JP2001025833A - プレス機の材料送り装置及びリリース制御方法 - Google Patents

プレス機の材料送り装置及びリリース制御方法

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JP2001025833A
JP2001025833A JP11343972A JP34397299A JP2001025833A JP 2001025833 A JP2001025833 A JP 2001025833A JP 11343972 A JP11343972 A JP 11343972A JP 34397299 A JP34397299 A JP 34397299A JP 2001025833 A JP2001025833 A JP 2001025833A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速なプレス機に追従してリリーシング動作
を行い、移動側ロールにより帯状材料及び固定用ロール
に激突し材料と装置に損傷を与えないプレス機の材料送
り装置を提供する。 【解決手段】 固定側ロール10に移動側ロール20
を押圧し、その両ロール間に挟持する材料を両ロール1
0,20の回転によりプレス機に供給し、プレス機のパ
イロットピンが材料に穿設された位置決め孔に突入する
とき移動側ロール20の可動片54を磁力により引き寄
せて移動側ロール20を材料から離反させる開放用電磁
石50を備える。開放用電磁石50に対向して閉鎖用電
磁石40を取り付け、閉鎖用電磁石40の磁力で移動側
ロール20の可動片54を引き寄せて移動側ロール20
で材料を挟持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1又は複数の作業
工程を経て自動的に製品を製造するための自動製造機に
組み込んで使用され、一対のロール間に又はクランプ部
材のグリッパに板材を挟持してその板材を一つの作業工
程から他の作業工程へ自動的に移送する送り装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プレス機などの次の工程を実行す
る作業装置へ板材などの材料を間欠的に供給する材料送
り装置は、帯状材料を掴んだ移動式クランプが固定側ク
ランプに受け渡しを繰り返すグリッパ式材料送り装置
や、図19に示すように固定側ロール10に移動側ロー
ル20を付勢し近接させる加圧部材と、プレス機のパイ
ロットピンが材料に穿設された位置決め孔に突入すると
き加圧部材の付勢力に抗して移動側ロール20を固定側
ロール10の材料から離反させるリリース駆動装置とを
備え、その隙間に材料30を挟持しロール10,20の
回転でプレス機に間欠的に供給するロール式材料送り装
置があった。特に、ロール式材料送り装置の移動側ロー
ル20を材料の移送方向に対し直交する方向へ離反させ
るために、一端を支点に揺動自在に設けたアーム21の
他端に、移動側ロール20とスプリング81とを取り付
けている。そのようなリリーシング駆動装置としては、
スプリングなどの加圧部材に対して前後の作業装置に同
調して移送できるように正確なタイミングの制御が必要
であり、遅いリリーシング速度ではエアーシリンダー式
が利用されていた。圧力伝達部材が空気であるために保
守管理が容易なうえ、排気を急速にできないため緩衝器
の働きを兼用することができた。また、エアーシリンダ
ー式では動作遅れが出るため速いリリーシング速度を必
要とする場合は、カム式が利用されている。特に、前後
の作業装置、例えばプレス機械の動力系統と直接に連結
することにより、作業装置と簡単に同調を図ることがで
きた。このようなカム式の材料送り装置では、1種類の
カムでは1種類の同調タイミングを設定することしかで
きないため、材料の厚みの誤差やカム等の摩耗及び熱変
位での微調整は熟練な作業者が必要になり、高速回転で
はカムの形状でタイミングを図ることが困難になり、摩
耗により耐久性も劣化があった。
【0003】更に、ロール式材料送り装置のリリーシン
グ駆動装置を、図20に示すように瞬時に磁力を出すこ
とができるソレノイド式にすることにより、高速プレス
機に追従することが可能になると思われる。また、電子
制御のためリリース時期などのタイミングを数値で設定
が行なえ、運転中にもその変更ができるので能率が上が
り、ソレノイド式部材の構造は簡単で制作作業が容易で
コストダウンもできる。このような材料送り装置とし
て、実公平4−48535号公報に記載するようなリリ
ーシング駆動装置がある。図21は図20に示した材料
送り装置の右側面図を示す。両ロールの両端は軸受けに
より回動自在に支持され、移動側ロールのリリース時
に、スプリング力より大きい吸引力を発生させ、付勢さ
れている移動側ロールの可動部を上方へ引き戻す。次
に、引き離された可動片は一定の吸引力に引かれなが
ら、ソレノイドに近づくと一層電磁力に引かれて加速し
ていき、ストローク終端に設けたストッパーで停止す
る。そして、スプリングに抗して可動部が戻らないよう
に保持電流を流している間にプレス作業を行なう。最後
に、プレス作業を終えると保持電流は停止されてソレノ
イドの磁力が消滅し、移動側ロールはスプリングにより
引き戻されてリリース動作が終了する。このようなリリ
ーシング動作は、プレスのクランク角度で60度以内で
行われる事が多く、リリーシング動作のみではプレス回
転数の6倍以上の回数で揺動が行われ、毎分1000回
転のプレス機ではリリーシングの開放から閉鎖まで10
ミリ秒の短時間で行われる。
【0004】次に、図20及び図21に示すようなロー
ル式材料送り装置の制御方法を説明する。図22は、時
間経過を横軸として、電磁石への電流量、移動側ロール
の移動速度及び移動側ロールの固定側ロールに接触する
閉鎖位置から開放位置までの移動位置を、縦軸にそれぞ
れ表示した説明図である。なお、電磁石への電流量は縦
軸の上向きが開放用電磁石への電流、下向きが閉鎖用電
磁石への電流であって、開放用電磁石への電流が逆向き
に流れる訳ではない。リリースが始まる時点(時間T
1)では開放用電磁石に電流が流れ、電磁石の吸引力
は、スプリングの弾性力が例えば200Kgであればそ
の弾性力より大きい220Kgに移動側ロール自体の重
量を加えた240Kgで引き始められる。この結果、引
き始めはゆっくり動かされた移動側ロールは終端に近づ
くにつれ吸引力が急速に強くなって加速がついていき、
開放位置に到達した時点(時間T2)では最大速度でス
トッパーに衝突して停止する。これにより挟持されてい
た帯状材料は厚み以上に上がればリリースされ、位置合
わせが行われる。プレス工程の間はその状態を保持する
ために電磁石には磁着力を解消しない一定の電流量が流
れており(時間T3)そのまま保持されている。そし
て、プレス工程が終了すると、電磁石への電流の供給が
止まり(時間T4)スプリングにより急激に閉鎖位置ま
で移動側ロールが引き戻され(時間T5)帯状材料を挟
持してリリース状態が解消され、両ロールが回動し帯状
材料が1ピッチ分送られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば300
kgのスプリングに対してそれ以上の吸引力を有する電
磁石はインダクタンスが大きく、スプリング圧以上に磁
力が強くなるには時間がかかり、リリーシング動作の開
放動作が遅れるだけでなく、閉鎖動作のために電流を切
っても磁力が弱まるのに時間がかかり閉鎖動作が遅れ早
いプレス機に追従できなかった。また、磁力は距離の二
乗に反比例する性質があり、リリース初期にスプリング
圧以上に昇磁した磁力でリリーシング動作が始まり、開
放動作のストローク終端に近づくに従い倍以上の強大な
力で加速され、終端のストッパーに激突する。そして、
閉鎖動作では、例えば300kg以上のスプリング圧
で、移動側ロールが加速されて帯状材料及び固定用ロー
ルに激突し、材料と装置に損傷を与えることがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題を解決するものであり、本発明の請求項1に係るプレ
ス機の材料送り装置は、固定側ロールに移動側ロールを
押圧し、そのロール間に挟持する材料をロールの回転に
よりプレス機に供給し、プレス機のパイロットピンが材
料に穿設された位置決め孔に突入するとき移動側ロール
の可動片を磁力により引き寄せて移動側ロールを材料か
ら離反させる開放用電磁石を備える材料送り装置におい
て、前記開放用電磁石に対向して閉鎖用電磁石を取り付
け、前記閉鎖用電磁石の磁力で前記移動側ロールの可動
片を引き寄せて前記移動側ロールで材料を挟持すること
を特徴とするプレス機の材料送り装置である。これによ
り、従来のスプリングによる大きな衝撃力を減少し、帯
状材料や装置への損傷を防止できるとともに、開放動作
させる駆動力は移動側ロールの質量より若干大きく設定
することで、加圧スプリングを使用した場合より一桁以
上の短い時間で動作を始め、駆動力となる磁力を小さく
したので電流を切れば短時間で磁力は弱まりリリーシン
グ動作の開閉とも早い動作が得られ、毎分1200回転
のプレス機に連動させることができる。ここで、「対向
して」とは、開放用電磁石の磁力方向と平行であって反
対方向となる磁力方向を保持する意味である。なお、開
放用電磁石及び閉鎖用電磁石から直列に通電される補助
的コイルを、対となる閉鎖用電磁石及び開放用電磁石に
追加して取り付けることで、通電切換時の残留磁気を相
殺してリリーシング動作を円滑に行うことができる。同
様に、開放用電磁石及び閉鎖用電磁石のそれぞれに、磁
力発生時には必要磁力の電流量に対し数倍の大きさにな
る通電をし、磁力消滅時には逆向きの電流を予め記憶さ
せていた消磁できる程度の大きさで通電させることで、
通電切換時の残留磁気を相殺してリリーシング動作を円
滑に行うことができる。また、請求項2に係る発明は、
前記開放用電磁石の可動片に、前記開放用電磁石が吸着
する面に対となる面に閉鎖用電磁石を吸着させるプレス
機の材料送り装置である。これにより、可動部を共有し
て軽量化させたことにより衝突する時の衝撃力が小さく
なり早いリリーシングが可能となった。また、請求項3
に係る発明は、前記電磁石のコイルを、可動片に対し直
交するように分離して可動板に近接して取り付けた請求
項1又は2記載のプレス機の材料送り装置である。これ
により、可動部への電磁石の磁力が大きくなり、電磁石
を軽量化できるのでリリーシング動作を高速化できる。
【0007】更に、請求項4に係る発明は、前記移動側
ロール及び固定側ロールに、それぞれ中間プーリを介し
てタイミングベルトにより駆動力を伝達するとともに、
該移動側ロールの中間プーリを、移動側ロールの中心と
揺動支点とを結ぶ線上であって揺動支点側に近い位置に
設けたプレス機の材料送り装置が望ましい。これによ
り、移動側ロール及び固定側ロールが帯状材料を挟持し
て中間プーリとの距離に変化があってもタイミングベル
トの張力調整ができるので、厚みの異なる帯状材料であ
っても簡単な調整で材料送り装置が利用できる。また、
請求項5に係る発明は、前記移動側ロールに、歯車を介
して駆動力が伝達される場合、帯状材料を挟持して歯車
のバックラッシュによる自由回転を抑止する停止部材を
設けたプレス機の材料送り装置が望ましい。
【0008】次に、請求項6に係る発明は、請求項1、
2又は3記載のプレス機の材料送り装置において、閉鎖
位置の移動用ロールを開放用電磁石により引き上げ、移
動用ロールが帯状材料から離れた時点で、開放用電磁石
から閉鎖用電磁石に通電を切り換えるリリース制御方法
である。これにより、なお一層衝撃が少なく早いリリー
シングが行えるようになった、
【0009】そして、請求項7に係る発明は、請求項
1、2又は3記載の電磁石の鉄心及び可動片は、ネジ穴
を穿設されボルトで固定されるとともに、表層に溝が磁
束方向に沿って設けられ渦電流を流し難くし発熱を抑制
したプレス機の材料送り装置である。これにより、ネジ
止めされる構造体であっても、磁束方向の切り替えによ
り発熱を伴う渦電流の通路を長くしたことで抵抗値を大
きくして電流量を減少させて発熱量を小さくできる。ま
た、請求項8に係る発明は、請求項1、2又は3記載の
電磁石の鉄心及び可動片は、薄板を磁束方向に沿って接
面させた積層体であって、ボルトで螺合されるネジ穴を
穿設した面で溶接固着した請求項1、2又は3記載のプ
レス機の材料送り装置である。これにより、従来ステー
等で取り付けていた積層板から取り付け部品を無くし、
積層板を構造体として使用できるので、電磁石の取り付
け部品数が減少し、且つ小型化ができる。請求項9に係
る発明、請求項1、2又は3記載の開放用電磁石を、基
枠に設けたリリーシング距離設定目盛り部材に従い、帯
状材料からの距離を調整できるプレス機の材料送り装置
である。これにより、目盛り部材は、ウォームギヤで回
動するダイヤル式であってそのダイヤルで進退されるブ
ラケットに開放用電磁石を連結させるものや、スライド
式でそのスライド量に応じるリンク部材に開放用電磁石
を連結させるものがある。そして、請求項10に係る発
明は、請求項1、2又は3記載の高速なリリーシング動
作が可能な閉鎖用電磁石及び開放用電磁石並びに移動用
ロールを、薄板状連結部材を介して基枠に固着するとと
もに、取り付け用ベースにゴム脚を介して載置した基枠
を、その基枠の内側に取り付け用ベースから突設した突
設部材に基枠連結部材を介して固着したことにより、水
平方向へ固定し上下方向への揺動を許容したプレス機の
材料送り装置である。これにより、高速なリリーシング
動作に必要な若干の上下動だけを許容し、従来のような
構造的に複雑なギブ案内や軸受けを用いる事無く安価に
材料送り装置を提供できる。
【0010】本発明の請求項11に係るプレス機の材料
送り装置は、移動側クランプを帯状材料の送り方向へ往
復動可能に設け、その移動側クランプに帯状材料を保持
面に押圧して挟持する保持部材を設け、該保持部材によ
り挟持した帯状材料を、その保持部材の送り移動により
プレス機に供給し、プレス機のパイロットピンが材料に
穿設された位置決め孔に突入するとき、該保持部材を引
き上げ該材料を開放する材料送り装置において、該保持
部材を保持面に押圧させる閉鎖用電磁石と、該保持部材
を保持面から引き上げる開放用電磁石とを備えたプレス
機の電動式材料送り装置である。これにより、従来のバ
ネ付勢力による大きな衝撃力を減少し、帯状材料や装置
への損傷を防止できるとともに、開閉動作させる駆動力
は保持部材の質量より若干大きく設定することで、スプ
リングを使用した場合より一桁以上の短い時間で動作を
始め、駆動力となる磁力を小さくしたので電流を切れば
短時間で磁力は弱まりリリーシング動作の開閉とも早い
動作が得られ、毎分1200回転のプレス機に連動させ
ることができる。
【0011】また、このような高速プレス機に対応した
グリップ式の材料送り装置における装置部材の摩耗を防
ぐ手段について説明する。なお、駆動部材は、タイミン
グベルト式に限るものではなく、ラックピニオン式、リ
ニアモータ式、ボールねじ式、クランク式など直線駆動
できる装置を対象とする。本発明の請求項12に係るプ
レス機の材料送り装置は、移動側クランプが帯状材料を
掴む送り開始位置又はピッチ分の帯状材料の掴まれる位
置を規則的に変更させるものである。つまり、制御装置
が送り開始位置、ピッチ分の帯状材料の掴まれる位置並
びに変異する量、変異させる範囲及び変異させる頻度
を、均等な摩耗量になるように演算し、その演算結果に
基づいて移動側クランプの送り開始位置又はピッチ分の
帯状材料の掴まれる位置を制御することにより、移動側
クランプの駆動部材の使用範囲を広げて局所的な摩耗を
防止するものである。
【0012】また、請求項13に係る発明は、リニアモ
ータ式駆動部材の移動側クランプに、正確性よりは耐久
性に優れる移動位置の検知機を取り付けるとともに、正
確な移動位置との差異を誤差テーブルとして予め記録し
ておき、該検知機の検出位置を該誤差テーブルの差異で
補正するプレス機の材料送り装置である。これにより、
高速プレス機に対応して検知器の耐久性を他の部材と同
様に向上させることができる。
【0013】次に、他の、高速プレス機に対応したグリ
ップ式の材料送り装置における装置部材の摩耗を防ぐ手
段について説明する。本発明の請求項14に係るプレス
機の材料送り装置は、移動側クランプを、帯状材料の送
り方向へ往復動させる駆動部材に対し取り外し自在に設
け、移動側クランプの初期位置で該駆動部材から解除
し、該駆動部材を変異させて取り付けることにより該駆
動部材の取付位置を変異させるものである。詳しくは、
制御装置が送り移動側クランプの初期位置、総往復動量
(距離)並びに変異する量、変異させる範囲及び変異さ
せる頻度を、均等な摩耗量になるように演算し、その演
算結果に基づいて移動側クランプの初期位置、及び解除
時の駆動部材の空転量を制御することにより、移動側ク
ランプの駆動部材の使用範囲を広げて局所的な摩耗を防
止するものである。
【0014】次に、このような高速プレス機に対応した
電動式の材料送り装置における制御手段について説明す
る。第1は、材料送り装置への設定入力間違いを回避す
る手段である。本発明の請求項15に係るプレス機の材
料送り装置は、プレス機のクランク軸の回転を検出する
検知器を備える材料送り装置において、予め材料の送り
長さ、送り加速度、送り行程の所望する開始角度、終了
角度を入力しておく記憶部を制御装置に備え、プレス機
が0度から始動した直後より、検出器で得た回転信号と
制御装置から演算した追従回転速度と逐次比較して、送
り装置の追従速度よりプレス機の測定した速度が越えて
追従できないと判定を行うとプレス機を非常停止させる
制御部を備えることを特徴とする材料送り装置である。
なお、プレス機のクランク軸の回転を検出する検知器に
は、プレス機のクランク軸自体を検知するロータリーエ
ンコーダーや、クランク軸ののクラッチで連結されるフ
ライフォイルの回転を検出する近接スイッチや、リミッ
トスイッチなどがある。
【0015】第2に、高速プレス機から出力される同期
信号の異常を判定する手段である。本発明の請求項16
に係るプレス機の材料送り装置は、プレス機のクランク
軸の回転を検出する検知器を備える材料送り装置におい
て、検出時期の異なる2つ以上の検出信号の単位時間ご
との頻出順位を比較して、その順位が異なったと判定を
行うとプレス機を非常停止させる制御部を備えることを
特徴とするリリース制御方法である。
【0016】また、第3は、第2の手段が2種類以上の
検知信号を利用するのに対し、1つの検知信号とタイマ
ーを併用する手段であって、本発明の請求項17に係る
プレス機の材料送り装置は、プレス機のクランク軸の回
転を検出する検知器を備え、初回の検知信号の継続時間
を、タイマーの持続時間に設定できる材料送り装置にお
いて、2回以降の検出信号の継続時間をタイマーの持続
時間と比較して、2回以降の検出信号の継続時間が、タ
イマーの持続時間の所定範囲を超えたと判定を行うとプ
レス機を非常停止させる制御部を備えることを特徴とす
る材料送り装置である。また、プレス機から出力される
同期信号の状態は、プレス機に表示されておらず、タイ
ミングの設定の確認及び故障の確認に手間取り、また周
辺機器の異常と誤認するなどで復旧作業が遅れることが
ある。そこで、請求項18に係る発明は、請求項15,
16又は17記載の検知器は、送り装置の操作盤に取り
付けたモニターランプに接続され、プレス機が出力する
同期信号の有無を作業者に通知するプレス機の材料送り
装置である。これにより、作業者が目にする操作盤に表
示がされるので、タイミングの設定ミスや故障を素早く
確認ができ早い復旧処理ができる。更に、高速回転の振
動に対する検知器の耐震性を高めるために、請求項19
に係る発明は、請求項15,16又は17記載の検知器
を、プレス機のクラッチ及びフライホイールを備えたク
ランク軸に取り付けたベルトの回動軸と他のベルトで連
結するとともに、前記検知器を、ゴム足を介して固定し
たプレス機の材料送り装置である。これにより、プレス
機のクランク軸と同じ強さでベルトが張設されないから
耐荷重が小さい検知機でも破損することもなく、ゴム足
により振動も吸収され耐震性が向上できた。
【0017】更に、グリップ式材料送り装置の直線移動
体に好適な駆動モーターとして、請求項20に記載のよ
うに、グリップ式材料送り装置の直線移動体に、移動側
クランプを帯状材料の送り方向へ往復動可能とするモー
ターを備え、その固定子又は可動子若しくは回転子の一
方に磁極が交互に切り替わるように永久磁石を配列し、
その他方に該磁極に対向して励磁する巻線を巻装した突
極を突設する鉄芯を備え、固定子に対し可動子又は回転
子が該永久磁石の配列方向へ往復動又は回転するモータ
ーを備えるプレス機の材料送り装置であって、該鉄芯を
該永久磁石の配列方向へ、移動方向若しくは回転方向へ
又はその横方向へ3列に配設し、それぞれに3相ベクト
ル制御される該巻線を巻装し出力変動を無くすためのス
キューを設けたモータを備えるプレス機の材料送り装置
である。これにより、モーターの出力を上げ、装置の小
型化、位置合わせの精度維持が長期間できるようになっ
た。なお、永久磁石と対向する突歯は、トルク変動を低
減するためにピッチを合わせる範囲でどちらにスキュー
を設けてもよい。特に、請求項21は移動側クランプを
帯状材料の送り方向へ往復動可能とするリニアモーター
について限定したプレス機の材料送り装置である。そし
て、請求項22に係る発明のように、 前記突歯の片側
を、前記巻線を巻装した前記突極に取り付けるととも
に、前記突歯に取り付けた突極間に、極性を反対とする
補助突極を突極間の1/2ピッチとなる間隔で往復動方
向へ交互になるように配列するとともに、該補助突極に
他の突歯の他方側を取り付け、突極及び補助突極の突歯
を並設したプレス機の材料送り装置が好適である。一
方、回転式モーターについても同様であり、構成を詳述
すると、その固定子又は回転子の一方に磁極が交互に切
り替わるように永久磁石を配列し、その他方に該磁極に
対向して励磁する巻線を巻装した突極を突設する鉄芯を
備え、固定子に対し回転子が該永久磁石の配列方向へ回
転する回転式モーターを備えるプレス機の材料送り装置
であって、該鉄芯を該永久磁石の配列方向へ3列に配設
し、それぞれに3相ベクトル制御される該巻線を巻装す
る回転式モータを備えるプレス機の材料送り装置とな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係るプレス機の材料送り
装置の実施形態を図面により説明する。図1は図20と
同一方向から見た装置の正面図であり、図2は図1の右
側面図に相当する。10は基枠に固定された固定側ロー
ルであってその両端は軸受け11により回転可能に取り
付けられている。20は、基端を軸支され上下方向へ揺
動できるアーム21の先端に固定された移動側ロールで
あってその両端は軸受け22により回動可能に取り付け
られ、固定側ロール10とともに回転駆動装置から与え
られた回転力により、二点鎖線で示す帯状材料30を挟
持して両ロール10,20は次工程のプレス機へ間欠的
に送り出していく。40は、帯状材料30を挟持するた
めに固定側ロール10に移動側ロール20を押圧する閉
鎖用電磁石であって基枠に固定されている。その閉鎖用
電磁石40は、U字状の鉄芯41の中央にコイル42が
巻かれ、鉄芯41の両端には非磁性体である緩衝板43
が装着されている。アーム21の突端から延設された延
長部材21aには、閉鎖用電磁石40に緩衝板43を介
して磁着される可動板44が固着されている。それに対
し、50は、プレス機のリリース時に帯状材料30を開
放するために固定側ロール10から移動側ロール20を
引き離す開放用電磁石であって基枠に固定され、U字状
の鉄芯51の中央にコイル52を巻きつけ、鉄芯51の
下端には緩衝板53を介して可動板54が吸着されてい
る。そして、開放用電磁石50に磁着される可動板54
は、移動側ロール20を取り付けているアーム21に固
定されている。このように、閉鎖用電磁石40及び開放
用電磁石50は、回動するアーム21の移動側ロール2
0の軌跡上にあって、移動側ロール20を挟んで対向す
るように配置され、可動板44,54も移動側ロール2
0を挟んで対向するようにアーム21に固定されてい
る。
【0019】なお、閉鎖用電磁石40及び開放用電磁石
50で通電を切り換えても残留磁気のためにアーム21
の揺動が遅れることがあるので、開放用電磁石50のコ
イル端部をその向きのまま、閉鎖用電磁石40のコイル
の外周に巻き付け開放用電磁石50の補助的コイルを取
り付けることで、開放用電磁石50に通電すると閉鎖用
電磁石40に反対方向に巻き付けた補助的コイルにより
発生する磁束により、閉鎖用電磁石40の残留磁気が相
殺されて可動板の動き出しが早くなるとともに、引き出
す力も小さくて済むので終端への衝突速度も小さく衝撃
も緩和される。特に、閉鎖用電磁石40の方が残留磁気
が多くなるが、開放用電磁石50に閉鎖用電磁石40の
補助的コイルを取り付け、開放用電磁石50の残留磁気
を減少させることもできる。また、補助的コイルの巻き
付け方は、外周に巻き付けるだけでなく、混在させたり
内側に巻き付けておいたりできる。更に、補助コイルを
取り付けるだけでなく、開放用電磁石50のコイル及び
閉鎖用電磁石40のコイルに残留磁気がある僅かな時間
に、コイルに流していた電流と反対向きに瞬間的に流す
ことにより、残留磁気を相殺して可動板の動き出しを早
くすることができる。
【0020】以上のプレス機の材料送り装置の作用につ
いて説明する。帯状材料30が両ロール10,20によ
って1ピッチ送り終わると、閉鎖用電磁石40の通電を
止め磁力を減少させ、通電を始めた開放用電磁石50の
磁力が高まり、引き付けられた可動板54を固定したア
ーム21が移動側ロール20を固定側ロール10から引
き離す方向へ揺動される。こうして開放された帯状材料
30のピッチ穴にパイロットピンが挿入され位置決めが
された状態でプレス工程が実施される。次に、閉鎖用電
磁石40に通電が再開され磁力が高まり、通電されない
開放用電磁石50の磁力が弱まり、閉鎖用電磁石40に
引き付けられた可動板44を固定したアーム21が移動
側ロール20を固定側ロール10に押圧する方向へ揺動
して引き戻されて両ロール10,20で回動され、こう
して次のピッチ分の帯状材料30がプレス機に送り出さ
れていく。
【0021】図3は、本発明に係るプレス機の材料送り
装置について別の実施形態を説明する。上記図1及び図
2に示す実施形態では、移動側ロール20が揺動する上
下方向にそれぞれ可動板44,54を設けているが、図
3に示す実施形態では、可動板54の両側を支持するア
ーム21の延長部材23,23をその上方向へ延長する
とともに、延長して可動板54と移動側ロール20との
間に形成された隙間に、基枠に固定する開放用電磁石5
0を配置し、可動板54を開放用電磁石50だけでなく
閉鎖用電磁石40にも吸着させて共有化させることで、
可動板54が取り付けられているアーム21の質量を小
さくして揺動する駆動力を付与する電磁石を小型化させ
ることができ、衝撃も減少する。
【0022】図4及び図5は、プレス機の材料送り装置
に用いる電磁石に関する別の実施形態を説明する。図1
及び図3に示す実施形態では、コイル42,52はコの
字状鉄芯41,51の屈曲部に挟まれた中央に位置して
いるのに対し、図4に示す実施形態では、それぞれのコ
イルを2個に分け、それぞれの鉄芯41,51より出な
い範囲となる、コの字状とした屈曲部より先端にそれぞ
れ巻き付けて可動板44,54に近接させている。これ
により、コイル巻数と電流値の積であるアンペアターン
が同一でも磁力を10%〜20%増加させることができ
るので、その分電磁石を小型化でき、インダクタンスと
鉄損を減少させることができた。ここで、延長部材23
を延設したのは、閉鎖用電磁石40と開放用電磁石50
の配置が、移動側ロール20の揺動軌跡又はアーム21
の回動範囲であるためだが、可動板54の取り付け位置
はこれに限定するものではなく、例えば図6に示すよう
にアーム21の先端に長手方向へ延長部材23を取り付
けるなど、帯状材料30の搬入出に障害とならない位置
であればよい。また、60は、帯状材料30からの開放
用電磁石50に対する距離を調整できるリリーシング距
離設定目盛り部材であって、ウォームギヤ61で回動す
るダイヤル62によりブラケット63が上下方向に進退
をし、そのブラケット63の下端に開放用電磁石50が
連結されていて、挟持する帯状材料30の厚みにより予
め調整しておくことができる。なお、ダイヤル式の他
に、スライド式でそのスライド量に応じるリンク部材に
開放用電磁石を連結させるものであってもよい。
【0023】図7は、両ロール10,20への駆動伝達
部材を説明する。駆動モータ90はタイミングベルト9
1により2つの中間プーリー92,93を回動し、それ
ぞれの中間プーリー92,93が固定側ロール10と移
動側ロール20とにタイミングベルト94,95で連結
され回動力が与えられる。特に、他の駆動伝達部材にお
いて中間プーリー92や移動側ロール20のタイミング
ベルト94が無く、固定側ロール10と移動側ロール2
0とにそれぞれに固着される歯車が噛合されて駆動モー
タ90の駆動力が固定側ロール10の歯車を介して移動
側ロール20に伝達される場合、帯状材料を両ロール間
に挟持した時に連結されている歯車て、図7に示す駆動
伝達部材は送り寸法の狂いや歯車の噛み合い音が無くな
り部品の耐久性を向上させた。また、図7に示す駆動伝
達部材は歯車ではなくアルミ製の中間プーリーを用いる
ことでアーム21を軽量化させることができるだけでな
く、歯車に注油する保守の手間が省け油汚れも無くなっ
た。また、図7の中間プーリー92はアーム21の揺動
支点近くに配置されているので、帯状材料が送られアー
ム21とともに中間プーリー92が上下動しても揺動支
点からの距離に変動が無くタイミングベルト94は移動
側ロール20に駆動力を確実に伝達できる。
【0024】次に、図8は、図7では下方に固定側ロー
ル10が、上方に移動側ロール20が位置している実施
形態が逆になった説明図であり、上方に固定側ロール1
0が、下方に移動側ロール20が位置している。移動側
ロール20は、基端を軸支され上下方向へ揺動できるア
ーム21の先端に固定されており、一対のアーム21内
側には固定側ロール20が位置し、アーム21の上端に
は、図4のリリーシング用電磁石及びリリーシング距離
設定部材と同じ部材が取り付けられている。そして、移
動側ロール20に駆動モータ90の駆動力を伝達する中
間プーリー92はアーム21ではなく機台側にタイミン
グベルトの張力調整が可能に取りつけられ、その取付位
置は、アーム21の基端にある揺動支点と、帯状材料の
板厚半分を想定した移動側ロール20の中心とを結んだ
線上であって揺動支点との距離が近い側になる。このタ
イミングベルトの張力調整をする手順は、移動側ロール
20を帯状材料の板厚半分とした想定位置に置いたうえ
で、中間プーリ92の張力調整部材により行う。これに
より、帯状材料の板厚が変化しても移動側ロール20と
中間プーリ92の距離を駆動力が伝達できる程度にタイ
ミングベルトの張力調整を簡単に行うことが可能にな
り、歯車のバックラッシュに伴う衝突音を無くし、送り
精度を向上させるとともに、歯車に注油する保守の手間
を省いて油汚れも無くした。
【0025】また、図7に関して歯車に生じるバックラ
ッシュによる送り寸法の狂いを防ぐ手段として、移動側
ロール20に停止部材を取り付けることにより移動側ロ
ール20の自由回転を止め帯状材料の送り寸法の狂いを
防ぐことが出来る。図9の固定側ロール10は基枠1に
ベアリング11により取り付けられ、揺動可能なアーム
21にベアリング22により取り付けられた移動側ロー
ル20は歯車10a,20aによりベルト91の駆動力
が伝達される。移動側ロール20の一端には、アーム2
1からバネ20bにより付勢されたブレーキパッド20
cが押圧され、自由回転が抑制されるので帯状材料の送
り寸法の狂いを防ぐことができた、なお、バネ20bに
よる付勢力の大きさは自由回転を抑止する程度でよく、
モータによる材料送り力よりは小さいことが必要であ
る。また、20dは回り止めピンであり、アーム21に
垂設されブレーキパッド20cに挿通されて、ブレーキ
パッド20cが接触した移動側ロール20と一緒に回動
しないようにする。
【0026】図10以下は、図4に示すプレス機の材料
送り装置の制御方法を、図22と同様に説明する。図1
0に示す制御方法では、開放用電磁石に電流が流れリリ
ースが始まる時点(時間T1)より前段階(時間T0)
で、閉鎖用電磁石に帯状材料を挟持するための電流が流
れている。リリースが始まる時点(時間T1)から閉鎖
用電磁石の電流を切るので開放用電磁石の吸引力は、挟
持力に抗する力は不要なので例えば移動側ロール自体の
重量に対し2倍程度の10kgで引き始める結果、移動
側ロールは終端に近づいても大きな加速がつくことは無
く、開放位置に到達した時点(時間T2)ではスプリン
グに抗して約240kgで引き離される時より小さい、
例えば40kgで引き離される程度の速度でストッパー
に衝突して停止する。同様に、リリースが終わる時に
は、移動側ロールはスプリングで閉鎖される時より小さ
い速度で帯状材料に衝突して停止する。これにより、挟
持される帯状材料に打痕を小さくすることができるだけ
でなく、衝撃力が弱くなって部材の損傷や衝撃音が減少
した。
【0027】図11に示す制御方法では、開放用電磁石
に電流が流れリリースが始まる時点(時間T1)より前
段階(時間T0)で、閉鎖用電磁石に帯状材料を挟持す
るための電流が流れている。リリースが始まる時点(時
間T1)からの開放用電磁石の吸引力を、スプリングの
場合より小さいが図10に示すものより大きい80Kg
で引き始める結果、移動側ロールは終端に近づく時間を
短くできる。そして、そのままではストッパーへの衝撃
力が大きいので閉鎖用電磁石40に通電して減速させる
ものである。スプリングを用いた装置ではこのような一
時的に付勢力を使用することはできないものであり、電
磁石を両方向に使用することにより始めて瞬時の切換が
可能になって、衝撃力を弱くしてストッパー等の部材の
損傷や衝撃音が減少させるだけでなく、1サイクルの所
要時間を短縮できた。そして、リリースにより位置合わ
せが行なわれプレス工程の間(時間T3〜T5)電磁石
には磁着力を解消しない一定の電流量が流れ始めそのま
ま保持された後、プレス工程が終了すると、リリース状
態を解消し挟持した帯状材料を挟持し送り出して次の材
料を準備するために、開放用電磁石への電流の供給が閉
鎖用電磁石に切り変わり(時間T5)、閉鎖終端位置に
近づくと、同じように減速のために開放用電磁石50に
通電される。
【0028】図12に示す制御方法では、帯状材料の厚
さにばらつきがあり許容範囲を広く設定したい場合に有
効な手段であって、特に厚みが大きい場合に移動用ロー
ル20が所定衝突位置より早く衝突することを防止でき
る。つまり、図11において減速を終える時間T3,T
7の場合、状態保持のための通電を止め、移動用ロール
20の惰性で開放位置及び閉鎖位置に到達させるもので
ある。これにより、上記効果に加えて帯状材料の厚みが
大きい場合に移動用ロールが所定衝突位置より早く衝突
しても電磁石による押圧力が付与されていないから衝突
力を弱めることができる。
【0029】図13に示す制御方法は、移動用ロール2
0の移動範囲を閉鎖位置から開放位置までとする従来と
同じ範囲にするのでは無く、移動途中で電磁石を切り替
えて付与力を反対方向へ付与させることで、移動用ロー
ル20の移動範囲自体を半減させて所要時間を短縮させ
るものである。なお、切り換える時間T2はリリースで
きる移動側ローラ20の移動量を確保できるように適宜
調整を必要とする。
【0030】図14に示す制御方法は、図13に示す制
御方法において時間T3で閉鎖状態を保持する時に、開
放用電磁石50に通電し減速処理を時間T3から時間T
4まで行うものである。これにより、上記効果に加えて
衝突速度を小さくし衝撃力を小さくし、所要時間も短縮
させることができた。なお、リニアセンサーなどの検知
器により電磁石の動きを制御装置にフィードバックする
ことによりリリーシング動作が確実になる。
【0031】一方、図10のT1における電流値を磁力
線の出力値とともに詳細に観測すると、図23に示すよ
うに、磁力発生のために時間T1から電圧及び電流を二
点鎖線V2、I2を出力しても、発生する磁力線は、当
初は常態で発生している微弱な磁力線M0に抗する渦電
流となり立ち上がりが小さく、その渦電流が徐々に弱く
なるにしたがい磁力線M2に示すように上昇して定常の
クランプ力Mnに到達するようになること、及び磁力消
去のため電圧をV4と示すように0にしても電流I4と
磁力M4とは徐々にしか減少せず反応が遅いことから、
磁力は過渡的な状態ではコイルの巻き数と電流との積算
で求められないことがわかった。そこで、過渡的な状況
であっても定常のクランプ力Mnを瞬時に得て高速なプ
レスに追従できる送り装置を提供する。図24は、送り
装置の制御部をブロック図で示すもので移動側クランプ
の送り装置制御部を表示するが、固定側クランプの送り
装置制御部についてもレール駆動部を除き同様な構成で
ある。この送り装置制御部100は、作業者がデータ入
力部101から必要なクランプ力値を入力すると、その
クランプ力を維持するための定常の電流値In、その定
常値の数倍に相当する磁気発生初期の電流値I1、及び
定常値の電流とは正逆反対となるリリース時の電流値
と、それぞれの通電時間とをCPU102で演算して、
予めRAM103に記憶する。そして、プレス機械が始
動し移動側クランプが送り開始位置に来ると検出器10
4が検知するとパワー入出力部105を介して送り装置
機械部106へ通電が開始される。予めRAM103に
記憶した初期の目標電流値に達すると電流サーボ制御に
より一定の定常電流値に送り装置機械部105を保持し
て材料を送り始める。そして、材料が送り終わると固定
側クランプが材料を掴み、移動側クランプは、予めRA
Mに記憶した電流I3を逆向きに通電されて磁力を消去
しスプリングの付勢力で材料を解放し材料の送り開始位
置まで戻される。
【0032】図15は、図4のA−A線及びB−B線で
示す、コイル52を省略した鉄芯51の端面図である。
高速プレス機に適応して電磁石に高頻度で切り換えが行
われると膨大な発熱を行うので、発熱を押える手法が必
要とされる。鉄芯51の外周形状は四角柱及び円柱のど
ちらでもよく、(A)は四角柱に、(B)は円柱の表層
にそれぞれ多数の溝70,70・・を等間隔で穿設した
ものである。放熱溝70の深さは(B)に示すように一
定深さでもよいが、(A)の角部のように構造的に弱く
なったり欠損したりそのおそれがある場合には浅くする
必要がある。また、溝70の長さは渦電流方向に長い方
が発熱が小さくなる。特に、ソレノイドの鉄芯には薄板
を積層すると発熱が押えられることは公知であるが、構
造体のために薄板が使用できない場合に、鉄芯の外周
に、磁束と平行に流れる渦電流に直交するようにスリッ
トを穿設するだけで渦電流の通路を長くして抵抗値を大
きくして電流を減少できるのでかなりの発熱を抑制でき
る。
【0033】図16は、図15と同様に鉄芯51の発熱
を少なくする別の実施形態を説明する説明図であってコ
イル52を省略している。(A)は電磁石の部分拡大図
を、(B)は、(A)を正面とした時の鉄芯51の側面
図を、(C)は(B)の薄板を積層した部分の平面図を
それぞれ示している。(B)の薄板を積層した部分は、
積層面でTIG溶接処理71で固着されているので、ネ
ジ穴72を穴開け穿設しボルト73を螺着した構造体で
あっても充分な強度を得ることができ、全体をより小型
化できるとともに渦電流を少なくして発熱を抑制するこ
とができた。
【0034】図17は、プレス加工中の強振動から破損
しないように耐震性を高めた材料送り装置の内部を説明
する図面である。従来は、材料送り装置の取り付け用ベ
ース3に対し装置本体をゴム7又はコイルバネを介して
載置し、ギブ等の摺動案内部材で連結することでプレス
機のラムと直交する方向である水平方向へは規制され、
上下動自在に取り付けられていたが、ギブの制作は困難
で重量も大きく高価であった。そこで、まず、取り付け
用ベース3にゴム脚7を介して載置した材料送り装置の
基枠1から内側下方に突設された取り付け部材2と、取
り付け用ベース3から材料送り装置の内側まで突設され
た突設部材4とを薄い金属板状の基枠連結部材5aで連
結している。この基枠連結部材5aは、金属板を1又は
複数枚積層させたものである。次に、基枠1の内側に突
設した取り付け部材2と、アーム21の基端とを薄い金
属板状のアーム連結部材21bでボルト6で連結してい
る。これにより、リリーシング動作の微小なアーム21
の回転揺動に対応することができる。更に、基枠1の上
方内側に突設した取り付け部材2と、両電磁石40,5
0をアーム21の基端とを薄い金属板状のアーム連結部
材21bでボルト6で連結している。これにより、リリ
ーシング動作の微小なアーム21の回転揺動に対応する
ことができる。
【0035】図18は図17の部分断面を説明する図面
である。図18(a)は図17のC−C線の部分断面で
基枠連結部材5aの平面図であって、基枠連結部材5a
は基枠1に2箇所で、また突設部材4と2箇所でボルト
6,6・・で螺着されている。これにより、少しの上下
振動には自在で水平方向には固定されているので、従来
のギブのような摺動隙間は無くなり送り精度が良く耐久
性が優れ、軽量で制作費も安価に材料送り装置を提供で
きた。また、図18(b)は図17のD−D線における
部分断面であってアーム連結部材21b及びアーム21
の平面図を示す。基枠1から内側に突設された取り付け
部材2と、アーム21の基端とを薄い金属板状の連結部
材21bでボルト6で連結している。これにより、リリ
ーシング動作の微小なアーム21の回転揺動に対応する
ことができる。なお、上方連結部材64も、図18
(b)と同様に基枠1から内側に突設された取り付け部
材2にボルト6で両電磁石40,50が連結されて水平
方向に固定されている。
【0036】図25は、防振性を高める他の実施形態で
ある。図17に記載のものと同様に基枠1を取り付け用
ベース3にゴム脚7を介して載置し、微細な振動を吸収
するとともに、基枠1の内側下方に突設された取り付け
部材2を、取り付け用ベース3から内側まで突設された
突設部材4に、薄い金属板を1又は複数枚積層させた基
枠連結部材5aで連結することで大きな揺動や微細動に
よる位置ずれを防いでいる。アーム21の基端は支点2
4により回転揺動可能に基枠に取り付けられ、その先端
は、下端を取り付け部材2に固定されたバネ24により
上方へ付勢されて常態において材料挿通間隙を開放する
ように機能している。付勢力は、例えば移動側ロール、
アーム21及び可動鉄心44の総質量が数kgであれば
バネ24の引き上げ力は15kg程度となり、閉鎖用磁
石40が300kg程度で下方へ加圧して帯状材料30
を掴むことの負担にはならない。閉鎖用電磁石40は、
分割されたコイル42,42を鉄芯41の周囲に形成し
てコイル42の上下位置を調整する目盛り部材60の支
持部材64に一体に取り付けられている。また、その鉄
芯41の中心孔を可動鉄芯41の伝達部材41aが挿通
されてアーム21に固着されている。
【0037】また、本願の送り装置が対応する高速プレ
ス機に取り付ける検知器についても高速運転に伴う耐振
性を向上させる必要があり、図26は、プレス機の回転
数及び回転位相を検知するためにプレス機のクラッチ及
びフライホイールを備えたクランク軸に取り付けられる
ロータリーエンコーダ80を平面図(a)と側面図
(b)とで示している。エンコーダ80は、ベース81
に突設された2本のブラケット82,82の間に位置
し、そのブラケット82,82に4つのゴム足83,8
3・・で振動が吸収できるように固定された取り付け板
84に固着されている。エンコーダ80の横にはベアリ
ング85,85で回転可能に支持された回転軸86があ
り、一端のプーリ86aはエンコーダ80とベルト87
aで連結され、他端のプーリ86bはプレス機のクラン
ク軸と他のベルト87bで連結されている。これによ
り、従来は耐荷重が小さいエンコーダはベルトで駆動す
るために張力を強く設定すると破損してしまったが、プ
レス機のクランク軸に回転軸86を介在させることによ
り駆動に必要な張力まで最適に調整することができるよ
うになったので、設置現場でベルトの張力を大きく設定
しすぎて破損させることを防止できた。なお、プーリ8
6bの位置はベアリング85,85の中間でもよいし、
ベアリング85とプーリ86aとの中間でもよく、軸長
さを延長しプーリ86aの外側に位置させてもよい。
【0038】上記実施形態では、帯状材料の搬送方向に
対し回転ローラを直交方向へ移動する駆動力に、電磁石
を使った材料送り装置を説明しているが、帯状材料等を
グリッパで掴んで送り復帰してくるグリップ装置のグリ
ップ部に、対向する電磁石を利用することもできる。図
27はグリップ装置を長手方向から示してベルト及びレ
ールの中間部を省略した説明図である。図面左方向から
送られる帯状材料30をグリッパ111で挟持した移動
側クランプ110は、その下端をレールに平行に取り付
けた搬送ベルト131に固定され、モータ130の駆動
によりタイミングベルト132を介してレール133に
沿って右方向へ移動し、固定側クランプ120に帯状材
料30を受け渡した後、左方向に戻っていく往復動を繰
り返す。図28は図27の移動側クランプ110をA−
A線で切断した縦断面図である。帯状材料は30は、固
定された保持面112とバネ113により上方向へ付勢
される保持部材114との間に挿通され、支持部材11
5により上下方向へ移動自在な保持部材114から突設
した可動鉄心116がバネ113の付勢力に抗してコイ
ル117に引き寄せられ、保持面112を保持部材11
4が押圧することにより材料30を掴むことができる。
118は保持部材112の上側移動範囲を制限するスト
ッパであり、119は保持面112を有した基板部であ
り、搬送ベルト131にボルト112a,112aによ
り螺着され、平行なレール133,133を挿通してい
る。
【0039】図29は、クランプ装置の他の実施形態を
示す説明図である。図28の可動鉄心116は断面が逆
T字状に形成され、その周囲に筒形状のコイル117を
配置するのに対し、図29(a)の可動鉄心116は2
軸を有する□形状に形成され、それぞれの軸にコイル1
17を備え、磁力線を周回させて小型コイルでも十分な
吸着力を発生させるので高速プレス機にも対応できる。
また、図28では保持部材114はバネ113により常
態において帯状材料30の挿通間隙が開放されており、
コイル117に通電されると押圧により閉鎖されて帯状
材料30が掴まれるのに対し、図29(a)ではストッ
パ118の位置に開放用コイル117aが、可動鉄心1
16に対し閉鎖用コイル117に対向して取り付けられ
ている。これにより、通電が終わったコイルから開放さ
れた可動鉄心はバネに付勢されて大きな衝撃をストッパ
に与えるようなことを回避することができる。また、図
29(b)では、帯状材料30に対し保持部材114
は、通電されたコイル117により上向きに押圧する一
方、バネ113により常態において下向きに付勢されて
おり、バネ113の付勢力は保持部材114の重力の分
だけ小さくすることができ、ストッパ118への衝撃力
を調整できる。
【0040】このような高速プレス機に対応できるグリ
ッパ送り装置では、ロール式の送り装置に比べ移動側ク
ランプの送り動作は任意の一定距離の往復動のため駆動
装置の耐久性をより向上させる必要がある。例えば駆動
装置には、図27に示したタイミングベルト式、図30
に示すサーボモータ140にピニオン141を噛合し、
移動側クランプ110に固着したラック142と噛合さ
せたラックピニオン式、図31に示すリニアモータ14
4の直進移動体145に移動側クランプ110を固着し
たリニアモータ式、図32(a)に示すサーボモータ1
40により回動するボールねじ147に螺合する移動体
部148に移動側クランプ110を固着したボールねじ
式、図32(b)に示すサーボモータ140にタイミン
グベルト132で連結されたプーリに固着されたレバー
149と移動側クランプ110を連結するリンク150
を備えたクランク式等がある。そして、高速なプレス機
では、例えば送りピッチ10mm程度を年間5億回往復
動する状況下で使用されることもあり、ベルト、ギヤ及
びレール等の移動側クランプ110を前後動させる範囲
内で部分的な摩耗が起こりやすく、特にボールベアリン
グなどは少しの揺動回転では油膜が切れてしまい頻繁に
部品交換をしなければならない。また、送りピッチを長
く設定変更しようとすると、摩耗部分から未摩耗部分へ
の変位箇所があるため、タイミングベルトでは歯飛びを
生じやすく、ギヤやレールにショックが発生して送り長
さの精度が悪くなる。
【0041】そこで、摩耗に対応する手段として、図3
1に示すリニアモータ式において精度の低いセンサーの
誤差分予め計測して数値データ化しておき、送り精度の
誤差を補足する手段である。図33は、図31に正面図
を示したリニアモータ式の平面図である。移動側クラン
プ110の移動範囲となるリニアモータ144と平行に
リニアエンコーダー144aが取り付けられ、内蔵され
たリニアスケールを検出するセンサーヘッド110aが
直進移動体145に突設されている。移動側クランプ1
10の移動位置を検知するセンサーとして、熱変位や絶
対位置の誤差が大きいがゴミや埃に影響されず摩耗部位
の無い差動トランス、レゾルバ又は磁歪式などの変位セ
ンサーを取り付けるとともに、予め精度の高いリニアエ
ンコーダーを基準として移動側クランプ110の移動位
置を計測して、その差異を誤差テーブルとして制御装置
のROMに記憶しておく。そして、使用時には、変位セ
ンサーによる計測値を、ROMの誤差テーブルから得た
差異分により補正値を制御装置で演算することで、移動
側クランプ110の移動位置に必要な精度を得るととも
に、センサーの耐久性を高めることが出来た。
【0042】また、他の摩耗に対応する手段として、移
動側クランプが帯状材料を掴む送り開始位置又はピッチ
分の帯状材料の掴まれる位置を規則的に変更することに
より、移動側クランプの駆動装置の使用範囲を広げて局
所的な摩耗を防止するものである。図34は移動側クラ
ンプの物理的な移動範囲Lを横軸として、縦軸の下方向
へ時間経過を示して移動側クランプの送り開始位置をS
1〜S15と変更していく状況を説明する図面である。
矢印の右向き実線は送り開始Sから固定側クランプに受
け渡すまでの移動側クランプの移動距離を、矢印の左向
き点線は受け渡し後、次の帯状材料のために開始位置ま
で戻る移動距離をそれぞれ示し、この2本の矢印の組み
で1ピッチのプレス分の材料が送られる。まず、1ピッ
チ分の長さ送る実線矢印に対し、戻る点線矢印の距離を
長くすることで次の送り開始位置S2を変更させること
ができる。そしてこれを送り開始位置が物理的移動範囲
の開始位置限界LSまで繰り返し、開始位置限界LSと
重なる送り開始位置S5直前の戻し距離は越えないよう
にS4のものより短く調整される。次に、実線矢印の一
定の送り距離に対し、戻し距離を短くすることで送り開
始位置S6を右方向へ変位させていき、渡し位置限界L
eまで繰り返して、送り開始位置S12の渡し位置が渡
し位置限界Leとなる直前の戻し距離はS11のものよ
り長くして調整する。更に、次の送り開始位置S13に
は戻し距離をプレスの1ピッチより長くすることで左方
向へ変位させていき、送り開始位置S15で最初の送り
開始位置S1に戻ってくる。これにより、移動側クラン
プを前後動させる駆動装置は可動範囲を全域に渡って使
用できるので、従来のような一部分のみを使用する摩耗
による不具合を防止できて装置の耐久性を数倍以上も延
長できた。
【0043】なお、上記説明では、初期位置から戻し距
離を長くして次の送り開始位置を開始位置限界方向へ変
位させているが、他の実施形態として初期位置から戻し
距離を短くして次の送り開始位置を渡し位置限界方向へ
変位させることもできる。また、上記説明では、1ピッ
チ分を送ると戻し操作1回で次の送り開始位置に変位し
ているが、他の実施形態として変位した送り開始位置S
nにおいて、送り距離と戻し距離を同じに設定し送り開
始位置Snを変位しないことを複数回又は複数ピッチ分
繰り返した後、戻し距離を送り距離と変更する戻し操作
で次の送り開始位置Sn+1に変位することができる。送
り距離より戻し距離が長くなると微細な遅れとなること
もあるので回数と摩耗度から適宜調整して設定する。更
に、図34では可動範囲Lの中央付近ではS1、S8、
S15と3回利用されているのに対し、可動範囲Lの両
端ではS8、S12のそれぞれ1回の利用と利用の頻度
に差があるので、それぞれの送り開始位置で変位せずに
繰り返す回数を、例えば中央付近の回数の3倍で両端で
の回数を設定し、中央と両端との中間位置では漸次増減
させていくなど、送り開始位置Snの可動範囲L内で相
対的な場所により繰り返し回数を調整することもでき
る。これにより、変位した後の利用頻度の違いを均一化
させて摩耗を防止できる。
【0044】摩耗を防ぐ他の実施形態としてベルト駆動
式にあっては、搬送ベルトの同じ部分でプーリとの接触
を繰り返すのでその部分だけ摩耗が早かった。そこで、
図35に示すように移動側クランプ110の搬送ベルト
131との固着部材155を取り外し可能にすることで
搬送ベルト131との固着位置をずらしていくことにし
た。つまり、搬送ベルト131に固着部材155を取り
外しレバー155aで脱着自在に取り付けるとともに、
その取り外しレバー155を操作し弛緩させるシリンダ
部材156を設けることにより、移動側クランプ110
のグリッパに帯状材料30を掴ませて固定させている間
に、シリンダ部材156に指令して取り外しレバー15
5aを押して固着部材155を搬送ベルト131から弛
緩させるとともに、搬送ベルト131を回動させて別の
固着位置にずらしていく。その後、シリンダ部材156
を後退させると取り外しレバー155aは押圧バネ15
5bにより固着部材155は搬送ベルト131に固着さ
れる。これを繰り返すことにより、搬送ベルト全体に移
動側クランプを固着できるから、ベルトの耐久性が大き
く延長でき、送り装置の信頼性も向上できる。また、固
着部材155の固着力を増加させるために、搬送ベルト
131の下面に係合突起131aを移動方向へ連設する
とともに、取り外しレバー155aにその係合突起13
1aに噛合する被係合突起155cを設けている。
【0045】また、搬送ベルトとの固着部材について他
の実施形態を図36に示す。(a)は搬送ベルトを移動
方向に直交する面で切断した移動側クランプの説明図で
あり、(b)は(a)のA−A線での断面図である。搬
送ベルト131を移動側クランプ110の底面に押圧す
る押圧部材157は、移動側クランプ110にガイド部
材157aが挿通され、バネ157bにより上方向へ付
勢されている。また、王圧部材157の下端は逆T字状
に形成され、このT字部157cに係合する係合部を備
え下方向に引き下げるシリンダ部材156がある。な
お、搬送ベルト131と押圧部材157との接触面には
それぞれ係合突起131aと被係合突起157dが形成
されて固着度合いを高めている。
【0046】更に、高速プレス機に対応した送り装置
は、ロール式及びグリッパ式のどちらも、作業者が送り
量を過大に又は送り速度を過小に設定するなどミス入力
した場合に装置が高速で始動をするので人間の視覚及び
聴覚からの判断能力では停止作業が遅れてプレス機等に
重大な損傷を起こすことが懸念され、そのような場合に
送り装置の制御部が起動直後に緊急停止させて金型の破
損などの事故を未然に防ぐ必要がある。従来の技術で
は、プレス機を起動する時の確認方法は、0度から始動
してに450度の送り終わり予定位置で材料のプレス材
料の送りが完了しているかチェックを行い、それに先駆
けて360度の送りの中間位置で送り長さの半分以上を
送っているかチェックを行い、送られていない場合には
プレス機の非常停止指令を出力する。しかし、高速プレ
ス機では惰性で停止までに1回転くらいは空走するため
に、誤った材料位置のまま空走したプレスされる事故を
防ぐことができなかった。それに対し本願発明は図24
に示した制御部100を備え、センサーとしてプレス機
のクランク軸の回転を検出できるロータリーエンコーダ
を使用して、プレス機を起動する時の確認方法は、予め
材料の送り長さ、送り加速度、送り行程の所望する開始
角度、終了角度を入力することで送り装置が追従できる
プレス機の回転速度をCPU102で演算してRAM1
03に記憶していく。次に、図37に示すようにプレス
機が0度から始動した直後より、検出器104で得た信
号から、例えば1ミリ秒ごとにプレス機の回転速度を求
めてRAM103から読み出した追従回転速度と逐次比
較をしていく。そして、送り装置の追従速度よりプレス
機の測定速度が越えて追従できないと判定を行うと、プ
レス機の非常停止指令部107に出力する。その後、プ
レス機は空走して停止する。プレス機は起動後クランク
回転で50度から100度くらいで回転速度が安定する
ので、設定ミスした場合に、安定回転する以前に異常を
検知でき非常停止命令を出力できるので、従来技術の回
転量より300度から360度くらい、ほぼプレス機の
1回転分早く非常停止をすることができる。また、非常
停止指令が発令されたことは図24の表示部108に異
常状態であることを表示して作業者に異常であることを
告知する。
【0047】また、始動したときの緊急停止法につい
て、他の実施形態を説明する。上記実施形態では、セン
サーをロータリーエンコーダーとしてプレス機のクラン
ク軸の回転を検出しているのに対し、この実施形態では
センサーを、プレス機のクランク軸のクラッチで連結さ
れるフライフォイルの回転を検出する近接スイッチとす
ることに特長がある。次に、その近接スイッチを検出器
とした確認方法は、予め材料の送り長さ、送り加速度、
送り行程の所望する開始角度、終了角度を入力すること
で送り装置が追従できるプレス機の回転角度をCPU1
02で演算してRAM103に記憶していく。次に、図
37に示すプレス機が始動する前に、クラッチで連結さ
れる直前のフライフォイルが回転している準備状態で近
接スイッチである検出器104から得られた信号から、
例えば1ミリ秒ごとにフライフォイルの回転速度を求め
てRAM103から読み出した追従回転速度と逐次比較
をしていく。そして、送り装置の追従速度よりフライフ
ォイルの測定速度が越えていて追従できないと判定を行
うと、プレス機の非常停止指令部107に出力する。こ
れにより、プレス機自体が始動する前の準備状態で入力
ミスなどに起因する非常停止を行うことができる。な
お、準備前の非常停止指令が発令されたことは図24の
表示部108に異常状態であることを表示して作業者に
告知できる。また、プレス機自体がフライフォイルの回
転速度を検出していれば、回転速度信号を電気的に直接
に送り装置の制御部100で利用する事ができる。ま
た、フライフォイルとクランク軸との間に減速機が利用
されているプレス機では、予め減速比を制御部に設定し
て演算したフライフォイルの回転速度を減速比で除算す
るように処理する。
【0048】次に、上記のようにプレス機のクランプ軸
から出力される同期信号を制御部に入力して、同期して
材料送りをする材料送り装置において、信号の入力状態
を送り装置側で検知して異常を検知すれば作業者に通知
するとともに、必要に応じてプレス機側にフィードバッ
クして緊急停止させる必要がある。特に、同期信号の異
常は、例えば数千回に1回くらいと頻度が少ないため即
時発見が困難で、異常箇所の発見が遅れることがある。
そこで、プレス機の同期信号の異常を判定する方法を提
供する。一般にプレス機には、ロータリーカムスイッ
チ、リミットスイッチ、近接スイッチ及びロータリーエ
ンコーダーを使った電子式カムスイッチが装備され、ク
ランク軸の1回転でON/OFFの切換を1回行う同期
信号が出力されている。この同期信号を送り装置側で利
用する。図38は、その同期信号の時間チャートを異常
状態の4パターンで示したものである。プレス1回転の
中でONとなる時期が異なる2種類の同期信号は、正常
であれば信号A,B,A,Bと規則的に繰り返されるの
に対し、異常状態(1)では信号Bが欠落しているため
信号Aが連続して入力され、異常状態(2)では信号A
が欠落しているため信号Bが連続して入力され、異常状
態(3)では信号Bが余分に入力されているため信号B
が連続して入力され、異常状態(4)では信号Aが余分
に入力されているため信号Aが連続して入力されてい
る。これを検知する方法は、図24の制御部100にお
いて、検出部104を通して信号A又はBの入力があっ
たとき、CPU103はRAM103が空白であればそ
のまま記憶する。次の信号B又はAの入力があるとき、
RAM104に記憶されている信号と比較をし、異なる
種類の信号であると判断すれば、正常という扱いでその
信号B又はAを記憶して元の記憶を消去する手順が行わ
れ更に次の信号の入力を待機する。一方、同一の種類の
信号であれば異常と判断をして、直ちにプレス機に対し
て停止信号107を出力して表示器108に異常状態を
表示する。なお、信号の判断時期をONエッジとしてい
るが、OFFエッジを利用してもよいし、一方の信号を
ONエッジで他方の信号をOFFエッジとしてもよい
し、エッジだけでなくレベルで扱ってもよく検出器の取
り付け位置又は種類などで適宜変更ができる。また、入
力される信号は3種類以上であってもよくプレスの1回
転の中で順に出力されることを原則として扱う方法で検
知できる。
【0049】また、プレス機が同期信号を正しく出力し
ているか否かを、送りとリリースなどの設定を行う送り
装置のモニターランプで知るために、プレス機のクラン
ク軸などから検知したON,OFF信号を、接続した送
り装置のモニターランプに点滅させて表示することが好
ましい。従来は、プレス機のマイクロスイッチなどが故
障しているとき、送り装置の故障と間違えて正常復帰に
手間取ることがあった。そこで、送り装置にモニターラ
ンプを備えたことにより、プレス機が同期信号を出力す
る状態では、送り装置のモニターランプはプレス機に設
定と同一の点滅をするので、送り装置に故障があれば送
り装置自体の故障だと作業員は判断できる。一方、プレ
ス機が故障している時の同期信号は、送り装置のモニタ
ーランプは点滅しないか、又は設定と違うタイミングの
点滅をするので、プレス機に故障原因があると作業員が
わかるので、送り装置側の故障と勘違いすることなく、
故障の修復作業を迅速に行える。
【0050】また、図38の検知方法が信号2種類以上
を利用するのに対し、他の実施形態では利用する信号は
1種類だけとしタイマーの周期測定機能を利用する入力
信号の異常検知方法である。まず、信号A又はBのON
又はOFFの持続時間をタイマーで計測してRAM10
3に記憶する。そして、次の信号のON又はOFFの持
続時間をタイマーで計測して、前回の測定時間をRAM
103から読み出してCPU102で比較演算する。判
断基準は、例えば前回の時間より30%以上大小差があ
る場合を異常と判定し、差異が30%未満の場合は正常
と判定するように設定しておき、異常と判断をしたら直
ちにプレス機に対して停止信号107を出力して表示器
108に異常状態を表示する。図39は、この検知方法
で異常状態と判定させる信号のタイムチャート図であ
る。異常状態(5)では信号Bが欠落しているため信号
BのON状態の持続時間が前回の2倍以上に入力され、
異常状態(6)では信号Aが欠落しているため信号Aの
OFF状態の持続時間が前回の2倍以上に入力され、異
常状態(7)では信号Bが余分に入力されているため信
号BのON状態の持続時間が前回より短く入力され、異
常状態(8)では信号Aが余分に入力されているため信
号AのOFF状態の持続時間が短く入力されている。ま
た、プレス機から出力される入力信号が異常であるか検
知する方法であるから、常に作動させる必要は無いの
で、プレス機の起動時にはキャンセルしておくこともで
きる。
【0051】なお、上記実施形態に使う電磁石の他に、
圧電素子や油圧シリンダに代えて使用することができ、
特に閉鎖用電磁石と対にして開放用駆動部材として圧電
素子等を組み合わせることで、大きな駆動力や駆動距離
を必要としない小型の材料送り装置を提供できる。
【0052】更に、図31に使われるリニアモーター1
44として好適なものを模式的に説明する。図40
(a)は、図の左右方向を可動子210の往復動方向と
した正面を端面で示し、図40(b)は、(a)の部分
断面を混じえた底面を示し、図40(c)は、(a)の
左側面を示している。可動子210には磁極が交互に切
り替わるように永久磁石212をスキューを付けて配列
し、エアギャップを隔てて可動子210の磁極に対向す
る固定子としてして鉄芯213を備えている。そして、
鉄芯213の下方へ突設する突歯にコイル214を巻装
して3相交流で励磁することにより、鉄芯213に対し
可動子210は永久磁石212の配列方向である図の左
右方向へ往復動できる。また、鉄芯213,213・を
3列に配設し、その長手方向を永久磁石212の配列方
向と同じ方向に位置付けるとともに、それぞれに3相ベ
クトル制御されるコイル214・・を巻装し、U,V,
W相に通電する。そして、それぞれの鉄芯213・・
の、可動子210に対向する突極215・・の面に等ピ
ッチに設けた突歯215aが励磁される。一方、可動子
210に取り付けられた磁石212は、トルク変動を無
くすためスキュウを付けて往復動方向に多極着磁して配
列されている。そして、可動子210は、磁石212の
N極から次のN極までのピッチ距離に、鉄芯213の突
歯215aの1ピッチ分を合わせて配置している。この
ようなモーターの作動は、ステッピングモーターと異な
りUVW3相のコイルに進行方向に電気角度で90度進
み位相の3相交流のベクトル制御により通電す。一定の
3相電流に対しどの位置においても力又はトルクはほぼ
一定で、力等を一定にするような余分な制御が無く大変
制御しやすく、交流1HZ(電気角で360度)で移動
するピッチは磁石212でN極から次のN極までとな
る。これにより、可動子の多極方向又は移動方向におけ
る鉄芯に、U,V,W相のコイルを多数配置する必要が
無いので、従来のように多相化する突極を小さく形成し
コイルの線径を細くして電気抵抗が大きくなり発熱量が
大きく連続定格トルクを増大できない課題を解消でき
た。つまり、可動子の多極方向又は移動方向における鉄
芯に、U,V,W相のコイルのうち1つだけを巻装し、
可動子の軸方向に、U,V,W相のコイルをそれぞれ巻
装した鉄芯を配置するので、突極の本数を減らしてコイ
ルを巻装する空間は大きくなりコイルの線径を細くせず
電気抵抗値を大きくせず発熱量も大きならず連続定格ト
ルクを増大できた。また、3相制御する電気情報では可
動子の位置又は位相を特定できないので、可動子に取り
付けた磁石の位置を検知するセンサーやエンコーダーか
らの情報を利用するように3相制御情報と組み合わせる
ことで帯状材料の把持位置や離反位置での作動を制御す
る。これにより、従来の同程度のトルクを出力するモー
ターと比較し小型化、軽量化に優れ、安価に提供できる
とともに、同じ負荷となる状態において可動子となる直
進移動体を大幅に軽量にしたので高加速且つ高頻度に動
作させることが可能となり、直線案内部の経年摩耗も減
り位置合わせ等の精度も長時間維持できるのでグリップ
式材料送り装置に最適である。
【0053】図41は、図40に示した形態の変更例を
同じ図示方法で示している。図40の突極215は、可
動子210の往復動方向に直交する断面形状はT字状で
あるのに対し、図41の突極はL字状である。そして、
図41の突極の配置は、図40の突極215を可動子2
10の往復動方向に配列したピッチの中間位置に、L字
状の短辺を逆向きとした補助突極215bを追加し、そ
のコイル214の通電向きを突極215のコイル214
に対し逆に通電するか又は逆向きに巻装している。これ
により、1相を励磁した時に図40の突極215は一方
磁極であるのに対し、図41の場合は加えて補助突極2
15bが他方磁極となるので隣の永久磁石212とも吸
引し合い、吸引面積が2倍となる。これにより、磁石に
対向する突歯の面積は突極の形状をL字形とすることに
より同じにしたまま、補助突極の吸引面積を広げて磁石
のNS磁極を同時に利用するから、モーターを更に小型
化しグリップ式材料送り装置への最適化を達成できる。
【0054】更に、コイルを小さくしモーター自体を小
型化するために、上記実施の形態では、平板状の継鉄か
ら下方向へ垂設した突極215,215bに対しそれぞ
れコイル214,214を巻装して1相を励磁する時に
2つのコイルに通電するのに対し、図42に示すよう
に、突極215,215bの間を連結して門形に成形
し、その連結箇所に1つのコイル214を巻装して磁束
が横向きに生じさせることにより、1相を励磁する時に
1つのコイルに通電することもできる。なお、213a
は非磁性体で成形されている。
【0055】図43は、図41に示したリニアモーター
を回転式として応用する変更例を部分断面を含む説明図
で示している。図42の突極215は、可動子210の
往復動方向に直交する断面形状はT字状であるのに対
し、図43の突極はL字状である。そして、図43の突
極の配置は、図42の突極215を可動子210の往復
動方向に配列したピッチの中間位置に、L字状の短辺を
逆向きとした補助突極215bを追加している。また、
図43のコイル214は回転子211を中心とした環状
に巻装されているのに対し、図42のコイル214は突
極215ごとに巻装されている。これにより、励磁した
時に図41の突極215は、一方磁極であるのに対し、
図42の場合は補助突極215bが他方磁極となるので
永久磁石212と吸引し合う面積がほぼ2倍となる。
【0056】また、吸引面積を倍増するために、図40
(a)及び図41(a)の実施の形態では、可動子21
0の片面に永久磁石212を取り付けているのに対し、
図44に示すように、可動子210の両面に永久磁石2
12をそれぞれ取り付け、可動子210の上下にエアギ
ャップを隔てて鉄芯213,213を配置することもで
きる。
【0057】図45は、例えば図27に示すような回転
式モーターの固定子に突歯を設けた説明図であって、回
転子211の永久磁石212が例えばNS29組、58
極であって鉄芯213にコイル214を巻装しUVW相
として通電する3極を有する3相ブラシレスサーボモー
ターの基本形を、同様に図46は58極6相のものを示
している。鉄芯213の円筒状内面に突設する突極21
5は鉄板を積層しており、その鉄芯213を共通して巻
装された3つのコイル214には3相交流制御された
U,V,W相がそれぞれ通電されている。そして、それ
ぞれの鉄芯213は、回転子211に対向する突極21
5の面に等ピッチに設けた多数の突歯215aが着磁さ
れる。一方、回転子211の回転軸216には、ヨーク
217を介して永久磁石212が取り付けられ、その磁
石212は、トルク変動を無くすためスキュウを付けて
ラジアル方向に多極着磁して配列されている。そして、
回転子211は、磁石212のN極から次のN極までの
ピッチを電気角で例えば図45では360/58度に、
N極・S極が電気角でその半分ごとに配置している。こ
のようなモーターの作動は、まず3相交流のベクトル制
御により3つのうち1相に通電があると励磁された鉄芯
213の突極215に、回転子211の永久磁石212
の一方極が磁気的に吸引され対向する。次に、隣の突極
に通電して励磁すれば回転磁界が生じ、先の一方極が磁
気的に吸引され回転子211が回転する。そして3つ目
の突極に通電され交流1HZで移動するピッチは、回転
子211の磁石212でN極から次のN極までであり、
鉄芯213の突極215でU相から次のU相までとな
る。これにより、磁石を例えば12極以上に多極化し
て、回転子の多極方向又は回転方向における鉄芯に、対
応するU,V,W相のコイルを多数配置する必要が無い
ので、従来のように多相化する突極を小さく形成しコイ
ルの線径を細くして電気抵抗が大きくなり発熱量が大き
く連続定格トルクを増大できなかった課題を解消でき
た。つまり、回転子の軸方向に直交する方向における1
つの鉄芯に、U,V,W相のうち1つだけを接続したコ
イルを巻装し、回転子の軸方向に、U,V,W相のコイ
ルをそれぞれ巻装した3つの鉄芯を配列し、中央に回転
子を配置するので、鉄芯1つあたりの突極の本数を減ら
してコイルを巻装する空間は大きくなりコイルの線径を
細くせず電気抵抗値を大きくせず発熱量も大きならず連
続定格トルクを増大できた。また、回転子に取り付けた
磁石の位置を検知するセンサーやエンコーダーからの情
報を利用するように組み合わせて、帯状材料の把持位置
や離反位置での作動を制御する。これにより、従来はバ
ックラッシュの無い高価な減速機を使っていた用途であ
っても、減速機を必要としなくなりモーターだけで利用
でき、減速機を設けない設置スペースが広がり製造コス
トを低減できた。
【0058】なお、可動子の往復動方向又は回転子の回
転方向に沿って長手方向を位置合わせしたコイル及びを
鉄芯を有するリニアモーター又は回転モーターは、推力
変動の安定性や小型化、位置合わせの精度維持が長い点
に優れるので、高速プレスの材料送り機だけでなく、可
動子又は回転子に取り付けた磁石の位置を検知するセン
サーやエンコーダーからの情報を利用するように組み合
わせて、アクチュエータを備える機械又は装置に広く利
用できる。
【0059】
【発明の効果】以上のような構成のプレス機の材料送り
装置によって、開放用電磁石に対向して閉鎖用電磁石を
前記移動側ロールに取り付け、前記閉鎖用電磁石の磁力
で前記可動片を引き寄せて材料を挟持することを特徴と
するプレス機の材料送り装置である。これにより、従来
のスプリングによる大きな衝撃力を減少し、帯状材料や
装置への損傷を防止できる。また、請求項2に係る発明
は、可動片に、開放用電磁石と閉鎖用電磁石と対向して
取り付ける請求項1記載の把持部としたことにより、可
動部を共有して軽量化させたことにより高速な送り出し
が可能となった。また、請求項3に係る発明は、電磁石
のコイルを2分して、可動片に接近させるように取り付
けたことにより、磁力が増大し、より早いリリーシング
動作と電磁石の小型、軽量化ができた。
【0060】更に、請求項4に係る発明は、前記移動側
ロール及び固定側ロールに、それぞれ中間プーリを介し
てタイミングベルトにより駆動力を伝達するとともに、
該移動側ロールの中間プーリを、移動側ロールの中心と
揺動支点とを結ぶ線上であって揺動支点側に近い位置に
設けたことにより、移動側ロール及び固定側ロールが帯
状材料を挟持して中間プーリとの距離に変化があっても
タイミングベルトの張力調整ができるので、厚みの異な
る帯状材料であっても簡単な調整で材料送り装置が利用
でき、従来の移動側ロール及び固定側ロールを歯車によ
り連結した装置に比べて帯状材料を挟持して両ロール間
が広がり歯車のバックラッシュが大きくなって衝突音を
生じたり送り位置が不正確なったりすることが無くなっ
た。また、請求項5に係る発明は、前記移動側ロール
に、歯車を介して駆動力が伝達される場合、帯状材料を
挟持して歯車のバックラッシュによる自由回転を抑止す
る停止部材を設けることにより、従来自由回転してしま
い帯状材料の送り寸法に狂いを生じていた事態を防ぐこ
とが出来る。
【0061】次に、請求項6に係る発明は、請求項1、
2又は3記載のプレス機の材料送り装置において、閉鎖
位置の移動用ロールを開放用電磁石により引き上げ、移
動用ロールが帯状材料から離れた時点で、開放用電磁石
から閉鎖用電磁石に通電を切り換えるリリース制御方法
である。これにより、移動ロールが駆動する両方向を電
磁石で制御することができたので、瞬時な移動方向の切
り換えが行えるようになった。
【0062】そして、請求項7に係る発明は、請求項
1、2又は3記載の電磁石の鉄心及び可動片は、ネジ穴
を穿設されボルトで固定されるとともに、表層に溝が磁
束方向に沿って設けられたプレス機の材料送り装置であ
る。これにより、ネジ止めされる構造体であっても、磁
束方向の切り替えにより発熱を伴う渦電流の通路を、溝
により長くしたことで抵抗値を大きくして渦電流を減少
させて発熱量を小さくできた。また、請求項8に係る発
明は、請求項1、2又は3記載の電磁石の鉄心及び可動
片は、薄板を磁束方向に沿って接面させた積層体であっ
て、ボルトで螺合されるネジ穴を穿設した面で溶接固着
した請求項1、2又は3記載のプレス機の材料送り装置
である。これにより、渦電流方向の切り替えにより伴う
発熱を減少できる積層体を、従来のようなステーなどを
利用しなくても取り付けて電磁石として利用することが
できた。請求項9に係る発明は、請求項1、2又は3記
載の開放用電磁石を、基枠に設けたリリーシング距離設
定目盛り部材に従い、帯状材料からの距離を調整できる
プレス機の材料送り装置である。これにより、目盛り部
材は、ウォームギヤで回動するダイヤル式であってその
ダイヤルで進退されるブラケットに開放用電磁石を連結
させるものや、スライド式でそのスライド量に応じるリ
ンク部材に開放用電磁石を連結させるものがある。更
に、請求項10に係る発明により、請求項1、2又は3
記載の高速なリリーシング動作が可能な閉鎖用電磁石及
び開放用電磁石並びに移動用ロールを、薄板状連結部材
を介して基枠に固着するとともに、取り付け用ベースに
ゴム脚を介して載置した基枠を、その基枠の内側に取り
付け用ベースから突設した突設部材に基枠連結部材を介
して固着したことにより、水平方向へ固定し上下方向へ
の揺動を許容したプレス機の材料送り装置である。これ
により、閉鎖用電磁石及び開放用電磁石で行われる高速
なリリーシング動作に必要な若干の上下動だけを許容
し、従来のようなギブ案内や軸受けに由来する摺動隙間
が無く軽量なので微細な揺動を伝達でき、耐久性に優れ
制作費も安価に材料送り装置を提供できる。
【0063】本発明の請求項11に係るプレス機の材料
送り装置は、移動側クランプを帯状材料の送り方向へ往
復動可能に設け、その移動側クランプに帯状材料を保持
面に押圧して挟持する保持部材を設け、該保持部材によ
り挟持した帯状材料を、その保持部材の送り移動により
プレス機に供給し、プレス機のパイロットピンが材料に
穿設された位置決め孔に突入するとき、該保持部材を引
き上げ該材料を開放する材料送り装置において、該保持
部材を保持面に押圧させる閉鎖用電磁石と、該保持部材
を保持面から引き上げる開放用電磁石とを備えたプレス
機の電動式材料送り装置である。これにより、従来のバ
ネ付勢力による大きな衝撃力を減少し、帯状材料や装置
への損傷を防止できるとともに、開閉動作させる駆動力
は保持部材の質量より若干大きく設定することで、スプ
リングを使用した場合より一桁以上の短い時間で動作を
始め、駆動力となる磁力を小さくしたので電流を切れば
短時間で磁力は弱まりリリーシング動作の開閉とも早い
動作が得られ、毎分1200回転のプレス機に連動させ
ることができる。
【0064】請求項12に係るプレス機の材料送り装置
は、移動側クランプが帯状材料を掴む送り開始位置又は
ピッチ分の帯状材料の掴まれる位置を規則的に変更させ
ているから、制御装置が送り開始位置、ピッチ分の帯状
材料の掴まれる位置並びに変異する量、変異させる範囲
及び変異させる頻度を、均等な摩耗量になるように演算
し、その演算結果に基づいて移動側クランプの送り開始
位置又はピッチ分の帯状材料の掴まれる位置を制御する
ことにより、移動側クランプの駆動部材の使用範囲を広
げて局所的な摩耗を防止するものである。
【0065】また、請求項13に係る発明は、リニアモ
ータ式駆動部材の移動側クランプに、正確性よりは耐久
性に優れる移動位置の検知機を取り付けるとともに、正
確な移動位置との差異を誤差テーブルとして予め記録し
ておき、該検知機の検出位置を該誤差テーブルの差異で
補正するプレス機の材料送り装置である。これにより、
高速プレス機に対応して検知器の耐久性を他の部材と同
様に向上させることができる。また、請求項14に係る
プレス機の材料送り装置は、移動側クランプを、帯状材
料の送り方向へ往復動させる駆動部材に対し取り外し自
在に設け、移動側クランプの初期位置で該駆動部材から
解除し、該駆動部材を変異させて取り付けることによ
り、移動側クランプの駆動部材の使用範囲を広げて局所
的な摩耗を防止するものである。
【0066】請求項15に係るプレス機の材料送り装置
は、、予め材料の送り長さ、送り加速度、送り行程の所
望する開始角度、終了角度を入力しておく記憶部を制御
装置に備え、プレス機が0度から始動した直後より、検
出器で得た回転信号と制御装置から演算した追従回転速
度と逐次比較して、送り装置の追従速度よりプレス機の
測定した速度が越えて追従できないと判定を行うとプレ
ス機を非常停止させる制御部を備えることにより、材料
送り装置への設定入力間違いを回避できるから、従来よ
り高速運転するプレス機の緊急停止距離が短くなって材
料や機器への破損を防止できる。請求項16に係るプレ
ス機の材料送り装置は、検出時期の異なる2つ以上の検
出信号の単位時間ごとの頻出順位を比較して、その順位
が異なったと判定を行うとプレス機を非常停止させる制
御部を備えることにより、高速プレス機から出力される
同期信号の異常を送り装置からも判定できるから、シス
テム全体の信頼性を向上できるうえ、例えば数千回に1
回と頻度の少ない故障でも見過ごすことなく的確で早い
復旧処理が出来る。請求項17に係るプレス機の材料送
り装置は、プレス機のクランク軸の回転を検出する検知
器を備え、初回の検知信号の継続時間を、タイマーの持
続時間に設定できる材料送り装置において、2回以降の
検出信号の継続時間をタイマーの持続時間と比較して、
2回以降の検出信号の継続時間が、タイマーの持続時間
の所定範囲を超えたと判定を行うとプレス機を非常停止
させる制御部を備えることにより、2種類以上の検知信
号を利用することなく、1つの検知信号とタイマーを併
用して安価に検知システムを作成できた。請求項18に
係る発明は、請求項15,16又は17記載の検知器
は、操作盤に取り付けたモニターランプに接続され、プ
レス機が出力する同期信号の有無を作業者に通知するプ
レス機の材料送り装置である。これにより、プレス機が
同期信号を正しく出力しないために送り装置が正常に動
作出来ない場合に、プレス機の同期信号に関わる故障だ
と判断できるから、的確で且つ早い復旧処理ができると
ともに同期タイミングの変更時も素早く確認ができる。
請求項19に係る発明は、請求項15,16又は17記
載の検知器を、プレス機のクラッチ及びフライホイール
を備えたクランク軸に取り付けたベルトの回動軸と他の
ベルトで連結するとともに、前記検知器を、ゴム足を介
して固定したことにより、プレス機のクランク軸と同じ
強さでベルトが張設されないから耐荷重が小さい検知機
でも破損することもなく、ゴム足により振動も吸収され
耐震性が向上できた。
【0067】更に、請求項20に係る発明のように、プ
レス機の材料送り装置の固定子又は可動子若しくは回転
子の一方に磁極が交互に切り替わるように永久磁石を配
列し、その他方に該磁極に対向して励磁する巻線を巻装
した突極を突設する鉄芯を備え、固定子に対し可動子又
は回転子が該永久磁石の配列方向へ往復動又は回転する
モーターであって、該鉄芯を該永久磁石の配列方向へ、
移動方向若しくは回転方向へ又はその横方向へ3列に配
設し、それぞれに3相ベクトル制御される該巻線を巻装
し出力変動を無くすためのスキューを設けたモータを備
えているので、従来のブラシレスサーボモータと比較し
て突極の本数を減らしてコイルを巻装する空間は大きく
なりコイルの線径を細くせず電気抵抗値を大きくせず発
熱量も大きならず連続定格トルクを増大できた。また、
可動子等に取り付けた磁石の位置を検知するセンサーや
エンコーダーからの情報を利用するように3相制御情報
と組み合わせることで帯状材料の把持位置や離反位置で
の作動を制御でき、従来の同程度のトルクを出力するモ
ーターと比較し小型化、軽量化に優れ、安価に提供でき
るとともに、同じ負荷となる状態において可動子となる
直進移動体を大幅に軽量にしたので高加速且つ高頻度に
動作させ、直線案内部の経年摩耗も減り位置合わせ等の
精度も長時間維持できるプレス機の材料送り装置を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプレス機の材料送り装置の正面図
である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】本発明に係るプレス機の材料送り装置について
別の実施形態の説明図である。
【図4】プレス機の材料送り装置に用いる電磁石に関す
る別の実施形態の説明図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】電磁石のアームに対する取り付け位置について
図5のものと異なる実施形態の説明図である。
【図7】両ロール10,20への駆動伝達部材の説明図
である。
【図8】図7に示す駆動伝達部材の他の実施形態を示す
説明図である。
【図9】移動側ロールの自由回転を停止させる駆動伝達
部材の説明図である。
【図10】図4に示すプレス機の材料送り装置の制御方
法の説明図である。
【図11】図4に示すプレス機の材料送り装置の他の制
御方法の説明図である。
【図12】図4に示すプレス機の材料送り装置の他の制
御方法の説明図である。
【図13】図4に示すプレス機の材料送り装置の他の制
御方法の説明図である。
【図14】図4に示すプレス機の材料送り装置の他の制
御方法の説明図である。
【図15】図4のA−A線及びB−B線で示す、コイル
52を省略した鉄芯51の端面図である。
【図16】鉄芯51の発熱を少なくする別の実施形態を
説明する説明図である。
【図17】材料送り装置の強振動防止手段を説明する説
明図である。
【図18】図17の部分断面を説明する説明図である。
【図19】従来の材料送り装置の説明図である。
【図20】従来の材料送り装置の説明図である。
【図21】図18に示した材料送り装置の右側面図であ
る。
【図22】従来の材料送り装置の制御方法の説明図であ
る。
【図23】図10のT1における電流と磁力線の観測グ
ラフを示す説明図である。
【図24】送り装置制御部のブロック図である。
【図25】耐震性を高めた他の実施形態を示す説明図で
ある。
【図26】エンコーダの耐震性を高めた説明図である。
【図27】グリップ装置を長手方向から示した説明図で
ある。
【図28】図27のA−A線における縦断面図である。
【図29】クランプ装置の他の実施形態を示す説明図で
ある。
【図30】ラックピニオン式駆動装置の説明図である。
【図31】他の実施形態に係る駆動装置の説明図であ
る。
【図32】他の実施形態に係る駆動装置の説明図であ
る。
【図33】図31に正面図を示したリニアモータ式の平
面図である。
【図34】移動側クランプの移動側クランプの移動範囲
を示す説明図である。
【図35】ベルトから取り外せる移動側クランプの説明
図である。
【図36】他の実施形態に係る取り外せる移動側クラン
プの説明図である。
【図37】プレス機のクランク軸の回転状態をグラフに
表示した説明図である。
【図38】プレス機からの入力される回転信号のタイム
チャート図である。
【図39】プレス機からの入力される回転信号のタイム
チャート図である。
【図40】図31に示すリニアモータ144の説明図で
ある。
【図41】リニアモータ144の変更例を示す説明図で
ある。
【図42】リニアモータ144の変更例を示す説明図で
ある。
【図43】駆動モータの変更例を示す説明図である。
【図44】駆動モータの変更例を示す説明図である。
【図45】駆動モータの変更例を示す説明図である。
【図46】駆動モータの変更例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・基枠、2・・取り付け部材、3・・取り付け用ベ
ース、4・・突設部材、5・・連結部材、6・・ボル
ト、7・・ゴム、10・・固定側ロール、11・・軸受
け、20・・移動側ロール、21・・アーム、21c・
・回転揺動支点、22・・軸受け、23・・延長部材、
24・・バネ、30・・帯状材料、40・・閉鎖用電磁
石、41・・鉄芯、42・・コイル、43・・緩衝板、
44・・可動板、50・・開放用電磁石、51・・鉄
芯、52・・コイル、53・・緩衝板、54・・可動
板、60・・リリーシング距離設定目盛り部材、61・
・ウォームギヤ、62・・ダイヤル、63・・ブラケッ
ト、64・・支持部材、70・・溝、80・・ロータリ
ーエンコーダ、81・・ベース、82・・ブラケット、
83・・ゴム足、84・・取り付け板、85・・ベアリ
ング、86・・回転軸、86a,86b・・プーリ、8
7a,87b・・ベルト、90・・駆動モーター、91
・・タイミングベルト、92,93・・中間プーリー、
94,95・・タイミングベルト、100・・送り装置
制御部、101・・データ入力部、102・・CPU、
103・・RAM、104・・検出器、105・・パワ
ー入出力部、106・・送り装置機械部、107・・非
常停止司令部、108・・表示部、110・・移動側ク
ランプ、111・・グリッパ、112・・保持面、11
3・・バネ、114・・保持部材、115・・支持部
材、116・・可動鉄心、117・・コイル、118・
・ストッパ、119・・基板部、120・・固定側クラ
ンプ、130・・モータ、131・・搬送ベルト、13
1a・・係合突起、132・・タイミングベルト、13
3・・レール、140・・サーボモータ、141・・ピ
ニオン、142・・ラック、144・・リニアモータ、
145・・直進移動体、147・・ボールねじ、148
・・移動体部、149・・レバー、150・・リンク、
155・・固着部材、155a・・取り外しレバー、1
55b・・押圧バネ、155c・・被係合突起156・
・シリンダ部材、157・・押圧部材、157a・・ガ
イド部材、157b・・バネ、157c・・T字部、1
57d・・被係合突起。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側ロールに移動側ロールを押圧し、
    そのロール間に挟持する材料をロールの回転によりプレ
    ス機に供給し、プレス機のパイロットピンが材料に穿設
    された位置決め孔に突入するとき移動側ロールの可動片
    を磁力により引き寄せて移動側ロールを材料から離反さ
    せる開放用電磁石を備える材料送り装置において、 前記開放用電磁石に対向して閉鎖用電磁石を取り付け、
    前記閉鎖用電磁石の磁力で前記移動側ロールの可動片を
    引き寄せて前記移動側ロールで材料を挟持することを特
    徴とするプレス機の材料送り装置。
  2. 【請求項2】 前記開放用電磁石の可動片に、前記開放
    用電磁石が吸着する面に対となる面に閉鎖用電磁石を吸
    着させる請求項1記載の把持部としたプレス機の材料送
    り装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁石のコイルを、可動片に対し直
    交するように分離して可動板に近接して取り付けた請求
    項1又は2記載のプレス機の材料送り装置。
  4. 【請求項4】 前記移動側ロール及び固定側ロールに、
    それぞれ中間プーリを介してタイミングベルトにより駆
    動力を伝達するとともに、前記移動側ロールの中間プー
    リを、移動側ロールの中心と揺動支点とを結ぶ線上であ
    って揺動支点側に近い位置に設けた請求項1記載のプレ
    ス機の材料送り装置。
  5. 【請求項5】 前記移動側ロールに、自由回転を抑止す
    る停止部材を設けた請求項1記載のプレス機の材料送り
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は3記載のプレス機の材
    料送り装置において、閉鎖位置の移動用ロールを開放用
    電磁石により引き上げ、移動用ロールが帯状材料から離
    れた時点で、開放用電磁石から閉鎖用電磁石に通電を切
    り換えるリリース制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2又は3記載の電磁石の鉄心
    及び可動片は、ネジ穴を穿設されボルトで固定されると
    ともに、表層に溝が磁束方向に沿って設けられ渦電流を
    流し難くしたプレス機の材料送り装置。
  8. 【請求項8】 請求項1、2又は3記載の電磁石の鉄心
    及び可動片は、薄板を磁束方向に沿って接面させた積層
    体であって、ボルトで螺合されるネジ穴を穿設した面で
    溶接固着した請求項1、2又は3記載のプレス機の材料
    送り装置。
  9. 【請求項9】 請求項1、2又は3記載の開放用電磁石
    を、基枠に設けたリリーシング距離設定目盛り部材に従
    い、帯状材料からの距離を調整できるプレス機の材料送
    り装置。
  10. 【請求項10】 請求項1、2又は3記載の閉鎖用電磁
    石及び開放用電磁石並びに移動用ロールを、薄板状連結
    部材を介して基枠に固着するとともに、取り付け用ベー
    スにゴム脚を介して載置した基枠を、その基枠の内側に
    取り付け用ベースから突設した突設部材に基枠連結部材
    を介して固着したことにより、水平方向へ固定し上下方
    向への揺動を許容したプレス機の材料送り装置。
  11. 【請求項11】 移動側クランプを帯状材料の送り方向
    へ往復動可能に設け、その移動側クランプに帯状材料を
    保持面に押圧して挟持する保持部材を設け、該保持部材
    により挟持した帯状材料を、その保持部材の送り移動に
    よりプレス機に供給し、プレス機のパイロットピンが材
    料に穿設された位置決め孔に突入するとき、該保持部材
    を引き上げ該材料を開放する材料送り装置において、該
    保持部材を保持面に押圧させる閉鎖用電磁石と、該保持
    部材を保持面から引き上げる開放用電磁石とを対向させ
    て備えたプレス機の材料送り装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の移動側クランプが、
    帯状材料を掴む送り開始位置又はピッチ分の帯状材料の
    掴まれる位置を規則的に変更させるプレス機の材料送り
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の移動側クランプに、
    移動位置の検知機を取り付けるとともに、正確な移動位
    置との差異を誤差テーブルとして予め記録しておき、該
    検知機の検出位置を該誤差テーブルの差異で補正するプ
    レス機の材料送り装置。
  14. 【請求項14】 請求項11記載の移動側クランプを、
    帯状材料の送り方向へ往復動させる駆動部材に対し取り
    外し自在に設け、移動側クランプの初期位置で該駆動部
    材から解除し、該駆動部材を変異させて取り付けること
    により該駆動部材の取付位置を変異させるプレス機の材
    料送り装置。
  15. 【請求項15】 プレス機のクランク軸の回転を検出す
    る検知器を備える材料送り装置において、予め材料の送
    り長さ、送り加速度、送り行程の所望する開始角度、終
    了角度を入力しておく記憶部を制御装置に備え、プレス
    機が0度から始動した直後より、検出器で得た回転信号
    と該記憶部の値から演算した追従回転速度と逐次比較し
    て、送り装置の追従速度よりプレス機の測定した速度が
    越えて追従できないと判定を行うとプレス機を非常停止
    させる制御部を備えることを特徴とする材料送り装置。
  16. 【請求項16】 プレス機のクランク軸の回転を検出す
    る検知器を備える材料送り装置において、検出時期の異
    なる2つ以上の検出信号の単位時間ごとの頻出順位を比
    較して、その順位が異なったと判定を行うとプレス機を
    非常停止させる制御部を備えることを特徴とする材料送
    り装置。
  17. 【請求項17】 プレス機のクランク軸の回転を検出す
    る検知器を備え、初回の検知信号の継続時間を、タイマ
    ーの持続時間に設定できる材料送り装置において、2回
    以降の検出信号の継続時間をタイマーの持続時間と比較
    して、2回以降の検出信号の継続時間が、タイマーの持
    続時間の所定範囲を超えたと判定を行うとプレス機を非
    常停止させる制御部を備えることを特徴とする材料送り
    装置。
  18. 【請求項18】 請求項15,16又は17記載の検知
    器は、操作盤に取り付けたモニターランプに接続され、
    プレス機が出力する同期信号の有無を作業者に通知する
    プレス機の材料送り装置。
  19. 【請求項19】 請求項15,16又は17記載の検知
    器を、プレス機のクラッチ及びフライホイールを備えた
    クランク軸に取り付けたベルトの回動軸と他のベルトで
    連結するとともに、前記検知器を、ゴム足を介して固定
    したプレス機の材料送り装置。
  20. 【請求項20】 請求項11記載の移動側クランプを帯
    状材料の送り方向へ往復動可能とするモーターを備え、
    その固定子又は可動子若しくは回転子の一方に磁極が交
    互に切り替わるように永久磁石を配列し、その他方に該
    磁極に対向して励磁する巻線を巻装した突極を突設する
    鉄芯を備え、固定子に対し可動子又は回転子が該永久磁
    石の配列方向へ往復動又は回転するモーターを備えるプ
    レス機の材料送り装置であって、該鉄芯を該永久磁石の
    配列方向へ、移動方向若しくは回転方向へ又はその横方
    向へ3列に配設し、それぞれに3相ベクトル制御される
    該巻線を巻装し出力変動を無くすためのスキューを設け
    たモータを備えるプレス機の材料送り装置。
  21. 【請求項21】 請求項11記載の移動側クランプを帯
    状材料の送り方向へ往復動可能とするリニアモーターを
    備え、その固定子又は可動子の一方に磁極が交互に切り
    替わるように永久磁石を配列し、その他方に該磁極に対
    向して励磁する巻線を巻装した突極を突設する鉄芯を備
    え、固定子に対し可動子が該永久磁石の配列方向へ往復
    動するリニアモーターを備えるプレス機の材料送り装置
    であって、 該突極を該永久磁石の配列方向へ3列に配設し、それぞ
    れに3相ベクトル制御される該巻線を巻装するととも
    に、各突極に有する突歯を突極の列方向に揃えたリニア
    モータを備えるプレス機の材料送り装置。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の前記突歯の片側を、
    前記巻線を巻装した前記突極に取り付けるとともに、前
    記突歯に取り付けた突極間に、極性を反対とする補助突
    極を突極間の1/2ピッチとなる間隔で往復動方向へ交
    互になるように配列するとともに、該補助突極に他の突
    歯の他方側を取り付け、突極及び補助突極の突歯を並設
    したプレス機の材料送り装置。
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