JP2001012456A - スラスト動圧軸受 - Google Patents

スラスト動圧軸受

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JP2001012456A
JP2001012456A JP11189006A JP18900699A JP2001012456A JP 2001012456 A JP2001012456 A JP 2001012456A JP 11189006 A JP11189006 A JP 11189006A JP 18900699 A JP18900699 A JP 18900699A JP 2001012456 A JP2001012456 A JP 2001012456A
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thrust
bearing
dynamic pressure
convex portion
pressure bearing
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JP11189006A
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Makoto Otsuki
誠 大槻
Osamu Komura
修 小村
Kaoru Murabe
馨 村部
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C17/00Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement
    • F16C17/04Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only
    • F16C17/045Sliding-contact bearings for exclusively rotary movement for axial load only with grooves in the bearing surface to generate hydrodynamic pressure, e.g. spiral groove thrust bearings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 僅かな起動トルクで軸受け回転側部材を固定
側部材から確実に浮上させることができる、耐久性に優
れたスラスト動圧軸受を提供する。 【解決手段】 スラスト軸受部を構成する固定側部材及
び回転側部材の両部材間において、起動時の両者接触回
転における接触半径が小さくなるよう、両部材の対向す
るいずれか一方の面上の回転中心軸上もしくはその近傍
に、好ましくは1つないし4つの点状の凸部3を同一高
さ(好ましくは、0.1μm以上2μm以下)に形成す
る。その凸部3形状は柱状もしくは錐体状で、特に錐体
状の場合には、その頂部を初期回転時、相手側軸受構成
部材との間の摩耗で削り取ることにより所望の錐台形状
が得られるようにする。前記凸部3の材質は、摩耗によ
る摩耗粉が動圧発生に影響することがないものとし、好
ましくは固体潤滑膜、それ以外であってもその硬度が相
手側部材硬度の80%以下の材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブなどの小型の記憶機器や、バーコードリーダなど
に供されるスピンドルモーターの動圧軸受に関するもの
であり、特に起動トルクを低減させたスラスト動圧軸受
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクなどのような小型の記憶
機器や、バーコードリーダに供されるスピンドルモータ
ーで使用される動圧軸受においては、耐摩耗性に優れ、
回転中のラジアルばらつきが少なく、低い駆動トルクで
あること、などがその重要な特性として挙げられる。中
でも、軸受部に動圧が発生して非接触状態になる以前
の、接触状態から立ち上がるまでの間の起動時における
トルクは、できるだけ小さくすることが好ましい。
【0003】図6は、動圧軸受のスラスト軸受部に用い
られる一般的なスラスト板を示したもので、図の51は
スラスト板、そのスラスト板51には52の動圧発生用
の複数の溝が設けられている。この溝52が設けられた
面が、図示しないスラスト部材と対向しており、この両
者間の相対回転によって溝52の作用により気体もしく
はその他の流体が吸引され、それによって生ずる動圧に
より、対向する両部材間を非接触の状態に保って、安定
した回転を得るものである。
【0004】このように構成された動圧軸受の回転停止
時においては、前記動圧は全く発生しておらず、したが
って前記図示しないスラスト部材は、スラスト板51の
溝52が設けられた面に接触しており、かつそのときに
はスラスト方向の重量がすべてその接触面にかかってい
る。次にこの状態で起動する場合には、上述のようなス
ラスト方向の全荷重がかかって接触した状態のスラスト
部材及びスラスト板51間で相対回転駆動力が与えられ
るため、両者間では摩擦接触のまま回転し、その後所定
の回転数で十分な動圧が発生した後に始めて回転側部材
が固定側部材から浮上するものとなる。この浮上に至る
までの間において、上記摩擦接触の抵抗が大きいほど大
きな起動トルクを必要とし、又両接触面の摩耗を促進す
ることとなる。
【0005】前記起動時の摩擦によるトルク問題を解決
するため、特開昭60−234120号公報では、平面
形の動圧スラスト軸受において、少なくともそのスラス
ト軸受を構成する部材の一方の面に、凸面を形成すると
いう内容の発明が開示されている。図7は、そのスラス
ト軸受を示したもので、図において61は動圧発生溝6
2が設けられたスラスト板、63は矢印wの方向に回転
するシャフトで、そのシャフト63の図面上で下端面に
はスラスト部材64が固定されて、前記スラスト板61
に対向し、この両者でスラスト軸受を構成している。前
記スラスト部材64には、そのスラスト板61に対向す
る面に所定の曲率Rで形成された球面65が、凸量Dだ
け突出するように形成されている。
【0006】上記のように構成されたスラスト軸受で
は、回転中は動圧による作用で前記スラスト板61とス
ラスト部材64とは非接触状態に保たれるが、回転停止
中には両部材が接触している。しかし、このときの接触
面積がほとんど点接触となるために、起動時においては
過大なトルクを必要とすることなく、またかじりを生ず
ることなく、起動及び回転部材の浮上行うものである。
【0007】しかし、この方法によれば、前記スラスト
部材64に設けられた球面65の曲率R及び突出量D次
第では、その中心部がスラスト板61に接触することも
考えられ、場合によっては浮上し切れないことになる。
又、前記スラスト部材64に前記のような球面部65の
加工を追加する必要があり、またその微小な凸形状の形
成は困難を伴う、という問題もある。
【0008】次に、特開平9−328381号公報にお
いては、スラスト部材摺動面の一方に非晶質硬質炭素膜
を形成し、他方の摺動面(セラミックス材で形成)をボ
イド占有率6%以下、最大ボイド径10μm以下とし、
これによって両部材間の摩擦係数を低減する内容の発明
が開示されている。しかし、この方法によれば、前記固
定潤滑膜による摩擦係数の低減に対応したトルクの低下
は見られるものの、それ以上の改善は期待できない。す
なわち、接触の摩擦係数を下げるため、非晶質硬質炭素
膜で接触表面の全面をコーティングすると、接触半径が
大きい外周部が接触する場合には、起動トルクを低減す
ることが困難となるからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来からあ
る方法によっては、動圧軸受停止時の軸受部材間接触状
態から、僅かの起動トルクで回転側部材を浮上させるこ
とを確実に果たすことが困難であったことから、この課
題を解決できる技術が要望されていた。本発明では、従
来の技術がもつこれら欠点を取り除き、僅かな起動トル
クで軸受け回転側部材を固定側部材から確実に浮上させ
るスラスト動圧軸受を提供するものである。
【0010】
【課題を解決のための手段】本発明は、スラスト軸受部
を構成する固定側部材及び回転側部材部材の両部材間に
おいて、軸受回転停止時においては接触半径が小さくな
る位置で両部材間が接触するよう、両部材の向する面の
いずれか一方の回転中心軸近傍に、単数もしくは複数の
点状凸部を局所的に形成することにより、前記課題を解
決しようとするもので、具体的には以下の内容を含む。
【0011】すなわち、請求項1に記載の本発明は、お
互いに対向する回転側部材と固定側部材とからなり、こ
の対向するいずれかの面に設けられた動圧発生用の溝の
作用により、回転時には両部材間を非接触状態に支承す
るスラスト動圧軸受において、前記対向するいずれか一
方の面の前記回転中心軸上もしくはその近傍に、すなわ
ち起動時の接触半径ができるだけ小さくなる位置に、前
記回転中心軸と平行方向に突出した単数もしくは複数の
凸部が設けられていることを特徴としている。したがっ
て、軸受回転停止時には、この凸部が相手側部材と接触
することによりスラスト荷重を支えるものとなる。
【0012】請求項2に記載の本発明にかかるスラスト
動圧軸受は、前記凸部の数が、1つないし4つであるこ
とを特徴としている。
【0013】請求項3に記載の本発明にかかるスラスト
動圧軸受は、前記凸部が設けられた部材が、前記軸受部
を構成する固定側部材であることを特徴としている。
【0014】請求項4に記載の本発明にかかるスラスト
動圧軸受は、前記凸部が、前記スラスト部材を構成する
いずれか一方の面に設けられた後に、予め実使用荷重よ
りも高いスラスト荷重をかけて所定の初期回転を行った
後に実使用に供されるよう形成されるものであることを
特徴としている。
【0015】請求項5に記載の本発明にかかるスラスト
動圧軸受は、前記凸部の形状が円錐台などの錐台形状を
しており、その錐台形状は、当初錐体状に形成された凸
部が前記初期回転によって前記錐体頭部が削られて錐台
形状に変化したものであることを特徴としている。
【0016】請求項6に記載の本発明にかかるスラスト
動圧軸受は、前記凸部の硬度が、それと対向する軸受部
材の対向面の硬度の80%以下であることを特徴として
いる。接触によって生ずる摩耗がもっぱら前記凸部に生
ずるものとし、相手側部材の摩耗を避けるようにするも
のである。
【0017】請求項7に記載の本発明にかかるスラスト
動圧軸受は、前記凸部の材質が、固体潤滑膜であること
を特徴としている。
【0018】請求項8に記載の本発明にかかるスラスト
動圧軸受は、前記凸部の高さが、0.1μm以上2μm
以下であることを特徴としている。
【0019】そして、請求項9に記載の本発明にかかる
スラスト動圧軸受は、前記スラスト動圧軸受を形成する
固定側部材及び回転側部材のいずれか一方もしくは双方
が、耐摩耗性に優れたセラミックス製であることを特徴
としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる動圧軸受の
各種実施の形態につき、図面を参照して説明する。図1
は、第1の実施の形態にかかる動圧軸受けのスラスト板
を示したもので、図において、1はスラスト板で、その
スラスト板1には2の動圧発生溝が設けられており、こ
の溝2が設けられた面が図示しないスラスト部材と対向
し、回転時においてはこの溝2の作用によって動圧を発
生するスラスト軸受部を構成している。そして前記スラ
スト板1には、前記軸受の回転中心軸に対応するスラス
ト板1の中心近傍に、3の点状の凸部が3つ同一高さに
形成されている。
【0021】前記凸部3を設けることにより、前記軸受
停止時においては、前記図示しないスラスト部材は、ス
ラスト板1の全面に接触することなく、この凸部3の頂
部3点とのみ接触することになる。このように構成する
ことで、起動時に図示しないスラスト部材が回転を始め
るときには、前記凸部3が回転中心近傍に設けられてい
ることから、凸部3の頂部とスラスト部材との間の接触
が回転中心付近に限定され、摩擦による起動トルクへの
影響をはるかに小さいものとすることができる。
【0022】前記凸部3を形成する材料の材質は、好ま
しくは低摩擦係数の材料で前記スラスト板1に容易に固
着できるものであり、更にこの凸部3の頂部は前述のよ
うに軸受起動時にはスラスト部材と摺動摩擦をするた
め、その摩耗によって生ずる摩耗粉が動圧軸受部へ悪影
響を及ぼすことがない材料でなければならない。好まし
くは、この材質を非晶質硬質炭素膜などの固体潤滑膜と
することである。
【0023】このような凸部3が形成されたスラスト軸
受においては、その軸受部が支えるべきスラスト方向の
荷重が前記凸部3点に集中することから、その停止時及
び起動時における接触回転時によって前述のように摩耗
が生ずる。この摩耗によっても、所定回数(例えば20
0,000回転)の停止・起動ができるようにする必要
がある。勿論、凸部を予め摩耗量を見込んだ高さで形成
し、そのまま実使用に供することも可能であるが、他の
方法として、実使用状態における荷重よりも高い荷重を
かけて予め初期回転を行い、前記凸部3の接触部を馴染
ませた後に通常荷重に戻すことにより、凸部の摩耗が少
ない、安定した起動・回転を実現させることもできる。
【0024】なお、図面上で前記凸部3の形状を円柱状
としているが、この形状は角柱状でも、錐台状でも、あ
るいはこれらに類似したものであっても良い。但し3つ
の凸部の高さが不均一な場合には起動時の片当たりによ
る不安定な回転となることから、これらを同一高さに揃
えることが重要である。
【0025】次に、本発明にかかる動圧軸受の第2の実
施の形態について図面を参照して説明する。図2は、本
実施の形態にかかる動圧軸受に使用されるのスラスト板
を示したもので、11はそのスラスト板、12は動圧発
生溝、13は前記スラスト板11の中心近傍に設けられ
た3つの点状の凸部で、この凸部13が円錐状に形成さ
れている点で、先の実施の形態1と異なる。
【0026】軸受回転停止時には、この凸部13の頂部
に接触している図示しないスラスト部材が、起動時には
摩擦摺動した後浮上するが、凸部13が回転中心近傍に
設けられていることから、起動トルクが僅かで済む点
は、先の実施の形態1と同様である。本実施の形態の特
徴としては、前記凸部13の形状が円錐状で尖っている
ため、前記起動時及び停止時において摩擦接触するに際
し、スラスト部材の荷重による応力が小さな凸部の頂部
に集中し、それによって頂部が容易に削られて円錐台形
状に変形するため、頂部の接触面積が小さい分、短時間
にこの変形を進ませることができ、そしてスラスト部材
の荷重と平衡する一定の高さに至って円錐台状の均一高
さの凸部を容易に形成することができる点である。この
場合にも、初期回転における荷重を完成後のロータ荷重
よりも重くするようにすれば、除荷した状態の軽いロー
ターを載せたとき、すなわち実使用時と同じ条件では、
軸受接触部の摩耗をほとんどなくすることができる。
【0027】前記凸部13の材質としては、先の実施の
形態同様に、摩擦係数が低く、摩擦粉が生じてもそれが
動圧軸受に影響を及ぼさないもので、好ましくは非晶質
硬質炭素膜(DLC:ダイアモンドライクカーボン)な
どの固体潤滑膜とすることである。又、先の実施の形態
においても同様ではあるが、本実施の形態においては特
に円錐状の前記凸部13の頂部を削り込むことを前提と
しており、すなわちこの摩擦接触をするに際し、接触す
る相手側のスラスト部材の磨耗を最小に(好ましくはゼ
ロに)して、この凸部13においては所望の摩耗を起こ
させる必要がある。このため、前記凸部13の材質とし
ては、その硬度が前記対向するスラスト部材の硬度の約
80%以下とすることが好ましい。例えばアルミナセラ
ミックスでは、ビッカース硬度Hvが2,000程度で
あるのに対し、Hvが1,700程度のDLCをその対
向部材として選ぶと、アルミナ面が傷つき易い。それ故
このような組合せを選択した場合には、DLCとの接触
時にアルミナ面に傷つく虞が強い。しかしこの場合にお
いても、Hvが1,600以下のDLCを凸部13の材
料に選択して用いると、アルミナ面が傷つくことなく、
又その凸部13の高さも揃い易くなる。
【0028】なお、図2及び上記説明において、前記凸
部3の形状を円錐としているが、これに限定されるもの
ではなく、角錐状もしくはこれらに近い錐体とすること
でもよい。角錐とした場合には、その頂部が削られた後
には凸部13は角錐台形状のものとなる。本実施の形態
のような錐体形とすることの利点は、各凸部13の頂部
にスラスト部材による応力が集中するため、各錐体凸部
13に若干の高さの不均一があったとしても、まずその
高い方の頂部から削られることから、その作用によって
各凸部高さを短時間に均一にならすことが可能な点であ
る。先の実施の形態1においても同様な応力集中はある
が、各凸部が柱状で面積が広い分だけ高さの均一化に時
間を要することになる。凸部形状としてはこの他にも、
釣鐘状、半球状なども考えられるが、上記効果の観点か
ら言えば、これらの形状は柱状と錐状の中間に位置する
ものとなる。
【0029】次に、本発明にかかる動圧軸受の第3の実
施の形態について、図面を参照して説明する。図3は、
本実施の形態にかかる動圧軸受に使用されるのスラスト
板を示したもので、21はそのスラスト板、23は点状
の凸部で、この凸部23が前記スラスト板21の中心に
円錐形状で2つ設けられていること、及びこのスラスト
板21には動圧発生溝が設けられていない点で、先の実
施の形態1及び2と異なる。
【0030】スラスト軸受部でスラスト動圧を発生させ
るための溝は、スラスト軸受部を構成して対向する固定
側部材、回転側部材の内、いずれの面に構成されていて
も同様な効果を奏する。本実施の形態では、図に示すス
ラスト板21の相手側構成部材である図示しないスラス
ト部材側にその動圧発生溝が設けられているものであ
る。
【0031】本実施の形態では、2つの円錐状の凸部2
3が、軸受回転中心軸に対応するスラスト板21の面上
の中心近傍に設けられ、起動回転時の軸受部材間におけ
るトルクへの影響を最小限に止めることができる点は先
の実施の形態1と同様である。但し停止時及び起動時に
はスラスト部材の荷重を2点で支えることとなるため、
その強度に耐え得る適当な凸部23の寸法・諸元が要求
されることとなる。材質などは、先の実施の形態1、2
と同様であり、説明を省略する。
【0032】次に、本発明にかかる動圧軸受の第4の実
施の形態について、図面を参照して説明する。図4は、
本実施の形態にかかる動圧軸受を示したもので、点線で
示す31はスラスト板、32はそのスラスト板31に対
向して軸受部を形成するスラスト部材、ここではシャフ
トである。33は、そのシャフト32の前記スラスト板
31に対向する面上において、軸受回転中心軸上に設け
られた点状の凸部で、この凸部33が1つである点、及
び前記スラスト板31側ではなく、スラスト部材(シャ
フト)32側に設けられている点で、先の実施の形態
1、2及び3と異なる。なお、前記スラスト板31のシ
ャフト32と対向する面(図面の裏側に当たる面)に
は、動圧発生用の溝が設けられている。
【0033】本実施の形態では、シャフト32の軸受回
転中心軸上に前記凸部33が設けられているため、接触
半径が最小となり、起動回転時の軸受部材間におけるト
ルクへの影響を最小限に留めることができる。但し、こ
の凸部33が回転中心にあることから、回転抵抗からは
良好であるものの、相手側部材との相対回転速度が小さ
く、したがって例えば円錐状の凸部を設けたとしても、
それを短時間で所望の高さまで削り込むことは困難とな
る。そのため図4においては、予め円錐台形状とした凸
部が設けられている。他の方法としては、1つの凸部を
設けるときであっても、その位置を回転中心から若干ず
らし、摩耗を加速させることも考えられる。又、凸部3
3の一点でスラスト荷重を支えることから、それに必要
な寸法・諸元を備えるべきことは、先の実施の形態3と
同様である。
【0034】以上、これまでの各実施の形態を含め、凸
部3、13、23、33は、スラスト軸受部を構成して
対向するいずれの部材側に設けられていてもよく、これ
はちょうど動圧発生溝がどちらの部材にあってもよいこ
とと同様である。軸受の構造に合わせ、すなわち、スラ
スト板が固定側部材となる場合と回転側部材となる場
合、及びスラスト板が荷重を支える側となる場合(下側
に配置される場合)と支えられる側となる場合(上側に
配置される場合)などに応じ、構造上都合の良い部材側
へ前記凸部を配置することができる。
【0035】更に、これまでの各実施の形態毎に、凸部
の数を1つから3つまで区別して示しているが、この数
はどの実施の形態においても任意に組合せて適用するこ
とができる。又、凸部の形状も、柱状、錐台状に分けて
いるが、これをどの実施の形態に適用するのかも任意で
ある。凸部の数そのものは任意であるが、多数設けた場
合、例えば極端な例としてスラスト板中心近傍にリング
状に設けたような場合(図5の符号43参照)には、そ
の高さを一定にすることには困難が伴うことなどから、
後述の実施例にあるように良好な結果は得られず、した
がって凸部の数は多くとも4つまでとすることが好まし
い。
【0036】そして、前記凸部の高さは、軸受部を構成
する部材間による直接の接触を回避することができる高
さで、かつ動圧発生時においては、その動圧によってこ
の凸部自身が相手側部材との間で接触を回避できるまで
の高さとすることが必要であり、具体的にはその高さを
0.1μm以上で2μm以下とすることが好ましい。こ
の高さは、前記凸部が錐体形状であるときは、その頂部
が削られて安定状態に達した後の高さを言う。
【0037】
【実施例】<実施例1>図1に示す形態の軸受を作成
し、回転実験を行った。軸受部の諸元は、ロータの重
量:100g、回転数:12,000rpm、軸受径:
8mm、軸受長:12mm、中央クリアランス:4μm
である。又、スラスト板に形成された各凸部は固体潤滑
膜で、その諸元は、底辺1mm径の円柱で、高さが4μ
mである。上記構成で、初期荷重を300gに増やして
1,000回のオンオフ繰り返しを実施。この間100
回で凸部高さが1μmとなり、起動トルク130g・m
mで安定。荷重100gに戻しておよそ200,000
回のオンオフが良好で、そのときの高さがは1.3μm
であった。
【0038】<実施例2>図2に示す形態の軸受を作成
し、回転実験を行った。軸受部の諸元は、ロータの重
量:100g、回転数:12,000rpm、軸受径:
8mm、軸受長:12mm、中央クリアランス:4μm
である。又、スラスト板に形成された各凸部は固体潤滑
膜で、その諸元は、底辺1.5mm径の円錐で、高さが
6μmである。上記構成で、オンオフ繰り返しを実施。
500回で凸部高さが1.4μmとなり、起動トルク1
00g・mmで安定、その後200,000回のオンオ
フが良好であった。
【0039】<実施例3>図3に示す形態の軸受を作成
し、回転実験を行った。但しこのときの凸部は円錐状の
もの3つである。軸受部の諸元は、ロータの重量:10
0g、回転数:12,000rpm、軸受径:8mm、
軸受長:12mm、中央クリアランス:4μmである。
又、動圧発生溝のないスラスト板に形成された各凸部は
固体潤滑膜で、その諸元は、底辺1.5mm径の円錐
で、高さが6μmである。上記構成で、オンオフ繰り返
しを実施。500回で凸部高さが1.4μmとなり、起
動トルク100g・mmで安定、その後200,000
回のオンオフが良好であった。
【0040】<対比実験1>図1に示す形態の軸受で、
本発明にかかる凸部の代りに、外周より2μm高い凸部
を中央部に設けたものを作成し、回転実験を行った。軸
受部の諸元は、上記実施例と同様で、ロータの重量:1
00g、回転数:12,000rpm、軸受径:8m
m、軸受長:12mm、中央クリアランス:4μmであ
る。上記構成で、オンオフ繰り返しを実施。起動トルク
300g・mmで、浮上しにくく、50,000回のオ
ンオフでキズが発生した。
【0041】<対比実験2>図5に示す形態の軸受41
で、本発明にかかる凸部に代り、中心近傍にリング状の
固体潤滑膜43を設けたものを作成し、回転実験を行っ
た。軸受部の諸元は、上記実施例と同様で、ロータの重
量:100g、回転数:12,000rpm、軸受径:
8mm、軸受長:12mm、中央クリアランス:4μm
である。上記構成で、300gの荷重をかけて初期運用
を行った。固体潤滑膜圧の不均一で接触部があり、起動
トルク100g・mmで浮上せず、300gの荷重をか
けても接触面を削ることができなかった。
【0042】
【効果】本発明の実施により、起動トルクが小さく、長
寿命である優れたスラスト動圧軸受を提供することがで
きる。本発明にかかる動圧軸受では、停止時の軸受構成
部材間における接触部が、その回転軸中心近傍にある固
体潤滑膜などで形成された微小な凸部と相手側軸受部材
との間にあるので、接触半径を小さくすることができ、
又摩擦係数も小さいことから、その軸受の起動トルクを
小さくすることができる。更に、前記凸部を設けること
によって、軸受起動時及び停止時の軸受構成部材間での
直接接触を回避することができるため、その軸受寿命を
長くすることができる。
【0043】また、前記凸部の摩擦面となる頂部は、平
らに形成され、面圧が大きく摩耗が少なく長寿命効果も
ある。このよう頂部は、前記凸部を当初円錐などの錐体
形状とし、初期回転によってその頂部を削ることによっ
て容易に形成することができる。
【0044】また、前記凸部は、固体潤滑膜で形成する
ことにより、上記初期回転による頂部の形成が容易であ
る外、摩擦係数も小さいため、良好な結果を得ることが
できる。
【0045】また、軸受を構成する部材の材質を、耐摩
耗性に優れたセラミックスとすることにより、耐久性を
更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるスラスト軸受の実施の形態に
おけるスラスト板を示す斜視図である。
【図2】 本発明にかかるスラスト軸受の他の実施の形
態におけるスラスト板を示す斜視図である。
【図3】 本発明にかかるスラスト軸受の他の実施の形
態におけるスラスト板を示す斜視図である。
【図4】 本発明にかかるスラスト軸受の他の実施の形
態を示す斜視図である。
【図5】 比較実験に供したスラスト軸受におけるスラ
スト板を示す斜視図である。
【図6】 従来技術によるスラスト軸受のスラスト板を
示す斜視図である。
【図7】 従来技術によるスラスト軸受を示す側面一部
断面図である。
【符号の説明】
1 スラスト板 2 動圧発生用溝 3 凸部 11 スラスト板 12 動圧発生用溝 13 凸部 21 スラスト板 23 凸部 31 スラスト板 32 スラスト部材 33 凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村部 馨 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 3J011 AA10 AA20 BA08 CA02 CA06 DA01 DA02 JA02 KA03 MA02 QA04 SD04 SE02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向する回転側部材と固定側部材とか
    らなり、この対向するいずれかの面に設けられた動圧発
    生用の溝の作用により、回転時には両部材間を非接触状
    態に支承するスラスト動圧軸受において、 前記対向するいずれか一方の面の回転中心軸上もしくは
    その近傍に、前記回転中心軸と平行方向に突出した単数
    もしくは複数の凸部が設けられていることを特徴とする
    スラスト動圧軸受。
  2. 【請求項2】 前記凸部の数が、1つないし4つである
    ことを特徴とする、請求項1に記載されたスラスト動圧
    軸受。
  3. 【請求項3】 前記凸部が設けられた部材が、前記軸受
    部を構成する固定側部材であることを特徴とする、請求
    項1もしくは請求項2に記載されたスラスト動圧軸受。
  4. 【請求項4】 前記凸部は、その凸部が前記スラスト部
    材を構成するいずれか一方の面に設けられた後に、予め
    実使用荷重よりも高いスラスト荷重をかけて所定の初期
    回転を行った後に実使用に供されるよう形成されるもの
    であることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載されたスラスト動圧軸受。
  5. 【請求項5】 前記凸部の形状が錐台形状をしており、
    その錐台形状は、当初錐体状に形成された凸部が前記初
    期回転によって前記錐体頭部が削られて錐台形状に変化
    したものであることを特徴とする、請求項4に記載され
    たスラスト動圧軸受。
  6. 【請求項6】 前記凸部の硬度が、それと対向する軸受
    部材の対向面の硬度の80%以下であることを特徴とす
    る、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載されたス
    ラスト動圧軸受。
  7. 【請求項7】 前記凸部の材質が、固体潤滑膜であるこ
    とを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに
    記載されたスラスト動圧軸受。
  8. 【請求項8】 前記凸部の高さが、0.1μm以上2μ
    m以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項
    7のいずれかに記載のスラスト動圧軸受。
  9. 【請求項9】 前記スラスト動圧軸受を形成する固定側
    部材及び回転側部材のいずれか一方もしくは双方が、セ
    ラミックス製であることを特徴とする、請求項1ないし
    8のいずれかに記載されたスラスト動圧軸受。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8157539B2 (en) 2005-09-13 2012-04-17 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Artificial heart pump
CN108869532A (zh) * 2018-09-12 2018-11-23 大连海事大学 基于向心增压原理的新型动压气体推力轴承

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8157539B2 (en) 2005-09-13 2012-04-17 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Artificial heart pump
CN108869532A (zh) * 2018-09-12 2018-11-23 大连海事大学 基于向心增压原理的新型动压气体推力轴承

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