JP2001041431A - 廃熱ボイラのダスト排出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 専用のポンプを不要にし、また温水を用い
て循環するシステムの温度制御を不要にして安価にダス
ト排出装置を提供でき、ダストと熱交換して得られた熱
をボイラの熱源として利用することで熱効率を高めるこ
とができるダスト排出装置の提供。 【解決手段】廃棄物処理炉を備えた廃棄物処理施設に付
帯する熱回収設備の廃熱ボイラの下部に設けられ、水冷
式のスクリューコンベヤ９を備えたダスト排出装置８に
おいて、廃熱ボイラ１に復水を給水する脱気器給水配管
１０には、脱気器給水ポンプ１１が設けられ、脱気器給
水配管１０から復水タンク５の復水をダスト排出装置８
へ供給する供給配管１２が分岐し、ダスト排出装置８は
熱交換した復水を復水タンク５へ戻す戻り配管１３で復
水タンク５と接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物処理炉を備
えた廃棄物処理施設に付帯する熱回収設備の廃熱ボイラ
からダストを排出する廃熱ボイラのダスト排出装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】廃棄物溶融炉、焼却炉等の廃棄物処理炉
を備えた廃棄物処理施設では、廃棄物処理炉で発生した
高温の排ガスの熱は熱回収設備で回収、利用される。熱
回収設備では、廃棄物処理炉で発生した高温の排ガスの
熱を、廃熱ボイラで熱交換して、発生した蒸気をタービ
ン発電機に供給して発電に利用したり、工場の一般蒸気
等に利用している。

【０００３】例えば、図２の廃棄物処理施設の熱回収設
備の系統図に示されるように、廃棄物溶融炉で発生した
高温の排ガスは、可燃性ガスや可燃物が燃焼室で燃焼さ
れ、燃焼室の燃焼ガスは廃熱ボイラ１で蒸気として熱回
収され、高圧蒸気だめ２に送られる。

【０００４】高圧蒸気だめ２の蒸気は、タービン発電機
３に送られた後、低圧蒸気復水器４で復水され、復水タ
ンク５ヘ送られる。また、高圧蒸気だめ２の余剰蒸気
は、高圧蒸気復水器６で復水され、復水タンク５ヘ送ら
れる。復水タンク５の復水は脱気器７を経てポンプ１９
で廃熱ボイラ１ヘ送られる。

【０００５】廃熱ボイラ１では、その下部に落下する高
温のダストをスクリューコンベヤ９からなるダスト排出
装置８で排出している。ダスト排出装置８は、高温の排
ガスとダストからの熱的な装置保護とダストの冷却を兼
ね、ケーシングと軸には、軸のみを水冷した水冷式のス
クリューコンベヤ９が採用されている。

【０００６】廃棄物処理炉から排出される排ガス及びダ
スト中には、腐食性ガスとしてＳＯｘ、ＨＣｌを含んで
おり、ケーシング及びスクリューコンベアの鉄皮温度が
その露点温度以下であると、ダスト排出装置８の表面に
腐食性ガスが結露し、低温腐食が発生する。これを解決
するために、例えば、特開平９−２５０７３０号公報に
は、ダスト排出装置８の冷却水をダスト排出装置８のみ
の循環方式とし、温度調整用タンク１６を設け、水冷ス
クリューコンベヤ９を流れる冷却水は、排ガス及びダス
トにより熱交換され、熱交換器管１７を内蔵した温度調
整用タンク１６に戻され、温度調整用タンク１６で熱交
換器管１７への冷却水量を調整して冷却して温度調節し
た後、温水を水冷スクリューコンベヤ９により再循環さ
せることが開示されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
冷却方式では、ダスト排出装置への冷却水の循環に専用
のポンプを必要とし、また、温度調整用タンクで温度制
御を行うために構造が複雑となっていた。

【０００８】そこで、本発明は、専用の温水循環ポンプ
を不要にし、また温水を用いて循環するシステムの温度
制御を不要にして安価なダスト排出装置を提供でき、ダ
ストと熱交換して得られた熱をボイラの熱源として利用
することで熱効率を高めることができるダスト排出装置
を提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明のダスト排出装置
は、廃棄物処理炉を備えた廃棄物処理施設に付帯する熱
回収設備の廃熱ボイラの下部に設けられ、水冷式のスク
リューコンベヤを備えたダスト排出装置において、廃熱
ボイラに復水を給水する脱気器給水配管には、脱気器給
水ポンプが設けられ、脱気器給水配管から復水タンクの
復水をダスト排出装置へ供給する供給配管が分岐し、ダ
スト排出装置は熱交換した復水を復水タンクへ戻す戻り
配管で復水タンクと接続されていることを特徴とする。

【００１０】前記構成において、脱気器給水配管と戻り
配管とを、開閉弁を備えたバイパス配管で接続すること
ができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は本発明による廃熱ボイラの
ダスト排出装置の概略図である。図２と同一の構成には
同一符号を付している。

【００１２】燃焼室の燃焼ガスは、廃熱ボイラ１に供給
されて蒸気として熱回収され、発生した蒸気は高圧蒸気
だめ２に送られる。高圧蒸気だめ２の蒸気は、タービン
発電機等の蒸気利用設備に送られる。タービン発電機３
に送られた蒸気は、低圧蒸気復水器４で復水され、復水
は復水タンク５ヘ送られる。また、高圧蒸気だめ２の余
剰蒸気は、高圧蒸気復水器６で復水されて復水タンク５
ヘ送られる。復水タンク５の復水は、脱気器７を経てボ
イラ給水ポンプ１９で廃熱ボイラ１ヘ送られる。

【００１３】廃熱ボイラ１の下部に設置されているダス
ト排出装置８は、高温の排ガスとダストの熱から保護す
るとともに、ダストを冷却するために、ケーシングと軸
または軸のみを水冷した水冷式のスクリューコンベヤ９
が採用されている。

【００１４】脱気器７へ給水する脱気器給水配管１０に
は、脱気器給水ポンプ１１が設けられ、脱気器給水配管
１０から復水タンク５の復水をダスト排出装置８へ供給
する供給配管１２が分岐している。ダスト排出装置８
は、熱交換した冷却水を復水タンク５へ戻す戻り配管１
３で復水タンク５と接続されている。

【００１５】脱気器給水配管１０と戻り配管１３とは、
開閉弁１４を備えたバイパス配管１５で接続されてい
る。

【００１６】前記構成において、ダスト排出装置８に
は、復水タンク５から脱気器給水ポンプ１１により、供
給配管１２を経て温水状態の復水がダスト排出装置８に
送り込まれ、高温の排ガス及びダストと熱交換されてダ
ストは冷却され、温水は昇温して戻り配管１３を通って
復水タンク５へ戻される。ダスト排出装置から得られた
熱は、復水タンク５に戻され、廃熱ボイラ１へ供給する
復水の熱源として再利用できるので、熱効率を上ること
ができる。

【００１７】また、ダスト排出装置８のトラブル時に
は、脱気器給水ポンプ１１のミニマムフローをバイパス
配管１５を通して流すことにより廃熱ボイラ１の運転を
継続させることができる。

【００１８】ダスト排出装置８では、廃熱ボイラ１の復
水をダスト排出装置８の冷却水量に比べ多量に循環させ
ているため、温水循環に廃熱ボイラ１の復水を用いるこ
とで温度調節を行うことなく安定した温度の温水を得る
ことができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明のダスト排出装置では、循環水の
保留に復水タンクを、循環に脱気器給水ポンプを用いる
ので、循環のために別途、温度調節タンク、専用のポン
プを設置する必要がないので、温水冷却システムを安価
に提供することができる。

【００２０】また、ダスト排出装置から得られた熱は、
廃熱ボイラの熱源として再利用できるので、熱効率を上
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による廃熱ボイラのダスト排出装置の概
略図である。

【図２】廃棄物処理施設の熱回収設備の系統図である。

【符号の説明】

１：廃熱ボイラ ２：高圧蒸気だめ ３：タービン
発電機 ４：低圧蒸気復水器 ５：復水タンク ６：高圧蒸
気復水器 ７：脱気器 ８：ダスト排出装置 ９：スクリュー
コンベヤ １０：脱気器給水配管 １１：脱気器給水ポンプ
１２：供給配管 １３：戻り配管 １４：開閉弁 １５：バイパス配
管 １６：温度調整用タンク １７：熱交換器管 １
８：温水循環ポンプ １９：ボイラ給水ポンプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 廃棄物処理炉を備えた廃棄物処理施設に
   付帯する熱回収設備の廃熱ボイラの下部に設けられ、水
   冷式のスクリューコンベヤを備えたダスト排出装置にお
   いて、廃熱ボイラに復水を給水する脱気器給水配管に
   は、脱気器給水ポンプが設けられ、脱気器給水配管から
   復水タンクの復水をダスト排出装置へ供給する供給配管
   が分岐し、ダスト排出装置は熱交換した復水を復水タン
   クへ戻す戻り配管で復水タンクと接続されていることを
   特徴とする廃熱ボイラのダスト排出装置。
2. 【請求項２】 脱気器供給配管と戻り配管とは、開閉弁
   を備えたバイパス配管で接続されていることを特徴とす
   る請求項１記載の廃熱ボイラのダスト排出装置。