JP2001012545A - 積層ゴム支承体 - Google Patents

積層ゴム支承体

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JP2001012545A
JP2001012545A JP17771299A JP17771299A JP2001012545A JP 2001012545 A JP2001012545 A JP 2001012545A JP 17771299 A JP17771299 A JP 17771299A JP 17771299 A JP17771299 A JP 17771299A JP 2001012545 A JP2001012545 A JP 2001012545A
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lead
rubber
laminated
laminated rubber
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Masami Ota
雅己 太田
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】積層ゴムに形成された上下方向の貫通孔から成
る密閉空洞に鉛を圧入充填するに際し、該鉛の周囲を全
体的に均一な圧迫力で積層ゴムによりしっかりと圧迫す
ることで、支承体としての本来の良好なばね性能及び減
衰性能を維持させる。 【構成】ゴム層21及び補強板22から成る積層ゴム2
5を上下方向に貫通する貫通孔26の上下端を閉塞して
形成される密閉空間に鉛30を圧入充填するに際し、ゴ
ム層21の貫通孔26の周囲の所定幅tの領域21Bの
硬度をゴム層21の本来のバネ部分21Aの硬度より高
くする(例えば、JIS硬度で約40度を約60度に高
める)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム層と補強板と
を交互に積層して一体化して成る積層ゴム支承体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種の構造物を免震又は除振可能に支持
する支承体として、積層ゴム支承体が使用されている。
基礎上に構築される建物や据付け台上に設置される精密
機器等においては、地震や通行車両等による外部からの
振動の伝達を極力低減したり、伝達された振動を早期に
減衰することを要求される。また、構築物を地震から保
護したり、さらには、原子力設備、コンピューター、半
導体製造装置あるいは電子顕微鏡など、高い安全性や精
密さを要求される構造体を振動から保護するに際して
は、広い周波数にわたって、振動の大きい地震を遮断す
る他、微振動までを遮断することも要請される。
【0003】このような要請に応じつつ各種の構造物を
免震又は除振可能に弾性支持するために、積層ゴム支承
体が使用されている。この免震支持用の積層ゴム支承体
は、ゴム層と金属や硬質プラスチック板などの補強板と
を交互に一体的に積層した構造を有しており、その上下
の端面には取り付け用のフランジ部材が固着されてい
る。このような積層ゴム支承体は、通常、交互に積層し
たゴム材料と補強板、さらに前記フランジをモールド内
に組み込んで加硫成形することにより一体化する方法で
製造される。前記積層ゴム支承体は、縦方向には高いば
ね定数を有し、横方向には低いばね定数を有しており、
通常、縦横ばね定数比は800以上という大きな値とな
る。
【0004】一方、前記積層ゴム支承体では、減衰特性
がゴム層自体の内部粘性減衰作用のみであるため、ゴム
種や使用条件によっては振動減衰能が過小になることが
ある。そこで、振動減衰能を向上させるために、ゴム層
及び補強板を上下方向に貫通する孔(空洞)を形成し、
その内部に粘弾性材などの充填材を封入することによ
り、支承体の自由表面積の増大を防いで変形を拘束し、
縦ばね定数の過度の低下を防止しながら、振動減衰能を
増大させる技術が提案されている。このような技術は、
例えば特開昭63−293340号公報に開示されてい
る。その場合、前記貫通孔に封入する充填材として鉛を
使用することが提案されている。この充填材として鉛を
使用するものは、例えば「鉛プラグ入り積層ゴム支承
体」とも呼ばれる。
【0005】この鉛を充填する積層ゴム支承体(鉛プラ
グ入り積層ゴム)の場合、前記貫通孔から成る空洞に対
して、該空洞の容積より若干(例えば1%程度)大きい
体積の鉛を圧入(充填率1以上)することにより、該鉛
の周囲を積層ゴムでしっかりと圧迫保持することで所定
のばね性能及び減衰性能を発揮できる製品(積層ゴム支
承体)を得ることが行われている。
【0006】図11は従来の鉛プラグ入り積層ゴム支承
体の縦断面図である。図11において、積層ゴム支承体
50はゴム層21と補強板22とを交互に積層するとと
もに、上下端面にフランジ部材23、24を接合し、こ
れらを加硫成形で一体化して構成されている。前記ゴム
層21及び前記補強板22から成る積層ゴム部25の中
心部には上下方向に貫通する貫通孔26が形成されてお
り、前記上側のフランジ部材23の前記貫通孔26と対
応する位置には開口27が形成され、前記下側のフラン
ジ部材24の前記貫通孔26と対応する位置には開口2
8が形成されている。前記貫通孔26内には鉛30(柱
状の鉛プラグ)が充填され、該鉛30は前記開口27、
28をキャッププレート31、31で密閉することによ
り貫通孔(空洞)26内に圧入状態で封入されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鉛プラグ入り積層ゴム支承体(上下方向の貫通孔から成
る空洞に鉛を圧入するタイプの積層ゴム支承体)におい
ては、以下図12及び図13を参照して説明するような
解決すべき技術的課題があった。図12は、図11中の
X部分における鉛30を圧入する前の状態(a)と鉛3
0を圧入した後の状態(b)とを比較して示す部分縦断
面図であり、図13は積層ゴム支承体が水平方向に弾性
変位するときの各種の履歴曲線形状つまりばね特性及び
内部損失(減衰能)を例示するグラフであり、(a)は
所定の良好な性能を、(b)、(c)、(d)中の実線
は良好でない各種の状態を示す。なお、(b)、
(c)、(d)中の破線は(a)の履歴曲線を対比させ
て記入したものである。
【0008】すなわち、上下方向の貫通孔から成る空洞
に鉛を圧入するタイプの積層ゴム支承体においては、こ
の貫通孔26の内周面は交互に積層されたゴム層(柔ら
かい層)21と補強板(固い層)22とで形成されてい
るので、圧入充填された鉛30は、図12の(b)に示
すように、ゴム層21に接する部分で該コム層内に過度
に食い込んでしまい、この食い込んだ状態でゴム層21
からの反発弾性力で挟圧されている。また、この過度に
食い込んだ部分では、充填された鉛30の表面は、この
食い込んだ部分と補強板22で圧迫される部分とで過度
に蛇腹状に波を打った形状となってしまい、従って、余
程充填率を高めない限り一様でかつ充分な圧迫保持力が
得られないことから、所定のばね性能及び減衰性能を発
揮できなくなることがある。その対策として、鉛の充填
率を高くすることによりゴム層からの圧迫力を増大させ
て良好な状態を保つように調整することが行われている
が、このような方法では、鉛の表面の波打ち形状(蛇腹
形状)は益々顕著になることもあって、充分な対策とは
ならなかった。
【0009】本発明はこのような従来技術に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の目的は、上下方向の貫通孔か
ら成る空洞に鉛を圧入充填するに際し、該鉛の周囲を全
体的に均一な圧迫力で積層ゴムによりしっかりと圧迫す
ることができ、支承体としての本来の良好なばね性能及
び減衰性能を維持することができる積層ゴム支承体を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するため、ゴム層と補強板とを交互に積層し
て一体化して成る積層ゴム支承体において、前記ゴム層
及び前記補強板を上下方向に貫通する貫通孔を形成する
とともに、前記ゴム層の前記貫通孔の周囲の所定幅の領
域の硬度を該ゴム層の他の部分の硬度より高くし、前記
貫通孔内に鉛を充填し該貫通孔の上下端を閉塞すること
を特徴とする。
【0011】請求項2〜4の発明は、上記請求項1の構
成に加えて、前記貫通孔が積層ゴム支承体の中心に形成
されている構成、前記貫通孔内に充填される鉛の体積を
該貫通孔の容積より大きくし、該鉛を該貫通孔内に圧入
する構成、あるいは、前記ゴム層の硬度の高い領域は前
記積層ゴム支承体のばね性能に実質的な影響を及ぼさな
い範囲内である構成とすることにより、上記目的を達成
するものである。
【0012】請求項5の発明は、上記目的を達成するた
め、ゴム層と補強板とを交互に積層して一体化して成る
積層ゴム支承体において、前記ゴム層及び前記補強板を
上下方向に貫通する貫通孔を形成し、該貫通孔の内周面
に前記ゴム層より高い硬度のゴムで形成された所定厚さ
のゴムライニングを接合し、前記ゴムライニングの内部
空間に鉛を充填し、前記貫通孔の上下端を閉塞すること
を特徴とする。
【0013】請求項6〜8の発明は、上記請求項5の構
成に加えて、前記貫通孔が積層ゴム支承体の中心に形成
されている構成、前記貫通孔内に充填される鉛の体積を
該貫通孔の容積より大きくし、該鉛を該貫通孔内に圧入
する構成、あるいは、前記ゴムライニングの厚さは前記
積層ゴム支承体のばね性能に実質的な影響を及ぼさない
厚さに選定される構成とすることにより、上記目的を達
成するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明を適用した積層ゴム
支承体の第1実施例を示す縦断面図であり、図2は図1
中の線2−2から見た平面図(上面図)であり、図3は
図1中のA部を拡大して示す部分縦断面図である。図1
〜図3において、積層ゴム支承体50はゴム層21と補
強板22とを交互に積層するとともに、上下端面にフラ
ンジ部材23、24を接合し、これらを加硫成形で一体
化した構造を有する。前記ゴム層21及び前記補強板2
2から成る積層ゴム部25の中心部には上下方向に貫通
する貫通孔26が形成されており、前記上側のフランジ
部材23の前記貫通孔26と対応する位置には開口27
が形成され、前記下側のフランジ部材24の前記貫通孔
26と対応する位置には開口28が形成されている。
【0015】前記貫通孔26内には柱状の鉛(鉛プラ
グ)30が充填され、該鉛30は前記開口27、28を
キャッププレート31、31で密閉することにより積層
ゴム支承体50内に形成された空洞に封入されている。
上下の各キャッププレート31は一例として複数本のボ
ルト32により上下のフランジ部材23、24に対して
外側(上側及び下側)から着脱可能に取り付けられてい
る。なお、図示の例では、前記開口27、28を段付き
開口にし、その段部の環状面27A、28Aを利用して
前記キャッププレート31、31をボルト止めすること
で、該キャッププレートはフランジ部材23、24の表
面から突出しないようなインロー状態で固定されてい
る。
【0016】また、図示の例では、各段付き開口27、
28の通孔部27B、28Bは前記積層ゴム部25の貫
通孔26と略同じ径寸法を有し、前記柱状の鉛30の端
部は該通孔部27B、28Bまで嵌入している。そし
て、各開口27、28の段部の環状面27A、28Aを
利用してキャッププレート31、31をボルト止めする
ことにより、柱状の鉛30は上下から加圧されて圧縮状
態で前記貫通孔26内に充填されている。
【0017】図示の例では、前記柱状の鉛30の端部が
通孔部27B、28Bの途中まで嵌入しており、上下の
各キャッププレート31の内面(鉛30側)には所定高
さの凸部31Aが形成されている。これらの凸部31
A、31Aの高さは、キャッププレート31、31を段
付き開口27、28にねじ止めしたとき、前記貫通孔2
6内の鉛30の上下の端面に所定圧力で圧接され、該鉛
30を貫通孔26内に圧入状態で充填するような寸法に
設定されている。
【0018】また、前記鉛30の長さを、その端部が前
記積層ゴム25の貫通孔26内に位置する長さとし、前
記キャッププレート31の前記凸部31Aの高さを十分
に高くすることで、該鉛30を両端面から加圧して圧入
状態で充填してもよい。さらに、前記キャッププレート
31は平盤状(平板状)など前記凸部31Aのない形状
にしてもよい。凸部31Aのない形状にする場合は、前
記柱状の鉛30の長さを前記通孔部27B、28Bから
若干突出する長さにして、平盤(平板)状のキャッププ
レート31を各開口27、28の段部の環状面27A、
28Aにボルト止めすることにより前記鉛30を両端面
から加圧して圧入状態で充填するようにしてもよい。
【0019】つまり、鉛30の体積は、上下のキャップ
プレート31、31で開口27、28を閉塞した貫通孔
26(あるいは、該貫通孔と通孔部27b、28B)で
形成された空洞の容積より若干(例えば1%程度)大き
くされており、該鉛30は、上下のキャッププレート3
1、31を取り付ける(ボルト止め)することにより上
下から加圧され、圧縮状態で充填されるようになってい
る。
【0020】そこで、本実施例では、前記ゴム層21の
前記貫通孔26の周囲の所定幅tの領域21Bの硬度を
該ゴム層21の他の部分21Aの硬度より高くし、前記
貫通孔26内に鉛30を充填し、上下のフランジ部材2
3、24の開口部27、27に前記キャッププレート3
1、31をボルト止めで固定することにより、鉛30を
該貫通孔(空洞)26内に圧縮状態(充填率1以上、例
えば約1.01)で圧入充填するように構成されてい
る。この場合、前記積層ゴム25の本来の硬度の低い
(柔らかい)ゴム層21Aの硬度は例えばJIS硬度で
約40度(せん断弾性率G4相当)程度に選定され、前
記貫通孔26周りの所定幅tの硬いゴム層21Bの部分
の硬度は例えばJIS硬度で約60度(せん断弾性率G
8〜G10相当)程度に選定される。また、前記所定幅
tは、前記ゴム層21の硬度の高い領域21Bが前記積
層ゴム支承体50のばね性能に実質的な影響を及ぼさな
い範囲内に選定されている。
【0021】上下のフランジ部材23、24には、積層
ゴム支承体50を上下の構造物や基台等にボルト等で締
結するための複数の取り付け孔33が設けられている。
前記ゴム層21(21A、21B)は所望の硬度及び弾
性係数を有するゴム状弾性材で形成されており、前記補
強板22及び前記上下のフランジ部材23、24は、金
属や硬質プラスチックなどの固くて強度の高い材質で作
られる。前記ゴム21は、生ゴム等のゴム材料を加硫成
形してゴム状弾性体にされたものであり、加硫成形によ
り各補強板22及び上下のフランジ部材23、24と一
体化されたものである。
【0022】こうして、ゴム層21と補強板22とを交
互に積層して一体化して成る積層ゴム支承体において、
前記ゴム層及び前記補強板を上下方向に貫通する貫通孔
26を形成するとともに、前記ゴム層21の前記貫通孔
26の周囲の所定幅tの領域21Bの硬度を該ゴム層の
他の部分21Aの硬度より高くし、前記貫通孔26内に
鉛30を充填し該貫通孔の上下端をキャッププレート3
1、31で閉塞することにより、充填された鉛30を圧
縮状態(圧入状態)にする積層ゴム支承体50の構成が
得られる。この場合、前記貫通孔26内に充填される鉛
30の体積は該貫通孔内の空洞の容積より例えば約1%
程度大きくされ、該鉛30は該貫通孔26内(空洞)に
圧入状態で充填される。また、前記ゴム層21の硬度の
高い領域21B(厚さt)は前記積層ゴム支承体50の
ばね性能に実質的な影響を及ぼさない範囲内に選定され
る。
【0023】以上説明した実施例によれば、ゴム層21
の貫通孔26の周囲の所定幅tの領域21Bの硬度を該
ゴム層の他の部分21Aの硬度より高くしたので、上下
方向の貫通孔から成る空洞に鉛を圧入充填した鉛プラグ
入り積層ゴム支承体を製造するに際し、貫通孔26の内
周面におけるゴム層21(21A)の圧迫力を増大させ
るとともに弾性変形量を減少させることができる。その
ため、圧入充填された鉛30が図12の(b)に示すよ
うにゴム層21層内に必要以上に食い込んで過度に蛇腹
状に波を打った形状となる不都合な現象を軽減又は無く
すことができ、もって、圧入充填された鉛30の周囲を
全体的により均一に積層ゴム25でしっかりと圧迫する
ことができる。
【0024】こうして、積層ゴム部25が水平方向のせ
ん断変形した時に鉛30がゴム部(ゴム層)21内へ逃
げていくことを軽減又は防止することにより、図13の
(b)、(c)、(d)に示すような現象の発生を軽減
又は防止することができる。すなわち、積層ゴム支承体
50により建物等を免震支持して水平方向の振動を減衰
させるときに、図13の(a)に示すような本来のばね
性能及び減衰性能もしくはこれらに近い性能を常に維持
することができる積層ゴム支承体が提供される。
【0025】図4は本発明を適用した積層ゴム支承体の
第2実施例を示す縦断面図であり、図5は図4中の線5
−5から見た平面図(上面図)であり、図6は図4中の
B部を拡大して示す部分縦断面図である。図4〜図6に
示す第2実施例では、ゴム層21及び補強板22を上下
方向に貫通して形成された貫通孔26の内周面に、前記
ゴム層21より高い硬度のゴムで形成された所定厚さu
のゴムライニング35が接合され、該ゴムライニング3
5内の内部空間(空洞)に鉛30を充填した後、上下の
フランジ部材23、24の前記開口部27、28にキャ
ッププレート31、31をネジ32で固定して貫通孔2
6の上下端を閉塞することにより、前記鉛30は圧縮状
態で圧入充填されている。
【0026】なお、前記ゴムライニング35は、筒状又
は板状のゴム材で形成され、その外面を貫通孔26の内
面(実質的に貫通孔26の全内周面)に接着(硫硫接着
を含む)又は嵌合接合(圧入嵌合を含む)した状態で積
層ゴム25内に装着される。こうしてゴムライニング3
5を積層ゴム25内に装着した後、鉛30が該ゴムライ
ニング35内の空洞に前述の第1実施例の場合と同様の
要領で圧入充填される。
【0027】そこで、本実施例でも、前記貫通孔26の
内周面に接合される所定厚さuのゴムライニング35の
硬度は該ゴム層21の硬度より高くされ、装着された前
記ゴムライニング35内に鉛30を充填し、貫通孔26
の上下端をキャッププレート31、31で閉塞すること
により、前記鉛30は該貫通孔(空洞)26内に圧縮状
態(充填率1以上、例えば約1.01)で圧入充填され
る。この場合、前記積層ゴム25のゴム層(硬度の低
い、柔らかいゴム層)21の硬度は例えば約G4(JI
S硬度)程度に選定され、前記貫通孔26の内周面に接
合されるゴムライニング35の硬度(ゴム硬度)は例え
ばJIS硬度で約60度程度に選定される。また、ゴム
ライニング35の厚さ1uは、硬いゴムライニング35
がゴム層21が柔らかいゴムから成るゴム層21による
積層ゴム支承体50の本来のばね性能に実質的な影響を
及ぼさない範囲内に選定されている。
【0028】図4〜図6の第2実施例は、以上説明した
点で図1〜図3の第1実施例と相違するが、その他の部
分では実質上同じ構成をしており、それぞれ対応する部
分を同一符号で示し、それらの詳細説明は省略する。以
上図4〜図6で説明した第2実施例によれば、ゴム層2
1及び補強板22を上下方向に貫通する貫通孔26の内
周面に前記ゴム層21より高い硬度のゴムで形成された
所定厚さuのゴムライニング35を接合し、該ゴムライ
ニング35の内部空間に鉛30を充填し、前記貫通孔2
6の上下端をキャッププレート31、31で閉塞して前
記鉛30を積層ゴム25内に圧縮状態で圧入充填するよ
うに構成したので、前述の第1実施例の場合と同様に、
上下方向の貫通孔から成る空洞に鉛を圧入充填した鉛プ
ラグ入り積層ゴム支承体を製造するに際し、鉛30の周
面に対する貫通孔26の内周面の圧迫保持力を増大させ
るとともに弾性変形量を減少させることができる。
【0029】そのため、圧入充填された鉛30が図12
の(b)に示すようにゴム層21層内に必要以上に食い
込んで過度に蛇腹状に波を打った形状となる不都合な現
象を軽減又は無くすことができ、もって、圧入充填され
た鉛30の周囲を全体的により均一に積層ゴム25でし
っかりと圧迫することができる。こうして、図4〜図6
の第2実施例によっても、積層ゴム部25が水平方向の
せん断変形した時に鉛30がゴム部(ゴム層)21内へ
逃げていくことを軽減又は防止することにより、図13
の(b)、(c)、(d)に示すような現象の発生を軽
減又は防止することができる。すなわち、積層ゴム支承
体50により建物等を免震支持して水平方向の振動を減
衰させるときに、図13の(a)に示すような本来のば
ね性能及び減衰性能もしくはこれらに近い性能を常に維
持することができる積層ゴム支承体が提供される。
【0030】なお、以上の実施例では、積層ゴム支承体
50の中心部に1個の鉛プラグ30を圧入充填する場合
を例示したが、これは、積層ゴム支承体の内部であれ
ば、例えば4本の柱状の鉛を所定位置に配置するなど、
任意の位置に任意の数の鉛プラグを充填する構造にして
もよい。その場合は、鉛プラグの配置に応じた位置及び
数の開口及びキャッププレートが使用されることにな
る。また、以上の実施例では、上下のフランジ部材2
3、24に開口27、28及びキャッププレート31、
31を設ける場合を説明したが、これは、貫通孔26に
充填された鉛30を圧縮状態で圧入充填できる構造であ
れば、上側のフランジ部材23又は下側のフランジ部材
24のいずれか一方のみに、前記開口及びキャッププレ
ートと同様な構造を設ける構成としてもよい。これらの
構成によっても、前述の実施例の場合と同様の効果を得
ることができる。
【0031】図7〜図10は以上説明した積層ゴム支承
体50の使用状況を例示する図であり、図7及び図8
は、積層ゴム支承体50を単独に使用し、1個づつで建
築物や装置、機器などの構造物60を基礎や床などの基
台70上に弾性支持する状態を示す模式的側面図及び模
式的平面図である。また、図9及び図10は、安定板8
0で複数(図示の例では4個)の積層ゴム支承体50の
上下端面を連結したものを複数段(例えば5〜20段)
にわたって組付けた多段免震ユニット100を使用し、
建築物や装置、機器などの構造物60を、該多段免震ユ
ニット100を介して、基礎や床などの基台70上に弾
性支持する状態を示す模式的側面図及び模式的平面図で
ある。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、ゴム層と補強板とを交互に積層して
一体化して成る積層ゴム支承体において、前記ゴム層及
び前記補強板を上下方向に貫通する貫通孔を形成すると
ともに、前記ゴム層の前記貫通孔の周囲の所定幅の領域
の硬度を該ゴム層の他の部分の硬度より高くし、前記貫
通孔内に鉛を充填し該貫通孔の上下端を閉塞する構成と
したので、上下方向の貫通孔から成る空洞に鉛を圧入充
填するに際し、該鉛の周囲を全体的に均一な圧迫力で積
層ゴムによりしっかりと圧迫することができ、それによ
って、支承体としての本来の良好なばね性能及び減衰性
能を維持することができる積層ゴム支承体が提供され
る。
【0033】請求項2〜4の発明によれば、上記請求項
1の構成に加えて、前記貫通孔が積層ゴム支承体の中心
に形成されている構成、前記貫通孔内に充填される鉛の
体積を該貫通孔の容積より大きくし、該鉛を該貫通孔内
に圧入する構成、あるいは、前記ゴム層の硬度の高い領
域は前記積層ゴム支承体のばね性能に実質的な影響を及
ぼさない範囲内である構成としたので、上下方向の貫通
孔から成る空洞に鉛を圧入充填するに際し、一層効率よ
く、該鉛の周囲を全体的に均一な圧迫力で積層ゴムによ
りしっかりと圧迫することができ、支承体としての本来
の良好なばね性能及び減衰性能を維持することができる
積層ゴム支承体が提供される。
【0034】請求項5の発明によれば、ゴム層と補強板
とを交互に積層して一体化して成る積層ゴム支承体にお
いて、前記ゴム層及び前記補強板を上下方向に貫通する
貫通孔を形成し、該貫通孔の内周面に前記ゴム層より高
い硬度のゴムで形成された所定厚さのゴムライニングを
接合し、前記ゴムライニングの内部空間に鉛を充填し、
前記貫通孔の上下端を閉塞する構成としたので、上下方
向の貫通孔から成る空洞に鉛を圧入充填するに際し、該
鉛の周囲を全体的に均一な圧迫力で積層ゴムによりしっ
かりと圧迫することができ、支承体としての本来の良好
なばね性能及び減衰性能を維持することができる積層ゴ
ム支承体が提供される。
【0035】請求項6〜8の発明によれば、上記請求項
5の構成に加えて、前記貫通孔が積層ゴム支承体の中心
に形成されている構成、前記貫通孔内に充填される鉛の
体積を該貫通孔の容積より大きくし、該鉛を該貫通孔内
に圧入する構成、あるいは、前記ゴムライニングの厚さ
は前記積層ゴム支承体のばね性能に実質的な影響を及ぼ
さない厚さに選定される構成としたので、上下方向の貫
通孔から成る空洞に鉛を圧入充填するに際し、一層効率
よく、該鉛の周囲を全体的に均一な圧迫力で積層ゴムに
よりしっかりと圧迫することができ、支承体としての本
来の良好なばね性能及び減衰性能を維持することができ
る積層ゴム支承体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した積層ゴム支承体の第1実施例
の模式的縦断面図である。
【図2】図1中の線2−2から見た模式的平面図であ
る。
【図3】図1中のA部を拡大して示す部分縦断面図であ
る。
【図4】本発明を適用した積層ゴム支承体の第2実施例
の模式的縦断面図である。
【図5】図4中の線5−5から見た模式的平面図であ
る。
【図6】図4中のB部を拡大して示す部分縦断面図であ
る。
【図7】単独の積層ゴム支承体を使用して構造物を基台
上に弾性支持する状態を示す模式的側面図である。
【図8】図7の模式的平面図である。
【図9】安定板で複数の積層ゴム支承体の上下端面を連
結したものを複数段にわたって組付けた多段免震ユニッ
トを使用して構造物を基台上に弾性支持する状態を示す
模式的側面図である。
【図10】図9の模式的平面図である。
【図11】従来の積層ゴム支承体の模式的縦断面図であ
る。
【図12】図11の積層ゴム支承体において鉛を圧入充
填した時の状態を充填前と比較して示す部分縦断面図で
ある。
【図13】積層ゴム支承体が水平方向に変位する際のば
ね性能が良好でない各種の状態での履歴曲線(b)、
(c)、(d)を良好な状態での履歴曲線(a)と対比
して示すグラフである。
【符号の説明】
21 ゴム層 22 補強板 23 上側のフランジ部材 24 下側のフランジ部材 25 積層ゴム部 26 貫通孔 27 開口 28 開口 30 鉛 31 キャッププレート 32 ボルト 33 取り付け孔 35 ゴムライニング 50 積層ゴム支承体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 7/00 F16F 7/00 B 15/08 15/08 B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム層と補強板とを交互に積層して一
    体化して成る積層ゴム支承体において、 前記ゴム層及び前記補強板を上下方向に貫通する貫通孔
    を形成するとともに、前記ゴム層の前記貫通孔の周囲の
    所定幅の領域の硬度を該ゴム層の他の部分の硬度より高
    くし、前記貫通孔内に鉛を充填し該貫通孔の上下端を閉
    塞することを特徴とする積層ゴム支承体。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔が積層ゴム支承体の中心に
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層
    ゴム支承体。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔内に充填される鉛の体積を
    該貫通孔の容積より大きくし、該鉛を該貫通孔内に圧入
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層ゴム
    支承体。
  4. 【請求項4】 前記ゴム層の硬度の高い領域は前記積
    層ゴム支承体のばね性能に実質的な影響を及ぼさない範
    囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    に記載の積層ゴム支承体。
  5. 【請求項5】 ゴム層と補強板とを交互に積層して一
    体化して成る積層ゴム支承体において、 前記ゴム層及び前記補強板を上下方向に貫通する貫通孔
    を形成し、該貫通孔の内周面に前記ゴム層より高い硬度
    のゴムで形成された所定厚さのゴムライニングを接合
    し、前記ゴムライニングの内部空間に鉛を充填し、前記
    貫通孔の上下端を閉塞することを特徴とする積層ゴム支
    承体。
  6. 【請求項6】 前記貫通孔が積層ゴム支承体の中心に
    形成されていることを特徴とする請求項5に記載の積層
    ゴム支承体。
  7. 【請求項7】 前記貫通孔内に充填される鉛の体積を
    該貫通孔の容積より大きくし、該鉛を該貫通孔内に圧入
    することを特徴とする請求項5又は6に記載の積層ゴム
    支承体。
  8. 【請求項8】 前記ゴムライニングの厚さは前記積層
    ゴム支承体のばね性能に実質的な影響を及ぼさない厚さ
    に選定されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか
    にに記載の積層ゴム支承体。
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