JP2001051705A - Ncプログラム評価方法 - Google Patents

Ncプログラム評価方法

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JP2001051705A
JP2001051705A JP11222222A JP22222299A JP2001051705A JP 2001051705 A JP2001051705 A JP 2001051705A JP 11222222 A JP11222222 A JP 11222222A JP 22222299 A JP22222299 A JP 22222299A JP 2001051705 A JP2001051705 A JP 2001051705A
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Shuji Endo
修司 遠藤
Ken Fujita
藤田  憲
Shigenobu Shimizu
繁信 清水
Kazuo Akiyama
和男 秋山
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】NCプログラムに基づく切削加工における切削量
の算出を、容易にかつ短時間に行い、適正なNCプログラ
ムの評価を行えるNCプログラムの評価方法を提供す
る。 【解決手段】NCプログラム中に含まれるマクロ等の展開
をし、その結果に切削工具情報等を追加し、さらにその
結果得られる切削工具軌跡情報ファイルを基に、切削領
域の体積を算出して切削量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削加工装置の動
作を指示するNCプログラムの評価方法に関する。特に、
NCプログラムに基づいた切削加工における切削量を計算
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】事前に作成したNCプログラムの手順に従
い切削工具が自動的に移動し、被加工物の切削を行う切
削加工装置、いわゆるNCマシンが一般に広く用いられ
ている。図13は、汎用的なNCマシンの一例を示す概
観図であり、ここでは3軸門型タイプのものを示してい
る。NCマシン20は、内部にもつコンピュータでNCプ
ログラムを理解し、その指示に従って切削工具21を前
後、左右、上下などに移動させて、被加工物であるワー
ク22を目的とする形状に加工する。
【0003】前記NCプログラムは、切削工具21の刃
先の動きを加工の手順に従って指示するものであり、通
常、業界で標準的に使用されているGコードで記載され
たテキストファイルである。なお、Gコードを用いたNC
プログラムには、繰り返して行われる処理のマクロ化や
条件文の使用など、一般のプログラム言語で利用される
ような効率的なプログラミングのための機能が使用され
ている。
【0004】このようなNCプログラムは、一般的に切
削加工の前に操作者によって作成されるが、その出来映
えには個人差が生ずる。同じ加工物を作成する場合にお
いても、幾通りものNCプログラムの作成が可能であ
り、その中で切削時間の短い効率的なプログラムが生産
性向上のために望まれている。したがって、NCプログ
ラムの効率性を評価する必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記NCプログラムの
評価を行うためには、装置の稼働時間当たりの加工量を
把握するのが適切であり、(切削量/切削時間)を評価
の指標とすることが妥当と考えられる。かかる指標の算
出に必要な切削量と切削時間の把握において、従来、切
削時間に付いては、NCプログラムから自動的に算出す
る手法が確立しており、容易に把握することが可能であ
った。
【0006】しかしながら、切削量に付いては、適切な
方法が存在していなかった。一つの可能性として、3次
元CADシステムや3次元モデリングシステムを用いて算
出する方法がある。この方法では、ワーク22の切削前
と切削後の3次元形状を入力し、それら二つのソリッド
モデル間でブーリアン演算をし、その結果得られる差分
の体積を求めるが、データ入力に手間がかかること、高
度な操作の習得が必要なこと、システムが高価であるこ
と等から、本要件には不適切であると考えられる。ま
た、実際に切削した後の切子を集めて計量する方法もあ
るが、この方法も手間や精度の点で妥当ではない。
【0007】そこで、本発明の目的は、NCプログラムに
基づく切削加工における切削量の算出を、容易にかつ短
時間に行い、適正なNCプログラムの評価を行えるNCプ
ログラムの評価方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、NCプログラム中に含まれるマクロ等の
展開をし、その結果に切削工具情報等を追加し、さらに
その結果得られる切削工具軌跡情報ファイルを基に、切
削領域の体積を算出して切削量を求めるものである。し
たがって、本発明によれば、NCプログラムを利用して容
易にかつ短時間で切削量の計算が可能となる。
【0009】更に、上記発明において、その好ましい態
様は、前記切削領域の体積をモンテカルロ法を利用して
算出することを特徴とする。
【0010】更に、その好ましい態様は、前記切削領域
が複数の独立した領域に分かれている場合には、その独
立した領域毎に前記モンテカルロ法を利用した体積計算
を行い、その結果の総和をとることで前記切削領域の体
積を求めることを特徴とする。
【0011】本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に
説明する発明の実施の形態から明らかになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形
態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照
番号又は参照記号を付して説明する。
【0013】図1は、本発明を適用したNCプログラム
評価システムの一実施例を示す構成図である。図に示す
NCプログラム評価システムは、NCプログラムの適正な評
価のために、パーソナルコンピュータを用いて、そのNC
プログラムによって行われる切削加工時の切削量を自動
的に算出しようとするものである。
【0014】図1に示すとおり、本実施例におけるNCプ
ログラム評価システムは、コンピュータ本体1、キーボ
ード2、及びモニター3からなる汎用のパーソナルコン
ピュータと、コンピュータ本体1のディスクに格納され
た各種データファイル及びプログラムなどから構成され
ている。
【0015】ディスク内に格納されているデータファイ
ルは、評価対象とするNCプログラムを収めたオリジナル
NCプログラムファイル5、マクロプログラムファイル
7、及び工具データベース8であり、プログラムは切削
量の計算を行う評価プログラム9である。評価プログラ
ム9は、前記各種データファイル内のデータと、手入力
されるコントロールデータ6を入力として、本システム
の処理結果である切削量等計算結果10を出力する。切
削量等計算結果10は、モニター3上に表示されるか、
あるいはコンピュータ本体1に接続されたプリンター4
によって紙に印刷される。
【0016】図2は、図1に示すNCプログラム評価シス
テムにおける処理フローを示した図である。図に示すと
おり、評価対象とするオリジナルNCプログラムを入力と
し、最終結果である切削量等計算結果10を出力する評
価プログラム9は、3段階のステップ(図2の[I]〜[II
I])で構成されている。図の[I]及び[II]のステップ
は、切削量計算のための前処理であり、その結果得られ
る情報を基に[III]のステップにおいて実際の切削量の
計算がなされる。
【0017】[I]のステップにおいては、オリジナルNC
プログラム中に用いられており、切削量計算時には不適
切な表現であるマクロや条件文による記載を展開する処
理が施され、[II]のステップにおいては、切削量計算の
ために必要でありオリジナルNCプログラムには不足して
いる切削工具の情報の付加等が行われる。その結果得ら
れる切削工具軌跡情報ファイルは、切削工具の移動領域
を時系列的に把握しやすい形式となっており、これに基
づいて[III]のステップにおいて切削量が求められる。
【0018】以下、処理の順番に沿って具体的な内容を
説明する。まず、はじめにオリジナルNCプログラムファ
イル5に記載された評価対象であるオリジナルNCプログ
ラムにキーボード2から人手によりコントロールデータ
6が入力される。(図2のステップS1)従来技術で説
明したとおり、通常のNCプログラムは、切削工具の先端
の動きを指示しているものであり、切削工具自体のタイ
プや寸法、あるいは被切削加工物であるワークの寸法や
位置などの情報は含んでいない。切削量を算出するため
には、これら不足している情報を付加する必要があり、
最初に行われるコントロールデータ6の追加は、そのた
めに後に説明する工具データベース8のファイル名、ワ
ークのデータ、原点の情報などを与えるものである。
【0019】コントロールデータ6を追加されたNCプロ
グラムが図2の計算用NCプログラムであり、その一例を
図3に示す。図中、A部がコントロールデータ6であ
る。ここで、切削工具の移動による一回の連続した切削
加工を一つの単位とし、その一回の切削加工における切
削工具の移動(軌跡)を切削パスと呼ぶこととする。図
3に示す例では、2回の切削パスが指示されており、そ
れぞれB部及びC部がそれを表している。
【0020】次に、前記計算用NCプログラムが評価プロ
グラム9に入力され、前記[I]のステップにおいて、マ
クロ等の展開処理が施される。(図2のステップS2)
従来技術で説明したとおり、NCプログラムには、柔軟で
効率的なプログラミングのために、繰り返して行う動作
のマクロ化や条件文・ループ文の使用がされている。こ
こで行われる処理は、計算用NCプログラムにおいて、こ
れらマクロや条件文・ループ文が使用されている部分
を、全て展開し、切削工具の軌跡座標だけのデータから
構成されるようにするものである。言い換えれば、簡略
的な記載を排除し、実際の切削工具の移動を順次忠実に
記載した、いわゆるベタなNCプログラムとすることであ
る。
【0021】この処理に必要となるのがマクロの定義内
容、すなわちマクロプログラムであり、図2に示すとお
りマクロプログラムファイル7から参照される。なお、
このマクロプログラムは切削加工時に使用されるものが
そのまま利用できる。処理の結果得られるのが図2の展
開後NCプログラムであり、図4にその一例を示す。こ
の例は、図3で示した計算用プログラムを展開した結果
の一部であり、図4のa'部及びb'部が変化した部分であ
る。これらは、図3のプログラム中に使用されている2
種類のマクロ(図3のa部及びb部)が展開された結果で
ある。
【0022】次に、評価プログラム9の前記[II]のステ
ップにおいて、切削工具の形状情報の追加や軸補正の処
理がなされる。(図2のステップS3)切削工具の情報
に付いては、前記コントロールデータ6で指定したファ
イルに格納されている工具データベース8から、使用し
ている切削工具の寸法データが読み込まれる。また、軸
補正の処理では、異なる場所で同様の一連の動作がなさ
れる場合に使用されている相対位置による指定部分を、
全て絶対座標に置き換えるという処理が行われる。
【0023】図5に工具データベース8の一例を、ま
た、図6に処理後得られる図2の切削工具軌跡情報ファ
イルの一例を示している。図6の例は、図4で示した展
開後NCプログラムの例に処理をほどこした結果であ
り、図3、図4、及び図6は一連した例示である。この
例では、“M1”という切削工具が使用されており、その
工具の寸法データが図5のa部から読み込まれて、図6
のa'部に追加されている。
【0024】また、図3におけるA部、B部、及びC部の
内容が、それぞれ図6のA'部、B'部、及びC'部に示され
るように変化している。このように切削工具の空間的な
移動軌跡を絶対座標で時系列的に表した切削工具軌跡情
報ファイルが作成され、ここまでの処理で切削量計算の
ための準備が終了したことになる。言い換えれば、切削
量計算のために必要な切削工具のワーク内における移動
領域を容易に把握できる形式に、オリジナルNCプログラ
ムが加工されたということである。
【0025】最後に、この切削工具軌跡情報ファイルを
基に、評価プログラム9の前記[III]のステップにおい
て、切削量の推定計算を行い、本システムの最終出力で
ある切削量等計算結果10を作成する。(図2のステッ
プS4)以下、切削量の推定計算における処理の内容に
ついて説明する。
【0026】ここで行われる切削量の算出は、前記3次
元モデリングシステムなどを用いた場合に行われる切削
前後の形状の差分を求める方法とは異なり、3次元形状
を持った切削工具が工具軌跡に沿って動く時に被加工物
(ワーク)内で排除する領域、いわゆるパス領域の体積
を直接求めるものである。また、複数のパス領域が重な
る場合があり、その時は重なった部分の体積を重複して
切削量に計上しないための考慮がなされている。
【0027】図7は、切削量の推定計算における処理フ
ローを示したものである。まず、前記切削工具軌跡情報
ファイルが読み込まれ、そこに含まれている切削工具の
形状と移動軌跡の情報から各パス領域の3次元的な把握
がなされる。(図7のステップS1及びS2)パス領域の
把握は、後に説明する体積計算の際に都合の良い形式で
なされ、具体的にはソリッド形状であるパス領域がその
外面をなす曲面と平面の集合で定義される。この情報
が、3次元空間内の任意の点がパス領域内に含まれるか
否かを判定する際に利用される。
【0028】次に、前記パス領域毎にバウンディングボ
ックスが求められる。(図7のステップS3)バウンデ
ィングボックスとは、前記一つのパス領域の全体を単純
な平面で囲んだ六面体であり、後に説明する体積計算を
効率的に行うためのものである。図8にその一例を示し
ている。図中Aは、ワーク22にYの方向から一回の切削
加工がなされた状態を表しており、B及びCはそれぞれA
のY視図及びZ視図である。図8の各図において、a部が
パス領域であり、b部が前記バウンディングボックスで
ある。
【0029】次に、パス領域毎に求められた複数のバウ
ンディングボックスの統合処理が行われ、最終的に計算
処理を施す単位である計算処理ブロックとその数の確定
がなされる。(図7のステップS4)その様子が、図9
に示されている。前述したとおり切削の仕方によって
は、複数のパス領域が重なる場合があり、その際には、
重なったパス領域のそれぞれに対するバウンディングボ
ックスを一つにまとめる統合処理を行う。これが前述し
た重なった部分の体積を重複して計算しないための処理
である。
【0030】図9のAは、二つのパス領域a1とa2が重
なりを持っている場合を表しており、それぞれに対して
求められたバウンディングボックスb1とb2も当然重な
った状態となっている。このような場合は、図9のBに
示すとおり、パス領域a1とa2両方の全体を囲むバウン
ディングボックスbを新たに求め、バウンディングボッ
クスb1とb2は削除する。このような処理を施し、他と
重ならない状態となったバウンディングボックスとそれ
に含まれる一つあるいは複数のパス領域を一つの計算処
理ブロックと呼び、図9のBでは、一つの計算処理ブロ
ックcが確定したことになる。
【0031】以上の処理を切削量計算の対象としている
全ての切削パスについて行い、計算処理ブロックとその
数を確定する。図9のCに示す例は、3つの計算処理ブ
ロック(c1〜c3)が存在している場合である。
【0032】以上、計算処理の対象が確定した時点で、
最後に実際の体積算出処理が行われる。(図7のステッ
プS5)ここでの切削量の計算は、前述したとおりパス
領域の体積を重複部分を考慮して算出することであり、
前記計算処理ブロック毎にかかる算出を行い、その結果
を総計して最終的な切削量を求める。図9のCに示す例
では、3つの計算処理ブロック(c1〜c3)についてそ
れぞれ切削体積を求め、その3つの総和が切削量とな
る。以下、一つの計算処理ブロック内の計算に着目して
説明する。
【0033】本実施例におけるNCプログラム評価システ
ムでは、前記パス領域の体積算出の方法として、モンテ
カルロ法を用いており、この点が大きな特徴である。モ
ンテカルロ法を用いた体積計算とは、体積算出をしよう
としている対象領域を含む体積既知の3次元領域内でラ
ンダムに点を発生させ、その点が対象領域に含まれるか
否かを判定し、発生させた点の数と対象領域に含まれる
と判定された点の数の比率から、対象領域の体積を求め
ようとするものである。以下、2次元空間において面積
を求める場合の例でその原理を説明する。図10は、そ
のための説明図である。
【0034】図10において、Aは面積を求めようとし
ている領域であり、ΩはAを囲む面積既知の領域であ
る。ここでΩ内において、擬似乱数により位置がランダ
ムに決まる点(図中の“×”で表された点)をN個発生
させる。その中でAの内部に入る点を数え、その個数をN
i個とすると、Aの面積は近似的に下記(1)式で求めら
れる。なお、発生させる点の数(N)を増加させればさ
せるほど、計算値は真の値に近づくことが理論的に証明
されている。 (Aの面積)=( Ni / N)×(Ωの面積) (1) この原理を3次元空間に適用させることで、同様に近似
的な体積計算を行うことが可能である。この場合、当然
の事ながら発生させるランダムな点は3次元座標を有す
る点である。本システムにおいる切削体積の算出では、
以上説明した原理に基づき、前記図10のAを前記計算
処理ブロック内のパス領域、Ωを前記バウンディングボ
ックスに当てはめて計算を行っている。
【0035】なお、この手法において、ランダムに発生
される点のばらつき方が計算精度に影響を及ぼすため、
乱数発生法としては、多次元疎結晶構造を作る特徴をも
つ線形合同法は適しておらず、ここではM系列乱数を利
用したMT(Mersenne-Twister)法を採用した。図11
は、前記それぞれの乱数発生法により発生させた3つの
乱数を座標値とする点を複数プロットした結果の一例で
ある。図中Aは、線形合同法を用いた結果であり、BはMT
法を用いた結果である。図からBの場合の方がばらつき
が良いことが見て取れる。
【0036】図12は、一つの計算処理ブロック内にお
いて、以上説明した原理に基づく切削体積算出処理の具
体的なフローを示したものである。まず、図10で説明
した例と同様に、乱数で発生させた点の数をN、そのう
ち計算処理ブロック内にあるいずれかのパス領域内に含
まれる点の数をNiとし、処理の初期段階ではいずれの値
も0としておく。(図12のステップS1) 次に、前記乱数発生法に基づいて一つの点をバウンディ
ングボックス内に発生させ、前記Nの値を1増やす。
(図12のステップS2)それに引き続いて、発生した
点がパス領域内に含まれるか否かの判定がなされるが、
計算処理ブロック内に複数のパス領域が存在する場合に
は、切削加工時の順番に従って、先に行われた切削加工
によるパス領域から判定が行われる。
【0037】パス領域は、先に説明したとおり、その外
面をなす平面及び曲面の集合という形で把握されてお
り、それらのデータと発生した点の座標値から計算幾何
学に基づいた計算により包含の判定が行われる。発生し
た点がパス領域内に含まれるという判定が一度でも行わ
れた場合には、前記Niの値を1増やし、その点に対する
パス領域内に含まれるか否かの判定は終了する。一方、
全てのパス領域に対する判定を行い、いずれのパス領域
内にも含まれない場合には、Niの値はそのままとする。
(図12のステップS3) ここで、点の発生を終了するか否かの判定が行われ、終
了しない場合には新たな点を発生させ、同様の処理(図
12のステップS2〜S3)が繰り返される。(図12の
ステップS4)点の発生終了条件とは、発生させる点の
総数(N≧総数)、あるいは下記(2)式で算出されるK
値の変動量(|K―前回のK|≦一定の値)などで定めら
れるもので、算出される体積の精度に影響を与える。
【0038】十分な数の点が発生されて、上記発生終了
条件が満たされれば、点の発生を終了し、その時点のK
値とバウンディングボックスの体積Vから、下記
(2)、(3)式で対象とした計算処理ブロックにおけ
る切削体積Viが計算される。(図12のステップS5及
びS6) K = Ni / N (2) Vi= K× V (3) 以上説明した処理を図9のBに示した例に当てはめる
と、乱数による点は、図中bで示されたバウンディング
ボックス内で発生させることになり、包含の判定は、計
算処理ブロックc内にある二つのパス領域a1及びa2に
対して順次行われることとなる。例えば、発生させた点
が図中のp1である場合には、一番目のパス領域であるa
1との判定、及び引き続いて行われるa2との判定のい
ずれにおいても含まれないという結果となり、切削され
ていない領域に含まれるという結論となる。同様に、図
中のp2及びp3に対しては、切削された領域に含まれる
という結論が得られる。
【0039】このモンテカルロ法を利用した計算手法
は、計算結果が近似値ではあるが、先に述べたソリッド
モデル間のブーリアン演算を行う場合より、モデリング
等を含めれば計算時間が少なくて済み、本要件には適し
た手法であるといえる。特に、処理を計算処理ブロック
に分け、ランダムな点の発生領域をバウンディングボッ
クスとしたことで、包含の判定回数が少なく押さえら
れ、かつ前記ランダムな点の発生終了条件も早く満たさ
れるので、計算速度が速くなっている。
【0040】また、図12に示したアルゴリズムを採用
したことにより、発生した点が複数のパス領域に含まれ
ている場合でも、パス領域内に含まれるという判定は一
回行われるのみであるため、パス領域の重なり部分を重
複して切削量に含めてしまうことがない。言い換えれ
ば、パス領域の重なり部分は切削加工時に先に行った切
削加工のパス領域に含まれ、後に行われた切削加工のパ
ス領域は、その重なり部分を除いた領域として把握され
て判定が行われているのと同じである。したがって、パ
ス領域同士の3次元空間における干渉計算を行うことな
く、同等の効果がえられ、この点も計算を速くしている
要因である。
【0041】図9のBに示す例では、p2という点は、先
に切削されたa1というパス領域に含まれると判定され
て処理が終了するため、パス領域の重なり部分に存在し
ていても、計算に対する寄与率は、p3で示す点など一
つのパス領域にのみ含まれる点と同様となる。
【0042】さらに、この切削加工順に包含の判定を行
うというアルゴリズムから、ランダムに発生させた点が
どのパス領域に含まれると判断されたかが容易にわかる
ため、重複部分を考慮したパス領域ごとの体積、換言す
れば切削加工時の各切削パス毎の切削量を算出すること
も可能である。また、このアルゴリズムでは、発生させ
た点がどのパス領域にも含まれない場合において、全て
のパス領域との包含判定を必要とし、最も処理時間がか
かる。したがって、点の発生領域をバウンディングボッ
クスとし、大多数の点がパス領域に含まれるようにした
ことは、処理時間の短縮に効果がある。
【0043】以上説明した図12のフローに基づく計算
が、全ての計算処理ブロックに対して行われ、その結果
得られる各切削体積Viの総計が最終結果である切削量と
なり、図1及び図2に示す切削量等計算結果10に反映
される。
【0044】本実施例で説明したNCプログラム評価シス
テムを実際に使用したテストの結果、約5000行のG
コードで記載されたNCプログラムに対して、約1時間半
で処理が終了し、3次元モデラーシステムを使用した場
合と比較して0.8%の誤差で切削量が算出された。な
お、このときのランダムな点の発生個数は、10000
0個であり、処理を行った計算機はクロック周波数が1
33MHzのパーソナルコンピュータである。
【0045】以上、説明したNCプログラム評価システム
は、切削加工時に使用したNCプログラムを利用して、一
連のプログラム処理により自動的に切削量を算出するも
のであり、本システムを用いることにより、従来手法と
比較して、容易にかつ短時間で切削量を求めることが可
能である。また、計算結果についても十分な精度をもっ
ているため、適正なNCプログラムの評価を行うことが可
能となる。
【0046】なお、本実施例では、NCプログラムによる
切削加工を行う切削加工装置とは独立した、パーソナル
コンピュータを用いた評価システムとしたが、同様の評
価手段を切削加工装置自体に内蔵させても良い。
【0047】本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に
限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均
等物に及ぶものである。
【0048】
【発明の効果】以上、添付図にしたがって説明したよう
に、本発明では以下のような効果を有する。
【0049】第一に、切削加工時に用いたNCプログラム
を利用して、切削工具軌跡情報ファイルを作成し、それ
を基に切削工具の移動により排除された切削領域の体積
を計算することにより、切削量を容易にかつ短時間で計
算することができ、適正なNCプログラムの評価が可能と
なる。
【0050】第二に、前記切削領域の体積をモンテカル
ロ法を利用して算出することにより、パス領域同士の重
複部分を考慮した計算を短時間で行うことができる。
【0051】第三に、前記切削領域が複数の独立した領
域に分かれている場合には、その独立した領域毎に前記
モンテカルロ法を利用した体積計算を行い、その結果の
総和をとることで前記切削領域の体積とすることによ
り、さらに計算時間の短縮を図ることができる。
【0052】第四に、前記モンテカルロ法を利用した計
算の過程で行われる包含判定を、各パス領域毎に切削加
工時の順番で行うことにより、パス領域同士の干渉計算
をすることなく、パス領域の重複部分を考慮した計算が
でき、さらに、各切削パス毎の切削量算出も可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したNCプログラム評価システムの
一実施例を示す構成図である。
【図2】同実施例のフローを示す図である。
【図3】計算用NCプログラムの一例を示したものであ
る。
【図4】展開後NCプログラムの一例を示したものであ
る。
【図5】工具データベースの一例を示したものである。
【図6】切削工具軌跡情報ファイルの一例を示したもの
である。
【図7】切削量の推定計算におけるフローを示した図で
ある。
【図8】バウンディングボックスを説明するための図で
ある。
【図9】計算処理ブロックを説明するための図である。
【図10】モンテカルロ法を利用した体積計算を説明す
るための図である。
【図11】乱数発生法について説明するための図であ
る。
【図12】切削体積算出のフローを示す図である。
【図13】NCマシンの一例を示す概観図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ本体 2 キーボード 3 モニター 4 プリンター 5 オリジナルNCプログラムファイル 6 コントロールデータ 7 マクロプログラムファイル 8 工具データベース 9 評価プログラム 10 切削量等計算結果 20 NCマシン 21 切削工具 22 ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 繁信 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 秋山 和男 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 5H269 AB02 AB05 BB13 EE14 EE29 MM08 NN17 QB13 QB14 QB15 QC01 QC06 QD06 QE31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】切削加工装置が被加工物の切削加工を行う
    際の切削工具の動作を指示するNCプログラムの評価方
    法において、 該NCプログラムを、該切削加工中における該切削工具の
    全ての移動軌跡を時系列的に位置座標で表現した形式に
    変更する第一のステップと、 該第一のステップで得られるNCプログラムに対し、該切
    削工具及び該被加工物の形状情報の追加と、該位置座標
    の絶対座標化を行う第二のステップと、 該第二のステップの結果として得られる切削工具軌跡情
    報ファイルに基づいて、該被加工物内部において該切削
    工具が移動したことにより排除される切削領域の体積を
    算出することから、該切削加工における切削量を求める
    第三のステップを有することを特徴とするNCプログラム
    の評価方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記切削領域の体積の算出は、 前記被加工物の内部にあり、前記切削領域の全てを含む
    単純な三次元形状をもったバウンディングボックスを設
    定し、 該バウンディングボックスの内部において、乱数により
    任意に位置が決定される複数個の点を発生させ、 該発生させた複数個の点のそれぞれが、前記切削領域内
    に含まれる否かの判定をし、 該発生させた複数個の点のうち前記切削領域内に含まれ
    ると判定された点の個数の、該発生させた点の個数に対
    する割合と、該バウンディングボックスの体積の積をと
    ることにより行われることを特徴とするNCプログラムの
    評価方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記切削領域の体積の算出は、 前記切削領域が、互いに独立した複数の切削領域に分か
    れている場合には、 該独立した切削領域毎に、請求項2に記載の体積算出方
    法により、該独立した切削領域の体積を算出し、 その結果として得られる該複数の独立した切削領域の体
    積の総和をとることにより行われることを特徴とするN
    Cプログラムの評価方法。
  4. 【請求項4】請求項2あるいは請求項3において、 前記切削加工が複数回の切削パスにより行われている場
    合には、 前記乱数により発生させた点が切削領域内に含まれる否
    かの判定は、 該切削パスの行われた順番に、 該切削パス毎に、該切削パス時に前記切削工具が前記被
    加工物内部で通過したパス領域の内部に、前記乱数によ
    り発生させた点が含まれるか否かの判定を行い、 一回でも含まれるという判定がされた場合には、前記切
    削領域に含まれると判定することを特徴とするNCプロ
    グラムの評価方法。
  5. 【請求項5】NCプログラムに基づいて動作する切削加工
    装置において、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の方法により、該NCプログラムの評価を実行する手段
    を有することを特徴とする切削加工装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    方法により評価されたNCプログラムを実行する切削加
    工装置。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    方法を実行するプログラムを格納した記録媒体。
JP11222222A 1999-08-05 1999-08-05 Ncプログラム評価方法 Withdrawn JP2001051705A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103807619A (zh) * 2012-11-08 2014-05-21 深圳市海洋王照明工程有限公司 灯具及反射器定型固定装置
DE102018002733A1 (de) 2017-04-06 2018-10-11 Fanuc Corporation Informationsverarbeitungsvorrichtung

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