JP2001011000A - 1,4−ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフランの製造方法 - Google Patents

1,4−ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフランの製造方法

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JP2001011000A
JP2001011000A JP11181243A JP18124399A JP2001011000A JP 2001011000 A JP2001011000 A JP 2001011000A JP 11181243 A JP11181243 A JP 11181243A JP 18124399 A JP18124399 A JP 18124399A JP 2001011000 A JP2001011000 A JP 2001011000A
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metal
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Yoshinori Hara
善則 原
Haruhiko Kusaka
晴彦 日下
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高転化率かつ高収率で1,4−ブタンジオー
ル及び/又はテトラヒドロフランを製造する方法を提供
する。 【解決手段】 マレイン酸類を原料とし、接触水素化反
応により1,4−ブタンジオール及び/またはテトラヒ
ドロフランを製造するに際し、周期律表の第7〜10族
金属から選ばれた少なくとも1種の金属と、必要に応じ
てSnを、比表面積が10〜700m2/gの範囲にある炭
素質担体に担持してなる触媒の存在下に、液相中で水素
化反応を行うことを特徴とする1,4−ブタンジオール
及び/又はテトラヒドロフランの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マレイン酸類を原
料として、接触水素化反応することにより1,4−ブタ
ンジオール及び/又はテトラヒドロフランを製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,4−ブタンジオールは、主にポリブ
チレンテレフタレートやポリウレタン等のプラスチック
原料として使用されるほか、ピロリジン、アジピン酸等
の製造中間体等として使用されている。また、テトラヒ
ドロフランは、沸点が低く優れた溶解力をもつため溶媒
として使用されるほか、ポリテトラメチレンエーテルグ
リコール、テトラヒドロチオフェン等の原料として使用
されている。従来、無水マレイン酸等の含酸素C4 炭化
水素を水素化する方法は数多く報告されており、最も良
く知られている方法として銅系の触媒を用いる方法があ
る。しかしながら、この方法では、マレイン酸等の有機
カルボン酸を直接還元することができないため、カルボ
ン酸を一旦エステルに転換後還元しなければならず、ま
た、一般に200気圧以上の水素加圧下で反応を行うの
で、エネルギー的にも設備的にも不利な方法である。
【0003】一方、マレイン酸等のカルボン酸を直接還
元できる触媒もいくつか提案されており、例えば、特開
昭63−218636号公報及び米国特許第4,65
9,686号明細書には、活性炭に担持したパラジウム
−レニウム触媒を用いてマレイン酸水溶液からテトラヒ
ドロフラン又はγ−ブチロラクトンを製造する方法が記
載されている。しかしながら、前者に記載の方法では反
応基質濃度が低く、後者の米国特許明細書に記載の方法
では、反応を行う際に150気圧以上の水素圧力が必要
である。また、米国特許第4,827,001号明細書
には、ルテニウム−鉄酸化物を触媒としてマレイン酸を
直接還元する方法が提案されているが、この方法におい
ては、1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン、
γ−ブチロラクトンの選択率が十分でない。
【0004】一方、特開平5−246915号公報に
は、カルボン酸類の水素化反応には、第VIII族の貴金属
を多孔質炭素からなる担体に担持した触媒が高活性で優
れた成績を示すこと、及び、第2金属成分として錫等を
共存させると選択性が向上することが開示されている。
また、特開平7−165644号公報では、RuとPt
及びRhから選ばれた少なくとも1種とSnを活性炭な
どの担体に担持してなる触媒を用いて、無水マレイン酸
類から1,4−ブタンジオール及び/又はテトラヒドロ
フランを製造できることが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
公報に記載されている触媒を用いても水素化反応の活性
は十分なものではなく、工業的な視点ではさらなる活性
の向上が望まれていた。本発明は、従来法よりも反応活
性の高い触媒を提案し、高収率で且つ安定的に1,4−
ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフラン、特には
1,4−ブタンジオールを製造する方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、水素化触媒の
存在下にマレイン酸類を水素化して1,4−ブタンジオ
ール及び/又はテトラヒドロフランを製造するに際し、
周期律表の第7〜10族から選ばれた少なくとも1種の
金属と、必要に応じてSnを、特定の比表面積を有する
炭素質担体に担持してなる触媒を用いることにより、高
転化率で反応が進行し、特に1,4−ブタンジオールを
高収率で製造できることを見出したものである。
【0007】即ち、本発明の要旨は、マレイン酸類を原
料とし、接触水素化反応により1,4−ブタンジオール
及び/またはテトラヒドロフランを製造するに際し、周
期律表の第7〜10族金属から選ばれた少なくとも1種
の金属と、必要に応じてSnを、比表面積が10〜70
0m2/gの範囲にある炭素質担体に担持してなる触媒の存
在下に、液相中で水素化反応を行うことを特徴とする
1,4−ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフラン
の製造方法、に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の方法では、マレイン酸類即ち、無水マレ
イン酸、マレイン酸、マレイン酸のエステル、無水コハ
ク酸、コハク酸、コハク酸のエステル、γ−ブチロラク
トン、又はこれらの混合物を反応の原料とする。本発明
方法では、推定される反応機構及び反応生成物の分析結
果等からみて、(無水)マレイン酸が水素添加されて、
(無水)コハク酸となり、次いで、γ−ブチロラクトン
となり、更に最終生成物として、1,4−ブタンジオー
ル及び/又はテトラヒドロフランを生成するものと推定
される。従って、本発明では、上記の化合物のいずれを
も反応原料として用いることができるし、これらの2種
以上の混合物であってもよい。
【0009】本発明に用いられる水素化触媒は、周期律
表の第7〜10族金属(IUPAC無機化学命名法改訂
版(1989)による)から選ばれた少なくとも1種の
金属と、必要に応じてSnを、比表面積が10〜700
m2/gの範囲にある炭素質担体に担持してなる触媒であ
る。中でも炭素質担体の比表面積が20〜600m2/gの
ものが好ましく、さらには30〜400m2/gもの、さら
には50〜300m2/gのもの、最も好ましくは100〜
250m2/gの範囲にあるものである。
【0010】中でも使用される炭素質担体がグラファイ
ト等の層状構造を有する担体であるのが好ましく、特に
高表面積グラファイト(high surface area graphaite
)と称される担体を使用するのが好ましい。なぜグラ
ファイトがこの反応に特異的に優れた反応成績を示すの
かは今のところ明らかにはなっていないが、その構造上
の特徴によりカルボキシル基、エステル基が触媒活性点
にアクセスしやすくなっているか、担体の電子的な特性
により活性金属に電子的な摂動を与えることにより、よ
り優れた活性点を創出してる、などの可能性があると推
定している。
【0011】本発明の方法、および本発明の触媒では、
上記特徴を有する担体に第7〜10族から選ばれた少な
くとも1種の金属と、必要に応じてSnが担持される。
その場合の第7〜10族から選ばれた少なくとも1種の
金属の(合計の)担持量は、0.01重量%以上で有れ
ば良く、担持量の上限はないが、経済性を考えると30
重量%以下がよい。更に好ましくは、0.1重量%〜2
0重量%、最も好ましくは、0.5重量%〜15重量%
の範囲である。一方、Snを担持する場合、その担持量
は、0.01重量%以上で有れば良く、担持量の上限は
ないが、経済性を考えると30重量%以下がよい。更に
好ましくは、0.1重量%〜20重量%、最も好ましく
は、0.5重量%〜15重量%の範囲である。また、S
nの好ましい担持量は、第7〜10族から選ばれた少な
くとも1種の金属の(合計の)担持量にも依存する。基
本的には第7〜10族から選ばれた少なくとも1種の金
属の(合計の)担持量が増加するほど、Snは多く担持
した方がよい。具体的には、Snは第7〜10族から選
ばれた少なくとも1種の金属の(合計の)担持量に対し
て、0.1〜5重量倍量共存させるのが、生成物の選択
性向上の観点から好ましい。
【0012】また、第7〜10族から選ばれる金属の組
み合わせとして、Ru及びPtを選択した場合、Ptの
量がマレイン酸類を水素化した場合の生成物の選択性に
影響を与える。1,4−ブタンジオ−ルの取得率をより
高めるためには、Pt/Ruの重量比が0.2以上、好
ましくは0.5以上、さらに好ましくは1.0以上であ
ると良い。また、第7〜10族から選ばれる金属として
Reを選定する場合には、Ptと組み合わせて使用する
と、1,4−ブタンジオールの収率が向上するという点
で好ましい。
【0013】これらの金属の担体への担持方法について
は特に限定はされないが、担持する金属の化合物を溶解
可能な溶媒を用いて溶液にした後に上記した炭素質担体
に担持する方法、又は、これらの化合物や金属を気化さ
せて直接蒸着させる方法など、任意の方法を採用するこ
とができる。金属の化合物を溶媒に溶解した溶液を用い
て担持する場合、具体的な担持方法としては、含浸法、
浸漬法、沈殿法、ポアフィリング法等が用いられる。な
お、以下においては、浸漬法により担持する方法を例示
して説明するが、本発明は何らこの方法に限定されるも
のではない。
【0014】浸漬法による調製では、金属化合物を溶液
として炭素質担体に担持した後、乾燥し、必要に応じて
焼成し、次いで還元することにより調製される。担持の
際に、使用される金属の化合物としては、該金属の硝
酸、硫酸、塩酸等の無機酸塩、酢酸等の有機酸塩、水酸
化物、酸化物、又は錯塩、更には、カルボニル錯体や、
アセチルアセトナート塩に代表されるような有機金属化
合物も使用することが可能である。
【0015】担持する金属がRuの場合、使用されるル
テニウム化合物としては、塩化ルテニウム、硝酸ルテニ
ウムニトロシル、酢酸ルテニウム、水酸化ルテニウム、
酸化ルテニウム、ジシクロペンタジエニルルテニウム、
トリルテニウムドデカカルボニル、ルテニウムアセチル
アセトナート等が挙げられる。担持する金属がPtの場
合、使用される白金化合物としては、塩化白金酸、塩化
白金酸ナトリウム、酸化白金、テトラアンミンプラチニ
ウムクロリド、白金アセチルアセトナート等が挙げられ
る。
【0016】担持する金属がRhの場合、使用されるロ
ジウム化合物としては、塩化ロジウム、硝酸ロジウム、
硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、水酸化ロジウム、酸化ロ
ジウム、ヘキサクロロロジウムナトリウム、ヘキサクロ
ロロジウムアンモニウム、クロロペンタアンミンロジウ
ム、クロロヘキサアンミンロジウム、ヘキサシアノロジ
ウムカリウム、トリクロロトリピリジンロジウム、クロ
ロシクロオクタジエニルロジウム、テトラロジウムドデ
カカルボニル、ジカルボニルアセチルアセトナートロジ
ウム等が挙げられる。
【0017】担持する金属がPdの場合、使用されるパ
ラジウム化合物としては、塩化パラジウム、硝酸パラジ
ウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、水酸化パラジ
ウム、酸化パラジウム、パラジウムアセチルアセトナー
ト、テトラアンミンパラジウムクロリド、アリル(シク
ロペンタジエニル)パラジウム、アリル(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)パラジウム、ビス(アリル)パ
ラジウム、等が挙げられる。担持する金属がReの場
合、使用されるレニウム化合物としては、七酸化レニウ
ム、過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウム、塩化レ
ニウム等が挙げられる。
【0018】また、Snを担持する場合の使用されるす
ず化合物としては、塩化すず、アルキルすず(メチル、
エチル、ブチル、フェニルなどアルキル基については制
限はない)、酸化すず、水酸化すず、すずアセチルアセ
トナート、酢酸すず等が挙げられる。金属化合物の溶解
に使用される溶媒には特に制限はなく、基本的にこれら
の金属化合物が溶解する溶媒であればよい。有機溶媒も
これら金属化合物を溶解できる溶媒であれば使用可能で
ある。水系溶媒に溶解可能な化合物を使用する場合に
は、安全上、経済上の観点から有機系溶媒より水溶媒
(酸や、アルカリを含有していても差支えない)を用い
るのがより好ましい。
【0019】触媒成分を浸漬して担持する場合、担持す
べき金属の化合物のすべてを溶解した溶液に担体を浸漬
し、乾燥する共担持でもよいし、各金属ごとに浸漬、乾
燥を繰り返してもよいし、また、これらの金属化合物を
任意に組み合わせて浸漬、乾燥して担持してもよい。ま
た、この際の順序は、特に制限されることはない。更
に、各金属成分の担持に必要な量を一度に担持しても、
数回に分けて担持してもよい。触媒成分の溶液を浸漬担
持した後、乾燥して溶媒を触媒系から除去する。本発明
における乾燥は、乾燥ガスを用いて固定床流通下に加熱
する方法、ガスを流通させずに加熱する方法、減圧下で
乾燥する方法いずれも採用可能である。ガスを流通させ
る場合に使用されるガスの種類は、窒素、酸素、アルゴ
ン、又は、これらガスの混合ガスが使用される。混合ガ
スの場合、その組成比は任意である。ガス流量は、通常
触媒に対して、空間速度(SV)で20(l/l・h
r)以上の範囲で選択される。
【0020】減圧下で乾燥する場合の減圧度は、基本的
には、常圧より低い圧力であれば差支えないが、実用的
な乾燥速度を得るために、好ましくは100torr以
下、更に好ましくは50torr以下が採用される。ま
た、乾燥温度は、基本的には、室温で行っても十分発明
の効果は得られる。しかしながら、乾燥速度を早くする
ために加温して行っても差支えない。採用される温度範
囲は、室温〜300℃、好ましくは50〜200℃の範
囲である。簡便に、エバポレーターを使用して乾燥する
ことも可能である。
【0021】乾燥後、触媒を焼成してもよい。焼成は、
乾燥ガスを用いて、固定床流通下に加熱する方法、又
は、ガスを流通させずに加熱する方法のいずれも採用す
ることができる。ガスを流通させる場合に使用されるガ
スの種類は、窒素、酸素、アルゴン、又は、これらガス
の混合ガスが使用される。混合ガスの場合、その組成比
は任意である。ガス流量は、通常触媒に対して、空間速
度(SV)で20(l/l・hr)以上の範囲で選択さ
れる。焼成温度は通常300〜600℃であり、好まし
くは350〜500℃である。
【0022】こうして乾燥(又は必要に応じて焼成)し
た触媒は、還元して活性化する。還元の方法は、気相還
元、又は、液相還元いずれも採用することができる。液
相還元では、ヒドラジン、ソジウムボロンハイドライド
(NaBH4 )、蟻酸、ホルマリン等通常用いられる還
元剤ならばいずれも使用可能である。気相還元では、還
元性気体として水素、メタノール、又は、これら還元性
気体の混合物が用いられ、必要であれば不活性ガスで希
釈した混合ガスを使用してもよい。その際の還元温度
は、100〜600℃、好ましくは、150〜500℃
の範囲から選ばれる。還元性気体を導入する温度は、室
温から実際に還元に使用する温度の範囲の任意の温度を
採用することができる。
【0023】本発明の触媒を使用したマレイン酸類の水
素化反応は以下のように行うことができる。使用される
触媒の量は、回分反応の場合、マレイン酸類の反応原料
100重量部に対し0.01〜100重量部であること
が望ましいが、反応温度又は反応圧力等の諸条件に応
じ、実用的な反応速度が得られる範囲内で任意に選ぶこ
とができる。
【0024】反応温度は、50℃〜300℃の範囲内、
好適には、80℃〜250℃、更に好適には100℃〜
220℃の範囲内が採用される。反応圧力は、0.1M
Pa〜30MPaの範囲、好適には1MPa〜25MP
aの範囲、さらに好適には5MPa〜15MPaの範囲
が採用される。反応は、回分式、連続式いずれの方法で
も行うことができる。また、触媒の状態としては、固定
床式、流動床式、懸濁槽式等、任意の方式を採用するこ
とができる。また反応は、無溶媒で行ってもよいし、必
要に応じて、反応に悪影響を与えない種類の溶媒を使用
してもよい。
【0025】使用できる溶媒としては、特に制限されな
いが、具体的には、水;メタノール、エタノール、オク
タノール、ドデカノール等のアルコール類;テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、テトラエチレングリコールジメ
チルエーテル等のエーテル類;その他、ヘキサン、シク
ロヘキサン、デカリン等の炭化水素類が挙げられる。特
に、マレイン酸類を、テトラヒドロフラン、γ−ブチロ
ラクトン、及び水から選ばれる少なくとも1種の溶媒に
溶解すると、マレイン酸類の溶解度が高く、供給が行な
い易くなり好ましい。また、その中でも水を使用すると
反応成績が良く好ましい。また、プロセス的には、1、
4ーブタンジオールと同等もしくは高い沸点を持つ溶媒
を使用すると、蒸留の負荷が軽くなり好ましい。溶媒を
使用する場合、基質の濃度は反応又は供給時の温度にお
ける飽和濃度以下であれば任意の濃度を選択できるが、
生産性を考えると15重量%以上が好ましい。マレイン
酸類の初期濃度は通常は約20〜60重量%程度である
と好適である。
【0026】水素化工程は、上記構成を満たす限りにお
いて各々の反応工程を複数の反応器で構成した多段階に
分割して行っても良い。なお、本発明による方法で製造
した1,4−ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフ
ランは、蒸留等の公知の方法により分離精製される。ま
た、この分離精製後に残る未反応原料又は反応中間体と
してのγ−ブチロラクトン等は、反応原料として再使用
することができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。な
お、以下において特に記載のないかぎり、「%」は「重
量%」を示す。
【0028】実施例1 <触媒の調製>HSAG300(TIMCAL社製高表
面積グラファイト:TIMREX HSAG300:比
表面積=280m2/g )30gを50%硝酸150mlに入
れ、90℃で3時間加熱処理を行った。処理終了後、濾
過し、脱塩水で洗浄後、90℃で減圧乾燥した。塩化ル
テニウム(NEケムキャット社製:RuCl3 ・xH2O)0.
263g、塩化白金酸(キシダ化学社製:H2PtCl6 ・6H
2O)0.290g、塩化すず(キシダ化学社製:SnCl2
・2H2O)0.159gを脱塩水に溶解し、この溶液に上
記のようにHNO3処理したHSAG300、1.45gを
加え、含浸した。この後、エバポレーターにより水分を
除去、乾固させた。これを水素ガス流通下450℃で2
時間気相還元し、6.0%Ru-6.5%Pt-5.0%Sn/HSAG300触媒を
得た。
【0029】<無水マレイン酸の水素化反応>容量70
mlのオートクレーブに、無水マレイン酸1.0g、溶
媒として水9.0gを入れ、更に上記の手順でで調製し
た触媒0.2gを仕込み、水素を10MPa導入した。
その後、200℃に加熱した電気炉で加熱、並びに撹拌
子で攪拌しつつ3時間反応を行った。反応終了後、反応
生成物をガスクロマトグラフィで分析したところ、アル
カリ滴定で定量した酸の変換率は100モル%であり、
対無水マレイン酸収率としてTHFが16.6モル%、
γ−ブチロラクトン(GBL)が0.8モル%、1,4
−ブタンジオール(1,4−BG)が82.6モル%で
得られた。
【0030】実施例2 担体としてHSAG100(TIMCAL社製高表面積
グラファイト:TIMREX HSAG100:比表面
積=130m2/g )を使用した以外、実施例1と同様の方法
で触媒を調製し反応を行った。結果を表−1に示す。
【0031】比較例1 担体として活性炭CX−2(三菱化学社製:比表面積=
1200m2 /g)を使用した以外、実施例1と同様の
方法で触媒を調製し反応を行った。結果を表−1に示
す。 比較例2 担体として低表面積グラファイトKM−35A(巴工業
社製:比表面積=8.0m2 /g)を使用した以外、実
施例1と同様の方法で触媒を調製し反応を行った。結果
を表−1に示す。
【0032】実施例3 金属の担持量を6.0%Ru-5.0%Pt-5.0%Snとした以外は実施
例1と同様の方法で触媒を調製し反応を行った。結果を
表−1に示す。 実施例4 金属の担持量を6.0%Ru-3.0%Pt-5.0%Snとした以外は実施
例1と同様の方法で触媒を調製し反応を行った。結果を
表−1に示す。 実施例5 反応溶媒に2−エチルヘキサノールを用いた以外は、実
施例2と同様の方法で触媒を調製し反応を行った。結果
を表−1に示す。
【0033】比較例3 担体として活性炭CX−2(三菱化学社製)を使用した
以外、実施例5と同様の方法で触媒を調製し反応を行っ
た。結果を表−1に示す。
【0034】実施例6 反応溶媒にテトラエチレングリコールジメチルエーテル
を用いた以外は、実施例2と同様の方法で触媒を調製し
反応を行った。結果を表−1に示す。
【0035】比較例4 担体として活性炭CX−2(三菱化学社製)を使用した
以外、実施例6と同様の方法で触媒を調製し反応を行っ
た。結果を表−1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例7 <触媒の調製>酸化レニウム(Re2 7 :キシダ化学
社製)195mg、硝酸パラジウム硝酸溶液(Pd(N
O)3 :NEケムキャット社製9.98Pdwt%溶
液)752mgを脱塩水3gに溶解し、この溶液にHS
AG100、4.78gを加え、含浸した。この後、エ
バポレーターにより水分を除去、乾固させた。これを焼
成管に入れ、始めArを流通させながら300℃まで昇
温し、この温度で流通ガスをH2 に切り替え、さらに水
素ガス流通下に400℃で2時間気相還元し、3.0R
e%−1.5%Pd/HSAG100触媒を得た。
【0038】<無水マレイン酸の水素化反応>実施例1
と同様の手法で無水マレイン酸の水素化反応を実施し
た。結果を表−2に示す。
【0039】比較例5 担体として活性炭CX−2(三菱化学社製)を使用した
以外、実施例7と同様の方法で触媒を調製し反応を行っ
た。結果を表−2に示す。
【0040】実施例8 <触媒の調製>酸化レニウム(Re2 7 :キシダ化学
社製)195mg、塩化白金酸(H2PtCl6 :キシ
ダ化学社製)199mgを脱塩水3gに溶解し、この溶
液にHSAG100、4.78gを加え、含浸した。こ
の後、エバポレーターにより水分を除去、乾固させた。
これを焼成管に入れ、始めArを流通させながら300
℃まで昇温し、この温度で流通ガスをH2 に切り替え、
さらに水素ガス流通下に400℃で2時間気相還元し、
3.0%Re−1.5%Pt/HSAG100触媒を得
た。
【0041】<無水マレイン酸の水素化反応>実施例1
と同様の手法で無水マレイン酸の水素化反応を実施し
た。結果を表−2に示す。
【0042】比較例6 担体として活性炭CX−2(三菱化学社製)を使用した
以外、実施例8と同様の方法で触媒を調製し反応を行っ
た。結果を表−2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の方法によれば、無水マレイン
酸、マレイン酸、無水コハク酸、コハク酸、γ−ブチロ
ラクトン又はこれらの混合物等を原料とし、接触水素化
反応により比較的温和な反応条件下で、1,4−ブタン
ジオール及び/又はテトラヒドロフランを長期に亘り安
定して高収率で製造することができ、特に、1,4−ブ
タンジオールを高収率で製造できるためその工業的利用
価値は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 31/20 C07D 307/08 C07D 307/08 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/64 104Z Fターム(参考) 4C037 BA02 BA07 BA08 4G069 AA03 BC22A BC22B BC70A BC70B BC72A BC72B BC75A BC75B CB02 CB67 CB70 EC01X EC01Y EC02X EC02Y EC03X EC03Y EC04X EC04Y 4H006 AA02 AC41 BA11 BA23 BA24 BA26 BA55 BA56 BC14 BE20 FE11 FG28 4H039 CA42 CA60 CB40 CH50

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイン酸類を原料とし、接触水素化反
    応により1,4−ブタンジオール及び/またはテトラヒ
    ドロフランを製造するに際し、周期律表の第7〜10族
    金属から選ばれた少なくとも1種の金属と、必要に応じ
    てSnを、比表面積が10〜700m2/gの範囲にある炭
    素質担体に担持してなる触媒の存在下に、液相中で水素
    化反応を行うことを特徴とする1,4−ブタンジオール
    及び/又はテトラヒドロフランの製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素質担体が、層状構造を有する事を特
    徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 炭素質担体が、グラファイトである事を
    特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 担持する金属が、Ru、Pt及びRhか
    ら選ばれた少なくとも1種とSnであることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 担持される金属が、Ru、Pt及びSn
    である事を特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 周期律表の第7〜10族から選ばれた少
    なくとも1種の金属と、必要に応じてSnを、比表面積
    が10〜700m2/gの範囲にある炭素質担体に担持して
    なる触媒。
  7. 【請求項7】 担持する金属が、Ru、Pt及びRhか
    ら選ばれた少なくとも1種とSnであることを特徴とす
    る請求項6に記載の触媒。
  8. 【請求項8】 担持する金属が、Ru、Pt及びSnで
    あることを特徴とする請求項7に記載の触媒。
  9. 【請求項9】 使用する炭素質担体が、グラファイトで
    ある請求項6〜8のいずれかに記載の触媒。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103044365A (zh) * 2011-10-17 2013-04-17 中国石油化工股份有限公司 一种四氢呋喃的生产方法
JP2013527835A (ja) * 2010-04-07 2013-07-04 ロディア オペレーションズ ラクトンの製造方法
JP2016088867A (ja) * 2014-10-31 2016-05-23 三菱化学株式会社 テトラヒドロフランの精製方法

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