JP2001044496A - AlGaInP発光ダイオード - Google Patents
AlGaInP発光ダイオードInfo
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Abstract
を備えたAlGaInPLEDにおいて、発光を外部に
効率良く取り出すことが可能で、III−V族化合物半
導体層と低抵抗で良好なオーミック接触を得ることがで
きる窓層の構造を提供する。 【解決手段】窓層を、発光部側に設けられた第1の屈折
率n1を有する第1の金属酸化物層と、該第1の金属酸
化物層の発光部と反対側に設けられた第1の屈折率より
小さい第2の屈折率n2(n1>n2)を有する第2の金
属酸化物層とから構成する。第1の金属酸化物層が酸化
亜鉛(ZnO)からなり、第2の金属酸化物層がインジ
ウム(In)酸化物と錫(Sn)酸化物の複合酸化物か
らなる。
Description
InP発光ダイオードの構造に係わり、特に透明で導電
性を有する金属酸化物からなる窓層を有するAlGaI
nP発光ダイオードに関する。
て、pn接合型のダブルヘテロ(DH)構造のリン化ア
ルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGaInP)
混晶からなる発光部を有するAlGaInP発光ダイオ
ード(LED)が知られている(Appl.Phys.
Lett.,61(15)(1992)、1775〜1
777頁参照)。特に、インジウム組成比を約0.5と
するリン化アルミニウム・ガリウム・インジウム((A
lαGa1- α)0.5In0.5P:0≦α≦1)は、砒化ガ
リウム(GaAs)単結晶と良好な格子整合性を果たせ
る利点もあって(Appl.Phys.Lett.,5
7(27)(1990)、2937〜2939頁参
照)、DH構造の発光部をなすクラッド(clad)層
や発光層(活性層)を構成するために利用されている
(Appl.Phys.Lett.,58(10)(1
991)、1010〜1012頁参照)。
取り出す側のクラッド層をn形層としたLEDをn−サ
イドアップ型LED、p形層としたLEDをp−サイド
アップ型LEDと称する。n−サイドアップ型あるいは
p−サイドアップ型の何れにしても、従来のAlGaI
nPLEDでは、上部クラッド層の上に、発光部からの
発光を効率的に外部へ取りだすための窓層(ウィンドウ
層)が配置されている(SPIE、Vol.3002
(1997)、110〜118頁参照)。窓層は発光に
対して透明な禁止帯幅の大きな材料から構成する必要が
あり、従来のAlGaInPLEDでは、砒化アルミニ
ウム・ガリウム(AlCGa1-CAs:0≦C≦1)結晶
から窓層を構成する例がある(上記のAppl.Phy
s.Lett.,58(1991)参照)。また、リン
化ガリウム(GaP)から構成する例も知れている
(J.Electron.Mater.,20(199
1)、1125〜1130頁参照)。また、リン化砒化
ガリウム(GaAsP)、リン化ガリウム・インジウム
(GaInP)またはリン化アルミニウム・ガリウム・
インジウム(AlGaInP)から窓層を構成する技術
が開示されている(特開平11−17220号公報明細
書参照)
は、上記のようなIII−V族化合物半導体材料に加
え、例えばアメリカ合衆国特許第5,481,122号
には、酸化インジウム・錫(indium−tin o
xide:略称ITO)からなる透光性の金属酸化物の
窓層が記載されている。さらに、特開平11−1722
0号によれば、酸化インジウム・錫、酸化インジウム、
酸化錫、酸化亜鉛や酸化マグネシウムからなる導電性を
有し透光性の金属酸化物層を、リン化ガリウム(Ga
P)、リン化砒化ガリウム(GaAsP)、リン化ガリ
ウム・インジウム(GaInP)または砒化ガリウム
(GaAs)からなるコンタクト層上に設ける手段が開
示されている。
光を出射する(AlαGa1- α)0.5In0.5P(0≦α
≦1)発光層を有するAlGaInPLEDでは、上記
のIII−V族化合物半導体を窓層に用いた場合、禁止
帯幅が小であるため発光層からの発光が窓層に吸収され
てしまう問題があった。
TO等の金属酸化物層を積層させた構造の窓層では、化
合物半導体層と金属酸化物層との間に低いオーミック
(Ohmic)接触抵抗が安定して得られないことが実
用上の問題となっていた。このため、金属酸化物層を積
層するIII−V族化合物半導体層には、約1×1019
cm-3を越える高いキャリア濃度を有する半導体層を用
いることが必要とされていた(特開平11−17220
号参照)。しかし、上記のような高いキャリア濃度のI
II−V族化合物半導体層を得るために高濃度の不純物
をIII−V族化合物半導体層にドーピングすると、I
II−V族化合物半導体層の結晶性は悪化するのが通例
である。このため、高キャリア濃度でかつ結晶欠陥密度
が小さく、比抵抗や移動度に優れるIII−V族化合物
半導体層を得るのは容易ではなかった。
は、キャリア濃度が高い程、即ち通常は比抵抗が低くな
る程、透光性が低下する。従って、半導体層とのオーミ
ック接触を得るために金属酸化物層を高キャリア濃度と
すると、金属酸化物層からなる窓層の透光性が低下す
る。このため、金属酸化物からなる窓層の電極特性及び
発光の外部への取り出し効率の双方の特性を満足なもの
とするには、金属酸化物からなる窓層のキャリア濃度や
比抵抗について規定を設ける必要があった。
よっては、電極の形成に支障を生じる場合がある。例え
ば、透光性の金属酸化物のひとつである酸化亜鉛(Zn
O)は両性酸化物であり、酸及びアルカリの双方に容易
に溶解する(「岩波理化学辞典第3版」(岩波書店、1
976年4月5日発行 第3版第7刷)、508頁参
照)。このため、酸化亜鉛からなる金属酸化物層を窓層
の最表層として露出すると、一般的なフォトリソグラフ
ィー工程等に伴う酸性或いはアルカリ性エッチング剤に
より酸化亜鉛層が溶解、消失する問題が発生していた。
(イ)III−V族化合物半導体からなる窓層では、禁
止帯幅が十分大きくないため、AlGaInP発光層か
らの緑色の発光を充分効率良く外部へ透過するに至らな
いこと、(ロ)III−V族化合物半導体層上に透明な
金属酸化物からなる窓層を設ける構造においては、金属
酸化物からなる窓層との低抵抗の接触をもたらす高キャ
リア濃度で且つ低比抵抗の結晶性に優れるIII−V族
化合物半導体層を形成することが困難であること、
(ハ)金属酸化物層を高キャリア濃度とすれば、金属酸
化物層の透光性が低下してしまい、オーミック特性及び
発光に対する透光性の双方を満足する窓層として備える
べき金属酸化物層のキャリア濃度等の好適な範囲が不明
であること、及び(ニ)金属酸化物層の種類に依って
は、オーミック電極の形成に伴う加工に難を伴うこと、
特に酸化亜鉛からなる金属酸化物層を窓層の最表層とし
て露出させる構造の窓層では、酸化亜鉛の消失が電極形
成工程上で容易には回避できないことが挙げられる。
するためになされたもので、その目的は透明で導電性を
有する金属酸化物からなる窓層を備えたn−サイドアッ
プ型のAlGaInPLEDにおいて、(1)発光を外
部に効率良く取り出すことが可能で、(2)III−V
族化合物半導体層と低抵抗で良好なオーミック接触を得
ることができ、(3)緑色から赤色の光に対して透光性
に優れ、(4)通常の加工技術をもって電極を形成する
ことができる金属酸化物からなる窓層の構造を提示する
ことにある。
(1)の目的については、屈折率の大小に鑑みて発明さ
れた金属酸化物層の積層構成をもって解決する。また、
(2)及び(3)の目的については、窓層構成材料の電
気的特性と透過率とを規定することをもって解決する。
すなわち本願の請求項1の発明は、p形砒化ガリウム
(GaAs)単結晶からなる基板と、該基板上に順次積
層されたリン化アルミニウム・ガリウム・インジウム
(AlGaInP)混晶からなるp形下部クラッド層、
発光層およびn形上部クラッド層から構成された発光部
と、該発光部上に設けられた透明で導電性を有する金属
酸化物層からなる窓層とを備えたAlGaInP発光ダ
イオードに於いて、前記窓層が、前記発光部側に設けら
れた第1の屈折率n1を有する第1の金属酸化物層と、
該第1の金属酸化物層の発光部と反対側に設けられた第
1の屈折率より小さい第2の屈折率n2(n1>n2)を
有する第2の金属酸化物層とを有することを特徴とす
る。
AlGaInP発光ダイオードにあって、前記第1の金
属酸化物層が、前記発光部または発光部上に別に形成さ
れたIII−V族化合物半導体層に接して形成され、該
第1の金属酸化物層が酸化亜鉛(ZnO)からなり、前
記第2の金属酸化物層がインジウム(In)酸化物と錫
(Sn)酸化物の複合酸化物からなることを特徴とす
る。
AlGaInP発光ダイオードにあって、前記第1の金
属酸化物層を構成する酸化亜鉛層のキャリア濃度が、5
×10 19cm-3以上7×1020cm-3以下であることを
特徴とする。
AlGaInP発光ダイオードにあって、前記第1の金
属酸化物層を構成する酸化亜鉛層の比抵抗が、1×10
-4Ω・cm以上3×10-3Ω・cm以下であることを特
徴する。
なる基板と、該基板上に順次積層されたリン化アルミニ
ウム・ガリウム・インジウム(AlGaInP)混晶か
らなる発光部と、該発光部上に設けられた透明で導電性
を有する金属酸化物層からなる窓層とを備えたAlGa
InP発光ダイオードに於いて、前記窓層が複数の金属
酸化物層からなり、該複数の金属酸化物層は、発光層よ
り発光の取り出し方向に距離を隔てるに従い、順次屈折
率が小さくなるように配置されていることを特徴とす
る。
違する少なくとも2層の透明で導電性を有する金属酸化
物層を重層させて構成する。そして、窓層を2層の金属
酸化物層から構成する場合、AlGaInP発光ダイオ
ードの発光部により近接する側の第1の金属酸化物層
を、屈折率n1とする第1の金属酸化物層から構成し、
第1の金属酸化物層の発光部と反対側に設けられた第2
の酸化物層を、n1より小さな屈折率n2(n1>n2)を
有する金属酸化物層から構成する。本発明では、窓層を
3層以上の金属酸化物層から構成しても良い。例えば窓
層を3層の金属酸化物層から構成する場合は、上記の第
2の金属酸化物層の第1の酸化物層と反対側に設ける第
3の酸化物層は、第2の金属酸化物層の屈折率n2より
小さい屈折率を有する金属酸化物層から構成する。すな
わち本発明では、窓層を複数の透明で導電性を有する金
属酸化物層から構成し、該複数の金属酸化物層は、発光
層より発光の取り出し方向に距離を隔てるに従い、順次
屈折率が小さくなるように金属酸化物の材料を選択す
る。このように光の取り出し方向に順次屈折率が小さく
なるような屈折率の分布を有する窓層は、発光層から出
射される発光を外部へ効率良く取り出す作用を有する。
リン化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGa
InP)混晶からなる発光部に最も近接して設けられる
金属酸化物層は、AlGaInPよりも小さな屈折率を
有する金属酸化物から構成するのが好ましい。
PLEDの光の取り出し方向の表面となるn形のIII
−V族化合物半導体層上に窓層を形成する場合、窓層は
n形の導電性を呈する金属酸化物から構成するのが好ま
しい。特に第1の金属酸化物層が、前記発光部または発
光部上に別に形成されたIII−V族化合物半導体層に
接して形成される場合、発光部側の第1の金属酸化物層
は、屈折率を約2.0とするn形の酸化亜鉛(ZnO)
から構成するのが望ましい。酸化亜鉛はIII族元素が
数重量パーセント(wt.%)の濃度でドーピングされ
ると低抵抗となるため、光の取り出し方向の表面となる
n形の発光部または発光部上に別に形成されたIII−
V族化合物半導体層との良好なオーミック接触が達成さ
れる。なお、上記の酸化亜鉛からなる金属酸化物層は、
重量百分率にして、50wt.%以上の酸化亜鉛を成分
として含めば良い。例えば、酸化亜鉛を50wt.%以
上含み残部を酸化インジウムとする酸化インジウム・亜
鉛(indium zinc oxide)複合酸化物
から第1の金属酸化物層を構成しても良い。
側に設けられる第2の金属酸化物層は、インジウム(I
n)酸化物と錫(Sn)酸化物の複合酸化物(インジウ
ム・錫酸化物:ITO)から構成するのが好ましい。I
TOは屈折率が約1.9である。このため、第1の金属
酸化物層を酸化亜鉛から構成し、第2の金属酸化物層を
ITOから構成してなる窓層は、発光を外部に取り出す
に特に優位に作用する。また、ITOからなる第2の金
属酸化物層が第1の金属酸化物層である酸化亜鉛層を覆
うことにより、化学的耐性が比較的弱い酸化亜鉛層が表
面に露出するのを防止できる。このようにITO層が酸
化亜鉛層の保護層として働くことにより、素子化プロセ
スに於いて酸化亜鉛層がエッチング等により溶解、消失
することが回避され安定してLEDを製造できる。
AlGaInP混晶からなる発光部または該発光部上に
別に形成されたIII−V族化合物半導体層とのオーミ
ック接触をなす役目を担う層であるから、キャリア濃度
を高くするのが好ましいのは勿論である。しかし、n形
の伝導を呈し、しかもAlGaInP混晶からなる発光
部または該発光部上に別に形成されたIII−V族化合
物半導体層との好適なオーミック接触をなす酸化亜鉛層
の電気的仕様は従来知られていなかった。本発明では、
前記発光部または発光部上に別に形成されたIII−V
族化合物半導体層に接して形成される酸化亜鉛層の好適
なキャリア濃度の範囲は約5×10 19cm-3以上7×1
020cm-3以下であることを見出した。さらに好適なキ
ャリア濃度の範囲は、8×1019cm-3以上5×1020
cm-3以下である。酸化亜鉛層のキャリア濃度は通常の
ホール(Hall)効果測定法により求められる。
ッタリング法や有機金属化学気相堆積法(MOCVD
法)またはレーザーアブレーション法により成膜でき
る。しかし上記の成長手段により、単結晶を主体とする
酸化亜鉛層を形成しようとすると、基板の温度を500
℃を越える高温とすることが余儀なくされる。この様な
高温では、導電性に優れる酸化亜鉛層を安定して成膜す
ることはできない。本発明では、導電性の良い酸化亜鉛
層を得るために、多結晶或いは非晶質を主体とする酸化
亜鉛層から第1の金属酸化物層を構成するのが好まし
い。多結晶とは、単結晶と非晶質の混合体や配向方位を
相違する単結晶の集合体を指す。特に、六方晶ウルツ鉱
結晶型の酸化亜鉛にあって、C軸方向に優勢に成長した
単結晶の集合体からなる多結晶の酸化亜鉛層では、横
(水平)方向にLEDの駆動電流を拡散する働きが顕著
であり、電流拡散作用を備えた窓層の構成材料として好
ましく利用できる。
るためには、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)やインジウム(In)等のIII族元素を不純
物として酸化亜鉛に高濃度に添加する必要がある。しか
し、高濃度に上記の不純物を添加すると酸化亜鉛層の結
晶性は悪化し、それに伴い可視光帯域に於ける光の透過
率も低下する。結晶性の程度は電子移動度や、それに関
係する比抵抗の大小として計測される。従って、本発明
では、可視光帯域、特にAlGaInP混晶から出射さ
れ得る、波長を約510nmから約650nmとする緑
色から赤色に及ぶ可視光帯域に於ける高い光の透過率を
確保するため、酸化亜鉛層の比抵抗は、1×10-4Ω・
cm以上3×10-3Ω・cm以下の範囲とするのを好適
とする。3×10-3Ω・cmを越えて比抵抗を大とする
酸化亜鉛層は、上記の可視光帯域に於いて平均して80
%以上の光の透過率を与えるが、前記発光部または発光
部上に別に形成されたIII−V族化合物半導体層との
オーミック接触が悪化するため好ましくはない。
れたn形酸化亜鉛層からは、波長を約510nmから約
650nmとする緑色から赤色の可視光帯域で平均して
80%以上の高い光の透過率を有する第1の金属酸化物
層が構成できる。第1の金属酸化物層の層厚が大となれ
ば透過率は低下するため、第1の酸化物層の層厚は約1
μm以内とするのが望ましい。また、第1の金属酸化物
層の厚さを極端に薄くすると発光部または発光部上に別
に形成されたIII−V族化合物半導体層の表面の全面
を充分に被覆するに至らず、オーミック接触性の不均一
性が増長され、均一な順方向電圧のLEDを得るに支障
となる。そのため第1の金属酸化物層の層厚は最低でも
約2nmは必要である。また第2の金属酸化物層を構成
するITO層のキャリア濃度、比抵抗並びに層厚の好ま
しい範囲は、第1の金属酸化物層をなす酸化亜鉛の場合
と略同様である。上記のような好ましい範囲の仕様を有
する酸化亜鉛層及びITO層の重層構造からなる窓層か
らは、上記の波長範囲に於いて平均して80%以上の光
の透過率を発揮する窓層がもたらされる。
屈折率の分布を有する構成からなる窓層は、発光を外部
に効率的に取り出す作用を促進する。
AlGaInPからなる発光部または発光部上に別に形
成されたIII−V族化合物半導体層とのオーミック接
触において、低抵抗の接触をもたらす作用を有する。
1の金属酸化物層と共に透明で導電性を有する窓層を構
成し、また第1の金属酸化物層に対する透明保護層とし
て作用する。
した実施例を基に詳細に説明する。図1は本実施例に係
わるLEDの断面構造を示す模式図である。
面を有する亜鉛ドープのp形GaAs単結晶基板101
上に、Znドープのp形GaAs緩衝層102、Znド
ープのp形(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなる下
部クラッド層103、アンドープのn形(Al0.2Ga
0.8)0.5In0.5P混晶からなる発光層104を順次、
積層した。p形下部クラッド層103の正孔濃度は約1
×1018cm-3とし、また層厚は約1μmとした。ま
た、発光層の104の層厚は約150nmとし、電子濃
度は約5×1016cm-3 とした。
層105を積層させた。上部クラッド層105は、電子
濃度を相違する第1乃至第3のn形層105a、105
b、105cを重層させて構成した。第1のn形層10
5aは、珪素(Si)をドーピングした層厚を約1μm
とし、電子濃度を7×1017cm-3とするn形(Al
0.7Ga0.3)0.5In0.5P層から構成した。また第2の
n形層105bは、Siをドーピングした層厚を100
nmとし、電子濃度を9×1016cm-3とするn形(A
l0.7Ga0.3)0.5In0.5P層から構成した。また第3
のn形層105cは、セレン(Se)をドーピングした
層厚を50nmとし、電子濃度を2×1019cm-3とす
るn形(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P層から構成し
た。上記の緩衝層102、p形下部クラッド層103、
発光層104、n形上部クラッド層105は、トリメチ
ルアルミニウム((CH3)3Al)、トリメチルガリウ
ム((CH3)3Ga)及びトリメチルインジウム((C
H3)3In)をIII族元素の原料とし、ホスフィン
(PH3)をV族元素の原料とする減圧のMOCDV法
により、720℃で積層した。亜鉛、珪素、セレンのド
ーピング原料には、ジエチル亜鉛((C2H5)2Z
n)、ジシラン(Si2H6)、セレン化水素(H2S
e)を使用した。
3のn形層105c上には、一般的な高周波スパッタリ
ング法によりアルミニウム(Al)ドープのn形酸化亜
鉛(ZnO)からなる第1の金属酸化物層106aを被
着させた。第1の金属酸化物層106aの室温でのキャ
リア濃度は約3×1020cm-3とし、比抵抗は約3×1
0-3Ω・cmとし、層厚は約250nmとした。第1の
金属酸化物層106aのキャリアの移動度は約12cm
2/V・sであった。シート(sheet)抵抗は約5
6Ω/□であった。一般的なX線回折分析法により、第
1の金属酸化物層をなす酸化亜鉛層は、<0001>方
向(C軸)に成長した単結晶の集合体からなる多結晶で
あるのが示された。
Oからなる第2の金属酸化物層106bを重層させた。
第2の金属酸化物層106bのキャリア濃度は約1×1
020cm-2とし、比抵抗は約4×10-4Ω・cmとし
た。また、層厚は約200nmとした。窓層106は第
1及び第2の2層の金属酸化物層106a、106bか
ら構成した。
するアルミニウム(Al)からなる円形のn形電極10
7を一般的なフォトリソグラフィー技術を利用して設け
た。窓層106を酸化亜鉛層をITO層で被覆する構造
としたため、n形電極107を塩酸(HCl)によりエ
ッチングして形成した際にも、酸化亜鉛層が消失するこ
とはなかった。またGaAs基板101の裏面の全面に
は、金・亜鉛合金(Au98重量%−Zn2重量%合
金)を真空蒸着した後、420℃で2分間合金化(アロ
イ)処理を施して、p形電極108を設けた。その後、
一辺を約350μmとする正方形のチップに裁断しLE
Dを作製した。
順方向に20mAの電流を流したところ、LEDの窓層
106のほぼ全面から赤橙色の発光が得られた。分光器
により測定された上記発光のピーク波長は約620nm
であった。また、発光スペクトルの半値幅は約18nm
であり、単色性に優れる発光が得られた。また20mA
の順方向電流を流す際の順方向電圧は約1.95Vとな
った。また、LED間での順方向電圧の変化幅は1.9
5V±0.04V程度であり、順方向電圧の均一化が達
成された。LEDの発光強度は約48ミリカンデラ(m
cd)に到達した。
GaInP発光ダイオードにおいて、窓層を上述したよ
うな屈折率に分布を有する構造とすれば、発光の取出し
効率の高い、即ち高輝度で、且つ発光の単色性に優れ、
順方向電圧が均一である高性能のAlGaInP発光ダ
イオードが提供される。
示す模式図である。
Claims (5)
- 【請求項1】p形砒化ガリウム(GaAs)単結晶から
なる基板と、該基板上に順次積層されたリン化アルミニ
ウム・ガリウム・インジウム(AlGaInP)混晶か
らなるp形下部クラッド層、発光層およびn形上部クラ
ッド層から構成された発光部と、該発光部上に設けられ
た透明で導電性を有する金属酸化物層からなる窓層とを
備えたAlGaInP発光ダイオードに於いて、前記窓
層が、前記発光部側に設けられた第1の屈折率n1を有
する第1の金属酸化物層と、該第1の金属酸化物層の発
光部と反対側に設けられた第1の屈折率より小さい第2
の屈折率n2(n1>n2)を有する第2の金属酸化物層
とを有することを特徴とするAlGaInP発光ダイオ
ード。 - 【請求項2】前記第1の金属酸化物層が、前記発光部ま
たは発光部上に別に形成されたIII−V族化合物半導
体層に接して形成され、該第1の金属酸化物層が酸化亜
鉛(ZnO)からなり、前記第2の金属酸化物層がイン
ジウム(In)酸化物と錫(Sn)酸化物の複合酸化物
からなることを特徴とする請求項1に記載のAlGaI
nP発光ダイオード。 - 【請求項3】前記第1の金属酸化物層を構成する酸化亜
鉛層のキャリア濃度が、5×1019cm-3以上7×10
20cm-3以下であることを特徴とする請求項2に記載の
AlGaInP発光ダイオード。 - 【請求項4】前記第1の金属酸化物層を構成する酸化亜
鉛層の比抵抗が、1×10-4Ω・cm以上3×10-3Ω
・cm以下であることを特徴する請求項2に記載のAl
GaInP発光ダイオード。 - 【請求項5】半導体単結晶からなる基板と、該基板上に
順次積層されたリン化アルミニウム・ガリウム・インジ
ウム(AlGaInP)混晶からなる発光部と、該発光
部上に設けられた透明で導電性を有する金属酸化物層か
らなる窓層とを備えたAlGaInP発光ダイオードに
於いて、前記窓層が複数の金属酸化物層からなり、該複
数の金属酸化物層は、発光層より発光の取り出し方向に
距離を隔てるに従い、順次屈折率が小さくなるように配
置されていることを特徴とするAlGaInP発光ダイ
オード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22083899A JP4232281B2 (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | AlGaInP発光ダイオード |
Applications Claiming Priority (1)
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