JP2000516878A - プラスチックラミネート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ２またはそれ以上のプラスチック層を有し、それらのうち少なくとも１層がヒドロオキシブチレート／ヒドロオキシバリレート共重合体（HB／HV）などのポリヒドロオキシアルカノエートであるプラスチックラミネート。ポリヒドロオキシアルカノエート層（２）の次に、それに被着されて生分解性ポリエステルアミドまたは生分解性デンプン誘導体の層（３）がある。

Description

【発明の詳細な説明】 プラスチックラミネート 本発明は請求の範囲第１項の前段に記載のプラスチックラミネートに関する。 プラスチックラミネートは特に包装産業の需要に応じて製造されている。特に 食材用包装容器には、１層が物質の移動に対する良好なバリヤ性を有し、他の１ 層が異なる層同士の粘着を防止する層として働き、第３の層がヒートシーリング に適した表面特性あるいはそれと接触する食材との両立性などを有する、２層ま たはそれ以上のプラスチック層を持ったラミネートが必要とされる。さらに重ね あわせのプラスチック層を所要の材料強度を備えたセルロースベースの基層上に 置くことができ、この基層は紙あるいは板紙、たとえば印刷に適した外表面特性 を有する紙であり、耐油性紙または液体包装用板紙、折畳み式板紙または袋用紙 とすることができる。 ゴミ問題が増大するにつれて、包装材料の生分解性が重要な課題になっている 。しかし、生分解性プラスチックの問題は、それらが、強度や特定の性質が要求 される包装材料として使用する上でしばしば不適当であるということである。従 来、主としてポリヒドロオキシアルカノエートをベースとする各種の多層構造が 開発されている。たとえば、欧州特許出願第603876号公報（Buck Werke GmbH & Co）は、酸素バリヤとして働くポリビニルアルコールの層を中心層とし、中心層 の両側に水蒸気バリヤとして働くポリヒドロオキシブチレートおよび／もしくは ポリヒドロオキシバリレートまたはそれらの共重合体（HB／HV）の層を有する生 分解性包装材料を提供する。この３層構造はさらにその両側が、たとえば含水食 材と接触する内面ではセルロース誘導体、外面では紙というように、セルロース 誘導体または紙によってコートされている。ポリヒドロオキシアルカノエート（ ポリヒドロオキシブチレート、ポリヒドロオキシバリレートまたはHB／HV共重合 体）層を耐水性が貧弱なポリビニルアルコール層の両側に設ける目的は、この酸 素バリヤ層が水によって損傷されることを防ぐことである。他の出願でも類似 の組成が同様に提案されている。 両立性プラスチックを含む生分解性のラミネート構造はほとんどなく、またそ の工業的生産は生分解性プラスチックの貧弱な強度とプロセス上の難点によって しばしば損なわれている。 本発明の目的は利用可能な代替物の数を増やすことである。本目的のため、本 発明は主として請求の範囲第１項の特徴段の記載事項を特徴とする。 生分解性ポリエステルアミドまたはデンプン誘導体はポリヒドロオキシアルカ ノエートの１層または数層と良好な両立性があることが現在認められている。プ ラスチックラミネート中のポリエステルアミドは、たとえば様々なポリヒドロオ キシアルカノエート層を接続する中間層として、またはヒートシール可能な表面 層として利用可能である。サーモプラスチックの諸特性を備えたデンプン誘導体 は同様な目的に利用可能であり、さらに繊維質の基層と他のプラスチック層との 間の接着プラスチックとして利用可能である。 使用された組成においては、ポリヒドロオキシアルカノエートが良好なバリヤ 性を備え、ポリエステルアミドまたはデンプン誘導体を支持プラスチックとして 使用することが可能であり、これらは押し出し成形時に良好な走行性を持ってい る。 問題の組成はそれ自体で、または好ましくはセルロースベースの基層上で使用 することができる。この基層は紙、耐油脂性紙または板紙とすることができる。 また、ラミネートがたとえば板紙や紙の層である数校のセルロースベースの層を 有することも可能である。 生分解性ポリエステルアミドは、性質がポリオレフィンと類似しプラスチック 製造技術によってたとえば薄いフィルムに成形するなど溶融状態で働くことがで きる、一種のサーモプラスチックタイプのポリエステルアミドとみなされる。こ れは連続するエステルおよびアミドのセグメントを有するいわゆる統計的構造ポ リエステルアミドである。典型例としては、たとえばエステルのセグメントがア ジピン酸と２−ブタノールとにより形成された連鎖から成り、アミドのセグメン トがアミノカプロン酸により形成された連鎖から成っているポリエステルアミド がある。連鎖は相互にエステルおよびアミド結合によって接続されている。エス テル連鎖の重量比は30〜70％とすることができ、これに対応するアミド連鎖の重 量比は70〜30％とすることができる。材料の融点は100℃以上であり、したがっ て材料は100℃〜200℃の温度範囲での溶融作業に適している。ポリオレフィンと 同様に作業可能なこのポリエステルアミドは、特に欧州特許出願第641817号公報 （Bayer AG）中に記載されている。 生分解性デンプン誘導体も類似の溶融作業性を有する。一例として、「COHPOL 」の商品名でPrimalco Oyが販売している押出し用コート材をあげることができ る。生分解性デンプン誘導体はデンプンのポリマー鎖のグルコースユニットをエ ステル化することにより製造され、このようなデンプンエステルおよびその応用 について、特に国際公開WO94/22919号公報、欧州特許出願第638609号公報および 米国特許第5,498,706号に記載されている。 以下、本発明を添付図面を参照して詳細に説明する。 第１図は本発明に係るラミネート構造の一実施例を示し、 第２図は本発明に係るラミネート構造の他の実施例を示し、 第３図は本発明に係るラミネート構造の第３の実施例を示す。 本文中のプラスチックラミネート構造は相互に直接接続された異種のプラスチ ックの集積層またはフィルムを有するすべての構造をいう。ラミネートはいかな るプラスチック生産技術を用いても製造可能であるが、単一層の厚さが一般的に 100μｍ以下で多くの場合２〜60μｍである共通押出し成形が好ましい。 共通押出し成形では、異なった材料が溶融状態でそれぞれのノズルから幅広の フィルムとなって並行して送出され、上下に重ねられて紙または板紙などの基層 上へと導かれる。 第１図は生分解性セルロースをベースとする基層（１）を有するプラスチック ラミネートを示しており、この基層により製品に備えられる強度と基本重量は紙 または板紙に対する公知の限度値内で変更が可能である。基層（１）上には下記 の各層がラミネートされており、これらは基層（１）から数えて：ポリヒドロオ キシアルカノエート層（２）（たとえばポリヒドロオキシブチレート、PHB、ま たはヒドロオキシブチレート／ヒドロオキシバリレート共重合体HB／HV）、ポリ エステルアミド層（３）そして最後に外面層を形成するポリヒドロオキシアルカ ノエート層（４）である。第１図に示す製品は食材包装用の可撓性包装容器の材 料を成形することができ、この場合ポリヒドロオキシアルカノエート層（４）が 食材と接触する。板紙をベースとする材料は、食材用の各種の包装容器、缶また は飲料用コップに適するよう成形して用いることもできる。 最外層のポリヒドロオキシアルカノエート層（４）はポリエステルアミド層（ ３）を最外層として残すことで省略することもできる。このタイプの材料はたと えばゴミ袋用の原材料として使用可能である。 第２図は上記の各層１〜４を有する他の実施例を示す。ポリヒドロオキシアル カノエート層（４）上にさらにポリエステルアミド層（５）および最外層のポリ ヒドロオキシアルカノエート層（６）がある。食材包装用としての利用可能性は 第１図に関して述べたことと同一である。２枚の層が余分にあることにより特に バリヤ性が改善される。３枚のポリヒドロオキシアルカノエート層を２校のポリ エステルアミド層を介して相互に接続することにより、各ポリヒドロオキシアル カノエート層に存在してバリヤ性を損なうことがある顕微鏡的な穴が同一位置に 落ち込むことがない。ポリヒドロオキシアルカノエート層（２）はまた繊維質の 基層（１）と外側のプラスチック層との間の接着層として働く。 ポリヒドロオキシアルカノエート、特にHB／HV共重合体が外表面（層４または 層６）を形成する場合は、ラミネート材は外層の良好な耐水性により液体包装容 器としても好適である。 生分解性デンプン誘導体をポリエステルアミド層と同じ位置に使用することが できる。すなわち、第１図および第２図において参照番号３および５が付けられ た各層の材料とすることができる。第３図はポリヒドロオキシアルカノエートを 有する同じラミネート中でデンプン誘導体を使用する好適な方法を示す。この場 合、デンプン誘導体は繊維質の基層（１）と他のプラスチック層との間に置かれ 、ポリヒドロオキシアルカノエート層（２）を基層に接着するための接着層（７ ）として働く。ポリヒドロオキシアルカノエート層（２）および（４）の間にも デンプン誘導体の層（３）が存在する。 PHBまたはHB／HVに代わるポリヒドロオキシアルカノエートとして他のポリヒ ドロオキシアルカノエート、たとえば国際公開WO95/20621号公報に記載されてい るヒドロオキシブチレート／ヒドロオキシヘキサノエート共重合体を使用するこ とも可能である。 基層（１）は、たとえば出願人の先行国際特許出願PCT/FI96/00184号に記載さ れている耐油脂性紙とすることもできる。耐油脂性紙は油脂および芳香に対して 良好な非透過性を有し、さらにその上部にある生分解性プラスチックの各層がそ の酸素非透過性を著しく増大させる。いわゆるリンデン非透過性で表した耐油脂 性紙の非透過性（油脂非透過性）のレベルは30〜600ｓ、好ましくは100〜600ｓ とすることができる。 以下に、実験で認められたポリエステルアミドの加工諸特性について報告する 。 押出しコーティング工程で、BAK1095の商品名でBayer AGが販売しているポリ エステルアミドが粗表面と重量70g/ｍ²とを有する紙上にラミネートされた。押 出し速度40〜200m/minにおいて重量２g/ｍ²以上のコーティングが安定に行われ た。押出しノズル領域の温度は190℃であった。コーティングはこれ以外の機械 的諸特性も良好であることを示した。さらに基本重量２〜４g/ｍ²のコーティン グは温度160〜170℃において良好なヒートシーリング特性を持つことが認められ た。重量8.3g/ｍ²のコーティングが温度140℃において対応する他のコーティン グ層にヒートシール可能であった。したがってポリエステルアミドをラミネート の最外層として使用すれば、各種の袋製造に際して利用可能なヒートシール性表 面が得られる。 ポリエステルアミドは押出し成形および包装用途において重要な下記の諸特性 ：全体として良好な走行性、良好な引下ろし性、適度のネックイン（引張り固さ ）、良好な耐折曲げ性、ピンホール耐性および油脂耐性、およびポリヒドロオキ シアルカノエートに対する適度の接着性、を特徴とすることができる。 一方、デンプン誘導体は下記の諸特性：全体として良好な走行性、良好な引下 ろし性、比較的小さなネックイン（引張り固さ）、紙等のセルロースベースの基 層に対する良好な接着性、およびポリヒドロオキシアルカノエートに対する適度 の接着性、を特徴とすることができる。さらにデンプン誘導体は100〜200℃の温 度において溶融作業が容易である。 上記で用いた用語プラスチックは、基本ポリマーだけでなく、基本ポリマーが 、その特性を改善する、生分解性プラスチックに関連して既に知られている添加 剤、特にプラスチサイザと混合されている材料をもいうと理解すべきである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．２またはそれ以上のプラスチック層を有し、それらのうち少なくとも１層は ヒドロオキシブチレート／ヒドロオキシバリレート共重合体（HB／HV）などのポ リヒドロオキシアルカノエートであるプラスチックラミネートにおいて、前記ポ リヒドロオキシアルカノエート層（２）の次に、該層に被着されて生分解性ポリ エステルアミドまたは生分解性デンプン誘導体の層（３）があることを特徴とす るプラスチックラミネート。 ２．請求の範囲第１項記載のプラスチックラミネートにおいて、該ラミネートは ２層のポリヒドロオキシアルカノエート層（２、４）を含み、該２層の間に生分 解性ポリエステルアミドまたは生分解性デンプン誘導体の層（３）があることを 特徴とするプラスチックラミネート。 ３．請求の範囲第１項または第２項に記載のプラスチックラミネートにおいて、 前記プラスチック層は自然に分解するセルロースベースの基層（１）上に置かれ ていることを特徴とするプラスチックラミネート。 ４．請求の範囲第３項に記載のプラスチックラミネートにおいて、前記基層（１ ）とポリヒドロオキシアルカノエート層（２）との間に接着層として生分解性デ ンプン誘導体の層（７）があることを特徴とするプラスチックラミネート。 ５．請求の範囲第１項ないし第４項の１つに記載のプラスチックラミネートにお いて、前記ポリヒドロオキシアルカノエート層（４、６）はプラスチックラミネ ートの外面を形成することを特徴とするプラスチックラミネート。 ６．請求の範囲第１項ないし第５項の１つに記載のプラスチックラミネートにお いて、前記プラスチック層は溶融プラスチック材料の共通押出し成形によって上 下に重ね合わせてラミネートされていることを特徴とするプラスチックラミネー ト。