処理形態については、筋電波
形のパルスについて規定される閾値を越えたときの単位
パルス当たりの立ち上がり数だけを用いても良いし、ま
た筋電波形を実効値変換のために時間積分した積分筋電
図(IntegratedElectroMyogra
m:IEMG)から得たり、あるいは筋電波形をFFT
処理した後スペクトル互換法を適用してデータを得る
等、各種の方法がある。 ※形状認識部(202) 圧力及び温度検出部102から素子選択処理部103を
経て入手される圧力検出情報を受けて圧力分布情報から
表面形状を認識する部分である。尚、圧力検出情報の処
理については全てマトリックス処理を経て行われる。 ※個性認識部(203) 筋電検出部201及び形状認識部202からの情報に基
づいて対象者の個性を認識する部分であり、認識結果は
後述の統括制御部500に送られる。尚、「個性の認
識」においては、上記した方法の他、筋電図情報の周波
数解析により所定帯域(例えば、200〜300Hz)
の成分から識別する方法や、複数の対偶動作について得
られる筋電位情報又は形状認識情報を合成して、この構
成情報と個人情報との差分情報を個性として認識する方
法(音声認識技術を筋電位情報等に応用した方法)等を
用いることができるが、その方法の如何は問わない。 ※電気刺激発生部(300) 低周波刺激発生部301及び干渉波刺激発生部302が
必要なチャンネル数に応じて設けられており、これらは
後述する統括制御部500の指令下に置かれている。 ※対偶位置認識部(401) 3軸位置検出部105、筋電検出部201、形状認識部
202からの情報に基づいて対偶の位置情報を認識する
部分である。つまり、3軸位置検出部105からの情報
を原点位置情報とし、対象者に特定の動作を実行しても
らいながら、その時々の形状認識結果や対偶運動との関
係、運動時の筋電位情報や運動速度等の関係に基づいて
対偶の位置を認識する。 ※骨格筋配置認識部(402) 対偶位置認識部401からの情報に基づき、人体構造モ
デル処理部602からの3次元の人体形状データ(対偶
内の骨や筋肉等の配置をポリゴンデータでモデル化した
もの。)を利用して骨や筋肉の配置を認識する部分であ
り、その際、人体形状データについてはモニター装置4
03上に表示して視覚的に認識できるようにすることが
好ましい。 ※統括制御部(500) 制御の主要な機能を司る部分であり、これには以下の要
素が含まれる。
【0411】・刺激選択機能処理部(501) 電気刺激の種類を選択するための制御信号を電気刺激発
生部300に送出する部分である。即ち、電気刺激を行
う対象部位の筋肉について皮膚からの深さに応じて低周
波電気刺激を行うか又は干渉波電気刺激を行うかを規定
し、低周波については2つの電極を1組みして電気刺激
を発生させ、干渉波については、例えば、4つの電極を
組みして電気刺激を発生させる。尚、電気刺激にあたっ
ては、前記したように干渉波シミュレーター(又はその
簡易版干渉波シミュレーター)からの解析結果が利用さ
れる。
【0412】・F.S.(ファントムセンセーション)
刺激機能処理部(502) 皮膚表面への擬似的な刺激を付与する際に使用する電極
の選定及び刺激強度等の信号パターンを生成する部分で
あり、この場合には前記したように干渉波が使用され
る。また、後述する力触覚パターン認識部505からの
指令情報に応じた触覚呈示を行うために、制御出力を後
述の使用電極変更処理部507に送出する。尚、ファン
トムセンセーション刺激によって機能的電気刺激が妨害
される場合には、使用電極パターンの配置を変更して、
速やかに他の電極パターン配置を採用する必要がある。
【0413】・低温火傷防止処理部(503) 絶縁接触抵抗による低温火傷を防止するために設けられ
ており、一定時間以上に亘って同じ電極を使って電気刺
激が付与されないように使用電極のパターンを適時に変
更したり、あるいは皮膚表面の抵抗値が閾値以上である
場合や電極の汚損状態がひどい場合に電極の使用を禁止
する。そして、そのための制御指令を後述する使用電極
変更処理部507に送出する。尚、図58、図59で説
明したように筋電検出部201からの情報を参照し(図
には破線で示す。)、個人差に応じて刺激に対する不快
感の発生防止対策を講じることが好ましい。
【0414】・筋配置変化への追従機能処理部(50
4) 筋の移動に伴って使用電極の配置等を変化させるための
制御を行う部分である。例えば、前腕の回内・回外動作
時における筋肉の移動はとても大きいため、その際の筋
肉移動を考慮して使用電極配置を時間的に変更する必要
がある。よって、骨格筋配置認識部402によって得ら
れる筋肉配置の情報、筋電検出部201から予測された
対偶の駆動量(前記予想筋トーヌスに基づく動作予測を
参照。)、そして、実際の対偶位置情報の変化に基づい
て対偶の駆動量をリアルタイムで認識し、対偶間の位置
関係に応じて使用電極位置及び電気刺激波形を変化させ
る。
【0415】・力触覚パターン認識部(505) 対象部位にどのような力触覚を付与するかを認識する部
分であり、その制御法は力触覚フィードバック制御(つ
まり、指令値に対してどれだけの力触覚が付与されてい
るかを認識して両者についての差分処理から求まる誤差
がゼロとなるような制御)に依る。その際には、後述の
人体構造モデル処理部602からの3次元人体形状デー
タを利用する。尚、認識結果については、ファントムセ
ンセーション刺激機能処理部502、筋配置変化への追
従機能処理部504等に送出される。
【0416】・選択処理/出力設定処理部(506) 使用電極の選択(電極位置、使用又は不使用若しくは禁
止の選択を含む。)、選択した電極を使って電気刺激を
付与するのか又は当該電極を使って筋電位情報を取得す
るのか、あるいは電極をグランドにとるか等を規定す
る。また、選択電極を通して電気刺激を付与する場合の
出力設定を行う。尚、選択処理/出力設定処理部506
からセレクタ部512を介して上記制御信号Sel_
o、Sel_i、Scが各所に送出されるが、当該セレ
クタ部512が完全に選択処理/出力設定処理部506
の支配を受けるのは、後述する使用電極変更処理部50
7からの指令を受けないことが条件とされる(つまり、
セレクタ部512にとっては当該指令が優先されるとい
うことである。)。
【0417】・使用電極変更処理部(507) 各種の条件によって使用電極を変更するための部分であ
り、その出力はセレクタ部512に送出される。尚、本
処理部の出力はセレクタ部512に対して優先的に作用
する。また、使用電極の変更指令については、上記した
ファントムセンセーション機能処理部502、低温火傷
防止処理部503、筋配置変化への追従機能処理部50
4、後述の信号補正処理部508等から送られてくる
が、各処理部のもつ機能に応じて各種の電極配置パター
ンが用意されている。
【0418】・信号補正処理部(508) 骨格筋配置認識部402から得られるデータに基づいて
予期される力触覚フィードバック(状態)と、実際に起
きている力触覚フィードバック(状態)とを比較し、両
者が一致するか又は差異が少なくなるように、刺激パタ
ーン設定部510や使用電極変更処理部507に対して
補正信号を送出する部分である。
【0419】・個性適応機能処理部(509) 対象者の個性認識用データに基づいて電気刺激波形をそ
の標準形から変化させるための機能をもった部分であ
り、個性認識部203からの情報を受けて刺激パターン
設定部510に対して制御信号を送出する。
【0420】・刺激パターン設定部(510) 統括制御部500内の各部(502〜504、508、
509)からの指令に基づいて刺激パターン(前記した
刺激条件を異にする各種の刺激信号パターン)に関する
制御信号を電気刺激発生部300に送出し、波形等を変
化させる。
【0421】・簡易版干渉波シミュレーター(511) 干渉波シミュレーター603で得られた情報を用いて電
極候補の位置、対偶駆動量等を予めデータベース化して
おくことで干渉波シミュレーションの使用頻度を低減す
るためのものであり、使用時には、予想される対偶駆動
量と、実際に候補電極を通して電気刺激を付与したとき
の対偶駆動量とが一致するか否かを判別して使用電極を
決定する。 ※入出力処理部 力触覚パターン(指令パターン)を設定したり、3次元
ポリゴンデータを画像表示する等に必要な一切の装置を
含む。例えば、コンピュータの入力装置601(キーボ
ードやマウス等)、モニター装置403やヘッドマウン
トディスプレイ装置、プリンタ等の出力装置の他、前記
した人体構造(モデル)のデータベースに係るデータ入
出力処理に必要な手段も含まれる。 ※人体構造モデル処理部(602) 前記したモデル構築/計算処理部1Aeに相当する。
尚、モデル構築にあたっては、既述したとおりヘリカル
CTやMRI等によって得られる断層面情報から対象部
位の骨格や筋肉配置のデータを得ることが可能である。 ※干渉波シミュレーター(603) 前記したように干渉波電気刺激の付与に際して使用電極
候補の選出等に用いられる。
【0422】尚、力触覚呈示装置への適用にあたって
は、仮想現実空間におけるオブジェクトの生成や力触覚
呈示の指令に関する処理が必要となり、例えば、ゲーム
機への応用にあたっては図64、図65に示すように前
記の構成要素に加えて、ゲーム機700内に以下の要素
が必要になる(括弧内の数字は符号を示す。) ・ステレオ映像出力部(701) ストーリー展開に従ってステレオ映像(信号)を出力す
る部分であり、当該映像信号は、例えば、ヘッドマウン
トディスプレイ(あるいは3Dスコープ)等の視覚表示
装置702に送出されて対象者に提供される。尚、効果
音等の音声信号についても視覚表示装置に組み込まれた
ヘッドフォンやスピーカー等の音声出力手段を使って対
象者に提供されるが図示は省略する。また、ゲームの進
行に必要なデータ等は図示しない情報記録媒体によって
提供される。
【0423】・力触覚発生の命令部(703) 力触覚の発生について命令を下す部分であり、ストーリ
ー展開において力触覚の呈示を必要とする場面で力触覚
の呈示命令を発してこれを上記力触覚パターン認識部5
05に送出する。これにより力触覚パターン認識部50
5で呈示命令の内容が解釈される。また、命令部から対
偶位置認識部401に送出される指令によって力触覚呈
示の対象部位について対偶位置の認識及び位置情報の取
得が行われる。
【0424】次に機能的電気刺激による力触覚呈示装置
の制御方法について、図66乃至図71に示すフローチ
ャート図に従って説明する。
【0425】図66は制御全体の流れについてその大筋
を示したものであり、対象者の人体構造に関するデータ
ベースに対して対偶の動作や筋電図によるデータをリン
クしたデータベースが構築済であること、そして、該デ
ータベースを利用した干渉波シミュレーションの結果が
やはりデータベース化されていることが前提となる。
尚、関節角度に応じた人体の骨格や筋肉の配置データに
ついては前記したようにヘリカルCTにより骨格データ
を取得し、またヘリカルMRI等で筋肉配置のデータを
取得してこれをデータベース化しておく。
【0426】処理の開始にあたっては、先ず、電極部1
01や圧力及び温度検出部102を含む効果器や、ヘッ
ドマウントディスプレイを対象者に装着する。その際、
電気刺激の対象部位について皮膚全体が効果器によって
しっかりと被覆される必要がある。
【0427】ステップS1では基準面圧力情報の取得に
あたって必要なキャリブレーション処理(その詳細につ
いては図67で説明する。)を行う。
【0428】そして、次ステップS2では関節角度によ
る面圧力変化についての情報取得にあたって必要なキャ
リブレーション処理を行う(これは求心性収縮及び遠心
性収縮に関する認識のために必要となり、その詳細につ
いては図68で説明する。)。
【0429】次ステップS3では筋の仕事量についての
キャリブレーション処理(その詳細については図69、
図70で説明する。)を行った後、次ステップS4では
前ステップS1乃至S3で得られたデータと、前述した
人体構造モデルのアルゴリズムに従って生成されたデー
タ、そしてヘリカルCTやMRI等の情報を用いて生成
したポリゴンデータ(関節の動きによって筋の中心線や
形状がどのように変化するかの認識に必要とされ、その
詳細については図45乃至図47やその関連説明を参
照。)についてリンクを行う。尚、この場合にリンクの
基準とするのは関節角度であり、その際、対偶の形状か
ら推測される関節角度も考慮する。
【0430】そして、ステップS5で力触覚呈示命令を
解釈する。つまり、当該命令は力触覚発生の命令部70
3から力触覚パターン認識部505に送出されてその内
容が解釈される(上位の命令は下層の構成部にいくに従
って、より低次元の命令に還元されていく。)。
【0431】例えば、力触覚パターンの設定条件につい
ては運動パターン、スピード、仕事量等が挙げられ、こ
れに基づいて皮膚表面の刺激位置、強度、種別(例え
ば、刀傷や着弾等を受けたり、バウンドしたといった感
触の違いに応じた類型)等、各種のパラメーターが規定
される。尚、刺激位置の設定にあたってはゲーム機の場
合にそのストーリー展開の応じて指定する必要があり、
そのためのデータを予め情報記録媒体に記憶させてお
く。
【0432】次ステップS6では対偶位置と重力との関
係や荷重を考慮して制御を行う。つまり、力触覚発生の
命令部703から対偶位置認識部401に送出される指
令によって対偶位置の認識が行われるが、その際に対象
者への重力の影響が問題になる。
【0433】制御方法には以下の3種類が挙げられる
(ここでは、一つの関節を複数の筋肉で駆動する場合、
例えば上腕等を想定する。)。
【0434】・関節とその駆動を補助する筋肉の収縮に
関するデータベースを予め構築しておき、電気刺激に際
しては当該データベースを用いて、常に対をなす筋肉を
特定してこれらを緊張させるように制御する方法 ・関節及び対偶の位置と重力との関係についてのデータ
ベースを予め構築しておき、電気刺激に際しては当該デ
ータベースを用いて、重力に対する関節位置に応じて対
をなす筋肉を特定してこれらを緊張させるように制御す
る方法 ・荷重(例えば、手にもった重量物等による。)に対し
ては、刺激対象とする駆動筋をデータベースに追加して
おき、電気刺激に際しては当該駆動筋を選択してこれを
緊張させるように制御する方法。
【0435】次ステップS7では力触覚呈示命令に従っ
て使用電極の選択や刺激条件の設定が行われて電気刺激
が付与される(その詳細については図71で説明す
る。)。
【0436】図67は基準面圧力情報の取得(キャリブ
レーション)に関するフローチャート図であり、先ず、
ステップS1では、磁気センサー等を用いた3軸位置検
出部105からの情報に基づいて基本となる対偶位置の
情報を取得した後、次ステップS2では3軸位置検出部
105からの情報を用いて視覚表示装置(ヘッドマウン
トディスプレイ等)上の映像において対象者の目視位置
(視点)情報を取得する。
【0437】次ステップS3では、前ステップS1で得
た対偶位置に基づいて当該対偶からその末端部までの人
体部位についての3次元ポリゴンデータを、前記人体構
造モデルのアルゴリズムに従って生成した後、次ステッ
プS4に進んで当該ポリゴンデータに対応する映像を上
記視覚表示装置702に映し出す。
【0438】そして、ステップS5において、対象者に
はポリゴンデータの映像に対して自身の対偶(の映像)
が重なり合うように動作状態を模倣してもらう。尚、そ
の際には音声によるナビゲートも同時に行う。
【0439】次ステップS6では映像の重なり具合から
動作の模倣が完了したか否かを判断し、完了時には次ス
テップS7に進んでそのときの圧力分布を効果器の圧力
検出素子群の情報から取得した後ステップS8に進む
が、模倣が完了していない場合にはステップS5に戻
る。
【0440】ステップS8では、前ステップS7で取得
した数値データを基準値(例えば、百分率表示を採用し
た場合の「100」)として記憶・登録し、これに基づ
いて基準面圧力情報のデータベースを作成する。
【0441】図68は関節角度に応じた面圧力情報の取
得(キャリブレーション)に関するフローチャート図で
あり、ステップS1、S2については図67のステップ
S1、S2と同じである。
【0442】ステップS3では、前ステップS1で得た
対偶位置と関節角度に基づいて当該対偶からその末端部
までの人体部位についての3次元ポリゴンデータを、前
記人体構造モデルのアルゴリズムに従って生成した後、
次ステップS4に進んで当該ポリゴンデータに対応する
映像を視覚表示装置702に映し出す。
【0443】そして、ステップS5において、対象者に
はポリゴンデータの映像に対して自身の対偶(の映像)
が重ね合わさるように動作を模倣してもらい(尚、その
際には音声によるナビゲートも同時に行う。)、次ステ
ップS6では映像の重なり具合から動作の模倣が完了し
たか否かを判断し、完了時には次ステップS7に進んで
そのときの圧力分布を効果器の圧力検出素子群の情報か
ら取得した後ステップS8に進むが、模倣が完了してい
ない場合にはステップS5に戻る。
【0444】ステップS8では、図67のステップS8
で作成した基準面圧力情報のデータベースのデータを基
準として前ステップS7で得た圧力情報のうち変化の大
きな場所及び圧力値を取得する。例えば、基準面圧力情
報と比較した場合に圧力検出値の変化に富む場所を上位
から所定箇所だけ選び出してそれらの位置及び圧力値を
記憶・登録し、これに基づいて関節角度と当該角度につ
いての面圧力情報のデータベースを作成する。
【0445】そして、ステップS9では関節の全ての角
度について上記ステップS3乃至S8の処理を終了した
か否かを判断し、未終了時にはステップS3に戻って関
節角度をこれまでの値とは変更した上でステップS3乃
至S8の処理を繰り返す。
【0446】このようにして関節角度をパラメータとし
て変化させたときの面圧力の変化を基準面圧力に対する
相対値として取得することができる。
【0447】図69及び図70は筋の仕事量による筋電
(パターン)情報の取得(キャリブレーション)に関す
るフローチャート図であり、図69のステップS1乃至
S6については図68の各ステップと同じである。
【0448】図70のステップS7では、効果器の電極
部101を通して筋電位情報を取得できるように設定し
た後、筋電波形のパターンを複数回に亘って取得する。
【0449】そしてステップS8では、前ステップで得
た情報が既に記憶・登録済か否かを判断し、そうであれ
ばステップS9に進み、未登録の場合にはステップS1
0に進む。
【0450】ステップS10では、前ステップで得たデ
ータについて平均処理を施した上でこれを基準値(例え
ば、百分率表示を採用した場合の「100」)として記
憶・登録し、これに基づいて無負荷時の筋電パターン情
報に係るデータベースを作成する。そして、次ステップ
S11に進んで対象部位に所定の負荷を与えるための装
具を装着した後、ステップS3に戻る。
【0451】ステップS9では、ステップS10で作成
した無負荷時の筋電パターン情報を基準として前ステッ
プS7で得た筋電位情報のうち変化の大きなデータを取
得する。例えば、無負荷時の筋電パターンと比較した場
合に電位の変化が顕著なデータを上位から所定の数だけ
選び出してそれらを記憶・登録し、これに基づいて負荷
時の筋電パターン情報に係るデータベースを作成する。
【0452】このようにして対象部位の無負荷時におけ
る筋電位情報に対して負荷(付与)時の筋電位情報を相
対値として取得することができる。
【0453】図71は電気刺激の発生による力覚呈示の
手順例を示すフローチャート図である。
【0454】先ず、ステップS1で関節の駆動角度を設
定した後、次ステップS2で圧力検出に基づいて対偶形
状を把握する。そして、ステップS3では対象部位の3
次元ポリゴンデータ(あるいは断層解析結果に基づく内
部構造の形状データ)を生成した後、次ステップS4で
は駆動させたい筋肉について刺激領域(前記した干渉波
シミュレーションの説明における点や面、立体)を設定
して電気刺激を付与する。
【0455】これによって、ステップS5では実際に対
偶が駆動されるが、次ステップS6では前ステップS1
で設定した駆動角度が達成したか否かを判断し、達成時
にはこれまでの処理を終了するが、当該角度が達成され
ない場合にはステップS2に戻る。
【0456】尚、人体の動作において上腕や手部では多
数の筋が互いに協調しているため、全ての筋について干
渉波電気刺激を個別に付与するのは非常に困難である。
そこで、対偶を動作させている筋の配置に応じて低周波
電気刺激と干渉波電気刺激(触覚呈示のためのファント
ムセンセーションを用いた刺激法を含む。)を併用する
ことが望ましい。
【0457】図72は筋動作予測のための筋電位情報の
取得と記憶・学習処理の一例を示すフローチャート図で
ある。尚、上記した装置構成において特に直接的な関係
のある部分は、入力用セレクタ(104i)と筋電検出
部(201)、出力用セレクタ(104o)と電気刺激
発生部(300)である。
【0458】先ず、ステップS1は準備処理のための分
岐処理であり、ステップS2乃至S4のうち、未終了と
されるステップに進む。
【0459】ステップS2では対象者に効果器(例え
ば、スーツ形状に形成したもの等)を着用した上で解剖
学的立位姿勢をとってもらい、効果器において皮膚表面
に接触する面に皺ができないようにセットした後、前記
(I)圧力検出を利用した形状認識法に従って対象者の
表面形状データを取得する。尚、このデータ取得処理が
必要である理由は、後述のステップS3やS4だけで
は、筋肉の***等に伴う形状変化を動的に把握すること
ができないからである。
【0460】また、ステップS3では、前記(II)骨
断面や筋及び脂肪断面の情報を利用したデータベースの
構築において説明したようにヘリカルCTやMRI、光
CT等を使った断層断面のデータ取得及びデータベース
化の処理を行う。
【0461】ステップS4では、対象者の人体構造に関
するデータベースを構築する(前記した力学的構造の数
値モデルの構築方法に拠る。)。
【0462】ステップS5では全ての準備処理が終了し
たか否かを判断し、終了時には次ステップS6に進む
が、未終了時にはステップS1に戻る。
【0463】ステップS6において前ステップS2乃至
S4で得たデータから対象者の体格について把握した
後、次ステップS7で筋配置を認識する。つまり、対象
者の体型はステップS4で得ているので、これによって
おおよその筋配置は分かるが、ステップS2で得た対象
者の外形形状やステップS3で得た内部構造データを使
って、より精度の高い筋配置の認識及びモデルの高精度
化を図ることができる。
【0464】ステップS8では、上記干渉波シミュレー
ターによる方法を用いて効果器における使用電極を選択
した後、次ステップS9で対象者に自らの意志により筋
肉を動かしてもらう。その場合の動作パターンとして
は、前腕の場合に、例えば、下記の動作例が挙げられ
る。
【0465】・手を前に出して拳をつくった状態での、
肘伸展、回内、第2乃至第5指のDIP、PIP、MP
屈曲、第1指のIP、MP屈曲 ・手で鉄アレイを把持して、これを持ち上げてからの回
外、肘屈曲、指屈曲時の手首の掌屈 ・手を前に出して掌面を平らにした状態における、対立
(平坦状態)、第2乃至5指のMP外転、第1指のCM
橈屈外転 ・手首を下に曲げた状態からの指伸展時の手首の掌屈 ・手首を上に曲げた状態からの手首の背屈 ・手刀状態での、第2乃至第5指のDIP、PIP、M
P伸展とMP内転 ・親指を小指の付け根につけた状態での、対立(湾曲状
態)、第1指のCM尺屈内転。
【0466】ステップS10では、入力用セレクタ10
4iの制御によって使用電極を選択した上で筋電検出部
201で筋電位情報を取得して周波数解析を行う。この
ときに取得したデータ(これを「マスターEMG」と定
義する。)には、下記に示す周波数成分が含まれる。
【0467】・筋トーヌスに係る成分 ・運動単位に係る総和成分。
【0468】尚、マスターEMGについては、そのとき
の動作パターンを示すデータをリンクした上で所定の記
憶手段に格納しておく。
【0469】ステップS11では、電気刺激のみによっ
て対象筋を動作させ、次ステップS12でそのときの筋
電位情報を取得して周波数解析を行う。つまり、この場
合に取得されるデータ(これを「スレーブEMG」と定
義する。)には、下記に示す周波数成分が含まれる。
【0470】・電気刺激信号の成分 ・運動単位に係る総和成分。
【0471】従って、スレーブEMGから電気刺激信号
の成分(これは電気刺激の原信号として既知であり、当
該信号のFFT解析により直接算出できる。)を差し引
くことで運動単位の総和成分が得られるので、これをマ
スターEMGから除去すれば、筋トーヌスの成分だけを
抽出することができる。これをその動作パターンに関連
付けて記憶・学習すれば、その後のEMGデータから筋
の動作予測を容易に行える。つまり、電極から取得した
筋電位情報から運動単位の特性を考慮することなく動作
を予測できるようになる。
【0472】例えば、腕立て伏せを100回行う前と後
でEMG測定を行った場合には、取得されるEMGデー
タが異なるが、これは運動単位について筋肉疲労の影響
が生じたためである。よって、従来の方法のようにEM
Gデータから直接的に動作を予測しようとしても困難を
極めることになるが、本発明によれば、EMGデータか
ら運動単位に係る総和成分を除去した筋トーヌスの成分
に基づいて動作予測が可能になる。
【0473】しかして、上記した装置によれば、下記に
示す利点が得られる。
【0474】・従来のシャフトアーム等を使った外骨格
型の機構を必要としないので、軽量化にとって有利であ
り、対象者はあたかも洋服を着用する感覚で使用するこ
とができる。
【0475】・外力発生のための消費電力が少ない。つ
まり、サーボモータ等の動力源やエアシリンダの空圧源
等が不要であり、対象者の筋肉への刺激付与によって関
節の駆動や触覚呈示が可能である。
【0476】・駆動時の雑音がなく、無音での力触覚呈
示が可能になるので、例えば、ゲーム機への利用におけ
る効果音や環境音への悪影響がない。
【0477】・ファントムセンセーションの利用により
皮膚表面への擬似的な刺激を表現できる。
【0478】・運動単位の特性や状態に影響されること
なく、筋トーヌスの予測用データに基づいて筋の動作予
測を行える。
【0479】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明によれば、対象者の筋肉に一定
の電気刺激を与えながら、当該筋肉の筋電位情報を取得
して周波数解析を行うことで筋細胞の収縮のみに起因す
る基礎データを予め求めておき、その後に筋電位情報の
周波数解析により得られるデータから当該基礎データを
除去したデータを算出することによって、実際に筋が動
作する前に筋の動作を予測することができる。従って、
筋電位情報から得られる純粋に筋トーヌスに係るデータ
に基づいて動作予測を行えるので、筋の疲労度等を含む
各種の要因によって予測精度が影響を受け難くなる。
【0480】請求項2に係る発明によれば、対象者がそ
の意志で筋肉を動かそうとしたときに電極から検出され
る信号の周波数成分から、ATPによる多筋線維の動作
集合状態信号の周波数成分を取り除いたデータに基づい
て、筋の動作予測を行うことができる。
【0481】請求項3に係る発明によれば、筋電位情報
における運動単位の特性を考慮することなく筋トーヌス
の予測用データを得ることができる。
【0482】請求項4に係る発明によれば、対象者個人
の筋特性に係るデータを取得することによって個性の認
識が可能になる。
【0483】請求項5に係る発明によれば、筋トーヌス
の予測用データを対象者の動作パターンと関連付けて予
め記憶・学習させておくことによって、動作パターンの
予測を迅速に行うことができる。
【0484】請求項6、11、16に係る発明によれ
ば、電極を選択した実際に電気刺激を付与する前に筋肉
の動作を予測することができるので、当該電気刺激によ
って対象者の意に沿わない動作が実行されたり、筋肉の
動作において好ましくない刺激付与や動作変化が起きる
のを未然に防止することができる。
【0485】請求項7、12に係る発明によれば、電極
部と形状情報取得部とを同じシート状基材の上に積層し
て形成することで構成の簡単化を図ることができる。
【0486】請求項8、13に係る発明によれば、シー
ト状基材の上に電極群を効率的に配置することができ
る。
【0487】請求項9、14に係る発明によれば、関節
の動作によって巻き込まれることのない皮膚表面に対し
て電極群を無駄なく配置することができる。
【0488】請求項10、15に係る発明によれば、効
果器の人体への装着が容易になるとともに、装着時の蒸
れを防止することができる。
【0489】請求項17に係る発明によれば、対偶毎に
その形状に合った効果器を部分的に作成することができ
るので着用し易い。
【0490】請求項18に係る発明によれば、カメラ等
の撮像手段を要することなく着用した効果器による圧力
検出情報に基づいて対象者の外形形状を把握することが
できる。
【0491】請求項19に係る発明によれば、骨や筋等
の内部構造を含むデータベースを得ることによりモデル
精度の向上を図ることができる。
【0492】請求項20に係る発明によれば、色差の違
いに基づく画像処理によって筋の識別を容易に行うこと
ができ、筋の区別を自動化し易い。
【0493】請求項21に係る発明によれば、骨や筋等
の形状を規定する点情報を容易に取得することで3次元
形状データを作成することができる。
【0494】請求項22に係る発明によれば、3次元形
状データの動的変化を容易に表現することができる。
【0495】請求項23に係る発明によれば、赤筋と白
筋の占める量的な比率からを対象者の筋特性を把握する
ことができる。
【0496】請求項24乃至26に係る発明によれば、
使用電極の選定にあたって干渉波のシミュレーションを
事前に行うことで対象部位の刺激領域に適した電極位置
を把握することができ、これによって実際の電気刺激付
与時に理想的な干渉波刺激を得ることができる。
【0497】請求項27に係る発明によれば、電極候補
の中から選定した電極の配置に応じて電気刺激の出力を
設定することができ、低温火傷等の発生を防止できる。
【0498】請求項28に係る発明によれば、電極候補
を事前に保存・登録しておくことで、実際の電気刺激付
与時に電極候補から使用電極を直ちに選択することがで
きる。
【0499】請求項29に係る発明によれば、電気刺激
に付与にあたって最終的に選定された電極位置と同じ位
置から筋電位情報を検出して周波数解析を行うことで筋
トーヌスの予測精度を高めることができる。
【0500】請求項30に係る発明によれば、対象者の
関節についての動作予測を的確に行うことができる。
【0501】請求項31に係る発明によれば、同じ電極
を使った電気刺激付与と筋電位情報の取得とが同時に競
合しないように制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の基本構成を示す図である。
【図2】機能的電気刺激を利用した力触覚呈示装置の構
成例を示す図である。
【図3】図4乃至図14とともに効果器に使用する電極
シートの構成について説明するための図であり、本図は
電極シートを腕に巻き付ける様子を示す図である。
【図4】電極シートの分解斜視図である。
【図5】電極層3Aを構成する最も皮膚側のシート4を
部分的に示す図である。
【図6】電極層3Aを構成する導通シート5を部分的に
示す図である。
【図7】電極層3Aを構成する配線シート6を部分的に
示す図である。
【図8】電極層3Aを構成する表面シート7を部分的に
示す図である。
【図9】感圧・感温層3Bを構成する行電極シート8を
部分的に示す図である。
【図10】感圧・感温層3Bを構成する感圧・感温シー
ト9を部分的に示す図である。
【図11】感圧・感温層3Bを構成する列電極シート1
0を部分的に示す図である。
【図12】感圧・感温層3Bを構成する絶縁膜11を部
分的に示す図である。
【図13】電極シートの一部を拡大して示す断面図であ
る。
【図14】腕に巻き付けた状態の電極シートを示す概略
的な断面図である。
【図15】図16とともにデータグローブにおける指の
屈曲状態を検出について説明するための図であり、本図
はデータグローブの指部の背面を示す。
【図16】指を曲げた状態を示す図である。
【図17】抵抗パターン、圧力や温度の検出部を具備す
るデータグローブの要部構成を概略的に示す図である。
【図18】人体の体型分類についての説明図である。
【図19】基準体型モデルにおける諸量の定義を示す図
である。
【図20】体型形座標空間を構成する2次元座標平面に
ついての説明図である。
【図21】体型形座標空間におけるZ軸に長さ比率の変
数を設定した様子を示す図である。
【図22】体型形座標空間におけるZ軸に長さ比率及び
重量比率の変数を設定した様子を示す図である。
【図23】対象者から取得した画像データ及びその伸縮
操作についての説明図である。
【図24】図25とともに対象者の3次元データについ
てのスライス処理に関する説明図であり、本図は立位姿
勢の対象者(画像)とスライス間隔を示す。
【図25】対象者の3次元データについてスライス処理
と断層面との関係を示す図である。
【図26】体型形座用空間を構成するX−Y平面に設定
した極座標系(r,θ)において点の配置例を示す図で
ある。
【図27】多角形の重心計算によって対象者の体型形を
特定する処理についての説明図である。
【図28】重心G(Xg,Yg)からこれに対応する関
数値を求める様子を示す図である。
【図29】図30とともに、身体に関する基本データの
入力及びデータ加工に係る処理例を示すフローチャート
図であり、本図は処理の前半部を示す。
【図30】処理の後半部を示す。
【図31】人体についての3次元データの取得及び運動
に関するワイヤーフレームモデルの生成、運動に伴う重
心位置データの取得に係る処理例を示すフローチャート
図である。
【図32】対象者の3次元データに関するスライス処理
についての概略的な説明図である。
【図33】人体ポリゴンDBとその構成DBとの依存関
係を示す図である。
【図34】人体ポリゴンDBの生成に係る処理例を示す
フローチャート図である。
【図35】図36乃至図40とともに初期学習について
説明するための図であり、本図は筒状に巻いた圧力検出
用シートを示す。
【図36】筒状に巻いた圧力検出用シートの別例を示す
図である。
【図37】圧力検出用シートについての素子選択につい
て説明するための図である。
【図38】圧力検出用シートに挿入して使用する基準円
柱の組みを示す図である。
【図39】初期学習の手順例を示すフローチャート図で
ある。
【図40】圧力検出用シートによる圧力分布情報から形
状を取得する手順例を示すフローチャート図である。
【図41】図42乃至図44とともに、上肢の形状認識
について説明するためのものであり、本図は形状認識の
手順例を示したフローチャート図である。
【図42】対象者に視覚表示装置を装着して当該装置上
に模倣すべき上肢の動きを映し出した状態を示す説明図
である。
【図43】人体の上肢を概略的に示す図である。
【図44】圧力パターンの数例を示すグラフ図である。
【図45】図46及び図47とともに断層面データから
対象部位の内部構造を含む形状モデルを作成する処理例
について説明するためのフローチャート図であり、本図
は処理の始めの部分を示す。
【図46】処理の中間部を示す。
【図47】処理の終盤部を示す。
【図48】各断層面とその面上の図形(三日月形状)に
ついて、輪郭線長に対するポリゴンポイント数の割り当
てを示す説明図である。
【図49】三日月形状及びその面重心Gと、当該重心G
を中心とする等角分割線によって輪郭線上にポリゴンポ
イントが生成される様子を示す説明図である。
【図50】面重心位置の計算処理についての説明図であ
る。
【図51】面重心を中心とする等角分割線と輪郭線との
交点として求まるポリゴンポイントを示す説明図であ
る。
【図52】刺激条件について諸量の定義を説明するため
の波形図である。
【図53】図54とともに干渉波シミュレーションにつ
いて説明するための図であり、本図は皮膚表面S上の1
点と内部の対象部位XPとの関係を示す概略図である。
【図54】皮膚表面S上の3点と内部の対象部位XPと
の関係を示す概略図である。
【図55】図56とともに、ATPによる多筋線維の動
作集合信号を取得する方法について説明するための図で
あり、本図は装置例を概略的に示す図である。
【図56】FFT後の周波数特性を概念的に示すグラフ
図である。
【図57】電極を通した電気刺激と、電極からの筋電位
情報の取得処理とを時分割処理で行う場合の構成例を概
念的に示す図である。
【図58】図59とともに人体の脂肪と刺激による主観
評価法の一例を示すフローチャート図であり、本図はそ
の前半部を示す。
【図59】処理の後半部を示す図である。
【図60】図61乃至図72とともに、本発明の実施例
を示すものであり、本図は装置の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図61】I/O処理部を主に示す図である。
【図62】統括制御部の構成を示す図である。
【図63】統括制御部とその周辺部との関係を示す図で
ある。
【図64】図65とともに力触覚呈示装置としてゲーム
機への適用例を示すものであり、本図は装置の全体構成
を示すブロック図である。
【図65】要部の構成だけを取り出して示す図である。
【図66】図67乃至図71とともに、装置の制御方法
について説明するためのフローチャート図であり、本図
は制御の全体的な流れを示すフローチャート図である。
【図67】基準面圧力情報の取得に関するフローチャー
ト図である。
【図68】関節角度に応じた面圧力情報の取得に関する
フローチャート図である。
【図69】図70とともに、筋の仕事量による筋電情報
の取得に関するフローチャート図であり、本図は処理の
前半部を示す。
【図70】処理の後半部を示す。
【図71】電気刺激発生による力覚呈示の手順例を示す
フローチャート図である。
【図72】筋電位情報の取得と記憶・学習処理の一例を
示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…モーションキャプチャー装置、1a…効果器、1a
s…形状情報取得部、1ad…電極部、1b…電気刺激
発生部、1c…形状認識部、1d…制御手段、1f…周
波数解析部、1A…力触覚呈示装置、1Ad…効果器、
2…電極

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象者の筋電位情報を検出して筋肉の動
    作変化を示すデータを取得するための筋電位情報を利用
    したモーションキャプチャー装置において、 (イ)皮膚表面に接触して使用される複数の電極に対し
    て電気信号を供給するための電気刺激発生部を備えてい
    ること、 (ロ)上記(イ)の電極のうち、陽極側電極への電気刺
    激の出力信号に係る周波数成分と、陰極側電極から検出
    される信号の周波数成分との間の差分データを算出する
    ことによって、電気刺激により筋から発生した信号の周
    波数成分を解析する周波数解析部を備えていること、 (ハ)上記周波数解析部によって得られた周波数成分に
    係る差分データを、ATPによる多筋線維の動作集合状
    態信号に係る周波数成分のデータとして保存しておき、
    その後に当該データを、上記電極から検出した筋電位情
    報に係る周波数成分から差し引いた結果を算出して筋の
    動作予測を行う制御手段を備えていること、 を特徴とする筋電位情報を利用したモーションキャプチ
    ャー装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の筋電位情報を利用した
    モーションキャプチャー装置において、 電極から検出した筋電位情報に係る周波数成分から、A
    TPによる多筋線維の動作集合状態信号の周波数成分を
    取り除いた情報に基づいて筋トーヌスの予測を制御手段
    が行うことで、筋が実際に動作する前に当該動作を予測
    することを特徴とする筋電位情報を利用したモーション
    キャプチャー装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の筋電位情報を利用した
    モーションキャプチャー装置の制御方法において、 対象者がその意志により筋肉を動作させるときに得られ
    る第1の筋電位情報と、電気刺激によって当該筋肉を動
    作させたときに得られる第2の筋電位情報とを検出した
    後、 上記第2の筋電位情報に係る周波数成分から電気刺激信
    号の周波数成分を除いた成分を、第1の筋電位情報に係
    る周波数成分から差し引くことで、筋トーヌスに係る周
    波数成分のデータを取得し、これを筋トーヌスの予測用
    データとして用いることを特徴とする筋電位情報を利用
    したモーションキャプチャー装置の制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の筋電位情報を利用した
    モーションキャプチャー装置において、 周波数解析部によって得られた差分データから対象者個
    人の筋特性に係るデータを制御手段が取得することを特
    徴とする筋電位情報を利用したモーションキャプチャー
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の筋電位情報を利用した
    モーションキャプチャー装置の制御方法において、 第1の筋電位情報と第2の筋電位情報から算出される筋
    トーヌスの予測用データを、対象者の動作パターンと関
    連付けて記憶・学習を行った後、 対象者が筋肉を動作させようとする時の筋電位情報の周
    波数解析結果から算定される筋トーヌスの成分データ
    と、既に記憶・学習済みの予測用データとを比較・照合
    し、両データの一致が認められたときに、該データに対
    応した筋肉の動作パターンを予測することを特徴とする
    筋電位情報を利用したモーションキャプチャー装置の制
    御方法。
  6. 【請求項6】 筋肉に対して電気刺激を与えるための効
    果器を備えた電気刺激装置において、 (イ)上記効果器が、皮膚表面に接触して使用される電
    極群からなる電極部と、皮膚表面の形状及び形状変化を
    示す情報を取得する形状情報取得部とを備えているこ
    と、 (ロ)上記(イ)の電極群に対して低周波電気刺激又は
    干渉波電気刺激の電気信号を供給するための電気刺激発
    生部を備えていること、 (ハ)上記(イ)の電極群を構成する電極のうち、陽極
    側電極への電気刺激信号に係る周波数成分と、陰極側電
    極から検出される信号の周波数成分との間の差分データ
    を算出することによって、電気刺激により筋から発生し
    た信号の周波数成分を解析する周波数解析部を備えてい
    ること、 (ニ)上記形状情報取得部によって得られた情報から皮
    膚表面の形状を認識するための形状認識部を備えている
    こと、 (ホ)対象者に係る人体の筋肉配置を示すデータベース
    を構築するとともに、当該筋肉配置の情報と、上記形状
    認識部からの筋肉の形状や形状変化の認識結果に基づい
    て電極群のうち電気刺激信号を供給すべき電極を選択す
    る制御手段を備えていること、 (ヘ)上記制御手段は、上記周波数解析部によって得ら
    れた周波数成分に係る差分データを、ATPによる多筋
    線維の動作集合状態信号に係る周波数成分のデータとし
    て保存しておき、その後に当該データと電極から検出し
    た筋電位情報とを比較することで、上記電気刺激発生部
    から選択電極に対して電気信号を供給する前に筋の動作
    予測を行うこと、 を特徴とする電気刺激装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載した電気刺激装置におい
    て、 電極部と形状情報取得部とがシート状基材の上に多層構
    造をもって形成されていることを特徴とする電気刺激装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載した電気刺激装置におい
    て、 電極部を構成する電極群が、電気刺激の対象となる筋肉
    の筋始点及び筋腹又はこれらの近傍若しくは筋始点と筋
    の終点とに亘る範囲に対応するシート状基材上の領域に
    のみ配置されていることを特徴とする電気刺激装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載した電気刺激装置におい
    て、 関節の動作によって巻き込まれてしまう皮膚表面の領域
    には、電極部を構成する電極群が配置されていないこと
    を特徴とする電気刺激装置。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載した電気刺激装置にお
    いて、 効果器が人体に着用して使用される形状を有しており、
    シート状基材のうち電極部を構成する電極群が配置され
    ていない場所には、通気性及び伸縮性を有する材料が用
    いられていることを特徴とする電気刺激装置。
  11. 【請求項11】 筋肉に対して電気刺激を与えることで
    力覚や触覚を呈示するための効果器を備えた、電気刺激
    を用いた力触覚呈示装置において、 (イ)上記効果器が、皮膚表面に接触して使用される電
    極群からなる電極部と、皮膚表面の形状及び形状変化を
    示す情報を取得する形状情報取得部とを備えているこ
    と、 (ロ)上記(イ)の電極群に対して低周波電気刺激又は
    干渉波電気刺激の電気信号を供給するための電気刺激発
    生部を備えていること、 (ハ)上記(イ)の電極群を構成する電極のうち、陽極
    側電極への電気刺激信号に係る周波数成分と、陰極側電
    極から検出される信号の周波数成分との間の差分データ
    を算出することによって、電気刺激により筋から発生し
    た信号の周波数成分を解析する周波数解析部を備えてい
    ること、 (ニ)上記形状情報取得部によって得られた情報から皮
    膚表面の形状を認識するための形状認識部を備えている
    こと、 (ホ)対象者に係る人体の筋肉配置を示すデータベース
    を構築するとともに、当該筋肉配置の情報と、上記形状
    認識部からの筋肉の形状や形状変化の認識結果に基づい
    て電極群のうち電気刺激信号を供給すべき電極を選択す
    る制御手段を備えていること、 (ヘ)上記制御手段は、上記周波数解析部によって得ら
    れた周波数成分に係る差分データを、ATPによる多筋
    線維の動作集合状態信号に係る周波数成分のデータとし
    て保存しておき、その後に当該データと電極から検出し
    た筋電位情報とを比較することで、上記電気刺激発生部
    から選択電極に対して電気信号を供給して対象者に力触
    覚を呈示する前に筋の動作予測を行うこと、 を特徴とする電気刺激を用いた力触覚呈示装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の電気刺激を用いた
    力触覚呈示装置において、 電極部と形状情報取得部とがシート状基材の上に多層構
    造をもって形成されていることを特徴とする電気刺激を
    用いた力触覚呈示装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の電気刺激を用いた
    力触覚呈示装置において、 電極部を構成する電極群が、電気刺激の対象となる筋肉
    の筋始点及び筋腹又はこれらの近傍若しくは筋始点と筋
    の終点とに亘る範囲に対応するシート状基材上の領域に
    のみ配置されていることを特徴とする電気刺激を用いた
    力触覚呈示装置。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の電気刺激を用いた
    力触覚呈示装置において、 関節の動作によって巻き込まれてしまう皮膚表面の領域
    には、電極部を構成する電極群が配置されていないこと
    を特徴とする電気刺激を用いた力触覚呈示装置。
  15. 【請求項15】 請求項12に記載の電気刺激を用いた
    力触覚呈示装置において、 効果器が人体に着用して使用される形状を有しており、
    シート状基材のうち電極部を構成する電極群が配置され
    ていない場所には、通気性及び伸縮性を有する材料が用
    いられていることを特徴とする電気刺激を用いた力触覚
    呈示装置。
  16. 【請求項16】 筋肉に対して電気刺激を与え又は当該
    電気刺激によって力覚や触覚を呈示するのに使用する電
    気刺激装置の制御方法において、 (イ)対象者に係る人体の筋肉配置を示すデータベース
    を予め構築しておき、 (ロ)効果器を対象者に装着させることで、当該効果器
    を構成する電極群が皮膚表面に接触されるように設定
    し、 (ハ)上記(ロ)の電極群を構成する電極のうち、陽極
    側電極への電気刺激の出力信号に係る周波数成分と、陰
    極側電極から検出される信号の周波数成分との間の差分
    データを算出することによって、電気刺激により筋から
    発生した信号の周波数成分を解析し、当該差分データ
    を、ATPによる多筋線維の動作集合状態信号に係る周
    波数成分のデータとして保存した後、 (ニ)皮膚表面の形状及び形状変化を示す情報を取得し
    て形状認識を行い、 (ホ)上記データベースから得られる対象者の筋肉配置
    の情報と、上記形状認識結果に基づいて電極群のうち電
    気刺激信号を供給すべき電極を選択した後、 (ヘ)(ホ)で選択した電極から検出した筋電位情報
    と、(ハ)で保存しておいたデータとを比較することに
    より、筋の動作前にその動作を予測した上で当該電極に
    対して電気刺激信号を供給することを特徴とする電気刺
    激装置の制御方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 関節についての対偶に対応した部分にだけ電極部を有す
    る効果器を装着して電気刺激を付与するようにしたこと
    を特徴とする電気刺激装置の制御方法。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 電極部と圧力検出部とをシート状基材の上に多層構造を
    もって形成した効果器を対象者に装着した後、圧力検出
    部によって得られる皮膚表面の形状データを取得して対
    象者の外形形状を認識してその筋肉配置を示すデータベ
    ースを作成するようにしたことを特徴とする電気刺激装
    置の制御方法。
  19. 【請求項19】 請求項16に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 (イ)対象者に基準姿勢をとってもらうか又は対象部位
    をギブスで固定してから、そのときの骨格断面及び筋や
    脂肪断面の画像情報を取得するとともに、断面位置の異
    なる多数の画像データを積層してデータベース化するこ
    とで対象者に係る静的な人体構造のデータベースを構築
    した後、 (ロ)関節を動作させながら時間軸に沿って対偶を撮影
    した画像データを取得するとともに、当該関節の角度毎
    に対偶の形状に係る静的なデータベースを作成すること
    で時間経過を含む動的な人体構造のデータベースを構築
    し、 (ハ)(ロ)で得たデータベースから対象者の筋肉配置
    を示すデータベースを作成することを特徴とする電気刺
    激装置の制御方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 断層断面での筋の識別にあたっては、筋と筋との間にあ
    る潤滑膜と筋との色差によって識別することを特徴とす
    る電気刺激装置の制御方法。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 各断層断面での骨又は筋の輪郭線から3次元形状データ
    を作成するにあたっては、当該輪郭線の内部領域の面重
    心を算出した後、当該面重心から等しい角度間隔をもっ
    て放射状に延びる直線群と上記輪郭線との交点を求め、
    これらの交点を3次元形状データの基準点として用いる
    ことを特徴とする電気刺激装置の制御方法。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 筋肉の動作をポリゴンデータで表現する際には、各断層
    面での面重心を通るスプライン曲線を中心線とし、当該
    中心線の形状に合せて筋のポリゴンデータを時間的に変
    化させるようにしたことを特徴とする電気刺激装置の制
    御方法。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 断層断面での筋分布の色の違いを識別して赤筋と白筋の
    量的な比率を求めることで、対象者の反応速度や持久力
    を推測するようにしたことを特徴とする電気刺激装置の
    制御方法。
  24. 【請求項24】 請求項19に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 骨や筋、脂肪、腱に対してそれらの材質毎に減衰率を設
    定して、皮膚表面のうち各部までのエネルギー損失が少
    ない場所を求めた後、その場所に干渉波電気刺激ための
    電極を設定することを特徴とする電気刺激装置の制御方
    法。
  25. 【請求項25】 請求項19に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 骨や筋、脂肪、腱に対してそれらの材質毎に物質密度を
    設定して、皮膚表面のうち各部までの位相ずれが小さい
    場所を求めた後、その場所に干渉波電気刺激付与のため
    の電極を設定することを特徴とする電気刺激装置の制御
    方法。
  26. 【請求項26】 請求項19に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 (イ)骨や筋、脂肪、腱に対してそれらの材質毎に波の
    減衰率、物質密度の他、反射率及び屈折率をそれぞれ設
    定した後、 (ロ)(イ)で設定された減衰率又は物質密度に基づい
    て皮膚表面から対象部位までのエネルギー損失が少ない
    場所又は位相ずれが小さい場所を求めるとともに、その
    場所での電極候補のうちから複数の電極を選び出し、 (ハ)(ロ)で選んだ電極位置から対象部位に向かう搬
    送波の時間的推移について当該部位で反射され又は屈折
    される波形を平面的にシミュレートすることで、当該平
    面上における干渉波の周波数分布を求め、 (ニ)対象部位における理想的な干渉波が得られるま
    で、(ロ)及び(ハ)の手順を繰り返すことを特徴とす
    る電気刺激装置の制御方法。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 電極候補のうちから最終的に選定した電極についてその
    出力電流値を変更することによって、電気刺激の対象部
    位への刺激強度の出力設定を行うことを特徴とする電気
    刺激装置の制御方法。
  28. 【請求項28】 請求項26に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 複数の電極候補を取得した後、これらの位置情報を保存
    しておき、実際に電極として使用する際には電極候補の
    位置情報を読み出してこれらの中から電気刺激の対象領
    域に適した電極を選択することを特徴とする電気刺激装
    置の制御方法。
  29. 【請求項29】 請求項26に記載の電気刺激装置の制
    御方法において、 電極候補のうち、最終的に選定した電極位置と同じ位置
    から筋電位情報を検出し、陽極側電極及び陰極側電極か
    らのそれぞれ信号について周波数解析を行うことで筋ト
    ーヌスについて予測することを特徴とする電気刺激装置
    の制御方法。
  30. 【請求項30】 請求項26に記載の電気刺激装置の制
    御方法において、 周波数解析から予想される筋トーヌスから筋の動きを事
    前に把握して、動的な人体構造のデータベースを用いて
    対象者の関節について次の動作を予測することを特徴と
    する電気刺激装置の制御方法。
  31. 【請求項31】 請求項29に記載した電気刺激装置の
    制御方法において、 選択した電極を通した電気刺激の付与と、当該電極を検
    出電極として利用した筋電位情報の取得処理とが同時に
    行われないように時分割処理を行うことを特徴とする電
    気刺激装置の制御方法。
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