JP2001045913A - 生け簀 - Google Patents

生け簀

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JP2001045913A
JP2001045913A JP11218610A JP21861099A JP2001045913A JP 2001045913 A JP2001045913 A JP 2001045913A JP 11218610 A JP11218610 A JP 11218610A JP 21861099 A JP21861099 A JP 21861099A JP 2001045913 A JP2001045913 A JP 2001045913A
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inclination
cage
valve
air
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JP11218610A
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English (en)
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Masayuki Hirata
正幸 平田
Hiroshi Ono
博 大野
Shinji Fujimoto
真二 藤本
Hideki Yamashita
英樹 山下
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Molten Corp
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Molten Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浮沈構造の生け簀を沈下又は浮上させる際
に、生け簀の傾斜が自動修正される生け簀を提供する。 【解決手段】 生け簀1のフロート3の一部に浮沈フロ
ート6a,6b,6c,6dを使用し、これに第1、第
2、第3斜制御手段14a,14b,14cを介して、
エアポンプ15を連結する。エアポンプにて浮沈フロー
トの給排気がなされる。第1、第2、第3傾斜制御手段
は生け簀の傾斜に伴って傾斜したとき、生け簀沈下時に
は、低位浮沈フロートからの排気を停止し、高位浮沈フ
ロートからの排気のみを継続して、高位浮沈フロートの
沈下速度を上げて、生け簀の傾斜を修正する。生け簀浮
上時には、高位浮沈フロートへの給気を停止し、低位浮
沈フロートへの給気のみを継続して、低位浮沈フロート
の浮上速度を上げて生け簀の傾斜を修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類の養殖に適
した浮沈構造を有する生け簀に関する。
【0002】
【従米の技術】従来、魚介類の養殖用生け簀として、波
の高い外洋においても使用可能な、また赤潮の害を避け
ることができるよう浮沈生け簀が提案されている。すな
わち、生け簀を水面下約10m程度の深さに保てば、波
の影響を受けることなく生け簀を安定させることがで
き、また赤潮は通常水面下約5mまでの深さの領域で発
生するから、これより深い位置に設置すれば、養殖魚介
額を赤潮から護ることができるのである。それ故、通常
は生け簀を海面下約10m付近に沈下させた状態に保
ち、給餌時等必要なときのみ生け簀を浮上させる方式が
採用されつつある。
【0003】浮沈構造の生け簀として、たとえば次のよ
うな構造が知られている。特開昭57−17491号公
報には、生け簀の4隅上部に浮力部を配設し、浮力部に
収納した弾性気のうに給排気口を介して給排気し、その
浮力を増減することにより、生け簀を浮上又は沈下させ
る構造が開示されている。
【0004】また特開昭59−120039号公報に
は、生け簀の支持枠に、圧縮空気が供給又は排出される
膨縮フロートが取りつけられ、このフロート内の空気圧
力を増減して、生け簀を海面上に浮上又は海面下に沈下
する構造が示されている。かかる構造においては、生け
簀の姿勢を安定させるために、フロートに逆止弁を有す
る給気管路と同様に逆止弁を有する排気管路を設け、空
気の逆流を防止し、フロートの浮力が均等に保たれる構
造が開示されている。
【0005】さらに特公平3‐25136号公報には、
浮沈体として、給排水管及び給排気管が接続されたタン
クが使用され、これに給水及び排気を行うことによって
タンクの浮力を減少させて生け簀を沈下させ、逆にタン
クを排水、給気してその浮力を増大させ、生け簀を浮上
させる旨記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常かかる浮沈生け簀
は、例えば沈下した生け簀を浮上させる場合、給水した
浮沈フロートに給気及び排水を行うが、この作業の際、
エアポンプと浮沈フロートとの間のエア流路の圧力損夫
が個々の浮沈フロートによって異なること或いは潮流の
影響を受けること等により、生け簀が傾くことがある。
【0007】生け簀が傾き始めると、高位にある浮沈フ
ロートの内圧が低位にある浮沈フロートのそれより低下
するために、高位にある浮沈フロートへの給気が増大
し、生け簀の傾斜はますます助長されることとなる。そ
の結果、養殖魚を傷めたり、生け簀が完全に浮上しない
等の弊害が発生することがある。生け簀を水面下に沈下
させる場合にも、同様の理由からその傾斜が増大すると
いう問題が発生する。この生け簀の傾斜は、水面付近で
あれば、目視により確認できるから、手作業にてエアポ
ンプのバルブを開閉し、傾斜を修正することができる
が、水面下約10m程度に達すると、目視での確認は不
可能となり、その作業は困難となる。
【0008】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、生け簀を浮上及び沈下させる際に、
生け簀の傾斜を自動的に検知、修正し、生け簀を水平状
態に維持することができるものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)は、
所定の水域を囲繞する網と、該網を支持するとともに給
排気口及び給排水口を有する浮沈フロートとを有し、該
浮沈フロートへの給排気による浮力調整により水中に沈
下又は水面に浮上する生け簀において、上記浮沈フロー
トへ給排気を行う給排気手段と、上記生け簀の傾斜を検
知し、傾斜により低位となった上記浮沈フロートに給気
し、又は上位となった上記浮沈フロートから排気する傾
斜制御手段とを備えてなるものである。
【0010】かかる構成において、生け簀の浮沈フロー
トから排気してこれを沈下させているとき、生け簀が傾
いたときは、傾斜制御手段の作用により、傾斜により低
位となった浮沈フロートからの排気を停止してその浮力
を一定に保ち、他方高位となった浮沈フロートのみ排気
し、その浮力を低下させて、生け簀の高位側の沈下速度
を早くする。また生け簀の浮沈フロートに給気してこれ
を浮上させているとき、生け簀が傾いたときは、傾斜制
御手段の作用により、傾斜により高位となった浮沈フロ
ートへの給気を停止して、低位にある浮沈フロートのみ
に給気し、生け簀の低位側の浮力を増大させる。このよ
うにして、生け簀の傾斜は補正され、水平状態を維持し
つつ浮上、沈下する。
【0011】本発明(請求項2)において、上記傾斜制
御手段は、上記生け簀を沈下させる際には、上記浮沈フ
ロートから排気し、上記低位となった浮沈フロートから
の排気を停止し、上記高位となった浮沈フロートのみ排
気を続行するとともに、上記生け簀を浮上させる際に
は、上記浮沈フロートに給気し、上記高位となった浮沈
フロートへの給気を停止し、上記低位となった浮沈フロ
ートのみ給気を続行するものである。かかる構成におい
て、沈下時においては、高位浮沈フロートの沈下速度が
加速され、浮上時においては、低位浮沈フロートの浮上
速度が加速される。
【0012】本発明(請求項3)において、上記傾斜制
御手段は、上記生け簀の傾斜に伴って一の方向又はこれ
とは逆の他の方向に傾斜する、上記給排気手段にて給気
又は排気がなされる箱体と、該箱体に形成され、該箱体
が水平状態にあるとき及び上記一の方向へ傾斜したとき
閉じ、上記他の方向へ傾斜したとき開く第1バルブと、
上記箱体に形成され、上記箱体が上記他の方向へ傾斜し
たとき閉じ、水平状態にあるとき及び上記一の方向へ傾
斜したとき開く第2バルブと、上記第1及び第2バルブ
間に接続され上記第1バルブから上記第2バルブ方向へ
のみ空気流通が可能な第1連通管と、上記第1及び第2
バルブ間に接続され上記第2バルブから上記第1バルブ
方向へのみ空気流通が可能な第2連通管とを備え、上記
生け簀が上記一の方向へ傾斜したとき高位となる上記浮
沈フロートに上記第1連通管が接続され、低位となる上
記浮沈フロートに上記第2連通管が接続されてなるもの
である。
【0013】かかる構成において、生け簀を沈下させる
際は、上記給排気手段にて箱体の空気は排気される。生
け簀が水平状態にあるときは、第1、第2バルブともに
開状態であるから全浮沈フロートから排気され、浮力は
減少し、生け簀は沈下していく。浮上途中で何らかの原
因で生け簀が上記一の方向へ傾斜したとき、第1バルブ
は「開」を維持し、第2バルブは「閉」に換わる。これ
により傾斜により高位となった側の浮沈フロートからの
排気は続行され、低位側浮沈フロートからの排気は停止
する。これより、高位側浮沈フロートの浮力のみ減少
し、傾斜は修正される。
【0014】他方生け簀を浮上させる際は、上記給排気
手段にて箱体に給気する。生け簀が水平状態にあるとき
は、第1、第2バルブともに開状態であるから全浮沈フ
ロートに給気され、その浮力は増大し、生け簀は浮上し
ていく。浮上途中で何らかの原因で生け簀が上記一の方
向へ傾斜したとき、第1バルブは「開」を維持し、第2
バルブは「閉」に換わる。これにより傾斜により高位と
なった側の浮沈フロートへの給気は停止し、低位となっ
た側の浮沈フロートのみ給気が続行され、低位側浮沈フ
ロートの浮力が増大し、傾斜は修正される。
【0015】本発明(請求項4)においては、上記箱体
内に液体が入れられ、液体層と大気層とが形成されると
ともに上記液体の水面に浮遊せしめられ、上記第1バル
ブは、上記箱体の傾斜に伴う水位変動に応じて上下に移
動する第1浮子にて開閉動作せしめられ、上記第2バル
ブは、上記箱体の傾斜に伴う水位変動に応じて上下に移
動する第2浮子にて開閉動作せしめられるものである。
【0016】かかる構成において、箱体が水平状態にあ
るとき及び上記一の方向に傾斜したときは、第1浮子が
上昇(又は下降)し、第1バルブは「開」を維持し、こ
のとき第2浮子は下降(又は上昇)し、第2バルブは
「閉」に換わる。他方、箱体が水平状態にあるとき及び
上記他の方向に傾斜したときは、第2浮子が上昇(又は
下降)し、第2バルブは「開」を維持し、このとき第1
浮子は下降(又は上昇)し、第1バルブは「閉」に換わ
る。
【0017】本発明(請求項5)においては、上記傾斜
制御手段は、所定の方向の傾斜を検知する第1傾斜制御
手段と、該第1傾斜制御手段の検知方向と直交する方向
の傾斜を検知する2つの第2、第3傾斜制御手段とから
なり、上記第1傾斜制御手段に上記給排気手段が連結さ
れるとともに、その傾斜により上記第2、第3傾斜制御
手段への給排気を制御し、上記第2、第3傾斜制御手段
にて上記浮沈フロートを給排気制御するものである。
【0018】かかる構成において、第1傾斜制御手段に
て所定の方向の傾斜が検知され、第2又は第3傾斜制御
手段のいずれかが選択されて給気又は排気され、さらに
選択された上記第2又は第3傾斜制御手段のいずれかに
て、上記所定の方向と直交する方向の傾斜が検知され、
選択された上記第2又は第3傾斜制御手段にて浮沈フロ
ートへの給排気が制御される。
【0019】
【発明の実施の形態】図1,2において、1は、生け簀
で、約10m四方の金属パイプよりなるフレーム2とこ
のフレーム2下方に固定された複数の円筒中空体形状の
フロート3と、フレーム2から側面及び底面部分が垂下
されるとともにその上面が被覆された網よりなる。フロ
ート3は、密封体構造の一定浮力を有する通常フロート
5,5,……と、給排気及び給排水を可能としこれによ
りその浮力が調整できる4個の浮沈フロート6a,6
b,6c,6dとからなり、フレーム2下方に等間隔で
配置され、生け簀1に均等な浮力を与えている。
【0020】4個の浮沈フロート6a,6b,6c,6
dは、それぞれ4角形フレーム2の各隅部近辺に配置さ
れている。この浮沈フロート6a,6b,6c,6d
は、図3に示すように、上面に凹部7が形成され、この
中に給排気口8及びバルブ9が設けられ、かつ下面に給
排水口10が設けられている。フロート3は、ポリオレ
フィン系熱可塑性樹脂例えばポリエチレン(PE)樹脂
等のブロー成形にて形成することができる。フロート3
は、円筒形部分の中間に適当な間隔を隔てて円周状に形
成された溝11にワイヤロープ(図示せず)が巻かれ、
フレーム2に結びつけられている。
【0021】12は、浮沈フロート6a,6b,6c,
6dの浮力を調整する制御部で、フレーム2に固定され
た船台13上に配置されている。制御部12は3つの第
1、第2及び第3傾斜制御部14a,14b,14cか
らなり、それぞれ特定方向の傾斜を検知し給排気制御を
行うものであり、第1傾斜制御郡14aは、4角形の生
け簀1の1辺に平行な方向a1,a2を検知し、第2、
第3傾斜制御部14b,14cは、ともに上記生け簀1
の上記1辺と直交する他の辺に平行な方向b1,b2を
検知し給排気制御を行うものである。制御部12にて傾
斜制御手段が構成される。
【0022】15は給排気手段として働くエアポンプ
で、パイプ16を介して第1傾斜制御部14aに連結さ
れ、生け簀1の沈下時、第1傾斜制御部14aから排気
し、生け簀1の浮上時、第1傾斜制御部14aへ給気す
る。エアポンプ15は、常時第1傾斜制御部14aに連
結されているわけではなく、通常はこれと切り離されて
おり、生け簀1の沈下又は浮上時のみ連結される。した
がって通常は、パイプ16のエアポンプ15側端部は栓
等にて閉じられ、かつフロート(図示せず)にて水面に
浮上せしめられている。生け簀1に接続されるパイプは
このパイプ16のみである。
【0023】第1傾斜制御部14aは第2、第3傾斜制
御部14b,14cへの給排気を制御し、第2傾斜制御
部14bは浮沈フロート6a,6bへの給排気を制御
し、第3傾斜制御部14cは浮沈フロート6c,6dへ
の給排気を制御するものであり、いずれも同一構造を有
している。第2、第3傾斜制御部14b,14cにとっ
て、第1傾斜制御部14aは給排気手段としての機能を
有する。第2、第3傾斜制御部14b,14cは連結さ
れる各2個の浮沈フロート6a,6b(又は6c,6
d)を結ぶ方向(b1,b2方向)がその傾斜検知方向
に一致せしめられており、第1傾斜制御部14aの傾斜
検知方向は、b1,b2方向と直交する方向(a1,a
2方向)に一致せしめられている。17a,17bは第
2傾斜制御部14bと浮沈フロート6a,6bとを連結
するパイプ、17c,17dは第3傾斜制御部14cと
浮沈フロート6c,6dとを連結するパイプであり、図
1には一点鎖線で描かれているが、実際にはフレーム2
に沿ってこれに固定されている。
【0024】図2及び図4を参照して傾斜制御部の構造
を説明する。図4は、第3傾斜制御部14cの上面板及
び正面板を取り除いた状態を示す。図において、18は
直方体の箱体で、その長手方向がb1,b2方向に一致
せしめられる。19は、箱体18の長手方向の一方(図
中左側)の端部上部に形成された第1バルブで、箱体1
8が一の方向(以下b1方向という)へ傾斜(b1方向
が低位)したとき閉じ、箱体18が水平状態にあるとき
及び上記一の方向と逆の方向(以下b2方向という)へ
傾斜(b2方向が低位)したとき開く。20は、箱体1
8の長手方向の他方(図中右側)の端部上部に形成され
た第2バルブで、箱体18がb2方向へ傾斜したとき閉
じ、箱体18が、水平状態にあるとき及びb1方向へ傾
斜したとき開く。21a,21bは、第1バルブ19に
て開閉される2つの開口で同様に第2バルブ20もまた
2つの開口22a,22bを開閉する。
【0025】24は、第1バルブ19と第2バルブ20
を連通する第1連通管で、第1バルブ19の開口21a
から第2バルブ20の開口22a方向へのみ空気流通が
可能となるよう2個の逆止弁25,25が設けられてい
る。26は、同様に第1バルブ19と第2バルブ20を
連通する第2連通管で、第2バルブ20の開口22bか
ら第1バルブ19の開口21b方向へのみ空気流通が可
能となるよう2個の逆止弁27,27が設けられてい
る。第1連通管24は、逆止弁25,25の間から分岐
されパイプ17dにてb2方向に位置する浮沈フロート
6dに連結され、第2連通管26は、逆止弁27,27
の間から分岐されパイプ17cにてb1方向に位置する
浮沈ブロート6cに連結されている。
【0026】図4,5に示すように、箱体18内には、
液体例えば海水が箱体高さの数分の一程度まで入れら
れ、箱体18内に液体層28と大気層29とが形成され
ており、第1、第2浮子30,31が水面に浮遊せしめ
られている。第1浮子30にて第1バルブ19が、第2
浮子31にて第2バルブ20が開閉される。すなわち第
1浮子30の支持棒32に第1バルブ19を開閉する弁
体33が取りつけられ、第1浮子30が、図5中実線位
置から破線位置へ、支持棒32の他端34を支点として
回動し、上昇(箱体18がb1方向へ傾斜)すると、第
1バルブ19は「開」から「閉」へ換わるのである。第
1バルブ19が開閉する傾斜角度は、箱体18内の海水
の水位によって可変制御される。海水の量は、箱体18
に設けられた栓(図示せず)を介して増減調整される。
【0027】第1傾斜制御部14aの第1連通管24
は、パイプ35を介して第3傾斜制御部14cに連結さ
れ、第2連通管26はパイプ36を介して第2傾斜制御
部14bに連結されている。また第2傾斜制御部14b
の第1連通管24は、パイプ17aを介してb1方向に
位置する浮沈フロート6aに、第2連通管26は、パイ
プ17bを介してb2方向に位置する浮沈フロート6b
に連結されている。
【0028】次に生け簀1を水中へ沈下させる場合の動
作を、第3傾斜制御部14c及び浮沈フロート6c,6
dについて説明する。図6に示すように、第3傾斜制御
部14cの箱体18内の空気は排気される。このとき生
け簀1が水平状態にあれば(図A)、第1、第2バルブ
19,20ともに「開」状態にあり、浮沈フロート6
c,6dはともに矢印で示す経路を通って排気され、同
時に浮沈フロート6c,6d内に海水が浸入しその浮力
は低下し、生け簀1自体が沈下を開始する。
【0029】沈下途中で、生け簀1がb1方向へ傾斜し
たときは(図B)、第1バルブ19が「閉」に換わり、
低位にある浮沈フロート6cの排気は停止する。第2バ
ルブ20は「開」を維持しているから、高位にある浮沈
フロート6dのみ排気を継続する。その結果、浮沈フロ
ート6dの浮力のみ低下し、その沈下速度が増し、傾斜
は修正され、生け簀1は水平方向に戻る。このとき、浮
沈フロート6dからの空気は、パイプ17d、第1連通
管24、第2バルブ20の開口22aを通って箱体18
内に人り、パイプ35を通って排気される。第2バルブ
20の開口22aは、第2連通管26の開口22bとは
別に設けられているから、第1連通管24の開口22a
から排出された空気が、開口22bを介して第2連通管
26へ流入することはない。
【0030】逆に、生け簀がb2方向へ俵斜したときは
(図C)、第2バルブ20が「閉」に換わり、低位にあ
る浮沈フロート6dの排気は停止し、高位にある浮沈フ
ロート6cのみ排気を継続する。その結果、浮沈フロー
ト6cの浮力のみ低下し、その沈下速度が増し、傾斜は
修正され、生け簀1は水平方向に戻る。このようにして
生け簀1は水面下約10mの位置まで沈下され、その位
置に保持される。この状態で養殖が行われる。
【0031】次に養殖魚介類を取り出す場合或いは餌を
投与する場合、生け簀1を水中から水面へ浮上させなけ
ればならない。この場合の動作を上記同様、第3傾斜制
御部14c及び浮沈フロート6c,6dについて説明す
る。図7に示すように、第3傾斜制御部14cの箱体1
8内には、エアポンプ15(図2)から第1傾斜制御部
14aを介して空気が供給される。このとき生け簀1が
水平状態にあれば(図A)、第1、第2バルブ19,2
0ともに「開」状態にあり、浮沈フロート6c,6dは
ともに矢印で示す経路を通って給気され、同時に浮沈フ
ロート6c,6d内の海水が排水されてその浮力は上昇
し、生け簀1は浮上を開始する。
【0032】浮上途中で、生け簀1がb1方向へ傾斜し
たときは(図B)、第1バルブ19が「閉」に換わり、
高位にある浮沈フロート6dへの給気は停止し、低位に
ある浮沈フロート6cのみ給気を継続する。その結果、
浮沈フロート6cの浮力のみ上昇し、その浮上速度が増
し、傾斜は修正され、生け簀1は水平方向に戻る。
【0033】逆に、生け簀1がb2方向へ傾斜したとき
は(図C)、第2バルブ20が「閉」に換わり、高位に
ある浮沈フロート6cへの給気は停止し、低位にある浮
沈フロート6dのみ給気を継続する。その結果、浮沈フ
ロート6dの浮力のみ上昇し、その浮上速度が増し、傾
斜は修正され、生け簀1は水平方向に戻る。このような
動作が繰り返されて生け簀1は水面へ浮上する。
【0034】次に図1,2において、沈下時に生け簀1
がa1,a2方向、例えばa1方向に傾斜した場合、第
1傾斜制御部14aの第1バルブ19が「閉」に換わ
り、第2バルブ20は「開」を維持することとなる。こ
の結果、第2傾斜制御部14bからの排気は停止し、第
3傾斜制御部14cからの排気のみ可能となり、第3傾
斜制御部14cを介して浮沈フロート6c,6dが排
気、浮力低下し、高位となった浮沈フロート6c,6d
の沈下速度を上昇させ、傾斜を修正する。さらにこのと
き、b1方向にも傾斜したとすると、第3傾斜制御部1
4cの第1バルブ19が「閉」となるから、第1連通管
24につながる高位の浮沈フロート6dのみ排気される
こととなる。すなわちこの場合は、4個の浮沈フロート
6a,6b,6c,6dのうち、浮沈フロート6dのみ
排気し、他の3個の浮沈フロート6a,6b,6cは排
気停止するのである。このようにして、生け簀1が、a
1,a2方向、b1,b2方向及びこれらが重なり合わ
さった方向に傾斜したとき、生け簀1はこれを修正し、
水平姿勢を維持しながら、沈下又は浮上する。
【0035】
【発明の効果】本発明(請求項1)によれば、生け簀を
水中へ沈下又は水面へ浮上させる際にこれが傾斜したと
き、傾斜制御手段にて検知されて自動的に修正されるか
ら、生け簀を常に水平姿勢に維持することができる。そ
れ故、生け簀の傾斜にともなう網の変形等により養殖魚
介類が受けるダメージを減らすことができる。また生け
簀の沈下、浮上を迅速に行うことができ、給餌作業、養
殖魚の取り出し作業を円滑に行うことができる。
【0036】また本発明(請求項2)によれば、生け簀
の沈下時、傾斜により低位となった浮沈フロートからの
排気を停止し、高位となった浮沈フロートのみの排気を
継続するから、生け簀の沈下を妨げることなく、すなわ
ち生け簀の沈下方向でその速度を調整することができ
る。他方、生け簀の浮上時、傾斜により高位となった浮
沈フロートへの給気を停止し、低位となった浮沈フロー
トへのみの給気を継続するから、生け簀の浮上を妨げる
ことなく、すなわち生け簀の浮上方向でその速度を調整
することができる。その結果沈下、浮上を迅速化するこ
とができる。
【0037】また本発明(請求項3)によれば、浮沈フ
ロートへの給排気は、第1又は第2連通管にてなされる
から、給排気手段と浮沈フロートとの間においてパイプ
の接続を変更する必要はなく、何ら切換作業を行うこと
なく、給気又は排気動作をさせることができる。
【0038】さらに本発明(請求項4)によれば、バル
ブは浮子の上下移動によって開閉され、かつ浮子は水面
上に浮いているから、浮子の浮上位置すなわち箱体内に
入れられる液体の量によって、水位を調整し、生け簀の
傾斜角度の検知感度を調整することができる。
【0039】さらに本発明(請求項5)によれば、所定
の方向及びこれと直交する方向さらにこれら2つの方向
が重なり合った方向の傾斜を検知し、生け簀の姿勢を水
平に保つことができ、精度の高い姿勢制御が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る生け簀の斜視図であ
る。
【図2】要部を示す斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】第3傾斜制御部の構造を示す斜視図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】生け簀の沈下動作を説明するための概略図であ
る。
【図7】生け簀の浮上動作を説明するための概略図であ
る。
【符号の説明】
1 生け簀 2 フレーム 3 フロート 4 網 5 通常フロート 6a,6b,6c,6d 浮沈フロート 10 給排水口 11 溝 12 制御部 14a,14b,14c 第1、第2、第3傾斜制御部 15 エアポンプ 16,17a,17b,17c,17d パイプ 18 箱体 19,20 第1、第2バルブ 21a,21b,22a,22b 開口 24,26 第1、第2連通管 25,27 逆止弁 28 液体層 29 大気層 30,31 第1,第2浮子 33 弁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 真二 広島県広島市西区横川新町1番8号 株式 会社モルテン内 (72)発明者 山下 英樹 広島県広島市西区横川新町1番8号 株式 会社モルテン内 Fターム(参考) 2B104 CC10 CC25 CG07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の水域を囲繞する網と、該網を支持
    するとともに給排気口及び給排水口を有する浮沈フロー
    トとを有し、該浮沈フロートへの給排気による浮力調整
    により水中に沈下又は水面に浮上する生け簀において、 上記浮沈フロートへ給排気を行う給排気手段と、 上記生け簀の傾斜を検知し、傾斜により低位となった上
    記浮沈フロートに給気し、又は上位となった上記浮沈フ
    ロートから排気する傾斜制御手段とを備えてなる生け
    簀。
  2. 【請求項2】 上記傾斜制御手段は、上記生け簀を沈下
    させる際には、上記浮沈フロ−トから排気し、上記低位
    となった浮沈フロートからの排気を停止し、上記高位と
    なった浮沈フロートのみ排気を続行するとともに、上記
    生け簀を浮上させる際には、上記浮沈フロートに給気
    し、上記高位となった浮沈フロートへの給気を停止し、
    上記低位となった浮沈フロートのみ給気を続行する請求
    項1記載の生け簀。
  3. 【請求項3】 上記傾斜制御手段は、 上記生け簀の傾斜に伴って傾斜する、上記給排気手段に
    て給気又は排気がなされる箱体と、 該箱体に形成され、該箱体が一の方向へ傾斜したとき閉
    じ、水平状態にあるとき及び上記一の方向とは逆の他の
    方向へ傾斜したとき開く第1バルブと、 上記箱体に形成され、上記箱体が上記他の方向へ傾斜し
    たとき閉じ、水平状態にあるとき及び上記一の方向へ傾
    斜したとき開く第2バルブと、 上記第1及び第2バルブ間に接続され上記第1バルブか
    ら上記第2バルブ方向へのみ空気流通が可能な第1連通
    管と、 上記第1及び第2バルブ間に接続され上記第2バルブか
    ら上記第1バルブ方向へのみ空気流通が可能な第2連通
    管とを備え、 上記生け簀が上記一の方向へ傾斜したとき高位となる上
    記浮沈フロートに上記第1連通管が接続され、低位とな
    る上記浮沈フロートに上記第2連通管が接続されてなる
    請求項1又は2記載の生け簀。
  4. 【請求項4】 上記箱体内に液体が入れられ、液体層と
    大気層とが形成されるとともに上記液体の水面に浮遊せ
    しめられ、上記第1バルブは、上記箱体の傾斜に伴う水
    位変動に応じて上下に移動する第1浮子にて開閉動作せ
    しめられ、上記第2バルブは、上記箱体の傾斜に伴う水
    位変動に応じて上下に移動する第2浮子にて開閉動作せ
    しめられる請求項3記載の生け簀。
  5. 【請求項5】 上記傾斜制御手段は、所定の方向の傾斜
    を検知する第1傾斜制御手段と、該第1傾斜制御手段の
    検知方向と直交する方向の傾斜を検知する2つの第2、
    第3傾斜制御手段とからなり、上記第1傾斜制御手段に
    上記給排気手段が連結されるとともに、その傾斜により
    上記第2、第3傾斜制御手段への給排気を制御し、上記
    第2、第3傾斜制御手段にて上記浮沈フロートを給排気
    制御する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の生け
    簀。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101789793B1 (ko) 2016-12-09 2017-10-25 조범준 경량 부자
CN111802301A (zh) * 2020-08-13 2020-10-23 艾保英 一种光伏鱼塘用自动投喂装置及其使用方法
CN112640828A (zh) * 2020-12-18 2021-04-13 台州盈益塑业有限公司 具有鱼食投喂装置的一体化养殖鱼塘光伏增氧机构

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