JP2001031488A - 肥料の製造方法および固体肥料 - Google Patents

肥料の製造方法および固体肥料

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JP2001031488A
JP2001031488A JP2000021269A JP2000021269A JP2001031488A JP 2001031488 A JP2001031488 A JP 2001031488A JP 2000021269 A JP2000021269 A JP 2000021269A JP 2000021269 A JP2000021269 A JP 2000021269A JP 2001031488 A JP2001031488 A JP 2001031488A
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urea
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potassium
weight
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JP2000021269A
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Yasuyuki Harada
靖之 原田
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Mitsubishi Chemical Corp
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    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G1/00Mixtures of fertilisers belonging individually to different subclasses of C05
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05CNITROGENOUS FERTILISERS
    • C05C9/00Fertilisers containing urea or urea compounds

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫酸根等の土壌に悪影響を及ぼす副成分の含
有量を低く抑え、かつ吸湿法の改善された高成分肥料
を、緩やかな反応条件下で且つ安価に製造する製造方
法、及び高度化成肥料で且つ吸湿性の抑制された固体肥
料を提供する。 【解決手段】 ウレアホスフェイトとカリウム化合物と
を水の存在下で反応させる肥料成分の製造方法、およ
び、窒素成分、リン酸成分およびカリウム成分の合計が
50重量%以上であり、鉄及び/又はアルミニウムを
0.01〜10重量%含有する固体肥料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肥料の製造方法お
よび固体肥料に存する。詳しくは、肥料の主成分である
窒素、リン酸及びカリウム成分の合計量が多い肥料の製
造方法とその固体肥料に存する。
【0002】
【従来の技術】近年、農業人口は減少傾向にあり、加え
て就業人口の平均年齢の老齢化の進行により作業の省力
化が求められており、特に施肥労力の軽減が求められて
いる。肥料における成分の中でも、とりわけ窒素成分は
例えば水稲等の農作物の生育にとって重要な肥料成分で
あり、その施肥は農作物の生育期間全般を通じて必要と
されるので、効率の良い省力的な施肥に適した肥料が求
められてきた。
【0003】従来よりこの様な問題を解決すべく、施肥
回数を軽減するために、肥料の単位重量当たり窒素、リ
ン酸及びカリウム成分(以下、「NPK成分」と言うこ
とがある。)の含有量を多くした、いわゆる高度化成肥
料の開発がなされてきた。従来、このようなものは液体
であることが多かったが、さらにはこれを固体化するこ
とで、液体肥料(液肥)に比べて軽量化された肥料の開
発もなされてきた。
【0004】高度化成肥料の製造には、尿素、硫安、硝
安などの窒素質肥料と、過燐酸石灰などの燐酸質肥料、
塩化カリウム等のカリウム質肥料を、反応又は混合する
ことにより製造する方法がある。この製造においては、
その反応条件や各成分の混合比率を変えることにより、
NPK成分における成分比率(NPK成分比)を変える
ことが出来る。この例として、特開昭50−99816
号公報、同51−118000号公報等にNPK成分が
60%以上という高度化成肥料の製造方法の記載があ
る。また高度化成肥料は、肥料成分の比率が高い(副成
分の比率が低い)ので、例えば硫酸塩等の副成分による
土壌への悪影響、土壌の酸性化などが起こりにくい傾向
を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来の高度化成
肥料の製造方法の多くでは、原料に含まれる硫酸根、塩
酸根等の副成分が製品に混入してしまうので、NPK成
分の含有量は50%に満たないものであった。例えば特
公昭59−19909号公報等には窒素成分の含有量を
増加させる方法の記載があるが、窒素成分を上げること
でリン酸及びカリウム成分の含有率が下がり、結果とし
てNPK成分が50%に満たないものとなってしまって
いる。且つ、この様な副成分の存在によって、施肥した
土壌の酸性化を促進してしまう恐れがあった。また先述
の特開昭50−99816号公報や同51−11800
0号公報等に記載の製造方法では、いずれも製造条件が
150℃〜800℃という高温であるため製造コストが
高くなり、最終製品の肥料が非常に高価なものになって
しまうという欠点があった。また特開昭50−9981
6号公報等にも肥料の製造方法に関する記載があるが、
製造原料に高価なメタリン酸カリを使用しており、これ
もまた、最終製品の肥料が非常に高価なものになってし
まうという欠点があった。
【0006】加えて、先述の通り窒素成分は農作物の生
育に重要であるので、従来の高度化成肥料においても、
肥料全体における窒素成分含有率のさらなる向上が要求
されていた。しかし窒素成分の含有量を上げる為の検討
として、その多くは安価で且つ窒素成分の高い尿素を用
いる方法が検討されてきたので、尿素の持つ強い吸湿性
により、安定な、吸湿性の低い固体肥料の製造は困難で
あった。更に、例えば特公昭61−5679号公報や特
公昭51−40877号公報には、鉄及び/又はアルミ
ニウムを含む肥料の製造方法が記載されているが、これ
らの方法では鉄及び/又はアルミニウムを含む塩類等を
肥料の製造工程において単純混合するのみなので、製品
中の品質ムラが問題となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述してきた実状に鑑み
本発明者は鋭意検討した結果、安価なウレアホスフェイ
トとカリウム化合物を水の存在下で反応させることによ
って、緩やかな反応条件下において、硫酸根等の土壌に
悪影響を及ぼす副成分の含有量を低く抑え、かつ吸湿性
の改善された高度化成肥料を安価に製造することを見い
出し、本発明を完成させた。また、好ましくは鉄及び/
又はアルミニウムを含有するウレアホスフェイトとカリ
ウム化合物を反応させることで、鉄及び/又はアルミニ
ウムのリン酸塩を非晶質固体として反応系全体に均一に
分散させることが出来、前述の諸効果をより高めること
が可能となった。さらに本発明の固体肥料は、特定元素
を含有させることによって、窒素成分の含有量が20%
以上の高度化成肥料で且つ吸湿性の抑制された固体肥料
を提供するものであり、液肥に対して軽量化され、施肥
作業の省力化に貢献するものである。
【0008】本発明の要旨は、ウレアホスフェイト(以
下、UPと略記することがある)とカリウム化合物とを
水の存在下で反応させることを特徴とする肥料の製造方
法に存する。又、本発明の今一つの要旨は、窒素成分、
リン酸成分およびカリウム成分の合計が50重量%以上
であり、鉄及び/又はアルミニウムの含有量が0.01
〜10重量%である固体肥料、特に窒素成分が20重量
%以上であることを特徴とする固体肥料に存する。尚、
本発明に於いては、肥料のNPK成分比(窒素、リン
酸、カリウム成分の比)について、肥料中における各要
素をN、P2 O5 及びK2 Oに換算して、肥料重量に対
する重量%として表記する。例えば、NPK成分におい
て各々の重量%が10重量%の際は、10−10−10
と記す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 I:肥料の製造方法 本発明においては、ウレアホスフェイト(UP)とカリ
ウム化合物とを水の存在下で反応させることで、NPK
成分の高い肥料を製造できる。本発明に用いるUPは乾
式燐酸と尿素とを反応させる方法や、湿式燐酸と尿素と
反応させる方法等、任意の製造方法で得られたものを使
用できる。中でも湿式燐酸と尿素とを反応させて得られ
たUPを用いることによって、得られる肥料が、NPK
成分が高く吸湿性の低い固体肥料となり、例えばNPK
成分が13−35−25の様な固体の高度化成肥料を製
造する上で好ましい。
【0010】本発明におけるUPとカリウム化合物との
反応条件は適宜設定すれば良いが、本発明においては反
応自体が発熱反応のため、特に高温、高圧下の様な厳し
い条件とせずとも水を存在させることによって反応が進
行するので、工業上有利である。反応条件としては通
常、10〜120℃、中でも40〜100℃とするのが
好ましく、反応時間は2〜20分、好ましくは5〜10
分である。反応系内の水分量は、用いるUPやカリウム
化合物の量などによって適宜選択すればよいが、通常は
0.1〜80重量%、中でも1〜60重量%、特に2〜
20重量%の範囲とするのが好ましい。水分量が1重量
%に満たない場合には、乾燥状態の固体UPと固体カリ
ウム化合物が激しく反応し、その発熱反応によりアンモ
ニアを発生しながらUPが分解してしまうことがある。
反応系への水の添加は、各原料と水を別々に添加して
も、各原料を水溶液又は水性スラリーの形態で添加する
ことにより行なってもよい。用いるウレアホスフェイト
としては、鉄及び/又はアルミニウムを0.01〜20
重量%含むことが好ましい。例えば正リン酸と尿素を反
応させて得られたウレアホスフェイトに鉄及び/又はア
ルミニウムを塩や錯体等の形で添加してもよいし、また
その反応原料中に所望量を添加して用いてもよい。中で
も以下に述べるような湿式燐酸と尿素との反応によって
得る方法は湿式燐酸中の鉄及び/又はアルミニウムを利
用でき、添加等の工程が省略できるので特に好ましい。
【0011】UPとカリウム化合物との反応において、
各々反応物に用いる原料の形態は固体や溶液等、適宜選
択すればよい。なお本発明における溶液とは、溶質が完
全溶解した、いわゆる水溶液等の溶液のみならず、一部
未溶解の溶質を含む、分散液やスラリー状流動体をも含
むものである。UPとカリウム化合物との反応に於いて
は、通常、水性媒体中で行なわれるが、このうち以下に
示す(1)〜(3)の方法が好ましい。 (1)湿式燐酸と尿素との反応混合物から濾別した固形
物の溶液と、固体カリウム化合物又はその溶液とを反応
させる。 (2)湿式燐酸と尿素との反応混合物から濾別した固形
物に、カリウム化合物溶液を添加し反応させる。 (3)湿式燐酸と尿素との反応混合物から濾別した固形
物を、カリウム化合物溶液を添加し反応させる。
【0012】例えば(1)の方法の1つとして、主にU
Pである、湿式燐酸と尿素との反応混合物から濾別した
固形物(以下、単に固形物と言うことがある。)を溶媒
に水やアルコールを用いて溶液とし、これとカリウム化
合物溶液と反応させる方法がある。この方法では通常、
固形物を水溶液又水性スラリーとして用い、カリウム化
合物は水溶液として用いるのが好ましい。特に固形物は
水性スラリーとすることで反応が速やかに進むので好ま
しい。この方法だと反応系に溶媒、好ましくは水が多く
存在するので、反応生成物を直接、噴霧乾燥を行うこと
で固体肥料を容易に製造することが出来る。尚、この
時、カリウム化合物溶液は滴下等ゆっくり添加すること
が好ましい。
【0013】また(1)の別の方法としては、固形物の
溶液と、固体のカリウム化合物とを反応させる方法があ
る。この方法では、反応系に存在する溶媒、好ましくは
水が先述の方法より少なく、生成物における肥料の濃度
が高く、例えば粘性を有するゲル状物として得られる。
よって、これを乾燥して固体肥料を得る場合には薄膜状
にして乾燥するなどの手段により容易に固体肥料を得る
ことが出来る。更に別の方法として(2)や(3)の様
に、固形物をそのまま、カリウム化合物溶液と反応させ
る方法がある。この方法では通常、カリウム化合物は水
溶液として用いるのが好ましい。この方法では、反応系
に溶媒、好ましくは水が従前の反応方法と同様に少な
く、生成物における肥料成分の濃度が高く、例えば粘性
を有するゲル状物または水分が更に少ないと塊状物とし
て得られる。よって、この方法に於いては乾燥が不要と
なる場合があるが、乾燥して固体肥料を得る場合には、
先述と同様の方法によればよい。
【0014】尚、これらの方法では、(2)固形物にカ
リウム化合物溶液を滴下等によって反応させる方法と、
(3)カリウム化合物溶液に固形物を添加して反応させ
る方法とがあるが、反応熱によりUPの分解が生じ難
い、(2)の方法の方がより好ましく、また固形物にカ
リウム化合物を溶液を少しずつ添加することが好まし
い。本発明においては、湿式燐酸は燐鉱石を硫酸または
硫燐酸の混酸で分解して得るような一般的方法により得
られたものを使用でき、尿素も又同様にその製造方法は
任意である。湿式燐酸と尿素を反応させる際の量比は通
常、湿式燐酸1モルに対し、尿素が0.1〜2モル、中
でも0.5〜1.5モル、特に0.8〜1.5モルが好
ましい。反応時間は通常1〜30分であり、反応温度を
尿素の分解温度以下に調整しつつ行うことが好ましい。
尿素が0.1モル以下だと反応速度が遅くなることがあ
り、又1.5モル以上ではリン酸と未反応の尿素が後述
するように生成したUPを濾別する際の母液に移行し、
歩留まりが悪化することがある。反応に用いる尿素の形
態は固体、又は水溶液やスラリー等、任意であるが、反
応時間を短縮するためにスラリー又は固体尿素を直接湿
式燐酸と反応させることが好ましい。尿素を液体で用い
る場合、反応時間は10分以上かかる場合があるが、ス
ラリーを用いると反応時間が1〜5分に、又固体尿素を
直接湿式燐酸と反応させると、場合により反応時間が1
分以下となるので好ましい。尚、後述するように生成し
たUPを濾別する際の母液を少なくする意味でも、固体
尿素を用いるのが好ましい。
【0015】得られたUPは、母液を濾過することで得
られる。この濾過の際に硫酸根等の肥料の副成分が、母
液とともに分離できる。本発明では次いで、上述のよう
な方法で得られたUPを水の存在下でカリウム化合物と
反応させ、肥料を製造する。本発明に用いるカリウム化
合物としては任意のカリウム化合物を用いることが出
来、例えば水酸化カリウム、カリウムメトキシド、カリ
ウムエトキシド等のカリウムアルコキシド、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム等
のカリウム塩等が挙げられる。中でも炭酸カリウム、炭
酸水素カリウム、水酸化カリウムが好ましく、特に水酸
化カリウムが反応速度が早くかつ少ない使用量で反応が
進み、得られる肥料についても植物には有効で土壌への
悪影響が少ないという観点から好ましい。
【0016】用いるカリウム化合物の量は通常、UP
1.0モルに対し、カリウム化合物中のカリウムのモル
比換算で、0.1〜2.0モル、中でも0.5〜1.5
モル、特に0.8〜1.2モルとすることが好ましい。
0.1モル未満では、得られる生成物は固体(若しくは
ゲル状)とならないことがあり、固体肥料の製造に適さ
ない場合がある。また2.0モルを超えると、同様に生
成物が固体(若しくはゲル状)とならずに、褐色の液体
になることがある。尚、これらの液体生成物は、液体肥
料(液肥)の原料として使用可能である
【0017】本発明に於いては、今まで述べてきた方法
により得られた肥料に、更に窒素成分を添加して、より
NPK成分の高い、高度化成肥料を製造することが出来
る。例えば、上述したUPとカリウム化合物との反応に
よって得られた生成物、好ましくは粘性を有するゲル状
又は塊状の生成物に、窒素成分を添加し乾燥すること
で、よりNPK成分が高く、且つ所望の窒素成分割合の
固体肥料を製造することが出来る。添加する窒素成分は
従来公知のものから適宜選択すればよいが、例えば尿
素、ジシアンジアミド、ウレアホルム、オキサミド、I
BDU(登録商標)、クロトミリデンウレア(2−オキ
ソ−4−メチル−6−ウレイドヘキサヒドロピリミジ
ン)、グアニルウレア、グアニジン、ウレア−Z、グリ
コールウリル、フルフラール尿素化合物類、シアヌル
酸、アンメリド、アンメリン、メラミン化合物類、トリ
アゾン化合物類等が挙げられる。中でも、最終的に得ら
れる高度化成固体肥料において窒素成分が20%以上の
高成分の固体肥料とするために、尿素、ジシアンジアミ
ド、グアニジン、アンメリド、メラミン化合物類、トリ
アゾン化合物類が好ましい。さらに、固体肥料の肥効面
を考慮すれば、尿素、ジシアンジアミド、グアニジンが
好ましい。
【0018】添加する窒素成分の状態は適宜選択すれば
よいが、窒素成分を粒状、押し出し成形による打錠型タ
ブレット、粉末状等の固体核材として用い、UPとカリ
ウム化合物との反応によって得られた固形物、好ましく
は粘性を有するゲル状又は塊状の固形物で被覆すること
が好ましい。この様にして得られた肥料は、例えば添加
する窒素成分が尿素等の即効性の窒素成分の場合には、
その肥効をコントロールし、高度化成固体肥料を緩効化
出来るので好ましい。被覆する際の被膜の量や膜厚等
は、所望する肥料の性能に合わせて、適宜公知の方法に
より調整すればよい。また、窒素成分以外にリン成分と
してポリリン安、リン一安、リン二安等を添加しても良
い。
【0019】II:固体肥料 本発明の固体肥料は、NPK成分が50重量%以上であ
り、鉄及び/又はアルミニウムが0.01〜10重量%
である固体肥料、特に窒素成分が20重量%以上である
ことを特徴とする固体肥料である。本発明の固体肥料
は、固体肥料中に鉄及び/又はアルミニウムを0.01
〜10重量%含有させることによって、高度化成肥料で
ありながら固形化することが出来、そして従来の高度化
成肥料の問題であった吸湿性の問題を解決し、水中崩壊
性に優れ、さらにはNPK成分における窒素成分を20
重量%以上と向上させることができた、優れた固体肥料
である。固体肥料中の鉄及び/又はアルミニウム含有量
は0.01〜10重量%であるが、中でも0.01〜
3.0重量%、更には0.01〜2.5重量%、特に
0.02〜1.5重量%含有させることが好ましい。
0.01重量%未満では、固体肥料の吸湿性が高くなっ
てしまい、また10重量%を越えると、固体肥料の粉化
の原因となり、また経済的ではない。本発明において
は、鉄またはアルミニウムのいずれかが0.01〜10
重量%含有されていればよいが、好ましくは、鉄および
アルミニウムを含み、その重量比は、1:9から9:
1、更に好ましくは4:6から6:4である。本発明の
固体肥料の製造方法は任意であり、従来公知の方法を用
いればよく、例えば鉄及び/又はアルミニウムを塩や錯
体等の化合物として原料に添加して製造してもよい
が、、従前の(I)にて述べた方法によって製造される
ことが好ましい。これは原料を化学反応させることによ
り肥料を製造することで肥料中にて鉄及び/又はアルミ
ニウムが非晶質固体である燐酸塩等の塩の形態をとり、
固体肥料の固形化、吸湿性の低減、水中崩壊性に優れた
効果を奏するためである。
【0020】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。
【0021】[実施例1]リン酸成分をP2 5 として
44.1重量%、Alを0.29重量%、およびFeを
0.26重量%(何れも原子重量%換算)含有する湿式
燐酸161gに対し、55%尿素水溶液87gを添加
し、3〜10分間撹拌し、NPK成分比が17−44−
0のウレアフォスフェイト(UP)の結晶76gと母液
172gを得た。このスラリーを減圧濾過し、結晶と母
液を分離した。この結晶全量に対し、別系で同様の方法
で作成したUPの52%飽和溶液を159gを添加し、
新たなスラリーを作成した。このスラリーを撹拌しなが
ら、56%水酸化カリウム水溶液120gを5分かけて
滴入し、反応させ、水分を含んだゲル状物質約355g
を得た。この反応温度は最高温度で95℃であった。
【0022】このゲル状物質を50℃、約8時間乾燥し
てNPK成分比が13−35−25で、Alを0.03
1重量%、Feを0.032重量%を含む固体肥料を得
た。乾燥後の固体肥料は196gであった。また同様に
ゲル状物質355gを得た後にこのゲル状物質に固体尿
素56gを混合・撹拌し、50℃、約8時間乾燥させた
ところ、NPK成分が20−27−19でAlを0.0
17重量%およびFeを0.018重量%を含む固体肥
料252gを得た。この固体肥料を23℃、80%RH
のインキュベーターに19時間放置し、吸湿による水分
増加量を測定した。その結果、本発明の固体肥料の重量
増加率は49%であり、吸湿による重量増加率は低かっ
た。
【0023】[実施例2]実施例1で使用した湿式燐酸
161gに紛状の固体尿素60gを添加し、撹拌し、N
PK成分比が17−44−0のUP132gと母液89
gを得た。このUPを減圧濾過し、UP全量に対し5.
6gの水を添加後、これを撹拌しながら56%水酸化カ
リウム水溶液56gを添加し、水分を含んだゲル状物質
約193.5gを得た。このゲル状物質に固体尿素56
gを混合・撹拌し、50℃、約8時間乾燥させたとこ
ろ、NPK成分比が22−27−16でAlを0.02
0重量%およびFeを0.021重量%を含む固体肥料
250gを得た。この固体肥料を実施例1と同様に吸湿
性試験を行ったところ、重量増加率は51%であった。
【0024】[実施例3]実施例1同様に反応を行ない
水分を含んだゲル状物質355gを得て、これに固体尿
素74gと固体ジシアンジアミド10gを混合・撹拌
し、50℃、約8時間乾燥させたところ、NPK成分比
が23−24−17で、Alを0.014重量%および
Feを0.014重量%を含む固体肥料280gを得
た。この固体肥料を実施例1と同様に吸湿性試験を行っ
たところ、重量増加率は54%であった。
【0025】[比較例1]実施例1と同様の方法で得ら
れたUPに水分を全く添加せずに固体水酸化カリウムを
同様に添加したところ、混合物は激しく反応し、アンモ
ニア臭がした。そして、得られた生成物は茶褐色の液状
であった。
【0026】[比較例2]尿素粉末(710μmメッシ
ュ通過品)1gを用いて、実施例1と同様に吸湿性試験
を行った。その結果、尿素の重量増加率は73%であっ
た。
【0027】[比較例3]尿素21%、塩化カリウム2
8%を含有しNPK成分比が16−16−16の固体肥
料(710μmメッシュ通過品)1gを用いて、実施例
1と同様に吸湿性試験を行った。その結果、この固体肥
料の重量増加率は98%であった。これらの実施例、比
較例の結果を、以下の表1および2に纏めた。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】*:NPK比はN- P2 5-K2 O( 重量
%) で表示した。 表−1および2から明らかなように、本発明の肥料の製
造方法は、製造工程で原料の分解が生ずることなく、肥
料の成分として効率良く用いることが可能となり、且つ
製品の肥料も、固体で、NPK成分が60%以上と高い
ものが得られる。
【0031】[実施例4]実施例1と同様にウレアホス
フェイトと水酸化カリウム水溶液を反応させ、得られた
ゲル状物質を50℃約8時間乾燥して得られた物質(N
PK成分比:13−35−25:Alが0.031重量
%、Feを0.032重量%含有。すなわち、各元素を
リン酸塩換算した場合の含有量は、それぞれ0.14重
量%、0.14重量%である)を30℃、70%RHの
デシケーターに800時間放置し、吸湿による水分増加
量を測定した。その結果、重量増加率は35.0%であ
った。
【0032】[実施例5]リン酸成分をP2 5 として
71.0重量%含む燐酸水溶液に、AlPO4 を0.0
7重量%、およびFePO4 ・nH2 Oを0.07重量
%添加したもの(37g)に、固体尿素15gを添加し
3〜10分間撹拌し、次いで56%水酸化カリウム水溶
液を30gを3分かけて滴下、反応させ、ゲル状物質8
2gを得た。この物質を50℃、8時間乾燥し実施例4
と同様の吸湿性評価を実施したところ、重量増加率は4
2.7%であった。
【0033】[実施例6]実施例5と同様の燐酸にAl
PO4 を0.14重量%、およびFePO4 ・nH2
を0.14重量%添加したもの(37g)に、実施例5
と同様に固体尿素および水酸化カリウム水溶液を反応さ
せ、乾燥したものの吸湿性評価を実施したところ、重量
増加率は35.0%であった。
【0034】[実施例7]AlPO4 を0.28重量%
およびFePO4 ・nH2 Oを0.28重量とした以外
は実施例5と同様にしてゲル状物質を得て吸湿性評価を
実施したところ、重量増加率は38.2%であった。
【0035】[実施例8]AlPO4 を0.7重量%お
よびFePO4 ・nH2 Oを0.7重量%とした以外は
実施例5と同様にしてゲル状物質を得て吸湿性評価を実
施したところ、重量増加率は40.0%であった。
【0036】[実施例9]実施例5と同様の燐酸37g
に実施例5同様に固体尿素および水酸化カリウム水溶液
を反応させ乾燥したものに吸湿性評価を実施したとこ
ろ、重量増加率が46.0%であった。実施例4〜9か
ら明らかな様に、本発明の製造方法によって得られた肥
料、および本発明の肥料は耐吸湿性に優れ、特に鉄及び
/又はアルミニウムを含有することで、さらに優れた耐
吸湿性を示す。
【0037】
【発明の効果】本発明の肥料成分の製造方法は、安価な
UPとカリウム化合物を水の存在下で反応させること
で、加圧や加温をせず、製造コストを抑えて、硫酸根等
の副成分を含まない高成分肥料を製造可能とした優れた
ものである。加えて、製造工程中において原料が分解す
ること無く、原料を有効に肥料成分として利用できる、
優れた製造方法である。さらには窒素成分を添加するこ
とで、窒素成分が20%以上とした、あるいは窒素の肥
効を調節した、NPK成分が50%以上の高い固体肥料
成分を製造することが出来るものである。そして本発明
の固体肥料は、特定量の鉄及び/又はアルミニウムを含
有することで、高度化成肥料でありながら固体化し、吸
湿性を低減し、且つ水中崩壊性に優れた固体肥料であ
る。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレアホスフェイトとカリウム化合物と
    を水の存在下で反応させることを特徴とする肥料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 ウレアホスフェイトが鉄及び/又はアル
    ミニウムを0.01〜20重量%含有することを特徴と
    する請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ウレアホスフェイトが、湿式燐酸と尿素
    とを反応して得られたものであることを特徴とする請求
    項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 尿素が固体尿素であることを特徴とする
    請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ウレアホスフェイトとカリウム化合物の
    反応が湿式燐酸と尿素との反応混合物から濾別した固形
    物と、カリウム化合物溶液との反応であり、該反応を、
    以下の(1)乃至(3)のいずれかの方法によって行な
    うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の
    製造方法。 (1)湿式燐酸と尿素との反応混合物から濾別した固形
    物の溶液と、固体カリウム化合物又はその溶液とを反応
    させる。 (2)湿式燐酸と尿素との反応混合物から濾別した固形
    物に、カリウム化合物溶液を添加し反応させる。 (3)湿式燐酸と尿素との反応混合物から濾別した固形
    物を、カリウム化合物溶液に添加し反応させる。
  6. 【請求項6】 固形物溶液がスラリー状であることを特
    徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 ウレアホスフェイトと、カリウムのモル
    比が、1:0.5〜1:1.5であることを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 反応系内の水分量が0.5〜60重量%
    である請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 カリウム化合物が、水酸化カリウム、カ
    リウムアルコキシドおよびカリウム塩からなる群より選
    ばれるものであることを特徴とする請求項1乃至8のい
    ずれかに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9に記載のいずれかの方
    法により得られた肥料に、更に窒素成分を加えることを
    特徴とする肥料の製造方法。
  11. 【請求項11】 窒素成分が尿素、ジシアンジアミドま
    たはグアニジンであることを特徴とする請求項10に記
    載の製造方法。
  12. 【請求項12】 窒素成分を核材とし、これを肥料によ
    って被覆することを特徴とする請求項10または11に
    記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 肥料が固体肥料であることを特徴とす
    る請求項1乃至12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 窒素成分、リン酸成分およびカリウム
    成分の合計が50重量%以上であり、鉄及び/又はアル
    ミニウムを0.01〜10重量%含有する固体肥料。
  15. 【請求項15】 全窒素成分が20重量%以上であるこ
    とを特徴とする請求項14記載の固体肥料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102070358A (zh) * 2010-11-17 2011-05-25 中国海洋石油总公司 一种利用磷酸继沉淀盐制备圆形颗粒钾肥的方法
CN101367682B (zh) * 2008-09-28 2011-06-15 中国海洋石油总公司 一种共溶料浆管式反应器制造复合肥的方法

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