JP2001042279A - 液晶プロジェクタ - Google Patents

液晶プロジェクタ

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JP2001042279A
JP2001042279A JP11211234A JP21123499A JP2001042279A JP 2001042279 A JP2001042279 A JP 2001042279A JP 11211234 A JP11211234 A JP 11211234A JP 21123499 A JP21123499 A JP 21123499A JP 2001042279 A JP2001042279 A JP 2001042279A
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glass
polarizing plate
liquid crystal
light
crystal projector
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Osamu Okumura
治 奥村
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示むらが無く明るい液晶プロジェクタを提
供する。 【解決手段】 液晶プロジェクタは、光源と、第一偏光
板と、液晶ライトバルブと、第二偏光板と、投射手段と
を備えている。ここで、第一偏光板を透過した光が第二
偏光板に到達するまでに透過する全てのガラス成形品
は、平均線膨張係数の絶対値が10×10−7/℃以下
の低膨張ガラスで作られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶プロジェクタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の液晶プロジェクタは、より明るい
表示を望むユーザーの声に応え、光源に超高圧水銀灯や
メタルハライドランプといった強力なランプを利用して
いる。ところがこのような高輝度液晶プロジェクタに
は、点灯後しばらくすると投射画面周辺にコントラスト
むらや色むらが発生するという問題があった。これは、
偏光板や液晶ライトバルブのブラックマスク等が強力な
光を吸収して発熱し、液晶ライトバルブが高温になるこ
とに原因があると考えられている。そのため、従来の液
晶プロジェクタにおいては、特開昭62-109024号公報や
特開平10-48590号公報に開示されているように熱源とな
る偏光板を液晶ライトバルブから離して設置したり、フ
ァンを用いて強制換気を行うことによって液晶ライトバ
ルブの温度が上がらないよう工夫されていた。
【0003】なお特開平10-39138号公報や、特開平10-4
8590号公報において、偏光板支持用として推奨されてい
るガラスは、ソーダガラス(平均線膨張係数=81〜9
2×10−7/℃)、ホウ珪酸ガラス(平均線膨張係数
=32〜65×10−7/℃)、クラウンガラス(平均
線膨張係数≒90×10−7/℃)等であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが以上のように
構成して液晶ライトバルブの温度上昇を抑制しても、従
来の液晶プロジェクタでは、表示むらを十分に解消する
ことが出来なかった。
【0005】その原因を解析したところ、液晶ライトバ
ルブの温度むらによる表示むら以外に、もう一つ大きな
要因があることが判明した。それは、液晶ライトバルブ
を構成するガラスや、偏光板を支持しているガラスに、
それぞれ小さな位相差が生じていることである。この位
相差は、直線偏光を楕円偏光に変換し、コントラストむ
らや明るさむらの原因になっている。ガラスに位相差が
生じる理由は次の通りである。即ち、ガラスに照射され
る光の強度には分布がある。通常は、中央部に照射され
る光が強く、周辺部に照射される光が弱い。またガラス
の周辺部には光が当たらない領域もある。すると、ガラ
スの温度が場所によって異なり、熱膨張の度合いが異な
ることから歪みが生じる。ガラスが熱膨張の異なる別の
物体に接している場合には、さらに歪みが大きくなる。
この歪みが光弾性効果によって位相差を引き起こすわけ
である。
【0006】そこで本発明においては、液晶プロジェク
タの光路上にあるガラスに強力な光を照射しても位相差
が生じないよう工夫することによって、表示むらが無く
耐光性に優れた明るい液晶プロジェクタを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明が講じた手段は、以下の通りである。
【0008】請求項1記載の液晶プロジェクタは、少な
くとも光源と、前記光源から出射した光の特定の偏光成
分を吸収する第一偏光板と、前記第一偏光板を透過した
光を変調する液晶ライトバルブと、前記液晶ライトバル
ブを透過した光の特定の偏光成分を吸収する第二偏光板
と、前記第二偏光板を透過した光を投射する投射手段と
を備えた液晶プロジェクタであって、前記第一偏光板を
透過した光が前記第二偏光板に到達するまでに透過する
全てのガラス成形品が、平均線膨張係数の絶対値が10
×10−7/℃以下の低膨張ガラスで作られていること
を特徴とする。
【0009】ガラス成形品としては、液晶セルの上下基
板の他に、偏光板の支持ガラス、防塵ガラス、マイクロ
レンズアレー基板、レンズ等がある。
【0010】また平均線膨張係数とは、JIS R 3102-197
8「ガラスの平均線膨張係数の試験方法」に規定されて
いる0℃から300℃までの1℃当たりの平均線膨張係
数を指す。一般にSiO含有量が多いガラスや結晶化
ガラスは、平均線膨張係数が小さくなることが知られて
いる。平均線膨張係数が上記範囲にあるガラスとして
は、例えば石英ガラスや、コーニング社の7913 9
5%ケイ酸ガラス、日本電気硝子社のネオセラムN−0
等がある。上記構成によれば、ガラスに多少の温度むら
があっても大きな歪み、即ち大きな位相差が生じないた
め、コントラストむらが生じにくいという効果がある。
より好ましくは、平均線膨張係数の絶対値が3×10
−7/℃以下のガラスを用いることが望ましい。このよ
うなガラスとしては、例えばコーニング社の7971チ
タンケイ酸ガラス等がある。このように構成すれば、ガ
ラスに大きな温度むらがあってもほとんど歪み、即ち大
きな位相差が生じないため、コントラストむらが生じに
くいという効果がある。
【0011】請求項2記載の液晶プロジェクタは、前記
光源と前記第一偏光板の間の光路上に自然光を偏光に変
換する偏光変換装置を備え、前記偏光変換装置を透過し
た光が前記第一偏光板に到達するまでに透過する全ての
ガラス成形品が、平均線膨張係数の絶対値が10×10
−7/℃以下の低膨張ガラスで作られていることを特徴
とする。
【0012】偏光変換装置は、特開平10-48590号公報に
開示されているようなブリュースター角だけ傾けたガラ
ス板や、特開平8-304739号公報に開示されているような
偏光ビームスプリッタとレンズとλ/2板を組み合わせ
た装置を指しており、ほとんど光を吸収せずに自然光を
偏光に変換する機能を有する。偏光変換装置を透過した
光が第一偏光板に到達するまでに透過するガラス成形品
としては、レンズやダイクロイックミラー、偏光板の支
持ガラス、カラーフィルタ、反射ミラー等がある。但し
反射ミラーは、光がその基板ガラスを通って反射する場
合のみ、低膨張ガラスを用いる効果がある。なお、第一
偏光板の手前で位相差が生じても、第一偏光板と第二偏
光板の間の位相差のようにコントラストむらにはならな
いが、明るさや色のむらになる。上記構成によれば、ガ
ラスに多少の温度むらがあっても大きな歪み、即ち大き
な位相差が生じないため、こうした明るさや色のむらが
生じにくいという効果がある。
【0013】請求項3記載の液晶プロジェクタは、前記
第二偏光板と前記投射手段の間の光路上に少なくとも一
つの偏光依存素子を設け、前記第二偏光板を透過した光
が前記最後の偏光依存素子に到達するまでに透過する全
てのガラス成形品が、平均線膨張係数の絶対値が10×
10−7/℃以下の低膨張ガラスで作られていることを
特徴とする。偏光依存素子とは、偏光によって特性が異
なる素子であって、例えばダイクロイックミラーやダイ
クロイックプリズム、偏光ビームスプリッタ、偏光板等
がある。第二偏光板を透過した光が偏光依存素子に到達
するまでに透過するガラス成形品としては、レンズやダ
イクロイックミラー、ダイクロイックプリズム、偏光板
の支持ガラス、カラーフィルタ、反射ミラー等がある。
偏光依存素子が複数存在する場合には、最後の偏光依存
素子に到達するまでのガラス成形品が低膨張ガラスであ
ることが必要である。また、光が最後の偏光依存素子に
到達してから、その偏光依存素子の偏光依存部に達する
までにガラスが存在する場合は、そのガラスも低膨張ガ
ラスであることが必要である。なお、第二偏光板以降に
位相差が生じても、第一偏光板と第二偏光板の間の位相
差のようにコントラストむらにはならないが、明るさや
色のむらになる。上記構成によれば、ガラスに多少の温
度むらがあっても大きな歪み、即ち大きな位相差が生じ
ないため、こうした明るさや色のむらが生じにくいとい
う効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0015】(実施形態1)図1は、請求項1に係る発
明の一実施形態である液晶プロジェクタの全体の構造を
示す図である。
【0016】図に基づいて構造と機能を説明する。図1
において、光源ランプユニット101を発した光は、イ
ンテグレータレンズと偏光分離プリズムアレーからなる
均一照明&偏光変換光学系102を通り、均一な直線偏
光となる。次に反射ミラー103で直角に折り曲げら
れ、レンズ104を介して、青緑反射ダイクロイックミ
ラー105、緑反射ダイクロイックミラー107によっ
て赤、緑、青の光束に色分解される。しかる後に反射ミ
ラー106、109、111とレンズ108、110に
よって、各色ごとに、集光レンズ112、第一偏光板1
13、液晶ライトバルブ114、第二偏光板115に導
かれ、画像が形成される。形成された各色の画像はダイ
クロイックプリズム116でカラー画像に合成され、投
射レンズユニット117を介してスクリーン118に拡
大投影される。
【0017】各色の画像形成が行われる部分の構造につ
いて、図を用いてさらに詳細に説明する。図2(a)に
おいて、201は集光レンズ、202は第一偏光板、2
03は第一偏光板の支持ガラス、204は第一防塵ガラ
ス、205はマイクロレンズアレーの支持ガラス、20
6はマイクロレンズアレー、207はマイクロレンズア
レーのカバーガラス、208は液晶層、209は液晶ラ
イトバルブの基板、210は第二防塵ガラス、211は
第二偏光板の支持ガラス、212は第二偏光板、213
はダイクロイックプリズムである。この図は、緑色光を
形成する部分の構造を示しているが、青色光、赤色光の
画像を形成する部分も基本的に同じ構造である。また、
光は左側から入射し右側に出射する。マイクロレンズア
レーについては、特開平3-248125号公報や特開平7-2253
03号公報、特開平7-181305号公報に詳しく開示されてい
る。また防塵ガラスは、液晶ライトバルブ表面に付着し
た埃をフォーカス面から十分離すことによって、投射画
像に現れなくするためのガラスである。また液晶ライト
バルブの基板上には、縦横の配線やTFTアレー、液晶
駆動用ドライバ、配向膜等が配置されるが、この図では
省略した。なお、204から210までの部材は、互い
に接着している。
【0018】さて、上記液晶プロジェクタを点灯する
と、時間とともに各ガラスに位相差が生じてくる。図3
(a)は、一例として第二偏光板の支持ガラスに発生す
る位相差の方向と大きさを矢印301で示したものであ
る。概ねガラス中央を中心とする楕円の接線方向に遅相
軸が存在し、中央部よりも周辺に近いほど位相差が大き
い。図3(b)は、前記位相差が発生した偏光板の支持
ガラスを直交偏光板に挟んだ場合の明るさ分布を示した
もので、中央部が暗く、四隅302が明るくなってい
る。周辺部全体ではなく四隅に異常が出る原因は、四辺
では位相差の方向と偏光板の方向が直角/平行になって
いるからである。偏光板の配置方法によっては、四隅が
正常で、四辺に異常が出る場合もある。液晶プロジェク
タの投射像においても、特に黒表示にこれと同じ異常が
発生するために、周辺部(四隅)のコントラストが低下
する。
【0019】第一偏光板と第二偏光板の間に位置する各
ガラス成形品、即ち第一偏光板の支持ガラス203、第
一防塵ガラス204、マイクロレンズアレーの支持ガラ
ス205、マイクロレンズアレーのカバーガラス20
7、液晶ライトバルブの基板209、第二防塵ガラス2
10、第二偏光板の支持ガラス211について、次のよ
うな実験を行った。これらガラス成形品を4種類のガラ
ス材料、即ちコーニング社の7971チタンケイ酸ガラ
ス(平均線膨張係数=0.3×10−7/℃)、石英ガ
ラス(平均線膨張係数=5.5×10−7/℃)、パイ
レックス(平均線膨張係数=32.5×10−7
℃)、ソーダガラス(平均線膨張係数=81×10−7
/℃)で作成する。これらを、前記液晶プロジェクタ内
で1分間光を照射し、直ちに直交偏光板に挟んで図3
(b)のような明るさむらを観察し、最も明るい領域の
透過率を測定した。接着しているために単体の測定が出
来ない部材については、対象の部材以外のガラスに平均
線膨張係数が殆どゼロであるコーニング社の7971チ
タンケイ酸ガラスを用いて測定した。その結果を表1に
示す。
【0020】
【表1】
【0021】最も大きなむらを生じる部材は、両偏光板
の支持ガラスであり、次いで防塵ガラスである。前者は
偏光板の発熱がガラスに大きな温度むらを引き起こすた
めであり、後者はガラスが厚いために同じ熱歪みであっ
ても大きな位相差になるためである。逆に最もむらを生
じにくい部材は、マイクロレンズアレーのカバーガラス
であり、これはその50μmという薄さのためである。
【0022】次に、第二偏光板211の支持ガラスとし
て、様々な平均線膨張係数を有する0.7mm厚のガラ
ス板を用い、前記液晶プロジェクタ内で1分間光を照射
し、直ちに直交偏光板に前記ガラスを挟んで明るさむら
を観察し、最も明るい領域の透過率を測定した。その結
果を図4に示す。
【0023】図4において、横軸は平均線膨張係数、縦
軸はガラスと偏光板の透過率で規格化された漏れ光の透
過率である。この実験結果から、平均線膨張係数の絶対
値が小さいガラスほど、透過率が小さく、むらになりに
くいことが明らかである。平均線膨張係数はほとんどの
場合正の値を持つ(即ち温めると延びる)が、例え負の
値であってもその絶対値が小さいほど透過率が小さく、
より好ましい。なお、この実験結果には若干のばらつき
が存在している。その多くは実験誤差であろうが、その
他にもガラスによって熱伝導率や光弾性率等が異なって
いることが影響しているものと考えられる。しかしなが
ら、漏れ光の透過率に最も影響を及ぼしている因子が平
均線膨張係数であることは、図からも明らかである。
【0024】さて、液晶プロジェクタに要求されるコン
トラスト1:1000を達成するためには、少なくとも
この透過率を0.1%以下に抑えなければいけない。従
って、平均線膨張係数の絶対値が10×10−7/℃以
下のガラスを利用することが必要である。表1に示した
ように、他のガラスも光漏れの原因になるから、余裕を
見て、特に位相差を生じやすいガラス成形品には、平均
線膨張係数の絶対値が3×10−7/℃以下のガラスを
用いることが望ましい。
【0025】平均線膨張係数の絶対値が10×10−7
/℃以下であるガラスとしては、例えば石英ガラス
(5.5×10−7/℃)や、コーニング社の7913
95%ケイ酸ガラス(7.5×10−7/℃)、日本
電気硝子社のネオセラムN−0(−6×10−7/℃)
等がある。また、平均線膨張係数の絶対値が3×10
−7/℃以下であるガラスとしては、例えばコーニング
社の7971チタンケイ酸ガラス(0.3×10−7
℃)等がある。
【0026】これらの低膨張ガラスを用いて、第一偏光
板と第二偏光板の間に位置する各ガラス成形品、即ち第
一偏光板の支持ガラス203、第一防塵ガラス204、
マイクロレンズアレーの支持ガラス205、マイクロレ
ンズアレーのカバーガラス207、液晶ライトバルブの
基板209、第二防塵ガラス210、第二偏光板の支持
ガラス211を作成したところ、周辺部のコントラスト
低下が目視で認識できない程度にまで改善された。
【0027】なお、偏光板の支持ガラスは大きな位相差
を生じやすいため、偏光板を液晶ライトバルブ側に向け
る図2(b)の構成を取ることが望ましい。このように
構成すると偏光板の支持ガラスの位相差が、直接コント
ラストむらに結びつかない。その反面、明るさのむらが
生じることがあるが、その詳細については以降の実施例
で説明する。
【0028】(実施形態2)次に、請求項2に係る発明
の一実施形態である液晶プロジェクタについて説明す
る。本実施形態に係る液晶プロジェクタの全体構造は、
既に図1を参照して説明したとおりである。但し、本実
施形態に係る液晶プロジェクタは、偏光板とその支持ガ
ラスの構造が上述した実施形態1のものと異なってい
る。
【0029】図2(b)は、各色の画像形成が行われる
部分の構造の詳細図である。図2(b)において、20
1は集光レンズ、203は第一偏光板の支持ガラス、2
02は第一偏光板、204は第一防塵ガラス、205は
マイクロレンズアレーの支持ガラス、206はマイクロ
レンズアレー、207はマイクロレンズアレーのカバー
ガラス、208は液晶層、209は液晶ライトバルブの
基板、210は第二防塵ガラス、212は第二偏光板、
211は第二偏光板の支持ガラス、213はダイクロイ
ックプリズムである。偏光板と支持ガラスの位置関係が
実施例1の図2(a)と逆であり、偏光板が液晶ライト
バルブ側に位置している点が特徴である。
【0030】さて、上記液晶プロジェクタを点灯する
と、時間とともに各ガラスに位相差が生じてくる。図3
(a)は、一例として第二偏光板の支持ガラスに発生す
る位相差の方向と大きさを矢印301で示したものであ
る。概ねガラス中央を中心とする円の接線方向に遅相軸
が存在し、中央部よりも周辺部の方が位相差が大きい。
図3(b)は、前記位相差が発生した偏光板の支持ガラ
スを直交偏光板に挟んだ場合の明るさ分布を示したもの
で、中央部が暗く、四隅302が明るくなっている。液
晶プロジェクタの投射像においては、図3(a)の位相
差分布とほぼ対応して、明るさむらや色むらが生じる。
【0031】偏光変換装置と第一偏光板の間に位置する
各ガラス成形品、即ち反射ミラー103、レンズ10
4、青緑反射ダイクロイックミラー105、緑反射ダイ
クロイックミラー107、レンズ108、レンズ11
0、レンズ112(201)、第一偏光板の支持ガラス
203について、次のような実験を行った。これらガラ
ス成形品を4種類のガラス材料、即ちコーニング社の7
971チタンケイ酸ガラス、石英ガラス、パイレック
ス、ソーダガラスで作成する。これらを、前記液晶プロ
ジェクタ内で1分間光を照射し、直ちに直交偏光板に挟
んで図3(b)のような明るさむらを観察し、最も明る
い領域の透過率を測定した。その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】最も大きなむらを生じる部材は、第一偏光
板の支持ガラスであり、次いでレンズ112である。前
者は偏光板の発熱がガラスの大きな温度むらを引き起こ
すためであり、後者は偏光板に近く、しかもガラスが厚
いために同じ熱歪みであっても大きな位相差になるため
である。逆に最もむらを生じにくい部材は、ダイクロイ
ックミラーであり、これは発熱源から遠く、かつ薄いか
らである。平均線膨張係数が10×10−7/℃より大
きいパイレックスやソーダガラスでは、多少なりとも光
漏れが生じているが、コーニング社の7971チタンケ
イ酸ガラスと、石英ガラスでは、光漏れがほぼ完全に抑
えられることがわかった。
【0034】そこで、7971チタンケイ酸ガラスや石
英ガラスを用いて、偏光変換装置と第一偏光板の間に位
置する各ガラス成形品、即ち反射ミラー103、レンズ
104、青緑反射ダイクロイックミラー105、緑反射
ダイクロイックミラー107、レンズ108、レンズ1
10、レンズ112(201)、第一偏光板の支持ガラ
ス203を作成したところ、周辺部の明るさむらや色む
らが目視で認識できない程度にまで改善された。
【0035】なお実施例2においては、反射ミラーを請
求項2の「偏光変換装置を透過した光が前記第一偏光板
に到達するまでに透過する全てのガラス成形品」に含め
たが、これは図5(a)に示す構造の反射ミラーを想定
したからである。図5(a)において、501はガラス
板、502は鏡面反射層である。光はガラス板を通って
から鏡面反射層で反射し、再びガラス板を通るため、ガ
ラス板に生じる位相差が表示に影響を与える。鏡面反射
層の表面に曇り等の問題が生じなければ、図5(b)に
示したように、ガラス板501を通らずに鏡面反射層5
02で反射する構造の方が、表示むらを減らすという観
点から望ましい。
【0036】(実施形態3)次に、請求項3に係る発明
の一実施形態である液晶プロジェクタについて説明す
る。この液晶プロジェクタの全体の構造は、既に図1を
参照して説明した通りである。但し、本実施形態に係る
液晶プロジェクタは、偏光板とその支持ガラスの構造が
上記実施形態1と異なり、図2(b)に示したように、
偏光板がその支持ガラスよりも液晶ライトバルブ側に位
置している点が特徴である。
【0037】さて、上記液晶プロジェクタを点灯する
と、時間とともに各ガラスに位相差が生じてくる。図3
(a)は、一例として第二偏光板の支持ガラスに発生す
る位相差の方向と大きさを矢印301で示したものであ
る。概ねガラス中央を中心とする円の接線方向に遅相軸
が存在し、中央部よりも周辺部の方が位相差が大きい。
図3(b)は、前記位相差が発生した偏光板の支持ガラ
スを直交偏光板に挟んだ場合の明るさ分布を示したもの
で、中央部が暗く、四隅302が明るくなっている。液
晶プロジェクタの投射像においては、図3(a)の位相
差分布とほぼ対応して、明るさむらや色むらが生じる。
【0038】第二偏光板とダイクロイックプリズムの間
に位置する各ガラス成形品、即ち第二偏光板の支持ガラ
ス211と、ダイクロイックプリズム213(116)
の干渉層に達するまでの部分のガラスについて、次のよ
うな実験を行った。これらガラス成形品を4種類のガラ
ス材料、即ちコーニング社の7971チタンケイ酸ガラ
ス、石英ガラス、パイレックス、ソーダガラスで作成す
る。これらを、前記液晶プロジェクタ内で1分間光を照
射し、直ちに直交偏光板に挟んで図3(b)のような明
るさむらを観察し、最も明るい領域の透過率を測定し
た。その結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】最も大きなむらを生じる部材は、ダイクロ
イックプリズムであり、次いで第二偏光板の支持ガラス
である。前者はガラスが厚いために同じ熱歪みであって
も大きな位相差になるためであり、後者は偏光板の発熱
がガラスの大きな温度むらを引き起こすためである。平
均線膨張係数が10×10−7/℃より大きいパイレッ
クスやソーダガラスでは、多少なりとも光漏れが生じて
いるが、コーニング社の7971チタンケイ酸ガラス
と、石英ガラスでは、光漏れをほぼ抑えられることがわ
かった。
【0041】従って、7971チタンケイ酸ガラスや石
英ガラスを用いて、第二偏光板とダイクロイックプリズ
ムの間に位置する各ガラス成形品、即ち第二偏光板の支
持ガラス211と、ダイクロイックプリズム213を作
成したところ、周辺部の明るさむらや色むらが目視で認
識できない程度にまで改善された。特に7971チタン
ケイ酸ガラスを用いた場合には、ガラスに起因するむら
が全く生じなかった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、液
晶プロジェクタの光路上にあるガラスに強力な光を照射
しても位相差が生じないように工夫することによって、
表示むらが小さく明るい液晶プロジェクタを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1乃至実施形態3における液
晶プロジェクタの全体の構造を示す図である。
【図2】(a)本発明の実施形態1における液晶プロジ
ェクタの画像形成が行われる部分の構造を示す図であ
る。(b)本発明の実施形態2及び実施形態3における
液晶プロジェクタの画像形成が行われる部分の構造を示
す図である。
【図3】(a)本発明の実施形態1乃至実施形態3にお
ける液晶プロジェクタにおいて、偏光板の支持ガラスに
発生する位相差の方向と大きさを示す図である。(b)
前記位相差が発生した偏光板の支持ガラスを直交偏光板
に挟んだ場合の明るさ分布を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1における実験結果を説明す
る図であり、ガラス付偏光板のガラスの平均線膨張係数
と漏れ光の透過率の関係を示す図である。
【図5】本発明の実施形態2における液晶プロジェクタ
で用いた反射ミラーの構造を示す図である。
【符号の説明】
101 光源ランプユニット 102 均一照明&偏光変換光学系 103 反射ミラー 104 レンズ 105 青緑反射ダイクロイックミラー 106 反射ミラー 107 緑反射ダイクロイックミラー 108 レンズ 109 反射ミラー 110 レンズ 111 反射ミラー 112 集光レンズ 113 第一偏光板 114 液晶ライトバルブ 115 第二偏光板 116 ダイクロイックプリズム 117 投射レンズユニット 118 スクリーン 201 集光レンズ 202 第一偏光板 203 第一偏光板の支持ガラス 204 第一防塵ガラス 205 マイクロレンズアレーの支持ガラス 206 マイクロレンズアレー 207 マイクロレンズアレーのカバーガラス 208 液晶層 209 液晶ライトバルブの基板 210 第二防塵ガラス 211 第二偏光板の支持ガラス 212 第二偏光板 213 ダイクロイックプリズム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、前記光源から出射した光の特定
    の偏光成分を吸収する第一偏光板と、前記第一偏光板を
    透過した光を変調する液晶ライトバルブと、前記液晶ラ
    イトバルブを透過した光の特定の偏光成分を吸収する第
    二偏光板と、前記第二偏光板を透過した光を投射する投
    射手段とを備えた液晶プロジェクタであって、前記第一
    偏光板を透過した光が前記第二偏光板に到達するまでに
    透過する全てのガラス成形品が、平均線膨張係数の絶対
    値が10×10−7/℃以下の低膨張ガラスで作られて
    いることを特徴とする液晶プロジェクタ。
  2. 【請求項2】 前記光源と前記第一偏光板の間の光路上
    に自然光を偏光に変換する偏光変換装置を備え、前記偏
    光変換装置を透過した光が前記第一偏光板に到達するま
    でに透過する全てのガラス成形品が、平均線膨張係数の
    絶対値が10×10−7/℃以下の低膨張ガラスで作ら
    れていることを特徴とする請求項1記載の液晶プロジェ
    クタ。
  3. 【請求項3】 前記第二偏光板と前記投射手段の間の光
    路上に少なくとも一つの偏光依存素子を設け、前記第二
    偏光板を透過した光が前記最後の偏光依存素子に到達す
    るまでに透過する全てのガラス成形品が、平均線膨張係
    数の絶対値が10×10−7/℃以下の低膨張ガラスで
    作られていることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の液晶プロジェクタ。
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