JP2001046510A - 体腔内病変部治療用器具 - Google Patents

体腔内病変部治療用器具

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JP2001046510A
JP2001046510A JP22576399A JP22576399A JP2001046510A JP 2001046510 A JP2001046510 A JP 2001046510A JP 22576399 A JP22576399 A JP 22576399A JP 22576399 A JP22576399 A JP 22576399A JP 2001046510 A JP2001046510 A JP 2001046510A
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rod
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wire
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JP22576399A
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English (en)
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聡史 ▲かく▼山
Satoshi Kakuyama
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Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目的留置部位まで管腔内留置物を挿入後、目
的部位での管腔内留置物の拡張作業が容易であり、管腔
内留置物を正確かつ確実に留置することができる体腔内
病変部治療用器具を提供する。 【解決手段】 体腔内病変部治療用器具1は、任意の外
径に拡張・維持が可能な外径維持機能23を備える管腔
内留置物2と、管腔内留置物2を拡張するための拡張具
24とを備える。管腔内留置物2の外径維持機能23
は、長手方向に延在するとともに構造体に固定された伸
縮可能なガイド管31と、牽引によりガイド管31を収
縮させて構造体を拡径させるためのロッド32と、構造
体を任意の外径に維持する外径維持機能とを備える。そ
して、拡張具24は、ロッド32を牽引するための牽引
ワイヤを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、血管、胆管、気
管、食道、尿道、その他の臓器などの生体内に形成され
た瘤および狭窄部のような病変部の改善に使用される体
腔内病変部治療用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】大動脈は、抹消動脈に比べ動脈瘤ができ
やすい。この動脈瘤は徐々に拡大し、最終的には血管の
瘤壁が血圧に抗しきれず破裂してしまう。破裂した場合
には、死亡率が腹部で75〜80%、胸部では70%以
上と非常に高い極めて悪性の疾患である。従来、この動
脈瘤治療は病変部位を取り除き人工器官(人工血管)を
埋め込むか、病変部周囲を移植片によりラッピングする
方法が行われていた。しかし、これらの方法は外科的に
開腹するため、患者の侵襲が大きく、出血量も多く、入
院期間も長かった。このため、体力の無い高齢の患者や
慢性病を有する高齢者には適応できないという問題があ
った。これらの問題を解決するため、経皮的に体腔内留
置物(ステントグラフト)を留置して、動脈瘤、管腔内
の狭窄や閉塞を治療する方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在使
用されている主な管腔内留置物では、目的留置部位まで
管腔内留置物を挿入後、目的部位での管腔内留置物の拡
張作業が複雑であり、正確かつ確実に留置することが困
難であり、さらに、患者により、血管径も異なり、生体
挿入部位の血管径に適合するように任意に拡径できるも
のではなかった。本発明の目的は、目的留置部位まで管
腔内留置物を挿入した後、目的部位での管腔内留置物の
拡張作業が容易であり、管腔内留置物を正確かつ確実に
留置することができ、さらに、拡径の大きさを生体挿入
部位の血管径に適合するように選択できる体腔内病変部
治療用器具を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、第1の外径と、該第1の外径より大きい第2の外径
とに変形可能なチューブ状構造体と、該構造体の外径を
前記第1の外径から前記第2の外径までの任意の外径に
維持する外径維持機能とを備える管腔内留置物と、該管
腔内留置物の外径を拡張するための外径拡張具とを備え
る体腔内病変部治療用器具であって、前記外径維持機能
は、前記構造体の長手方向に延在するとともに該構造体
に固定された伸縮可能なガイド管と、牽引により該ガイ
ド管を収縮させて前記構造体の外径を変化させるための
ロッドと、該ロッドと共同して前記ガイド管の圧縮状態
を維持するための圧縮状態維持部材とからなり、前記ロ
ッドは、側面に形成されるとともに、長手方向に複数配
列された係止部を備え、前記維持部材は、前記ロッドの
係止部と係合するとともに係合状態を保持可能な係合部
を備え、前記外径拡張具は、前記ロッドに離脱可能に係
留されたロッド牽引用の牽引ワイヤを備えている体腔内
病変部治療用器具である。
【0005】そして、前記外径維持機能は、複数設けら
れており、前記外径拡張具は、前記それぞれの外径維持
機能に対応するように複数設けられていることが好まし
い。さらに、前記ロッドの係止部は、ロッドの側面に形
成された多数の歯部であり、前記圧縮状態維持部材の係
合部は、該歯部と係合する係止爪部であることが好まし
い。また、前記圧縮状態維持部材は、ロッド挿通路と該
ロッド挿通路内に設けられた係止爪部を備え、前記ロッ
ドは、該ロッドの下部より長手方向に直線的に配置され
た複数の歯部を備えていることが好ましい。そして、前
記ロッドの係止部と前記圧縮状態維持部材の係合部との
係合は、ガイド管の圧縮方向へのロッドの進行を許容
し、ガイド管の伸張方向へのロッドの進行を阻害するも
のであることが好ましい。さらに、前記拡張具は、該牽
引ワイヤを該ワイヤの後端部が突出するように収納する
ワイヤ収納チューブを備えていることが好ましい。ま
た、前記体腔内病変部治療用器具は、前記管腔内留置物
を目的留置部位に留置するための位置決め支持手段を備
えていることが好ましい。さらに、前記位置決め支持手
段は、前記構造体に係留するための管腔内留置物保持用
ワイヤと、該ワイヤの後端部が突出するように収納する
管腔内留置物押出用チューブ体とを備えていることが好
ましい。そして、前記管腔内留置物保持用ワイヤはルー
プ状であり、かつ切断可能であることが好ましい。ま
た、前記体腔内病変部治療用器具は、先端部内部に前記
管腔内留置物を収納したシースを備えることが好まし
い。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の体腔内病変部治療
用器具を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説
明する。図1は、本発明の体腔内病変部治療用器具の斜
視図である。図2ないし図4は、本発明の体腔内病変部
治療用器具の外径維持機能および外径拡張具の機構およ
び作用を説明するための部分断面側面図である。
【0007】本発明の体腔内病変部治療用器具1は、第
1の外径と、第1の外径より大きい第2の外径とに変形
可能なチューブ状構造体と、構造体の外径を第1の外径
から第2の外径までの任意の外径に維持する外径維持機
能とを備える管腔内留置物2と、管腔内留置物2の外径
を拡張するための外径拡張具24とを備えている。外径
維持機能23は、構造体の長手方向に延在するともに構
造体に固定された伸縮可能なガイド管31と、牽引によ
りガイド管31を収縮させて構造体の外径を変化させる
ためのロッド32と、ロッド32と共同してガイド管3
1の圧縮状態を維持するための圧縮状態維持部材65と
からなる。ロッド32は、側面に形成されるとともに、
長手方向に複数配列された係止部62を備え、圧縮状態
維持部材65は、ロッド32の係止部62と係合すると
ともに係合状態を保持可能な係合部66を備える。外径
拡張具24は、ロッド32に離脱可能に係留されたロッ
ド牽引用の牽引ワイヤ41を備えている
【0008】体腔内病変部治療用器具1は、外径維持機
能23を備える管腔内留置物2と、管腔内留置物2の外
径を拡張するための外径拡張具24とからなる。図1に
示す実施例の管腔内留置物2は、大動脈内の動脈瘤形成
部位に挿入・留置(移植)されるものであり、その輪郭
がチューブ状に形成された構造体(三次元構造体)を備
える。構造体は、図1に示すように、チューブ状に形成
されている。なお、構造体は、本体チューブと、本体チ
ューブから二股に分岐した2本の分岐チューブを有する
構造のものであってもよい。
【0009】構造体は、主に、螺旋状に巻かれた複数本
のストラット(線状体)27で構成されている。そし
て、この実施例の構造体は、螺旋状に同一方向に巻かれ
た(ほぼ並行するように巻かれた)複数のストラット2
7aと、この複数のストラット27aと逆方向に巻かれ
た複数のストラット27bを備えている。このため、構
造体中には、ストラット27aとストラット27bが交
差する多数の交差部が形成されている。これらのストラ
ット27(27a、27b)により、構造体の骨格が形
成されている。なお、ストラット27の形状、形態は、
螺旋状のものに限らず、その他、例えば、リング状(特
に複数のリングを連結した形状)のものや網状のもので
もよい。構造体は、外力の作用によってその外径が変化
する。すなわち、自然状態(外力を作用させない状態)
では、第1の外径である(以下、この状態を「縮径状
態」という)が、後述する拡張具24を作動させると、
第1の外径から第2の外径(以下、この状態を「拡径状
態」という)までの間において構造体の外径を拡張する
ことができる。この場合、第1の外径は、管腔内留置物
2が大動脈内を移動できる程度のものであり、第2の外
径は、管腔内留置物2が大動脈の内壁に十分に密着でき
る程度のものである。
【0010】また、管腔内留置物2は、構造体の外径を
第1の外径から第2の外径までの任意の外径に維持する
外径維持機能23a、23b、23cを備えている。外
径維持機能は、構造体の長手方向に沿って延在するとと
もに構造体に固定された伸縮可能な複数のガイド管31
a、31b、31cと、牽引によりガイド管31a、3
1b、31cを収縮させて構造体の外径を変形させるた
めに、それぞれのガイド管内に収納されたロッド32
a、32b、32cと、ロッド32a、32b、32c
と共同してガイド管31a、31b、31cの圧縮状態
を維持するための圧縮状態維持部材65a、65b、6
5cとを備える。なお、この実施例では、ガイド管は、
チューブ周方向に沿ってほぼ等間隔かつ平行に3本配置
されている。なお、ガイド管の本数は、これに限定され
るものではなく、1〜12本程度が好適である。
【0011】ストラット27および外径維持機能23
a、23b、23cの構成材料としては、例えば、ステ
ンレス鋼、Ni−Ti合金、Cu−Zn合金、Ni−A
l合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チ
タン合金、タンタル等の各種金属や、ポリアミド、ポリ
イミド、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、フ
ッ素系樹脂等の比較的高剛性の高分子材料、あるいは、
これらを適宜組み合わせたものが挙げられるが、この中
でも、特に、ステンレス鋼またはステンレス鋼を芯材と
するものが好ましい。また、ストラット27の線径は、
特に限定されないが、好ましくは、0.03〜2mm程
度とすることができる。より好ましくは、0.1〜1m
m程度である。
【0012】また、図1に示すように、ガイド管31
a、31b、31cの各上端部および下端部には、スト
ラット27の端部が固定されている。ガイド管31a、
31b、31cの途中のストラット27と交差する部位
も固定されており、ストラット27同士の交差部位も同
様に固定されている。固定は、例えば、接着剤による接
着、半田付け等のろう接、溶接、結紮等によりなされ
る。また、ガイド管31a、31b、31cの中間部に
対するストラット27の固定や、ストラット27同士の
交差部位の固定は、交差角度が可変となるようなルーズ
な固定が好ましい。これにより、管腔内留置物2の拡
張、収縮をより円滑に行うことができる。また、外径維
持機能を構成するガイド管31a、31b、31cは、
ストラット27と共に、構造体の骨格の一部を形成して
いる。特に、ガイド管31a、31b、31cは、構造
体の長手方向に延在する支柱の役割を果たしている。こ
れにより、構造体の構造を複雑化することなく、必要か
つ十分な強度や弾性、特に均一な強度、弾性を確保する
ことができる。
【0013】また、構造体の内面または外面もしくは両
面を被覆する膜(図示せず)を設けてもよい。これによ
り、管腔内留置物2と、管腔内面とが密着するため、留
置した後の位置ズレおよび血管の軸との角度ズレを防止
することができる。この膜は、構造体の外径の変化に伴
い伸縮するもの、または折り畳まれた状態から広がるも
のが好ましい。膜は、例えば、織布、編布、不織布、紙
材のような繊維性多孔質膜、その他非繊維性多孔質膜、
高分子シートのような緻密膜のいずれでもよい。
【0014】膜として、繊維素材を用いる場合には、例
えば、セルロース繊維、綿、リンター、カポック、亜
麻、***、ラミー、絹、羊毛等の天然繊維、ナイロン
(ポリアミド)、フッ素樹脂系繊維、レーヨン、キュプ
ラ、アセテート、ビニル樹脂系繊維、アクリル、ポリエ
チレンテレフタレート(ポリエステル)、ポリプロピレ
ン等の化学繊維、または上記の天然および化学繊維のう
ちの2以上の組み合わせ(混紡等)を用いることができ
る。また、膜として、高分子シートを用いる場合には、
その材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリテトラフルオロエチレン、天然ゴム、イソプ
レンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ラテックスゴム等の各種ゴム、ポリアミド系、ポリ
エステル系、ポリウレタン系等の各種熱可塑性エラスト
マー等が使用できる。また、膜は、同一または異なる材
料による2層以上の積層体であってもよい。
【0015】膜の構造体に対する設置箇所は、構造体の
全体でも、一部分でもよいが、好ましくは構造体の長手
方向中央部分、より好ましくは構造体のほぼ全体の内面
または外面を被覆していることが好ましい。これによ
り、構造体が拡張した場合、管腔内壁と管腔内留置物2
との密着部が大きくなり、留置された管腔内留置物(ス
テント)2の位置ズレを防止することができる。
【0016】次に、外径維持機能23および外径拡張具
24の構造について説明する。外径維持機能は、構造体
の長手方向に沿って延在するとともに構造体に固定され
た伸縮可能な複数のガイド管31a、31b、31c
と、牽引によりガイド管31a、31b、31cを収縮
させて構造体の外径を変形させるために、それぞれのガ
イド管内に収納されたロッド32a、32b、32c
と、ロッド32a、32b、32cと共同してガイド管
31a、31b、31cの圧縮状態を維持するための圧
縮状態維持部材65a、65b、65cとを備える。な
お、外径維持機能における維持手段は、ロッド32a、
32b、32cの係止部62a、62b、62cと圧縮
状態維持部材65a、65b、65cの係合部66a、
66b、66cにより行われている。
【0017】そして、ロッド32a、32b、32cの
係止部62a、62b、62cと圧縮状態維持部材65
a、65b、65cの係合部66a、66b、66cと
の係合は、ガイド管31a、31b、31cの圧縮方向
へのロッドの進行を許容し、ガイド管の伸張方向へのロ
ッドの進行を阻害するものとなっている。係止部62
a、62b、62cは、いわゆる歯部であり、係合部6
6a、66b、66cは、歯部62a、62b、62c
と係合する係止爪部である。なお、圧縮状態維持部材6
5a、65b、65cとガイド管31a、31b、31
cは、接着剤による接着、融着、ろう接、溶接等により
固定されてることが好ましい。また、圧縮状態維持部材
65a、65b、65cには、それぞれ、対応する外径
拡張具24a、24b、24cが着脱自在に接続(連
結)されている。外径拡張具24a、24b、24c
は、縮径状態の構造体を拡張させる際に使用される。
【0018】なお、各外径維持機能および各外径拡張具
は、それぞれ、ほぼ同様の構成であるため、以下、図2
ないし図4に基づき、外径維持機能およびこれに接続さ
れる外径拡張具について代表的に説明する。外径維持機
能23aは、上述したように、伸縮自在なガイド管31
aと、ガイド管31a内に挿通されたロッド32aと、
ロッド32aの側面に設けられた複数の歯部(係止部)
62aと、ガイド管31aの下側に設けられ、内部に歯
部62aと係合する係止爪部(係合部)66aを備える
圧縮状態維持部材65aとからなる。
【0019】ロッド32aは、先端にガイド管31aと
係合するためのフック34aを備え、後端に、牽引ワイ
ヤ41aとの係留のための係留部35aを備えている。
なお、ロッド32aは、係留部35aにおいて直接牽引
ワイヤ41aと係留しているが、これに限定されず、リ
ング部材(図示せず)を介して、牽引ワイヤ41aと係
留してもよい。ガイド管31aは、弾性材料よりなるコ
イル(コイルバネ)で構成されている。このガイド管3
1aは、自然状態では伸長しているが、ロッド32aの
牽引操作により収縮させることができる。
【0020】前述したように、ガイド管31aにはスト
ラット27が固定されている。図2に示すように、ガイ
ド管31aが伸長状態のときには、ガイド管31aに固
定されたストラット27も軸方向に引き延ばされ、構造
体は縮径状態となる。また、図3に示すように、ロッド
32aの牽引によりガイド管31aが収縮すると、ガイ
ド管31aに対するストラット27の固定点間の軸方向
の距離が縮まり、ストラット27が径方向に拡張し、構
造体は拡径する。なお、ガイド管31aの収縮率は、ガ
イド管31aの全長にわたって同一でもよいが、ガイド
管31aは、長手方向に互いに収縮率が異なる箇所を有
するものでもよい。この場合には、ガイド管31aに対
するストラット27の固定点の位置や固定点間の距離を
選択して、構造体の拡径率(=第2の外径/第1の外
径)を部分的に変えることができる。その結果、構造体
の拡径状態における形状を任意に設定することができ、
管腔の留置部位への追従性、適合性をより向上させるこ
と等が可能となる。ガイド管に異なる収縮率を与える方
法としては、例えば機械的特性(バネ弾性率等)が異な
る複数の単位ガイド管を長手方向に接続して1つのガイ
ド管31とする方法や、1本のガイド管に対し、コイル
巻線の条件[密度(巻数)、コイル外径等]を変えて弾
性率を異なるようにする方法等が挙げられる。
【0021】ロッド32aは、細長い平板状もしくは棒
状部材で構成され、その上端には、ガイド管31aの上
端と係合するフック(ストッパー)34aが、下端に
は、ロッド32aの後端部を折り曲げて形成された係留
部35aを、先端部分を除く側面には、長手方向にほぼ
等間隔に、かつほぼ同一形状に形成された複数の歯部
(係止部)62aが形成されている。係留部35aは、
フック状に形成されており、フックの上端開口部は、牽
引ワイヤ41aの線材の外径より十分に広くなるように
作製されていることが好ましい。これにより、管腔内留
置物2の拡径作業後、容易にロッド32aから牽引ワイ
ヤ41aを解除することができる(後述する)。なお、
係留部35aは、上述したものに限られず、拡径作業中
においては、牽引ワイヤ41aからはずれることがな
く、拡径作業後においては、牽引ワイヤ41aを容易に
解除できるような構造をしているならばいかなるもので
あってもよい。
【0022】歯部(係止部)62aは、図2ないし図4
に示す実施例においては、逆三角形状に形成され、かつ
ロッドの下部より上方に向かって長手方向に直線的に等
間隔(等ピッチ)で複数配置されている。また、逆三角
形状の歯部62aの上端部は平坦部63aとなってお
り、側面は傾斜部64bとなっている。圧縮状態維持部
材65aは、ロッド挿通路とロッド挿通路内に設けられ
た係止爪部(係合部)66aを備えている。係止爪部6
6aは、ストッパーとして機能する。係止爪部66a
は、下方への力に対しては、容易に下側に湾曲するが、
上方への力に対しては、上側に湾曲し難い形状に作製さ
れている。係止爪部66aの先端部におけるロッド挿通
路の幅は、平坦部63a部分におけるロッドの厚さより
狭いものとなっている。このため、係止爪部66aの先
端部は、拡径部63aの平坦部63aに圧縮したガイド
管31aの反発力により押しつけられ、その状態を保持
する。
【0023】そして、ロッド32aが下方に牽引される
と、係止爪部66aは、ロッドの1つの歯部(係止部)
62aの傾斜部64aに接触すると共に、ロッド挿通路
を拡大する方向に湾曲し、やがて、傾斜部64aの端部
が係止爪部66aを通過することにより、再び、もとの
形状に復元し、係止爪部66aの先端部は、乗り越えた
歯部62aの平坦部63aに圧縮したガイド管31aの
反発力により押しつけられ、その状態を保持する。ま
た、ロッド32aを上方へ進行させようとしても、係止
爪部66aの先端部は歯部62aの平坦部63aと係合
しており、かつ、爪部66aの形状が、上述したよう
に、上方への力に対して、湾曲し難いように作製されて
いるため、ロッド32aを上方へ進行させることはでき
ないものとなっている。なお、歯部を任意の間隔で配置
することにより、ガイド管の収縮具合を任意に調節する
ことができる。
【0024】なお、外径維持機能(言い換えれば、外径
維持機構)は、構造体の外径を、第1の外径から第2の
外径までの任意の外径に維持することができれば、上述
したものに限られない。例えば、図5に示す実施例のよ
うに、ロッド70に環状もしくは両側面にクサビ形状の
歯部(係止部)68を連続して配置し、圧縮状態維持部
材71にこの歯部68に対応する係止爪部72を設けた
もの、また、図6に示す実施例のように、ロッド76に
球状の歯部74を連続して配置し、圧縮状態維持部材7
7にこの球状の歯部74に対応する係止爪部78を設け
たものなどであってもよい。図5、図6に示す外径維持
機能は、図2ないし図4に示す外径維持機能と同様の操
作により同様の効果を達成することができる。上述した
実施例では、ロッド32に歯部62が設けられ、圧縮状
態維持部材65に係止爪部66が設けられているが、こ
れに限られず、ロッド32に係止爪部66が設けられ、
圧縮状態維持部材65に歯部62が設けられているもの
であってもよい。
【0025】なお、本発明の実施例では、歯部と係止爪
部とが係合した後は、ロッド32aは下方にのみ進行で
き、上方へ進行できないものとなっているが、ある程度
の係合力を備えるものであれば、上方及び下方のいずれ
にも進行できるような構造に作製してもよい。また、歯
部62aは、ロッド32aと別体でも一体化されたもの
でもよい。このような構造としては、外径維持機能とし
て、ロッド32aの下部部分に雄ねじからなる係止部を
形成し、ガイド管31aの下側もしくは下端付近に、ロ
ッドの雄ねじと螺合する雌ねじを備えたナット(圧縮状
態維持部材)を設け、ロッドとナットとの螺合力によ
り、ガイド管の圧縮状態を保持するものであってもよ
い。この実施例では、ロッド32a自体を左右に回転さ
せることにより、ガイド管31aの収縮の具合を拡張お
よび縮径の両方向に調節することが可能である。つま
り、この実施例では、ロッド32aを上方及び下方のい
ずれにも進行させることができる。なお、この実施例の
場合には、ロッドの先端は、ガイド管31aに対して、
回転可能に保持される。
【0026】ガイド管31aを形成するコイルの材料、
ロッド32aの形成材料およびリング部材の形成材料と
しては、ストラット27の構成材料として上述したもの
が好適に使用できる。また、ガイド管31aの外径は、
特に限定されず、管腔内留置物2の外径にもよるが、体
腔へ挿入する際の患者の負担と強度とを考慮して、通常
は、0.2〜2.5mm程度が好ましく、0.4〜1.
2mm程度がより好ましい。なお、ガイド管31aのコ
イルの断面形状は、円形に限らず、楕円形、四角形(扁
平形状)等、いかなるものでもよい。また、ロッド32
aの幅もしくは線径(歯部部分を除く)は、特に限定さ
れないが、通常、0.05〜1.5mm程度が好まし
く、0.1〜0.8mm程度がより好ましい。リング部
材の線径は、特に限定されないが、別体によるリング部
材の場合、十分な柔軟性を得るために比較的細いものが
好ましく、具体的には、0.03〜0.3mm程度が好
ましく、0.08〜0.15mm程度がより好ましい。
【0027】歯部(係止部)62aは、ロッド32aと
一体に形成されることが好ましいが、別個に形成したも
のをロッドの側面に固定したものでもよい。別部材で作
製する場合の歯部の構成材料としては、金属材料の場
合、例えば、鉄または鉄系合金(ステンレス鋼等)、銅
または銅系合金、アルミニウムまたはアルミニウム合
金、チタンまたはチタン合金が挙げられる。歯部62a
を構成する樹脂材料としては、例えば、超高分子量ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レート、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリサル
ホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。なお、ロ
ッド32aと一体的に作製されている場合は、ストラッ
ト27の構成材料と同様のものを使用するのが好まし
い。
【0028】歯部62aの大きさとしては、ガイド管3
1aの内壁に接触しない程度のものであることが好まし
く、幅は、0.05〜1.5mm、長さは、0.5〜
5.0mm、厚さは、0.3〜1.0mmであることが
好ましい。また、歯部のピッチは、0.5〜5.0が好
ましく、歯部の数は、1〜100程度が好適である。圧
縮状態維持部材65aの構成材料としては、歯部62a
と同様のものであることが好ましい。また、係止爪部6
6aの大きさとしては、幅は、0.06〜1.6mm、
長さは、0.5〜10.0mm、奥行きは、0.3〜
2.0mmであることが好ましい。また、係止爪部66
aの外部形状は、丸みを帯びたものであることが好まし
い。また、係止爪部66aの後端部は、拡張作業後、チ
ューブ42aを容易に取り外すことができるように下側
に向かってテーパー状に縮径していることが好ましい。
【0029】外径拡張具24aは、ロッド32aに係留
されるとともにロッド32aを牽引するための牽引ワイ
ヤ41aと、牽引ワイヤ41aをワイヤ41aの後端部
が突出するように収納するワイヤ収納チューブ42aを
備えている。また、チューブ42aの先端部は、ガイド
管31aの後端部に接続(連結)している圧縮状態維持
部材65aの後端部に着脱自在に接続(連結)されてい
る。チューブ42aは、適度な剛性、すなわちロッド3
2aを牽引してガイド管31aを収縮させたとき、軸方
向に生じる圧縮力に抗し、折れ曲がり等を生じない程度
の剛性と、適度な可撓性(柔軟性)とを有するものであ
り、例えば樹脂製チューブや、ガイド管31aと同様の
コイル材料よりなる密巻コイルで構成されたものなどが
使用される。
【0030】牽引ワイヤ41aは、その外径が、チュー
ブ42aの内径より小さく、チューブ42a内を円滑に
摺動することができる。牽引ワイヤ41aの上端部には
フック421aが設けられ、このフック421aは、ロ
ッド32aの係留部35aに係留される。牽引ワイヤ4
1aの後端部は、チューブ42aの後端開口から所定長
さ突出しており、その下端部には、ループ状の担持部4
22aが形成されている。この担持部422aを操作
し、牽引ワイヤ41aを下方へ牽引することにより、ロ
ッド32aを牽引することができる。なお、担持部42
2aは、牽引ワイヤ41aと別体でも一体的でもよい。
【0031】具体的には、フック421aと係留部35
aが係留している状態で、牽引ワイヤ41aを下方へ引
くと、ロッド32aが下方へ牽引され、ロッド32aの
下部付近に設けられた歯部62aが、順次、圧縮状態維
持部材65a内部に侵入し、歯部62aと爪部66aの
間欠的な係合とが生じる。これにより、ガイド管31a
が収縮して、管腔内留置物2が拡径し、ワイヤの牽引を
中止すると、歯部と爪部が係合し、管腔内留置物2の拡
径状態は維持される。また、牽引ワイヤ41aの下端側
の所定位置には、牽引ワイヤ41aの移動量(牽引量)
を示す表示手段として、マーカー(図示せず)が付され
ていることが好ましい。マーカーは、色彩又は形状が異
なる等により、区別可能となっていることが好ましい。
マーカーは、種々の目的で利用することができる。例え
ば、図2に示すように、歯部62aが係止爪部66aよ
り上側にあり未だ両者が係合していない状態であるこ
と、図3に示すように、何番目の歯部62aが係止爪部
66aと係合している状態であるのか等を知ることがで
きる。また、歯部62aのピッチに合わせて複数のマー
カーを付し、下端から何番目の歯部62aが係合してい
るかわかるようにしたものであってもよい。マーカー
は、それぞれ、これらの状態に対応した位置に付されて
おり、ワイヤ収納チューブの下端開口から出没するマー
カーを区別することにより前記状態を確認することがで
きる。なお、表示手段の他の例としては、牽引ワイヤ4
1aやその牽引手段(巻き取りリール等)に牽引ワイヤ
41aの移動量に対応した目盛りを付すことが挙げられ
る。なお、1つの外径維持機能(ガイド管31a、ロッ
ド32a)および拡張具24aを用いて説明したが、他
の外径維持機能(ガイド管31b、ロッド32b、ガイ
ド管31c、ロッド32c)および拡張具24b、24
cにおいても同じである。
【0032】ワイヤ収納チューブ42の外径は、特に限
定されず、管腔内留置物2の外径にもよるが、体腔へ挿
入する際の患者の負担と強度とを考慮して、通常は、
0.2〜2.5mm程度が好ましく、0.4〜1.2m
m程度がより好ましい。ワイヤ収納チューブ42の形成
材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラス
トマー、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴ
ム、PFA、PTFE、フッ素系エラストマーなどのフ
ッ素系樹脂等が使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹
脂である。
【0033】牽引ワイヤ41の構成材料としては、抜去
作業を容易なものとするため、ある程度の可撓性を有す
る材料により形成されている。牽引ワイヤ41の構成材
料としては、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti合金、
Cu−Zn合金、Ni−Al合金、タングステン、タン
グステン合金、チタン、チタン合金、タンタル等の各種
金属や、ポリアミド、ポリイミド、超高分子量ポリエチ
レン、ポリプロピレン、アラミド、フッ素系樹脂等の比
較的高剛性の高分子材料、あるいは、これらを適宜組み
合わせたものが挙げられる。この中でも、特に、ステン
レス鋼が好適である。また、牽引ワイヤ41の線径は、
特に限定されないが、通常、0.1〜1.5mm程度が
好ましく、0.2〜0.8mm程度がより好ましい。外
径維持機能および外径拡張具を以上のような構造とした
ことにより、操作性が優れるとともに、外径維持機能お
よび外径拡張具としての機能を十分に発揮しつつ、細径
化することができる。これにより、管腔への挿入の際の
患者の負担の軽減に寄与する。また、管腔内留置物の拡
径の大きさを生体挿入部位の血管径に適合するように選
択できるため、過拡張を生じることが少ない。
【0034】次に、外径維持機能および外径拡張具の動
作(作用)について、図2ないし図4に基づき説明す
る。図2に示すように、まず、外径維持機能23aに外
力が作用していない状態では、外径維持機能23aのガ
イド管31aは伸長状態であり、これにより、構造体は
縮径状態となっている。このとき、ロッド32aの歯部
62aは、圧縮状態維持部材65aの上方においてガイ
ド管31a内に収納されている。また、ロッド32a
は、係留部35aがフック421aと係合することによ
り、牽引ワイヤ41aに係留されており、張力が伝達可
能となっている。また、係留部35aは、圧縮状態維持
部材65aの内部において、爪部(係合部、ストッパ
ー)66aより下側に位置している。
【0035】次に、図3に示すように、チューブ42a
を保持しつつ牽引ワイヤ41aを下方(実線矢印方向)
へ引くと、ロッド32aの歯部62a部分が、圧縮状態
維持部材65a内部に侵入し、歯部62aは順次爪部6
6aとの係合および解除を繰り返す。これにより、ガイ
ド管31aは徐々に収縮し、構造体も徐々に拡径する。
そして、牽引ワイヤ41aの牽引を中止することによ
り、拡張状態は維持される。また、歯部62aは、平坦
部と傾斜部が交互に連続することにより作製されている
ため、牽引ワイヤ41aの牽引量に応じて、構造体の外
径を第1の外径から第2の外径までの任意の外径に拡張
し維持することができる。なお、上記構造体の拡張具合
は、マーカーの位置を視認すること、また、管腔内留置
物2等にX線造影マーカーを取り付け、それをX線造影
下において視認すること等により術者が体外で把握する
ことができる。
【0036】次に、図4に示すように、牽引ワイヤ41
aの上方への移動や回転等の操作を行って、係留部35
aからフック421aを外し、その後、牽引ワイヤ41
aを再度下方へ移動して、フック421aをワイヤ収納
チューブ42a内に収納した後、ワイヤ収納チューブ4
2aの先端を係止爪部66aの後端から取り外す。これ
により、外径拡張具24aが、外径維持機能23aから
切り離される。以上のような操作は、外径維持機能23
a及び外径拡張具24a以外の外径維持機能及び外径拡
張具に対しても同様に行われる。術者は、このような操
作を、容易かつ円滑に、短時間で行うことができる。
【0037】また、管腔内留置物2は、管腔内留置物2
を目的留置部位に留置するための位置決め支持手段25
を備えている。位置決め支持手段25は、管腔内留置物
2に係留するための管腔内留置物保持用ワイヤ102
と、ワイヤ102の後端部が突出するように収納する管
腔内留置物押出用チューブ体101を備えている。そし
て、位置決め支持手段25は、管腔内留置物2の後端側
において係留している。位置決め支持手段25の管腔内
留置物2への係留は、構造体を構成するストラット27
aとストラット27bとの交差部を、管腔内留置物保持
用ワイヤ102の先端部が貫通することにより行われて
いる。
【0038】管腔内留置物押出用チューブ体101の外
径は、特に限定されず、管腔内留置物2の外径にもよる
が、体腔へ挿入する際の患者の負担と強度とを考慮し
て、通常は、0.2〜5.0mm程度が好ましく、0.
4〜3.0mm程度がより好ましい。管腔内留置物押出
用チューブ体101の形成材料としては、ステンレス
鋼、Ni−Ti合金、Ti、Ti合金、Cu−Zn合
金、Ni−Al合金、W、W合金、タンタル等各種金属
や、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリアミドエラストマー、ポリウ
レタン等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、PFA、P
TFE、フッ素系エラストマーなどのフッ素系樹脂等が
使用でき、好ましくは上記の熱可塑性樹脂である。管腔
内留置物保持用ワイヤ102の構成材料としては、抜去
作業を容易なものとするため、ある程度の可撓性を有す
る材料により形成されている。ワイヤ102の構成材料
としては、上述した牽引ワイヤ41で使用されたものが
用いられる。また、ワイヤ102の線径は、上述した牽
引ワイヤ41とほぼ同径であることが好ましい。
【0039】管腔内留置物2の目的部位への留置は、ま
ず、縮径状態の管腔内留置物2の後端を、位置決め支持
手段25を用いて目的部位に誘導して、位置決め支持手
段25を前記部位にて固定した状態で、外径拡張具24
を用いて上述した拡張作業をすることにより行われる。
その後、まず、上述したように外径拡張具24を外径維
持機能23から解除した後、位置決め支持手段25の管
腔内留置物保持用ワイヤ102のチューブ体101の後
端部から突出する部分を切断して、ワイヤ102の切断
端がストラット27aとストラット27bとの交差部を
通過するまで引き抜くことにより、管腔内留置物2と位
置決め支持手段25との連結を解除する。 本発明の実
施例のように、外径拡張具24及び位置決め支持手段2
5を管腔内留置物2の後端側において係留した場合、非
拡張状態で目的留置部位に配置した管腔内留置物を、そ
の後端位置を変えることなく、拡張できるとともに、管
腔内留置物を正確に目的留置部位に留置することができ
る。
【0040】次に、本発明の他の実施例であり、位置決
め支持手段25が管腔内留置物2の先端側に係留された
体腔内病変部治療用器具について説明する。図7は、本
発明の他の実施例の体腔内病変部治療用器具の外観図で
ある。本発明の体腔内病変部治療用器具10の構成は、
位置決め維持手段25が管腔内留置物2の先端側に係留
されていること以外、上述した体腔内病変部治療用器具
1と何ら異なるところがない。以下、相違点を中心に説
明する。
【0041】体腔内病変部治療用器具10は、外径維持
機能23を備える管腔内留置物2と、管腔内留置物2の
後端側に接続(係留)された拡張具24と、管腔内留置
物2の後端側に接続(係留)された位置決め支持手段2
5とを備えている。管腔内留置物2、外径拡張具24及
び位置決め維持手段25は、上述したものが使用され
る。位置決め維持手段25は、上述したように管腔内留
置物2に係留するための管腔内留置物保持用ワイヤ10
2と、ワイヤ102の後端部が突出するように収納する
管腔内留置物押出用チューブ体101を備えている。そ
して、位置決め支持手段25は、管腔内留置物2の先端
側において係留している。位置決め支持手段25の係留
は、構造体を構成するストラット27aとストラット2
7bとの交差部を、管腔内留置物保持用ワイヤ102の
先端部が貫通することにより行われる。
【0042】外径拡張具24aは、上述したように、牽
引ワイヤ41aと、牽引ワイヤ41aを後端部が突出す
るように収納するワイヤ収納チューブ42aを備えてい
る。体腔内病変部治療用器具10においては、体腔内病
変部治療用器具1と異なり、牽引ワイヤ41aは、ロッ
ド32aに係留するとともに、ロッド32aを固定する
ためのものであり、ワイヤ収納チューブ42aは、係止
爪部66aを介して、ガイド管31aを押し、ガイド管
31aを収縮させるものとなっている。なお、収納チュ
ーブ42aの先端と係止爪部66aの後端との接続は上
述したように行われる。チューブ42aは、適度な剛
性、すなわち収納チューブ42aを押し出して、ガイド
管31aを収縮させたとき、軸方向に生じる圧縮力に抗
し、折れ曲がり等を生じない程度の剛性と、適度な可撓
性(柔軟性)とを有するものである。例えば、樹脂製チ
ューブや、ガイド管31aと同様のコイル材料よりなる
密巻コイルにて構成されたものなどが使用される。
【0043】牽引ワイヤ41aの後端部は、チューブ4
2aの後端開口から所定長さ突出しており、その下端部
には、牽引操作部が形成されている。この牽引操作部を
担持してロッド32aを固定し、収納チューブ42aを
上方へ押し出すことにより、ガイド管31aを収縮させ
ることができる。具体的には、フック421aと係留部
35aとが係合している状態で、担持部422aを担持
して牽引ワイヤ41aを固定し、収納チューブ42aを
上方へ押し出すと、圧縮状態維持部材65aが上方に進
行し、ロッド32aの下部付近に設けられた歯部62a
部分が、圧縮状態維持部材65a内部に侵入し、歯部6
2aと爪部66aとが係止する。これにより、ガイド管
31aが収縮して、管腔内留置物2の拡径状態が維持さ
れる。また、牽引ワイヤ41aの下端側の所定位置に
は、牽引ワイヤ41aの移動量(牽引量)を示す表示手
段として、マーカーが付されている。
【0044】管腔内留置物2の目的部位への留置は、ま
ず、縮径状態の管腔内留置物2の先端を、位置決め支持
手段25を用いて目的部位に誘導して、位置決め支持手
段25を前記部位にて固定した状態で、外径拡張具24
を用いて上述した拡張作業をすることにより行われる。
この実施例のように、外径拡張具24を管腔内留置物の
後端部に、位置決め維持手段25を管腔内留置物の先端
側において係留した場合、非拡張状態で目的留置部位に
配置した管腔内留置物を、その先端位置を変えることな
く拡張できるとともに、管腔内留置物を正確に目的留置
部位に留置することができる。
【0045】次に、本発明の他の実施例であるシースを
備える体腔内病変部治療用器具について説明する。図8
は、本発明の他の実施例の体腔内病変部治療用器具の外
観図であり、図9は、図8の体腔内病変部治療用器具の
基端部分の拡大断面図であり、図10は、体腔内病変部
治療用器具の基端部分の説明用の拡大断面図である。本
発明の体腔内病変部治療用器具100は、第1の外径
と、第1の外径より大きい第2の外径とに変形可能なチ
ューブ状構造体と、構造体の外径を第1の外径から第2
の外径までの任意の外径に維持する外径維持機能23と
を備える管腔内留置物2と、管腔内留置物2の外径を拡
張するための外径拡張具24とを備えている。そして、
管腔内留置物2の外径維持機能23は、構造体の長手方
向に延在するともに構造体に固定された伸縮可能なガイ
ド管31と、牽引によりガイド管31を収縮させて構造
体の外径を変化させるためのロッド32と、構造体の外
径を任意の外径に維持する外径維持機能とを備え、拡張
具24は、ロッド32に係留されるとともにロッド32
を牽引するための牽引ワイヤ41を備えている。そし
て、拡張具24は、牽引ワイヤ41の後端部が突出する
ように収納するワイヤ収納チューブ42を備えている。
また、体腔内病変部治療用器具100は、先端部内部に
管腔内留置物2を収納したシース51を備える。また、
体腔内病変部治療用器具100は、管腔内留置物2を目
的留置部位に留置するための位置決め支持手段25を備
えている。
【0046】管腔内留置物2、外径拡張具24及び位置
決め支持手段25としては、上述したものが使用され
る。また、シース51の後端には、4股に分岐したコネ
クター53が固定されている。外径拡張具24の構成
は、体腔内病変部治療用器具1の拡張具24と同様であ
り、ワイヤ41a、41b、41c及びワイヤ収納チュ
ーブ42a、42b、42cは、シース51内に形成さ
れたルーメンを通り、後端部(担持部422a、422
b、422c部分)はコネクター53の後端部より突出
している。
【0047】シース51は、先端部内部に縮径状態(第
1の外径もしくはさらなる縮径状態)の管腔内留置物2
を収納可能なものである。また、シース51は、図8に
示すように管状体であり、先端および後端は開口してい
る。シース51の構成材料としては、ポリオレフィン
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体)、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン等の熱可塑
性樹脂、シリコーンゴム、PFA、PTFE、フッ素系
エラストマーなどのフッ素系樹脂等が使用でき、好まし
くは上記の熱可塑性樹脂である。また、シース51を構
成する材料には造影剤を含有させてもよい。含有させる
造影剤としては、例えば、硫酸バリウム、ビスマス、タ
ングステン等が好適である。さらに、シース51の先端
には、マーカー(図示せず)を設けてもよい。マーカー
は、コイルスプリングあるいはリングにより形成するこ
とが好ましい。マーカーの形成材料としては、X線造影
性の高い材料、例えば、Pt、Pt合金、W、W合金、
Au、Au合金、Ir、Ir合金、Ag、Ag合金など
を用いることが好ましい。
【0048】シース51としては、使用対象の血管部位
により相違するが、外径が、0.7〜21mm、好まし
くは、0.9〜8.5mm、内径が、0.5〜20m
m、好ましくは、0.7〜8mm、長さが、50〜14
50mm、好ましくは、100〜950mmである。さ
らに、シース51の管腔内留置物収納部内面には、管腔
内留置物2の吐出を容易にするために、低摩擦性物質を
被覆してもよい。低摩擦性物質としては、シリコーンオ
イル、フッ素樹脂(PTFE、ETFEなど)などが使
用できる。
【0049】位置決め支持手段25の構成及び大きさ
は、体腔内病変部治療用器具1の支持手段25と同じで
あり、後端がコネクター53の後端より突出し、先端が
管腔内留置物2の後端付近まで延びる管腔内留置物押出
用チューブ体101と、チューブ体101に収納され、
かつ先端部及び後端部がチューブ体101より突出する
と共に、この先端部が管腔内留置物2と連結する管腔内
留置物保持用ワイヤ102とを備えている。チューブ体
101の突出部分は、管腔内留置物2より若干長いもの
となっている。ワイヤ102の後端部突出部分の長さ
は、管腔内留置物2より若干長いものとなっている。
【0050】この実施例においては、位置決め支持手段
25は、管腔内留置物2を目的部位に留置するとともに
管腔内留置物2をシース51から吐出させるためのもの
となっている。このため、一方の手でシース51の基端
を固定して、他方の手で位置決め支持手段25の管腔内
留置物押出用チューブ体101の後端部を押すことによ
り、管腔内留置物2をシース51の先端より吐出させる
ことができる。その後、位置決め支持手段25を用いて
管腔内留置物2を目的留置部位に誘導して、位置決め支
持手段25を固定した状態で、外径拡張具24を用いて
上述した拡径作業を行うことにより、管腔内留置物2を
目的部位に留置することができる。その後、上述したよ
うに、拡張具24と外径維持機能23を解除した後、位
置決め支持手段25のワイヤ102を、チューブ体10
1の後端部より突出する部分にて切断し、構造体のスト
ラット27aと27bとの交差部を通過するまで引き抜
くことにより、管腔内留置物2と位置決め支持手段25
との連結を解除する。最後に、シース51を抜き取るこ
とにより留置作業を終了する。
【0051】
【発明の効果】本発明の体腔内病変部治療用器具は、第
1の外径と、該第1の外径より大きい第2の外径とに変
形可能なチューブ状構造体と、該構造体の外径を前記第
1の外径から前記第2の外径までの任意の外径に維持す
る外径維持機能とを備える管腔内留置物と、該管腔内留
置物の外径を拡張するための外径拡張具とを備える体腔
内病変部治療用器具であって、前記外径維持機能は、前
記構造体の長手方向に延在するともに該構造体に固定さ
れた伸縮可能なガイド管と、牽引により該ガイド管を収
縮させて前記構造体の外径を変化させるためのロッド
と、該ロッドと共同して前記ガイド管の圧縮状態を維持
するための圧縮状態維持部材とからなり、前記ロッド
は、側面に形成されるとともに、長手方向に複数配列さ
れた係止部を備え、前記維持部材は、前記ロッドの係止
部と係合するとともに係合状態を保持可能な係合部を備
え、前記外径拡張具は、前記ロッドに離脱可能に係留さ
れたロッド牽引用の牽引ワイヤを備えている。このた
め、管腔内留置物の外径を、任意の外径に維持すること
ができ、外径を調節しながらの管腔内留置物の留置が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の体腔内病変部治療用器具の斜
視図である。
【図2】図2は、本発明の体腔内病変部治療用器具の外
径維持機能および外径拡張具の機構および作用を説明す
るための部分断面側面図である。
【図3】図3は、本発明の体腔内病変部治療用器具の外
径維持機能および外径拡張具の機構および作用を説明す
るための部分断面側面図である。
【図4】図4は、本発明の体腔内病変部治療用器具の外
径維持機能および外径拡張具の機構および作用を説明す
るための部分断面側面図である。
【図5】図5は、本発明の体腔内病変部治療用器具に使
用される外径維持機能の他の実施例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の体腔内病変部治療用器具に使
用される外径維持機能の他の実施例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施例の体腔内病変部治
療用器具の外観図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施例の体腔内病変部治
療用器具の外観図である。
【図9】図9は、図8の体腔内病変部治療用器具の基端
部分の拡大断面図である。
【図10】図10は、体腔内病変部治療用器具の基端部
分の説明用の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 体腔内病変部治療用器具 2 管腔内留置物 10 体腔内病変部治療用器具 31 ガイド管 32 ロッド 41 牽引ワイヤ 42 ワイヤ収納チューブ 62 歯部 66 係止爪部 100 体腔内病変部治療用器具

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の外径と、該第1の外径より大きい
    第2の外径とに変形可能なチューブ状構造体と、該構造
    体の外径を前記第1の外径から前記第2の外径までの任
    意の外径に維持する外径維持機能とを備える管腔内留置
    物と、該管腔内留置物の外径を拡張するための外径拡張
    具とを備える体腔内病変部治療用器具であって、前記外
    径維持機能は、前記構造体の長手方向に延在するととも
    に該構造体に固定された伸縮可能なガイド管と、牽引に
    より該ガイド管を収縮させて前記構造体の外径を変化さ
    せるためのロッドと、該ロッドと共同して前記ガイド管
    の圧縮状態を維持するための圧縮状態維持部材とからな
    り、前記ロッドは、側面に形成されるとともに、長手方
    向に複数配列された係止部を備え、前記維持部材は、前
    記ロッドの係止部と係合するとともに係合状態を保持可
    能な係合部を備え、前記外径拡張具は、前記ロッドに離
    脱可能に係留されたロッド牽引用の牽引ワイヤを備えて
    いることを特徴とする体腔内病変部治療用器具。
  2. 【請求項2】 前記外径維持機能は、複数設けられてお
    り、前記外径拡張具は、前記それぞれの外径維持機能に
    対応するように複数設けられている請求項1に記載の体
    腔内病変部治療用器具。
  3. 【請求項3】 前記ロッドの係止部は、ロッドの側面に
    形成された多数の歯部であり、前記圧縮状態維持部材の
    係合部は、該歯部と係合する係止爪部である請求項1ま
    たは2に記載の体腔内病変部治療用器具。
  4. 【請求項4】 前記圧縮状態維持部材は、ロッド挿通路
    と該ロッド挿通路内に設けられた係止爪部を備え、前記
    ロッドは、該ロッドの下部より長手方向に直線的に配置
    された複数の歯部を備えている請求項3に記載の体腔内
    病変部治療用器具。
  5. 【請求項5】 前記ロッドの係止部と前記圧縮状態維持
    部材の係合部との係合は、ガイド管の圧縮方向へのロッ
    ドの進行を許容し、ガイド管の伸張方向へのロッドの進
    行を阻害するものである請求項1ないし4のいずれかに
    記載の体腔内病変部治療用器具。
  6. 【請求項6】 前記拡張具は、該牽引ワイヤを該ワイヤ
    の後端部が突出するように収納するワイヤ収納チューブ
    を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の体腔
    内病変部治療用器具。
  7. 【請求項7】 前記体腔内病変部治療用器具は、前記管
    腔内留置物を目的留置部位に留置するための位置決め支
    持手段を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載
    の体腔内病変部治療用器具。
  8. 【請求項8】 前記位置決め支持手段は、前記構造体に
    係留するための管腔内留置物保持用ワイヤと、該ワイヤ
    の後端部が突出するように収納する管腔内留置物押出用
    チューブ体とを備えている請求項7に記載の体腔内病変
    部治療用器具。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106974694A (zh) * 2017-05-02 2017-07-25 陈安富 医疗器械执行端及介入治疗***、使用方法

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