JP2001042332A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2001042332A
JP2001042332A JP11220383A JP22038399A JP2001042332A JP 2001042332 A JP2001042332 A JP 2001042332A JP 11220383 A JP11220383 A JP 11220383A JP 22038399 A JP22038399 A JP 22038399A JP 2001042332 A JP2001042332 A JP 2001042332A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配向不良に起因する液晶表示素子の表示品位
の低下を防止する。 【解決手段】 液晶表示素子33において、液晶層43
が第1基板41と第2基板42との間に介在され、第1
配向膜45が第1基板41と液晶層43との間に介在さ
れ、開口部50を有する調整層49と複数の画素電極4
7とが第1基板41と第1配向膜45との間に介在され
る。第1基板41の法線方向から見て、開口部50は、
ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極4
7にまたがるように、形成されている。これによって第
1配向膜45の壁面がラビング方向53の反対方向55
以外の方向に対して対向し、またはラビング方向に略平
行に並んで隣合う2つの画素電極47が配置された領域
内にある第1配向膜45表面の第1基板41表面からの
高さが等しい部分が連続する。これによって第1配向膜
45の段差に起因する液晶表示素子の表示品位の低下が
防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配向膜の形成時に
ラビング処理を行う液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、薄型でありかつ消費電
力が低いという特徴を生かして、ワードプロセッサやパ
ーソナルコンピュータ等のOA機器、電子手帳等の携帯
情報機器、およびモニタを備えたカメラ一体型ビデオテ
ープレコーダ(VTR)等に、広く用いられている。液
晶表示装置は、複数の画素が行列状に配置されて構成さ
れた液晶表示素子を少なくとも備えている。液晶表示装
置は、陰極線管およびEL表示装置に代表される自発光
型の表示装置とは異なり、液晶表示素子外部からの光を
利用して表示を行う。透過型の液晶表示装置では、蛍光
管等で実現される背面光源が液晶表示素子の背面に配置
されており、背面光源から発せられて液晶表示素子に入
射する光が表示に利用される。反射型の液晶表示装置で
は、液晶表示素子の背面に反射板が配置されており、液
晶表示素子の前面から液晶表示素子に入射する外光が表
示に利用される。
【0003】透過型液晶表示装置は、背面光源を用いて
表示を行うので、装置周囲の明るさに影響されることな
く、明るくコントラストが高い表示を行うことができ
る。背面光源の消費電力は透過型液晶表示装置の全消費
電力の50%以上を占めるので、透過型液晶表示装置全
体の消費電力は大きくなりやすい。また透過型液晶表示
装置は、極端に明るい環境下におかれた場合、たとえば
晴天下では、視認性が低下しやすい。反射型液晶表示装
置は、背面光源を使用しないので、装置全体の消費電力
を大幅に少なくすることができる。反射型液晶表示装置
は、装置周囲の明るさ等、使用環境に応じて、表示の明
るさおよびコントラストが左右される。
【0004】本願出願人は、透過型および反射型液晶表
示装置の問題点を解決するために、透過型と反射型との
両方の機能を合わせ持った透過反射両用型液晶表示装置
(以後「両用型LCD」と略称する)を、特開平11−
109417号公報において提案している。両用型LC
Dは、液晶表示素子の1画素分の領域内に、背面光源か
らの光が透過可能である透過領域と、外光を反射可能で
ある反射領域とが作込まれている。装置周囲が暗い場
合、両用型LCDは、背面光源から発せられて透過領域
を通過した光を利用して表示を行う透過型液晶表示装置
として用いられる。装置周囲が明るい場合、両用型LC
Dは、光反射率の高い反射領域において外光を反射して
表示を行う反射型液晶表示装置として用いられる。
【0005】両用型LCDに備えられる透過反射両用型
(以後「両用型」と略称する)の液晶表示素子におい
て、液晶層は、絶縁性の基板を含む主基板部と透光性を
有する基板を含む対向基板部との間に介在される。図7
は、両用型LCD内の液晶表示素子の主基板部の2画素
分の領域の部分拡大平面図である。図8は、図7の主基
板部のA−A端面図である。図7の液晶表示素子は、ス
イッチング素子として3端子素子を用いたアクティブマ
トリクス型の構成になっている。
【0006】主基板部1において、絶縁性の第1基板2
の液晶層側表面の1画素分の領域3には、透過領域4と
反射領域5とが設定されている。透過領域3には、IT
O(インジウム−錫酸化物)から形成されて光を透過可
能である画素電極透過部6が配置されている。反射領域
4には、アルミニウムから形成されて光を反射可能であ
る画素電極反射部7が配置されている。画素電極透過部
6と画素電極反射部7とが、1画素分の画素電極8を構
成している。画素電極反射部7と第1基板2との間に
は、絶縁材料の樹脂から成る調整層9が介在されてい
る。第1基板表面の画素領域3の周囲には、画素電極8
の制御に関わる配線10が配設されている。調整層9
は、反射領域5だけでなく、画素領域3の周囲の領域に
も延在されており、配線10を覆っている。主基板部1
の液晶層に最近接する位置に、配向膜11が設けられ
る。なお図7では、配向膜11の一部分が省略されてい
る。
【0007】両用型LCDが少なくとも液晶表示素子の
前面側に偏光板を配置した構成になっているならば、両
用型LCDが透過型液晶表示装置として動作する場合に
おける表示に用いる光の実効の光路長と、両用型LCD
が反射型液晶表示装置として動作する場合における表示
に用いる光の実効の光路長との整合性を図る必要があ
る。調整層9は光路長調整のための部材である。調整層
9の層厚を調整することによって、透過領域4の液晶層
の層厚と反射領域5の液晶層の層厚との差が調整され
て、前述の2通りの光路長が整合される。調整層9の層
厚は、液晶層の透過領域に面する部分の層厚の半分程度
になっており、液晶層の透過領域に面する部分の層厚が
5.0μmである場合、調整層9の層厚は2.5μmに
なっている。
【0008】両用型の液晶表示素子は、場合によって
は、画素毎に、付加容量部を備えている。図9は、付加
容量部を備えた両用型の液晶表示素子の主基板部13の
2画素分の領域の部分拡大平面図である。図10は、図
7の主基板部13のB−B端面図である。図9の液晶表
示素子の主基板部13以外の構成は、図7の液晶表示素
子の構成と等しい。図9の主基板部13の部品のうち、
図7の主基板部1の部品と同じ機能を有する部品には、
同じ参照符を付して説明は省略する。なお図9の平面図
では、配向膜11の一部分の記載が省略されている。
【0009】図9の液晶表示素子は、スイッチング素子
として3端子素子を用いたアクティブマトリクス型の構
成になっている。図9の主基板部13において、付加容
量用の共通配線14は、画素電極反射部7の直下の位置
を通り、かつ制御用配線10と平行になるように、第1
基板2の液晶層側表面に配置されている。共通配線14
と画素電極反射部7とが調整層9を介して重畳する部分
が、画素の付加容量部15として機能する。画素電極透
過部6は反射領域4に延在されており、調整層9を介し
て画素電極反射部7と重なっている。画素電極反射部7
は、調整層9に設けられたコンタクトホール16を介し
て、画素電極透過部6と、電気的に接続されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図7〜図10で説明し
た両用型LCDの液晶表示素子の主基板部1,13で
は、液晶層厚の調整層9に起因して、透過領域4と反射
領域5との境界近傍の配向膜11表面に段差が生じる。
調整層9に起因する配向膜11の段差は、基板表面全体
にわたり、各所に生じている。
【0011】主基板部1,13の配向膜11は、画素電
極8形成後の第1基板2上に配向膜の材料を塗布し、塗
布された材料からなる薄膜に配向処理を施すことによっ
て、形成される。配向処理のために、具体的には、ラビ
ングローラが、塗布材料からなる薄膜表面を、所定の圧
力を加えつつ、所定のラビング方向18にラビングす
る。主基板部1,13に調整層9が設けられている場
合、薄膜表面に凹凸があるので、薄膜表面の凹部は凸部
に比べて配向処理の効果が弱くなり、配向膜表面全体が
均一に配向処理されない。
【0012】図7の主基板部において、配向膜11表面
内の調整層9に起因した段差がある部分である壁面は、
テーパ形状になっている。配向膜11の壁面のうち、ラ
ビング方向18に対向する壁面21近傍の液晶分子22
のプレティルト角は、テーパ形状の影響を受けた分だ
け、配向膜11表面の段差のない平坦な部分23近傍の
液晶分子24のプレティルト角と異なるが、両者の液晶
分子22,24のティルトする方向は相互に等しい。ラ
ビング方向18に対向する壁面21は、表示に影響を殆
ど与えない。配向膜11表面のラビング方向の反対方向
に対向する壁面25の近傍の液晶分子26は該壁面25
に沿って立上がろうとするため、該壁面25近傍の液晶
分子26がティルトする方向は、配向膜11表面の段差
のない平坦な部分23近傍の液晶分子24がティルトす
る方向とは異なっている。ラビング方向18と反対方向
に対向する壁面25近傍の液晶分子26は、所定のティ
ルト方向とは逆方向に傾く状態、いわゆるリバースティ
ルトの状態になっている。この結果、ラビング方向18
と反対方向に対向する壁面25がある領域と液晶分子が
正常に配向している領域との間にディスクリネーション
ライン27が生じ、ラビング方向18と反対方向に対向
する壁面25がある領域にリバースティルトドメイン2
8が生じる。これによって図7の主基板部1を有する両
用型LCDの表示品位が低下する。
【0013】図9の主基板部13では、1画素分の領域
内の配向膜表面において、共通配線14に重なる部分と
配線10に重なる部分とが、凸状になっている。これら
凸状部分のラビング方向と反対方向に対向する壁面2
9,30近傍の液晶分子は、リバースティルトの状態に
なっている。この結果、ラビング方向18の反対方向に
対向する壁面29,30がある領域と液晶分子が正常に
配向している領域との間にディスクリネーションライン
27が生じ、ラビング方向18と反対方向に対向する壁
面29,30がある領域にリバースティルトドメイン2
8が生じるため、図9の主基板部13を有する両用型L
CDの表示品位が低下する。
【0014】本発明の目的は、ラビング処理を用いて形
成された配向膜を有する液晶表示素子において、ラビン
グ方向18の反対方向に対向する配向膜壁面をできるだ
け減らすことによって、配向不良に起因する表示不良の
発生が防止されている液晶表示素子を提供することであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、間隔を空けて
相互に対向する第1基板および第2基板と、第1基板と
第2基板との間に配置される液晶層と、第1基板と液晶
層との間に配置される第1配向膜と、第1基板と第1配
向膜との間に配置される複数の画素電極と、第2基板と
液晶層との間に配置されて各画素電極と対向する対向電
極と、第1基板と第1配向膜との間に配置され、かつ開
口部を有する層間膜とを含み、第1配向膜は、第1基板
の表面に配置された画素電極および層間膜に重ねて薄膜
を成膜する工程と、予め定める1方向であるラビング方
向に薄膜をラビングする工程とによって製造され、層間
膜の開口部の一部分は、画素電極に重なり、前記第1配
向膜の段差が生じている部分の表面である壁面は、ラビ
ング方向の反対方向以外の方向に対して対向しているこ
とを特徴とする液晶表示素子である。
【0016】本発明に従えば、液晶表示素子において、
第1基板側の第1配向膜に、ラビング方向と反対方向に
対向する壁面が存在しない。これによって液晶表示装置
において、ラビング方向と反対方向に対向する壁面に起
因するリバースティルトドメインおよびディスクリネー
ションが発生しない。したがって液晶表示素子における
ディスクリネーションに起因する表示品位の低下が防止
される。
【0017】また本発明の液晶表示素子は、前記第1配
向膜の壁面は、前記ラビング方向の反対方向およびラビ
ング方向以外の方向に対して対向していることを特徴と
する。
【0018】本発明に従えば、液晶表示素子において、
第1基板側の第1配向膜に、層間膜に起因しかつラビン
グ方向およびラビング方向の反対方向に対向する壁面の
両方が存在しない。第1配向膜をこのように形成するに
は、層間膜が、ラビング方向と長手方向が略平行である
ような帯状の形状に形成されていればよい。これによっ
て前記反対方向に対向する壁面の原因になる層間膜の端
を、容易かつ完全に無くすことができる。
【0019】本発明は、間隔を空けて相互に対向する第
1基板および第2基板と、第1基板と第2基板との間に
配置される液晶層と、第1基板と液晶層との間に配置さ
れる第1配向膜と、第1基板と第1配向膜との間に配置
される複数の画素電極と、第2基板と液晶層との間に配
置されて各画素電極と対向する対向電極と、第1基板と
第1配向膜との間に配置され、かつ開口部を有する層間
膜とを含み、第1配向膜は、第1基板の表面に配置され
た画素電極および層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程
と、予め定める1方向であるラビング方向に薄膜をラビ
ングする工程とによって製造され、層間膜の開口部の一
部分は、画素電極に重なり、ラビング方向に略平行に並
んで隣合う2つの画素電極が配置された領域内にある第
1配向膜表面の第1基板表面からの高さが等しい部分
は、連続していることを特徴とする液晶表示素子であ
る。
【0020】本発明に従えば、液晶表示素子において、
ラビング方向に平行に並んで隣合う2つの各画素電極が
配置された領域内の段差が等しい部分、すなわち前記第
1配向膜内の基板表面から高さが等しい部分が連続する
ように、層間膜の開口部は設けられている。これによっ
て隣合う2つの画素電極の間にありラビング方向と反対
方向と対向する第1配向膜壁面の大きさが、該壁面に起
因するディスクリネーションが表示品位に影響を与えな
い程度に、充分に小さくなる。このように液晶表示装置
は、ラビング方向の反対方向に対向する壁面をできるだ
け減らすように構成されているので、液晶表示素子は、
ディスクリネーションに起因する表示品位の低下を、確
実に防止することができる。
【0021】本発明は、間隔を空けて相互に対向する第
1基板および第2基板と、第1基板と第2基板との間に
配置される液晶層と、第1基板と液晶層との間に配置さ
れる第1配向膜と、第1基板と第1配向膜との間に配置
される複数の画素電極と、第2基板と液晶層との間に配
置されて各画素電極と対向する対向電極と、第1基板と
第1配向膜との間に配置され、かつ開口部を有する層間
膜とを含み、第1配向膜は、第1基板の表面に配置され
た画素電極および層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程
と、予め定める1方向であるラビング方向に薄膜をラビ
ングする工程とによって製造され、前記層間膜の開口部
は、ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電
極にまたがって重なっていることを特徴とする液晶表示
素子である。
【0022】本発明に従えば、液晶表示素子において、
層間膜の開口部は、ラビング方向に略平行に並んで隣合
う2つの画素電極にまたがるように形成されている。こ
れによって、ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つ
の画素電極の間に、層間膜が存在しない領域が形成され
る。前記隣合う2つの画素電極のうちの一方画素電極の
層間膜と重ならない領域は、画素電極間の層間膜のない
領域を介して、前記隣合う2つの画素電極のうちの他方
画素電極の層間膜と重ならない領域と連続する。このよ
うに画素電極の層間膜と重ならない領域が画素毎に独立
しないで連続している場合、連続している領域内に、層
間膜の端に起因する第1配向膜壁面は存在しない。これ
によって本発明の液晶表示装置における層間膜の端に起
因しラビング方向の反対方向に対向する第1配向膜壁面
の数または大きさが、従来技術の液晶表示素子における
層間膜の端に起因しラビング方向の反対方向に対向する
第1配向膜壁面の数または大きさよりも減少する。この
ように液晶表示装置は、ラビング方向の反対方向に対向
する壁面をできるだけ減らすように構成されているの
で、液晶表示素子におけるディスクリネーションに起因
する表示品位の低下が確実に防止される。
【0023】また本発明の液晶表示素子は、前記層間膜
の開口部は、前記ラビング方向に略平行に並んで隣合う
2つの画素電極のうちのラビング方向側にある一方画素
電極のラビング方向側の端から、該2つの画素電極のう
ちの該反対方向側にある他方画素電極の該反対方向側の
端に至っていることを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、液晶表示素子において、
層間膜の開口部は、前記ラビング方向に略平行に並んで
隣合う2つの画素電極のうちのラビング方向側にある一
方画素電極のラビング方向側の端から、該2つの画素電
極のうちの該反対方向側にある他方画素電極の該反対方
向側の端に至っている。これによって、前記一方画素電
極のラビング方向側の端から他方画素電極の該反対方向
側の端までの領域内に、層間膜の端に起因して前記反対
方向に対向する第1配向膜壁面は存在しない。このよう
な層間膜を有する液晶表示装置では、ラビング方向と反
対方向に対向する壁面に起因するリバースティルトドメ
インおよびディスクリネーションが発生しない。したが
って液晶表示素子は、ディスクリネーションに起因する
表示品位の低下を防止することができる。
【0025】また本発明の液晶表示素子は、前記層間膜
の開口部のラビング方向に直交する方向側の端は、ラビ
ング方向と略平行であることを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、液晶表示素子において、
層間膜の開口部のラビング方向に直交する方向側の端
は、ラビング方向に略平行になっている。これによっ
て、ラビング方向に平行に並んで隣合う2つの画素電極
の間に、ラビング方向の反対方向と対向する配向膜壁面
が存在しない。したがって液晶表示素子は、ディスクリ
ネーションに起因する表示品位の低下を、さらに確実に
防止することができる。
【0027】また本発明の液晶表示素子は、前記第1配
向膜の段差が生じている部分の表面である壁面のうち、
前記ラビング方向に対して対向している壁面の段差は、
前記液晶層の前記画素電極に対向する部分の最大層厚の
1割未満であることを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、液晶表示素子において、
第1基板側の配向膜のラビング方向の反対方向に対して
対向している壁面の段差は、0より大きく、かつ液晶層
の画素電極に対向する部分の最大層厚の1割未満の値に
なっている。前記最大層厚の1割未満の段差を有する壁
面は、ラビング処理に影響を与えない。ゆえに、層間膜
の画素電極上の端面に重なる第1配向膜壁面がラビング
方向の反対方向以外の方向、またはラビング方向および
前記反対方向以外の方向に対向しつつ、第1配向膜に残
されているラビング方向の反対方向に対向する第1配向
膜壁面の段差が前記最大層厚の1割未満に抑えられてい
るならば、リバースティルトドメインおよびディスクリ
ネーションの発生を防止することができる。これによっ
て液晶表示素子は、ディスクリネーションに起因する表
示品位の低下を確実に防止することができる。
【0029】また本発明の液晶表示素子は、前記画素電
極は、光を透過する透過部と、前記液晶層側から到来す
る光を反射する反射部とから構成され、前記層間膜は、
前記画素電極の反射部と前記第1基板との間に配置さ
れ、前記層間膜の開口部は、前記画素電極の透過部と重
なり、前記第1基板と前記画素電極透過部と前記液晶層
と前記対向電極と前記第2基板とを順次通過する第1光
路を通過した光、および前記第2基板と前記対向電極と
前記液晶層とを通過し前記画素電極反射部で反射されて
前記液晶層と前記対向電極と前記第2基板とを再通過す
る第2光路を通過した光のうちの少なくとも一方が、表
示に用いられ、第1光路の通過前後の光の位相差と第2
光路の通過前後の光の位相差とが一致するように、前記
層間膜の膜厚が設定されていることを特徴とする。
【0030】本発明に従えば、液晶表示素子は透過反射
両用型の構成になっている。液晶表示素子の層間膜は、
第1光路の通過前後の光の位相差と第2光路の通過前後
の光の位相差の整合に用いられている。このような液晶
表示素子において、第1基板側の第1配向膜表面のラビ
ング方向の反対方向に対向する壁面は存在しないかまた
はできるだけ減少されているので、該壁面に起因するリ
バースティルトドメインおよびディスクリネーションの
発生が充分に抑えられる。したがって両用型の液晶表示
素子は、ディスクリネーションに起因する表示品位の低
下を防止することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態である両用型の液晶表示素子33が有する主基板部3
3Aの部分拡大平面図である。図2は、図1の液晶表示
素子33を備えた透過反射両用型液晶表示装置(以後
「両用型LCD」と略称する)31の部分拡大断面図で
ある。図1と図2とを合わせて説明する。図2の両用型
LCD31の断面は、図1の主基板部33AのC−C断
面を含む。なお図1の平面図において、後述する第1配
向膜45の一部分の記載が省略されている。
【0032】両用型LCD31は、両用型の液晶表示素
子33の他に、第1偏光板35、第2偏光板36、第1
光学補償板37、第2光学補償板38、および光源39
を含む。各光学補償板37,38は、1/4波長板で実
現されている。液晶表示素子33は、概略的には、第1
基板41、第2基板42、液晶層43、第1配向膜4
5、第2配向膜46、複数の画素電極47、画素電極4
7と同数の対向電極48、および液晶層厚の調整層49
を含む。
【0033】第1基板41と第2基板42とは、透光性
を有し、間隔を空けて対向配置される。2枚の基板4
1,42のうちの少なくとも第1基板41は、絶縁性を
有する。液晶層43は、2枚の基板41,42の間に配
置される。第1配向膜45は第1基板41と液晶層43
との間に配置される。第2配向膜46は、第2基板42
と液晶層43との間に配置される。2枚の配向膜45,
46は、液晶層43に最近接する。全画素電極47は、
第1基板41と第1配向膜45との間に配置される。各
対向電極48は、第2基板42と第2配向膜46との間
に配置され、かつ各画素電極47と対向する。調整層4
9は、第1基板41と第1配向膜47との間に介在され
る層間膜であり、少なくとも1つの開口部50を有して
いる。調整層49の単一の開口部50は、後述するラビ
ング方向53に略平行に並んで隣合う2つの画素電極と
重なるように、配置されている。
【0034】画素電極47と対向電極48とによって挟
まれた部分が、画素を構成している。第1基板41の液
晶層23側の一方表面51内の各画素電極47が配置さ
れた領域を、画素領域52と称する。液晶表示素子33
内の第1基板41および第1基板41と液晶層43との
間の部材から成る部分を、「主基板部33A」と総称す
る。第1配向膜45は、主基板部33A内のどの部材よ
りも液晶層63に最近接する。液晶表示素子33内の第
2基板42および第2基板42と液晶層43との間の部
材から成る部分を、「対向基板部33B」と総称する。
【0035】第1配向膜45は、第1基板41の一方表
面51に既に配置された画素電極47および調整層49
に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める1方向であ
るラビング方向53に薄膜をラビングする工程とによっ
て製造される。第2配向膜45は、第1配向膜45と同
様に、薄膜の成膜工程とラビング工程とによって製造さ
れても良く、その他の製造手法、たとえば蒸着法を用い
て製造されてもよい。
【0036】第1配向膜45の段差のある部分の表面
(以後「壁面」と称する)は、ラビング方向53と反対
の方向(以後「逆ラビング方向」と称する)55以外の
方向に対して対向していることが好ましい。逆ラビング
方向55に対向する壁面が第1配向膜45に残っている
場合、残っている壁面の段差は、0よりも大きく、かつ
液晶層43の画素電極47に対向する部分の最大層厚d
tの1割未満の値であることが好ましい。本実施の形態
では、第1配向膜45の壁面のうち、画素領域52内に
ある調整層49の端面を覆う配向膜壁面54は逆ラビン
グ方向55およびラビング方向53以外の残余方向に対
して対向しており、第1配向膜45と第1基板41との
間にある全部材のうちの調整層49以外の残余部材の端
面を覆う配向膜壁面の段差は、前記最大層厚dtの1割
未満になっている。
【0037】本実施の形態では、液晶表示素子33が両
用型であるので、画素電極47は、光を反射可能な導電
性材料からなる反射部47と、光を透過可能な導電性材
料からなる透過部48とから構成される。画素電極反射
部57は、画素領域52内の光を反射させるべき反射領
域71に配置される。画素電極透過部58は、画素領域
52内の光を透過させるべき透過領域72に配置され
る。
【0038】両用型液晶表示素子33において、調整層
49は、液晶層43の画素電極反射部57に対向する部
分の層厚、すなわち液晶層反射部の層厚drを調整する
ために用いられる。調整層49は、反射部47と第1基
板41との間に介在される。調整層49の開口部50
は、第1基板41表面の法線方向から見て、透過部58
と重なっている。両用型の液晶表示素子33において、
液晶層43の画素電極47に対向する部分の最大層厚d
tは、液晶層43の画素電極透過部58に対向する部分
の層厚、すなわち液晶層透過部の層厚である。
【0039】2枚の偏光板35,36は、液晶表示素子
33を挟んで対向している。第1光学補償板37は、第
1偏光板35と第1基板41との間に介在される。第2
光学補償板38は、第2偏光板36と第2基板42との
間に介在される。第1偏光板35は、第1光学補償板3
7と光源39との間に介在される。両用型LCD31の
第2偏光板36側が両用型LCD31の前面側であり、
両用型LCDの光源39側が両用型LCD31の背面側
である。使用者は、両用型LCD31の前面側から両用
型LCD31に臨む。
【0040】本実施の形態では、さらに詳しくは、液晶
表示素子33はカラー表示が可能なアクティブマトリク
ス型の液晶表示素子であるので、液晶表示素子33は、
複数本の走査線61、複数本の信号線62、層間絶縁膜
63、画素電極47と同数のスイッチング素子65、複
数のカラーフィルタ層69、および遮光層70をさらに
含む。本実施の形態では、スイッチング素子65は、3
端子素子である薄膜トランジスタ(TFT)で実現され
ている。1画素につき、画素電極反射部57は2つあ
る。液晶表示素子33の具体的構成は、以下のとおりで
ある。
【0041】第1基板41は、透光性および絶縁性を有
する基板の一方面に、絶縁性を有するベースコート膜が
成膜されている構成になっている。全走査線61は、相
互に平行にかつ相互に間隔を空けて、第1基板41の一
方表面51に配置される。全信号線62は、相互に平行
にかつ相互に間隔を空けて、第1基板41の一方表面5
1に配置される。走査線61の長手方向と信号線62の
長手方向とは、第1基板41の一方表面51の法線方向
から見て、直交している。本実施の形態では、信号線6
2の長手方向が、ラビング方向53と平行になってい
る。層間絶縁膜63は、走査線61と信号線62との間
に介在され、かつ第1基板41の一方表面51全体を覆
っている。画素電極47および調整層49は、層間絶縁
膜63と第1配向膜45との間に介在される。
【0042】走査線61と信号線62とによって囲まれ
た矩形領域が、画素領域52に相当する。複数の画素領
域52は行列状に並んでいる。画素領域の配列の列また
は行の方向は、ラビング方向52と略平行になってい
る。単一の画素領域52において、反射領域71は透過
領域72によって2つに分断されている。調整層49の
表面には、連続する波状の凹凸が形成されている。調整
層49表面に凹凸を形成するために、調整層49は感光
性の樹脂膜によって形成されることが好ましい。
【0043】画素電極47は、各画素領域52に1つず
つ配置される。第1基板41の法線方向から見て、単一
画素領域52では、単一の画素電極透過部58が2つの
画素電極反射部57の間に配置される。画素電極反射部
57は、反射率が比較的高い導電性材料から形成されれ
ばよく、たとえばアルミニウムによって形成される。画
素電極透過部58は、透過率が比較的高い導電性材料か
ら形成されればよく、たとえばITO(錫−インジウム
−酸化物)から形成される。反射部47および透過部5
8は、アルミニウムおよびITO以外の別の材料から形
成されていてもよい。
【0044】単一画素電極47を構成する2つの画素電
極反射部57および画素電極透過部58は、電気的に接
続されている。接続のために、各画素電極反射部57の
端部は、調整層49の端面を覆って延伸され、画素電極
透過部58と直接接触している。これによって画素電極
反射部57と画素電極透過部58とを容易に接続するこ
とができる。画素電極反射部57と画素電極透過部58
との接続のための構成は、上記の構成に限らず、他の構
成でもよい。たとえば調整層49の左右の画素電極反射
部57の直下の位置にコンタクトホールがそれぞれ形成
され、画素電極透過部58が該コンタクトホールの直下
の位置まで延伸されていて、左右の画素電極反射部57
は該コンタクトホールを介して画素電極透過部58に接
続されていてもよい。
【0045】各画素領域52の隅部に、スイッチング素
子であるTFT65が1つずつ配置される。TFT65
のゲート電極66は走査線61と接続され、TFT65
のソース電極67は信号線62と接続される。TFT6
5のドレイン電極68と画素電極反射部57との間に
は、前述の調整層49が介在されている。ドレイン電極
68は、調整層49に設けられたコンタクトホールを介
して、図面左側の画素電極反射部57と接続される。画
素電極47とTFT65との接続のための構成は、上記
の構成に限らず、他の構成でもよい。たとえば図面左側
の画素電極反射部57とドレイン電極とを調整層49の
コンタクトホールを介して接続する代わりに、TFT6
5のドレイン電極68の一部分が延伸され、ドレイン電
極68の延在部が図面左側の画素電極反射部57の直下
の調整層49と層間絶縁膜63との間に配置され、該延
在部を介してドレイン電極68が画素電極透過部58に
接続されていてもよい。これによって画素電極47とド
レイン電極68とを容易に接続することができる。
【0046】カラーフィルタ層69および遮光層70
は、第2基板41と第2配向膜46との間に介在され
る。カラーフィルタ層69は画素電極47と対向してお
り、遮光層70はブラックマトリクスとして、画素領域
52の間の領域、たとえば走査線61および信号線62
の配置された領域と対向している。本実施の形態では全
画素の対向電極48が一体化されて1枚の透明電極を構
成している。
【0047】液晶層43は、主基板部33Aと対向基板
部33Bとを、配向膜45,46同士を向かい合わせて
かつ間隔を空けて配置し、両基板部の間に液晶材料を封
入して形成される。本実施の形態では、液晶層23は、
誘電異方性が正である液晶材料から形成される。正の誘
電異方性を有する液晶材料は、本実施の形態では、メル
ク社製のZLI−3926(商品名)またはメルク社製
のZLI−4792(商品名)で実現される。両基板部
33A,33Bの間隔は、液晶層23の透過部の層厚d
tが約5.0μmになるように調整されている。調整層
49の層厚は、透過部層厚dtの約半分、本実施の形態
では約2.5μmに設定されている。
【0048】2枚の配向膜45,46は、画素電極47
と対向電極48との間に電圧が生じていない間、液晶層
43内の液晶分子の長軸方向が、基板41,42の液晶
層側表面と略平行になりかつラビング方向53と平行に
配向するように、液晶分子の配向状態を規制する。第1
配向膜45がJSR社製AL4552(商品名)であり
液晶材料がメルク社製のZLI−3926である場合、
電圧無印加時の液晶分子のプレティルト角は、2度以上
3度以下である。電圧無印加時に液晶分子がプレティル
トを有しているので、画素電極47と対向電極48との
間に電圧が印加された場合、液晶分子がプレティルトを
成している方向に、液晶分子が一様に立上がり、第1基
板41表面とほぼ垂直な方向に再配向する。
【0049】各光学補償板37,38が1/4波長板で
あり、液晶層43が正の誘電異方性を有する正の平行配
向液晶層である場合、第1偏光板35の偏光軸に平行な
方向と第1光学補償板37の遅相軸に平行な方向とが4
5度の角度を成すように、第1偏光板35および第1光
学補償板37が配置される。かつ第2偏光板36の偏光
軸に平行な方向と第2光学補償板38の遅相軸に平行な
方向とが45度の角度を成すように、第2偏光板36お
よび第2光学補償板38が配置される。第1光学補償板
37の遅相軸と第2光学補償板38の遅相軸とは相互に
平行になっている。これによって両用型LCD31は、
ノーマリホワイト型になる。
【0050】図1の液晶表示素子33の主基板部の製造
工程は、以下のとおりである。最初に、第1基板41を
形成するために、透光性および絶縁性を有する基板の一
方面に、絶縁性を有するベースコート膜が成膜される。
ベースコート膜は、たとえばTa25またはSi02
ら形成される。次いで、ベースコート膜の上に、遮光性
および導電性を有する材料から成る薄膜がスパッタリン
グ法を用いて成膜され、該薄膜が所定形状にパターニン
グされる。これによって走査線61およびTFT65の
ゲート電極66とが形成される。走査線61およびゲー
ト電極66の材料は、金属材料、たとえばアルミニウム
(Al)、モリブデン(Mo)、またはタンタル(T
a)で実現される。
【0051】次いで、第1基板41上に、走査線61お
よびゲート電極66を覆うように、、層間絶縁膜63が
積層される。層間絶縁膜63は、たとえば、P−CVD
法を用いて、走査線製造後の第1基板41上に、SiN
xが層厚が3000Åになるまで積層され、この結果形
成されるSiNxの薄膜が層間絶縁膜63として用いら
れる。層間絶縁膜63は、絶縁性を高めるために、2層
構造になっていてもよい。層間絶縁膜63が2層構造で
ある場合、最初に走査線61およびゲート電極66の表
面が陽極酸化され、次いで陽極酸化処理後の第1基板4
1上に、CVD法を用いてSiNxが積層される。この
結果得られる陽極酸化膜とSiNx薄膜とが、層間絶縁
膜63を構成する。
【0052】層間絶縁膜63形成後、TFT65のチャ
ネル層の材料から形成される第1の薄膜が、CVD法を
用いて層間絶縁膜63上に成膜される。第1薄膜の成膜
から連続して、次いでTFT65の電極コンタクト層の
材料から形成される第2の薄膜が、CVD法を用いて第
1薄膜上に成膜される。第1薄膜は、たとえばアモルフ
ァスシリコン膜で実現される。第2薄膜は、たとえば、
リン等の不純物がドーピングされたアモルファスシリコ
ン膜、またはリン等の不純物がドーピングされた微結晶
シリコン膜で実現される。第1薄膜の層厚は1500Å
であり、第2薄膜の層厚は500Åである。次いで、H
ClとSF6との混合ガスを利用するドライエッチング
法を用いて、第1薄膜および第2薄膜が所定形状にパタ
ーニングされる。これによって、TFT65のチャネル
層およびTFT65の電極コンタクト層とが形成され
る。
【0053】次いで、TFT65のチャネル層および電
極コンタクト層を覆うように、第1基板41上に、透光
性および導電性を有する材料から成る第3薄膜が、スパ
ッタリング法を用いて成膜される。第3薄膜の材料は、
たとえばITOで実現される。続いて、第3薄膜上に、
遮光性および導電性を有する材料から成るぢ4薄膜が、
積層して成膜される。第4薄膜の材料は、たとえば金属
材料、たとえばアルミニウム(Al)、モリブデン(M
o)、またはタンタル(Ta)で実現される。次いで、
第3薄膜と第4薄膜とが所定形状にパターニングされ
る。この結果、TFT65のソース電極67、TFT6
5のドレイン電極68、信号線62、および画素電極透
過部58が形成される。ソース電極67、ドレイン電極
68、および信号線62は、第3薄膜の一部分から成る
層と第4薄膜の一部分から成る層ととの2層構造になっ
ている。画素電極透過部58は、第3薄膜の一部分だけ
から形成されている。次いで、TFT65を覆うよう
に、絶縁性の材料から成り層厚が3000Åである第5
薄膜が、CVD法を用いて成膜され、所定形状にパター
ニングされ、さらに所定位置にコンタクトホールが形成
される。これによってTFT65の保護膜が成膜され
る。なお図1には、保護膜は図示されていない。
【0054】次いで、絶縁性を有する感光性樹脂が、T
FT65、走査線61、信号線62および画素電極透過
部58を覆うように、第1基板41上に塗布される。感
光性樹脂の薄膜の層厚は、約4μmである。樹脂塗布
後、感光性樹脂の薄膜に対して、露光処理、現像処理、
および熱処理が加えられる。この結果、感光性樹脂の薄
膜表面に、複数の滑らかな凹凸が形成される。凹凸完成
後、感光性樹脂薄膜から、保護膜のコンタクトホールの
上の部分と透過領域72上の部分と透過境界領域76上
の部分とが除去される。これによって、調整層49が完
成する。本実施の形態では、調整層49の材料として、
東京応化社製のOFPR−800(商品名)が用いられ
ている。調整層49の材料は、感光性の樹脂材料であれ
ば、OFPR−800に限らず、他の材料、たとえば東
京応化社製のOMR−83,OMR−85,ONNR−
20,OFPR−2,OFPR−830,またはOFP
R−500(商品名)であってもよい。あるいは、調整
層49の材料は、Shipley社製のTF−20,1
300−27,1400−27(商品名)等であっても
よく、あるいは東レ社製のフォトニース(商品名)、積
水ファインケミカル社性のRW−1(商品名)、日本化
薬社製のR001,R633(商品名)であってもよ
い。
【0055】調整層完成後、スパッタリング法を用い
て、光反射性および導電性を有する材料から成る薄膜
が、調整層49を覆うように成膜され、該薄膜が所定形
状にパターニングされる。この結果画素電極反射部57
が完成する。反射部57の材料は、たとえば金属材料、
たとえばアルミニウム(Al)、またはモリブデン(M
o)で実現される。反射部57は2層構造になっていて
もよく、この場合反射部57は、層厚が1000Åのア
ルミニウムの膜片と層厚が500Åのモリブデンの膜片
とが積層されて形成される。表面に凹凸がある調整層4
9の上に薄膜を成膜しパターニングして反射部57が形
成される場合、反射部57表面にも凹凸が形成される。
このように、表面に凹凸がある反射部57は、良好な反
射率および散乱特性を有することができる。
【0056】画素電極反射部完成後、第1配向膜45の
材料から成る薄膜が、調整層49と画素電極反射部57
と画素電極透過部58とを覆うように、第1基板41上
に成膜される。第1配向膜45の材料は、たとえば、J
SR社製のオプトマーAL4552LL(商品名)で実
現される。次いで、ラビング処理として、ラビングロー
ラが、成膜された薄膜の表面を、所定の圧力を加えつ
つ、所定のラビング方向53にラビングする。この結果
配向膜45が完成する、以上の工程によって、液晶表示
素子33の主基板部33Aが完成する。なお液晶表示素
子33の具体的な構成および製造方法において説明した
液晶表示素子33の構成部品の具体的形状、具体的材
質、および製造方法等は、液晶表示素子33の最適例の
1つである。液晶表示素子33の構成は、第1配向膜4
5表面から逆ラビング方向55に対向する壁面をできる
だけ減少させるための構成であれば、詳細構成は上記の
説明に限らない。
【0057】図2を参照して、両用型LCD31の表示
モードについて説明する。両用型LCD31が反射型L
CDとして動作する場合である反射モードでは、画素領
域52の反射領域71を通過する光が、表示に用いられ
る。両用型LCD31が透過型LCDとして動作する場
合である透過モードでは、画素領域52の透過領域72
を通過する光が、表示に用いられる。画素から表示に用
いられる光が射出されるか否かは、画素の画素電極47
および対向電極48間に所定電界が印加されているか否
かに応じて定まる。
【0058】任意の単一画素において、反射モード時の
光の振舞いは以下のとおりである。第2偏光板36の表
面から液晶表示素子33内に入射した光は、第2偏光板
36を通過することによって、第2偏光板36の偏光軸
と平行な方向に振動する直線偏光になる。第2偏光板3
6の偏光軸と第2光学補償板38の遅相軸とは45度を
成しているので、第2偏光板36通過後の直線偏光は、
第2光学補償板38に入射し通過することによって、円
偏光になる。円偏光は、液晶表示素子33の対向基板部
33Bを通過して、第2基板42側から液晶層43に入
射する。
【0059】単一画素の画素電極47および対向電極4
8間に予め定める電圧が印加されている場合、該画素電
極および対向電極間の液晶層43内に所定の電界が発生
する。液晶層43が正の誘電異方性を示す液晶材料から
形成されているならば、任意画素の画素電極47および
対向電極48間の液晶層43の液晶分子は、基板41,
42の表面に水平な方向に配向していた状態から、基板
41,42の表面にほぼ垂直な方向に再配向している。
ゆえに任意画素内の電極47,48間の液晶層43の屈
折率異方性はごく僅かであり、該液晶層43を光が通過
することによって生じる位相差は、ほぼ0である。ゆえ
に第2光学補償板38通過後の円偏光が所定電圧が印加
された電極47,48間の液晶層43に入射した場合、
円偏光を崩さないまま、第2基板42から第1基板41
に向かう方向に進行して液晶層43を通過し、第1基板
41上にある画素電極反射部57で反射される。
【0060】反射された円偏光は、液晶層43に第1基
板41側から再入射し、円偏光を崩さないまま、第1基
板41から第2基板42に向かう方向に進行して液晶層
43を通過し、対向基板部33Bを通過して、再び第2
光学補償板38に入射する。再入射した円偏光は、第2
光学補償板38を通過することによって、第2偏光板3
6の偏光軸とは直交する方向に振動する直線偏光にな
る。第2偏光板36再通過後の直線偏光は、偏光軸と直
交する方向に振動しているので、第2偏光板36を通過
することなく、第2偏光板36に吸収される。このよう
に、画素電極47および対向電極48間に所定電界が発
生している場合、画素は黒表示になる。
【0061】単一画素の画素電極47および対向電極4
8間に所定電圧が印加されていない場合、該画素電極4
7および対向電極48間の液晶層43内に所定電界が発
生しないので、該液晶層43内の液晶分子は、基板4
1,42の表面に水平な方向に配向している状態を保
つ。ゆえに画素電極47および対向電極48間の液晶層
43の屈折率異方性は充分に大きい。ゆえに第2光学補
償板38通過後の円偏光が所定電圧が印加されていない
電極47,48間の液晶層43に入射した場合、円偏光
は、これら両電極47,48間の液晶層43を通過する
と、該液晶層43の複屈折に起因して楕円偏光になる。
【0062】液晶層43通過後の楕円偏光は、第1基板
41上にある画素電極反射部57で反射され、液晶層4
3に第1基板41側から再入射する。再入射した楕円偏
光は、液晶層43を通過することによってさらに偏光状
態が崩され、再び第2光学補償板38に入射する。再入
射した楕円光は、第2光学補償板38を通過しても、第
2偏光板36の偏光軸と直交する方向に振動する直線偏
光にはならない。したがって第2光学補償板38通過後
の光の全偏光成分のうち、第2偏光板36の偏光軸と平
行な方向に振動する成分が、第2偏光板36を通過す
る。このように、画素電極47および対向電極48間に
所定電界が発生していない場合、画素は白表示になる。
【0063】任意の単一画素において、透過モード時の
光の振舞いは以下のとおりである。第1偏光板35の表
面から液晶表示素子33内に入射した光は、第1偏光板
35を通過することによって、第1偏光板35の偏光軸
と平行な方向に振動する直線偏光になる。第1偏光板3
5の偏光軸と第1光学補償板37の遅相軸とは45度を
成しているので、第1偏光板35通過後の直線偏光は、
第1光学補償板37に入射し通過することによって、円
偏光になる。円偏光は、液晶表示素子33の主基板部3
3Aの透過領域72を通過して、第1基板41側から液
晶層43に入射する。
【0064】単一画素の画素電極47および対向電極4
8間に所定電界が発生している場合、液晶層43のこれ
ら両電極47,48に挟まれた部分を光が通過すること
によって生じる位相差は、ほぼ0である。任意画素の液
晶層43内に所定電界が生じているならば、液晶層43
入射後の円偏光は、円偏光を崩さないまま、第1基板4
1から第2基板42に向かう方向に進行して、液晶層4
3を通過して、第2光学補償板38に入射する。第1光
学補償板37の遅相軸と第2光学補償板38との遅相軸
とは揃っているので、液晶層43通過後の円偏光は、第
2光学補償板38を通過することによって、第2偏光板
36の偏光軸とは直交する方向に振動する直線偏光にな
る。第2偏光板36再通過後の直線偏光は、第2偏光板
36に吸収される。このように、画素電極47および対
向電極48間に所定電界が発生している場合、画素は黒
表示になる。
【0065】単一画素の画素電極47および対向電極4
8間に所定電界が発生していない場合、第1光学補償板
37通過後の円偏光は、これら両電極47,48間の液
晶層43を通過すると、該液晶層43の複屈折に起因し
て、楕円偏光になる。楕円偏光は、第2光学補償板38
に入射する。液晶層43通過後の楕円偏光は、第2光学
補償板38を通過しても、第2偏光板36の偏光軸と直
交する方向に振動する直線偏光にはならない。したがっ
て第2光学補償板38通過後の光の全偏光成分のうち、
第2偏光板36の偏光軸と平行な方向に振動する成分
が、第2偏光板36を通過する。このように、画素電極
47および対向電極48間に所定電界が発生していない
場合、画素は白表示になる。
【0066】以上説明したように、両用型LCD31で
は、反射モードおよび透過モードのどちらでも、画素毎
に、画素電極47および対向電極48間の電圧を調整す
ることによって、第2偏光板38を通過する光の光量を
調整することができる。したがって両用型LCD31に
おいて、階調表示が可能になる。また以上説明したよう
に、両用型LCD31では、液晶が正の誘電異方性を有
しているので、反射モードおよび透過モードのどちらで
も、画素電極47および対向電極48間に電圧が印加さ
れていない状態で画素が白表示になり、電圧が印加され
た状態で画素が黒表示になる。すなわち両用型LCD3
1は、いわゆるノーマリホワイト型の表示を行う。
【0067】第1の実施の形態の両用型LCD31で
は、上述した透過モードにおいて第1偏光板37通過後
から第2偏光板38に入射するまでの光路L1の通過前
後の光の位相差と、上述した反射モードにおいて第2偏
光板38通過後から第2偏光板38に再入射するまでの
光路L2の通過前後の光の位相差とは、一致しているこ
とが好ましい。透過モードの光路L1の位相差と反射モ
ードの光路L2の位相差とが一致している場合、透過モ
ード時に白表示される画素の輝度と、反射モード時に白
表示される画素の輝度とが一致する。
【0068】透過モードの光路L1は、第1光学補償板
37と液晶表示素子33の第1光路L3と第2光学補償
板38をこの順で通過する光路である。第1光路L3
は、主基板部33Aの透過領域72内の部分と、液晶層
43と、対向基板部33Bのカラーフィルタ層69とを
この順で通過する光路である。反射モードの光路L2
は、すなわち、第2光学補償板38を通過して液晶表示
素子33に第2基板42側から入射し、液晶表示素子の
第2光路L4を通過して第2基板42側から射出し、第
2光学補償板38を再通過する光路である。第2光路L
4は、対向基板部33Bと液晶層43とをこの順で通過
して画素電極反射部57で反射され、液晶層43と対向
基板部33Bとをこの順で再通過する光路である。
【0069】反射モードの光路L2の位相差および透過
モードの光路L1の位相差は、どちらも1波長条件、す
なわち2πになっていることが最も好ましい。透過モー
ドの光路L1の位相差が1波長条件である場合、光路L
1を通過して第2偏光板36に再入射する光が第2偏光
板36の透過軸(=偏光軸)と平行に振動する直線偏光
になるので、第2偏光板36を透過する光の光量が最大
になり、白表示される画素の輝度が最大になる。同様
に、反射モードの光路L2の位相差が1波長条件である
場合、光路L2を通過して第2偏光板36に再入射する
光が第2偏光板36の透過軸(=偏光軸)と平行に振動
する直線偏光になるので、第2偏光板36を透過する光
の光量が最大になり、白表示される画素の輝度が最大に
なる。
【0070】一方および第2光学補償板37,38がど
ちらも1/4波長板である場合、透過モードの光路L1
の位相差を1波長条件にするには、第1光路L3の通過
前後の光の位相差が1/2波長条件、すなわちπになる
ように、画素電極透過部58と対向電極48との間の液
晶層43である透過領域の液晶層43の層厚dtを調整
すればよい。第2光学補償板38が1/4波長板である
場合、反射モードの光路L2の位相差を1波長条件にす
るには、対向基板部33Bと液晶層とを通過して画素電
極反射部57に至る光路L5の通過後の光の位相差が1
/4波長条件、すなわち2分のπ(π/2)になるよう
に、画素電極反射部57と対向電極48との間の液晶層
43である反射領域の液晶層43の層厚drを調整す
る。これによって、対向基板部33Bから画素電極反射
部57までの光路L5の往復に相当する第2経路L4の
通過前後の光の位相差が1/2波長条件になるので、反
射モードの光路L2の位相差は1波長条件になる。
【0071】主基板部33Aと対向基板部33Bとの間
に介在される液晶層43の層厚を部分的に変更するため
に、画素電極反射部57と第1基板41との間に、調整
層49が介在されている。主基板部33Aと対向基板部
33Bとの間隔は透過領域の液晶層43の層厚dtに応
じて調整され、かつ調整層49の層厚は透過領域の液晶
層43の層厚dtと反射領域の液晶層43の層厚drと
の差に応じて調整される。このような調整層49の層厚
は、主基板部33A内の第1基板上の他の部品、たとえ
ば画素電極47や走査線61よりも充分に厚い。ゆえに
第1配向膜45の調整層49の端と重なる部分に生じて
いる段差は、第1配向膜45の主基板部33Aの他の部
品の端と重なる部分に生じている段差よりも大きく、リ
バースチルトドメインの原因になりやすい。そこで第1
の実施の形態では、調整層49の端に起因する第1配向
膜45の壁面のうち、逆ラビング方向に対向する壁面を
少なくとも除くことによって、リバースチルトドメイン
の発生を防止している。
【0072】図3は図1の両用型LCD31の液晶表示
素子33の主基板部33Aの2画素分の領域およびその
周囲の拡大平面図である。図3は図1の拡大平面図を簡
略化して示すものである。図4は、図3の主基板部33
AのD−D断面図である。D−D断面は、第1配向膜4
5のラビング方向53と平行であり、かつ画素電極透過
部58を通っている。図3の2画素分の領域には2つの
画素電極47が配置されており、該2つの画素電極は、
ラビング方向53に略平行に並んで隣合っている。図3
および図4を用いて、主基板部33Aの第1配向膜45
から逆ラビング方向55と対向する壁面を除くための構
成を詳細に説明する。
【0073】なお図3および図4を用いた説明におい
て、ラビング方向53に略平行に並んで隣合う2つの画
素電極47のうちのラビング方向53側にある一方画素
電極47および該一方画素電極47が配置される画素領
域52を「上側画素電極47A」「上側画素領域52」
と記し、該2つの画素電極47のうちの逆ラビング方向
55側にある他方画素電極47および該他方画素電極4
7が配置される画素領域52を「下側画素電極47B」
「下側画素領域52B」と記す。なお図3および図4を
用いた説明において、部材または領域のラビング方向5
3側の一端を「上端」と記し、部材または領域の逆ラビ
ング方向55側の他端を「下端」と記す。なお本明細書
で「左」「右」とは、どちらもラビング方向53に直交
する方向であり、かつ左方向は右方向の逆方向である。
さらに図3の平面図では、第1配向膜45の一部分の記
載が省略されている。
【0074】調整層49は、基本的には、第1配向膜4
5表面の逆ラビング方向55に対向する壁面ができるだ
け減少するように、パターン形成されている。このため
に調整層49の開口部50は、基本的には、ラビング方
向53に略平行に並んで隣合う2つの画素電極47A,
47Bにまたがっている。すなわち、調整層49の開口
部50の上端が、上側画素電極47Aと第1配向膜45
との間にあり、調整層49の開口部の下端が、下側画素
電極47Bと第1配向膜45との間にある。
【0075】両用型の液晶表示素子33では、画素電極
反射部57と第1基板41との間に調整層49が介在さ
れ、調整層49の開口部50は第1基板41の法線方向
から見て画素電極透過部58と重なる位置に配置され
る。このために調整層49は、第1基板41表面の法線
方向から見て、2つの画素領域52の反射領域71に挟
まれた領域(以後「反射境界領域」と称する)75およ
び反射領域71だけに存在する。調整層49の開口部5
0は、第1基板41表面の法線方向から見て、上側画素
電極52Aの透過領域72と下側画素領域52Bの透過
領域72に挟まれた領域(以後「透過境界領域」と称す
る)76,ならびに上側画素領域52Aおよび下側画素
領域52Bの透過領域72と一致するように、形成され
ている。なお図3では、反射境界領域75および透過境
界領域76に、斜線を付している。
【0076】第1の実施の形態では、逆ラビング方向5
5に対向する壁面およびラビング方向53に対向する壁
面の両方が第1配向膜45に生じないように、調整層4
9はパターン形成されている。このために、単一画素領
域52において、透過領域72が、該画素領域52の上
端73から下端74に至る帯状の領域に形成されてい
る。これによって、調整層49の開口部50は、第1基
板41の法線方向から見て、上側画素電極47Aの上端
から下側画素電極47Bの下端に至るように形成され
る。すなわち調整層49の開口部50の上端が上側画素
電極47Aの上端と重なり、該開口部50の下端が下側
画素電極47Bの下端と重なる。このような構成の開口
部50が画素単位で繰返し形成されれていれば、ラビン
グ方向に略平行に1列に並ぶ画素電極と重なる開口部が
順次連続して、1本の開口部になる。
【0077】さらに単一画素領域72の透過領域72
は、左右の側端がラビング方向53と略平行になってい
る。上側画素領域52Aの右側端は、下側画素領域52
Bの右側端の延長線上に位置し、上側画素領域52Aの
左側端は、下側画素領域52Bの左側端の延長線上に位
置する。このような構成の透過領域72が画素単位で繰
返されれていれば、ラビング方向に略平行に1列に並ぶ
画素領域52の透過領域72と該透過領域72間の透過
境界領域76とが順次連続して、左右の側端がラビング
方向53と略平行である1本の帯状領域になる。調整層
49を配置する必要のない前記帯状領域と重なるように
開口部50は形成されればよいので、ラビング方向53
と長手方向が略平行なストライプ状の膜片に調整層49
をパターン形成することが可能になる。これによって、
調整層49の端は逆ラビング方向55と略平行になり、
逆ラビング方向55に対向する端は調整層49に存在し
なくなる。
【0078】長手方向がラビング方向53と略平行な帯
状に形成された調整層49の上に第1配向膜45が形成
される場合、第1配向膜45表面に、調整層49の端に
起因し逆ラビング方向55に対向する壁面は存在しな
い。以上説明したように、逆ラビング方向53に対向す
る壁面だけでなく、ラビング方向53に対向する壁面も
第1配向膜45表面から除かれるように調整層49が形
成される場合、調整層49は帯状に形成されれば良いの
で、調整層49のパターン形成が容易になる。
【0079】図1〜図4で説明した第1の実施の形態の
両用型の液晶表示素子33と、図7および図8で説明し
た第1の従来技術の両用型の液晶表示素子とを比較する
と、以下の構成に違いがある。
【0080】第1従来技術の両用型液晶表示素子の液晶
層厚の調整層および第1配向膜以外の構成は、第1の実
施の形態の両用型液晶表示素子33と等しい。すなわち
第1従来技術の液晶表示素子の第1基板の液晶層側の一
方表面には、走査線と信号線とが相互に直交するように
配置されており、層間絶縁膜が走査線と信号線との間に
配置される。走査線および信号線によって区分された矩
形領域である画素領域3内の反射領域5に画素電極反射
部7が配置され、画素領域3内の透過領域4に画素電極
透過部6が配置される。配向膜は、上記構成の画素電極
8形成後の第1基板2上に第1配向膜45の材料を塗布
し、これによって成膜された薄膜を所定のラビング方向
53にラビングすることによって、形成される。このよ
うな構成の主基板部1は、誘電異方性が正である平行配
向液晶層を介して、図2で説明した構成と等しい対向基
板部に貼合わされる。第1従来技術においても、両用型
LCDの透過領域のリタデーション(位相差)と両用型
LCDの反射領域のリタデーションとを一致させるため
に、調整層9の層厚は透過領域の液晶層の層厚の半分程
度になっている。
【0081】第1従来技術において、反射領域5は
「口」型であり、透過領域4を取囲んでいる。ゆえに、
第1基板2の法線方向から見て、第1従来技術の第1配
向膜表面の反射領域5と透過領域4との境界に重なる位
置に、逆ラビング方向55に対向する壁面25が存在
し、該壁面25の段差は液晶層の画素電極に対向する部
分の最大層厚の1割よりも大きいので、該壁面25近傍
にリバースチルトドメイン26が発生する。この結果、
ラビング方向18と反対方向に対向する壁面25がある
領域と液晶分子が正常に配向している領域との間にディ
スクリネーションライン27が生じるので、両用型LC
Dのコントラストおよび応答速度が低下する。この結
果、両用型LCDの表示品位が低下する。
【0082】図1〜図4に示す第1の実施の形態の液晶
表示素子33の第1配向膜45の表面には、調整層49
に起因し逆ラビング方向55に対向する壁面が存在しな
いので、該壁面に起因するリバースチルトドメインおよ
びディスクリネーションラインが発生しない。これによ
って第1の実施の形態の液晶表示素子33は、液晶層4
3内の液晶分子を均一に配向させることができる。した
がって第1の実施の形態の両用型LCD31のコントラ
ストおよび応答速度が第1従来技術よりも向上するの
で、第1の実施の形態の両用型LCD31の表示品位
が、従来技術の両用型LCDの表示品位よりも向上す
る。
【0083】逆ラビング方向55に対向する配向膜壁面
の段差が、液晶層23の画素電極47に対向する部分の
最大層厚dtの1割の高さよりも大きい場合、該配向膜
壁面はディスクリネーションを引起こす。逆ラビング方
向55に対向する配向膜壁面は、段差が0より大きく前
記最大層厚dtの1割以下の高さであるならば、第1配
向膜45表面に残っていても、LCDの表示品位に影響
を与えない。たとえば図1〜図4の両用型LCD31で
は、走査線61の端および画素電極透過部58の端と第
1配向膜45とが重なる位置に、逆ラビング方向55に
対向する配向膜壁面やラビング方向53に対向する配向
膜壁面が残っている。これら残っている壁面の段差は高
々0.1μm以上0.3μm以下の高さであり、液晶層
23の透過部の層厚dtが5.0μmであるので、残っ
ている段差に起因してリバースチルトドメインが発生す
ることはない。
【0084】このように、逆ラビング方向55に対向す
る壁面が配向膜表面内に残っている場合、該壁面の段差
が0より大きく液晶層23の画素部の最大層厚dtの1
割以下に抑ええられているならば、ディスクリネーショ
ンおよびリバースチルトドメインの発生が防止されるの
で、液晶層43内の液晶分子を良好な表示に充分な程度
に均一に配向させることができる。ゆえに逆ラビング方
向55に対向する端が存在しないように調整層をパター
ニングする代わりに、配向膜壁面の段差が0より大きく
最大層厚dtの1割以下になるように、第1配向膜45
と基板41との間の部品を構成してもよい。
【0085】第1配向膜45と第1基板41との間の部
材のテーパ角が、0度より大きく、第1基板41に対す
る液晶分子のプレティルト角未満の角度である場合、該
部材の端を覆う第1配向膜45の壁面近傍の液晶分子の
配向はリバースティルトにならない。一般的にプレティ
ルト角は1度〜9度であるので、部材のテーパ角はプレ
ティルト角以上になっている。所定の段差を有する配向
膜壁面においては、該壁面が覆う部材端のテーパ角が小
さいほど、ディスクリネーションが発生しにくくなる。
【0086】本件出願人は、第1の実施の形態の液晶表
示素子33を備えた両用型LCDと、第1従来技術の液
晶表示素子を備えた両用型LCDとをそれぞれ製造し
て、両者の両用型LCDの表示状態を観察した。第1の
実施の形態の両用型LCDの詳細構成は、上述した製造
工程で説明された構成である。第1従来技術の両用型L
CDの詳細構成は、調整層および画素電極の平面形状だ
けが第1の実施の形態の両用型LCDと異なり、他の構
成は第1の実施の形態の両用型LCDと等しい。第1従
来技術の両用型LCDを前面側から光学顕微鏡を用いて
観察したところ、逆ラビング方向に対向する配向膜壁面
が存在する箇所近傍に、ディスクリネーションラインの
発生が確認された。第1の実施の形態の両用型LCDを
前面側から光学顕微鏡を用いて観察したところ、ディス
クリネーションラインは発生していなかった。
【0087】本件出願人は、さらに、第1従来技術の両
用型LCDのコントラストと、第1の実施の形態の両用
型LCDのコントラストとをそれぞれ測定し、比較し
た。この結果、第1の実施の形態の両用型LCDのコン
トラストは、第1従来技術の両用型LCDのコントラス
トよりも、10%〜20%向上していた。これは以下の
理由に基づく。ディスクリネーションラインは、画素を
黒表示する際に画素からの光漏れを発生させるので、両
用型LCDのコントラスト低下の原因になる。第1の実
施の形態の両用型LCDにはディスクリネーションライ
ンが発生していないので、ディスクリネーションライン
に起因する光漏れがなくなったため、第1の実施の形態
の両用型LCDコントラストが向上している。
【0088】このように、第1の実施の形態の液晶表示
素子33を備えた両用型LCDにおいては、第1従来技
術の液晶表示素子を備えた両用型LCDよりも、表示品
位が向上している。第1の実施の形態の液晶表示素子3
3と第1従来技術の液晶表示素子の構成とは、調整層4
9および画素電極47の平面形状だけが異なる。したが
って、従来技術の液晶表示素子の構成および製造工程に
微小な変更を加えるだけで、第1の実施の形態の液晶表
示素子33の設計および製造工程の設計が可能なので、
第1の実施の形態の液晶表示素子33の実現は容易であ
る。
【0089】なお第1の実施の形態では、第1配向膜4
5に平行配向処理が施されている。これに限らず、第1
配向膜45には、垂直配向処理が施されてもよい。垂直
配向処理を伴う第1配向膜45の形成手法は、たとえば
以下のとおりである。まず最初に、垂直配向膜の材料か
らなり膜厚が80nmである薄膜が、画素電極47形成
後の第1基板41上に印刷技術を用いて成膜される。垂
直配向膜の材料は、たとえば日本合成ゴム(株)製のJ
ALS2004である。成膜後の薄膜は180度で2時
間焼成される。焼成後の薄膜の表面が、レーヨン製の布
を巻き付けたラビングローラによって、ラビング方向5
3にラビングされる。ラビング処理時のラビングローラ
の回転数は100rpmであり、ローラに対する基板の
移動速度は1分あたり100mm(100mm/mi
m)である。これによって垂直配向処理が施された第1
配向膜45が完成する。第1配向膜45に垂直配向処理
が施される場合でも、平行配向処理が施された場合と同
様に、両用型LCD31の表示品位は向上される。
【0090】図5は、本発明の第2の実施の形態である
液晶表示素子が有する主基板部101の2画素分の領域
およびその周囲の簡略化された拡大部分平面図である。
図6は、図5の主基板部101のE−E断面図である。
図5と図6とを合わせて説明する。なお第2の実施の形
態の液晶表示素子は、第1の実施の形態の液晶表示素子
33の主基板部33Aを図5の主基板部101に置換え
た構成になっている。図5の主基板部101の部品のう
ち、図1の主基板部33Aの部品と同じ機能を有する部
品には、同じ参照符を付して説明は省略する。なお図5
および図6を用いた説明において、「上側画素電極47
A」「上側画素領域52」「下側画素電極47B」「下
側画素領域52B」「上端」「下端」「右」「左」の定
義は、図3および図4の説明における定義と等しい。図
5の2画素分の領域には2つの画素電極47が配置され
ており、該2つの画素電極は、ラビング方向53に略平
行に並んで隣合っている。E−E断面は、第1配向膜4
5のラビング方向53と平行であり、かつ画素電極透過
部58を通っている。さらに図5の平面図では、第1配
向45の一部分の記載が省略されており、反射境界領域
および透過境界領域に斜線が付してある。
【0091】図5の主基板部101は、図1の主基板部
33Aの各画素領域52に、付加容量部103のための
付加容量配線103を追加した構成になっている。付加
容量配線103が層間絶縁膜63を介して画素電極47
に重畳している部分が、付加容量部104として機能す
る。付加容量配線103は、本実施の形態では、付加容
量配線103は、画素領域52の中央部を通り、かつ長
手方向がラビング方向53と直交する方向と平行になる
ように、層間絶縁膜63と第1基板41との間に配置さ
れている。第1基板41の法線方向から見て付加容量配
線103と重なる位置では、画素電極透過部58の延在
部と画素電極反射部57とが調整層49を介して重なり
合っている。反射部57と透過部58延在部との間の調
整層49にはコンタクトホール105が設けられてお
り、画素電極透過部58の延在部と画素電極反射部57
とはコンタクトホール105を介して接続されている。
このような主基板部101を備えた第2の実施の形態の
両用型の液晶表示素子を有する両用型LCDは、第1の
実施の形態の両用型LCD31の液晶表示素子33を、
第2の実施の形態の液晶表示素子に置換えた構成になっ
ている。
【0092】付加容量配線103は一般的に遮光性を有
する導電性材料から形成されるので、付加容量配線10
3が配置された領域を透過領域72として用いることは
難しい。このために第2の実施の形態では、画素電極反
射部57が「H」状に形成されており、付加容量配線1
03が配置された領域は反射領域71に含まれている。
この結果単一の画素領域52において、透過領域72
は、上端が画素領域52の上端73と重なっている第1
領域111と、一端が画素領域52の下端74と重なっ
ている第2領域112との2つに分断されている。
【0093】調整層49は、第1配向膜45にある逆ラ
ビング方向55に対向する壁面の数をできるだけ減少さ
せるために、ラビング方向53に略平行に並んで隣合う
2つの画素電極47A,47Bが配置された領域113
において、第1配向膜45表面の第1基板41表面から
の高さが等しい部分が連続するように、調整層49は形
成される。このために調整層49の開口部50は、ラビ
ング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極47
A,47Bにまたがっている。
【0094】図5の構成では、具体的には、下側画素領
域52Bの第1領域111と上側画素領域52Aの第2
領域112とが、該2つの画素領域52A,52B間に
ある透過境界領域76とそれぞれ接しているので、これ
ら3つの領域111,112,76が連続し単一領域を
形成している。調整層49の開口部50は、第1基板4
1の法線方向から見て、これら3つの領域111,11
2,76から形成される単一領域と重なっている。これ
によって、上側および下側画素電極52A,52Bが配
置された領域113内の第1配向膜45表面内の第1基
板41酔う面からの高さが等しい部分は、画素領域52
を越えて相互に連続するので、ラビング方向53に略平
行に並んで隣合う2つの画素領域52の間の領域および
その近傍には、逆ラビング方向55に対向する壁面が存
在しない。この結果第1配向膜52の単一の画素領域5
2内にある部分の表面において、逆ラビング方向55に
対向する壁面107およびラビング方向53に対向する
壁面108は、調整層49の付加容量配線103と重な
る部分の端にだけ起因して生じる。
【0095】図5および図6に示す第2の実施の形態の
液晶表示素子の主基板部101と、図9および図10に
示す第2従来技術の液晶表示素子の主基板部13とを比
較すると、以下の構成に違いがある。第2従来技術の主
基板部13では、反射領域の平面形状は「8」の字型な
ので、調整層9は、反射領域7だけでなく、画素領域の
四方周囲全体に配置される。この結果第2従来技術の主
基板部13の配向膜11の単一画素領域8内にある部分
の表面には、逆ラビング方向53に対向する壁面が2カ
所存在する。第2の実施の形態の主基板部101では、
反射領域71の平面形状は「H」型であり、かつ透過領
域72だけでなく透過境界領域76からも調整層49が
除かれている。この結果第2の実施の形態の主基板部1
01の配向膜45の単一画素領域52内にある部分の表
面には、逆ラビング方向53に対向する壁面が付加容量
配線103上に1カ所だけ存在する。
【0096】このように第2の実施の形態の主基板部1
01における逆ラビング方向53に対向する配向膜壁面
の数は、第2従来技術の主基板部13における逆ラビン
グ方向53に対向する配向膜壁面の数の半分になってい
る。これによってこのように第2の実施の形態の主基板
部101を有する液晶表示素子におけるディスクリネー
ションラインが発生する可能性のある箇所は、第2従来
技術の主基板部13を有する液晶表示素子におけるディ
スクリネーションラインが発生する可能性のある箇所よ
りも半減するので、第2の実施の形態の液晶表示素子の
表示品位は第2従来技術の液晶表示素子の表示品位より
も向上する。このように第2の実施の形態の液晶表示素
子は、画素電極反射部の面積を従来技術から殆ど変える
ことなく、画素領域周縁部におけるリバースチルトを防
止することができる。
【0097】なお第2の実施の形態の主基板部101の
第1配向膜45には、走査線61の端および画素電極透
過部58の端と第1配向膜45とが重なる領域に、逆ラ
ビング方向55に対向する壁面やラビング方向53に対
向する壁面が残っている。これら残っている壁面の段差
は高々0.1μm以上0.3μm以下の高さであり、液
晶層23の透過部の層厚dtが5.0μmであるので、
第1の実施の形態で説明した理由に基づき、残っている
段差に起因してリバースチルトドメインが発生すること
はないことが分かっているので、これら段差に起因した
表示品位の低下は起こらない。
【0098】第1および第2の実施の形態の液晶表示素
子は、本発明の液晶表示素子の例示であり、主要な構成
が等しければ、他の様々な構成で実現することができ
る。特に液晶表示素子の各構成部品の詳細な構成は、同
じ効果が得られるならば、上述の構成に限らず他の構成
によって実現されてもよい。
【0099】たとえば、両用型の液晶表示素子の構成部
品のうち、調整層49が反射領域71および反射境界領
域76だけに配置されて透過領域72および透過境界領
域76から除かれている構成になっていれば、他の部品
の構成は第1および第2の実施の形態で説明した構成に
限らず、他の構成であってもよい。これによって両用型
の液晶表示素子の主基板部の第1配向膜45は逆ラビン
グ方向55に対向する壁面ができるだけ少なくなるよう
に形成されるので、ディスクリネーションラインおよび
リバースチルトドメインに起因する両用型LCDの表示
品位の低下が抑えられる。
【0100】また第1および第2の実施の形態の液晶表
示素子がTN型またはSTN型になっているので、両用
型LCDが偏光板を用いた構成になっているが、液晶表
示素子はこれに限らず、他の構成、たとえばGH型であ
ってもよい。両用型LCDが偏光板を用いない構成であ
っても、第1および第2の実施の形態の両用型LCDと
同様に、液晶層透過部の実効的な層厚と液晶層反射部の
実効的な層厚とを一致させることが好ましい。すなわち
液晶層透過部の第1光路L3通過前後の光の位相差が、
液晶層反射部の第2光路L4通過前後の光の位相差と一
致するように、液晶層反射部の層厚drを調整層49を
用いて調整することが好ましい。たとえば液晶表示素子
がGH型である場合、液晶層透過部の実効的な層厚が液
晶層反射部の実効的な層厚と一致しているならば、液晶
層透過部における二色比と液晶層反射層部における二色
比とを合わせることができる。
【0101】また配向膜45表面の逆ラビング方向55
に対向する壁面ができるだけ少なくなるように形成され
た液晶表示素子は、配向処理としてラビング処理が施さ
れた配向膜を有する液晶表示素子であれば、両用型液晶
表示素子に限らず、他の型の液晶表示素子、たとえば投
射型液晶表示素子であってもよい。さらに除去対象とな
る配向膜壁面は、調整層49の端を覆う壁面に限らず、
配向膜と基板との間のどのような部材の端を覆っていて
も良い。さらに第1および第2の実施の形態では、段差
を除去する対象の配向膜は主基板部33A,101の第
1配向膜45を段差除去対象の配向膜としているが、対
向基板部33Bの第2配向膜46に、液晶層の画素領域
52に対向する部分の最大層厚dtの1割以上の段差を
有し逆ラビング方向に対向する壁面が対向基板部33B
の第2配向膜46に生じるならば、主基板部33A,1
01からの壁面除去手法と同様の手法で、対向基板部3
3Bから壁面を除去してもよい。
【0102】第1基板41の法線方向から見て、ラビン
グ方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極47A,
47Bの透過領域72が単一の調整層開口部50と重な
る場合、上側画素領域52Aの透過領域72の左右の側
端から、下側画素領域52Bの透過領域72の左右の側
端の延長線までの、ラビング方向53の直交方向の距離
は、左右それぞれにおいて、できるだけ短いことが好ま
しい。これは以下の理由に基づく。上側画素領域52A
の透過領域72の左右の側端が下側画素領域52Bの透
過領域72の左右の側端の延長線からずれている場合、
開口部50の左右の側端に逆ラビング方向55に対向す
る部分が存在し、該部分は、配向膜表面に逆ラビング方
向55に対向する壁面が生じる原因になる。上側画素領
域52Aの透過領域72の左右の側端から下側画素領域
52Bの透過領域72の左右の側端延長線までの左右方
向の距離が小さいほど、開口部50の左右の側端の逆ラ
ビング方向55に対向する部分が小さくなるので、逆ラ
ビング方向55に対向する配向膜壁面が小さくなり、液
晶分子の配向に与える影響が小さくなる。
【0103】第1および第2の実施の形態の液晶表示素
子において、調整層49の開口部50の左右の側端のう
ちの少なくとも一方は、ラビング方向53と略平行にな
っていることが最も好ましい。調整層49の開口部50
の左右の側端をラビング方向53と略平行にするには、
上側画素領域52Aの透過領域72の左右の側端から下
側画素領域52Bの透過領域72の左右の側端延長線ま
での左右方向の距離を0にすればよい。これによって、
ラビング方向に平行に並んで隣合う2つの画素電極の間
に、ラビング方向の反対方向と対向する配向膜壁面が存
在しない。したがって液晶表示素子は、ディスクリネー
ションに起因する表示品位の低下を、さらに確実に防止
することができる。
【0104】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、液晶表示
素子において、第1基板と第1配向膜との間に、開口部
を有する層間膜と画素電極とが配置される。層間膜の開
口部は、第1配向膜にラビング方向と反対方向に対向す
る壁面が存在しないように、形成される。これによって
液晶表示素子の表示品位の低下が防止される。また本発
明によれば、液晶表示素子において、第1基板側の第1
配向膜に、層間膜に起因しかつラビング方向およびラビ
ング方向の反対方向に対向する壁面の両方が存在しな
い。これによって前記反対方向に対向する壁面の原因に
なる層間膜の端を、容易かつ完全に無くすことができ
る。
【0105】また以上のように本発明によれば、液晶表
示素子において、ラビング方向に平行に並んで隣合う2
つの各画素電極が配置された領域内にある前記第1配向
膜の基板表面から高さが等しい部分が連続するように、
層間膜の開口部は設けられている。このように液晶表示
装置は、ラビング方向の反対方向に対向する壁面をでき
るだけ減らすように構成されているので、液晶表示素子
は、表示品位の低下を確実に防止することができる。
【0106】さらにまた以上のように本発明によれば、
液晶表示素子において、層間膜の開口部は、ラビング方
向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極にまたがるよ
うに形成されている。これによって画素電極と層間膜と
が重ならない領域が画素毎に独立しないで連続している
ので、液晶表示素子はラビング方向の反対方向に対向す
る壁面をできるだけ減らすように構成されている。ゆえ
に液晶表示素子の表示品位の低下が確実に防止される。
【0107】また本発明によれば、層間膜の開口部は、
前記ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電
極のうちのラビング方向側にある一方画素電極のラビン
グ方向側の端から、該2つの画素電極のうちの該反対方
向側にある他方画素電極の該反対方向側の端に至ってい
る。これによって液晶表示素子は、表示品位の低下をさ
らに防止することができる。さらにまた本発明によれ
ば、液晶表示素子において、層間膜の開口部のラビング
方向に直交する方向側の端は、ラビング方向に略平行に
なっている。これによって液晶表示素子は、表示品位の
低下を、さらに確実に防止することができる。また本発
明によれば、液晶表示素子において、第1基板側の第1
配向膜のラビング方向の反対方向に対して対向している
壁面の段差は、0より大きく、かつ液晶層の画素電極に
対向する部分の最大層厚の1割未満の値になっている。
これによって液晶表示素子は、表示品位の低下を確実に
防止することができる。
【0108】さらにまた本発明によれば、液晶表示素子
は透過反射両用型であり、層間膜は、表示に用いる光の
光路の通過前後の光の位相差の整合に用いられている。
層間膜に起因しラビング方向の反対方向に対向する壁面
の発生ができるだけ抑えられているので、両用型の液晶
表示素子は表示品位の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である液晶表示素子
33が有する主基板部33Aの1画素分の領域およびそ
の周囲の拡大部分平面図である。
【図2】図1の液晶表示素子33を備えた両用型LCD
31の部分拡大断面図である。
【図3】図1の液晶表示素子33の主基板部33Aの2
画素分の領域およびその周囲の簡略化された拡大部分平
面図である。
【図4】図3の液晶表示素子33の主基板部33Aの1
画素分の領域のD−D断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態である液晶表示素子
が有する主基板部101の2画素分の領域およびその周
囲の簡略化された拡大部分平面図である。
【図6】図5の液晶表示素子の主基板部101の1画素
分の領域のE−E断面図である。
【図7】第1従来技術の液晶表示素子が有する主基板部
1の2画素分の領域およびその周囲の簡略化された拡大
部分平面図である。
【図8】図7の液晶表示素子の主基板部1の1画素分の
領域のA−A断面図である。
【図9】第2従来技術の液晶表示素子が有する主基板部
13の2画素分の領域およびその周囲の簡略化された拡
大部分平面図である。
【図10】図9の液晶表示素子の主基板部13の1画素
分の領域のB−B断面図である。
【符号の説明】
41 第1基板 42 第2基板 43 液晶層 45 第1配向膜 46 第2配向膜 47 画素電極 48 対向電極 49 調整層 50 調整層の開口部 52 画素領域 53 ラビング方向 55 ラビング方向の反対方向 54 第1配向膜の端面 57 画素電極の反射部 58 画素電極の透過部 71 画素領域の反射領域 72 画素領域の透過領域 75 反射境界領域 76 透過境界領域 dt 液晶層の画素電極に対向する部分の最大層厚
フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 HA04 HA05 HA07 HA08 HB13X HC05 HC11 HC15 HD06 HD14 JA03 JC03 LA04 LA08 LA20 MA01 MA02 MA07 MB01 2H091 FA03Y FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA16Y FB08 FC02 FD04 FD05 FD09 FD10 GA06 GA07 GA13 JA03 LA16 LA17 2H092 JA24 JB04 JB05 JB08 JB56 KA05 KB13 MA05 MA07 NA04 PA08 PA10 PA11 PA12 5G435 AA00 BB12 BB15 BB16 CC09 EE27 EE33 FF03 FF05 FF08 FF13 GG12 HH02 KK05 LL03 LL07 LL08 LL09 LL12 LL14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間隔を空けて相互に対向する第1基板お
    よび第2基板と、 第1基板と第2基板との間に配置される液晶層と、 第1基板と液晶層との間に配置される第1配向膜と、 第1基板と第1配向膜との間に配置される複数の画素電
    極と、 第2基板と液晶層との間に配置されて各画素電極と対向
    する対向電極と、第1基板と第1配向膜との間に配置さ
    れ、かつ開口部を有する層間膜とを含み、 第1配向膜は、第1基板の表面に配置された画素電極お
    よび層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める
    1方向であるラビング方向に薄膜をラビングする工程と
    によって製造され、 層間膜の開口部の一部分は、画素電極に重なり、 前記第1配向膜の段差が生じている部分の表面である壁
    面は、ラビング方向の反対方向以外の方向に対して対向
    していることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記第1配向膜の壁面は、前記ラビング
    方向の反対方向およびラビング方向以外の方向に対して
    対向していることを特徴とする請求項1記載の液晶表示
    素子。
  3. 【請求項3】 間隔を空けて相互に対向する第1基板お
    よび第2基板と、 第1基板と第2基板との間に配置される液晶層と、 第1基板と液晶層との間に配置される第1配向膜と、 第1基板と第1配向膜との間に配置される複数の画素電
    極と、 第2基板と液晶層との間に配置されて各画素電極と対向
    する対向電極と、第1基板と第1配向膜との間に配置さ
    れ、かつ開口部を有する層間膜とを含み、 第1配向膜は、第1基板の表面に配置された画素電極お
    よび層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める
    1方向であるラビング方向に薄膜をラビングする工程と
    によって製造され、 層間膜の開口部の一部分は、画素電極に重なり、 ラビング方向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極が
    配置された領域内にある第1配向膜表面の第1基板表面
    からの高さが等しい部分は、連続していることを特徴と
    する液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 間隔を空けて相互に対向する第1基板お
    よび第2基板と、 第1基板と第2基板との間に配置される液晶層と、 第1基板と液晶層との間に配置される第1配向膜と、 第1基板と第1配向膜との間に配置される複数の画素電
    極と、 第2基板と液晶層との間に配置されて各画素電極と対向
    する対向電極と、第1基板と第1配向膜との間に配置さ
    れ、かつ開口部を有する層間膜とを含み、 第1配向膜は、第1基板の表面に配置された画素電極お
    よび層間膜に重ねて薄膜を成膜する工程と、予め定める
    1方向であるラビング方向に薄膜をラビングする工程と
    によって製造され、 前記層間膜の開口部は、ラビング方向に略平行に並んで
    隣合う2つの画素電極にまたがって重なっていることを
    特徴とする液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記層間膜の開口部は、前記ラビング方
    向に略平行に並んで隣合う2つの画素電極のうちのラビ
    ング方向側にある一方画素電極のラビング方向側の端か
    ら、該2つの画素電極のうちの該反対方向側にある他方
    画素電極の該反対方向側の端に至っていることを特徴と
    する請求項4記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記層間膜の開口部のラビング方向に直
    交する方向側の端は、ラビング方向と略平行であること
    を特徴とする請求項4記載の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 前記第1配向膜の段差が生じている部分
    の表面である壁面のうち、前記ラビング方向に対して対
    向している壁面の段差は、前記液晶層の前記画素電極に
    対向する部分の最大層厚の1割未満であることを特徴と
    する請求項4記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 前記画素電極は、光を透過する透過部
    と、前記液晶層側から到来する光を反射する反射部とか
    ら構成され、 前記層間膜は、前記画素電極の反射部と前記第1基板と
    の間に配置され、 前記層間膜の開口部は、前記画素電極の透過部と重な
    り、 前記第1基板と前記画素電極透過部と前記液晶層と前記
    対向電極と前記第2基板とを順次通過する第1光路を通
    過した光、および前記第2基板と前記対向電極と前記液
    晶層とを通過し前記画素電極反射部で反射されて前記液
    晶層と前記対向電極と前記第2基板とを再通過する第2
    光路を通過した光のうちの少なくとも一方が、表示に用
    いられ、 第1光路の通過前後の光の位相差と第2光路の通過前後
    の光の位相差とが一致するように、前記層間膜の膜厚が
    設定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    かに記載の液晶表示素子。
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