JP2001015863A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP2001015863A
JP2001015863A JP18557999A JP18557999A JP2001015863A JP 2001015863 A JP2001015863 A JP 2001015863A JP 18557999 A JP18557999 A JP 18557999A JP 18557999 A JP18557999 A JP 18557999A JP 2001015863 A JP2001015863 A JP 2001015863A
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active layer
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laser device
barrier layer
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JP18557999A
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Akira Mizuyoshi
明 水由
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性層に歪みを有する半導体レーザ素子にお
いて、特性を改善し、長期信頼性を向上させる。 【解決手段】 n型GaAs基板11上に、n型GaAs
バッファ層12、n型Al0.4Ga0.6Asクラッド層13、
Al0.4Ga0.6As→Al0.05Ga0.95As0.740.26
(ノンドープ)組成及び歪み傾斜バリア層14、In0.35
Ga0.65As(ノンドープ)活性層15、Al0.05Ga
0.95As0.740.26→Al0.4Ga0.6As(ノンドー
プ)組成及び歪み傾斜バリア層16、p型Al0.4Ga0.6
Asクラッド層17、p型In0.484Ga0.516Pエッチン
グストップ層18、p型Al0.4Ga0.6Asクラッド層1
9、p型GaAsコンタクト層を順次積層する。バリア
層14および16のエネルギーギャップをクラッド層13およ
び17から活性層15に向かって徐々に大きくし、かつ、格
子定数をクラッド層13および17から活性層15に向かって
徐々に変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ装置
に関し、特に、活性層に歪みを有し、バリア層の屈折率
が活性層に向かって徐々に大きくなっているGRIN−
SCH構造の半導体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体レーザ装置は、高品質、高
機能化が要求されるようになり、レーザ装置の低しきい
値電流化、高効率化等が要求されるようになった。そこ
で、キャリアを効率よく活性層に輸送して、低しきい値
電流化、低駆動電流化するために、活性層を挟むバリア
層の屈折率を活性層に向かって階段状に高くなるように
した、GRIN-SCH(Graded-Index-Separate-Confi
nement-Heterostructure)構造が採られるようになっ
た。
【0003】このGRIN-SCH構造の半導体レーザ
素子について、1982年発行のAppl.Phys.lett.,vol.40,p
217-219において、W.Tsangによる、“Extremely low th
reshold (AlGaAs)As graded-index waveguide separate
-confinement heterostructure lasers by molecular b
eam epitaxy”に記載されている。本構造は半導体レー
ザ素子の必要要件であるキャリア閉じ込め、及び光閉じ
込めを行うための、活性層に量子井戸構造を用いる場合
には、とりわけ好適な構造である。それは、通常のSC
H(Separate-Confinement-Heterostructure)構造と比
較し、クラッド層とバリア層界面で生じるヘテロスパイ
クを抑制し、素子抵抗を低減する効果と、バリア層に電
界が形成され、活性層へのキャリア注入効率が向上する
効果があるためである。
【0004】しかしながら、本構造では、活性層と基板
は同じ格子定数を持ち、また、他の組成傾斜バリア層や
クラッド層も基板とほぼ同じ格子定数を持つ、いわゆる
格子整合系の結晶で構成されており、活性層を構成する
組成の選択の幅が狭いという欠点があった。
【0005】一方、活性層の格子定数と基板の格子定数
が異なる場合、つまり半導体レーザ素子の活性層に歪み
を持たせた場合、半導体レーザ素子の発振閾値電流等の
特性が改善されることが、1976年発行のAppl.Phys.Let
t.Vol29,No.12,p807において、C.J.Nuese,G.H.Olsen,
M.Ettenberg,J.J.Gannon,and T.J.Zamerowskiらによ
る、“C.W.room-temperature InGaAs/InGaP 1.06nm las
ers”に記載されている。
【0006】また、半導体レーザ素子の活性層を量子井
戸化し、さらに活性層の格子定数のみを他の構成される
層と異なった構成とする、いわゆる歪量子井戸構造のレ
ーザが、1984年発行のAppl.Phys.Lett.vol44,No.7,p.6
53において、D.Laidig,P.J.Casldwell,Y.F.Lin,and
C.K.Pengらによる“Straind-layer quantum-well injec
tion laser”に記載されている。
【0007】また、先に述べたGRIN−SCH構造を
用いた歪量子井戸半導体レーザ素子についても、1986年
発行のAppl.Phys.Lett.Vol49,No24,p.1659において、D.
Fekete,K.T.Chan,J.M.Ballantyne,and L.F.Eastman
らによる、“Graded-index separate-confinement InGa
As/GaAs strained-layer quantum well laser grown by
metalorganic chemical vaper deposition”に報告さ
れている。
【0008】これまで、歪み量子井戸レーザにおいて、
活性層の歪みが大きい場合、適当な膜厚が臨界膜厚以上
になると、結晶中に転位が発生してしまい特性の悪化が
生じるという問題があった。そこで、大きい歪みを活性
層に入れる場合に、活性層の歪みと向きが逆の結晶を量
子井戸層の両側のバリア層に用いることが、1989年発行
のJournal of Appl.Phys.,Vol65,No12,p.4789におい
て、Allen Vawter and D.R.Myersらによる、“Useful d
esign relationships for engineering of thermodynam
ically stable strained-layer structure”に記載され
ている。ここでは、活性層と逆の歪みを導入することよ
り、混晶材料の選択範囲を広げることができるので、発
振波長域を拡大させることができたことと、さらなる特
性の改善がなされたことが報告されている。以後、上記
のような活性層は歪み補償型活性層と呼ばれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、活性層
に歪みのある量子井戸レーザにおいては、非常に歪みが
大きい活性層の場合、適当な量子井戸幅が臨界膜厚に近
いため、通常の結晶成長方法では良好な結晶品質が得ら
れず、半導体レーザ特性が低下するという問題があっ
た。
【0010】また、活性層の歪みが小さく、結晶成長上
は何ら問題を生じないような場合においても、混晶材料
の選択範囲を広げ、発振波長範囲の拡大可能な構造を有
することが望まれている。
【0011】従って、歪量子井戸レーザにおいて、さら
なる良好な特性を維持する素子構造を有することが必要
である。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みて、歪量子井戸
レーザにおいて、特性を改善し、長期信頼性の高い半導
体レーザ装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ装
置は、基板上に、歪量子井戸からなる活性層と、該活性
層を挟む2つのバリア層と、該バリア層を挟む2つのク
ラッド層とを備えた半導体レーザ装置において、前記バ
リア層の屈折率が、該バリア層とクラッド層の界面、あ
るいは該バリア層内から活性層に向かって徐々に大きく
なっており、かつ、バリア層の格子定数が、バリア層と
クラッド層の界面、あるいは該バリア層内から活性層に
向かって徐々に変化していることを特徴とするものであ
る。
【0014】また、活性層は、多重量子井戸構造であっ
てもよい。
【0015】また、発振波長が870nm以上1100
nm以下である半導体レーザ装置に上記構成による本発
明を適用することはより効果的である。
【0016】
【発明の効果】本発明の半導体レーザ装置によれば、基
板上に、歪量子井戸からなる活性層と、該活性層を挟む
2つのバリア層と、該バリア層を挟む2つのクラッド層
とを備えた半導体レーザ装置において、バリア層の屈折
率を、バリア層とクラッド層の界面、あるいはバリア層
内から活性層に向かって徐々に大きくし、かつ、バリア
層の格子定数を、バリア層とクラッド層の界面、あるい
はバリア層内から活性層に向かって徐々に変化させるこ
とにより、バリア層でのバンドオフセットの変化を小さ
くし、GRIN−SCH構造の持つ素子抵抗低減効果
と、キャリア注入の高効率化を最大限に引き出すことが
できるので、素子抵抗を低減することができ、素子のし
きい値電流の低減、低駆動電流化および高効率化等の特
性の改善を行うことができる。よって、安定な出力を得
ることができ、長期信頼性を向上させることができる。
【0017】特に、活性層の歪みが小さく、歪みによる
特性改善の効果が小さい場合においても、本発明によ
り、GRIN−SCH構造の持つ素子抵抗低減効果と、
キャリア注入の高効率化を最大限に引き出すことができ
るので前述のような特性の改善が可能である。
【0018】また、バリア層の膜厚が臨界膜厚に近い場
合には、バリア層の途中から屈折率および格子定数を活
性層に向かって傾斜させることにより、バリア層の厚さ
の影響を受けることなく、活性層に大きな歪みを持たせ
ることができる。
【0019】また、上記活性層を多重量子井戸構造とす
ることによって、さらに、しきい値電流を低減すること
ができる。
【0020】また、発振波長が、870nmから110
0nmの半導体レーザ装置のように、発振波長を決定す
るために活性層の組成が制限されたり、良好な特性が得
られない場合に、上記構成による本発明を適用すること
はより効果的である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明する。
【0022】図1は本発明の第1の実施の形態による発
振波長1060nm帯の半導体レーザ素子の積層方向の
断面図を示す。
【0023】本実施の形態による半導体レーザ素子の活
性層はInGaAsであり、基板との格子定数差が大き
く、大きな圧縮歪みが活性層に加わる構造となってい
る。
【0024】図1に示すように、本実施の形態による半
導体レーザ素子は、n型GaAs基板(キャリア濃度7
〜20×1017cm-3)11上に、有機金属気相成長(M
OCVD)法、あるいは、分子線エピタキシー(MB
E)法により、厚さ200〜600nm程度のn型Ga
As(キャリア濃度7〜20×1017cm-3)バッファ
層12、厚さ2μmのn型Al0.4Ga0.6As(キャリア
濃度5〜15×1017cm-3)クラッド層13、厚さ10
0nmのAl0.4Ga0.6As→Al0.05Ga0.95As
0.740.26(ノンドープ)組成及び歪み傾斜バリア層1
4、厚さ5nmのIn0.35Ga0.65As(ノンドープ)
活性層15、厚さ100nmのAl0.05Ga0.95As0.74
0.26→Al0.4Ga0.6As(ノンドープ)組成及び歪
み傾斜バリア層16、厚さ400nmのp型Al0.4Ga
0.6As(キャリア濃度5〜20×1017cm-3)クラ
ッド層17、厚さ4〜10nm程度のp型In0.484Ga
0.516P(キャリア濃度5〜15×1017cm-3)エッチ
ングストップ層18、厚さ1.6μmのp型Al0.4Ga
0.6As(キャリア濃度5〜20×1017cm-3)クラ
ッド層19、厚さ150〜500nm程度のp型GaAs
(キャリア濃度5〜30×1018cm-3)コンタクト層
が順次積層された結晶からなるものである。
【0025】図2に、このようにして積層された結晶の
エネルギーギャップを示す。図2に示すように、活性層
15は基板に対して圧縮歪みを有している。また、エネル
ギーギャップ(Eg)がクラッド層から活性層に向かっ
て小さくなっており、このような構造が、いわゆるGR
IN−SCH(Graded-Index-Separate-Confinement-He
terostructure)と呼ばれる構造である。
【0026】図3に、積層された結晶のGaAsに対す
る格子定数を示す。図3の縦軸に積層方向の構造を示
し、横軸に、この結晶層のGaAsに対する格子定数を
示している。図3に示すように、本実施の形態における
半導体レーザ素子の構造が、従来のGRIN−SCH構
造と異なるのは、図1で示したバリア層14の格子定数
が、クラッド層13とバリア層14の界面から活性層15に向
かって徐々に小さくなるようにしたことである。また、
もう一つのバリア層16についても同様である。2つのバ
リア層の歪みは活性層の歪みとは逆の、引っ張り歪みを
有している。
【0027】このように、活性層の歪みとは逆の歪みを
バリア層に持たせることによって、活性層の圧縮歪が引
っ張り歪みを持つバリア層によって補償される。また、
バリア層の歪みを傾斜させることにより、バリア層での
バンドオフセットの変化を小さくすることができ、GR
IN−SCH構造の持つ素子抵抗低減効果と、キャリア
注入の高効率化を最大限に活用できる。
【0028】次に、前述した結晶の素子化の工程につい
てリッジ構造を例に述べる。結晶成長後の試料に、通常
のフォトリソグラフィー工程により、リッジエッチング
加工用のレジストパターンを作成し、例えば、酒石酸系
エッチング液によって、p型GaAsコンタクト層とp
型AlGaAsクラッド層をエッチング除去する。この
とき、エッチングストップ層p型InGaPは酒石酸系
エッチング液に対して、p型GaAsコンタクト層とp
型AlGaAsクラッド層と比較して、非常にエッチン
グ速度が遅いため、適当なエッチング時間でエッチング
することにより、容易にリッジ形状が得られる。この
後、レジストパターンを除去し、その上に、SiO2
Si34などの誘電体膜を100〜200nm程度堆積
する。
【0029】次に、電極接触用の窓をリッジ頂上部に開
けるために、先に述べたフォトリソグラフィ工程によ
り、レジストをパターニングし、フッ素系ガスを用いた
アクティブイオンエッチングなどの方法により、リッジ
頂上部の誘電体膜をエッチング除去する。その後、例え
ばTi/Pt/Au(各々の膜厚は、例えば50nm/
80nm/300nm)の順に電子ビーム蒸着法などに
より蒸着し、p側電極を形成する。次に、劈開により共
振器の作成を容易にするために、試料の厚さを120〜
150μm程度まで研磨し、n側電極を電子ビーム蒸着
法や抵抗加熱蒸着法を組み合わせて、例えば、AuGe
/Ni/Auの順に、膜厚を50nm、30nm、30
0nm程度で堆積する。その後、電極のオーム性接触を
得るために、400℃、1分程度電極を反応させる。
【0030】次に、所定の位置で、かつ所定の間隔、例
えば750μm間隔にてバー状に劈開し、劈開された各
々の端面に誘電体膜によるコーティングを以下のように
実施する。ここで、誘電体膜がコーティングされた図
を、後で劈開してできる1個の半導体レーザ素子の図を
図4に示す。バー劈開された光出射面に、発振波長95
0nmに対する反射率が例えば10%程度になるよう
に、Al23膜41を所定の膜厚、例えばイオンアシステ
ッド電子ビーム蒸着法などにより堆積する。さらに、反
対側の端面には同様の手法を用いて発振波長1060n
mに対する反射率が例えば80%以上になるように、第
1層42をAl23、第2層43をTiO2、第3層44をS
iO2、第4層45をTiO2、第5層46をSiO2、第6
層47をTiO2、第7層48をSiO2にして、誘電体多層
膜を所定の厚さに堆積する。
【0031】その後、半導体レーザ素子のバー状の試料
を所定の位置にて劈開し、図4のようにチップ化する。
その後、各々のチップの電気的評価選別を行い、半導体
レーザチップをジャンクションアップ方式にて、例え
ば、錫、銀、銅、ビスマス(Su/Ag/Cu/Bi)
系の鉛のフリーハンダなどを用いて上下面がメタライズ
してあるセラミックヒートシンクにハンダ付けする。そ
の後、半導体レーザチップの搭載されたヒートシンクを
銅製のヘッダーにハンダ付けなどにより接着する。その
後、銅製ヘッダーとは電気的絶縁された上面メタライズ
してあるアルミナなどのセラミック上と半導体レーザ素
子のプラス側、マイナス側の各々を金ワイヤーにて、加
熱併用超音波ボンディングにて結線し、半導体レーザ素
子を完成させる。
【0032】このようにして作成された半導体レーザ装
置は、活性層が強い圧縮歪をもっているにもかかわら
ず、素子抵抗が低く、ひいては素子発熱などの無駄な電
力消費を低減でき、発光効率が高い、経時信頼性の高
い、良好なデバイスを得ることができる。
【0033】次に、本発明の第2の実施の形態による9
50nm帯の半導体レーザ素子について説明し、図5に
その半導体レーザ素子の積層方向の構造を示す。
【0034】図5に示すように、n型GaAs(キャリ
ア濃度7〜20×1017cm-3)基板51上に、有機金属
気相成長法(MOCVD)あるいは分子線エピタキシー
(MBE)法などにより、厚さ200〜600nm程度
のn型GaAs(キャリア濃度7〜20×1017
-3)バッファ層52、厚さ2μmのn型Al0.4Ga0.6
As(キャリア濃度5〜15×1017cm-3)クラッド
層53、厚さ100nmのAl0.4Ga0.6As→Al0.24
In0.16Ga0.6As(ノンドープ)組成及び歪み傾斜
バリア層54、厚さ9nmのIn0.16Ga0.84As(ノン
ドープ)活性層55、厚さ100nmのAl0.24In0.16
Ga0.6As→Al0.4Ga0.6As(ノンドープ)組成
及び歪み傾斜バリア層56、厚さ400nmのp型Al
0.4Ga0.6As(キャリア濃度5〜20×1017
-3)クラッド層57、厚さ4〜10nm程度のp型In
0.484Ga0.516P(キャリア濃度5〜15×1017cm
-3)エッチングストップ層58、厚さ1.6μmのp型A
0.4Ga0.6As(キャリア濃度5〜20×1017cm
-3)クラッド層59、厚さ150〜500nm程度のp型
GaAs(キャリア濃度5〜30×1018cm-3)コンタ
クト層60を順次積層し、結晶層を形成する。
【0035】本構造のエネルギーギャップを図6に示
し、図7にGaAsに対する格子定数を示す。
【0036】この構造の特徴は、図6に示すように、エ
ネルギーギャップ(Eg)がクラッド層53および57から
活性層55に向かって小さくなっているGRIN−SCH
構造であり、かつ、図7に示すように、バリア層54の格
子定数が、クラッド層53側から、活性層55に向かって徐
々に大きくなるようにしたことにある。また、もう一つ
のバリア層56についても同様である。これにより、活性
層55の圧縮歪みが、同じ圧縮歪みを持つバリア層によっ
てより大きな歪みを受ける。この950nm帯のレーザ
では活性層の歪みが小さく、歪みによるレーザの特性改
善が小さいことが一つの問題であった。しかし、本実施
の形態のように、バリア層から活性層に歪みを傾斜させ
ることにより、バリア層でのバンドオフセットの変化を
小さくすることができ、GRIN−SCH構造の持つ素
子抵抗低減効果と、キャリア注入の高効率化を最大限に
活用できる。
【0037】もちろん、活性層の歪みを大きくする別の
方法として、例えば活性層そのものにAlInGaAs
を用い、Inを増やすことによっても950nmのレー
ザ発振が可能であるが、活性層にAlを含む材料を用い
ると、レーザ端面の酸化などに起因した欠陥などによ
り、デバイスの信頼性が低下するなどの問題が生じる。
本実施の形態では、活性層にはAlを含まないInGa
Asであるため、高い信頼性が得られる。
【0038】次に本発明の第3の実施の形態による半導
体レーザ素子について説明し、その層構成と格子定数を
図8に示す。本実施の形態による半導体レーザ素子の積
層構造は、GaAs基板81上に、バッファ層82、Al
0.4Ga0.6Asクラッド層83、Al0.4Ga0.6As→A
0.3In0.2Ga0.5As組成及び歪み傾斜バリア層8
4、In0.16Ga0.84As活性層85、Al0.30In0.20
Ga0.50As→Al0.4Ga0.6As組成及び歪み傾斜バ
リア層86、p型Al0.4Ga0.6Asクラッド層87、p型
In0.484Ga0.516Pエッチングストップ層88、p型A
0.4Ga0.6Asクラッド層89、p型GaAsコンタク
ト層90を順次積層されてなるものである。
【0039】本実施の形態による半導体レーザ素子は、
第2の実施の形態による半導体レーザ素子と同様に、活
性層の圧縮歪みが小さい場合であり、特徴となるのは、
バリア層の圧縮歪みが活性層に向かって徐々に大きくな
っており、かつ、バリア層の圧縮歪みを活性層の近傍で
活性層より大きくしたことである。これにより、さらな
る低しきい値電流化、低消費電力化等の特性の改善が可
能である。
【0040】次に本発明の第4の実施の形態による半導
体レーザ素子について説明し、その結晶層の格子定数を
図9に示す。本実施の形態による半導体レーザ素子は、
GaAs基板91上に、バッファ層92、Al0.4Ga0.6
sクラッド層93、Al0.4Ga0.6As→Al0.3Ga0.7
As→Al0.3In0.26Ga0.44As組成及び歪み傾斜
バリア層94、In0.16Ga0.84As活性層95、Al0.3
In0.26Ga0.44As→Al0.3Ga0.7As→Al0.4
Ga0.6As組成及び歪み傾斜バリア層96、p型Al0.4
Ga0.6Asクラッド層97、p型In0.484Ga0.516
エッチングストップ層98、p型Al0.4Ga0.6Asクラ
ッド層99、p型GaAsコンタクト層100を順次積層さ
れてなるものである。
【0041】本実施の形態による半導体レーザ素子は、
第2および第3の実施の形態と同様に活性層の圧縮歪
みが小さいものである。特徴となるのは、バリア層の圧
縮歪みがバリア層の途中から活性層に向かって徐々に大
きくなっており、かつ活性層の近傍で活性層より大きく
なっていることである。
【0042】本実施の形態のように、歪みのある結晶を
成長する際には、臨界膜厚が存在し、歪みが大きいほど
膜厚が制限されることがある。よって、バリア層の途中
から活性層に向けて歪みを入れることにより、バリア層
厚の影響を受けずに、活性層近傍でより大きな歪みを持
つ結晶を成長することができ、活性層に効果的に圧縮歪
みを加えることができる。
【0043】次に本発明の第5の実施の形態による半導
体レーザ素子について説明し、その結晶層のエネルギー
ギャップを図10に示し、格子定数を図11に示す。
【0044】本実施の形態の半導体レーザ素子は、Ga
As基板101上に、バッファ層102、Al0.4Ga0.6As
クラッド層103、Alx1Iny1Gaz1As→Alx2In
y2Gaz2As(z1=1-x1-y1、z2=1-x2-y2)組成及び歪み
傾斜下部バリア層104、In0.16Ga0.84As活性層10
5、Alx2Iny2Gaz2As→Alx1Iny1Gaz1As
(z1=1-x1-y1、z2=1-x2-y2)組成及び歪み傾斜上部バリ
ア層106、p型Al0.4Ga0.6Asクラッド層107、p型
In0.484Ga0.516Pエッチングストップ層108、p型
Al0.4Ga0.6Asクラッド層109、p型GaAsコン
タクト層110が順次積層されてなるものである。
【0045】組成及び歪み傾斜下部バリア層104におい
て、Alの組成比はクラッド層103側から活性層に向か
ってx1からx2へ変化し、Inの組成比はy1からy
2へ変化するものである。例えば、Alの組成比は、x
1=0.4からx2=0.24へ膜厚の増加に対して指
数関数的に減少させ、Inの組成比は、y1=0からy
2=0.16へ膜厚の増加に対して指数関数的に増加さ
せる。
【0046】また、組成及び歪み傾斜上部バリア層106
において、Alの組成比は活性層側からp型クラッド層
107に向かってx2はx1へ変化し、Inの組成比はy
2はy1へ変化するものである。例えば、Alの組成比
は、x2=0.24からx1=0.4へ膜厚の増加に対
して指数関数的に増加させ、Inの組成比は、y2=
0.16からy1=0へ膜厚の増加に対して指数関数的
に減少させる。
【0047】本実施の形態による半導体レーザ素子の構
造は、図10に示すように、バリア層104および106のエネ
ルギーギャップは上記の組成変化に従ってクラッド層10
3および107から活性層に向かって指数関数的に小さく
なっており、かつ、図11に示すように、バリア層104お
よび106の格子定数は活性層105と同様の圧縮歪みを有す
るように指数関数的に増加している。
【0048】上記第1から第4の実施の形態による半導
体レーザ素子においては、バリア層の屈折率と格子定数
が単調に変化している場合について述べたが、本実施の
形態に示すように、バリア層の屈折率と格子定数が指数
関数的に変化していてもよく、上記実施の形態と同様の
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による半導体レーザ素子を構
成する結晶の積層方向の断面構造を示す図
【図2】第1の実施の形態による半導体レーザ素子を構
成する結晶のエネルギーギャップを示す図
【図3】第1の実施の形態による半導体レーザ素子を構
成する結晶の格子定数を示す図
【図4】第1の実施の形態による半導体レーザ素子を示
す斜傾図
【図5】第2の実施の形態による半導体レーザ素子を構
成する結晶の積層方向の断面構造を示す図
【図6】第2の実施の形態による半導体レーザ素子を構
成する結晶のエネルギーギャップを示す図
【図7】第2の実施の形態による半導体レーザ素子を構
成する結晶の格子定数を示す図
【図8】第3の実施の形態による半導体レーザ素子を構
成する結晶の格子定数を示す図
【図9】第4の実施の形態による半導体レーザ素子を構
成する結晶の格子定数を示す図
【図10】第5の実施の形態による半導体レーザ素子を
構成する結晶のエネルギーギャップを示す図
【図11】第5の実施の形態による半導体レーザ素子を
構成する結晶の格子定数を示す図
【符号の説明】
11,51,81,91,101 GaAs基板 13,17,19,53,57,59,83,87,89,93,97,99,103,107,109
クラッド層 14,16,54,56,84,86,94,96,104,106 バリア層 15,55,85,95,105 活性層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、歪量子井戸からなる活性層
    と、該活性層を挟む2つのバリア層と、該バリア層を挟
    む2つのクラッド層とを備えた半導体レーザ装置におい
    て、 前記バリア層の屈折率が、該バリア層と前記クラッド層
    の界面、あるいは該バリア層内から前記活性層に向かっ
    て徐々に大きくなっており、かつ、 前記バリア層の格子定数が、該バリア層と前記クラッド
    層の界面、あるいは該バリア層内から前記活性層に向か
    って徐々に変化していることを特徴とする半導体レーザ
    装置。
  2. 【請求項2】 前記活性層が多重量子井戸構造であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 発振波長が870nm以上1100nm
    以下であることを特徴とする請求項1または2記載の半
    導体レーザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7801194B2 (en) 2002-07-01 2010-09-21 Sharp Kabushiki Kaisha Semiconductor laser device and optical disk unit using the same
CN112072467A (zh) * 2019-06-11 2020-12-11 全新光电科技股份有限公司 半导体雷射二极管

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