JP2001009771A - ロボット用動力伝達機構 - Google Patents

ロボット用動力伝達機構

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JP2001009771A
JP2001009771A JP11187448A JP18744899A JP2001009771A JP 2001009771 A JP2001009771 A JP 2001009771A JP 11187448 A JP11187448 A JP 11187448A JP 18744899 A JP18744899 A JP 18744899A JP 2001009771 A JP2001009771 A JP 2001009771A
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pulley
tension
arm
timing belt
belt
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Koichi Honke
浩一 本家
Mitsuyoshi Obata
光義 小幡
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品コストやメンテナンスの負担の増大を殆
ど生じさせることなく、高い位置決め精度および動作速
度でもってアームを作動させる。 【解決手段】 駆動プーリと従動プーリとを接続するタ
イミングベルトに対してテンション機構10を押し付け
て張力を付与することによって、駆動プーリの回転駆動
力をタイミングベルトを介して従動プーリに伝達し、従
動プーリに連結されたアームを回動させる。テンション
機構10は、タイミングベルトに当接されるテンション
プーリ11と、テンションプーリ11に付与された振動
エネルギーを吸収するように、粘性と弾性との性質を粘
性部材15および弾性部材16により併せ持ちながらテ
ンションプーリ11を支持する粘弾性支持機構13およ
び固定台14とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動プーリの回転
駆動力をベルトを介して従動プーリに伝達してアームを
回動させるロボット用動力伝達機構に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えばクリーンルーム内で半導体ウエハ
を搬送する産業用ロボットは、通常、特開平2−885
50号公報や特開平2−83182号公報等に開示され
ているように、タイミングベルトを備えた動力伝達機構
によりロボットアームをベルト駆動で作動させることに
より半導体ウエハを直線移送する。また、このようなベ
ルト駆動の動力伝達機構は、重量を軽減化したり、モー
タや減速機等の部品の配置上の制約に対応するため、一
般的な産業用ロボットに採用されることも多い。
【0003】従来、上記の動力伝達機構は、第1アーム
の固定端側の駆動モータにより第1アームの自由端側の
第2アームを作動させるように構成されたスカラー型ロ
ボットの場合、第1アームの固定端側および自由端側に
それぞれ設けられた駆動プーリと従動プーリとをタイミ
ングベルトを介して接続する(図2(a)・(b)参
照)。そして、図10に示すように、固定台53に剛接
合された回転支持台51によりテンションプーリ52を
回転自在に支持した構成のテンション機構54を準備
し、このテンション機構54を駆動プーリおよび従動プ
ーリ間におけるタイミングベルトの側方に配置する。こ
の後、テンションプーリ52によりタイミングベルトを
押圧し、タイミングベルトに所望の張力を付与すること
によって、駆動プーリと従動プーリとをタイミングベル
トを介して強固に接続して駆動力を確実に伝達させるよ
うになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、タイミングベルトが非常に柔軟であるた
め、第1アームに対して第2アームを高速で動作させた
ときに、その加減速時の慣性力によって、タイミングベ
ルトが弾性変形して第2アームに大きな振動が発生す
る。この際、タイミングベルトの減衰特性は、非常に小
さなものである。従って、大きな振動が発生すると、こ
の振動が所定値以下に収束して整定するまでに長時間を
要するため、結果として位置決め精度や動作速度が低下
するという問題がある。
【0005】そこで、特開平5−337853号公報に
は、アームの連結部に旋回角を検出する位置センサを設
けると共に、駆動モータに角速度センサを設けることに
よって、タイミングベルトの弾性変形の影響を受けずに
正確な位置制御および安定した速度制御を行う方法が提
案されている。ところが、この場合には、位置センサお
よび角速度センサが比較的に高価であると共に精密部品
であるため、部品コストやメンテナンスの負担が極めて
大きなものになり易いという問題がある。
【0006】従って、本発明は、部品コストやメンテナ
ンスの負担の増大を殆ど生じさせることなく、高い位置
決め精度および動作速度でもってアームを作動させるこ
とができるロボット用動力伝達機構を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、駆動プーリと従動プーリとを接
続するベルトに対してテンション機構を押し付けて張力
を付与することによって、前記駆動プーリの回転駆動力
をベルトを介して従動プーリに伝達し、該従動プーリに
連結されたアームを回動させるロボット用動力伝達機構
において、前記テンション機構は、前記ベルトに当接さ
れるテンションプーリと、前記テンションプーリに付与
された振動エネルギーを吸収するように粘性と弾性との
性質を併せ持ちながら、該テンションプーリを支持する
粘弾性支持体とを有することを特徴としている。
【0008】上記の構成によれば、駆動プーリから従動
プーリに回転駆動力をベルトを介して伝達してアームを
回動させる際に、ベルトの柔軟性と加減速時のアームの
慣性力とによって、ベルトが弾性変形して振動する。こ
のベルトの振動は、ベルトに当接されたテンションプー
リに伝達され、続いて粘弾性支持体に伝達される。この
際、粘弾性支持体は、テンションプーリに付与された振
動エネルギーを吸収するように粘性と弾性との性質を併
せ持っている。従って、急激な加減速によりアームの慣
性力が大きなものとなってベルトに大きな振動が生じる
事態になった場合でも、この振動が粘弾性支持体により
短時間で急減に減衰されるため、アームの動作に大きな
振動が含まれることはない。これにより、アームを最小
限の振動で高速に作動させることができるため、産業用
ロボットの位置決め精度や動作速度を向上させることが
できる。
【0009】さらに、粘弾性支持体は、粘性と弾性との
性質を併せ持った材料や部材により単純な機構で形成す
ることができる。従って、従来のように位置センサや角
速度センサ等の比較的に高価な精密部品を用いて振動を
低減する構成の場合よりも、部品コストやメンテナンス
の負担を低減することができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載のロボッ
ト用動力伝達機構であって、前記テンションプーリの質
量と前記粘弾性支持体のバネ定数とから決まる固有振動
数が、前記アームの慣性モーメントと前記ベルトのバネ
定数とから決まる固有振動数に対して等しくなるように
設定されていることを特徴としている。上記の構成によ
れば、粘弾性支持体による振動エネルギーの吸収効率を
極めて高いものにすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図9に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係るロ
ボット用動力伝達機構は、例えば図2(a)・(b)に
示すように、スカラー型ロボットに採用されている。
尚、他の形式のロボットに適用することもできる。上記
のロボットは、モータや減速機等の第1アーム用駆動機
構1を収容した基台2と、基台2の上面に固定部が位置
するように配置され、この固定部を第1アーム用駆動機
構1により水平方向に回動可能に支持された第1アーム
3と、第1アーム3の固定部側の上面に設けられた第2
アーム用駆動機構4と、第1アーム3の固定部側に内蔵
され、第2アーム用駆動機構4により回転駆動される駆
動プーリ5と、第1アーム3の自由端側に回転自在に内
蔵された従動プーリ6と、従動プーリ6の回転中心に回
転軸7を介して連結された第2アーム8とを有してい
る。
【0012】上記の駆動プーリ5および従動プーリ6
は、ロボット用動力伝達機構の一部を構成している。ロ
ボット用動力伝達機構は、従動プーリ6および駆動プー
リ5を接続したタイミングベルト9と、タイミングベル
ト9を内側方向に押し付けることによりタイミングベル
ト9に対して所望の張力を付与するテンション機構10
とを有している。
【0013】上記のテンション機構10は、図1に示す
ように、テンションプーリ11と、テンションプーリ1
1の中心部を回転自在に支持した回転支持台12と、図
2(a)の第1アーム3内の任意の位置に取り付けられ
る固定台14と、回転支持台12と固定台14とを連結
し、回転支持台12に生じた振動を減衰させる粘弾性支
持機構13とを有している。粘弾性支持機構13は、回
転支持台12の下面中心部を支持した円柱形状の粘性部
材15と、回転支持台12の下面両端部を支持した一対
の弾性部材16・16とを有している。
【0014】上記の粘性部材15は、振動エネルギーを
吸収するように、エポキシ系樹脂(ヤング率108 〜1
9 Pa,損失係数0.5〜1.0)やシリコンゲル
(ヤング率106 〜107 Pa,損失係数1.0以上)
等の粘性樹脂からなっている。これらの粘性樹脂は、動
力伝達機構が適正に作動する温度範囲(0〜40°C)
において、ヤング率108 〜109 Pa等の物性値を有
している。そして、これらの樹脂のうち、耐久性の点に
おいてはシリコンゲルの粘性樹脂、総合的にも、シリコ
ンゲルの粘性樹脂が好ましい。尚、粘性部材15は、上
記の各樹脂を組み合わせたものであっても良い。
【0015】また、弾性部材16は、スプリングバネか
らなっており、粘性部材15における振動エネルギーの
吸収効率を高める機能を有している。尚、弾性部材16
は、粘性部材15における振動エネルギーの吸収効率を
最大にすることができるように、テンションプーリ11
の質量と弾性部材16のバネ定数から決まる固有振動数
が、第2アーム8の慣性モーメントとタイミングベルト
9のバネ定数から決まる固有振動数に対して等しくなる
ように設定されていることが望ましい。
【0016】上記の構成において、ロボット用動力伝達
機構の動作について説明する。図2(a)・(b)に示
すように、第2アーム用駆動機構4により駆動プーリ5
が回転駆動されると、粘弾性支持機構13により張力を
付与されたタイミングベルト9が駆動プーリ5と従動プ
ーリ6とを強固に接続しているため、駆動プーリ5の回
転に従って従動プーリ6が回転する。そして、従動プー
リ6の中心部(回転中心)に設けられた回転軸7を介し
て第2アーム8が回動を開始し、第2アーム用駆動機構
4により駆動プーリ5が停止されたときに回動を停止す
る。
【0017】上記の第2アーム8が回動してから停止す
るまでの期間、タイミングベルト9が非常に柔軟な材質
からなっているため、第2アームの加減速時の慣性力に
よりタイミングベルト9が弾性変形して振動する。この
際、タイミングベルト9を押し付けて所定の張力を付与
しているテンション機構10は、図1に示すように、タ
イミングベルト9に当接するテンションプーリ11を粘
弾性支持機構13により支持しており、この粘弾性支持
機構13は、粘性と弾性との性質を併せ持つことにより
振動エネルギーを吸収するように作用する。従って、タ
イミングベルト9が振動すると、この振動によりテンシ
ョンプーリ11が押し付け方向に振動することによっ
て、振動エネルギーが回転支持台12を介して粘弾性支
持機構13に伝達されて吸収される。尚、粘弾性支持機
構13が振動エネルギーを吸収することは、後述の運動
方程式に基づいて数値シミュレーションを行った結果か
らも明らかである。
【0018】即ち、駆動プーリ5および従動プーリ6に
張設されたタイミングベルト9と、タイミングベルト9
に張力を付与するテンション機構10との関係は、図3
(a)・(b)の模式図で等価的に示すことができる。
ここで、タイミングベルト9の単位長さ当たりのバネ定
数をKb、第2アーム8(ロボットアーム)の慣性モー
メントをJ、テンションプーリ11の質量をm、弾性部
材16のバネ定数をKt、粘性部材15の粘性係数をC
t、第2アーム8の回動時に有する摩擦等による等価粘
性係数をCaとする。また、駆動プーリ5と従動プーリ
6との中心間距離を2L、従動プーリ6の半径をr、テ
ンションプーリ11の無張力状態からの変位をx、第2
アーム8の回転角をθとし、固定台14をxだけ変位さ
せることにより図3(a)の状態から図3(b)の状態
となってタイミングベルト9に張力が生じたものとす
る。
【0019】このとき、系に生じる歪みエネルギーは、
【数1】 となり、運動エネルギーは、
【数2】 となり、散逸関数は、
【数3】 となる。
【0020】第2アーム8に作用するモーメント外力を
Mとすると、Lagrangeの方程式より運動方程式
は、
【数4】
【数5】 となる。
【0021】ここで、上式の各項は、
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】 である。
【0022】これらを代入すると、運動方程式は、次式
で求まる。
【数10】
【数11】
【0023】また、静的釣合い位置(x0 ,θ0 )は、
運動方程式において、▲x**▼=▲x * ▼=0、▲θ**
▼=▲θ* ▼=0、M=0とすることにより得られる非
線形連立方程式を解くことにより得られる。ここで、『
* 』は、時間で微分することを示す。
【0024】振動問題を扱う場合、通常、静的釣合い位
置まわりの微小変位を考えれば良いので、x=x0 +Δ
xおよびθ=θ0 +Δθとし、運動方程式に代入し、x
0 >>Δxとして線形化すると、
【数12】
【数13】 となり、平衡点まわりの線形化された運動法定式が得ら
れる。
【0025】次に、上記の運動方程式を用いて、テンシ
ョンプーリ11を固定した場合の第2アーム8の共振曲
線を数値シミュレーションしたところ、図4に示すよう
に、減衰性が非常に小さいことを示す鋭い共振ピークが
確認された。これに対し、テンションプーリ11を粘弾
性支持し、バネ定数と粘性係数を最適に調整した場合の
第2アーム8の共振曲線を数値シミュレーションしたと
ころ、図5に示すように、テンションプーリ11を固定
支持した場合よりも明らかに優れた制振性を示す低い共
振ピークが確認された。
【0026】また、上記の各場合におけるステップ応答
時の数値シミュレーションを行ったところ、テンション
プーリ11を固定した場合には、図6に示すように、小
さな減衰率で減衰しながら振幅する振動状態が確認され
たのに対し、テンションプーリ11を粘弾性支持した場
合には、図7に示すように、大きな減衰率で振幅しなが
ら減衰する振動状態が確認された。
【0027】上記の運動方程式を用いた数値シミュレー
ションの結果からも明らかなように、図2(a)・
(b)に示すように、第2アーム8が回動してから停止
するまでの期間、タイミングベルト9が大きく振動した
場合でも、この振動がテンション機構10により短時間
で十分に吸収される。従って、第2アーム8がテンショ
ンプーリ11の振動の影響を受けて振動した場合でも、
この第2アーム8の振動は、短時間かつ小さなものにな
る。これにより、第2アーム8を高速で回動させても、
第2アーム8に殆ど振動が発生しないため、結果として
産業用ロボットの位置決め精度や動作速度を向上させる
ことができる。
【0028】以上のように、本実施形態のロボット用動
力伝達機構は、駆動プーリ5と従動プーリ6とを接続す
るタイミングベルト9に対してテンション機構10を押
し付けて張力を付与することによって、駆動プーリ5の
回転駆動力をタイミングベルト9を介して従動プーリ6
に確実に伝達し、従動プーリ6に連結された第2アーム
8を回動させるものであり、テンション機構10が、タ
イミングベルト9に当接されるテンションプーリ11
と、テンションプーリ11に付与された振動エネルギー
を吸収するように粘性と弾性との性質を併せ持ちながら
テンションプーリ11を支持する粘弾性支持体(粘弾性
支持機構13、固定台14)とを有した構成にされてい
る。
【0029】上記の構成によれば、駆動プーリ5から従
動プーリ6に回転駆動力をタイミングベルト9を介して
伝達して第2アーム8を回動させる際に、タイミングベ
ルト9の柔軟性と加減速時の第2アーム8の慣性力とに
よって、タイミングベルト9が弾性変形して振動する。
このタイミングベルト9の振動は、タイミングベルト9
に当接されたテンションプーリ11に伝達され、続いて
粘弾性支持体である粘弾性支持機構13に伝達される。
この際、粘弾性支持機構13は、テンションプーリ11
に付与された振動エネルギーを吸収するように粘性と弾
性との性質を併せ持っている。従って、急激な加減速に
より第2アーム8の慣性力が大きなものとなってタイミ
ングベルト9に大きな振動が生じる事態になった場合で
も、この振動が粘弾性支持機構13により短時間で急減
に減衰されるため、第2アーム8の動作に大きな振動が
含まれることはない。これにより、第2アーム8を最小
限の振動で高速に作動させることができるため、産業用
ロボットの位置決め精度や動作速度を向上させることが
できる。
【0030】さらに、粘弾性支持機構13は、粘性と弾
性との性質を併せ持った材料や部材により単純な機構で
形成することができる。具体的には、図1に示すよう
に、粘性樹脂からなる粘性部材15とスプリングバネか
らなる弾性部材16とで粘弾性支持機構13を形成する
ことができる。従って、従来のように位置センサや角速
度センサ等の比較的に高価な精密部品を用いて振動を低
減する構成の場合よりも、部品コストやメンテナンスの
負担を低減することができる。
【0031】尚、本実施形態においては、粘性部材15
が粘性樹脂により形成されているが、これに限定される
ものではなく、図8に示すように、オイルダンパー等の
シリンダ内に粘性流体を有する機械式のダッシュポット
により粘性部材15が形成されていても良い。そして、
この場合には、シリンダ径等の変更により容易に振動エ
ネルギーの吸収量を変更することができる。
【0032】さらに、本実施形態においては、粘弾性支
持機構13が粘性部材15と弾性部材16との2種類の
部材により形成されているが、これに限定されるもので
もない。即ち、粘弾性支持機構13は、図9に示すよう
に、適切な減衰定数と弾性係数とを併せ持つ粘性弾性樹
脂部材17により形成されていても良く、この場合に
は、図1や図8の弾性部材16が不要になるため、弾性
部材16に要する部品コストや組み立てコストを削減す
ることができる。尚、このような粘性弾性樹脂部材17
には、ゴムやエポキシ系樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0033】
【発明の効果】請求項1の発明は、駆動プーリと従動プ
ーリとを接続するベルトに対してテンション機構を押し
付けて張力を付与することによって、前記駆動プーリの
回転駆動力をベルトを介して従動プーリに伝達し、該従
動プーリに連結されたアームを回動させるロボット用動
力伝達機構において、前記テンション機構は、前記ベル
トに当接されるテンションプーリと、前記テンションプ
ーリに付与された振動エネルギーを吸収するように粘性
と弾性との性質を併せ持ちながら、該テンションプーリ
を支持する粘弾性支持体とを有した構成にされている。
【0034】上記の構成によれば、急激な加減速により
アームの慣性力が大きなものとなってベルトに大きな振
動が生じる事態になった場合でも、この振動が粘弾性支
持体により短時間で急減に減衰されるため、アームの動
作に大きな振動が含まれることはない。これにより、ア
ームを最小限の振動で高速に作動させることができるた
め、産業用ロボットの位置決め精度や動作速度を向上さ
せることができる。さらに、粘弾性支持体を単純な機構
で形成することができるため、従来のように位置センサ
や角速度センサ等の比較的に高価な精密部品を用いて振
動を低減する構成の場合よりも、部品コストやメンテナ
ンスの負担を低減することができるという効果を奏す
る。
【0035】請求項2の発明は、請求項1記載のロボッ
ト用動力伝達機構であって、前記テンションプーリの質
量と前記粘弾性支持体のバネ定数とから決まる固有振動
数が、前記アームの慣性モーメントと前記ベルトのバネ
定数とから決まる固有振動数に対して等しくなるように
設定されている構成である。上記の構成によれば、粘弾
性支持体による振動エネルギーの吸収効率を極めて高い
ものにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】テンション機構の正面図である。
【図2】ロボット用動力伝達機構の概略構成を示すもの
であり、(a)は平面視した図、(b)は正面視した図
である。
【図3】ロボット用動力伝達機構の動作状態を示すもの
であり、(a)は変位前の状態を示す説明図、(b)は
変位後の状態を示す説明図である。
【図4】テンションプーリを固定支持したときの振幅と
周波数との関係を示すグラフである。
【図5】テンションプーリを粘弾性支持したときの振幅
と周波数との関係を示すグラフである。
【図6】テンションプーリを固定支持したときの振幅と
時間との関係を示すグラフである。
【図7】テンションプーリを粘弾性支持したときの振幅
と時間との関係を示すグラフである。
【図8】テンション機構の正面図である。
【図9】テンション機構の正面図である。
【図10】従来のロボット用動力伝達機構におけるテン
ション機構の構成を示すものであり、(a)は正面図、
(b)は側面図、(c)は平面図である。
【符号の説明】
1 第1アーム用駆動機構 2 基台 3 第1アーム 4 第2アーム用駆動機構 5 駆動プーリ 6 従動プーリ 7 回転軸 8 第2アーム 9 タイミングベルト 10 テンション機構 11 テンションプーリ 12 回転支持台 13 粘弾性支持機構 14 固定台 15 粘性部材 16 弾性部材 17 粘性弾性樹脂部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動プーリと従動プーリとを接続するベ
    ルトに対してテンション機構を押し付けて張力を付与す
    ることによって、前記駆動プーリの回転駆動力をベルト
    を介して従動プーリに伝達し、該従動プーリに連結され
    たアームを回動させるロボット用動力伝達機構におい
    て、 前記テンション機構は、 前記ベルトに当接されるテンションプーリと、 前記テンションプーリに付与された振動エネルギーを吸
    収するように粘性と弾性との性質を併せ持ちながら、該
    テンションプーリを支持する粘弾性支持体とを有するこ
    とを特徴とするロボット用動力伝達機構。
  2. 【請求項2】 前記テンションプーリの質量と前記粘弾
    性支持体のバネ定数とから決まる固有振動数が、前記ア
    ームの慣性モーメントと前記ベルトのバネ定数とから決
    まる固有振動数に対して等しくなるように設定されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のロボット用動力伝達
    機構。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014121754A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Honda Motor Co Ltd リンク機構の制御装置
JP2014121761A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Honda Motor Co Ltd リンク機構

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JP2014121754A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Honda Motor Co Ltd リンク機構の制御装置
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