JP2001027087A - プレボーリング工法、およびそれに使用するオーガ - Google Patents

プレボーリング工法、およびそれに使用するオーガ

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JP2001027087A
JP2001027087A JP11198832A JP19883299A JP2001027087A JP 2001027087 A JP2001027087 A JP 2001027087A JP 11198832 A JP11198832 A JP 11198832A JP 19883299 A JP19883299 A JP 19883299A JP 2001027087 A JP2001027087 A JP 2001027087A
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drilling
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Seiji Tsuji
清二 辻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地質等掘削地盤に左右されることなく、効率
的且つ安定した穿孔を実現可能とすることができる新規
なプレボーリング工法、およびそれに使用する新規な構
造からなるオーガを提供する。 【解決手段】 掘削駆動軸部の先端外側にオーガヘッド
が装着されると共に、それより上方外側所定範囲に、一
対の押撫縁付き翼体部3,3が平断面で軸心を通る直線
状配置となるようにして突設、一体化されてなるオーガ
を、正回転駆動しながら掘削し、同オーガヘッドによっ
て押し上げられる土砂および掘削液等7を、回転する翼
体部3,3の各押撫縁で、先掘されていく掘削孔6壁面
に擦り付けて杭孔周壁面に圧縮、塗着状としながら、目
的深さまで掘削した後、ミルク注入部5を通じて杭孔底
に充分な量の根固め液を注入し、続いて、オーガを逆回
転駆動しながら上昇させて杭孔中から抜き去り、別途準
備された既成杭8を掘削孔6中に埋設するプレボーリン
グ工法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、既成コンクリート杭の埋め
込み工法、およびそれに関連する技術に関するものであ
って、特に、ボーリングの対象となる地質の硬軟に左右
されることなく、効率的且つ安定した穿孔を実現可能と
することができる新規な構成からなるプレボーリング工
法、およびそれに使用する新規な構造からなるオーガを
提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】超高層ビルをはじめとする各種ビルディ
ングや橋梁といった各種建造物は、その自重を支えるだ
けでなく、建築物内に収容される重量物や、架橋上を走
行する車両等によって加わる外部荷重についても確実に
支持できる強度が確保されていなければならない上、地
震や風圧によって生じる複雑な外力に対しても充分な安
全が維持できるようになっていなければならず、各種建
造物の躯体構造が所定の設計強度以上のものに建設され
てなければならないと同時に、それを支える地下地盤の
地質や支持耐力等を充分に検討した上で、堅牢な基礎構
造部および基礎杭形成のための基礎工事を行う必要があ
る。
【0003】これまで長年に渡って基礎杭工事の多く
は、ディーゼルパイルハンマやバイブロハンマ等を使用
して大きな振動や騒音を発生してしまう工法が主流をな
してきていたが、近年では、周辺住民への悪影響が大き
な社会問題となったことから、市街地から充分離れた海
岸線や海上等、振動や騒音を問題としない地域を除き、
低騒音、低振動での施工が義務(騒音防止条例)付けら
れ、それに対応する工法として、杭の打設箇所にオーガ
を使用して先堀りし、予め地盤を緩めるか空洞状とし、
セメントミルクを注入した後、既成杭を埋設するように
した、既成杭埋込み工法の一つであるプレボーリング工
法による施工が盛んに行われるようになってきている。
【0004】アースオーガを用いたプレボーリング工法
は、クローラ杭打機のリーダにミルク注入部を兼用する
オーガを装着し、ミルク注入部を通じてオーガヘッドの
先端側から掘削液を噴出させながら、同オーガを回転駆
動することによって地面を掘削し、回転するオーガの螺
旋状翼部に沿って掘削した土砂や掘削液等を上昇、排出
し、掘削孔内から地表に土砂を排出させ、所定深さまで
掘削した後、ミルク注入部を通じて同掘削孔中にセメン
トミルクを注入しながら抜き去り、既成杭を所定深さに
埋設してしまうようにする工事となるが、オーガの上下
略全長に渡って形成された螺旋状翼部によって上昇させ
た土砂や掘削液等は、掘削箇所の地上部周辺に排出させ
てしまうため、特に、掘削孔から溢れ出した掘削液は、
そのまま野放しにされて新たな公害源になることから、
「廃棄物の処理および清掃に関する法律」や「水質汚泥
防止法」その他各都道府県の条例等によって厳しく規制
されていて、その対策に苦慮しなければならないことに
なる。
【0005】また、施工段階の問題としても、このオー
ガは、所定の掘削を終え、抜き去る作業に移行した段階
に、その螺旋状翼部の間に土砂等を目詰まりしたままと
なっている場合には、その部分が掘削孔壁面全周に密着
して密閉状の栓のような作用を及ぼし、引上げようとす
ると、それより下の空間が減圧状態となってしまってオ
ーガの効率的な引き抜き作業に支障を来すという難点を
有する上、施工箇所が湿地や砂地等の軟弱な地質の場合
には、オーガを抜き去り、既成杭を打ち込むまでの間
に、掘削孔がその形状を維持しきれずに崩れてしまい、
既成杭の埋設が不可能となったり、所望する深さまで打
ち込むことができなくなり、再び掘削をやり直さなけれ
ばならないようなケースも出てくる等といった、工事の
効率化に直接係わってくる課題も残されている。
【0006】そのため、例えば、特開平7−68838
号公報に記載された、外周面を平断面四角形状に形成さ
れたオーガロッドの下方に、螺旋状翼を有するオーガヘ
ッドを一体に連結してなるオーガの例に見る発明のよう
に、特に、オーガを抜き取った後の掘削孔の崩壊に対処
しようとする提案もなされているが、この既に提案済み
の発明では、四角断面のオーガロッドの四隅の角を丸
め、回転過程でその部分を掘削孔内周面に押し付け、当
該内周面を強化して崩壊に備えるには、掘削箇所の土質
が粘土質のような比較的弾力性のある掘削現場に限ら
れ、砂礫質のような弾力性のない箇所での掘削では殆ど
効果が期待できないだけではなく、掘削孔内周面と四角
断面のオーガロッドとの間に確保できる空間がかなり小
さ目のものであって、掘り上げられてくる土砂の逃げ場
として不十分なものになり、円滑な回転作動に支障を来
してしまう虞もある等といった実用上での不都合を残し
たままのものでしかなかった。
【0007】この発明は、上述したようなプレボーリン
グ工法の実情に鑑み、これまでの諸々の問題点を解決し
て基礎杭工事の効率化と無公害化とが果たせないないも
のかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長
期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してき
た結果、今回、遂に新規なプレボーリング工法、および
それに使用する新規な構造のオーガを実現化することに
成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を
代表する実施例と共に、その構成を詳述することとす
る。
【0008】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例か
らも明確に理解されるように、この発明に包含されるプ
レボーリング工法は、基本的に次のような構成から成り
立っている。即ち、ミルク注入部を兼用する掘削駆動軸
部の先端外側にオーガヘッドが装着されると共に、それ
より上方外側所定範囲に渡り、一対の押撫縁付き翼体部
が平断面で軸心を通る直線状配置となるようにして突
設、一体化されてなるオーガを、正回転駆動しながら先
端オーガヘッドで掘削、穿孔すると共に、該オーガヘッ
ドによって上昇、排除される土砂および掘削液等を、オ
ーガヘッドと共に同心状に回転する翼体部の各押撫縁
で、先行形成されていく掘削孔壁面に擦り付けて孔壁面
に圧縮、塗着状としながら、目的深さまで掘削した後、
ミルク注入部を通じて孔底に充分な量の根固め液を注入
し、続いて、オーガを逆回転駆動しながら上昇させて掘
削孔中から抜き去り、別途準備された既成杭を掘削孔中
に埋設するようにする構成を要旨とするものである。
【0009】この基本的な構成を、より具体的な構成で
示すと、ミルク注入部を兼用する掘削駆動軸部の先端外
側にオーガヘッドが装着されると共に、それより上方外
側で、掘削する孔深さの1/2〜2/3程度の長さ範囲
に渡り、一対の押撫縁付き翼体部が平断面で軸心を通る
直線状配置となるようにして突設、一体化されてなるオ
ーガを、正回転駆動しながら先端オーガヘッドで掘削、
穿孔すると共に、該オーガヘッドによって上昇、排除さ
れる土砂および掘削液等を、オーガヘッドと共に同心状
に回転する翼体部の各押撫縁で、先行形成されていく掘
削孔壁面に擦り付けて孔壁面に圧縮、塗着状とする一
方、それ以外の更に上方に上昇、排除される土砂および
掘削液等については、翼体部上端よりも上方に確保され
ていく充分な容積の掘削孔内に留められ、掘削孔から溢
れ出してしまうことがないようにしながら、目的深さま
で掘削した後、ミルク注入部を通じて孔底に充分な量の
根固め液を注入し、続いて、オーガを逆回転駆動しなが
ら上昇させて掘削孔中から抜き去り、別途準備された既
成杭を掘削孔中に埋設する如くした構成を要旨とするプ
レボーリング工法となる。ものである。
【0010】上記のとおりの構成を要旨とするこの発明
のプレボーリング工法には、掘削中に所定深さまで達し
た段階に、予め折り畳まれるか、あるいは縮小されてい
たオーガヘッドの翼部を展開あるいは伸長させて正回転
駆動掘削を継続し、それまで掘削してきた掘削孔径を拡
大した掘削をしながら、目的深さまで掘削し、ミルク注
入して拡大根固めし、オーガを逆回転駆動しながら上昇
させて掘削孔中から抜き去る前の段階には、オーガヘッ
ドの翼部を再度折り畳むか、あるいは縮小するかする構
成を付加した工法を包含する外、一対の翼体部における
各押撫縁間の寸法が、オーガヘッドによって上昇、排除
されてくる土砂および掘削液等の掘削孔壁面への所望塗
着厚に応じた分だけ、オーガヘッドの径よりも小さく設
定され、孔壁への土砂および掘削液等の圧縮、塗着を促
進しながら掘削するようにした構成からなる工法も包含
されている。
【0011】上記のとおりの構成によって実施されるこ
の発明のプレボーリング工法において、オーガの正回転
駆動、逆回転駆動、および昇降移動等の作動は、従前か
らスパイラルオーガ装着用として使用されているクロー
ラ杭打機がそのまま使用可能であって、リーダ上端に装
備したオーガモータによる回転駆動、およびその昇降作
動によって実施されると共に、工事の進行に際しても、
オーガ先端からの掘削液の噴出、所定深度掘削後の根固
め液の注入、その後必要に応じて実施される杭周固定液
の充填等、従前からのスパイラルオーガによる掘削およ
び既成杭の建て込みに併用されてきた一連の施工円滑化
手段はそのままか、あるいは適宜応用するかして実施す
ることができる。
【0012】オーガは、必要とする杭孔深さに対応でき
るよう、ミルク注入部を兼用する掘削駆動軸部のオーガ
モータ装着側の部分と、それよりも下方の一対の押撫縁
付き翼体部形成部分、先端側のオーガヘッド部分とは適
宜着脱自在構造で接続、一体化可能に形成され、必要が
あれば押撫縁付き翼体部形成部分自体も、その全長の調
節と取扱い性や製造性等との兼ね合いから、定長に形成
したものを適宜継ぎ足し可能となるようにしたものとす
ることができ、オーガモータに直接か、あるいは定長の
掘削駆動軸部を介して押撫縁付き翼体部を接続し、その
下端にオーガヘッドを装着し、掘削の進行に従って先の
押撫縁付き翼体部の上に更に押撫縁付き翼体部を継ぎ足
すか、あるいは定長の掘削駆動軸部だけを継ぎ足してい
くかは、杭孔の深さや土質等を考慮した上で最適な組み
合わせ構造となるようにすべきであり、特に押撫縁付き
翼体部の杭孔深さ内で占める長さ割合は、掘削液や根固
め液、そして必要に際して使用することなる杭周固定液
等の地上部への溢出を極力防止できるようにするため
に、掘削する杭孔深さの1/2〜2/3程度の長さ範囲
に止めるような組み合わせ構造とするのが望ましい。
【0013】所定深さの杭孔掘削工程を終え、根固め液
やセメントミルク等を注入しながらオーガを引き抜く工
程では、押撫縁付き翼体部の押撫縁で形成した孔壁強化
面を破壊してしまうことがないようにするため、オーガ
は、その回転を停止したままや正回転しながら実施して
はならず、必ず掘削段階の回転とは逆回転となるように
し、両押撫縁付き翼体部の押撫縁間の距離に等しいかそ
れよりもやや大きく設定するオーガヘッドの掘削縁が、
孔壁強化面に螺旋を描いて抜け出してくるような施工を
実施するようにしなければならない。
【0014】
【関連する発明】上記したプレボーリング工法に関連
し、この発明には、そのプレボーリング工法に使用する
オーガも包含しており、その構成の要旨は、基本的に次
のとおりのものである。即ち、ミルク注入部を兼用する
掘削駆動軸部の先端外側に、回転軸芯を中心とする螺旋
状翼部、または複数枚に分断され、螺旋状配置とした翼
部、あるいは、掘削方向に略直交状となり、掘削面に鉤
状爪部を有する円盤状翼部、または同一平面内に属し、
複数枚に分断され、掘削面に鉤状爪部を有する板状翼部
等からなるオーガヘッドを装着すると共に、それより上
方外側所定範囲に渡り、夫々の平断面形状が、掘削する
孔断面の内径に略達する長径をもつ楕円形状、長円形
状、または対角線の中の長尺な一方を、同孔断面の内径
に達するようにした菱形状、あるいは、略頂角に丸みを
付けた略三角形や台形、将棋形等の多角形状等とした一
対の押撫縁付き翼体部を、平断面で軸心を通る直線状配
置となるようにして突設、一体化してなる構成を要旨と
するオーガである。
【0015】また、この基本的な構成からなるオーガに
は、ミルク注入部を兼用する掘削駆動軸部の外側所定箇
所に装着または一体化されてなるオーガヘッドと一対の
押撫縁付き翼体部とが、夫々対応する掘削駆動軸部分に
おけるオーガヘッド側は上端と、同押撫縁付き翼体部側
は下端とにおいて着脱自在構造で連結されてなるように
したもの、および/または、ミルク注入部を兼用する掘
削駆動軸部の外側所定箇所に一体化されてなる一対の押
撫縁付き翼体部が、その上下方向長さ寸法を、掘削する
孔深さの1/2〜2/3程度のものに規制して設定され
てなるものとし、一対の押撫縁付き翼体部よりも上方と
なる掘削駆動軸部周りの掘削孔内に、オーガヘッドによ
って上昇、排除される土砂および掘削液等を一時的に収
容したままとすることが可能となるような構成にしたオ
ーガを包含しており、更にまた、それらは、一対の翼体
部における各押撫縁間の寸法が、オーガヘッドによって
上昇、排除されてくる土砂および掘削液等の掘削孔壁面
への所望塗着厚に応じた分だけ、オーガヘッドの径より
も小さく設定してなるものに構成されるようにするのが
望ましい。
【0016】掘削駆動軸部は、従前からスパイラルオー
ガ装着用として使用されているクローラ杭打機のリーダ
に装備したオーガモータによる回転駆動力を受け、後述
の一対の押撫縁付き翼体部およびてオーガヘッドを回転
させる軸棒としての機能、および掘削液を始めとする各
種注入液を送り込むための導管としての機能を果たすも
のであり、オーガモータの回転力取出し軸に接続する部
分、一対の押撫縁付き翼体部を平断面で直線状配置に取
着する部分、およびオーガヘッドの軸心となる部分とを
基本的に有していると共に、それらの軸心部分には、上
下に連通する管路状のミルク注入部が形成されるように
したものとしなければならず、しかも、掘削すべき杭孔
長への対応や、取扱い性、製造性等との兼ね合いから、
各部が着脱自在構造となるようにしたものとするのが望
ましく、押撫縁付き翼体部を取着した掘削駆動軸部とは
別に、オーガモータの回転力取出し軸に接続する機能だ
けの掘削駆動軸部を用意し、オーガモータの回転力取出
し軸と押撫縁付き翼体部を取着した掘削駆動軸部との間
に当該掘削駆動軸部を介在、接続するようにする場合
も、当該掘削駆動軸部が、定長のものを着脱自在に接続
できて所定深さの杭孔掘削が可能になるようにする。
【0017】なお、オーガモータと掘削駆動軸部、掘削
駆動軸部同士の着脱自在構造は、掘削駆動軸部に伝達さ
れる回転駆動力が、押撫縁付き翼体部やオーガヘッドに
確実に伝達可能となるよう充分な強度で連結できる構造
にすると共に、ミルク注入部の掘削液やセメントミルク
の注入機能を損ねることのない構造としなければなら
ず、例えば、押撫縁付き翼体部とオーガヘッドとの互い
の連結部の中の何れか一方を円柱状のものに形成し、他
方を該円柱状部を嵌合する円柱状凹欠部とした上、双方
を嵌合、連結し、側面からボルトまたはピン等を挿入し
て連結、仮固定できるように構成したものとする外、回
転駆動により、双方の抜け止め機能を果たすボルトまた
はピン等への曲げあるいは剪断負担を軽減するため、中
心部に同心状に突出する四角柱状または六角柱状等の多
角柱状のものに形成し、同他方を、多角柱状部分が嵌合
する多角形凹欠部にして連結、仮固定できるようにすれ
ば、極めて好都合のものとすることができる。
【0018】ミルク注入部は、上記したとおり、掘削駆
動軸部のもう一つの機能を果たす部分であり、オーガヘ
ッドの先端へ、掘削液やセメントミルクを供給できるよ
う管路状に形成され、着脱自在構造とした場合であって
も同着脱構造部分から掘削液やセメントミルク等の流出
が起こらないよう構成しなければならず、また、オーガ
ヘッド先端側や着脱自在構造部分等に外圧を受けたとき
にも、掘削液やセメントミルク等が逆流してしまうこと
のない程度の密閉構造からなるようにすべきである。
【0019】オーガヘッドは、地面を掘削すると共に、
掘削した土砂や掘削液等を上昇、排出させる機能を果た
すものであって、いうまでもなく地殻を掘削するに充分
な強度を確保したものとしなければならず、連続した螺
旋翼、回転軸心に直交状となる板状であって、螺旋状配
置とした板翼、あるいはそれらの組合せからなる複数枚
の翼等、掘削駆動軸部外周面に掘削翼を配した構造のも
のであって、回転駆動して地殻を所定直径に確実に掘削
できるよう、回転翼の先端側には掘削用の爪や刃を設け
たものとする外、翼部自体あるいは掘削駆動軸部への取
着部には、必要に応じて補強構造を取り入れたものとす
ることができる。
【0020】押撫縁付き翼体部は、回転駆動して土砂お
よび掘削液等を掘削孔壁面に擦りつけて杭孔壁面に圧
縮、塗着状とする機能を果たすものであって、掘削駆動
軸部の平断面で軸心を通る直線状配置となるよう突出す
る形状としなければならず、平断面で同翼体部と直交状
となる掘削駆動軸部側面はそのままにして、掘削孔中
に、掘削された土砂および掘削液等を受入れ可能な空間
部分が確保され、同空間部分に十分な土砂および掘削液
等を抱えたまま回転することにより、それら土砂および
掘削液等が杭孔壁面に圧縮、撫着状とされていくように
するものであり、その上下長寸法を適宜設定して、掘削
中に上昇、排出される土砂や掘削液等を同翼体部上側の
掘削孔中に留めるよう構成することも可能であって、そ
の上下寸法を掘削する孔深さの略1/2〜2/3程度の
範囲内に止まるようにしたものとするのが望ましく、そ
れらの範囲内において全長を長い方に設定すれば、土砂
や掘削液を掘削孔壁面に塗着する作用を高めることがで
き、また、全長寸法を短くすれば、より多くの量の土砂
や掘削液を、翼体部よりも上方側の掘削孔内に留め置
き、杭孔周辺の地上部への土砂や掘削液等の溢出量を少
なくできる作用が期待できることから、ボーリング箇所
の地質や使用掘削液等との兼ね合いから、杭孔全長に対
する最適な寸法範囲のものが選択、採用されるようにす
べきである。以下では、図面に示すこの発明を代表する
実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【0021】
【実施例】図1のオーガを分解した状態の斜視図、図2
のオーガヘッドの補強構造の正面図、および図3の掘削
孔の穿孔状態の平面図に示される事例は、押撫縁付き翼
体部とオーガヘッドとの間に着脱自在構造を設け、複数
に分解可能になるようにした、この発明の基本的構成か
らなるプレボーリング工法に使用するオーガにおける代
表的な一実施例を示すものであって、当該オーガは、掘
削駆動軸部の上側部を形成する連結用ロッド1、同連結
用ロッド1の下端に着脱自在構造2を介して連結する押
撫縁付き翼体部3,3、および同押撫縁付き翼体部3,
3の下端に着脱自在構造2を介して着脱可能となるよう
にしたオーガヘッドの掘削駆動軸部4を有するものであ
る。
【0022】連結用ロッド1は、外径寸法が200mm
前後(この寸法は、杭孔の径と深さとによって変わ
る。)に設定され、押撫縁付き翼体部3,3ならびにオ
ーガヘッドの夫々よりも外径寸法が小さな円柱状に形成
され、その上端部には、図示しない杭打機のリーダに装
備したオーガモータに対して着脱可能に連結する着脱自
在構造2の一方側を形成したものとなっており、その形
状が、同心状に位置して円柱状に突出され、外周壁面に
は上下軸心に直交状となる水平円柱形の凹欠状係着部2
2の一対を平行状に形成した嵌入用突部21を設け、ま
た、同下端部には、押撫縁付き翼体部3,3を突設する
掘削駆動軸部の上端部が接続される円柱状の嵌入用穴部
23が形成され、同嵌入用穴部23を側方から貫通する
一対の平行なピン挿入孔24,24を穿孔したものと
し、更に、掘削駆動軸部の中心部分には、上下端に渡っ
て貫通するミルク注入部5を穿孔したものとなってい
る。
【0023】また、連結用ロッド1の下端に連結される
押撫縁付き翼体部3,3は、掘削駆動軸部となる円柱状
に形成された基杆部31(先の連結用ロッド1に相当す
る部分)の外周縁部の中、平断面で軸心を通る直線状配
置となる周壁面から頂点部を接線状に平面化した三角形
状、あるいは上底寸法を小さくした台形状となるよう平
板を組み合わせた一対の突部として形成し、上下方向に
渡り、同一平断面形状となる翼形状を形成したものであ
って、平面形両端部間の寸法Fを凡そ450mmに設定
したものであり、同上端中央部には、連結用ロッド1の
下端に形成された嵌入用孔部23に連結すると共に、同
連結用ロッド1のピン挿入孔24,24に対応する外周
壁面部分に、凹欠状係着部22,22を形成した円柱状
の嵌入用突部21を設ける一方、下端部には、オーガヘ
ッド4の嵌入用突部21を嵌合可能とする嵌入用孔部2
3、およびピン挿入孔24,24を形成したものとなっ
ており、当該基杆部31の上下端に渡る中心部には、前
記連結用ロッド1と同様のミルク注入部5が穿孔されて
いる。
【0024】更に、押撫縁付き翼体部3,3の下側に連
結されるオーガヘッドは、その掘削駆動軸部4の中央上
端部に、押撫縁付き翼体部3,3基杆部31の嵌入用穴
部23に嵌合し、ピン挿入孔24,24に挿入される連
結用ピン25,25に係合する凹欠状係着部22,22
を有する嵌合用突部21を突設したものとなっており、
押撫縁付き翼体部3,3の嵌入用穴部23、ピン挿入孔
24,24および当該オーガヘッド4の嵌入用突部2
1、凹欠状係着部22ならびに連結用ピン25,25に
よって着脱自在構造2を形成している。
【0025】一方、オーガヘッド掘削駆動軸部4の上下
に渡る中心部には、前記連結用ロッド1および押撫縁付
き翼体部3,3基杆部31同様に、ミルク注入部5を穿
孔し、また、同オーガヘッド掘削駆動軸部4の外周部に
は、軸心周りに螺旋状となり外径寸法Eが500mm前
後となる螺旋翼部41が上下に渡り突設されており、同
螺旋状翼部41の最も下端となる縁部には、地殻の掘削
を行う複数本の掘削用爪部42,42,……が突設さ
れ、螺旋翼部41の下側面には、図2中に示すように、
側断面の一部または全てが、螺旋翼部41を底辺とする
三角形を形成するような一組、あるいは複数組の補強板
43,43を結合して補強されたものとなっており、結
合する各部の取付け角度は、同図中の角度Aが50度、
角度Bが35度、角度Cが98度、角度Dが47度とな
るよう設定されており、更にまた、図3中に示すよう
に、オーガヘッド掘削駆動軸部4の螺旋翼部41の平面
外径寸法Eは、押撫縁付き翼体部3,3の外径寸法Fよ
りも僅かに大きく設定したものとして形成され、前記オ
ーガヘッド掘削駆動軸部4先端から押撫縁付き翼体部
3,3の基端側までの上下寸法が、10メートルの深さ
の穴を掘削する場合を想定し、凡そ5〜7メートルとな
るように設定したものとなっている。なお、オーガヘッ
ド掘削駆動軸部4の螺旋翼部41の一部外周側には、図
示しない折り畳み構造、あるいは伸縮構造を設け、翼部
41を径方向外側に向けて展開あるいは伸長可能に構成
し、拡大根固めに対応可能なものとすることもできる。
【0026】
【作用】以上のとおりの構成からなるこの発明のプレボ
ーリング工法に使用するオーガは、連結用ロッド1、押
撫縁付き翼体部3,3の基杆部31およびオーガヘッド
掘削駆動軸部4の夫々を、着脱自在構造2,2で着脱す
ることが可能であり、押撫縁付き翼体部3,3の基杆部
31上端に突設された嵌入用突部21を、杭打機のリー
ダに装備したオーガモータに連結した連結用ロッド1下
端の嵌入用穴部23に嵌入し、各ピン挿入孔24,24
に連結用ピン25,25を挿入して互いが回転しないよ
う連結し、これと同様に押撫縁付き翼体部3,3基杆部
31の下端に設けられた嵌入用穴部23に、オーガヘッ
ド4の上端に突設した嵌入用突部21を嵌入し、ピン挿
入孔24,24の夫々に、連結用ピン25,25を挿入
して回転せぬよう連結するものであり、また、夫々の着
脱自在構造2,2の連結用ピン25,25,……をピン
挿入孔24,24,……から抜き取ることにより、連結
用ロッド1、押撫縁付き翼体部3,3およびオーガヘッ
ドの夫々を分解、離脱することができる。
【0027】連結用ロッド1、押撫縁付き翼体部3,3
基杆部31およびオーガヘッド掘削駆動軸部4を、各着
脱自在構造2,2で連結して形成された一本のオーガ
は、図4の掘削工程のオーガを示す平面図、および図5
の掘削工程のオーガを示す正面図に示されるように、杭
打機のリーダに装備したオーガモータに連結され、地面
に対して略垂直状となるよう吊下げ、配置され、同リー
ダの回転駆動力を受けて、図中の矢印方向のように正回
転し、オーガヘッドの掘削用爪部42,42,……が地
面を掘削して行き、同時にミルク注入部5を通じて掘削
液もしくはセメントミルクをオーガヘッド掘削駆動軸部
4の先端側に圧送、供給し、同掘削液もしくはセメント
ミルクの噴出力も利用しながら掘削を進めていく。
【0028】掘削用爪部42,42,……で掻き崩され
た土砂や、これに混練状となった掘削液またはセメント
ミルク7は、オーガヘッドの螺旋翼部41の回転にとも
ない上昇、移動され、次第に押撫縁付き翼体部3,3側
へと移動し、同押撫縁付き翼体部3,3の位置まで上昇
していき、図4の平面図に示されるように、同一平面内
の押撫縁付き翼体部3,3の無い位置に形成される掘削
孔6内側空間部61内に溜まった状態となった土砂およ
び掘削液等7を、回転する押撫縁付き翼体部3,3の押
撫縁が掘削孔6の内壁面に擦り付け、孔壁面に押圧、塗
着状として掘削孔6の壁面に壁塗りしたような状態に形
成していくことができる。
【0029】また、当該オーガの押撫縁付き翼体部3,
3上端からオーガヘッド下端までの上下長寸法は5〜7
メートルと、穿孔する掘削孔6の深さ寸法10メートル
よりも短く設定されているので、掘削中に上昇、排出さ
れる土砂および掘削液等7が、掘削孔6内に位置する押
撫縁付き翼体部3,3の上端側に周り込み、連結ロッド
1と掘削孔6内壁との間に形成される内側空間部61中
に留められることとなる。
【0030】前記オーガを使用したプレボーリング工法
の一例を、一連の工程に従って更に具体的に示せば、図
6の掘削を開始したオーガ要部の正面図に示されるよう
に、正回転するオーガは、先端側から掘削液を放出しな
がら地面を掘削して行き、図7のオーガが掘削孔を穿孔
する状態の正面図のように、掘削した土砂および掘削液
等7をオーガヘッドが上昇、排出し、それら上昇した土
砂および掘削液等7は、押撫縁付き翼体部3,3の押撫
縁によって掘削孔6壁面に圧縮、塗り付け状とされて同
掘削孔6の内壁面を強化しながら、既成杭8を打ち込む
に充分な深さまで掘削孔6を穿孔して行く。
【0031】なお、この実施例のものでは、押撫縁付き
翼体部3,3の外径寸法Fが、オーガヘッドの外径寸法
Eよりも僅かに(片側20〜30ミリメートル程度)小
さい寸法に設定されていて、押撫縁付き翼体部3,3の
先端部と掘削孔6の壁面との間に土砂および掘削液等7
が流入し易く、より多くの土砂を強く擦り付けることが
できるようにしてあり、掘削された掘削孔6の内壁面を
より一層強固なものとなるようにした掘削を進めること
が可能になる。なお、掘削孔6内壁面に塗着することな
く空間部内に残された土砂および掘削液等7は、更に、
押撫縁付き翼体部3,3の上側まで上昇していき、連結
用ロッド1と掘削孔6壁面との間に形成された内側空間
部61内に達する。
【0032】図示にはしていないが、拡大根固めを行う
必要がある場合には、予めオーガヘッドの翼部41が径
方向外側に向けて展開あるいは伸長可能となるようにし
たものを装着、使用するようにした上、所定箇所にまで
掘削が達した段階で当該オーガヘッドの翼部41を径方
向外側に向けて展開あるいは伸長した状態で再び回転駆
動し、更に根固めする範囲の掘削を進め、所定上下範囲
に渡って拡大根固め用の掘削孔空間を形成し終えた後、
展開あるいは伸長していた翼部41を折り畳みあるいは
縮小してしまうようにする。
【0033】所望する深さまでの掘削を終えた後、ミル
ク注入部5を通じて根固め液となるセメントミルクを充
分な量注入してから、図8の正面図のように、オーガを
逆転駆動しながら引き上げていくと、逆転するオーガヘ
ッド翼部41は、押撫縁付き翼体部3,3の上方側へ上
昇させていた土砂や掘削液等7を、今度は逆にオーガヘ
ッドの下方側に圧送するような状態となってオーガ全体
に上方側への推進力として作用しながら、その外周縁
で、既に壁塗り状とした掘削孔6内周壁を削りとってし
まう虞もなく、螺旋状の溝を刻設するようにして上昇し
ていき、図9のオーガを掘削孔から抜き出す状態の正面
図に示すように、オーガを完全に掘削孔6から抜き去
り、その後、引き続いて、図10の既成杭を打ち込む状
態の正面図、および図11の既成杭の埋設を略完了した
状態の正面図に示すように、別途準備した既成杭8を掘
削孔6中に垂直を保つように埋設し、同既成杭8が根固
め液と一体となって地盤に支持される杭打ち作業を完了
する。
【0034】
【効果】以上のとおり、この発明のプレボーリング工法
によれば、掘削孔の周壁面に土砂、掘削液、セメントミ
ルク等が押撫縁付き翼体部によって所定厚に圧縮、塗着
状とされ、強化されるので、掘削作業中は勿論のこと、
掘削を終了してオーガを抜き取る際にも掘削孔の崩壊を
確実に阻止することができ、既成杭の建て込み作業を極
めて円滑に実施可能にし、全体として杭打ち工事を大幅
に効率化することができるものになると共に、一対の押
撫縁付き翼体部は螺旋翼を有せず、しかも平断面直線状
配置に規制して形成され、オーガヘッドによって先掘さ
れる杭孔断面に占める割合が少なくなることから、掘削
中にオーガヘッドの回転で押し上げられてくる土砂、掘
削液およびセメントミルク等は、掘削孔中に留まり、掘
削孔地上部周囲に溢れ出すことを殆ど防止できるものに
なり、その割合は、従前からの平断面四角形状のオーガ
使用の場合に比較しても、遥かに少ないものに抑えるこ
とができ、その結果、基礎工事中の足場の軟弱化を確実
に阻止し、杭打機や工事車両の移動、作業者の歩行等に
支障がなくなり、作業の効率化と高い安全とを確保する
ことができる上、何よりも、杭打ち作業現場周辺に対す
る騒音公害およびヘドロ公害対策上においても極めて有
利なものとなって、市街地ならびにその周辺における杭
打ち工法として最適なものになるという秀れた特徴を発
揮するものである。
【0035】しかも、この発明のプレーボーリング工法
に使用するオーガによれば、汎用型の従前からの杭打機
を殆どそのまま使用可能になると共に、その操作性につ
いても、従前からのスパイラルオーガ等と略同様にして
行うことにより、掘削した土砂、掘削液、セメントミル
ク等の掘削孔からの溢れ出しを極力防止し、掘削孔周壁
面の強化が可能になる上、押撫縁付き翼体部と掘削孔壁
面との間に上下方向に連通する大きな空間部が形成され
ていてオーガ下方側の杭孔を密閉状としてオーガ引き抜
きに支障を来す状態に陥ることが全くなく、逆転操作す
ることによって円滑な抜き去りができるものとなること
から、正確で安定した基礎工事を実現可能にするという
秀れた特徴も得られることになる。
【0036】また、掘削中に所定深さまで達した段階
に、予め折り畳まれるか、あるいは縮小されていたオー
ガヘッドの翼部を展開あるいは伸長させて掘削を継続す
るようにしたものでは、掘削孔径を拡大し、セメントミ
ルクを注入して拡大根固めし、オーガを抜き去る際に、
オーガヘッドの翼部を再度折り畳むか、あるいは縮小す
るものとすれば、拡大根固めする基礎工事の際にも、前
述のように安全で効率的な施工を行うことができるもの
とすることができる。
【0037】特に、実施例に説明したオーガは、上記ま
での特徴に加え、一対の押撫縁付き翼体部3,3の押撫
縁間の外径寸法Fが、オーガヘッドの外径寸法Eよりも
小さい寸法に設定したものとしてあって、押撫縁付き翼
体部3,3の先端部と掘削孔6の壁面との間に土砂およ
び掘削液等7が流入し易く、確実に土砂を擦り付け、杭
孔周壁面の強化により有利な構造のものに形成されると
共に、形成すべき杭孔深さに対して1/2〜2/3程度
の上下長寸法の押撫縁付き翼体部3,3を採用するよう
にしていて、オーガヘッドの回転で押し上げられる土
砂、掘削液、セメントミルク等7を、押撫縁付き翼体部
3,3の上側に周り込み易くなるようにし、その殆どを
掘削孔6内の内側空間部61に留められるようにしてあ
ることから、掘削孔6から溢れ出す土砂や掘削液等7の
量を、従前までのアースオーガや穿孔機に比較して凡そ
1/10程度に抑えることができるという有利な効果が
得られるものとなっている。
【0038】叙述の如く、この発明のプレボーリング工
法、およびそれに使用するオーガは、その新規な構成に
よって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、し
かも押撫縁付き翼体部の形状、構造が簡素であって製造
も容易で、全長に渡って螺旋翼形状を有する従前から汎
用のアースオーガに比較しても遥かに経済的なものとす
ることができる上、取扱い操作性についても着脱自在構
造を取り入れ、搬送や保管に有利なものとなって、基礎
工事の作業効率を大幅に高めることができるものになる
ことから、費用の削減と工期の短縮とを確実に達成可能
にすると同時に、低振動および低騒音、ヘドロ対策等の
面でも十分な効果が期待できものであって、厳しい経済
情勢から、より一層のコスト削減と作業の効率化、安全
性とが要求される建設業界業界において高く評価され、
広範に渡って利用、普及していくものと予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明のプレボーリング工法、およびそれに
使用するオーガの技術的思想を具現化した代表的な実施
例を示すものである。
【図1】オーガの分解状態を示す斜視図である。
【図2】オーガヘッドの翼構造を示す正面図である。
【図3】掘削状態の押撫縁付き翼体部を示す平面図であ
る。
【図4】押撫縁付き翼体部が土砂を壁面に塗着する状態
を示す平面図である。
【図5】掘削中のオーガを示す正面図である。
【図6】掘削を開始したオーガの要部を示す正面図であ
る。
【図7】掘削した土砂や掘削液等を上昇させるオーガを
示す正面図である。
【図8】逆転駆動するオーガを示す正面図である。
【図9】掘削孔から抜き去るオーガを示す正面図であ
る。
【図10】掘削孔に既成杭を埋設する状態を示す正面図
である。
【図11】埋設した既成杭を示す正面図である。
【符号の説明】
1 連結用ロッド 2 着脱自在構造 21 同 嵌入用突部 22 同 凹欠状係着部 23 同 嵌入用穴部 24 同 ピン挿入孔 25 同 連結用ピン 3 押撫縁付き翼体部 31 同 基杆部 4 オーガヘッド掘削駆動軸部 41 同 螺旋翼部 42 同 掘削用爪部 5 ミルク注入部 6 掘削孔 61 同 内側空間部 7 土砂、掘削液、セメントミルク等 8 既成杭

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミルク注入部を兼用する掘削駆動軸部の
    先端外側にオーガヘッドが装着されると共に、それより
    上方外側所定範囲に渡り、一対の押撫縁付き翼体部が平
    断面で軸心を通る直線状配置となるようにして突設、一
    体化されてなるオーガを、正回転駆動しながら先端オー
    ガヘッドで掘削、穿孔すると共に、該オーガヘッドによ
    って上昇、排除される土砂および掘削液等を、オーガヘ
    ッドと共に同心状に回転する翼体部の各押撫縁で、先行
    形成されていく掘削孔壁面に擦り付けて孔壁面に圧縮、
    塗着状としながら、目的深さまで掘削した後、ミルク注
    入部を通じて孔底に充分な量の根固め液を注入し、続い
    て、オーガを逆回転駆動しながら上昇させて掘削孔中か
    ら抜き去り、別途準備された既成杭を掘削孔中に埋設す
    るようにしたことを特徴とするプレボーリング工法。
  2. 【請求項2】 ミルク注入部を兼用する掘削駆動軸部の
    先端外側にオーガヘッドが装着されると共に、それより
    上方外側で、掘削する孔深さの1/2〜2/3程度の長
    さ範囲に渡り、一対の押撫縁付き翼体部が平断面で軸心
    を通る直線状配置となるようにして突設、一体化されて
    なるオーガを、正回転駆動しながら先端オーガヘッドで
    掘削、穿孔すると共に、該オーガヘッドによって上昇、
    排除される土砂および掘削液等を、オーガヘッドと共に
    同心状に回転する翼体部の各押撫縁で、先行形成されて
    いく掘削孔壁面に擦り付けて孔壁面に圧縮、塗着状とす
    る一方、それ以外の更に上方に上昇、排除される土砂お
    よび掘削液等については、翼体部上端よりも上方に確保
    されていく充分な容積の掘削孔内に留められ、掘削孔か
    ら溢れ出してしまうことがないようにしながら、目的深
    さまで掘削した後、ミルク注入部を通じて孔底に充分な
    量の根固め液を注入し、続いて、オーガを逆回転駆動し
    ながら上昇させて掘削孔中から抜き去り、別途準備され
    た既成杭を掘削孔中に埋設するようにしたことを特徴と
    するプレボーリング工法。
  3. 【請求項3】 掘削中に所定深さまで達した段階に、予
    め折り畳まれるか、あるいは縮小されていたオーガヘッ
    ドの翼部を展開あるいは伸長させて正回転駆動掘削を継
    続し、それまで掘削してきた掘削孔径を拡大した掘削を
    しながら、目的深さまで掘削し、ミルク注入して拡大根
    固めし、オーガを逆回転駆動しながら上昇させて掘削孔
    中から抜き去る前の段階には、オーガヘッドの翼部を再
    度折り畳むか、あるいは縮小するかするようにした、請
    求項1または2何れか記載のプレボーリング工法。
  4. 【請求項4】 一対の翼体部における各押撫縁間の寸法
    が、オーガヘッドによって上昇、排除されてくる土砂お
    よび掘削液等の掘削孔壁面への所望塗着厚に応じた分だ
    け、オーガヘッドの径よりも小さく設定され、孔壁への
    土砂および掘削液等の圧縮、塗着を促進しながら掘削す
    るようにした、請求項1ないし3何れか記載のプレボー
    リング工法。
  5. 【請求項5】 ミルク注入部を兼用する掘削駆動軸部の
    先端外側に、回転軸芯を中心とする螺旋状翼部、または
    複数枚に分断され、螺旋状配置とした翼部、あるいは、
    掘削方向に略直交状となり、掘削面に鉤状爪部を有する
    円盤状翼部、または同一平面内に属し、複数枚に分断さ
    れ、掘削面に鉤状爪部を有する板状翼部等からなるオー
    ガヘッドを装着すると共に、それより上方外側所定範囲
    に渡り、夫々の平断面形状が、掘削する孔断面の内径に
    略達する長径をもつ楕円形状、長円形状、または対角線
    の中の長尺な一方を、同孔断面の内径に達するようにし
    た菱形状、あるいは、頂角に丸みを付けた略三角形や台
    形、将棋形等の多角形状等とした一対の押撫縁付き翼体
    部を、平断面で軸心を通る直線状配置となるようにして
    突設、一体化してなるものとした、請求項1ないし4何
    れか記載のプレボーリグ工法に使用するオーガ。
  6. 【請求項6】 ミルク注入部を兼用する掘削駆動軸部の
    外側所定箇所に装着または一体化されてなるオーガヘッ
    ドと一対の押撫縁付き翼体部とが、夫々対応する掘削駆
    動軸部分におけるオーガヘッド側は上端と、同押撫縁付
    き翼体部側は下端とにおいて着脱自在構造で連結されて
    なるものとした、請求項5記載のオーガ。
  7. 【請求項7】 ミルク注入部を兼用する掘削駆動軸部の
    外側所定箇所に一体化されてなる一対の押撫縁付き翼体
    部が、その上下方向長さ寸法を、掘削する孔深さの1/
    2〜2/3程度のものに規制して設定されてなるものと
    し、一対の押撫縁付き翼体部よりも上方となる掘削駆動
    軸部周りの掘削孔内に、オーガヘッドによって上昇、排
    除される土砂および掘削液等を一時的に収容したままと
    することが可能となるようにした、請求項5または6何
    れか記載のオーガ。
  8. 【請求項8】 一対の翼体部における各押撫縁間の寸法
    が、オーガヘッドによって上昇、排除されてくる土砂お
    よび掘削液等の掘削孔壁面への所望塗着厚に応じた分だ
    け、オーガヘッドの径よりも小さく設定されてなるもの
    とした、請求項5ないし7何れか記載のオーガ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019183513A (ja) * 2018-04-11 2019-10-24 征司 池永 無排土オーガ掘削工具
CN111910632A (zh) * 2020-08-30 2020-11-10 陕西建工第一建设集团有限公司 一种静压沉管挤密桩边桩施工方法

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