JP2001031823A - 樹脂組成物および積層体 - Google Patents
樹脂組成物および積層体Info
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- JP2001031823A JP2001031823A JP11205620A JP20562099A JP2001031823A JP 2001031823 A JP2001031823 A JP 2001031823A JP 11205620 A JP11205620 A JP 11205620A JP 20562099 A JP20562099 A JP 20562099A JP 2001031823 A JP2001031823 A JP 2001031823A
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Abstract
続成形性に優れた樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 特定の条件を満足する少なくとも3種の
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物をブレンドして
なる。
Description
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)の
ブレンド物(樹脂組成物)および積層体に関する。
リア性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、
かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材
料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等の各種包装材料
に用いられており、かかるEVOHは、その機械的強度
等の向上を目的として、加熱延伸処理されることも多
く、延伸性能も重要な要求性能となってくる。
ロピレンやポリスチレン等の熱可塑性樹脂に比べて加熱
延伸成形性に劣るため、かかる対策として、EVOHに
可塑剤を添加する方法(特開昭53−88067号公
報、特開昭59−20345号公報)やポリアミド系樹
脂をブレンドする方法(特開昭52−141785号公
報、特開昭58−36412号公報)などが提案されて
おり、また一方では、二種類以上の異なる組成のEVO
Hからなる樹脂組成物を用いる方法(特開昭61−47
52号公報、特開昭60−173038号公報、特開昭
63−196645号公報、特開昭63−230757
号公報、特開昭63−264656号公報、特開平2−
261847号公報)も提案されている。
ブレンド物を本発明者が詳細に検討したところ、上記の
特開昭53−88067号公報や特開昭59−2034
5号公報の開示技術では、ガスバリア性が大幅に低下し
てしまい、また特開昭52−141785号公報や特開
昭58−36412号公報開示技術では、ロングラン溶
融成形性が低下してしまい。更に特開昭61−4752
号公報、特開昭60−173038号公報、特開昭63
−196645号公報、特開昭63−230757号公
報、特開昭63−264656号公報、特開平2−26
1847号公報の開示技術でも、加熱延伸成形性の向上
はある程度認められるものの、組成や構造の異なるEV
OHのブレンドであるためその相溶性は完全に均一なも
のではなく、押出条件や加熱延伸成形条件の振れによっ
て影響を受けやすく、フィルムやカップ、トレイ、ボト
ル等を連続で延伸成形する場合、不良品の発生が避けら
れないと言う問題点を有しており、加熱延伸成形時の外
観性、ガスバリア性、連続成形性に優れた樹脂組成物が
望まれるところである。
かる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、少なくとも3
種のEVOH(A)〜(C)を含有してなり、且つかか
る3種のEVOH(A)〜(C)が下記の(1)〜
(3)式の条件を満足するとき、上記の目的を達成でき
ることを見出して本発明を完成するに至った。
ル%)、Tmは示差走査熱量計で測定(昇温速度10℃
/min)されるEVOHの融解ピーク温度(℃)を表
す。
される3種のEVOHを便宜的に(A)、(B)、
(C)としており、実際に配合される3種のEVOHと
(A)〜(C)との対応は少なくとも6種類の場合が想
定されるが、かかる6種類の場合の少なくとも1種類が
上記の(1)〜(3)式の条件を満足すればよいことは
勿論である。
本発明の樹脂組成物は、上記の如く少なくとも3種のE
VOHを含有してなるもので、かかる3種のEVOHが
上記の(1)〜(3)式を満足すればよく、各々のEV
OHについては特に限定されることはないが、エチレン
含有量が10〜70モル%(更には20〜60モル%、
特には25〜55モル%)、ケン化度が85モル%以上
(更には90モル%以上、特には95モル%以上)のも
のが好ましく、該エチレン含有量が10モル%未満では
高湿時のガスバリア性、溶融成形性が低下し、逆に70
モル%を越えると充分なガスバリア性が得られず、更に
ケン化度が85モル%未満ではガスバリア性、熱安定
性、耐湿性等が低下して好ましくない。
(MFR)(210℃、荷重2160g)、特に限定は
されないが、0.1〜100g/10分(更には0.5
〜50g/10分、特には1〜30g/10分)が好ま
しく、該メルトフローレートが該範囲よりも小さい場合
には、成形時に押出機内が高トルク状態となって押出加
工が困難となる傾向にあり、また該範囲よりも大きい場
合には、加熱延伸成形時の外観性やガスバリア性が低下
する恐れがあり好ましくない。
合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸ビニル
共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、
懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造され、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行い
得る。
ない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸
類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたは
ジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜1
8のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸
あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルア
ミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アル
キルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあ
るいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミ
ド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、
アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビ
ニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化
ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシ
ラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、ア
リルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。
Hを少なくとも3種含有するものであるが、かかる3種
のEVOHが、下記の(1)〜(3)式を満足すること
が最大の特徴である。
ル%)、Tmは示差走査熱量計で測定(昇温速度10℃
/min)されるEVOHの融解ピーク温度(℃)を表
す。
(1)〜(3)式の条件を共に満足することが必要で、
(1)及び(2)式において、EVOH(A)〜(C)
のエチレン含有量の差がそれぞれ3モル%以上でないと
きは、加熱延伸成形時の外観性や連続成形性が劣って本
発明の目的を達成することができず、更に好ましくは、
(1)式がEt(C)≧Et(B)+4、(2)式がE
t(B)≧Et(A)+4で、特に好ましくは、(1)
式がEt(C)≧Et(B)+5、(2)式がEt
(B)≧Et(A)+5である。また、(3)式におい
て、EVOH(C)の融解ピーク温度が165℃を越え
ると、加熱延伸成形時の成形物の外観性が劣り本発明の
目的を達成することができず、更に好ましくは、120
≦Tm(C)≦165、特に好ましくは、130≦Tm
(C)≦155である。尚、EVOH(A)及び(B)
の融解ピーク温度(Tm)は、特に限定されないが、高
いガスバリア性が得られる点で通常は165℃を越える
ものが好適に用いられる。
めには、エチレン含有量の差が該(1)及び(2)式を
満足する(それぞれのエチレン含有量の差を3モル%以
上とする)ように選択すればよく、また、上記の(3)
式を満足するようにEVOHの融解ピーク温度を調整す
るに当たっては、特に限定はされないが、EVOHの
製造時のケン化反応を調整してアセチル基を一定量残存
させる方法、EVOHを無水酢酸等で再酢化する方
法、EVOHを過酸化水素等で酸化分解する方法、
EVOHを炭素数1〜18程度の脂肪族カルボン酸やそ
のエステル、アミド等で変性する方法、EVOHに多
価アルコール(ポリグリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等)を配合す
る方法、等を挙げることができ、工業上実用的にはの
方法が好適に採用されうる。
上記の条件を満足するように少なくとも3種のEVOH
を選択してブレンドすれば良く、ブレンドするEVOH
のそれぞれの配合量については、特に制限はないが、
(A)/(B)の配合重量比は95/5〜5/95(更
には90/10〜10/90)が好ましく、かかる重量
比が95/5を越えるときや逆に5/95未満のときは
加熱延伸成形時の連続成形性が不充分となることがあり
好ましくない。また、(C)の量は、(A)と(B)の
合計量(A+B)との関係において、(A+B)/
(C)の配合重量比を95/5〜50/50(更には9
0/10〜60/40)とすることが好ましく、かかる
重量比が95/5を越えるときは、加熱延伸成形時の成
形物の外観性が劣ることがあり、逆に50/50未満の
ときは、加熱延伸成形時の成形物のガスバリア性が不充
分となることがあり好ましくない。
れず、各EVOHを水−アルコールやジメチルスルフォ
キサイド等の溶剤に溶解して溶液状態で混合する方法、
各EVOHのケン化前のエチレン−酢酸ビニル系共重合
体をメタノール等のアルコール溶媒に溶解した状態で混
合して同時にケン化する方法、あるいは各EVOHを溶
融混合する方法などが挙げられるが、通常は溶融混合す
る方法が採用される。
ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバ
リーミキサー、プラストミルなどの公知の混練装置を使
用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸の押出
機を用いることが工業上好ましく、また、必要に応じ
て、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置
等を設けることも好ましい。特に、水分や副生成物(熱
分解低分子量物等)を除去するために、押出機に1個以
上のベント孔を設けて減圧下に吸引したり、押出機中へ
の酸素の混入を防ぐために、ホッパー内に窒素等の不活
性ガスを連続的に供給したりすることにより、熱着色や
熱劣化が軽減された品質の優れた樹脂組成物を得ること
ができる。
ず、イ)各EVOHを押出機に供給する前に予めブレン
ド(前述の溶液混合やケン化前混合等)しておく方法、
ロ)各EVOHをドライブレンドして一括して押出機に
供給する方法、ハ)1種以上のEVOHを押出機に供給
して溶融させたところに固体状の他のEVOHを供給す
る方法(ソリッドサイドフィード法)、ニ)1種以上の
EVOHを押出機に供給して溶融させたところに溶融状
態の他のEVOHを供給する方法(メルトサイドフィー
ド法)等を挙げることができるが、中でも、ロ)の方法
が装置の簡便さ、ブレンド物のコスト面等で工業上実用
的である。
酢酸、ホウ酸、リン酸等の酸類やそのアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、遷移金属等の金属塩を含有させること
も、樹脂組成物の熱安定性、ロングラン成形性、積層体
としたときの接着性樹脂との層間接着性、加熱延伸成形
性等が向上する点で好ましく、特にホウ酸、アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩がその効果に優れる点で好ま
しく用いられる。
してホウ素換算で10〜10000ppm(更には20
〜2000ppm、特には50〜1000ppm)とす
ることが好ましく、かかるホウ素の含有量が10ppm
未満ではその含有効果が充分得られないことがあり、逆
に10000ppmを越えると得られる成形物の外観が
悪化して好ましくない。
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、ベヘニン酸等の有機酸や、硫酸、亜硫酸、炭
酸、ホウ酸、リン酸等の無機酸の金属塩が挙げられ、好
適には酢酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩であ
る。また、該金属塩の含有量としては、樹脂組成物に対
して金属換算で5〜1000ppm(更には10〜50
0ppm、特には20〜300ppm)とすることが好
ましく、かかる含有量が5ppm未満ではその含有効果
が充分得られないことがあり、逆に1000ppmを越
えると得られる成形物の外観が悪化して好ましくない。
尚、樹脂組成物中に2種以上のアルカリ金属及び/又は
アルカリ土類金属の塩が含有される場合は、その総計が
上記の含有量の範囲にあることが好ましい。
せる方法については、特に限定されず、予め1種以上の
EVOHに含有させておいたり、各EVOHのブレンド
時に同時に含有させたり、各EVOHのブレンド後の樹
脂組成物に含有させたり、これらの方法を組み合わせた
りすることができる。本発明の効果をより顕著に得るた
めには、予め1種以上のEVOHに含有させておく方法
が、酸類やその金属塩の分散性に優れる点で好ましい。
方法としては、ア)含水率20〜80重量%のEVOH
の多孔性析出物を、酸類やその金属塩の水溶液と接触さ
せて、酸類やその金属塩を含有させてから乾燥する方
法、イ)EVOHの均一溶液(水/アルコール溶液等)
に酸類やその金属塩を含有させた後、凝固液中にストラ
ンド状に押し出し、次いで得られたストランドを切断し
てペレットとして、更に乾燥処理をする方法、ウ)EV
OHと酸類やその金属塩を一括して混合してから押出機
等で溶融混練する方法、エ)EVOHの製造時におい
て、ケン化工程で使用したアルカリ(水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等)を酢酸等の酸類で中和して、残
存する酢酸等の酸類や副生成する酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム等のアルカリ金属塩の量を水洗処理により調整
したりする方法等を挙げることができる。本発明の効果
をより顕著に得るためには、酸類やその金属塩の分散性
に優れるア)、イ)またはエ)の方法が好ましい。
であるが、本発明においては、本発明の目的を阻害しな
い範囲において、かかる樹脂組成物に、飽和脂肪族アミ
ド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド
(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例え
ばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩
(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネ
シウム等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量50
0〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低
分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えば
ハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレングリ
コール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価
アルコールなど)、酸素吸収剤(例えば無機系酸素吸収
剤として、還元鉄粉類、さらにこれに吸水性物質や電解
質等を加えたもの、アルミニウム粉、亜硫酸カリウム、
光触媒酸化チタン等が、有機化合物系酸素吸収剤とし
て、アスコルビン酸、さらにその脂肪酸エステルや金属
塩等、ハイドロキノン、没食子酸、水酸基含有フェノー
ルアルデヒド樹脂等の多価フェノール類、ビス−サリチ
ルアルデヒド−イミンコバルト、テトラエチレンペンタ
ミンコバルト、コバルト−シッフ塩基錯体、ポルフィリ
ン類、大環状ポリアミン錯体、ポリエチレンイミン−コ
バルト錯体等の含窒素化合物と遷移金属との配位結合
体、テルペン化合物、アミノ酸類とヒドロキシル基含有
還元性物質の反応物、トリフェニルメチル化合物等が、
高分子系酸素吸収剤として、窒素含有樹脂と遷移金属と
の配位結合体(例:MXDナイロンとコバルトの組合
せ)、三級水素含有樹脂と遷移金属とのブレンド物
(例:ポリプロピレンとコバルトの組合せ)、炭素−炭
素不飽和結合含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例:
ポリブタジエンとコバルトの組合せ)、光酸化崩壊性樹
脂(例:ポリケトン)、アントラキノン重合体(例:ポ
リビニルアントラキノン)等や、さらにこれらの配合物
に光開始剤(ベンゾフェノン等)や過酸化物補足剤(市
販の酸化防止剤等)や消臭剤(活性炭等)を添加したも
のなど)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、アン
チブロッキング剤、スリップ剤、充填材(例えば無機フ
ィラー等)、他樹脂(例えばポリオレフィン、ポリアミ
ド等)等を配合しても良い。
加熱延伸成形時の外観性、ガスバリア性、連続成形性に
優れ、勿論単層として各種用途に用いることは可能であ
るが、積層体としても有用で、特に該樹脂組成物からな
る層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層してなる
積層体として用いることが好ましく、耐水性、機械的特
性、ヒートシール性等が付与された実用に適した積層体
が得られる。
いるため、加熱延伸成形時の外観性、ガスバリア性、連
続成形性に非常に優れた効果を示すものである。以下に
かかる積層体について説明する。
の樹脂組成物の片面又は両面に、他の基材(熱可塑性樹
脂等)を積層するのであるが、積層方法としては、例え
ば本発明の樹脂組成物のフィルム、シート等に他の基材
を溶融押出ラミネートする方法、逆に他の基材に該EV
OHを溶融押出ラミネートする方法、該EVOHと他の
基材とを共押出する方法、本発明の樹脂組成物(層)と
他の基材(層)とを有機チタン化合物、イソシアネート
化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等
の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等が
挙げられる。上記の溶融押し出し時の溶融成形温度は、
150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
有用で、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密
度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロッ
クおよびランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共
重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ
プロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜
20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペ
ンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれ
らのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸
又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義の
ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂(共重合ポリアミドも含む)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレ
ン、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマ
ー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン、芳香族または脂肪族ポリケト
ン、更にこれらを還元して得られるポリアルコール類、
更には他のEVOH等が挙げられるが、積層体の物性
(特に強度)等の実用性の点から、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)共重合
体、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好
ましく用いられる。
ート等の成形物に他の基材を押出コートしたり、他の基
材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートす
る場合、かかる基材としては、前記の熱可塑性樹脂以外
に任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラスチ
ックフィルム又はシートおよびその無機物蒸着物、織
布、不織布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
層をa(a1、a2、・・・)、他の基材、例えば熱可塑
性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、フィル
ム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構造のみ
ならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/
b1/b2、b2/b1/a/b1/b2、b2/b1/a/b
1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能であり、さ
らには、少なくともEVOHと熱可塑性樹脂の混合物か
らなるリグラインド層をRとするとき、b/R/a、b
/R/a/b、b/R/a/R/b、b/a/R/a/
b、b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能で
あり、フィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯
(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或いは偏
心芯鞘型等任意の組み合わせが可能である。尚、上記の
層構成において、それぞれの層間には、必要に応じて接
着性樹脂層を設けることができ、かかる接着性樹脂とし
ては、種々のものを使用することもでき、延伸性に優れ
た積層体が得られる点で好ましく、bの樹脂の種類によ
って異なり一概に言えないが、不飽和カルボン酸または
その無水物をオレフィン系重合体(上述の広義のポリオ
レフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化
学的に結合させて得られるたカルボキシル基を含有する
変性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的に
は、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マ
レイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸
グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロックおよびラ
ンダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラ
フト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた
1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げら
れる。このときの、熱可塑性樹脂に含有される不飽和カ
ルボン酸又はその無水物の量は、0.001〜3重量%
が好ましく、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に
好ましくは0.03〜0.5重量%である。該変性物中
の変性量が少ないと、接着性が不充分となることがあ
り、逆に多いと架橋反応を起こし、成形性が悪くなるこ
とがあり好ましくない。またこれらの接着性樹脂には、
本発明の樹脂組成物や他のEVOH、ポリイソブチレ
ン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー
成分、更にはb層の樹脂等をブレンドすることも可能で
ある。特に、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂
と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることによ
り、接着性が向上することがあり有用である。
類、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に
言えないが、通常は、a層は5〜500μm(更には1
0〜200μm)、b層は10〜5000μm(更には
30〜1000μm)、接着性樹脂層は5〜400μm
(更には10〜150μm)程度の範囲から選択され
る。
用されるが、前述のように、本発明の樹脂組成物は加熱
延伸成形時の外観性、ガスバリア性、連続成形性に優れ
ているので、更に該積層体の物性を改善するためには加
熱延伸処理を施すことも好ましい。ここで加熱延伸処理
とは、熱的に均一に加熱されたフィルム、シート、パリ
ソン状の積層体をチャック、プラグ、真空力、圧空力、
ブローなどにより、カップ、トレイ、チューブ、ボト
ル、フィルム状に均一に成形する操作を意味し、かかる
延伸については、一軸延伸、二軸延伸のいずれであって
もよく、できるだけ高倍率の延伸を行ったほうが物性的
に良好で、延伸時にピンホールやクラック、延伸ムラや
偏肉、デラミ等の生じない、ガスバリア性に優れた延伸
成形物が得られる。
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空圧
空成形等のうち延伸倍率の高いものも採用できる。二軸
延伸の場合は同時二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のい
ずれの方式も採用できる。延伸温度は60〜170℃、
好ましくは80〜160℃程度の範囲から選ばれる。
とも好ましい。熱固定は周知の手段で実施可能であり、
上記延伸フィルムを緊張状態を保ちながら80〜170
℃、好ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度
熱処理を行う。
装用途に用いる場合には、延伸後の熱固定は行わずに製
品フィルムとし、上記の生肉、加工肉、チーズ等を該フ
ィルムに収納した後、50〜130℃、好ましくは70
〜120℃で、2〜300秒程度の熱処理を行って、該
フィルムを熱収縮させて密着包装をする。
意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボ
トル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示
される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷
却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、
溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加
工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができ
る。
ーブ、ボトル等からなる容器や延伸フィルムからなる袋
や蓋材は食品、飲料、医薬品、化粧品、工業薬品、洗
剤、農薬、燃料等各種の包装材料として有用である。
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。
査熱量計(パーキンエルマー社製「DSC−7」)を用
いて昇温速度10℃/minで測定することにより行っ
た。また、EVOH中のホウ酸含有量の測定について
は、EVOHをアルカリ溶融してICP発光分光分析法
によりホウ素を定量することにより行った。更に、アル
カリ(土類)金属含有量の測定については、EVOHを
灰化後、塩酸水溶液に溶解して原子吸光分析法によりア
ルカリ(土類)金属を定量することにより行った。
OH中の種々の金属塩に関しては、EVOHの含水多孔
性析出物を金属塩含有の水溶液と接触させて、金属塩を
含有させてから乾燥することにより含有させた。
%、ケン化度99.5モル%、MFR3.5g/10
分、Tm183℃、酢酸ナトリウム含有量535ppm
(Naとして150ppm含有) EVOH−2:エチレン含有量40モル%、ケン化度9
9.5モル%、MFR4.0g/10分、Tm170
℃、酢酸カルシウム含有量160ppm(Caとして4
0ppm含有) EVOH−3:エチレン含有量49モル%、ケン化度9
7.0モル%、MFR30g/10分、Tm142℃、
酢酸ナトリウム含有量355ppm(Naとして100
ppm含有) EVOH−4:エチレン含有量38モル%、ケン化度9
9.6モル%、MFR4.0g/10分、Tm173
℃、酢酸マグネシウム含有量120ppm(Mgとして
20ppm含有) EVOH−5:エチレン含有量44モル%、ケン化度9
6.1モル%、MFR15g/10分、Tm149℃、
酢酸ナトリウム含有量285ppm(Naとして80p
pm含有) EVOH−6:エチレン含有量29モル%、ケン化度9
9.4モル%、MFR3.0g/10分、Tm188
℃、酢酸ナトリウム含有量430ppm(Naとして1
20ppm含有) EVOH−7:エチレン含有量36モル%、ケン化度9
9.2モル%、MFR4.0g/10分、Tm175
℃、リン酸二水素カルシウム含有量175ppm(Ca
として30ppm含有) EVOH−8:エチレン含有量34モル%、ケン化度9
9.6モル%、MFR3.0g/10分、Tm181
℃、酢酸ナトリウム含有量430ppm(Naとして1
20ppm含有) EVOH−9:エチレン含有量35モル%、ケン化度9
9.4モル%、MFR2.0g/10分、Tm179
℃、ホウ酸含有量450ppm(Bとして80ppm含
有) EVOH−10:エチレン含有量44モル%、ケン化度9
6.1モル%、MFR4.5g/10分、Tm149
℃、ホウ酸含有量450ppm(Bとして80ppm含
有) EVOH−11:エチレン含有量42モル%、ケン化度9
9.0モル%、MFR15g/10分、Tm163℃、
酢酸ナトリウム含有量430ppm(Naとして120
ppm含有) EVOH−12:エチレン含有量40モル%、ケン化度9
9.5モル%、MFR30g/10分、Tm170℃、
酢酸ナトリウム含有量335ppm(Naとして100
ppm含有)
VOH−3(C)を用いて、重量配合比(A)/(B)
/(C)=65/20/15となるように混合してか
ら、ストランドダイを備えた二軸押出機に供給し、以下
の条件にて溶融押出を行い、そのストランドをペレタイ
ザーで切断して、目的とする樹脂組成物を得た。得られ
た樹脂組成物の含水率は0.15%であった。尚、上記
の(A)〜(C)において、Et(A)=32モル%、
Et(B)=40モル%、Et(C)=49モル%、T
m(C)=142で、本文中の(1)〜(3)式を共に
満足するものであった。
造体の製造(加熱延伸成形)を行って、外観性、ガスバ
リア性、連続成形性の評価を行った。
組成物をフィードブロック3種5層の多層Tダイを備え
た多層押出装置に供給して、ポリスチレン(エーアンド
エムスチレン社製『ダイアレックス HT516』)層
/接着樹脂(三菱化学社製『モディックAP F50
2』)層/樹脂組成物層/接着樹脂層(同左)/ポリス
チレン層(同左)の層構成(厚み450/90/120
/90/450μm)の多層シートを得て、次にプラグ
アシスト型真空圧空成形機(浅野研究所製)にて、ヒー
ター温度が500℃で加熱時間28secでカップ(上
面65mmΦ、底面60mmΦ、深さ55m)の加熱延
伸成形加工を行って多層構造体を作製した。
バリア性、連続成形性を下記の如く評価した。 (外観性)上記で得られたカップを、光学顕微鏡で観察
して下記の基準により評価した。 ○ −−− 微小なクラックやピンホール、局部的な偏
肉は全く認められない △ −−− カップの側面部に微小なクラックやピンホ
ール或いは局部的な偏肉が若干認められる × −−− カップの側面部に微小なクラックやピンホ
ール及び局部的な偏肉が著しく認められる
上面をアルミ金属板で密封して酸素透過度を測定(モダ
ンコントロール社製「OXTRAN10/50」を用い
て23℃、50%RH条件)した。
して2時間行って、120個のカップを得、以下のよう
に評価した。 ◎ −−− 120個とも上記外観性の評価が○である ○ −−− 117〜119個が上記の外観性の評価が
○である △ −−− 111〜116個が上記の外観性の評価が
○である × −−− 110個以下が上記の外観性の評価が○で
ある
示す如くEVOHを用いて実施例1に準じて樹脂組成物
を得て、同様に評価を行った。尚、実施例2〜7におい
ては、(A)〜(C)について、本文中の(1)〜
(3)式を全て満足するものであったが、比較例1は
(1)式を、比較例2は(2)式を、比較例3は(3)
式をそれぞれ逸脱するものであった。
す。
通りである。 Et:エチレン含有量(モル%) Sv:ケン化度(モル%) MFR:メルトフローレイト(g/10分) Tm:融解ピーク温度(℃) 配合比:重量部比
足するように少なくとも3種のEVOHをブレンドして
いるため、加熱延伸成形時の外観性、ガスバリア性、連
続成形性に優れ、各種包装用途(食品、飲料、化粧品、
医薬品、工業薬品、農薬、溶剤、燃料等)の包装材料と
して有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも3種のエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物(A)〜(C)を含有してなり、且つ
かかる3種のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(A)〜(C)が下記の(1)〜(3)式の条件を満足
することを特徴とする樹脂組成物。 Et(C)≧Et(B)+3 ・・・(1) Et(B)≧Et(A)+3 ・・・(2) Tm(C)≦165 ・・・(3) [但し、Etはそれぞれのエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物のエチレン含有量(モル%)、Tmは示差走
査熱量計で測定(昇温速度10℃/min)されるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の融解ピーク温度
(℃)を表す。] - 【請求項2】 請求項1記載の樹脂組成物を含有する層
を少なくとも1層含むことを特徴とする積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20562099A JP4634555B2 (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | 樹脂組成物および積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP20562099A JP4634555B2 (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | 樹脂組成物および積層体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001031823A true JP2001031823A (ja) | 2001-02-06 |
JP4634555B2 JP4634555B2 (ja) | 2011-02-16 |
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ID=16509909
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JP20562099A Expired - Lifetime JP4634555B2 (ja) | 1999-07-21 | 1999-07-21 | 樹脂組成物および積層体 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7691485B2 (en) | 2004-09-28 | 2010-04-06 | The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. | Ethylene-vinyl alcohol copolymer composition and multilayer structure using the same |
KR20210082360A (ko) * | 2019-12-24 | 2021-07-05 | 장 춘 페트로케미컬 컴퍼니 리미티드 | 에틸렌-비닐 알코올 수지, 필름, 및 이를 포함하는 다층 구조, 및 상기 에틸렌-비닐 알코올 수지를 형성하기 위한 방법 |
KR102467557B1 (ko) * | 2021-06-16 | 2022-11-16 | 장 춘 페트로케미컬 컴퍼니 리미티드 | 에틸렌-비닐 알코올 공중합체 수지 조성물, 이로부터 형성된 에틸렌-비닐 알코올 공중합체 필름, 및 이를 함유하는 다층 구조체 |
-
1999
- 1999-07-21 JP JP20562099A patent/JP4634555B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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