JP2001044719A - ローパスフィルタ内蔵カプラ - Google Patents

ローパスフィルタ内蔵カプラ

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JP2001044719A
JP2001044719A JP11211072A JP21107299A JP2001044719A JP 2001044719 A JP2001044719 A JP 2001044719A JP 11211072 A JP11211072 A JP 11211072A JP 21107299 A JP21107299 A JP 21107299A JP 2001044719 A JP2001044719 A JP 2001044719A
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Japan
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line
coupler
pass filter
low
inductance
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JP11211072A
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English (en)
Inventor
Hideaki Tanaka
秀明 田中
Takeshi Ito
伊藤  剛
Tatsuya Takemura
達也 竹村
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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  • Filters And Equalizers (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定したカップリング値を生ずるローパスフ
ィルタ内蔵カプラを提供する。 【解決手段】 各種の導電線路または電極が形成された
絶縁基板を積層してなり、インダクタンス主線路16
と、カップルライン線路15とを備えたローパスフィル
タ内蔵カプラにおいて、インダクタンス主線路16又は
その部分を構成する部分インダクタンス線路16L,1
6Rと、カップルライン線路15とを同一絶縁基板14
上に所定間隔s を置いて対向状に同時形成したか
ら、かかる各線路15,16L,16Rは、常に同一形
態で形成され、相互の間隔に変化がなく、このためカッ
プリング値が常に一定となり、特性が安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線機に用いら
れる高調波をカットするローパスフィルタを内蔵したロ
ーパスフィルタ内蔵カプラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の携帯電話の回路構成を示す
ものである。ここでデュプレクサ80は、空中線82を
介して受信した電波を受信回路50側へ振り分けると共
に、送信回路60からの高周波信号を空中線82側へ送
出する。送信回路60は、源信号を発振器64から高周
波で変調するミキサ62と、ミキサ62からの出力中の
高周波分及び低周波分をカットするバンドパスフィルタ
66と、該バンドパスフィルタ66の出力を増幅するパ
ワーアンプ68と、パワーアンプ68の出力をローパス
フィルタ74側に送ると共に、該出力の一部を自動利得
調整線路70側に振り分けるカプラ72と、カプラから
送られた出力に基づきパワーアンプ68の利得を調整
し、空中線から放射される無線出力を一定範囲に保つ自
動利得調整線路70と、カプラからの出力中の高調波
(第2、第3高調波)をカットするローパスフィルタ7
4とからなる。このローパスフィルタ74は、非線形の
増幅特性を有するパワーアンプ68によって発生する第
2、第3高調波をカットして、無線出力中のスプリアス
成分を抑圧する。
【0003】一方、カプラ72は、パワーアンプ68の
出力を検出する。このカプラの等価回路を図8に示す。
カプラ72は、パワーアンプ側からの信号を入力する入
力端子(IN)と、ローパスフィルタ74側へ出力する
出力端子(OUT)と、検出した出力を自動利得調整線
路70側へ出力するカップル出力端子(COUPLED
OUT)と、50Ωの終端抵抗Rに接続された終端端
子Eとを有し、入力端子(IN)と出力端子(OUT)
とは第lカップルライン72aにて接続されており、
又、カップル出力端子(COUPLED OUT)とア
ース端子(E)とは、第2カップルカップルライン72
bにて接続されている。この第1カップルライン72a
と第2カップルカップルライン72bとは、電磁界結合
している。ここで、カプラ72において、終端抵抗R側
に流れる電流を少なく、即ち、アイソレーションを高め
ることが、携帯電話全体の消費電力を押さえる観点から
必要となる。ここで、第1カップルライン72aを信号
の入/4の長さに形成した際には、アイソレーションを
高い値に保てるが、携帯電話で用いられる1〜2GHz
帯の入/4は、8〜4cmになり、小型のカプラでは、
入/4波長の第1カップルライン72aを実現すること
は不可能である。このため、短いカップルラインを用い
つつ、アイソレーションを高めるために、種々の提案が
なされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の無線機(携
帯電話)においては、ローパスフィルタ74とカプラ7
2を別々の部材により構成していたため、製造及び組み
付けにコストがかかり、無線機を小型化を阻む原因とも
なっていた。更に、ローパスフィルタ74とカプラ72
との間で伝送損失を発生させ、無線機の消費電力を増大
させていた。
【0005】そこで、各種導電線路が形成された絶縁基
板を積層してなり、高周波信号が伝送されるインダクタ
ンス主線路と、該インダクタンス主線路と電磁気的に結
合するカップルライン線路とを備え、さらにコンデンサ
とインダクタンス主線路のインダクタとで構成されるロ
ーパスフィルタを内蔵するローパスフィルタ内蔵カプラ
が本出願人により既に提案された。
【0006】この構成を実現したものにあって、各絶縁
基板ごとに各種の導電線路または電極を形成し、これを
積層する構成が提案された。これは相互に結合するイン
ダクタンス主線路と、カップルライン線路とを別異の絶
縁基板に形成するものであった。
【0007】このため、夫々が絶縁基板に別個にスクリ
ーン印刷により形成されることとなるが、可及的同一位
置に形成されるように工程管理がなされるものの、スク
リーン印刷機の位置精度による各絶縁基板相互の印刷の
バラツキや、絶縁基板の厚み誤差により、インダクタン
ス主線路と、カップルライン線路の垂直及び水平方向の
間隔にムラを生じ、このムラにより結合度が異なって安
定したカップリング値を得ることができなかった。この
ためローパスフィルタ内蔵カプラの特性自体のバラツキ
を招来していた。本発明はかかる問題点を解決すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、各種の導電線
路または電極が形成された絶縁基板を積層してなり、高
周波信号が伝送されるインダクタンス主線路と、該イン
ダクタンス主線路と電磁気的に結合するカップルライン
線路とを備え、さらにコンデンサとインダクタンス主線
路のインダクタとで構成されるローパスフィルタを内蔵
するローパスフィルタ内蔵カプラにおいて、インダクタ
ンス主線路又はその部分を構成する部分インダクタンス
線路と、カップルライン線路とを同一絶縁基板上に所定
間隔を置いて対向状に同時形成したことを特徴とするロ
ーパスフィルタ内蔵カプラである。
【0009】かかる構成にあって、インダクタンス主線
路又は部分インダクタンス線路と、カップルライン線路
とを同一絶縁基板上にスクリーン印刷等により同時形成
したものであるから、インダクタンス主線路又は部分イ
ンダクタンス線路と、カップルライン線路は、常に同一
形態で形成され、相互の間隔に変化がない。このためカ
ップリング値が安定する。
【0010】ところで、カプラの小型化を維持しながら
所定インダクダンス値のインダクタンス主線路を構成す
る為には、このインダクタンス主線路を、夫々別異の絶
縁基板上に複数の部分インダクタンス線路を形成し、こ
れらを積層状態で線接続して構成する必要がある。この
うちいずれか一方の部分インダクタンス線路を、同一絶
縁基板上にカップルライン線路と所定間隔を置いて対向
状に形成することとなるが、他方の部分インダクタンス
線路は、カップルライン線路とは異なった絶縁基板に形
成されるため、他方の部分インダクタンス線路と、カッ
プルライン線路との位置にばらつきを生じ、この結果、
全体としてのカップリング値の変動を生ずる。
【0011】そこで、この他方の部分インダクタンス線
路を、カップルライン線路に対し、一方の部分インダク
タンス線路よりも離間させて配設する構成が提案され
る。かかる構成にあっては、他方の部分インダクタンス
線路と、カップルライン線路との間に生ずるカップリン
グ値は可及的に小さくなり、位置のバラツキによる影響
が抑止される。
【0012】さらにまた、カプラの積層内部において、
カップルライン線路に対し、キャパシタンス電極が絶縁
基板を介して対向する。この対向面積が大きいほど結合
容量が増し、カプラのアイソレーションが悪化する傾向
にある。そこで、この対向面積を減じることでアイソレ
ーションの低下を防止した。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態に係るロー
パスフィルタ内蔵カプラにつき説明する。図6は本発明
のローパスフィルタ内蔵カプラを用いた携帯電話の構成
を示す。この携帯電話は、1GHz帯域を使用し、受信
回路50と、送信回路60と、空中線82に接続された
デュプレクサ80とを有する。デュプレクサ80は、空
中線82を介して受信した電波を受信回路50側へ振り
分けると共に、送信回路60からの高周波信号を空中線
82側へ送出する。
【0014】送信回路60は、源信号を発振器64から
高周波に変調するミキサ62と、ミキサ62からの出力
を濾波して、所定閾値以上の高周波成分及び所定閾値以
下の低周波成分をカットするバンドパスフィルタ66
と、該バンドパスフィルタ66の出力を増幅するパワー
アンプ68と、パワーアンプ68の出力中の高調波(第
2、第3高調波)をカットし、デュプレクサ80側へ送
ると共に、該出力の一部を自動利得調整回路70側へ振
り分けるローパスフィルタ内蔵カプラ10と、ローパス
フィルタ内蔵カプラ10から送られた出力に基づきパワ
ーアンプ68の利得を調整し、空中線から放射される無
線出力を一定範囲に保つ自動利得調整回路70とからな
る。
【0015】ローパスフィルタ内蔵カプラ10は、非線
形の増幅特性を有するパワーアンプ68によって発生す
る第2、第3高調波をカットして、無線出力中のスプリ
アス成分を抑圧するローパスフィルタの機能と、パワー
アンプ68の出力を検出する検出カプラの機能とを併せ
持つ。
【0016】図5(A)は、このローパスフィルタ内蔵
カプラ10の外観を示す。また、図1は、該ローパスフ
ィルタ内蔵カプラ10の各絶縁層を分離して示す。ここ
で図5(A)に示すようにローパスフィルタ内蔵カプラ
10は、直方体形状を呈し、幅3.2mm、奥行きl.
6mm、高さl.3mmに形成されている。ローパスフ
ィルタ内蔵カプラの両側面には上下方向に貫通する凹所
に導電層11が形成されてなる導通凹部10a、10
b、10c、10d、10e、10fが設けられる。ま
たローパスフィルタ内蔵カプラ10の底面には、ローパ
スフィルタ内蔵カプラ10を基板(図示せず)に実装す
るための電極パッドが形成され、該電極パッドは導通凹
部に接続されており、これによりローパスフィルタ内蔵
カプラ10を基板(図示せず)に実装することにより、
各導通凹部が基板上の所要外部電路と接続されることと
なる。なお、図1中では、ローパスフィルタ内蔵カプラ
の側方の導通凹部10a、10b、10c、10d、1
0e、10f内に充填された導電層を、図示の便宜上省
略してある。
【0017】図1に示すようにローパスフィルタ内蔵カ
プラ10は、絶縁基板12,14,17,18,20,
24,26,31が積層して構成され、上述の直方体形
状を呈する。ここで、絶縁基板12は、内部の回路を保
護する外面板である。また、絶縁基板14は本発明の要
部を構成するものであり、左右に蛇行状の部分インダク
タンス線路16L,16Rが形成され、その板の長辺に
沿って形成された垂直線分16a,16aに所定間隔で
対向して、同じく長辺に沿って形成されたカップルライ
ン線路15が形成されている。部分インダクタンス線路
16L,16Rの外端縁は導電凹部10d,10fに臨
んで接続端縁としている。またカップルライン線路15
の端縁も導電凹部10a,10cに臨んでいる。
【0018】このカップルライン線路15と部分インダ
クタンス線路16L,16Rとはスクリーン印刷により
同時に形成され、このため、垂直線分16a,16aと
カップルライン線路15との間隔s は常に一定とな
る。
【0019】絶縁基板17の上面には、部分インダクタ
ンス線路16Cが形成されている。この部分インダクタ
ンス線路16Cの両端は絶縁基板14に形成されたビア
ホール35,35を介して左右の部分インダクタンス線
路16L,16Rの内端縁と接続する。これにより部分
インダクタンス線路16L,16C,16Rが線接続さ
れて、後述するビアホール36aの両側をインダクタL
,L とするインダクタンス主線路16が構成され
ることとなる。
【0020】絶縁基板18の上面にはキャパシタンス電
極19が矩形状に形成される。
【0021】絶縁基板20の上面にはキャパシタンス電
極21L,21Rが左右に形成される。このキャパシタ
ンス電極21L,21Rはその端縁を絶縁基板20の側
縁に延成している。またその中央には中間電極22aが
形成されている。
【0022】絶縁基板24の上面にはアース電極25が
形成されている。またその中央部にはアース電極25と
絶縁させて中間電極22bが形成されている。
【0023】絶縁基板26の上面には、キャパシタンス
電極29L,29Rが左右に形成される。このキャパシ
タンス電極29L,29Rはその端縁を絶縁基板28の
側縁に延成して、導電凹部10d,10fから外部に臨
ませている。またその中央にはキャパシタンス電極30
が形成されている。
【0024】底面板である絶縁基板31の上面にはアー
ス電極32が形成されている。
【0025】また、絶縁基板17,18,20,24に
はその中央にビヤホール36a〜36dが形成され、各
ビヤホール36a〜36dを介して部分インダクタンス
線路16C,キャパシタンス電極19,中間電極22
a,中間電極22b,キャパシタンス電極30が相互に
接続する。
【0026】またローパスフィルタ内蔵カプラ10の側
面で、部分インダクタンス線路16L,キャパシタンス
電極21L,キャパシタンス電極29Lの端縁相互は導
通凹部10dに充填される導電層により接続し、同じく
部分インダクタンス線路16R,キャパシタンス電極2
1R,キャパシタンス電極29Rの端縁相互は導通凹部
10fに充填される導電層により接続する。さらに、こ
の導通凹部10d,10fに外部の入出力電路が接続さ
れる。またカップルライン線路15の端縁も導通凹部1
0a,10cを介して外部電路が接続される。また、ア
ース電極25,32相互は、導通凹部10eに充填され
る導電層により接続する。さらに、この導通凹部10e
に外部のアース電路が接続される。
【0027】図4はこの実施形態の等価回路図である。
かかる等価回路図にあって、インダクタンス主線路16
の一端と接続するキャパシタンス電極21Lはアース電
極25と対置し、同じくインダクタンス主線路16の一
端と接続するキャパシタンス電極29Lはアース電極2
5,32と対置してその間の静電容量によりコンデンサ
を形成している。同様に、インダクタンス主線路
16の他端と接続するキャパシタンス電極21Rはアー
ス電極25と対置し、同じくインダクタンス主線路16
の一端と接続するキャパシタンス電極29Rはアース電
極25,32と対置してコンデンサC を形成してい
る。またキャパシタンス電極19はビアホール36を介
してインダクタL ,L の中間に接続され、該キャ
パシタンス電極19はキャパシタンス電極21L,キャ
パシタンス電極21Rと対置してコンデンサC ,C
を形成している。さらに、中間電極22a,22b
を介してインダクタL ,L の中間に接続されてい
るキャパシタンス電極30はアース電極32と対置して
コンデンサC を構成している。
【0028】しかして、図4の等価回路が構成されるこ
ととなる。各導電路及び電極は、各絶縁板にスクリーン
印刷を施すことにより形成される。
【0029】ここで、上述したように、インダクタンス
主線路16は部分インダクタンス線路16L,16C,
16Rが線接続して構成され、二枚の絶縁基板14,1
7で分担することにより、インダクタンス主線路16の
所要線長を確保しながらローパスフィルタ内蔵カプラ1
0の平面積を小さくすることができる。
【0030】そして、図2Aで示すように、絶縁基板1
4にカップルライン線路15及び部分インダクタンス線
路16L,インダクタンス主線路16Rをスクリーン印
刷により同時形成されるから、上述したように、その間
隔s を一定に保つことができ、カップリング値のバ
ラツキが阻止されて安定した特性のローパスフィルタ内
蔵カプラ10を供し得ることとなる。
【0031】ところで、上述したようにインダクタンス
主線路16を構成する部分インダクタンス線路16C
は、カップルライン線路15が形成される絶縁基板14
とは異なった絶縁基板17に形成される。このためスク
リーン印刷機の精度誤差や、絶縁基板14の厚み誤差に
より、図2(B)で示すように、カップルライン線路1
5とインダクタンス主線路16Cとの間隔s にはバ
ラツキを生じ、カップルライン線路15と部分インダク
タンス線路16Cの結合度の変化によりカップリング値
のバラツキを完全には阻止できない。
【0032】かかる第1実施形態にあって、インダクタ
ンス主線路16を単一の絶縁基板に形成しても良く、こ
の場合にあっては、該インダクタンス主線路16はカッ
プルライン線路15と所定間隔s を置いて、スクリ
ーン印刷により同時形成される。
【0033】そこで、第2実施形態にあって、図3
(B)で示すように、絶縁基板17に換えて、絶縁基板
17’を用いて、部分インダクタンス線路16Cの位置
を、部分インダクタンス線路16L,16Rよりも、カ
ップルライン線路15と離間する方向へ偏位させ、これ
によりカップルライン線路15とインダクタンス主線路
16Cとの間隔s を長くし、カップルライン線路1
5と部分インダクタンス線路16Cとの結合度を低下さ
せ、そのバラツキによる特性への影響を可及的に阻止す
るようにしている。尚、図3(A)は図2(A)と同一
であり、またこの第2実施形態は、絶縁基板17’を用
いている点を除いて第1実施形態と同じであり、その説
明を省略する。
【0034】ところで上記各実施態様にあって、上面に
部分インダクタンス線路16L,16Rと、カップルラ
イン線路15を形成した絶縁基板14と、部分インダク
タンス線路16Cを形成した絶縁基板と、部分インダク
タンス線路16Cを形成した絶縁基板17と、キャパシ
タンス電極19を形成したキャパシタンス電極18との
部分積層部の断面を図9に示したように、カップルライ
ン線路15は絶縁基板14,17を介してキャパシタン
ス電極19との間で所要の結合容量を構成している。こ
の結合容量は基板の誘電率、カップルライン線路15の
長さ、幅寸法を一定にした場合、対向面積Fで決まる
が、本発明者は、この対向面積Sが小さいほどカプラの
アイソレーションが良好になることを実験によって確認
した。
【0035】そこで本発明の第3実施形態として、カッ
プルライン線路15の幅寸法を縮小(d )したり、
キャパシタンス電極19を縮小(d )して両者の対
向面積Fを小さくした。
【0036】ここでキャパシタンス電極19の外縁をカ
ップルライン線路15の外縁よりもそれぞれd =5
0μm,100μmと遠ざかるよう内側に引っ込めたと
きの減衰特性を図10(d =50μm,d
0),図11(d =100μm,d =0)に示
す。またd =100μmで、しかもカップルライン
線路15の幅寸法を150μmから100μm(d
=50μm)に小さくしたときの減衰特性を図12に示
す。
【0037】また比較のため、d ,d をゼロ、即
ち、カップルライン線路15の幅寸法150μmでその
外縁とキャパシタンス電極19の外縁を一致させたとき
の減衰特性を図13に示す。
【0038】本発明の第3実施形態による図10〜図1
2において、1.785GHzでのアイソレーションは
それぞれ−27.3dB(d =50μm,d
0),−29.7dB(d =100μm,d
0),−34.9dB(d =100μm,d =5
0μm)であり、図13に示す比較例の−27.2dB
に比し、著しく改善することが認められた。
【0039】ここで、図10〜図13は、ローパスフィ
ルタ内蔵カプラ10の減衰特性をシユミレーションした
結果のグラフである。
【0040】図中のグラフの縦軸は減衰値(dB)を示
し、最上部が0dBで、最下部が−50dBで、1目盛
りが−5dBである。一方、横軸は周波数を示し、左端
(最低周波数)が0.5GHz、右端(最高周波数)が
6GHz、l目盛りが0.55GHzである。
【0041】各図中上側のグラフは、ローパスフイルタ
内蔵カプラのローパスフイルタとしての特性を示してい
る。S で示す曲線は、入力ポートP から入力され
出力ポートP に出力される特性、即ち、ローパスフ
ィルタの高周波減衰特性を示している。一方、S
示す曲線は、入力ポートP から入力され該入力ポー
トP に戻る特性、即ち、ローパスフイルタの反射特
性を示す。
【0042】各図中下側のグラフは、ローパスフイルタ
内蔵カプラのカプラとしての特性を示している。S
で示す曲線は、入力ポートP から入力され検出ポー
トPから出力される、即ち、図6中に示すローパスフ
ィルタ内蔵カプラ10から自動利得調整回路70へ出力
される検出出力を示している。一方、S で示す曲線
は、入力ポートP から入力され終端ポートP から
出力されるアイソレーションを示している。かかるアイ
ソレーションの値は上述の通りである。
【0043】かかる各実施形態のローパスフィルタ内蔵
カプラ10は、図4の等価回路で示すように、インダク
タL 及びコンデンサC 、C 側に接続された入
力ポートP と、インダクタL 及びコンデンサC
、C 側に接続された出力ポートP と、カップル
ライン線路15に接続され、出力の一部を自動利得調整
回路70へ出力するための検出ポートP と、該カッ
プルライン絶縁基板15に接続され50Ω(オーム)の
終端抵抗(図示せず)に接続される終端ポートP
を備える。入力ポートP は、図1に示すローパスフ
ィルタ内蔵カプラ10において、インダクタL 及び
コンデンサC 、C に接続される導通凹部10dに
対応し、同様に、出力ポートP は、インダクタL
及びコンデンサC 、C に接続される導通凹部10
fに対応する。また、検出ポートP は、カップルラ
イン線路15の一端に接続される導通凹部10aに対応
し、同様に、終端ポートP は、カップルライン線路
15の他端に接続される導通凹部10cに対応する。な
お、凹部10b、10eは、該ローパスフィルタ内蔵カ
プラ10の搭載される基板側のアースヘ接続される。
【0044】次に、係るローパスフィルタ内蔵カプラの
製造方法について図5(B)を参照して説明する。図5
(B)は、図1に示す最下層の絶縁基板31を多数個
(9個)取りするセラミックグリンシートの平面図であ
る。グリンシート40の上面には、銀(又は銅)ぺ一ス
トからなり、それぞれ図2で示すアース電極32を形成
するための線路パターン42がスクリーン印刷により形
成されている。図中で点線は、各絶縁基板を形成する際
の切断線を示しており、該点線に沿って、図4に示すロ
ーパスフィルタ内蔵カプラ10の導通凹部10a、10
b、10c、10d、10e、10fを形成するための
透孔44がパンチにより打ち抜かれている。同様にし
て、図1中に示す各絶縁基板に対応するグリンシートを
夫々形成し、これらを積層して、透孔44の内壁面に銀
ぺ一ストをスクリーン印刷法で印刷した後、図5(B)
中の点線に沿って切断する。その後、該絶縁基板を構成
するグリンシート及び線路を形成する銀ぺ一ストを同時
焼成することで、図5(A)に示すローパスフィルタ内
蔵カプラ10が完成される。
【0045】本実施形態のローパスフィルタ内蔵カプラ
10は、導電線路及び電極を形成した複数の絶縁基板を
積層して一体化し、カップルライン線路15とインダク
タンス主線路16とをカップリングさせることでローパ
スフィルタ内蔵カプラを実現している。このため、ロー
パスフィルタとカプラとを別々の部品として形成するの
と比較して、廉価かつ小型に形成できる。また、ローパ
スフィル夕とカプラ間の伝送損失を軽減でき無線機の小
電力化を図ることが可能となる。
【0046】特に、本発明の要旨にあっては、ローパス
フィルタの部分インダクタンス線路16L,16Rと、
カップルライン線路15とを同一絶縁基板14上にスク
リーン印刷により同時形成するようにしたから、その間
隔s が常に一定となり、カップリング値のバラツキ
を阻止できる。さらには第2実施形態にあっては、絶縁
基板上に形成される部分インダクタンス線路16Cを部
分インダクタンス線路16L,16Rよりも退避させ
て、カップルライン線路15との間隔s を大きく取
るようにしたから、その絶縁基板14,17相互のスク
リーン印刷による相対的位置誤差や、厚みムラにより間
隔s にバラツキを生じても結合度への影響が小さ
く、安定したカップリング値を達成することができる。
【0047】なお、この実施形態では、本発明のローパ
スフィルタ内蔵カプラを携帯電話に適用する例を挙げた
が、本発明のローパスフィルタ内蔵カプラは、携帯電話
に限らず種々の無線機に用い得ることは言うまでもな
い。
【0048】
【発明の効果】本発明は、各種の導電線路または電極が
形成された絶縁基板を積層してなり、インダクタンス主
線路と、カップルライン線路とを備えたローパスフィル
タ内蔵カプラにおいて、インダクタンス主線路又はその
部分を構成する部分インダクタンス線路と、カップルラ
イン線路とを同一絶縁基板上に所定間隔を置いて対向状
に同時形成したから、かかる各線路は、常に同一形態で
形成され、相互の間隔に変化がなく、このためカップリ
ング値が常に一定となり、特性が安定する。
【0049】また、カップルライン線路とは異なった絶
縁基板に形成された部分インダクタンス線路を、カップ
ルライン線路に対し、該線路と同一絶縁基板上に形成さ
れた部分インダクタンス線路よりも離間させて配設した
構成にあっては、他方の部分インダクタンス線路と、カ
ップルライン線路との間に生ずるカップリング値は可及
的に小さくなり、両絶縁基板相互のスクリーン印刷の相
対的誤差や、絶縁基板の厚みムラ等により生ずる位置の
バラツキによる影響が、可及的に抑止されることとな
り、更に特性が安定する。
【0050】さらにまた、カプラの積層内部において、
カップルライン線路とキャパシタンス電極の対向面積を
減じるようにした構成にあっては、アイソレーションの
低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るローパスフィルタ
内蔵カプラを構成する各絶縁基板を分解して示す斜視図
である。
【図2】第1実施形態に係るローパスフィルタ内蔵カプ
ラの絶縁基板14,17を示し、Aは絶縁基板14の平
面図、Bは絶縁基板17の平面図である。
【図3】第2実施形態に係るローパスフィルタ内蔵カプ
ラの絶縁基板14,17’を示し、Aは絶縁基板14の
平面図、Bは絶縁基板17’の平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るローパスフィルタ内蔵
カプラの等価回路図である。
【図5】図5(A)は実施形態に係るローパスフィルタ
内蔵カプラの外観を示す斜視図であり、図5(B)は、
ローパスフィルタ内蔵カプラを構成するグリーンシート
の平面図である。
【図6】本発明に係るローパスフィルタ内蔵カプラを用
いる携帯電話の回路構成を示すブロック図である。
【図7】ローパスフィルタ及びカプラの用いられる従来
技術に係る携帯電話の回路構成を示すプロック図であ
る。
【図8】図7に示すカプラの等価回路図である。
【図9】ローパスフィルタ内蔵カプラの要部の縦断側面
図である。
【図10】d =50μm,d =0とした場合のロ
ーパスフィルタ内蔵カプラの特性を示す波形図であり、
上側にローパスフイルタとしての特性を示し、下側にカ
プラとしての特性を示す。
【図11】d =100μm,d =0とした場合の
ローパスフィルタ内蔵カプラの特性を示す波形図であ
り、上側にローパスフイルタとしての特性を示し、下側
にカプラとしての特性を示す。
【図12】d =100μm,d =50μmとした
場合のローパスフィルタ内蔵カプラの特性を示す波形図
であり、上側にローパスフイルタとしての特性を示し、
下側にカプラとしての特性を示す。
【図13】d ,d =0とした場合のローパスフィ
ルタ内蔵カプラの特性を示す波形図であり、上側にロー
パスフイルタとしての特性を示し、下側にカプラとして
の特性を示す。
【符号の説明】
10 ローパスフィルタ内蔵カプラ 14,17,18,20,24,26,31 絶縁基板 15 カップルライン線路 16 インダクタンス主線路 16L,16R,16C 部分インダクタンス線路
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月3日(1999.8.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】本発明の第3実施形態による図10〜図1
2において、1.785GHzでのアイソレーションは
それぞれ−27.3dB(d =50μm,d
0),−29.7dB(d =100μm,d
0),−34.9dB(d =100μm,d =5
0μm)であり、図13に示す比較例の−25.9dB
に比し、著しく改善することが認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 達也 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 5J024 AA01 BA11 BA19 CA03 CA09 CA11 DA04 DA29 DA35 EA01 FA00 FA03 KA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各種の導電線路または電極が形成された絶
    縁基板を積層してなり、高周波信号が伝送されるインダ
    クタンス主線路と、該インダクタンス主線路と電磁気的
    に結合するカップルライン線路とを備え、さらにコンデ
    ンサとインダクタンス主線路のインダクタとで構成され
    るローパスフィルタを内蔵するローパスフィルタ内蔵カ
    プラにおいて、 インダクタンス主線路又はその部分を構成する部分イン
    ダクタンス線路と、カップルライン線路とを同一絶縁基
    板上に所定間隔を置いて対向状に同時形成したことを特
    徴とするローパスフィルタ内蔵カプラ。
  2. 【請求項2】インダクタンス主線路を、夫々別異の絶縁
    基板上に形成された複数の部分インダクタンス線路を線
    接続することにより構成し、そのいずれか一方の部分イ
    ンダクタンス線路を、同一絶縁基板上にカップルライン
    線路と所定間隔を置いて対向状に形成すると共に、他方
    の部分インダクタンス線路Bを、カップルライン線路に
    対し、一方の部分インダクタンス線路Aよりも離間させ
    て配設したことを特徴とする請求項1記載のローパスフ
    ィルタ内蔵カプラ。
  3. 【請求項3】カップルライン線路及びこれと絶縁基板を
    介して対向するキャパシタンス電極との対向面積を小さ
    くしたことを特徴とする請求項1記載のローパスフィル
    タ内蔵カプラ。
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