JP2001032183A - ゴム物品の補強に供するスチールワイヤおよびその矯正方法並びに空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム物品の補強に供するスチールワイヤおよびその矯正方法並びに空気入りタイヤ

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JP2001032183A
JP2001032183A JP11221124A JP22112499A JP2001032183A JP 2001032183 A JP2001032183 A JP 2001032183A JP 11221124 A JP11221124 A JP 11221124A JP 22112499 A JP22112499 A JP 22112499A JP 2001032183 A JP2001032183 A JP 2001032183A
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wire
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Yoshitaka Sato
至孝 佐藤
Yasumichi Wakao
泰通 若尾
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    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えばビードコアに成形した段階においても
優れた耐疲労性を消失することのないスチールワイヤに
ついて提案する。 【解決手段】 径が0.80〜4.00mmのスチールワイヤであ
って、表面残留応力を圧縮側に、かつ該圧縮残留応力の
分布を周方向および長手方向に一様とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴム物品の補強
に供する耐疲労性に優れるスチールワイヤおよびその表
面残留応力の矯正方法並びに空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム物品の典型例である空気入りタイヤ
では、その走行時にビード部に大きな応力が作用するた
め、該ビード部の補強を司るビードコアには、比較的太
い径のスチールワイヤが使用されている。このスチール
ワイヤは、補強効果を高めるために、ダイスを用いた引
き抜き法により目的の線径まで伸線加工するのが一般的
である。ところが、この引き抜き法による加工では、ワ
イヤの表面に引張り側の表面残留応力が残り、ワイヤの
耐疲労性が低下する不利がある。
【0003】このワイヤの耐疲労性を向上するには、ワ
イヤ表面に圧縮残留応力を付与すれば良いことは知られ
ており、例えば、特開平6−255325号公報では、スチー
ルワイヤに一方向からの曲げを施し、残留引張応力が実
質的に無い表面を有するワイヤについての提案がなされ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一方向
からの曲げを施したワイヤは、ワイヤ周方向で表面残留
応力レベルが不均一になる結果、ある方向は表面残留応
力が圧縮側にあっても、それと直角方向は引張の表面残
留応力になることが多々ある。そして、周方向に均一な
力が働いた場合、表面残留応力が引張り側あるいは引張
り側に最も近いワイヤ部分から疲労性が低下し、疲労破
壊の起点となるのである。
【0005】ここに、空気入りタイヤの中でも、とくに
高負荷の下で高速走行に供される空気入りタイヤ、例え
ば航空機用空気入りタイヤでは、その走行時にビード部
に大きな応力が作用するため、このような応力に耐え得
る強度のビードコアをビード部に据える必要がある。
【0006】そのために、特開昭53−51804 号公報で
は、1本の芯線の周囲に、該芯線より細径の金属側線の
複数本を略螺旋状に巻き付けた層の複数を配置して成
る、いわゆるケーブル構造のものが提案されている。こ
のケーブル構造は、断面が四角形や六角形のビードコア
と比較して強度的に優れているものである。
【0007】しかしながら、この種のビードコアをそな
える空気入りタイヤでは、長期間の使用に伴って、ビー
ドコアの芯線の外側、とりわけ最外層の内側の層を構成
する金属側線に、疲労破壊が発生する懸念があり、その
場合ビード部の耐久性が低下する、おそれがある。すな
わち、空気入りタイヤを高負荷の下に高速で使用する
と、そのタイヤのビードコアには、大きな外力が作用し
て捻じりが繰り返し加わる結果、ビードコアの芯線の外
側を構成する金属側線において、引張り変形および圧縮
変形が繰り返され、この変形に伴う繰り返し応力によっ
て、金属側線の表面から塑性変形が発生し、最終的に疲
労破壊に到るのである。従って、この種のタイヤのビー
ドコアに適用するスチールワイヤには、耐疲労性の極め
て高いものが要求されるのである。
【0008】なお、タイヤの設計や材料またはビードの
構造等の要因により、ビードコア内の金属側線の変形形
態や変形の大きさは変化するため、該側線の周方向にお
いて最大入力が発生する箇所を特定し、そこの残留応力
を高いレベルにしておくことによって耐疲労性を改善す
ることが可能である。しかしながら、ビードコアの製造
時には側線に曲げや捩れが付加されるため、ビードコア
の製造前の金属側線となるワイヤについて、ビードコア
製造後の金属側線の最大変形箇所を特定するのは困難で
ある。
【0009】そこで、この発明は、例えばビードコアに
成形した段階においても優れた耐疲労性を消失すること
のないスチールワイヤおよびこのスチールワイヤを得る
ためのワイヤの矯正方法について、ビード部耐久性に優
れる空気入りタイヤとともに提案することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、種々の表面
残留応力を付与したワイヤの試作を重ねて検討を加えた
結果、ワイヤ表面の残留応力の分布を抑制することが、
上記問題点の解消に有効であるのを見出し、この発明を
完成するに至った。
【0011】この発明の要旨構成は、次の通りである。 (1)径が0.80〜4.00mmのスチールワイヤであって、表面
残留応力が圧縮側にあり、かつ該圧縮残留応力の分布が
周方向および長手方向に一様であることを特徴とするス
チールワイヤ。
【0012】(2)上記(1)において、長さ10cmのスチー
ルワイヤの半周部分をその長手方向にラッカーで被覆し
てから、硝酸水溶液中でエッチングを施し、このエッチ
ング後にワイヤの曲がりが最大となった状態の曲がり量
を、エッチングされた側にワイヤが曲がった場合を負お
よびラッカー被覆側に曲がった場合を正の値としたとき
の、該曲がり量にて定義される、圧縮残留応力値が、−
1mm以下であることを特徴とするスチールワイヤ。
【0013】(3)上記(1)または(2) において、スチー
ルワイヤの周上等分少なくとも8か所で測定した圧縮残
留応力値の平均値をAとしたときに、8か所の測定点の
圧縮残留応力値の分布幅が0.4 ×Aの範囲にあることを
特徴とするスチールワイヤ。
【0014】(4)上記(2)または(3) において、スチー
ルワイヤの周上等分少なくとも8か所で測定した圧縮残
留応力値における最大値と最小値との差の絶対値が2mm
以下であることを特徴とするスチールワイヤ。
【0015】(5)千鳥足状に配置したローラー群にスチ
ールワイヤを通して各ローラーにスチールワイヤを順に
接触させ、スチールワイヤの表面に圧縮残留応力を付与
するに当り、上記ローラー群にはスチールワイヤの径d
に対しd/2R<0.03の関係を満足する径Rのローラー
を用い、各ローラーにおけるスチールワイヤの接触域が
なす弧に対する中心角を、スチールワイヤの入側から少
なくとも2個の前段ローラー群では50°以上とし、この
前段ローラー群に続く少なくとも5個の後段ローラー群
では前段ローラー群での角度から3°以下まで漸減し
た、ローラー群に、スチールワイヤを通す処理を、該ス
チールワイヤの相異なる面に対して、少なくとも4回は
施すことを特徴とするスチールワイヤの矯正方法。
【0016】(6)上記(5) において、スチールワイヤを
ローラー群に通す、各回毎に、 スチールワイヤに加える
張力を、該スチールワイヤの引張強さの1/8以上の範
囲で制御することを特徴とするスチールワイヤの矯正方
法。
【0017】(7)1本の芯線の周囲に、該芯線より細径
の金属側線の複数本を略螺旋状に巻き付けた側線層を少
なくとも3層配置して成る、ビードコアを、ビード部に
埋設した空気入りタイヤにおいて、ビードコアのいずれ
か少なくとも1つの側線層は、上記(1) ないし(4) のい
ずれかに記載のスチールワイヤの周面に、CuとZn、Cu単
体あるいはZn単体から成るめっきを施した金属側線にて
構成することを特徴とする空気入りタイヤ。
【0018】
【発明の実施の形態】さて、スチールワイヤの耐疲労性
は、伸線加工後のワイヤ表面に残留する引張り応力を圧
縮側に変化させることによって向上するが、このワイヤ
に繰り返し入力があった場合、このワイヤを素材として
例えばケーブルビードを製造してタイヤに適用すると、
該ワイヤの耐疲労性が再び低下する。この現象を回避す
るには、スチールワイヤの表面残留応力を圧縮側にし、
かつ該圧縮残留応力の分布を周方向および長手方向に一
様とすることが、肝要である。
【0019】すなわち、スチールワイヤの表面に圧縮残
留応力を付与するに当り、その圧縮残留応力の分布を長
手方向は勿論、周方向で一様にすることが、極めて有効
である。ここに、ワイヤ使用時において該ワイヤにおけ
る最大入力位置を特定できる場合は、ワイヤの当該位置
の残留応力を圧縮側にすることによって、疲労性は向上
されるが、例えば、タイヤ内のケーブルビードのワイヤ
には、複雑な入力があるために、ワイヤにおける最大入
力位置を特定することは困難である。従って、ワイヤの
どの部分に入力があってもよいように、圧縮残留応力の
分布を周方向および長手方向に一様とすれば、ワイヤの
耐疲労性は、より高レベルでかつ安定したものに改善で
きるのである。
【0020】特に、スチールワイヤには、次の手法によ
って定量化した表面残留応力を与えることが、好まし
い。すなわち、伸線加工後のスチールワイヤを長さ10cm
で切り取り、その表面のめっきを過硫酸アンモニウム水
溶液により除去し、次いで、図1に示すように、各ワイ
ヤの半周部分をその長手方向にラッカーで被覆してか
ら、50℃の硝酸水溶液(濃度:50vol %)中でエッチン
グを施し、このエッチング後にワイヤの曲がりが最大と
なったときの曲がり量を表面残留応力値とする。なお、
エッチング前にワイヤが曲がっている場合は、エッチン
グ前後の曲がり量の差を求めて表面残留応力値とする。
【0021】また、表面残留応力が引張りか圧縮かの判
定は、図2に示すように、エッチングされた側にワイヤ
が曲がった場合を圧縮、ラッカー被覆側に曲がった場合
を引張りとする。そして、同じワイヤから採取した8つ
のサンプルにおいて、半周部分のラッカー被覆を、各サ
ンプル間で45°づつ周方向にずらして施し、各サンプル
について曲がり量を測定し、その測定値を平均したもの
を、表面残留応力値とする。
【0022】かように求められるワイヤの表面残留応力
値を−1mm以下にすることが、有利である。なぜなら、
ワイヤの表面残留応力を明確に圧縮側にすることによっ
て、特に繰り返し入力に対する耐疲労性を向上できるか
らである。
【0023】さらに、スチールワイヤの圧縮残留応力の
分布を周方向に一様にするに当り、スチールワイヤの周
上等分少なくとも8か所で測定した残留応力の平均値を
Aとしたときに、これら8か所の測定点の残留応力値の
分布幅が0.4 ×Aの範囲にすることが、有利である。こ
の周方向の圧縮残留応力値の分布幅を0.4 ×Aの範囲に
することによって、ワイヤの周上でほぼ均一の耐疲労性
を与えることができる。一方、残留応力値が上記範囲を
外れると、ワイヤに均一に歪みが付与された際、残留応
力値が相対的に低い位置が疲労破壊の起点となり、耐疲
労性の低下をもたらすことになる。
【0024】同様の理由から、スチールワイヤの周上等
分少なくとも8か所で測定した残留応力値における最大
値と最小値との差の絶対値を2mm以下にすることが、有
利である。
【0025】次に、スチールワイヤの表面残留応力を、
引張り側から圧縮側へ移行するとともに、その残留応力
分布を一様にするための手段となる、スチールワイヤの
矯正方法について、詳しく述べる。すなわち、図3に、
この発明の方法で直接用いる矯正装置Aを示す。この矯
正装置Aは伸線装置の最終ダイスと巻取り装置の間に設
置し、スチールワイヤの矯正に供する。矯正装置Aは、
千鳥足状に配置したローラー1a〜1cからなる前段ローラ
ー群1と、この前段ローラー群1に連続し同様に千鳥足
状に配置したローラー2a〜2gからなる後段ローラー群2
とで構成し、前段ローラー群1で圧縮応力を付加した
後、後段ローラー群2で真直性を付加するものである。
スチールワイヤ3は、まず入側のガイドローラー4を介
して前段ローラー群1、次いで後段ローラー群2へ導入
され、前段ローラー群1及び後段ローラー群2の各ロー
ラーの周面に形成した断面V字状の溝に案内されて、各
ローラーとの接触下に前段ローラー群1及び後段ローラ
ー群2を通り、矯正がなされる。
【0026】ここで、ローラーの径Rは、スチールワイ
ヤの径dに対し d/2R<0.03----(1) の関係を満足することが肝要である。さらに、千鳥足状
をなすローラー群の配置を、図4に示す、各ローラーに
おけるスチールワイヤの接触域がなす弧に対する中心角
(以下巻付け角という)αに基づいて設定することが肝
要である。すなわち前段ローラー群1では巻付け角αが
50°以上になるように各ローラーの配置を設定する一
方、後段ローラー群2では線材の出側に向かうに従って
巻付け角αが漸減する設定とする。後段ローラー群2の
ローラー2a〜2gにおける巻付け角αは、該ローラー群2
の出側に向かって3°以下に漸減させるが、減少幅は等
間隔であってもよいし任意の間隔であってもよい。
【0027】伸線加工後のスチールワイヤの主に表層に
残留した引張り応力は、該スチールワイヤを上記した式
(1) に従う径のローラーからなる前段ローラー群に巻付
け角α:50°以上で通して圧縮応力を付与することで
解消し得る。すなわちスチールワイヤを、上記した式
(1) に従う径のローラーに巻付け角α:50°以上で接触
させることによって、スチールワイヤの表面に引張りの
塑性領域までの曲げ歪を与え、その後自然状態に開放す
ることで圧縮歪を与え得る。ここで巻付け角を50゜以上
に限定するのは、スチールワイヤの有する剛性及びスチ
ールワイヤの通過速度が非常に速い場合は、その慣性力
のため、50゜未満の巻付け角では、ローラー径に比例し
た曲げ歪を与えることができないからである。
【0028】この巻付け角αを50°以上、より好ましく
は60°以上とすることで大きな圧縮応力を付与できる
が、巻付け角αが70°をこえても圧縮応力の増加はな
い。また上記の作用を期待するには少なくとも2個のロ
ーラーが必要であるが、5個をこえても効果の増加を望
めない上、大きな設備を必要としコスト面で不利をまね
くため、5個以下とすることが好ましい。さらにローラ
ー径を小さくすることによって大きな圧縮応力を付与し
得るが、ローラー径が極端に小さくなるとローラーの回
転速度が速くなってローラー寿命が低下するため、径が
0.80〜4.00mmのスチールワイヤを処理する場合はローラ
ー径を26.7〜133.3mm の範囲とすることが好ましい。
【0029】次に、スチールワイヤを後段ローラー群に
通すに当り、各ローラーでの巻付け角αを出側に向かっ
て3°以下まで漸減することによって、高い真直性を付
与する。すなわち真直性の異なるスチールワイヤに対し
前段ローラー群1及び後段ローラー群2の入側ローラー
において大きな曲率での曲げ加工を施した後、後段ロー
ラー群2の複数のローラーへの巻付け角を漸減して曲げ
加工歪を漸減させることで、高い真直性を与える矯正を
分割して徐々に行うことができる。
【0030】上記の作用を期待するには少なくとも5
個、より好ましくは7個以上のローラーが必要である
が、10個程度とすることが真直性の付与とローラーの耐
久性とを両立する上で有利である。また最終ローラーで
の巻付け角αが3°をこえると、最終の曲げ加工によっ
て所期する真直性が得られないため、3°以下とする。
【0031】また、巻付け角αは隣合うローラー同士の
位置関係で調節することができ、具体的には図5に示す
ように、スチールワイヤ通過方向における隣り合うロー
ラーの中心軸間距離Pと上記通過方向に直交する方向に
おける隣り合うローラーの中心軸間距離Hとを調節すれ
ばよい。
【0032】なお、図示例では前段ローラー群1のロー
ラー個数を3個及び後段ローラー群2のローラー個数を
7個としたが、スチールワイヤの種類、さらには目的と
する残留応力値や真直性等に応じて増加又は減少するこ
とができる。
【0033】以上の矯正装置Aを少なくとも4組用い
て、図6に示すように、スチールワイヤ3を矯正装置A
に通す処理を、該スチールワイヤの相異なる面に対し
て、少なくとも4回は施すことによって、周方向分布の
均一な圧縮応力をワイヤに付与できる。 とくに、矯正を
4回施す場合には、図7に示すように、互いに45°離間
した位置、つまりワイヤ周上の等分8か所でローラー群
と接触させることが、好ましい。
【0034】ここに、スチールワイヤ3をローラー群に
4回以上通す際、スチールワイヤ3における各ローラー
群と接触する面の順序付けを行うことが、有利である。
例えば、図7において、スチールワイヤ3をローラー群
に4回通す場合には、I→II→III →IVの順序とし、接
触面Iと同IIとの間の離間角度θ1 を90°、接触面Iお
よびIIのそれぞれと同III との間の離間角度θ2 を45
°、そして接触面IおよびIIのそれぞれと同IVとの間の
離間角度θ3 を45°とする。つまり、接触面を選定する
際、既に矯正したすべての接触面との間で離間角度が最
大となる面を選択すればよい。
【0035】さらに、スチールワイヤの周方向に均一な
圧縮応力を付与するために、該ワイヤに曲げ加工を施す
際の張力を制御することが重要である。この発明では、
1本のワイヤに対して少なくとも4回の曲げ加工を施す
必要があるが、その際、ワイヤに加える張力は各回の間
でばらつきを極力少なくする必要がある。そこで、例え
ば図8に示すように、最終ダイス5を通過したスチール
ワイヤ3を直ちに矯正装置Aに導いて通過させた後にキ
ャプスタン6に巻き付け、キャプスタン6によってダイ
ス5からの引抜き力を与えることで、この引抜き力をそ
のまま矯正装置Aでのスチールワイヤの張力とすること
ができる。この引抜き力は最終ダイスにおける加工減面
率を調整することで0から引張り強さまでの範囲での制
御が可能である。なお、図8における符号7はガイドロ
ーラーである。そして、この図8に示したキャプスタン
6からガイドローラー7までの工程を、引き続く3組の
矯正装置においても同様に再現することによって、4回
の曲げ加工を同じ張力下で行うことができる。
【0036】なお、スチールワイヤに付与する張力は、
該ワイヤの引張り強さの1/8以上であることが好まし
い。なぜなら、圧縮残留応力を付与するには、ワイヤを
塑性変形させる必要があり、引張り強さの1/8未満で
は残留応力を調整するのに必要な塑性変形が生じない、
おそれがあるからである。
【0037】上記したスチールワイヤの表面残留応力を
圧縮側に移行する手法は、主に通常の伸線工程を経て得
られるワイヤに対して有効である。すなわち、通常の伸
線工程は、熱処理後に複数のダイスに通して行われ、各
ダイスでの減面率は15〜20%程度であり、得られたワイ
ヤの表面の残留応力は、その周上に大きなばらつきを持
つことになる。従って、このばらつきを解消するには、
上記した多方向からのローラーによる矯正が有効に作用
するのである。
【0038】一方、複数のダイスに通して伸線を行う
際、特に最終ダイスにおける減面率を数%、好ましくは
1〜5%の範囲にすることによって、ワイヤ表面に圧縮
応力を一様に付与することが、可能である。すなわち、
伸線時の減面率を小さくすると、ワイヤ表面のみを伸線
加工することになり、ワイヤ表面に圧縮応力が付与され
るのである。ただし、最終減面率が5%をこえると効果
が減少し、一方1%未満では、ダイスに加わる圧力が高
くなるために、安定した伸線が困難になる。従って、最
終ダイスにおける減面率は、1〜5%の範囲にすること
が望ましい。
【0039】上記したスチールワイヤは、その周面に、
ゴムとの接着性を確保するための、CuとZn、Cu単体ある
いはZn単体から成るめっきを施してから、空気入りタイ
ヤのビードコア、特にケーブル構造のビードコアの側線
層の金属側線として供する。ここで、タイヤは、例えば
図9に示す、航空機用タイヤが有利に適合する。
【0040】すなわち、図9において、11は1対のビー
ドコアであり、これらビードコア11間でトロイド状に延
びるカーカス12を骨格とし、このカーカス12のクラウン
部の径方向外側に、複数層のベルト13およびトレッド14
を配置して成る。なお、トレッド14には、タイヤの赤道
面Oにそって延びる複数本の周溝およびこれら周溝を横
切る向きに延びる横溝を適宜配置してある。
【0041】カーカス12は、タイヤの赤道面Oに対し
て、実質上直交する向きに延びるテキスタイルコードの
多数本からなるカーカスプライを複数枚積層して配置
し、その大部分のカーカスプライをビードコア11のまわ
りでタイヤの内側から外側に巻き回して折り返した、タ
ーンナッププライ12a と、その折り返し部の外側に沿っ
てビードコア11まで延ばしたダウンプライ12b と、を組
み合わせて成る。
【0042】ベルト13は、タイヤの赤道面Oに対して傾
斜して延びかつ隣接相互で平行に配列した多数本のテキ
スタイルコードをゴムで被覆した、プライの複数枚を、
その積層プライ間でコードが互いに交差する配置で重ね
合わせた構造、またはタイヤの赤道面Oに沿って延びる
多数本のテキスタイルコードをゴムで被覆した、プライ
の複数枚を重ね合わせた構造、のいずれかの構造あるい
は両者の組み合わせ構造から成る。
【0043】そして、上記ビードコア11は、図2および
3に示すように、1本のリング状鋼線による芯線15と、
この芯線15の周囲に、該芯線15より細径の鋼線による側
線16の複数本を略螺旋状に巻き付けた側線層を少なくと
も3層、図示例では4層の側線層17A 〜17D を配置して
成る。これら側線層17A 〜17D は、その巻き方向が層間
相互で逆になる組み合わせが少なくとも1組あればよ
く、換言すると、2層間で巻き方向が逆であれば、残り
の層間における巻き方向が同じでもよいが、巻き方向は
層間相互で全て逆にすることが好ましい。なぜなら、層
間相互の巻き方向が逆になると、ビードコアの断面形状
がより真円に近づき、タイヤ製造時のビードコアにカー
カスが均一に巻きつけ易くなるからである。
【0044】ここで、ビードコア11のいずれか少なくと
も1つの側線層を、この発明に従うスチールワイヤに所
定のめっきを施して成る側線16で構成することが、肝要
である。なぜなら、側線の表面残留応力が引張側にある
と、特に側線の表面には、引張変形を受けた際に引張歪
が加わって、疲労破壊が進行し易くなるためである。す
なわち、空気入りタイヤが高負荷の下に転動される際、
タイヤのビードコアの側線とくに最外層の内側の側線に
おいて、大きい引張りと圧縮変形による繰り返し応力が
付加されるため、この応力により各側線には表面から塑
性変形による亀裂が発生し、特に側線の表面では、側線
表面の残留応力が引張側の場合に同圧縮側と対比して、
亀裂の進展が速くなって最終的に側線が破断する。従っ
て、ビードコアの疲労破壊に対する耐性、いわゆる耐疲
労破壊性は、表面残留応力が圧縮側にある側線にて、ビ
ードコアのいずれか少なくとも1層、好ましくは最外層
の内側の層を構成することによって、格段に向上するの
である。勿論、全ての側線層を、表面残留応力が圧縮側
にある側線にて構成することによって、耐疲労破壊性は
さらに改善される。
【0045】また、芯線11の径が側線16の径の1.3 倍以
上であることが好ましい。すなわち、芯線11の径が側線
16の径の1.3 倍未満では、芯線11に巻き付ける側線16の
本数が少なくなり過ぎて、ビードコアに必要とされる強
度を与えるために、側線層の層数を多くしなくてはなら
ず、その結果 ビードコア径が太くなって重量の増加、
ひいてはタイヤ重量の増加という、不利をまねく。
【0046】一方、側線は、径が0.80〜4.00mmであるこ
とが好ましい。すなわち、側線の径が0.80mm未満では、
ビードコア製造時の巻き数が多くなり、その作業に時間
を要する結果、生産性を低下することになる。一方、側
線の径が4.00mmをこえると、ビードコア製造時の側線の
型付けが難しくなり、これもビードコアの生産性が低下
する要因になる。
【0047】
【実施例】実施例1 図3に示した矯正装置を用いて、熱処理後に複数のダイ
スを通して2.1 mm径に伸線加工したスチールワイヤ
(C:0.72wt%)に圧縮応力を付与する処理を行った。
なお、3つのローラーによる前段ローラー群1および7
つのローラーによる後段ローラー群2のローラー径は40
mm、前段ローラー群1における巻付け角αは60°、後段
ローラー群2における巻付け角αは20°から漸減し最終
巻き付け角が2°となるように設定した。また、ワイヤ
の付加張力は引張り強さの1/8以上の適正な値に調整
し、ワイヤ通過速度は10m/min とした。
【0048】上記の処理を、表1に示す3種の条件に従
ってワイヤの表面に施し、残留応力を付与した。表1に
おける表面残留応力は、ワイヤを長さ10cmずつ8本切り
取り、各々周方向0°、45°、 90°、135 °、180 °、
225 °、270 °、315 °回転させて端部を同じ向きに折
り曲げることによって区別した、8方向の残留応力を測
定するためのサンプルを作成し、それぞれについて図1
および2に従って表面残留応力を測定した。さらに、 8
方向から測定された個々の残留応力値を平均し、平均の
表面残留応力量を求めた。また、残留応力の分布幅とし
て、8方向から測定された残留応力値における最大値と
最小値との差を絶対値で示した。
【0049】次いで、各ワイヤについて捻回試験を行っ
て、耐疲労性を評価した。すなわち、ワイヤの表面のめ
っきを過硫酸アンモニウム水溶液で除去したのち、各ワ
イヤに右回転の捻じりを1回転与え、次に左回転の捻じ
りを2回転与え、更に右回転の捻じりを1回転与え、元
の状態に戻すプロセスを1サイクルとし、破断までに何
サイクル要したかを測定し,その結果を次式により指数
表示した。この指数が大きいほど耐疲労性の向上が大き
く、耐疲労性に優れていることを示す。その試験結果
を、表1に併記する。 (耐疲労性指数) =(発明ワイヤにおける破断サイクル
数) /(比較ワイヤにおける破断サイクル数)×100
【0050】
【表1】
【0051】表1から、比較ワイヤは従来の1方向から
のローラー処理を施した残留応力の平均値−1.75mm、分
布幅3mmの場合であるが、発明ワイヤ1および2の分布
幅の小さい0及び1mmの場合と比較して、耐疲労性が劣
っている。即ち、発明ワイヤは、従来の1方向からのロ
ーラー処理を施したワイヤと比較して耐疲労性に優れ、
また耐疲労性は、周方向の残留応力の分布幅が小さくな
るにつれて改善されていることが判る。
【0052】次に、図9に示したタイヤのビードコアと
して、図10および11に示した構造のビードコアを表2に
示す仕様の下に適用し、サイズ46×17R20/30PRの航空
機用ラジアルタイヤを試作した。かくして得られた各タ
イヤについて、耐疲労性について調査した。これらの調
査結果を、表2に併記する。
【0053】表面残留応力は、ケーブル構造のビードコ
ア製造前の側線を長さ10cmずつ8本切り取り、各々周方
向0°、45°、 90°、135 °、180 °、225 °、270
°、315 °回転させて端部を折り曲げ、8方向の残留応
力を測定するサンプルを作成し、それぞれについて図1
および2に従って表面残留応力を測定した。さらに、 8
方向から測定された個々の残留応力値を平均し、平均の
表面残留応力量を求めた。
【0054】なお、耐疲労性は、タイヤに17.1kgf/cm2
の内圧を充填してドラム試験機のリム(45 ×16−20) に
装着後、 16700kgfの荷重を負荷し、時速64kmで1時間に
10分間だけ800 回繰り返し走行させ、試験後のタイヤ及
び新品タイヤにおいて最外層の内側の側線層における側
線を約30cm取り出し捻回試験で評価した。これは、前述
同様、ワイヤに右回転の捻じりを1回転与え、次に左回
転の捻じりを2回転与え、更に右回転の捻じりを1回転
与え、元の状態に戻すプロセスを1サイクルとし、破断
までに何サイクル要したかを次式により指数表示した。
従来の1方向処理のワイヤの破断サイクル数を指数100
とし、 100 より大きいほど疲労性が向上し、耐疲労性に
優れていることを示す。 (耐疲労性指数) =(供試ワイヤにおける破断サイクル
数)/(比較ワイヤにおける破断サイクル数)×100
【0055】また、ビードコアの生産性は、その生産時
間を従来品と比較し、生産時間が短い場合は「優」、 ほ
ぼ同じ場合は「同」、生産時間が長い場合は「劣」で表
示した。
【0056】
【表2】
【0057】表2から、比較例1は従来の1方向からの
ローラー処理を施した残留応力の平均値−1.75mm、分布
幅3mmのワイヤを用いた場合であるが、発明例2および
3の分布幅の小さい0及び1mmの場合と比較して、耐疲
労性が劣っている。即ち、発明例は、従来の1方向から
のローラー処理を施したワイヤーを用いた場合と比較し
て耐疲労性に優れ、また耐疲労性は、周方向の残留応力
の分布幅が小さくなるにつれて改善されていることが判
る。また、発明例4および5は、ワイヤ径が0.8 及び3.
9mm であり、比較例2および3のワイヤ径0.6 及び4.2m
m に比べて、巻き回数が少なかったり、径が細いため、
ケーブル構造のビードコアの生産性が阻害されない。
【0058】実施例2 熱処理後に複数のダイスを通して2.3 mm径に伸線加工し
てスチールワイヤ(C:0.72wt%)を製造する際、最終
ダイスにおける減面率を表3に示す3条件に変化させ
て、それぞれ伸線加工を行った。かくして得られたワイ
ヤについて、各ワイヤから長さ10cmずつ8本切り取り、
各々周方向0°、45°、 90°、135 °、180 °、225
°、270 °、315 °回転させて端部を同じ向きに折り曲
げることによって区別した、8方向の残留応力を測定す
るためのサンプルを作成し、それぞれについて図1およ
び2に従って表面残留応力を測定した。さらに、 8方向
から測定された個々の残留応力値を平均し、平均の表面
残留応力量を求めた。また、残留応力の分布幅として、
8方向から測定された残留応力値における最大値と最小
値との差を絶対値で示した。
【0059】次いで、各ワイヤに対して、上記した実施
例1と同様の捻回試験を行って、耐疲労性を評価した。
その評価結果を、表3に併記する。
【0060】
【表3】
【0061】表3から、比較ワイヤは最終ダイスの減面
率を15%として得られた、残留応力の平均値−2mm、分
布幅3mmの場合であるが、発明ワイヤ1および2の分布
幅の小さい0及び1mmの場合と比較して、耐疲労性が劣
っている。即ち、発明ワイヤは、従来の通常伸線による
ワイヤと比較して耐疲労性に優れていることが判る。
【0062】さらに、図9に示したタイヤのビードコア
として、図10および11に示した構造のビードコアを表2
に示す仕様の下に適用し、サイズ46×17R20/30PRの航
空機用ラジアルタイヤを試作した。かくして得られた各
タイヤについて、耐疲労性そしてビードコアの生産性に
ついて上記の実施例1と同様に調査した。これらの調査
結果を、表4に併記する。
【0063】表面残留応力は、ケーブル構造のビードコ
ア製造前の側線を長さ10cmずつ8本切り取り、各々周方
向0°、45°、 90°、135 °、180 °、225 °、270
°、315 °回転させて端部を折り曲げ、8方向の残留応
力を測定するサンプルを作成し、それぞれについて図1
および2に従って表面残留応力を測定した。さらに、 8
方向から測定された個々の残留応力値を平均し、平均の
表面残留応力量を求めた。
【0064】
【表4】
【0065】表4から、比較例1は従来の通常伸線によ
る残留応力の平均値−2.0 mmおよび分布幅3mmのワイヤ
を用いた場合であるが、発明例1および2の分布幅の小
さい0及び1mmの場合と比較して、耐疲労性が劣ってい
る。即ち、発明例は、従来の通常伸線によるワイヤを用
いた場合と比較して耐疲労性に優れていることが判る。
また、発明例3および4は、ワイヤ径が0.8 及び3.9mm
であり、比較例2および3のワイヤ径0.6 及び4.2mm に
比べて、巻き回数が少なかったり、径が細いため、ケー
ブル構造のビードコアの生産性が阻害されない。
【0066】
【発明の効果】この発明のスチールワイヤは、例えばビ
ードコアの製造に伴う加工を経たのちも疲労性の低下が
極めて少ないため、この発明によってゴム物品の補強
材、とりわけタイヤのビードコアの補強材に最適の素材
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワイヤの表面残留応力の測定要領を示す模式
図である。
【図2】 ワイヤの表面残留応力の測定要領を示す模式
図である。
【図3】 この発明で用いる矯正装置を示す模式図であ
る。
【図4】 ローラー群へのスチールワイヤの巻付けを示
す図である。
【図5】 ローラーの配置を示す図である。
【図6】 矯正装置の組み合わせを説明する模式図であ
る。
【図7】 スチールワイヤにおけるローラー群との接触
面を示す図である。
【図8】 スチールワイヤに張力を付与する手段を示す
図である。
【図9】 この発明に従うタイヤを示す図である。
【図10】 この発明に従うビードコアの構造を示す図
である。
【図11】 この発明に従うビードコアの構造を示す図
である。
【符号の説明】
1 前段ローラー群 1a ローラー 1b ローラー 1c ローラー 2 後段ローラー群 2a ローラー 2b ローラー 2c ローラー 2d ローラー 2e ローラー 2f ローラー 2g ローラー 3 スチールワイヤ 4 ガイドローラー 5 最終ダイス 6 キャプスタン 7 ガイドローラー 11 ビードコア 12 カーカス 13 ベルト 14 トレッド 15 芯線 16 側線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径が0.80〜4.00mmのスチールワイヤであ
    って、表面残留応力が圧縮側にあり、かつ該圧縮残留応
    力の分布が周方向および長手方向に一様であることを特
    徴とするスチールワイヤ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、長さ10cmのスチール
    ワイヤの半周部分をその長手方向にラッカーで被覆して
    から、硝酸水溶液中でエッチングを施し、このエッチン
    グ後にワイヤの曲がりが最大となった状態の曲がり量
    を、エッチングされた側にワイヤが曲がった場合を負お
    よびラッカー被覆側に曲がった場合を正の値としたとき
    の、該曲がり量にて定義される、圧縮残留応力値が、−
    1mm以下であることを特徴とするスチールワイヤ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、スチールワ
    イヤの周上等分少なくとも8か所で測定した圧縮残留応
    力値の平均値をAとしたときに、8か所の測定点の圧縮
    残留応力値の分布幅が0.4 ×Aの範囲にあることを特徴
    とするスチールワイヤ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、スチールワ
    イヤの周上等分少なくとも8か所で測定した圧縮残留応
    力値における最大値と最小値との差の絶対値が2mm以下
    であることを特徴とするスチールワイヤ。
  5. 【請求項5】 千鳥足状に配置したローラー群にスチー
    ルワイヤを通して各ローラーにスチールワイヤを順に接
    触させ、スチールワイヤの表面に圧縮残留応力を付与す
    るに当り、上記ローラー群にはスチールワイヤの径dに
    対しd/2R<0.03の関係を満足する径Rのローラーを
    用い、各ローラーにおけるスチールワイヤの接触域がな
    す弧に対する中心角を、スチールワイヤの入側から少な
    くとも2個の前段ローラー群では50°以上とし、この前
    段ローラー群に続く少なくとも5個の後段ローラー群で
    は前段ローラー群での角度から3°以下まで漸減した、
    ローラー群に、スチールワイヤを通す処理を、該スチー
    ルワイヤの相異なる面に対して、少なくとも4回は施す
    ことを特徴とするスチールワイヤの矯正方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、スチールワイヤをロ
    ーラー群に通す、各回毎に、 スチールワイヤに加える張
    力を、該スチールワイヤの引張強さの1/8以上の範囲
    で制御することを特徴とするスチールワイヤの矯正方
    法。
  7. 【請求項7】 1本の芯線の周囲に、該芯線より細径の
    金属側線の複数本を略螺旋状に巻き付けた側線層を少な
    くとも3層配置して成る、ビードコアを、ビード部に埋
    設した空気入りタイヤにおいて、ビードコアのいずれか
    少なくとも1つの側線層は、請求項1ないし4のいずれ
    かに記載のスチールワイヤの周面に、CuとZn、Cu単体あ
    るいはZn単体から成るめっきを施した金属側線にて構成
    することを特徴とする空気入りタイヤ。
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