JP2001011365A - 塗料用樹脂組成物および塗料 - Google Patents

塗料用樹脂組成物および塗料

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JP2001011365A
JP2001011365A JP11184711A JP18471199A JP2001011365A JP 2001011365 A JP2001011365 A JP 2001011365A JP 11184711 A JP11184711 A JP 11184711A JP 18471199 A JP18471199 A JP 18471199A JP 2001011365 A JP2001011365 A JP 2001011365A
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epoxy resin
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resin composition
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JP11184711A
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English (en)
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Yoshitaka Osanai
良隆 小山内
Kazuji Kageishi
一二 影石
Ariyoshi Ando
有美 安藤
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温(80℃以下)での硬化性に優れた、とり
わけ一液タイプの塗料用樹脂および該塗料用樹脂を使用
して得られる塗料を提供する。さらに、塗膜の屈曲性、
耐候性、仕上がり外観に優れた塗膜を提供する。 【解決手段】側鎖に水酸基と脂環式エポキシ基を有する
アクリル樹脂、脂環式エポキシ樹脂、一分子中にグリシ
ジル基と加水分解性アルコキシシラン基を有するオルガ
ノアルコキシシラン化合物、アルミニウムキレート化合
物、およびエポキシ変性ゴム化合物を特定の割合で配合
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温(80℃以
下)での硬化性に優れた塗料用樹脂組成物およびその塗
料用樹脂組成物を使用して得られる塗料に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、低温(80℃以下)での硬化
性に優れる一液タイプの塗料用樹脂が望まれており、こ
れまで以下のような技術が提案されてはいるが、いずれ
も貯蔵安定性、硬化性、その他数多くの塗料に要求され
る性能をバランスよく具備しているものはなかった。
【0003】すなわち、従来から実施されている分子側
鎖に水酸基を有するアクリルポリオールとメラミン樹脂
またはブロックイソシアネートの硬化系、あるいは潜在
性触媒(硬化剤)を用いたエポキシ樹脂では、120℃
で硬化するのが実力であり、それ以下の硬化温度では十
分な架橋密度が得られず塗膜性能等が期待できない。そ
れ以下の温度での硬化には多液化が必要であり、作業性
に多くの問題を残していた。また、ポリイソシアネート
を使用すれば硬化性は良好であるが、イソシアネートの
毒性の問題を無視できない。
【0004】また、近年は環境保護の観点から、塗料の
ハイソリッド化が要求されるようになっているが、塗膜
性能と塗膜外観をバランスよく備えることが要求される
ためこれらの塗料、塗装系では限界があり、不適切であ
る。さらに、自動車バンパー等の伸びのある基材に塗装
する場合には、塗膜を柔軟にする必要があり、結果とし
て塗料の乾燥性、硬化性や塗膜の耐候性、耐薬品性、耐
傷付き性等が犠牲になることがあった。
【0005】比較的最近の提案として、側鎖に水酸基
(およびエポキシ基)を有するアクリル樹脂にシラン化
合物、金属キレート触媒等を配合した塗料用樹脂組成物
がある(特公昭55−41712号公報、特公昭60−
50223号公報、特公昭60−50225号公報、特
公昭61−23816号公報、特公昭61−23817
号公報、特開昭64−75502号公報、特開平4−1
39281号公報、特開平1−259071号公報、特
開平1−287177号公報)。これらで提案されてい
る塗料用樹脂組成物は、100℃程度の比較的低温での
硬化性を有しており、塗料、塗膜として優れているとさ
れている。しかしながら、塗料を塗装時固形分が40%
以上になるようなハイソリッド化する場合には、アクリ
ル樹脂の分子量を極端に低くする必要があり、この場合
には示されているような硬化性は有さない。また、塗膜
は硬く、強靱ではあるが可とう性、柔軟性がなく、ポリ
プロピレンバンパーのような伸びのある基材には適用で
きない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、貯蔵安定性が良好な低温
(80℃以下)での硬化性および塗料の耐候性に優れた
塗料用樹脂組成物、とりわけ一液タイプの塗料用樹脂組
成物を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、ハイソリッド化が可
能で、ポリプロピレンなどの伸びのある基材に塗装して
も割れ、剥がれ等を起こさず、塗料用樹脂として要求さ
れる諸性能(密着性、外観、耐候性、耐薬品性、耐溶剤
性等)にもバランスがとれて優れた機能を十分発揮しう
る塗料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の塗料用樹脂組成
物は、側鎖に水酸基と脂環式エポキシ基を有する数平均
分子量2,000〜80,000のアクリル樹脂(A)、
エポキシ当量が100〜1,000の脂環式エポキシ樹
脂(B)、一分子中にグリシジル基と加水分解性アルコ
キシシラン基を有するオルガノアルコキシシラン化合物
(C)、アルミニウムキレート化合物(D)、および、
エポキシ当量が500〜5,000のゴム変性エポキシ
樹脂(E)を含有する塗料用樹脂組成物である。
【0009】そして、この塗料樹脂組成物におけるアク
リル樹脂(A)、脂環式エポキシ樹脂(B)、オルガノ
アルコキシシラン化合物(C)、アルミニウムキレート
化合物(D)およびゴム変性エポキシ樹脂(E)の好ま
しい配合割合は、重量比で下記関係を満たすものであ
る。 (1)A/B=60/40〜99/1 (2)(A+B)/C=50/50〜95/5 (3)(A+B+C)/D=100/0.5〜100/
5 (4)A/E=50/50〜99.8/0.2 さらに本発明の塗料樹脂組成物は、次の好ましい態様を
含んでいる。 (a) アクリル樹脂(A)の水酸基が、ホモポリマーのガ
ラス転移温度が0℃以下の水酸基含有不飽和単量体
(F)の共重合により導入されたものであること。 (b) ゴム変性エポキシ樹脂(E)が、ポリウレタン変性
エポキシ樹脂(G)またはポリオレフィン変性エポキシ
樹脂(H)であること。 (c) ポリオレフィン変性エポキシ樹脂(H)がカルボキ
シル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴムの
エポキシ樹脂付加物(I)であること。 (d) 上記塗料用樹脂組成物を含有してなる塗料。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の記塗料用樹脂組成物は、
基本的に、アクリル樹脂(A)、脂環式エポキシ樹脂
(B)、オルガノアルコキシシラン化合物(C)、アル
ミニウムキレート化合物(D)およびゴム変性エポキシ
樹脂(E)で構成される。
【0011】本発明におけるアクリル樹脂(A)は、側
鎖に水酸基と脂環式エポキシ基を有する数平均分子量
2,000〜50,000のアクリル樹脂(A)はであ
り、アクリル樹脂を製造する際、水酸基含有不飽和単量
体と脂環式エポキシ基を有する不飽和単量体を共重合す
ることにより製造することができる。
【0012】水酸基含有不飽和単量体としては、アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシ
プロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、1,4−
ジメチロールシクロヘキサンのモノアクリレート、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、
1,4−ジメチロールシクロヘキサンのモノメタクリレ
ート、アクリル酸またはメタクリル酸の炭素原子数が2
〜8個のヒドロキシアルキルエステルとε−カプロラク
トンまたはγ−バレロラクトン等のラクトン類との付加
物、ポリアルキレングリコールのモノアクリレートまた
はメタクリレート(ただし、アルキレン基の炭素原子数
は1〜4個)、等を例示することができる。これらの単
量体は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物であっ
てもよい。
【0013】これらの単量体の中では、ホモポリマーと
したときガラス転移温度(Tg)が0℃以下のものが好
ましい。Tgが0℃以下の場合には、塗料の硬化性が向
上する傾向にあり、水酸基含有不飽和単量体の配合量を
減らすことが可能となり、未反応の残存水酸基量の低減
をはかれ耐水性、耐アルコール性などの耐薬品性が向上
する傾向にある。
【0014】Tgが0℃以下の水酸基含有不飽和単量体
としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(ホモポリ
マーのTg=−15℃)、アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル(Tg=−45℃)、アクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル(Tg=−80℃)、アクリル酸またはメタクリ
ル酸の炭素原子数が2〜8個のヒドロキシアルキルエス
テルとε−カプロラクトンまたはγ−バレロラクトン等
のラクトン類との付加物(Tg=−5〜−60℃)等が
例示でき、該単量体は単独でも、もしくは2種類以上の
混合物であってもよい。Tgが−30℃以下の場合には
(例えばアクリル酸4−ヒドロキシブチル(Tg=−8
0℃)を共重合したとき)、塗膜外観(光沢、鮮映性
等)が向上する傾向にあり、推奨される。
【0015】これらの単量体は、アクリル樹脂の水酸基
価が好ましくは0.5〜80mgKOH、より好ましく
は5〜50mgKOHとなるように共重合される。水酸
基価が0.5mgKOH未満では、低温での硬化性が不
十分になる傾向にあり、耐薬品性、耐候性が悪化する。
水酸基価が80mgKOHを超える場合には、低温乾燥
時に塗膜厚を100μm程度にした際、塗膜にチヂミが
多く発生しやすく美麗な塗装物品が得られないことがあ
る。
【0016】また、脂環式エポキシ基を有する不飽和単
量体としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
メタクリレート等のシクロアルキル基に直接結合したオ
キシラン基を有する不飽和単量体が例示できる。該脂環
式エポキシ基含有不飽和単量体は単独でも、もしくは2
種類以上の混合物であってもよい。
【0017】脂環式エポキシ基含有不飽和単量体は、ア
クリル樹脂(A)中に1〜30重量%共重合されること
が好ましく、より好ましくは2〜20重量%共重合され
る。1重量%未満では十分な低温硬化性が得られず、密
着性、耐水性、耐薬品性などが悪化する傾向にある。3
0重量%を超えて共重合する場合には、貯蔵安定性が悪
化する傾向にあり、塗膜にチヂミが発生しやすくなる傾
向がある。
【0018】本発明では水酸基含有不飽和単量体、脂環
式エポキシ基含有不飽和単量体以外に共重合可能なその
他の不飽和単量体を使用することができる。その他の不
飽和単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、
アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタク
リル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数
1〜18のアルキルエステル、さらに、スチレン、酢酸
ビニル等の共重合可能な不飽和単量体が例示できる。該
不飽和単量体は単独であっても、もしくは2種類以上の
混合物であってもよい。
【0019】また、本発明で用いられるアクリル樹脂
(A)として、重合性二重結合を有するベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤を、アクリル樹脂(A)中に0.0
5〜10重量%共重合したものも好ましい一例として用
いられる。
【0020】重合性二重結合を有するベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤は、不飽和二重結合を有するものであ
れば、特に限定されるものではないが、例えば、2−
(2´−ヒドロキシ−5´−メタクリロキシエチルフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2´−ヒド
ロキシ−5´−アクリロキシエチルフェニル)−2H−
ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤を(メタ)アクリロイル化したものなどが挙げられ
る。これら重合性ベンゾトリアゾール系紫外線吸収性化
合物を用いることで、塗料の硬化性、貯蔵安定性が優
れ、長期にわたって良好な耐候性が持続される。また、
下塗り塗料や基材の保護(基材の光による褪色や劣化の
防止)を兼ねることがあり、好ましく使用される。
【0021】これらの重合性不飽和二重結合を有するベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は単独であっても、2
種類以上の混合物であってもよい。これらの紫外線吸収
剤はアクリル樹脂(A)を製造する際に同時に共重合
し、アクリル樹脂(A)の成分としてアクリル樹脂中に
組み込むことが望ましい。このとき、長期にわたる良好
な耐候性が確保され、良好な塗料の硬化性と塗膜の耐候
性にバランスがとれて優れたものとなる。
【0022】また、さらに必要であれば、3−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタク
リロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−
メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3
−メタクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシ
シラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジエト
キシシラン等で例示される加水分解性アルコキシシラン
基を有する不飽和単量体、3−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメト
キシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等
で例示される加水分解性アルコキシシラン基を有する連
鎖移動剤(重合度調節剤)を共重合または配合すること
も可能である。該単量体または連鎖移動剤は単独であっ
ても、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0023】アクリル樹脂(A)は、通常のラジカル共
重合により、溶剤溶液、水分散体として製造される。本
発明の場合には、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、酢
酸エチル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、エチレングリコールモノブチルエーテル等の有機
溶剤を用い、α,α´−アゾビスイソブチロニトリル、
α,α´−アゾビスバレロニトリル等の有機アゾ系重合
開始剤、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物を重合開始剤
として使用し、重合温度40〜150℃で、水酸基含有
不飽和単量体、脂環式エポキシ基含有不飽和単量体、お
よび、その他の共重合可能な不飽和単量体を溶液重合す
ることにより製造されるアクリル樹脂が好ましい。
【0024】アクリル樹脂(A)のGPCを用いポリス
チレン換算として測定される数平均分子量(Mn)は、
2,000〜80,000、より好ましくは2,500〜
50,000である。分子量の調節は、よく知られてい
るように、n−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を
アクリル樹脂の共重合時に併用することにより実施する
ことができる。数平均分子量が2,000未満では、低
温硬化性がやや悪くなる傾向にあり、塗膜がチヂミを発
生しやすくなる傾向にある。数平均分子量が80,00
0を超える場合には、塗膜光沢が低下しやすく、良好な
仕上がりが得られないことがある。
【0025】ハイソリッド塗料を製造する場合には、M
nが2,000〜10,000、好ましくは2,500〜
8,000であることが望ましい。Mnが2500未満
では、低温硬化性がやや悪くなる傾向にあり、塗膜がチ
ヂミを発生しやすくなえる傾向にある。Mnが10,0
00を超える場合には、十分に高い塗装時固形分を有す
るハイソリッド塗料の設計が実施しづらくなることがあ
る。
【0026】また、ポリプロピレンバンパーのような伸
びのある基材に塗装する場合には、ベースコート用とし
て、Mnは10,000〜80,000、トップコート用
として、3,000〜40,000であることが好まし
い。ベースコート用のMnをトップコート用のMnより
やや大きくすることが好ましく、このとき良好な仕上が
りと、塗膜の柔軟性を両立させることができる。
【0027】本発明で用いられるエポキシ当量が100
〜1,000の脂環式エポキシ樹脂(B)としては、1
3197の化学商品、化学工業日報社(1997年)
P923〜931に例示され、中でも3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシ
ルカルボキシレート、および下記式1〜5を有するもの
等、分子中に脂環式エポキシ基を有するものが例示され
る。該化合物は単独であっても、2種類以上の混合物で
あってもよい。
【0028】
【化1】
【0029】
【化2】 脂環式エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が100未満
の場合には、低温での硬化性は良好となるものの、塗膜
が硬く脆くなり、低温衝撃性、屈曲性が悪化することが
ある。エポキシ当量が1,000を超える場合には、硬
化性にやや遅れが見られ、塗膜初期硬度の立ち上がりが
遅れ、初期の耐傷つき性、耐ガソリン性などが不足する
場合がある。
【0030】脂環式エポキシ樹脂(B)は、アクリル樹
脂(A)に対し、好ましくはA/B=60/40〜99
/1、より好ましくは70/30〜98/2の範囲で使
用される。脂環式エポキシ樹脂(B)の配合量が1未満
の場合には、低温での硬化性が悪化する場合があり、耐
水性、耐候性などが若干悪くなる傾向にある。配合量が
40を超える場合には、塗膜のチヂミが起こりやすくな
り、光沢がやや低くなることがある。
【0031】本発明で用いられる一分子中にグリシジル
基と加水分解性アルコキシシラン基を有するオルガノア
ルコキシシラン化合物(C)としては、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルジメトキシシランなどが例示される。
これらの化合物は単独であっても、2種類以上の混合物
であってもよく、また、これらの化合物の加水分解物、
部分縮合物であってもよい。該化合物は、単独で、ある
いはアクリル樹脂(A)側鎖の脂環式エポキシ基、水酸
基、および脂環式エポキシ樹脂(B)との間で反応し、
塗膜に架橋構造を付与する。シラン化合物として、グリ
シジル基と加水分解性アルコキシシラン基(またはシラ
ノール基)を併有することが必須であり、どちらの官能
基が欠けても低温硬化性は得難くなる傾向にある。例え
ば、該化合物に変えて、グリシジル基を有さないフェニ
ルトリメトキシシランのような加水分解性アルコキシシ
ラン化合物を使用しても、80℃以下の低温では十分な
硬化反応が起こらず、耐水性、耐薬品性、耐ガソリン
性、耐候性等の塗膜性能が悪化する傾向にある。
【0032】オルガノアルコキシシラン化合物(C)
は、アクリル樹脂(A)、脂環式エポキシ樹脂(B)の
総量に対して、(A+B)/C=50/50〜95/
5、好ましくは、55/44〜90/10の範囲で使用
される。使用量が5未満の場合には、低温硬化性がやや
悪くなる。使用量が50を超える場合には、塗料のリコ
ート密着性が悪くなる傾向にある。
【0033】アルミニウムキレート化合物(D)として
は、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピ
レート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテー
ト)、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、ア
ルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルア
セトネート等が例示できる。アルミニウムキレート化合
物は、アクリル樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オルガノア
ルコキシシラン化合物が相互に反応し、架橋塗膜を形成
するための触媒、架橋剤として作用する。該化合物は単
独であっても、もしくは2種類以上の混合物であっても
よい。
【0034】本発明で用いられるアルミニウムキレート
化合物(D)は、アクリル樹脂(A)、脂環式エポキシ
樹脂(B)、オルガノアルコキシシラン化合物(C)に
対して、好ましくは重量比で(A+B+C)/D=10
0/0.5〜100/5の範囲で使用される。使用量が
0.5未満では低温での速硬化性が悪くなる場合があ
り、十分な塗膜性能を得るために時間を要することがあ
る。5重量%を超える場合には、貯蔵安定性、耐候性が
悪化する場合がある。
【0035】塗料用樹脂組成物においては、貯蔵中に、
不用意に機能を発揮しないように対応するキレート化剤
を安定剤として添加することがよく知られており、本発
明でも好適に実施される。すなわち、貯蔵安定性を向上
するために、アセチルアセトン、ダイアセトンアルコー
ル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等を添加する
ことが好ましい。
【0036】本発明で用いられるゴム変性エポキシ樹脂
(E)としては、末端エポキシ化ポリブタジエン、エポ
キシ化天然ゴム、エポキシ化ポリウレタンゴム等ポリオ
レフィンまたはポリウレタン等のエラストマーをビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂でエポキシ
化したものが挙げられる。これらのゴム変性エポキシ樹
脂は単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。ゴ
ム変性エポキシ樹脂(E)を用いることにより、塗膜に
可とう性、屈曲性、耐衝撃性、鉄等の金属の防食性等を
付与し、ポリプロピレンバンパー、金属等の塗装に適し
た塗料を提供する。特に、ゴム変性エポキシ樹脂(E)
がポリウレタン変性エポキシ樹脂(G)またはポリオレ
フィン変性エポキシ樹脂(H)であるとき屈曲性、衝撃
性、防食性がより向上し好ましい。
【0037】ポリウレタン変性エポキシ樹脂(G)は、
一例を挙げればユニットの炭素原子数が1〜4個のポリ
アルキレンポリオール(一分子中の水酸基の数は1〜4
個)とトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイ
ソシアネートを反応させポリウレタンを得た後、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等とさ
らに反応させることにより得られる。例えば、分子量8
00のポリテトラメチレングリコールとトリレンジイソ
シアネートを1.5:1の当量比で反応させて得たポリ
ウレタンとビスフェノールA型エポキシ樹脂とを反応さ
せたもの等が例示できる。
【0038】ポリウレタン変性エポキシ樹脂(G)は、
分子内にウレタン結合とエポキシ基を有するエラストマ
ーである。
【0039】ポリオレフィン変性エポキシ樹脂(H)
は、一例を挙げればポリマー末端または側鎖にカルボキ
シル基、水酸基等の官能基を有するポリオレフィンとエ
ポキシ樹脂とを反応させることにより得られる。例え
ば、末端カルボキシル基1,2−ポリブタジエンとビス
フェノールA型エポキシ樹脂を1:2の当量比で反応さ
せたもの等が例示できる。
【0040】ポリオレフィン変性エポキシ樹脂(H)
は、分子内にポリオレフィン連鎖とエポキシ基を有する
エラストマーである。
【0041】さらに、ポリオレフィン変性エポキシ樹脂
(H)がカルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニト
リル共重合ゴムのエポキシ樹脂付加物(I)であると
き、低温衝撃性、耐油性が向上し、より好ましい。カル
ボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合ゴ
ムのエポキシ樹脂付加物(I)としては、カルボキシル
基末端ブタジエン−アクリロニトリルブロック共重合体
とビスフェノールA型エポキシ樹脂または脂環式エポキ
シ樹脂等のエポキシ樹脂を反応させたもの、カルボキシ
ル基末端ブタジエン−アクリロニトリルランダム共重合
体とビスフェノールA型エポキシ樹脂または脂環式エポ
キシ樹脂等のエポキシ樹脂を反応させたもの等が例示で
きる。
【0042】ゴム変性エポキシ樹脂(E)のエポキシ当
量は、500〜5,000、好ましくは1,000〜3,
000である。エポキシ当量が500未満では、ゴムと
しての機能が不十分で塗膜に柔軟性を付与することがで
きない。エポキシ当量が5,000以上では塗料粘度が
高くなり、塗膜のレベリング性が低下して光沢が悪くな
る。エポキシ当量が1,000〜3,000のとき、屈曲
性、衝撃性などの塗膜の力学的特性と外観にもっとも好
ましい状態が得られる。
【0043】ゴム変性エポキシ樹脂(E)は、アクリル
樹脂(A)に対して好ましくはA/E=50/50〜9
9.8/0.2、より好ましくは80/20〜98/2
の範囲で使用される。配合量が99.8/0.2未満で
は、耐衝撃性、耐低温屈曲性が改善されず50/50を
超える場合には、塗膜の耐候性が悪化するため好ましく
ない。80/20〜98/2の範囲で配合されるとき、
塗膜は伸びのある基材にも十分追随し、長期にわたり良
好な塗膜外観と、基材の保護が達成される。
【0044】また、本発明の塗料用樹脂組成物は、耐候
性、耐酸化劣化性を維持、向上するために、酸化防止剤
(フェノール系、ポリフェノール系等が例示できる)、
紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系等が例示できる)、光安定剤(HALS、塗料用樹脂
組成物の貯蔵安定性の観点から塩基定数(PKb)が8
以上のものが好ましい)等を配合することも有効な手段
である。これらの添加剤は、ゴム変性エポキシ樹脂に対
し、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは
0.5〜5重量%添加すれば、期待する効果が得られ
る。特に、アクリル樹脂(A)にベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤を有する不飽和単量体を共重合し、フェノ
ール系またはポリフェノール系酸化防止剤を併用するの
が好ましく、このとき耐候性が一段と良好になる。
【0045】本発明の塗料用樹脂組成物は、アクリル樹
脂(A)と、エポキシ当量が100〜1,000の脂環
式エポキシ樹脂(B)、オルガノアルコキシシラン化合
物(C)、およびアルミニウムキレート化合物(D)、
ゴム変性エポキシ樹脂(E)が均一に混合されれば、ど
のような手段で製造しても目的を達成することができ
る。
【0046】簡単には、撹拌装置の付いた容器に、アク
リル樹脂(A)と脂環式エポキシ樹脂(B)、ゴム変性
エポキシ樹脂(E)を仕込み撹拌する。次いで、アルミ
ニウムキレート化合物(D)を少量ずつ仕込み、溶解す
る。最後に、オルガノアルコキシシラン化合物(C)を
添加し、均一になるまで撹拌を続けることにより製造す
ることができる。この製造工程中に必要であれば加熱す
ることもかまわないが、常温でも十分に製造は可能であ
り、製造の安定性(製造中に硬化反応が進行しゲル物が
生成しないために)、製造安定性の観点からは、20〜
50℃で製造することが好ましい。
【0047】塗料の製造をより安定に行なうためには、
アクリル樹脂(A)、脂環式エポキシ樹脂(B)、ゴム
変性エポキシ樹脂(E)を仕込み均一に撹拌、混合した
後、オルガノアルコキシシラン化合物(C)を仕込んで
均一になるまで混合する。この組成物で塗料化(塗料の
製造)を行なった後、最後にアルミニウムキレート化合
物(D)を添加すればよい。この際、アルミニウムキレ
ート化合物(D)は、トルエン、キシレン等の溶剤、お
よび、アセチルアセトン等のキレート安定剤で溶解して
おくとより簡便で、製造は安定する。
【0048】また別の方法は、特にエナメル塗料(顔料
が配合、分散された着色塗料)の製造においては、アク
リル樹脂(A)と脂環式エポキシ樹脂(B)、ゴム変性
エポキシ樹脂(E)との混合液を製造した後、この組成
物で顔料分散を行なう。このようにして製造されたエナ
メル塗料(ミルベース(顔料ペースト))を、あらかじ
め製造されたアクリル樹脂(A)、脂環式エポキシ樹脂
(B)、ゴム変性エポキシ樹脂(E)オルガノアルコキ
シシラン化合物(C)からなる組成物、または、オルガ
ノアルコキシシラン化合物(C)だけでレットダウン
(適正な塗料粘度、顔料配合量になるよう希釈するこ
と)し、最後にアルミニウムキレート化合物(または前
記希釈液)を添加し、均一になるまで混合して製造す
る。
【0049】本発明の塗料用樹脂組成物は、以上のほか
に塩基定数(PKb)が8以上のHALSを配合するこ
とができる。この化合物は、PKbが8以上であるため
に、組成物の貯蔵安定性、硬化性を阻害、妨害すること
なく、塗膜の耐候性を飛躍的に向上する作用がある。H
ALSは特に、二酸化チタン、カーボンブラック、アル
ミニウム顔料等の顔料が配合されたエナメル塗料のとき
に効力を発揮し、きわめて良好な耐候性が得られる。す
なわち、光沢の保持性や、塗膜色調の変化に対し優れた
性能が得られる。
【0050】PKbが8以上のHALSとしては、1−
{2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシ)エチル}−4−{3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,
7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピ
ロ{4,5}デカン−2,4−ジオン等が例示される。
該化合物は単独であっても。もしくは2種類以上の混合
物であってもよい。
【0051】PKbが8以上のHALSは、アクリル樹
脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.05〜
10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部配合され
る。配合量が0.5重量部未満では、耐候性向上機能が
芳しくない。5重量部を超えて配合される場合には、塗
料の硬化性、貯蔵安定性がやや悪化することがある。
【0052】本発明の塗料用樹脂組成物は、組成物のま
まで、あるいは、塗料を作製し、すなわち、必要に応じ
二酸化チタン、カーボンブラック、アルミペースト等の
顔料や、良く知られている塗料添加剤(レベリング剤
(特にシリコーン系のものが好適である)、顔料分散
剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤
(HALS)、消泡剤等)、希釈用の溶剤を配合した
後、ベースコート(下塗り塗料)としてもトップコート
(上塗り塗料)用としても使用できる。さらに、シリコ
ーンゴムまたはオイル(反応性官能基として(脂環式)
エポキシ基を有するものが好適)、および、他の塗料、
例えばアクリルウレタン樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、
アルキッド樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、フッ素樹脂塗
料、シリコーン樹脂塗料、アクリルシリコーン樹脂塗料
等(参考文献:13599の化学商品、化学工業日報社
(1999年発行))との併用も可能である。すなわ
ち、一例を挙げれば、本願の組成物を使用し作製された
塗料をベースコートとして塗装した後、アクリルウレタ
ン樹脂塗料をトップコートとして使用することも可能で
ある。
【0053】また、本発明の塗料用樹脂組成物では、塗
膜硬度を高め、耐傷つき性や弾性率、耐衝撃性を改善す
るために、シリカゾル、アルミニウムゾル、チタンウィ
スカー、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材を配合使用す
ることもできる。
【0054】本発明の塗料用樹脂組成物が塗装できる基
材には、ABS(アクリロニトリル−スチレン−ブタジ
エン樹脂)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロ
ン等のプラスチック、鉄、アルミニウム、トタン、ブリ
キ等の金属、および、これらが化成処理されたものおよ
びカチオンまたはアニオン電着塗装を施されたもの、ガ
ラス(化粧瓶のようなものも含む)、モルタル、セメン
ト、石綿セメント、石綿セメントパーライト、煉瓦、
瓦、スレート等の建築材料等がある。
【0055】また、塗装方法は、スプレー塗装、刷毛塗
り、ローラー塗り、ロールコーターによる塗装、カーテ
ンコート法、アニオン電着塗装、カチオン電着塗装等、
本発明の塗料用樹脂組成物を使用し作製された塗料が使
用される業界で通常行われている方法を適用することが
できる。
【0056】塗装された物品は、幅広い用途において使
用できる。すなわち、例を挙げれば自動車や2輪車(小
型のものから大型のものまで)のプラスチック部品や金
属材料、家庭用電化製品のプラスチック部品や金属部
材、外壁材(サイジングボード、カーテンウォール、ア
ルミサッシ)、屋根瓦、ガラス製やプラスチック製の化
粧小物(容器やブラシなど)等がある。
【0057】また、必要であれば、光増感剤(好ましく
は光カチオン増感剤(開始剤))を配合し、あるいは配
合しないままで、紫外線硬化(UV硬化)塗料としても
適用できる。
【0058】
【実施例】以下、実施例で詳細に説明する。なお、特に
断りがなければ、部数は重量部を、組成比は重量%を示
すものとする。
【0059】(実施例1〜6、比較例1〜3) 1.アクリル樹脂(A)の製造例 (1)アクリル樹脂(1) 重合開始剤としてα,α´−アゾビスイソブチロニトリ
ル(ABN)を用い、重合温度93℃でトルエン(TO
L)/プロピレングリコールメチルエーテル(PM)
(=80/20)を溶媒として、メタクリル酸メチル
(MMA)/メタクリル酸n−ブチル(BMA)/アク
リル酸n−ブチル(BA)/3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチルアクリレート(EPCA)/メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル(HEMA、Tg=40℃)(重
量比割合=28/26/26/10/10)からなる単
量体混合物を溶液重合し、アクリル樹脂(1)(=固形
分60%、Mn18,000)を得た。
【0060】(2)アクリル樹脂(2) 重合開始剤としてABNを用い、重合温度93℃でTO
L/PM(=80/20)を溶媒として、MMA/BM
A/BA/EPCA/アクリル酸4−ヒドロキシブチル
(4HB、Tg=−80℃)(重量比割合=28/26
/26/10/10)からなる単量体混合物を溶液重合
し、アクリル樹脂(2)(=固形分60%、Mn18,
000)を得た。
【0061】(3)アクリル樹脂(3) 重合開始剤としてABNを用い、重合温度93℃でTO
L/PM(=80/20)を溶媒として、MMA/BM
A/BA/EPCA/4HB(重量比割合=28/26
/26/10/10)からなる単量体混合物を溶液重合
し、アクリル樹脂(3)(=固形分60%、Mn2,8
00)を得た。これにさらに、8−アセチル−3−ドデ
シル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−ト
リアザスピロ{4,5}デカン−2,4−ジオン(PK
bが8以上のHALS)を固形分の2%になるように配
合し、アクリル樹脂(3)を得た。
【0062】(4)アクリル樹脂(4) 重合開始剤としてABNを用い、重合温度93℃でTO
L/PM(=80/20)を溶媒として、MMA/BM
A/BA/EPCA/4HB(重量比割合=28/26
/26/10/10)からなる単量体混合物を溶液重合
し、アクリル樹脂(4)(=固形分60%、Mn35,
000)を得た。
【0063】(5)アクリル樹脂(5) 重合開始剤としてABNを用い、重合温度93℃でTO
L/PM(重量比割合=80/20)を溶媒として、M
MA/BMA/BA/EPCA/4HB/2−(2´−
ヒドロキシ−5´−メタクリロキシエチルフェニル)−
2H−ベンゾトリアゾール(=28/26/24/10
/10/2)からなる単量体混合物を溶液重合し、アク
リル樹脂(5)(=固形分60%、Mn8,000)を
得た。
【0064】(6)アクリル樹脂(6) 重合開始剤としてABNを用い、重合温度93℃でTO
L/PM(重量比割合=80/20)を溶媒として、M
MA/BMA/BA/グリシジルメタクリレート(GM
A)/HEMA(=28/26/26/10/20)か
らなる単量体混合物を溶液重合し、アクリル樹脂(6)
(=固形分60%、Mn5,000)を得た。
【0065】2.塗料用樹脂組成物の作製 表1の配合組成に従い、実施例1〜6および比較例1〜
3の塗料用樹脂組成物をそれぞれ製造した。
【0066】
【表1】 EP :3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,
4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(エポキ
シ当量130〜145) EPR:ビスフェノールAエポキシ−(ブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体)−ビスフェノールAエポキシ
(エポキシ当量1,500) EPU:ビスフェノールAエポキシ−(ポリテトラメチ
レングリコール−ヘキサメチレンジイソシアネート)−
ビスフェノールAエポキシ(エポキシ当量1,500) GMP:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン AL :アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)
/TOL/PM=10/50/40の混合溶液。
【0067】3.試験用塗装板の作製 塗装グレードのポリプロピレン板に、塩素化ポリプロピ
レン樹脂(ハードレン14LLB、東洋化成(株)の製
品)/ビスフェノールA型エポキシ樹脂(=96/4)
の樹脂組成物をトルエン/ソルベッソ#100(80/
20)の混合溶剤でフォードカップ#4での粘度が15
秒になるように希釈したプライマーを塗膜厚が10μm
になるよう塗布し、23℃で15分間乾燥した(塗装板
1)。
【0068】表1の各塗料用樹脂組成物に、アルペース
ト7680NS(東洋アルミニウム(株)の製品)を、
次式の顔料の重量PWCが7%になるようにそれぞれ配
合し、ディスパーでよく混合した。
【0069】
【式1】 次いで、トルエン/メチルプロピレングリコール/イソ
プロパノール(=50/30/20)の混合溶剤で、塗
料粘度がフォードカップ#4で15秒(25℃)になる
ように希釈し、プライマーが塗装された前記塗装板1に
塗膜厚が25μmになるよう塗装した(塗装板2)。
【0070】表1の各塗料用樹脂組成物を、トルエン/
メチルプロピレングリコール/イソプロパノール(=5
0/30/20)の混合溶剤で、塗料粘度がフォードカ
ップ#4で15秒(25℃)になるように希釈し、前記
塗装板2上にさらに塗膜厚が20μmになるよう塗装し
た。これを80℃で20分間焼き付け乾燥し試験用塗装
板3を得た。
【0071】なお、各塗装工程とも、塗装雰囲気は22
℃、30RHであった。
【0072】得られた試験用塗装板3のそれぞれについ
て、評価した結果を表2に示す。
【0073】
【表2】 チヂミ :塗膜表面のチリチリした感じを目視判定し
た。
【0074】○はチヂミが全くなく合格、△は塗装板の
エッジ部に少しチヂミがあるが全体としてはきれいな塗
膜であり合格、×は全体的にチヂミがあり不合格であ
る。 屈曲性 :塗装板3を−20℃に24時間放置した後、
10Φの屈曲計で折り曲げ、塗膜の亀裂の入り具合を目
視で評価した。
【0075】○は全く亀裂が入らないか、小さい筋が見
られる程度で合格、×は塗膜が割れ、不合格である。 硬化性 :塗膜をトルエンを含ませたフェルトで50回
こすり(トルエンでのラビングテスト)、塗膜が侵され
るかどうかを判定した。
【0076】○は塗膜が全く侵されず合格。△はやや塗
膜が侵されるが全体としては残っており合格、△はやや
塗膜が侵されるが全体としては残っており合格、×は塗
膜が溶解され不合格である。 耐候性 :塗装板3をQUV促進耐候性試験機(Qパネ
ル(株)の試験機)で1,000時間耐候性試験を行な
い、光沢保持率(%)を測定した。光 沢保持
率が70%以上を合格とする。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、貯蔵安定性が良好な低
温(80℃以下)での硬化性および塗料の耐候性に優れ
た塗料用樹脂組成物が得られ、これはとりわけ一液タイ
プの塗料用樹脂組成物として好適である。
【0078】本発明の塗料用樹脂組成物を含む塗料は、
低温での硬化性に優れるばかりでなく、美麗な塗膜外観
を得ることができ、低温での屈曲性、耐候性などの数々
の塗膜性能にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 Z 163/00 163/00 163/08 163/08 163/10 163/10 175/04 175/04 183/06 183/06 Fターム(参考) 4D075 CA47 DA06 DB02 EA05 EB22 EB33 EB42 EB52 EB53 EB56 EC08 4J038 CG141 CH121 CH141 CH171 DB232 DB442 DB482 DL022 GA03 GA07 JC32 JC38 KA03 MA13 NA01 NA03 NA04 NA11 NA12 NA24 NA26 PB07 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】側鎖に水酸基と脂環式エポキシ基を有する
    数平均分子量2,000〜80,000のアクリル樹脂
    (A)、エポキシ当量が100〜1,000の脂環式エ
    ポキシ樹脂(B)、一分子中にグリシジル基と加水分解
    性アルコキシシラン基を有するオルガノアルコキシシラ
    ン化合物(C)、アルミニウムキレート化合物(D)、
    および、エポキシ当量が500〜5,000のゴム変性
    エポキシ樹脂(E)を含有する塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】アクリル樹脂(A)、脂環式エポキシ樹脂
    (B)、オルガノアルコキシシラン化合物(C)、アル
    ミニウムキレート化合物(D)およびゴム変性エポキシ
    樹脂(E)が重量比の下記関係を満たすものである請求
    項1記載の塗料用樹脂組成物。 (1)A/B=60/40〜99/1 (2)(A+B)/C=50/50〜95/5 (3)(A+B+C)/D=100/0.5〜100/
    5 (4)A/E=50/50〜99.8/0.2
  3. 【請求項3】アクリル樹脂(A)の水酸基が、ホモポリ
    マーのガラス転移温度が0℃以下の水酸基含有不飽和単
    量体(F)の共重合により導入されたものである請求項
    1または2記載の塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ゴム変性エポキシ樹脂(E)が、ポリウレ
    タン変性エポキシ樹脂(G)またはポリオレフィン変性
    エポキシ樹脂(H)である請求項1〜3のいずれかに記
    載の塗料用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ポリオレフィン変性エポキシ樹脂(H)が
    カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重
    合ゴムのエポキシ樹脂付加物(I)である請求項4記載
    の塗料用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の塗料用樹
    脂組成物を含有してなる塗料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348072A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Fuji Seal International Inc プラスチックラベル用コーティング剤及びプラスチックラベル
CN102391779A (zh) * 2011-09-29 2012-03-28 资阳赛特化工有限公司 金属基材防腐涂料及其制备方法
CN103483970A (zh) * 2013-09-10 2014-01-01 常熟市方塔涂料化工有限公司 环氧多功能底漆及其制备方法

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