JP2001038348A - 水質浄化法及び水質浄化装置 - Google Patents

水質浄化法及び水質浄化装置

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JP2001038348A
JP2001038348A JP11213442A JP21344299A JP2001038348A JP 2001038348 A JP2001038348 A JP 2001038348A JP 11213442 A JP11213442 A JP 11213442A JP 21344299 A JP21344299 A JP 21344299A JP 2001038348 A JP2001038348 A JP 2001038348A
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water
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nitrogen
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Osamu Tawara
修 田原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機汚濁物質、窒素化合物及びリン化合物を
同時に処理する。 【解決手段】 処理水を二酸化チタンにてなる光触媒4
に接触させつつ、その処理水に紫外線6を照射すること
により、窒素化合物を硝酸イオンに、リン化合物をリン
酸イオンに、有機化合物が二酸化炭素に変換する。電極
10,12に電圧を印加して電解を行ない、陽極10で
二酸化炭素を気相に放出し、陰極12で硝酸イオンを窒
素ガスやアンモニアに還元して気相の放出する。処理水
中に多価金属イオンを共存させておき、多価金属イオン
とリン酸イオンを反応させてリン酸塩からなる沈殿物1
4を析出させ、リン酸イオンを固相として固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湖沼水や河川水な
どの環境水や、養殖場、水槽、工場排水、家庭排水な
ど、環境に係る水質浄化法及び水質浄化装置に関し、特
に、富栄養価の原因物質である有機汚濁物質、窒素化合
物及びリン化合物を除去する水質浄化法及び水質浄化装
置に関するものである。このような水質浄化法は、生物
の生息に必要な環境を整える環境浄化の手段として役立
つものである。
【0002】
【従来の技術】自然界における有機化合物や窒素化合
物、リン化合物は多くは気体や固体、水溶液の状態で存
在している。これらの物質は、例えば、植物→生物→土
壌・環境水→堆積物→植物というように、地球化学的な
長い時間をかけて自然界を循環している。炭素、窒素及
びリンは生体や生物にとって欠かすことのできない元素
であるとともに、湖沼や河川、海水の富栄養化による環
境汚染の原因物質でもある。その環境汚染の汚染源は、
工場排水や化学肥料、農薬、生活排水が主因になってい
る。
【0003】水中の窒素化合物は、大別して、硝酸態窒
素、アンモニア態窒素、有機態窒素に分類される。これ
らの形態で自然界に存在する窒素を同じ手段で除去する
ことは困難であるが、従来は主としてアンモニア態窒素
や硝酸態窒素を微生物による活性汚泥法で除去してい
た。活性汚泥法では、アンモニアを好気的条件で硝化菌
により硝酸イオン又は亜硝酸イオンに酸化し、その後、
嫌気的条件で脱窒菌により窒素ガスに変換して大気に放
出する。
【0004】水中のリン化合物は、大別して、リン酸イ
オン、加水分解性リン、有機リンに分類される。これら
の形態で自然界に存在するリンは、有機化合物や窒素化
合物のように無害な成分(二酸化炭素分子や窒素分子)
に変換して水中から除去することができず、リンを凝縮
して分離しなければならない。水中からリンを分離除去
する方法は、アルミニウム塩やカルシウム塩などによる
凝集沈殿法や晶析法などの化学的除去法や、微生物を利
用した活性汚泥法などの生物的除去法がある。凝集沈殿
法は多価金属イオンとリン酸イオンが結合して溶解度の
低い沈殿物として水中から分離する方法である。活性汚
泥法は、活性汚泥中にポリリン酸の形で堆積する微生物
を増殖させ、その微生物による好気的条件におけるリン
の取込み、嫌気的条件におけるリンの放出及び有機物取
込みを利用している。有機汚濁物質は活性汚泥法が主流
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のアンモニア用活
性汚泥法は、アンモニアを好気的条件で硝化菌で硝酸イ
オン又は亜硝酸イオンに、嫌気的条件で脱窒菌で窒素ガ
スに変換することには有効であるが、有機態窒素には効
果がない。また、好気的条件で有機物除去も同時に行な
うことも提案されているが、微生物同士の共存条件の管
理が困難で、実質的に効果的とは言えず、かつ汚泥処理
の問題も残る。
【0006】また、従来のリン化合物用凝集沈殿法は、
高濃度のリン酸イオン及び一部の加水分解性リンに有効
であるが、有機リンには効果がなく、希薄なリン酸イオ
ンには効果が薄い。リン化合物用活性汚泥法は、好気的
条件や嫌気的条件の制御が難しく、ポリリン酸蓄積能の
高い細菌を優先的に増殖させなければならないという不
安定要素もあり、さらに活性汚泥の処理の問題が残る。
また、活性汚泥法によって窒素化合物、リン化合物及び
有機汚濁物質を同時に処理する場合には、有機物用、ア
ンモニア用、硝酸用、リン酸用など、複数菌の優先的増
殖という全く困難な条件が必要であり、かつ汚泥処理の
問題が残る。
【0007】そこで本発明は、上記のような不具合を生
じさせることなく、窒素化合物、リン化合物及び有機汚
濁物質を同時に処理することのできる水質浄化法及び水
質浄化装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の水質浄化法は、
処理水を光触媒に接触させつつその処理水に紫外線を照
射して、処理水中の有機化合物を二酸化炭素に、窒素化
合物を硝酸イオンに、リン化合物をリン酸イオンに同時
に酸化分解した後、二酸化炭素を気相に放出し、硝酸イ
オンを電解還元して窒素ガス又はアンモニアに変換して
気相に放出し、リン酸イオンを多価金属イオンと反応さ
せて固相として固定する方法である。
【0009】本発明の水質浄化装置は、光触媒と、その
光触媒を活性化する紫外線を照射する光学系と、処理水
を電解する電解手段と、処理水に多価金属イオンを供給
する多価金属供給手段を備えたものである。
【0010】本発明の水質浄化法及び水質浄化装置で行
なわれる方法は化学的方法の一種の光化学的方法であ
り、硝酸態窒素、アンモニア態窒素、有機態窒素を含む
窒素化合物を硝酸イオンに変換し、リン酸イオン、加水
分解性リン、有機リンを含むリン化合物をリン酸イオン
に変換し、及び有機化合物を二酸化炭素に変換する。光
触媒による酸化分解条件はいずれの化合物も同一条件で
行なうことができる。有機化合物は二酸化炭素として気
化し、リン化合物は光触媒の作用による酸化と同時に又
はその後の工程で多価金属イオンと結合して水中から分
離され、窒素化合物は電解還元により窒素ガス又はアン
モニアとして気化される。この方法において、残渣はリ
ン酸塩のみであり、後処理が単純化される。
【0011】
【発明の実施の形態】光触媒の好ましい例は二酸化チタ
ンであり、紫外線は400nm以下のものであることが
好ましい。そのような紫外線を発生する光源は、光触媒
に広く利用されているブラックライトでもよいが、より
効果的にするにはオゾン発生の可能な低圧水銀灯が好ま
しい。試料水に紫外線を照射すると、次のような反応が
起こり、水中に酸素原子やオゾンが発生する。この酸素
原子やオゾンが二酸化チタンからなる光酸化触媒の作用
とともに、有機化合物、窒素化合物及びリン化合物の酸
化を促す。 光触媒の酸化作用とともに、酸素原子やオゾンも酸化力
をもっているので、処理水中の炭素化合物、窒素化合物
及びリン化合物を同時に強力酸化してそれぞれ二酸化炭
素、硝酸イオン及びリン酸イオンに変換する。これによ
り、難分解性の有機化合物、窒素化合物、リン化合物も
酸化分解することができる。
【0012】処理水に酸素を含む気体を導入する酸素導
入機構をさらに備えることが好ましい。その結果、光触
媒の酸化力を高め、紫外線照射による酸素原子及びオゾ
ンの生成も促進することができる。処理水のpHを調整
するpH調整機構をさらに備えることが好ましい。その
結果、有機化合物、窒素化合物及びリン化合物の酸化分
解効率、硝酸イオンの電解効率、並びにリン酸イオンの
固定効率を制御することができる。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の水質浄化法の概念とともに
示す水質浄化装置の概略構成図である。反応槽2の内部
に光触媒4が備えられている。この光触媒4は、例えば
Ti網の表面にTiO2(二酸化チタン)層を形成し、
その上にアナタース型TiO2粉末と粉ガラスとを焼結
させたものであり、特開平9−276694号公報に記
載の条件で製造されたものである。反応槽2の外側には
反応槽2内に紫外線6を照射する低圧水銀灯やブラック
ライトなどの光源8が配置されている。反応槽2の内部
には、陽極10としてPt電極、陰極12としてCu電
極が設けられている。
【0014】処理水を光触媒4に接触させつつ、その処
理水に紫外線6を照射することにより、窒素化合物(N
化合物)が硝酸イオン(NO3 -)に、リン化合物(P化
合物)がリン酸イオン(PO4 3-)に、有機化合物(C
化合物)が二酸化炭素(CO2)に変換される。二酸化
炭素はほとんどが大気に放出されるが、一部は炭酸イオ
ンとして水中に溶存する。電極10,12に電圧を印加
して電解を行なうと、陽極10では水中の二酸化炭素が
気化されて二酸化炭素ガス(CO2)が発生し、陰極1
2では硝酸イオンが還元されて、窒素ガス(N2)やア
ンモニア(NH3)が発生する。
【0015】処理水中に多価金属イオン(多価金属)を
共存させておくと、その多価金属イオンとリン酸イオン
が光触媒の作用で反応してリン酸塩からなる沈殿物14
が生成する。光触媒4として二酸化チタンを用いた場合
には、酸性下では多価金属イオンが存在しなくてもリン
酸イオンは二酸化チタンと反応してチタンとのリン酸塩
を生成する。pH調整液を混合してpHを例えば11に
調整する。これにより、有機化合物、窒素化合物及びリ
ン化合物の酸化分解効率、硝酸イオンの電解効率、並び
にリン酸イオンの固定効率を向上させることができる。
このようにして、処理水中の有機化合物、窒素化合物及
びリン化合物及びが除去される。
【0016】図2は、水質浄化装置の他の実施例を表す
概略構成図である。反応槽2は底をもつ円筒状で、内容
積が100ml余りのパイレックスガラス製である。反
応槽2中には低圧水銀灯16(出力10〜24W)が1
本設置され、反応槽2の外側にはブラックライト18
(出力10W)が9本設置されている。20は水銀灯用
電源である。反応槽2内には低圧水銀灯16の周りを取
り囲むように、円筒状に曲げられた光触媒4が設置され
ている。この光触媒4は、Ti網の表面にTiO2層を
形成し、その上にTiO2粉末と粉ガラスとを焼結させ
たものであり、特開平9−276694号公報に記載の
条件で製造されたものである。反応槽2の内部には、陽
極10及び陰極12も設けられている。陽極10及び陰
極12には、電解時に電圧を印加する電解用電源22が
接続されている。反応槽2の底部には酸素の供給と試料
水の撹拌を兼ねる清浄空気を供給する空気供給口(図示
略)が設けられている。
【0017】次に、本発明の水質浄化法の酸化分解工程
を行なった例を説明する。この光化学反応装置を用い、
100mlの試料水を反応槽2に入れる。その試料水
は、(NH42SO4として窒素成分を2ppmと、C6
5NaPO4としてリン成分を1ppmと、C6126
として炭素成分を100ppm含んだものであり、反応
前のpHは11であった。その試料水に対し、反応槽2
の底部から清浄空気を10ml/分の流量で供給しなが
ら、低圧水銀灯16を24Wの出力で点灯し、9本のブ
ラックライト18をそれぞれ10Wの出力で点灯して、
40分間光酸化分解反応を起こさせた。
【0018】図3は、酸化時間に対する窒素成分及びリ
ン成分の酸化効率、並びに全有機態炭素(TOC)濃度
を示すグラフである。横軸は酸化時間(分)を表し、縦
軸は窒素成分及びリン成分の酸化効率(%)、TOC濃
度(ppm)並びにpHを表す。酸化時間が40分で、
リン成分のほぼ100%がリン酸イオンに変換し、窒素
成分の約85%が硝酸イオンに変換し、炭素成分の約9
0%が二酸化炭素に変換した。このときのpHは約8で
あった。
【0019】次に、炭素成分分解能について、TOC濃
度依存性を調べた結果を示す。図4は、TOC濃度の異
なる試料水をそれぞれ光酸化反応を起こさせた結果を示
すグラフである。横軸は試料水のTOC濃度(ppm)
を示し、縦軸はTOC消失率(%)を示す。装置は図2
の光化学反応装置を用い、試料水はC6126として炭
素成分を50ppm又は100ppm含んだものを用
い、反応前のpHは11であった。その試料水に対し、
反応槽2の底部から清浄空気を10ml/分の流量で供
給しながら、低圧水銀灯16を24Wの出力で点灯し、
9本のブラックライト18をそれぞれ10Wの出力で点
灯して、40分間光酸化分解反応を起こさせた。図4に
示すように、いずれの試料水に対してもTOC消失率は
約90%であり、炭素成分分解能はTOC濃度に依存し
ないことがわかる。
【0020】次に、本発明の水質浄化法のリン酸イオン
除去能ついて、pH条件を検討した結果を示す。試料水
としては、蒸留水にKH2PO4を溶解して1ppmPに
調製したもの(1ppmP-KH2PO4:試料A)及びその溶液に
合計で10ppmのCaとMgをさらに添加したもの
(1ppmP-KH2PO4+10ppmCa,Mg:試料B)、並びにそれら
の溶液に粉状のアナタース型二酸化チタンを光触媒とし
てさらに添加したもの(1ppmP-KH2PO4+TiO2:試料C、1
ppmP-KH2PO4+10ppmCa,Mg+TiO2:試料D)を用意し、そ
れらの試料水の試験前のpHを調整して用いた。それら
の試料水に対し、清浄空気を10ml/分の流量で供給
しながら、低圧水銀灯を24Wの出力で点灯し、8本の
ブラックライトをそれぞれ10Wの出力で点灯して、4
0分間光酸化分解反応を起こさせた。
【0021】図5は、本発明の水質浄化法のリン酸イオ
ン除去能ついて、pH条件を検討した結果を示すグラフ
である。横軸は試料水の試験前のpHを示し、縦軸はリ
ン酸イオン残存濃度(ppm)を示す。試料Aについて
は、pHを変化させてもリン酸イオンの除去はできなか
った。試料Bは、従来の凝集沈殿法と同様に、pHを1
0以上にすることにより、Ca,Mgのリン酸塩として
除去することができた。試料Cについては、pHが酸性
側ではほとんどのリン酸イオンを除去できたが、アルカ
リ性側ではその除去率が低下し、pHが10を越えると
ほとんど除去できなかった。試料Dについては、pHに
かかわらず、リン酸イオンをほとんど除去することがで
きた。
【0022】次に、電解による硝酸イオンの除去能つい
て、条件を検討した結果を示す。試料水としては、蒸留
水にKNO3を溶解して1ppmの濃度に調製し、pH
を11に調整したものを用いた。装置は、作用電極(陰
極)としてZn電極、対極(陽極)及び比較電極として
Pt電極を備えた電解装置を用いた。各電極として、板
状で電極寸法が2cm×2.5cmのものを用いた。
【0023】図6は、電解による硝酸イオンの除去能つ
いて、条件を検討した結果を示すグラフであり、(A)
は電解時間が40分、電解電圧が3V又は6Vで電解を
行なった結果を示すグラフ、(B)は電解電圧が6V、
電解時間30分又は60分で電解を行なった結果を示す
グラフである。(A)において、横軸は電解電圧
(V)、縦軸は硝酸イオン消失率(%)を表し、(B)
において、横軸は電解時間(V)、縦軸は硝酸イオン消
失率(%)を表す。これらの結果から、少なくとも6V
の電解電圧で40分以上電解を行なえば、全硝酸イオン
を窒素ガス又はアンモニアに変換して除去できることが
わかる。
【0024】図7は、水質浄化装置のさらに他の実施例
を表す概略構成図である。この実施例は流通式反応槽を
備えたものである。未処理の処理水を収容する光分解・
脱炭槽24が設けられており、光分解・脱炭槽24の内
部には紫外線を照射するランプ26が設けられている。
光分解・脱炭槽24の上部には光触媒投入機構(図示は
省略)が備えられており、光分解・脱炭槽24の内部に
は光触媒28としてのTiO2が設置される。光触媒2
8は、図2に示すような固定化されたものでもよい。光
分解・脱炭槽24の上部にはpH調整液を投入するpH
調整機構30も備えられている。
【0025】光分解・脱炭槽24に隣接して脱窒槽32
が設けられている。光分解・脱炭槽24と脱窒槽32と
は底部付近で相互に流通している。脱窒槽32の内部に
は陽極(Pt)34及び陰極(Cu)36が設けられて
おり、陽極34及び陰極36には電解電圧を印加する電
解用電源38が接続されている。本発明の水質浄化装置
を構成する電解手段は、陽極34、陰極36及び電解用
電源38により構成される。脱窒槽32に隣接して脱リ
ン槽40が設けられている。脱窒槽32と脱リン槽40
間の側壁には一部低く形成された部分が設けられてい
る。脱リン槽40の上部には、脱リン槽40に多価金属
イオンを投入する多価金属イオン投入機構42が設けら
れている。
【0026】次に、動作を説明する。光分解・脱炭槽2
4に導いた処理水に、pH調整機構によりpH調整液を
投入してpHを調整する。調整後のpHは例えば11で
ある。ランプ26を点灯し、処理水に紫外線を照射す
る。処理水中の有機化合物は酸化され二酸化炭素に変換
されて気相に放出され、窒素化合物は硝酸イオンに変換
され、リン化合物はリン酸イオンに変換される。その処
理水は光分解・脱炭槽24から脱窒槽32に流れる。
【0027】電解用電源38をオンにして陽極34及び
陰極36に電圧を印加して、処理水の電解を行なう。陰
極36では、処理水中の硝酸イオンが分解されて、窒素
ガス又はアンモニアに変換され、気相に放出される。処
理水は脱窒槽32から脱リン槽40に流れる。脱リン槽
40に流れた処理水に多価金属イオン投入機構42によ
り多価金属イオンを投入する。多価金属イオンとして
は、Al3+、Ca2+、Mg2+などが挙げられる。処理水
中のリン酸イオンが多価金属イオンと結合してリン酸塩
44が析出して沈殿する。このようにして、光分解・脱
炭槽24で有機化合物が除去され、脱窒槽32で窒素化
合物が除去され、脱リン槽40でリン化合物が除去され
た処理水は脱リン槽40から排出される。
【0028】本発明の水質浄化装置は、図1、図2又は
図3に示された形状及び構成に限定されるものではな
く、本発明を実現するのに必要な機能を備えたものであ
れば、いかなる形状及び構成でもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明の水質浄化装置は、光触媒と、そ
の光触媒を活性化する紫外線を照射する光学系と、処理
水を電解する電解手段と、処理水に多価金属イオンを供
給する多価金属供給手段を備え、本発明の水質浄化法
は、処理水を光触媒に接触させつつその処理水に紫外線
を照射して、処理水中の有機化合物を二酸化炭素に、窒
素化合物を硝酸イオンに、リン化合物をリン酸イオンに
同時に酸化分解した後、二酸化炭素を気相に放出し、硝
酸イオンを電解還元して窒素ガス又はアンモニアに変換
して気相に放出し、リン酸イオンを多価金属イオンと反
応させて固相として固定する用にしたので、窒素化合
物、リン化合物及び有機汚濁物質を同時に処理すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水質浄化法の概念とともに示す水質
浄化装置の概略構成図である。
【図2】 水質浄化装置の他の実施例を表す概略構成図
である。
【図3】 酸化時間に対する窒素成分及びリン成分の酸
化効率、並びにTOC濃度を示すグラフである。
【図4】 TOC濃度の異なる試料水をそれぞれ光酸化
反応を起こさせた結果を示すグラフである。
【図5】 本発明の水質浄化法のリン酸イオン除去能つ
いて、pH条件を検討した結果を示すグラフである。
【図6】 電解による硝酸イオンの除去能ついて、条件
を検討した結果を示すグラフであり、(A)は電解時間
が40分、電解電圧が3V又は6Vで電解を行なった結
果を示すグラフ、(B)は電解電圧が6V、電解時間3
0分又は60分で電解を行なった結果を示すグラフであ
る。
【図7】 水質浄化装置のさらに他の実施例を表す概略
構成図である。
【符号の説明】
2 反応槽 4,28 光触媒(ニ酸化チタン) 6 紫外線 8 光源 10,34 陽極 12,36 陰極 14,44 沈殿物 16 低圧水銀灯 18 ブラックライト 20 水銀灯用電源 22,38 電解用電源 24 光分解・脱炭槽 26 ランプ 30 pH調整機構 32 脱窒槽 40 脱リン槽 42 多価金属イオン投入機構

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理水を光触媒に接触させつつその処理
    水に紫外線を照射して、処理水中の有機化合物を二酸化
    炭素に、窒素化合物を硝酸イオンに、リン化合物をリン
    酸イオンに同時に酸化分解した後、その処理水中の二酸
    化炭素を気相に放出し、硝酸イオンを電解還元して窒素
    ガス又はアンモニアに変換して気相に放出し、リン酸イ
    オンを多価金属イオンと反応させて固相として固定する
    ことを特徴とする水質浄化法。
  2. 【請求項2】 前記光触媒は二酸化チタンであり、前記
    紫外線は400nm以下の光である請求項1に記載の水
    質浄化法。
  3. 【請求項3】 前記酸化分解を、処理水に酸素を含む気
    体を導入しながら行なう請求項1又は2に記載の水質浄
    化法。
  4. 【請求項4】 光触媒と、前記光触媒を活性化する紫外
    線を照射する光学系と、処理水を電解する電解手段と、
    処理水に多価金属イオンを供給する多価金属供給手段を
    備えたことを特徴とする水質浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記光触媒は二酸化チタンであり、前記
    紫外線は400nm以下の光である請求項4に記載の水
    質浄化装置。
  6. 【請求項6】 処理水に酸素を含む気体を導入する酸素
    導入機構をさらに備える請求項4又は5に記載の水質浄
    化装置。
  7. 【請求項7】 処理水のpHを調整するpH調整機構を
    さらに備える請求項4から6のいずれかに記載の水質浄
    化装置。
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