JP2001045645A - 電力系統の広域保護システムと方法、およびプログラム記録媒体 - Google Patents

電力系統の広域保護システムと方法、およびプログラム記録媒体

Info

Publication number
JP2001045645A
JP2001045645A JP11217434A JP21743499A JP2001045645A JP 2001045645 A JP2001045645 A JP 2001045645A JP 11217434 A JP11217434 A JP 11217434A JP 21743499 A JP21743499 A JP 21743499A JP 2001045645 A JP2001045645 A JP 2001045645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
section
rte
accident
cte
circuit breaker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11217434A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshizumi Serizawa
善積 芹澤
Hiroshi Imamura
弘 今村
Masao Hori
政夫 堀
Michihiko Inukai
道彦 犬飼
Jun Takeuchi
純 竹内
Hidemasa Sugiura
秀昌 杉浦
Toshiro Kagami
敏朗 鏡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Central Research Institute of Electric Power Industry
Original Assignee
Toshiba Corp
Central Research Institute of Electric Power Industry
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Central Research Institute of Electric Power Industry filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP11217434A priority Critical patent/JP2001045645A/ja
Publication of JP2001045645A publication Critical patent/JP2001045645A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/20Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution using protection elements, arrangements or systems

Landscapes

  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主保護機能を有し、かつ、広域の電力系統に
亘って総合的な保護機能を有する広域保護システムを提
供する。 【解決手段】 各端末装置(RTE)101は、時刻同
期網(STE)201から分配されるサンプリングタイ
ミングに基づき、電力系統10の各部の電流を変流器
(CT)14−1〜14−4,15−1〜18−1から
取込むと共に、各母線11A〜11Eの電圧を変成器
(PT)21〜25から取込み、取込んだ情報を、広域
データ伝送網401を介して中央処理装置402に伝送
する。中央処理装置(CTE)402は、演算対象区間
の変流器の情報を用いて差動演算による保護演算を行
い、事故判定する。判定結果に応じて、関連する各端末
装置101に遮断器制御情報が伝送され、各端末装置1
01は、受信した遮断器制御情報に基づいて所定の処理
を行い、必要に応じて遮断器(CB)に制御出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統を広域に
亘って保護するための保護継電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力の安定供給に不可欠な電力系統保護
システムは、最近のマイクロプロセッサ技術や情報通信
技術を活用したものが主流になっている。例えば、送電
線保護リレーについては、ディジタル通信回線と組合せ
た高性能なディジタル電流差動リレーの適用が多数を占
めている。電流差動方式は、遮断器で区分された送電線
全端子の電流値を常時計測し、それをマイクロ波や光フ
ァイバ通信回線を用いて端子間で相互に交換し合って、
差動演算による事故判定を行うものである。
【0003】このような方式においては、全端子の電流
あるいは電圧を瞬時値レベルで同時にサンプリングする
必要がある。電流差動リレーでは、電流値のサンプリン
グタイミングを全端子にわたって同期(サンプリング同
期)化するため、専用の通信回線で電流値データととも
にサンプリングタイミングの同期化制御信号を端子間で
やり取りしている。
【0004】一方、主保護装置不動作時のバックアップ
を行う後備保護リレーについては、自端の情報のみで事
故の検出・除去を行う距離リレーが多く適用されてい
る。しかし、距離リレーによる後備保護は、電気協同研
究会第37巻第1号P−32〜36に記載されているよ
うに、時間協調を考慮して事故除去時間を遅く設定する
必要が生じる場合や、系統の分流誤差や負荷電流の影響
によって保護能力の低下する場合など、事故除去時間の
高速化や事故区間の選択性に課題がある。
【0005】具体的に、事故除去時間が遅れるケースと
しては、長距離送電線と短距離送電線が混在する系統
で、長距離送電線の対向母線事故を検出する目的の後備
保護第2段距離リレーが短距離線路の対向母線事故まで
を検出する整定値となる場合があり、短距離線路の後備
保護リレーと協調が取り難く、長距離送電線の後備保護
第2段の動作を遅延する必要がでてくる。このため、近
年では、動作時間の遅延やルート断および運用の煩雑さ
をなくす目的で、例えば、特開平6―276663号公
報に示されている後備保護方式や、従来の遮断器不動作
対策の向上策として特開平4―133614号公報に示
されている広域保護装置などが考えられている。以下に
は、このような従来技術の複数の例について具体的に説
明する。
【0006】[1.後備保護方式の例]まず、従来技術
の第1例として、動作時間の遅延やルート断および運用
の煩雑さをなくすための、後備保護方式について図24
を参照して説明する。ここで、図24は、特開平6―2
76663号公報に示されている従来の後備保護方式の
一例を示す構成図である。
【0007】この図24では、A、B、Cという3電気
所とそれを接続する2回線で構成された送電線を示して
いる。図中1001A,1001B甲,1001B乙,
1001C甲,1001C乙は、A電気所、B電気所、
C電気所の個々の母線をそれぞれ示している。そして、
1021,1022,1031,1032は、A、B電
気所間およびB、C電気所間をそれぞれ結ぶ個々の送電
線を示している。
【0008】また、1002A1CB,1002A2C
B,1002B1CB,1002B2CB,1003B
1CB,1003B2CB,1003C1CB,100
3C2CBは、送電線1021,1022,1031,
1032の両端の各遮断器(CB)をそれぞれ示してい
る。そして、1001BCB,1001CCBは、B電
気所、C電気所の母線連絡用遮断器をそれぞれ示してい
る。また、1002A1,1002A2,1002B
1,1002B2,1003B1,1003B2,10
03C1,1003C2は、送電線方向の事故を検出す
るためにA〜C電気所にそれぞれ設けられた個々の距離
リレー(DZ)である。
【0009】ここで、距離リレー(DZ)は、送電線の
対向端子80%程度までの事故を検出する第1段リレー
(DZ1)、次区間の120%程度に整定して対向母線
の事故を確実に検出する第2段リレー(DZ2)、次区
間事故を検出するために300%〜500%に整定され
た第3段リレー(DZ3)から構成されている。このう
ち、第2段リレー(DZ2)は、外部からの条件によっ
て設定した動作時限を変えることができる。
【0010】また、B−BD1,C−BD1,B−BD
2,C−BD2は、甲母線方向事故検出と乙母線方向事
故を検出するために、B電気所、C電気所の母線連絡用
CBをそれぞれ遮断する個々の母線分離リレー(BD)
であり、距離リレーで構成している。
【0011】一方、1004Bは、距離リレー(DZ)
や母線分離リレー(BD)の動作状態を伝送する転送制
御装置(TT)である。そして、1005TA,100
5TB,1006TB,1006TCは、A、B電気所
間およびB、C電気所間をそれぞれ結ぶ伝送装置であ
る。また、1005T,1006Tは伝送路であり、マ
イクロ無線の例で示している。
【0012】以上の構成による後備保護方式において、
B、C電気所間の送電線1031,1032が短距離送
電線で、A、B電気所間の送電線1021,1022が
長距離送電線であり、A電気所の距離リレー1002A
1,1002A2の第2段リレー(DZ2)がC電気所
母線の事故まで検出する整定となっている場合には、こ
の距離リレー1002A1,1002A2の第2段リレ
ー(DZ2)は、B電気所の距離リレー1003B1,
1003B2の第2段リレー(DZ2)より動作時限を
長くして使用する。
【0013】この場合、B電気所母線の事故も動作時間
が長いため、B電気所の母線分離リレーB−BD1また
はB−BD2の動作と距離リレー1003B1,100
3B2の第1段リレー(DZ1)が不動作という条件に
より、B電気所母線の事故と判定して、これを短縮する
転送信号をB電気所からA電気所へ送信し、A電気所の
距離リレー1002A1,1002A2の第2段リレー
(DZ2)のタイマ短縮制御を行うものである。
【0014】[2.遮断器不動作対策システムの例]次
に、従来技術の第2例として、遮断器不動作対策装置
(CBF装置)を用いたシステムについて説明する。図
25は、特開平4―133614号公報に示されている
従来のCBFシステムの一例を示す構成図である。
【0015】この図25では、甲および乙の二重母線と
甲母線に接続されたTL1〜TL4の送電線から成る電
力系統と、甲母線を保護対象とする母線保護装置210
1、送電線TL1を保護対象とする送電線保護装置21
02,2103、および遮断器CB1の遮断器不動作対
策装置2104を示している。各装置2101〜210
4の動作は次の通りである。
【0016】母線保護装置2101は、変流器CT2,
CT6,CT10,CT12,およびCT13から電流
を入力して、電流差動方式により甲母線事故の有無を判
定し、事故検出した場合には、遮断器CB1,CB3,
CB5〜CB7に遮断指令を出力する。
【0017】送電線保護装置2102は、変流器CT1
の電流と対向端子の送電線保護装置103から送信され
るCT4の電流とを入力とした電流差動方式により送電
線1における事故を判定し、事故を検出した場合には、
遮断器CB1へ遮断指令を出力する。この時、遮断器C
B2は、送電線保護装置2103から同様にして遮断指
令を出力する。この送電線保護には、一般に最近ではP
CM伝送を用いた電流差動リレーが適用される。PCM
伝送を用いた電流差動方式は、変流器CTの電流を対向
間で同一時刻にサンプリングするために、送電線保護装
置間でサンプリング同期制御を行っている。
【0018】遮断器不動作対策装置2104は、変流器
CT1の電流と送電線保護装置2102の遮断出力S2
102とを入力する。変流器CT1の電流は、過電流リ
レー2105に入力され、過電流リレー2105が動作
すると出力S2101を出力する。出力S2101と遮
断出力S2102との論理積が取られ、共に出力がある
とS2103として出力され、この出力が所定の時間だ
け遅らせる時限動作回路2106に入力され、時限動作
回路2106の出力S2106は、遮断器CB3,CB
5〜CB7の遮断指令となる。
【0019】このように、送電線事故時に遮断器CBへ
の遮断指令を出力した後でも、変流器CT1に電流が流
れ続けている場合には、遮断失敗と判定し、甲母線に接
続されている全ての回線の遮断のみに止め、被害の最小
限化を図っている。
【0020】[3.広域保護システムの例]次に、従来
技術の第3例として、従来の遮断器不動作対策装置の性
能を向上させた広域保護装置を用いたシステムについて
説明する。図26は、特開平4−133614号公報に
示されている従来の広域保護システムの一例を示す構成
図である。
【0021】この図26において、母線保護装置300
1は、甲母線の各端子電流を変流器CT2,CT6,C
T10,CT12,CT13から入力するために、ある
いは、サンプリング信号を個々の端末装置T1〜T5に
出力するために、光ファイバケーブルHBに接続されて
いる。
【0022】この母線保護装置3001からの光信号の
出力は、スターカプラ3002により、光ファイバケー
ブルH1〜H5を介して個々の端末装置T1〜T5にそ
れぞれ分配される。個々の端末装置T1〜T5は、入力
したサンプリング信号に従って、変流器CT2,CT
6,CT10,CT12,CT13からの電流入力をそ
れぞれディジタル信号に変換し、個々の光ファイバケー
ブルH1〜H5を介して母線保護装置3001にそれぞ
れ出力する。
【0023】母線保護装置3001は、光ファイバケー
ブルHBを介して入力した各端子電流を用いて、電流差
動保護方式により、甲母線における事故の有無を判定す
る。そして、甲母線における事故を検出した場合には、
個々のトリップ指令S1B〜S5Bを光ファイバケーブ
ルHBに出力する。
【0024】このトリップ指令S1B〜S5Bは、個々
の端末装置T1〜T5にそれぞれ入力され、対応する個
々の遮断器CB1,CB3,CB5〜CB7に出力され
る。送電線保護装置3003は、送電線TL1を保護す
るために、変流器CT1の電流と、相手端の送電線保護
装置3004からPCM伝送システム3005により送
信される変流器CT4の電流とを入力する。この場合、
送電線保護装置3003は、変流器CT1と変流器CT
4の電流を同時刻にサンプリングするため、送電線保護
装置3004との間でサンプリング同期制御を行なう。
【0025】このサンプリング同時制御によって得られ
たサンプリング信号は、変流器CT1の電流をディジタ
ル信号に変換するために使われると共に、広域保護装置
3006にサンプリング信号S1として出力される。送
電線保護装置3003は、ディジタル信号に変換された
変流器CT1および変流器CT4の電流を入力して、電
流差動方式により送電線1における事故の有無を判定す
ると共に、変流器CT1、CT4の電流のディジタル信
号を電流データS2A,S2Bとして広域保護装置30
06に出力する。送電線保護装置3003は、送電線T
L1の事故を検出した場合に、遮断器CB1にトリップ
指令S3を出力する。このとき、相手端の遮断器CB2
は、同様にして、送電線保護装置3004からのトリッ
プ指令S4により遮断される。
【0026】また、広域保護装置3006は、端末装置
T10、時間差算出手段3007、補正手段3008、
動作判定手段3009から構成されている。これらの構
成要素の動作は次の通りである。
【0027】端末装置T10は、母線保護装置3001
に入力される母線全端子電流とサンプリング信号を入力
し、個々の遮断器CB3,CB5〜CB7に、個々のト
リップ指令S2B〜S5Bを出力するために、光ファイ
バケーブルH10によりスターカプラ3002に接続さ
れている。時間差算出手段3007は、端末装置T10
から出力されるサンプリング信号S5と送電線保護装置
3003から出力されるサンプリング信号S1とを入力
して、この信号間の時間差を算出し、時間差データS6
を出力する。
【0028】補正手段3008は、端末装置T10から
出力されるディジタル信号化された母線全端子電流デー
タS7と時間差データS6とを入力する。そして、母線
端子電流データS7を時間差データS6が示す時間分で
補正した母線端子電流データを作成し、変流器CT2の
電流データS8Aと変流器CT2以外の電流データS8
Bを出力する。この補正により、送電線保護装置300
3,3004におけるサンプリング時刻と同じ時刻にサ
ンプリングされた母線端子電流データを得ることができ
る。
【0029】動作判定手段3009において、電流差動
リレー3010は、電流データS2Bと電流データS8
Bとを入力し、送電線TL1および甲母線における事故
の有無を判定する。そして、事故を検出した場合には、
トリップ信号S9を限時動作回路3011に出力する。
限時動作回路3011は、トリップ信号S9を入力後、
所定の時間経過後もなおトリップ信号S9が入力されて
いる場合に、トリップ信号S10を出力する。
【0030】一方、限時動作回路3012は、電流デー
タS8Aを入力し、その絶対値を加算演算後、遮断器C
B1に電流が流れているか否かを判定する。そして、遮
断器CB1に電流が流れている場合には、トリップ信号
S11を出力する。さらに、AND回路3013は、ト
リップ信号S10とトリップ信号S11とを入力し、共
に信号がある場合には、トリップ信号S12を出力す
る。このトリップ信号S12は、遮断器CB2を遮断す
るために送電線保護装置3003に出力されると共に、
遮断器CB3,CB5〜CB7を遮断するために端末装
置T10に出力される。
【0031】また、送電線保護装置3003は、トリッ
プ信号S12を入力すると、伝送データにトリップ信号
をのせることにより、相手端の送電線保護装置3004
に信号を伝送する。この技術は、一般に転送トリップと
して知られている。図示していないが、対向母線におい
ても、広域保護装置3006と全く同じ広域保護装置が
設置されており、送電線TL1とこの送電線TL1が接
続された母線とを保護する。
【0032】以上のように、図26の広域保護システム
は、まず、送電線保護装置の対向端の電流を入力する第
1の入力手段(送電線保護装置3003,3004)
と、母線保護装置3001における上記送電線端子以外
の端子の電流を入力する第2の入力手段(端末装置T1
0)と、送電線保護装置3003,3004と母線保護
装置3001のサンプリングタイミングの時間差を算出
する時間差算出手段3007を備えている。この広域保
護システムはまた、時間差算出手段の結果に基づき第2
の入力手段の出力を補正して第1の入力手段の出力電流
とサンプリングタイミングが等しい出力電流を出力する
補正手段3008と、第1の入力手段の出力電流と第2
の入力手段の出力電流とを入力して電流差動保護方式に
より動作判定を行なう動作判定手段3009を備えてい
る。そして、この動作判定手段3009は、事故を検出
した場合に、送電線の対向端および当該送電線端子以外
の母線端子の両方もしくはいずれか一方の遮断器にトリ
ップ指令を出力するように構成されている。
【0033】この広域保護システムにおいては、1つの
送電線とそれに接続する母線とを対象としていることか
ら、送電線および母線のいずれの事故に対しても、ま
た、送電線保護装置および母線保護装置を用いても遮断
器不動作で事故が除去できない場合であっても、送電線
の対向端および当該送電線端子以外の母線端子の遮断器
にトリップ指令を出力することができる。その結果、遮
断器不動作を確実に検出して影響を最小限にしている。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来例に
おいては、いずれも、事故除去時間の高速化、遮断器不
動作時の対策などについて、個別に性能を向上すること
は可能である。しかしながら、総合的な性能を考慮した
場合、高速・高感度で事故を検出し、最小区間で事故除
去を行う主保護機能を持ちながら、しかも、広域の電力
系統に亘って総合的な保護機能を有するシステムを実現
するものではない。
【0035】したがって、本発明の目的は、既存システ
ムで実現されてきた主保護機能を有し、送電線、母線、
変圧器等の事故を高速に・高感度に検出して最小区間で
即時に除去可能であり、かつ、遮断器や電圧変成器、電
流変成器などの関連機器の不良時や系統脱調時等におい
ても即時に対応可能な、広域の電力系統に亘って総合的
な保護機能を有する優れた広域保護システムとその方法
を提供することである。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、電力系統の所定の複数端子の電気量を
用いて電力系統の事故区間を判別し、事故区間に応じた
遮断器へ遮断指令を送出することによって事故除去を行
う電力系統の広域保護システムとその方法において、次
のような特徴を有するものである。すなわち、遮断器で
区分された保護区間の送電線各端子、母線区分、母線連
絡、変圧器各端子に関して所定の基準で個別に設けられ
た各端末装置(RTE)の入力電気量を、各RTEのデ
ータとして中央処理装置(CTE)へ送信し、CTE側
において各RTEのデータを用いて事故区間と事故様相
を判定し、判定結果に基づいて遮断器を開放して事故除
去を行うことにより、広域の電力系統の保護を可能とし
たものである。
【0037】請求項1に記載の広域保護システムは、デ
ータ取得手段、判定手段、制御情報送信手段、および制
御情報処理手段を有することを特徴としている。ここ
で、データ取得手段は、各RTEの入力電気量を、時刻
同期信号装置(STE)から得られるサンプリングタイ
ミングを元にディジタルデータに変換し、そのデータと
系統の運用状態をCTEへ送信する手段である。そし
て、判定手段は、CTE側においてデータ取得手段で得
られた各RTEのデータを用いて事故区間と事故様相を
判定する手段である。また、制御情報送信手段は、判定
手段の判定結果に基づいて決定されるRTEに対し、そ
の判定結果に基づいて決定される遮断器を制御するため
の遮断器制御情報を送信する手段であり、制御情報処理
手段は、RTE側において制御情報送信手段からの遮断
器制御情報を受信し、この遮断器制御情報に基づいて所
定の処理を行った上で、必要に応じて遮断器に対する制
御出力を行う手段である。
【0038】これらの手段のうち、判定手段は、データ
取得手段で得られた電流データを用いて差動演算を行う
ことにより、遮断器で区分された最小の事故区間と事故
様相を判定する最小区間判定機能を有する。また、制御
情報送信手段は、判定手段の前記最小区間判定機能によ
り事故区間と事故様相が判定された場合に、その事故区
間のRTEに対し、その判定結果に基づいて決定される
遮断器に遮断動作を行わせるための遮断指令を送信する
事故除去用の遮断指令送信機能を有する。
【0039】請求項11に記載の広域保護方法は、請求
項1に記載の広域保護システムを方法の側面から把握し
たものであり、請求項1のデータ取得手段、判定手段、
制御情報送信手段、および制御情報処理手段の機能にそ
れぞれ対応するステップを有することを特徴としてい
る。すなわち、データ取得手段の機能に対応するデータ
取得ステップ、判定手段の最小区間判定機能に対応する
最小区間判定ステップ、制御情報送信手段の事故除去用
の遮断指令送信機能に対応する事故除去用の遮断指令送
信ステップ、および制御情報処理手段の機能の一部に対
応する遮断指令処理ステップを有する。
【0040】請求項16に記載のプログラム記録媒体
は、請求項11に記載の広域保護方法をコンピュータに
実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であ
り、そのプログラムが、第1のコンピュータに、上記の
データ取得ステップおよび遮断指令処理ステップを実行
させる一方で、第2のコンピュータに、上記の最小区間
判定ステップおよび事故除去用の遮断指令送信ステップ
を実行させることを特徴としている。
【0041】以上のような請求項1、11、16に記載
の構成によれば、個々のRTEからの系統情報をCTE
側で即時的かつ効率よく活用して、遮断器で区分された
最小区間を対象とした差動演算を行うことにより、最小
の事故区間と事故様相を高速・高感度に検出し、事故区
間に応じた遮断器を遮断して事故を即時に除去すること
ができる。また、複数のRTE側で得たデータをCTE
側で総合的に判定し、判定結果に応じてRTE側に遮断
器制御情報を送信する方式であるため、回線単位で個別
に設けられた主保護装置と同等の主保護機能を有しなが
ら、しかも、1つのシステムで広域の電力系統を保護す
ることができる。
【0042】請求項2に記載の広域保護システムは、請
求項1に記載の広域保護システムにおいて、判定手段と
制御情報送信手段がそれぞれ付加的な機能を有すること
を特徴としている。すなわち、判定手段は、その最小区
間判定機能により判定された事故区間が再閉路可能な送
電線事故である場合に、制御情報送信手段の事故除去用
の遮断指令送信機能による先行遮断指令送信から所定時
間経過後に、その事故区間に隣接する母線間が同期投入
可能であるか否かを判定する同期判定機能を有する。ま
た、制御情報送信手段は、判定手段の同期判定機能によ
り母線間が同期投入可能であると判定された場合に、事
故区間のRTEに対し、遮断状態にある前記所定の遮断
器に投入動作を行わせるための投入指令を送信する同期
投入用の投入指令送信機能を有する。
【0043】この構成によれば、事故除去によって系統
が分離された場合に、迅速に事故を復旧し、分離された
系統を連系させることができる。すなわち、事故除去に
よって系統が分離された場合に、事故区間が再閉路可能
な送電線事故であれば、事故相遮断とその事故区間に隣
接する母線間同期を検出して再閉路を行わせることがで
きるため、速やかに事故を復旧することができる。
【0044】請求項3に記載の広域保護システムは、請
求項1に記載の広域保護システムにおいて、判定手段と
制御情報送信手段がそれぞれ付加的な機能を有すること
を特徴としている。すなわち、判定手段は、データ取得
手段で得られた電圧データを用いて所定の母線間電圧の
位相差を判定する位相差判定機能を有する。また、制御
情報送信手段は、判定手段の位相差判定機能により母線
間電圧に位相差の180度以上の変化があると判定され
た場合に、その母線を含む区間のRTEに対し、その判
定結果に基づいて決定される遮断器に遮断動作を行わせ
るための遮断指令を送信する脱調保護用の遮断指令送信
機能を有する。
【0045】この構成によれば、脱調保護を行い、電力
系統の安定した運転継続を図ることができる。すなわ
ち、電力系統に擾乱が生じた場合に、各発電機群は加速
・減速を生じ、ひいては脱調に至る可能性があるが、こ
の脱調に至ったことを複数の母線間電圧の位相差で検出
し、脱調軌跡が通過した区間を遮断することができるた
め、系統の運転継続を図ることができる。
【0046】請求項4に記載の広域保護システムは、請
求項1に記載の広域保護システムにおいて、判定手段と
制御情報送信手段がそれぞれ付加的な機能を有すること
を特徴としている。すなわち、判定手段は、その最小区
間判定機能による事故区間判定が、制御情報送信手段の
事故除去用の遮断指令送信機能による先行遮断指令送信
後にも解消されることなく所定時間以上継続している場
合に、前記RTEからの電流データを0とみなしてその
事故区間に隣接する区間の差動演算を行うことにより、
その事故区間を含む拡大区間の事故判定を行う拡大区間
判定機能を有する。また、制御情報送信手段は、判定手
段の拡大区間判定機能により拡大区間に事故ありと判定
された場合に、その拡大区間のRTEに対し、その判定
結果に基づいて決定される遮断器に遮断動作を行わせる
ための遮断指令を送信する遮断失敗対処用の遮断指令送
信機能を有する。
【0047】請求項12に記載の広域保護方法は、請求
項4に記載の広域保護システムを方法の側面から把握し
たものであり、請求項11に記載の広域保護方法におい
て、請求項4の判定手段および制御情報送信手段の各機
能にそれぞれ対応するステップを有することを特徴とし
ている。すなわち、判定手段の拡大区間判定機能に対応
する拡大区間判定ステップ、および制御情報送信手段の
遮断失敗対処用の遮断指令送信機能に対応する遮断失敗
対処用の遮断指令送信ステップを有する。
【0048】以上のような請求項4、12に記載の構成
によれば、遮断器不動作時の事故に対しても確実な保護
を行うことができる。すなわち、遮断器不動作によって
事故区間の遮断に失敗した場合においても、所定時間以
上の事故判定継続によりその遮断失敗を検出し、その事
故区間を含む隣接区間の遮断器に遮断指令を出すことに
より、単独のシステムで事故除去を行うことができ、事
故除去時間の短縮を図ることができる。
【0049】請求項5に記載の広域保護システムは、請
求項1に記載の広域保護システムにおいて、判定手段と
制御情報送信手段がそれぞれ付加的な機能を有すること
を特徴としている。すなわち、判定手段は、データ取得
手段で得られたデータを用いてRTEのいずれかに不良
があるか否かを判定するRTE不良判定機能と、このR
TE不良判定機能によりRTE不良が判定された場合
に、その不良RTEを囲む他のRTEのデータを用いて
差動演算する区間を拡大し、拡大差動演算を行うことに
より、その拡大区間の事故判定を行う拡大区間判定機能
とを有する。また、制御情報送信手段は、判定手段の拡
大区間判定機能により拡大区間に事故ありと判定された
場合に、その拡大区間の他のRTEに対し、不良RTE
の所轄する遮断器を先行遮断するための先行遮断指令を
送信する不良RTE対処用の遮断指令送信機能を有す
る。
【0050】さらに、判定手段は、制御情報送信手段の
不良RTE対処用の遮断指令送信機能による先行遮断指
令送信から所定時間経過後に、不良RTEを含む最小の
各保護区間の差動演算を行うことにより、最小の事故区
間を判定するRTE不良区間判定機能を有する。そし
て、制御情報送信手段は、判定手段のRTE不良区間判
定機能により判定された事故区間のRTEに対し、その
判定結果に基づいて決定される遮断器に遮断動作を行わ
せるための遮断指令を送信するRTE不良区間事故除去
用の遮断指令送信機能を有する。
【0051】請求項13に記載の広域保護方法は、請求
項5に記載の広域保護システムを方法の側面から把握し
たものであり、請求項11に記載の広域保護方法におい
て、請求項5の判定手段および制御情報送信手段の各機
能にそれぞれ対応するステップを有することを特徴とし
ている。すなわち、判定手段のRTE不良判定機能と拡
大区間判定機能にそれぞれ対応するRTE不良判定ステ
ップと拡大区間判定ステップ、制御情報送信手段の不良
RTE対処用の遮断指令送信機能に対応する不良RTE
対処用の遮断指令送信ステップ、判定手段のRTE不良
区間判定機能に対応するRTE不良区間判定ステップ、
および制御情報送信手段のRTE不良区間事故除去用の
遮断指令送信機能に対応するRTE不良区間事故除去用
の遮断指令送信ステップを有する。
【0052】以上のような請求項5、13に記載の構成
によれば、RTE不良時の事故に対しても確実な保護を
行うことができる。すなわち、RTE不良を検出し、そ
の不良RTEを含む拡大区間の事故判定を行い、その拡
大区間に事故がある場合には、その不良RTEの所轄す
る遮断器を先行遮断すると共に、所定時間経過後にその
拡大区間内の最小の事故区間を検出し、事故区間に応じ
た遮断器を遮断して事故を即時に除去することができ
る。
【0053】請求項6に記載の広域保護システムは、請
求項1に記載の広域保護システムにおいて、制御情報処
理手段が付加的な機能を有することを特徴としている。
すなわち、制御情報処理手段は、RTEに入力される系
統電気量を用いて事故検出を行う事故検出機能と、CT
Eから受信した遮断器制御情報がその事故検出機能によ
って得られる情報と一致する場合にのみ、その遮断器制
御情報に応じて遮断器に対する制御出力を行う制御情報
評価機能を有する。
【0054】この構成によれば、CTE側からの遮断器
制御情報が誤っている場合であっても、遮断器に対する
誤った制御出力を回避することができる。すなわち、C
TE不良や、伝送装置や伝送系の異常、あるいは、RT
E内の故障により、CTE側から受信した遮断器制御情
報が誤っている場合には、この情報がRTE側の事故検
出機能による情報と一致しないことを利用して、遮断器
に対する誤った制御出力を回避することができるため、
信頼性を向上できる。
【0055】請求項7に記載の広域保護システムは、請
求項1に記載の広域保護システムにおいて、RTE側に
識別手段とCTE不良検出手段を有すると共に、制御情
報処理手段が付加的な機能を有することを特徴としてい
る。ここで、識別手段は、RTE側において、RTEの
入力電気量を、STEから得られるサンプリングタイミ
ングを元にディジタルデータに変換し、そのデータを使
用して事故方向と事故区間を識別する手段であり、CT
E不良検出手段は、RTE側においてCTEの不良およ
びCTEとの間の伝送不良を検出する手段である。ま
た、制御情報処理手段は、CTE側不良検出手段によっ
てCTE不良や伝送不良を検出した場合に、識別手段の
出力に基づいて決定される遮断器に対する制御出力を行
うバックアップ用の制御出力機能を有する。
【0056】請求項14に記載の広域保護方法は、請求
項7に記載の広域保護システムを方法の側面から把握し
たものであり、請求項11に記載の広域保護方法におい
て、請求項7の識別手段、CTE不良検出手段、および
制御情報処理手段の各機能にそれぞれ対応するステップ
を有することを特徴としている。すなわち、識別手段の
機能に対応する識別ステップ、CTE不良検出手段に対
応するCTE不良検出ステップと、および制御情報処理
手段のバックアップ用の制御出力機能に対応するバック
アップ用の制御出力ステップを有する。
【0057】以上のような請求項7、14に記載の構成
によれば、CTE側の不良時においても、RTE単独で
保護機能を継続することができる。すなわち、CTE不
良や、伝送装置や伝送系の異常時に、RTE側でそれら
の不良や異常を検出した場合には、RTE側の事故検出
機能やそれに応じた制御出力機能などのバックアップ機
能を活用することにより、RTE単独で保護機能を継続
することができ、信頼性を向上できる。
【0058】請求項8に記載の広域保護システムは、請
求項1に記載の広域保護システムにおいて、データ取得
手段が付加的な機能を有することを特徴としている。す
なわち、データ取得手段は、各RTEの入力電気量を、
STEから得られるサンプリングタイミングを元にディ
ジタルデータに変換し、そのデータと系統の運用状態
に、前記STEから得られるサンプリング時刻と差動演
算対象となる端子名を付加して演算対象端子情報を含む
データとし、このデータを複数のCTEへ送信するよう
に構成される。
【0059】この構成によれば、CTE側の不良時にお
いても、別の健全なCTEで保護機能を継続することが
できる。すなわち、RTEのデータ伝送先のCTEや伝
送系に不良を生じた場合には、別の健全なCTEに伝送
することにより、この健全なCTEにおいて演算対象端
子情報に基づき、必要なデータを容易に取得することが
できるため、この健全なCTEで保護機能を継続するこ
とができ、信頼性を向上できる。
【0060】請求項9に記載の広域保護システムは、請
求項1に記載の広域保護システムにおいて、データ取得
手段が付加的な機能を有することを特徴としている。す
なわち、データ取得手段は、各RTEの入力電気量を、
STEから得られるサンプリングタイミングを元にディ
ジタルデータに変換し、そのデータと系統の運用状態
に、STEから得られるサンプリング時刻と固有のCT
Eを指定する符号を付加して宛先指定情報を含むデータ
とし、このデータを複数の前記CTEへ送信するように
構成される。
【0061】この構成によれば、CTE不良時において
も、別の健全なCTEで保護機能を継続することができ
る。すなわち、宛先指定情報を利用することにより、C
TEとRTEを固定の伝送路で接続する必要なしに、適
当な伝送路を使用して指定されたCTEにデータを効率
よく送信することができるため、データ伝送先のCTE
に不良を生じた場合においても、別の健全なCTEにデ
ータを送信してこの健全なCTEで保護機能を継続する
ことができる。したがって、信頼性を向上でき、また、
伝送効率にも優れている。
【0062】請求項10に記載の広域保護システムは、
請求項1に記載の広域保護システムにおいて、データ取
得手段が付加的な機能を有すると共に、RTE側にCT
E不良検出手段と伝送先切替手段を有することを特徴と
している。すなわち、データ取得手段は、各RTEのデ
ータを複数のCTEへ送信するように構成される。ま
た、CTE不良検出手段は、RTE側においてCTEの
不良を検出する手段であり、伝送先切替手段は、CTE
不良検出手段によってCTE不良を検出した場合に、そ
の時点でこの不良CTEを伝送先としているRTEの情
報伝送先を健全CTEに変更する手段である。
【0063】請求項15に記載の広域保護方法は、請求
項10に記載の広域保護システムを方法の側面から把握
したものであり、請求項11に記載の広域保護方法にお
いて、請求項10のデータ取得手段、CTE不良検出手
段、および伝送先切替手段にそれぞれ対応するデータ取
得ステップ、CTE不良検出ステップ、および伝送先切
替ステップを有することを特徴としている。
【0064】以上のような請求項10、15に記載の構
成によれば、CTE不良時においても、別の健全なCT
Eで保護機能を継続することができる。すなわち、CT
E不良を生じた場合に、RTE側でその不良を検出した
場合には、データ伝送先を切り換えて別の健全なCTE
にデータを送信することができるため、この健全なCT
Eで保護機能を継続することができ、信頼性を向上でき
る。
【0065】
【発明の実施の形態】[1.第1の実施の形態]以下に
は、本発明による第1の実施の形態として、請求項1、
11に記載の発明に係る基本的な広域保護システムの実
施の形態を、図1〜図4を用いて説明する。
【0066】[1−1.システム構成]図1は、広域保
護システムの構成の概略を示す構成図であり、10は電
力系統を示している。そして、11A〜11Eは、電力
系統10に含まれる個々の電気所の母線を示しており、
12A〜12Dは、電気所間を結ぶ送電線を示してい
る。また、14−1〜14−4,15−1〜18−1
は、変流器(CT)と遮断器(CB)を同一符号で示し
たものであり、21〜25は、変成器(PT)を示して
いる。
【0067】一方、101−1〜101−Nは、端末装
置(RTE)を示しており、これらの端末装置(RT
E)は、遮断器で区分された保護区間の送電線各端子、
母線区分、母線連絡、変圧器各端子に関して所定の基準
で個別に設けられている。また、202は、GPS(G
robal Positioning System)
または地上の伝送路を使用して時刻同期を得る地上系同
期網であり、201はその同期信号を分配する時刻同期
網(時刻同期信号装置:STE)である。
【0068】さらに、401は、広域データ伝送網を示
しており、例えば、マイクロ波あるいは光伝送により構
成されている。また、402は、中央処理装置(CT
E)を示している。この中央処理装置は、MPUを内蔵
し、演算機能や伝送用の送受信機能などを有しており、
端末装置(RTE)からのデータを元に保護演算および
シーケンス演算を行うようになっている。
【0069】[1−2.システム動作]以上のような構
成を有する図1のシステム動作の概略は次の通りであ
る。各端末装置(RTE)101は、GPSまたは地上
系同期網202によって得られ、時刻同期網(STE)
201を用いて分配されるサンプリングタイミングに基
づき、電力系統10の各部の電流を変流器(CT)14
−1〜14−4,15−1〜18−1から取込むと共
に、各母線11A〜11Eの電圧を変成器(PT)21
〜25から取込む。各端末装置101は、取込んだ電力
系統10の情報を、広域データ伝送網401を介して中
央処理装置402に伝送する。
【0070】中央処理装置(CTE)402は、各端末
装置(RTE)101から伝送された電力系統10の情
報に基づき、遮断器で区分された最小の事故区間と事故
様相を判定するために、差動演算による保護演算を行
う。この保護演算において、中央処理装置402は、演
算対象区間に応じて選択された変流器の情報を用いる。
中央処理装置402は、例えば、送電線12Aの保護演
算においては、この送電線12Aの対向端に設けられた
変流器14−1,15−1の情報を用いる。また、母線
11Aの保護演算においては、この母線11Aの各端に
設けられた変流器14−1〜14−4の情報を用いる。
保護演算によって得られた判定結果に応じて、遮断器を
開閉するための遮断器制御情報が、中央処理装置402
から広域データ伝送網401を介して関連する各端末装
置101に伝送される。各端末装置101は、中央処理
装置(CTE)402から伝送された遮断器制御情報に
基づいて所定の処理を行い、必要に応じて遮断器(C
B)に対する制御出力を行う。
【0071】[1−3.端末装置の構成]図2は、端末
装置(RTE)101の構成の概略を示す構成図であ
り、入力部301、出力部302、データ送受信部30
3、およびSP同期制御部304から構成されている。
各部301〜304の機能は次の通りである。
【0072】入力部301は、母線11に接続される送
電線12における電流を、変流器(CT)から取込む機
能と、母線11における電圧を変成器(PT)から取込
む機能を有する。SP同期制御部304は、時刻同期信
号装置(STE)201からサンプリング同期用の情報
を取込む機能と、電流、電圧取込みのサンプリングタイ
ミングを決定する機能を有する。データ送受信部303
は、広域データ伝送網401に電流、電圧情報を伝送出
力する機能と、中央処理装置402からの遮断器制御情
報を受信する機能を有する。出力部302は、データ送
受信部303で受信した遮断器制御情報に基づいて所定
の処理を行った上で、必要に応じて遮断器(CB)に対
する制御出力を行う機能を有する。
【0073】[1−4.中央処理装置の構成]図3は、
中央処理装置(CTE)402の構成の概略を示す構成
図であり、データ送受信部311、データ制御部(メモ
リ部)312、データバス313、演算処理部314、
および判定処理部315から構成されている。各部31
1〜315の機能は次の通りである。
【0074】データ送受信部311は、広域データ伝送
網401から系統情報を取込む機能と、判定処理部31
5における事故区間と事故様相の判定処理結果を広域デ
ータ伝送網401に伝送出力する機能を有する。データ
制御部(メモリ部)312は、データ送受信部311に
て受信した各端末装置(RTE)101からの系統情報
を一時的にメモリすることにより、各端末装置(RT
E)101から中央処理装置(CTE)402に対して
広域データ伝送網401を介して伝送される系統情報の
伝送遅延時間の差を吸収する機能を有する。演算処理部
314は、データ制御部(メモリ部)312に蓄えられ
た系統情報に基づき、電流差動原理による保護演算を実
施する機能を有する。判定処理部315は、演算処理部
314による保護演算結果があらかじめ設定された検出
レベルを超過したことを条件として事故区間と事故様相
を判定する機能を有する。
【0075】[1−5.端末装置の具体的構成]図4
は、端末装置(RTE)101の具体的構成の一例を示
す構成図であり、電流用入力変換器102、電圧用入力
変換器103、アナログフィルタ(AF)104、アナ
ログ/デジタル変換部(ADC)105、データバス1
06、サンプリングクロック部(SP)107、入出力
部(I/O)108、データ送受信部109、機器情報
入力回路110、および遮断器制御出力回路111から
構成されている。各構成要素102〜111の機能は次
の通りである。
【0076】入力変換器102,103は、電力系統に
設置された変流器(CT)および変成器(PT)から端
末装置(RTE)101に取込まれた各電気量を、電圧
信号に変換する機能を有する。アナログフィルタ(A
F)104は、入力変換器102,103の出力を入力
として、系統に含まれる演算に不要な高周波成分を除去
する機能を有する。アナログ/デジタル変換部(AD
C)105は、アナログフィルタ(AF)104の出力
をサンプリングすることによって、デジタル信号に変換
する機能を有する。サンプリングクロック部(SP)1
07は、時刻同期信号装置(STE)201から取込む
サンプリング同期用情報に基づき、アナログ/デジタル
変換部(ADC)105におけるサンプリングタイミン
グを決定する機能を有する。
【0077】機器情報入力回路110は、遮断器(C
B)や断路器(LS)などの機器の開閉状態を取込む機
能を有する。入出力部(I/O)108は、機器情報入
力回路110から取込まれる系統の機器状態情報をデジ
タル信号に変換する機能と、データ送受信部109で取
込まれた遮断器制御情報を遮断器制御出力回路111を
介して遮断器(CB)に制御出力する機能を有する。デ
ータ送受信部109は、アナログ/デジタル変換部(A
DC)105において取得されたデジタル量を広域デー
タ伝送網401に伝送出力する機能と、中央処理装置
(CTE)402から伝送される遮断器制御情報を受信
する機能を有する。
【0078】[1−6.時刻同期信号装置の構成]図5
は、時刻同期信号装置(STE)201の構成の概略を
示す構成図であり、タイミング抽出回路211および分
配回路212から構成されている。タイミング抽出回路
211は、GPSまたは地上系同期網202から時刻情
報を取込み、端末装置(RTE)101のサンプリング
タイミング同期用情報を生成する機能を有する。分配回
路212は、単独あるいは複数の端末装置(RTE)1
01に対してサンプリングタイミング同期用情報を出力
する機能を有する。なお、これらの回路は既に実用化さ
れているものである。
【0079】[1−7.中央処理装置の事故除去処理]
図6は、中央処理装置(CTE)402における事故除
去処理の概略を示すフローチャートであり、処理A1〜
A4から構成されている。この事故除去処理の流れは次
の通りである。
【0080】まず、処理A1において、データ制御部
(メモリ部)312(図3)から電流値を取込み、次
に、処理A2において、演算処理部314(図3)によ
り、遮断器で区分された最小区間を対象として電流差動
原理による保護演算を実施する。この処理A2について
は、複数の送電線#1〜#Nの各送電線区間や複数の母
線#1〜#Nの各母線区間等、多数の保護区間の各々を
対象として個別の差動演算を行うが、これに伴い、続く
処理A3,A4についても、各対象区間毎に個別の処理
を行う。
【0081】そして、処理A3においては、判定処理部
315(図3)により、処理A2による保護演算結果が
あらかじめ設定された検出レベルを超過していることを
条件として各対象区間が最小の事故区間であるか否かを
判定する。この処理A3においてその対象区間が最小の
事故区間であると判定された場合には、次の処理A4に
おいて、データ送受信部311により、その最小の事故
区間を構成する遮断器に接続された端末装置(RTE)
101に対し、当該遮断器の遮断指令を出力する。
【0082】[1−8.事故除去動作の具体例]例え
ば、図1の電力系統10の送電線12Aにおいて系統故
障が発生した場合には、送電線12Aの対向端の変流器
(CT)14−1,15−1から取込まれた電流情報を
用いた保護演算により、送電線区間12Aが最小の事故
区間として判定される。この判定結果に基づいて、中央
処理装置(CTE)402から、送電線区間12Aの両
端の遮断器14−1,15−1に接続された端末装置
(RTE)101に対し、当該遮断器への遮断指令が出
力される。当該端末装置(RTE)101においては、
広域データ伝送網401を介して中央処理装置(CT
E)402からの遮断指令が受信され、この遮断指令に
基づき、当該端末装置(RTE)101から遮断器(C
B)14−1,15−1に対して遮断指令が出力され、
送電線区間12Aの事故が除去される。
【0083】[1−9.作用・効果]以上のように、本
実施の形態に係る広域保護システムによれば、個々の端
末装置(RTE)101で得られた電流情報を中央処理
装置(CTE)402で即時的に取込みながら効率よく
活用して、遮断器で区分された最小区間を対象として電
流差動原理による保護演算を行うことにより、送電線、
母線、変圧器等の最小の事故区間と事故様相を高速・高
感度に検出し、事故区間に応じた遮断器を遮断して事故
を即時に除去することができる。
【0084】また、複数の端末装置(RTE)101で
得たデータを用いて中央処理装置(CTE)402で総
合的に判定し、判定結果に基づいて決定される遮断器を
制御するための遮断器制御情報を、その遮断器に接続さ
れた端末装置(RTE)101に送信する方式であるた
め、従来の回線単位で設置された電流差動原理を用いる
主保護装置と同等の主保護機能を有しながら、しかも、
1つのシステムで広域の電力系統を保護することができ
る。
【0085】したがって、本実施の形態に係る広域保護
システムによれば、既存システムで実現されてきた主保
護機能を有しながら、しかも、広域の電力系統に亘って
送電線、母線、変圧器等の事故を高速に・高感度に検出
して即時に除去可能な、優れた広域保護システムを実現
できる。
【0086】[2.第2の実施の形態]以下には、本発
明による第2の実施の形態として、請求項2に記載の発
明に係る同期投入を可能とした広域保護システムの実施
の形態を、図7〜図9を用いて説明する。なお、本実施
の形態に係る広域保護システムは、基本的に前記第1の
実施の形態に係る広域保護システムと同様の構成および
作用・効果を有するものであり、第1の実施の形態に係
るシステムの保護機能に、同期投入機能を付加したもの
であるため、以下には、この同期投入機能に関する特徴
のみを説明する。
【0087】[2−1.同期投入の原理]図7は、本実
施の形態に係る広域保護システムにおいて行われる同期
投入の原理の概略を示す原理図である。この図7におい
て、送電線12Aの対向端に接続された端末装置(RT
E)101A,101Bは、時刻同期信号装置(ST
E)201A,201Bから取込んだ同期情報を元にサ
ンプリングタイミングを決定し、変成器21,22から
母線電圧値をサンプリングして、デジタル情報として取
得する。得られた電圧値は、広域データ伝送網401を
介して、中央処理装置(CTE)402に伝送される。
【0088】中央処理装置(CTE)402は、送電線
区間12Aにおいて系統故障が発生し、その両端の遮断
器(CB)14−1,15−1が遮断され、母線11
A,11Bが異回路となった場合に、広域データ伝送網
401から取込んだ電圧情報を元に、母線11A,11
B間の電圧位相差の演算を行う。中央処理装置(CT
E)402は、算出された電圧位相差があらかじめ設定
された値より小さい場合には、同期投入可能と判定し、
送電線12Aの両端の端末装置101A,101Bに対
して、遮断器(CB)14−1,15−1の投入指令を
出力し、母線11A,11Bを再び連系させる。
【0089】[2−2.同期投入処理]図8は、中央処
理装置(CTE)402における同期投入処理の概略を
示すフローチャートであり、処理B1〜B9から構成さ
れている。この処理の流れは次の通りである。
【0090】まず、処理B1において、データ制御部
(メモリ部)312(図3)から電流値を取込み、次
に、処理B2において、遮断器で区分された最小区間を
対象として電流差動原理による保護演算を実施する。こ
の処理B2については、複数の送電線#1〜#Nの各送
電線区間や複数の母線#1〜#Nの各母線区間等、多数
の保護区間の各々を対象として個別の差動演算を行う
が、これに伴い、続く処理B3〜B9についても、各対
象区間毎に個別の処理を行う。
【0091】そして、処理B3においては、処理B2に
よる保護演算結果があらかじめ設定された検出レベルを
超過していることを条件として各対象区間が最小の事故
区間であるか否かを判定する。この処理B3においてそ
の対象区間が最小の事故区間であると判定された場合
は、次の処理B4において、その最小の事故区間を構成
する遮断器に接続された端末装置(RTE)101に対
し、当該遮断器(CB)の遮断指令を出力する。
【0092】この後、処理B5において、あらかじめ設
定された一定時間(T)の経過を待ち、次の処理B6に
おいて、事故区間に隣接する母線11A,11Bの電圧
位相判定を行う。次の処理B7において、一方の母線1
1Aの電圧VAに対する母線11Bの電圧VBの位相差
Θがあらかじめ設定された位相角kにとどまっているこ
とを判定する。さらに、処理B8において、母線11
A,11Bの電圧VA,VBの大きさがあらかじめ設定
された所定範囲内にとどまっていることを判定する。次
の処理B9において、中央処理装置(CTE)402
は、処理B4によって遮断した遮断器(CB)に接続さ
れた端末装置(RTE)101に対し、当該遮断器(C
B)の投入指令を出力する。
【0093】[2−3.電圧位相判定の原理]図9は、
中央処理装置(CTE)402によって行われる電圧位
相判定の原理の概略を示す原理図である。この図9にお
いては、一方の母線11Aの電圧をVA、他方の母線1
1Bの電圧をVBとしている。そして、一方の電圧VA
を基準電圧とし、他方の電圧VBが持つ電圧VAとの位
相差Θの絶対値を評価する。すなわち、この位相差Θの
絶対値が、あらかじめ設定されている位相差kよりも小
さく、電圧VAと電圧VBの大きさが、ともにあらかじ
め設定された範囲内にあることを条件として、中央処理
装置(CTE)402は、母線11Aと母線11Bが同
期投入可能な状態であると判定する。
【0094】[2−4.作用・効果]以上のように、本
実施の形態に係る広域保護システムによれば、事故除去
によって系統が分離された場合に、事故区間が再閉路可
能な送電線事故であれば、事故相遮断後にその事故区間
に隣接する母線の電圧情報を中央処理装置(CTE)4
02で即時的に取込みながら効率よく活用して同期判定
を行うことにより、母線間同期を検出して再閉路できる
ため、速やかに事故を復旧することができる。したがっ
て、本実施の形態に係る広域保護システムによれば、前
記第1の実施の形態の効果に加えて、事故相遮断後に迅
速に事故を復旧し、分離された系統を連系させることが
できる、という効果が得られる。
【0095】[3.第3の実施の形態]以下には、本発
明による第3の実施の形態として、請求項3に記載の発
明に係る脱調保護を可能とした広域保護システムの実施
の形態を、図10および図11を用いて説明する。な
お、本実施の形態に係る広域保護システムは、基本的に
前記第1の実施の形態に係る広域保護システムと同様の
構成および作用・効果を有するものであり、第1の実施
の形態に係るシステムの保護機能に、脱調保護機能を付
加したものであるため、以下には、この脱調保護機能に
関する特徴のみを説明する。
【0096】[3−1.システム構成]図10は、広域
保護システムの構成の概略を示す構成図である。この図
10においてVA 〜VC は、各母線11A〜11Cの電
圧ベクトルであり、端末装置(RTE)101によって
取込まれ、中央処理装置(CTE)402に伝送される
ようになっている。中央処理装置(CTE)402は、
伝送されてきた各電圧値を用いて電力系統10における
脱調現象が発生しているか否かを判定する機能を有す
る。保護区間内において脱調現象が発生したと判定した
場合、中央処理装置(CTE)402は、脱調現象の発
生が判定された区間の中から最小の保護区間を選択し、
選択された区間を構成する遮断器に接続された適当な端
末装置(RTE)101に対して当該遮断器の遮断指令
を出力する機能を有する。
【0097】[3−2.脱調判定の原理]図11は、中
央処理装置(CTE)402によって行われる脱調判定
の原理の概略を示す原理図であり、位相角90度から1
80度までの領域をα、位相角180度から270まで
の領域をβとしている。この図11において、VA 〜V
Cは、保護区間に含まれる各母線11A〜11C(図1
0)について、端末装置(RTE)101により取込ま
れた電圧ベクトルを示している。中央処理装置(CT
E)402は、各2つの電圧ベクトルの位相角、すなわ
ち、電圧ベクトルVA,VB の位相角、電圧ベクトルV
B ,VC の位相角、および電圧ベクトルVC ,VA の位
相角をそれぞれ演算し、その演算結果から、保護区間内
に脱調現象が発生したか否かを判定する。
【0098】ここでは、一例として、電圧ベクトル
A ,VC による脱調判定を取り上げて説明する。一方
の電圧ベクトルVA を基準位相とすると、この電圧ベク
トルVAはX軸上(0度方向)のベクトルとして表され
る。また、他方の電圧ベクトルVC は電圧ベクトルVA
との位相角を持ったベクトルとして表される。この条件
において、中央処理装置(CTE)402は、VC が領
域αに入った後、領域βに遷移した場合に、送電線区間
12B(図10)に脱調現象が発生したものと判定す
る。また、同じ条件において、電圧ベクトルVC が領域
βに入った後、領域αに遷移した場合も、同様に送電線
区間12Bに脱調現象が発生したものと判定する。
【0099】[3−3.作用・効果]以上のように、本
実施の形態に係る広域保護システムによれば、保護区間
内に脱調現象が発生した場合にこれを判定することによ
り、速やかに脱調保護を行うことができる。すなわち、
電力系統に擾乱が生じた場合に、各発電機群は加速・減
速を生じ、ひいては脱調に至る可能性があるが、保護区
間内に脱調ローカスが存在することを複数の母線間電圧
の位相差を用いて判定し、脱調軌跡が通過した区間の遮
断器(CB)を遮断することができるため、電力系統の
安定した運用を継続させることができる。したがって、
本実施の形態に係る広域保護システムによれば、前記第
1の実施の形態の効果に加えて、脱調現象が発生した場
合に迅速に脱調保護を行い、系統の運転継続を図ること
ができる、という効果が得られる。
【0100】[4.第4の実施の形態]以下には、本発
明による第4の実施の形態として、請求項4、12に記
載の発明に係る、遮断器不動作時の保護を可能とした広
域保護システムの実施の形態を、図12〜14を用いて
説明する。なお、本実施の形態に係る広域保護システム
は、基本的に前記第1の実施の形態に係る広域保護シス
テムと同様の構成および作用・効果を有するものであ
り、第1の実施の形態に係るシステムの保護機能に、遮
断器不動作時の保護機能を付加したものであるため、以
下には、この遮断器不動作時の保護機能に関する特徴の
みを説明する。
【0101】[4−1.遮断器不動作時の事故除去処
理]図12は、中央処理装置(CTE)402における
遮断器不動作(CBF)時の事故除去処理の概略を示す
フローチャートであり、処理C1〜C8から構成されて
いる。この処理の流れは次の通りである。
【0102】まず、処理C1において、データ制御部
(メモリ部)312(図3)から電流値を取込み、次
に、処理C2において、遮断器で区分された最小区間を
対象として電流差動原理による保護演算を実施する。こ
の処理C2においては、複数の送電線#1〜#Nの各送
電線区間や複数の母線#1〜#Nの各母線区間等、多数
の保護区間の各々を対象として個別の差動演算を行う
が、これに伴い、続く処理C3〜C8についても、各対
象区間毎に個別の処理を行う。
【0103】そして、処理C3においては、処理C2に
よる保護演算結果があらかじめ設定された検出レベルを
超過していることを条件として各対象区間が最小の事故
区間であるか否かを判定する。この処理C3においてそ
の対象区間が最小の事故区間であると判定された場合
は、次の処理C4において、その最小の事故区間を構成
する遮断器に接続された端末装置(RTE)101に対
し、当該遮断器(CB)の遮断指令を出力する。
【0104】この処理C4による遮断指令出力後、処理
C5において、あらかじめ設定された一定時間(T)の
経過を待ち、次の処理C6において、一定時間(T)経
過後も事故判定が解消されることなく継続していること
を条件として、系統に事故除去失敗(CBF)が生じた
か否かを判定する。この処理C6において事故除去失敗
と判定された場合は、次の処理C7において、処理C3
により事故区間と判定した区間の変流器(CT)から取
込む電流を“0”とみなし、拡大差動演算を行う。すな
わち、その事故区間に隣接する各最小区間を対象として
個別の差動演算を行う。
【0105】そして、処理C8においては、処理C7に
おける差動演算結果があらかじめ設定された検出レベル
を超過していることを条件としてその拡大区間の事故判
定を行う。この処理C8においてその拡大区間に事故あ
りと判定された場合には、次の処理C9において、その
事故区間を構成する遮断器(CB)に接続された端末装
置(RTE)101に対し、当該遮断器の遮断指令を出
力する。
【0106】[4−2.送電線区間における事故除去失
敗時の具体例]図13は、送電線区間における事故除去
失敗(CBF)時の具体例として、送電線区間12Aの
f地点で事故が発生した際に遮断器14−1が遮断失敗
した場合を示す説明図である。以下には、この場合の中
央処理装置(CTE)402の動作について説明する。
【0107】まず、処理C1において、変流器(CT)
14−1,15−1から取込まれた電流値を取込み、次
に、処理C2において、遮断器(CB)で区分された最
小区間である送電線区間12Aを対象として電流差動原
理による保護演算を実施する。そして、処理B3におい
ては、処理C2による保護演算結果があらかじめ設定さ
れた検出レベルを超過していることを条件として事故区
間を判定し、送電線区間12Aが事故区間であると判定
される。この判定に応じて、次の処理C4において、送
電線区間12Aを構成する遮断器(CB)14−1,1
5−1に接続された端末装置(RTE)101に対し、
それらの遮断器の遮断指令を出力する。
【0108】この処理C4による遮断指令出力後、処理
C5において、あらかじめ設定された一定時間(T)の
経過を待ち、次の処理C6において、一定時間(T)経
過後も事故判定が解消されることなく継続していること
を条件として事故除去の成否を判定し、系統に事故除去
失敗(CBF)が生じたことが判定される。この判定に
応じて、処理C7においては、処理C3により事故区間
と判定した送電線区間12Aの変流器(CT)14−
1,15−1から取込む電流を“0”とみなし、この送
電線区間12Aに隣接する区間を構成する変流器(C
T)から取込まれた電流を用いてその隣接区間の差動演
算を行う。
【0109】すなわち、この例においては、母線区間1
1Aを構成する変流器(CT)14−1〜14−4から
取込まれた電流を用いて、その母線区間11Aの差動演
算を行うと共に、母線11Bにおいても変流器(CT)
15−1を含む保護区間の差動演算を行う。この時点
で、遮断器(CB)15−1は、処理C4によって遮断
が完了しており、変流器(CT)15−1から取込まれ
る電流は“0”となっているため、母線11bにおいて
変流器(CT)15−1を含む保護区間の差動演算では
事故は検出されない。
【0110】そして、処理C8においては、処理C7に
おける差動演算結果があらかじめ設定された検出レベル
を超過していることを条件として事故判定し、その結
果、変流器(CT)14−1を含む隣接区間である母線
区間11Aに事故ありと判定される。次の処理C9にお
いては、その事故ありと判定された母線区間11Aを構
成する遮断器(CB)14−2〜14−4に接続された
端末装置(RTE)101に対し、それらの遮断器の遮
断指令を出力する。
【0111】[4−3.母線区間における事故除去失敗
時の具体例]図14は、母線区間における事故除去失敗
(CBF)時の具体例として、母線区間11Aで事故が
発生した際に遮断器(CB)14−1が遮断失敗した場
合を示す説明図である。以下には、この場合の中央処理
装置(CTE)402の動作について説明する。
【0112】まず、処理C1において、変流器(CT)
14−1〜14−4から取込まれた電流値を取込み、次
に、処理C2において、遮断器(CB)で区分された最
小区間である母線区間11Aを対象として電流差動原理
による保護演算を実施する。そして、処理C3において
は、処理C2による保護演算結果があらかじめ設定され
た検出レベルを超過していることを条件として事故区間
を判定し、母線区間11Aが事故区間であると判定され
る。この判定に応じて、次の処理C4において、母線区
間11Aを構成する遮断器(CB)14−1〜14−4
に接続された端末装置(RTE)101に対し、それら
の遮断器の遮断指令を出力する。
【0113】この処理C4による遮断指令出力後、処理
C5において、あらかじめ設定された一定時間(T)の
経過を待ち、次の処理C6において、一定時間(T)経
過後も事故判定が解消されることなく継続していること
を条件として事故除去の成否を判定し、系統に事故除去
失敗(CBF)が生じたことが判定される。この判定に
応じて、処理C7においては、処理C3により事故区間
と判定した母線区間11Aの変流器(CT)14−1〜
14−4から取込む電流を“0”とみなし、この母線区
間11Aに隣接する区間を構成する変流器(CT)から
取込まれた電流を用いてその隣接区間の差動演算を行
う。
【0114】すなわち、この例においては、母線区間1
1Aに隣接する送電線区間12Aを構成する変流器(C
T)14−1,15−1から取込まれた電流を用いて差
動演算を行うと共に、母線区間11Aに隣接する他の送
電線12B〜12Dにおいても、同様に、変流器(C
T)14−2〜14−4をそれぞれ含む保護区間につい
て同様の差動演算を行う。この時点で、遮断器(CB)
14−2〜14−4は、処理C4によって遮断が完了し
ており、変流器(CT)14−2〜14−4から取込ま
れる電流は“0”となっているため、送電線12Bにお
いて変流器(CT)14−2を含む保護区間、送電線1
2Cにおいて変流器(CT)14−3を含む保護区間、
送電線12Dにおいて変流器(CT)14−4を含む保
護区間、のいずれの差動演算においても事故は検出され
ない。
【0115】そして、処理C8においては、処理C7に
おける差動演算の結果があらかじめ設定された検出レベ
ルを超過していることを条件として事故判定し、その結
果、変流器(CT)14−1を含む隣接区間である送電
線区間12Aに事故ありと判定される。次の処理C9に
おいては、その事故ありと判定された送電線区間12A
を構成する遮断器(CB)15−1に接続された端末装
置(RTE)101に対し、その遮断器の遮断指令を出
力する。
【0116】[4−4.作用・効果]以上のように、本
実施の形態に係る広域保護システムによれば、遮断器不
動作によって事故区間の遮断に失敗した場合において
も、所定時間以上の事故判定継続によりその遮断器不動
作を検出し、その事故区間を含む隣接区間の遮断器に遮
断指令を出力することにより、単独のシステムで事故除
去を行うことができ、事故除去時間の短縮を図ることが
できる。
【0117】以下には、遮断器不動作時の事故除去時間
について図15を用いて説明する。ここで、図15は、
差動演算の動作時間が30ms、遮断器の動作時間が4
0msである場合の遮断器不良時における広域保護シス
テムによる事故除去時間の一例を示すタイムチャートで
ある。この図15に示すように、差動演算後の電流値制
御までの動作継続確認時間が40ms、電流値制御後の
動作時間が30ms、中央処理装置(CTE)402か
ら端末装置(RTE)101へ伝送される遮断指令の伝
送遅延時間および端末装置(RTE)101での処理時
間の合計が10msである場合には、事故除去時間は1
50msとなる。したがって、従来の距離リレーによる
約200msの事故除去時間に比べて事故除去時間を大
幅に短縮でき、従来より大幅に高速な事故除去が可能と
なる。
【0118】したがって、本実施の形態に係る広域保護
システムによれば、前記第1の実施の形態の効果に加え
て、単独のシステムで遮断器不良時の事故除去を行うこ
とが可能であり、また、遮断器不良時には従来の距離リ
レーに比べて高速に事故除去することができる、という
効果が得られる。
【0119】[5.第5の実施の形態]以下には、本発
明による第5の実施の形態として、請求項5、13に記
載の発明に係る、端末装置故障時の保護を可能とした広
域保護システムの実施の形態を、図16および図17を
用いて説明する。なお、本実施の形態に係る広域保護シ
ステムは、基本的に前記第1の実施の形態に係る広域保
護システムと同様の構成および作用・効果を有するもの
であり、第1の実施の形態に係るシステムの保護機能
に、端末装置故障時の保護機能を付加したものであるた
め、以下には、この端末装置故障時の保護機能に関する
特徴のみを説明する。
【0120】[5−1.端末装置故障時の事故除去処
理]図16は、中央処理装置(CTE)402における
端末装置(RTE)101故障時の事故除去処理の概略
を示すフローチャートであり、処理D1〜D8から構成
されている。この事故除去処理の流れは次の通りであ
る。
【0121】まず、処理D1において、端末装置(RT
E)101から取込んだ伝送情報(電流値)を、データ
制御部(メモリ部)312(図3)から取込み、次に、
処理D2において、処理D1で取込んだ伝送情報の様相
から、端末装置(RTE)101に不良があるか否かを
判定する。この処理D2において、端末装置(RTE)
101に不良があると判定された場合には、続く処理D
3において、その不良と判定された端末装置(RTE)
101を含む最小の保護区間を拡大し、この拡大区間を
対象として差動演算を行う。
【0122】そして、処理D4においては、処理D3に
おける保護演算結果があらかじめ設定された検出レベル
を超過していることを条件としてその拡大区間の事故判
定を行う。この処理D4においてその拡大区間に事故あ
りと判定された場合には、次の処理D5において、処理
D2で不良と判定された端末装置(RTE)に接続され
た遮断器を遮断するための遮断指令を、その拡大区間の
他の端末装置(RTE)に対して出力する。
【0123】この処理D5による遮断指令出力後、処理
D6において、あらかじめ設定された一定時間(T)の
経過を待ち、次の処理D7において、一定時間(T)経
過後も事故判定が解消されることなく継続しているか否
かを判定する。そして、処理D7において、事故継続と
判定された場合は、次の処理D8において、区分差動演
算として、処理D2で不良と判定された端末装置(RT
E)を含む各最小保護区間を対象として個別の差動演算
を行う。
【0124】そして、処理D9においては、処理D8に
おける差動演算結果があらかじめ設定された検出レベル
を超過していることを条件としてその区間の事故判定を
行う。この処理D9において事故ありと判定された場合
には、次の処理D10において、その事故ありと判定さ
れた区間を構成する遮断器(CB)に接続された端末装
置(RTE)に対し、当該遮断器の遮断指令を出力す
る。
【0125】[5−2.端末装置故障時の事故除去処理
の具体例]図17は、端末装置故障時の事故除去処理の
具体例として、端末装置(RTE)101Aで不良が発
生した場合を示す説明図である。以下には、この場合の
中央処理装置(CTE)402の動作について説明す
る。
【0126】まず、送電線区間12Aでの事故を検出す
るため、変流器(CT)15−1,14−1から取込ま
れて端末装置(RTE)101D,101Aを介して伝
送される伝送情報を取込み、この伝送情報を用いて保護
演算を行う。この状態で、端末装置(RTE)101A
の不良が発生すると、これに接続された変流器(CT)
14−1の電流情報を取込むことができなくなるため、
変流器(CT)14−1,15−1で構成する送電線区
間12A、および変流器(CT)14−1,14−2,
14−5で構成する母線区間11Aを対象とした保護演
算が実施できなくなる。
【0127】この場合に、本システムにおいては、端末
装置(RTE)101Aから取込んだ伝送情報に基づい
て不良が生じたことを検出した(処理D1,D2)後、
拡大差動演算を行う(処理D3)ことにより、保護区間
11A,12Aでの保護機能を継続させる。すなわち、
不良を生じた端末装置(RTE)101Aを囲む周囲の
端末装置(RTE)101B〜10Dから、変流器(C
T)14−2,14−5,15−1の電流を取込み、こ
れらの変流器によって構成される拡大区間についての差
動演算を行うことにより、保護区間11A,12Aの保
護機能を継続させる。
【0128】そして、不良を生じた端末装置(RTE)
101Aに接続された変流器(CT)14−1を含む保
護区間11A,12Aのいずれかで系統事故が発生し、
中央処理装置(CTE)402で事故を検出した場合
(処理D4)は、最初に不良が検出された端末装置(R
TE)101Aに接続された遮断器(CB)14−1を
遮断するための遮断指令を、その拡大区間の他の端末装
置(RTE)101Cに対して出力する(処理D5)。
遮断指令後、あらかじめ設定された一定時間(T)が経
過した(処理D6)後も事故が継続していると判定され
た場合(処理D7)には、保護区間11A,12Aにつ
いてそれぞれ差動演算を実施する(処理D8)。さら
に、保護演算結果があらかじめ設定された検出レベルを
超過していることを条件として事故の有無を判定し、一
方の区間に事故ありと判定された場合(処理D9)に
は、その事故ありと判定された区間を構成する遮断器
(CB)に接続された端末装置(RTE)101に対し
てその遮断器の遮断指令を出力する。
【0129】[5−3.作用・効果]以上のように、本
実施の形態に係る広域保護システムによれば、端末装置
(RTE)101が故障している場合でも、この故障端
末装置に隣接する端末装置から伝送される情報を用い
て、差動演算を行う範囲を拡大することにより、広域保
護システムの事故検出機能を継続することができる。ま
た、拡大された区間内で事故が検出された場合には、故
障端末が接続される遮断器に先行して遮断指令を出力す
ることにより、系統の停電範囲を最低限にとどめること
ができる。さらに、遮断指令出力後においても拡大した
保護範囲で事故の検出を行うことができるため、先行す
る遮断指令で事故除去できなかった場合でも、周囲の遮
断器を遮断することにより、確実に事故除去することが
可能となる。
【0130】したがって、本実施の形態に係る広域保護
システムによれば、前記第1の実施の形態の効果に加え
て、端末装置不良時にその不良端末装置を含む区間で事
故が生じた場合でも、系統の停電範囲を最低限にとどめ
ながら確実に事故除去を行うことができる、という効果
が得られる。
【0131】[6.第6の実施の形態]以下には、本発
明による第6の実施の形態として、請求項6に記載の発
明に係る、端末装置に事故検出機能を持たせた広域保護
システムの実施の形態を、図18を用いて説明する。な
お、本実施の形態に係る広域保護システムは、基本的に
前記第1の実施の形態に係る広域保護システムと同様の
構成および作用・効果を有するものであり、第1の実施
の形態に係るシステムの端末装置(CTE)に事故検出
機能を付加したものであるため、以下には、この事故検
出機能に関する特徴のみを説明する。
【0132】[6−1.端末装置の具体的構成]図18
は、端末装置(RTE)101の具体的構成の一例を示
す構成図であり、基本的に、前記第1の実施の形態に係
る図4の端末装置と同様の構成を有している。すなわ
ち、電流用入力変換器102、電圧用入力変換器10
3、アナログフィルタ(AF)104、アナログ/デジ
タル変換部(ADC)105、データバス106、サン
プリングクロック部(SP)107、入出力部(I/
O)108、データ送受信部109、機器情報入力回路
110、および遮断器制御出力回路111を有してい
る。
【0133】図18の端末装置(RTE)101におい
ては、この構成に加えて、さらに、端末装置(RTE)
単独の事故検出機能部(FD)として、電流用入力変換
器112、電圧用入力変換器113、アナログフィルタ
(AF)114、アナログ/デジタル変換部(ADC)
115、データバス116、演算処理部(CPU)11
7、および入出力部(I/O)118を有している。ま
た、図中119は、制御情報評価機能を実現するための
AND回路である。
【0134】以上のような各構成要素のうち、構成要素
102〜111の機能は、基本的に、前述した図4の端
末装置の構成要素と同様であるが、本システムにおいて
は、データ送受信部109で取込まれて入出力部(I/
O)108から出力された遮断器制御情報108Aは、
遮断器制御出力回路111を介してそのまま出力される
のではなく、AND回路119に送られるようになって
いる。
【0135】また、事故検出機能部(FD)の構成要素
112〜118のうち、電流用入力変換器112、電圧
用入力変換器113、アナログフィルタ(AF)11
4、およびアナログ/デジタル変換部(ADC)115
の各々の機能は、電流用入力変換器102、電圧用入力
変換器103、アナログフィルタ(AF)104、およ
びアナログ/デジタル変換部(ADC)105の各々の
機能と同様である。すなわち、これらの構成要素112
〜115によって、電力系統の変流器(CT)および変
成器(PT)から端末装置に取込まれた各電気量が処理
され、アナログ/デジタル変換部(ADC)105から
デジタル信号として出力される。
【0136】一方、事故検出機能部(FD)の演算処理
部(CPU)117は、アナログ/デジタル変換部(A
DC)115の出力であるデジタル情報を用いて保護演
算を行い、電力系統10に事故が生じているか否かを検
出する機能と、電力系統10に系統事故を検出した場合
に、入出力部(I/O)118を介して、その検出結果
に応じた遮断器制御情報118Aを出力する機能を有す
る。
【0137】この事故検出機能(FD)からの遮断器制
御情報118Aは、中央処理装置(CTE)402から
受信した遮断器制御情報108Aと同様に、AND回路
119に送られるようになっている。すなわち、このA
ND回路119の使用により、中央処理装置(CTE)
からの遮断器制御情報108Aは、端末装置(RTE)
独自で得た遮断器制御情報118Aとが一致する場合に
のみ、遮断器制御出力回路111を介して遮断器(C
B)に制御出力されるようになっている。
【0138】[6−2.作用・効果]以上のような構成
を有する本実施の形態に係る広域保護システムにおい
て、中央処理装置(CTE)402、広域データ伝送網
401、端末装置(RTE)101内の故障などによ
り、中央処理装置(CTE)側から受信した遮断器制御
情報108Aが誤っている場合には、この遮断器制御情
報108Aが端末装置(RTE)101独自の遮断器制
御情報118Aと一致しないため、遮断器(CB)に対
して誤った制御出力が行われることはない。すなわち、
遮断器(CB)に対して誤った遮断指令を出力して電力
系統10を不要に停電させるような事態を確実に防止で
きる。
【0139】したがって、本実施の形態に係る広域保護
システムによれば、前記第1の実施の形態の効果に加え
て、誤った遮断器制御情報に基づく遮断器への制御出力
を確実に防止可能であり、電力系統の不要な停電を防止
できるため、信頼性を高めることができる、という効果
が得られる。
【0140】[7.第7の実施の形態]以下には、本発
明による第7の実施の形態として、請求項7、14に記
載の発明に係る、端末装置にバックアップ機能を持たせ
た広域保護システムの実施の形態を、図19を用いて説
明する。なお、本実施の形態に係る広域保護システム
は、基本的に前記第6の実施の形態に係る広域保護シス
テムと同様の構成および作用・効果を有するものであ
り、第6の実施の形態に係るシステムの端末装置(CT
E)にバックアップ機能を付加したものであるため、以
下には、このバックアップ機能に関する特徴のみを説明
する。
【0141】[7−1.端末装置の具体的構成]図19
は、端末装置(RTE)101の具体的構成の一例を示
す構成図であり、基本的に、前記第6の実施の形態に係
る図18の端末装置と同様の構成要素102〜119を
有しており、これらの構成要素102〜119の機能
は、前述した図18の端末装置の構成要素と同様であ
る。
【0142】図19の、端末装置(RTE)101にお
いては、この構成に加えて、さらに、演算処理部(CP
U)120が設けられており、データバス106を介し
て、アナログ/デジタル変換部(ADC)105、入出
力部(I/O)108、およびデータ送受信部109に
接続されている。この演算処理部(CPU)120は、
データ送受信部109に中央処理装置(CTE)402
からの伝送データが到着しなくなったことや、伝送デー
タに不整合な情報があることを検出した場合に、中央処
理装置(CTE)402や伝送系に何らかの異常が生じ
ており、正常に機能しないものと判定する機能を有す
る。
【0143】演算処理部(CPU)120はまた、中央
処理装置(CTE)402や伝送系が機能しないと判定
した場合には、アナログ/デジタル変換部(ADC)1
05の出力であるデジタル情報を用いて保護演算を行
い、電力系統10に事故が生じているか否かを検出する
機能と、この保護演算の結果、電力系統10の系統事故
を検出した場合には、既存の方向要素、距離要素などに
よる保護演算を行い、距離継電器として、入出力部(I
/O)108を介して遮断器制御情報108Bを出力す
る機能を有する。
【0144】[7−2.作用・効果]以上のような構成
を有する本実施の形態の広域保護システムにおいて、中
央処理装置(CTE)402や広域データ伝送網401
に故障があり、それらが機能しない場合には、端末装置
(RTE)101の演算処理部(CPU)120でその
ことを検出して、それ以降は、端末装置(RTE)10
1に設けたバックアップ機能を活用して、端末装置(R
TE)101単独で保護機能を継続することができる。
すなわち、端末装置(RTE)101側で保護演算を行
うことにより、端末装置側での事故検出を可能とし、事
故を検出した場合には、検出結果に応じた遮断器制御情
報を出力して遮断器(CB)を動作させ、確実に事故除
去を行うことができる。
【0145】したがって、本実施の形態に係る広域保護
システムによれば、前記第6の実施の形態の効果に加え
て、中央処理装置や伝送系に故障を生じた場合でも、端
末装置側に設けたバックアップ機能を活用することによ
り、端末装置単独で保護機能を継続することが可能であ
り、信頼性を高めることができる、という効果が得られ
る。
【0146】[8.第8の実施の形態]以下には、本発
明による第8の実施の形態として、請求項8に記載の発
明に係る、中央処理装置を切り替える機能を持たせた広
域保護システムの実施の形態を、図20および図21を
用いて説明する。なお、本実施の形態に係る広域保護シ
ステムは、基本的に前記第1の実施の形態に係る広域保
護システムと同様の構成および作用・効果を有するもの
であり、第1の実施の形態に係るシステムにおいて、中
央処理装置を切り替える機能を付加したものであるた
め、以下には、この機能に関する特徴のみを説明する。
【0147】すなわち、本システムの特徴は、端末装置
(RTE)101において、変流器(CT)から取込ん
だ電流値の情報に、時刻同期信号装置(STE)から取
得した時刻同期情報を付加すると共に、どの端子の電流
情報を対象として差動演算するかを表す演算対象端子情
報を付加して中央処理装置(CTE)402に伝送する
点である。そして、伝送先の中央処理装置(CTE)4
02に故障を生じた場合には、別の中央処理装置(CT
E)402によって時刻同期情報と演算対象端子情報を
利用し、差動演算に必要な情報を容易に取得できるよう
にしたものである。以下には、中央処理装置と端末装置
の処理について順次説明する。
【0148】[8−1.中央処理装置の事故除去処理]
図20は、中央処理装置(CTE)402における事故
除去処理の概略を示すフローチャートであり、処理E1
〜E6から構成されている。この事故除去処理の流れは
次の通りである。
【0149】まず、処理E1において、データ制御部
(メモリ部)312(図3)から電流値を取込み、次
に、処理E2において、演算が要求されている演算対象
端子から取得された電流値を中央処理装置(CTE)4
02自身が取込んでいるか否かを確認する。処理E2に
おいて、その演算対象端子の電流値を取り込んでいない
ことを確認した場合には、次の処理E3において、適当
な端末装置(RTE)101から必要な電流情報を取込
む。この場合、本システムにおいては、前述したよう
に、端末装置(RTE)101から伝送される情報中
に、時刻同期信号装置(STE)から取得した時刻同期
情報と、どの端子の電流情報を対象として差動演算する
かを表す演算対象端子情報が含まれているため、これら
の時刻同期情報および演算対象端子情報を利用して必要
な電流情報を容易に取込むことができる。
【0150】続いて、処理E4において、遮断器で区分
された最小区間を対象として電流差動原理による保護演
算を実施する。そして、処理E5において、保護演算結
果があらかじめ設定された検出レベルを超過しているこ
とを条件として事故区間を判定する。この処理E5にお
いて事故区間と判定された場合は、続く処理E6におい
て、遮断器で区分された最小区間を構成する遮断器に接
続された(RTE)101に対し、当該遮断器の遮断指
令を出力する。
【0151】[8−2.中央処理装置故障時の切替処
理]図21は、中央処理装置(CTE)402が故障し
た場合の端末装置(RTE)101における中央処理装
置の切替処理の概略を示すフローチャートであり、処理
F1〜F6から構成されている。この切替処理の流れは
次の通りである。
【0152】まず、処理F1において変流器(CT)か
ら電流値を取込み、次に、処理F2において、時刻同期
信号装置(STE)から取得した時刻同期情報を、処理
F1で取込んだ電流情報に付加する。次の処理F3で
は、処理F2において得られた情報に演算対象端子情報
を追加する。そして、処理F4において、中央処理装置
(CTE)402に故障があるか否かを判定し、故障が
あると判定された場合は、続く処理F5において、電流
情報の伝送先となる中央処理装置(CTE)402の切
替を行う。次の処理F6において、伝送先の中央処理装
置(CTE)402に対して、電流情報を伝送出力す
る。
【0153】[8−3.作用・効果]以上のように、本
実施の形態に係る広域保護システム装置によれば、端末
処理装置(RTE)101において、中央処理装置(C
TE)402、広域データ伝送網401に故障があった
ことを検出した場合に、保護演算を実施する伝送先中央
処理装置を切替える機能を持たせた上で、中央処理装置
に対して電流情報に保護演算に必要な同期時刻情報や演
算対象端子情報を付加して伝送することにより、新たに
選択された中央処理装置では、保護演算に必要な電流情
報を容易に取得して保護機能を継続することができる。
【0154】したがって、本実施の形態に係る広域保護
システムによれば、前記第1の実施の形態の効果に加え
て、中央処理装置や伝送系に故障が生じた場合でも、別
の健全な中央処理装置によって容易に保護機能を継続す
ることが可能であり、信頼性を高めることができる、と
いう効果が得られる。
【0155】[9.第9の実施の形態]以下には、本発
明による第9の実施の形態として、請求項9に記載の発
明に係る、中央処理装置を切り替える機能を持たせた広
域保護システムの実施の形態を、図22を用いて説明す
る。なお、本実施の形態に係る広域保護システムは、基
本的に前記第1の実施の形態に係る広域保護システムと
同様の構成および作用・効果を有するものであり、第1
の実施の形態に係るシステムにおいて、中央処理装置を
切り替える機能を付加したものであるため、以下には、
この機能に関する特徴のみを説明する。
【0156】[9−1.伝送フォーマットの構成]図2
2は、端末装置(RTE)101から中央処理装置(C
TE)402に伝送される情報の伝送フォーマットの概
略を示す説明図である。この図22に示すように、伝送
フォーマットは、中央処理装置指定部501、電気量情
報502、機器開閉情報503、およびサンプリングタ
イミング情報504などから構成されている。これらの
情報の詳細は次の通りである。
【0157】中央処理装置指定部501に含まれる情報
は、中央処理装置(CTE)402毎に固有な符号であ
り、広域データ伝送網401は、この情報を参照して伝
送情報を目的の中央処理装置(CTE)402に到達さ
せることができる。電気量情報502は、端末装置(R
TE)101において、変流器(CT)、変成器(P
T)から得た系統10の電気量をサンプリングしたもの
である。機器開閉情報503は、遮断器(CB)や断路
器(LS)などの開閉状態に関する情報である。サンプ
リングタイミング情報504は、端末装置(RTE)1
01において系統の電気量をサンプリングした時刻に関
する情報である。なお、電気量情報502、機器開閉情
報503、およびサンプリングタイミング情報は、中央
処理装置(CTE)において実施される保護演算に用い
られる。
【0158】[9−2.作用・効果]本実施の形態に係
る広域保護システム装置によれば、以上のように、伝送
情報の中に宛先指定情報を含めることにより、中央処理
装置(CTE)402と端末装置(RTE)101との
間を固定された伝送路で接続する必要なしに、適当な伝
送路を使用してその指定された中央処理装置(CTE)
402に伝送情報を効率よく送信することができる。こ
のため、端末装置(RTE)101において、中央処理
装置(CTE)402の故障を検出した場合において
も、その宛先指定情報を利用することにより、伝送路を
固定する必要なしに、伝送先を別の適当な中央処理装置
に切り替えることができ、容易に保護機能を継続させる
ことができる。
【0159】したがって、本実施の形態に係る広域保護
システムによれば、前記第1の実施の形態の効果に加え
て、中央処理装置に故障が生じた場合でも、伝送路を固
定する必要なしに、適当な伝送路を使用して、別の適当
な中央処理装置によって容易に保護機能を継続すること
が可能であるため、信頼性を高めることができ、また、
伝送効率にも優れている、という効果が得られる。
【0160】[10.第10の実施の形態]以下には、
本発明による第10の実施の形態として、請求項10、
15に記載の発明に係る、中央処理装置を切り替える機
能を持たせた広域保護システムの実施の形態を、図23
を用いて説明する。なお、本実施の形態に係る広域保護
システムは、基本的に前記第1の実施の形態に係る広域
保護システムと同様の構成および作用・効果を有するも
のであり、第1の実施の形態に係るシステムにおいて、
中央処理装置を切り替える機能を付加したものであるた
め、以下には、この機能に関する特徴のみを説明する。
【0161】[10−1.中央処理装置故障時の切替処
理の具体例]図23は、中央処理装置(CTE)402
が故障した場合の切替処理の具体例として、複数の中央
処理装置(CTE)402が存在し、中央処理装置(R
TE)402Aが故障した場合を示す説明図である。以
下には、この場合のシステムの動作について説明する。
【0162】まず、端末装置(RTE)101は、広域
データ伝送網401を介し、電流情報を伝送する。この
電流情報の伝送経路は点線で表している。端末装置(R
TE)101は、中央処理装置(CTE)402Aが故
障した場合、広域データ伝送網301を介して電流情報
を伝送することが可能な別の健全な中央処理装置(CT
E)402Bに対して電流情報を伝送する。この中央処
理装置(CTE)402Bは、伝送されてきた電流情報
を用いて、中央処理装置(CTE)402Aが故障以前
まで実施していたのと同様の保護演算を実施することに
より、系統保護機能を肩代わりする。同時に、自身が実
施していた保護演算を継続する。
【0163】[10−2.作用・効果]以上のように、
本実施の形態に係る広域保護システム装置によれば、中
央処理装置(CTE)402Aが故障した場合であって
も、端末装置(RTE)101において電流情報の伝送
先を別の中央処理装置(CTE)402Bに変更し、新
たな伝送対象となった中央処理処理(CTE)402B
において保護演算対象を拡大することにより、保護機能
を継続することができる。
【0164】したがって、本実施の形態に係る広域保護
システムによれば、前記第1の実施の形態の効果に加え
て、中央処理装置に故障が生じた場合でも、別の健全な
中央処理装置の保護演算対象を拡大して容易に保護機能
を継続することが可能であり、信頼性を高めることがで
きる、という効果が得られる。
【0165】[11.他の実施の形態]なお、本発明
は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、前記
複数の実施の形態を適宜組み合わせるなど、本発明の範
囲内で他にも多種多様な形態が実施可能である。例え
ば、本発明で使用する中央処理装置や各端末装置の具体
的な構成や動作は適宜選択可能である。また、システム
を構成するデータ取得手段、判定手段、制御情報送信手
段、および制御情報処理手段などの各種の手段や、これ
らの手段が有する各種の機能については、各種のハード
ウェア資源やソフトウェア資源を適宜組み合わせて実現
可能である。
【0166】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、各端
末装置(RTE)の入力電気量を、各RTEのデータと
して中央処理装置(CTE)へ送信し、CTE側におい
て各RTEのデータを用いて事故区間と事故様相を判定
し、判定結果に基づいて遮断器を開放して事故除去を行
うことにより、送電線、母線、変圧器等の事故を高速に
・高感度に検出して最小区間で即時に除去可能な主保護
機能を有し、広域の電力系統に亘って総合的な保護機能
を有する優れた広域保護システムとその方法を提供する
ことができる。
【0167】また、中央処理装置側に各種の付加的な判
定機能を持たせることにより、端末装置側で取込んだデ
ータを用いて、遮断器や電圧変成器、電流変成器などの
関連機器の不良や系統脱調、端末装置自身の不良等を検
出することができるため、各状況に応じて即時に対応可
能であり、保護機能を向上できる。さらに、端末装置自
身に事故検出機能を持たせたり、システムに中央処理装
置の切り替え機能を持たせることにより、中央処理装置
や伝送系に故障を生じた場合でも、保護機能を継続で
き、システムの信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態に係る広域保護
システムの構成の概略を示す構成図である。
【図2】図1の広域保護システムにおいて、端末装置
(RTE)の構成の概略を示す構成図である。
【図3】図1の広域保護システムにおいて、中央処理装
置(CTE)の構成の概略を示す構成図である。
【図4】図1の広域保護システムにおいて、端末装置
(RTE)の具体的構成の一例を示す構成図である。
【図5】図1の広域保護システムにおいて、時刻同期信
号装置(STE)の構成の概略を示す構成図である。
【図6】図1の広域保護システムにおいて、中央処理装
置(CTE)における事故除去処理の概略を示すフロー
チャートである。
【図7】本発明による第2の実施の形態に係る広域保護
システムにおいて行われる同期投入の原理の概略を示す
原理図である。
【図8】本発明による第2の実施の形態に係る広域保護
システムにおいて、中央処理装置(CTE)における同
期投入処理の概略を示すフローチャートである。
【図9】本発明による第2の実施の形態に係る広域保護
システムにおいて、中央処理装置(CTE)によって行
われる電圧位相判定の原理の概略を示す原理図である。
【図10】本発明による第3の実施の形態に係る広域保
護システムの構成の概略を示す構成図である。
【図11】図3の広域保護システムにおいて、中央処理
装置(CTE)によって行われる脱調判定の原理の概略
を示す原理図である。
【図12】本発明による第4の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、中央処理装置(CTE)における
遮断器不動作(CBF)時の事故除去処理の概略を示す
フローチャートである。
【図13】本発明による第4の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、送電線区間における事故除去失敗
(CBF)時の具体例を示す説明図である。
【図14】本発明による第4の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、母線区間における事故除去失敗
(CBF)時の具体例を示す説明図である。
【図15】本発明による第4の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、遮断器不良時における事故除去時
間の一例を示すタイムチャートである。
【図16】本発明による第5の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、中央処理装置(CTE)における
端末装置(RTE)故障時の事故除去処理の概略を示す
フローチャートである。
【図17】本発明による第5の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、端末装置故障時の事故除去処理の
具体例を示す説明図である。
【図18】本発明による第6の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、端末装置(RTE)の具体的構成
の一例を示す構成図である。
【図19】本発明による第7の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、端末装置(RTE)の具体的構成
の一例を示す構成図である。
【図20】本発明による第8の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、中央処理装置(CTE)における
事故除去処理の概略を示すフローチャートである。
【図21】本発明による第8の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、中央処理装置(CTE)が故障し
た場合の端末装置(RTE)における中央処理装置の切
替処理の概略を示すフローチャートである。
【図22】本発明による第9の実施の形態に係る広域保
護システムにおいて、端末装置(RTE)から中央処理
装置(CTE)に伝送される情報の伝送フォーマットの
概略を示す説明図である。
【図23】本発明による第10の実施の形態に係る広域
保護システムにおいて、中央処理装置(CTE)が故障
した場合の切替処理の具体例を示す説明図である。
【図24】従来の後備保護方式の一例を示す構成図であ
る。
【図25】従来のCBFシステムの一例を示す構成図で
ある。
【図26】従来の広域保護システムの一例を示す構成図
である。
【符号の説明】
10…電力系統 11A〜11E…母線 12A〜12D…送電線 14−1〜14−4,15−1〜18−1…変流器(C
T)または遮断器(CB) 21〜25…変成器(PT) 101,101−1〜101−N,101A〜101E
…端末装置(RTE) 102,112…電流用入力変換器 103,113…電圧用入力変換器 104,114…アナログフィルタ(AF) 105,115…アナログ/デジタル変換部(ADC) 106,116…データバス 107…サンプリングクロック部(SP) 108…入出力部(I/O) 109…データ送受信部 110…機器情報入力回路 111…遮断器制御出力回路 117,120…演算処理部(CPU) 118…入出力部(I/O) 119…AND回路 201,201A,201B…時刻同期網(時刻同期信
号装置:STE) 202…GPSまたは地上系同期網 211…タイミング抽出回路 212…分配回路 301…入力部 302…出力部 303…データ送受信部 304…SP同期制御部 311…データ送受信部 312…データ制御部(メモリ部) 313…データバス 314…演算処理部 315…判定処理部 401…広域データ伝送網 402,402A,402B…中央処理装置(CTE) 501…中央処理装置指定部 502…電気量情報 503…機器開閉情報 504…サンプリングタイミング情報
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02J 13/00 311 H02J 13/00 311R (72)発明者 今村 弘 東京都狛江市岩戸北2−11−1 財団法人 電力中央研究所内 (72)発明者 堀 政夫 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 犬飼 道彦 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 竹内 純 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 杉浦 秀昌 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 鏡 敏朗 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 5G058 EE03 EH02 EH03 5G064 AA04 AC01 AC03 AC06 AC09 CB11 CB19

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の所定の複数端子の電気量を用
    いて電力系統の事故区間を判別し、事故区間に応じた遮
    断器へ遮断指令を送出することによって事故除去を行う
    電力系統の広域保護システムにおいて、 遮断器で区分された保護区間の送電線各端子、母線区
    分、母線連絡、および変圧器各端子に関して所定の基準
    で個別に設けられた各端末装置(RTE)の入力電気量
    を、時刻同期信号装置(STE)から得られるサンプリ
    ングタイミングを元にディジタルデータに変換し、その
    データと系統の運用状態を中央処理装置(CTE)へ送
    信するデータ取得手段と、 前記CTE側において、前記データ取得手段で得られた
    各RTEのデータを用いて事故区間と事故様相の判定を
    行う判定手段と、 前記判定手段の判定結果に基づいて決定される遮断器を
    制御するための遮断器制御情報を、前記CTE側からそ
    の遮断器に接続されたRTEへ送信する制御情報送信手
    段と、 前記RTE側において前記制御情報送信手段からの遮断
    器制御情報を受信し、この遮断器制御情報に基づいて所
    定の処理を行った上で、必要に応じて遮断器に対する制
    御出力を行う制御情報処理手段を有し、 前記判定手段は、前記データ取得手段で得られた電流デ
    ータを用いて差動演算を行うことにより、遮断器で区分
    された最小の事故区間と事故様相を判定する最小区間判
    定機能を有し、 前記制御情報送信手段は、前記判定手段の前記最小区間
    判定機能により事故区間と事故様相が判定された場合
    に、その事故区間のRTEに対し、その判定結果に基づ
    いて決定される遮断器に遮断動作を行わせるための遮断
    指令を送信する事故除去用の遮断指令送信機能を有する
    ことを特徴とする電力系統の広域保護システム。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、その前記最小区間判定
    機能により判定された事故区間が再閉路可能な送電線事
    故である場合に、前記制御情報送信手段の前記事故除去
    用の遮断指令送信機能による先行遮断指令送信から所定
    時間経過後に、その事故区間に隣接する母線間が同期投
    入可能であるか否かを判定する同期判定機能を有し、 前記制御情報送信手段は、前記判定手段の前記同期判定
    機能により母線間が同期投入可能であると判定された場
    合に、前記事故区間のRTEに対し、遮断状態にある前
    記所定の遮断器に投入動作を行わせるための投入指令を
    送信する同期投入用の投入指令送信機能を有することを
    特徴とする請求項1記載の電力系統の広域保護システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、前記データ取得手段で
    得られた電圧データを用いて所定の母線間電圧の位相差
    を判定する位相差判定機能を有し、 前記制御情報送信手段は、前記判定手段の前記位相差判
    定機能により母線間電圧に位相差の180度以上の変化
    があると判定された場合に、その母線を含む区間のRT
    Eに対し、その判定結果に基づいて決定される遮断器に
    遮断動作を行わせるための遮断指令を送信する脱調保護
    用の遮断指令送信機能を有することを特徴とする請求項
    1記載の電力系統の広域保護システム。
  4. 【請求項4】 前記判定手段は、その前記最小区間判定
    機能による事故区間判定が、前記制御情報送信手段の前
    記事故除去用の遮断指令送信機能による先行遮断指令送
    信後にも解消されることなく所定時間以上継続している
    場合に、前記RTEからの電流データを0とみなしてそ
    の事故区間に隣接する区間の差動演算を行うことによ
    り、その事故区間を含む拡大区間の事故判定を行う拡大
    区間判定機能を有し、 前記制御情報送信手段は、前記判定手段の前記拡大区間
    判定機能により前記拡大区間に事故ありと判定された場
    合に、その拡大区間のRTEに対し、その判定結果に基
    づいて決定される遮断器に遮断動作を行わせるための遮
    断指令を送信する遮断失敗対処用の遮断指令送信機能を
    有することを特徴とする請求項1記載の電力系統の広域
    保護システム。
  5. 【請求項5】 前記判定手段は、 前記データ取得手段で得られたデータを用いて前記RT
    Eのいずれかに不良があるか否かを判定するRTE不良
    判定機能と、 前記RTE不良判定機能によりRTE不良が判定された
    場合に、その不良RTEを囲む他のRTEのデータを用
    いて差動演算する区間を拡大し、拡大差動演算を行うこ
    とにより、その拡大区間の事故判定を行う拡大区間判定
    機能とを有し、 前記制御情報送信手段は、前記判定手段の前記拡大区間
    判定機能により前記拡大区間に事故ありと判定された場
    合に、その拡大区間の前記他のRTEに対し、前記不良
    RTEの所轄する遮断器を先行遮断するための先行遮断
    指令を送信する不良RTE対処用の遮断指令送信機能を
    有し、 前記判定手段は、前記制御情報送信手段の前記不良RT
    E対処用の遮断指令送信機能による先行遮断指令送信か
    ら所定時間経過後に、前記不良RTEを含む最小の各保
    護区間の差動演算を行うことにより、事故区間を判定す
    るRTE不良区間判定機能を有し、 前記制御情報送信手段は、前記判定手段の前記RTE不
    良区間判定機能により判定された事故区間のRTEに対
    し、その判定結果に基づいて決定される遮断器に遮断動
    作を行わせるための遮断指令を送信するRTE不良区間
    事故除去用の遮断指令送信機能を有することを特徴とす
    る請求項1記載の電力系統の広域保護システム。
  6. 【請求項6】 前記制御情報処理手段は、 前記RTEに入力される系統電気量を用いて事故検出を
    行う事故検出機能と、 前記CTEから受信した遮断器制御情報がその事故検出
    機能によって得られる情報と一致する場合にのみ、その
    遮断器制御情報に応じて遮断器に対する制御出力を行う
    制御情報評価機能を有することを特徴とする請求項1記
    載の電力系統の広域保護システム。
  7. 【請求項7】 前記RTE側において、RTEの入力電
    気量を、前記STEから得られるサンプリングタイミン
    グを元にディジタルデータに変換し、そのデータを使用
    して事故方向と事故区間を識別する識別手段と、 前記RTE側において前記CTEの不良およびCTEと
    の間の伝送不良を検出するCTE不良検出手段とを有
    し、 前記制御情報処理手段は、前記CTE不良検出手段によ
    ってCTE不良や伝送不良を検出した場合に、前記識別
    手段の出力に基づいて決定される遮断器に対する制御出
    力を行うバックアップ用の制御出力機能を有することを
    特徴とする請求項1記載の電力系統の広域保護システ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記データ取得手段は、前記各RTEの
    入力電気量を、前記STEから得られるサンプリングタ
    イミングを元にディジタルデータに変換し、そのデータ
    と系統の運用状態に、前記STEから得られるサンプリ
    ング時刻と差動演算対象となる端子名を付加して演算対
    象端子情報を含むデータとし、このデータを複数の前記
    CTEへ送信するように構成されたことを特徴とする請
    求項1記載の電力系統の広域保護システム。
  9. 【請求項9】 前記データ取得手段は、前記各RTEの
    入力電気量を、前記STEから得られるサンプリングタ
    イミングを元にディジタルデータに変換し、そのデータ
    と系統の運用状態に、前記STEから得られるサンプリ
    ング時刻と固有のCTEを指定する符号を付加して宛先
    指定情報を含むデータとし、このデータを複数の前記C
    TEへ送信するように構成されたことを特徴とする請求
    項1記載の電力系統の広域保護システム。
  10. 【請求項10】 前記データ取得手段は、前記各RTE
    のデータを複数の前記CTEへ送信するように構成さ
    れ、 前記RTE側において前記CTEの不良を検出するCT
    E不良検出手段と、 前記CTE不良検出手段によってCTE不良を検出した
    場合に、その時点でこの不良CTEを伝送先としている
    RTEの情報伝送先を健全CTEに変更する伝送先切替
    手段を有することを特徴とする請求項1記載の電力系統
    の広域保護システム。
  11. 【請求項11】 電力系統の所定の複数端子の電気量を
    用いて電力系統の事故区間を判別し、事故区間に応じた
    遮断器へ遮断指令を送出することによって事故除去を行
    う電力系統の広域保護方法において、 遮断器で区分された保護区間の送電線各端子、母線区
    分、母線連絡、および変圧器各端子に関して所定の基準
    で個別に設けられた各端末装置(RTE)の入力電気量
    を、時刻同期信号装置(STE)から得られるサンプリ
    ングタイミングを元にディジタルデータに変換し、その
    データと系統の運用状態を中央処理装置(CTE)へ送
    信するデータ取得ステップと、 前記CTE側において、前記データ取得ステップで得ら
    れた電流データを用いて差動演算を行うことにより、遮
    断器で区分された最小の事故区間と事故様相を判定する
    最小区間判定ステップと、 前記最小区間判定ステップにより事故区間と事故様相が
    判定された場合に、その事故区間のRTEに対し、その
    判定結果に基づいて決定される遮断器に遮断動作を行わ
    せるための遮断指令を送信する事故除去用の遮断指令送
    信ステップと、 前記RTE側において、前記CTE側からの遮断指令を
    受信し、この遮断指令に基づいて所定の処理を行った上
    で、必要に応じて遮断器に対して遮断指令を出する遮断
    指令処理ステップを有することを特徴とする電力系統の
    広域保護方法。
  12. 【請求項12】 前記最小区間判定ステップによる事故
    区間判定が、前記事故除去用の遮断指令送信ステップに
    よる先行遮断指令送信後にも解消されることなく所定時
    間以上継続している場合に、前記RTEからの電流デー
    タを0とみなしてその事故区間に隣接する区間の差動演
    算を行うことにより、その事故区間を含む拡大区間の事
    故判定を行う拡大区間判定ステップと、 前記拡大区間判定ステップにより前記拡大区間に事故あ
    りと判定された場合に、その拡大区間のRTEに対し、
    その判定結果に基づいて決定される遮断器に遮断動作を
    行わせるための遮断指令を送信する遮断失敗対処用の遮
    断指令送信ステップを有することを特徴とする請求項1
    1記載の電力系統の広域保護方法。
  13. 【請求項13】 前記データ取得ステップで得られたデ
    ータを用いて前記RTEのいずれかに不良があるか否か
    を判定するRTE不良判定ステップと、 前記RTE不良判定ステップによりRTE不良が判定さ
    れた場合に、その不良RTEを囲む他のRTEのデータ
    を用いて差動演算する区間を拡大し、拡大差動演算を行
    うことにより、その拡大区間の事故判定を行う拡大区間
    判定ステップと、 前記拡大区間判定ステップにより前記拡大区間に事故あ
    りと判定された場合に、その拡大区間の前記他のRTE
    に対し、前記不良RTEの所轄する遮断器を先行遮断す
    るための先行遮断指令を送信する不良RTE対処用の遮
    断指令送信ステップと、 前記不良RTE対処用の遮断指令送信ステップによる先
    行遮断指令送信から所定時間経過後に、前記不良RTE
    を含む最小の各保護区間の差動演算を行うことにより、
    事故区間を判定するRTE不良区間判定ステップと、 前記RTE不良区間判定ステップにより判定された事故
    区間のRTEに対し、その判定結果に基づいて決定され
    る遮断器に遮断動作を行わせるための遮断指令を送信す
    るRTE不良区間事故除去用の遮断指令送信ステップを
    有することを特徴とする請求項11記載の電力系統の広
    域保護方法。
  14. 【請求項14】 前記RTE側において、RTEの入力
    電気量を、前記STEから得られるサンプリングタイミ
    ングを元にディジタルデータに変換し、そのデータを使
    用して事故方向と事故区間を識別する識別ステップと、 前記RTE側において前記CTEの不良およびCTEと
    の間の伝送不良を検出するCTE不良検出ステップと、 前記CTE不良検出ステップによってCTE不良や伝送
    不良を検出した場合に、前記識別ステップの出力に基づ
    いて決定される遮断器に対して制御出力を行うバックア
    ップ用の制御出力ステップを有することを特徴とする請
    求項11記載の電力系統の広域保護方法。
  15. 【請求項15】 前記データ取得ステップにおいては、
    前記各RTEのデータを複数の前記CTEへ送信し、 前記RTE側において前記CTEの不良を検出するCT
    E不良検出ステップと、 前記CTE不良検出ステップによってCTE不良を検出
    した場合に、その時点でこの不良CTEを伝送先として
    いるRTEの情報伝送先を健全CTEに変更する伝送先
    切替ステップを有することを特徴とする請求項11記載
    の電力系統の広域保護方法。
  16. 【請求項16】 電力系統の所定の複数端子の電気量を
    用いて電力系統の事故区間を判別し、事故区間に応じた
    遮断器へ遮断指令を送出することによって事故除去を行
    うための、コンピュータ読取可能なプログラムを記録し
    たプログラム記録媒体において、前記プログラムは、 第1のコンピュータに、 遮断器で区分された保護区間の送電線各端子、母線区
    分、母線連絡、および変圧器各端子に関して所定の基準
    で個別に設けられた各端末装置(RTE)の入力電気量
    を、時刻同期信号装置(STE)から得られるサンプリ
    ングタイミングを元にディジタルデータに変換し、その
    データと系統の運用状態を中央処理装置(CTE)へ送
    信するデータ取得ステップと、 前記CTE側からの遮断指令を受信し、この遮断指令に
    基づいて所定の処理を行った上で、必要に応じて遮断器
    に対して遮断指令を出力する遮断指令処理ステップを実
    行させ、 第2のコンピュータに、 前記データ取得ステップで得られた電流データを用いて
    差動演算を行うことにより、遮断器で区分された最小の
    事故区間と事故様相を判定する最小区間判定ステップ
    と、 前記最小区間判定ステップにより事故区間と事故様相が
    判定された場合に、その事故区間のRTEに対し、その
    判定結果に基づいて決定される遮断器に遮断動作を行わ
    せるための遮断指令を送信する事故除去用の遮断指令送
    信ステップを実行させることを特徴とするプログラム記
    録媒体。
JP11217434A 1999-07-30 1999-07-30 電力系統の広域保護システムと方法、およびプログラム記録媒体 Pending JP2001045645A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11217434A JP2001045645A (ja) 1999-07-30 1999-07-30 電力系統の広域保護システムと方法、およびプログラム記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11217434A JP2001045645A (ja) 1999-07-30 1999-07-30 電力系統の広域保護システムと方法、およびプログラム記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001045645A true JP2001045645A (ja) 2001-02-16

Family

ID=16704176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11217434A Pending JP2001045645A (ja) 1999-07-30 1999-07-30 電力系統の広域保護システムと方法、およびプログラム記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001045645A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100431233C (zh) * 2006-07-06 2008-11-05 郭建厂 面保护型开闭所故障判断方法
JP2009065766A (ja) * 2007-09-05 2009-03-26 Toshiba Corp 広域保護制御計測システムと方法
JP2009071637A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Toshiba Corp 保護制御計測システム
JP2010183817A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Mitsubishi Electric Corp 保護継電装置
JP2011523545A (ja) * 2008-05-09 2011-08-11 アクセンチュア グローバル サービスィズ ゲーエムベーハー 電力グリッドを管理する方法およびシステム
JP2012105531A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 General Electric Co <Ge> 配電機器の保護用の共有メモリ・アーキテクチャ
JP2013123347A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Toshiba Corp リレー装置
CN103762570A (zh) * 2014-02-18 2014-04-30 国家电网公司 一种适用于双重线路故障的电网线路继电保护方法
CN104505935A (zh) * 2014-12-01 2015-04-08 华中科技大学 基于保护智能中心的变电站***的路由选择方法
JP2015142433A (ja) * 2014-01-28 2015-08-03 一般財団法人電力中央研究所 電力系統の保護システム及び電力系統の保護方法
JP2015142416A (ja) * 2014-01-28 2015-08-03 株式会社東芝 保護リレー装置および保護システム
CN110932244A (zh) * 2019-12-06 2020-03-27 国网浙江省电力有限公司电力科学研究院 变电站全站保护出口压板均未投的继电保护方法
CN117590836A (zh) * 2024-01-18 2024-02-23 中国铁路设计集团有限公司 利用广域保护测控***功能测试装置进行功能测试的方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100431233C (zh) * 2006-07-06 2008-11-05 郭建厂 面保护型开闭所故障判断方法
JP2009065766A (ja) * 2007-09-05 2009-03-26 Toshiba Corp 広域保護制御計測システムと方法
US7737677B2 (en) 2007-09-05 2010-06-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Wide area protection control measurement system and method
JP2009071637A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Toshiba Corp 保護制御計測システム
US9534928B2 (en) 2008-05-09 2017-01-03 Accenture Global Services Limited Method and system for managing a power grid
JP2011523545A (ja) * 2008-05-09 2011-08-11 アクセンチュア グローバル サービスィズ ゲーエムベーハー 電力グリッドを管理する方法およびシステム
US10833532B2 (en) 2008-05-09 2020-11-10 Accenture Global Services Limited Method and system for managing a power grid
JP2010183817A (ja) * 2009-02-09 2010-08-19 Mitsubishi Electric Corp 保護継電装置
JP2012105531A (ja) * 2010-11-12 2012-05-31 General Electric Co <Ge> 配電機器の保護用の共有メモリ・アーキテクチャ
JP2013123347A (ja) * 2011-12-12 2013-06-20 Toshiba Corp リレー装置
JP2015142433A (ja) * 2014-01-28 2015-08-03 一般財団法人電力中央研究所 電力系統の保護システム及び電力系統の保護方法
JP2015142416A (ja) * 2014-01-28 2015-08-03 株式会社東芝 保護リレー装置および保護システム
CN103762570A (zh) * 2014-02-18 2014-04-30 国家电网公司 一种适用于双重线路故障的电网线路继电保护方法
CN104505935A (zh) * 2014-12-01 2015-04-08 华中科技大学 基于保护智能中心的变电站***的路由选择方法
CN110932244A (zh) * 2019-12-06 2020-03-27 国网浙江省电力有限公司电力科学研究院 变电站全站保护出口压板均未投的继电保护方法
CN117590836A (zh) * 2024-01-18 2024-02-23 中国铁路设计集团有限公司 利用广域保护测控***功能测试装置进行功能测试的方法
CN117590836B (zh) * 2024-01-18 2024-03-29 中国铁路设计集团有限公司 利用广域保护测控***功能测试装置进行功能测试的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001045645A (ja) 電力系統の広域保護システムと方法、およびプログラム記録媒体
CN109245045B (zh) 一种隔离开关非全相保护控制方法及装置
KR100347488B1 (ko) 배전선의정전극소화시스템
JP2011097797A (ja) ループ系統の保護システム
JP3085007B2 (ja) 配電線の停電極小化システムおよびその方法
CN111509676A (zh) 一种中压直流配电网故障隔离与故障恢复方法和***
CN111884184B (zh) 一种新能源接入的就地型馈线控制方法及***
JP2008259327A (ja) 再閉路方式
JP7177799B2 (ja) 電力変換装置
CN112072622A (zh) 一种网络式保护多点故障处理方法
JP2856517B2 (ja) 電気所の事故時自動復旧装置
JP3328365B2 (ja) 単独運転検出装置
JPS63287321A (ja) 配電線事故区間検出切離装置
JP2000166084A (ja) 配電システム
JPH09233674A (ja) ループ系統送電線の保護継電システムと保護継電方法、及び、かかるシステムに使用するループ系統用保護装置
CN116365484A (zh) 一种分布式馈线自动化故障处理方法及***
JPH0787665A (ja) 配電線事故区間切り離し装置
CN116742591A (zh) 针对断路器负荷开关混合布置的馈线故障自愈方法
JP2024073819A (ja) 保護システムおよび保護方法
JP3221342B2 (ja) 配電線自動区分開閉装置
JPH0759250A (ja) 補償リアクトル転送遮断装置
JPH1146438A (ja) 広域後備保護装置
CN115912280A (zh) 一种简易母线保护***
CN113691009A (zh) 一种地铁主变电所电源供电***及合环控制方法
CN117856175A (zh) 集中型与就地型相互转换的馈线自动化处理方法及***

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050531