JP2001044496A - AlGaInP発光ダイオード - Google Patents

AlGaInP発光ダイオード

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JP2001044496A JP22083899A JP22083899A JP2001044496A JP 2001044496 A JP2001044496 A JP 2001044496A JP 22083899 A JP22083899 A JP 22083899A JP 22083899 A JP22083899 A JP 22083899A JP 2001044496 A JP2001044496 A JP 2001044496A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明で導電性を有する金属酸化物からなる窓層
を備えたAlGaInPLEDにおいて、発光を外部に
効率良く取り出すことが可能で、III−V族化合物半
導体層と低抵抗で良好なオーミック接触を得ることがで
きる窓層の構造を提供する。 【解決手段】窓層を、発光部側に設けられた第1の屈折
率n1を有する第1の金属酸化物層と、該第1の金属酸
化物層の発光部と反対側に設けられた第1の屈折率より
小さい第2の屈折率n2(n1>n2)を有する第2の金
属酸化物層とから構成する。第1の金属酸化物層が酸化
亜鉛(ZnO)からなり、第2の金属酸化物層がインジ
ウム(In)酸化物と錫(Sn)酸化物の複合酸化物か
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高輝度のAlGa
InP発光ダイオードの構造に係わり、特に透明で導電
性を有する金属酸化物からなる窓層を有するAlGaI
nP発光ダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】緑色、黄色乃至赤橙色の発光素子とし
て、pn接合型のダブルヘテロ(DH)構造のリン化ア
ルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGaInP)
混晶からなる発光部を有するAlGaInP発光ダイオ
ード(LED)が知られている(Appl.Phys.
Lett.,61(15)(1992)、1775〜1
777頁参照)。特に、インジウム組成比を約0.5と
するリン化アルミニウム・ガリウム・インジウム((A
αGa1- α0.5In0.5P:0≦α≦1)は、砒化ガ
リウム(GaAs)単結晶と良好な格子整合性を果たせ
る利点もあって(Appl.Phys.Lett.,
(27)(1990)、2937〜2939頁参
照)、DH構造の発光部をなすクラッド(clad)層
や発光層(活性層)を構成するために利用されている
(Appl.Phys.Lett.,58(10)(1
991)、1010〜1012頁参照)。
【0003】基板と反対方向にある発光層からの発光を
取り出す側のクラッド層をn形層としたLEDをn−サ
イドアップ型LED、p形層としたLEDをp−サイド
アップ型LEDと称する。n−サイドアップ型あるいは
p−サイドアップ型の何れにしても、従来のAlGaI
nPLEDでは、上部クラッド層の上に、発光部からの
発光を効率的に外部へ取りだすための窓層(ウィンドウ
層)が配置されている(SPIE、Vol.3002
(1997)、110〜118頁参照)。窓層は発光に
対して透明な禁止帯幅の大きな材料から構成する必要が
あり、従来のAlGaInPLEDでは、砒化アルミニ
ウム・ガリウム(AlCGa1-CAs:0≦C≦1)結晶
から窓層を構成する例がある(上記のAppl.Phy
s.Lett.,58(1991)参照)。また、リン
化ガリウム(GaP)から構成する例も知れている
(J.Electron.Mater.,20(199
1)、1125〜1130頁参照)。また、リン化砒化
ガリウム(GaAsP)、リン化ガリウム・インジウム
(GaInP)またはリン化アルミニウム・ガリウム・
インジウム(AlGaInP)から窓層を構成する技術
が開示されている(特開平11−17220号公報明細
書参照)
【0004】AlGaInPLEDの窓層の材料として
は、上記のようなIII−V族化合物半導体材料に加
え、例えばアメリカ合衆国特許第5,481,122号
には、酸化インジウム・錫(indium−tin o
xide:略称ITO)からなる透光性の金属酸化物の
窓層が記載されている。さらに、特開平11−1722
0号によれば、酸化インジウム・錫、酸化インジウム、
酸化錫、酸化亜鉛や酸化マグネシウムからなる導電性を
有し透光性の金属酸化物層を、リン化ガリウム(Ga
P)、リン化砒化ガリウム(GaAsP)、リン化ガリ
ウム・インジウム(GaInP)または砒化ガリウム
(GaAs)からなるコンタクト層上に設ける手段が開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特に緑色の発
光を出射する(AlαGa1- α0.5In0.5P(0≦α
≦1)発光層を有するAlGaInPLEDでは、上記
のIII−V族化合物半導体を窓層に用いた場合、禁止
帯幅が小であるため発光層からの発光が窓層に吸収され
てしまう問題があった。
【0006】また、III−V族化合物半導体層上にI
TO等の金属酸化物層を積層させた構造の窓層では、化
合物半導体層と金属酸化物層との間に低いオーミック
(Ohmic)接触抵抗が安定して得られないことが実
用上の問題となっていた。このため、金属酸化物層を積
層するIII−V族化合物半導体層には、約1×1019
cm-3を越える高いキャリア濃度を有する半導体層を用
いることが必要とされていた(特開平11−17220
号参照)。しかし、上記のような高いキャリア濃度のI
II−V族化合物半導体層を得るために高濃度の不純物
をIII−V族化合物半導体層にドーピングすると、I
II−V族化合物半導体層の結晶性は悪化するのが通例
である。このため、高キャリア濃度でかつ結晶欠陥密度
が小さく、比抵抗や移動度に優れるIII−V族化合物
半導体層を得るのは容易ではなかった。
【0007】また、一般に酸化亜鉛等の金属酸化物で
は、キャリア濃度が高い程、即ち通常は比抵抗が低くな
る程、透光性が低下する。従って、半導体層とのオーミ
ック接触を得るために金属酸化物層を高キャリア濃度と
すると、金属酸化物層からなる窓層の透光性が低下す
る。このため、金属酸化物からなる窓層の電極特性及び
発光の外部への取り出し効率の双方の特性を満足なもの
とするには、金属酸化物からなる窓層のキャリア濃度や
比抵抗について規定を設ける必要があった。
【0008】さらに、透光性の金属酸化物の種類如何に
よっては、電極の形成に支障を生じる場合がある。例え
ば、透光性の金属酸化物のひとつである酸化亜鉛(Zn
O)は両性酸化物であり、酸及びアルカリの双方に容易
に溶解する(「岩波理化学辞典第3版」(岩波書店、1
976年4月5日発行 第3版第7刷)、508頁参
照)。このため、酸化亜鉛からなる金属酸化物層を窓層
の最表層として露出すると、一般的なフォトリソグラフ
ィー工程等に伴う酸性或いはアルカリ性エッチング剤に
より酸化亜鉛層が溶解、消失する問題が発生していた。
【0009】以上、従来技術の問題点を総括すれば、
(イ)III−V族化合物半導体からなる窓層では、禁
止帯幅が十分大きくないため、AlGaInP発光層か
らの緑色の発光を充分効率良く外部へ透過するに至らな
いこと、(ロ)III−V族化合物半導体層上に透明な
金属酸化物からなる窓層を設ける構造においては、金属
酸化物からなる窓層との低抵抗の接触をもたらす高キャ
リア濃度で且つ低比抵抗の結晶性に優れるIII−V族
化合物半導体層を形成することが困難であること、
(ハ)金属酸化物層を高キャリア濃度とすれば、金属酸
化物層の透光性が低下してしまい、オーミック特性及び
発光に対する透光性の双方を満足する窓層として備える
べき金属酸化物層のキャリア濃度等の好適な範囲が不明
であること、及び(ニ)金属酸化物層の種類に依って
は、オーミック電極の形成に伴う加工に難を伴うこと、
特に酸化亜鉛からなる金属酸化物層を窓層の最表層とし
て露出させる構造の窓層では、酸化亜鉛の消失が電極形
成工程上で容易には回避できないことが挙げられる。
【0010】本発明は、上記の従来技術の問題点を克服
するためになされたもので、その目的は透明で導電性を
有する金属酸化物からなる窓層を備えたn−サイドアッ
プ型のAlGaInPLEDにおいて、(1)発光を外
部に効率良く取り出すことが可能で、(2)III−V
族化合物半導体層と低抵抗で良好なオーミック接触を得
ることができ、(3)緑色から赤色の光に対して透光性
に優れ、(4)通常の加工技術をもって電極を形成する
ことができる金属酸化物からなる窓層の構造を提示する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記の
(1)の目的については、屈折率の大小に鑑みて発明さ
れた金属酸化物層の積層構成をもって解決する。また、
(2)及び(3)の目的については、窓層構成材料の電
気的特性と透過率とを規定することをもって解決する。
すなわち本願の請求項1の発明は、p形砒化ガリウム
(GaAs)単結晶からなる基板と、該基板上に順次積
層されたリン化アルミニウム・ガリウム・インジウム
(AlGaInP)混晶からなるp形下部クラッド層、
発光層およびn形上部クラッド層から構成された発光部
と、該発光部上に設けられた透明で導電性を有する金属
酸化物層からなる窓層とを備えたAlGaInP発光ダ
イオードに於いて、前記窓層が、前記発光部側に設けら
れた第1の屈折率n1を有する第1の金属酸化物層と、
該第1の金属酸化物層の発光部と反対側に設けられた第
1の屈折率より小さい第2の屈折率n2(n1>n2)を
有する第2の金属酸化物層とを有することを特徴とす
る。
【0012】また請求項2の発明は、請求項1に記載の
AlGaInP発光ダイオードにあって、前記第1の金
属酸化物層が、前記発光部または発光部上に別に形成さ
れたIII−V族化合物半導体層に接して形成され、該
第1の金属酸化物層が酸化亜鉛(ZnO)からなり、前
記第2の金属酸化物層がインジウム(In)酸化物と錫
(Sn)酸化物の複合酸化物からなることを特徴とす
る。
【0013】また請求項3の発明は、請求項2に記載の
AlGaInP発光ダイオードにあって、前記第1の金
属酸化物層を構成する酸化亜鉛層のキャリア濃度が、5
×10 19cm-3以上7×1020cm-3以下であることを
特徴とする。
【0014】また請求項4の発明は、請求項2に記載の
AlGaInP発光ダイオードにあって、前記第1の金
属酸化物層を構成する酸化亜鉛層の比抵抗が、1×10
-4Ω・cm以上3×10-3Ω・cm以下であることを特
徴する。
【0015】また請求項5の発明は、半導体単結晶から
なる基板と、該基板上に順次積層されたリン化アルミニ
ウム・ガリウム・インジウム(AlGaInP)混晶か
らなる発光部と、該発光部上に設けられた透明で導電性
を有する金属酸化物層からなる窓層とを備えたAlGa
InP発光ダイオードに於いて、前記窓層が複数の金属
酸化物層からなり、該複数の金属酸化物層は、発光層よ
り発光の取り出し方向に距離を隔てるに従い、順次屈折
率が小さくなるように配置されていることを特徴とす
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明では、窓層を、屈折率を相
違する少なくとも2層の透明で導電性を有する金属酸化
物層を重層させて構成する。そして、窓層を2層の金属
酸化物層から構成する場合、AlGaInP発光ダイオ
ードの発光部により近接する側の第1の金属酸化物層
を、屈折率n1とする第1の金属酸化物層から構成し、
第1の金属酸化物層の発光部と反対側に設けられた第2
の酸化物層を、n1より小さな屈折率n2(n1>n2)を
有する金属酸化物層から構成する。本発明では、窓層を
3層以上の金属酸化物層から構成しても良い。例えば窓
層を3層の金属酸化物層から構成する場合は、上記の第
2の金属酸化物層の第1の酸化物層と反対側に設ける第
3の酸化物層は、第2の金属酸化物層の屈折率n2より
小さい屈折率を有する金属酸化物層から構成する。すな
わち本発明では、窓層を複数の透明で導電性を有する金
属酸化物層から構成し、該複数の金属酸化物層は、発光
層より発光の取り出し方向に距離を隔てるに従い、順次
屈折率が小さくなるように金属酸化物の材料を選択す
る。このように光の取り出し方向に順次屈折率が小さく
なるような屈折率の分布を有する窓層は、発光層から出
射される発光を外部へ効率良く取り出す作用を有する。
【0017】また、窓を構成する金属酸化物層のうち、
リン化アルミニウム・ガリウム・インジウム(AlGa
InP)混晶からなる発光部に最も近接して設けられる
金属酸化物層は、AlGaInPよりも小さな屈折率を
有する金属酸化物から構成するのが好ましい。
【0018】また、n−サイドアップ型のAlGaIn
PLEDの光の取り出し方向の表面となるn形のIII
−V族化合物半導体層上に窓層を形成する場合、窓層は
n形の導電性を呈する金属酸化物から構成するのが好ま
しい。特に第1の金属酸化物層が、前記発光部または発
光部上に別に形成されたIII−V族化合物半導体層に
接して形成される場合、発光部側の第1の金属酸化物層
は、屈折率を約2.0とするn形の酸化亜鉛(ZnO)
から構成するのが望ましい。酸化亜鉛はIII族元素が
数重量パーセント(wt.%)の濃度でドーピングされ
ると低抵抗となるため、光の取り出し方向の表面となる
n形の発光部または発光部上に別に形成されたIII−
V族化合物半導体層との良好なオーミック接触が達成さ
れる。なお、上記の酸化亜鉛からなる金属酸化物層は、
重量百分率にして、50wt.%以上の酸化亜鉛を成分
として含めば良い。例えば、酸化亜鉛を50wt.%以
上含み残部を酸化インジウムとする酸化インジウム・亜
鉛(indium zinc oxide)複合酸化物
から第1の金属酸化物層を構成しても良い。
【0019】また、第1の金属酸化物層の発光部と反対
側に設けられる第2の金属酸化物層は、インジウム(I
n)酸化物と錫(Sn)酸化物の複合酸化物(インジウ
ム・錫酸化物:ITO)から構成するのが好ましい。I
TOは屈折率が約1.9である。このため、第1の金属
酸化物層を酸化亜鉛から構成し、第2の金属酸化物層を
ITOから構成してなる窓層は、発光を外部に取り出す
に特に優位に作用する。また、ITOからなる第2の金
属酸化物層が第1の金属酸化物層である酸化亜鉛層を覆
うことにより、化学的耐性が比較的弱い酸化亜鉛層が表
面に露出するのを防止できる。このようにITO層が酸
化亜鉛層の保護層として働くことにより、素子化プロセ
スに於いて酸化亜鉛層がエッチング等により溶解、消失
することが回避され安定してLEDを製造できる。
【0020】第1の酸化物層をなすn形酸化亜鉛層は、
AlGaInP混晶からなる発光部または該発光部上に
別に形成されたIII−V族化合物半導体層とのオーミ
ック接触をなす役目を担う層であるから、キャリア濃度
を高くするのが好ましいのは勿論である。しかし、n形
の伝導を呈し、しかもAlGaInP混晶からなる発光
部または該発光部上に別に形成されたIII−V族化合
物半導体層との好適なオーミック接触をなす酸化亜鉛層
の電気的仕様は従来知られていなかった。本発明では、
前記発光部または発光部上に別に形成されたIII−V
族化合物半導体層に接して形成される酸化亜鉛層の好適
なキャリア濃度の範囲は約5×10 19cm-3以上7×1
20cm-3以下であることを見出した。さらに好適なキ
ャリア濃度の範囲は、8×1019cm-3以上5×1020
cm-3以下である。酸化亜鉛層のキャリア濃度は通常の
ホール(Hall)効果測定法により求められる。
【0021】上記の酸化亜鉛層は、一般的な高周波スパ
ッタリング法や有機金属化学気相堆積法(MOCVD
法)またはレーザーアブレーション法により成膜でき
る。しかし上記の成長手段により、単結晶を主体とする
酸化亜鉛層を形成しようとすると、基板の温度を500
℃を越える高温とすることが余儀なくされる。この様な
高温では、導電性に優れる酸化亜鉛層を安定して成膜す
ることはできない。本発明では、導電性の良い酸化亜鉛
層を得るために、多結晶或いは非晶質を主体とする酸化
亜鉛層から第1の金属酸化物層を構成するのが好まし
い。多結晶とは、単結晶と非晶質の混合体や配向方位を
相違する単結晶の集合体を指す。特に、六方晶ウルツ鉱
結晶型の酸化亜鉛にあって、C軸方向に優勢に成長した
単結晶の集合体からなる多結晶の酸化亜鉛層では、横
(水平)方向にLEDの駆動電流を拡散する働きが顕著
であり、電流拡散作用を備えた窓層の構成材料として好
ましく利用できる。
【0022】高いキャリア濃度のn形の酸化亜鉛層を得
るためには、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム
(Ga)やインジウム(In)等のIII族元素を不純
物として酸化亜鉛に高濃度に添加する必要がある。しか
し、高濃度に上記の不純物を添加すると酸化亜鉛層の結
晶性は悪化し、それに伴い可視光帯域に於ける光の透過
率も低下する。結晶性の程度は電子移動度や、それに関
係する比抵抗の大小として計測される。従って、本発明
では、可視光帯域、特にAlGaInP混晶から出射さ
れ得る、波長を約510nmから約650nmとする緑
色から赤色に及ぶ可視光帯域に於ける高い光の透過率を
確保するため、酸化亜鉛層の比抵抗は、1×10-4Ω・
cm以上3×10-3Ω・cm以下の範囲とするのを好適
とする。3×10-3Ω・cmを越えて比抵抗を大とする
酸化亜鉛層は、上記の可視光帯域に於いて平均して80
%以上の光の透過率を与えるが、前記発光部または発光
部上に別に形成されたIII−V族化合物半導体層との
オーミック接触が悪化するため好ましくはない。
【0023】上記の如くキャリア濃度と比抵抗が規定さ
れたn形酸化亜鉛層からは、波長を約510nmから約
650nmとする緑色から赤色の可視光帯域で平均して
80%以上の高い光の透過率を有する第1の金属酸化物
層が構成できる。第1の金属酸化物層の層厚が大となれ
ば透過率は低下するため、第1の酸化物層の層厚は約1
μm以内とするのが望ましい。また、第1の金属酸化物
層の厚さを極端に薄くすると発光部または発光部上に別
に形成されたIII−V族化合物半導体層の表面の全面
を充分に被覆するに至らず、オーミック接触性の不均一
性が増長され、均一な順方向電圧のLEDを得るに支障
となる。そのため第1の金属酸化物層の層厚は最低でも
約2nmは必要である。また第2の金属酸化物層を構成
するITO層のキャリア濃度、比抵抗並びに層厚の好ま
しい範囲は、第1の金属酸化物層をなす酸化亜鉛の場合
と略同様である。上記のような好ましい範囲の仕様を有
する酸化亜鉛層及びITO層の重層構造からなる窓層か
らは、上記の波長範囲に於いて平均して80%以上の光
の透過率を発揮する窓層がもたらされる。
【0024】
【作用】発光の取り出し方向に屈折率が順次小さくなる
屈折率の分布を有する構成からなる窓層は、発光を外部
に効率的に取り出す作用を促進する。
【0025】酸化亜鉛からなる第1の金属酸化物層は、
AlGaInPからなる発光部または発光部上に別に形
成されたIII−V族化合物半導体層とのオーミック接
触において、低抵抗の接触をもたらす作用を有する。
【0026】ITOからなる第2の金属酸化物層は、第
1の金属酸化物層と共に透明で導電性を有する窓層を構
成し、また第1の金属酸化物層に対する透明保護層とし
て作用する。
【0027】
【実施例】以下、本発明をAlGaInPLEDを作製
した実施例を基に詳細に説明する。図1は本実施例に係
わるLEDの断面構造を示す模式図である。
【0028】[110]方向に4゜傾斜した(001)
面を有する亜鉛ドープのp形GaAs単結晶基板101
上に、Znドープのp形GaAs緩衝層102、Znド
ープのp形(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pからなる下
部クラッド層103、アンドープのn形(Al0.2Ga
0.80.5In0.5P混晶からなる発光層104を順次、
積層した。p形下部クラッド層103の正孔濃度は約1
×1018cm-3とし、また層厚は約1μmとした。ま
た、発光層の104の層厚は約150nmとし、電子濃
度は約5×1016cm-3 とした。
【0029】発光層104上には、n形の上部クラッド
層105を積層させた。上部クラッド層105は、電子
濃度を相違する第1乃至第3のn形層105a、105
b、105cを重層させて構成した。第1のn形層10
5aは、珪素(Si)をドーピングした層厚を約1μm
とし、電子濃度を7×1017cm-3とするn形(Al
0.7Ga0.30.5In0.5P層から構成した。また第2の
n形層105bは、Siをドーピングした層厚を100
nmとし、電子濃度を9×1016cm-3とするn形(A
0.7Ga0.30.5In0.5P層から構成した。また第3
のn形層105cは、セレン(Se)をドーピングした
層厚を50nmとし、電子濃度を2×1019cm-3とす
るn形(Al0.7Ga0.30.5In0.5P層から構成し
た。上記の緩衝層102、p形下部クラッド層103、
発光層104、n形上部クラッド層105は、トリメチ
ルアルミニウム((CH33Al)、トリメチルガリウ
ム((CH33Ga)及びトリメチルインジウム((C
33In)をIII族元素の原料とし、ホスフィン
(PH3)をV族元素の原料とする減圧のMOCDV法
により、720℃で積層した。亜鉛、珪素、セレンのド
ーピング原料には、ジエチル亜鉛((C252
n)、ジシラン(Si26)、セレン化水素(H2
e)を使用した。
【0030】n形上部クラッド層105の表面をなす第
3のn形層105c上には、一般的な高周波スパッタリ
ング法によりアルミニウム(Al)ドープのn形酸化亜
鉛(ZnO)からなる第1の金属酸化物層106aを被
着させた。第1の金属酸化物層106aの室温でのキャ
リア濃度は約3×1020cm-3とし、比抵抗は約3×1
-3Ω・cmとし、層厚は約250nmとした。第1の
金属酸化物層106aのキャリアの移動度は約12cm
2/V・sであった。シート(sheet)抵抗は約5
6Ω/□であった。一般的なX線回折分析法により、第
1の金属酸化物層をなす酸化亜鉛層は、<0001>方
向(C軸)に成長した単結晶の集合体からなる多結晶で
あるのが示された。
【0031】第1の金属酸化物層106a上には、IT
Oからなる第2の金属酸化物層106bを重層させた。
第2の金属酸化物層106bのキャリア濃度は約1×1
20cm-2とし、比抵抗は約4×10-4Ω・cmとし
た。また、層厚は約200nmとした。窓層106は第
1及び第2の2層の金属酸化物層106a、106bか
ら構成した。
【0032】窓層106上には、直径を約110μmと
するアルミニウム(Al)からなる円形のn形電極10
7を一般的なフォトリソグラフィー技術を利用して設け
た。窓層106を酸化亜鉛層をITO層で被覆する構造
としたため、n形電極107を塩酸(HCl)によりエ
ッチングして形成した際にも、酸化亜鉛層が消失するこ
とはなかった。またGaAs基板101の裏面の全面に
は、金・亜鉛合金(Au98重量%−Zn2重量%合
金)を真空蒸着した後、420℃で2分間合金化(アロ
イ)処理を施して、p形電極108を設けた。その後、
一辺を約350μmとする正方形のチップに裁断しLE
Dを作製した。
【0033】n形電極107とp形電極108との間に
順方向に20mAの電流を流したところ、LEDの窓層
106のほぼ全面から赤橙色の発光が得られた。分光器
により測定された上記発光のピーク波長は約620nm
であった。また、発光スペクトルの半値幅は約18nm
であり、単色性に優れる発光が得られた。また20mA
の順方向電流を流す際の順方向電圧は約1.95Vとな
った。また、LED間での順方向電圧の変化幅は1.9
5V±0.04V程度であり、順方向電圧の均一化が達
成された。LEDの発光強度は約48ミリカンデラ(m
cd)に到達した。
【0034】
【発明の効果】金属酸化物層からなる窓層を備えたAl
GaInP発光ダイオードにおいて、窓層を上述したよ
うな屈折率に分布を有する構造とすれば、発光の取出し
効率の高い、即ち高輝度で、且つ発光の単色性に優れ、
順方向電圧が均一である高性能のAlGaInP発光ダ
イオードが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係わるLEDの断面構造を
示す模式図である。
【符号の説明】
101 p形GaAs単結晶基板 102 p形GaAs緩衝層 103 p形下部クラッド層 104 発光層 105 上部クラッド層 105a 第1のn形層 105b 第2のn形層 105c 第3のn形層 106 窓層 106a 第1の金属酸化物層 106b 第2の金属酸化物層 107 n形電極 108 p形電極
フロントページの続き (72)発明者 松沢 圭一 埼玉県秩父市大字下影森1505番地 昭和電 工株式会社秩父工場内 (72)発明者 宇田川 隆 埼玉県秩父市大字下影森1505番地 昭和電 工株式会社総合研究所秩父研究室内 Fターム(参考) 5F041 AA03 AA04 AA21 CA34 CA88 CB36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】p形砒化ガリウム(GaAs)単結晶から
    なる基板と、該基板上に順次積層されたリン化アルミニ
    ウム・ガリウム・インジウム(AlGaInP)混晶か
    らなるp形下部クラッド層、発光層およびn形上部クラ
    ッド層から構成された発光部と、該発光部上に設けられ
    た透明で導電性を有する金属酸化物層からなる窓層とを
    備えたAlGaInP発光ダイオードに於いて、前記窓
    層が、前記発光部側に設けられた第1の屈折率n1を有
    する第1の金属酸化物層と、該第1の金属酸化物層の発
    光部と反対側に設けられた第1の屈折率より小さい第2
    の屈折率n2(n1>n2)を有する第2の金属酸化物層
    とを有することを特徴とするAlGaInP発光ダイオ
    ード。
  2. 【請求項2】前記第1の金属酸化物層が、前記発光部ま
    たは発光部上に別に形成されたIII−V族化合物半導
    体層に接して形成され、該第1の金属酸化物層が酸化亜
    鉛(ZnO)からなり、前記第2の金属酸化物層がイン
    ジウム(In)酸化物と錫(Sn)酸化物の複合酸化物
    からなることを特徴とする請求項1に記載のAlGaI
    nP発光ダイオード。
  3. 【請求項3】前記第1の金属酸化物層を構成する酸化亜
    鉛層のキャリア濃度が、5×1019cm-3以上7×10
    20cm-3以下であることを特徴とする請求項2に記載の
    AlGaInP発光ダイオード。
  4. 【請求項4】前記第1の金属酸化物層を構成する酸化亜
    鉛層の比抵抗が、1×10-4Ω・cm以上3×10-3Ω
    ・cm以下であることを特徴する請求項2に記載のAl
    GaInP発光ダイオード。
  5. 【請求項5】半導体単結晶からなる基板と、該基板上に
    順次積層されたリン化アルミニウム・ガリウム・インジ
    ウム(AlGaInP)混晶からなる発光部と、該発光
    部上に設けられた透明で導電性を有する金属酸化物層か
    らなる窓層とを備えたAlGaInP発光ダイオードに
    於いて、前記窓層が複数の金属酸化物層からなり、該複
    数の金属酸化物層は、発光層より発光の取り出し方向に
    距離を隔てるに従い、順次屈折率が小さくなるように配
    置されていることを特徴とするAlGaInP発光ダイ
    オード。
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KR20030089574A (ko) * 2002-05-16 2003-11-22 시로 사카이 질화갈륨계 화합물 반도체 장치
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KR20160047602A (ko) * 2014-10-22 2016-05-03 한양대학교 산학협력단 발광 소자 및 그 제조 방법

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