JP2001011683A - 部材の接合方法 - Google Patents

部材の接合方法

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JP2001011683A
JP2001011683A JP11188399A JP18839999A JP2001011683A JP 2001011683 A JP2001011683 A JP 2001011683A JP 11188399 A JP11188399 A JP 11188399A JP 18839999 A JP18839999 A JP 18839999A JP 2001011683 A JP2001011683 A JP 2001011683A
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electroforming
present
electroformed layer
bonding
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JP11188399A
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English (en)
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Tomoo Ikeda
池田  智夫
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、20℃〜80℃の低温で、耐食性
の優れた、微細な接合に適した接合方法を提供すること
を目的としている。 【解決手段】 導電性を有する第1の部材の任意の位置
に、第2の部材を接触させた状態で、第1の部材上に電
鋳法により電鋳層を形成することによって、電鋳層で第
2の部材を第1の部材に固定したことを特徴とした接合
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の部材を固定す
るための接合方法で、特に電鋳法を用いた接合方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】装置の製造、もしくは装置を構成する部
品の製造において、複数の部材の接合が必要とされる状
況が多々ある。そのため、これまでに多くの接合方法が
考え出されてきた。中でも、ろう付け接合、はんだ付け
接合、溶接、接着剤による接合、UV(紫外線)硬化剤
による接合、熱圧着法などが一般的によく知られてお
り、広く用いられている接合方法である。
【0003】上記に挙げた接合方法のうち、ろう付け接
合、はんだ付け接合は、接着剤の役目をする金属材料を
溶融させることによって部材同士を接合する方法であ
る。一般に、はんだ付け接合とろう付け接合は、金属を
溶融し接合する時の温度で区別され、はんだ付け接合は
200〜450℃、ろう付け接合は450℃以上とされ
ている。
【0004】溶接も高温での金属の溶融を利用した接合
方法であるが、ろう付け接合、はんだ付け接合と異な
り、溶接の場合は接合しようとする部材自体を溶融させ
る接合方法である。
【0005】接着剤による接合は一般に接着と呼ばれて
いるもので部材の間の接着剤を介して接合される。
【0006】UV硬化剤による接合は、紫外線にさらさ
れると液体から固体に変わる性質をもつUV硬化剤を利
用した接合であり、常温で接合できるのが特徴である。
【0007】熱圧着は部材同士を接触させた状態で、そ
こに高温と高圧力を加えることによって、部材同士の界
面を反応させて結合させる接合方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述の接合方法の中
で、接着剤による接合とUV硬化剤による接合以外は、
いずれの接合方法も数百度以上の高温状態のもとで接合
がなされる。また接着剤による接合においても、接合強
度を高めるために100℃以上の温度で接合される接着
剤を用いることが多い。このように、100℃以上の高
温下で接合される接合方法がほとんどである。そのた
め、接合しようとする部材は、接合時の処理温度以上の
耐熱性が必要であり、部材として選択できる材料が限ら
れていた。
【0009】耐熱性に劣る材料を部材として使用する場
合、接着剤もしくはUV硬化剤による接合を用いること
が多いが、これらは有機溶剤やアルカリ性薬品に対して
の耐食性に劣るなどの欠点が挙げられる。また、金属材
料と違い、内部に水分やガスを溜め込み易いため、真空
部品に用いるのには適していない。
【0010】また従来の接合方法はいずれもパターン化
して任意の部分のみを接合することが難しく、その理由
から特に微細部品の接合に適していなかった。
【0011】本発明の目的は、20〜80℃という低温
下での接合を可能にし、耐熱性の低い材料でも接合可能
な接合方法を提供することである。
【0012】さらに本発明の目的は、複数の部材を耐食
性が良好な金属材料で接合するため耐食性に優れ、且つ
真空部品にも適した接合方法を提供することである。
【0013】さらに本発明の目的は、微細部品の接合に
適した接合方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の接合方法は、導電性を有する第1の部材の
任意の位置に、第2の部材を接触させた状態で、該導電
性を有する第1の部材上に電鋳法により電鋳層を形成す
ることによって、該電鋳層で前記第2の部材を前記第1
の部材に固定したことを特徴としている。
【0015】さらに、本発明の接合方法は、前記電鋳層
を所望の形状にパターン化したことを特徴としている。
【0016】さらに、本発明の接合方法は、処理温度が
20〜80℃の電鋳法によって電鋳層を形成したことを
特徴としている。
【0017】さらに、本発明の接合方法は、前記第2の
部材にセラミックス材料を用いたことを特徴としてい
る。
【0018】また、本発明の接合方法は、前記第2の部
材にプラスチック材料を用いたことを特徴としている。
【0019】本発明の接合方法は、前記導電性を有する
第1の部材が、非導電性材料上の任意の位置に導電性膜
を形成した構造からなることを特徴としている。
【0020】本発明の接合方法は、前記第2の部材が、
導電性材料上の任意の位置に絶縁性膜を形成した構造か
らなることを特徴としている。
【0021】(作用)本発明は、上記手段により、導電
性を有する第1の部材上に金属材料からなる電鋳層を所
望の形状に形成し、その電鋳層で第2の部材を固定する
ことによって、第1の部材と第2の部材とを接合するも
のである。
【0022】その結果、20〜80℃という低温下で電
鋳層は形成され、接合に高温工程を要しないため、耐熱
性の低い材料でも接合が可能である。
【0023】さらに本発明は、金属材料からなる電鋳層
を用いて接合するため、接着剤よりも耐食性に優れてお
り、且つ真空部品にも適している。
【0024】さらに本発明は、電鋳層を任意の形状で形
成できるため、接合したい部分のみに電鋳層を形成し接
合することが可能である。その結果、微小領域の接合を
要する微細部品の接合に適している。
【0025】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は本発明
の接合方法の第1の実施形態を示した図である。第1の
部材1aは導電性を有する銅(Cu)からなる板状の部
材、すなわち銅板である。その第1部材の任意の位置に
0.3mm厚の板状のガラス(セラミックス材料)から
なる第2の部材2aを接触させて配置し、その状態のま
ま、電鋳法によってニッケル(Ni)からなる電鋳層3
aを形成した。なお、電鋳法とは電気メッキ法を用いて
所望の形状を形成する方法を示し、その原理は電気メッ
キ法と同様に導電性材料上に電気的に金属イオンを引き
つけることによって金属材料を等方的に成長させていく
ものである。特に電鋳法は金属材料を厚膜で成膜できる
のが特徴である。本第1の実施形態では電鋳層3aを
0.35mmの厚さで第1の部材1a上に成長させた。
電鋳層3aの厚みが図1に示すように第2の部材2aの
厚み(0.3mm)を越えると、電鋳層3aは第2の部
材2a上を覆うようにして成長していく。本発明の接合
方法は、この第2の部材2a上に連続して形成される電
鋳層3aで、第2の部材2aを第1の部材1aに固定す
る効果を利用したものである。以上のようにして接合を
行った結果、本第1の実施形態では、Cuからなる第1
の部材1a上にガラスからなる第2の部材2aをNiか
らなる電鋳層3aで強固に接合することができた。
【0026】上述のように本第1の実施形態では、ニッ
ケル(Ni)を成長させる電鋳法(以下Ni電鋳法と称
する。)を用いている。本Ni電鋳法は、電鋳法として
は最も一般的な電鋳法であり、本第1の実施形態では浴
液としてスルファミン酸ニッケル浴を用い、50℃の温
度で、5A/dm2の電流密度で、7時間処理を行っ
た。このように、本発明の接合方法は高温の処理を用い
ないのが特徴である。よって、本実施形態では第2の部
材2aにガラスを用いたが、耐熱性が低いプラスチック
材料を用いることも可能である。
【0027】この他にも銅(Cu)、コバルト(C
o)、パラジウム(Pd)、錫(Sn)、金(Au)、
銀(Ag)、白金(Pt)などの電鋳法が挙げられる
が、これら以外でも電鋳法によって形成可能な材料であ
れば、どの材料を用いても本発明の接合方法は適用可能
である。
【0028】上記に挙げた材料中で、電鋳処理温度が最
も低いものはSnであり20℃の温度で電鋳が行われ
る。一方、電鋳処理温度が最も高いものはPtである
が、このPt電鋳の場合でも80℃の温度で電鋳が行う
ことができる。このようにNi以外の電鋳法を用いたと
しても、20〜80℃の温度で電鋳処理を行うことがで
き、このことからも本発明の接合方法が、他の接合方法
に比べて非常に低温で接合可能であることがわかる。
【0029】また、本第1の実施形態で示すように、一
般に接合が難しいとされる金属とセラミックスの接合
も、十分な接合強度を保ちながら容易に接合することが
できた。この事も本発明の接合方法の特徴の一つに挙げ
られる。
【0030】さらに、本第1の実施形態では、Niとい
う非常に耐食性の優れた金属材料を接合に用いているた
め、接着剤を用いた接合のように有機溶剤のような薬品
で接合部が劣化してしまうという危険性が全くないのが
特徴である。これにより、有機溶剤による洗浄を十分に
行うことが可能となり、装置もしくは部品としての信頼
性を高めることになる。また、接着剤を用いないので、
真空中でのガスの放出を心配する必要がなく、真空中で
使用される部品にも適用可能である。
【0031】(第2の実施形態)図2は本発明の第2の
実施形態を示した図である。第2の実施形態でも第1の
部材1bに銅板を使用し、第2の部材2bに0.3mm
厚のガラスを使用した。但し、第1の部材1bには第2
の部材2bが隙間なく収まるような0.3mmの深さの
彫り込みがなされており、図2に示すように、第1の部
材1bのその彫り込みに第2の部材2bが配置される。
その状態で電鋳を行うことによって、電鋳層3bは第1
の部材1b上に成長して行くが、図2のように第2の部
材2b上にも徐々に覆い被さるようにして形成されてい
く。このようにして、本第2の実施形態においても第1
の部材1bと第2の部材2bを接合することができた。
【0032】なお本第2の実施形態でも、第1の実施形
態と同じくNi電鋳法を用いたが、第2の実施形態では
0.05mmの厚みで電鋳層3bを形成しているため、
電鋳処理に要した時間は1時間であった。
【0033】(第3の実施形態)図3は本発明の第3の
実施形態を示した図である。本第3の実施形態では第2
の部材2cに直径1mmの穴が空いている0.3mm厚
のプラスチック板を使用した。第1の部材1cは第1の
実施形態と同様に銅板を使用した。なお、図3では本発
明をわかりやすくするために、第2の部材2cの厚みを
誇張して描かれている。ここでは、穴加工が容易である
という理由から第2の部材2cにプラスチック材料を使
用したが、第1および第2の実施形態と同様にガラスの
ようなセラミックス材料を使用することも可能である。
その第2の部材2cは第1の部材1cと重ね合わされた
状態で配置される。
【0034】本第3の実施形態では、第2の部材2cに
空けられた直径1mmの穴の内部に電鋳層3cを形成し
ていく。電鋳層3cが第2の部材2cの厚みを越えた時
点で電鋳層3cは図3に示すように水平方向にも成長を
始める。こうすることによって電鋳層3cからなるリベ
ット構造を形成することができ、第1の部材1cと第2
の部材2cを接合することができた。
【0035】(第4の実施形態)図4は本発明の第4の
実施形態を示した図である。本第4の実施形態は、第3
の実施形態と同様に電鋳法によってリベット構造を形成
し接合を行う接合方法である。但し、第4の実施形態で
は第1の部材1dに突起が設けられており、その突起は
第2の部材2dに空けられた穴に精度良くはめ込まれる
ように形成されている。第2の部材2dに空けられた穴
に第1の部材1dに設けられた突起をはめ込んだ状態で
電鋳法を行うことによって、突起の先端部のみに電鋳層
3dが形成され、第1の部材1dと第2の部材2dとの
接合がなされる。
【0036】本第4の実施形態では第1の部材1dに厚
さ5mmの銅板を使用し、切削加工によって直径1mm
高さ0.3mmの突起部を形成した。また第2部材2d
には第3の実施形態と同様に直径1mmの穴の空いた厚
さ0.3mmのプラスチック板を用い、両者を図4に示
すように接合することができた。
【0037】第1部材1dの突起部の形成方法としては
切削加工以外に、エッチング法、プレス加工、サンドブ
ラスト法、レーザー加工法など多くの加工方法が適用可
能である。
【0038】(第5の実施形態)図5は本発明の第5の
実施形態を示した図である。第5の実施形態において第
1の部材1eは任意の位置に導電性膜12が成膜されて
いる非導電性部材11からなっている。本実施形態では
非導電性部材11としてガラス板を使用し、非導電性部
材11上にスパッタリング法によってニッケル(Ni)
からなる導電性膜12を0.2μmの厚さで成膜した。
第2の部材2eには0.3mm厚のガラス板を使用し
た。この第1の部材1eと、非導電性である第2の部材
2eを所定の位置で接触して配置し、その状態のまま、
導電性膜12上に電鋳処理を行う。すると導電性膜12
上に電鋳層3eが成長してゆき、次第に第2の部材2e
を覆うように形成される。そうすることによって導電性
膜12と非導電性部材11からなる第1の部材1eと第
2の部材2eとが接合される。本実施形態ではNi電鋳
法を用いて、Niからなる導電性膜12上にNiからな
る電鋳層3eを形成した。このように導電性膜12と電
鋳層3eを同材料にすることによって良好な接合が期待
できる。
【0039】なお、本実施形態では導電性膜12をスパ
ッタリング法で成膜したが蒸着法、CVD法もしくは無
電解メッキ法などいかなる成膜方法を用いてもかまわな
い。また、導電性膜12の構造も、必ずしも単層膜であ
る必要はなく、複数の材料を積層した積層膜構造であっ
てもかまわない。
【0040】(第6の実施形態)図6は本発明の第6の
実施形態を示した図である。第6の実施形態において、
第2の部材2fは任意の位置に絶縁性膜22が成膜され
ている導電性部材21からなっている。本実施形態では
導電性部材21として銅板を使用し、導電性部材21上
にスパッタリング法によってSiO2からなる絶縁性膜
22を0.2μmの厚さで成膜した。第1の部材1fも
銅板からなっている。この第2の部材2fと、導電性で
ある第1の部材1fを所定の位置で接触して配置し、そ
の状態のまま、第1の部材1f上に電鋳処理を行う。す
ると電鋳層3fは第1の部材1f上及び第2の部材2f
の側面上に成長してゆき、最終的には図6に示すように
第2の部材2fを覆うように形成される。このようにし
て第1の部材1fと第2の部材2fとが接合される。本
第6の実施形態の場合、第2の部材2fの側面上にも電
鋳層3fが成長し形成されることで、接合強度をより大
きくすることができる。
【0041】(第7の実施形態)図7は本発明の第7の
実施形態とその方法を示した図である。第7の実施形態
は第2の実施形態と類似しているが、電鋳層3gを所望
の形状にパターン化している点が異なる。
【0042】まず図7(a)に示すように第1の部材1
gと第2の部材2gとを配置する。このように配置した
第1の部材1g、第2の部材2g上には感光性材料であ
るレジスト4がフォトリソグラフィー法によって所望の
形状にパターン化されて形成されている。なお本実施形
態において第1の部材1gと第2の部材2gは銅(C
u)からなる導電性材料であり、レジスト4は絶縁性材
料である。
【0043】この状態で電鋳法を施すと、第1の部材1
gと第2の部材2gのレジスト4で覆われていない部分
のみに電鋳層3gが形成され、図7(a)に示す状態が
出来上がる。
【0044】その後、図7(b)のようにレジスト4を
有機溶剤によって除去すれば、所定の部分のみをパター
ン化された電鋳層3gで接合できる。このような接合部
をパターン化できるという利点を用いることで、本発明
の接合方法は微細部品の接合にも適している。
【0045】次に本発明の接合方法を用いた応用例をい
くつか示す。
【0046】(応用例1)図8は本発明による時計部品
の接合例を示した図である。さらに詳しく言えば時計の
モジュールを組み込むためのケース100と時計の文字
盤を守るための風防ガラス200の接合例である。一般
の時計のケース100と風防ガラス200の固定には、
機械的にはめ込む方法や接着剤による接合方法を用いら
れていた。しかしながら、機械的にはめ込む方法は接合
強度が弱くはずれやすいと言う欠点を有し、一方接着剤
による接合方法は工程が多くなり、さらに接着剤のはみ
出しにより美観を損なうなどの欠点を有していた。ここ
では本発明の接合方法を用いることで、接合強度が強く
美観に優れた接合を可能にする応用例を示す。
【0047】本応用例1は第2の実施形態と第7の実施
形態を応用した例である。図8には本発明の接合方法で
接合されたケース100と風防ガラス200の平面図と
その断面図が描かれている。ケース100はステンレス
(SUS−304)でできており、直径2.6mm、厚
さ0.3mmの円盤状の風防ガラス200が、隙間なく
はめ込まれるような形状をしている。
【0048】図8に示すように、風防ガラス200はケ
ース100にはめ込むようにして配置される。その後、
第7の実施形態で示したような方法を用いて電鋳層30
をパターン化して形成する。本応用例では、電鋳処理前
にステンレスからなるケース100を塩酸中に10分間
浸漬した。その後速やかに電鋳処理を行うことで電鋳層
3はケース100上に強固に形成される。電鋳処理は、
まずニッケル(Ni)電鋳法でステンレスからなるケー
ス100上にNi電鋳層を形成し、その後続けて、金
(Au)電鋳法によってNi電鋳層上にAu電鋳層を形
成した。
【0049】このようにして出来上がった電鋳層30は
図8の平面図で示すように、時刻を示す目盛や文字とし
てパターン化されている。すなわち、この時計の風防ガ
ラス200は文字盤を兼ね備えている。その結果、通常
の文字盤がなくなるため、部品点数が少なくなり時計の
薄型化ができるなどの効果が期待できる。また文字など
のほかに装飾のための模様をパターン化してもかまわな
い。本応用例の特徴は、電鋳層30を接合材として使用
するだけでなく、時刻表示にも使用し、さらには表面に
Au電鋳層を形成することで装飾性をも兼ね備えている
点である。また、接着剤を使用していないので耐食性に
も優れている。
【0050】(応用例2)近年の情報化社会において、
光通信は最も重要な情報伝達手段の一つである。この光
通信の特徴は、大量の情報を早く正確に伝達できるとい
う点であるが、そのためには小型で精度の高い光通信シ
ステムが必要とされる。マイクロミラーはそうした光通
信システムを構成する部品の一つであり、光情報を正確
に伝達するための部品である。本応用例はそのマイクロ
ミラーの接合方法に関するものである。
【0051】図9は本発明によるマイクロミラーの接合
例と従来のマイクロミラーの接合例とを比較した図であ
る。従来の一般的なマイクロミラーの接合は図9(b)
に示すように、ミラー面にCr膜を成膜したガラスから
なるマイクロミラー210をステンレスからなる固定台
110に接着剤40を介して接合していた。接着剤40
には50〜100μmの厚みがあり、その厚みは均一で
ないため、図9(b)のようにマイクロミラー210が
固定台110に所定の角度で正確に接合されないといっ
た問題が多く生じてしまった。マイクロミラー210と
固定台110との取り付け角度は光情報を正確に伝達す
るために非常に重要であり、図9(b)のようにマイク
ロミラー210の取り付け角度が変わってしまうと、入
射してきた光が所定の方向とは別の方向に伝達されてし
まう。
【0052】本発明の接合方法を用いた場合、図9
(a)のようにマイクロミラー210と固定台110は
接合される。本応用例は本発明の第1の実施形態を応用
した例である。図9(a)の本発明による接合の場合、
マイクロミラー210は電鋳層31によって固定台11
0に均等の力で固定(接合)され、固定台110とマイ
クロミラー210との間には全く隙間が生じないような
構造になっている。そのためマイクロミラー210は必
ず設計通りの所定の角度で固定台110に接合され、そ
の結果入射してきた光を所定の方向に正確に伝達するこ
とが可能となる。なおCr膜が成膜されているマイクロ
ミラーのミラー面には電鋳が施されないようにして電鋳
法を行う。本応用例は接着剤を介さずに部材同士を接合
できるという本発明の利点を利用した例である。
【0053】(応用例3)図10は時計やマイクロマシ
ンに用いられる超小型歯車を本発明による固定方法で固
定した図である。この応用例は第4の実施形態を応用し
た例である。以下にその固定方法を説明する。
【0054】金属製の車軸120には歯車220を任意
の位置に固定するための段差が設けられており、その車
軸120に歯車220が組み込まれる。歯車220は金
属製であるが全面にレジスト50が塗布されているため
電気的には絶縁される。歯車220が組み込まれた状態
で電鋳処理することによって、車軸120の先端部に電
鋳層32を形成する。この状態では歯車220は車軸1
20にがっちりと固定されている(図10(a)の状
態)。なお図10では車軸120の側面に電鋳層32は
形成されていないが、形成されても本応用例は適用でき
るものである。
【0055】次に図10(b)に示すように、歯車22
0に塗布されていたレジスト50を、有機溶剤などによ
って溶解し完全に除去する。すると歯車220と電鋳層
32、歯車220と車軸120の段差部の間に隙間がで
き、歯車220は回転できるようになる。しかしながら
歯車220は電鋳層32によってはずれることはない。
本応用例は、微細部品の接合に適しているという本発明
の利点を利用した例である。
【0056】(応用例4)図11は本発明によるIC基
板とFPCの接合例を示した図である。プラスチック材
料からなるIC基板130上には微細な配線60が形成
されている。配線60には一般に銅(Cu)が用いられ
ることが多い。一方、IC基板130から電気信号を取
り出すためのFPC230上にも、やはり微細な配線6
1が形成されている。FPC230もやはりプラスチッ
ク材料からなっており、配線61も銅(Cu)で形成さ
れている。IC基板130とFPC230は容易にはず
れないように接合され、また配線60と配線61は電気
的に問題なく接続されなくてはならない。本応用例はこ
の機械的接合と電気的接続の両方を同時に行うものであ
る。
【0057】IC基板130とFPC230とは所定の
位置関係を保ちながら電鋳処理される。この時、配線6
0と配線61上に電鋳層33が同時に形成され、最終的
に一体化した電鋳層33が完成する。このようにして形
成された電鋳層33はIC基板130とFPC230の
接合だけでなく、配線60と配線61の電気的接続も同
時に達成している。
【0058】本発明を用いた本応用例において、電鋳層
33は配線60、61上にしか形成されないため、微細
な配線の接続に大変有効である。また低温で接合がなさ
れるため、FPC230に耐熱性が要求されず、FPC
材料を自由に選択できる。その結果、従来よりも柔軟な
FPC230による接続が可能になる。
【0059】
【発明の効果】本発明の接合方法によると、20〜80
℃という低温下での接合を可能にし、耐熱性の低い材料
でも接合可能である。
【0060】さらには、複数の部材を耐食性が良好な金
属材料で接合するため耐食性に優れ、且つ真空部品にも
適している。
【0061】さらには、接合部の微細なパターン化が可
能であり、その結果、微細部品の接合に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示した図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示した図である。
【図3】本発明の第3の実施形態を示した図である。
【図4】本発明の第4の実施形態を示した図である。
【図5】本発明の第5の実施形態を示した図である。
【図6】本発明の第6の実施形態を示した図である。
【図7】本発明の第7の実施形態とその方法を示した図
である。
【図8】本発明よる時計部品の接合例を示した図であ
る。
【図9】本発明によるマイクロミラーの接合例と従来の
マイクロミラーの接合例とを比較した図である。
【図10】本発明による超小型歯車の固定方法を示した
図である。
【図11】本発明によるIC基板とFPCの接合例を示
した図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g 第1の部
材 2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g 第2の部
材 3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g 電鋳層 4 レジスト 11 非導電性部材 12 導電性膜 21 導電性部材 22 絶縁性膜 30、31、32、33 電鋳層 40 接着剤 50 レジスト 60、61 配線 100 ケース 110 固定台 120 車軸 130 IC基板 200 風防ガラス 210 マイクロミラー 220 歯車 230 FPC

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の部材を固定するための接合方法で
    あって、導電性を有する第1の部材の任意の位置に、第
    2の部材を接触させた状態で、該導電性を有する第1の
    部材上に電鋳法により電鋳層を形成することによって、
    該電鋳層で前記第2の部材を前記第1の部材に固定する
    ことを特徴とする部材の接合方法。
  2. 【請求項2】 前記電鋳層が所望の形状でパターン化さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の部材の接合方
    法。
  3. 【請求項3】 処理温度が20〜80℃の電鋳法によっ
    て電鋳層を形成したことを特徴とする請求項1もしくは
    請求項2記載の部材の接合方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の部材にセラミックス材料を用
    いたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    に記載の部材の接合方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の部材にプラスチック材料を用
    いたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
    に記載の部材の接合方法。
  6. 【請求項6】 前記導電性を有する第1の部材が、非導
    電性材料上の任意の位置に導電性膜を形成した構造から
    なることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか
    に記載の部材の接合方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の部材が、導電性材料上の任意
    の位置に絶縁性膜を形成した構造からなることを特徴と
    する請求項1から請求項6のいずれかに記載の部材の接
    合方法。
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