JP2001038813A - 粉粒体積層造形方法 - Google Patents

粉粒体積層造形方法

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JP2001038813A
JP2001038813A JP11219538A JP21953899A JP2001038813A JP 2001038813 A JP2001038813 A JP 2001038813A JP 11219538 A JP11219538 A JP 11219538A JP 21953899 A JP21953899 A JP 21953899A JP 2001038813 A JP2001038813 A JP 2001038813A
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layer
laser beam
mask
irradiating
irradiation
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JP11219538A
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Motoaki Ozaki
元亮 尾崎
Yukio Otsuka
幸男 大塚
Ryohei Shibata
良平 柴田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化層及び三次元造形物の輪郭形状の精度を向
上を図りつつ、造形時間の短縮化ひいては生産性の向上
を図り得る粉粒体積層造形方法を提供する。 【解決手段】粉粒体を散布して散布層を形成する散布工
程と、散布層を硬化させて硬化層を形成する硬化工程
と、散布工程及び硬化工程を交互に繰り返して複数の硬
化層を積層し三次元造形物を造形する。硬化工程は、直
進性が高いレーザビームと、レーザビームよりも直進性
が低いものの単位時間当たりの照射面積が大きいエネル
ギビーム(例えば遠赤外線)とを使い分ける。即ち、硬
化層の目標形状に近似する形状をもつ透過部を備えたマ
スクを用い、マスク越しにエネルギビームを散布層50
に照射して硬化層の大部分61,62を硬化させる操作
と、レーザビームを照射して硬化層の輪郭61x,62
xを形成する操作とを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザビームを用い
る粉粒体積層造形方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平9−136139号公報等には積
層造形方法が開示されている。この方法は、粉粒体を散
布して薄い散布層を形成する散布工程と、散布層にレー
ザビームを照射することにより熱硬化させて硬化層を形
成する硬化工程と、散布工程及び硬化工程を交互に繰り
返して複数の硬化層を厚み方向に順次積層し、三次元的
造形物を造形する技術である。この方法では、直進性が
優れたレーザビームが用いられているため、硬化層の形
状の精度が向上し、三次元造形物の形状精度を高めるの
に貢献できる。
【0003】更に、赤外線ランプから照射される遠赤外
線を用い、遠赤外線を散布層に照射することにより散布
層の照射部分を熱硬化させて硬化層を形成する積層造形
方法も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしレーザビームを
照射する上記した方法では、レーザビームはスポット径
が小さいため、硬化層ひいては三次元造形物の形状の精
度が向上するが、単位時間当たりの照射面積が小さく、
このため硬化層の全体を照射する照射時間が長くかか
る。よって三次元造形物の造形時間が長くなり、生産性
の向上には限界がある不具合があった。
【0005】また赤外線ランプの遠赤外線を散布層に照
射する方法では、遠赤外線は照射面積が大きいもののレ
ーザビームに比較して直進性が低いため、硬化層の輪郭
が明確に生成できず、三次元造形物の輪郭の精度が充分
でない不具合があった。
【0006】本発明は上記した実情に鑑みてなされたも
のであり、硬化層及び三次元造形物の輪郭形状の精度を
向上を図りつつ、造形時間の短縮化ひいては生産性の向
上を図り得る粉粒体積層造形方法を提供することを解決
すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の粉粒体積層造形
方法は、粉粒体を散布して散布層を形成する散布工程
と、散布層を硬化させて硬化層を形成する硬化工程と、
散布工程及び硬化工程を交互に繰り返して複数の硬化層
を積層し三次元造形物を造形する粉粒体積層造形方法に
おいて、硬化工程は、直進性が高いレーザビームと、レ
ーザビームよりも直進性が低いものの単位時間当たりの
照射面積が大きいエネルギビームとを使い分け、硬化層
の目標形状に近似する形状をもつ透過部を備えたマスク
を用い、マスク越しにエネルギビームを散布層に照射し
て硬化層の大部分を硬化させる操作と、レーザビームを
照射して硬化層の輪郭を形成する操作とを実行すること
を特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明方法で用いる粉粒体として
は光または熱により硬化する性質をもつものである。代
表的な粉粒体としては、例えば樹脂が被覆された粉粒体
を採用することができる。上記した樹脂としては熱硬化
性樹脂を採用することができる。例えば、熱硬化性樹脂
が被覆された砂、即ちレジンコーティドサンドを採用す
ることができる。代表的な熱硬化性樹脂としてはフェノ
ールレジンがある。被覆されている樹脂は固形状を採用
できるが、場合によっては液状でも良い。ヘキサメチレ
ンなどの熱硬化促進剤を含むものでも良い。
【0009】本発明に係る硬化工程は、直進性が高いレ
ーザビームと、レーザビームよりも直進性が低いものの
単位時間当たりの照射面積が大きいエネルギビームとを
使い分けることを特徴とする。そして、硬化層の目標形
状に近似する形状をもつマスク部を備えたマスクを用
い、照射面積が大きいエネルギビームをマスク越しに散
布層に照射して硬化層の大部分を硬化させる操作と、レ
ーザビームを照射して硬化層の輪郭を形成する操作とを
実行する。
【0010】レーザビームとしては、エネルギ密度が高
く工業的に使用されるCO2レーザビーム、YAGレー
ザビーム等を採用できる。レーザビームよりも直進性が
低いエネルギビームとしては、赤外線を採用することが
できる。赤外線は、遠赤外線、中赤外線、近赤外線を含
む。赤外線を散布層に照射するには、赤外線光源である
赤外線ランプを採用することができる。
【0011】本発明に係る硬化工程においては、マスク
越しにエネルギビームを散布層に照射して硬化層の大部
分を硬化させる操作を実行し、その後に、直進性が高い
レーザビームを照射して硬化層の輪郭を形成する操作を
実行することが好ましい。レーザビームを照射するとき
には、マスクを外すことができる。
【0012】本発明方法によれば、場合によっては、直
進性が高いレーザビームを照射して硬化層の輪郭を形成
する操作を実行し、その後に、照射面積が大きいエネル
ギビームを散布層にマスク越しに照射して硬化層の大部
分を硬化させる操作を実行することにしても良い。
【0013】マスクは、硬化層の目標形状に近似する形
状をもつ透過部を備えている。透過部は、レーザビーム
よりも直進性が低いものの単位時間当たりの照射面積が
大きいエネルギビーム(遠赤外線など)を散布層に向け
て透過できる機能をもつものであれば良い。従って、透
過部は、マスクの厚み方向に貫通する開口窓で形成でき
る。あるいは、このエネルギビームを透過できる性質を
もつ石英ガラスをマスク材料として用い、石英ガラスの
表面に、エネルギビームの透過を遮る遮蔽膜を形成する
と共に、遮蔽膜以外の領域を透過部とすることもでき
る。
【0014】本発明方法においては、照射面積が大きい
エネルギビームを散布層に照射して硬化層の大部分を形
成する際には、硬化層の大部分の面積は、輪郭の太さを
除いたものであることが好ましい。換言すれば、照射面
積が大きいエネルギビームを散布層に照射して形成され
る硬化層の大部分の面積は、硬化層の目標形状よりも、
レーザビームを照射して輪郭を形成する分、小さめに形
成することが好ましい。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本実施例は三次元造形物での代表例である鋳造用
鋳型(砂型)に適用している。鋳型は内部空間である成
形キャビティを備えており、高温の金属溶湯が注入固化
されるものであり、金属溶湯が固化した鋳物を形成す
る。
【0016】図1に示すように、本実施例で使用するマ
スク1は、赤外線を透過する性質をもつガラス板10
(石英ガラス)と、ガラス板10の上面に積層され遠赤
外線に対して遮蔽性をもつ遮蔽膜12とで形成されてい
る。マスク1においては、遮蔽部である遮蔽膜12の外
周側に、赤外線を透過する性質をもつ第1透過部13が
形成されていると共に、遮蔽膜12の内側に、同じく遠
赤外線を透過する性質をもつほぼ円形状の複数個の第2
透過部14が形成されている。
【0017】図1において硬化層の目標形状は、大きな
横長ループ状の一点鎖線である仮想線A1,小さな円形
ループ状の一点鎖線である仮想線A2で規定されてい
る。図1に示すように、遮蔽膜12の外側の区画線12
kは、仮想線A1よりも外側に位置するようにオフセッ
ト補正されている。また、遮蔽膜12の内側の区画線1
2hは、仮想線A2よりも内側に位置するようにオフセ
ット補正されている。これにより遮蔽膜12は、硬化層
60の目標形状よりも広い遮蔽面積となり、マスク1に
照射される赤外線の透過を広い面積で遮るようにされて
いる。
【0018】マスク1の遮蔽膜12は、CADシステム
における三次元造形物を水平方向に仮想的に切断した水
平断面データに基づて作製されている。従って、マスク
1の遮蔽膜12は、上記した水平断面データを、遮蔽膜
12の表出面積が増大する方向に、遮蔽膜12の縁を所
定量オフセット(偏位)することにより形成することが
できる。
【0019】図4に示すように、造形装置3は、内部に
造形空間30をもつ枠状をなすメインフレーム31と、
メインフレーム31に矢印Y1,Y2方向に昇降可能に
保持され造形された三次元造形物を保持する昇降盤32
と、昇降盤32を昇降させる昇降駆動源33と、メイン
フレーム31の近傍に設けられた散布装置35と、メイ
ンフレーム31の造形空間30の上方に配置されたスキ
ャナー38をもつ第1エネルギ源であるレーザビーム照
射装置39と、メインフレーム31の近傍に設けられた
第2エネルギ源である赤外線照射装置40(図2参照)
とを備えている。
【0020】昇降駆動源33はモータ機構や油圧シリン
ダ機構で形成することができる。レーザビーム照射装置
39は、レーザビームMを発振する発振装置42と、レ
ーザビームMをスキャナー38に案内するミラー41a
〜41cと、レーザビームMを散布層50に照射するス
キャナー38とを備えている。
【0021】図5に示すように、スキャナー38は、一
方向に揺動するミラー38aと、ミラー38aを揺動さ
せるミラー駆動源38bと、他方向に揺動するミラー3
8cと、ミラー38cを揺動させるミラー駆動源38d
と、ミラー駆動源38dを制御するミラー制御部38e
とをもつ。ミラー38a,38cの揺動によりレーザビ
ームMを散布層50の必要場所に走査することができ
る。
【0022】赤外線照射装置40は通常の状態では、散
布層50の上方から退避しているが、散布層50の上方
に移動可能であり、散布層50の上方から遠赤外線を照
射して散布層50を構成する粉粒体であるレジンコーテ
ィドサンドを加熱するものである。赤外線照射装置40
は、遠赤外線を照射する赤外線光源である複数個の赤外
線ランプ40aと、各赤外線ランプ40aの上方に配置
された凹面を備えた反射材料で形成された反射体40c
とを備えている。各赤外線ランプ40aは長尺ランプ形
状とされている。反射体40cは赤外線ランプ40aか
ら上方に照射された遠赤外線を下方に向けてつまり散布
層50に向けて反射する。遠赤外線はレジンコーティド
サンドのレジンに吸収され易いため、レジンを効果的に
熱硬化させ、隣接するレジンコーティドサンド同士を効
果的に結合させ得る。
【0023】図4に示す散布装置35は、駆動源である
駆動モータにより散布層50の上方で散布層50に沿っ
て走行されるものであり、駆動モータにより昇降盤32
に沿って横方向つまり矢印X1,X2方向に沿って移動
できる。散布装置35は、粉粒体であるレジンコーティ
ドサンドを収容する収容室35pをもつ容器35kと、
容器35kの下端開口である吐出口35nに回転可能に
保持されたローラ35mとをもつ。ローラ35mは、レ
ジンコーティドサンドの吐出性を高める溝35yをも
つ。レジンコーティドサンドは、熱硬化性をもつレジン
を砂粒子に被覆して構成されている。
【0024】次に造形する場合について説明する。散布
工程において、散布層50を形成するときには、昇降盤
32を矢印Y1方向に上昇させて所定の高さ位置にセッ
トする。この状態で散布装置35を矢印X1方向に昇降
盤32に沿って移動させて、容器35k内のレジンコー
ティドサンドを昇降盤32の設置面に散布し、散布層5
0を散布する。硬化層50の平均厚みは約0.1mmと
するが、これに限定されるものではない。
【0025】散布工程を終えて散布層50を積層した
ら、散布装置35を矢印X2方向に移動させてメインフ
レーム31から退避させる。
【0026】次に硬化工程を行う。硬化工程では、指向
性が優れており直進性が高いレーザビームMと、レーザ
ビームMよりも直進性が低いエネルギビームである遠赤
外線とを使い分ける。即ち、マスク1越しに遠赤外線を
散布層50に照射して硬化層60の大部分を硬化させる
操作と、レーザビームMを照射して硬化層60の輪郭を
形成する操作とを行う。
【0027】この硬化工程について詳述する。まず、図
略のマスク移動手段により、図2に示すように、前記し
たマスク1を矢印B1方向に移動させて散布層50の上
方に配置させる。散布層50とマスク1との間隔は短い
方が好ましい。遠赤外線照射の際の精度を確保できるた
めである。
【0028】更に赤外線照射装置40を移動させてマス
ク1の上方に赤外線照射装置40を配置させる。この状
態で赤外線照射装置40から遠赤外線を散布層50に向
けて照射させる。赤外線照射装置40は散布層50の上
方全体を覆うことができ、大きい照射面積をもつ。
【0029】図3から理解できるように、散布層50の
うちマスク1の遮蔽膜12に対面する領域50xでは、
遠赤外線がマスク1の遮蔽膜12に遮られて、散布層部
分に到達しないので、レジンコーティドサンドの硬化反
応が生じない。
【0030】一方、散布層50のうち、マスク1の第1
透過部13に対面する領域では、遠赤外線がマスク1を
透過して散布層部分に到達するため、レジンコーティド
サンドの硬化反応が生じ、第1硬化層部分61が枠状に
形成される。第1硬化層部分61はマスク1の第1透過
部13の形状に対応する。また、散布層50のうちマス
ク1の第2透過部14に対面する領域では、遠赤外線が
マスク1を透過して散布層部分に到達するため、レジン
コーティドサンドの硬化反応が生じ、第2硬化層部分6
2が円形状に形成される。第2硬化層部分62はマスク
1の第2透過部14の形状に対応する。第1硬化層部分
61と第2硬化層部分62とにより、目標とする硬化層
60が形成される。このように遠赤外線の照射を終えた
ら、赤外線照射装置40を散布層50の上方から退避さ
せる。
【0031】遠赤外線照射を終えたら、マスク1を矢印
B2方向(図2参照)に移動させて退避させる。その
後、図4に示すように、レーザビーム照射装置39のス
キャナー38からレーザビームMを散布層50に向けて
照射する。これにより図6に示すように、第1硬化層部
分61の縁に第1輪郭線61xをループ状に形成する。
また第2硬化層部分62のそれぞれの縁に第2輪郭線6
2xをループ状に形成する。レーザビームMのスポット
径は約0.2mmであるが、これに限定されるものでは
なく、例えば0.05〜5mm程度、0.1〜2mm程
度にすることもできる。いずれにしても、赤外線照射装
置40による全体の照射面積に比較して、レーザビーム
Mのスポット径は小さいものである。
【0032】なお図6において、第1輪郭線61xの太
さ及び第2輪郭線62xの太さは、明確化のため多少誇
張して図示されている。このようにして硬化工程を終了
する。
【0033】次に、新しい硬化層を形成するために、再
び散布工程を実行する。即ち、次の新しい散布層50を
形成するときには、散布層50の厚み寸法に相当するピ
ッチぶん、昇降盤32を矢印Y2方向に下降させる。こ
の状態で散布装置35を矢印X1方向に移動させて、容
器35k内のレジンコーティドサンドを、硬化工程を終
えた前回の散布層50の上に散布し、新しい散布層50
(平均厚み:0.1mm)を形成する。
【0034】散布工程を終えたら、前述同様に硬化工程
を行う。硬化工程では、図2に示すように、前記したマ
スク1を移動させて散布層50の上方に配置する。そし
て、マスク1上に配置した赤外線照射装置40から遠赤
外線をマスク越しに散布層50に照射する。次に、マス
ク1を外した状態で、図4に示すように、レーザビーム
照射装置39のスキャナー38から、小さなスポット径
をもつレーザビームMを散布層50に照射する。これに
より図6から理解できるように、第1硬化層部分61の
縁に第1輪郭線61xをループ状に形成すると共に、第
2硬化層部分62のそれぞれの縁に第2輪郭線62xを
ループ状に形成する。
【0035】このようにした硬化工程を終えたら、再
び、前述同様に散布工程を行い、次の新しい散布層50
を形成する。その新しい散布層50に対して再び硬化工
程を行う。
【0036】以下、このようにして散布工程及び硬化工
程を交互に多数回繰り返して行い、硬化層60を厚み方
向に順に積層し、三次元造形物である鋳型を造形する。
積層回数は三次元造形物(鋳型)の種類によっても相違
するものの、例えば50〜5000回、200〜200
0回とすることができる。
【0037】なお、三次元造形物の造形が終了したら、
未硬化部分のレジンコーティドサンドをエアブロアなど
で除去し、鋳型とする。そして鋳型の内部の成形キャビ
ティに金属溶湯を注入固化させ、鋳物を形成する。
【0038】以上説明したように本実施例においては、
指向性つまり直進性が高いレーザビームMと、レーザビ
ームMよりも直進性が低いものの単位時間当たりの照射
面積が大きい赤外線ランプ40aの遠赤外線とを使い分
けている。即ち、レーザビームMは指向性に優れ直進性
が高いものの、スポット径が小さいため照射面積が小さ
い。また赤外線ランプ40aの遠赤外線は照射面積が大
きいものの、指向性つまり直進性が低い。本実施例で
は、マスク1越しにレーザビームMを散布層50に照射
して硬化層60の大部分を硬化させる操作と、レーザビ
ームMを照射して硬化層60の輪郭を形成する操作とを
行う。
【0039】このため本実施例では、直進性が高いもの
のスポット径が小さいレーザビームMの照射だけで硬化
層60を形成する場合に比較して、硬化工程に要する時
間を大幅に短縮することができ、造形時間の短縮、生産
性の向上を図り得る。また、照射面積が大きいものの直
進性が低い遠赤外線の照射だけで硬化層60を形成する
場合に比較して、硬化層60の輪郭形状精度を確保する
ことができる。本実施例に係る三次元造形物は鋳型であ
り、スポット径が小さなレーザビームMの照射によって
鋳型の成形キャビティを区画する輪郭精度を確保できる
ため、鋳物の形状精度を確保できる。
【0040】また本実施例では、レーザビームMの単位
面積あたりのエネルギ密度は、遠赤外線の単位面積当た
りのエネルギ密度よりも大きいため、硬化層60の輪郭
である第1輪郭線61x,第2輪郭線62xの未焼成化
を抑制するのに有利となる。故に、未焼成に起因する硬
化層60の輪郭の形状崩れの抑制に有効である。
【0041】更に本実施例においては次の相乗的効果が
得られる。即ち本実施例では、遠赤外線を散布層50に
照射して硬化層60の大部分を形成した後に、レーザビ
ームMを照射して硬化層60の輪郭を形成する操作を行
う。遠赤外線を散布層50に照射して硬化層60の大部
分を硬化させた後においては、散布層50は暖められ
て、散布層50の温度はかなり上昇している。そのため
レーザビームMで輪郭を形成する際に、レーザビームM
の出力を減少させ、レーザビームMの出力の過剰化を抑
えるのにも有利となる。この意味においてレーザビーム
照射装置39の出力の小型化を期待でき、レーザビーム
の照射に要する設備コストの低減を期待することができ
る。
【0042】模式図である図7を参照して例示すれば、
図7(A)は、遠赤外線照射を実行した後にレーザビー
ムを散布層に照射する形態である本実施例を示す。図7
(B)は遠赤外線照射を実行せずにレーザビームを散布
層に照射する形態である比較例を示す。比較例に係る図
7(B)に示す場合は、遠赤外線を用いることなく、レ
ーザビームMの照射だけによって、散布層50の温度を
1からT3(レジンコーティドサンドの熱硬化温度)に
上昇させる必要がある。この場合には、レーザビームM
の照射によって上昇させる温度幅ΔTが大きく、レーザ
ビームMの照射に基づく急熱に起因して硬化層60の反
り等の不具合が発生する頻度が高くなり易い。
【0043】これに対して、本実施例に係る図7(A)
に示す場合には、遠赤外線が予め照射されるため、遠赤
外線の照射部分からの伝熱によって、レーザビームMを
照射する散布層部分が予熱されている。この結果、レー
ザビームMを照射する前の散布層部分が温度T1からT2
に上昇している。故に、レーザビームMの照射によっ
て、散布層50の温度をT2からT3に上昇させるだけで
済み、レーザビームMの照射によって上昇させる温度幅
ΔTが小さくて済み、レーザビームMの照射に起因する
硬化層60の反り等の不具合を抑制するのに貢献するこ
とができる。
【0044】上記した実施例においては、マスク1は予
めガラス板10に遮蔽膜12を積層することにより構成
されているが、これに限らず、硬化工程を実行する直前
に、ガラス板10に遮蔽膜12をプリント印刷する形態
とすることもできる。
【0045】上記した実施例では、赤外線照射装置40
は、複数個の赤外線ランプ40aと、各赤外線ランプ4
0aを覆う反射体40cとで構成されているが、これに
限られるものではない。例えば、一個の赤外線ランプ4
0aと、赤外線ランプ40aを覆う反射体40cとで構
成し、このように構成した赤外線照射装置40を散布層
50に沿って走行させ、走行に伴い、散布層50を加熱
する形態としても良い。
【0046】上記した本実施例では、マスク1は、赤外
線を透過する性質をもつガラス板10(石英ガラス)に
遮蔽膜12を積層して構成されているが、これに限ら
ず、鉄板やアルミニウム板などの金属板に開口窓を形成
して構成しても良い。
【0047】上記した実施例は鋳型の造形に適用した場
合であるが、これに限らず、他の三次元造形物に適用す
ることもできる。
【0048】その他、本発明は上記し且つ図面に示した
実施例のみに限定されるものではなく、必要に応じて適
宜変更して実施できるものである。
【0049】(付記)上記した記載から次の技術的思想
も把握できる。
【0050】・レーザビームよりも直進性が低いものの
単位時間当たりの照射面積がレーザビームよりも大きい
エネルギビーム(例えば遠赤外線)を散布層に照射した
後に、レーザビームを照射することを特徴とする粉粒体
積層造形方法。レーザビームの照射前に、散布層のうち
硬化層の輪郭となる部分(つまりレーザビーム照射予定
部分)を予熱することができ、レーザビームの出力の低
減に貢献できる。
【0051】・請求項1に係る粉粒体積層造形方法を実
行して鋳造用鋳型(砂型)を造形する鋳型造形方法。ス
ポット径が小さなレーザビームの照射によって鋳型の成
形キャビティを区画する輪郭精度を確保できるため、鋳
物の形状精度を確保できる。
【0052】・請求項1において、レーザビームを照射
する際には、散布層の上方からマスクを退避させること
を特徴とする粉粒体積層造形方法。
【0053】
【発明の効果】本発明方法によれば、硬化工程において
は、直進性が高いものの単位時間当たりの照射面積が小
さいレーザビームと、レーザビームよりも直進性が低い
ものの単位時間当たりの照射面積がレーザビームよりも
大きいエネルギビームとを使い分けている。即ち、硬化
層の目標形状に近似する形状をもつ透過部を備えたマス
クを用い、照射面積が大きいエネルギビームをマスク越
しに散布層に照射して硬化層の大部分を硬化させる操作
と、レーザビームを照射して硬化層の輪郭を形成する操
作とを実行することにしている。
【0054】従って、直進性が高いものの照射面積が小
さいレーザビームの照射だけで硬化層を形成する場合に
比較して、硬化工程に要する時間を大幅に短縮すること
ができ、造形時間の短縮、生産性の向上を図り得る。
【0055】また、前記エネルギビームよりもスポット
径が小さいレーザビームで硬化層の輪郭を硬化させるた
め、単位時間当たりの照射面積が大きいものの直進性が
低いエネルギビームの照射だけで硬化層を形成する場合
に比較して、硬化層の輪郭形状精度を高めることができ
る。
【0056】即ち本発明方法によれば、ハイブリッド照
射方式が採用されており、硬化層の造形時間の短縮、硬
化層の形状輪郭の高精度化を両立できる。
【0057】更に本発明方法によれば、エネルギビーム
を散布層に照射して硬化層の大部分を形成した後に、レ
ーザビームを照射して硬化層の輪郭を形成する場合に
は、レーザビームで輪郭を形成する前の段階で、散布層
のうちレーザビーム照射予定部分が既に予熱されてい
る。このため、レーザビームの照射出力を抑えることが
でき、照射出力の過剰化を防止することができ、設備コ
ストの低減に貢献できる。また散布層のうちレーザビー
ム照射予定部分が既に予熱されているため、レーザビー
ムの照射によって上昇させる散布層の温度の上昇幅が少
なくて済む。このためレーザビームの照射に基づく散布
層の急熱の程度が抑えられ、急熱に起因する硬化層の反
り等の不具合が発生する頻度を少なくするのに有利とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】遮蔽膜をもつマスクの平面図である。
【図2】赤外線照射装置によりマスク越しに遠赤外線を
照射する形態を示す要部の斜視図である。
【図3】赤外線照射装置によりマスク越しに遠赤外線を
照射して形成した硬化層(輪郭形成前)の平面図であ
る。
【図4】レーザビーム照射装置のスキャナーからレーザ
ビームを散布層に照射している形態を示す断面図であ
る。
【図5】レーザビーム照射装置の概念を示す構成図であ
る。
【図6】遠赤外線の加熱で硬化層の大部分を形成した後
に、レーザビームを照射して硬化層の輪郭を形成した状
態を示す平面図である。
【図7】散布層の温度の上昇形態の概念を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
図中、1はマスク、12は遮蔽膜、39はレーザビーム
照射装置、40は赤外線照射装置、40aは赤外線ラン
プ、60は硬化層、61は第1硬化層部分、62は第2
硬化層部分、61xは第1輪郭線、62xは第2輪郭線
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 良平 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4F213 AC04 WA25 WA34 WA37 WA40 WA53 WA86 WA87 WB01 WL03 WL04 WL12 WL26 WL34 WL44 WL82 WL95

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉粒体を散布して散布層を形成する散布工
    程と、前記散布層を硬化させて硬化層を形成する硬化工
    程と、前記散布工程及び前記硬化工程を交互に繰り返し
    て複数の硬化層を積層し三次元造形物を造形する粉粒体
    積層造形方法において、 前記硬化工程は、直進性が高いレーザビームと、前記レ
    ーザビームよりも直進性が低いものの単位時間当たりの
    照射面積が大きいエネルギビームとを使い分け、 前記硬化層の目標形状に近似する形状をもつ透過部を備
    えたマスクを用い、マスク越しにエネルギビームを前記
    散布層に照射して硬化層の大部分を硬化させる操作と、
    前記レーザビームを照射して前記硬化層の輪郭を形成す
    る操作とを実行することを特徴とする粉粒体積層造形方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007223192A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Aspect Inc 粉末焼結積層造形装置及び粉末焼結積層造形方法
US9776243B2 (en) 2014-03-05 2017-10-03 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Method for manufacturing three-dimensional shaped object

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JP2007223192A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Aspect Inc 粉末焼結積層造形装置及び粉末焼結積層造形方法
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